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2006年02月28日

[太政](大阪)   大阪流にふぐを食べる

「ふぐを食べたい!」大阪に来てT氏に突然言われて困った。下調べをしていないので知っている店に行くしかない。

東京と大阪では料理に対するこだわりが違う。大阪人から言わせれば東京人は気取りすぎ。大阪人は見てくれより実を選ぶ。安くて美味い店を愛する大阪人からすると、太政(ふとまさ)は必ずしも評判がいいわけではない。それでも太政は創業50年、千日前本店、日本橋店、黒門店と近隣に大型店3店舗を維持しているのだから、支持者も多いに違いない。

今回は千日前本店に行った。2階に案内されたが時間が早いせいか他の客はまだいない。手軽にコース料理を頼もうとしたが、それはない。単品を並べてコース料理に仕立てようとしたが、東京では定番のふぐ焼や唐揚がない。煮こごりもない。

太政はてっちりにこだわっている。身がしっかりついたふぐを鍋で食べてもらおうということで、焼や唐揚でふぐの身を無駄にしたくないのだろうか。
東京では絵皿の柄が見えるほどにきれいな薄造りで出てくるが、太政のてっさは厚めで器も気取っていない。刺身=厚切りてっさはさらに厚く切ったものをわさびで食べる。

てっさ薄造り、厚切りてっさ

皮の湯引きはてっさに添えられるものはわずかで、別に単品で頼むとどっさり入って出てくる。これを肴にひれ酒を飲む。厚めのこんがりと焼けたひれが数枚入っている。東京より気前がいい。ガラスのコップにひれ酒の琥珀色が濃い。

皮の湯引き、ひれ酒

以前来たとき印象に残ったのがひれ酒と白子。今回は白子の造り(刺身)と味噌焼を頼んだ。味噌焼は太政名物と言うだけあって実に美味い。鍋に入れる白子も頼もうと思ったが我慢した。なんとT氏は白子が嫌いと言う。好き嫌いがある人は本当に可愛そうだ。ほっといてくれと言われそうだが、銀髪からすると考えられない。メインゲストを前にして、自分が好きだからといってバンバン白子を頼むわけにもいかない。

白子の造り、白子味噌焼き

てっちりは太政がこだわるように身がしっかりついたふぐがふんだんに入っていた。東京のように身をしゃぶるような食べ方をする必要はない。

最後は雑炊にしようと思ったが皆さんの食欲はそれほどでもなく、ひたすらひれ酒を飲んでいるので止めにした。

てっさは大分流の肝を和えたポン酢で食べる。東京からは煮こごり・ふぐ焼・唐揚、大阪からは皮湯引き・白子焼・てっちり。ひれ酒はもちろん大阪がいい。

一つの店でこんなわがままが出来ればうれしいのだが‥


「太政(ふとまさ)」
大阪府大阪市中央区千日前2-7-18
06-6633-4129
http://r.gnavi.co.jp/k043001/index.htm

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2006年02月27日

[ふくちゃん](築地)  明太子屋さんのラーメン

ラーメンには誰にもこだわりがある。客だけでなく店側もかなりのこだわりを持っている。

映画「たんぽぽ」だったと思うが、ラーメンの食べ方について講釈する場面がある。スープ、麺、チャーシュー、メンマ、これらをどういう順番で、どのように食べるかなどなど。
そんなのどうでもいいだろうと言いたいところだが、これを店側に押し付けられるとちょっとつらい。

店側が自分の作ったものを一番おいしい状態で食べて欲しいと思うのは当然だ。しかし、出す側と、受ける側がまったく同じ嗜好であるわけではない。ところが、それを許さない料理人もいるから困ってしまう。

博多ラーメンは特に難しい。テーブルの上にある薬味がラーメンの味そのものを変えるインパクトを持つ。その最たるものが紅しょうが。
食べ方の作法を講釈すると、①何も入れないでスープを飲む ②麺を食べる ③ごまを入れる ④麺を食べる ⑤紅しょうがを入れる 
要はインパクトが強い定番の紅しょうがは最後に入れることが店側の希望だろう。

博多でラーメン屋に入り、周りを見回すと紅しょうがを入れないで食べている人が多くて驚いた。博多ラーメンと言えば紅しょうがを入れるのが当たり前と思っていたが、本場で入れる人が少ないのは意外だった。

福岡が地元の部下Fが中洲の有名なラーメン屋台に連れて行ってくれた。テーブルに紅しょうがが置いていない。銀髪はピンと来たが、Fは無頓着に店員に紅しょうがを持ってくるように要求した。案の定店員はぶっきらぼうに「ありません!」と言って去っていった。
せめて「申し訳ありません。よろしければそのまま食べてみてください。」と言えばいいのに。

そんな店からすると銀髪は駄目な客である。一応作法どおりにやるものの、結局はやりたい放題。豚骨ラーメン屋では「博多天神」が好きだ。ここは辛子高菜が薬味として置いてある。「少し入れたらおいしく召し上がれます」と言われてもスープが真っ赤になるほど入れてしまう。「本来の味が分からなくなるだろう!」と怒られそうでビクビクものだ。

今まで行ったラーメン屋の中でトッピングの数が一番多いのが「ふくちゃん」だ。きざみにんんく、メンマ、わかめ、明太子、辛子高菜、紅しょうが、ゴマなど普通ならちょっと入れて50~100円増しで売られる材料までもテーブルに並べてある。

特に明太子が置いてあるなんて太っ腹じゃないですか。「ふくちゃん」は明太子の大手「かねふく」の系列だからこそ出来ることだろう。
http://www.kanefuku.co.jp/index.htm

部下のIは麺の硬さ2番目のバリカタを美味い、美味いと言いながら食べている。銀髪は5種類ある麺の茹で方で1番硬いハリガネを食べた。あれこれ薬味を入れると、550円のシンプルなラーメンが「全部入りラーメン」なるものに変わる。
目の前でIはハリガネの替え玉を追加して再び美味いを連発している。食後にIが硬さのウンチクを述べるのを聞くのも楽しい。

たくさんの選択肢をくれる客に優しい店である。


「ふくちゃん」築地店
東京都中央区築地6-9-5
03-3545-6005
http://fukuchan-foods.co.jp/

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2006年02月26日

築地場内市場ツアーとホームパーティー

最近、中学の同級生たちと飲む機会が多い。みんな酒飲みなのでついつい飲みすぎる。銀髪は酔っ払うとすぐに「よし!俺が料理を作ってやる!」と言ってしまう。

築地場内市場にプロ以外は入れないと思っている人が多い。確かに早朝暗いうちから8時頃まではプロが狭い通路を早足で歩いているので一般人は迷惑な存在だろう。
巨大マグロを解体している様子を見たいなら、プロの時間帯に行かなければならない。カメラ片手に外国人観光客が歩いているのもこの時間だ。

買い物をしたいのであれば9時過ぎからがいい。プロの姿もまばらになり、一般人も歓迎される時間だ。場内では露骨な値引き交渉は禁物だが、残り物に福あり。店じまいの時間帯になれば先方から積極的にまけてくれる。

築地場内市場ツアーは新大橋通り側の入り口からスタートする。雑貨売り場などが所狭しと並んでいるところを抜けて、食堂が並ぶ通りに入ると大和寿司などに長蛇の列が出来ている。これを横目に見ながら鮮魚売り場を目指す。場内市場専用の車が走り回っている。

売り場に入ると早速我々に声がかかった。「買わなくもいいから話だけでも聞いていってよ!」マグロ専門店から声がかかった。ここで足を止めると買わないで去ることは難しいが、ツアーである以上説明を聞くのも悪くない。しばし講釈に耳を傾ける。最後に長崎県壱岐で釣れた正札15,000円の生本マグロの大トロ&中トロの塊りを12,000円にしてくれると言う。
予想通り買うことになってしまったが社長が刺身用の柵に切り分けてくれ、カマトロもおまけしてくれるなど優しかった。大トロが4柵、中トロが8柵取れた。因みに高級寿司屋で今使っているマグロも長崎県壱岐のもの。中トロの寿司1個で1,000円以上する。

なおもツアーは続く。不揃いだが味はピカイチの馬糞うに一箱2,415円。倍の値段がするきれいに並べられたものと品質は一緒だ。濃い色がまた美味そうだ。まだ口をぱくぱくさせている1.1キロのしまあじ1,730円。無理を言って三枚におろしてもらったが、見るからに脂が乗っている。プリプリのむきホタテ、トリ貝、イシガキ貝あわせて4,095円。

素材を生かすならチューブのわさびじゃ味気ない。場内の野菜売り場で生わさび4本入り1,000円を買った。1本1,500円のものに目がいったが、味は一緒と安い方を勧めてくれた。
かつお節の香りが漂う神社側の門を出て場外市場に向かう。松露の玉子焼き588円、漬物その他を買い込んで築地ツアー終了。ホームパーティー会場へなだれ込んだ。

そこには富山から直送してもらった生牡蠣半斗缶(51個)も届いた。コンビニからビールを調達、仲間が差し入れてくれたシャンパン(モエシャンドン)と純米酒(浦霞)で酒盛り開始。銀髪が造った刺身は紙皿に盛られて決してきれいではないが、体裁よりは味優先。牡蠣は2個ずつ生で食し、残りをホットプレートで焼いていく。生焼け状態が食べごろ。火が通れば殻を開けるのも難しくない。ジューシーな牡蠣、殻に残った牡蠣のエキスを含んだ海水がふくよかでうまい!

