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2006年04月30日

アブサン

銀髪のホームバーである日本橋の「風長閑」に行った。ホームバーと言えるほどの常連ではないけれど、ご近所なので許して欲しい。

カウンターに座ってギネスの黒ビールを頼んだ。これ一杯で帰るつもりなのだが、カウンターには一人で来ている客が銀髪を入れて3人。お相手するのはチーフ・バーテンダーの石井さんただ一人。ママはテーブル席の客に挨拶に行っている。

こんな時の解決策はただ一つ。隣の客と親しくなることだ。石井さんも一度に二人を相手に出来る。右隣の客は遠いのですぐ左の客をターゲットにする。さて話のきっかけを捜すことにして、しばし様子を伺った。

左の客の前にあるボトルを見た。「PERNOD」の文字が見えたが何のことか分からない。その下を見ると「ABSINTHE」と書いてある。ピンと来た。アブサンだ!

アブサンはアルコール度数が高いので有名な酒だが、その名前を知ったのは水島新司の野球漫画「あぶさん」を読んでからだ。主人公の影浦安武は代打専門の酒豪で、酒しぶきをバットのグリップに吹き付けてホームランをかっ飛ばす。ビッグコミックオリジナルに1973年から30年以上も連載されているから恐れ入る。

ちょうど銀髪が酒を飲み始める頃の連載開始だから、アブサンという酒の印象は強かった。当然、飲んで面白がったに違いないのだが、飲んだ記憶が明確ではない。「これがあのアブサンだ!」と言われて飲んだ記憶があるが、本物のアブサンだったか定かではない。

「アブサンですか?」と左の客に自然と声をかけることができた。ついでに銀髪グルメ紀行の名詞を渡したら、「ママに聞いて見てますよ」と嬉しい言葉。名刺交換したMさんの飲んでいるアブサンを石井さんにちょっと注いでもらった。

アブサンはニガヨモギ、アニス、ウイキョウなどが主成分で、もともとは医薬品として生み出されたものだけに独特な香りと味を持っている。幻覚などの向精神作用があるとして発売禁止されたこともあるが、成分の規制などで解禁されて一般に流通している。
カウンターに置いてある「ぺルノー」がアブサンの代表格。アルコール度数68%なので、ストレートで飲むとほんのり甘い。水を加えると白濁する。

Mさんがお代わりをすると言うので、石井さんはグラスにアブサンを注ぎ、砂糖を加えて穴あきスプーンに角砂糖を乗せてアブサンを垂らして火を点けた。

アブサンは漫画の「あぶさん」だけでなく、詩人ヴェルヌールや画家のロートレック、ゴッホ、作家のヘミングウェイなどアル中連中に愛された酒らしい。アブサンはちょっとだけにして今日は帰ることにした。
Mさんとの橋渡し役をやってくれたので、「アブサンご苦労さん」である。

近いうちにMさんと一杯やることを約して、握手をして店を出た。

投稿者 銀髪 : 2006年04月30日 05:39

コメント

私の学生時代に強い洋酒(チョット古いか?)と言えば「アブサン」「ジン」「ウォッカ」に尽きたものですが、今私の自宅にある洋酒をチョット見ると、「余市12年 シングルカスク62%」「宮城峡17年 シングルカスク62.8%」「LAPHROAIG 10年57.3%」と今では結構強い酒がポピュラーとなっているようです。40年近く色々な酒を飲んでいると、味に鈍感になったこともあるでしょうが、酒本来が持っている独特の臭みが旨味と感じられるようになりました。
今では酒夫々が持つ個性を死ぬまで追い続けて行くような気がしてなりません。
缶ビルーをあおりながら倒れて死んだ、親父に乾杯。 

投稿者 st.kem : 2006年04月30日 22:32