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2007年06月30日

[稚加栄]2(福岡)

博多で一番人気のランチ


稚加栄は博多でもっとも有名な料亭の一つである。空港やデパートの販売店で明太子などを買った人も多いだろう。これまで何度か夜の接待で利用したが、ランチに来るのは初めてだ。稚加栄の限定500食のランチは地元では有名で人気が高い。

博多に来たら日付が替わるまで飲む。飲んだ後は餃子でビールか、博多ラーメンで締める。朝は意地汚くホテルのバイキングをたくさん食べる。いつも同じ道を辿るので、稚加栄のランチにありつくことはなく、博多うどんで軽く済ませることが多かった。今回は客と行くということで、前夜早めに帰り朝は軽く済ませた。

ランチは和定食と特製手打蕎麦定食の2種類。全員が和定食を選んだ。茶碗蒸し、野菜の煮物、刺身、いわしめんたい、天ぷら、渡り蟹の味噌汁、ごはん、漬物がお盆の上に所狭しと並ぶ。

大きな生簀から魚を網ですくい、数人の板前が並んで魚をさばいているのが遠くに見える。目の前に来た立派な刺身を見たらもう辛抱堪らない。客と目が合い、どちらからともなく声をかけた。「ビールでも飲みますか?」
味噌汁の中の渡り蟹にはしっかり身がついているのでしゃぶりついた。蟹のだしが効いた汁はビールのあてにもなる。

熱々の茶碗蒸しには鶏肉とぎんなん。定食でよくある具のない茶碗蒸しではなかった。
宴会の料理同様に、天ぷらは冷めているかと思ったら温かかった。
いわしめんたいはお土産屋でも売っている人気商品。ビールがもっと美味くなる。

立派なおかずとビールでお腹が膨らんだが、チューブ入りの明太子が気になって仕方がない。

ご飯にかけて一口、二口。もう一度かけて、三口、四口。

これで1,200円だから行列が出来るのも無理はない。夜の稚加栄は敷居が高いと言う人も楽しめる値段だ。しかし、これで満足してもらってはお店も困る。夜を知らずして満足するなかれ。東京に比べれば夜の値段も驚きの稚加栄である。

博多はいいなー。


稚加栄
福岡県福岡市中央区大名2-2-17
092-721-4624
http://www.chikae.co.jp/

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2007年06月29日

[鮨隆](福岡)

博多駅前でいい店見つけた!


何度も福岡に来ているが、博多駅前ではラーメン屋以外は入ったことがない。客の希望を聞くべきだろうが、「寿司屋に行きたい!」と自己主張する銀髪。連れて行かれたのが博多駅筑紫口から歩いて数分、外から見える生簀が気になっていた店だった。店に入るともちろんカウンター席に。野郎同士で向かい合っての食事は辛い。美味い料理を前にして仕事の話なんかしたくない。

いかの活き造り

地元の物を中心にお任せしたら、最初に出てきたのは佐賀県唐津・呼子のいか。博多で生簀を持つ料理屋の定番だが、他にも食べたいものがあるので、少し小さめのいかを頼んだ。

刺身盛合わせ

海老、玄海の鯛、大分の関さばに加えて鮪が出てきた。そこで意地悪な質問。「インド鮪?」「本鮪です」「国内産?メジ鮪?」「いえ、大西洋産です」。
先日、築地市場内で仲卸に教えてもらったばかり。今の時期、国内産で大物の本鮪は殆ど取れない。上物は大西洋産で築地に空輸されて来るとのこと。期待した答えが返ってきて店に対する信頼感が増した。

穴子の刺身

店主イチオシは穴子の刺身。立派なサイズの対馬産活き穴子を生簀から取り出して見せてくれる。穴子の頭を高くかざして首に包丁を入れる。さばいた穴子は身の表面を軽く炙って刺身にする。炙った皮を添えて我々の目の前に出てきた見事な穴子。ポン酢を奨められたが塩をつけて口に運ぶ。肉厚の穴子の美味いこと、美味いこと。広島「水軍の宴」の穴子塩焼きを抜き去ってトップに躍り出た。穴子はこれから旬を迎える。

