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2006年08月31日
[赤鬼](三軒茶屋)
三軒茶屋の超人気店に行った。
のん兵衛の兄貴と飲みに行くことになったので身構えた。のん兵衛の弟と飲むと翌日が辛いと兄も警戒した。お互い自宅になるだけ近づいて飲むことで意見が一致した。銀座界隈から離れれば、酔って調子に乗って馴染みの店になだれ込む心配がない。
「どっかいい店を探しといて!」と兄は言う。弟に投げてしまうのは年長者の特権だが、弟も自分の好みを探せる自由を得たことを素直に喜ぶ。
「インターネットではいい店なんか探せないぞ!」と人に任せておいて偉そうなことを言う兄。そんなこと言われても他に手段を持たない弟は、グルメの商業サイトを避けてあの手この手で探した。その結果見つけたのが、ナンバー1の誉れ高い「赤鬼」だった。
路地を歩いて探し当てた赤鬼は、一見したところ田舎の小屋。これも演出なのだろうか。6時をちょっと過ぎたところだったが客はまばら。人気ナンバー1を疑ったが、驚いたことに全席予約済みで座る席が無いと知らされた。
それでも店主と思しき人はとても丁寧に応対してくれる。予約客が来るまで2時間余あるカウンター席か、1時間余のテーブル席に座らせてくれるらしい。但し、カウンターは禁煙。
兄が喫煙者のため止む無くテーブルしか選択肢がなくなった。
まずビール。それから料理を選ぼうとしたが、これといって変わったものは無い。「お奨めは?」と女性の店員に聞いたら「メニューに載ってます」と来た。全部お奨めだと言いたいのだろうが、これはいけない。ひねくれたのん兵衛兄弟は直ぐにむくれる。
お通しと谷中しょうが

完熟トマトと冬瓜と桜えびのあんかけ

豆腐のコロッケと豚モツとキャベツのさっぱり煮

どれも美味しくて文句を言うこともないが、予約で一杯になる謎を解き明かしてはくれない。他に何か頼もうかとメニューが貼られた壁を見ていたら、料理メニューより圧倒的に多い貼り紙に気付いた。そうそう、ここは銘酒居酒屋だったのだ。
ところが、この兄弟は酒にうるさいくせに、ちょっと酔うと銘柄に対するこだわりは吹っ飛んでしまって、銘酒と言われてもあまり有難がらない。
徳利ではなくグラス売りなので、グラスから酒が溢れ出して受け皿に一杯になるのを期待するが、願い叶わずがっかりする。
大酒飲みは意地汚いのだ。
不満タラタラなのだが、同じ酒を銀座で飲めば何割増しか、もしかして倍の料金を取られるかもしれない。いい酒、珍しい酒を安く飲めるのがウリなのだろう。
1時間を僅かに超えたところでお開きにした。早く切り上げてくれて店員もホッとしただろうが、「急かせてしまって申し訳ありませんでした。次回はご予約をいただいてごゆっくり、云々」
超人気店でありながら、こんな礼儀正しさが多数の客を引きつけているのかもしれない。
赤鬼
東京都世田谷区三軒茶屋2-15-3
03-3410-9918
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2006年08月30日
[一乗寺](銀座)
銀座の隠れ家的な店。女性に人気で値段もリーズナブルな懐石料理とのことだったが…
あまり情報がないのでYahoo!グルメの投稿記事を参考にさせてもらうと、「昭和22年に建てられた民家を13年前から料理屋として使っている。名前の由来は兵庫県の法華山一乗寺で、宮本武蔵の決闘場所ではない」そうだ。
銀座と一口に言っても結構広くて、昼の銀座のイメージに合うのは銀座4丁目の交差点を中心とする地域だ。夜になると一際華やかになるのは新橋に近い8丁目界隈で、クラブがひしめく夜の銀座。日本橋に近い1丁目は銀座のはずれといったところで、昼も夜もどちらの銀座のイメージにも合わない。
料理は多くて食べきれないかもしれないと言われ、5,250円の室町膳を頼んだ。投稿記事には料理に対する批判も多いが、このお値段でこの懐石なら文句は言えない。
お酒の批判は残念ながら当たっている。料理を運ぶ女性に冷酒が純米かどうかを尋ねたが正しい答えは返ってこなかった。その女性に料理のことを聞くのも申し訳ないような気がした。これは一乗寺だけでなく、一流と言われる日本料理店でも接客係に料理や酒のことを聞いても無駄なことが多い。
気の利いた料理屋では酒の種類の詳細な説明をメニューに書いたり、懐石であれば料理の内容を記した紙を配ってくれる。折角料理人が創意工夫をして作った料理を、訳も分からなく食べてしまうのは申し訳なく思ってしまう。接客係の水準を保つのが難しければ、わずかな気配りで双方がハッピーになる。
まずは室町膳を見ていただこう。



茄子の皮を残して内側だけ食べていたら、「茄子は皮が美味しいんですよ」と笑われた。成る程言われたとおり皮も柔らかく美味しかった。実は子供の頃、茄子が大嫌いだった。フライパンで焼いた茄子の皮は固くて嫌だった。焼き茄子は最悪で、皮がついているともっとダメだった。
京橋の「時代おくれ」で生の茄子を食べたが、嗜好は随分変わるものだと驚く。それでも、思わず皮を残して食べようとするのは、昔のトラウマが完全にはなくなっていないのかもしれない。
最後にお食事(ごはん、味噌汁、お漬物)が出たが、その後の酒のために胃を少し空けておいた。
それにしても楽しい食事だった。オーストラリアから帰って土産話がたくさんあったせいか、はたまた久し振りの会食のお相手のせいか、普段おしゃべりの銀髪が一層おしゃべりだった気がする。案の定、刺身など撮り忘れた料理もある。
料理を味わう気持ちが少し欠けていたような気もするが、しかめっ面して料理の評価をするよりも、楽しく食べることができればそれが一番だ。
帰り際に店内を見渡すと、女性客が殆どだった。看板に偽りなしである。しかし野暮なのん兵衛たちにはちょっと辛い店かもしれない。
一乗寺
東京都中央区銀座1-6-14
03-3561-5405
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2006年08月29日
[泰興楼](八重洲) ジャンボ餃子
東京駅近辺で中華料理店を探した。
いいものを、リーズナブルな値段で食べたいとの条件でも難しいが、参加者中紅一点が遠慮しないで食べることができるとの条件を加えたら、店探しは殆ど不可能になってしまった。
新橋の「潮夢来」に行こうかと思ったが、大人数なので移動が面倒くさい。インターネットで店を探し、メニューを見ては失望し、また違う店を探すを繰り返した。
ふと八重洲の泰興楼を思い出した。餃子で有名な店だが他の料理もあったはずだ。ホームページを開いて8,400円のコース料理に魅かれた。A、Bの2コースがあり、量が少ないコースを選べばフカヒレの姿煮が一枚一皿(通常プライスは6,000円)出てくる。一人ずつ分けて出てくるので、紅一点も遠慮しないで食べられるだろう。
歩いて店に到着、我々7人は2階に通された。個室を期待したが、大部屋を布で仕切っただけでちょっと失望した。しかし他に客もなくBGMがうるさく感じるほど静かだ。
まず立派な前菜盛り合わせが出てきた。