刺身に飽きた頃に残った魚介類をしゃぶ焼にする。薄く削ぎ切りにした生本マグロの中トロ、脂の乗ったしまあじに塩を振って両面をサッと焼いて食べる贅沢。お腹一杯のはずがいつの間にかすべて食べ尽くしてしまった。

築地場内市場で買うとどうしても量が多くなってしまうが、パーティーをやるなら最高だ。これだけの素材を店で食べたら、いったいいくら取られるのだろう。

みんな大満足でツアー&パーティーを終えた。またやろうね!

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2006年02月25日

へミングウェイのダイキリ

人名をつけたカクテルは当然のことながらその人がもっとも愛したものだろう。しかもその人好みのレシピに変えられたカクテルに違いない。

多くの人が学生時代にヘミングウェイの「老人と海」を原文で読んだことがあるだろう。ノーベル賞受賞作ながら、英文が平易だという理由で。銀髪も買ってはみたが、対訳で安心してしまって最後まで原文を読むことはなかった。ヘミングウェイが酒飲みの愛すべき奴だから読めと言ってくれれば、もっと親しみも湧いただろうに。

いつか飲もうと思っていたダイキリを池袋のショットバーで頼んだらできませんと言われた。その店は生ビールを一杯だけ飲んで出た。おしぼりで顔を拭いて何も飲まないで出るのは気が引けたから。次に先日スカーレット・オハラを飲んだTISTOSに行った。さすがにここにはあったが、「ヘミングウェイの」をつけるのを忘れてしまった。これではただのダイキリだ。

風長閑に行った。今度ははっきりとヘミングウェイのダイキリと言った。この店のレシピはバカルディラム45ml、ライム・ジュース20ml、砂糖10mlでクラッシュアイスの入ったグラスに注ぐ。別名フローズン・ダイキリだが、これは甘い。ヘミングウェイが愛したカクテルとは思えない。

新宿パーク・ハイアット・ホテルのピークラウンジに行った。女性バーテンダーにヘミングウェイのダイキリと言うと、怪訝そうな顔をして「チーフに聞いてきます」と言う。フローズン・ダイキリだと言い直したらわかったようだ。「砂糖を4分の1位にしてね」とちょっと格好をつける。一緒に来たのがおじさんばかりだから意味ないけれど。

これはいい。ちょっとヘミングウェイに近づいた。これならカジキマグロとの死闘を演じる老人=映画のスペンサー・トレイシーのイメージにも合っている。一人で勝手に悦に入っていると、テーブル席の間を早足に歩く小柄な女性を発見した。「おっ!石川さんだ!」フロア係の彼女を見るのは4年振り位。いつも明るく、てきぱきとしていて若々しい。彼女の年齢は4年の間も止まっていたかのように見える。目が合ったら気付いてくれたようだ。微笑みながら、挨拶に来てくれた。昔話に付き合ってくれるのかと期待したが、ちょっとだけ話をしたら、すぐに立ち去ってしまった。酔っ払いの相手は明るく、てきぱきと老獪だ。

ようやくヘミングウェイのダイキリを飲んだつもりになっていたら、ネット上で本物のレシピで作ったものを紹介していた。

・ホワイト・ラム(ハバナ・クラブ) 110ml ・ライム・ジュース 2個分 ・グレープフルーツ・ジュース 1/2個分 ・マラスキーノ 6滴
マラスキーノはマラスカ種のスイート・チェリーが原料のリキュールで、甘味はこれだけのようだ。パーク・ハイアットで飲んだものよりさらにハードみたい。やっぱりそうか、ハードボイルドのヘミングウェイならこの酒じゃないと似合わない。

これを飲みながら、老人と海を今度こそ原文で読んでみようか。いや日本語訳でもいいかな。んー、やっぱりTSUTAYAに行ってビデオを借りてこようかな。酔っ払ってしまったら、最後まで起きている自信はないけれど‥


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2006年02月24日

[なまこ屋](神田)  秘伝のどぶ汁仕立てのあんこう鍋

のん兵衛はいい店を探すのが上手だ。いい店とは手頃な値段で美味いもの出してくれる店のこと。銀髪の兄は典型的なのん兵衛だ。

神田は不思議な街だ。東京駅や日本橋のすぐ側なのに、まったく違った雰囲気を持つ。路地裏に入ったら時代を遡ったような錯覚をしてしまう。銀座・日本橋界隈ではあまり見られない焼とん屋もあちこちにある。

雨の中、兄に連れられてなまこ屋に行った。通常なら一杯の店内も、週明けの雨の日はさすがに客足は鈍い。なまこ屋というぐらいだから、なまこの専門店かと思ったがあるのはなまこ酢だけ。最初になまこを食べた人のように、初めて店の戸をたたく勇気ある客に感謝の意をこめて応対する気持ちを込めての命名のようだ。

自慢の品はふぐ、あんこう、鴨と数種類ある。どれを食べるか決めるのは難しい。ふぐは食べる機会が多いので簡単に除外したが、あんこうか鴨か悩んだ。春が一歩、一歩近づいていることを感じ始めた今日この頃。シーズンの終わる前にあんこうを食べるしかあるまいと決めた。

あんこう鍋はいせ源ぐらいでしか食べたことがないので、「どぶ汁仕立て」の文句に興味が湧いた。昔あんこうは売り物にならなかったため、漁師たちが船の上や浜で作って食べたという。従って水は使わずあんこうの身や野菜から出る水分と味噌だけで作るのをどぶ汁と言うそうだ。なまこ屋の秘伝は聞きそこなった。

出てきた鍋には「あんこうの7つ道具=身、皮、肝、ヒレ、エラ、卵巣、胃」が入っているのだろうか。捨てるものがない魚と言われ、DHA、IPA、レチノ-ルなど体にいいものを豊富に含むそうだ。
最近では外国産が多く出回っているが、なまこ屋は本場の茨城県常盤産のあんこうを使用している。

最後は雑炊。

濃厚などぶ汁仕立ての出汁にご飯を入れ、追加オーダーしたあん肝を入れる。
これはいい。ちょっと太り気味の銀髪はなるだけ食事の量を減らそうとしているのだが、これを残すのはもったいない。
生牡蠣、あんこうとふぐの唐揚、たたみいわし、なまこ屋名物とりまんじゅう(鳥ひき肉を山芋と餅米で包んだもの)、なまこ酢を食べて、お腹一杯になっても雑炊は美味い。

名物とりまんじゅう


お兄ちゃん、ご馳走様でした!


なまこ屋
東京都千代田区内神田3-5-5 大同ビル1F
03-3256-7098

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2006年02月23日

[ビヤステーション恵比寿](恵比寿)  あのビヤホールはどこに

恵比寿ガーデンプレイスはサッポロビールの工場跡地に作られた。色んな施設、レストランがあるがメインはやっぱりビヤホールだろう。

ホームページを開いてみた。一日何人の人が見に来るのか分からないが、一流企業が運営するだけに立派なものだ。http://www.gardenplace.co.jp

1890年に恵比寿ビールは誕生した。恵比寿駅が出来たのは1901年。ビールを汽車で輸送するために出来た駅だ。1928年には「恵比寿」が街の名前になった。街の名前がビールの名前になったと思っていたが、逆だった。ビールの商品名が駅名となり街の名前になったそうだ。

恵比寿ビールの発売元はサッポロビール㈱だが、北海道の開拓使麦酒醸造所が1876年に「札幌ビール」を発売したのを発祥の起源とする。この醸造所は民間に払い下げられ、合併等の変遷を経て現在に至っている。冷蔵庫の中で冷えているのが当然の我々にとっては100年以上も前の飲み方は想像できない。もっともビールの起源である紀元前のエジプトにまで遡ると何が何やら分からなくなってしまう。

恵比寿工場は1994年にガーデンプレイスに姿を変えた。1988年に工場が閉鎖されてからガーデンプレイスの完成までの間もビールを飲む場は確保された。
思い出にあるのは列車の内装を改造したビアレストラン列車。敷地に固定され動くことのない列車だったが、なかなか雰囲気があった。ここで友人が婚約者を紹介してくれたのだが、その後彼は離婚し再婚した。遠い昔の話だ。