あげ巻き貝、あじ、しまあじ

地元のお客様が絶対食べろと頑張った貝とあじ。しまあじは店主の推奨。あじの脂が光り輝き、さすが脱帽の美味さだ。

赤貝、とり貝、ゲソ焼き

九州産の貝を2種類。ゲソは最初に出た刺身の残り。焼き加減が絶妙で、ネットリして味が深い。やはり魚も肉も焼くとさらに美味しくなる。

穴子、雲丹、佐賀牛

雲丹はアカウニ。バフンウニとムラサキウニしか知らなかったが、アカウニは主に九州西岸で獲れる。高級寿司ネタとして人気があるというので、銀髪は海苔を巻かずに食べた。一度殻から直接食べてみたいものだ。
佐賀牛霜降りの寿司でお開きにした。

店に入ったときはアシスタントかと思った若者が、実は二代目店主の二田さん。笑顔が凛々しい若干28歳の料理人で、包丁さばきもあざやかだ。笑顔でお見送りしてくれたのが若奥さん。夫婦でやっている店はいい店が多いが、鮨隆も例外ではなかった。
引退して若い息子夫婦に任せてしまった先代は、怠け者なのか人格者か。多分後者だろう。30年の歴史がある店を任されて、若夫婦が成長しないわけがない。

ご満悦の銀髪以上に喜んでくれたのはお客様。紹介した手前、銀髪がどう反応するか心配していたようだ。3人で酒もそこそこ飲んで合計26,000円。店主夫婦、店員、お客様、銀髪、部下、みんなニコニコ、最後はお財布もニコニコだった。

鮨隆本店
福岡県福岡市博多区博多駅東1-12-26
092-431-6046

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2007年06月28日

[オレゴン バー&グリル](汐留)

酒の注文を取りに来た女性にいきなり尋ねた。「オレゴンってどこにあるの?」


「ワシントン州の南です」と言われてアメリカの首都ワシントンDCを思い浮かべてしまった。それを見透かしてか「ワシントン州はイチローのいるシアトルがある州です」と続ける。南にネバダ州、東はオハイオ州、モンタナ州、その向こうにワイオミング州がある。名作「シェーン」を思い出した。

店内はほぼ満席。客の殆どは汐留シティーセンターの42階からの景色・夜景が目的で、店がオレゴンだろうがドラゴンだろうが関係ないだろう。窓際は最高のデート席で、我々は夜景を見るふりをしながらカップルの品定めができる特等席をいただいた。

メインはすぐに決まった。ステーキと州の魚・キングサーモン。アメリカサイズの料理を予想して、前菜は抑え気味にした。

ズッキーニ、ポタージュ

日本語では「花ズッキーニのフリット ビスト添え」だが、英語では「Fried Zucchini with Vegetable Sauce」。よく分からないままナイフを入れると、スープが飛び出してきた。ワイシャツやズボンが味見をできて喜ぶほどに美味だった。

安っぽい1枚もののメニューだが、毎日変わるというので納得。料理の種類は思ったより多い。変わらないのはもちろんステーキだろう。

ステーキ

ステーキはメキシコ産、日本産、米国産の3種類がある。メキシコ産が一番安く、米国産は2番目。米国産カスタムエイジ・サーロインの一番小さいサイズ、80オンス(230g)4,800円のステーキを食べることにした。エイジ(Aged)なので老牛かと店員を茶化したら、笑ってくれずに熟成の意味だと諭された。
和牛のような柔らかさはないが、脂っこくなくて噛むほどに味が出る。結構好きなタイプだ。

キングサーモン

200グラムのキングサーモンは野菜の串焼きを従えて巨大な一皿になった。アメリカらしくていい。備長炭でしっかり焦げ目がついてこれもなかなか美味かった。大味と言うなかれ。これがアメリカ料理だ。

ワインもオレゴンのものを飲んだ。どうせ気取るなら西部の男を気取った方が楽しい。
オレゴンはシェーンに匹敵するような名作西部劇の舞台になったのではないかと調べたら、もっとも有名なのは「スタンドバイミー」。西部劇ではないがスティーブンキング原作の映画もノスタルジックでいい。

オレゴン・カフェ&グリルの話を書いているのに、ベン・E・キングの主題歌が頭を離れない。Stand by me と何度も口ずさむと、窓際のカップルたちにぴったりの店だったのかもしれないと思えてきた。


オレゴンバー&グリル
東京都中央区築地4-5-7
03-3524-1500


♪スタンドバイミー
When the night has come  And the land is dark (夜がやってきてあたりは暗くなってしまった)
And the moon is the only  Light we'll see (ただ月だけが 僕らが見ている ただひとつの光) 
No I won't be afraid Oh I won't be afraid (それでも僕は 恐れたりしない 怖がることなんてないんだ) 
Just as long as you stand Stand by me (ただ君が僕のそばに いてくれる限りは)
So darlin', darlin' Stand by me, oh stand by me Oh stand, stand by me Stand by me
(だからねえ そばにいて 今僕の そばにいてほしいんだよ 僕のそばに 君がいてほしい)

