生のいちじくを食べなくなって久しい
風長閑で飲んでいると、常連のKさんがお土産を持って来た。瓶詰めのイチジクジャムである。甘いものは嫌いだが、イチジクと聞いて思わず手を出してしまった。
福岡に住んでいた子供の頃、庭にイチジクの木があった。イチジクの木の下には茄子、ピーマン、イチゴなどが植えられていた。肥料と称しておしっこをかけていたのだから、今なら大目玉を喰らうところだろうが、当時あまり怒られた記憶がない。大らかな時代だったが、赤痢が流行り浣腸をされた嫌な思い出もあるので不衛生な時代だったとも言える。
イチジクの実は高い木の上に成るので子供たちの被害から逃れることが出来たが、イチジクの木は格好の遊び場を提供してくれた。兄たちの時代は木登り、チャンバラごっこなどの肉体を動かす遊びしかなかった。銀髪世代は物心つく頃には既にテレビがあったが、それでも玄関にランドセルを投げ捨てるや否や外に駆け出したもんだ。
イチジクは好きだったが、すぐに飽きて落ちるに任せるようになってしまう。現在、団塊の世代が土いじりに殺到しているが、作った作物の処理に苦慮するそうだからいつの時代も同じである。選り好みができない貰う方だって困るときもある。
イチジクはタダでたらふく食べていたため、今でもお金を出して買う気がしない。懐かしさに買おうと一度は思っても、甘いものが嫌いになってしまったので結局通り過ぎてしまう。
かくして輸入イチジクを酒の肴で食べる以外には口にしなくなった。
Kさんが持って来たイチジクは思ったほど甘くなかった。果物嫌いの銀髪がせっせと食べるので周りの人たちが驚いていたが、思い出が加われば食も進む。
誰でもノスタルジックを感じるものがあるだろう。最近妙に昔のことが思い出される。銀髪グルメ紀行を書き出したためか、歳とってきたためか分からない。前者と思いたい気持ちはやまやまだが…
投稿者 銀髪 : 2007年04月22日 05:23
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