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2005年11月30日
How to cook ? 目玉焼き
卵料理を頼むとどのように料理するか聞かれる。玉子焼き、目玉焼き、ゆで卵、ポーチドエッグ、オムレツなどなど。同じ卵料理でも各人各様好みは様々である。目玉焼きだけでも各人うんちくがある。
銀髪は目玉焼きは白身だけ固まればよく、黄身は限りなくトロトロがいいと思う。
黄身が流れ出さない程度に固まった状態が、或いは引っ繰り返して両面焼くサニーサイドアップがいいと言う人もいる。
黄身が固めならナイフで切ってフォークで食べやすい。
森田芳光監督、松田優作主演の映画「家族ゲーム」の中で伊丹十三が目玉焼きを食べるシーンがある。彼は目玉焼きのトロトロの黄身をズルズルと食べるのが好きだ。随分昔に見たので記憶は定かでないが、うまく黄身がトロトロに料理されてなくて怒っていた場面があった。食事風景は人の性格を瞬時に表す有効な手段だ。
こんなシーンを今でも覚えているのは、銀髪も黄身トロトロの目玉焼きが好きなことが一つ。しかし食べ方が彼と違うのが二つ目の理由だ。
伊丹十三は食通で知られていた。映画「たんぽぽ」の中で中身トロトロのオムレツを乗せた通称タンポポオムライスを披露した。彼はトロトロの卵料理が好きだったのだろうか。日本橋「たいめいけん」の名物料理になっているのでいつか紹介したい。
香港マンダリンホテルでの朝食。

黄身に白く幕を張るように表面の白身も火が通ってないと嫌な人もいるが、上の写真の目玉焼きが完璧な銀髪好み。すかさず塩と胡椒をかける。パンは希望通り白い食パンのトースト。
ちょっと恥ずかしい食べ方なのだが、バターを塗った食パンをちぎって、トロトロの黄身をつけて食べるのが好きだ。最後は少し黄身が固まった部分と白身の部分を食パンに乗せてパックンする。至福のときだ。
目玉焼きとご飯ならやはり醤油がいい。
ハムエッグならウスターソースかな?
オムレツにはケチャップが定番だが目玉焼きにはあり得ないか。
料理とも言えないような目玉焼きだが、なかなか侮れない。卵を割るとき黄身が壊れると悲しくなってしまう。フライパンに張り付いて皿に移すときに黄身が割れることだってある。
サニーサイドアップなら黄身が壊れていても良さそうだが、文句を言う人がいる。失敗作を出すなということらしい。
どの家庭でも必ず出てくる料理だけに誰もが自分なりのこだわりを持っている。
鳥インフルエンザ以降、卵は高くなった。それでも昔に比べればまだまだ安い。主役として、脇役として大活躍の卵だが、昔は高級品で気軽に食べるものではなかったようだ。
以前「死ぬ前に目玉焼きを食べたいと思った」と言った人の話を紹介した。
http://codawari.info/ginpatsu/archives/2005/10/post_17.html
さてどんな目玉焼きだったのだろう。それをどのように食べるのを夢見たのだろうか。聞き損なった。
聞いていたらきっと話はもっと盛り上がったはずだ。残念!
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2005年11月29日
バイキング
誰が名づけたのかバイキング。ビュッフェなど本来の名称が浸透してきたものの、まだまだバイキングの名称も捨てがたい。でも一番ポピュラーな呼び方は食べ放題かな。
食べ盛りの子供を抱える家族が選ぶ外食は今も昔も食べ放題。
バイキングの思い出は家族で第一ホテルに行ったとき。銀髪は小学生だったが兄達に負けずに食った食った。種類が多いので少しずつ取ってもお腹一杯になる。それでも目は、脳は満足していない。何度も何度も席を立って物色する。
元を取らなきゃ損とばかり次々と食べまくる。
父親は刺身など決まったものしか食べない。酒を飲みながら「これが本当のバイキングの食べ方だ」とのたまう。父の言葉を銀髪が理解したのは、それからかなり経ってからだった。

今回一緒に行った友人が大好きなのもバイキング。食わず嫌いの彼はメニューを見てイメージできない料理は頼まない。バイキングは見ればすぐどんなものか分かる。
バイキングは老若男女すべての人が楽しめる仕掛けになっている。
好き嫌いが多い人もバイキングならハッピーだ。
食道楽だった銀髪の父親と、好き嫌いが激しい彼。どちらも食べ方は似ている。彼はどんなに種類が豊富でも、好きなものしか手を出さない。
先日、その友人がもっとも好きな香港のシャングリラホテルのバイキングに行った。寿司、刺身など日本料理。タンドーリ、カレーなどのインド料理、ステーキなどの西洋料理、そしてもちろん中華料理、それに各種デザート、フルーツと盛りだくさんだ。
銀髪は亡き父に倣い、多品種を少しずつとって気に入るものを探す。見つけたらそれをおかわりしては酒を飲む。何度も来ているシャングリラだから概ね見当はついている。最初から北京ダックを目玉に決める。それから数種類、既にイメージは出来上がっている。

しかし、このシャングリラに限らず日本のホテルの高級なバイキングでも、レストランで単品で頼んだ料理の味には遠く及ばない。作って時間が経つとそれなりの味になってしまう。神戸第一楼の北京ダックとは比較にならない。料理がたくさん並んではいても、意外と食べたいものは少ない。
目の前で自分のために料理を作ってくれるコーナーがあると嬉しい。朝食バイキングでオムレツを作ってもらうとやはり美味しい。
シャングリラでは友人が大好きなラーメンを目の前で作ってくれる。自分の好みに合わせて調理してもらったココナツミルクベースの激辛タイ風ラーメンを、テーブルに運んでくる。
この日彼が食べたのはこれだけ。随分と高くつくラーメンだ。
連れて来た女・子供、友人などが何度も食べ物を取りに行き「もう食えない!」と腹をさする。それを見ながら自分は好きなものだけを少し食べて微笑む。みんなの満足した顔が最高のご馳走だ。
こんな食べ方が出来る人が本当のバイキングの達人かもしれない。
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2005年11月28日
ファーストクラスの機内食 [日本航空]
8ヶ月振りの香港出張。ビジネスクラスで行くはずが、空港でチェックインするとファーストクラスにアップグレードしてくれた。ラッキー! そんな訳でに機内食のご紹介。
まずシャンパンのサービス。

次に食前酒。ドライシェリー、マティーニ、カンパリなどがあるが、直ぐに白ワイン(仏ブルゴーニュ地方のワイン)に進む。おつまみはドライ納豆。

料理は洋食と和食の2種類から選ぶ。今日は和食にした。前菜は少しずつ一皿に盛られてくる。

左から才巻海老芋寿司、松茸土佐煮、柚子釜盛り(上)烏賊黄身焼き(下)、カマス小袖寿司(上)博多昆布(下)。
椀物は鱧葛打ち。

土瓶蒸の中身のような椀物。
次はメインかな。

メニューは会席風に順番に出てくると思わせるが、お盆にまとめて出てきた。
上が左から香の物、煮物(百合根饅頭銀餡かけ)、小鉢(マテ茶風味そば)、酢の物(鶏笹見ポン酢卸し)、下が向付(鯛松皮造り、烏賊イクラ添え)、台の物(カサゴの黄身焼き)。
これに御飯と味噌汁が付くが、銀髪は別の白ワイン(仏アルザス地方のワイン)を頼む。
この後水菓子、和菓子、果物が出るとのことだが、いつものようにパス。従って写真はない。
もうお腹一杯だし、呑みすぎたと思っているところに、ブランディー(レミーマルタンXO)がワゴンに乗って横を過ぎていく。毎日のようにブランディーを飲んでいるので、これをやり過ごそうと思った。ところがフライトアテンダントと目が合ってしまった。つい手を上げてしまう。
「赤ワインを少しもらえませんか?」 まったく意地汚くて自分が情けない。仏ボルドー地方の重めのワインが来たらもう止まらない。洋食メニューの中にチーズが載っていたのを思い出して盛り合わせを頼む。


香港線のファーストクラスとビジネスクラスの往復運賃差額は約15万円。片道換算約7万5千円の差額はもちろん料理の違いだけではない。
ファーストクラスの良さはトラブルが起こったときに痛感させられる。今回も大失態を演じてしまったが、その話しはこだわりの新しいブログ(編集後記)が始まったらそちらでご紹介しましょう。
料理は和食、洋食のコース以外にお茶漬け、チキンカレー、うなぎ時雨ごはん、きつねうどん、ラーメン(鹿児島産黒豚チャーシュー入り、しょうゆまたはみそ味)なども選べる。
前の席の人はチキンカレーと味噌ラーメンを食べていた。
ファーストクラス慣れしてて、ちょっと嫌味だよね。銀髪はもう食えない。欲しいけど‥
帰りはファーストクラスがない飛行機で、いつものようにビジネスクラスの食事。ワイン、酒はファーストクラスと同じとまでは言えないが、充分満足できる。帰りの便は飛行時間が短いためほどほどに飲む。
料理は一度にまとめてトレイに乗ってきた。
料理だけでなくグラスや器、トレーもファーストクラスとは違っている。

