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2006年06月30日

[千代田](名古屋)      閉店

せっかく景気もよくなってきたのに消えていく老舗料理屋がある。

昨年、もっとも活気があった都市は名古屋であることに異論を挟む人はいないだろう。愛知万博の大成功、中部国際空港の開港など、明るい話題を独占した感もある。これらの成功の裏に、トヨタ自動車の力が大であったことは疑いない。

そのトヨタが名古屋駅前に高層ビルを建築中である。東京の国際事業部の3千人がそのビルに移転してくる。中部国際空港があるので、世界を飛び回るには名古屋の方が便利になったためらしい。これだけの人数が移ってくるのであれば、周辺の飲食街も手ぐすね引いて待ち構えていると思いきや、消えていく老舗料理屋があった。

千代田は元々は料理旅館だった。名古屋駅から歩いて数分、時計台のある立派な洋館である。駅前に接待用の小部屋から結婚式などのパーティーも開ける大広間などを持つ料理屋があるとは知らなかった。鉄板焼きや炉端の部屋もあり、今日は気楽に炉端を楽しむことにした。

カウンター席の向こうに各種料理が並べられ、その向こうで魚などを焼いてくれる。

きぬかつぎ、トマト、貝、ぜんまいなどを頼みビールを飲んだ。30℃を越す暑い名古屋の街を歩いてきたので、ビールはすぐに飲み干して、冷酒に移った。酒は半田の大吟醸「国盛」にした。製造は中埜酒造、創業はペリーが浦賀に来航し、桜田門外の変が起きた弘化元年(1844年)というからかなり古い。マルナカの名前の方が酒飲みには分かりやすいが、平成10年に中埜グループ入りしている。

ホワイトアスパラを焼いてもらい、国盛を飲んでいると女将が挨拶に来てくれた。2代目の女将は品があり、洋館の雰囲気にぴったり合っている。しかし、8月5日に56年続いた老舗料理屋の歴史は終わる。居酒屋などから洋館買取の申し入れがあるらしいが、女将は今の格式・雰囲気をそのまま引き継いでくれる人を待っているとのこと。

千代田の歴史は途絶えても、名古屋を代表する料亭としてこの風格を維持して欲しいものだ。トヨタの国際事業部には世界中からの来訪者が絶えないであろう。もちろん駅前の高級ホテルには日本料理屋もあるが、千代田ほどの格式は一朝一夕には作れない。

初めて来たら閉店の話。外野が惜しむのは勝手だが、これだけの館を維持していくのは大変なことに違いない。

刺身、焼き魚を食べてお開きにした。駅まで歩き新幹線に乗れば、1時間40分、ひと寝いりしている間に東京に着く。


千代田
愛知県名古屋市中村区名駅3-15-10
052-561-349
http://www.ryotei-chiyoda.co.jp

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2006年06月29日

[Bar武蔵](銀座)   シェリー

食事も出来るバーということで武蔵に行った。

相方は店のオリジナルカクテルを頼んだ。銀髪が頼んだのはラム酒。先日キュラソーに行ったとき、ハバナクラブの10年以上のものを買おうと意気込んだが、結局7年物しかなかった。生産地のキューバ以外では手に入らない代物になってしまった。買えなかった悔しさを思い出してラムを注文した。

ラムはカクテルや料理に使われる無色のものが定番だが、琥珀色をしたものはコクがあっていい。テキーラも同様に、琥珀色したものがある。高級スコッチに比べると、いや比べるべき代物ではないが、これはこれで嫌いではない。

バーテンダーの黒田さん、山内さんとしばしラム談義をしていると、相方は親子丼で腹ごしらえを終えて、銀髪一人を武蔵に残してさっさと帰ってしまった。時間が早かったせいか、自分が帰ると店に客は誰もいなくなる。もう一杯飲むことにしたが、何を飲むか決まらない。
頭の中を回転させながら、目は多種多様な酒瓶の間を泳いだ後カウンター上のハムに止まった。

ハモンセラーノ、白豚の後ろ足を使ったスペイン産生ハムだ。これを食べることにして、それに合う酒と頼んだら、シェリー酒がいいと言う。
シェリー酒は食前酒とのイメージが強いので、それを奨められるとは思わなかったが、考えてみれば生ハム同様にスペイン産だから合うはずだ。

それでも抵抗感が残る。シェリー酒は甘い酒と勘違いしていた。食前酒の定番はシャンパン、シェリー酒などだが、カンパリと並んでどれも女が飲む酒と思っていたためだ。銀髪の勘違いを見越してか黒田さんも、山内さんも簡単には引き下がらない。根負けして辛口であることを何度も念を押して、シェリー酒を頼んだ。

ラム(左)とシェリー

食わず嫌いならず、飲まず嫌いだった。原料が同じぶどうでも、ワインというよりグラッパに近い。アルコール度数はワイン並みなので、グラッパよりは飲みやすい。
ウイスキーは蒸留後にシェリー酒の樽で熟成されるが、そう考えるとウイスキー独特の風味に近い味わいがあるのも当たり前か。

辛口のシェリー酒はシャンパンやワインより甘味が少ない。なぜシェリー酒を甘口と思っていたのだろう。大昔にヒットした「シェリーに口づけ」というラブソングのせいだったのだろうか。

酒の世界は奥が深い。シェリー酒が素晴らしく美味な酒かと問われれば、即答し難いが、ラムやテキーラ同様にちょっと品格が落ちてもいいところはある。
松坂牛のステーキや高級寿司ネタばかりを食べていたら飽きる。たまにはレバニラ炒めや目ざしも悪くはない。

シェリー酒をお代わりしていたら、客が続々入り始めた。銀髪のお役目はここまで。料金を払って次の店に向かった。


Bar武蔵
東京都中央区銀座8-10-7 東成ビルB1
03-5537-6634

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2006年06月28日

[小洞天](日本橋)  シウマイ

ここにもシウマイがあった。

崎陽軒を書くときにEさんにシュウマイではなくシウマイだと注意された。→「崎陽軒」
今日、小洞天に行ってみたらここもシウマイと書いてあった。シウマイは崎陽軒だけで使われるのかと思ったが、昔はみんなシウマイと表記したのだろうか。

百科事典によると広東語で焼賣を「シウマーイ」と発音し、横浜南京街(今の中華街)の名物だったらしい。つまり、崎陽軒の商標ではない。しかし、シウマイを世に広めたのは崎陽軒の営業努力だった。シウマイは冷めると不味い。試行錯誤の末、ホタテ貝柱の風味を加えることにより、冷めても美味しいシウマイが完成した。揺れる列車の中でも食べやすいように大きさを一口サイズにするなど工夫を重ね、横浜名物となった。1928年のことである。

ヤフーで「シウマイ」を検索したら、一番は崎陽軒だが、小洞天も同じページに出てくる。小洞天の創業は1944年。そのホームページを見ると崎陽軒と同様に「シウマイ」の名称にこだわっている。名称に対するこだわりは一緒でも、品物はまったく異なる。小洞天のシウマイはでかい。看板商品なだけに、本場中国にも日本国内にも同じものはないと自信満々である。本当にそうなのかは分からないが、銀髪も嫌いではない。

とても一口で食べられるサイズではない。箸で切ろうとするが、身がしっかりしていて割り箸が折れそうだ。こんなときはすぐにフォークとナイフがあればいいのにと、馬鹿な考えを起こしてしまう。片手ではうまく切れないので、箸を一本ずつ両手に持ち直して半分にした。箸を突き刺してかぶりつこうかとも思ったがみっともないので止めた。

以前は八重洲店によく行った。年末、最終日の昼は決まって小洞天に行き、シウマイを食べてビールを飲んだ。八重洲店はなくなってしまったので今日は日本橋本店に行った。本店だからもっと大きいのかと思ったが、意外と小さい。日本橋のすぐそばだが、路地裏と言ってもいい場所だ。

餃子には及ばないまでも、シウマイもビールに良く合う。小洞天のシウマイは写真のものだけでなく、他にも数種類ある。それらも頼んでもっとビールを飲もうかと思ったが、昼には度が過ぎると自粛した。ビールで埋めるべき腹に、坦々麺を詰め込んでお開きにした。

ひっきりなしに人が入ってくる。店の外にも待っている人がいる。これなら路地裏であっても商売に問題はないだろう。

さてさて、こんなにビールを飲んでしまったら、こちらの商売の方が心配だ。

小洞天
東京都中央区日本橋1-2-17
03-3272-1071
http://shodoten.com

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2006年06月27日

[松本楼](日比谷公園)

ガーデン・テラスでビールを飲むのは最高だね!