次は蟹爪の揚げ物、たっぷりの海老のすり身に包まれてなかなか立派。久し振りにしっかりした蟹爪の揚げ物を食べた。

そして、お目当てのフカヒレ姿煮。予定通り一人一皿で見た目も立派。高級店と比べると可愛そうだが、値段からして妥当なレベルに違いない。

中華料理の高級食材と言えば、フカヒレとアワビ。従ってアワビのオイスター煮を選んだ。

そして、看板の餃子2種。にら入りの水餃子と大看板の焼き餃子。

1949年創業以来親しまれてきた約12cmはあるジャンボ餃子は、身がしっかり詰まった立派なものだ。通常のメニューでは4個入り720円となっている。
しかし、既に年配者と紅一点は満腹で、遠慮ではなく箸が出なくなってしまったようだ。
カニとレタスのチャーハン、その後でデザートが出てお開きとなった。

気が付くと満席になっており、人声が騒がしくBGMも聞こえないほどだ。席を立って各テーブルを覗き見ると、ジャンボ餃子がたくさん乗っている。他の料理も1,000円未満の酒の肴に手頃なもの。コースを食べている客はいない。
次回はお腹を空かせて餃子各種を食べに来よう。高級料理よりも、気軽に一杯のほうが合っているかもしれない。
泰興楼
東京都中央区八重洲1-9-7
03-3271-9351
http://www.taikourou.com/
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2006年08月28日
[赤いクレヨン](下北沢)
なおも餃子の旅は続く。
ムロ、酒洛を出て3人組の一人Nと別れた。3人とも中学の同級生だが、Nは転居したので帰る方向が違う。Sと二人で小田急線に乗ったがまだ帰る気分ではない。下北沢で降りて本日3軒目に向かうことになった。行き先は「赤いクレヨン」。
先日、テレビで和田アキ子とマチャミが訪れたおでん屋で、歌手の香西かおりがオーナーの店だ。下北沢通のSはこの店の場所を知ってはいたが、行ったことはないと言う。芸能人の店なので値段が高いとの先入観があったようだ。
テレビ放映直後だったので混んでいるかと思ったら意外と空いていた。カウンターに座りお奨めを聞く。テレビで紹介された3品の中からタコとフルーツトマトサラダ、牛スジ24時間煮込みを頼んだ。

他に何かないかと探していると、今日のテーマである餃子を見つけた。浪速点天と書いてあるので有名な点天餃子を使っているのかと店の女性に聞いたら、自家製とのこと。関西弁の可愛いその女性に名前を聞いたが、「だんごちゃん」の愛称だけでかわされた。

出てきた餃子は成る程、点天とは違う。「自家製だってね」と男性店員に聞くと、「違います」との答。よそに特注しているとのことで、だんごちゃんは間違い。苦笑いしながらすまなそうにするだんごちゃんだが、愛嬌があってかわいいから許せる。味も悪くない。
他の2品の中では牛スジが良かった。Sも美味いを連発している。Sの予想に反していたって気軽な店で、彼も気に入ったようだ。赤いクレヨンは週末朝7時までやっている。芸能人も来るのだろうか。しっかりと下北沢の雰囲気に溶け込んでいる。おでん屋と思って行くとちょっと戸惑うが、なかなかいい店だと思った。
「これなら同級生の集まりをここでやってもいいな」などと二人で話し込んでいると、唐突にだんごちゃんが「男前ですね」と言う。最初は何のことかわからなかったが、「エッ!それって俺のこと?」と聞くと、「そうです」と言うではないか。そんなこと、滅多に言われたことがないので、一気にこの店の評価がアップしてしまった。100点満点で150点だ!
小遣いをやろうかと言いそうになって、森の石松を思い出した。
広沢虎造の講談「三十石船」での話。船に同乗した男は、目の前の相手が森の石松と知らずに石松を清水次郎長一家で一番強い男と褒め上げる。喜んだ石松は「飲みねえ、飲みねえ、寿司くいねえ」とご馳走したあげく小遣いまでやろうとする。いい気になっているところで男が言う。
「でも、石松は馬鹿だからねー」
赤いクレヨン
東京都世田谷区5丁目32-3
03-5712-2388
http://akakure.com
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2006年08月27日
[酒洛本所](高田馬場)
定番のはしご酒が始まった。
「チョイと一杯のつもりで飲んで いつの間にやらハシゴ酒 気が付きゃホームのベンチでごろ寝 これじゃ身体にいいわきゃないさ 分かっちゃいるけど止められない」
植木等のスーダラ節が流行った頃は、のん兵衛の父親の歌と信じ、まさか自分も同じようになるとは夢にも思わなかった。さすがにホームのベンチはないが、朝の反省が夕方までしかもたないのは歌の通りである。
通常ならクラブかショットバーに行って気取ってスコッチのストレートを飲んでいる時間だが、そんな気分にはなれない。JR線高田馬場駅戸山口近くの餃子荘ムロを出て、早稲田口の方に向かった。学生時代にワープしたような怪しげな店が並ぶ界隈を、ワクワクした気分で歩いた。宮崎アニメに出てくる婆さんがやっているような店に入りたかったが、仲間二人は冷房が効いているこぎれいな店を望んだ。ムロの反動である。
しばし赤提灯の間をうろついた後で入ったのが「酒洛」だった。典型的な居酒屋風だが、店はきれいで冷房も効いている。メニューを吟味した挙句、頼んだのは餃子。まだみんな餃子にこだわっている。
厚い鉄板に乗って出てきた棒餃子を食べてみんな大絶賛、とはいかないが、溜飲を下げることはできたようだ。

周りの席を見渡すと、サラリーマンのグループが中心である。広くゆったりとした店内で気持ちがいい。満員でざわついているのも嫌だが、ガラガラなのも気持ち悪い。適度に埋まった客席を見ながら酒が進む。
せっかく見つけたいい感じの店なのに、みんなは餃子以外のつまみを頼もうとしない。焼酎のロックを飲んで満足しているようだ。
早稲田大学出身のNが女性店員に「早実優勝のサービスはないのか」と尋ねると、「早実は国分寺でしょ」と、つれない。「早実の出身者ですか?」と逆に突っ込まれて苦笑い。同窓でもないのに、早実にあやかって利を得ようとする魂胆を見透かされている。
女性店員をからかっている(からかわれている?)仲間を横目に、そろそろお開きかなと思ってトイレに立った。ところが席に戻ったらグラス一杯にお代わりが満たされていた。結局何らかのサービスを勝ち得ることができたのだろうか。二人が微笑んでいる。
まったく困った中年グループだ。
「チョイと一杯のつもりで飲んで‥‥」
酒洛本所SYARA HONJO
東京都新宿区高田馬場3-4-4 YSビル1F
03-3368-7767
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2006年08月26日
[餃子荘ムロ](高田馬場) 有名店の餃子
友人が絶賛する餃子屋に3人で行くことになったのだが‥
6時にJR高田馬場駅の戸山口で待ち合わせた。絶賛した友人に導かれるまでもなく、改札から歩いて1分もしないうちに看板が見えた。ムロは1956年創業とのことだが、高校時代の3年間を通った道に面するこの店を思い出せない。
店に入るとカウンターは一杯である。友人が予約を入れておいてくれたが、席は2階になってしまった。靴箱も2階にあるため自分で持って上がらなければならない。靴を脱いで階段を埋め尽くしているスリッパを履いていると、伝票を渡された。注文は自分で書いて下に持ってきてくれと言われて驚いた。
メニューを見るとお目当ての餃子は全部で6種類だがラーチャンは売り切れの様子。
友人が全品頼もうと言うが、値段を見ると一皿(7個)650円~700円もするので、かなり大きな餃子と思い制止した。頼んだのは普通を2人前、にんにく、紅を1人前ずつ。別に豚の骨付き唐揚げ(650円)、サラダ(450円)を伝票に書き込んだ。
店構え、餃子屋というところからして大瓶が置いてあると思っていたが、冷蔵庫を覗くとビールはモルツの小瓶(400円)だけのようだ。高級料理屋並みである。伝票にビールの本数を書き加え、階段を下りて店員に手渡した。
しばらくすると、階段とは反対のドアから店員が現れた。お通しは乾き物。取り敢えずビール3本は持ってきてくれたが、追加は自分で冷蔵庫から出すようにと言われて栓抜きを渡された。
お通し