評価はご自由に。
「こだわり」上質時間
http://codawari.info/lifestyle/index.php
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2005年11月27日
上海蟹 ② 中文産業
持つべきものはいい友だ。美味しいものを送ってくれる友は特別いい友だ。
上海蟹のことは10月5日にも書いた。http://codawari.info/ginpatsu/archives/2005/10/post_14.html
シーズン初めにしては上等な上海蟹で、さすがは銀座アスターと思わせたが、早々と上海蟹フェアは打ち切られてしまった。そのとき食べたのはメス。シーズン後半からオスが美味くなる。
次に食べるのは香港出張のときと決めていたが、その機会はなかなか訪れない。日本で食べるしかないかと思っていたところに、幸運が飛び込んできた。
7年来の中国人の友人が会社に来た。仕事の話が終わって雑談になったところで、「銀髪さん、上海蟹、食べますか?」と来た。実は去年も堪能させてもらったのだが、即答すると送ってくれと催促するようなものだから、ちょっと躊躇した。
彼も心得たもので、間髪置かず「送らせますよ。週末でいいですか?」と言ってくれた。
待ちかねた週末。やってきました上海蟹。

でかい。600mlの黒酢の瓶としょうがと一緒に送られてきた。瓶と比べてみると蟹の大きさが分かる。上の小さめのがメス、下がオス。
さてこれを甲羅を下にして15分~20分間蒸す。
このサイズをレストランで食べるとかなり高い。家族で行くと数万円になる。活き蟹を蒸すだけだから家でも簡単に調理できる。軍手をして、熱いうちに写真のように解体する。他の蟹と同様にガニ(両足の近くに付いている白いビラビラしたもの)だけは取り除く。胴は写真のように縦に割り、足をはずしてさらに甲羅と平行に2つに割ると身を出しやすい。
蒸し上がった上海蟹。

メス(写真右)は卵をたくさん抱えている。オス(写真左)はたっぷりのみそを抱えている。
まずメスを食べる。しっかりした卵。続いてオスを食べる。濃厚なみその味。口の中にまとわりつくようなさらに濃厚な半透明の部分。これは白子なのだろうか?このねっとり感がたまらない。オスの方が美味いと言われる所以である。
二人の娘が「お父さん、オスの方が美味しいね!」と言う。「偉い!お前らもなかなか通だね」と感心する。
蟹は体を冷やすと言われるため黒酢に千切り生姜を入れて、これに身をつけて食べる。紹興酒を飲みながら食べると更に美味い。
上海蟹はこれだけのサイズでも身を取り出すのは面倒くさい。そこそこ食べたら、玉子焼きや雑炊、炒飯などにすると以外と濃厚な味で楽しめる。レストランでは上海蟹の小龍包が人気だ。
冷めた身をそのまま食べるより、他の料理の具材として温めた方が美味いかもしれない。
イヤー、堪能した。もう香港に行って食べる必要はない。
やっぱり持つべきものは中国人の友達だ!
上海蟹は中文産業から送ってもらった。中文産業は日本で8万部の中国語新聞を発行する他に、中国の食材等の通信販売を行っている。上海蟹を家で食べようと思ったら下記に電話したらいい。極上の上海蟹が手に入る。
中文産業
電話03-5740-0200 (受付8am~12pm)
FAX 03-5434-7325 (受付24時間)
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2005年11月26日
[お多幸](茅場町) 関東風おでんの老舗チェーン
「こだわり」の社長SとスタッフのKを連れて食事に行くことにした。Sが食事制限中だが豆腐料理なら外食も可と言う。ちょっと寒くなったしそれならおでんがいい。近くの茅場町お多幸に行った。
銀髪は大根、卵、厚揚げ。Sは大根、はんぺん、しらたき、こんにゃく。Kはこんにゃく、豆腐、わかめ、練り物を頼む。
第2ラウンドで食べたのはジャガイモ、がんもなど。Sに遠慮したわけではないが、練り物は結局食べず終い。昔は練り物中心に食べていたが、歳を取ったのか、味がわかるようになったのか。嗜好は随分変わってしまった。

おでんの王様は大根ではないだろうか。お多幸の大根は醤油が染み込んで黒い。お多幸は日本橋のお多幸本店、新橋のお多幸、それとこの茅場町店や新宿店など数店を擁する大正12年創業の銀座お多幸など数系統があるが、どれも濃い醤油色。これが関東風正統派のおでんだ。
Sが「関東煮(かんとだき)ですね!」と言うが、東京では関東煮とは呼ばない。関西でのおでんの呼称だ。ところが関西風は薄味のだしで関東風とまったく違う。うどんもそうだが、関西人は濃い醤油味を好まないようだ。関東煮であって、関東の味ではない。不思議だ。
銀髪はどちらも好きだ。薄味の大根も美味い。
おでんは家で食べても楽しい。家では関東風と関西風の中間位の感じか。市販のおでんの素の影響だ。ちょっと淋しい。昔は各家庭の味があったはずだが、インスタントだしのおかげでどの家も同じ味のおでんを食べているに違いない。
おでん種を各種、人数分だけ入れると、食べ盛りのときは誰がどれを食べたか言い合いになった。食べているときは真剣だったが、今となればいい思い出だ。
たまに作るとついついかつてのように大量に作ってしまう。ちょっとずつでも様々な種類の練り物が水分を含んで鍋に入りきらないぐらいに膨れ上がる。今はみんな食が細くなり、翌日になっても食べきれず困るようになってしまった。
おでんの語源は田楽。室町時代にできた田楽が江戸時代に醤油で煮込んだおでんとなった。これを屋台で買って食べていたそうだ。江戸時代から庶民の食べ物だ。
銀髪も小学生のときによくおやつに屋台でおでんを買って食べていた。「でん、でん」とふざけて呼んでいたが、貼り紙に関東煮と書いてあった気がする。東京なのに。関西風の味付けだったのだろうか。
昼間おでんを売っていた屋台が消えて久しい。コンビニでおでんが登場したときには、?と違和感があったが、屋台がコンビニに代わっただけかもしれない。おでんは香港・台湾・中国のコンビニでも人気商品だ。
そう言えば、漫画のおそ松君。串に刺さったおでんを立ち食いしていた。刺さっていた△○□は何だったのかな?
今回行ったお多幸
http://www.otako.co.jp/
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2005年11月25日
[新三浦] (築地) 本場博多の水炊き
鍋が美味い季節になってきた。我が家でも寒くなると週末は手軽に鍋料理になってしまう。
いろんな鍋料理があるが、我が家で絶対ないのが水炊き。ぶつ切り鶏肉の鍋は嫌だと言う。
確かに最近の鶏肉(ブロイラー)は脂っぽく、臭いがあり、煮ると身はパサパサとなる。部下のFは博多出身のくせに皮のブツブツが気持ち悪いなんて情けないことを言う。
5年程前、博多に出張したとき、天神の「新三浦」に連れて行ってもらった。地下の暗い店であまり期待しなかったが、ちょっとしたカルチャーショック。想像していた水炊とはかなり違う。
湯のみのような器にスープを注ぐ。これに塩、胡椒とねぎを加えて飲む。これが最高なのだ。
例えて言えば上等な鶏がら+鶏肉のスープ。極上のラーメン・スープだ。
新三浦の築地店に行った。ここは数年前に長兄に連れて行ってもらったことがある。
スープが目当てだけどコース料理は、そこに到達するまでの手順がある。
つくねよし! サラダよし! から揚げよし! みんな美味いよ、板さん!
焼き鳥つくね

みんな満足したから、さあ早くスープよ出て来い!出て来い!
やって来ました。お待ちかねの白濁スープ。湯のみに塩、胡椒と博多ねぎを入れて、スープを注ぐ。
美味い。これを何杯もおかわりをする。やっぱり美味い。
鍋にスープを継ぎ足してもらう。熱くなるのが待ち遠しい。熱くなったら仲居さんがいない。
仲居さんが戻ってくるのを待てず、自分でスープを注ぐ。
はてさて何杯飲んだことやら。