日比谷公園内のヴィラデマリアージュで開かれたパーティーに行った。葉巻の会社が主催者だが、オープンをちょっと過ぎただけなのに人が溢れていた。会費1万円を払って中に入り荷物を預けようとしたら「クロークが一杯なので、お預かりできません」と言われて愕然とした。憮然として黒人スタッフに文句を言ったが埒が明かない。

諦めて彼と雑談したら、今日の出席者は500人とのこと。これを聞いてもっと驚いた。大ホテルのボールルームで行うべき規模である。赤ワインを一杯飲んで、料理を覆う銀紙が取り払われる前に退散した。お土産は高価な葉巻のようだが、銀髪は吸わないから人にあげた。グルメ紀行の取材にもならない不愉快なパーティーだった。

救いはパーティーが始まるまで時間を潰した松本楼だった。ヴィラデマリアージュから松本楼に向かう散歩道の木々が日没前の日差しを遮り、そよ風が体の熱気をやさしく取り除いてくれた。松本楼に入って屋内のクーラーの効いているテーブルか、ガーデンテラスの席か迷ったが、自然の空気に触れる方を選んだ。

飲み物は迷わず生ビール。パーティーで美味しいものが食べられるかと思い、軽めのオードブルだけを頼んだ。テーブルの上を走る、米粒ほどの白く透き通ったような蜘蛛を眺めながら、ビールが来るのを待った。

オードブル盛合せ

昔は今の時期になると屋上ビアガーデンによく行ったものだ。当時はまだ冷房がない場所も多く、夜の野外はとても心地よかった。いつしか、我々が要求する気温は著しく低くなった。縁側で団扇を使ったこと、慎重に蚊帳の隅を持ち上げて布団に駆け込んだ頃が思い出された。

日比谷松本楼は10円カレーのチャリティーで有名だが、明治36年創業と歴史は古く、多くの人に愛されてきた。ホームページを開くと、「恋人の聖地」に認定されたとあるように、日比谷公園の環境を存分に享受している。結婚式にもよく使われるようだ。

ビールをお代わりして、さらにワインを追加して飲んでいるうちにパーティーの時間が来た。パーティー会場に行ったが前述のとおりの有様で、このまま松本楼で食事をすれば良かったと後悔したが後の祭りだった。

松本楼での僅かな時間は、遠い昔のときめきを思い出させてくれた。
恋人の聖地と言うぐらいだから、デートに最適だろう。恋人たちは、高級レストランで食べる料理以上の楽しみをここで味わえるに違いない。


松本楼
東京都千代田区日比谷公園1-2
03-3503-1451
http://www.matsumotoro.co.jp

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2006年06月26日

[たん良](赤坂)②   夏のたん良

冬のたん良は以前紹介した。→「たん良」  今回は夏のたん良だ。

銀髪のもっとも好きな日本料理屋がたん良である。冬のすっぽん「丸なべ」は特に美味い。丸なべは寒くなるまでお休みとなり、夏の主役は何てったってはもである。

お通しはゆば揚げ、ずいき(はすいも)の白和え、蛸わさび



お造りははもを入れた盛り合わせ。注文するとご主人が目の前で骨切りをする。シャリッ、シャリッと骨を切る音が心地良い。はもは肉厚で花が開いたように美しい。
これを梅肉で食すと、主役を張るに充分な美味しさの鯛やかつおを脇役に押しやってしまう。

はもは日本のかなり広い範囲で獲れ、韓国産も出回っているが、たん良で使うはもは瀬戸内産の800~900グラムの大きさのもの。他のはもは皮が固くて美味しくないという。

この時期、はもと並んで食べなければならないのが鮎。鮎を頼んで焼きあがる間に八幡巻きを食べた。京都八幡市のごんぼう(ごぼう)を浜名湖産のうなぎで巻いたもの。ふくよかな味のごぼうと、うなぎがうまくマッチしている。うなぎの焦げたところが香ばしい。

八幡巻きを食べ終わる頃に鮎が出てきた。和歌山県紀ノ川産の鮎はいい型なので、一人前2匹は多いかな、頭から食べるのは辛いかな、と思ったが苦もなく食べることができた。
身はふっくらとして、はらわたも嫌な苦味がない。これを食べると、なだ万の鮎も分が悪い。Yにとっては塩焼きならさんまが1番、鮎が2番だそうだが、この鮎を食べた後も順番は変わらなかっただろうか。

さて、ボチボチ銀髪のうんちくタイム。はもは湯引きだけだと思っているYに、はもには色んな料理があることを説明した。たん良のご主人も、女将も同調してくれた。京都に行ったらはもの専門店に行くように奨められた。色んな料理を楽しむことが出来るそうだ。
たん良のメニューにはも焼きがあったので、これを頼んだ。ふたたびシャリッ、シャリッと骨切りの音がする。

銀髪にとっても初めての料理。蒲焼風だがうなぎとはまったく違う。天ぷらで食べたことがあるが、焼いてもはもは美味しいことが確認できた。Yもはじめてのはも焼きを気に入ったようだ。

「先日、来られたときは満席で満足な応対ができなくて申し訳ありませんでした」と店に入るなり謝られたが、鮎を食べる頃には今日も満席になって大忙し。「銀髪さんが来られるときはいつも一杯で、申し訳ありません」とまた謝られてしまった。

こちらにとっては忙しくても充分なサービスを受けていると感じる。店を出ると、ご主人が外まで見送りに出て、我々に深々と頭を下げてくれた。少し歩いて振り向くと、再び頭を下げる。

これだけの料理を出してくれる超一流の腕前に、超一流の応対。まったくこちらが頭が下がる思いだ。

夏が終わると松茸、土瓶蒸が主役になる。次はいつ来ようか。


たん良
東京都港区赤坂3-7-15
03-3586-1914

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2006年06月25日

手作り小龍包

久し振りに小龍包を作った。

土日は銀髪が料理を作ることになっている。いつからそうなったのか思い出せないが、みんなが美味しいと言ってくれるから調子に乗った。女房にうまく乗せられたのかもしれないが、料理中は頭が空っぽになるからストレス解消にもいい。結果がすぐ出るのもいい。子供は正直だ。不味ければ口に入れないが、美味ければアッと言う間になくなる。

子供たちの大好物が餃子だ。お父さんの餃子が一番美味しいと言うものだから、せっせと作ってしまう。「今晩は何にしようか?」と聞くと「餃子!」と即答する。「別のものにしようよ」と言うと「それなら何でもいい」と言うから困ってしまう。

餃子以上に喜んでくれるものといったら、小龍包が有力候補だ。餃子は数限りなく作ってきたから簡単に包めるが、小龍包は数回しか作っていないから毎回試行錯誤だ。餃子の皮のレシピはしっかり頭の中に入っているが、小龍包はよくわからない。

今回は料理の本を頼らず、創作小龍包を作ることにした。手羽先の肉がついてる部分は唐揚にすることにして、骨と皮だけのところを煮込んだ。出来たスープにだし汁を加え、味を調えて冷ますとプルンプルンのゼラチンが出来上がる。
豚で作るべきだが、鶏で代用した。

このゼラチンを切り刻み、ねぎ、乾燥しいたけと共にひき肉に混ぜる。塩、胡椒、醤油などの調味料は目分量と言うより超適当。まあ、こんな具合にして何とか具が出来上がる。
小龍包の皮は料理本に逆らって、餃子の皮に近いレシピで作った。昨年日本橋に出来たマンダリン・オリエンタル東京「センス」の小龍包が固めの皮で美味かったので、これに倣った。

包み方は2、3個作ったら要領が分かってきた。出来上がりにはそこそこ満足ができる。
蒸し上がった小龍包を食卓に運んだら歓声が上がった。久し振りのお父さんの小龍包だ!

例によって結果はすぐ分かった。失敗である。蒸すと容積が増す。いつもの柔らかい皮であれば、膨らんでスープが流れ出すのを防ぐ。しかし、センスを真似た皮は膨らまない。折角苦労して作ったスープは上から流れ出してしまったようだ。

しかし、子供たちも大人になったものだ。小龍包の形をした蒸し餃子を喜んで食べてくれた。嬉しくて、銀髪の目からはスープの代わりに涙が流れ出してきた、なんてことはありません。

今度は成功するぞ!