If the sky that we look upon Should tumble and fall(見上げればいつもそこにある空が たとえ崩れ落ちてきたとしても)
Or the mountain should crumble To the sea (たとえ山が 海の中に崩れ落ちてしまったとしても)
I won't cry, I won't cry No, I won't shed a tear(僕は泣かない 泣いたりしない 涙なんか 流したりしない)
Just as long as you stand Stand by me (ただ君が僕のそばに いてくれる限りはね)

And darlin', darlin' Stand by me, oh stand by me Oh stand now, stand by me Stand by me
(ねえ だからそばにいて 今僕の そばにいてほしいんだよ そばにいて そうしてほしいんだよ 僕のそばに 君がいてほしいんだ)
Darlin', darlin' Stand by me, oh stand by me Oh stand now, stand by me Stand by me
(ねえ だからそばにいて 今僕の そばにいてほしいんだよ そばにいて そうしてほしいんだよ 僕のそばに 君がいてほしいんだ)
Whenever you're in trouble Won't you stand by me Oh stand now, stand by me...( たとえ何があっても 僕のそばにいて 今僕の そばにいてほしいんだよ)

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2007年06月27日

[味遊心 中屋](四谷)

四谷の老舗そば屋は居酒屋気分


四谷3丁目と新宿御苑の中間地点、四谷4丁目交差点近辺に中屋はある。明治23年創業というので古めかしい佇まいを想像したが、立て替えられたのだろう。伝統や格式にとらわれた重々しさはない。

照明を落とした店内は、隠れ家風の居酒屋といったところか。1階は満席である。ちょっと待たされた後で2階に案内された。予約をしていなかったので不安だったが、何とかもぐり込むことが出来た。

鳥のお通し、湯葉豆腐

湯葉豆腐とは何だろうと思ったが、出てきた料理は単純に湯葉と豆腐。湯葉の下に豆腐がある。京都から仕入れた豆乳を使った自家製とのこと。

お刺身盛合わせ

刺身が自慢というので頼むことにした。2人で食べるには充分すぎる量で、味も及第点に届いている。
メニューには揚げ物、焼き物など多種類が並び、店に入るときに居酒屋と思ったのは間違いではないようだ。

味遊心サラダ、揚げそばカレー

さてこれからが面白くなる。老舗にもかかわらず遊心というだけあって遊び心に溢れている。
揚げそばを砕いて野菜に振りかけた味遊心サラダは、そばの香ばしさが好ましくドレッシングに頼る必要がない。

揚げそばカレーはちょっと奇をてらいすぎた感がある。両国の「業平屋」の固焼きそば風の方が食事としては完成度が高い。それでも揚げそばだけ、カレーだけ、そばにカレーをつけてと3種類の食べ方をすれば酒の肴としては悪くない。

お腹一杯になったので結局肝心のそばは食べずに出た。不手際があったと心配したのだろうか、勘定の時に女将がしきりに謝ってくれた。満席で店員がてんてこ舞いだったのは確かだが、不愉快になるようなことはなかった。それでも頭を下げる女将の姿は、そのまま店の評判に繋がるのだろう。

次回は明治23年から続く老舗のそばを味わってみたいものだ。

味遊心 中屋
東京都新宿区四谷4-13
03-3351-3733

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2007年06月26日

[ヴィノヴィータ](日本橋)

ランチだけではもったいない?


サラダ、パン、スパゲッティ、飲み物がついて1,000円前後という割安感のためか、ランチ時には広い店内は満席となりちょっと出遅れると店の外で待つことになる。多くの客をさばくためには、どの皿も茹でたスパゲッティに作り置きしてある具入りのソースをからめてハイ出来上がりとシンプルなものばかりだ。

ランチで賑わう店は、ディナータイムとなるとうって変わって静かな店となる。本格的なイタリアンとまではいかないが、スパゲッティやピザ以外の料理もたくさんある。リーズナブルなワインの種類も多く、気取る必要がない相手なら充分である。

シーザーサラダ

和食店に行くと野菜を食べないこともあるが、洋食屋では必ずサラダを頼むから不思議だ。

軍鶏のカツレツ

ご馳走になる立場なので自らオーダーすることを控えようと思ったが、我慢できなかった。それでも気を遣って皆が食べられそうな軍鶏のカツレツを選んだ。普通のチキンカツと何ら変わらないので、予想通り評判は悪くなかった。