出てきた唐揚げを見て驚いた。「骨付き」のイメージはもっと大きなものだったが、10個足らずの小指大のものがコロコロ。サラダは生野菜かと思ったらカボチャの煮物。
サラダと唐揚

ベタつくテーブルをティッシュで拭きながら、餃子が出てくるのを長々と待つ。小瓶がどんどん空いてしまう。そこで紹興酒に切り替えて乾き物をつまむ。
やっと出てきた餃子を見てまたまた驚いた。
餃子2人前

これは一口餃子ではないか。大きなぎょうざとは銀髪の勘違いだったようで、チーズ、カレー餃子を追加しなければ酒の肴がない。レバニラ炒め(650円)も頼もうと思ったが、友人に隣のテーブルを見るように言われた。少量のレバニラ炒めを見た我々は、オーダーすることを思いとどまった。
紹興酒を飲み終わり、靴を持って階段を下りた。自家製の皮を作った跡と思しき粉が、カウンター席の内側の調理台を白く覆っている。成る程これがこの店の人気の秘密かと納得していると、カン、カンと火打石を合わせるような音が店に響く。店員の手元を見ると両手に冷凍餃子らしき白いものを持っている。叩いて1個ずつ分離させようとしているように見えたが、あれは本当に冷凍品だったのだろうか。
以前、宇都宮餃子は美味しいけれど「所詮餃子は餃子」と妙な悟りを感じたものだが、いやいや安くて美味くて大したもんだったと思い直した。→「宇都宮餃子①」
「宇都宮餃子②」
ムロは昔は別の場所にあったらしい。絶賛した友人も実に20年振りの再訪だったと言う。一番辛そうな彼を責める者はいない。
餃子荘ムロ
東京都新宿区高田馬場1-33-2
03-3209-1856
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2006年08月25日
[島 PartⅡ](八重洲) やっぱり美味しいステーキ
久し振りに有名店、西洋料理の「島」へ行った。
銀髪グルメ紀行を始めてもうじき1年になる。スタートが昨年の9月28日で、第3回目に紹介させてもらった店が「島」だった。店としては名古屋の「西本」に次いで2店目。当時の記事を読み返すと銀髪グルメ紀行が試行錯誤、どっちに向かうか不安定な状況だったのがよくわかる。
銀髪グルメ紀行はボランティアで寄稿してあげるにも拘らず、「こだわり」の運営会社やとりまきから様々な注文がついた。面白く、下品でなく、他にない特徴ある記事、などなど。初期の読者は友人、知人などわずかな人達だったが、今はヤフーやグーグルなどの検索エンジンから見に来る人達が過半数を超える。
アクセス件数の増加とコメント数は比例しない。コメントを入れてくれる人は少数だが、とても励ましになって嬉しくありがたい。週2~3回の更新を想定してスタートしたが、土日も覗いてくれる人ががっかりしないように、毎日更新することになってしまった。いつまで続くことやら。
グルメ紀行を始めて良かったことはたくさんあるが、悪いことは好きな店に何度も行けないことだ。毎日更新のためには出来るだけ違った店に行かないと話題が続かない。もっとも、「島」のような店は料金が高く、そのくせ人気があって予約が取り難いのでそう頻繁に行けるわけではない。
久し振りに行ったが、2度目になると店のコンセプトが分かってくる。前回とメニューはほぼ同じで、素材の特徴を生かした飾り気がない料理が中心だ。特にメニューはなく、その日に仕入れたものを女将さんが教えてくれる。的矢の生牡蠣、牛刺し、毛蟹、あわびなど鮮度勝負の食材が前菜となる。ホワイトアスパラのスープは微妙な味わいで秀逸だった。
アスパラスープ、牡蠣、牛刺し

そしてメインのステーキ。前回フィレを食べたので、今回はサーロインにしてみた。脂っこいのを覚悟したが、まるでフィレを食べているようだ。どうしてこのような味が出せるのか不思議で仕方がない。鉄板ではなく炭火で丁寧に焼かれるからだろうか。
使っている牛は京都の和知牛。松坂牛や神戸牛などの超有名な銘柄牛を使っているわけではない。和知牛がいいのか、料理人の眼力なのか腕なのか。どこにポイントがあるか分からないが、プロとは凄いものだと感心する。「松坂牛を使用」の文句に有難がるのがあほらしくなってくる。
お土産としていただいたステーキサンドを家に帰って頬張った。店に居たときデジカメが不調だったので今日の鮮明な画像はこれだけ。しかし、どんなきれいな写真でも味を伝えることはできない。

去年より景気は確実に良くなってきている。今日も満席だったが、これからますます予約が取り難くなっていくだろう。昼も値が張る店だが、ステーキだけでも食べに行きたい。カウンターで食べるとより楽しい。
前回は大島オーナーシェフがお見送りをしてくれたが、今日は女将さんが外まで送ってくれた。高級店特有の気取ったところは微塵もない。料理も大島シェフ同様に気取らず安定感がある。
どうしてあんなステーキが出来るのだろう。焼くだけのシンプルな料理だけに、謎は深まるばかりだ。
西洋料理 島
東京都中央区日本橋日本橋MMビル地下1階
03-3271-7889
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2006年08月24日
[炙屋](札幌) まじめな居酒屋
まじめな居酒屋とはガイドブックでの自称。本当だろうか?
千歳空港を降りて札幌行きの電車に乗り込んでも外の気温は分からない。札幌駅についてようやく北海道の空気に触れた気分になる。北海道でも夏の日差しは強く侮れないが、日陰に入るとは東京とはかなり違うことが分かる。
仕事が終わり今日の晩飯を考える時間になった。忙しくて下調べもしないで飛んできたので頼りになるのは空港出口でもらった北海道ガイドブック。この手の案内書で失望させられたこと数知れず。それでも知らない街を彷徨うほど暇ではない。わずかに琴線に触れた「炙屋」に決めた。
地図を見ながらようやく探し当てた炙屋の入り口に立って戸惑った。ガイドブックの写真に比べてエレベーターの乗り口はとても貧弱。他の店に行こうかと思ったが、歩き疲れて気力が湧いてこない。意を決してエレベーターに乗った。6階で降りると店内はガイドブックより立派で一安心。案内されたカウンター席の前には新鮮な魚、地元の干物などが並べられている。不安が一安心に、さらに期待へと変わる。
カウンター上の素材とお通し

