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2006年12月31日
今年のレストラン、トップ5
今年行った最高のレストランを選んでみた。
1年間で300店以上行った中から数店を選び出すのは困難を極めるので、二人でお酒を飲んで1万円程度の店を探した。
ウノのゴルゴンゾーラのピザ

「ウノ①」
5月に初めて行ってから、何度も足を運んだ。記事に3回もしたのはこの店だけだ。
サッカヴァンの自家製ハム

「葡萄酒サッカヴァン」
飛び込みで偶然入った店だが大当たりだった。自分の勘を自画自賛した。ワインの品揃えも良かった。
ウノ、サッカヴァン両店に共通しているのはオーナーが調理に精通し、接客も自らが指揮していることである。素材を吟味し、自ら栽培したり、加工したりしていることでも共通点がある。料理の説明も当然のことながら詳細で丁寧だ。客の方から声をかけるとオーナーとの楽しい会話が始まる。教えてもらうことも多くて楽しい。臆せずに声をかけると、待ってましたとばかり説明してくれる店は間違いなくいい。食事を楽しむためには客側も努力をしなければならない。
とりとんくんの豚の刺身

「とりとんくん」
中学の同級生が探してきた店で、生まれて初めて豚肉の刺身を食べた。他の肉も同様だがが、刺身で食べられるような新鮮なものなら焼いても美味い。
中国茶房8の北京ダック

「中国茶房8」
北京ダックを皮だけでなく、身の部分もすべて使って料理してくれる。高級店の北京ダックにはかなわないかもしれないが、大満足の値段設定だ。他の料理も安い。
とりとんくんも中国茶房8も比較的広い店なので、オーナーとの会話は望むべくもない。しかし安くて気軽な店なので4人以上でワイワイガヤガヤやるには申し分ない。この値段設定でいいサービスを求めるのは酷だが、とりとんくんの若い女性店員は明るく元気があってよかった。今も勤めているだろうか。
値段の高い店で料理に失望することはあまりなかったが、サービスについては格差が大きい。
中堅クラスの店では料金設定に疑問が残る店がいくつかあった。「お通し」 などがいい例だが、リーズナブルな店なのか高級店なのか中途半端な店では客も困ってしまう。
タイトルが「トップ5」なのに4つしかないとお気付きの方、5つ目も決めると選にもれた店に怒られるので控えました。
「5つ目の店はあの○○です」ということでお許し願いたい。
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2006年12月30日
ホテル日航熊本、結婚式
結婚式の風景は随分変わった。
前菜

1985年から7年半オーストラリアに滞在した。その間、当然のことながら日本で行われた披露宴に出ることはなかった。オーストラリアでは後輩の結婚式を含めて数回招待されたが、仲人はなく披露宴の最後の挨拶は新郎が行うことに驚いた。あれから20年、日本でも結婚式・披露宴は随分変わった。
仲人を立てなくなったのは有難い。銀髪のときは誰に仲人をお願いするか随分と悩んだが、今はその心配はない。以前は何件の仲人を務めたか威張る人もいたが、突然仲人を頼まれて迷惑だった人も多いだろう。仲人をやる歳になっても今はその心配はない。新郎も何も知らない妻を煩わせることもない。
主賓であってもチャペルでの結婚式で特別な席は用意されない。その他大勢の中で静かに二人を祝福する。
今日の場所はホテル日航熊本。高級中華料理の数々である。おそらく二人は味を殆ど覚えていないだろう。ふかひれ、北京ダック、あわび、牛肉、高級素材と凝った料理が人生最良の舞台を彩る。

それにしても食事風景も随分と変わったように思う。昔は和食の場合は鯛が、その他の料理も何か持ち帰るものが用意された。結婚式の料理のおすそ分けを家族が待っていた頃の名残だろうが、今は誰も喜ばない。引き出物も自分で選ぶスタイルが主流になった。遠くから来た人は帰りの荷物と格闘する心配がない。
出される酒も多彩になった。シャンパン、ビール、紹興酒、白ワイン、赤ワイン、日本酒。好みが多様化すると、主催者の気遣いも大変になる。今日のように中華であれば、ビール、紹興酒があればいいと思うが、それでは我慢できない人を黙らせるのも大変だ。

結婚式・披露宴の型がなくなったことは気楽でいいけれど、逆に難しいことも増えたように思う。以前は祝う側、祝われる側で厳然たるルールが存在した。ルールは皆を縛ることが目的ではない。老若男女が集う場所では、すべての人が納得できて楽しめる暗黙のルールが存在した。今はうるさいご隠居さんもいなくなり、年長者が格段に物分りがよくなってしまった。
静かにちゃんと聞いてもらえるのは乾杯の挨拶までである。次第に無秩序になっていく。それでもご飯、デザートと進み最後の新郎新婦、新郎の父の挨拶が始まる頃には再び会場は静けさを取り戻す。
それなりの秩序が今でもあるのかとホッとするところである。
ビデオなどのハイテク技術を駆使し、煌く照明と大音響に溢れたステージは終幕を迎えた。プロの司会者による円滑な進行も、演出家による華やかな舞台も用意されてないこれからの人生を、二人は手を取り合って歩き始めた。
チャペルで神に誓ったように永遠の愛を持ち続けて欲しいと祈るばかりである。
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2006年12月29日
[青柳](熊本)
熊本で懐かしの味を
部下の結婚披露宴に出席するために熊本へ行くことになった。披露宴は夕方からだが仲間より早い早朝の便で羽田を飛び立った。昼飯を熊本で食べようと思ったのだ。披露宴の料理は中華と聞いているので、この昼を逃すとせっかくの熊本を楽しめないと思った。
ところが下調べをする時間がなく思案しながら熊本市に向かうバスに乗ると、座席前のネットに観光客向けの冊子を見つけた。宣伝用の冊子で何度も痛い目に合ったが、昼飯だから我慢しようと思って決めたのが青柳だった。ビール一杯のサービスに釣られてしまった。
行ってみると割と大きな店だ。中に入ると女将と孫(?)のコンビが迎えてくれた。まだ片手の歳にも満たないような孫が店を走り回る。店構えに比べると意外に気楽な店だ。1人なので奥の鮨カウンターに通された。左の生簀に泳いでいるイカや寿司ネタにそそられないわけではないが、郷土料理にこだわることにした。
肥後盛(1,600円)

馬刺し(左から肝、たてがみ、霜降り)と盛り合わせ(辛子蓮根、ずいき、人文字のぐるぐる、桜納豆)。
自家製辛子蓮根は辛くなくむしろ甘い。人文字(一文字)のぐるぐるとは小ネギを茹でて白根の部分に青葉をぐるぐる巻きつけて辛子酢味噌で食べる。馬刺しに納豆を絡める桜納豆はこの店が発祥だとのこと。
団子汁

実はこの店のメニューで一番食べたかったのがこの料理。団子汁と書いて「だごじゅる」と発音する。小さい頃、我が家の食卓に頻繁に登場した料理だ。だごじゅるとけんちん汁が2大汁物だと記憶するが、銀髪はだごじゅるの方が好きだった。いわゆるすいとんだが、翌朝とろみがついて濁ってしまった汁がとても美味しかった。
兄も帰省すると必ず欲したお袋の味だが、もう遥か昔に食べたきりだ。
青柳の団子汁は品が良かった。もちろんとろみなど望むべくもない。思いでの味を楽しむつもりが、思い出の味のイメージが混乱してしまった。
久し振りにお袋にお願いしようと思わずにはいられなかった。
青柳
熊本県熊本市下通1-2-10
096-353-0311
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2006年12月28日
[せんば自由軒グリル](さいたま新都心店)
大阪で有名なカレー屋に連れて行かれた。
子供の頃、カレーをご飯に注ぐとすかさず万遍なく混ぜ合わせて食べたものだ。いつの日からかこれが下品な食べ方と言われるようになった。ご飯をフォークの背に乗せる、スプーンを使ってスパゲッティをフォークに巻きつける、などなど日本人が勝手に考え出した食事のマナーは多い。
自由軒のカレーは創業した明治43年当時のままという。出すときから混ぜてあるのは珍しかったかもしれないが、昔は誰もがこんな食べ方をしていたに違いない。ご飯とカレールーが同時になくなるように食べるのは結構骨が折れるし、本場でもグチャグチャに混ぜて食べるのが当たり前のようだ。

カレーライスとハヤシライスの2品が乗った皿を食べた。「熱いうちに卵を割り、ウスターソースをかけて混ぜ合わせて食べてください」と、紙に書いてあった。試しにそのまま食べてみたら味が薄い。ソースをかけてちょうどいい味になるように調理してあるというが、成る程そのとおりだ。ハヤシライスより名物インディアンカレーの方がいい。
家に帰って自由軒をインターネットで検索したら「自由軒」と「せんば自由軒」の2つが出てきた。「自由軒」のホームページでは「せんば自由軒」を非難している。創業者は共に吉田四一氏であると言う。「せんば自由軒」は孫の一人が「自由軒」の料理長を呼んで創業したようだ。親戚といえども何代も経れば赤の他人、ただの競争相手になるのだろうが、客にとっては骨肉の本家争いよりも味の争いを楽しみたい。
名古屋味噌煮込みうどんの「山本屋」、牛たんの「味太助」など商号に対する諍いは多々見られるが、自由軒も2系統あるとは大阪出身者でも知らないようだった。
自由軒のホームページによると、カレーに卵を乗せたのも、ソースをかけさせたのも、自由軒の発案だそうだ。卵もソースも高級品だった時代だけに、宣伝にはなっただろう。
我が家でソースをかけることはなかったので、カレーにソースをかける人を初めて見たときとても驚いたものだが、90年も前からの食べ方だったとは知らなかった。
感激してまた行きたいと思うようなものではなかったが、歴史を紐解く楽しさは味わえた。
銀髪はカレーに目玉焼きを入れるのが好きだ。昔、「カレー固め」と注文する声を聞いて耳を疑った。固めではなく片目つまり目玉焼き一個という意味と知って笑ったが、これを最初に使ったのはどこの店だろうか。
話はどんどん膨らんでいく。
せんば自由軒グリル さいたま新都心店
埼玉県さいたま市大宮区吉敷町4-267-2
048-600-1691
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2006年12月27日
[瑞宝庵](新宿)
新宿歌舞伎町は広い。
大学生のとき友達と或いは兄弟で飲みに行ったのはいつも歌舞伎町だった。そのとき以来歌舞伎町は新宿コマ劇場の周辺のみを指すと思い込んでいた。実際は西武新宿線、靖国通り、明治通り、職安通りに囲まれたかなり広い街である。瑞宝庵は区役所通りのバッティングセンター近くにある。いつの間にか銀髪にとっての歌舞伎町はこの近辺になってしまった。
しばらくぶらついていたら、こぎれいないい店を見つけた。その店・瑞宝庵の前に出ていたメニューを見ると鍋が美味そうなので、迷わず入ることにした。
入ってみると、時節柄込み合っていると思った店内に先客は1組だけなので不安になった。
お通し、小鉢