豚足の煮込み、豚足

軍鶏ではつまらないから自分ひとりで食べる覚悟でチョリソーと豚足の煮込みを頼んだ。チョリソーは他の連中も食べてくれたが、とん足は予想通り敬遠された。よく煮込んで骨を抜いてあるので食べやすい。コラーゲンは肌にいいし、味も悪くないとアピールするが、まったく相手にしてくれない。

ピザ

手作りタルト生地のピザがヴィノヴィータのオリジナルで面白いのだが、スポンサー氏は定番のピザを選んだ。
最後に来たスパゲッティは少しだけ食べてお開きにした。それぞれの料理はボリュームがあり、結構お腹一杯になってしまった。

ヴィノヴィータはビアレストランのニュートーキョーが経営している。カジュアルイタリアンと自ら称するだけあって気楽な店だ。夜も昼と同様に満席になれば左団扇だろうにと心配したが、歴史あるニュートーキョーグループの店と知って安心した。大きなお世話に違いない。

昼と同様に、夜も数種類のパンが食べ放題だ。他の料理が食べられなくなるのでパンを控えようと普通の人は思うだろうが、パンだけを食べてお腹を膨らませようと思う人もいる。少なくとも「パンのお代わりはいかがですか?」とサービスしない方がいいと思うのだが、それこそ大きなお世話かもしれない。


ヴィノヴィータ
東京都中央区日本橋2-3-4 日本橋プラザビル1F
03-3281-5361

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2007年06月25日

[九龍餃子房](新宿)

安くて美味しい店と教えられて行った


友人から是非行くように言われた。「美味しい」よりも「安い」に惹かれたので、味には期待しないように何度も肝に命じた。期待はずれだったときに友人を恨まなくて済むように。

教えられた電話番号にかけて店の場所を聞いたら、「世界の山ちゃん」と同じビルだと分かった。先日山ちゃんが一杯で入れなかったときに、一度は入ろうとして思い止まった店だ。今度は迷わず入ったが、先客は一組しか居なかった。

可愛い店員の劉さんにお奨めを尋ねたが、結局はメニューの推奨マークに従った。

鉄鍋餃子、海老シュウマイ

鉄鍋餃子の形状を見て危険を感じ取った。少しだけ噛んで蓮華にスープを移して熱さを試す。危ないところで口の中を火傷するところだった。経験がものをいった。ちょっと待って丸ごと口に放り込んだ。餃子というより小龍包並みのスープの量で、なかなか美味しい。
海老シュウマイも悪くない。友人に曖昧な感想でお茶を濁す必要がなくなったのが嬉しかった。

蟹味噌小龍包、一口餃子

もう少し蟹の風味が欲しいところだが、上手にまとめてある。香港屋台だから、濃厚な上海蟹を使った上海風蟹味噌小龍包と比べてはいけないかもしれない。
一口餃子は酒の肴にうってつけのサイズだ。鉄鍋餃子のような火傷のリスクはない。

五目野菜炒めポーピン包み

店のオリジナル料理は五目野菜炒めを小麦粉の皮で包んで食べる。子供が喜びそうな趣向だが、大人だって楽しめた。

鉄鍋餃子578円、海老シュウマイ662円、蟹味噌小龍包819円、一口餃子515円、五目野菜クレープ819円。点心類に限らず、メニューは豊富である。デパートのショッピング帰りに家族連れで行ってもよさそうな店だ。

もちろん恋人同士でも問題はない。実際、店を出るときには8割方席は埋まり、その半数はカップルだった。この値段の料理に満足してくれる彼女を持つ男たちは幸せだ。

食事は値段ではない。誰と食べるかがもっとも重要なのは言うまでもない。「美味しい店に連れてって」と言われるより、「貴方と一緒ならどこでもいいわ」と言われる方が、世の男たちは嬉しいに違いない。そうすると、いい店を探してしまうんだな。男は馬鹿だね。

香港屋台 九龍餃子房
東京都新宿区新宿5-17-11 白鳳ビルB1
03-3200-3126

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2007年06月24日

[くくる](大阪)

たこ焼きと明石焼きの人気店


道頓堀くくるの商品は大阪駅の土産物売り場でも買うことが出来る。それだけ有名店ということだろう。大阪名物の筆頭格がたこ焼きではちょっと悲しい気がするが、見栄を張らずに堂々とたこ焼き自慢をするのが大阪人のいいとこかもしれない。

