世界は小さくなった。世界中の料理が日本で味わえる。日本食が海外で味わえる。しかし、ところ変われば食べ方も変わってくる。
日本食はオーストラリアでも完全に地元に根付いている。客の大半がオーストラリア人という店も多い。
郊外の日本食店にオーストラリア人に連れられて行った。彼の行きつけの店だ。最初に味噌汁が出てきて驚いた。成る程、洋食ではスープは前菜の一種だ。オーストラリア人は何の疑問も持たず、涼しい顔で味噌汁を飲んでいた。
似たような話しはあるもんだ。日本経済新聞の夕刊だったと思うが、イタリアで焼きそばを頼んだエピソードが出ていた。
中華料理では焼きそばやチャーハンは最後に食べるものと信じている。ところがイタリアでは最初に出てきたそうだ。確かにスパゲッティは前菜の一種。麺=前菜と考えれば焼きそばは前菜と考えても不思議ではない。
故伊丹十三監督作品の名作「たんぽぽ」で岡田茉莉子扮する食事マナーの先生が、イタリアレストランで生徒たちにスパゲッティの食べ方を教える場面があった。
左手にスプーン、右手にフォークを持つ。スプーンを使ってスパゲッティをフォークに上手に巻きつけて、音を立てないように食べるように教える。
(下の写真を撮ったとき、隣の男性客二人が揃ってこんな食べ方をしていた。)
ところが近くの席の男がズルズルと音を立てて食べる。実に美味そうに食べるのを見て、生徒たちも音を立てて食べ始める。
本格的なイタリア料理屋ではスパゲッティがない場合もある。料亭にラーメンがないのと同じだ。フォークとスプーンを使って食べるとしたらフォークが左手、ナイフ代わりに持つスプーンは右手の筈だ。グルメの伊丹監督だけあって、見事に皮肉っている。
さすがに最近ではスパゲッティを出す店で、左にスプーン、右にフォークのセッティングをするところは見なくなった。
フォークの背にご飯を乗せて食べるのも見なくなった。そもそも中華料理やタイ料理などアジア圏を除けば、海外で炊いたご飯(Steamed Rice)が出てくることはない。いったい誰があのような食べ方を考え付いたのだろうか。いつの間に正しいマナーになったのだろうか。今はお箸を出してくれる。右手にフォークを持っても窘められることはない。
まだまだ正しいと勘違いしているマナーがあるだろう。指摘されたら喧嘩になったりして。
投稿者 銀髪 : 2005年11月18日 07:00
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