最後は雑炊。麺を入れてラーメン風にと思ったが、仲居さんの奨めるままに雑炊。
老いては仲居さんに従え? 意外といけた。
スープと雑炊だけで満足なのに、個室は8,500円以上のコースを頼まないと使えない。
料理を味わうだけなら新三浦銀座店のテーブル席でも充分と思う。
プライベートでは銀座店、接待では築地店と使い分けようか。
新三浦の水炊き。鶏肉嫌いの人にも試して欲しい。
博多育ちの銀髪にとっては、水炊きの復権を祈りたい!
「新三浦」東京築地店
東京都中央区築地1-8-1 電話 03-3541-0811
(タクシーなら築地警察署前と言えばすぐわかる。)
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2005年11月24日
マヨネーズ
マヨラーのみならず、みんなが大好きマヨネーズ。今日はマヨネーズの話。
お好み焼きにマヨネーズをかけるのを見て驚いたのは25年前。この前テレビを見ていたらタレントがラーメンに入れていた。何でもありだ。眉をひそめてしまったが、よく考えてみると、昔は自分でも似たようなことをやっていた。
子供のときはそれなりに好き嫌いがあった。しかし両親は食べ残しを絶対に許してくれない。嫌いだったのは茄子、ピーマン、大根おろし。これを救ってくれたのがマヨネーズだった。マヨネーズにウスターソースや醤油を混ぜると魔法のソースが出来上がる。素材本来の味は薄れ、容易にのどを通過させることが出来た。マヨネーズの力は偉大だった。
父親が自家製マヨネーズを作っていた記憶がある。あれはなぜ自分で作っていたのだろう。マヨネーズが普及していなかったのか、市販のマヨネーズが切れていたのか、グルメ気取りで作っていたのかよく覚えていない。攪拌器(シェーカー?)などないから一仕事だった。上手に出来たような、出来なかったような、よく覚えていない。
父親は外国生まれ、外国育ちだけに昔の人間にしてはよく料理を手伝っていた。
みんなが大好きマヨネーズ。世界中どこでも同じ味かと思ったらこれが違って驚いたのはオーストラリアに赴任したときのこと。日本製のマヨネーズはもちろん日本からの輸入品だから高い。地元のスーパーにもマヨネーズは売られているし地元製だけに安いためこれを買った。ところが慣れ親しんだ日本のマヨネーズとは違った味で馴染めない。
まず甘い。砂糖が入っているのだ。外国でケーキを食べると甘過ぎて閉口するが、「マヨネーズにまで砂糖を入れるなよ!」と思ってしまう。
酢や油も種類や品質が違うはずだ。世界最大の酢メーカーはオーストラリア資本だったと思うが、日本の酢とは微妙に違う。油だって無味無臭のわけではないので、使う油によって出来が異なる。
諦めればいいものを、日本のマヨネーズに似たものを探した。飽くなき探究心か、生活費を節約するためか、必死に探した末にとうとう見つけてしまった。
S&Wというのが一番近い。それから約7年間お世話になった。
日本に戻ってきた。スーパーで安売りのマヨネーズを買った。

家族は味が違うと文句を言う。A社のマヨネーズだった。我儘な奴等だと憤懣やるかたないものの、裏返して原料を見ると糖分が入っている。A社のマヨネーズは日本製にもかかわらず糖分が入っているのだ。
家族の味覚をあなどってはいけなかった。
家族が好きなQ社のマヨネーズの原料を見たら、糖分は入っていない。卵黄、油、酢だけで作っている。ところが同社の別のマヨネーズ(ハーフなど)には糖分が入っている。甘いマヨネーズが好きな日本人が増えたのだろうか。
上の写真を見ていただきたい。Q社のほぼ独占状態。ただし、伝統商品は下段に押しやられている。これも営業戦略だろう。
Q社の伝統的なマヨネーズは糖分が入っていないため、どんな料理でも対応できるのかもしれない。いやいや他社のマヨネーズもQ社製と同様に万能調味料かもしれない。まぁ各人好みの問題だから。
しかし、日本でマヨネーズが万能調味料になったのは器のおかげのようにも思う。S&Wも含めて外国製は瓶詰めマヨネーズだから、チューブ製に慣れてしまうと結構使い勝手が悪い。
これはケチャップでも同様だ。
チューブ入りを発明したのは多分日本のメーカーなのだろう。その知恵と努力に感謝、感謝。
でも素材の旨みを消さないように上手に使いたいものですね。
もう子供じゃないんだから…
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2005年11月23日
[祥茶ん](博多) 博多に来たら生さば、胡麻さば
今年博多に来たのは10回目。生簀のある大きな店もいいが、「何か違う料理屋でいいところはないか?」と頼んで連れて行ってもらったのが祥茶ん。入って左のカウンターには各種家庭料理が大皿で並べられている。
クラブが密集するビルの裏手にあるせいか、そのカウンターに同伴と思われるカップルが座っている。銀座きくと同様にクラブの女性たちには家庭料理も人気のようだ。
彼女たちは晩御飯を自炊するわけではなく、一人暮らしも多いだろうから家庭料理が時には食べたいと思うのだろう。高級なお店ばかりおねだりするわけではない。
メニューには居酒屋プライスが並ぶ。そう言えばきくではメニューを見なかった。やっぱり博多中洲祥茶んの方が庶民的だ。
メニューを見て一番に目に付いたのがさばの刺身、胡麻さば。福岡は銀髪が小学校6年まで住んでいたところ。生のさばを胡麻と醤油で和えた胡麻さばは大好物だった。
さばの刺身と胡麻さば


小学6年生の頃、父親の転勤で東京に引っ越した。一緒について来たお婆ちゃんがいつものように胡麻さばを作ってくれた。大好物を食べ終わったところでのん兵衛の父親を除く家族全員の顔がみるみる膨らんでいった。ジンマシンである。父は酒で消毒できたのか助かった。
普通、食あたりをすると嫌いになるものだが、銀髪にとって胡麻さばは東京で食べられないため憧れの料理になった。いわし、さんまも以前は刺身で食べられる魚ではなかったが、流通・保存技術の発達により東京のスーパーでも刺身用を買えるようになった。それでもさばは未だに東京では生で食さない。唯一関さばが刺身用に売られているが馬鹿馬鹿しいほど高い。
築地で浪花のさばが刺身用で売られていたことがある。一匹300円。鮮度が良ければどこのさばでも生で食べることができるようだが、いわしやさんまより痛みやすいのが難点。
おばあちゃんが作ってくれた胡麻さばは醤油に粒のままの胡麻を入れただけの簡単なものだったが、この店の胡麻さばは流石に品がある。それでも懐かしい味を思い出させてくれた。
馬刺し、鯨刺しなど九州の郷土料理も多々あるが、お店の自慢は有機野菜。野菜料理がお奨め。
最後にご飯物は何があるかと尋ねると、卵かけご飯が一番のお勧めだと言う。

卵は糸島産、米は有機栽培の古賀産と地元のものにこだわる。醤油をかけず昆布だけで食べても美味い。こだわりサイトの大人手帳で卵かけご飯を特集したが、これを看板メニューにしている店があるとは面白かった。
懐かしいお袋の味を家では味わえなくなってしまった。望んでも年老いた母は料理を作る意欲を失いつつある。そもそも母親が逝ってしまった人も多いだろう。
家庭料理を外で食べる。祥茶んの料理に舌鼓を打ちながら、ちょっと妙な気分の銀髪だった。
有機野菜で作る家庭料理の店
祥茶ん
福岡県中央区中洲2-7-10
092-271-3636
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2005年11月22日
[きく](銀座) 銀座でアジフライとお袋の味
日が暮れると家庭の主婦よろしく晩飯を何にするか悩んでしまう。寿司、天婦羅、中華、どれも食指が動かない。「アジフライはどうですか?」とYの声。 「オウ!それ、乗った!」
会社を出る前にインターネットで「きく」を検索した。銀座の女性たちに同伴やアフターで人気の店らしい。気軽にアジフライ定食とはいかないようだ。近くの日本橋食堂なら小鉢数品加えても1,000円でお釣りが来るのに、銀座までアジフライを食べに行くあほらしさ。
銀座日航ホテルの裏通り、上を見上げながら歩くと目指す店「きく」の看板を見つける。急な階段を上がって店に入ると直ぐ目の前にカウンター、左手奥と右側にテーブル席がある。狭い店内にたくさんの客。案内されたカウンターに詰め合わせて座る。
同伴客ばかりと思いきや、サラリーマン風のグループが何組も居て一安心。
こんな店の一等席はやはりカウンターだ。目の前には大皿にお惣菜が並んでいる。
「今日のお勧めは?」と大将に聞くと困った顔。「全部と言わないでね」と言うと苦笑い。
新鮮な刺身、その他散々説明してもらったあげく、取りあえず大皿の料理を一通り頼む。それなら聞くなよ!と怒られそうなので思案してるとYがキンキの一夜干しを頼む。

