町の大きな中華料理屋さん
日本橋高島屋の裏通りに新華飯店はある。向かいには耐震構造不足で営業停止に追い込まれた新築のアパホテルが聳える。これを見上げる新華飯店のビルは昭和39年・東京オリンピックの年に建てられた。2階のフロアを担当する女性はオーナー一族で、彼女のお爺さんが現在の地に平屋の店舗で創業した。実に50年以上の歴史を誇る老舗中華料理屋だ。
本格的な中国料理や本場並みの点心、ヌーベル・シノアの店がひしめく日本橋・銀座界隈にあって、新華飯店はラーメン・餃子をメインに据える昔ながらの町の中華料理屋さんである。
高級料理もメニューにあるのだろうが、何度も来ている我々はメニューを求めることはない。
麻婆豆腐、ニラレバ炒め、野菜炒め、かに玉、餃子、エビチリを頼んだ。銀髪が口出しすることはない。野郎共がいつも頼むのはこれに酢豚、唐揚げなど家庭料理として定着している中華料理ばかりだ。麻婆豆腐で明白なようにどれも予想どおりの味だ。最近流行の四川風の山椒が効いたものではなく、丸美屋の麻婆豆腐の素を連想させる。
豚耳などのおつまみ類もあるけれど、おじさんたちは馴染みのない食べ物を敬遠する傾向がある。常連のスポンサー氏が頼むのはカレーライスにワンタンかタン麺。ランチ時でも夜でも同じものを食べる。彼は新華飯店をカレー屋と呼ぶ。他の連中も「カレー屋に行くぞ!」で分かったしまうから恐ろしい。
中華料理屋だからといって上湯スープを使っているわけではない。玉ねぎを長時間炒めているわけでもない。豚肉も煮込んでとろけるわけでもない。昔懐かしいお母さんが作ってくれたカレーに限りなく近いようで、中年のおじさんたちに人気のカレーライスである。
おじさんたちに連れられて若い女性が混じることはあっても、女性同士のグループや愛を語るカップルに出会ったことはない。もちろん銀座のクラブのお姉さまが同伴に利用することもない。
それでも上の階で居酒屋気分で呑んだくれるおじさんたちや、1階で夕食をとる単身赴任か残業準備の1人客にとっては理想的なお店だ。店側も妙な背伸びや色気を持ち合わせていない。変わらないことも貴重だと思わせる店である。
新華飯店
東京都中央区日本橋2-8-10
03-3271-9915
投稿者 銀髪 : 2007年04月05日 05:56
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