ガーデンプレイスが完成して、大ビヤホールが出現した。体育館のような大ホールにはビール製造に使う釜が鎮座し、工場の中で飲んでいるような楽しさがあった。しかし、3年ほど前に改装して普通のレストランに変わってしまったとのこと。

また一つ思い出の場所がなくなってしまったと嘆いても仕方がない。黒ビールを飲んだ。
肴は定番のザウワークラフト、ソーセージの盛り合わせ、アイスバイン。

これだけあれば充分だ。あとはひたすら飲むべし、飲むべし。

ガーデンプレイスには恵比寿麦酒記念館があり、ビールの製造過程などを見学したあと4種類のビールを試飲できる。格安とは言え有料である。昔は無料だったと思う。30年前、札幌工場に行ったとき次の見学グループが来ても席を空けずタダ酒を飲んだことが懐かしい。

試飲が有料になったのは思い出のビヤホールがなくなった以上に悲しい出来事だ。
呑ん兵衛はいくつになっても意地汚い。


ビヤステーション恵比寿
東京都渋谷区恵比寿4-20-3
恵比寿ガーデンプレイス内
03-3442-9731
0120-34-4251 予約センター
http://www.newtokyo.co.jp/yebisu/

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2006年02月22日

[深町](京橋)  さつまいもの天ぷら

前にクロアチア料理を食べに行ったとき向かいにあった天ぷら屋さんが深町だった。一緒にいたYが「有名な店ですよ」と言ったので気になっていた。

中学時代の友人に深町という名の男がいるのですぐに店の名前を覚えた。いつか行こうと思っていたら、意外に早くその機会が訪れた。Oさんは学生時代に山の上ホテルでアルバイトをしたそうで、「深町」の大将とはその山の上ホテルからの知り合いだそうだ。
花板とアルバイト学生では接点も少なかったのだろう。「深町さんは覚えていませんよ」とO氏は謙遜していたが、懐かしさ・親しみは消えないようだ。

銀髪は山の上ホテルで天ぷらを食べたことはないが、天ぷらはかなり有名らしいく、ネット上で盛んに誉めてあるので喜んでO氏の招待をお受けした。待ち合わせの6時半に店に入ると既に店内は満員になっていた。

付け出しで湯葉、次に出てきたのがクチコ。クチコはなまこの卵巣を干したもので高級品だ。あぶって細かく切って食べると日本酒をいくらでも飲める。これを揚げるとは贅沢な天ぷらだ。
次がからすみ。からすみは薄く切ってちょっとあぶり薄切りの大根と一緒に食べるといくらでも飲める。これを揚げて大根おろしで食べる。これも贅沢な天ぷらだ。

湯葉、クチコ、からすみ

定番の海老や墨イカが出てきてちょっとホッとする。たらの芽、ふきのとう、たけのこのが出てくると嬉しくなった。旬を味わうには寿司屋がいいか天ぷら屋がいいか議論をしたことがある。相手は札幌の「おたる政寿司」の大将。天ぷら屋だと二人の意見は一致した。
天ぷら屋は旬の魚だけでなく、旬の野菜をいち早く取り入れるのがその理由。

たらの芽、ふきのとう、たけのこ

きす、めごち、あなごも美味かったが、初めて食べたハマグリの海苔巻き、うにのしそ巻きなど深町ならではの天ぷらもなかなかのものだった。

はまぐり、うに

O氏が絶賛するのがさつまいもの天ぷら。O氏は1個丸ごと食べたいと深町さんに主張したが、深町さんは「1個じゃ多すぎるから2人で1個でいいですよ」と譲らない。結局O氏は深町さんに従ったが、正直ホッとした。銀髪には甘いさつまいもは苦手な素材。
ヒヤヒヤしながら食べ始めたが、意外とあっさりしていたので救われた。O氏のように、さつまいもの天ぷらを目当てに来る人が多いのも頷ける。

さつまいも

深町さんは揚げたり、油を替えたりと忙しそうだ。生真面目で、とっつき憎そうに見えてなかなか話しかけられない。仕事が一段落したところを見計らって声をかけたら、意外なことにやさしい笑顔で応対してくれた。揚げているときには真剣勝負。終わったらいいおやじさんだ。Oさんのことも覚えていてくれた。

料理のことをあまり聞けなかったのが残念だったが、今度は深町君を連れてこよう。現在ニューヨーク在住の彼は帰国すると天ぷら屋に行きたがる。彼にとっては最高の店になるだろう。深町さんも喜んでくれるに違いない。

最後の料理は天茶。深町さんの笑顔を見た後の料理はより一層美味しく感じた。


深町
東京都中央区京橋2-5-2
03-5250-8777

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2006年02月21日

[紅とん](日本橋)  焼とんだーい好き

焼き鳥屋は無数にあるが、焼とん屋となると比較的数は少ない。デート向きとは言えないが、一杯やるには最高だ。

ホッピーを飲みながら焼とんを食べると大学時代を思い出す。目蒲線武蔵小山駅前にあった焼とん屋にときどき行った。それ以前にも焼とんを食べていたかもしれないが、記憶の中ではかしら、子袋を初めて食べたのがこの店だった。潰れてしまって今はない。

焼き鳥、串焼きと言えば当時はタレ全盛だった。塩ではあまり食べなかった気がする。そんな時食べたかしらの塩焼きは絶品に思えた。

子袋は目の前に出されたとき不気味に見えた。味よりもその印象が強い。それが子宮だと聞いて驚いた。まぁ人間は何でも食べるものだなと感心した。もちろん完食。

ホッピーもこの店で初めて飲んだ。焼酎をホッピーで割って飲む。学生にはこれまた安くて嬉しい飲み物だった。安いから悪酔いする粗悪品と長く信じていたが、麦芽使用率100%の立派なノンアルコール・ビアテイスト飲料と知ったのはかなり後からである。ビールが高価な頃、焼酎のホッピー割りが受けたようだ。1948年製造開始というから半世紀以上も生き続けている。

紅とんが近くに出来たときは嬉しかった。すぐにも行きたかったが、いつも夕食を共にしていたAさんは焼とんをゲテモノと思って行きたがらない。部下を連れて行くと何だかケチくさいと思われそうだが、許してくれそうな相手を探して行った。

ミミガー(耳)、子袋刺し(子宮)

左からハツ(心臓)、ハラミ(腹身)、タン(舌)、かしら(頭や首に近いところにある肉)、レバー(肝臓)、とり串焼き、てっぽう(直腸)、しろ(小腸)、ガツ(胃袋)

生ビール(480円)を3杯、ホッピー(300円)を4本、追加焼酎(150円)を4杯、串焼き(150円)を18本、子袋刺し300円などなどで二人合わせて6,700円位。

結構満足度は高い。女性に話すと「私も食べに行きたーい!」と言うのだけれど、本気と考えていいのだろうか? まぁ、食い物で釣っているようじゃ話にならないけどね。

紅とん日本橋本店
東京都中央区日本橋2-2-20
03-5205-3081

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2006年02月20日

[グレイス](赤坂) 蔘鶏湯(サムゲタン)

赤坂のAさんの会社をRさんと一緒に訪ねた。ミーティングを終えて行くのはもちろん韓国料理。ここは赤坂だ。

なぜ赤坂には韓国料理屋が多いのだろう。焼肉中心の店だけでなく、家庭料理や宮廷料理もある。AさんとRさんは共に辛いのは苦手である。韓国料理と聞いてちょっと不安気な表情をする。ご心配なく。韓国料理でも辛くない料理はある。今日は蔘鶏湯だ。

初めて食べたのは7年ほど前、やはり赤坂だった。韓国の土鍋に音が聞こえるかのごとくグツグツと煮立った蔘鶏湯が出てきた。中には鶏が丸ごと入っていた。鶏は中ににんにくやなつめ、そして朝鮮人参米などが詰められて長時間煮込まれる。一種の薬膳鍋だ。

これにはまった。赤坂で、人形町で、新宿でと韓国料理屋に入ってメニューを受け取るとまず蔘鶏湯の文字を探した。韓国に行ったときも高級店で、或いは市場の食堂で食べた。

鶏は長時間煮込んでいるため、スプーンや箸で簡単にほぐれる。店によっては骨も食べられるほどだ。ちょっとした韓国料理屋ならどこでも置いてあるが、AさんもRさんも食べたことがないとのことだったので、ハズレがないように気を遣う。

事前にネットで調べてきた店はグレイス。蔘鶏湯が看板料理と謳っているのでここにした。
本店は麻布十番にある。「昔は韓国の王様しか食べられなかった王朝料理、それが“蔘鶏湯”です。
今でも、医食同源の思想が受け継がれているお隣韓国の食卓では、“補薬”とも呼ばれ、体に良い栄養食として大変親しまれている料理なのです。」とのこと。