たこ焼き

人気のたこ焼きを食べて不思議な気がした。好みのたこ焼きがどんなものかを主張できない自分を発見した。くくるのたこ焼きは中が柔らかい仕上がりである。銀だこのように油で揚げたカリカリ感が美味しいと感じることもある。やはり外側がカリッとして醤油味が香ばしい中部圏のたこ焼きもいい。中に入ったぶつ切りタコが有名な大だこも具にインパクトがあって面白い。

具はタコ、ネギ、紅しょうがで充分と思うが、キャベツを入れてもいい。明太子なども捨て難い。チーズは邪道に思っている癖に、定番物に飽きたら満更でもないと思う。
マヨネーズはお好み焼きで違和感を抱いたのと同様に、たこ焼き本来の味を壊すようで嫌いだったのがいつのまにか慣れてしまった。鰹節も違うと思ったが、すぐに許してしまう節操のなさだ。

明石焼き

明石焼きに関しては、くくるの味を評価する基礎的味覚がまったくない。そもそも我が50余年の生涯で、明石焼きなるものを食べた回数は両手に満たない。地元明石では卵焼きと言って明石焼きとは言わない、と聞けばホーッと感心しなければいけないのだろうが、関東煮きやアメリカンコーヒーの例を出すまでもなく当たり前の話である。

屁理屈を言わないで美味しかったのか不味かったのかと問われれば、美味しかったと答える。しかし、最後の晩餐に加えるかと問い詰められれば、あっさり候補から外してしまうだろう。タコ焼きだって最後の最後に食べたいと思うものではない。大阪人ならどうだろう。たこ焼きよりお好み焼きを最後の晩餐に選ぶかもしれない。

ウーン、どうせならもう少し高級料理で悩みたいものだと一度は思ったが、銀髪が選ぶ最後の晩餐はやっぱり餃子にビールかな。


くくる
大阪府大阪市中央区道頓堀1-10-7 ぼんちビル
06-6212-7381

たこ焼きハーフ320円
明石焼き530円

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2007年06月23日

あんかけスパゲッティ

中部地区の名物料理


地方に行くと不思議な食べ物に出くわす。社会人になって初めての赴任地である豊橋で食べたスパゲッティもその一つだった。昼時に行くと行列が出来るほどの人気料理だが、並ぶ気もしないので、お土産に買って来た。

ウィキペディアで試しに「あんかけスパゲッティ」と検索したら、何としっかり説明しているページがあって驚いた。1960年代以降、中京圏で広まり、カントリースパゲッティとも呼ばれるそうだ。専門店もいくつかあるので、今度名古屋に行ったときに是非食べてみよう。

さて我が家で作ったあんかけスパゲッティ。定番のエビフライを乗せる。その上にゆで卵の白身と黄身を分けたものをかける。盛り付けてから何か足りないという声。真っ赤なウインナーが家になかったのが心残りである。

スパゲッティはかなりの太麺だが、いつもの癖でアルデンテに茹でてしまった。ブヨブヨにするのが鉄則なのを忘れていた。ゆで上がりをそのまま皿に乗せたのも誤り。炒めなければいけないのだ。大量にゆでておいて、食べる分だけフライパンで温める昔ながらの手法も必須アイテムである。

初めて食べたとき珍妙な食べ物に思えたが、久しぶりに食べると意外に美味しいから不思議だ。一見したところ子供向けの食べ物に見えるが、胡椒がタップリ入っているので大人の味である。これに一味唐辛子をかけて食べたので食後に口の中がヒリヒリした。

それにしても中部地区はユニークな食をたくさん持っている。櫃まぶし、味噌カツ、味噌煮込みうどん、きしめん、天むす、手羽先などなど。台湾にはない台湾ラーメンも名古屋名物だそうだが、まだ食べたことがない。

名古屋はたくさんの名物料理があるのに、全国区になるものが殆どないというのもまた、ユニークなところである。かつて名古屋を「大きな田舎」と言った人がいる。名古屋の人には怒られるかもしれないが、それが魅力なのかもしれない。


写真のチャオは豊橋近辺に数店舗ある。
http://www.ogi-ya.co.jp/bikky-club/ciao/ciao.htm

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名古屋では食べたことがないが、以下のような店があるそうだ。
スパゲッティハウスそ~れhttp://homepage2.nifty.com/so-le/
パスタデコhttp://www.ichibanya.co.jp/pasta/
ユウゼンhttp://www.ankake-yuuzen.jp/
からめ亭http://www.star-click.ne.jp/karame/
チャオhttp://www.hotpepper.jp/A_20100/strJ000107572.html

