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2006年05月31日

[勝手屋] (名古屋)  鮮!鴨

名古屋駅からも、栄・錦の繁華街からも遠いが、地元の人たちに人気の店がある。

名古屋の知人の忠告を守り、前もって予約を取ってからタクシーを飛ばして行った。まだ5時半と時間が早かったせいか先客は一組だけだったが、30分もすると店は一杯になった。この店を訪れた有名人のたくさんの色紙が壁を覆っている。

実はこの店は2度目である。以前来たときはグルメ紀行を始める前だったので紹介し損なっていた。鰻(ひつまぶし)、名古屋コーチン、味噌煮込みうどんなど、誰もが名古屋名物と思い浮かべる料理をこれまで紹介していたため、この店に随分とご無沙汰してしまった。

勝手屋は特に何かの専門店というわけではないようだ。肉だけでなく鮮魚もある。本まぐろのカマトロなど食指が動きそうなものもあるが、築地に行けばいくらでも買えるので我慢した。やはり、この店ならではのものを食べたい。

この店の看板料理その1は牛タン料理だ。付け出しは牛タン焼きで各人に焼いた鉄が乗ったものが配られ、これで各々が牛タンを焼いて食べる。
牛タン料理の種類は多数あるが、知人の薦めによりどて煮を選んだ。八丁味噌仕立ての土手煮はボリュームもあり、食べ応えがある名古屋ならではの味である。

この店の看板料理その2は鴨料理だ。いや店名が「美山の味 勝手屋」となっているから、こちらが1番の看板か。岐阜県美山町の鴨料理15種の中から選んだのは4品。最初に書いてあるものが看板のはずだから、迷うことなくまずその料理・鴨のたたきを頼む。刺身は心臓と肝があり、もちろんそれも外さない。身がしっかりしていて、味は鶏に比べるとあっさりしているように思える。
刺身もいいが、肉は焼くと本来の味が噛むごとに染み出してきて、さらに美味い。そこでねぎたまり焼き。以上4品。

この店の常連さんである知人は他のものも食べたいのか、トコブシと熊本産の馬刺しを頼んだ。馬のタテガミと霜降り肉はいつ食べても美味いものだ。

お腹が膨れてきたのでアイヌねぎみそ漬け(ギョウジャニンニク)と金時草のおひたしを酒の肴に頼んだ。

最後に牛タンの辛いスープと柚子ご飯を頼んで4人で分けて食べた。ご飯の上には海苔とかつお節。中部地区の人はなぜかかつお節が好きだ。きしめんやお好み焼には定番だが、ご飯にかけて食べるとなんとなくレトロな雰囲気になる。猫まんまみたいだが、意外と美味しくて却って新しい料理に思えてくるから不思議だ。

名古屋名物を有名店で食べるのもいいが、地元の人が愛する店を知ると、ちょっと通になった気分になる。


勝手屋
愛知県名古屋市中区新栄1-16-6
052-241-8093


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2006年05月30日

[OSTERIA ORTIGIA](京橋)   カウンターで本格イタリアン

カウンター中心のみんなが絶賛するイタリア料理店に行った。

店名をカタカナで言うと「オステリア・オルティージャ」となるが、カタカナにしても何のことやらさっぱり分からない。ソムリエの資格を持ちサービスを一手に引き受ける川島オーナーに聞いたところ、オステリアは「ワイン主体の(店)」の意味で、オルティージャはシチリア島シラクーサーという街の中にある出島の名前とのこと。
川島さんが以前住んだことがあるそうで、自分の店の名前にするぐらいだから相当のお気に入りに違いない。インターネットで探すと、紀元前にまで遡る美しい街並み、景色を見ることができた。

オステリア・オルティージャを「大人の隠れ家」「モダンな店内」「吟味した食材に厳選されたイタリアワイン」などとグルメ紹介サイトやグルメ・ブログに書かれている。今更これ以上、何を言えばいいのだろうか。
料理はお任せにして、当然のことながらワインを頼んだ。何たってオステリアだ。川島さんはさすがソムリエで説明も詳細だが、好みだけ言って料理に合ったワインを選んでもらった。

[茨城産子牛舌のボイル、空豆とペコリーノチーズ盛り合わせ][和牛トリッパのトマト煮]  

トリッパとは牛の第2胃袋で所謂「ハチノス」のこと。イタリアではとてもポピュラーな料理らしいが、日本人は嫌がる人が多い。
メルボルンに居たとき銀髪の一番のお気に入りだったイタリア料理屋では、前菜に数種類の内臓料理が必ずあった。日替わりのものも多く、これら内臓料理だけを前菜とメインにしたことも度々あった。今日のお供Oさんも大好物と言う。

[勝浦産金目鯛とグリーンアスパラガスのソテー][生ウニのスパゲッティ]

Oさんが隣の席に運ばれていく皿を見つめている。自分にも欲しいと手に入れたのが右下の生野菜。 

[黒豚と子羊のグリル野菜ぞえ][生野菜]

川島さんを愛想がないと評しているブログもあるが、そのブログにもフォローしてあるように、客との距離感を考えてのことだろう。この距離感が難しい。距離を縮めるのはどちらかと言うと客の仕事だ。二人の世界に浸っているアベックに店の人の方から入って行けるわけがない。難しい仕事の話をしている男同士に対しても同様だ。

その点、我々は楽ちんだ。恋人同士でもないし、仕事の話をしたいわけでもないただの食いしん坊。「こんなに混む日は珍しいですね」とてんてこ舞いの川島さんの手が空くのを逃さず話しかける。

話しかけると嬉しそうに今日の素材、料理などのことを話し始める。いい仕事をしたときは誰かに聞いてもらいたいものだ。うるさそうにする店員がいたら、自分の店や料理に愛情がこもっていない証拠だろう。

最後にOさんにはデザート(リコッタチーズとセミフレッド)、甘いものがダメな銀髪にはチーズ(マンチェゴとブリドモー)が出た。

イタリアンは料理の名前を書き取るのが大変だと言ったら、川島さんがわざわざメールしてくれた。まったく有難い。至れり尽くせりだ。
川島さんが女性だったら「瞳の中にオルティージャが見えた」と結びたいところだが止めにしとこう。そんなセリフは似合わない。


OSTERIA ORTIGIA(オステリア・オルティージャ)
東京都中央区京橋3-4-1 TM銀座ビルB1
03-3516-6842
http://www.osteria-ortigia.com

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2006年05月29日

[いづみや](八重洲)   ビール大瓶のある居酒屋

良心的な店の判断は、置いてある瓶ビール大・中・小で決まる。

大先輩に連れられていづみやに行った。大瓶の値段は600円。昔、ビールは大瓶しかなかったと思う。バドワイザーやクアーズなどの米国ビールを真似た小瓶は発売されたことはあるが、通常飲むビールは大瓶以外には考えられなかった。

子供の頃、ビールの空瓶は酒屋に持っていくと5円で引き取ってくれた。アサヒの刻印があるビール瓶にサッポロのラベルが貼ってあるのが不思議だった。キリンのラベルにある空想上の動物・麒麟の絵に「キ・リ・ン」の三文字を探して喜んだものだ。

いつから中瓶が主流になったのだろうか。世界中を見て回ったわけではないが、500ml入りの中瓶など見たことはない。居酒屋での中瓶の平均的値段は550円位。ホテルやクラブでの小瓶は1,000円前後。量が少ないほど割高になる不思議なシステム。どこの誰が中瓶を考えたか知らないが、店側にとっては画期的なアイデアと言っても言い過ぎではない。

店側にとってこんなに有利なシステムがあるのに、それを無視して大瓶を600円で提供する店には、大先輩だけでなく誰もが文句なしに平均以上の得点を与えることになる。大瓶を600円で提供しなければ客が来ないようなチンケな店なのかと思ったら、食べ物もしっかりしたものが出て来たので恐れ入った。

いつものようにメニューの中に、この店ならではの料理を探す。本日のお奨め料理の別紙を見たら金目鯛の刺身があった。他の刺身に比べてかなり高めの840円。
金目鯛は大きな目を持っていることで分かるように、水深200m~800mに棲む深海魚だ。鯛は日本人が大好きな魚であるため、商売人が知名度の低い多くの魚に「○○鯛」と名付けた。首を傾げてしまうような○○鯛もあるが、金目鯛は鯛の名前を借りなくても良かったと思うほど味のいい魚だ。

煮付け、鍋物、酒蒸し、粕漬け、干物など、どんな料理でも美味しい。最近では刺身で出す店も増えてきたが、一般的にはなっていない。
600円で大瓶を飲ませる店にしては高いと思ったが、出てきた金目鯛の刺身を見て量の多さに驚いた。そして脂の乗った見事な味に更に驚かされた。一緒に頼んだしめさばも良かった。

焼き鳥は専門店の味と比較するのは可愛そうと思ったが、肝とねぎ間を塩焼きとタレに分けて焼くのを要求した我々に対して、店の女性は笑顔で受けてくれて、板さんもそれに応えてくれた。
いい店である。

いづみやは地下1階、地上2階の大きな店である。帰ってからいづみやのホームページを開いたら、歴史ある店であることが分かった。店子の立場だったら東京駅から3分の好立地で、良心的な経営をすることは不可能だろう。

こんな店を長く続けて欲しければ、せっせと通うのが一番だ。大先輩は同年代の仲間とともに長年贔屓にしているようだ。レジに陣取る店主が子供の頃から知っている人も多いそうだ。

客の世代交代は上手くいっているのだろうか。いやいや、交代しろと言ったら大先輩たちに怒られる。

いづみや
東京都中央区日本橋3-3-3
03-3271-2939
http://www.idumiya.info/

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2006年05月28日

ヌワラエリア

食後に何を飲むか。紅茶を頼む人がいるとオヤッと思ってしまう。

以前勤めていた大企業の国際部の重役が海外出張したときの話。外国通の彼は飛行機に乗ると気取って紅茶を頼んだ。スチュワーデスが「イングリッシュ・ブレックファストはいかがですか?」と聞いたのに対し、かの重役氏は「朝ごはんは済ませてきた」とムッとして答えたそうだ。

オーストラリアに駐在していたとき、オフィスには何種類もの紅茶が置いてあった。銀髪もときどき紅茶を飲んだが、今でもすぐに出てくる紅茶の名前はイングリッシュ・ブレックファスト、アールグレイ、ダージリンぐらいだ。味の違いや特徴などはもちろん言えない。

イギリスの植民地だったオーストラリアでは今でも紅茶を飲む人が多い。ティータイムにはスコーンと紅茶が定番で、色んな店で味わった。もっとも好きだったのがシドニーから車で1時間以上離れた、ブルーマウンテン近くにある民家風の家庭的な店。おばあちゃんが焼く昔ながらの美味しいスコーンに自家製のイチゴジャム、ホイップした生クリームをつけて紅茶を飲んだ。甘味を抑えたジャムとクリームは銀髪でも楽しめた。

またまたウノ(→「ウノ」)に行った。最近この店の宣伝マンになってしまっている。食後にオーナーシェフの福山さん自慢のエスプレッソをみんなに頼もうとしたら、Eさんは紅茶がいいと言う。次に出てきた言葉が「ヌワラエリア」。福山さんは即座に対応している。
まるでおまじないみたいだが、これが紅茶の名前。銀髪は何度聞いても覚えられない。

書き取ろうとしたら後でメールを送ってくれると言われて安心した。Eさんのメールを引用すると「ヌワラエリアはスリランカでの紅茶生産地で一番高いところ、標高1800メートルにあります。イギリス人によって開拓されたリゾート地でもあります。草のような香りが特徴的なストレート向けの紅茶です」とのこと。

昔は紅茶と言えばセイロン(スリランカ)産と誰もが思っていた。この呪文みたいな「ヌワラエリア」の他に「ウバ」「キャンディ」「ディンブラ」「ルフナ」がスリランカで有名な紅茶らしく、ウノでは「ヌワラエリア」と「ウバ」をブレンドして出しているそうだ。ウバ(乳母?)以外の名前を銀髪には覚えられそうにない。知ったかぶりは止めようと肝に銘じた。
Eさんのこだわりに感心したが、福山さんが紅茶についてもしっかり対応しているのに驚いた。

海外駐在員の奥様方は必ずウェッジウッドやロイヤルコペンハーゲンなどの食器セットを買い集める。日本は料理に合わせて多種多様な食器があるが、洋食器は極めてシンプルで数が少ないため求めやすい。しかし、誰もが迷うのはコーヒーカップの他にティーカップも揃えるかどうか。コーヒーカップで代用していたら、紅茶好きのEさんに怒られるかもしれない。

我が家にもウェッジウッドのティーポットがあったはずだが、オーストラリアから帰国して以来10年以上もお目にかかっていない。いったいどこに隠れてしまったのだろうか?