お通しは昆布、ほうれん草、こんにゃくの3品盛り合わせ。小鉢はいわしのつみれ、ごぼう、こんにゃくの煮物。これらがセットで出てくる。お通し800円、小鉢350円、自動的に1,000以上が消える。
ビールは生しかないとのことだったのでジョッキとグラスを頼んだが、中と小のグラスの意味を理解してくれず、違う種類のグラスに同じ量のビールを持ってきた。値段はどちらも1,200円。馬鹿なのか馬鹿にしているのか。
飲み物のメニューは数ページに渡って焼酎、次がワインで、日本酒は1ページだけ。和食には日本酒が一番だと思う銀髪にとってはちょっと寂しい。
白鍋

赤鍋、白鍋、黒鍋、かき鍋の4種類の鍋の中から、店員のお勧めの白鍋を食べることにした。豚骨、鶏がらで取ったスープに白味噌を少し加えてある。これが実に美味だった。
ぼたんえび、ほたて、鮭、豚肉、野菜などが入った豪華な鍋だ。2人前で4,200円はちょっと高めだが文句はない。
ラーメン

最後に平打ちの麺を追加注文して鍋に入れた。これが最高のご馳走だった。胡椒をひいて、ねぎを乗せて食べるとどこのラーメン屋にも負けない。
メニューには材料の産地などが記されていてこだわりが感じられる。店も立派で雰囲気がある。問題があるとすればサービスだろう。料理はただ運んでくるだけで、説明はおぼつかない。「ふいてきたら食べられます」と言っただけで店員は去り、鍋奉行は銀髪に押し付けて様子を見に来ることもない。グツグツいってきたので蓋を開けたら煮えやすい野菜が既にクタッとなっていたので、他の素材より先に慌てて食べなければならなかった。
鍋に限らず細かな配慮が少しずつ抜け落ちている。今年3月に開店してから順調だったそうだが、年末掻き入れどきの思わぬ苦戦。問題の答えは簡単に出るように思えるのだが‥
瑞宝庵
東京都新宿区歌舞伎町2-24-2 ニューギンザ新宿ビル1F
03-5155-7741
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2006年12月26日
[羽田寿司幸](羽田空港)
東京に戻ったら江戸前寿司。
出張から戻って羽田空港に着いたのは午後8時過ぎ。ここから銀座・日本橋界隈に戻って食事をする元気はもはやない。空港内のJALラウンジでおかきをつまみにして生ビールを数杯飲んでいるのでそれほど空腹でもない。そこで羽田空港の中で軽く飲もうと思った。
案内板で第1ターミナル3階に寿司屋を発見して即決した。エスカレーターを上がって寿司屋に入ると広いカウンターが見えた。時間が遅いせいか客は殆どいない。期待しないで適当に食べて帰ろうと思って板さんを見ると、胸に「寿司幸」の文字が見えた。ここで初めて店の名に気付いたのだからのんきなものだ。
銀座数奇屋通りの有名店、銀座寿司幸本店がプロデュースした店と聞いて、俄然グルメ紀行モードに変身した。前身の大和寿司経営のままだが、銀座寿司幸から毎日2~3人が手伝いに来ているとのこと。我々の前に現れたのはその一人、上野さんだった。
30を過ぎたばかりの上野さんだが、既に10年選手。本店に戻ればたくさんのベテランがひしめいているが、客の前で握れる役にまで上っていい顔をしている。安心して任せることにした。但し、ここは羽田、江戸前であることが基本だ。マグロはいらないとうるさい銀髪である。

最初は小柱、さより。ちょっと炙ったさよりは香ばしい。

脂が乗った極上のあん肝と煮あなご。あなごはもちろん羽田沖。白焼きでも食べたいところだが、一流の寿司屋で食べるならあなごは煮たもので文句はない。

銀髪はさば、こはだ、玉を食べて、部下は寿司をいくつかつまんでいる。
上野さんとの話が楽しいのでお銚子は7本を数えた。「数寄屋橋次郎は鯛を置いていないが…」と問うと、寿司幸も同様だとのこと。鯛は江戸前の魚ではない。鯛を置いているかどうかが、東京の寿司屋のこだわりがわかる。白身はヒラメでないといけない。
寿司幸本店は創業明治18年の有名店だが銀座久兵衛や数寄屋橋次郎ほど敷居は高くないと言われる。夜にご飯を食べない銀髪にとって、「うちは寿司屋ですから…」と言う店は敷居が高過ぎる。最後に2~3カンでも許して欲しい。羽田寿司幸では許してもらえた。
寿司幸本店の直営店は丸ビル店のみなので、羽田寿司幸は姉妹店といった位置づけだろう。羽田に行ってもいつも上野さんに会えるとは限らないのがちょっと残念だ。
羽田寿司幸
成田空港第1ターミナル3F
03-5757-8838
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2006年12月25日
[天乃](福岡)
あらはふぐより美味しいというけれど
お客様と4人で食事に行くことになった。博多のスナックのママに紹介された店はヤフーで検索しても出てこない。グーグルで検索してようやく住所は分かったが、お店の情報はまったくないので不安になる。高級割烹の「あまのや」というのはあったが彼女から教えられた電話番号と一致しない。しかし彼女の紹介でこれまで失敗はないので信頼して予約した。
予約した後に天乃はあまのやの主人が7月に独立して開いた店だと教えられた。それなら大事なお客様をお招きしても問題はないはずだ。
新しい店ならわがままを許してくれるかもしれないと思って、ふぐコースとあらコースを2人前ずつ頼みたいと言ったら快諾してくれた。それから1週間、博多行きが待ち遠しくて仕方がなかった。
小さなビルの3階でエレベーターを降りるとすぐ入り口で、カウンターを左に見ながら進むと奥の座敷に既にお客様は到着していた。先付けを肴にビールで乾杯、すぐに相次いで刺身が出てきた。
ふぐ刺し、あら刺し

タレをつけると味が分からなくなるのでそのまま食べてみた。ふぐより厚めに切ってあるせいか、あらの方が甘く感じられた。
あら塩焼きと煮付け

焼いたり煮たりすると味がしっかりしてくる。刺身はあっさりとこりこりした感じもあるが、火を通した皮のあたりの身は脂が乗って美味い。
ふぐ唐揚げと白子焼き

やっぱりふぐの唐揚は美味い。白子はまだ小振りだが、なかなかのお味。
ふぐ鍋、あら鍋

右のあら鍋には脂が浮いている。ゼラチン質の部分が堪らない。ゼラチン質はふぐも負けてはいない。ゼラチン質が嫌いな部下のFは白い身の部分を選んで食べている。一番いいところを評価できないのは可愛そうにも思えるが、好みだから仕方がない。
ふぐ雑炊、あら雑炊

ふぐは淡白な味に仕上がっている。あらは脂のせいか濃厚な味わいである。銀髪はあっさりしたふぐの方が最後の雑炊には向いていると思った。お客様はあらの方が美味しいと言った。
2種類の料理を頼んだため店の女性は大忙しである。申し訳なくてFに鍋を取り分けさせようとしたが、長い菜箸を上手に使えず四苦八苦している。やむを得ず銀髪が仲居さんの代わりを務めた。
高級魚のふぐとあら2種類の料理を食べ比べることが出来て大満足だが、今日の素材がそれぞれのグランドチャンピオンという訳ではない。人によって好みも違う。
博多ならではと思わせる1人12,000円のコース料理。美味しいものを食べて、優劣をつける必要もあるまい。
はかた天乃
福岡県福岡市博多区店屋町5-5-3F
092-262-2689
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2006年12月24日
鯖寿司
京都土産は鯖寿司を
京都の町を歩いていると、「板前寿司」と書いてある不思議な寿司屋の看板を見つけた。江戸前に対抗して大阪湾で獲れた阪前かと思ったが、どう見ても板前である。京都では若狭湾の魚を京に運ぶ鯖街道なるものがあり、京都で寿司と言えば鯖寿司の類になるのだろうか。
板前寿司とは板前が目の前で握って出す店、すなわち江戸前寿司のことを指すのかと想像した。回転寿司との区別かもしれない。店に入って確かめようと思ったが、タクシーの運転手さんが「京都で食べるなら鯖寿司」と言ったのを思い出して止めた。
鯖寿司を最初に食べたのはもう7年ほど前になる。京都の呉服屋さんに連れて行ってもらった寿司屋でお土産にくれたのだが、目の前で造っているのを見て心底驚いた。すしめしを次から次に足していく。あまりの大きさに見るだけで腹いっぱいになってしまった。家に持って帰っても、全部食べ切れるか不安になったものだ。
2度目は今年3月、滋賀大津の文福でのこと。7年前の苦痛を忘れさせてくれた。2切れで充分だったが、とても美味しく食べた。今回はタクシーの運転手さんの言葉に従い、鯖寿司をお土産に買うことにした。湯豆腐、餃子を食べて遅くなってしまったため、目的の「いづう」の鯖寿司は京都駅で既に売り切れていた。
已む無く1,000円の棒鯖寿司を買った。4200円のいづうを買おうと思っていたので、安くはあるが無念さは残った。諦めきれずに駅構内のみやげ物屋をぶらついていると、いづうと同じ売り場に2,000円の極上鯖寿司を発見した。そこでこれも買って食べ比べをすることにした。

