まじめな居酒屋とはガイドブックでの自称。本当だろうか?
千歳空港を降りて札幌行きの電車に乗り込んでも外の気温は分からない。札幌駅についてようやく北海道の空気に触れた気分になる。北海道でも夏の日差しは強く侮れないが、日陰に入るとは東京とはかなり違うことが分かる。
仕事が終わり今日の晩飯を考える時間になった。忙しくて下調べもしないで飛んできたので頼りになるのは空港出口でもらった北海道ガイドブック。この手の案内書で失望させられたこと数知れず。それでも知らない街を彷徨うほど暇ではない。わずかに琴線に触れた「炙屋」に決めた。
地図を見ながらようやく探し当てた炙屋の入り口に立って戸惑った。ガイドブックの写真に比べてエレベーターの乗り口はとても貧弱。他の店に行こうかと思ったが、歩き疲れて気力が湧いてこない。意を決してエレベーターに乗った。6階で降りると店内はガイドブックより立派で一安心。案内されたカウンター席の前には新鮮な魚、地元の干物などが並べられている。不安が一安心に、さらに期待へと変わる。
さんまは根室、ぶどう海老は釧路、いかは寿都(すっつ)で捕れたもの。寿都は積丹半島の南に位置する日本海側の町。炙屋は全4店舗で使うイカやウニを寿都まで直接仕入れに行くそうだ。
部下はぶどう海老を食べたことがないと騒ぐが、以前浦安の「うえむら」で食べたことをすっかり忘れている。酔っ払いにいいものを食べさせても無駄なことが分かった。ぶどう海老は一匹750円もする高級品だ。
ゴロとはいかのワタのことで、焼いたいかを、焼いてほぐしたワタに付けて食べる。ゴロ漬けは日本酒に合うからと調理主任の尾崎さんがサービスしてくれた。
部下はホヤを以前に食べたことがあり、好きだと言ったが信じられない。何度も念を押して頼むことにした。出てきたのは赤ホヤで、真ホヤに比べると癖がない。新鮮さも手伝って、これまで食べたホヤの中では一番美味しい。ところが部下を見たら口を歪めしかめっ面をしている。案の定、食べたことがあると思ったのは勘違いで、ホヤの臭いにKO気味だ。
最後にカスベとコマイを頼んだ。カスベは下北沢「鯛屋」に続いて2回目。今度は軟骨もしっかり食べた。こんな大きなコマイは見たことがない。干して固いイメージのコマイも、これだけのサイズになると身も厚く美味しい。
他にも、子持ちシシャモなど食べたいものがたくさんあったがお開きにした。
カウンターの向こうの尾崎さんは気さくで丁寧に魚のことを教えてくれるなど、我々の食事を大いに盛り上げてくれた。
新鮮な魚を手頃な値段で提供してくれて嬉しかったけれど、酒の値段が高めなのが大酒飲みにとってはちょっと悲しかった。
さて次の店に、と言いたいところだが日帰り出張の悲しさ。慌しく千歳空港行きの電車に乗り込んだ。
炙屋 すすきの本店
北海道札幌市中央区南4条西4丁目 都通り
011-242-1131
http://www.auriya.com
投稿者 銀髪 : 2006年08月24日 06:05
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