さんま、ぶどう海老、いかの刺身

さんまは根室、ぶどう海老は釧路、いかは寿都(すっつ)で捕れたもの。寿都は積丹半島の南に位置する日本海側の町。炙屋は全4店舗で使うイカやウニを寿都まで直接仕入れに行くそうだ。
部下はぶどう海老を食べたことがないと騒ぐが、以前浦安の「うえむら」で食べたことをすっかり忘れている。酔っ払いにいいものを食べさせても無駄なことが分かった。ぶどう海老は一匹750円もする高級品だ。
いかのゴロ焼き、ゴロ漬け、ホヤ

ゴロとはいかのワタのことで、焼いたいかを、焼いてほぐしたワタに付けて食べる。ゴロ漬けは日本酒に合うからと調理主任の尾崎さんがサービスしてくれた。
部下はホヤを以前に食べたことがあり、好きだと言ったが信じられない。何度も念を押して頼むことにした。出てきたのは赤ホヤで、真ホヤに比べると癖がない。新鮮さも手伝って、これまで食べたホヤの中では一番美味しい。ところが部下を見たら口を歪めしかめっ面をしている。案の定、食べたことがあると思ったのは勘違いで、ホヤの臭いにKO気味だ。
最後にカスベとコマイを頼んだ。カスベは下北沢「鯛屋」に続いて2回目。今度は軟骨もしっかり食べた。こんな大きなコマイは見たことがない。干して固いイメージのコマイも、これだけのサイズになると身も厚く美味しい。
カスベ、コマイとその白身

他にも、子持ちシシャモなど食べたいものがたくさんあったがお開きにした。
カウンターの向こうの尾崎さんは気さくで丁寧に魚のことを教えてくれるなど、我々の食事を大いに盛り上げてくれた。
新鮮な魚を手頃な値段で提供してくれて嬉しかったけれど、酒の値段が高めなのが大酒飲みにとってはちょっと悲しかった。
さて次の店に、と言いたいところだが日帰り出張の悲しさ。慌しく千歳空港行きの電車に乗り込んだ。
炙屋 すすきの本店
北海道札幌市中央区南4条西4丁目 都通り
011-242-1131
http://www.auriya.com
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2006年08月23日
[山はら](築地) 市場内の料理屋
築地場内市場に夜5時から開く料理屋がある。
築地魚市場というと早朝のイメージが強い。朝行くとマスコミなどで紹介された寿司屋の前にはいつも行列が出来ているが、市場外でやっている寿司屋と違い店じまいも早い。
「山はら」のことは中学時代の同級生から教えてもらった。
5時過ぎに築地魚市場の正門に着いた。朝の喧騒が嘘のようにシーンとしており、場内に入るのを咎められるのではないかと心配する。銀髪はしばしば買い物に来ているので勝手が分かるが、連れの二人は場内市場に足を踏み入れるのさえ初めて。関係者以外は立ち入り禁止と思っていたらしいが、誰でも入れるので気にすることはない。
正門左側の道を歩いて行くと「まぐろ丼」と書いた店が眼に入ったが閉まっている。その先の金網に囲われたお社が水神様。「まぐろ丼」と水神様の間の道を左折した奥に「山はら」はあるはずだ。
こんなところに料理屋があると気付く人は殆どいないだろう。古い旅館といった風情だ。
仲居さんに丁寧に迎えられた我々一向は靴を脱いで2階の座敷に入った。以前は場内の別の敷地にあった建物を現在の場所に移築したらしいが、昭和21年創業の店はさすがにあちこちに傷みが見られる。同級生の絶賛がなければひるんだかもしれないが、料理は確かなはずだ。臆することは何もない。
付け出しのイカの塩辛をつまみにビールを飲んでいると刺身の盛り合わせが出てきた。
刺し盛(裏表の写真、鯛を挟んで両側に厚切りの刺身が一杯)

豪快な姿に我々3人は呆気に取られたが、食べ始めると意外に勢いよくなくなっていく。どれも美味いが、マグロの赤身が他では味わえない美味さだ。
続いてズワイガニが二杯。

北陸では禁漁期間のため、同僚は冷凍ではないかと失礼なことを言う。銀髪が指摘したとおり、ロシア産で先ほどまで生きていたものだ。身はしっかり詰まっており、通常なら手間がかかって誰もが無口になる蟹だが、苦もなく殻から取り出せる。甘い身は久し振りの満足感を与えてくれる。
鯛の塩焼き、付け出しの塩辛、鯛つみれの潮汁

大きな鯛の塩焼きを同僚が絶賛する。食べやすいように身をほぐして連れの二人に供して、銀髪は頭をもらってご満悦。口元のゼラチン質をしゃぶっているときにご主人の片又さんが、我々に挨拶に来てくれた。
夏はいい魚を客に出すことが出来ないと申し訳ないを繰り返す片又さんだが、我々は充分に満足した。10月にはあんこう鍋が始まるそうで、そのときには胸を張った片又さんを見ることができるだろう。
鯛のつみれが入った潮汁も美味しかった。
最後は寿司の盛り合わせ。

満腹の筈が、3人ともしっかり割り当て分を腹に収めた。
4時間近くかけて食べたせいか、何とか残さず食べることができたが、鍋をメインに据えられたら完食できるかどうか自信がない。
勘定を済ませ階段を降りた。玄関を開けようとしたら、片又さんが「市場の夜が明けました」と言った。9時を過ぎて正門が閉まってないかちょっと心配した我々だったが、外に出ると来たときとうって変わって車が行き交い人通りも増えていた。魚が翌朝の競りに向けて次々と運び込まれ始めたのだ。片又さんの言った意味が分かった。
これから仕事が始まる人には申し訳ないが、我々はもう一軒行って何曲か十八番を競って帰ることにした。満腹!満腹!
山はら
東京都中央区築地5-2-1
03-3541-8747
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2006年08月22日
[魚然](新宿御苑) 串焼きとおでん
今日もあてもなく飲み屋を探して歩いた。
知らない街で店を探すのは難しい。思いっきり古ぼけた店に入ろうかと思うが、店の前に立つと気持ちが萎える。そんなことを繰り返していると客引きに呼び止められた。探し飽きていた頃に、生ビールのサービス券をもらってすぐに宗旨替えをしてしまった。
客引きの店は「とりんと」だったが、入ったのは近くにある系列店「魚然」だった。魚然は文字通り魚がメインの店だが、メニューを見ていたら串焼きとおでんを食べたくなった。結局魚はなしで、パリパリサラダ、串焼き、おでんを頼むことにした。
サービスのビールを飲んだ後、今夜は白ワインを頼んだ。昨日と違ってコルクに似せたビニールの栓だから割れることはない。2,800円のカルフォルニアワインには最初から期待していない。ところが瓶を見て即座に異変を感じ取った。冷蔵庫から出してきたようには見えない。ボトルに触ったら案の定、冷えていないどころかまったくの常温。
「白ワインは冷やして飲むものだよ」と若い女性の店員に言ったら、きょとんとしている。「とりんと」から運んで来た店長も、こちらのやり取りを見ていながら何も言って来ない。呆れてしまって怒る気にもならない。店員に水と氷を入れたアイスペールを持ってこさせて、ワインの瓶をぶち込んだ。しばらく冷えるのを待ちながら常温の白ワインをチビチビ飲んだ。幸い、安いワインなので気持ちは凪の状態で安定している。
付け出しはお弁当箱のようなものに出てきて気が利いている。1人分350円も許せる。サラダの上には揚げてパリパリの人参、いんげんが乗っていて面白い。

