銀髪グルメ紀行をスタートして丸1年経ちました。一周年の記事は大衆酒場です。
インターネットで調べて行くつもりになったのは、富山駅の駅ビル3階にある白えび亭だった。富山名物の「白えび」がメインの料理屋で、評判も良さそうだった。
ところが行ってみるとどんぶり屋さん。夜にご飯を食べない銀髪には相応しくない店だ。
最終便に乗るのにあまり時間もないので、同じ階の居酒屋に入った。定食屋と言ってもいい店だが、他に選択肢はない。見知らぬ町を雨の中、店を探し回る気にはならなかった。壁にはテレビがかかっており、ニュースを見ながら食事をすることにした。
それでも流石に駅ビルにあるレストランだ。旅行者向けに地元の料理が揃えてあり、メニューの表紙がそれらの料理で埋まっていた。それほど種類は多くないが、酒の肴にはちょうどいい。何より値段が安いのがたまらない。
ホタルイカの沖漬けは説明の必要がないだろう。白えびは今が旬で、ネットリして甘い。サスの昆布じめは初めて食べた。サスとはカジキマグロのことで、水っぽい身は昆布に水分を吸い取られ、代わりに昆布の旨みを吸い取っていい味になる。保存食なので特別美味しいわけではないが、日本酒が欲しくなる。
ビールから熱燗に代わって、料理を追加注文した。
白えびは唐揚にすると香りが出て刺身とは別物になる。すり身はこの地方の代表的家庭料理とのことだったが、やたらと塩っ辛い。いわし団子のようだが、フワフワした食感が初体験のすり身だ。食べているうちに、日本酒に合って塩辛さが気にならなくなってくる。部下のIは酒を飲まないためご飯代わりに定番の鱒ずしを頼んだ。
周りの客が6時前に慌しく勘定をして店を出て行こうとする。銀髪に気を遣って7時前の電車で帰ろうとしていたIを追い立てた。きっとIに都合のいい電車があるはずだ。無理に銀髪に付き合う必要はない。
Iが去った後、ゆっくり残りの酒を飲み終えて席を立った。
居酒屋のメニューに書いてあった下記住所は駅ビルのものではなかった。この店の名が「よしもり」だったかどうかは定かではないが、駅ビル3階に行けばすぐ分かる。
勘定をして、トイレに寄った後、階段を下りるために店の裏の通路を通ると、調理場で主人が大根のかつら剥きをやっていた。手馴れた職人技を見たら、しけた駅ビルの定食屋兼居酒屋が俄かに輝いて見えた。
横から見た主人の佇まいに彼の人生を垣間見たような気がして、料理に対する満足感が湧きあがってきた。
たまには、こんな居酒屋で呑むのもいいかもしれないと、思いながら空港に向かうタクシーに乗り込んだ。
居酒屋レストラン よしもり
富山県富山市新富町2-4-11
076-432-5005
投稿者 銀髪 : 2006年09月28日 05:58
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