グレイスお勧めの料理をいろいろ聞いたが、結局一人前4,000円のコースにした。韓国風冷奴、ナムル、韓国風魚刺身、チャンジャ、チジミ、明太子サラダ、蒸し豚のスライス、みの焼、最後に石焼ビビンパ、生姜茶、アイスクリームがつく。これを韓国のどぶろく「マッコリ」を飲みながら食べる。


さて目玉の蔘鶏湯。写真を撮る前に店員にほぐされてしまったが、ちょっと小ぶりの若鶏が丸ごと入っている。今まで食べた中では品がある味に仕上がっていた。韓国の市場で食べた野卑な蔘鶏湯も好きだが、グレイスの蔘鶏湯は誰でも受け容れることができそうだ。

スープは毎日半日かかって仕込む。鳥は2時間以上煮る。他の韓国料理のメニューも豊富だが、蔘鶏湯を看板にする以上は鶏の選択が難しい。鳥インフルエンザを克服していい蔘鶏湯を作り続けた欲しい。

さて、どこの蔘鶏湯を選ぶか。強烈なインパクトを望むか、品の良さを望むか。いずれにしても焼肉とキムチだけが韓国料理ではない。


蔘鶏湯料理「グレイス」赤坂店
東京都港区赤坂3-13-6 国際天野ビル2F
03-3224-0775

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2006年02月19日

パンはいつ買うの?

昔、日曜の朝は特別だった。食パンが食べられる。母が大きな寸胴鍋に大量のシチューを作ってくれる。タンシチューやカレーシチュー、クリームシチューなどなど。
子供たちの朝の仕事は食パンを買いに行くことだった。

平日は家族全員揃って朝ごはんを食べることはなかった。夜も父は博多中州で飲み歩いて家で食事をすることは殆どない。一家団欒は日曜をおいて他にない。

日曜はいつもより遅くまで寝ていた。しかし、そんなに遅くまでは寝させてくれない。父が軍隊式にGET UP!と言って皆を叩き起こす。
母は日曜だからといって遅くまで寝ていることは決してない。日曜の朝は大朝食会だから、母はいつもの朝以上に忙しかったに違いない。

昔は食べるその朝にパンを買いに行っていた。父を含めて男4人が競って一本(4斤)を食べ尽くしてしまう。小学生だった銀髪も兄たちに負けないように必死で食べた。母が作った大量のシチューは瞬く間になくなってしまった。

一流のレストランでパンを食べると美味しい。焼き立てだからじゃないかと気が付いた。ご飯だって炊き立てがうまい。何日も前に買ったパンを食べるのは冷ご飯を食べるようなものだ。いつから当日にパンを買う習慣がなくなってしまったのだろうか。

いつの間にか食パンもスーパーで買うようになった。街のパン屋で買おうとしても開店時間は10時頃だ。朝ごはんに間に合わない。
あの頃のパンと比べると、バターやミルクがたっぷり入っている今のパンは美味しいがたくさんは食べられない。

オーストラリアに居たとき、パンが不味いのに驚いた。しかし、オーストラリア人は朝昼晩毎日食べるのだから日本のようなパンでは重過ぎるのだろう。
昔、あんな量のパンを食べることが出来たのは、もしかするとバターやミルク、卵が入っている量が少なかったからかもしれない。マーガリンは今のものとはまったく別物のように不味かった。

冷蔵庫がない家も多かった時代だ。冷蔵庫には鍵がかかるようになっていたような気がする。容量は小さく、しょっちゅう霜取りのためにスイッチを切った。生鮮食料品は食べる日に食べられる分だけ買った。母は毎日買い物に行った。時には子供たちも小銭を握りしめてお使いに行った。何度も何度も口ずさみながら、途中で忘れては家に走って戻り、また買いにいった。なぜメモを持たせてくれなかったのだろうか。不思議だ。

冷凍庫もレトルト食品もなかった。生鮮食料品は地元のものしか手に入らなかった。
世の中が便利になる前、家庭の食卓に上がる肉、魚、野菜などは、今より新鮮で美味しかったのかもしれない。

今は1度に大量に買い込んで車で持ち帰り、冷凍冷蔵庫で保存される。そもそも世界中から集まって来た食材は店に並ぶまでに長時間経っている。「何でもかんでも冷蔵庫で熟成させるなよ」と言いたくもなる。腐る前が一番美味しいと言うけれど‥

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2006年02月18日

皿うどん

ところ変われば同じ名前でも呼び方は異なる。頼んだものと違ったものが出てきて驚くこともある。

料理人が見たこともない料理に出会ったら、当然のことながら客がイメージできる名前をつける。ラーメンと言えば今では分からない人はいないだろうが、日本で出始めの時は苦労したに違いない。そこでつけた名前が中華そば。若い人たちにとってはむしろ中華そばの方が奇異に感じる名前に違いない。

焼いたラーメンは焼きそばになった。揚げたそばだから揚げそばで良さそうなものだがこれは固焼そばと言う。誰か1人が命名したのならもう少し統一感があっただろうがてんでバラバラだ。ところが固焼そばを皿うどんと言う地方もあるからややこしい。

長崎ちゃんぽんを日本中に広めたのがリンガーハット。1985年に東証上場を果たした。ここに行ったことのある人なら皿うどんが長崎での固焼そばの呼称であることを知っているだろう。関西以西、四国、九州では麺と言えばそばよりうどん。焼うどんでは本物のうどんと混同するので皿うどんと命名した。

皿うどんは細麺を使った固焼そばしかないとお考えの諸兄、それはちょっと違う。博多では麺を揚げない。具の内容はほとんど変わらないが、片栗粉でとろみをつけないで麺と混ぜてしまう。

博多駅地下の中華料理屋「一品香」に入った。メニューを見ると長崎皿うどんと並んで博多皿うどんが載っている。子供の頃兄弟争って食べた思い出の皿うどんがそこにあった。
上京してしばらくしてのこと。皿うどんをオーダーしたら揚げそばが出てきて驚いた。なまじ皿うどんの名前を別物で使っていたために、東京人よりもっと混乱したわけだ。

長崎皿うどん(リンガーハット)と博多皿うどん(一品香)

長崎皿うどんは全国区となり、袋入りも売られているので我が家でもよく作る。数十年振りに博多「一品香」で出会った皿うどん。普通の塩焼きそばに薄く切ったかまぼこを入れればそれらしくなるのかな?

海外の中華料理屋で出てくる焼そばは焼付け麺が多い。フライパンでカリッと焦がした麺に餡かけの具をかけるのが主流で揚げそばは少ない気がする。固焼そばはむしろ日本で人気のものかもしれない。
日清食品の創業者がこの揚げた麺がお湯で戻すとラーメンに戻ることを偶然発見して、インスタントラーメンが世界に広がった。揚げそば好きの日本人ならではの発見だったのだろうか。

ここまでいい加減な自分の考えを述べてみたが、調べても、調べても正確な起源を知るのは難しい。それならば、勝手な推測を酒の肴にでもしようか。仕事の話をしたり、説教を聞きながら飲む酒よりは旨い酒に違いない。

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2006年02月17日

[芳味亭](人形町)  老舗洋食屋のビーフシチュー

日本橋人形町には昔風に言えばハイカラな老舗料理屋が多い。軍鶏・親子丼の「玉ひで」、すき焼きの「人形町今半」「日山」などなど。

洋食屋では12月17日に紹介したトンカツの「小春軒」、ビーフカツの「キラク」などがあるが、忘れてならないのが「芳味亭」だ。

老舗有名店となると批判する人も多くなる。味覚は各人各様なので、不味いと言う人がいても不思議ではないが、手放しで「美味い!」と褒め上げるとグルメ失格とばかり蔑む人がいる。美味しいと喜んでいる人の前で不味いと言うのは下品な行為だ。悪口を言って食通を気取るのは慎みたい。

銀髪にとって人形町の老舗料理屋の味は総じて濃く甘い。今の人の好みは以前より軽く胃にもたれないものになっているが、老舗は移ろい行く客の好みに合わせるわけにもいかない。伝統の味は一つの文化遺産だから、維持していかなければならないのだろうか。

芳味亭の入り口左側の席の壁際には、映画評論家でグルメでも知られた故荻昌弘氏が随分昔にサンデー毎日に寄せた記事が置かれている。もちろん絶賛しているのだが、芳味亭の味はおそらく当時のままだろう。

ナイフとフォークが用意されるが、無論ナイフは必要ない。テレビのグルメ番組ではないが「ヤワラカーイ!」「トロケチャウ!」牛のばら肉、野菜は茹でてあり、スパゲティはいかにも昔風の味付けだ。
ビーフシチューとライスで2,650円。