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2006年05月27日

ところてん

「ところてんを送ります」と言われた。嬉しい反面、戸惑った。

銀髪にとってところてんは実はあまり馴染みのない食べ物だ。小さい頃住んでいた福岡ではところてんではなく、おきゅうとを食べていた。共に海草を煮詰めたものであるが、ところてんは天草(テングサ)、おきゅうとはエゴノリが原料である。エゴノリの入っているところてんもあり、両者は親戚のようなものだ。

「おきゅうとーに納豆ー」と言う物売りの声が耳から離れないが、おきゅうとが好きだったかどうか記憶がない。福岡に出張すると懐かしがってお土産に買って帰るのだが、酢醤油で食べるものを子供が喜んで食べたとも思えない。納豆と一緒に売りに来るのだから、朝ごはんのおかずとして食べていたのだろうか。

ところてんとなると最初に食べたのがいつか思い出せない。最後にいつ食べたのかも思い出せない。干したものが寒天だが、それならみつまめの中に入っていたものを子供の頃よく食べた。寒天ダイエットなるものが流行ったが、廃れてしまったのだろうか。

ところてんを食べない理由を考えてみたら簡単に分かった。酒の肴にならない。おかずにもならない気がする。デザートはもともと食べないので頼まない。甘味処には必ずあるようだが、そんなところに行くことはあり得ない。

そんなことを考えていると、ところてんが届いた。いつ食べようかと迷ったが、うまい具合にその日は飲みすぎてしまった。そこで翌日の朝ごはん代わりにすることにした。
Yさんが送ってくれたところてんセットには「ひのき突き棒」が入っていた。突き出したばかりのところてんは、角がしっかりしていて心地良い食感である。わさび醤油と胡麻の風味が良くて、これなら酒の肴にもなりそうだ。

艶やかなところてん

Yさんが絶賛していたのも頷ける。さてこうなると、このところてんの氏素性を知りたくなった。ネットで探すとすぐに見つかった。会社の名前は栗原商店だが、店の名前は「伊豆河童」。材料は100%伊豆産の天草、名水百選のひとつ富士山の湧き水・柿田川の水で作る。ところてんのタレはわさびドレッシング、梅蜜、胡麻ダレなど9種類。テレビ・雑誌で紹介されて人気沸騰だが、昔ながらの製法で大量生産しないため注文しても届くまで時間がかかる。

ところてんを突き棒で押し出す作業は子供だけでなく、大人も楽しい。ところてんはあまり好きではないと言っていた子供が、自分で突き出して喜んで食べていた。

偶然におきゅうとを近くのスーパーで見つけた。ところてんの突き棒があるので、これを買って母のところに持って行った。美味しくなければ食べてはくれない。懐かしがってくれたけれど、突き棒でごまかされてはくれなかった。

おきゅうと

「伊豆河童」の名前では富士の湧き水のイメージは起きなかったが、住所の清水町を探して地図を見ると隣は三島市。三島と言えば湧き水で育てた鰻が名物で、清水町とは湧き水つながりである。
ところてんや鰻ばかりでなく、湧き水のお陰でこの周辺は美人の産地でもあるそうだ。Yさん本人が言うのだから間違いないのだろうが、銀髪にとっては初耳である。本当?


「伊豆河童」
柿田川名水ところてん
http://tokoroten.co.jp
株式会社 栗原商店
静岡県駿東郡清水町伏見184-3
フリーTEL:0120-750-091 

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2006年05月26日

[叙々苑・游玄亭](有楽町) 今日はメチャ高い

自腹で行こうとは思わないが、ついて来いと言われれば断る理由はない。

若い女性タレントが憧れる焼肉屋が叙々苑・游玄亭らしい。テレビで「游玄亭に連れてってくださーい♡」などと言っているのを何度か見たことがある。昭和51年六本木に開店してから30周年を迎えた叙々苑だが、数ある叙々苑の中で最高クラスが游玄亭である。

游玄亭は新宿、赤坂、西麻布、有楽町マリオン、銀座並木通りの5店舗がある。銀座並木通り店が一番高く、特選○○焼が一皿7,500円もするので、銀髪が頻繁に行ける店ではない。
値段の違いなど分からないままに有楽町マリオン店に行ったら、ここの特選○○焼は5,500円で、肉の質は銀座並木通りと同じとのこと。店が新しくて部屋の造りも違うため見栄を張っての接待なら銀座で、そうでなければ他の4店がお値打ちと説明を受けたが、5,500円では特をした気分にはなれない。

特選ロース薄切り焼き、壺漬カルビ

何はともあれ今日はスポンサーがいるのだから遠慮なく食うべし。スポンサーに任せるととんでもない量をオーダーするため制御するのが大変だが、今日はお客様の意向を配慮して頼んでいるので一安心。それでも、彼の近くには座らない。余った焼肉をてんこ盛りされる惧れがある。

特製タン塩焼

最高級品を頼むか、ちょっと下のランクを頼むか思案のしどころだ。最高級品は脂が多いためしつこ過ぎて量が食べられない。程よいクラスの肉であれば量が進む。結局年寄りにとってはどちらを選んでも料金は同じになる。

ユッケとレバー刺し

游玄亭でのお奨めは生肉である。特にレバーが美味い。レバーが嫌いな人も、游玄亭のものならきっと好きになる。もっとも、好きになるためには一口でも食べなくては始まらない。見た目や、食感を嫌いな理由にされたら、どんなに味が良くても好きにはなれない。もったいない話だ。

ミノ焼、チヂミ

次にお奨めはミノ焼きだ。普通の店でミノを食べると、固くて顎が痛くなる。大きなものを頬張ったら吐き出すのは気が引けるし、飲み込むこともままならない。ところが游玄亭のミノはサクッと噛み切れる感じがする。

一度は来たい游玄亭だが、銀髪が好きなのは牛タン、レバー、ミノと内臓ばかり。カルビやロースは最高級品でない方がいい。

控えめに頼んだつもりが、やっぱり余ってしまった。あと30分もあれば、食べ尽くせると思うのだが、スポンサー氏は勘定を始めてしまった。

お客様も、銀髪も従順に席を立った。泣く子と、スポンサーには勝てない。

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2006年05月25日

[麗心(リーシン)](南青山)  薬膳中華

女性に人気の街で中華料理を食べることにした。

中国茶を売り物にしているだけに、店に入ってすぐのところに各種のお茶が並べられている。それを横目に外が見えるベランダ席に案内してもらった。予想通りどの席も女性客で埋まっている。料理も普通の中華料理屋の大皿料理と違い、少人数で分けて食べるのに適している。デート向けと言ってもいいだろう。

コース料理にしようかと一度は考えたが思い直して薬膳料理を頼むことにした。薬膳・漢方の文字がある料理に集中する。まず漢方水餃子(1,155円)。クコの実などが中に入っているが、スープも健康に良さそうだ。

薬膳スープ(1,890円)は烏骨鶏入り。鶏の皮が苦手の人は烏骨鶏の黒い皮は到底食べることができない。銀髪一人で身は引き受けた。鶏の肉は食べずとも、朝鮮人参やなつめなどを煮込んだスープは薬効も充分のようだ。

薬膳スープと烏骨鶏の身

薬膳煮豚(2,360円)は10時間以上煮込んだかなり大きな皮付きの角煮だ。中華独特の香辛料が効いている。写真の見た目より食べ応えがある。

煮豚の全体と、切り分けた断面

食事の最後は漢方つゆ麺。このスープも健康に良さそうだ。店の女性に薦められた薬膳料理のうち3品はスープ系だったので、胃への負担は軽い。

麺とお茶

最後はお店に敬意を表して中国茶。酒のアルコールが消えるようなお茶をと頼んだら、「大紅袍」というお茶を薦めてくれた。飲んだ酒は壷8年ものの紹興酒。紹興酒は必須アミノ酸を多く含むので、体にいいと言われる。1本くらいで悪酔いするわけもないが、薬膳料理やお茶の助けもありいつもより心地良く酔えた。

これからも贔屓にしようかと思ったら、8月旧盆頃には閉店予定と言う。客足が途絶えないのを見ていると信じられない思いだったが、経営不振ではなくビル・オーナーの都合だそうだ。

興味のある方は早めに行ってください。


麗心
東京都港区南青山5-4-41 グラッセリア1階
03-5468-0340
http://www.lixin.jp/

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2006年05月24日

[大塚](博多)   あら料理の名店

テレビ、雑誌で度々紹介される有名店に行った。

約3ヶ月ぶりに博多に来たが、今日の夕食はお客様がセッティングしてくれたため、何を食べるか分からない。グルメ紀行の素材になるかどうか不安だが、お金を出すのが先方ならこちらの希望を叶えるのは難しい。

ご招待を受けたのは、相撲茶屋「大塚」だった。もしかしたらと思い携帯電話のメモ帳を開いた。グルメ紀行の取材候補として、テレビなどで興味が湧いた店をメモしているが、その中にちゃんこ料理屋があったはずだ。店名はすっかり忘れていたが、「相撲茶屋-大塚-博多」と確かに書いてある。こんな偶然は大歓迎だ。

お客様より先に店に入ったため、板さんやお店の人と話す時間がたっぷりあった。入り口近くの壁にはビッグコミック・スピリッツに連載されているグルメ漫画「美味しんぼ」の額がある。第10巻、67巻、79巻にこの店のことが書かれたようだ。

あら料理で有名な店だが、あらと言えば冬の魚。特に相撲の九州場所の時期が旬とされ、相撲部屋への差し入れで一番人気があらと言われる。従って、今はシーズンオフだと思ったが、1年中食べられるようになったとのことで、当然今日のコースにも入っていると言われ喜んだ。

夏限定のメニューを見ると、大好きなおこぜ料理がある。刺身、姿揚げ、揚げ出しが各3,000円。
なつあら料理も刺身、唐揚、塩焼き、シャブ鍋、あら焚き、あら鍋、酒蒸し、茶づけも各3,000円。お好み4品を頼めば9,800円とお得だ。もちろんちゃんこ鍋もある。