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2006年06月24日

わさび    万能?の薬味

わさびを使うのは刺身だけでは惜しい。色んな料理に意外と合うものだ。

センチメンタル・ジャーニーではないが、昔勤務していた会社があった京橋界隈の店を覗いて回った。一軒目は閉まっていた。土日に休むオフィス街で夕方開いてないのは何故だろうか。ちょっと心配になった。その店を後にして、再びグルグル回った。入ったのは「京はし」だった。

季節料理を謳うだけあって、海鮮が自慢の店である。この店には海のパイナップルと言われるホヤの思い出がある。切り身を少ししか食べたことがなかったのに、店の主人に奨められて生ホヤ1個を頼んでしまった。意外に大きくて量が多い。独特の匂いと味に誰も手をつけようとしない。銀髪一人で何とか努力したが、結局残してしまった。

この日は季節外れのため、もちろんホヤはない。残念よりホッとした気持ちが強い。
枝豆、キムチ、カマスの塩焼きを頼んだが、その後が続かない。他に頼む品を考えていたら、この店にはランチ時に来ることの方が多かったことを思い出した。止む無く選んだのが茄子の一本漬け。ところが、これが一番のヒットだった。面白いことにわさびが添えられている。

わさびは結構使える奴だ。刺身に使うだけでなく、色んな料理に使ってみたら面白い。

日本人はどうしても先入観にとらわれて大胆な使い方は思いつかないが、韓国で鍋の付けだれに使っているのには驚いた。高価な本わさびはもちろん使わない。使うのは粉わさびを練ったもの。鍋は海鮮鍋。エビや貝などを入れて、その上に生きた蛸をそのまま乗せてふたをする。蛸が出てこないように蓋をしっかり押さえるが、足が一本出てしまった。それを押し込もうとして蓋をちょっとずらしたら他の足が出てきて収拾がつかなくなる。他の連中は目を背けている。
しばらく格闘していたら茹で上がって動かなくなった。その足を鋏でぶつ切りにしてもらい、恐る恐るわさびの入った付けだれで食べた。意外なことに良く合う。

先日、ゴルフ場での昼食で兄が鉄火丼を、義姉と銀髪がラムステーキを食べた。兄の丼にはたっぷりの練りわさびが載っていたので、これをもらってラムに付けて食べたらいい感じ。まるでホースラディッシュをつけて食べているようだ。

焼酎にわさびを入れて出す店もある。あまり好きにはなれなかったが、その店では立派な人気メニューだった。

わさびのレシピ、もしかすると結構あるのかもしれない。

そうそう、京はしのことを忘れていた。わさびで話が飛んでしまったが、茄子はいいお味でした。


京はし 
東京都中央区京橋2-3-14 本田ビル2階
03-3275-3783

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2006年06月23日

[羅かん](東京駅)   二汁おでん

東京駅八重洲北口の黒塀横丁に行った。

東京駅には多数の飲食店がひしめく。駅ビルや地下街を歩くと衣料品店など一般店舗と混在して飲食店があるエリアと飲食店だけがあるエリアに分かれる。南口には「ラーメン激戦区東京編」、北口には「キッチンストリート」「黒塀横丁」などが飲食店だけのエリアだ。

北口の二つの飲食店街は2004年秋に誕生したとのことだが、すぐ近くに仕事場があるのに最近まで行ったことがなかった。ラーメンなど簡単な食事はともかく、それ以外はあまりいい店はないとの偏見があったことは否めない。評判の店が駅ビルにあるなど殆ど聞いたことがないせいもある。

八重洲北口のビル建築現場を覆っている白い塀に「キッチンストリート」「黒塀横丁」と書かれており、それに惹かれて行ってみた。矢印に沿って探してみるが、分かりにくい。もっと手前にあると思って行きつ戻りつした挙句、ようやく辿り着いた。

黒塀横丁はなかなかいい雰囲気で、駅ビルにあるのは安っぽい料理屋だとのイメージはなくなった。
ただ、飲食店がたくさん集まると目移りしてしまって決め手に欠けるのも事実だ。「二汁おでん」は銀髪の興味を引いた。

おでんは出汁(すまし)と味噌(にごり)の二つの味があり、これを二汁おでんと称している。店に入ってカウンターに座るとすぐに、味が薄い出汁のおでんを頼んだ。

関東風の醤油味の濃いおでんを食べ慣れていると、新鮮に感じる。ロールキャベツはお袋の味に近いが、かんぴょうで結ばれているのがおでんらしい。

味噌(にごり)に行く前に牛すじの土手煮、カマンベールチーズの味噌漬けを食べた。

味噌味のおでんは味が濃い。味噌系のおつまみを2品挟んだのは失敗だったかもしれない。次も味噌だと多少辛くなってきた。

どんな順番で頼むかは意外と難しいものだ。薄味から濃い味に移るのが当然のように思ったが、酒が進み、お腹も膨れた状態ではあっさり味で締めたほうがよかったかもしれない。

個人的には、二汁は関西風と関東風の食べ比べの方が嬉しい。味噌だと名古屋風の味噌田楽を思い出す。これを合わせると三汁だ。

三種のおでんの食べ比べができたらもっと楽しいが、まあ、そこまで我儘は言えないだろう。

羅かん
東京都千代田区丸の内1-9-1 
東京駅名店街地下1階 黒塀横丁
03-3287-1981

追伸  羅かんは銀座の名店「おぐ羅」の指導を受けて、JRが経営しているお店だそうです。

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2006年06月22日

[なだ万]   有名店で会食

仕事の話をするので静かなところを選んだつもりだったけど‥

なだ万のホテルニューオータニ店に行った。美しい庭園が見下ろせる奥の席に通されたが、その近くの席に10人を超える団体さんがいた。最初は静かだったが、我々がビールを飲みだす頃には何人かが立ち上がって「カンペイ(乾杯)!」を始めた。中国人のグループだ。我々は景色を放棄して、別の席に移動した。

バブルが始まった約20年前、シドニーに居たとき度々このような光景を目にした。団体客は中国人でなく日本人だった。母がシドニーに来たとき、高級中華料理店「インペリアル北京」に連れて行った。「最近、日本人観光客が多くて恥ずかしいんだよ」と話していたところに団体客がなだれ込んできた。銀髪の同胞に対する不満を、外国かぶれと苦々しく聞いていた母は、団体客の振る舞いに目を丸くしていたが、やがて銀髪の言を理解した。

バブルがはじけてからの失われた10年間は、香港人・台湾人・韓国人に取って代わられた。白人にはアジア人の区別がつかない。しばらくは、団体客はすべて日本人と間違われたが、今でも同じだろうか。

席を移ってからは静かな食事になった。なだ万の会席は品があって美しい。どれも期待通りのレベルだが、逆にそれがつまらなくなってしまうから不思議だ。
出てきた料理を順番に見てもらおう。

胡麻豆腐を始め、どれもいいお味です。汁物がとくに良かった。

しんじょとじゅん菜の吸い物がいい。まぐろはちょっと?かな。

鮎は養殖だが季節感がある。こんなに塩を振るんだよなー。ウニもなかなかでした。

安心して商談が出来るお食事でした。

外国人にとって、この繊細な日本料理は美しく、感動的なものであろう。件の中国人団体客は長居をすることなく、ガヤガヤと大声で談笑しながら我々の席の側を通り帰って行った。

料理に満足しただろうか。会席料理、日本庭園、日本らしさを満喫したのか、食べた気がしなくて失望したのか、聞いてみたかったが中国語はできないので止めにした。


なだ万
http://www.nadaman.co.jp

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2006年06月21日

[平田牧場](日本橋)   困った!

とんかつで行列の出来る店に行った。

とんかつは銀髪の大好物である。中学時代、お弁当には毎日とんかつが入っていた。育ち盛りの上、毎日放課後に柔道部の練習がある。50年の人生の中でもっとも食べていた頃だ。
毎朝揚げ物を強いられた母は大変だったろうが、献立を考える必要がなくて楽だったかもしれない。

そんなに大好きなとんかつなのに、夕食に食べることはまずない。とんかつは何故か酒のつまみと考えることが出来ない。白いご飯とセットとのイメージが子供の頃から変わらないためかもしれない。夜はご飯を食べないので、必然的にとんかつは昼食のメニューになる。

会社近くのCOREDO日本橋4階にある平田牧場に行った。いつも昼時は行列が出来ているので早目に来たが、まだ11時半にもならないのに、ほぼ席は一杯である。それでも約3分の2がカウンター席なので、忙しい昼時でも意外と席は見つけやすい。幸いなんとか席を確保した。

隣の客を覗き見ると小さなすり鉢で、黙々と胡麻をすっている。やってきたとんかつは厚さ、脂身のなさから判断して、もも肉を使った1,000円の三元豚やわらかかつ膳と思われる。揚げ色が薄いのがちょっと気になった。彼は目の前のソースをすり鉢にいれて胡麻と合わせ、とんかつにかけて食べ始めた。連れとの会話が弾んでいる。

店員が注文を取りに来たのでお奨めを聞いて、1,300円の三元豚ロースかつ膳に決めた。しっかり揚げてくれと言いたかったが我慢した。醤油党なので醤油を欲しいと言おうとしたがこれも我慢した。