肉詰めピーマンの串揚げも美味しい。ワインの扱いを見てどうなるかと思ったが、料理はしっかりしている。串焼きのささ身はレア状態で質も良い。他の串焼きは辛子か柚子胡椒で食べる。

店の入り口を見ていたら、店長が大きな皿を抱えて入ってきた。おでんを「とりんと」から運んで来たようだ。串焼きも同様で、これならとりんとに行けば客引きの彼の顔も立っただろうにと反省した。

おでんも満足がいく出来栄え。大根にとろろ昆布を乗せるのは余計に思えたが、乗せたままでも、よけて食べてもいい大根だった。おでんのゆで卵は美味しいね。
ワインを除くお料理の代金は3,240円。ワインもおでんを食べる頃には程よい温度になっていて、ご機嫌な銀髪だった。
魚然
東京都新宿区新宿1-30-7
03-3358-6487
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2006年08月21日
[一九](日本橋) 大型居酒屋
八重洲最大規模、100名様以上の宴会も可の店に二人で行った。
八重洲仲通りを入る店のあてもなくブラブラ歩いていたら、若い男から声がかかった。居酒屋の客引きである。店のビラをもらって見ようとしたら、後ろから若い女性の声がした。こちらも客引きである。これは女性の方に行かなければ可愛そうだと思ったら、若い男が不満の声をもらし、必死で我々を引き止めようとする。若い女性と比べるとその一生懸命さは圧倒的で、負けてしまった。ごめんね、お嬢さん。
若い男の名前は加藤さん。アルバイトかと思ったら社員だとのこと。道理で必死なわけだ。先ほどの若い女性の店「八吉」も実は系列店で一六堂グループ。「五大陸」なども傘下に持つ。どれも変なこだわりを持たなければ仲間内で充分満足できる店だろうが、いかんせん超こだわりオヤジの銀髪。どうなることやら。
熱心な加藤さんに誘われて、店に入ったはいいがテーブルを見てギョッとした。なんと焼肉屋さんのテーブルである。オーストラリア帰りの初日は、居酒屋のつもりだったが焼肉屋に入ってしまったことに気が付いた。時既に遅し。これで店を出たら加藤さんに怒られる。
メニューを見たら「岩手県南昌山に生息する幻の豚」の文字が目に飛び込んできた。これを勧められるのを期待して「お奨めは?」と聞いたら、「牛肉です」と返されて拍子抜けした。顔を立ててリブロース(2,400円)、ハラミ厚切り(1,680円)、牛たん(1,200円)を頼んだ。一番高いのがリブロースだから、お手頃価格だろう。うんと安い肉もあったので「輸入肉?」と聞いたら、件の女性は「聞いてきます」と言って向こうに行った。結局、全品和牛とのことだった。
タン、リブロース、ハラミ

勧められなかったが豚も気になったのでバラ(680円)と肩ロース(780円)を頼んだ。
ロース、バラ、牛ホルモン

ビールの後の酒を何にしようかと迷った末に、消化にいいように赤ワインを頼んだ。ところがなかなかワインがやってこない。仕切りの向こうのやり取りを聞いていると、開けようとしているうちに蓋のコルクが割れたらしい。ようやく来た赤ワインをグラスに注ぐと、コルクのかけらが浮いていて、苦笑いをしながら乾杯をした。「ワインなんぞを頼む客が悪いのだ」と言いながら。
上等なリブロースより豚の方が我々年寄りには向いていたが、まあこんなもんだろう。居酒屋といっても清潔で立派な店で、忘年会などの宴会時には大盛況になるのだろう。
元気一杯客引きをしている加藤さんが、店内でも目一杯気配りしてアルバイトの店員を差配できるようになれば、一六堂グループはますます発展するだろうと期待して、店を出た。
炙り旬菜 一九
東京都中央区日本橋3-3-4
03-5202-4129
http://www.ichirokudo.com
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2006年08月20日
[いかり](川治温泉) 秘湯で中華
温泉郷で中華料理。変なことになってしまった。
草津温泉、鬼怒川温泉など近隣の大温泉郷はもちろん知っているが、川治温泉は知らなかった。仕事のついでに立ち寄ったが、温泉には殆ど興味がない。宿泊した旅館・東山閣では鹿料理などグルメ紀行の題材に使えそうな料理があるようだが、既に調理場が閉まっていては仕方がない。
何が悲しくて温泉郷に来て中華を食べなければならないのだろう。忸怩たるものがあったが他に腹を満たす術はない。料理に期待するのは止めて、腹が満たされることだけを期待して歩いた。
店に入ると意外なことに客が多い。旅館の従業員たちが仕事を終えて飲んでいるのだろうか。店の子供だろう、幼児が親しげに客の間を歩き回っている。田舎の飯屋でよく見る光景だ。我々、男ばかり4人組にとっては雰囲気やムードは必要ない。
おばあちゃん、店主夫妻、その子供と家族3代が料理、客の応対に忙しく働いている。子供が貢献しているとは思えないが、地元の人達にとってはこの子が一番の接待係かもしれない。
実はここに来るまでにある程度食べてきた。ところが、お酒も入っているのに、いやいや入っているからこそ無茶な量を頼もうとする奴がいる。食べるのもゲーム感覚だ。銀髪は押し止めるのに大変である。ところが制御されると分かっていると益々無茶を言う。
シュウマイ、ニラレバ炒め麻婆豆腐、酢豚

麻婆豆腐、酢豚

意外なことに(いや失礼)結構美味い。そうするとまた調子に乗って追加しようとする。銀髪が1人前と言うと、他の連中は2人前を主張。ビールをもう1本と言うと、もう5本と騒ぐ。まったくやってられないよ!
酔った、酔った。シュウマイや酢豚、ビールや酒、これらを銀髪の制止を振り切ってオーダーしていた彼は、翌朝、もっとも小食だった。食事は程々に、酒も程々にと願わずにはいられない。
温泉は全国各地にたくさんあるが、何十メートル、何百メートル掘って、汲み上げているところが多い。水を加えたり、沸かしたりするところもある。川治温泉では温泉郷で使う日々の湯が自然湧出だという。温泉好きには堪らないところだが、どうやら我々4人組の誰一人として興味がなさそうだ。猫に小判、豚に真珠であった。
いかり
栃木県日光市川治温泉川治22
0288-78-0115
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2006年08月19日
[ミートパイ]
オーストラリアでの思い出のジャンクフードがこれだ。
銀髪がシドニーに居たときに、建国200周年を迎えた。メルボルン出身の人に「おめでとう!」と言うと、「200周年はイギリスから来た流刑囚たちの子孫が作ったシドニーの話」と乗って来ない。メルボルンは数年前に150周年を祝ったとのこと。メルボルンはゴールドラッシュで群がった人の子孫が作った都市。どっちもどっちだと思うが譲らない。
オーストラリアには先住民・アボロジニがいる。アメリカ同様に先住民を殺し迫害した結果の建国○○年は、ちょっと違う気がして仕方がない。オーストラリアの北、ダーウィンの酒屋には「アボロジニに酒を与えないでください」と貼り紙がしてあった。土地を奪った罪悪感からか生活保護を厚くしたが、働かなくてもいい(実際は白人から職を得るのが難しい)アボロジニは、毎日道端に座り込み酒浸りになっている。
インディアン、アボロジニやニュージーランドのマオリなど数百年前に侵略された民族の子孫が権利を主張しても、真剣に耳を貸す人は少ない。侵略した政府も人も遥か以前になくなっている。土地や自治権を取り返した国はまだいい方で、取り返す戦争はまだ世界中で続いている。それを擁護するのも非難するのも難しいが、取り返す術を持たない民族はむなしく酔っ払うだけなのだろうか。
アボロジニの食べ物として有名なのは、いもむしや蜜を腹に抱えた蟻などだが、どれも砂漠地帯でやっと口にできる貧しい食料だ。シドニーのサウスヘッドに行くと、アボロジニはその地の豊かな海で魚介類を獲って生活していたとある。逃げて行った砂漠の食事を名物と言うのは申し訳ない。
結局のところ、伝統的なオーストラリア料理とはイギリス料理になってしまう。ローストビーフ、フィッシュ&チップスなどだが、銀髪にとって忘れられないのがミートパイだ。パイの中身は何種類もあるが代表的なのはビーフパイ。フードコートで食べた。