キンキを頼むなんてYもなかなか通だね。北海道産のやや小振りのキンキを店内で干したもので、大将は「銀座干しです」と微笑む。「骨まで食べることが出来ますよ。硬かったら骨だけもう一度焼きますから言ってください」と親切だ。
頭から背骨までバリバリと食べた。なかなか楽しい。再度焼くことなく皿は空になった。
Yが「白子も頼んでいいですか?」と言う。「白子って何だ?」と聞くと「白子はこんな形の‥」と手振りを交えて説明しようとする。不満気な銀髪の表情を読み取って大将はすかさず「今はタラの白子です。ふぐはもう少し寒くなってからですね。」とフォローしてくれる。そう、それが聞きたかった。Yご希望の白子を頼む。
さてぼちぼちメインに行きますか。今日の鯵はかなり小振り。従ってまず一人2枚ずつ揚げてもらう。

揚げ立てのアジフライが目の前に。すかさずソースをかけようとするYを制して「まず、このまま食べてみようじゃないか」と銀髪。
食べてみると味がついているのが分かる。
大将に尋ねると、あじはさばいて塩を振り、しばらく置いておくとのこと。身はしまり、青ざかな特有の臭みも消えるのだろうか。これは家でもやってみる価値がある。
さらに2枚ずつ追加。
生ビールがグラスに2杯、熱燗3合、ポテトサラダ、おにぎり1個に白味噌仕立てのシジミの味噌汁を加えて二人で21,500円。
大将と語らえた楽しいカウンター席の値段も加えて、満足の値段はまぁこんなもんかな。
きく
中央区銀座8-4-4 山田ビル2F
Tel:03-3574-7237
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2005年11月21日
お弁当
我々の世代は小学校入学したときは既に給食だった。従って、お弁当を作ってもらえる日は特別な日になる。遠足、運動会などなど。お弁当は当然母親が工夫を凝らして作ってくれたものだ。
中学・高校は弁当だった。食べ盛りだった。毎日とんかつを入れてもらった。毎日同じものでちょっと味気ないが、母親の愛情が減ったわけではない。好きなものを食べ続けたい一心で我侭を言った。
早弁もなつかしい。そんなにお腹が空いていたのだろうか。ファンションみたいなものだったのか。みんながやるから自分もやる。
大学、社会人になってお弁当には縁がなくなった。彼女が作ってくれた? あまり記憶がない。 子供が小さいときピクニックに弁当を持って行った。女房が作った? もちろん。でもおかずは銀髪の担当。子供が弁当を食べて喜んでいるのを見る楽しみは作った人の特権。
駅弁。旅行に行くとき、出張に行く時、駅弁を食べるのが楽しみだった。
最近の出張は大事な勝負日。だからゲンを担いでカツ弁。駅弁の風情はない。

弁当は非日常の象徴。
弁当は特別なもの、楽しいものだった‥ 筈なのに。
バブルがはじけて、給料が下がった。昼食代を抑えなければならない。瞬く間に弁当屋が増え、急成長した。ほっかほか亭(㈱ハークスレイ)は2001年には株式上場も果たした。
今ではコンビニの主力商品は弁当だ。
悔しいことにこれが良くできている。おにぎりなんか家で作るより美味い。種類も豊富だ。
自炊をする独身者も減ってきた。持ち帰りのお惣菜屋も増えた。上場企業も多い。
料理は楽しいけれど、一人で食べても寂しすぎるか。
お年寄りも昼の集まりのときだけでなく、夜も弁当を買う人が増えてきたそうだ。食が細いお年寄りにとって、多品目作ると材料が余ってしまう。弁当のほうが簡単で、経済的だ。
再びミニバブルの様相を呈してきた。個人投資家が株式市場に殺到している。バブル崩壊が生んだお弁当業界だが、弁当の時代も終焉を迎えるのか?
茅場町に立派な店構えの弁当屋を見て驚いた。

高額の弁当を売るバブル弁当屋が現れるかもしれない。それとも、弁当を止めてレストランでランチをする人が増えるのだろうか。
可愛い彼女が作った愛情弁当を食べたいなー。馬鹿言うな?
それが無理なら愛娘が作った弁当が食べれたらナー。無茶言うな?
それが無理なら‥ それが無理なら‥
投稿者 銀髪 : 固定リンク
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2005年11月19日
[サバティーニ](銀座) ちょっと気取ってイタリアン
「サバティーニに行きませんか?」部下のKに誘われてちょっとしり込みした。高そうだ。こちらの表情を読み取ったかKは「友人が店長をしているのでこちらの予算の範囲でやってくれますよ」と言う。そこまで言われたら仕方がない。よし!行くか。今日は10人の団体様だ。
サバティーニと言えば青山店を思い浮かべた。銀座だと聞いて、あぁ、銀座にもあったなと思い出す。でも、両店は違う系列と聞いたことがあったので、ネットで調べてみた。
銀座店の正式名称はサバティーニ・ディ・フィレンツェ東京店で本店はフィレンツェのようだ。丸ビル最上階の三ツ星レストラン、アンティカ・オステリア・デル・ポンテなどが姉妹店。青山のサバティーニの本店はローマ。成る程まったく別系列だ。

レストランに到着して、みんなにウンチクをたれようとしたところ、相棒が「思い出した!何処かで聞いた名前だと思ったら、テニスの選手にサバティーニっていたな!」と大声で言う。まるでレストランがテニス選手の名前を取ったかのように。
「店の人に怒られますよ。しかもテニス選手サバティーニはアルゼンチン人ですから。」と言っても相棒は気にしてない。何事もなかったかのように話題を変える。やれやれ。
店長のトリコリ・フランチェスコ取締役総支配人が挨拶に来てくれた。ウェルカムドリンクのスパークリングワインで乾杯したあと、店長がアレンジしてくれた特別メニューのコース料理がスタートした。
前菜、パスタ、魚、肉、デザートと続く。
前菜はイチジクとパルマハム添えなど、パスタは蟹入りスパゲテッティと茸のフェタチーニ、スズキのグリル、牛フィレ肉のステーキ茸ソース添え。



手頃な量だった。次に来るときのためメニューを見せてもらった。今日出てきた料理も載っている。
ついつい出てきた料理個々の代金を合計してコースの代金と比較してしまう。ここで得をしたと喜んではいけない。店によっては同じ料理でも個々に選ぶ場合と、コース料理とでは量が違う。コース料理は全部食べてちょうどいい腹具合になるように計算してある。
海外では前菜とメインを型どおり頼んで量が多すぎて困ったことがある。そんなことを繰り返し経験してからは、メイン料理を前菜サイズにしてもらったり、前菜料理を少し多めにしてメイン料理にしてもらったりして自分で量を調整していた。いい店は客の我儘をある程度は許してくれる。客に満足してもらえるようにするのが店側の本望のはずだ。
店側が許容できる範囲でこちらの要望を聞いてもらえばいい。
残せばいいと言う人もいるが、食べ物を粗末にしたくないし、料理人に敬意を表してすべて味わい尽くしたい。
今日はお任せメニューだったため、例によってデザートを残してしまった。銀髪にはデザートがいつも無駄になる。残してしまってごめんなさい。
次に二人で来ることがあったらちょっと気取って我儘を言わせてもらおうか。サバティーニならきっと許してくれるに違いない。そんな機会がもしもあったらだが‥
サバティーニ・ディ・フィレンツェ
東京都中央区銀座5-3-1 ソニービル7階
03-3573-0013
http://www.miyoshi-grp.com/cardinal/sabatini/
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2005年11月18日
スパゲッティのマナー
世界は小さくなった。世界中の料理が日本で味わえる。日本食が海外で味わえる。しかし、ところ変われば食べ方も変わってくる。
日本食はオーストラリアでも完全に地元に根付いている。客の大半がオーストラリア人という店も多い。
郊外の日本食店にオーストラリア人に連れられて行った。彼の行きつけの店だ。最初に味噌汁が出てきて驚いた。成る程、洋食ではスープは前菜の一種だ。オーストラリア人は何の疑問も持たず、涼しい顔で味噌汁を飲んでいた。
似たような話しはあるもんだ。日本経済新聞の夕刊だったと思うが、イタリアで焼きそばを頼んだエピソードが出ていた。
中華料理では焼きそばやチャーハンは最後に食べるものと信じている。ところがイタリアでは最初に出てきたそうだ。確かにスパゲッティは前菜の一種。麺=前菜と考えれば焼きそばは前菜と考えても不思議ではない。
故伊丹十三監督作品の名作「たんぽぽ」で岡田茉莉子扮する食事マナーの先生が、イタリアレストランで生徒たちにスパゲッティの食べ方を教える場面があった。
左手にスプーン、右手にフォークを持つ。スプーンを使ってスパゲッティをフォークに上手に巻きつけて、音を立てないように食べるように教える。
(下の写真を撮ったとき、隣の男性客二人が揃ってこんな食べ方をしていた。)