隣がすっかり食べ終わった頃、銀髪のとんかつが出てきた。揚げ色は隣と同じように淡い。

ソースは甘めのものと、ニンニク風味の辛いものと2種類あるが、すり鉢は一つ。混ぜ合わせないでごまはとんかつの上に直にかけ、2つのソースで味わうことにした。塩で食べても美味しいと言われたので一切れは塩をつけてガブリ。「しまった、噛み切れない」肉汁で口の中を火傷したことが何度もあるので覚悟したが、これは火傷するほど熱くない。ロースの脂身が多い端っこだったせいもあるが、衣も油が切れてないように感じた。脂っこい。ソースをたっぷりかけたら何とか脂っこさは消えたが、肉の味よりもソースの味が勝ってしまった。

豚そのものに対するこだわり、店の造りに対するこだわり、接客へのこだわり、ソース・ドレッシング・塩に対するこだわり、パン粉・揚げ油に対するこだわりが随所に披瀝されている。それらを評価して手放しで美味しいとんかつと誉めたいのにそれができないもどかしさ。

今日は揚げ油の温度がたまたま低かったのだろうか。パンフレットやホームページにあるとんかつの写真の揚げ色は濃い。

ネットで見ると、平田牧場には絶賛の嵐。困った! 悪口を書かない主義の銀髪グルメ紀行としては、こんなときは本当に辛い。もう一度行って味を確かめなければならないのだろうか。今度行ったら醤油も頼もうかな。


平田牧場 
東京都中央区日本橋1-4-1 COREDO 日本橋4階
03-6214-3129
http://www.hiraboku.com

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2006年06月20日

[寿司清](新宿)   築地寿司清の支店

日本に帰ったらやっぱり寿司だよね

アメリカから帰って何を食べたいかと自問自答。結局、寿司屋に行くことにした。ワシントンでも、ラスベガスでも刺身を食べた。それなりに楽しんだが、ネタの新鮮さや種類の豊富さは日本の足元にも及ばない。

「事実は小説より奇なり」と言うが、まるで何かに導かれるように行動することがある。相手の希望に従って新宿で食事をすることになり、寿司屋でも行きたいと思っていたことから入ったのが伊勢丹会館にある寿司清だった。

カウンターに座り、つまみを頼んだらミル貝が出てきた。板さんは貝をまな板に叩きつけてゲタに乗せた。そのゲタの上で動いている貝を見て思い出した。
オーストラリアから帰国後、寿司を食べたくて最初に来たのがここだったのだ。上司に連れられて来たのだが、その時感動したのは出された貝が動いていることだった。
帰国してすぐに同じ場所の寿司屋に、偶然入ってしまった。まるで何かの意思が働いたようで気味が悪い。

ところが、その寿司屋の屋号は以前と違った。前に来たときは寿司清ではなく寿司銀だったという。教えてくれたのは隣の席で、一人で飲んでいた老人。「寿司清に代わってすぐの時に来たが、不味くてがっかりした」と言う。彼の名前は樫田さん。90歳とは思えぬほどかくしゃくとした現役の理学博士である。

銀髪の会社がある日本橋の出身ということで、意気投合した。一人暮らしの樫田博士は、時々この店に来るらしい。酒のこと、戦艦大和のこと、あれこれ話をした。そして、再び寿司清の話に戻った。「今日、久し振りに来たら、美味くなっていて嬉しかった」と博士は微笑んだ。

築地に本店がある寿司清は全国に30店舗以上の支店・系列店を有するが、比較的大衆的な店で知られる。近海物を中心に扱うが、高級ネタは自らの客層に合わないからと敬遠する。
まぐろは生の本まぐろではなく冷凍インドまぐろを使い、新子は高過ぎるとのことで仕入れない。安心価格のお店だ。

鰯の海苔巻、ミル貝、えぞあわび

殻つきウニ、ウニごはん

ウニは殻つきも良かったが、ごはんもピリ辛で美味しかった。

稚鮎、黒ムツ、金目鯛

稚鮎ははらわたの苦味がなんとも言えない。黒ムツの刺身は初体験かもしれない。

博士を喜ばせたのは我々の担当をした板さん、小月副長の人柄、技量によるところも大であろう。
30店舗以上あって、仕入先は一緒でも何を仕入れるかは各店に任されているそうだから、先生の評価を変えたのは伊勢丹会館店の努力もあるのだろう。

先生、また機会があったらお会いしましょうね。


寿司清 伊勢丹会館店
東京都新宿区新宿3-15-17 伊勢丹会館3階
03-5366-8830
http://www.tsukijisushisay.co.jp

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2006年06月19日

宴会料理   パエリアとガレット

ホテルのパーティー料理はつまらないと思っていたが‥

ホテル・ニューオータニでベンチャー・キャピタル主催の懇親パーティーがあった。立食パーティーの料理は大体同じようなものが並んでいる。ラスベガスのビュッフェと似ており、食べ飽き気味だったので、関係者にご挨拶をして早々に抜け出すつもりで行った。

オードブル、刺身、ラザニアなどテーブルに置いてあるのは予想通り定番のもの。かつてパーティーの主役だったローストビーフは、アメリカで食べたものより上手に料理してあるが、オージービーフだ。昔ほどの高級感はない。

だが、さすがに一流ホテルのパーティー料理は、ビュッフェよりもいいところがある。その場で料理しているものが多い。寿司コーナーは必ず行列ができる人気料理だが、今日は見当たらない。代わりに天ぷらコーナーで揚げたての海老を供していた。

珍しくクレープを焼いているコーナーがあったが通り過ぎた。甘いクレープを食べる気にはならない。会場の奥まで足を運ぶとそこに巨大な鍋があった。その場でパエリアを作ったらしいが、見損なってしまった。
調理をした高橋さんに聞いたら、この鍋で三升を炊くことが出来るらしい。本場スペインから鍋を5つ輸入してパーティーの売り物にしているとのことだった。レストランでは絶対見られない巨大鍋でのパエリアは面白かった。芯が残るぐらいに上手に炊かれていて味も上々だった。

思わぬ掘り出し物に出会って気分が良くなった。すぐに帰るつもりが、何人かと談笑して、挨拶しながら会場を周っているとさっきのクレープの前に来てしまった。料理の札を見ると「ブルターニュ風ガレット そば粉入り」と書いてある。包む物に目を移すと、海老、牛肉、ソーセージ、野菜などで、バナナやクリームなどの甘味ではない。クレープと思ったのは勘違いだったようだ。

調理をしていた平川さんに聞くと、これはデザートではないと言う。ガレットの発祥地はフランスのブルターニュ。痩せた土地にはそば粉しか育たなかったが、そば粉では粘り気がなくてパンは焼けない。従って薄く延ばして具を入れて食べることを考えついたそうだ。立派な食事である。
その後、小麦粉を使ったクレープが広まった。ガレットの方が歴史がある。若い女性なら当たり前の知識かも知れないが、会場にいるおじさんたちで違いが分かる人は10人もいないかもしれない。

散々質問していたら、平川さんがガレットを作るところを実演してくれた。

トマトソースとハーブソースの2種類のソースをかけて食べたら、とても美味しくてお代わりした。平川さんと話している間に何人かが立ち止まったが、クレープと勘違いする人が多く手を出さない。そこで「甘くありませんよ、美味しいですよ」と呼び込みをしてあげた。余計なお節介だとは分かっているが、平山さんが一生懸命作っているのに誰も手を出さないのを黙って見ていられない。

パエリアを作った高橋さんと同様、平川さんも若くてハンサムな料理人だった。彼らと話が出来て本当に楽しかった。頑張れよ!未来の鉄人達。

ところで、銀髪はこのパーティーに何をしに来たんだっけ?

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2006年06月18日

プレミアムビール

先日、サントリーのザ・プレミアム・モルツビールが2年連続、世界的に権威あるモンドコレクションで最高金賞を受賞したと発表された。

そんなビールがあることを知らなかった。初の金賞受賞となった去年はもっと大々的に新聞発表や広告がなされたはずだが、まったく気付かなかった。
新種の発泡酒が次々に発売されたので、きっと勘違いして見過ごしたのだろう。

かつてはビールと言えばキリンラガービールだった。若い人たちは信じられないだろうが、誰もがこのビールを注文した。今のアサヒ・スーパードライ以上の占有率を誇っていたのではないだろうか。ビールの主流はラガーから生に、瓶から缶に、苦味からスッキリ飲み易さに移っていき、アサヒ・スーパードライがキリンラガーを駆逐した。

余勢を駆ってアサヒは発泡酒でも市場を席巻したが、キリンも譲らなかった。サッポロやサントリーも頑張った。そんな戦いに各社明け暮れているのかと思っていたら、プレミアム・モルツビールの金賞受賞を目にしてオヤッ?思った。

酒飲みは意地汚くて意思が弱いだけでなく偏屈だ。多くの人がいいと言うと反発する。スーパードライはビールを駄目にしたという酒飲みが多い。スッキリ感を追求したため万人向けになったが、酒飲みにとっては物足りなくなったと言うわけだ。そんな酒飲みはエビスビールを好む。いつもは家で発泡酒を飲んでいるくせに。
銀髪も家では健康を気にしてカロリーとアルコール度の低いサントリーのダイエットビールだ。健康を気にするなら禁酒すればいいものを。