ちょっと立派過ぎる。中身はしっかり煮込んだビーフシチューといったところだ。ミートパイの種類はチキンやホワイトシチュー、モツ煮込みなどはたくさんあるが食べたかったものとは違う。
思い出のミートパイはシドニーのセブンイレブンで見つけた。

中身は挽き肉で安っぽいがまさにこれだ。日本で食べるミートパイにも美味しいものはたくさんあるが、思い出は思い出だ。
アボロジニが食べるいもむしは以前ゴールドコーストで食べたが、今回はどの店のメニューにも見つけることができなかった。ちょっとホッとしたけれど。
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2006年08月18日
[ザ・キャプテンズ・テーブル](ゴールドコースト)
オーストラリアの代表的な食材はワニ、カンガルー、バラマンディ、マッドクラブ。
「ワニを食べよう!」銀髪グルメとして最大のテーマを成し遂げるためにゴールドコースト・サーファーズパラダイスの目抜き通りを歩いた。おみやげ物屋を覗き、レストランを探していると、15年前に比べてゴールドコーストが大きく変わったことに気が付いた。
以前はおみやげ物屋の殆どが日本人観光客向けであった。日本人経営の店でなくても必ず日本人の店員がいた。ところが今は日本語が通じない店が増えて、中国人の店員が圧倒的に多くなっている。大きな中華料理屋が何軒もある。
中国人以上に目立つのがスカーフのようなものを被った女性たちだ。最初はアラブ人かと思ったがよくよく見ればインド人で、中華料理屋ほど大きくないがインド料理屋もあちこちにある。
日本人が旅行する国が変わったのかもしれないが、観光客の主役交代は中国やインドの経済発展と無縁ではあるまい。圧倒的な人口を誇る両国が世界を席巻し始めている。
珍しいものが好きな日本人に比べて、彼らは食事に関しては保守的らしく、ワニを食べさせる店がなかなか見つからない。前はもっとあったはずだといらつく。ようやく見つけ出した店がキャプテンズ・テーブルだった。早い時間だったたが先客が一組。日本人の家族連れだった。
ワニのフライとカンガルーのステーキ

残念ながらフライにしてしまっては本来の味が分からない。カンガルーのステーキはフレッシュな肉を使っているようで、少しスジが気になったが皆には美味しいと好評だった。
マッドクラブは狂った蟹ではなく泥蟹。濃い緑色の蟹は茹でると鮮やかな朱色に変る。一匹約8千円と高めで、ズワイガニや毛がにより味は劣るが懐かしい味だった。

バラマンディはワシントンの「すし太郎」に行ったときに刺身で食べた。そのときは僅かな量で高かったが、もともと大きな魚で安い食材だ。これは別の店で塩焼きにして食べた。みんなにも評判が良かった。フィッシュ&チップスにも使われる魚だと思う。鱈に似た淡白な味の魚だ。

オーストラリアを旅して、昔と変らず感激したのはオーストラリア人のルールを守る姿勢だった。4車線もある高速道路ですら制限速度をオーバーする車は殆どいなかった。道路の状況により上限110キロまで制限速度を臨機応変に変えるなど実勢にあった規制をして、ドライバーも忠実に制限速度を守る。日本では高速は80キロ制限に固定されて誰も守らない。本音とタテマエが違う分かり辛い国だ。
オーストラリアでは横断歩道に歩行者が立つとすべての車が停止して、歩行者が渡り終わるのを待つ。例外はない。
中国人、韓国人、インド人などのマナーは日本人に劣る。その日本人もオーストラリア人に比べるとマナーは悪い。経済力を上げるためには、品格は犠牲にされるのだろうか? 武士道は世界が賞賛し、憧れる。規律、道徳、品格は日本が世界に誇れるものだったはずだが、海外旅行をしてみると自分も含めて反省させられることが多い。
ザ・キャプテンズ・テーブル The Captain’s Table
26 Orchid Ave, Surfers Paradise
07-5531-5766
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2006年08月17日
メルボルンのレストラン
海鮮以外の料理ではシドニーよりメルボルンに軍配が上がる。
メルボルン観光での一番人気は、フィリップ・アイランドのペンギンパレードだ。体長30センチの世界最小のペンギンは、外敵から身を守るために暗いうちに海に入って餌を探し、陽が落ちてから巣に戻る。海岸から巣までの数十メートを早足で駆けるので、パレードというような悠長なものではない。ペンギンにとっては命懸けの疾駆である。必死で走っているのがヨチヨチ歩きに見えて「カワイイ!」と言うのだが、ペンギンにとっては「ふざけるな!」と言いたいところだろう。
http://www.penguins.org.au
約15年前に行ったときはフラッシュさえたかなければ写真もビデオ撮影も許されていたが、5~6年前にいずれも禁止されたそうだ。心無い人達のフラッシュ撮影のためだ。シドニーのフェザーデイル動物園ではコアラが抱けなくなっていたが、後に来る人達の楽しみはどんどん減っていく。
ペンギンパレードが終わり、巣の近くに立つペンギンを見てから車に戻った。それから約1時間半かけてメルボルンに着いた頃には、お目当てのレストランではラストオーダーが終了していた。仕方なく遅くまでやっている中華料理屋で軽く食べてホテルに帰った。
メルボルンのお奨めはギリシャ料理、イタリア料理とユーゴスラビア人経営のステーキハウスだ。お目当てだったギリシャ料理屋は市内のロンズデール・ストリートに集中している。メルボルンは多数のギリシャ人が移民してきているため、いいレストランが多い。
翌日にライゴン・ストリートのイタリア料理店に行った。ここはイタリア料理屋が集中しており、週末は大変な賑わいを見せる。実はこの地域によく行ったギリシャ料理屋が目的だったが見つけられず、イタリアンになってしまった。
牡蠣のオーブン焼き(キルパトリック)、ラザニア、ラビオリ、サラダとTボーンステーキを頼んだ。
牡蠣とラザニア