ところが近くの席の男がズルズルと音を立てて食べる。実に美味そうに食べるのを見て、生徒たちも音を立てて食べ始める。
本格的なイタリア料理屋ではスパゲッティがない場合もある。料亭にラーメンがないのと同じだ。フォークとスプーンを使って食べるとしたらフォークが左手、ナイフ代わりに持つスプーンは右手の筈だ。グルメの伊丹監督だけあって、見事に皮肉っている。
さすがに最近ではスパゲッティを出す店で、左にスプーン、右にフォークのセッティングをするところは見なくなった。
フォークの背にご飯を乗せて食べるのも見なくなった。そもそも中華料理やタイ料理などアジア圏を除けば、海外で炊いたご飯(Steamed Rice)が出てくることはない。いったい誰があのような食べ方を考え付いたのだろうか。いつの間に正しいマナーになったのだろうか。今はお箸を出してくれる。右手にフォークを持っても窘められることはない。

まだまだ正しいと勘違いしているマナーがあるだろう。指摘されたら喧嘩になったりして。
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2005年11月17日
[第一楼](神戸) 神戸に来たら中華料理
日本で中華街と言えば横浜、神戸、長崎か。今回も神戸牛はスキップして中華に行くことにした。最初に乗ったタクシーの運転手さんに聞いたら東天閣が一番と言う。次の運転手さんは第一楼と言う。さてどちらにするか?
結論は簡単に出た。今回は日帰り出張のため、スタートを早くしたい。5時前に開いているのは第一楼だった。百余年の歴史を持つ旧館を使った名店・東天閣も魅力だったが、開いてなければ仕方がない。
3番目の運転手さんはよく喋る、喋る。店に着くまでしばしの観光案内。第一楼の話になると、これが神戸で一番と言う。「ここの広東料理は最高ですよ!お客さん」と来た。
ここも老舗だが、建物は震災で破壊されたため新しい建物。重厚で立派だ。
部屋に通されてメニューを見る。薄っぺらな冊子。他に立派なメニューがあるかと思いきや、これしかないと言われる。
コース料理の料金は数種類書いてあるが、アラカルト(単品)には値段が入っていない。
「各料理を人数分作りますので、人数によって一皿の値段は変わります。」と言われる。それなら一人前の値段を書けば良さそうなもんだ。仕方なくフカひれの姿煮が入るコース(一人12,000円)を頼む。
フカひれ以外の料理はお任せ。量は少なめで質を重視して欲しいと念を押した。中高年のオヤジたちはたくさんは食べれない。
前菜盛り合わせ

真ん中に伊勢海老、上から右回りに蒸し鶏、海老、あわび、蟹、くらげ、豚肉、白身魚の揚げ物、貝柱、煮たタン、ピータンと豪華な前菜。
ふかひれの姿煮、海老のチリソース


美味しいのだが妙な違和感がある。気持ちが悪い。
北京ダック

かじって驚いた。これまで食べた北京ダックの中でもトップクラスの味。特に皮(春餅・シュンピン)が美味い。広東料理屋なのになぜ北京ダックの味が飛びぬけているの?
あわび、春巻き


普通の春巻きの皮より厚めの春餅で包んで揚げてある。パリパリの香ばしい春巻きではない。味はいいが異質の春巻き。ここで気付くべきだった。
豚かく煮とホタテ

焼きそば

この手打ち麺が格段に美味い。銀髪一人だけが何杯もおかわりした。腹いっぱいなのについ手が出る。他の料理も一流だが春餅と麺の美味さが際立っている。妙な違和感はこのあたりにあるかもしれない。
スイートポテトと揚げバナナのデザート、マスクメロンを食べ、勘定を払い店を出ても消えない不思議な気分。
帰って第一楼のホームページを開いてようやく分かった。タクシーの運転手に広東料理と教えられてすっかり信じてしまっていたが、この店は神戸随一の北京料理店だったのだ。食べ慣れた広東料理の味付けとは違っていたための違和感だったとようやく気付いた。
北京料理は粉を使った料理に特徴があり、秀逸だ。春餅と麺が美味かった謎も解決した。
オーダーするとき高級食材にこだわり、餃子や肉まんを省いてしまった。東京より割安だから高価なものを食べようと思って失敗した馬鹿な銀髪。
後悔は大きい。
第一楼のホームページ
http://www.daiichirou.co.jp/index.htm
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2005年11月16日
[お茶の子菜々](下北沢) 焼酎ブームの陰陽
国税庁は米、麦、芋、蕎麦を原料とする本格焼酎製造免許の規制を65年振りに見直し、条件つきながら新規参入を認めることになった。いよいよ焼酎も新時代に突入する。
大学時代は焼酎をよく飲んでいた。体をいたわってではなく、安かったからである。当時焼酎と言えばさつま白浪か蕎麦焼酎。時にはちょっと通ぶって球磨焼酎。ホッピーも良かった。
80年前後から焼酎ブームが始まった。所謂連続蒸留による無味無臭の甲類の宝焼酎、純、樹氷などがヒットして、酎ハイなどが人気になった。乙類(本格焼酎)でも匂いのきつい芋や米は毛嫌いされ、いいちこなどの臭みのない麦焼酎が全盛となった。いいちこのサブネーム下町のナポレオンの命名が抜群だったのかもしれない。味のなさを梅干やレモンで補って呑む不思議さ。
こうなると天の邪鬼の銀髪は芋や米の焼酎を断固支持した。しかし、皆には受け容れてもらえなかった。臭い焼酎と毛嫌いされた。あんなに議論したのに、焼酎ブームは長続きせず下火になった。
こんなエピソードを忘れつつあった頃、再び焼酎ブームがやってきた。ところが、今度は芋が主流である。銀髪は途方にくれた。素直に喜べる心境ではなかった。なぜ今更芋焼酎なのか?あんなにみんな毛嫌いしたじゃないか!
時間が経って、最近ようやく冷静に見られるようになってきた。鹿児島に行った時、焼酎用の酒器「黒茶花(くろじょか)」で呑んだ。きびなごや黒豚の料理によく合った。
この10年~20年で団塊の世代が歳をとった。酒は控えたいが、それでも呑みたい人たちには焼酎が支持された。貧乏学生と違って、懐に余裕がある世代は高くても旨い焼酎を頼むため、品質も向上した。1本数万円のプレミアム焼酎も登場した。以前のブームと違い、本物志向が強くなった。
中学の同級生たちと下北沢のお茶の子菜々に行った。

トマト焼酎、泡盛(残波)、栗焼酎(たばた火振り)をストレートで呑んだ。焼酎はスコッチやコニャックより度数が低いのでストレートでも苦にならない。
トマト焼酎は透明の液体なのにトマトの味が、栗焼酎はぶどうの搾りかすを発酵・蒸留して作るイタリアのグラッパに似た味がした。これはこれで面白い。
これらの焼酎は新規参入規制外の焼酎だ。規制があるため酒造会社は工夫して新しい味を生み出した。怪我の功名。
銀髪は7年余の間、海外に居た。ご多分に漏れず海外かぶれになったところもある。ワインの品質は日本酒より上と信じていた。
日本に戻って先輩に勧められた日本酒を飲んで衝撃を受けた。純米吟醸酒はフルーティーで香りがよく、爽やかだった。海外に居た間に等級制度が廃止され品質が向上していたのを知らなかった。
国税庁はそれまでは日本酒を2級~特級に格付けして税率を決めていた。不味くても特級酒がいい酒と信じさせられていた。「本当に美味いのは○○の2級だ!」などと通ぶる人も居た。
等級制度がなくなると酒の格は純粋に品質になり、以前より格段に旨くなった。
焼酎の規制緩和は焼酎ブームを長続きさせることになるかもしれない。競争は必ず品質を向上させる。
酒のメーカーにとっては辛い決定打が、焼酎好きには朗報に違いない。
ブームが去ってから焼酎に転向しようと思っていたが、しばらくは苦しんでいる日本酒を応援した方が良さそうだ。
お茶の子菜々
東京都世田谷区下北沢2-15-11-1階
03-3412-2945
(営業時間:18時~3時)
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2005年11月15日
[たん良](赤坂) 日本一の丸なべ(すっぽん)
2000年の銀髪レストラン・オブ・ザ・イヤーが たん良 だった。今も変わらないお気に入りだ。
赤坂見附駅から田町通りを数分歩くと左側にたん良がある。ドアの取っ手の辺りに「予約制」の文字が見える。2000年の冬、この文字に多少ひるみながらも足を踏み入れた。
京料理の店。初夏の鱧、秋の松茸、冬のすっぽん。季節の刺身、煮物、焼き物。湯葉、豆腐。お吸い物、ご飯もの、漬物。メニューにある料理すべてが美味しい。
鯛の皮をピンとカリッと焼いたものなど、メニューにない料理も美味しい。
今日は食通のAさん、Mさんをご招待した。何度かご馳走になったお返しだが、お二人に連れて行ってもらう店はいつも素敵だ。なんとか対抗しないといけない。そこでたん良。
付き出しの後に刺身。鯛、帆立、赤貝、鰹、平目。どれも美しい。
鯛の兜煮、湯葉の煮物、蕪蒸しを食べて、鮒寿しを挟む。