今日は会席コース料理。あらは付け出しの茹でたものと塩焼きの2品。身は思いのほかしっかりしている。これまで「てら岡」や「八千代丸」で食べたのはしゃぶしゃぶや刺身なので面白く食べた。しかし大塚の看板はあら料理なので、やはり旬の冬に食べに来たいと思った。

あら塩焼き

この日、あらより美味だったのは鯛。雌であればもっとピンク色の身だと言うが、雄でも充分に美しい。しかし怪我の功名か、雄だったので椀物に白子が入っていた。鯛の白子料理はあまり食べたことがないが、鱈の白子より美味しいかもしれない。

鯛の薄造りと椀物

女将の大塚さんが料理の終わり頃に店に現れた。漫画よりもっと柔和できれいだ。客あしらいも素晴らしい。今度はじっくり味わいに来ようと思った。

帰り際にきれいな5円玉をくれた。ご縁がありますようにとの昔風の挨拶だ。店を出ると我々の姿が見えなくなるまで女将が見送ってくれた。料理屋でこんな配慮をしてくれる店はめっきり少なくなってしまった。
大塚が悪かろうはずがない。


相撲茶屋 大塚
福岡県福岡市中央区高砂1-19-3
092-531-9100

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2006年05月23日

[あつた蓬莱軒](名古屋) 元祖ひつまぶし

名古屋名物ひつまぶしを、発祥の店で食べようと出かけた。

今ではうなぎ料理の定番になり至る所で食べられるようになったが、「ひつまぶし」は蓬莱軒の登録商標とのこと。名古屋の人に聞くと、「もっと美味い店があるよ」と言われることもあるが、まずは明治6年創業の老舗で食べないことには始まらない。

タクシーに乗ってから不安になってきた。予約なしで名物店にタクシーで乗りつけると休みのことが多い。店に着いたら案の定「定休日」の札が掛かっている。ところが同行した部下のKは以前来た店と違うと言う。この店は「神宮南門店」でタクシーの運転手さんの間違いと分かった。本店に電話をしたらやっていた。やはり店の前で定休日の札にショックを受けていた年配の女性二人連れを同乗させてあげて、本店に向かった。「旅は道ずれ…」である。ここからのタクシー代はもちろんタダ。

本店はさすがに風格のある佇まいだ。中に入ると自分で靴に番号札をつけて靴箱にしまう。客同士が靴を間違えないようにする配慮のようだが、あくまでセルフサービスである。
2階に上がると大広間に卓袱台。メニューを開くと思ったより多くの種類の料理がある。でも、やっぱりみんなが頼むのは「ひつまぶし」。気持ち的にはいろいろ頼んで最後にひつまぶしと行きたいが、昼だから我慢した。それでも肝焼きの写真には抗うことはできず、ビールのあてにした。

ぷっくらした照り輝く肝焼き

ビールの大瓶1本を二人でちびちび、飲み終わる頃にひつまぶしが出てきた。

店員は説明してくれないが、メニューに食べ方が書いてある。まず、お櫃の鰻ごはんを4つに分ける。それを①そのまま食べる。 ②のり、ねぎ、わさびなどの薬味を入れて混ぜ合わせて食べる。 ③出汁をかけてお茶漬け風にして食べる。 ④3つの食べ方のうち気に入った食べ方で食べる。

左から食べ方①②③

うなぎは好きな料理ではあるが、銀髪にはちょっと甘すぎるので個人的には②が一番いいかな。肝焼きのときから思っていたのだが、テーブルには山椒が置いていない。周りのテーブルを見ても、どこにも山椒の器は置いていなかった。店の女性が控えている後ろの棚には山椒らしい器があるので、頼めば持って来てくれるようだが、そのまま食べた。
郷に入れば郷に従えだ。

最後に出汁だけを茶碗に注いで飲んでいるときに、父を思い出した。昔、食後に父は必ずごはん茶碗でお茶を飲んだ。ごはん粒を残さず食べるため、洗い物を増やさないため、しかも洗いやすくするためと言っていたように思う。子供たちも従わされた。
食べ物が、水が、洗剤が、手間が、「もったいない」気持ちからだろうが、すっかり忘れてしまっていた。今そんなことをしたら笑われるかもしれない。

家に戻って蓬莱軒のホームページを見た。外国語の案内もあるが、なんと大女将の顔写真があるのは英語ページのみ。日本語のページより料理の写真も大きく充実している。Kが夜にこの店に来たとき、挨拶に来た大女将は1時間も話し込んで行ったと言う。

次回はひつまぶしではなく、他の料理と大女将を目当てに行ってみようかな。老舗のイメージががらりと変わるかもしれない。

大女将は止めたほうがいいと、Kが訴えてはいるが‥


あつた蓬莱軒
愛知県名古屋市熱田区神戸町503
052-671-8686
http://www.houraiken.com/

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2006年05月22日

立ち食いそば

立ち食いそばを追いかけている人など居ないだろうと思ったら、結構マニアが多くて驚く。

評判の店に行って「美味い!」と言うのはおもねっているようでちょっと気恥ずかしい。名店を「評判のわりに大したことはない!」と切り捨ててグルメを気取るのはもっと恥ずかしい。

ところが誰もが不味いと言う店を、美味しいと誉めるのは最高に難しい。みんなに馬鹿にされそうでグッと言葉を飲み込んでしまう。給食を美味しいと言うと馬鹿にする子が多い。機内食が楽しみだと言うとあからさまに蔑む大人がいる。迷惑な話である。

そんなわけで「立ち食いそばが美味い」と言うことを躊躇してしまう。ところが素直な気持ち美味く感じてしまうから仕方がない。昔、豊橋駅構内にあった立ち食い蕎麦屋のきしめんは美味かった。独身時代、二日酔いの胃の負担を避けるため、せっかく朝食を抜いて会社に向かうのだが、蕎麦屋の前を通るともう我慢ができない。食べ終わって胸焼けがして後悔しても、数日後にはまた我慢できず自己嫌悪にさいなまれる。

名店の蕎麦は確かに美味いと思う。麺、そばつゆ、茹で加減、どれをとっても流石と思う。立ち食いそばとはそばの質が違う。だしの取り方が違う。器が違う。職人の腕が違う。店員の応対が違う。それでいて立ち食いそばが美味しいと何を根拠に言えばいいのだろうか。

悶々としてネットを開いてみると、殆ど毎日食べ歩いている人がいるのに驚いた。立ち食いそばランキングをつけているマニアもいる。ランキング上位常連の「そば好」に行ってみた。かつお節屋さんの直営店らしく、つゆを一口すすってみると確かにいい味だ。大きな穴子の天ぷらが乗って400円。日本橋本町の本店も、人形町店も昼時には行列が出来ていた。

ところが銀髪の好きな店は、立ち食いそば通によるとランキング下位で、そばの質など個別評価も低い。その店の名は、日本橋の「六文そば処」だ。福岡から上京してきたときに初めて食べた関東風の黒いつゆを思い出す。そばは固めに茹でたこれも黒いそばだ。春菊の天ぷらが厚くドテッとしていい。粗くきざんだ唐辛子をたっぷり入れて食べると、口の中がヒリヒリしていい。
他店に行列が出来ている時間帯でも座れるのがいい。

げそ天と春菊天

人形町の六文そば処も昼飯を食べ損ねたときによく行った。春菊が売り切れで仕方なくげそ天を食べた。両方の店に共通なのはチェーン店と思えないところだ。実にのんびりした雰囲気で、個人経営の店そのもの。人形町の店ではおばちゃんとお兄さんが時々言い合いをしている。日本橋店で「チェーン店ですか?」と聞いたら、「ここはチェーン店だったっけ?」などと話し合っている。馴染みの客が来ると注文を聞かずに目で受ける。

天ぷらは大豆油を使うなど、壁を見るとこだわりの数々の説明書きが貼ってある。それらを見ると、銀髪の評価は間違ってないような気になる。きびきびとマニュアルどおりの応対が気持ち良い周辺の立ち食いそば屋と比べると、何となく生真面目に感じてしまうから不思議だ。

殆どの人がダメの烙印を押しているのだが、ネットで丹念に調べると同好の士もいないわけではない。部下に話すと彼もファンだと分かって嬉しかった。隠れファンは意外と多いのかもしれない。

「なーんだ、銀髪なんてグルメ失格だ!」と非難しないで欲しい。人の好みは千差万別。
こんな店を好きになってしまうと、自分の評価を他人に押し付けることは恥ずべきことと、自らを戒める銀髪であった。


六文そば処
東京都中央区日本橋2-2-20

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2006年05月21日

[プリック]② うずら

馴染みの店・「プリック」でも、食べたことのない料理は多い

再び池袋のタイ料理屋に行った。久し振りに行くと好物のトムヤムクンなどいつも同じものになってしまうが、先日行って間もないので違う料理ばかり選んだ。いつもお腹一杯になって食べられなくなってしまうタイ(レッド)カレーをメインにするのはすぐ決まった。

その前に何を食べるか選ぶのに苦労した。悩んだ末の一つ目が海老のさつま揚げ。タイ料理には日本のおでん種のような練り物があるが、これはフライになっていてちょっとイメージが違った。
次は魚の浮き袋入りサラダ。一度揚げているのだろうか、カリッとした食感もよろしく面白い。唐辛子やナッツも入ってエスニックらしい。

もう一品はうずら揚げにした。フランス料理などでもよく使う食材だが、出てきた料理はシンプルに揚げただけのもの。骨まで食べられるうずらを見て、遠い昔を思い出した。

30年近く前の話である。赴任地・豊橋の駅ホームに焼き鳥屋があった。焼き鳥屋と言っても立ち飲みのチンケな店だが、不思議なことにお店の看板料理はうずらだった。プリックのうずらのように、生まれたばかりの小さなうずらは骨まで食べることが出来た。
なぜうずらなんかがあるのだろうと不思議に思ったが、答えはすぐに分かった。

豊橋の高額所得者名簿を片手に農村地帯を回った。敷地内に入ると、おじさんがひよこの選り分け作業をしているのが見えた。拾い上げたひよこをひっくり返し、お尻の汚れ物をふき取って一瞬にして雌雄を判断する。片方は一羽ずつ囲い柵のある箱の中に丁寧に置いていく。片方は無造作に次々とバケツの中に放り込まれていく。

バケツの中で押しつぶされまいともがいているのは、哀れわが同胞のオスである。豊橋は日本有数の卵の産地で、特にうずらは日本一。バケツのひよこは殆どが焼き鳥屋に直行し、ほんの一部は黄色や青に着飾って夜店に並ぶ。

神業的な雌雄選り分けの技術を持つ相手にかかっては、卵を産む鳥が夜店に出ることはない。子供にせがまれて、大きくなったら食べればいいと思って買ったひよこは、やがて家族の一員となり、平和な一生を終える。

焼き鳥屋に行った鳥は、もっと幸せに短い一生を終え次の輪廻に備える。銀髪は尊い命をひよこからいただいて、感謝しながら酒を飲む。

タイ料理屋で豊橋を思い出すとは予想外の展開となったが、ひよこを選り分ける名人たちは、引く手あまたでタイなど東南アジアに行くと聞いたことがある。冷凍焼き鳥など鶏の加工品はタイ産が多い。タイ料理屋にうずら料理があるのは、豊橋駅の焼き鳥屋と同様で決して意外ではないのかもしれない。