エビスビールは麦芽100%を原料とする。値段が一番高いから頼むという変人もいるが、こくがあって値段だけの価値がある。
麦芽100%のビール(オールモルトビール)はサッポロのエビス以外に、キリンの一番絞り、サントリーのモルツを思い浮かべる。プレミアム・モルツビールの金賞受賞は、サントリーの100%麦芽ビールに対する思い入れを感じることが出来るが、営業力の差か飲食店でお目にかかることはまずない。

オールモルトビール各種

酒屋を覗いてみると、キリンも100%麦芽にこだわったビールを出していることがわかった。スーパードライとの戦いに一敗地にまみれ、かつてのラガービール復活に賭けたが一蹴されて、発泡酒戦争に注力しているのかと思ったら嬉しい発見。アサヒを除く各社が別の場所でも競っているのが分かった。
写真のキリン・チルドビールは賞味期限も明記してあるこだわりの生ビールだ。これは気に入った。

お好み焼のBig-Pigに置いてある瓶ビールはなぜかハートランド。裏のラベルを見るとキリンがやっているビールで麦芽100%。お好み焼屋もこだわっているじゃないか。

酒飲みもこだわっているかと思えばそうでもない。ウンチクを並べるが、普段飲むのは安くてたらふく飲める発泡酒、店に入ったら相手に合わせてスーパードライでも気にしない。
たまにエビスを飲みたいと言う人がいたら、ニンマリとして同意するのだ。


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2006年06月17日

[南国酒家・広東炒麺東京駅店]  あんかけそば

これは美味いと思ったら、自分で作りたくなってしまうのが銀髪の長所。欠点?

焼きそばと言えばソース焼きそばか固焼きそば。子供の頃、自分の中ではソース焼きそばは夜店で食べるもの、固焼きそばは中華料理屋で食べるものと決まっていた。

ソース焼きそばを家でよく食べるようになったのは、日清の袋麺の焼きそばが発売されてから。フライパンに分量の水を入れ、麺を数回引っ繰り返しながら水分を吸わせて作った。
今ではカップ麺が主流になった。ときどき無性に食べたくなるのがカップ焼きそばだ。

固焼きそばはソース焼きそばに比べると高級感があった。中華料理屋に行くと固焼きそばを頼んだ。家ではソース焼きそばのように簡単に作れないためだ。インスタント固焼きそばってあるのかなー?

以前はこの2種類しか知らなかったが、ちょっとましな中華料理屋では焼付け麺が主流になってきたような気がする。表面を焦がして、焦げた香ばしさとカリッとした食感を楽しむ。この焼付け麺の焼きそばに最初に出会った場所は20年近く前のメルボルンだった。これにはまった。

その店は自分にとっては焼きそば専門店だった。平日のランチに通うだけでは飽き足らず、週末にこれを自ら作りたくなった。ところが、作ってみると意外と難しい。家庭では火力が充分でないためうまく焦げ目がつかないのだ。成功したと喜んだら香ばしくないただの黒い焦げ跡。油を多めにしたらカリッと香ばしくなったが、そのまま皿に移すと油がべっとり。

上にかける具はスープの量と片栗粉の分量が難しい。食べ終わる前にとろみが完全になくなってしまわないように、具に絡まって食べ尽くせる程度にスープを調節する。週末だけの料理当番なので、満足するものができるまで数週間かかった。

東京駅、有名店のアンテナショップが並ぶキッチンストリートの南国酒家に行った。南国酒家は全国に10以上の支店をもつ創業45年の老舗中華料理屋で、広東炒麺東京駅店は焼きそば専門店。当然焼付け麺を売り物にしている。五目具だくさんのあんかけやきそば(1,200円)を食べた。

具は美味しかったし、麺もカリッとしてはいたが、銀髪好みの焦げた香ばしさが足りない。思い出の味を追求すると、美味い不味いが関係なくなるから困ったものだ。

こうなると自分で作らなければ気が済まない。中華鍋を煙が出るまでガンガンに熱して、ちょっと大目の油を入れる。鍋の温度が下がらないように、麺は予め電子レンジで暖めてから鍋に入れる。鍋底は直接火が当たってないので、へらで麺を鍋の側面に押し付けて焦げ目をつくる。

野菜はサッと湯通しして、肉などと一緒に炒める。熱くしたスープを足して、片栗粉でとろみをつける。プロ顔負けのスピード感溢れる手際の良さ、なーんちゃって。

中華鍋で麺に焦げ目をつけて→具をかけてできあがり

アマチュアとしては上々の出来だ。あー、書いている間にまた食べたくなってしまった。また週末作ろうかな。
固焼きそばやソース焼きそばの方が好きだと言う家族の意見は無視、無視。

「広東炒麺」南国酒家東京駅店
http://nangokusyuka.co.jp

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2006年06月16日

[弁慶](日本橋)   お客様と御座敷天ぷら

「出没!アド街ック天国」でも紹介された日本橋の老舗天ぷら屋に行った。

銀髪のオフィスから目と鼻の先にあるのに、今回初めて訪れた。日本橋界隈にはたくさんの天ぷら屋があるためか、名前は以前から知っていたが来たことはなかった。接待に使う店とのイメージもなかったが、インターネットで「御座敷てんぷら」で検索したら弁慶が出てきた。

先日行った「おかめ」も考えたが、歩いて行ける弁慶に軍配が上がった。接待に使われる部屋は2階の奥にある。6人がやっとの思ったより狭い部屋だが、個室で揚げてくれるのだから気分はいい。

ビールを頼むと「銘柄は何になさいますか?」と聞かれる。接待用の座敷と謳うだけあってキリン、アサヒ、サッポロの三種類が揃っている。三菱グループの会社の人にはキリン、住友グループにはアサヒ、芙蓉グループにはサッポロなど、使い分けなければならない。
プライベートなら別だが、企業トップや重役の接待ともなると、厳格に適用するルールだ。

昔、シドニーに居たときフォスタービールのグループ会社から接待を受けた。いつもはフォスタービールを飲んでいたのに、その日はいつもと違うものを飲みたいと思ってしまって、うっかりライバル会社スワンのビールを頼んでしまった。もちろん、そのオーダーはキャンセルさせられた。今でも思い出すたびに冷や汗をかいてしまう。

料理はお通し、前菜、サラダ、お刺身と続く。

なかなか天ぷらが始まらない。お座敷の手前に半円カウンターがあり、そちらに他の客がいるようだ。天ぷらを揚げる音が続いている。こちらは話が弾んでいるおかげで、のんびりしたサービスを怒る人がいなくて助かった。

ビールでお腹が膨れ上がった頃、ようやくメインの天ぷらが始まった。弁慶のホームページからネタを仕入れてきたが、板さんは接待の我らを気にしてか話しに乗って来ない。聞けたのは油が綿実油とごま油の比率が7対3という事ぐらい。

そんな訳で、面白い話は板さんからは聞けなかったので、創業以来天ぷら一筋50年の料理でも見てやってください。

お座敷接待での天ぷらでは、正当なお店の評価はできないかもしれない。


弁慶
東京都中央区日本橋1-5-8
03-3271-2811
http://www.benkei.jp

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2006年06月15日

[勇新](浅草)  調査捕鯨のお店

鯨を食べに浅草に行った。

「勇新」は調査捕鯨船の目視採集船「勇新丸」「第二勇新丸」から来たのだろう。5月23日までに合計5隻が出航し、2006年度の北西太平洋調査捕鯨が始まった。9月中旬までにミンク鯨100頭(別途沿岸調査として120頭)、ニタリ鯨50頭、イワシ鯨100頭、マッコウ鯨10頭を捕獲する。

先日マイワシが築地で一匹が1,200円で取引されたと報道され話題をさらった。漁獲高の減少を鯨が増えすぎたためとする解釈もあるが、調査捕鯨で実証されるのだろうか、興味深い。獲られた鯨は商業用に売られる。築地にも専門店が2店あり、各地の魚屋に出回ることだろう。

浅草の「勇新」は調査捕鯨のアンテナショップとして3月19日にオープンした。お買い物コーナーと食事コーナーに分かれていて、気軽に入れる店だ。
コースメニューは3,500円、5,000円、8,000円とあるが、アラカルトで好きなものを食べることにした。

先ずは刺身の一番高い盛り合わせ「松」(3,000円)。

左が赤身、中央上があぶらすのこ、中央下が尾の身、右が本皮。まだ凍っているルイベ状態だが、口に入れると溶けて味が出てくる。

ベーコンセット(1,500円)。

左が食紅で着色された市販のベーコン。右がこの店の自家製ベーコン。上に千切りが添えてある。

尾羽毛(800円)、百尋南蛮漬け(800円)、たたみ鯨タレ(500円)

