大阪で有名なカレー屋に連れて行かれた。
子供の頃、カレーをご飯に注ぐとすかさず万遍なく混ぜ合わせて食べたものだ。いつの日からかこれが下品な食べ方と言われるようになった。ご飯をフォークの背に乗せる、スプーンを使ってスパゲッティをフォークに巻きつける、などなど日本人が勝手に考え出した食事のマナーは多い。
自由軒のカレーは創業した明治43年当時のままという。出すときから混ぜてあるのは珍しかったかもしれないが、昔は誰もがこんな食べ方をしていたに違いない。ご飯とカレールーが同時になくなるように食べるのは結構骨が折れるし、本場でもグチャグチャに混ぜて食べるのが当たり前のようだ。
カレーライスとハヤシライスの2品が乗った皿を食べた。「熱いうちに卵を割り、ウスターソースをかけて混ぜ合わせて食べてください」と、紙に書いてあった。試しにそのまま食べてみたら味が薄い。ソースをかけてちょうどいい味になるように調理してあるというが、成る程そのとおりだ。ハヤシライスより名物インディアンカレーの方がいい。
家に帰って自由軒をインターネットで検索したら「自由軒」と「せんば自由軒」の2つが出てきた。「自由軒」のホームページでは「せんば自由軒」を非難している。創業者は共に吉田四一氏であると言う。「せんば自由軒」は孫の一人が「自由軒」の料理長を呼んで創業したようだ。親戚といえども何代も経れば赤の他人、ただの競争相手になるのだろうが、客にとっては骨肉の本家争いよりも味の争いを楽しみたい。
名古屋味噌煮込みうどんの「山本屋」、牛たんの「味太助」など商号に対する諍いは多々見られるが、自由軒も2系統あるとは大阪出身者でも知らないようだった。
自由軒のホームページによると、カレーに卵を乗せたのも、ソースをかけさせたのも、自由軒の発案だそうだ。卵もソースも高級品だった時代だけに、宣伝にはなっただろう。
我が家でソースをかけることはなかったので、カレーにソースをかける人を初めて見たときとても驚いたものだが、90年も前からの食べ方だったとは知らなかった。
感激してまた行きたいと思うようなものではなかったが、歴史を紐解く楽しさは味わえた。
銀髪はカレーに目玉焼きを入れるのが好きだ。昔、「カレー固め」と注文する声を聞いて耳を疑った。固めではなく片目つまり目玉焼き一個という意味と知って笑ったが、これを最初に使ったのはどこの店だろうか。
話はどんどん膨らんでいく。
せんば自由軒グリル さいたま新都心店
埼玉県さいたま市大宮区吉敷町4-267-2
048-600-1691
投稿者 銀髪 : 2006年12月28日 05:51
![こだわり [codawari] - ステイトクラスのための情報サイト](/common/image/header/logo.gif)