博多に着いて馴染みのスナックに2種類の鯖寿司を持ち込んだ。極上(写真左)は既に切れ目が入っている。もう一方は店の女性がきれいに切ってくれた。

高い方には薄昆布が乗っていてバッテラ風だ。箱の型に入れて作る押し寿司が大阪名物のバッテラで、巻き簾で形を整えるのが京都の鯖寿司。
品質は2,000円の方が上なのは見ただけで分かったが、銀髪には1,000円の方が甘さ控えめで口に合った。
いづうは大丸東京駅店など、東京でも買えるようだ。1,000円を美味しく思ってしまうと買う意欲がなくなる。東京で買うのは何だか味気ないので、いづうを口にするのは次の京都行きを待つことにしようと思った。
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2006年12月23日
[餃子の王将](京都)
京都なら王将へ行かなきゃ
豆腐料理のたまゆらでは腹一杯にすることは避けた。先斗町を往復しているときに王将の文字が目に入ったためだ。部下はすぐ近くの珉珉を見つけてそちらにしようと言う。大阪ならともかく、京都なら王将だと一喝した。
昔、独身寮の先輩2人と、独身寮に入る権利を喪失した最年長の先輩と銀髪合わせて4人、日曜の昼食は愛知県豊橋市橋良町の王将だった。この店だけは先輩たちが少し奢ってくれた。大瓶のビール、餃子2人前、ニラレバ炒めが銀髪の三点セット。もちろんご飯は食べずにビールを追加した。
今日も懐かしの3点セットだ。大瓶のビールが480円、餃子180円、ニラレバ450円。30年経っても懐に優しい価格だ。
餃子

セントラルキッチン方式だと聞いていたが、東京で食べる王将の餃子とは皮も中身も違う。お膝元の方は皮が薄く、具に唐辛子辛さがない。各地域で微妙に味を変えているようだ。
ニラレバ炒め

これは豊橋のときから変わらぬ味だった。豊橋でたべてからは、王将のニラレバ炒めが一番気に入っているのだから不思議だ。「なんだ、銀髪なんてその程度か」との声が聞こえそうだ。
5年位前のことである。小学校5年生の娘と2人で留守番することになった。晩飯の用意なんてお手の物だが、娘と二人で餃子の食べ歩きをすることにした。
近所には小さな中華料理屋がたくさんある。王将を含めて5軒回った。どこでも餃子とビールを頼む。
王将以外のビールは中瓶だが、さすがに5軒も回るとビールで腹が膨れた。娘はいっぱしの評論家気取りある。娘の順位では王将は2位だったが、お財布担当の銀髪にとっては総合点でトップだった。
今でもときどき行きたいと思う餃子の王将。先斗町の近くで食べることもないと思うが、これはこれで楽しい思い出になった。
餃子の王将 三条店
京都府京都市中京区木屋町通三条下ル石屋町118-1
075-221-2873
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2006年12月22日
[たまゆら](京都)
底冷えのする京都を歩いた
「富士の高嶺に降る雪も 京都ぽんと町に降る雪も 雪に変わりはないじゃなし とけて流れや皆同じ」
日が落ちて京都の街を歩いているうちに先斗町に流れ着いた。5時前なのにすっかり暗くなっているが、殆どの店が準備中で灯がともっていない。薄暗闇で寒くなった路地を歩いていると大昔に流行った御座敷小唄の一節が出てくる。
先斗町の路地を2往復したところで夜の街らしくなってきた。ブラブラと歩いている間に、一見さんお断りの店ばかりかと思っていたのが間違いだと分かる。街並みは昔とそれほど変わっていないかもしれないが、住人はすっかり替わってしまったかのように思える。観光客目当ての数々の店の中から京豆腐の店を選んで入った。
カウンターは熟年カップルでほぼ埋まっており、中年男二人で入るのはちょっと気が引けたが、構ってはおられない。座るなり生ビールを頼み、くみ上げゆばの刺身、生麩のお造り、湯豆腐、えびいもとさわらの柚子おろし煮を注文した。
ゆば、生麩

麩は思ったよりしっかりしており、餅を食べているような気持ちになる。何度も食べているくせに、味噌汁に入れる乾燥した麩を連想するのでいつも驚く。学習能力の無い奴だ。
湯豆腐

東京など大都市にも進出している豆腐屋「近喜」の豆腐を使っているそうだが、銀髪には豆腐の味を見分けるだけの舌がない。冷えた体が温まり、呑みすぎの胃に優しいのが嬉しい。
えびいもとさわらの柚子おろし煮

えびいもは代表的な京野菜で、サトイモに似ている。東京に帰って偶然見たNHK番組でえびいもが紹介されていた。反った形や殻に似た筋目など人工的に上手に作る手間が大変なようだ。そんな努力を知ると「お百姓さんありがとう」と子供のとき唱えていた給食の時間が思い出される。
それなりに京料理を楽しんだが、今更ながらよそ者が京都を知る限界を感じざるを得ない。
京都の大学を出た父が、「本当は京女を女房にするつもりだったのに」と言っては母の反感を買っていた。それに対して、ハワイ生まれの父に「外人のくせに」と母は罵る。思えば似合いの夫婦だったのだろう。
「一見さん大歓迎」の先斗町を歩きながら、「東おとこに京おんな」ではない両親を思い出して、一人ニヤついた。
きまぐれきっちん たまゆら
京都府京都市中京区四条通先斗町上ル 西側22番路地
075-211-2469
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2006年12月21日
[こんべ](広島)
広島で韓国料理
全国を歩いていると新幹線の駅が繁華街からはずれているところが多い。前日、駅ビルにある「麗ちゃん」でお好み焼を食べたので、今日は違うものを食べたいと思ったが広島駅周辺は飲食店も少なくて寂しい。午後のアポまで時間があるので駅裏をぶらつくことにした。
12時近いのにシャッターが降りたままのビルが散見される。何気なく目を上げたら「愛友市場」の看板が飛び込んできた。

市場には必ず食堂があるはずなので、ブラブラ歩きの目標が定まった。部下を連れたネクタイ族が市場をうろつくとやけに目立つが、札幌、金沢、福岡などなど市場を覗くのが大好きな銀髪にとってはまったく気にならない。
足を踏み入れてみると、拍子抜けした。築地場内市場などを見馴れている者からすると、なんとも寂しい市場だ。愛友商店街と言ったほうがいいように思われた。
そんな市場なので当然のことながら食堂も少ない。諦めて市場を出ようとしたところで部下が「こんべ」の看板を見つけた。広島に来てなんで韓国料理を食べなければならないんだと一度は却下しようと思ったが、部下の希望を無下に打ち砕くのは可哀想だと思い直した。狭い階段を2階に上がった店に入った。
予想通りというかすいている。予想外と言おうか客は誰もいない。家庭料理というとおり、本当にどこかの家庭に上がりこんだ感じだ。敢えてテレビの見えるカウンター席に座って銀髪はクッパを部下は豆腐チゲ定食を頼んだ。
クッパ

女将さんが持ってきてくれたスポーツ新聞を読んだり、テレビを見上げたりして料理が出来上がるのを待った。出てきた鍋はグツグツと音を立てそうな感じだ。用心しながら一口食べたらしっかり口の中を火傷した。少し冷まさなければ食べられそうにない。二口目を食べたらやはり火傷した。こんなことを4・5回繰り返したがなかなか冷めない。
それでも待てないので本当に苦労しながら3分の1ほど食べたところで、ようやく火傷の危険が過ぎ去った。予想に反して大変美味しかった。辛さも銀髪にはちょうどいい。すなわち結構辛い。部下の選択は間違いではなかった。
夕方、仕事を終えて広島空港行きのバスに乗ると日本語、韓国語、中国語の3ヶ国語でアナウンスされた。考えてみると、広島でたくさんの朝鮮人が被爆した。強制労働で連れて来られた人も多かったのだろう。日韓市民レベルの会合の打ち上げがこんべで行われたこともあるという。
こんべの韓国料理が美味かったのは決して偶然ではないような気がした。
韓国家庭料理 こんべ
広島県広島市南区松原町4-24
082-264-6759
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2006年12月20日
[きっ川](広島)
瀬戸内を喰らう
宿泊先のグランピィアにはコンシエルジェすらないので、いつものようにりーガロイヤルホテルまで車を飛ばした。そこで紹介されたのが「きっ川」だった。小さなビルの3階と聞いてちょっと不安になったが、以前紹介された「水軍の宴」も間違いがなかったことを思い出したら元気になった。
開店時間の5時半ぴったりに一番乗り。右手に個室が3部屋あり、我々は10席ほどのカウンターの一番左に陣取った。大将の吉川さんが笑顔で迎えてくれた。地物を中心に食べたいと言うと、お任せの方がいいと勧められて従うことにした。
お通しはゆば豆腐

刺身の盛り合わせが出されたところで、大将の顔がカウンターの上にニューッと出てきて説明する。ひらめ、ひらそ(ヒラマサ)、柳かつお、大あなごの洗い、小イワシ(カタクチイワシ)、たち貝、にしなど瀬戸内の刺身が並ぶ。
小イワシ(写真中央)

小イワシは禁漁期間のため他の魚を獲る網にたまたま入ったものしか食べる機会はない。今の時期では貴重品と聞いたためか、これが一番美味しかった。
メバル、サワラ

広島近辺では磯釣りでメバルがたくさん釣れるらしく、地元のYさんは3日で400匹を釣ったと自慢していた。きっ川のメバルは音戸で獲れたもので、Yさんのメバルより遥かに立派なサイズだ。
岡山に行けばサワラがなければ始まらないと言われるが、広島で食べてももちろん美味い。サワラは春の魚(鰆)と書くとおり春が旬ではあるが、身が締まった冬の方がいいと言う人もいるそうだ。
穴子の天ぷら