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2007年06月22日

[千羽鶴](ホテルニューオータニ東京)

料亭の千羽鶴に行った訳ではないけれど…


稚鮎

赤坂のホテルニューオータニで開かれたパーティーに行った。会場を一回りしてこの日一番の目玉が料亭「千羽鶴」の出し物・稚鮎の塩焼きと決め付けた。主催者の挨拶が終わるやいなや、稚鮎に直行してまず一尾を食べた。

それから会場を2周ほど回った。毎年招かれるパーティーだが、年々知った顔がいなくなる。ひととおり知った顔と会話をした後の関心は食事に向かう。

カツサンド

ニューオータニの洋食・カフェ部門からの出張のようだが、目の前でトンカツを揚げ、熱々のカツサンドを供するとは珍しい。滴るソースが服を汚さないようにして一流の味を楽しんだ。

そば

浅草十和田もニューオータニに店を構える。客が寄りつかず可愛そうなので一つもらった。「お店の人?」と聞いたらアルバイトだった。一流の経済人が集まるパーティーで、アルバイトの店員に任せるとは大胆な店である。つゆで蕎麦をほぐすのに苦労した。客が来ないのも頷ける。

テーブルに並んだ料理をいくつか食べて、再び稚鮎の焼き場に向かった。この時期にしか食べられない貴重な稚鮎なのにまったく人気がない。もう一尾食べたところで、板さんに声をかけた。千羽鶴に所属するものの、主にパーティーの担当だそうで、名前は峰岸さん。卵はいらないからと断り、今度は2尾を皿に盛ってもらった。

食べて、喋っている間に誰もやってこない。峰岸さんの嘆くこと、嘆くこと。折角の季節の物を日本人は知らない・食べたがらない。「先日のパーティーで6尾も食べた人がいた」と峰岸さんが言うので、もう2尾を食べた。これでタイ記録だ。峰岸さんが喜ぶのでもう1尾。これで新記録。ようやく客が1人やってきて2皿(1尾ずつ)を持って行った。「骨も食べられますか?」と聞くのでちょっと驚いた。

峰岸さんが新たに焼き始める。オイオイ、そんなに焼いてどうするの?

焼きあがっても誰も来ない。このまま冷めるにまかせるわけにはいかないと、もう2尾食べた。「凄いですねー」の峰岸さんの声に乗せられて更に2尾。全部で11尾を食べてしまった。「この記録は絶対破られませんよ!」と言われて有頂天になったアホな銀髪。

和歌山産の稚鮎は朝まで泳いでいた上物らしい。料亭「千羽鶴」で食べたらいくら取られるのだろうか。

お腹一杯になったので、パーティー会場を出てニューオータニの見事な庭園を散歩した。

数組の恋人たちを追い抜きながら、1人で歩くのはちょっと寂しかった。

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2007年06月21日

[明治記念館ビアテラス 鶺鴒(せきれい)](信濃町)

クーラーの風を逃れて庭園でビールを


最後にデパートの屋上で大ジョッキを飲んだのはいつのことだったろうか。昔は夏になると涼を求めてよく行った。特大の大ジョッキに枝豆、焼き鳥、唐揚げ、フライドポテト、焼きそばなどのしけたつまみでも嬉しかったが、やがてどの店にも空調が完備するようになって廃れていった。多数の大ジョッキを1人で運ぶ名人芸を見ることもなくなった。

「ビアガーデンに行こう!」と連れて行かれたのは明治記念館。結婚式場の印象しかなかったが、和洋中と立派なレストランがたくさんある。ビアテラスは緑の芝生がまぶしくて、想像以上にいい雰囲気である。

ソーセージ盛合せ

ビールならソーセージ。パブロフの犬さながらによく躾けられたのん兵衛だ。レストランの思惑にまんまとはまる。

冷しトマトと白アスパラ

いまだにトマト1個に数百円を支払うのに疑問を持つが、肌にいいリコピンが豊富と聞けば頼んでしまう。男だってエステに通う時代である。
最近流行りの白アスパラには素直に喜んでしまう浅はかさ。昔は缶詰が高級品で憧れだった。

庭園ではショータイムが始まった。2人の芸者さんが芝生の上で日本舞踊を踊りだす。あまりに遠くて美人かどうか判別できないのがいいのか悪いのか。品の良さと話を邪魔しない雅楽が好ましい。