鮒寿しと聞いただけで尻込みする人は多いが、伊豆諸島のクサヤ、中華の腐豆腐、ブルーチーズ、韓国のエイなど腐臭と旨みが絶妙のバランスを持つ食品は多い。人種を越えて同種の味が愛されているのは面白い。
たん良が初めての人には必ず鮒寿しを勧める。いろいろ食べたがこの店の鮒寿しは食べやすい。鮒を漬けて発酵した米も美味い。Aさんは気に入ってくれたようだ。
グラグラ煮立った丸なべ

最後に本日のメインの丸なべ。
25年程前、浜名湖に会社の保養施設があり、そこに泊まる度にすっぽんを食べた。鰻とすっぽんを食べて、麻雀をやり、翌日ゴルフをやるパターン。もちろん鰻、すっぽんは浜名湖産。
それ以来あちこちですっぽんを食べた。主に鍋料理として。嫌いではないが、思い出の料理として食べていた気持ちが強い。
ところがたん良の丸なべを食べて衝撃を受けた。水より酒を多めに煮込んだすっぽん。スープは透き通っている。すっぽん鍋を泥臭いと思っている人も多いが、このスープは上品だ。すっぽんのゼラチン質、身がいい。スープを吸い込んだ葱がいい。餅もいい。
素焼きで冷めない鍋がいい。店主と女将さんが最高。気持ちがいい。
Aさん、Mさん、満足してくれただろうか。
常連客の名を書いた提灯が壁を飾る。銀髪の名も左に。

たん良
東京都港区赤坂3-7-15
03-3586-1914
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2005年11月14日
[八かく庵](西新宿オペラシティ) 景色の値段
昼の西新宿、初台。再開発で変貌した街中に食堂を探すのは難しい。大きなビルの地下や低層階には安価なチェーン店が並ぶ。滅多に西新宿で昼食をとることはないので迷った挙句、初台駅の上に立つオペラシティに行った。
53階、54階のレストランフロアに向かう。値段が高そうな店もランチ時は気軽だ。
空いているかと思ったが、意外と混んでいる。昼なのに予約で一杯の店すらある。
西新宿の街中は人通りが少ないのに、なぜかビルの中は人が多い。
グルグル回った挙句53階の京豆腐の店八かく庵に決めた。
暖簾をくぐると店員が現れる。「畳の部屋でよろしいですか?」と聞くので何だかいい待遇をされているような気分。奥の畳の個室はテーブル席より上等に違いない。「よろしいですか?」とは控えめな発言だと思う。
「いいですよ」と鷹揚に応えて店内に入ってみると質問の意味がわかった。景色を楽しみに来た人たちで窓際は満席。オバ様たちが多い。窓際が満席だと帰っていくグループも多い。便が悪い西新宿でも、高層階は一種の観光地のようだ。
つまり個室よりテーブル席の方が上ということになる。こちらは景色でムードを高める魂胆などないのでどうでもいいが、どうにも腑に落ちない。
例えばホテルだと景色のいい部屋は値段が高い。富士五湖などの旅館では富士山が見える部屋が断然高い。分譲マンションでは景色が遮られると裁判沙汰になる。
レストランでも窓際や景色のいい側とそれ以外では値段に差があっても良さそうだ。景色がいい高層階は家賃も高いだろうから、店の料金に景色の値段も反映されているに違いない。
そんな事をブツブツ話していると豆腐が出てきた。京都から運んできた豆乳とにがりで造った豆腐はまだ温かく、香りもよく、何もかけないでも味があった。さすが豆腐を売り物にするだけに結構いける。

豆腐は食べきれない程の量と思っていたが、メイン料理を待つ間にあらかた食べてしまった。お腹が膨らんだせいか、美味すぎたせいか、後の料理がかすんでしまった。
食事が終わってしまうとますます景色の値段が気になってきた。なぜ、レストランでは景色に値段がつかないのだろうか?
「窓際の4人席は1,000円、6人席は1,500円の席料がかかります。」なんて言ったらお客さんは来なくなっちゃうのかな?
豆腐百珍八かく庵のホームページ
http://www.dynac-japan.com/hachikakuan/
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2005年11月12日
[山本屋本店](名古屋) 名古屋名物味噌煮込みうどん
名古屋を代表する調味料は八丁味噌。味噌汁はもちろん、味噌カツ、どて焼きなど名古屋料理に欠かせない。そして味噌煮込みうどん。これを食べなきゃ名古屋は語れない?
銀髪「これから名古屋出張に行ってきます。」
相棒「えつ!もう行くのか?」
銀髪「早めに行って、名古屋で味噌煮込みうどんを食べようと思うので。」
相棒「いいなー!」
心底羨ましそうだ。
相棒は名古屋に居たこともあり、味噌煮込みうどんが大好き。しかも山本屋でなければならない。銀髪はシジミやナメコなどの赤だしは好きだが、うどんや味噌カツの甘辛さはどちらかと言えば苦手。
夜に行くとなると山本屋は大嫌い。
以前、錦の本店に相棒たちと行った。「当店はうどん屋です。おつまみと酒のみの方はお断り。必ずうどんを注文してください」という趣旨の注意書きが入り口に貼ってある。
呑んだ後にうどん屋に行くのは構わないが、一軒目で酔ってもいないのにうどんで腹一杯にするのは許せない。
名古屋子コーチンのねぎ間、酒蒸し鶏肉、秋刀魚の燻製、板わさなどいいつまみがある。地ビール、純米酒などいい酒もある。酒を呑んで〆にうどんを2人で一杯程度食べるのを許してくれてもいいのに店は一人一杯を強要する。
居酒屋に先に行って、後で山本屋に戻ってうどんを食べればいいと主張しても、相棒はうどん屋に先に行くと言ってきかない。
店に入り店員に「うどん代以上の酒、つまみを頼むからうどんなしでもいいよね!」と聞いてみたが、やはり許してくれない。「いいよ、いいよ、俺が二杯食べるから」と相棒は優しい。
それではまず酒とつまみを、後でうどんと思ったが、相棒はうどんをすぐ持って来いと言う。
呑んでる我々の前に酒、つまみに加えてうどんが一人一杯づつ並んだ。
相棒は熱々のうどんをガツガツと食べ始める。よくやけどをしないものだ。あれで味が分かるのか?と思って見ているとと、一杯目を瞬く間に食べ終わり、二杯目に挑む。しかし、さすがに半分を残してギブアップ。
満足した相棒は膨らんだ腹をさすり、ゆっくり呑んでる我々を残して勘定を払いに行こうとする。
「後、10分くらい待ってよ!」皆の声に渋々席に戻る。相棒はちっとも優しくない。
前回来た時、こんなことがあったから金輪際行くまいと思っていたが、グルメ紀行を書くために嫌々行った。まあ昼なら酒が目的ではないので味噌煮込みうどんだけでも我慢できる。
向かった先は名古屋駅前第一堀内ビル地階の堀内ビル店。本店の方がいいが、支店でも仕方がないと思って行った。駅から離れているせいか新幹線口店より空いている。ラッキー! 並んでまで食べたいとは思わない。
看板を見ると山本屋本店の文字。 「?」 錦の店も本店だった。錦が本店と信じていたが山本屋本店が屋号らしい。するとこの店は山本屋本店堀内ビル店ということになる。ややこしい。
うどんが出る前にサービスで白菜、かぶ、きゅうりの漬物が出てきた。
銀髪はこの日から始めたばかりのかきとコーチン入り3,250円を頼んだ。