「プリック」
東京都豊島区池袋2-62-6
03-3590-3413

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2006年05月20日

モルトウイスキー

ニッカ「オールモルト」というウイスキーがある。ウイスキーの呼び方にはいつも混乱させられる。ちょっと整理をしたい。

用語の意味と合わせて考えてみよう。

モルト(malt)=麦芽、麦の種子を発芽させたもの。
グレイン(grain)=とうもろこしなどの穀物、ここでは麦芽以外の穀物を指す。

モルトウイスキーとグレインウイスキーは材料の違いで分かり易い。

分かり辛いのがシングルモルトとピュアモルト。シングル(単一の)もピュア(混じり気のない)も同じようなものだが違いがある。

シングルモルト(single malt)=単一の蒸留所で作られたモルトウイスキー。
ピュアモルト(pure malt)=複数の蒸留所で作られたモルトウイスキーをブレンドしたもの。

シングルモルトの方がピュアモルトより希少価値がある。もっと稀少なものがシングルカスク。
カスク(cask)とは樽のこと。シングルモルトで、しかも単一の樽で熟成されたものを他の樽と混ぜないでそのままボトリングしたものがシングルカスクだ。

モルトウイスキーとグレインウイスキーを混ぜ合わせたものをブレンドウイスキー、正式にはブレンデッド(blended)ウイスキーと呼ぶ。

希少性で言うと、少ない順にシングルカスク、ピュアモルト、シングルモルト、ブレンデッドと続き、これが値段の高い順になる。
しかし、カスクワインは紙箱に入った安いワインのこと。カスクの名前がついているといってもそれが高級を意味するものではない。中途半端な知識での思い込みは避けたい。

「オールモルト」はニッカのピュアモルト・ウイスキーの商標のようだ。それではオールモルトはニッカの造語かと思ったら、オールモルトの用語をビールメーカー各社が使っている。ご存知のように本来ビールは麦芽100%で作られるものだが、アサヒ・スーパードライなど多くの日本のビールは米やコーンスターチを加えている。これらのビールと差別化するため麦芽100%のビールをオールモルトビールと言うようだが本末転倒のような話である。

さて本題に戻るが、シングル、ピュアなどの分類意外にも、熟成年数が長いほど数が少ないため手に入れるのが難しくお値段は高くなる。もっとも、15年物ぐらいから熟成の進行具合いは遅くなるそうだから、味とお値段とは必ずしも正比例しない。

それでも、30年物のスコッチなどを目の前にすると、節酒を心がけようとの誓いはいとも簡単に崩れ去るのである。
酒飲みは意地汚く、意思が弱い。

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2006年05月19日

[ウノ](日本橋)  世界一のピザ

手放しで誉めるのは勇気がいる。必ずけちをつける人がいるから。でも、今日は言おう!世界一のピザだと。

「オイ!ピザを食べに行こうぜ!」と同僚を誘った。遅い昼飯でお腹が空いていないらしく、嫌な顔をする。銀髪はこの2週間くらい、ピザが食べたくて仕方がない。週末自分で作ろうとすら思ったが、時間がなくて果たせなかった。従って、今日は何がなんでもピザなのだ。

会社から歩いて約10分のところに世界王者が焼くピザ屋を発見した。正確にはオーナーシェフの福山さんの大学の先輩・後輩などが経営するイタリア料理店グループの代表チームが、「フライング」というピザ生地を宙に飛ばして伸ばす世界チャンピオン。12店舗約100人の中から選りすぐりのチームが世界戦に出ると言う。

一度昼時に店の前を通ったら、女性客で一杯だった。銀座の女性を誘おうとも思ったが、ピザだと安っぽいと敬遠されそうだったので、同僚と行くことにした。同僚は何で男同士なんだと不平を言う。金を払うのは銀髪なのに。

席に着いていきなりピザでもあるまいと思って、ビールのつまみに自家製ピクルスとにんにくの香りが効いた大好物のムール貝のオーブン焼きを頼んだ。

シチリア産の赤ワイン(3,000円)を頼んで、お目当てのピザを選ぶ。アドバイスしてくれるのはパティシエでもある女性の戸部さん。一番のお奨めはナポリタイプのイタリアンピッツァ「クアットロ・フォルマジオ(2,100円)」で、これが一番高い。

ゴルゴンゾーラ、ゴーダ、パルメジャーノ、モッツァレラの4種のチーズをふんだんに使ったピザは想像を超える美味さだった。石釜の前でフライングしているのが見えたので、あれが我々のピザだなと思って数分待つ時間を覚悟していたら、すぐにピザがテーブルに運ばれてきた。何だ勘違いだったのかと思ったら、出てきたピザはやはりあのフライングしていたピザ。何と焼き時間は600℃でたったの50秒という早業。
チーズがメチャクチャ美味くて感動。もっと感動するのは生地の香ばしさ。焦げているところはオーブンではなく、まるで直火で焼いたようだ。しかも食感はもちもちしている。

同僚も「ピザって、こんなに美味しかったのだろうか?」と目を丸くしている。もう一枚アメリカンタイプのピッツァ・ニューヨーク「トマト(1,050円)」を頼むことを提案すると、お腹一杯のはずの同僚が両手を上げて賛成する。

トマトは自家栽培のものという。先ほどのイタリアンピッツァほどの衝撃はないものの、まったく違うタイプのピザだ。感激しているところに福山さんが現れた。素直に感動したことを伝えると、数が作れないのでメニューには載せていない自家製ベーコンを出してくれた。

桜の木で燻したベーコンがこりゃまた堪らない。「桜のチップを使うんですよね」と知ったかぶりをしたら、「チップではこの味は出ない」とのこと。かなりのこだわりがある。チーズの選び方、扱い方、その他もろもろのこだわりを聞いていると、なるほど美味いはずだと納得する。

常連さん向けには裏メニューがたくさんあり、生地も冷蔵庫で3日寝かせて常連さんを待っているそうだ。これでは常連にならなきゃ損だ。どんな裏メニューだって?「教えないよー、銀髪が食べるまで」

会計して店を出ようとすると、同僚が福山さんに「デザートも食べたかったんですよ」と言いつける。「甘いのがダメなんで」と言い訳したら「甘くないデザートもあります」と言われ、渋々席に戻った。同僚にはティラミス、銀髪にはヨーグルトにグラッパをぶっ掛けたもの。確かに銀髪でも食べることができたが、グラッパが美味いのに驚いた。出来損ないの芋焼酎のような通常のグラッパとは異質のものだった。

オーナーの福山さんもいいが、戸部さんも良かった。老舗や名店と言われる店も、給仕役が酷いところが多い。料理人でもある戸部さんは、明るく、知識豊富な上に、UNOに対する自信と誇りが感じられた。

昼の賑やかさに比べ、この夜のUNOは客がまばらだった。「もっと宣伝しなきゃダメですよ!」と福山さんに意見した手前、銀髪はその後2軒はしごしてUNOを世界一のピザ屋と宣伝して回ったのだった。


UNO ウノ
東京都中央区日本橋本町1-1-8 共同ビル1F
03-3548-9161
http://www.bricklayer.jp/uno

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2006年05月18日

[きく宗](豊橋)  菜めしと田楽

毎日オフィスに来るヤクルトおばさん(お姉さん?)に豊橋に行くと入ったら、ああちょっと北の方ですねと言われて首を傾げた。

ちょっと考えて前橋と勘違いしていることに気付いた。実は30年近く前に銀髪も間違えた。豊橋と言ってすぐ場所が分かる人は少ないだろう。位置的には静岡県との県境にあり、浜名湖に近い。

昔、豊橋の人は質素で小金を溜め込んでいて、人口比の金融機関も多いと教えられた。そのわりに豊橋競輪を始め、周辺に蒲郡競艇、浜名湖競艇などギャンブル場がたくさんあるのが不思議だ。女性は働き者との評判だが、旦那を送り出した後に喫茶店に行きモーニングセットを食べる。通常のコーヒー料金でパン、卵、サラダが付くモーニングセットこそが、日本一の豊橋名物かもしれない。

そうは言ってももっとちゃんとした豊橋名物はないのかと問われれば、「菜めし田楽」と答える。きく宗は創業以来約200年の老舗料理屋で、建物も古めかしい。その伝統を何よりも感じさせるのはレジを預かり、客を捌いている85歳の女将だろう。大勢の客をどの部屋に入れるか、待たされてイライラしている客をどうあしらうか、全て心得ている。

この日は混んでいた。ようやく部屋に通されても料理が出てくるまでかなり時間がかかったが、女将に前もって警告されていたので腹も立たない。菜めし田楽セット(1,700円)の前に追加して頼んだ切り昆布、山かけ豆腐、なめこのみぞれ和え、こんにゃくのピーナッツ和えが順番に出てきた。大瓶のビールを手酌で注いではこれらの料理を片付けていく。

菜めし田楽セット

菜めしは大根の葉っぱが入っているだけ。ご飯はもち米でも混ぜてあるのだろうか。もっちりしている。田楽は焼いた豆腐に中部地区特有の八丁味噌がたっぷり乗っている。実は甘辛い八丁味噌はあまり得意ではないが、辛子が効いていて銀髪にとっても食べやすくていい。いずれにしても菜めしと豆腐の田楽はとても質素な食事だ。これで1,700円は高いように思えるが、伝統の味とこの雰囲気であれば納得の値段なのだろう。客は満足して帰っていく。

我々の食事が終わった10時前には店じまいで女将もレジから姿を消していた。六代目が対応してくれたが、女将は食事中とのこと。「大変でしょう?」と問いかけた銀髪の問いに6代目は曖昧に笑った。銀髪の質問と、6代目の笑顔が噛み合っていたのか分からない。

心が通じたようで、錯覚のようで。そんな瞬間も面白い。


きく宗
http://www3.ocn.ne.jp/~kikusou/

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2006年05月17日

[下北沢鯛屋](下北沢) かすべ?

