味付けは懐かしさ。
日本橋の銀髪の会社周辺には多数の居酒屋がある。グルメ紀行を始める前まではよく行った店も、随分ご無沙汰になっている。箱根もその一つで、特にインパクトのある料理もないと思っていた。先日、出張からの帰社が遅くなった。会社で待ってくれる人もないので、のんびりと歩いていた。何気なく見た「箱根」の窓の向こうに、知った顔を見つけた。
呼び入れられてビールを頼んだ。みんな、大分出来上がっている。遅く来てオーダーすると、彼らのペースを壊すと気遣った。運ばれてくる料理を黙ってつまむことにした。注文をつける権利はない。
今日は、撮るべき料理もないだろうと思っていたらハムカツが出てきた。
懐かしい食べ物だ。約30年前に大学の学食でよく食べた。最初に食べたとき、大好物の豚カツだと思ったら、薄いハムのカツで衝撃を受けた記憶がある。しかし、そのとき初めて食べたのかというと、そうでもない。
ハムカツはコロッケパンなどと並ぶ、味パンの人気商品だった。焼きそばパンはラーメンライスと同様に炭水化物同士の組み合わせで違和感があったが、ハムカツパンは立派なものに思えたから不思議だ。ハムカツとの出会いをもっと遡ることができるだろうか?思い出せない。我が家の食卓に上ったことはなかったと思う。
懐かしくて家で作ったこともある。しかし学食で食べたハムカツとは明らかに違う。ハムの質が良すぎたようだ。そう言えば、子供の頃年末になると大きなハムを一本買っていた。魚肉ソーセージよりはハムらしいが、材料には魚肉や馬肉などが使われているまがい物だったと思う。
本物のハムが普通に家庭の食卓に上るようになったのはいつ頃からだろう。お中元やお歳暮は酒が主流だった我が家では、ハムなどの食べ物が混じっていると大喜び。つまり、本物のハムは盆暮れにしか食べられない高級品だった。
インターネットで調べると、このところハムカツが復活しているようだ。ハムの品質を高めたり、チーズなどを挟んだりして、高級感をウリにするハムカツもあるようだ。
しかし、どのコメントも「昔のあのハムカツの方が美味い!」と結論付けている。今の方が美味いに決まっているが、思い出の味にはかなわない。
しょっぱくて、歯ごたえのないハムでなければ、「懐かしさ」の味付けができない。決してグルメで食べる料理ではないのだから。いまでも学食に行けば、あの頃のハムカツが食べられるのだろうか?
箱根のハムカツはちょっと違う気がしたが、それが何かはよく分からなかった。
そうそう、箱根はハムカツを名物にしているわけではない。他にもたくさん料理があるので誤解のないように。
箱根
東京都中央区日本橋2丁目2-3
03-3278-8060
投稿者 銀髪 : 2006年09月06日 06:10
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