昼に食べると量は多く感じない。唐辛子を入れるとそんなに甘くもない。うどんは生煮えで固いと思っていたが、ちょっと茹で足りない程度。煮込んでいる間に柔らかくなっちゃったかも。
今回は意外と美味く感じた。考えを改めた。
部下が食べたのは豚三枚肉のとろ豚味噌煮込みうどんの小ご飯付1,955円。
名古屋コーチン、かきが入っていてもうどん一杯で3,250円の昼飯メシはちょっと高いよなー。
次回は1,900円の普通のやつを食べよう。ただし、夜は行かない。
山本屋は複数の系列があるようだ。相棒は山本屋本店が好きだが、ライバル意識は強いんだろうな。好き好きだろうから本店、総本家のホームページを下記に記します。ご注文ははどっち?
山本屋本店
http://www.yamamotoyahonten.co.jp/yamamotoya.html
山本屋総本家
http://www.yamamotoya.co.jp/#
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2005年11月11日
[炭屋](六本木) 居酒屋でスパゲッティ
刺身を食べて、次に焼き魚、そして焼き鳥、最後にスパゲッティ。これが炭屋での食べ方だ。中曽根首相とカーター大統領、当時の日米両首脳が食事をしたことで有名な串八の系列店。さらにイタリアンレストランも系列に持つため、ちょっとミスマッチの食事も可能になる。
六本木交差点を溜池方向に少し下った右手の雑居ビル6階に炭屋はある。エレベーターを降りると古風な入り口が見える。引き戸は屈まないと入れない。ここで何度頭をぶつけたことか。特に酔った後の帰りが怖い。
店に入ってすぐ左側にある冷蔵ケースには、主に北海道から取り寄せた魚が並ぶ。今日食べる魚をチェック。店主の説明を聞く。歯切れ良く生きがいい口調は魚の鮮度に合わせているみたいだ。
お目当ては八角の刺身。以前札幌で食べて気に入った上品な白身は、東京では滅多にお目にかからない。ところが今日は未入荷。
わざわざ博多から訪ねてきてくれた人に北の魚をご馳走したかったのに。銀髪はちょっとお冠。
気を取り直して刺身はお任せにした。

マグロ、平目、サザエ、イカ、ボタンえび。マグロはインドマグロの大トロ。博多で新鮮な魚を食べ慣れている彼も美味しいと言ってくれた。イカは酢醤油で食べている。イカ好きの博多っ子の食べ方か。
ビールの後に頼んだ日本酒は大吟醸「米の芯」。この店で一押しのお酒は呑みやすくアット言う間に4合瓶が空に。すぐにもう一本追加。
次はタラ白子のポン酢和え。今シーズン初めての白子は引き締まっていて美味い。
横を見ると刺身や白子が苦手な相棒が2個目の大きなおにぎりを頬張っている。
続いてキンキ開きの一夜干。脂が乗っていて今日一番の味。銀髪も納得の一品だったが、他の3人は既に真っ赤な顔をして話しに夢中。ちゃんと味わっているのかな?キンキが怒るよ。

ここから焼き鳥が登場するが、店主を呼んでいつもより量を減らしてもらう。店名のとおり焼き物がこの店の自慢料理だが今日は許してもらおう。最後のスパゲッティをお客様に味わってもらいたい。
そして終にメインのスパゲッティ登場。

今日はトマトソース味。これが美味いと連れてきただけに博多の人もお猪口を置いて、この料理に集中。
「オッ!シラスがいい味だしているね!」と言う。さすが酔っ払っていても味がわかるじゃないか。予想どおりの答えが返ってきて銀髪は大満足。 前菜のはずのスパゲッティがメインとはイタリア人が怒りそうだがここは日本。この味だって日本人じゃないとわからないかもしれない。
満足、満足。博多の人はどの料理が気に入っただろうか。
それにしても八角がなかったのは残念だった。
泥酔気味だったが、全員出口で頭をぶつけることなく無事店を後にした。
炭屋
港区六本木3-11-10 ココ六本木ビル6F
03-3403-5559
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2005年11月10日
[珈琲館](神戸) 喫茶店とカフェの違い?
また神戸に来た。仕事の約束まで少し時間がある。神戸担当のYに美味しいコーヒーの店があると連れて行かれた。
神戸駅前、バスターミナルからすぐの店は入り口が小さく通り過ぎてしまいそう。

席につくや否や、後輩のSが「喫茶店とカフェの違いを知っていますか?」と聞く。銀髪「‥‥」 S「漫画を置いているのが喫茶店、置いてないのがカフェです。」
よくわからん理屈だ。あんまり根拠がなさそうだが、妙に納得してしまうところもある。
カフェのイメージは多分、スターバックスとかドトールなどの持ち帰りコーヒー主体の店だろう。座席もあるが基本的に長居するところではない。漫画、週刊誌、新聞などは置いてない。喫茶店とカフェの違いを漫画で決め付けたのは最近の話だろう。
子供の頃、コーヒーは大人のイメージだった。父親のコーヒーに口をつけるが、苦くて飲めなかった。一杯もらっても砂糖やミルクをたっぷり入れないと飲めない。いつかブラックで飲める日を夢見たものだ。
その頃テレビでは西部劇ローハイドが人気だった。フェーバー隊長の下、カウボーイ達が牛を追っていく。若き日のクリント・イーストウッドがロディという役で出ていた。今のイメージとは程遠い。印象深いのがコックのウィッシュボン。彼が作る料理はいつもごった煮のシチューみたいなものだったが、妙に美味そうに見えたものだ。
そして、彼の自慢がコーヒー。誰よりもコーヒーを淹れるのが上手いと自慢していた。不味いインスタントコーヒーしか飲めなかった日本では、お湯を注ぐだけの誰が作っても同じ味のコーヒーしかなく、ウィッシュボンの自慢が不思議だった。
コーヒーが豆のまま売られ、コーヒーミルがヒットしたのはそれから遥か後のことだ。アッと言う間に電動のコーヒーメーカーが家庭に行き渡った。
大学時代はやたらコーヒーにうるさい奴も現われた。美味しいコーヒーの淹れ方に対するうんちくがただものではない。まずコーヒーカップに湯を入れて温める。カリタを使って熱湯を20~30センチの高さから徐々に注いでいく。一杯ずつ慎重に、丁寧に作っていく。
目の前に出されたコーヒーは、それだけで一級の料理に等しい。そう思わずにいられない。いや、そう思ってあげないと申し訳ない気持ちだった。
今日、飲んだコーヒーがまさにそんなコーヒーだった。飲みなれたカフェの味とは確かに違う。香り高く、飲み易い。店の雰囲気は懐かしさを感じる心地よさ。

ある昔のハリウッド映画の中で、主人公が幸せそうに言った。「うちに寄っていかないか?女房が淹れるコーヒーは最高なんだ。」 どの映画か覚えていないが、そのときは良く理解できなかった。今は少し分かるような気がする。
チェーン店(カフェ)のおかげでコーヒーの味は安定し、均一化した。安心して飲める上に値段が下がった。
旧来のコーヒー店(喫茶店)は消えていく。漫画を置いても、漫画喫茶には勝てない。
コミック&インターネットカフェのアプレシオhttp://www.aprecio.co.jp/companyinfo/が近く名古屋市場に上場する。(漫画を置いていてもカフェ?) 時代は変わっていく。
ウィッシュボンの作ったコーヒーはどんな味だったのだろうか。
アメリカ人も昔の味を懐かしんでいるだろうか。
こんなことを話していたら、Yが「今、NHKのBS2でローハイドをやってますよ」と言う。珈琲館に入ってウィっシュボンを思い出し、偶然にもローハイドがテレビ放映しているのを教えられた。巡り合せの不思議を感じざるを得ない。
珈琲館
神戸駅前店
078-382-0177
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2005年11月09日
[山田屋](日本橋) 老舗の天然とらふぐ料理
冬はふぐ料理での接待が多い。シーズン終わり頃になると、食べ飽きてもういらないと思ってしまうが、夏の暑さが去り秋風が吹く頃になるとまたぞろ行きたくなる。
最近は年中ふぐが食べられる。養殖技術も年々進歩し、格安のふぐ店もたくさん目にする。大衆魚とまでは行かないまでも、誰でも手が届くようになった。
しかし、天然のとらふぐとなると話は違ってくる。季節も10月から3月と限られる。
ふぐは全国各地から下関市彦島の南風泊(はえどまり)港に水揚げされる。独特の「袋せり」がテレビなどで報道されると、冬が近づきつつあると感じる。
日本橋高島屋近くにある山田屋に行った。創業は昭和33年。東京12チャンネルのアドマチック天国日本橋編でもふぐの名店として紹介された。