広島に来てもっとも楽しみなのが穴子。きっ川では穴子取りの名人「とらさん」から買い付けるとのこと。肉厚で脂が乗った立派な穴子だった。
土手鍋

広島の冬に牡蠣は外せない。残った汁まで飲みきった。
お食事

米は地元の契約農家から、昆布は2日かけて大将自ら煮付ける。椀に入った地物の蛤は小粒だが味は深い。
満腹になってはいるのだが、壁に貼られたメニューから目が離せない。おこぜ、馬面はぎも魅力的だが、要予約の渡り蟹が気になって仕方がない。
我慢しきれず大将に「渡り蟹は美味いよねー、予約かー 残念だなー」と言ったら、「酒は残っているの?」と聞く。頷くと「少し食べてみる?」と悪戯っぽく笑う。
渡り蟹

スーパーで売られている中国産の冷凍物しか知らない部下が不思議そうにしているが、瀬戸内の渡り蟹は品のいい身を持つ高級蟹だ。
「次に来るときにはもっと美味いものを食べさせるから、必ず1日前に連絡してくださいね!」と念を押されて店を出た。帰るときには店は満員御礼の状態で、しかも客層がいい。
料理もいいが、大将がとってもいい。
「美男子ではないが」と言ったら怒られそうだが、客のところに料理を運び、説明し、誇らしげに微笑む大将がとってもいい。
旬魚 きっ川
広島市中区本通5-13
082-241-0002
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2006年12月19日
[松月庵](新宿)
創作料理も出す気鋭の蕎麦屋(?)
松月庵主人のグルメ・ブログを見て蕎麦屋なのにロールキャベツやエビチリなどを出す両国の「業平屋」を思い出して出かけた。ホームページによると蕎麦屋らしくない創作料理も自慢のようだ。期待を持ってメニューを開いたが、どこにも驚くようなものはない。差込のメニューもなく、壁の貼り紙にも期待に応える料理はない。創作料理は予約客のみに供されるようだ。
席の間を忙しく働いている少女をつかまえてお奨めを聞いたが、目が宙を泳ぐのを見て嫌な予感がした。彼女が何とかひねり出した答え=だし巻き玉子を頼み、そばがき、鴨焼きなど蕎麦屋の定番料理と、唯一の変り種かもしれない海鮮カルパッチョ風サラダを加えた。
だし巻き玉子

お通しでビールを飲み、冷酒に移ったところでだし巻き玉子が出てきた。味は悪くない。創作料理のことは頭から振り払って、普通の料理を楽しむことにした。しかし、それから1時間待ったが次の料理は出てこなかった。その間に後から入ってきた2組の客が、ちょっと飲んで食事を済まして出て行った。
さすがに痺れを切らして、文句を言えば泣き出してしまいそうな少女をつかまえた。笑顔も見せずに忙しく動き回っている彼女を気遣っていたが、このままでは我々の胃袋が泣き出しそうだった。「注文は通っているの?」と聞くと、か細い声だがはっきりと「ハイ!」と応えた。様子を見ていると、少女が調理場に戻り我々が頼んだ料理を告げている。料理を出すタイミングを差配するのも少女の役目のようだ。
そばがき

立ち上がって高い仕切りの向こうの調理場を覗くと、そばがきを練っている主人と目が合った。この仕切りがある限り、客席の様子を主人が知ることはできないだろう。すぐに出てきたそばがきは立派なもので味も悪くなかった。
サラダ、鴨焼き

残りの品も次々に出てきた。蕎麦屋にしては珍しいカルパッチョ風サラダの出来は今ひとつだったが、蕎麦屋の定番である鴨焼きは美味かった。もう一つ鴨のつくねも頼んだはずだが、少女は書き取るのを忘れたようだ。
業平屋では大将はそば関連の本業に徹し、女将が酒の肴や創作料理を担当する。配膳、料理の説明など客への対応は大将自らがやっているので、松月庵のようなことは起こりえない。
ブログ仲間として会話をしたかったのに、勘定を払って店を出るときになっても、主人が客の前に姿を現すことはなかった。
調理場との壁を取り払い、主人の顔が見える店になれば、しっかりした料理+サービスに客はもっと満足するに違いない。
松月庵 新宿御苑前
東京都新宿区新宿1-3-5
03-3226-4488
http://www.shogetsuan.net/
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2006年12月18日
[翠峰]続(静岡)
昨日のコース後半の料理

煮物はえびと貝、大国麩。京の麩なのだろうか、網目状にスジが入った面白い麩だった。
伊勢海老

立派な伊勢海老が出てきた。身を覆っているものはえびのみそと卵の黄身を合わせたもののようだ。オーブンで焼いているので身が固くなっていたのが惜しかったが、伊勢海老らしい濃厚な味は楽しめた。金柑を大根で巻いたものなど、付け合せも凝っていて嬉しい。
伊勢海老がメインかと思ったら、まだまだ続きがあった。

あわび、フカヒレ、すっぽんが入っている大きな鍋が出てきた。すっぽんは中華料理でもよく使われる食材なので、中華風にも見えるが日本料理らしい繊細なところもある。県内の浜名湖はすっぽんの養殖でも有名だが、翠峰で使われているのは大分産とのこと。どちらがいいか意見は分かれるようだが、高級料理屋では大分産の方が多く使われているようだ。たっぷりと取り分けてくれたが大鍋を食い尽くすことは出来なかった。
麦飯とろろ汁、ふぐ茶漬け

食事は2つの中から選ぶ。静岡名物であり、この店の看板料理はもちろんとろろ。銀髪とお客様は当然とろろを選んだが、部下のNはふぐ茶漬けがいいと言う。高級なイメージが強いふぐに惹かれたようだが、とろろ汁も強制的に食べさせた。食に対する関心が希薄なNを教育しなければならないと思ったのだが、本人は迷惑そうだった。
とろろ汁はもちろん美味かった。腹一杯だが残すのはもったいなくて二杯食べた。
漬物の中には、自然薯を生のまま切ったものが添えられていたが、Nは気がつかないままに食べていた。先に出た金柑は大根だけ剥がして食べる始末。金柑が嫌いかと思ったら、そんなことはないと裸になった金柑を口に放り込んだ。
食い物にうるさそうで、その割りに食に無関心なのは男の方が多い。女性の方が遥かに貪欲で楽しみ方を知っているといつも思う。
最後はフルーツとぜんざい

抹茶が出て、ぜんざいには不揃いの箸、しかも湿っている箸がついてきた。一流の料亭でまさか洗いたての箸を間違って出すはずはないと仲居さんに聞いた。茶会席の作法だそうで、2本揃った箸は取り回し用の箸で銘々で使う箸は不揃いにする。湿らせているのも作法どおり。勉強になった。
一人2万円のコース。広い部屋で仲居さんがほぼつきっきりでサービスしてくれる。東京でも何度か料亭に行ったが、料理もサービスも決して負けてなくてこの値段。築地田村で修行した板さんの腕も確かだ。
エレベーターを降り、庭の階段を下りて店を後にした。しばらく歩き振り返ると女将と仲居さんがまだ見送っている。
静岡も捨てたものではない。
滴翠庵 翠峰
静岡県静岡市駿河区泉町3-13
054-281-1066
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2006年12月17日
[翠峰](静岡)
静岡の料亭にて
伊豆、焼津、浜名湖など県としてはたくさんの観光地を擁する静岡だが、静岡市の名物料理を探すのは難しい。そこで静岡市は政治の中心地だから料亭はあるはずだと考えたら予想は的中した。いくつかある料亭の中から静岡駅まで歩いて行ける翠峰を選んだ。
タクシーを降りて翠峰を見上げると入り口に繋がる日本式庭園のすぐ向こうに鉄筋コンクリートの大きなビルが見える。創業から50年の料亭は16年前に姿を変えたらしい。玄関に入ると日本家屋に入った気分になるが、靴を脱いで少し進むとエレベーターに導かれる。乗り込むとエレベーターの床には畳が敷かれてあった。不思議な世界だ。
我々3人に広すぎる個室には掛け軸がかかり、行灯風の電気スタンドが淡い光を放つ。掘りごたつ式のテーブルに、ふかふかの座布団を敷いた座椅子に肘掛など居心地のいい立派な料亭になっている。個室専用のトイレもあり行き届いている。
座るなりしそ茶が出され、食前酒が朱の盃に注がれた。

先付け

懐石料理の楽しさは前菜にある。工夫を凝らした料理が、少しずつ多品種味わえる。
左上の器にはほたて寿司・あんこう・からすみ・あん肝・伊勢海老・蒸かしたゆり根饅頭などが、右の器にはさよりの白和え、中央はかぼちゃの和え物、お椀にはしめさばとえびが入っいる。
からすみの横には定番の大根が添えられたり、えびの頭も食べられるように揚げてあって行き届いている。ゆり根饅頭が珍しくて美味だった。猪と戌の器は干支が変わる年末年始を表していて面白い。
鯉こく

椀物は鯉こくと鮭の粕汁のどちらかを選択する。銀髪は迷わず店の自慢料理という鯉こくを頼んだ。みそ仕立ての椀は甘めだがコクがあって自慢と言うだけある。骨も食べられるほど柔らかく煮込んであった。
ふぐ刺し

正直言ってふぐはあまり期待していなかったが、そんな時は必ず満足のいく結果が出る。少し厚めに切った身はポン酢をつけなくても甘くて味があった。遠州灘産の天然物というわけではないが、このレベルのふぐが出てくると嬉しい。
炙り鮪トロ

中トロは表面だけ軽く炙ってあり、わさびではなく大根とねぎで食べるとさっぱりした味になる。
ここまででまだコースは半分程度。後半の料理は明日に紹介しよう。
滴翠庵 翠峰
静岡県静岡市駿河区泉町3-13
054-281-1066
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2006年12月16日
ワインの見分け方
分かったらつまらないかもしれないけれど
先日、クラブで友人が馴染みの女性にせがまれてワインを頼んだ。クラブでワインを頼む馬鹿はいないと常々言っていた友人だが、断りきれないこともある。小さなそのクラブにはワインの買い置きがないらしく、店の人が酒屋に走った。このクラブにはワインを扱い慣れた人がいなかったので、栓を抜く役目が銀髪に回ってきた。
一本目を開けたときの感触は良かった。同じワイナリーの物だが種類の違うもう一本を開けようとしたらコルクがきしんで、引き抜いたら割れ目が出来た。保存状態が悪かったのか、コルク自体が粗悪なのか分からないが、味は一本目の方が明らかに上だった。
状態の良いコルク(左)、悪いコルク(中)、圧縮コルク

