蟹好きの銀髪は、いつも悩む。
銀座の味呂に行った。予約もなしに飛び込んだ。伝統を感じさせる立派な店で、接待などの予約客が中心の店らしい。飛び込みの我々は門前払いされるかもしれないと身構えたが、杞憂だった。女将がにこやかに迎えてくれた。
味呂は何時も美味しい蟹を食べさせることが出来ると言う。何故なら一番美味しい蟹を求めて漁場を移動するからだそうだ。
日本近海では資源保護のため漁の期間を限定している。ところが北海道ではロシア船が、いつでも市場に蟹を提供している。韓国や北朝鮮は日本海での漁期を守っているのだろうか。
上海蟹ははっきりしている。メスは卵を抱えたとき、オスはメスよりちょっと遅めでワタが濃厚になったときが最盛期で、春夏は食べない。ルールがあるのかないのかよく分からない中国だが、上海蟹については妙に厳格である。
毛蟹やズワイガニだって美味しくない時期もあるはずだ。脱皮をする時期や、卵を産んだ直後が不味い時期に当たるのだろう。
漁場によって味は変わらないのだろうか。どんな生き物も食べるものや環境によって味は変わる。例えば、回遊魚である鮪が一番美味しい時期は好物のイカが一番美味しくなる時期だ。青森県大間沖にイカを追って来る冬がベスト。年末年始の価格高騰期というだけでなく、味も一番なので値も張る。
味の決め手は餌と環境であることは牛豚鶏だって、他の魚だって鮪と一緒だ。蟹が例外であるはずがない。
味呂の生簀には蟹が群れていた。しかし、出てきた蟹は暖かくなかったので、オーダーを取ってから生簀に居た蟹を茹でたわけではなさそうだ。茹で立てを期待したが拍子抜けした。しかしベストの食べ方についても意見が分かれるからややこしい。
獲れたばかりの蟹を、獲れた場所ですぐに茹でて食べるのが一番美味しいに決まっている。しかし、獲れた場所で茹でて送ってもらうのがいいか、活き蟹を食べる直前に茹でるのがいいのか難しい。
魚道場は熱々の蟹を出してくれる。北陸の蟹漁の最盛期を外して出すのは、客に安くて美味しいものを食べて欲しいからと言う。魚道場は食べる直前に茹でる派だ。
北海道で活かにを買って帰り、家で茹でてみたがあまり美味しく感じられなかった。レシピ通り塩加減は驚くほど濃くしたが物足りない。蟹の味が湯に逃げてしまったのだろうか。
浜茹では獲れたばかりの蟹をまとめて茹でるので、蟹の味が湯に染み出しても他の蟹の旨みを吸収するという。プラスマイナスゼロ+αといったところか。やはりプロにはかなわない。
同じ店でも日によって当たりハズレがある。同じ日でも蟹によって当たりハズレがある。いくら考えても蟹はやっぱり難しい。
味呂
東京都中央区銀座2-6-5 越後屋ビル裏 地下1階
TEL (03)3562-4017
http://www.f-ajiro.co.jp/
投稿者 銀髪 : 2006年07月31日 05:57
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