尾羽毛(おばいけ)はさらしくじらのこと。市販のさらしくじらのように漂白してないので茶色っぽい。水にさらす時間が短いので市販のものより味がある。
百尋(ひゃくひろ)は鯨の小腸で、以前博多で食べたときは食べきれずに困った記憶があるが、南蛮漬けにしてあるので食べやすい。
たたみ鯨は言ってみればホエール・ジャーキー

さえずり含め煮(1,500円)、ステーキ(1,500円)

さえずりは鯨の舌のこと。上手に煮込んであり意外と美味。ステーキは塩・胡椒で焼いて欲しかったが、タレにつけてあるものしかなくて残念だった。

調査捕鯨のアンテナショップだからこその良心的なお店。間違って(?)捕獲される鯨や国際捕鯨委員会(IWC)未加盟の国からの輸入品は置いていない。市販されているのは調査捕鯨以外の鯨の方が多い。
美味いものを食べられればどちらでもいいと言ったら、不謹慎だろうか。

鰯などの資源保護のため、鯨を適正な数まで減らすべき=獲って食うべきとの意見もある。イルカだって鯨の仲間。イルカを食べる地域は多い。でも、これは「可愛そうだ」と反対する日本人が多いに違いない。
あまりこの種の論争には巻き込まれたくないが、新鮮で美味しい鯨を食べたいものだ。


勇新
東京都台東区浅草1-27-10
03-3841-0953

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2006年06月14日

[せいもん払い](博多)  さあ山笠だ!

博多の祭りと言えばどんたくと山笠。博多っ子、特に男の血が騒ぐのは山笠の方だろう。

子供の頃、約10年間、福岡に住んでいたが、山笠には縁が薄かった。山笠は車がついた大きな山車を引いてスピードを競う「追い山」と華麗な人形飾りのついた山車の美しさを競う「飾り山」がある。飾り山は毎年見に行ったが追い山は早朝、電車が走る前に行われるため連れて行ってもらえず今も憧れのままになっている。

憧れを膨らませたのは漫画「博多っ子純情」だった。山笠を軸に繰り広げられる中学生からの恋物語は、羨ましくも妬ましくもあった。博多のNさんは「男」を強がる博多っ子と比べて、東京の男性は優しいと評した。しかし、東京人になってしまった銀髪は、博多に来ると東京弁を女々しく思えて恥ずかしくなる。

そのNさんに連れられて「せいもん払い」に行った。せいもん払いは博多の超人気居酒屋である。そして、この店が追い山の舞台となる櫛田神社の目と鼻の先にある。店に行く前に櫛田神社に寄って、博多での銀髪の商売がうまく行くように祈願した。

せいもん払いは予約して行かないと、余程運が良くなければ入れない。予約が出来るのはスタートの5時から6時半の間に限られ、時間厳守である。今日はカウンターに座った。目の前に新鮮な魚が並び、いい眺めである。
実は今日が2回目と言うとNさんはひどく悔しがったが、前回は座敷に座ったので今日の方が圧倒的に印象がいい。食べ損なったものもたくさんある。

博多に来たら鯖の刺身を食べなければならない。他はNさんのお奨めに従って呼子のイカ、佐賀牛のステーキを頼んだ。

いかの足は小鉢の中でしばらく動いていた。博多に来たらイカの活造りは定番中の定番。肉が好きな人には佐賀牛。徐々に全国区になってきたが、まだまだ質に比して割安だ。

さて、これからが銀髪の真骨頂。食べたことがないものシリーズに移る。迷った末に頼んだのが「あぶってかも」の塩焼きと「ひらす」の刺身。

あぶってかも(左)とひらす(右)

あぶってかもはスズメダイのこと。そう言われてもスズメダイ自体が分からない。一皿2匹乗っていたが大きさが違う(左上段の写真)。銀髪は遠慮なく大きい方を食べ、小さい方はNさんに渡した。塩味が適度に効いて、身も柔らかい。見た目より美味しくて、大きい方で正解だったと思った。ところがNさんの箸が魚の腹を開くと、なんと卵が出てきた(左下段の写真)。大きさの違いは雌雄の違いで、一皿に一対で出されたのだと気がついたがもう遅い。銀髪は舌切りすずめを思い出した。でも優しいNさんは銀髪に卵をくれた。

もう一品のひらすとはひらまさのことだった。ぶり、かんぱち、ひらまさは切り身だけ見ると違いが分からない。成魚の大きさで言えば、ぶり1m、カンパチ1.5m、ひらまさ2mでひらまさが一番大きくなる。ひらまさは身がしっかりしており、脂の乗りもしつこくない。

追い山の1ヶ月以上前の6月1日から山笠は始まるそうだ。男たちはキュウリ断ちをすると聞いたが、銀髪は刺身の付け合わせに出てきたキュウリを構わず食べた。他所者なら問題ないだろうと思ったからだが、悔し紛れと言ったほうがいいかもしれない。

今年こそ、何でもいいから追い山を見たいもんだ。福岡に10年も住んだことがあって、追い山を見たことがないとは未だに悔しい。


せいもん払い
福岡県福岡市博多区上川端町5番107号
092-281-5700

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2006年06月13日

[Big-Pig](日本橋)   東京の広島お好み焼

東京駅から徒歩4分。老若男女で賑わうお好み焼屋がある。

飲み放題付きのコースが4,000円程度で楽しめるのだから、若い人たちが集まるのは分かるが、時折り中年グループもやって来る。それが我々だ。
広島出張のときは麗ちゃんに行ったが、ビールを少し飲んでもお好み焼きを食べるのは昼間のイメージだ。銀髪にとって、夕食にお好み焼きを食べるのはラーメンライスで済ませるのに等しく、ひどく寂しい気持ちになる。

今日のスポンサー氏がお好み焼き大好きなので仕方がない。しかし、さすがに飲み屋街にあるだけに、Big-Pigはおつまみの類もそれなりに揃えてある。

面白いのがいか天焼き。いか天とはいかの天ぷらかと思っていたら、昔駄菓子屋で買った揚げ菓子のこと。いかはどこに入っているのだろうと疑問に思う揚げ菓子だが、カリカリのお菓子を鉄板の上に置いて水をかける。柔らかくなったらねぎを挟んで味付けしてマヨネーズをかける。

いか天焼き、ねぎ焼き

ちょっと懐かしくて好きなのがねぎ焼き。売り口上にあるたっぷりのねぎを気に入った訳ではなく、もやしが入っているのが懐かしい。なぜか我が家のお好み焼きは広島風でありながら、もやしを入れていた。もやしを入れるとベチャットした食感がなんとも美味いのだ。お好み焼きにもやしを入れるのは我が家だけだったのだろうか。

お好み焼、オム焼きそば

スポンサー氏は看板メニューの「広島お好み焼きスペシャル」や「オム焼きそば」を口いっぱいにほお張っている。銀髪はそれらを少しだけもらってビールを飲む。
おつまみとして他の料理を作ってもらおうと思うのだが、スポンサー氏の食いっぷりをみていると、夕食タイムが終わりに近づいていることがわかる。
かと言って同じようにお腹を膨らませてしまうと、これから飲む酒が不味くなる。

思ったとおり、スポンサー氏はお腹一杯になるとすぐに席を立った。勘定を済ますと店を出て行く。我々お供の連中も慌てて彼を追いかける。

夜の最後はクラブでカレーでも食べて締めようか。


Big-Pig
東京都中央区日本橋3-4-3 敷島ビル2F
03-3272-6262

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2006年06月12日

ラスベガス

ようやくアメリカ出張の最後の地に降り立った。キュラソーからマイアミ経由で日本に戻る中継地として我々が選んだのはラスベガスだった。

ラスベガスは今回が3度目だ。最初は約30年前。ロスアンゼルスでホーム・ステイをしていた友人を頼ってアメリカに来た、大学4年になる前の春休みの事である。
その2年前、父が南米のコロンビアに赴任することになった。それまで海外駐在の度に単身赴任をしていた父を気遣って(本当は自分の自由な時間をもっと欲しくて)、母に同行するよう説得した。

自由気ままな大学生活を堪能したけれど、夏休み・正月休みに帰省する友達を、しばしの別れを惜しんで痛飲して送り出した後は寂しかった。寂しくて、退屈な夏休みを繕うために新宿の英会話学校に行った。ロスアンゼルスに居た友人は、その時できた友人の一人、Mだった。

Mと立てた計画は、彼の車でラスベガス、グランドキャニオンを経て、ニューヨークまで行くものだった。3度目のラスベガスだったMはブラックジャックで必勝の策を練っていた。銀髪は一人でキノというゲームをしながらラスベガスの雰囲気を楽しんでいたが、Mはブラックジャックを始めて1時間後には有り金を全てなくしていた。銀髪の有り金の半分を借りて行った彼が戻ってきたのは僅か15分後だった。