一口食べると本当に美味い。「味が落ちた」と言う人もいるが間違いだと思う。二口目、三口目を食べると今度は「やっぱり人形町の味は濃い」と感じる。そこでご飯と一緒に食べる。ちょうどいい。所謂「洋食屋」の料理はパンよりご飯に合うように作られているに違いない。バターを塗ったパンと一緒ではくど過ぎるように感じる。

「芳味亭の畳席で洋食」というのもオツなもんだが、ワインを飲んでグダグダ時間をかけて女性と食事する雰囲気ではない。何種類もの料理が堪能出来る弁当をランチで食べるのが一番賢いかもしれない。

そんな訳で銀髪が芳味亭に行くのはいつも昼だ。今日の客の年齢層は様々。最初は年配者が多いかなと思っていたら、若い人も入ってくる。比率でいうとこの日は女性の方が多かった。みんな靴を脱いで2階の座敷に上がっていく。やがて弁当目当ての客が座敷を埋め尽くす。1階のキッチンも大忙しになる。

老舗洋食屋の味を愛する人が老若男女、今も多いのがわかって少し安心して店を出た。


芳味亭
東京都中央区日本橋人形町2-9-4
03-3666-5687
http://www.homitei.com

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2006年02月16日

[やきとり戎](恵比寿)  日本一夜景のきれいな焼き鳥屋

昔に比べると焼き鳥屋はきれいになった。煤けた赤提灯の焼き鳥屋はデート向きとは言い難いが、夜景のきれいな焼き鳥屋なら女性を連れて行っても文句は言われないだろうが、今日も男同士。

夕暮れ時には戎は満席になる。窓際に座ることは難しい。従って時間をずらして8時過ぎに行った。ほぼ一巡したのか簡単に入れた。窓際も可能だったが残念ながら美女と一緒ではないので止めにした。折角のカウンター席を男同士で占拠するのは申し訳ない。後から来るカップルのために席を空けておくことにした。カウンター席から写真だけ写してテーブル席に落ち着いた。

この店に初めて来たのは10年以上も前になる。何のグルメ雑誌だったか忘れたが夜景の見えるレストランランキングが出ていた。銀髪はアシスタントたちを連れて上位のレストラン巡りをやった。

トップは新宿パークハイアットホテルの「ニューヨーク・グリル」。ここはお値段もトップだったので、上司をスポンサーに仕立てて女性たちにいい顔ができた。レストラン中央の席。窓際の2人席は数ヶ月先まで予約で埋まっていた。

聖路加タワーの最上階のレストランはバイキングでお手頃な値段だったが、いつも満席でやっと予約が取れたと喜んでいたら、当日は雨で夜景は霞の下に沈んでいた。

浅草ビューホテルは比較的簡単に入れたが、レストランではなくバーでお茶を濁した。

戎にはちょっと並んで入った。もちろんカウンター席は一杯。我々はカップルではないし、気分は「夜景の見えるレストラン探検隊」といった乗りなので気にしない。テーブル席からでも夜景は見えた。

メニューは豊富だ。やきとりだけでなくやきとんもある。

やきとり

やきとん

夜景の値段は料理にそれほど加算されているとは思えない。どの料理も非常にリーズナブル。タケノコや菜の花などの旬の野菜料理もある。
和食だけでなくイベリコ豚の生ハムやチョリソー、チーズなど洋物もあり、それに合わせてワインも各種揃えている。

どんな人も自分の好みに合う料理・酒が必ずあるといったところだろうが、最大の酒の肴はやはり夜景。この夜景に勝る肴を出すのは至難かもしれない。

10年の間に夜景の見えるレストランは増えた。汐留シオサイトや六本木ヒルズの各レストラン、グランドハイアット、マンダリン・オリエンタル東京などなど。その中でも一番感動した夜景はカレッタ汐留47階のイタリアンレストランからのもの。
見下ろすと一際輝く光の筋が見える。橋でもあるのかと思ったが、海の上でもあるまいしそんなはずはない。高速道路かとも考えたが、ヘッドライトの流れが周りの道路のそれより遥かに遅い。

店員に尋ねると、それは銀座中央通りだった。レインボーブリッジより遥かに美しいと思った。しかしここからの景色の値段は高すぎて頻繁には行けない。

どうしても夜景を見ながら食事をしたいなら、ガーデンプレイスが無難だ。戎だけでなく叙々苑千房北海道などリーズナブルな店が多い。

バレンタインデーも終わった。空いた頃を見はからって行ったらどうだろうか。

東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー39F
展望レストラン街 TOP OF YEBISU
03-5420-1161
http://www.yakitoriebisu.co.jp/

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2006年02月15日

[EKKI](丸の内フォーシーズンズ・ホテル) サービスも味わう

EKKIに行こうと思ったきっかけはこだわりトップページのインタビューで連載中の鳥居晴美さんが主催する子供地球基金のワインパーティーだった。

お代わりするためにワインがあるテーブルに足を向けると、目の前にコリー・ウインター氏が立っていた。柔和な笑顔の彼に手を差し出した。聞けばフォーシーズンズ・ホテルの食事部門の支配人と言う。「あなたのレストラン(EKKI)は美女同伴じゃなければ入れないんでしょう?」と尋ねたら、このジョークが受けた。別れ際に「来週行くよ」と言ったがこれもジョークに思われたようだった。

正直言って、フォーシーズンズ・ホテルは目白のものしか知らなかった。しかし、目白のものは椿山荘との合弁で、丸の内のものがカナダ本社の直系だそうだ。コリーもカナダ人。住所は丸の内だがホテルがあるパシフィック・センチュリー・プレイスは八重洲ブックセンターのはす向かいにある。1階の専用入り口には外国人のドアボーイが二人立っていて、銀髪と目が合うとすかさず両方のドア大きく開ける。外国に来たような錯覚を覚える。

7階でエレベーターを降りてEKKIに向かうと入り口のソファに目を見張るような絶世の美女が銀髪を待っていた(ということにしておこう)。
席に案内されるとさりげなくコリーの名前を出す(さりげなくじゃなく露骨だろう!)。予約はコリーに入れてもらったので、他の客から隔離された窓際の席をゆったり使えるように配慮してくれていた。
レストランのスタッフも客も外国人が多い。またまた外国に居るみたいに思うが、違いがあるとすれば男同士のテーブルが多いことだ。接待が夜行われる日本の特徴だが、男同士でも奇異に見られないのはありがたい。海外なら何かあるように疑われる。
東京駅に近いし、席同士の間隔が広く、16人まで入れる個室もあるので接待に使える店だ。

メニューを見ると、目移りしてしまう。前菜+メインとオーダーすべきところだが、前菜から1品、メインから3品を選んで二人で分けることにした。前菜かメインかメニューのどの欄に書かれていようが気にしない。食べたいものを好きな組み合わせで食べればいい。
海外では一品当りの量が多いので、前菜から2品選んだり、メインを2品選んで量を調整してもらったこともある。

ワインはフルボディが好きだが、昨日飲みすぎたので軽めのものにした(毎日飲みすぎではあるが)。ウエイターがワインを開けるのを横目で見ているとコルクが割れた。「ワインの状態が悪いので取り替えてきます」と言う。さすが一流ホテルだ。
新しいボトルを開けたウエイターが自らのテイスティング・グラスで状態を確かめる。作法どおりだ。次は銀髪の番。グラスを回し香りを嗅ぎ、口に少しだけ含み軽くモグモグ、そしてゴクン。「ウン、いいよ」(なんてちょっと気取りすぎ。判りもしないくせに)。

さてこの日の料理を見てください。

付出し(蒸し鶏)とパン4種の中からアンチョビ入りクロワッサンと紅茶(アールグレイ)のパン

フォアグラのテリーヌとメインからウニのスパゲッティ

ブイヤベース(左)とメキシコ産牛肉とラビオリ。ステーキは二つに切り分けられて皿に盛られてきたので透き通った肉汁が踊って見える。

お茶うけ

途中でコリーが挨拶に来た。彼は高校時代に日本に1年間留学した。大人になって再来日して日本人の妻を迎えた。コミュニケーションをするには彼の日本語の方が銀髪の英語より上に違いないが、久し振りに英語を話すのも楽しい(コラッ!格好つけんなよ!)。
食事の相手はキョトンとしている。

食後にホテル総料理長のエドワード・ヒギンズ氏が挨拶に来てくれた。「次回来るときは連絡してくれ。好みの料理を作っておくよ。」なんて嬉しいことを言ってくれる。32歳と若いが、料理も外交辞令も巧みだ。

アシスタントマネジャーのロシャン・ディラン氏はスリランカ出身。日本に来て3年、日本語も流暢な彼との会話も楽しかった。

「美味しい食事に旨い酒、素晴らしいサービスと雰囲気。そして絶世の美女」 最高のディナーだった(と日記には書いておこう)。


EKKI Bar & Grill
東京都千代田区丸の内1-11-1
パシフィックセンチュリープレイス丸の内7F
03-5222-5810
http://www.fourseasons.com/jp/marunouchi/summary/index.html

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2006年02月14日

バレンタインデーなんて嫌いだ!

