加能蟹を知っていますか?
ズワイガニは水揚げされる地方によって鳥取の松葉蟹、福井の越前蟹などと呼び名が変わる。石川では名前がなかったが、今年から加能蟹と呼ばれることになったらしい。加賀と能登から一文字ずつ取った妥協の産物のように思えるが、皆に認知されるのにどのぐらいかかるだろうか。
金沢や富山で蟹を食べたいと言うと、セイコとかコウバコと呼ばれる雌を勧められる。確かに卵の内子、外子は美味しいのだが、この日は身が厚い雄を食べるとの固い決意で大名茶屋に入った。
席に着いてメニューを見始めると、今日のお客様も雌を食べた方がいいと言ってくれたが、気持ちは揺るがない。仲居さんに赤い文字で「オススメ」と書いてある特大加能蟹を注文したら、野望は見事に打ち砕かれた。「今日はもう売り切れました」
まだ6時で売り切れるほど客が入っているとは思えないので、もともと仕入れがわずかしかなかったのだろう。意気消沈して止むを得ず中型の活き加能蟹を足は刺身で、甲羅を炭焼きでいただくことにした。
蟹の前に寒ぶりの刺身を食べようと頼んだらこれも売り切れ。仕方なく地の物をお任せで持ってきてもらうことにした。それと悔し紛れにブリ大根。
金沢に何度も来ていると、メニューの中に特別目新しいものを見つけることが出来ない。北陸自慢の魚の一つがカレイだということを思い出したが、塩焼きは先日漁火で食べたばかり。同行のIは再度食べたいとすがりつくので塩焼きといしる醤油漬けを一つずつ頼んだ。いしるとは魚醤のことで、いしる漬けの一夜干しこそが金沢名物。地元の人が勧めるだけあってなかなかいい味だった。
期待が大きかっただけに感激するほどの美味さではなかった。洗いにした刺身は味が飛んでしまって寂しかったが、剥いてない足の殻を軽く炭火で炙って吸った身はネットリした刺身の食感があり若干点数を稼いだ。
甲羅に出されたかにみそは一口だけ味見させてもらいお客様に渡した。それが部下のIに回されたまま銀髪に戻って来ない。気がついて甲羅を手元に寄せたら中は空っぽ。無遠慮にIが食べつくしてしまった。悔しいやら腹が立つやらで怒り心頭だがお客様の手前冷静を装い、甲羅に熱燗を注いで飲んだ。
もうIにはボーナス無しだ! プンプン(・_・) 食べ物の恨みは恐ろしいんだぞ!
大名茶屋
石川県金沢市此花町7-5-1
076-231-5121
http://www.kanazawaryouri.com
投稿者 銀髪 : 2006年12月15日 05:43
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