7年余の海外駐在を経験し、英語はそこそこ出来る。それでも海外に行ってレストランで失敗することは今もある。習慣の違いや思い込みが原因で、簡単に分かりそうで分からない。まあ、このぐらいの失敗は買ってでもやった方が面白い。
約30年前、大学3年のときホームステイをしていた友達を頼ってロサンゼルスに行った。
着いた日の夜、二人でステーキを食べに行くことにした。当時日本ではビフテキは高嶺の花。ビーフステーキなどとは言わない。ビフテキが日本での正式名称。これに憧れた。
牛肉は輸入禁止品目だったため、安価なビフテキなど日本には存在しない。従ってアメリカに来て、いの一番に食べるのは当然ビフテキだった。
メニューを見ると殆どがステーキ。値段の差を聞いたら単に大きさの違い。入ったのはその程度の店だが、我々にとってはハラハラドキドキ。意を決して1番大きなステーキを注文した。相当な量だが、二人ともまだ若い。食い気もチャレンジ魂も旺盛である。
すると次にウエイターが「スーパーサラダ?」と聞く。さすがはアメリカだ。サラダも大きなサラダに違いない。やってやろうじゃないかと友達に目配せして「OK!スーパーサラダ!」「サラダ、サラダ!」と応じた。
来たサラダを見て呆気にとられた。付け合せ程度の小さなサラダボウルが目の前に。合点のいかないまま食べ始めたところで気がついた。ウエイターが聞いたのは「スープ or サラダ」だったのだ。大きなアメリカ、大きなステーキと来たのでてっきり大きなサラダ=スーパーサラダと勘違いしてしまった。
先日、約30年ぶりにロサンゼルスに行った。今度は一流ホテルに滞在。出かけるのも面倒なのでホテルのレストランに入ったがメニューはいたってシンプル。昔のように大きなステーキなど食べたくない(食べれない?)。しかし、どの料理を見ても美味そうに思えない。
中年3人は思案の末メインを2品、サンドイッチを1品頼んで分けることにした。メインの2品は例に拠って相当な量に違いないので、軽めのサンドイッチが良いだろうとクラブサンドイッチに決めた。カニサンドならローストビーフサンドやローストターキーサンドよりましだろうと思って。
ところが出てきたサンドイッチにはどう見ても蟹は入っていない。そこでメニューを見直した。CLUB・SANDWICHとある。CRAB(かに)ではなかった。
札幌で入った喫茶店でクラブサンド(下の写真)を頼んだ。片仮名ならもっと間違えやすいが、今度はすぐに蟹サンドでないことに気づいた。あらためてアメリカでの失敗を思い出す。英語を読んで気づかない迂闊。
後で調べてみた。クラブサンドイッチの典型的なレシピは三枚のトーストしたパンにローストチキン、ベーコン、レタス、トマトを挟んだものらしい。これにポテトフライがついてくる。クラブサンドイッチはどこかアメリカの社交クラブで発明されたものだろうか。名前の由来は分からない。知っている人がいたら教えて欲しい。
外国人が日本に来て失敗するのを笑ってはいられない。自分だってしっかり失敗している。
しかし、経験豊富な人が同行する何不自由ない旅もいいけれど、たまには失敗したほうが楽しく、思い出深い旅になる。
スーパーサラダ事件は未だに覚えているのに、他の日に食べた料理はさっぱり思い出せないのだから。
投稿者 銀髪 : 2005年11月08日 07:54
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