オクラの揚げ物

何がなんでも変わったものを食べなければならないのが銀髪の宿命。オクラは蓮根をすり潰したもので覆われ、海苔を巻いて揚げてある。これは美味い。今度家でやってみよう。

山芋ステーキ

これも家のレシピに加えることが出来そうだ。最近、鉄板焼きなどにする機会が多いので予想どおりの料理だが、味付けは参考になった。

トイレを我慢できる程度のビールでお開きにしてタクシーに乗った。品のいい庭園で飲むには丁度いい量だと思ったが、二次会の目的地に着いたらわれ先にトイレに駆け込んだ。明治記念館のきれいなトイレで済ませればいいのに、まったく酔っ払いはしょうがない。


明治記念館ビアテラス 鶺鴒(せきれい)
東京都港区元赤坂2-2-23
03-3746-7723

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2007年06月20日

[エトワール](新橋)  第一ホテル東京 世界バイキング

「ちょい高」ビュッフェが人気になってきた。


食べ放題のことをバイキングと名付けたのは帝国ホテルで、外国では通じない。北欧で「スモーガスボード(smorgasbord)」と呼ばれる食べ放題方式を、覚えやすいバイキングの名前をつけて売り出したのは1957年、高度経済成長が始まった昭和30年代初めのことである。

第一ホテルのバイキングも老舗の一つだ。子供の頃家族で行ったのが帝国ホテルと第一ホテルのどちらか思い出せない。両方だったかもしれない。外食を殆どしなかった我が家だが、行くときはちょっと奮発したように思う。安いものなら母の手料理の方が上だという論理である。

第一ホテル世界バイキング

スタッフとの食事会では久々のバイキング。自分の好きなものを食べられるとあって意外と文句が出てこない。不満だったのは銀髪だけのようだ。以前来た時、山積みとなった蟹がちっとも美味しくなかったのが記憶に新しい。

たらば蟹

新橋第一ホテルは2005年12月にリニューアルしたそうで、以前来たときよりも高級感が出て落ち着いた感じになった。蟹も山積みではなく、料理人が少しずつ焼いてくれる。前回よりだいぶん印象がいい。

おこげのフカヒレスープ

これも料理人がおこげを揚げて、スープをかけてくれる。弾ける音が楽しい。フカヒレがどこにあるか探すのが大変だが、野暮なことは言うまい。バイキングなのだから。

他にも料理はたくさんあるのだが、少しずつ食べた後に再びたらば蟹に戻った。昔、子供たちがあれこれあさっているのを横目に、父は刺身だけを取って酒を飲んでいた。目移りすることなく、好きな料理に集中する様を不思議そうに見ていたものだが、今は父の気持ちが分かる歳になった。後は蟹とワインに集中した。

都市ホテルがビュッフェレストランを改装、メニュー価格を引き上げているそうだ。後日部下が休日に帝国ホテル、第一ホテルに予約しようとしたが一杯で断られた。最終的に浜松町のインターコンチネンタルに行ったそうだ。

格安の回転寿司から、高級ホテルのバイキングへ。景気が良くなると家族連れでちょっと高めのバイキングにでかけるようになるのは約50年前と一緒である。


エトワール
東京都港区新橋1-2-6 第一ホテル東京B1
03-3596-7737

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2007年06月19日

[アペルト](麹町)

イタリアンの居酒屋と思ったが…


麹町界隈で食事をすることになった。下調べをして行くよりも、自らの嗅覚に頼った方が失敗する確率が低い。表通りより、裏通りの方に面白い店があるはず。経験を活かして探索するつもりが、空いたお腹の抗議に負けて最初に目に付いたイタリアンに飛び込んでしまった。

ドアを開けて不安になった。右手のテーブルに2組の女性客が2人ずついるのはイタリア料理屋らしいが、姿勢を崩して飲んだくれてる男性5人組が奥のテーブルを占拠して、店を居酒屋の雰囲気にしてしまっている。デートなら踵を返すところだが、気心知れた相手なので心変わりはしない。今日はお札1枚でお釣りが来ると思えば気が楽だ。イタリアンの居酒屋だって悪くはない。

サラダ、野菜炒め

ピザとスパゲティだけかと思ったら、前菜やメイン料理も意外と豊富だ。生ハムとルッコラのサラダ、ほうれん草とベーコンのニンニク炒めは期待以上の仕上がりだ。入店時より評価が数ポイントアップした。

仔羊のグリル、シェフ?

