面白い豆腐料理屋さんを見つけた。
紹介を受けて、あるいはネットで入念な下調べをして、失敗したときは辛い。反対にやぶれかぶれで飛び込んで、いい店に巡り合ったときほど嬉しいことはない。
「采」は嬉しいお店だった。
新宿には無数の飲食店がある。行きつけの店に入れば何の問題もないのだが、グルメ紀行のために新しい店を探そうと思うと骨が折れる。手っ取り早く探そうと思ったら、レストランが集まっているビルに入ることだ。ビル入り口の写真を見て、実際にエレベーターを降りて店の前に立って、気に入らなければ違う店に変えるのも容易だ。
新宿伊勢丹会館へ行った。選んだのは豆腐屋さん「采」。飲みすぎで痛んだ内臓には一番優しく思えた。幸い店の前に立っても気持ちは変わらなかった。店内は静かでゆったりとしている。混んでなくても狭いテーブルに案内する店が多いが、我々二人に6人掛けのテーブルがあてがわれた。ちょっと申し訳ないような気もするが、気分はいい。
メニューを開くと定番の豆腐料理以外にも興味をそそられるものがある。料理の名前だけではイメージが湧かないものだが、そんな料理は写真で紹介してある。
迷うことなく、写真の料理の中から選ぶことにした。
お通し(カニの酢味噌和えとイカの煮付け)でビールを飲んでいると、最初の料理、引き上げ湯葉のジュレが来た。ジュレは醤油のゼリーといったところか。
店員からジュレが醤油味と聞いて、ハッと気付いた。豆腐屋なのにどのテーブルを見ても醤油やタレが置いていない。この店のこだわりだろうか。
チーズ豆腐はプロセスチーズを豆腐に混ぜて作った自家製とのことだったが、これが秀逸でこの日一番気に入った品。ワインによく合いそうで、外国人にも受けるだろう。
緑のとびっ子、豆腐、トロをミルフィーユ仕立てに重ねている。とびっ子のプチプチ感がいい。
ボリュームのある一品で、評価は分かれるかもしれない。油っこさを豆腐が緩和してくれる。
ジュレ850円、チーズ豆腐750円、ミルフィーユ720円、カルパッチョ860円と、お値段も手頃。ちょっと洒落た洋食レストランなら、もっといい値段をつけても文句は言われないだろう。
店の人も品がよく好ましい。レジで清算をしてくれた女性から名詞をもらった。見たら店長さん。すらりとした、美人の店長さんだ。
「もっと席に来て、応対してくれたらよかったのに」と、恨み言を胸に抱きながらも、満足して店を出た。
おとうふ 采
東京都新宿区新宿3-15-17 伊勢丹会館8階
03-3356-0501
投稿者 銀髪 : 2006年09月07日 05:50
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