今年もまたバレンタインデーがやってきた。どうしてこんな日があるのだろう。もてない男は寂しいではないか。バレンタイン神父、あんたを恨むよ!

クリスマスも嫌いだが、バレンタインデーはもっと嫌いだ。誰がもてるか、もてないか一目瞭然である。チョコレートを自慢気に見せびらかす鼻持ちならない奴がいる。義理チョコはもっと始末が悪い。露骨にチョコを要求するオヤジもいる。

チョコレートを送るのが一般的になったのは銀髪が小学生の頃である。1958年に新宿「伊勢丹」でキャンペーン・セールが行われたが、実際にチョコレートのやり取りが頻繁になったのはそれからしばらく経ってからということだから、多分記憶は正しい。

好きな男の子にチョコレートを手渡すのは大変な勇気がいっただろう。自分の好きな男の子に1人の女の子がチョコレートを渡す。それを見た勇気がない女の子が泣き出す。それを他の女の子がなだめる。チョコレートを受け取った男の子はまるで悪人のように睨み付けられる。それでも睨みつけられる奴はまだいい。もてない奴らは蚊帳の外。

郵便受けには差出人が書いていないチョコレートが投げ込まれている。毒入りチョコ事件の遥か昔のことだから、気にしないで食べてしまうが、誰が入れたのか気になる。入れた女の子は自分だと気づいて欲しいのだろうが、それは永遠の謎で終わる。もてる奴は自惚れが強いから考えられる相手は無数。

ちょっと洒落た焼き鳥屋のカウンターで酒を飲む。しばらくして回りを見ると何とカップルばかりだ。大将に「女の子に人気の店ですね」と感心して言うと「お客さん、今日はバレンタインデーですよ」と馬鹿にされる。

外国人女性とデートをする。日本式にチョコレートをもらうところまではいいが、ただ喜んでいると露骨に嫌な顔をされる。こちらがプレゼントを手渡すのを待っているのだ。チョコレートを返してチャラにしてもらえないだろうか、なんて考える奴がもてるわけがない。

もてない奴はバレンタインデーなんかがあるために寂しい思いをしなければならないが、もてる奴も大変だ。自分の誕生日とクリスマスとバレンタインデーは出張することにしているそうだ。1人に絞ると後で問題になるからという。いい気になっていると後で痛い目に会うぞ!いやいや頼むから痛い目に会ってくれ。もてない奴が浮かばれない。

「日本はバレンタインデーはないほうがいいよ協会」なるものがあったようだが、まだ存続しているのなら入れてもらおうかな。

バレンタインデーなんて大嫌いだ!


巨大チョコ。義理も巨大?

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2006年02月13日

[千疋屋]日本橋  高級果物屋のカレーライス

「エーッ! メロン1個1万円もするのー?」という会話を誰しも一度はしたことがあるに違いない。葡萄一房5千円、みかん1個1,000円も当たり前。そんな千疋屋でカレーが食べられる。

千疋屋には客が入院でもしない限り行くことはない。果物は嫌いなのでフルーツパーラーに入ることもない。千疋屋でカレーが食べられるとは夢にも思わなかった。三井不動産販売の友人にグルメ紀行を書いていると言うと、是非ここのマンゴーカレーを食べろと勧められた。あの千疋屋のフルーツカレーならきっと値段も高いだろうと及び腰になったが、700円と聞いて行く気になった。話の種を得る値段としては割安だ。

日本橋三井タワーで千疋屋を探すのは簡単だ。難なく入り口右手に果物屋を発見。部下のKを伴ってズンズン奥に入っていく。果物売り場の先に「カフェディフェスタ」がある。Kは「2階にもレストランがあるみたいなのでそちらに行きましょう」と言うが、三井の友人に教えられたのは1階。そのカフェの入り口で店員が案内するのを待ったが、誰も来てくれないので声をかけるとセルフサービスとのこと。

マンゴーカレーライスを頼み金を払って席で待つ。呼ばれたところでKが取りにいってくれた。

マンゴーと聞いて変なカレーだなと思ったが、マンゴーの原産地はインド北部からミャンマーにかけての地域で、マンゴーチャツネはカレーに甘味と酸味を加える隠し味として、あるいはカレーに添える薬味としてよく使われるとのこと。りんごや福神漬けよりも本場・本物のカレーの必需品という訳だ。

そう言えば千疋屋は生の果物だけでなくジャムなども売っている。チャツネもジャムのようなものだから、これとカレーを結びつけるのは極めて当たり前の発想。

マンゴーカレーは他店ではポークカレーと言って出される類のものだ。マンゴーを前面に出すのは千疋屋ならではのこと。一口食べてみた。意外に甘くない。ンッ? これって変な表現。カレーを食べるときは「意外に辛くない」と言うべきだ。食べ進むうちに辛味が増して汗が出てきて、最後に「やっぱり辛かった」と言うべきだ。しかし今日は違う。最後に「やっぱり甘かった」と言ってしまった。

マンゴーカレーにはフルーツがついてくる。普段は食べない銀髪だが千疋屋だともったいない気がして食べちゃった。なんかすごーく得した気分になるから単純なオヤジだ。

食べ終わって2階のレストラン「デーメテール」を覗いた。ここにあるのはスペシャルマンゴーカレー。スペシャルがついて1,260円。三井の友人の言葉を思い出し、Kの口車に乗らなくて良かった。二人分1,120円も得をしたかな?

何がスペシャルか知らないが、激辛好みの銀髪には1階のカレー1回だけで充分。1階のマンゴーカレーと2階のスペシャルマンゴーカレーの両方を食べたことがある人。コメントください。

千疋屋の果物はただ高いだけでなく品質も特急品だと思うが、700円のカレーを出しているなんてちょっと微笑ましい。


千疋屋総本店
日本橋三井タワー1階
http://www.sembikiya.co.jp/ 

 

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2006年02月12日

お通し    食べたくもないのに金を取られる料理

ヒマジンスキーさんが「つまらないお通しに300円も取られた」と怒っていたので、ちょっと勉強してみた。

広辞苑を引いてみた。
先付=料理屋などで、本式の料理の前に出す小鉢物の類。
お通し=(注文の品を帳場に通したしるしの意)料理屋で、客の注文した料理ができる前に出す簡単な食品。
付出し=本料理の前に出す小鉢物など。酒の肴として出す、ちょっとしたつまみもの。

三つの言葉を同じように使っていたが、広辞苑を引いてそれぞれ使う場所が違うことを知った。

料亭ではコース料理の最初に先付と書いてある。先付はコース料金に含まれているので、明朗会計と言えるだろう。
お通しと付出しはどのような店で使われることばか広辞苑では明確ではないが、説明を読む限りお通しは大きな店、付出しは調理場と客席が近い店なのだろうか。

ヒマジンスキーさん同様、銀髪も嫌な思いをしたことがある。

珍しく夕食をラーメンで済まさざるをえなくなった。
店に入るとビールと味噌ラーメンを頼んだ。ビールと一緒にメンマが出された。ラーメンにどっさりメンマを乗せる店だからサービスだろうと喜んだが、ラーメンを食べて清算しようとしたら思ったより値段が高い。ビールとラーメン2品の足し算くらい銀髪でも出来る。ラーメン屋のオヤジが馬鹿なのかと一瞬疑ったが、サービスと思ったあのメンマの値段が上乗せされていることに気付いた。ラーメン屋で付出し?