居酒屋でもどこでも食べたことがないものを見つけたらうれしい。今日は若者の町、下北沢。

鯛屋の本店は「ゑびす鯛屋」らしいが、本店のホームページには下北沢店の案内はない。不思議だが系列店であることは間違いないらしい。
下北沢は若者向けの店が多数あるが、鯛屋はその中では比較的落ち着いた雰囲気の店だ。

料理はこのタイプの店に共通の何でもござれ。刺身、寿司、焼き鳥、ステーキ、グラタン、煮物、焼き物。誰が来ても好みの料理に巡り合える。
飲み物も純米・吟醸・本醸造の日本酒、米・麦・芋の焼酎類、サワー、カクテル、赤白ワイン。バーボン、スパークリングワインまであるが、ブランデーやスコッチ・ウイスキーがないのが却ってほっとする。

友人たちとワイワイガヤガヤやるのが目的で、料理や酒の良し悪しは問うまいと思っていたが、嬉しいことに食べたことがないものをメニューに発見した。「かすべ」である。これだけは我侭言って自らオーダーした。

初めてのものを嫌がる人と、面白がる人の割合は3対1位だろうか。銀髪はもちろん面白がる筆頭である。
店の人に聞くとエイのようなものと言う。煮付けと唐揚があったが、唐揚ではどの素材も似た味に仕上がってしまう。従って、煮付けを頼んだ。

帰宅してからネットで調べた。かすべとはガンギエイの一種で日本海、オホーツク海で獲れる冬の珍味とのこと。新鮮なものは刺身でも食べられるそうだが、東京では刺身というわけにはいかない。船上で獲れたエイのヒレを切り取って他は捨てるとの記述もあったが定かではない。
料理レシピではヒレだけを使うものが多い。そこで「かすべとはエイのヒレのこと」と言う人もいる。食べ方は煮付けがもっともポピュラーのようだ。

身がほぐれやすく、カレイの煮付けのようでもある。少しエグミがあったが、たまたまなのか、本来の味なのか初めてなので判断できない。
悔しいのは骨を食べ残したこと。骨と思って食べ残したところは実は軟骨でコラーゲンがたっぷり。もちろんしっかり食べなければならないし、ここがもっとも美味しいところだそうだ。

友人たちの誰もが知らない食べ物で、食べ方が分からなかった。お店の人が一言アドバイスしてくれればよかったのにと恨めしくなった。「ちゃんと説明してよー!」といまだに口惜しい。


下北沢鯛屋
東京都世田谷区北沢2-8-4 松田ビルB1
03-3481-0085


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2006年05月16日

[よし梅](人形町)  登録有形文化財で食べる

東京には何でもある。和洋中にエスニックなんでもござれだが、料理だけでなく雰囲気を味わうなら下町がいい。

下町情緒なら人形町がいい。それほど多くの店があるわけではないが、ちょっと路地に入るとタイムスリップしたように感じる。

よし梅のホームページを見ると「芳町に住んでいた先代うめが昭和2年に創業した」とある。いつもは本店に行くのだが、今日は一杯だったので初めて「芳町亭」に行った。こちらはかつて名女優・花柳小菊が住居としていた家を修復したもので、国は登録有形文化財に指定し登録したという。

文化財は国宝など保存・保護が必要として国が指定・登録しており、登録有形文化財とは主に民間建造物を指すようだ。全国で5,126件が登録されているので随分多く感じるが、東京都は191件で11番目。トップは大阪の326件となっている。
よし梅は観光地としての資格充分ということになる。

もう一つよし梅の誇るものが「ねぎま鍋」。ねぎまと言うと焼き鳥と勘違いする人が多いが、鍋の主役は鶏ではなくまぐろのトロとネギである。よし梅はこの鍋の名店としてしばしばテレビでも紹介される。

昔はまぐろのトロは捨てられるか、鍋で煮て食べるものだった。そう、それがねぎま鍋である。今はトロは高級食材と化してしまったが、もともとは捨てるもので作った鍋ということである。トロはDHAが豊富で栄養があると言われるが、所詮は青魚。臭いが気になると言う人もいる。本まぐろの大トロを使えば文句なく美味いだろうが、そんなことをしたら目が飛び出るほど高くなる。

一万円のコースは以下のとおり。

先付 いかまんじゅう馬鈴薯射込み木の芽味噌かけ
八寸 鯛寿司桜葉包み、鰻巻き、蓮根煎餅、姫螺
造り 六点盛り
焼物 伊勢海老雲丹焼き
酢物 じゅんさい土佐酢かけ
揚物 フォアグラまんじゅうの揚げ出し
ねぎま鍋、雑炊、おしんこ
水菓子 抹茶アイスクリーム、白玉ぜんざい

話の種にねぎま鍋(一人前4,500円)だけを食べに来てもいい。ねぎま鍋の写真はホームページを見てください。

個人的には本店のカウンター席か、その前のテーブルで食べるお昼の定食が好きだ。夜に使う鮮魚のあらがふんだんに入っているあら煮(1000円)が特に好きだった。

骨をかきわけ、かきわけ食べるのが大変だけどね。


よし梅
東京都中央区日本橋人形町
03-3668-4069
http://www.yoshiume.jp

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2006年05月15日

[過門香](丸の内)  あわび?

東京駅に隣接する丸の内トラストタワー2階にある中華料理店「過門香」に行った。

昔の仲間10人でワイワイ・ガヤガヤの宴会である。店の入り口に掲げてあるメニューを見ると高級そうで腰が引けるが、幹事が選んだのは5,000円のコースに飲み放題2,000円がついて合計7,000円の比較的リーズナブルなものだ。
過門香は他にも銀座、赤坂溜池、上野に店舗があり、チェーン店と言ってもいいのだろうが、店内はそれなりに高級感も漂ういい雰囲気の店である。

ところが我々10人にとっては雰囲気も何もあったものではない。男ばかりの10人組で、ヘビー級(80キロ以上)が何人もいるところに飲み放題と来たらどんな状況になるか想像出来るだろう。

先ずビール、次いで紹興酒だが、兎に角飲む飲む。紹興酒300ml位のデキャンタを3本づつ持って来てくれるのだが、まだ半分ほど入っているのに追加を頼む。「なくなったらお持ちしますから」と諭されても「すぐなくなるから」と言い返す。実際、追加を持ってきたときには言ったとおりなくなっているから恐れ入る。

食事は過もなく不可もなく。フカヒレなどの高級食材を使った料理が出てくるわけはなく、値段からしたら良くできている方だと思う。 

5,000円の唐コースは季節の冷菜四種盛り合わせ、蟹肉と三絲入りとろみスープ、名点心師の手作り飲茶二種、海老と白きくらげの塩味炒め、間に一品を挟んで蒸し豚の重慶ガーリックソース(又は焼きそば)、青菜入り中国粥、写真はないが本日のデザート、中国茶と続く。

「おーっ!」とみんなが声を上げたのは白くらげの後の料理が出て来たときだ。何とあわびである。

ところが店の女性は「あわびだけです」と言う。みんなが聞きなおす。「あわびー、だけ?」「そうです、あわびだけ(鮑茸)です」とつれない返事。そりゃそうだ。あわびがこの値段のコースに入っているとは思えない。

味付けはオイスターソースだから磯の香りがたっぷり。あわびだけの食感はまさにあわびそのもので驚きである。料理が出されたときに、トイレに行っていた仲間に内緒で食べさせたら、あわびと思い込んで喜んだ。真相を打ち明けると「本物の干しあわび料理を食べたことがない」と困惑している。ウーン、そう言われれば中華料理屋でこの種の高級あわび料理を食べたことがある人はそんなにいないだろうなー。

あわび茸は、食物繊維質、ミネラル(鉄・カリュウム・リン・ナトリウム・マグネシュウム)、ビタミン(B1・B2・D) や、体内の免疫機能の活性化を助けるといわれるβグルガンも豊富に含んでいるとのこと。火を通すとあわびのような食感があるため、あわび茸と言われるようになったそうだ。

何度も噛むと確かに干しあわび特有の濃厚な磯の香りが染み出して来ない。しかし、さっと飲み込んでしまえばこれをあわびと言われて見破ることが出来る人は少ないかもしれない。

あわびもどきと言われなければ幸せだったかもしれないが、それじゃあ店は詐欺になってしまう。

女の子に格好つけることができる? ウーン、そんなことをしてばれたら困るでしょう。
もっとも、ばれることを心配する前に、まず一緒に食事をしてくれる相手を探すのが先決だけど‥


銀座、赤坂溜池、上野
東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館2F
03-5288-7788
http://www.ramla.net/luxury_restaurant/kamonka/index.cgi

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2006年05月14日

大アサリ

愛知県の海鮮料理店でメニューを開いて探すのはいつも大アサリ。

最初に大アサリを見たのは愛知県蒲郡駅だった。新入社員の銀髪は営業で初めて降り立った駅で緊張していた。そこには何とも言えないいい香りが漂っていた。後で知ったのだが、蒲郡には高級ごま油で知られる竹本油脂の工場があり、その香りはごま油の匂いだった。

新規開拓と称して飛び込み訪問した商店ではパンフレットの受け取りを拒否され、名刺を破られた。塩を撒かれたこともあった。夕方まで町を回って成果のないまま蒲郡駅に戻ったとき、土産物屋の店先に置かれた緑の網籠の中に、見たこともない大きなアサリを見つけた。

大アサリ、正式名はウチムラサキガイと言うそうだが、見た目はアサリが巨大化したもの。初めての蒲郡での屈辱や憔悴を忘れて珍しい大きなアサリに見とれた。勤務地の豊橋に戻る電車の中では再び憂鬱な思いに包まれたが、時折頭に浮かんだ大アサリにちょっと救われた。

大アサリと言えば伊良湖岬である。焼き大アサリは伊良湖岬の名物とされ、夏は醤油が焼けた香ばしい匂いが海水浴客のお腹を刺激する。今回、自転車で豊橋・伊良湖岬間50キロを往復したが、シーズンオフのため大あさりを食べることはできなかった。

特大の普通のアサリも浜名湖の産地直売所で買った。大振りのアサリはキロ1800円した。以前、築地で買ったときはこんなにしなかったが、今のシーズンは高いのだろうか。或いは観光客向けに値段を高めにしているのだろうか。下の写真では小さく見えるあさりだが、スーパーなどで買うあさりの倍以上の大きさだ。

魚屋で買った大アサリは1個200円程度したが、自転車で立ち寄った赤羽根漁港近くのお土産物屋では10個1,050円で売っていた。大アサリは醤油と酒で焼くのが一番と思うが、鍋や天ぷらにも合うらしい。特別美味しいとも思わないが、これはこれでご当地名物の面白い食べ物だ。

中部地区で暮らしたことのある人にとっては懐かしい食べ物だろう。三河湾でしか獲れないわけではないようだが、なぜか大アサリはこの近辺でしか見たことがない。他の地域でも名物にしているところはあるのだろうか。

今度は夏に来て海水浴場でビール片手に食べようか。もっとも子供が大きくなってしまった今、海水浴場に行く機会はまったくなくなってしまった。

そうなると、また自転車の一人旅だろうか。ビールをちょっと飲んで昼寝して引き返すのも悪くないかもしれない。

でも、それではちょっと寂し過ぎる。

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2006年05月13日

鱧(はも)

鱧と言えば京料理、骨切りした鱧を梅肉で食べる。ああもうすぐ夏だ。

普通、海産物の場合一番美味しく食べることができる場所はその産地である。京料理に使う魚の代表格ぐじ(甘鯛)は若狭湾で獲れるから百歩譲って認めても、鱧が京都で獲れる魚とは思えない。

そんなことを言ったらふぐも同じじゃないかと言われそうだ。ふぐはせりが行われる山口県南風泊(はえどまり)に全国から集まってくる。焼津漁港はまぐろで有名だが、焼津沖で獲れたまぐろなんて滅多にない。世界中から冷凍まぐろが集まってくる。

鱧が最大の消費地である京都に集まるのは自然な流れだ。獰猛で強い鱧は暑い京都に運ばれても生きていられたのだろう。うなぎ、あなご同様鱧も夏に脂が乗って美味くなる。問題は固い小骨だが、これを包丁で切って食べやすくした料理人は素晴らしい。近年スーパーでも骨切りの機械のおかげで鱧の湯引きが売られるようになった。

骨切りは高等技術なので昔はなかなか鱧を口に出来なかった。高級料亭など行けるわけがないので、居酒屋で食べた鱧が美味いはずはなかった。もともと梅干が嫌いだったので梅肉で食べることも気に入らなかった。不幸な出会いは鱧を嫌いな食べ物に分類させた。