ラビオリとTボーンステーキ

Tボーンステーキはメルボルンでのゴルフコンペの表彰式時にいつも食べたものだ。骨を挟んでサーロインとひれ肉があり、両方の味を楽しめる。
オージービーフならではの歯応え充分で美味かった。どうして日本ではTボーンステーキがメニューにないのか不思議である。
メルボルンにはアジア系の移民も多く、タイ、ベトナム料理なども安くて美味しい。中華街もシドニーより規模は大きい。BYO(Bring Your Own)という、お酒の持込が出来るレストランも多い。シドニーのBYOレストランは格が低いものが多いが、メルボルンでは一流レストランにもBYOがあり、リーズナブルな食事を楽しむことが出来る。
メルボルンまで行く人は少ないだろうが、もし行くようなことがあったら参考にして下さい。
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2006年08月16日
シドニーのレストラン
ブルーエンジェルの他に2軒の思い出のレストランへ行った。
移民の国、オーストラリアでは様々な国の料理を食べることができる。日本ではフランス料理、イタリア料理、エスニックなど日本人が料理するケースが圧倒的に多いが、オーストラリアでは殆どその国の出身者が料理する。従って、オーストラリアの方が本格的な外国料理を食べられると信じていた。
ところが、最近になってこれが勘違いだったことに気付いた。「日本の中華料理屋は日本人の舌に合わせているので、本場とは味が違う」という話を昔よく聞いたことを忘れていた。中国人が作るにしても日本人の口に合わなければ商売はやっていけない。オーストラリアでも同じことだ。
商売をやろうと思った人が最初に考えるのが食べ物屋だ。オーストラリアに来た移民も同じ発想を持っただろう。そんな移民が一流の料理人ばかりだとは到底信じられない。故郷で一流の料理を口にしたことすらない人が殆どだろう。
そう考えると思い出のレストランが本場の味を忠実に守っているわけでもなさそうだ。単に銀髪の気に入ったレストランとして読んでいただければ幸いである。
シドニー、メルボルンの中華街の規模は大したことはないが、リーズナブルな値段で飲茶が楽しめる。シドニーならMARIGOLD、メルボルンならSHARK FINがお奨めだ。今回シドニーでMARIGOLDに行ったが、場所は変わって大きくなっていた。
種類も豊富で味も香港の飲茶に引けを取らないと思う。

中華街近くのCasa Asturianaはオーストラリアでは数少ないスペイン料理屋である。メルボルンではスペイン料理屋が殆どなかった。味は特級とは行かないが、比較的リーズナブルな値段で楽しむことができる。海産物が豊富なシドニーだからこそ、スペイン料理も活きてくるのだろう。
ムール貝のトマト煮込みガーリック風味、パエリア

イタリア料理屋もあちこちにあるが、本格的なリストランテに行くよりは気軽にパスタ。お奨めはやはり魚介類を使ったスパゲッティ・マニラーナだろう。
シドニー名物・ロック・オイスターは是非食べたい。
地元の魚を生でと思うなら寿司屋に行くのが一番だ。フィッシュ・マーケットには回転寿司もあった。
フィッシュ・マーケットで魚屋を覗いて生牡蠣を食べて、寿司をつまむのがベストかもしれない。地元産のものかどうか確かめながら食べるのが肝要だ。
お金がある人はホテルの寿司屋へ。トロばかり食べると怒られるかもしれない。いいマグロは世界中から築地に集められる。近海のミナミマグロだって築地からの逆輸入品の可能性が高い。
高級料理を食べたければ、お金持ちを気取りたいなら、東京で食べればいい。オーストラリアでは庶民が行く店の方が満足度が高いと思う。
MARIGOLD
Citymark Building Heymarket
Level 4&5, 683 George St, Sydney NSW
02-9281-3388
Casa Asturiana
77 Liverpool Street, Sydney NSW
http://www.casaasturiana.com.au
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2006年08月15日
[ブルーエンジェル] 巨大ロブスター
日本人観光客にとって、シドニーといえばこの店だ。
シドニーに住んでいたのは85年夏から89年初頭まで、つまりバブル最盛期だった。日本人の旅行者がみるみる増えていき、新婚旅行で行きたいところNO1がオーストラリアだったこともある。そしてブルーエンジェルはいつも日本からの観光客で一杯だった。宣伝に一役買ったのが郷ひろみで、彼が最初の奥さんと一緒に来たことでも有名になった。
ブルーエンジェルは色んな食材があるイタリアレストランといったところだが、一番の売りはロブスターのコースだ。店内に複数ある生簀には特大ロブスターが多数入っている。これを先ず刺身にして、刺身を食べ終わったら殻ごとオーブンに入れて焼くのが定番になっていた。
今日は4人で小さめのロブスターを頼んだ。それでも1.9㎏もある。

最初にロブスターのミソの味が香ばしいスープ。次に刺身。スパゲッティを挟んで、最後にロブスターの殻のオーブン焼き(バリバリと呼ぶ)。これが銀髪が好んで食べたコースである。

これで充分な量の筈だ。店員のお奨めに従うと、4人なら3㎏のロブスターにシドニー名物ロック・オイスター、あわびの刺身、スープ、スパゲッティ、バリバリとなるが、間違いなく食べきれない。当初はお奨めを頼んでいつも残った。残ったバリバリはテイクアウトして家で身と殻を分けて、殻でダシを取ってカレーにしたものだった。
ロブスターの刺身を作るのは意外と簡単である。ブルーエンジェルのように頭ごと半分に割る芸当は無理だが、頭と胴体をつなぐ薄皮をはさみで切ると簡単に分離する。胴体の身はスプーンで抜いて、包丁で食べやすい大きさに切る。たったそれだけ。バリバリはオーブンに放り込むだけ。翌日はカレーだ。