味と比例するわけではないが、栓とワインの価格はほぼ比例する。栓には天然コルク、くずコルクを固め合わせた圧縮コルク、プラスチック素材の代用コルク、金属栓の4種類がある。プラスチックの代用コルクはワインよりもスパークリングワインで多く使われる。
何かのパーティーで粗品代わりでもらったワインを開けてみたら圧縮コルクが使われていた。もちろん、ありがたく、感謝しながら美味しくいただいた。
天然コルクを使っていても、値段はピンキリで素人には容易に判別できない。ところが、意地悪なのか親切なのか分からないが、値段に合わせてワイングラスを変えてくれる店がある。ワインリストを独占していかにも高いワインを頼んだように見せても、出されたグラスを他のテーブルと比較してみると、いくらぐらいのワインを頼んだのか一目瞭然である。
紅花にて

「ゴールデン・ドロップ」で書いたように、半額セールのはずが大きな丸みがあるワイングラスのものは安くしてはくれなかった。
紅花別館でワインを2本頼んだが、グラスは露骨に差をつけられた。別のテーブルでも赤ワインが飲まれていたが、写真右のグラスと同じものだった。もちろん左のワインの方が遥かに高い。
値段が安くたって美味いワインはたくさんある。高くたって口に合わないワインもあるので気にする必要はない。高いのじゃなければ嫌だと言う相手はふってしまえばいい。
イヤイヤ、ふる前にふられるかな?
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2006年12月15日
[大名茶屋](金沢)
加能蟹を知っていますか?
ズワイガニは水揚げされる地方によって鳥取の松葉蟹、福井の越前蟹などと呼び名が変わる。石川では名前がなかったが、今年から加能蟹と呼ばれることになったらしい。加賀と能登から一文字ずつ取った妥協の産物のように思えるが、皆に認知されるのにどのぐらいかかるだろうか。
金沢や富山で蟹を食べたいと言うと、セイコとかコウバコと呼ばれる雌を勧められる。確かに卵の内子、外子は美味しいのだが、この日は身が厚い雄を食べるとの固い決意で大名茶屋に入った。
席に着いてメニューを見始めると、今日のお客様も雌を食べた方がいいと言ってくれたが、気持ちは揺るがない。仲居さんに赤い文字で「オススメ」と書いてある特大加能蟹を注文したら、野望は見事に打ち砕かれた。「今日はもう売り切れました」
まだ6時で売り切れるほど客が入っているとは思えないので、もともと仕入れがわずかしかなかったのだろう。意気消沈して止むを得ず中型の活き加能蟹を足は刺身で、甲羅を炭焼きでいただくことにした。
刺身(はまち、越中バイ貝、アマダイ)、ぶり大根

蟹の前に寒ぶりの刺身を食べようと頼んだらこれも売り切れ。仕方なく地の物をお任せで持ってきてもらうことにした。それと悔し紛れにブリ大根。
カレイ一夜干し

金沢に何度も来ていると、メニューの中に特別目新しいものを見つけることが出来ない。北陸自慢の魚の一つがカレイだということを思い出したが、塩焼きは先日漁火で食べたばかり。同行のIは再度食べたいとすがりつくので塩焼きといしる醤油漬けを一つずつ頼んだ。いしるとは魚醤のことで、いしる漬けの一夜干しこそが金沢名物。地元の人が勧めるだけあってなかなかいい味だった。
かに刺しと焼きかに

期待が大きかっただけに感激するほどの美味さではなかった。洗いにした刺身は味が飛んでしまって寂しかったが、剥いてない足の殻を軽く炭火で炙って吸った身はネットリした刺身の食感があり若干点数を稼いだ。
甲羅に出されたかにみそは一口だけ味見させてもらいお客様に渡した。それが部下のIに回されたまま銀髪に戻って来ない。気がついて甲羅を手元に寄せたら中は空っぽ。無遠慮にIが食べつくしてしまった。悔しいやら腹が立つやらで怒り心頭だがお客様の手前冷静を装い、甲羅に熱燗を注いで飲んだ。
もうIにはボーナス無しだ! プンプン(・_・) 食べ物の恨みは恐ろしいんだぞ!
大名茶屋
石川県金沢市此花町7-5-1
076-231-5121
http://www.kanazawaryouri.com
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2006年12月14日
[漁炎風ISARIBI](新宿)
昔はよく炉端焼き屋に行ったものだ。
30年以上前だろうか、炉端焼き全盛の時代があった。今はあまり見かけなくなったような気がする。銀髪が酒場にデビューしたのは大学に入ってからだから30年ちょっと前には、炉端焼き屋は東京でも地方都市でもたくさんあった。広い焼き場を必要とする炉端焼きは非効率でコスト高なのだろうか。
セントラルキッチン式の居酒屋に駆逐されたのかもしれない。
区役所通りに面したビルの3階で降りると、洋食の店のような炉端焼きでイメージした店とはかなり違う店があった。洋風のドアを開けると右側に焼き場があり、広いカウンター席がそれを囲む。接客は黒を基調とした服で身を包んだ女性たちが中心だ。きびきびとして気持ちがいい。
今日のお勧めの一枚物のメニューや、壁に貼ってある札を見るとかなり高めの値段設定なのがわかる。昔の懐かしい居酒屋炉端とは明らかに異なる。素材の殆どに産地が記されており、値段の高さを納得させるだけのこだわりも感じた。
まずお通し

女性スタッフにお勧めを散々聞いた挙句、牛スジの煮込みとメカジキのスペアリブを注文した。

牛スジ煮込みは自慢料理のトップに上げているだけに、かなりいい出来だ。但し、ハチノスなどの他の部位のモツも入っているので、牛モツの煮込みとした方が正確だ。フレンチやイタリアンに負けない内臓料理が日本にもあることが嬉しい。
スペアリブは背びれの部分で、滅多に口にすることが出来ない代物。かすべ(えいひれ)に通じるところもあるが、さすがに大型の魚らしく身は厚い。
目の前の野菜にも興味津々だ。鮮やかな緑と赤の万願寺唐辛子と竹の子を焼いてもらった。
唐辛子でもなく、ピーマンでもパプリカでもない京野菜の万願寺は素晴らしい大人の食べ物だ。

12月に新竹の子を食べるのは初めてだが、鹿児島産など12月には出回り始めるというから驚く。春先の竹の子には劣るものの、この時期に食べると感激してしまう。本格的な冬到来の前に、早くも春を感じさせてくれた。
野菜をつける2種類の味噌もいい出来で、野菜を食べ終わった後も酒の肴に最高だった。
料理以上に感心したのは副支配人の中野さんを始めとする、フロアスタッフの接客サービスだ。外国人のアルバイトに依存している店では味わえない心地良さを演出していた。
炉端焼きの割には料理人との距離が遠い店ではあるが、フロアスタッフがそれを補っている。料理は間違いなく和食だが、サービスはイタリアンやフレンチの店に近い。不思議な雰囲気の店ではある。
漁炎風ISARIBI
東京都新宿区歌舞伎町1-3-15 ザカテリーナビル3F
03-5285-0770
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2006年12月13日
[金城楼](東京駅大丸店)
デパートの中にも名店あり。
金沢の金城楼本店でパンフレットをもらって、東京駅の大丸に支店があることを知った。東京駅の飲食店は地下や低層階にあるものしか思いつかず、百貨店の上層階はすっかり忘れていた。味やサービスは本店での経験から問題ないと予想できたので、地方に戻られるお客様が新幹線の発車直前までくつろげる場所としては最適に思えた。
当然のことではあるが、本店の歴史ある建物に比べれば大丸店は質素な佇まいに見える。それでも個室に通されると、落ち着いた雰囲気はある。料理はコースを頼んで、追加も可能なスタイル。アラカルトだけのオーダーはできない。
先付け、前菜

先付けはあんこうの肝の入った豆腐。前菜はなまこ、いくら、ぎんなん・くわい・蓮のチップ。くわいのチップを食べて、金沢を思い出した。
かに豆腐、お造り

金沢らしい材料は甘海老だけで、鯛と鮪ではちょっと寂しい。本店のようにブリの刺身が欲しいところだ。
煮物、焼き物

えび芋、えび、麩などが入った煮物。金沢は加賀野菜が有名。えび芋とは○○
麩も金沢を代表する食材。以前大きな車麩の入ったおでんを金沢駅前のおでん屋で食べたのが懐かしい。
料亭らしい焼き物はかますの塩焼き。
かに

メインはやはり冬期限定の蟹。小振りのメス蟹はコウバコともセイコとも呼ばれるが、大型のオス蟹と異なり身より卵が喜ばれる。築地で数百円で買えるし、小型なので家庭の鍋でも茹でることが出来る。地元の人が食べるのはもっぱらメス蟹の方だ。
鴨治部煮

このコースには肝心の鴨治部煮が入っていないので追加した。一口食べて驚いた。本店と違い、甘さ控えめである。東京人の口に合わせたのだろうか。
食事はジャコメシ、デザートはぶどうと洋ナシ。一口ずつ食べたが、それなりに手を加えてあって面白い。
加賀料理の伝統を忠実に守っている感のある本店に対し、伝統の良さを残しながら東京に適応している大丸店。比較が出来て本当に楽しかった。
金城楼東京八重洲店 (きんじょうろう)
千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店 8F
03-3214-2288
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2006年12月12日
[紅花別館](日本橋)
「鉄板焼きはどうかい?」と聞いたら、みんな嬉しそうに頷いた。
会社の仲間を引き連れての食事会なので一番近い店を選んだ。近くにあるのは知っていたが、紅花には一度も行ったことがなかった。系列店でココットカレー(スリランカ・カレー)を食べたことがあるが、紅花を有名にした鉄板焼きは始めてである。
紅花のオーナーは気球で太平洋を横断した冒険家としても知られるロッキー青木氏。アメリカで包丁を振り回して調理するショー的要素を鉄板焼きに加味させて、アメリカンドリームを現実のものにしたことで有名になった。しかし、わが社の女性たちは誰も彼の名を知らなかった。
鉄板焼きを囲んで、詰めれば7人程が座れる席を4人で占領した。生ビールを頼んだら、大きなジョッキが出てきたのを見て、何となくこの店の内容を感じ取った。
メニューを見たら比較的リーズナブルなので、量が比較的少ないコースを選んでロブスターを追加した。
サラダ、スープ