家族で近くの店に行ったときのこと。最初はやっぱりビールだ。「グラスはいくつですか?」と聞くので3つもらった。大学生の娘も一口ぐらい飲む。お通しが3つ出てきた。ろくでもない小鉢を押し売りされた気分だ。酒を飲まない未成年の娘に「可愛いー」と取られたので酒の肴にもならなかった。

もう一度広辞苑を読んでみた。

先付は料理人の真価が問われる一品で、その後に出てくる料理のまさにプロローグと言えるものだ。銀髪は先付を結構楽しみにしている。

お通しと付出しは、店に入ってから注文をするため「料理が出てくるまでとりあえずこれでもつまんでいてください」との店の配慮のように読める。
酒を飲む人は居酒屋にとってはいい客の筈なので、最初はサービスで出ていたのではないだろうか。どこかの商売人が先付に倣って洒落た小鉢を作って有料にすることを考えた。これを見た小賢しい料理人が料理とも言えない小鉢を強制的に売りつけた。そしてそれが一般化した。
そんなところではないだろうか。

「ご注文の料理が出来るまで酒の肴に付出しでもお持ちしましょうか?」と言うべきだろう。お金を取るならメニューに付出しの欄を作るべきだ。

ヒマジンスキーさんが言うように、枝豆を数個、市販の塩辛、おからや切干大根。こんなものを少しだけ入れた小鉢を押し付けるなんて店主の品格が問われる。

百歩譲って、強制的に取らなければならない料理なら、料理人の腕前・誇りを示すような一品にして欲しい。

「食べたくもなかったが、食べて良かった。別に金を払うのでお代わりを持ってきてくれ」と客が言う。
「すみません。付出しばかり食べられては当店は赤字になってしまいます」と店主が言う。
そんなやり取りが出来る店が一流だろう。高級料亭も、居酒屋も、ラーメン屋も一流の条件はさほど変わらない。


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2006年02月11日

酢豚

お袋の味の定番は煮物などだが、日本の主婦の凄さは和洋中あらゆる料理を食卓に供することにある。従ってお袋の味は和食にとどまらない。

じゃがいもゴロゴロのカレーライス。カリッと揚がっていない天婦羅。パラパラにほぐれないチャーハン。野菜たっぷりのインスタントラーメン。どの家庭でも、誰にでもお袋の料理に特別な思いがあるに違いない。

銀髪にとっては酢豚も懐かしいお袋の味である。豚のばら肉を揚げて、炒めた玉ねぎ、人参、ピーマンと一緒にケチャップベースのソースを絡める料理方法は普通のレシピと変わらない。ただし、調味料の割合が異なる。酸っぱいものが嫌いな母と辛党だった父の好みだろうか、酸味と甘味が少ない。

子供のとき揚げたばら肉が大好きで、他の材料と混ぜる前に必ず数個つまみ食いをした。ピーマンと、辛味の残る玉ねぎが苦手だったが、揚げたばら肉が楽しみで晩ごはんが酢豚の日はうれしかった。

酢豚は大好物の料理だったが、外食したときその味の違いに驚いた。かなり甘酸っぱい。おまけに缶詰のパイナップルやサクランボが入っているのには閉口した。
以後、外食で酢豚を自ら好んで頼むことはなくなった。

お店の酢豚

会社の近くの中華料理屋で久し振りに酢豚を頼んだ。パイナップルは入ってないが銀髪にはやはり甘すぎる。酸っぱすぎる。

九州では酢豚のことをスーパイコーと呼んでいた。パーコー麺という揚げた豚を乗せるラーメンがあるが多分語源は一緒だろう。酢排骨と書く。厳密に言えば酢豚とは違うのかもしれない。

我が家の酢豚はお袋譲りの甘酸っぱさは控えめ。但し、ばら肉ではなくもも肉などを使う。パイナップルやサクランボなどはもっての外だ。

先日「どっちの料理ショー」で作っていた酢豚はケチャップ味ではなかった。ケチャップは豚肉の下味に小さじ1杯使うだけ。たっぷりの黒酢にライチーや蜂蜜を混ぜていた。これが酢豚なら今まで食べていた酢豚はどこの酢豚?頭がこんがらがってしまう。

これも酢豚なら何度か食べたことがある。中国は広い。同じ名前でも違うレシピの料理はたくさんある。

[上海緑波廊](大阪上海新天地内)の酢豚?

本場・本物の酢豚とはどんなものだろうか。いずれにしてもお袋の味とは別物なのは間違いないようだ。

お袋の酢豚はやはりスーパイコーと呼んでおこうかな。

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2006年02月10日

[ル・クープシュー](新宿)  気軽にフレンチ

お手頃値段で気軽にフレンチが楽しめる店があると中学の同級生に誘われ、野郎ばかり3人でル・ク-プシューに行った。

ル・ク-プシューとはキャベツを切るという意味らしい。新宿西口ヨドバシカメラの裏通りは、何度も通ったことがあるが気付かなかった。通りに面した入り口が閉まっているので休みかと思って入らなかったのかもしれない。入り口は横にある。

夜フランス料理を謳う店に男ばかりで入るのは多分始めての経験だ。まさかコースでもあるまいと思ったが、メニューを見ながらみんな何を選ぶか気が気ではない。耐えかねて「適当に頼んでみんなで分けて食べようぜ!」と提案した。みんな快く承諾してくれた。

下の「子羊のロースト・エストラゴン風味オレンジソース添え」を見て欲しい。(エストラゴンとはヨモギに似たフランス料理に欠かせないハーブの一つ。)

きれいに盛り付けられていたのに、銀髪の手により見るも無残に切り分けられてしまった。フランス料理をこんな食べ方をしていいのだろうか。和食なら気軽にと言えば焼き鳥、蕎麦など。イタリア料理ならピザ、スパゲッティなど。中華なら餃子、チャーハンなど。それじゃあ気軽なフランス料理って何?

そもそもフランス料理ってどんな料理なのかわからなくなってしまった。フランス料理の歴史を知りたくて適当なサイトを探していたら、フランス薬膳・文化研究家、エッセイストの須藤春子氏の記述を見つけた。
http://sugar.lin.go.jp/japan/view/jv_0102b.htm
これによると12世紀まではフランスの食事はローストした肉と茹でた野菜だけで、手掴みで食べていたという。華やかな料理はメディチ家が栄えた15世紀のイタリアのフィレンツェで発展し、メディチ家の女性たちがフランスの王家に嫁いだことにより、フランスにも洗練した料理が芽生えた。
これが草創期なら、爆発したのはフランス革命(1789年)で宮廷料理人が職を失い巷で料理屋を開かざるを得なくなったことによる。フランス料理は大衆化して更に発展の道を歩む。その間に、香辛料を求めての大航海時代があり、植民地を巡っての戦いが繰り広げられた。フィレンツェの文化に憧れたフランス王はイタリアに遠征してレオナルド・ダ・ヴィンチなどをフランスに連れ帰った。

これを読んでいて映画「第三の男」でのオースンウェルズの台詞を思い出した。「イタリーではボルジア家30年の圧政の下に、ミケランジェロ、ダヴィンチやルネッサンスを生んだ。スイスでは500年の同胞愛と平和を保って何を生んだか。鳩時計だとさ」

戦争、圧政、革命が料理・文化を発展させ、世界中に広める皮肉。フランス料理は宮廷料理から大衆化して進歩したという面白さ。

子羊以外にこの日食べた料理は左上からからムール貝のブルゴーニュ風(にんにく風味)、メランザーネパミジアーナ(なすのグラタン)、下段左からイベリコ豚のソテー、白身魚のフォアベルグローブ(カルパッチョ。フォアベルグローブは胡椒の一つ)。ムール貝は最後に再度頼んだ。
ビール3本(小瓶)ワイン2本飲んで1人5,500円位だった。

フレンチはやっぱり女性と一緒に来た方がいい。出来るものなら‥


ル・ク-プシュー
東京都新宿区西新宿1-15-7
03-3348-1610

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2006年02月09日

[魚道場](日本橋)   日本橋で食す富山料理

いの一番に書かなければならなかった店が魚道場だ。最初に取材してから4ヶ月以上も経ってしまった。

魚道場は富山から出てきた中年夫婦が仕切る店だ。屋号を見れば大将の人柄は想像出来るだろう。大将を支える女将さんは柔和な笑顔を絶やさない働き者だ。大将にあきれながらもやっぱり惚れてるんだろうなと思う。

この店にメニューはない。壁に何枚か貼ってあるが、メニューとは言えないものだ。料理人は大将一人なので客がばらばらに注文したら対応できない。最初から予算を言えばそれでやってくれるが、基本的にお任せである。

大将はいいものを高く出すのは誰にも出来ると言う。いいものを安くお客さんに提供したいと女将さんも言う。越前蟹漁が解禁になったからと思って行くと、仕入れ値が高い時期にはお客さんに出せないと言う。まさに夫唱婦随だ。
ここで知った食べ物、創作料理?は多い。

内子(メス蟹の出産前おなかの中にある卵)、クチコ(なまこの卵巣の干物)、ウルカ(鮎の内臓の塩漬け)。

氷頭なます(鮭の頭の酢漬け)、かぶら寿司(塩漬けブリをかぶらに挟んだなれ寿司)
穴子煮こごり。

ブリ大根。刺身は一口では食えないぐらい厚く切る。厚く切ると臭みが分かるので鮮度に自信がなければ出せないとこだわる。牡蠣は昆布の上でサッと火を通すだけ。

蟹は茹でたてが出てくるのが嬉しいが、厨房が狭く大量に茹でることができないため、蟹が出てくる頃には酒を飲みすぎてグロッキー気味のときもある。

セイコ蟹(外子を抱いたメス蟹)とオスのズワイ

4ヶ月も載せなかった理由を分かっていただけただろうか。銀髪の知る店の中では間違いなくトップランクにあるのだが、何が出てくるか分からない以上「これを食べたらいいですよ」とも言えない。