ニューヨーク行きを断念せざるを得なくなった二人は、翌日グランドキャニオンで一泊しただけで、ラスベガスに戻ってきた。戻ってきたところで彼の車が故障した。修理が完了するまでの数日、ラスベガでの貧乏暮らしを余儀なくされた。それでも、数セントで勝負できる店もたくさんあり、次第に街に溶け込んでいった。

アメリカ横断の夢を果たせず途方にくれた銀髪は、ロサンゼルスに戻って友人からお金を返してもらい、両親が暮らすコロンビアに飛び立った。

昔ながらのフラミンゴと人気No1のべラージオの噴水ショー

あれから30年。ラスベガスはすっかり変わってしまい、記憶を呼び起こすのはフラミンゴのネオンだけとなった。30年前と大きく違うのは2点。トイレに警備員を兼ねた掃除夫がいなくなったこと、深夜にも胸元や肩を露にした若い女性が危険も感じず歩けること。

カジノとショーが売り物なのは今も変わらないが、ショッピングが重要な観光の目玉になった。巨大アーケードは人工の運河や空を模し、子供たちも楽しめるようになった。男たちのための怪しげな町から、女子供も楽しめるリゾートタウンに変貌したのだ。


食で言えば、巨大ホテルのビュッフェが売り物だ。和洋中豪華絢爛と言いたいところだが、観光ガイドにベスト・ビュッフェと紹介され、1時間待ちも珍しくないべラージオですら、食べるべきものはない。ビュッフェだけで言えば、香港のシャングリラやコンラッド、マカオのサンズの方が上だろう。

Wynnのパイキング

もっとも、海外はおろか日本の一流ホテルのビュッフェ(バイキング)でも、最近はあまり好きではなくなった。「食べ放題」がお得と感じる年齢は過ぎてしまった。

これだけの変貌を遂げたラスベガスでは、今も多数の大型クレーンが忙しく働いている。去年来たときにはなかったカジノが出来ている。老舗は増改築を行い新参ホテルに反攻している。

ラスベガスの30年後を予想するのは難しい。これまでと同様に、将来も一攫千金の夢を持ったギャンブラーを惹き付けるだろうが、これからはギャンブルは「空いた時間にちょっと」と思うような健全な人たちを求めて変貌していくのだろう。

(米国特集は今日で終わりますが、ときどき話題にしますのでご容赦ください。)


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2006年06月11日

ハンバーガーは日本食?

アメリカの旅も後半に入った。段々とアメリカの食の傾向が見えてきた。

たった数日で批評をするのは傲慢すぎるかも知れないが、ひとことで言えば「リッチ」。料理で言うリッチはお金持ちという意味ではない。「濃厚」「こくがある」などの意だが、アメリカの食事は日本人にとってはすべてリッチである。

立派なレストラン以外で食べた料理は、ハンバーガーと機内食のサンドイッチとパスタ。

ハンバーガーは行きと帰り、乗換えで降りたマイアミ空港で2回食べた。最初は空港の典型的なオープン・レストラン。そこでハンバーガーを頼むと肉の焼き方を聞かれた。日本ではハンバーガーの焼き方を聞かれることはないのでちょっと嬉しくなった。連れが生肉を嫌がるのでウェルダンと言ったのだが、出てきたものはレアに近い。銀髪にとっては喜ばしい間違いだが、いい加減と言えなくもない。全部はとても食べられないので残してしまったが、いいハンバーガーだった。

レアのハンバーガーとその切り口

2回目は仲間の一人の熱望で、バーガーキング。日本から撤退してしまったため、思い出の味といったところか。ダブルウォッパーというパテが2枚入った伝統の一品。朝ごはんを殆ど食べていなかったので大型のハンバーガーを苦もなく平らげたが、食後は胃がもたれて辛かった。

バーガーキング

面白かったのは、もう洋食は食べたくないとぼやき、焼き方を聞かれるハンバーガーを毛嫌いした人が、ファスト・フード=バーガーキングのハンバーガーを喜んで食べたことだ。
30年以上前、香港で中華料理ばかり食べていたら、一緒に行った友人にマクドナルドに行きたいと懇願されたことを思い出した。ファスト・フードのハンバーガーは日本人にとって、外国で食傷気味になった胃を癒す食べ物になってしまったらしい。

機内食は七面鳥のハムサンドとパスタだった。クロワッサンは甘いのであまり好きではないが、外国のそれはさらに甘くて大きい。この味が銀髪にとっては「Too Rich」だ。
パスタは2種のラビオリを2種のソースで料理してあり、ワインによく合って及第点だった。

それにしても皆が食べたのは、どれも日本で馴染みの食事ばかり。それなのに不味いを連発していた。最高評価を得たのがファスト・フードだったのが面白い。万人向けの味を作り上げたからこそ、世界中に広まったのかもしれない。
銀髪がこれを食べて癒されることは一生ないと思う。

洋食文化に侵されてしまった日本人を嘆いてみたが、よく考えてみたら銀髪が大好きなビールもワインもウイスキーも外来物。絶対不可欠の薬味である唐辛子もにんにくも元を正せば外来種。

10年後にはハンバーガーを日本食と信じる子供たちが殆どになるかもしれない。

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2006年06月10日

キュラソー    カリブの海賊

次の目的地はカリブ海に浮かぶ島、キュラソーだ。

ワシントン・レーガン空港を飛び立つとすぐに、ペンタゴン(国防総省)が見えた。空から見ると無防備とも思えるペンタゴン、テロリストたちはどんな思いで見るのだろうか。

約2時間でマイアミ空港に着いた。折角のマイアミも空港の外に出ることはできず2時間待機。それからキュラソーに向かった。今度は3時間の飛行。
カリブ海にはたくさんの島があるが、海賊が散々暴れまわった後、海賊以上に強欲な列強が各島を支配した。イギリス領、フランス領、アメリカ領などの島々に混じって、ベネズエラの北約50キロにオランダ領キュラソーがある。

どの島も観光以外に目立った産業がないため、タックス・ヘイブンとなり、金融機関や会計士、弁護士等を引き寄せる。
オランダ領らしい赤い屋根の家並みの向こうに巨大客船が見える。下船する観光客を横目に、蒸し暑い中を我々はネクタイはしないまでも、ジャケットを着込んだ暑苦しい格好でミーティング先に向かった。

働いても、仕事をしても食事の時間はやってくる。昼食はWine Cellarというレストランに行った。メニューにオランダらしい料理を捜したが見つからず、結局食べたのはアヒルの肝臓のパテとラム(子羊)チョップ。パテは辛すぎて、ラムは焼きすぎだった。料理の選択を誤ったかもしれない。

夕食までのわずかな時間、ホテルが臨む海で泳いだ。「カリブ海で泳いだぞー!」と言うために。水は透き通っていて、体長5センチ位の魚が銀髪に驚いて小石の陰に隠れるのが見える。
暖かい海から砂浜に上がると、強めの貿易風が体を冷やして通り過ぎる。

夕食は要塞跡のようなRiffort VillageのBistro Le Clochardに行った。セッティングされていたテーブルを断り、わざわざ海の見える席に移動したが、10分もしないうちに日は暮れて外は闇に沈んだ。それでもみんな、このレストランが気に入った。美人のウエイトレスがいたためだ。料理が来る前に、この店が今回の旅行でナンバーワンの評価を得た。

料理が出てきて、銀髪の評価もナンバーワンになった。変わった料理があるし、地元で取れた食材も使っている。

変わった料理は蛙。両足がそのままの形で出てきたのにはちょっと驚いた。フィンガーボールも一緒に出てきたので手で食べろというのだろう。蛙の肉の味はイメージどおりだが、ソースがうまい。パンをつけて食べると本当に美味しかった。

次は地元でとれたロブスター。日本の伊勢海老やオーストラリアのロブスターは赤色だが、地元産は緑色のようだ。身の中心が生に近い焼き加減は、なかなかよろしい。

隣の料理をちょっともらった。本日の魚(Catch of the day)鯛をバナナの葉で包んで焼いたもの。新鮮な食材を使ったアイデア料理。そう言えば、昼間みんなが食べていたエビカレーにもバナナが入っていた。とっても甘くて銀髪は好きになれなかった。

結局オランダ料理らしいものは口にしなかった。今度来たときには‥。
来るわけないか。

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2006年06月09日

[すし太郎](ワシントンDC)

日本に限らず外国に行っても食べたいものは地元のものだ。

魚介類であれば生、すなわち刺身で食べたい。洋食が口に合わない人はすぐに日本料理屋に行きたがるが、魚介類が豊富なところなら意外と賢明な選択でもある。残念なのは、そんな人は馴染みの料理と日本語が通じることに安心するだけで、地元の魚介類を試したり、味比べをしたりすることはまずないことだ。

