約5年振りに岡山に来た。瀬戸内の魚を堪能した。
地元銀行の常務との会談が終わって部屋を出るときに「岡山での夕食を楽しみに来ました。どこかいい寿司屋さんを紹介してください。」と軽口を叩いたところ、「おう、それならわたなべがいい。ちょっと座って待ってなさい。」と言われた。椅子に戻って待っていると部長が地図を持って来てくれた。本当に親切でありがたい。
シドニーに居たとき、東京からの出張者は必ず海の幸を食べたいと言った。そこでいつも寿司屋に連れて行った。「なんだ、オーストラリアにまで来て寿司屋か? お前らは貧乏だから役員が来たときは高級な寿司を食べられると思っているんだろう!」と罵られたが、そんなことはない。世界で一番魚の扱い方を知っているのが日本人、しかも寿司職人なら間違いないというのが寿司屋を選ぶ理由。フライやバター焼きを食べて喜ぶ日本人は少ない。
日本でなら寿司屋でなくともOKだろうが、評判の寿司屋なら外れることはあるまい。「わたなべ」には数日前に巨人の原監督も来たらしい。移転する前から巨人の選手たちのひいきの店。小さな入り口を入ると長いカウンターの席があり、奥に座敷が二つある。
地元の魚をつまみで食べることにした。
べいかは煮ると縮んで米のような形になるため米いかと書くそうだ。卵を抱えていてトロットして美味い。ピンクの色をしているさわらは、地元の人にとってはなくてはならない魚で、トロより人気があるらしい。
子持ちのしゃこはマレーシアの巨大しゃこと比べたら本当に可愛い。おこぜは広島が有名だが岡山でも1年中食べられるそうだ。
見たことのないえびの名は「おおぞう」。刺身もいいが、焼いた頭はみそが甘くて美味だった。
小鯛とままかりは酢でしめてあるが、あまり酸っぱくなくて銀髪好み。塩の量を少なめにしているとのことで、塩を多くすると酸っぱく感じるそうだ。一つ勉強になった。
最後に刺身にしたおこぜのあらを味噌汁にしてくれた。
大将の渡辺さんは、この時期は産卵期にあたり美味しい魚を出すのが難しいと言う。今日、銀髪が美味しいと思ったあいなめやさわらなども一番美味しい時期は11月。客と大将の満足度は次元が違うようだ。
店を移して約10年、その前の店でも約10年。岡山では有名な店らしいが、大将を横で支える女将ともども偉ぶったところがない気持ちのいい店だった。写真を撮るためにあれこれ注文をつけたが、嫌な顔ひとつせず応えてくれた。女将の笑顔も嬉しかった。
その後、岡山で乗ったタクシーの運転手さんたちに「わたなべ」に行ったと言ったら、誰もが羨ましがった。
わたなべ
岡山県岡山市幸町5-20
086-231-9290
投稿者 銀髪 : 2006年04月28日 06:03
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