鱧を初めて美味いと思ったところはやはり京都だった。京都の着物屋さんに寿司屋に連れて行ってもらい、ご馳走になった。鱧はもちろんだが、梅肉が絶品で驚いた。それ以来一度食べたぐらいで不味いと決め付けることを止めた。同じ食材でも品質、料理人、料理法などでまったく異なる印象を持ってしまう。

しかし、ここで先入観が出来上がってしまう。鱧は「鱧おとし(湯引き)」に限ると思い込んでしまった。しかも梅肉で食べないと駄目だと。鰻は蒲焼以外は認めないのと同じことだ。ところが様々な食べ方があるようで、京都でも鱧の専門店では各種の料理が楽しめる。

実際に獲れるところではもっと自由に料理している。塩焼きでも照り焼きでも、或いは刺身でも食べられる。先日行った浜名湖弁天島の料理屋では湯引き、天ぷら、フライの3種類の料理がメニューに載っていた。

銀髪は天ぷらを頼んだ。骨切りをしているので穴子のようにピンと張った天ぷらではないが、肉厚でなかなかの美味だった。

昔は小骨があって食べる人がなかった鱧。骨切りが発明されて高級料亭で食べられるようになった鱧。骨切り機のおかげてスーパーでも売られるようになった鱧。手軽にますます安く食べられるようになるのだろうか、需要が増えて高級魚に逆戻りするのだろうか。

いずれにしても鱧にとっては食われるだけ。迷惑な話ではある。

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2006年05月12日

[だぼ鯊]②(日本橋)

旬を食べるなら、魚介類だけでなく野菜も豊富な天ぷらが最高だ。

久し振りに「だぼ鯊」に行った。この店のことは以前書いた→「だぼ鯊」。看板のはぜはシーズンオフで食べることが出来ないが、この時期でなければ食べられないものもある。

ぎんぽう

天ぷら通の人は5月頃しか食べることができない「ぎんぽう」をお目当てに来る。この時期に席に着くなり「今日、ぎんぽうは入っている?」と質問をされると大将は緊張するらしい。通ぶっても季節を外して同じ質問をしたら笑われる。
寿司屋で「新子ある?」と聞くのと同じ感覚らしい。ただし、新子に比べるとぎんぽうは漁獲高も少なく、取り合いになっているそうで、どの天ぷら屋でも置いてあるわけではない。

ぎんぽうは言ってみればうなぎ、はも、あなごに似た魚で、体をくねらせて泳ぐ。大きくなると皮が固くなり煮ても焼いても美味くないので、大きくなる前の約1ヶ月間しか食べない。そこで通好みの魚ということになる。

実際に食べてみると穴子に近いが、穴子よりあっさりとしてそれなりの歯ごたえがある。穴子は嫌いと言う相方も美味いを連発していた。相方が上質の穴子の天ぷらを食べたことがあるとは思えないことを差し引いても、なるほど通がうなる魚だと分かる。

小鮎、はまぐり

春の魚はぎんぽうだけではない。大好きな小鮎も食べなければならない。頭からかぶりつくとハラワタの苦味が口に広がって美味い。蛤はかきあげ風にして殻ごと揚げてくれたが、レアに仕上がった貝の身は縮んで固くなることもなくジューシーだった。

みつば、アスパラ

春の天ぷらは野菜がいい。写真のみつば、アスパラの他に小玉ねぎ、青唐、にんにく、たらの芽などを揚げてもらった。衣で守られた野菜の香り、味は天ぷらならではのもの。

今日、座敷は2組入って一杯だが、ラッキーなことにカウンターは我々だけで大将を独占できたので天ぷら談義。

「だぼ鯊」で使う油はごま油と綿実油が半々の割合。修行時代はごま油が8割、他はつばき油などを調合していたそうだが、ごま油を多く使うと天ぷらコースの終わり頃には胃がもたれる。以前紹介した「おかめ」(→「おかめ」)では綿実油だけを使っていたが成る程そういう理由か。

ただ天丼など品数が少ない天ぷらなら、やはりごま油100%が一番美味いとのこと。野菜中心の関西はごま油をあまり使わない。小魚を使う関東ではごま油の風味は不可欠とも。

よくよく聞いてみると実に奥が深い。これでは家庭で揚げる天ぷらが、専門店の足元にも及ばないのが頷ける。

相方が満足して、大将も笑顔。笑顔、笑顔がはじける夕餉。美味いものを食べているときがみんな一番の幸せ。


だぼ鯊
東京都中央区日本橋3-3-14
03-3271-7533

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2006年05月11日

[ヴァンピックル]銀座  銀座の洋風串焼き屋

銀座で気軽にワインを飲みながら串焼きを食べる。お気に入りのお店の一つである。

ところが、銀髪グルメ紀行を書き始めてから一度も行っていない。最大の理由は一緒に行ってくれるお相手が見つからなかったことだ。この店は圧倒的にアベックが多い。女性だけのグループもいるが、男性だけのグループはあまり見ない。

もう一つの理由は思いついて電話をしても、いつも予約が一杯で入れないことだ。「7時から予約が入っていますのでそれまでなら…」と言われる。今日は「7時半までなら…」と言われた。「ラッキー!」 今は5時半。野郎と二人なら1時間半もあれば十分だ。

店に着くと先客は案の定アベック2組の計四人。我々野郎2人は邪魔にならないように離れたところに誘導された(考えすぎかな?)。まずベルギービールと2,800円の串セットを頼んだ。

セットは熊本産塩トマトバジル風味、電殺名人岸氏の豚、超新鮮な内臓串(テッポウ)
自家製ベーコン巻アスパラガス、本日築地からの魚(江戸前のあなご)、本日の一本(かしら)、フォアグラと続く。

豚は埼玉県河本産吉田豚。吉田さんがこの店のためだけに通常6ヶ月で出荷するのを8ヶ月間育てた豚を使う。この豚にストレスを与えないように、岸さんが一瞬にして電殺する。豚は自分が殺されることに気付かないまま息絶えるらしい。豚丸ごと一匹がカウンターの向こうのガラスケースに吊るされているのが見える。

にんにく、特製たたき(耳、ハツ)、手羽

追加で頼んだ三品。にんにくはもちろん青森産。焼き具合が上手。たたきのコリコリ感は耳のおかげ。「手羽のジュラミ風」の「ジュラミ」はフランス料理やイタリア料理で混乱させられるハーブとか地名のことかと思って頼んだら、シカゴ出身のジュラミさんが編み出した料理とのこと。
メニューはオーダーして閉じてしまわないで、じっくり読んでみたら面白い。いたるところにこのような説明がある。

テーブルの上にはフレンチ・マスタード(粒マスタード)とディジョン・マスタードの2種類の辛子、ホースラディッシュなどの薬味が各種。「ディジョン・マスタード?」 イングリッシュ・マスタードのことかと思ったら、フランス最高のマスタードらしい。何でもかんでもこだわっている。

個人的に一番好きなのはやっぱりフォアグラかな。よって串セットの中からフォアグラの写真を最後に見てもらおう。

以前若手を連れてきたらこのフォアグラをアッ言う間に一口でパックリ。生まれて初めて食べたそうだが、もう少し味わって欲しかった。ぺろりとやって「美味いすですね、これっ」と言われたときには泣けてきた。

ワインも3,000円位からあるので嬉しい。それでもお会計はそれなりにする。居酒屋気分で行くにはちょっと高いが、これだけのこだわりの料理なら止むを得ないか。
それにしても丸の内にも出店したのは知っていたが、名古屋進出を果たしているとは知らなかった。感心!感心!

店長の土居真由美さんは、うるさい客を上手にあしらってくれた。感心!感心!


銀座ヴァンピックル
東京都中央区銀座4-3-4 銀座屋酒店ビル2F
03-3567-4122
http://www.auxamis.com/vinpicoeur/vindex.shtml

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2006年05月10日

[Bar オーパ](銀座)  あのギムレット

ついに見つけた。レイモンド・チャンドラーの傑作「長いお別れ」で有名なあのギムレットを見つけた。

あのギムレットを探して果たせなかったことは前に書いた→「ギムレット」  。肝心のローズ社のライムジュースが日本にないためだ。分かったことはローズのライムは甘いリキュールで、これを使うギムレットはハードボイルドには似合わないカクテルだということだった。

いつものように飲んだ。酔っ払ったら帰ればいいものを、時計を見てまた酒場を探す。まだ帰るには早すぎる。のん兵衛の連れは既に行き先を決めたらしい。有名なオーナー兼バーテンダーの大槻さんの「Bar オーパ」が行き先だ。彼が作るカクテルは同じレシピでも味が違うそうだ。

階段を下りると左側のカウンター席は一杯なので、右側のテーブル席に通された。散々飲んできた癖に頼むのはまずビール。ビールを飲みながらカウンター席が空くのを待つ。カウンターの客が帰ると恋人同士だろうか、若いカップルがカウンターに移る。テーブル席で向かい合って見詰め合うより、カウンターでカクテルを飲むほうがいいのだろうか。

ちょうどビールを飲み終わったところで、我々もカウンター席に移ることができた。連れは大槻さんがいるかどうか心配していたが、幸いニコニコしながらこちらに歩み寄ってきた。カクテルの名人ということなので、ギムレットを頼むことにした。無理を承知で「長いお別れ」のギムレットをオーダーすると何とできると言う。

日本にはないと思っていた「ローズ社のライムジュース」があった。大槻さんはアメリカに行ってわざわざ買ってくるそうだ。そこであのギムレットを作ってもらうことにした。連れの言葉どおり、あざやかで格好よくシェイクした後、グラスにライム色の液体が注がれた。

不味いはずの「長いお別れ」のギムレットは意外なことに美味い。もちろん甘い。しかし「甘すぎる」との先入観に凝り固まっていたせいか、思ったほど甘くない。生ライムでシロップを入れないドライなギムレットを銀髪が好きなことに変わりはないが、これなら飲める。おかげでチャンドラーがこのギムレットをキーワードにした意味を考え直さなければならなくなった。

それにしても、ローズのライムジュースをわざわざ買ってくるなんて、大槻さんもなかなかやるもんだ。連れが「カリスマ・バーテンダー」と誉めそやすのもあながち大袈裟ではないかもしれない。

最後に大槻さんオリジナルのカクテルを作ってもらったが、名前もレシピも忘れてしまった。また飲みに行かないと申し訳ない。

「飲みに行く言い訳だろう」って? 何とでも言ってくれ。銀髪は気にしない。


Bar オーパ/銀座

東京都中央区銀座1-4-8
銀座ビッグウエストビル5号館B1
03-3535-0208

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2006年05月09日

[金太朗](銀座) 銀座らしい焼き鳥屋さん

「美味しい焼き鳥屋さんがあるんですよ。ラーメンが美味しいんです!」と誘われた。 何のこっちゃ?

ネットで調べてみたけど「金太郎」と入れると「サラリーマン金太郎」のオンパレード。ようやく見つけた焼き鳥屋の金太郎は神楽坂。ぐるなびやヤフーグルメなどの営業マンが行ってない店なのかな? それとも掲載を拒否しているのだろうか‥

行ってみたら確かに銀座にありました。8丁目の賑やかな通り沿いのビルの階段を下りるとありました。なぜ金太郎なんだろうと思うような小奇麗な銀座らしい焼き鳥屋。女将の佐藤はま代さんが金太郎に似ているかって? いえいえそんなことはありません。

よく見れば「ろう」の字が違う。帰ってから「金太郎」ではなく「金太朗」と検索してみたら、一発で「鶏や金太朗」が出てきた。しかもぐるなびで。忘れられていたわけではない。

メニューを手にした銀髪はいつものように変わったものを探す。豆酩(とうぺい)って何だ? 