サラダはサイドディッシュとしてはかなり大きめ。アメリカにいるような気分になる。
うって変わって小さなムール貝のカレーとクリーム仕立ての2種類。スープも多いと嫌だなと思っていたが、鉄板の上で温めるアルミホイルの器はちょうどよい大きさに見えた。
ロブスター

体色が緑色のロブスターはカナダ産。大きさの割りに安いので「冷凍ですね」と聞いたら当たり。この値段で活きの訳がないだろうと言いたげな根本さんは、髭をたくわえた立派な風貌のベテランシェフ。銀座店で30年、日本橋で8年の経験を持つ。にこやかに話をしながらの見事な包丁捌きは雰囲気がある。
サーロイン・ステーキ

皿に盛られてきた生肉を見て外国産肉と悟った。根本さんによるとオージービーフとのこと。オーナーのロッキー青木氏は日本人だが、紅花発祥の地はアメリカ。狂牛病騒ぎの前までは米国産牛だった。オーストラリアに長年住んでいた銀髪にとっても久し振りのオージービーフは噛むほどに味が出る。
和牛が出てくると期待していた他の面々には悪いことをした。健康な赤身の肉がいかに美味しいかを力説しても言い訳にしか聞こえなかっただろ。
紅花は日本でも8店舗を有するが、根本さんのような鉄板焼き名人が腕を振るう店は日本橋別館しかなくなってしまった。別館に隣接していた本館も今はない。
他店の半分ほどの値段で飲める高級ワインを飲んではしゃぐK以外の人たちにとっては、根本名人の腕と会話、そして初めて食べたと言うガーリックライスが何よりのご馳走だったようだ。
紅花別館
東京都中央区日本橋1-2-15
03-3278-8839
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2006年12月11日
[栄一](京橋)
久し振りに行ったのは東京・京橋の栄一だった。
晩飯どき、あてもなく昔の職場の近くに向かった。ふと横を見ると栄一の看板が見えた。栄一はランチに焼き鳥丼を食べによく行った店だが、夜は一度のみで店の記憶も薄れてしまった。「写真を撮らせてくれるかな?」気弱な銀髪に夜に何度も行ったことがあると言う連れは、「大丈夫ですよ」と心強い。
6時を少し回っていたが、1階席には誰もいない。カウンターに案内されてすぐに、「料理の写真を撮っていいですか?」と言ったら、手前の若い方の職人が奥の主人に聞いてくれた。「いいよ!」の声にホッと一安心。串6本の軽めのコースを頼んだ。
付け出し、ささみ、焼き鳥

カウンターは煙よけのためか、かなりの部分が焼き場とガラスで仕切られている。1階は我々2人だけだが、地下と2階の個室に客が入っているらしく、忙しそうな焼き場の二人に話かける雰囲気ではない。わさびを乗せたレアのささみに舌鼓を打ち、次の焼き鳥をパチリと撮ったところで、奥の主人からガラスの仕切り越しにクレームがついた。フラッシュが邪魔のようだ。
胡瓜の漬物、鴨焼き

調理場の二人に謝って、フラッシュがたかれないようにセットした。店内は明るいので、フラッシュなしでも撮れそうだ。胡瓜を撮り、食べて、次に鴨を撮ったところで主人から怒りの声が飛んできた。「撮るなと言っているのだから止めなさいよ!」と苛立っている。さっき以上に平謝りして、カメラをしまった。写真自体が気に入らないらしい。
従って、コースの続きであるぎんなん、うずらの卵、つくね、スープ、デザートのメロンの写真はない。
つくねが出て、2度目の淀んだ空気がようやく収まってきた頃、1階席の予約客が入ってきた。3組目の客は常連らしく、職人たちがにこやかに話し出した。居丈高な主人の物言いにムッとしなかったわけではないが、彼らの笑顔をみていると満更嫌な奴でもないようだ。険悪なやり取りが、他の客が居ない時で良かったと思った。
スープが出てくる前にすずめ焼きを追加した。骨ごとバリバリと食べた。豊橋に居たときに駅構内の焼き鳥屋でよく食べたのが懐かしい。「すずめは東北で捕獲された野生のもので‥」と若い職人が話し出した。連れとしていた銀髪の豊橋時代の話を素知らぬ振りして聞いていたようだ。席を蹴って店を出ていたら、嫌な気分が双方に残っただろうが、ちょっと安心した。怒った方も気分がいいわけではない。
メロンが出た後でもう一品、レバー焼きを食べた。この店を知るためにどうしても食べたかったのだ。わずかにレアで出てきたレバーは思ったとおり美味かった。上手に焼くには柔らかすぎるためか、間に心臓が刺さっているのが面白い。
満席になった。予約なしで来た客が、入店を断られている。ボチボチ我々も潮時だ。勘定を済ませて、店を出るときに女将さんが「申し訳ありませんでした職人なので‥」と頭を下げる。それを「いえいえ、こちらこそ気分を害させて申し訳ない、主人によろしく伝えてください」と制した。
二人の職人は兄弟だそうだ。女性たちも身内の家族的な店のようだが、1・2階と地下に入った大勢の客を少人数で仕切るのは大変だろう。
それにしても、ジューシーなレバーの写真を紹介できないのが残念である。
栄一
東京都中央区京橋1-5-1
03-3281-6578
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2006年12月10日
[ウノ]③(日本橋)
久し振りに夜のウノに行った。
今年めぐり合った店で、トップ3に入るのがウノ。高くて美味い店は当たり前なので、誰でも行ける店であることが選考基準の一つだ。今日は結婚式を間近に控えたNと、そのフィアンセを招待した。
彼女の名前を聞く前に、既に入籍したことを知らされた。新婚旅行のパスポートを取得するには結婚式より入籍を先にした方がいいとの判断らしいが、形式より実を求めるのは今風である。そうであれば、こちらも楽。名前を聞かず、「奥さん」で通した。
ゴルゴンゾーラチーズ、自家製ベーコン

ゴルゴンゾーラを食べて、N夫妻は驚きの表情をした。青カビのチーズというと、見ただけで敬遠する人が多いが、ウノのものは塩分も臭みも少ない。奥さんはいつも抵抗感なく食べているようだが、毛嫌いしているはずのNが何個も食べるのを見て実に嬉しそうな顔をする。
メニューにない自家製ベーコンを頼んで、「銀髪と来て良かったでしょう?」と誉め言葉を強要する銀髪。
にしんの燻製、タコのカルパッチョ

新メニューの中から2品。ピザに行く前の箸休め、ワインの肴としては適当だ。
ポルチーニ茸のピザ

ゴルゴンゾーラのピザ

何度も書いているので多くを語る必要はないだろう。銀髪が一番好きなゴルゴンゾーラのピザは今日も美味かった。
7時過ぎに福山オーナーが現れ、若いカップルのために生ハムをサービスしてくれた。これもゴルゴンゾーラと同様に塩分が薄くて食べやすい。

銀髪だけならここまでの料理で充分だが、甘い二人に甘いデザートを食べてもらうことにした。それぞれ、少しずつ味見したが、どれも福山さんが自慢するだけあって、他店のものとは違う。ティラミス(右端)は高価なエスプレッソの機械があってこそ出せる味らしい。

福山さんが誇らしげに説明してテーブルを離れると、銀髪が「どう、いい店でしょう?」と自慢する。歳を取ると本当にしつこい。
それにしても蜜月の二人の幸せそうなこと。いい娘とめぐり合って良かったなとNを心から祝福した。中年の銀髪にはいい店にめぐり合うことぐらいしか楽しみがない。
あーあ、ちょっとため息。
UNO ウノ
東京都中央区日本橋本町1-1-8 共同ビル1F
03-3548-9161
http://www.bricklayer.jp/uno
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2006年12月09日
旅の宿
出張が多い身には旅の宿の朝食も一つの楽しみだ。
以前は老舗ホテルや外資系、航空会社系のホテルなどを中心に泊まっていたが最近は傾向が変わってきた。大阪、名古屋などの大都市以外だと、ビジネスホテルに泊まることの方が多い。
特にドーミーインなど新興ホテルの新築ホテルがいい。外資系の高級ホテルは別格だが、新築のビジネスホテルの方がベッドが大きい。インターネットも高速LAN接続が当たり前でもちろん無料。薄型テレビのおかげで狭い部屋でも圧迫感がない。温泉大浴場やサウナがあり、温泉旅館に泊まっているような気分になる。
老舗ホテルや航空会社系の一部では、インターネット接続をするためにフロントで機器を借りて、テレビなどに設置しなければならなかったりする。シングルルームは昔ながらの狭い部屋で圧迫感がある上に、全体の設備も老朽化している。朝食ではもっと差がつく。値段が高い上に、メニューは何十年も変わっていないかのように思える。
直近泊まったのはオープンしたばかりのドーミーイン金沢。14階に大浴場と露天風呂があり、サウナもついていた。ベッドは広めのセミダブルベッド。寝に帰るだけのビジネス旅行であれば充分だ。翌朝、1階のバイキング会場に行ってさらに感心した。有名な加賀野菜などを使った料理が並んでいた。
ディスプレイにも工夫があり、料理人が常に料理の前で目配りしているのにも好感が持てた。

