大学1年のときは年間100本近く映画を見ていたのに、2年生以降は酒や麻雀に浸り、会社に入ると映画館には殆ど行かなくなった。家でテレビやビデオで映画を見ることも殆どない。海外出張で国際線の機内が映画を見る数少ないチャンス。香港線で「電車男」を見た。
リストにある映画にはどれも興味が湧かなかったが、耳にしたことがあったのが電車男。確かエルメスさんが相手だったはず。何でエルメスさんと言うんだろう?謎解きの気分で電車男を見ることにした。
期待しないでいるとその反動か、結果は正解であることが多い。いい話だった。海外でもヒットする可能性がある。
外国人は会話が上手で女の子とすぐ親しくなれると日本人は思いがちだ。イタリア人、フランス人などは恋の達人、口がうまい色事師と信じている。
しかし映画の中ではプレイボーイ、プレイガールはいつも脇役であり、時には悪役ですらある。主人公は殆どが気弱で話し下手だ。恥ずかしがりやで臆病で相手に自分の気持ちを伝えられない。好きだと言えない。外国人だって殆どは日本人と変わらない。
大多数の観客が感情移入出来るのは恋に不器用な男女に対してだ。自分の今を思い、或いは昔を思い出すのだろう。いつの時代も感動を呼ぶのは純愛だ。洋の東西を問わない。
メール・チャットをコミュニケーションの手段としている人たちを、この映画は悪意に走ることなく上手く紹介している。
事実に基づいたコンピューターおたく、所謂秋葉族のラブストーリーだそうだが、根底にある恋愛に対する怯え、願望は今も昔も変わらない誰もが経験することだ。時代背景は違っても恋愛映画のパターンを踏襲している。
ようやく辿り着いたデートの日。ハイライトは食事。これが難しい。格好つけて自分をアピールする場であるが、食事の好みだけでなく性格や家庭環境など全てが見えてしまう怖い場でもある。
お見合いで相手の容姿、会話など殆どが気に入ったのに、食事になって幻滅した。そんな嘆きを聞いたこともある。
ただし、あばたもえくぼ。相性が合えば食事のマナーなどは大きな問題ではなくなる。愛があれば何だって乗り越えられるのだ。恋は盲目だ。後に後悔が待っているかもしれないが‥
映画の食事のシーンで山田孝之扮する電車男がフォークとナイフで海老を捌くのに悪戦苦闘する。中谷美紀扮するエルメスさんがこれを簡単に処理する。二人の生まれ育った環境を端的に表すと同時に、エルメスさんの優しさ、大らかさを浮き上がらせている。イイなー、羨ましい。
実際の電車男は現在幸せでいるのだろうか。今も尚、目の前の人(エルメスさん?)に新鮮なドキドキ感を維持しているだろうか。
映画で描く恋愛はハッピーエンドがいい。しかし、結婚式の祝辞じゃないが結婚は2人のハッピーエンドではなく、スタートでしかない。クライマックスは遥か先である。
ドキドキ感がなくなり、映画に恋する。冬のソナタに憧れる。それはそれで健全な姿だろう。あちこちで現役で恋をされたらたまったものではない。夢見るくらいがちょうどいい。
「電車男の気持ちは痛いほど分かる。身につまされる」と言ったら笑われた。銀髪にはあり得ないと。
大きなお世話だ!
電車男に関するサイト
http://2ch-library.com/male/train/
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Aquarius/7075/trainman.html
投稿者 銀髪 : 2005年12月03日 07:00
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