久し振りに食べたブルーエンジェルの刺身は、ノスタルジックのせいかこれまでで一番美味しく感じた。図体がでかいから大味だということはない。
スープはもっと濃い味だったような気がするが勘違いだったのだろうか。でも期待は裏切っていない。
スパゲッティは昔は大皿でドンと持ってきたが、今回は上品に一人一皿。清算後に値段を確認したら滅茶苦茶高かった。オーダーの際に値段を聞かなかったのも拙かったが、清算時にチェックしなかったのも悪かった。
昔と同じものもあれば、違うものもある。約20年ぶりに訪れたが、ブルーエンジェルは今も昔と変わらない寂しい場所にぽつんとある。階段を下りて店に入ると、店内も以前と同じ。壁には多数の有名人のサイン色紙が飾ってあるのも同じだが、郷ひろみのものが今もあるのか確認しなかった。店の配慮で既に撤去されているのかもしれない。
ブルーエンジェルの変化は基本的にわずかで、我々の覚えていた味を裏切らなかったが、商売熱心なのも同じだった。
郷ひろみは離婚し、結婚し、また離婚した。今年は昭和30年生まれの同級生たちにエールを送る歌を出すそうだ。30年生まれは江川、掛布、千代の富士、具志堅など多士済々だが、無名の銀髪もその一人である。誰にもいいこと、悪いこと、たくさんあった50年だろう。その結果いい歳のとり方ができたのだろうか。
銀髪は? 「ちっとも変わらない。それどころか、ますますひどくなった」と言われそうで怖い。
ブルーエンジェル
223 PALMER STREET, EAST SYDNEY, NSW, 2010, AUSTRALIA
02-9380-5941
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2006年08月14日
[フィッシュ・マーケット](シドニー)
土曜の早朝にシドニーに着いた。さあ魚市場に行こう。
日本に居る時と何ら変わりはない。朝早く起きたら日本では築地、シドニーではピアモントということになる。
日本とオーストラリアの時差は1時間。日本出発が夜9時なのでオーストラリア着は早朝になる。10時前に開いてる店は殆どなくて、他の人たちはどうするのだろうかと心配になるが、銀髪に迷いはない。魚市場は開いているはずだ。
最初にピアモントのフィッシュ・マーケットに来たのは1985年だった。おんぼろの魚屋が数軒並んでいたが、最大のものでさえプレハブに毛が生えているようなものだった。それでも氷を敷いた台の上に、整然と並べられた魚を見て感動したものだ。馴染みの魚もあれば、見たこともない魚もあった。
近海で獲れる良質のミナミマグロはトロだろうが赤身だろうがすべて同じ価格で売られていた。刺身の柵を取るような切り方ではなく、輪切りで売られるため、一切れに赤身もトロもついてくる結果になる。尾の近くは必然的に赤身だけになるので、日本人は腹のところ、オーストラリア人は尾の方を買っていた。
他の魚は「刺身用」や「生食用」とか書いてなかったが、切り身以外の魚なら自らさばいて刺身で食べた。出色だったのはスミイカで、墨が破れて黒く汚れてしまうからバケツに放り込まれていた。1キロ100円程度で買えたので、いつも買って帰っては刺身にした。
ところが日本食レストランが増えるにつれて、需要が増して価格は高騰した。数年後にはきれいに洗われて墨を落としたスミイカは、他の魚と同様に氷の上に並べられるようになった。


フィッシュマーケットは90年代になってから、観光スポットとして脚光を浴び始めた。古い店は改装し、複数の店が一つの建物に入った。今回、駐車場が有料になってしまっていて驚いた。以前は銀髪のような魚好きが家で料理をするために買出しに来ていたが、今は魚を見て食事をして帰る客も増えたようだ。どの店も食事のためのテーブルを用意している。
あまりにきれいになると、昔の魚市場の雰囲気がなくなって寂しい。やはり築地のような市場の方に好感を持ってしまう。それでも、これだけたくさんの魚が整然と並ぶ魚屋を日本でも見つけるのは難しい。買って帰りたくて仕方がないが、今はシドニーの居住者ではなく、ホテルで料理するわけにもいかない。
結局、その場で買って食べることにした。「観光地化してつまらない」「昔の方が良かった」と言いながら、その恩恵をしっかり受けてご満悦の銀髪だった。

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2006年08月13日
納豆
大阪で泊まったホテルの朝食バイキング。納豆を見つけた。
大阪のホテルに泊まる人は大阪の人ではない。従って、納豆が置いてあっても何ら不思議ではない。しかし、よく見ると「大阪納豆」と書いてある。大阪人の大阪人による大阪人のための納豆なのだろうか。

多くの大阪人が納豆を食べないことを知ったのは1979年、銀髪が社会人となり、研修所に宿泊したときだ。朝食時に関西出身の連中が納豆を見て騒いでいた。食べなければ問題ないじゃないかと思ったら、糸が引くのを見るのも臭いを嗅ぐのも嫌らしい。
数年前、中国雲南省の人達と食事をした。彼らはどの料理にも中国から持ってきたものをかけて食べている。少しもらって食べてみたらこれが納豆。日本のもののように粘々していないが、乾燥させて唐辛子を加えた激辛調味料だった。日本人の醤油感覚で食事には欠かせないものらし。
納豆は雲南省が起源とのことだが、いつどのようにして日本に伝わったか分かっていない。インドネシアにも大豆を煮て醗酵させたテンペがあるが、これは納豆菌ではなくテンペ菌で醗酵される。まったく別物の食品に変貌するが、大豆を醗酵させる発想はどこかで繋がっている気がする。
醤油も味噌も大豆の醗酵食品であるから日本人は本当に大豆好きである。中国の影響が大きいのはもちろんだが、日本独自に進化させた部分も多いのだろう。
雲南省を起源とするといってもネバネバ納豆は日本独自のもの。日本全国で愛されてもいいようなものだが、なぜ関西人が嫌うのか。薄口・濃い口の醤油、赤・白・合わせの味噌など各地域で好みは違う。納豆もその類のものだろうか。
大阪人は納豆が嫌いだとずっと信じていたが、大阪で作られた納豆を見て驚いた。大阪人にも食べてもらおうと企業努力が行われていたようだ。ネバネバが少ないものや臭いのないものが開発された。昔は醤油をぶっ掛けて食べるだけだったが、いつの頃からか納豆にはタレがついている。タレの種類もどんどん増えている。
その結果、1990年代から関西での納豆消費量が増加しているそうだ。
福岡育ちの銀髪には「おきうとーになっとー」の物売りの声が耳に残っている。もちろん納豆に偏見は微塵もない。
銀髪の朝はご飯、味噌汁と納豆。野菜など具だくさんの味噌汁の鍋に卵を落とす。お椀に入れた味噌汁の卵から、黄身だけスプーンで取り出して納豆に加える。途中で黄身が割れたときはしばらく悔しくて堪らない。黄身を納豆と混ぜ混ぜしてご飯に乗せる。タレや黄身を入れる前に念入りに納豆を練るなんてこだわりはない。
上手に黄身をすくって、スプーンで素早く食べ終わったときは、本当に気分良く職場に向かうことが出来るのだ。変な奴?
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2006年08月12日
偉いお店
プライドを持ってやるのはいいけれど‥
グルメ紀行を書くためにたくさんの店を訪れた。ちょっと気取った店では写真を撮ることを了解してもらう。どこも愛想が良くて協力的でとても感謝している。
悪口は書かない主義なので、時代おくれの染谷女将のように受け止めてくれると本当にありがたい。
どの店にも長所・短所はあるが、出来るだけ長所を評価しようと思っているが、どうしても馴染めない店もある。
名古屋味噌煮込みうどんの山本屋本店はうどんを食べないと許してくれない。連れの誰かが食べたら許してくれるとか、半うどんとかを用意してくれてもいいのにと恨めしい。
東京郊外のラーメン屋の壁には「当店はラーメン屋です。ビール・餃子・ごはんはありません」と大書した紙が貼ってある。「申し訳ありませんが」を付け加えてくれれば随分と救われる気がするのだが。
博多のラーメン屋で部下が「紅生姜を下さい」と言ったら、「紅生姜は置いていません」と怒りを露に返答された。店主が試行錯誤の末にようやく完成した味を、調味料で壊されたくないというのは分からない訳でもない。でも、もう少し丁寧に、優しく対応してくれてもばちは当たらないだろう。
それに対して「博多天神」にはいつも申し訳なく思う。お店の味なんぞ何のその、店側の「少量で味は良く」の忠告も無視しちゃうから。でも、自分風の味を作って構わないとの寛容な姿勢が見えるので、ついつい酔っ払って立ち寄ってしまう。
白いスープがゴマで覆われ、辛子高菜と紅生姜が入って赤いスープに変わる。博多天神は味が薄いという人が多いが、これだけ入れたら濃い濃い。