豆酩(とうぺい)

熊本名物の豆腐のもろ味噌漬けとのこと。銀髪は熊本生まれだがこれまでお目にかかったことがない。メニューに並んで載っていた沖縄の「豆腐よう」よりも食べやすい。銀髪は他に鳥わさを頼んだのみで、後は今日の連れが選んだ。

イカのわた入りあぶり焼き、鳥わさ、鯨の竜田揚げ

鳥団子、アスパラ

「オイオイここは焼き鳥屋じゃないのかい?」と思いながらも、連れが女将のお勧めに従うのを黙って見ている。

鯨の竜田揚げなんかおじさんたちが泣きながら懐かしんで食べるものなのに、いいんだろうか? 銀髪に気を遣ってくれているのかな? もっともこの鯨、昔給食に出てきた鯨より遥かに品がいい。

アスパラは大ヒットだったかもしれない。炭火で焼いたアスパラは焼きとうもろこしの味に似ている。この時期あちこちでアスパラが出て来たが、この店のアスパラが一番だった。

さて、いよいよ焼き鳥だが頼んだのはネギ巻きとあぶらつぼ(ぼんちりの先の部位)の2品だけ。ネギ巻きは鶏肉を包むようにネギが被せてあるアイデア商品だ。

ぼちぼちお開き。最後にお目当ての鳥ラーメンが出てきた。お口直しではなく、これがメインなのだろうか。女将は一人一杯では多すぎるので二つに分けて出してくれた。

焼き鳥屋に来て、こんな食べ方で良かったのだろうかと思いつつも、寿司屋に行ってもつまみばかり頼んで寿司を2~3個しか食べない自分を思い出して、苦笑いを浮かべてしまった。

それでも、勘定をして送り出してくれる女将の顔に微笑が消えることはなかった。

金太朗
東京都中央区銀座8-7-16 YAD.GINZA8ビルB1
03-3573-1400

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2006年05月08日

[伊兵衛](赤坂)  創業萬治二年、加賀料理

萬治二年と言われても何のことやらさっぱりわからない。要はかなりの伝統ある料理屋さんらしい。

1659年に創業したのは加賀藩中荷物御用「浅田屋伊兵衛」で、旅人宿「浅田」の創業が1867年。いずれにしても料理屋ではない。赤坂浅田の開業は昭和46年2月だから、料理屋の歴史は35年ということになる。萬治二年を持ち出すまでもなく、バブルもバブルの崩壊も経験しての34年は誇れるものである。

ビルが老朽化したので順次改修してようやく最近全館完了したそうで、地下1階から6階まで多数の座敷を有する立派な料亭である。赤坂田町通りは数え切れないほど歩いたが、行く機会がなければ気付かないものだと我ながら呆れた。素材を金沢から直送するという浅田屋の「加賀会席」は12,600円が最低で、上は29,400円。季節限定のもっと高い料理もあるようで、行く機会がなかったのも頷ける。

今日はHさんのご招待で、同じビルの1階にある系列店「伊兵衛」に行った。気軽に利用できるカウンター席とテーブル席があり、お値段も「浅田屋」に比べるとグッと親しみやすい。Hさんのお勧めもあり5,775円のお好み「金沢」を頼むことにした。先付け、お造りの後に近江町市場直送素材を使った料理20品から4品を選ぶことができる。

銀髪の4品(鮎の唐揚・地鶏の冶部煮・山菜天ぷら・車麩卵とじ)

我ながらいい4品を選んだと思う。先日の金沢出張が生かされた。冶部煮は金沢の代表的な料理だし、金沢の野菜は評判が高く名物とも言える。車麩はたっぷり吸ったスープを卵でとじて美味。

Hさんの4品。(黒むつの味噌塩焼き・大羽鰯の塩焼き・蛤の天ぷら・新もずくと白魚)

Hさんの鰯の大羽とは産地ではなくて大きい鰯を指すらしく、それも美味しそうだった。

Hさんはコースとは別に近江牛のステーキとあわびのバター焼をオーダーした。久しぶりのあわびは最高の味。

最後に手打ち蕎麦を食べた。2種類のそばつゆがあり、銀髪は珍しい白つゆで食べた。薄味かと思ったが結構しっかりした味だ。昼間はこのそばが人気メニューらしい。常連のHさんはこの店の何を食べたらいいかよく知っている。

いつものようにデザートをちょっとずつ味見して帰ろうかと思ったら、板さんの三浦さんが大根のかつら剥きをしているのに目が止まった。包丁さばきが見事なのは当然だが、持っている包丁が美しい。はがねだけで打ったという包丁は1本8万円とのことで、刺身包丁と同様に研ぎ澄まされて本当に美しい。
ひとしきり包丁やその研ぎ方を教わって帰ろうとすると、三浦さんは「ちょっと待っていてください」と奥の部屋に消えた。戻ってきた手にあるのは紙やすり。「これでこすれば素人でも簡単に包丁が研げますよ」とプレゼントしてくれた。

昼は三浦さんが蕎麦を打っているのが見られるそうだ。やはり、いい店のカウンターはいい職人と話ができて最高に楽しいね。


赤坂 浅田・伊兵衛
東京都港区赤坂3-6-4
03-3585-6606
http://www.asadayaihei.co.jp

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2006年05月07日

ノンアルコールビール

飲酒運転に対する罰則強化により、ノンアルコールビールの種類も増えてきた。

昔、地方支店で勤務していた頃、郊外のスナックに駐車場があるのが不思議だった。店の客は必ず飲酒運転をして帰る。

車社会のオーストラリアでも飲酒運転をする人が多かったのだろう。暗くなるとあちこちで警官が張っていた。銀髪も何度か呼気をチェックされたが、幸いいつもセーフだった。
飲酒運転に対して物凄く厳しい割には、若干の飲酒は大目に見てくれる。
明らかに酩酊していなければ、血液検査に訴えることも可能だ。血中アルコール濃度の上限が決められており、運転に支障のないレベルなら問題ない。
実際、運転免許の学科試験でよく出題されるように、普通のビールなら200ml、アルコール半分のライトビールなら350mlを目安に飲んでも許された。

フランスはもちろん飲酒運転を許していないが、多少ワインを飲んでいても見逃してくれるようだ。ちょっとぐらいで捕まえていたら、かえって交通状況を混乱させてしまうのかもしれない。

さて、厳しい日本、融通が利かない日本人。アルコールは一滴も許されないのだろうか。高速道路のサービスエリアで飲んだノンアルコールビールは酷い味だ。もっと種類をそろえて欲しい。そこそこ飲めるものだってあるのだ。

0.8%のアルコールを含むため運転時には避けたほうがいいかもしれないが、一番のお奨めはホッピーだ。

学生の時に焼酎を割って飲んだあのホッピーが、銀髪の一番のお奨め。原材料は麦芽、ホップなどを使っており、ビールに近い風味だ。氷を入れないでそのままビールと同じように飲む。プリン体ゼロ、低カロリー、低等質なので年寄り向きでもある。

通常のホッピーだけでなく、黒タイプもある。定価は116円。近くのスーパーでは89円で売っていた。他にも種類があるらしい。

学生時代にホッピーに出会い、いつの間にか縁遠くなっていたホッピーにまた戻る。
人生って面白い。

ホッピーのホームページ
http://www.hoppy-happy.com

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2006年05月06日

鶏の足の煮込み  飲茶での逸品

またまた香港で飲茶を食べた。

香港は金融中心の香港島と商業が中心の九龍側に分かれる。香港の観光と言えば香港島のビクトリアピークからの百万ドルの夜景が有名だが、食や買い物を楽しむなら九龍側がいいかもしれない。

ホテルで飲茶の美味しい店を紹介してもらおうとしたら、以前行ったMAXIM’Sがいいと言う。他の店に行きたいと言ったら、ワゴンで回ってくる店は他に無いと言われた。ガイドブックを見たら成るほど飲茶が美味しい店は九龍側に多い。

香港に初めて行ったのは約30年前、大学4年生のときだった。ホテルは九龍の安ホテル。中国との国境の街・新川まで汽車で行き、帰りは小型バスに揺られて九龍の市街まで戻って来た。途中の景色は珍しいものばかりで、香港の貧民窟や闇市のようなところをバスは走り抜けた。あの頃の自分を思い出せば、海外で危ない目に会う若者(ばか者)のことを非難することはできないかもしれない。

晩飯は屋台に出かけた。街の中心から少し外れると、小さな飲食店が並ぶところが至る所にあった。狭い通りには各店からテーブルと椅子が出されて、即席のフードコートが作られていた。我々もバケツの中で動いている蟹を料理してもらっている間に、酒屋からビールを買ってきて盛り上がった。

料理に舌鼓を打っていたら突然、辺りが騒がしくなってきた。道の端の方からテーブルと椅子が次々に片付けられていく。我々も店の中のテーブルに押し込まれた。すると、ゆっくりと2人の警官が歩いてきた。どうやら路上での飲食は違法のようだ。しかし、いかにも馴れ合いで形式だけの見廻りのように見えた。賄賂が飛び交っていたに違いない。
警官たちが通り過ぎると、あっ!と言う間に元のフードコート状態に戻った。

こんな怪しげな旅行での最大の発見は飲茶だった。九龍のどの辺りだか忘れたが、広い食堂を餃子やシュウマイを乗せたワゴンが回っていた。もちろん上等な店ではないので、客も品がなく騒々しい。

気に入ったのは鶏の足の煮込みだった。

ゼラチン質がプニュプニュして、味も実にいい。周りの香港人たちはこれを口に入れ、しゃぶり尽くして、骨をペッとテーブルの上に吐き出す。床に落ちてもお構いなしだ。銀髪もこれに倣ってペッと吐き出した。

その後も飲茶に行けばこの料理を必ず食べる。今回ももちろん食べた。あの日に比べれば何とも品の良い料理に思えるのだが、日本人でこれを食べる人は少ない。

結構美味しいと思うんだけどなー

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2006年05月05日

ポルトガル料理

ポルトガルは大昔はもっとも日本と親密な関係の国だった。今は歴史教科書にしか出てこない。

30年振りにマカオを観光した。マカオには世界遺産の教会跡(外壁だけだが)があり、その地下が博物館になっている。

30年前はなかったと思われるこの博物館には作者不詳の絵が何枚もかけられており、長崎の絵もある。博物館の壁には長崎で殉教したキリシタンの名前が書かれている。宣教師だけでなく日本人の名前も多いが、誤字がたくさんあってちょっとみっともない。

海外旅行をすると観光地の説明やレストランの日本語メニューで日本語の誤りをよく目にするが、なぜ日本人のチェックを受けないのか不思議で仕方がない。日本に来る外国人も日本で同じ思いをすることがあるのだろうか。

ポルトガルと日本のつながりは、ポルトガル領だったマカオでも見ることができた。しかし、マカオでポルトガル料理を食べても日本食との共通点を探すのは難しい。

日本にはポルトガル語を語源とする食べ物は多い。よく知られている天ぷらやカステラ以外にもパン、キャラメル、金平糖、ザボンなどがある。
意外なところでは鯖寿司のバッテラ。ポルトガル語でボートのことで、鯖の押し寿司の形がボートに似ているところからバッテラと名づけられたらしい。

これだけ日本食の語源にもなっているのだから、料理や味付けにもっと共通点があっても良さそうだがそれがない。唯一の共通な料理はいわしのバーベキューだが、魚を焼いただけの料理をポルトガル伝来の料理とは言えないだろう。

ポルトガル料理の代表?