朝食バイキングに定番のハム、ベーコン、卵料理ももちろんある。目玉焼きもオムレツも黄身がとろける程度に上手に料理してある。納豆、海苔、焼き魚、味噌汁、ご飯など和食も揃っている上に、お粥は五穀粥と凝っている。

一泊朝食付で6,400円は値打ちもので、敢えて見栄を張って高級ホテルに泊まり、レベルの低いサービスを受けるより遥かにお得である。従業員の接客態度も良かった。
吉田拓郎の「旅の宿」に歌われているような女性との艶っぽい旅とは異なるけれど、銀髪の「ビジネス旅の宿」は寂しくもあり、楽しみもありといったところだろうか。
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2006年12月08日
築地場内市場の12月
明日が週末では今年最後の買いどころ。
先週末、築地に行った。だんだん正月モードに入ってきたのが感じられた。あちこちで数の子が売られている。築地場内市場はプロのための市場だから、数の子も一斗缶単位での販売が主だが、中にはバラ売りをしてくれる店もある。贈答用の形が整った大型の数の子セットは高額だが、折れているものはかなり安い。家庭用ならこれで充分。
伊勢海老を売る店も心なしか増えた気がする。デパートや料亭で予約販売されるおせちに入る小型のものを多く見かけた。まだ需要も多くないのでそれほど高くないが、これから日を追うごとに値は吊り上っていくのだろう。
マグロ

取り敢えず、大間産の本鮪をゲットした。今年は例年より早く大間産本鮪が市場に現れたが、11月に入って急激に漁獲量が減ったらしい。漁獲高規制強化が散々報道されたことに加え、近海ものの鮪も不漁が続くと年末の価格が怖くなる。今年の食べ納めのつもりで買った。
ウニ

思わず手が出てしまったのがバフンウニ。家で食べるのなら写真のような色がバラバラでも、きれいに並べられてなくても問題ない。見栄えをよくするための手間賃をわざわざ払う愚は犯したくない。このウニの値段は2,700円。年末が近づくと1,000円以上も高くなると言われて飛びついた。
帰りに実家に寄って、母におすそ分けした。ミョウバンの臭いがするウニに懲りている母は孝行息子の申し出に首を振る。そこで一口食べさせたらもっと欲しいと言う。現金なもんだ。
牡蠣

殻つき牡蠣は殆どの店で20個、30個単位で売られているが、バラ売りしてくれる店もある。北海道釧路町昆布森の大型の牡蠣(180円)と釧路町の東隣り厚岸(あっけし)の牡蠣(150円)を味比べすることにした。隣町なのに味は大きく異なって面白かった。
美味しくなってきた冬の魚介類。価格が跳ね上がる年末に食べずとも、今食べてしばらく我慢するのも賢いやり方だ。
保存ができる数の子などは早めに買っておくことをお勧めする。築地でなくともどこの市場も同じ。
♪もうーいくつ寝るとー おしょうがつー♪
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2006年12月07日
[天香回味](日本橋)
薬膳鍋の店は日本橋三越の近くにある。
東銀座の「台湾海鮮」には3度行った。その本店は日本橋三越の向かい側、路地裏にある。予約がなかなか取れないので小さい店だと思ったが、実際行ってみると3階まであるので総席数では東銀座店とそんなに変わらないかもしれない。
定番のぐるなび限定薬膳鍋コースを予約しておいたが、クーポン券を持ってくるのを忘れた。店の人にそのことを伝えたら、クーポン券をコピーしたものを持ってきてくれた。なかなか優しいじゃないか。
この鍋には黒豚、海老、椎茸入り肉団子、さつまいも、にんにく、冬瓜、チンゲン菜、キャベツ、椎茸、エリンギ、タモギ茸、黒キクラゲが入る。

60種類もの天然の成分が入っているスープは美容にもいいとのことで、女性客が圧倒的に多い店だ。男だけのグループは銀髪の席から見た限りいない。
鍋が煮えてきて食べごろになった。二つのスープを混ぜて飲むが、辛い物好きの銀髪は赤いスープを多めに入れる。我がグループの女性陣も楽しく食べているようだ。

コースにない茸、山武士茸、アワビ茸、アガリクス茸を追加した。

アガリクス茸は制がん効果があるともてはやされたが、今はあまり聞かなくなった。鍋に入れる前にみんなの制止を振り切って食べてみた。味も香りも殆どない。薬効があるかどうかはもちろん分からない。
鍋に何度もスープを注ぎ足してもらい、何杯もおかわりした。この鍋は食べるより飲むのが大事である。食材を追加する必要はない。
コースの最後はクロレラ入り麺。これに一人一枚のフカヒレがつく。フカヒレと言っても実に可愛いサイズで麺の小鉢にすっぽりと納まる。これを鍋で少し煮込むと、スープを吸って柔らかくなる。写真を見ると実際より美味そうに見える。

恋人同士で鍋をつつくのもいいけれど、5人で囲んだ鍋は賑やかで楽しかった。
天香回味
東京都中央区日本橋室町1-13-1
03-5255-7255
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2006年12月06日
[マヌエル・カーザ・デ・ファド](四谷)
日本で初めてのポルトガル料理はちょっと面白い。
ポルトガル料理はマカオでしばしば食べた。代表的なのは鰯のグリル、アフリカンチキン、カレークラブなど。総料理長のマニュエルが最初に持った店がマカオだったというが、この店には銀髪がマカオで食べた料理はない。
入り口から左の広い禁煙フロアは圧倒的な女性客で占められている。喫煙席しか空席がなく、我慢を強いられるかと思ったら我々の他は団体客が一組だけ。しかも彼らも已む無く喫煙席に入れられたようだ。結局、煙も喧騒もない喫煙席でゆっくり食事をする幸運に恵まれた。
ポルトガル料理の初心者だと告げ、料理はお任せにした。
自家製パン、オリーブ、4種前菜

前菜は少しずつ4品。イベリコ豚のチョリソー、タコのサラダ、バカリャウのコロッケ、砂肝のトマト煮。バカリャウとは干し鱈のことで、ポルトガル料理の代表的な食材。コロッケに入った干物は噛み応えがあり、するめと同様に噛むほどに味が出てくる。
タコもポルトガル料理には欠かせない食材らしい。
バカリャウブラス

これも干し鱈を使った料理。ジャガイモ、玉ねぎと一緒に和えてポテトサラダ風だ。
鶏のプーカラ

大きな壺に入って出てきたのでびっくりしたが、中身はそれほどではなく安心した。壺はオーブンで蒸し焼きにされ、鶏肉と野菜のうまみが染み出している。フィリピンでもアフリターダ(Afritada)というよく似た料理があるそうだが、おそらくこれがアフリカンチキンの原型だろう。
ほぼ満腹になってきたので料理を止めようと思ったが、ごはんを食べなければ片手落ちとのこと。
海の幸のご飯

ブイヤベースにごはんを入れたような料理で、不味かろうはずが無い。
さて、これで終わりと思ったら、デザートが出てきた。デザートまで任したつもりはなかったが、ポルトガル特有の物なら味見してもいい気分になった。
デザート3種

アルフェイゼラオン風パォン・デ・ロー、マディラワイン風味のアイスクリーム、パスティシュ・デ・ナタ (ポルトガルのエッグタルト)。
左端のお菓子がカステラの原型。パンは英語ではなくポルトガル語である。
この店で感心したのは、どの店員に聞いても料理の説明をしっかりしてくれること。ポルトガルワインも美味しくて時間が経つのを忘れた。
最後に我々の相手をしてくれた一杉氏と話をしたら、東京駅近辺に新店舗をオープンすると言う。気楽に行ける店とのことだから、楽しみに待つことにしよう。
マヌエル・カーザ・デ・ファド
東京都千代田区六番町11-7 アークスアトリウムB1
03-5276-2432
http://www.manuely.jp/
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2006年12月05日
[きよ川](日本橋)
茅場町の蕎麦屋に行った。
「東証の理事長も来ていました」と言われて連れて行かれたのが「きよ川」という蕎麦屋だった。だから美味しいという保証はないけれど、T氏が是非にと言うのだから断る理由はない。
蕎麦屋にはいい酒の肴もあるはずだ。
お通し、うるか

お通しの卵豆腐は白魚が入っていて、ちょっと凝っている。うるか(鮎卵巣の塩漬け)を置いているなんて、酒飲みが好きなものが分かっているようだ。T氏の目利きはまんざらではないかもしれない。
なめろう焼き、厚揚げ、牡蠣

なめろう(青魚と野菜を混ぜて叩いたもの)は鉄板焼きにした人気商品。なめろうが苦手な人でも食べやすい。若い店員が明るく楽しく料理の解説をしてくれる。
厚揚げも店でしっかり揚げているので、カリッとして香ばしい。
牡蠣のグラタンが出てきたので、「広田産だろう?」と店員に言ったら、厨房に聞きに行った。戻ってくるなり「岩手産です」と答えたので、「岩手の広田だろう?」と言ったら、また厨房に引っ込んだ。結果は銀髪の正解。
ゴリ、めざし、きすの天ぷら