ここの女将がいい。80歳前後と思われるが、実に元気がいい。相棒の顔を見ると満面の笑顔で迎える。相棒の毒舌にもハイハイと応じながら、まともに聞いている風でもない。しばし掛け合いをやったかと思うと、しっかり注文を聞いてさっといなくなる。
万年胃がもたれている銀髪と相棒にはコース料理はちょっと重い。従って、頼んだのは前菜、てっさ(刺身)、から揚げ、雑炊。
この店がいいのはてっさが各自一皿と分けて出してくれること。
大皿にてっさがきれいに並べられて出てくると豪華で、歓声が上がるかもしれないが実に食べ辛い。みんな遠慮して手を出さない。やっと手を出しても、ザーと5~6枚を一気に取るとヒンシュクを買いそうであり、1~2枚程度だとみみっちく美味くもない。最後に少し残った状態で大皿の上で乾燥していくてっさを見ていると可愛そうで見ていられない。仕方なく自ら片付けると嫉妬とも安堵とも取れる空気を感じる。
山田屋ではお客様はもちろん、接待する側の自分たちも気兼ねなくてっさを楽しめてうれしい。
一人前単品のてっさ

この日感心したのはヒレ酒。ヒレそのものがいいのは当たり前だが、実に上手に焼いてある。周りを見渡してみると、銀髪のが一番いい焼き具合だ。みんなに自慢したいのを我慢してほくそ笑む。
器の中はほんのり茶色に変わり、何とも言えぬ香りが立ち上る。ヒレは酒を含み適度に膨らんでいる。
とらふぐのヒレをデパートから買ってきて家で焼いたことがあるが、うまく焼くのは難しい。焦げないと生臭く味が出ないし、焦げすぎると使えない。何枚か失敗してようやく成功したときは嬉しかった。
結局ヒレ酒を3合ずつ呑んで雑炊を食べてお開きにした。
女将さんが可愛いい息子?、2代目を連れてきた。跡継ぎを頼もしそうに、嬉しそうに紹介するのを見て、相棒がちゃちゃを入れる。
酔いに任せて2代目を思いっきりからかうが、女将は例によって悠然と受け流す。やっぱりただものじゃない。
2代目! お袋さんに負けないように頑張れよ!
2代目の紹介記事
若き料理人
http://www.tokyochuo.net/issue/young/past_data/0312_yamada/
山田屋
東京都中央区日本橋3-1-15
03-3271-2031
立派なホームページがある。
http://www.nihonbashi-yamadaya.com/
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2005年11月08日
クラブサンドイッチ
7年余の海外駐在を経験し、英語はそこそこ出来る。それでも海外に行ってレストランで失敗することは今もある。習慣の違いや思い込みが原因で、簡単に分かりそうで分からない。まあ、このぐらいの失敗は買ってでもやった方が面白い。
約30年前、大学3年のときホームステイをしていた友達を頼ってロサンゼルスに行った。
着いた日の夜、二人でステーキを食べに行くことにした。当時日本ではビフテキは高嶺の花。ビーフステーキなどとは言わない。ビフテキが日本での正式名称。これに憧れた。
牛肉は輸入禁止品目だったため、安価なビフテキなど日本には存在しない。従ってアメリカに来て、いの一番に食べるのは当然ビフテキだった。
メニューを見ると殆どがステーキ。値段の差を聞いたら単に大きさの違い。入ったのはその程度の店だが、我々にとってはハラハラドキドキ。意を決して1番大きなステーキを注文した。相当な量だが、二人ともまだ若い。食い気もチャレンジ魂も旺盛である。
すると次にウエイターが「スーパーサラダ?」と聞く。さすがはアメリカだ。サラダも大きなサラダに違いない。やってやろうじゃないかと友達に目配せして「OK!スーパーサラダ!」「サラダ、サラダ!」と応じた。
来たサラダを見て呆気にとられた。付け合せ程度の小さなサラダボウルが目の前に。合点のいかないまま食べ始めたところで気がついた。ウエイターが聞いたのは「スープ or サラダ」だったのだ。大きなアメリカ、大きなステーキと来たのでてっきり大きなサラダ=スーパーサラダと勘違いしてしまった。
先日、約30年ぶりにロサンゼルスに行った。今度は一流ホテルに滞在。出かけるのも面倒なのでホテルのレストランに入ったがメニューはいたってシンプル。昔のように大きなステーキなど食べたくない(食べれない?)。しかし、どの料理を見ても美味そうに思えない。
中年3人は思案の末メインを2品、サンドイッチを1品頼んで分けることにした。メインの2品は例に拠って相当な量に違いないので、軽めのサンドイッチが良いだろうとクラブサンドイッチに決めた。カニサンドならローストビーフサンドやローストターキーサンドよりましだろうと思って。
ところが出てきたサンドイッチにはどう見ても蟹は入っていない。そこでメニューを見直した。CLUB・SANDWICHとある。CRAB(かに)ではなかった。
札幌で入った喫茶店でクラブサンド(下の写真)を頼んだ。片仮名ならもっと間違えやすいが、今度はすぐに蟹サンドでないことに気づいた。あらためてアメリカでの失敗を思い出す。英語を読んで気づかない迂闊。

後で調べてみた。クラブサンドイッチの典型的なレシピは三枚のトーストしたパンにローストチキン、ベーコン、レタス、トマトを挟んだものらしい。これにポテトフライがついてくる。クラブサンドイッチはどこかアメリカの社交クラブで発明されたものだろうか。名前の由来は分からない。知っている人がいたら教えて欲しい。
外国人が日本に来て失敗するのを笑ってはいられない。自分だってしっかり失敗している。
しかし、経験豊富な人が同行する何不自由ない旅もいいけれど、たまには失敗したほうが楽しく、思い出深い旅になる。
スーパーサラダ事件は未だに覚えているのに、他の日に食べた料理はさっぱり思い出せないのだから。
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2005年11月07日
[かに道楽](新橋) ズワイガニ漁解禁
11月6日能登半島以西の日本海でズワイガニ漁が解禁された。いよいよ冬の味覚の王様が食卓に登場する?
蟹は美味い。どれも美味い。でも高い。どれも高い。
ズワイガニ、毛がに、タラバガニが近海物のトップクラスか。その中でも越前蟹、松葉蟹などと呼ばれるズワイガニが多分一番高い。グラム当たりの値段なら上海蟹の方が高いだろうが、身の美味さはズワイガニが一番。

いやいやタラバガニの身のほうが美味いと言う人もいるだろう。しっかりと引き締まった身は美味い。身が太くて食べ応えもある。内子、外子、みそも意外と珍味だ。

みそが美味いのは毛がにが一番か。いやいやズワイガニのみそも捨てたものではない。上海蟹のみその濃厚さは別格だ。
高足がにはテレビで見るだけで食べたことがない。伊豆に行かなければ食べられないのだろうか。
ワタリガニの身は白くて美しい。活きワタリガニを使った中華料理は絶品だ。韓国料理のワタリガニの刺身ケジャンもいい。
そうだ。オーストラリアのキングクラブも美味かった。片方の爪が妙に大きくて、この爪の身が引き締まって美味い。爪一個でも相当な量だった。
ストーンクラブ、マッドクラブなどの海外のかにもいいが、やっぱり地元で食べるべきなのか。
ときどき生きたカニを買ってきて料理をしたが家族には不評だった。なぜかうまくいかない。かに料理屋で食べる方が良さそうだ。
解禁前、かに道楽に行った。活かにを茹でてもらった(上の写真)。解禁前なので多分ロシアかカナダ産。手頃な値段だった。11月7日から松葉かにが入ってくるそうだが、いい値段だろう。
ニュースでは最高値が一杯3万円。とても手が出ない。
かに宿にでも行こうか。かに解禁のニュースを見るたびに今年こそと思うが、実現したためしがない。今年も夢のまま終わりそうだ。
かに道楽
http://www.douraku.co.jp/
投稿者 銀髪 : 固定リンク
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2005年11月05日
[ANPONTAN]②(銀座) 閉店しました
昨日に続いてANPONTANの話。日本ではあまり味わえない中東料理も我々にとって懐かしい味だった。
(閉店しました)
ファラフェル(ひよこ豆の香味ペースト揚げ)が出てきた。

それを見てIさんが「ワー懐かしい」と喜んだ。食べた評価は「上品」ということだった。ニューヨークで苦学生だったIさんは、コロッケ感覚で安物のファラフェルをよく食べたと言う。香辛料はタコスの味付けに似ている。
銀髪は大学時代、ロサンゼルスでタコスを始めて食べたとき、その汗臭いような匂いに閉口した。ところが何度も食べているうちに病み付きになった。Iさんはこの匂いを遠慮がちに腋臭(わきが)と形容した。まさにそのとおり。体臭があまりない日本人には悪臭としか感じなかったこの匂いが、今は受け容れられているようだ。多少日本人向けに作られているのだろうか。それとも日本人も体臭を持つようになり、臭いに鈍感になったのだろうか。
次はケベ(牛挽肉の香味揚げ団子)。