マカオのポルトガル料理の代表的なものはアフリカン・チキンとカニのカレー炒めだが、いずれも中華料理と融合して出来た料理で、典型的なポルトガル料理ではなさそうだ。
オーストラリアに居たときポルトガル領事館の下にあったポルトガル料理店に行ったが、いわし以外はあまり記憶に残っていない。ポルトガルの最大の旧植民地ブラジルの料理を何品か食べた気がする。

先日行った新宿のLUXOR Barの店員がポルトガル人だった。彼が推奨するポルトガル料理屋が四谷にある。日本とポルトガルの文化交流を料理でも見つけることができるだろうか。

Restaurant Vele Latina Portuguese Cuisine
356-888
教会跡から坂を下った広場に面する大通り沿いにある大衆的なポルトガルレストラン

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2006年05月04日

ラーメンライス

どうしてもおかしいと思えて、昔は絶対食べなかった組み合わせの食事があった。ラーメンライスである。

昔はラーメンライスがどうしても許せなかった。炭水化物同士の組み合わせなので、主食が二つになってしまう。白いご飯がおかずのわけはないから、ラーメンがおかずということだろうか。あきらかに理屈に合わない。美味しそうに食べる仲間の気が知れなかった。

ところが正論と思い込んでいても、頭と心のギャップに戸惑うことは多い。銀髪にとってのその典型例は映画「男はつらいよ」だった。中学生の頃に映画が好きになった。きっかけは兄に連れて行ってもらったクリント・イーストウッド主演の「続・夕陽のガンマン」だった。イタリア製マカロニ・ウエスタンのB級娯楽映画だったにもかかわらず、大学生になった頃にはいっぱしの映画気違いで評論家気取りになっていた。

イタリアのネオ・リアリズムやフランスのヌーベル・バーグを初め、小難しい映画を傑作と思い、喜劇やミュージカルなどの娯楽性の強い映画を駄作と決め付けた。ハッピーエンドの映画はご都合主義で非現実的と切り捨てていた。

ところが「男はつらいよ」を見て困ってしまった。面白いのだ。くだらないと思っても新作が出るとすぐに映画館に足を運んでしまう。フーテンの寅さんの片思いが実らない毎回お決まりのエンディングに対して、ハッピーエンドにしてやればいいのにと思ってしまう自分を発見した。それ以来、屁理屈言わずに映画を楽しむことにしたら実に楽になった。

ラーメンライスを忌み嫌うのも止めにした。考えたら子供の頃、父親に連れられて食べたうどんの横には必ず稲荷寿司やかしわ飯のおにぎりがあった。
中華料理を食べたら、最後は焼きそばとチャーハンを食べることが多い。
焼きそばパンなんか炭水化物に炭水化物を挟んで食べるのだから凄い。発明者に敬意を表したい。

そんなわけでラーメンライスにこだわりがなくなった。特に最近は濃い味のラーメンが増えてきたので、むしろ白いごはんが必須になりつつある。

日本橋に「京都ますたにラーメン」という行列の出来るラーメン屋がある。ここで脂多め、辛子多めのラーメンを食べる。ちょっとしつこく感じ始めたら白いごはんを食べて、たくあんをかじる。いいアクセントになるものだから、食べ過ぎだと思いつつも、ついごはんをつけてもらう。サービス=タダというのがダイエットを今日も阻む。

今日は最近売り出し中の「激辛旨ラーメンみそ風味」900円を食べた。味が濃くてごはんに合う。
でもやっぱり看板の「ラーメン」700円を辛子多めにした方が辛くて美味いと思った。しかも200円も安い最高のラーメンライスが味わえる。


ますたにラーメン
東京都中央区日本橋1-6-7
03-3272-8548

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2006年05月03日

アルコールの効用

「酒は百薬の長」と大酒飲みの言い訳をするわけではない。兄が先日書いた「アブサン」に対するコメントを見てピンと来たことがある。

確かに最近、酒のアルコール度数が上がってきている。初めてこれに気付いたのはアサヒの「スーパードライ」が大流行した頃だった。 オーストラリアに居たとき、ランチ(もちろん平日も含む)にはアルコール度2%強のものを好んで飲んだ。飲む量は減らし難いので、無駄な努力と言われるだろうが健康のためにアルコール度数を抑えたわけだ。

帰国した頃にはアサヒがキリンを抜いていた。その後、発泡酒が発明され、本来のビールも含めて新製品が次々に発売されたが、どれもがアルコール度5%以上。外国ビールの主流は5%以下なのに、日本人の方が強い酒を好むとは信じられない思いだった。昔からそうだったのかな?との疑問が残った。

酒が好きな人ほど辛口の酒を好む。日本酒には醸造用アルコールが混ざっている酒がある。醸造用アルコールの原料はサトウキビ、甘藷、とうもろこしなどで、不純物を除いた限りなく純粋に近いアルコールとメーカー側は説明している。コスト削減だけが混ぜる理由ではないとも。
「日本酒」 

アルコールの効用として芳香成分の維持や雑菌繁殖防止なども上げられるが、最大の効用は辛口で切れ味が良くなることだ。スーパードライの謳い文句に通じるものがある。
醸造用アルコールを混ぜることにより酒飲みが好きな辛口の日本酒が出来上がる。

さて、ここで問題である。本醸造には醸造用アルコールが添加されている。無添加の純米酒で最高級の純米大吟醸と比較して、どちらのアルコール度数が高いかわかりますか? 

我が家にある酒を調べてみたら本醸造や純米は15~17%、純米大吟醸は17~18%だった。念のために酒屋に行って調べてみたら、純米大吟醸は15%台のものもあったが度数が高いものが多い。しかし、本醸造には17%を超えるものは見つからなかった。辛口と評判の酒でも16%程度だった。14%台のものすらある。すっきり辛口とアルコール度数との因果関係がよくわからない。

純米にこだわりたい気持ちが強いのだが、そう単純に割り切れないから困ってしまう。菊姫の「黒吟」という酒がある。大吟醸だが純米酒ではない。一升瓶で定価が3万円。3年熟成だから、ワインの酸化防止剤ではないが、醸造用アルコールを添加しないと純米ではもたないのかもしれない。飲んでみればこれを駄目と決め付けるには勇気がいる。

右上に「黒吟」が見える

酒屋に行けば「米だけで作った酒」と書かれたものがある。精米歩合が規定に満たず、「純米酒」とは書けない。醸造用アルコールでも米だけのものもあるようだ。メーカーの言い分も分かるが、せめて醸造用アルコールも米で造ってもらえないだろうか。

サトウキビやとうもろこしでは、やっぱり何か違うような気がしてモヤモヤしたものが残る。味同様、気持ちもすっきりさせて欲しい。

ビールは明快だ。先日飲んだベルギービールのラベルには原料として、「麦芽、小麦、ホップ、酵母、オレンジピール、コリアンダー」と明記してあった。

日本酒だって、「米、米麹、サトウキビ、とうもろこし」と明記したらすっきりすると思う。「醸造用アルコール」では日本酒の真贋論争を決着させるのは難しい。

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2006年05月02日

[よっしゃ](茅場町)  軽く居酒屋で一杯

名前を見て入りたくなる店がある。生きのいい魚を使っているのか、意気のある料理人なのか。

与志矢と書いてよっしゃと読ませるのか、よっしゃに当て字したのか、多分後者だろう。以前は茅場町から随分と離れた場所にあり、探すのに苦労した。先輩が好きだった店で、彼が言いだしっぺの飲み会はここで開かれることが多かった。

大分前のことになってしまったが、友人を連れてこの店に向かった。ところがどうしても店が見つからない。自分の記憶に自信がないため、友人を伴い同じようなところをグルグルと回って、疲れ果てて別の店に飛び込んだ。

それからしばらくして件の先輩からお声がかかった。よっしゃが移転したことを知った。今は永代通りを東京駅と反対の方向に歩き霊岸橋の手前を右に曲がったところにある。前は非常階段を上ったところにある店だったが、随分ときれいな店に変わった。

結構人気のある店で、テーブル席は予約で一杯のようだ。今日は二人なのでカウンターに座って飲む。
特別高級なネタがあるわけではない。特別変わった料理があるわけではない。しかし、リーズナブルにそこそこの料理を食べようと思ったらいい店だ。

お通しのにこごりを食べて、そら豆を頼んだ。刺身は壁に貼ってある今日のお勧めから。

カウンターの上の大皿の中からイカの詰め物を頼んだ。なかなかいける。つくねは注文を聞いてから串に巻いて焼く。いい味だ。

最後のおつまみはたこの刺身。軽く半煮えのボイルだが、いい感じだ。生のままだと切り辛くて手こずるが、これだと切りやすく半生だから味もいい。今度家でやってみよう。

最後におにぎりを1個ずつ食べてお開きにした。ビール2本と2合徳利の熱燗を3本飲んで二人で1万円ちょっと。酔い加減も、お財布にもちょうど良い頃合いだ。

そうそう、ビールは大瓶でした。中瓶を出す店が多くなってしまったが、大瓶が出てくると嬉しい。そんなところが店主の心意気「よっしゃ!」に表れているのだろうか。


酒処よっしゃ(与志矢)
東京都中央区日本橋茅場町2-14-5 石川ビル1F
03-3666-4240
http://www15.ocn.ne.jp/~yo4248

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2006年05月01日

自然楽校 & SHOW園

「こだわり」トップページでインタビュー掲載中の清水國明氏が主催するSHOW園が今日オープンした。

昨日(4月30日)、SHOW園オープンの前夜祭に行ってきた。
詳細はインタビュー記事を見てもらいたいが、今日5月1日以降は様々な媒体で紹介されるだろう。

岸田敏志の子供たちのバンドやテレサ・テンのものまね「テレサ・チェン」も楽しませてくれた。

岸田敏志、矢沢とおる(元アリスのキンちゃん)や、清水さんの親兄弟も応援に駆けつけた。

初日のメインは清水アキラが演じる。通常は1時間以上の出演時間だが、前夜祭ということで30分だけだった。それでも大いに笑った。凄い芸人だ。

これから様々な芸人の出演が予定されている。うまく行って欲しいものだ。
http://www.outdoorpark.net/k01_01_theater.html

ショーの前にバイキングで夕食をとった。ダッチオーブンを使った鶏の炊き込みご飯もご馳走になったが、写真を撮る間がなかった。一般客が食べていたバーベキューも美味そうだったなー

これから気候が良くなるので客も増えそうだ。団体客の予約も入ってきている。自然楽校の施設も充実してきた。

車の運転があるので飲めなかったのが残念だった。ウーロン茶を飲みながらの夕食は、ものの10分で終わった。ビールなら2杯目も飲み干しただろうに、ウーロン茶は3分の1を残して捨てた。

体を壊して飲めなくなる日を想像したら憂鬱になったが、ショーを見て気分が晴れた。

次は宿泊して、大いに甲州ワインでも飲もう! 自然の中で飲むビール、ワインにバーベキュー、ダッチオーブン料理など、想像するだけで嬉しくなってくる。

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