映画に因んだカクテルをショットバー「風長閑」で飲み続けた。
銀髪がもっとも好きな映画が「GONE WITH THE WIND(風と共に去りぬ)」だ。今でも繰り返し上映されているので若い世代でも見た人は多いだろう。主演のクラーク・ゲーブルは原作者のマーガレット・ミッチェルが主人公レッドバトラーのモデルにしたと言われるだけに、ダンディで男臭いはまり役だ。アトランタの炎上シーンを見に来て偶然にも大役を射止めたイギリス女優ヴィヴィアン・リーは、美しく情熱的なスカーレット・オハラを見事に演じきった。
我儘で自己中心的ながらも、愛らしく魅惑的なスカーレットはバーテンダーにとっては格好の新カクテル開発の対象だったはずだ。サザンカンフォート(アメリカン・ピーチ・リキュール)、クランベリージュース、ライムジュースをシェイクして作るカクテル「スカーレット・オハラ」 は以前紹介した。これは確立されたレシピのようだが、主演者の名を冠したカクテルもある。
勝木さんのレシピ帳によるとカクテル「ヴィヴィアン・リー」はクレームドぺシェ(桃のリキュール)、ミント、りんごジュースをシェイクしてクラッシュアイスに注ぐ。風と共に去りぬの舞台となったジョージア州がピーチ・ステートと呼ばれるほど桃はシンボル視されていることから、桃のリキュールが使われているようだ。
カクテル「クラーク・ゲーブル」はバーボン、サザンカンフォート、アプリコットジュースをシェイクしてクラッシュアイスに注ぐ。バーボンはクラーク・ゲーブルのイメージから外れていないが、サザンカンフォートは甘過ぎる。
「ヴィヴィアン・リー」「クラーク・ゲーブル」両方ともクラッシュアイスに注ぐのは、南北戦争の破壊のイメージを表しているのではないかと石井さんが推測する。甘いカクテルなのでうんと冷やして飲みやすくしたのかもしれないと銀髪が重ねる。
映画の中で記憶に残っている酒を飲む場面は、未亡人になった喪服姿のスカーレットがブランデーをあおっている場面だ。レッド・バトラーが突然訪ねて来たので、スカーレットが酒臭い息をごまかすため慌てて香水でうがいをする。しかし、スカーレットは、レッドにキスをされて飲酒を簡単に見破られる。
この場面をイメージして、石井さんにブランデーベースのカクテルを発明してはどうかとけしかけた。男が飲めるような甘味を抑えたカクテルを作って欲しいと頼んだ。
風長閑版のカクテル「スカーレット/ヴィヴィアン・リー」は、ブランデー、ダークラム、クランベリージュース、グリナデンをシェイクしたもの。クランベリーの赤色が、南部の赤い土地、スカーレットが拳を振り上げる夕焼けのシーン、スカーレットの情熱を表す。ヴィヴィアン・リーがイギリス人であることからスコッチを混ぜるべきかもしれないが、ブランデーとスコッチでは喧嘩しそうなのでダークラムを加えたそうだ。ラムはイギリスの植民地から広まった酒だ。
石井さんはこれが完成品と思ってないかもしれないが、男でも飲めるしっかりしたカクテルになった。
スカーレット/ヴィヴィアン・リーはカクテルになっても、男に愛された方が嬉しいに違いない。
投稿者 銀髪 : 2006年10月22日 05:23
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