今度はゴリ。ゴリは同じ名前でも日本海と四国では魚が違う。ちょっと大振りのゴリを見て、「日本海産だろう?」と聞いたら、また厨房に引っ込む。秋田産とのことでこれも正解。
調子に乗って更に質問する。「めざしはどこ産だい?」。まさか居酒屋でめざしの産地を聞く客はいないだろう。答えられないだろうと思って面白半分に質問したが、厨房から戻って来た店員の答えは「四国産です」。
これだけ答えられたら面白半分も感心に変わる。店主が料理に真剣に取り組んでいるのが分かる。料理技術の前に、素材を選ぶ目が必要だ。決して高い店ではないので、客の懐に優しく美味いものを出すのを工夫しているはずだ。
酒も大吟醸酒が650円と非常にリーズナブル。安いとなると、ついつい大酒を飲んでしまうあさましさ。みんなのろれつが回らなくなってきたので、お開きにした。
ろれつが回らなくなると、頭まで回らなくなってしまう。正しい判断は「家に帰れ!」だが、向かう先は違う飲み屋。
次の店に入る間際に肝心なことを思い出した。「蕎麦屋でそばを食べ忘れた!」
蕎麦・季節料理 きよ川
東京都中央区日本橋1-21-4 中公ビル1F
03-3271-8435
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2006年12月04日
[大國屋鰻店](浜松)
浜松に来たら鰻を食べなきゃ帰れない。
「ふく島」で書いたように浜名湖を擁する静岡県は、日本で4番目の養鰻の地に落ちた。それでも浜松に来たからにはと思わせるブランド力は健在である。
ネット上で3店を選び出し、仕事先に向かうタクシーの運転手さんに素知らぬ振りしてお奨めを聞いた。出てきた2店の名前は銀髪が選んだ3店の中に含まれていたが、銀髪がつけた序列とは逆だった。
仕事が終わり、銀髪の1番の店に電話をして相手が出るなり話し出したが、無機質な反応に言葉を止めた。臨時休業を告げるテープの声を遮るように電話を切った。結局タクシーの運転手さんの1番の店「大國屋鰻店」に行くことになった。
電話を入れて予約が必要か尋ねたら、不要との答え。その話し方で店の様子は分かってしまった。
名古屋の「西本」と同じだ。老舗といっても極めて庶民的な店。メニューもいたってシンプル。おつまみのところに書いてあるものを蒲焼を除いて全品頼んだ。それでも、うざく、う巻き、鰻の天ぷら、白焼きの4品しかない。
うざく、う巻き

うざくは立派な品だった。どの店も鰻より胡瓜が幅を効かせているが、ここは多めの鰻が胡瓜を圧倒している。この700円はお値打ちだ。それに反してう巻きはアベレージの域を超えていない。
白焼き

うなぎの天ぷら

元々蒲焼より白焼きの方が好きなので、白焼きには大変満足である。恐らく初めて食べた天ぷらはそこそこ美味しかったが、次も頼もうとは思わないだろう。天ぷらとしては穴子が鰻より下等なネタでないことを証明してくれた。
棚入れ重

最後に棚入れのお重を頼んで皆で分けて食べることにした。蒲焼がご飯の上だけでなく、間にも入って段重ねのお重になっている。銀髪は最初上の鰻だけを取ったが、一口食べてからご飯も自分の皿に加えた。蒲焼はご飯と一緒に食べた方が美味いと悟ったからだ。天ぷらとは異なり鰻が蒲焼で他の追随を許さないのが理解できた。
大国屋に感動したと言いたいところだが、東京の一流店と比べると見劣りするのも事実。しかし、気軽な店の雰囲気を楽しむ気持ちがあれば満足感も高いだろう。
テーブル上の瓶に入った揚げたうなぎの骨はサービスで、ビールのおつまみには最適だ。有料のメニューにしているところも多いが、こんなところにも地方の店らしい優しさがある。
しっかり食べて、お酒をそこそこ飲んで3人で1万円もしなかった。それはそれで大きな魅力だと思った。
大國屋鰻店
静岡県浜松市田町324-16
053-452-0859
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2006年12月03日
焼き鳥X
「鳥かぽね」を出て焼き鳥Xに向かった。
連れが食べたいと言うネギマと軟骨を求めて区役所通り沿いにある次の焼き鳥屋に入った。店の大きさはそれほど変わらないが、鳥かぽねとは対照的にとてもきれいな店だ。入り口も店内も比較にならないほど立派だ。客の年齢層も高く、クラブの同伴に見えるカップルが何組かいた。
ビールから再スタート。「料理の写真を撮っていいですか?」と聞いたら、「何のために?」と怪訝そうに言うが、特に不快な様子も見せずに容認してくれた。
若い方が主人だろうか。年長の方は主人の親ほどの年齢に見える。年長者の目が怖い。
お目当ての焼き鳥が焼き上がる前に煮込み食べた。

500円の煮込みは量が多く、味もいいお値打ち品だった。この店の看板料理と言ってもいいのではないかと思った。主人に「美味しいよ」と話しかけようと思うのだが、焼き場が遠くてコミュニケーションを取る雰囲気ではない。
ネギマ、軟骨

写真を撮る前に軟骨は串を抜かれた。連れが待ちに待った料理だ。逸る気持ちも止むを得ない。メニューを見たらレバーなどの刺身も置いてあるので、いい肉を使っているようだ。ネギマも安心して食べることが出来た。
それでも鳥かぽねと比較すると居心地が良くない。最近は1本から焼いてくれる店が多いが、この店は2本が1単位。値段も高めだ。店の人の身なりはしっかりしているが、客に対する優しさが欠けているように見えたのは単なる思い過ごしか。もしかすると、店員は全員が雇われかもしれない。
店を出るときに名刺かそれに代わるものを求めたが、用意していないとのこと。箸も市販のもので「おてもと」としか書いていない。
そんなわけで、店名は「焼き鳥X」。店構え、料理の質に接客がついていってないのが何とももったいない店だった。
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2006年12月02日
[鳥かぽね](新宿)
若い店は気持ちがいい。
「焼き鳥を食べたい」と言ったら心当たりがあると言う。しかし、連れて行った本人は店名すら覚えてなく、味に対する評判を他人に聞いたに過ぎなかった。新宿駅方面から区役所通りを少し歩いて右に曲がったら、おばさんが客引きをしていた。そこが目指す店だと知ってちょっと驚いた。名前にも驚いたが、店構えからして美味しい店には見えなかった。
入って左にL字型のカウンター席があり、奥にテーブル席が一つだけの狭い店で、入り口に背を向けているテレビが目に入った。我々はテレビが一番見やすい奥のカウンターに陣取った。
メニューを見て、失望した。いい焼き鳥屋の条件を鳥刺しがあることだと思っている銀髪だが、メニューのどこを見ても刺身はなかった。仕方なくメニュー以外の料理を求めて壁に目を移したら、そこにレバーと心臓の刺身の札がかかっていた。紹介した手前不安そうにしている連れに振り返り、「この店は良さそうだ」と微笑みかけた。
心臓と肝臓の刺身

鳥かぽねは去年7月にオープンしたばかりの若い店だ。主人も店員も若い。年長のおばさんがオーナーかと思ったが、単なる店員だった。客足が安定しないとぼやく主人だが、一生懸命な様子が好ましい。刺身も問題なかった。
上から砂肝、せせり、ぼんちり

首の肉・せせりも、お尻の肉・ぼんちりもなかなかいい。焼酎の種類も多く、初めて飲んだ紫蘇の焼酎「鍛高譚」は独特の風味があり面白かった。
「いい店じゃないか」とご機嫌になってきた銀髪だったが、この店に来ようと行った奴が食べたいと言うネギマとナンコツがない。銀髪だけ喜んでいるのも申し訳ないので店を出ることにした。
客は入れ替わり、ほぼ満席の状態になってきた。客の主流である若者たちが、店名に使われているギャングの「アル・カポネ」を知っているとは思えない。店主はどんな思い入れがあってカポネを使ったのか聞きたかったが、殺到するオーダーに汗だくなので遠慮した。
「鳥かぽね」は朝5時まで営業している。たくさんの小さくてみすぼらしい店が、眠らない町・新宿を支えている。
鳥かぽね
東京都新宿区歌舞伎町1丁目2-6
03-3208-4893
http://www.toricapone.com/
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2006年12月01日
[銀もん](銀座)
銀座にある洒落たお好み焼屋に行った。
グルメ紀行にうってつけの店があると連れて行かれたのが「銀もん」だった。銀座でお好み焼屋とは違和感があるが、成る程銀座を充分意識した内装になっている。
カウンターとテーブル席、個室も二つある。客の8割は女性というのも頷ける。
店員は月島からスカウトしたそうで、本場に負けない料理を出すとのことだったが、本日のスポンサー氏が頼んだのは銀もん特製お好み焼と焼きそばだけで、店員のお奨めはすべて拒否された。
店員お奨めの代表格は月島仕込みの特製もんじゃだが、カウンターの鉄板焼きで焼いて、鉄板皿に乗せられてテーブルに運ばれるようだ。食べないで言うのもなんだが、品のいいもんじゃは何か違う感じがする。スポンサー氏は以前来たときに食べたらしいが、銀髪のためにオーダーしてくれることはなかった。
お好み焼きと焼きそばではいかにも寂しいので、銀髪は本日のお奨めの中から牡蠣の鉄板焼きを頼んだ。

大根おろしと九条ねぎがたっぷり乗せられている。牡蠣はちょっと火を通し過ぎの感があったが、九条ねぎが美味かった。メニューには「和牛すじと京都産九条ねぎの特製ねぎ焼き」というものがあり、ステーキを除くと一番高い(2,260円)がきっと美味しいに違いない。
お好み焼は普通のお好み焼と食感が違うのが気になったが、100%大和芋がベースで小麦粉を使っていないらしい。

以前、スーパーで買って、ゴルフの景品でもらって、頼んだのを忘れていたいたところに生協から届いて、と山芋が重なったことがあった。そのとき思いついて山芋だけでお好み焼を作った。ヘルシーで家族に大変好評だったが、銀もんのお好み焼はダイエット志向が強い女性に受けるだろう。
やきそばも味が薄めで品がいい。

本当に美味しかったと言いたいところだが、なんだか物足りない。お好み焼や焼きそばは雑然とした雰囲気の中で下品に食べた方が楽しい。屋台で買って立ち食いするのも嬉しい。
広島の「麗ちゃん」 のように、がさつな方が雰囲気がある。
女性と2人で来たら評価も変わるかもしれない。サラダやカルパッチョ、海の幸の鉄板焼きを前菜にして、デミグラスソース味のもんじゃや特製ねぎ焼きをメインにする。黒毛和牛のサーロインステーキでもいい。酒はもちろんキンと冷やした白ワイン・シャブリ。
ウーン、銀髪の周りの女性たちは、広島の麗ちゃんのような店か、銀もんか、どちらを選ぶだろうか。「どうせご馳走してくれるなら、お好み焼きよりも…」と言うのかな?
銀もん
東京都中央区銀座3-3-9 松岡銀座ビル5F
03-5179-7366
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