日本から輸入した冷凍食品や、レトルト物を頼んでおいて不味いと顔をしかめる人が多い。もう少し考えてオーダーすればいいと思うのだが、銀髪にとっては理解不能だ。
いい店であれば、出来るだけ地元の物で日本料理を作ろうと試行錯誤している。とんでもないものが出てくることもあるが、それもご愛嬌で怒る気にはならない。

うなぎはオーストラリアでも獲れるが、日本のうなぎに比べると巨大である。長さ2メートル、太さ直径10センチなんてものもいる。ブリスベーンに日本のうなぎに近いサイズのものを蒲焼にする店があった。見た目は同じだがパサパサしていて味はまったくお粗末だった。それでもいい経験。話の種はできた。

すし太郎で刺身の盛り合わせを頼んだ。地元のもの、輸入物が混ざっている。鯖は日本産。多分地元でも獲れるはずだが、脂の乗りが違うのだろう。オーストラリアではしまあじが磯でたくさん釣れる。姿かたちはまったく日本のそれと一緒だが、味は異なった。

左がバラマンディ。中央上からさわら、すずき、さば。右上からまぐろ、さけ、びんちょう。

すずき(ノースカロライナ産)は脂が乗って美味い。日本産と遜色ないどころか、こちらの方が美味いかもしれない。さわらはボストン産。びん長まぐろは地中海産。
鮭は日本で生食にするのは大概輸入物。このアトランティック・サーモンは上等だ。
近海ものしか使わない高級寿司屋はともかく、大衆的な寿司屋は輸入物が殆んど。味は外国にある寿司屋の方がいいかもしれない。

バラマンディは懐かしくて頼んだ。もちろんオーストラリア産である。バラマンディとはオーストラリアの原住民アボロジニのことばで「大きなウロコを持つ魚」という意味だそうだが、かなり大きな魚なのでソテーなどしてよく食べた。上品な白身はどんな料理にでも使えた。薄造りで食べさせるとは意外だった。バラマンディのイメージとは違う。

巻物にボストンロールがあった。カルフォルニアロールはあまりに有名だが、小エビとレタスを巻いたものがなぜボストンの名を冠するのかわからない。誰が考えた料理なのだろうか。

「寿司屋?」と不満を言いながらしっかり楽しんだ銀髪であったが、隣の席には日本酒や焼酎を次々と飲み干し、日本人ウエイトレスをからかって怪気炎を上げているおじさんたちがいた。
彼らの酒宴はカラオケ付の別の日本料理屋に行ってからも延々と続いたとのこと。

クワバラクワバラ。他人の振りをしていよう。

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2006年06月08日

ソフトシェルクラブ

アメリカに来てステーキは食べた。次はハンバーガーでも食べようか。

初日はイタリアンに行くと言われて拍子抜けしたが、アメリカらしい大盛りのスパゲッティは見られたし、アンガスビーフのステーキも食べることができた。次のターゲットはハンバーガーにしようと思った。

今日は一日中ミーティングで、間に先方の招待によるランチが挟まれる。連れて行かれたレストランはワシントン郊外の学校や教会が点在する高級住宅地にあった。一見高級そうでハンバーガーは諦めなければならないのかと思ったが、メニューを開いてみるとやはりアメリカ。パスタ、ピザと並んでハンバーガーがあった。迷わず定番のチーズ・ハンバーガーを頼むことにした。

ところが、隣に座ったスティーブが異を唱えた。彼は我々とのミーティングのため今朝シカゴから飛んできていた。彼はワシントンに来たら、必ず蟹を食べると言う。クラブケーキ・ハンバーガーを頼めとうるさい。ワシントンに隣接するメリーランド州チェサピークで取れるソフトシェルクラブを、絶対食べなければダメだと力説する。タイ料理屋でフィッシュ・ケーキはさつま揚げのこと。日本のハンバーガー・ショップではエビバーガーが人気だが、クラブケーキ・ハンバーガーはエビを蟹に代えたと思えばいい。
もちろん銀髪はスティーブの奨めを受け容れた。

エビバーガーも好きだが、カニバーガーはスティーブの言うとおりなかなか美味い。すり身にしたエビはしっかり固まって歯ごたえがあるが、カニは粘り気がないためフワッと仕上がっていた。

午後のミーティングが終わって、夕食の時間が来た。銀髪の同行者たちは早くもアメリカの食事に音を上げている。海外出張中は日本食断ちが当たり前の銀髪にとっては、不満だが皆に従わざるを得ない。結局、寿司屋に行くことになった。ワシントンは魚介類の美味しいところで知られているので、地元の魚を食べるにはうってつけだと自らを納得させた。

メニューを開くと本日のお奨めにソフトシェル・クラブの唐揚があった。脱皮直後の軟らかい甲羅が特徴なので、唐揚にしても甲羅ごと食べることが出来る。昼に続いて同じ食材だが、料理法が違うので苦にならない。

ソフトシェル・クラブは日本にも輸出されている。銀髪は日本でも何度か食べたことがあるが、直近では銀座「らん月」でいただいた。甲羅ごと食べるのが楽しく、揚げると香ばしくて味もなかなかである。日本でこの料理を見つけたら、是非試して欲しい。

今日はソフトシェル・クラブのお陰で、ちょっとグルメ紀行らしくなった。


ソフトシェル・クラブを食べた店
[すし太郎](ワシントンD.C)

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2006年06月07日

リブアイステーキ  アンガス牛のベスト・ステーキ

アメリカに行ったらやっぱりステーキだよね

ワシントンのイタリア料理屋で、パスタ料理などが主流のメニューからアメリカらしいものを探した。そこにSteak, Rib, Eye, Angus などの文字を見つけた。よしこれにしよう。

ステーキと言えば、日本ではサーロインかヒレぐらいしか聞かないが、リブロインとかTボーンなど他の部位のステーキも美味しい。
Eyeがつくと、その部位の最高のところを意味する。オーストラリアに居たときはいつもアイ・フィレット(ヒレ肉の中心部分)を買っていた。日本では高くてなかなか手が出ない。
アンガスは米国産牛の最高級品種として有名な名前だ。
すなわち、Steak, Rib, Eye, Angusは最高級アンガス牛の、赤身と脂のバランスがいいリブの、もっとも品質のいいところ(eye)を使ったステーキだと想像できた。

14 oz の文字も気になった。1oz(オンス)が何グラムかイメージできなかったが、大きいのは確かだ。アメリカなら大きくなければ絵にならない。
焼き方はミディアム・レアと一度は言ったものの、ミディアムに訂正した。

出てきた肉は思ったとおりでかい。後で調べてみたら14 ozは 約400g。これで40ドル(約4500円)は破格の安さだ。和牛だったら15,000円は下るまい。

いい焼き加減だった。外国産牛の場合、脂肪分が少ないので中に火が入りにくい。レアを頼むと中は生肉状態で出てくることが多いためミディアムにしたが、生焼けのようで火がちゃんと通っていたので評価できる。外側はカリッと焼かれて焦げ目がついている。
外国では塩・胡椒をせず焼いて、客が味付けして食べることが多いが、ここでは塩・胡椒がして焼いてありバランスもいい。

他のみんなにも分けたので、400gは気にならなかった。固いと言う人もいたが、噛む度に味が出てくるのもいいと思う。日本人は霜降り和牛の柔らかさに幻惑されている。脂が落ちると固くなってしまうしゃぶしゃぶや焼肉では和牛がいいが、ステーキは霜降りでないほうが美味い。アンガス牛の方が赤身に味がある。

柔らかさが牛肉評価の最重要ポイントと信じる日本人には、穀物肥育で脂肪をたっぶりつけた肉が人気だ。しかし毎日、肉を食べるアメリカ人は、脂肪分が少なくて食べ応えがある米国産牛の方を好むだろう。アンガス牛は高嶺の花かもしれない。

和牛か外国産牛かの論争は、まぐろのトロと赤身の論争に似ている。本まぐろの赤身の方がトロより美味いと通は言う。霜降り和牛よりも、アンガス牛の赤身の方が美味いとステーキ通は言うのだろうか。

アンガス牛のリブステーキは日本でも出す店があるようだ。帰国したら探して行ってみようかな。
連れて行く相手の評価が楽しみだ。

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2006年06月06日

[Filomena(フィロメナ)](ワシントン)   ワシントンDCのトップ・イタリアン

ワシントンに行った。忙しい出張中の楽しみは海外に行ってもやはり食事だ。

連れて行ってもらったのはFilomena Ristorante(フィロメナ・リストランテ)というイタリア料理屋だ。フィロメナは主人の名前かと思ったが、殉教と純潔の乙女と言われる聖フィロメナ から取ったのかもしれない。

フィ