酒飲みに人気のある店だが、満席になってしまうと自分の料理がいつ出てくるか予想ができない。あまり早く行っても準備が出来てないので仕方がない。

大好きな店なのだが、あまり人気になってしまうと、銀髪の料理がなかなか出てこなくなるので困ってしまうのだ。

2008年3月3日に下記住所に移転しました。電話番号は変わっていません。

魚道場
東京都中央区日本橋3-3-5 丸十ビル1階
03-3231-3459


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2006年02月08日

[崎陽軒](横浜)  日本で一番売れているシュウマイ

横浜ロイヤルパークホテルでのパーティーで桜木町に来た。5時を過ぎたが夕食に行く店のあてはない。中華街に行こうかと思ったが一緒にいたAさんは好き嫌いが激しい。

Aさんが東京に戻ると強く主張するので、ホテルからタクシーで横浜駅に向かった。駅前に近づいたときビルの上方に「崎陽軒」の文字が見えた。そうだ閃いた。Aさんの大好物は崎陽軒のシュウマイ。毎日食べても飽きないと言う。崎陽軒行きを提案するとAさんは即座に同意した。

崎陽軒のビルには崎陽軒経営の複数の料理屋が入っている。以前来たときは地下の小さめの店に入った。ここには各種のシュウマイがあり、蒸したてはとても美味い。いつも食べる赤い箱に入った小ぶりのシュウマイのイメージとは随分違う。

今回も地下に行こうと思ったが、裕福なAさんは一番高級感がある2階の店を選んだ。席についてメニューも見ないで店員に「シュウマイ尽くしで行く」と告げると「シュウマイは2種類しかありません」とのこと。ガッカリした。地下の店に移ろうかとも思ったが、店員になだめられて諦めた。

出てきたシュウマイの一つはもっともポピュラーなシュウマイと同じ味だが一回り大きい。もう一つのシュウマイはくわい入りで、シャキシャキとした食感がいい。
2品とも期待を裏切らない味だ。

他にも何か頼むことになったが、Aさんにメニューは要らない。春巻き、麻婆豆腐、焼きそば、かにレタスチャーハン。定番のものしか頼まない。紹興酒は店推薦の古越龍山15年物。メルシャンが輸入しているこれも日本の中華レストラン定番の紹興酒。

麻婆豆腐は辛味を抑えた広東風。かにレタスチャーハンは米粒ぱらぱらで上手に作ってある。紹興酒は味見のためと5年ものをサービスで注いでくれたが、飲み比べるとあまりに違いすぎる。Aさんは25年物を土産に買った。500mlで3万円余。瓶と箱が立派だ。

翌日、羽田空港で空弁を買った。崎陽軒のシュウマイ弁当710円。シュウマイだけでなく、筍の煮付けが美味い。飛び立ってベルトを閉めるサインが消えたところで弁当を開いたら、すぐにフライトアテンダントがコンソメスープを持って来てくれた。熱いスープ付きのシュウマイ弁当はいつもより美味い。
Aさんに言ったらヨダレを垂らして羨ましがるに違いない。

もっとも、この弁当は東京駅でもデパートの地下でも、どこでも売っている。もしかすると日本で一番売れている弁当かもしれない。

ここまで読んで、ムッとしている人がいるに違いない。ご心配なく。ちゃんとわかってますよ!

崎陽軒を愛する横浜の人たちと話をしたら、シュウマイではなくシウマイだと怒られた。小さな「」が入っているか、入ってないか程度の話で怒るなよと言いたかったが、それほど愛されているシウマイ屋さん、幸せですね。

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2006年02月07日

[マンダリンオリエンタル東京](日本橋)  ランチ対決

昨年、日本橋三越に隣接する場所に日本橋三井タワーが完成した。12月2日その上階に最高級クラスのホテル、マンダリンオリエンタル東京が開業した。

マンダリンの本拠地香港に行くと、しばしばこのホテルに滞在する。重厚な雰囲気の伝統を感じさせるホテルだ。マンダリン東京にも期待感が強い。レストランはどうだろうか。取り敢えず偵察ではないがランチに行くことにした。

レストランは37階にフランス料理の「シグネチャー」と広東料理の「センス」、38階に朝食から夜遅くまで利用できる「ケシキ」がある。香港ベースのマンダリンだから「センス」に行くことにした。

センスは気持ちがいい高級感が漂う。12時半以降は予約で一杯とのことだったが、行ったのは11時半前だったので12時45分までとの約束で席に案内された。窓際で外の景色を遮る物は何もない。夜は素晴らしい眺望だろう。

メニューを渡されて迷わず点心中心の一番安い3,500円のランチコースを頼んだ。今日は偵察なので無駄な見栄は張らない。
先ず前菜三種盛り合わせが来た。それから順番に健康スープ、蒸し点心3種(小龍包、海老餃子、衣笠茸入り蒸餃子)、点心2種(大根パイ、カレー味の揚げ物)、きのこ入りの腸粉ブラックビーンソース、チャーシューとパイナップルが入ったメロンパン、はと麦入りお粥、デザートはタピオカ入りの紫芋ベースの甘いスープ。蒸し点心3種の写真は撮り忘れた。写真がない小龍包がこの日のベスト。

ランチで店の評価をするのは気が引けるが、質、量ともに満足のいくものだった。今度は夜に来て当店自慢のナポレオンフィッシュを食べてみよう。

さて、先週はマンダリンの他に日系の高級ホテルでもランチをした。ホテル名は伏せておこう。奇しくも同じ3,500円のものを食べた。

本日のスープとロースト・サンドイッチにコーヒー。

ついでにご馳走してくれた友人の5,000円コースは
魚介類の前菜、ステーキ、デザートにコーヒー。

因みに、マンダリンの客は殆どが日本人の中年女性。男は外国人が多い。日系のホテルの方は外国人も多いが殆どがビジネスランチと思われる男達。

写真で判断するのは難しいが、皆さんはどちらに行きたいと思うだろうか。

「エッ!自腹ではどちらにも行きたくない?」それを言っちゃおしまいだよ。


マンダリンオリエンタル東京「センス」
http://www.mandarinoriental.co.jp/tokyo/

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2006年02月06日

[牛正](大阪)  ツキノワ熊の鍋

牛正と書いてぎゅうしょうと読む。牛肉を食べさせるのかと思ったら、名刺には鍋・馬肉料理と書いてある。大阪で不思議な店に案内してもらった。

日本一交差点北西角の古いビルに入っていくと右手に牛正がある。小上がりのテーブル席が一つある以外は長いカウンター中心の店。新鮮な様々な部位の馬刺しがあるが、馬肉専門店でもない。鍋は桜(馬)鍋、牡丹(いのしし)鍋、鹿鍋、雉鍋、熊鍋と多彩だ。いい肉が手に入ればそれらの刺身を食べることもできる。

熊鍋をメインにすることは店に着く前から決めていたが、他に何を頼むか迷ってしまう。馬は熊本で食べたばかりなのでスキップしようと思ったが、板さんが勧めるし相方も食べたそうなので馬刺しの盛り合わせと桜納豆を頼んだ。それと長須鯨の尾の身。さすがに何度も勧めるだけあって熊本産の生の馬肉は美味い。熊本でも食べられなかったユニークな馬刺しが白子。

馬の白子

見た目と食感から白子と名づけたそうだが、実際は背骨の骨髄とのこと。牛は危険部位ということで問題になっているが、馬は大丈夫と板さんが胸を張るので食べてみた。胡麻とからしがよく合い、人によってはネットリ感が苦手かもしれないが結構食べられる。

さて熊鍋。その肉を見てください。

白い部分は脂のようだがコラーゲンが主なのでそれほど脂っぽくない。

牛正は丹波産猪肉を扱っているため熊も兵庫県丹波から仕入れる。熊は、絶滅危惧種になっているツキノワグマで、丹波地方は捕獲を禁止しているため、他地域で捕獲したものを丹波に集めて再出荷しているらしい。
ツキノワグマの狩猟期間は11月15日から2月末迄で、冬眠に備えて木の実などを食べて脂肪を溜め込むため写真のような肉になる。
鍋は味噌仕立てのため、熊肉自体の味はよく分からなくなってしまっているものの、熊は固くて臭いとのイメージとは異なる。鍋を食べている間に皿に残った肉の脂・コラーゲンは室温で融けだしている。

話の種で終わらせるのは惜しい食材だが、絶滅危惧種を頻繁に食べるわけにもいくまい。

次に来るときは別の鍋を試してみよう。久し振りに牡丹鍋もいいかもしれない。雉は予約制だが刺身で食べることもできる。

希少品、高級食材とも言える物を気楽にカウンターで食する。