「仔羊のグリルアペルト風 シェフのオリジナル ピリ辛トマトソースで」と長々しいタイトルの料理。メニューの随所で出てくる「アペルト風」に店主の並々ならぬ意欲が見られる。メニューの表紙の似顔絵と、シェフを見比べながら食事は盛り上がった。こんなに可愛くないが、特徴はつかんでいる。弟子を大声で指導しながら調理している様は、似顔絵の笑顔と異なり真剣そのものだ。

店に入ったときはお腹が空いてないと言っていた連れが、スパゲティを食べたいと言い出した。食べ始めてお腹が空くのは店に馴染んできたからに違いない。
「ぺペロンチーノにバジルを入れて作ってもらえますか?」とメニューにない料理を恐る恐る注文する。店の女性は、笑顔であっさりと注文を受けてくれた。我々のやり取りを聞いていたのか、右の女性たちもあれこれ希望を言い出した。これも難なくクリア。小さな店は融通がきいて、客に優しかった。

スパゲティ アーリオ・オーリオ

オリーブオイルに浮かぶようなスパゲティは初めて食べた。連れは自分が作るものと同じと大喜び。点数は一気に加算された。髭の料理人は意外と名人かもしれない。

ネットで簡単に見つかると思って、住所も電話番号も控えないで店を出た。ところがネット上でコメントは殆どなく、住所も分からない。止むを得ず104で電話番号を聞くことにした。ところが、なんと電話番号が登録されていないと言う。狐につままれたような気持ちで電話を切った。

地元の人に、或いは限られた常連客に愛される小さなスパゲッティ屋さんが、店主の目指す店なのかもしれない。

アペルトは「開店中」「営業中」といった意味だそうだ。営業しているかどうかは行ってみないと分からない。

東京都千代田区麹町3丁目付近

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2007年06月18日

[551蓬莱](大阪)

豚まんで有名な蓬莱に行った。


てっきりお土産物屋で肉まんだけ売っている会社と思っていたが、レストランがあるとは知らなかった。1階がテイクアウト売店で、2、3階がレストランになっている。右隣を見ると蓬莱がもう一店あって戸惑ってしまった。アレッ?どちらが有名、美味しいの?

数字(551?)が頭に残っていたので、こちらが有名な店と信じて店の2階に上がった。点心だけかと思っていたが、普通の中華料理屋さんだ。女性店員を呼び、何を食べるか相談した。「大阪名物」と赤い目印がある中から焼き餃子(8個280円)、焼売(4個310円)、豚まん(2個330円)を頼んだ。緑の印がついたチャーシューまんも奨められたが、下で買ってお土産にすることにした。

餃子、焼売

メニューの売り文句、「外はカリッと、中はジューシー」の餃子と「こちらも人気の一品!ボリューム満点!」の焼売は納得できるものだった。立派な造りの店だがお値段は良心的。さすが大阪だ。

豚まん

看板の豚まん。蒸したてが不味かろうはずがない。銀髪の好みとちょっと違うが文句はない。さすが人気の豚まんだ。

551蓬莱を出て、隣の蓬莱本館の豚まんを買った。「温かいのにしますか?冷蔵ものにしますか?」と聞かれた。生がないのが不思議だったが、お土産にするので冷蔵物を買った。後で調べると、元祖の蓬莱は昭和20年に創業し、創業仲間の3人が後に独立して蓬莱本館、蓬莱別館、そして551蓬莱の株式会社蓬莱に分かれた。蓬莱本館は冷凍食品などの販売が主力のようだ。、謎は解けた。

チャーシューまん

お土産に買った551蓬莱のチャーシューまんは評判が良かった。豚まんに比べてオリジナリティが高く、しっかりと味がついていた。
551の豚まんの底には定番の紙ではなく、経木(木を薄く削ったもの)が敷かれている。紙のものしか食べたことがない子供にとっては、物珍しく思えるに違いない。

551蓬莱も蓬莱本館もからしがついてきた。ちょっと不思議な気がしたが、これが普通の食べ方だったかな?

蓬莱 戎橋本店
大阪府大阪市中央区難波3-6-3
06-6641-0551

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2007年06月17日

[はがくれ](大阪梅田)

行列が出来るうどん屋さん

大阪の代表的なうどん屋さんは道頓堀今井だろう。この店のきつねうどんこそが、大阪名物のうどんと言えるものだと思う。ところが席数が多い今井よりもわずが14席しかないはがくれの方が行列が出来やすく、大阪でナンバーワンの人気店と言われるようになった。

12時前に大阪駅前第3ビルに到着。シャッターが閉まったままの店が目立つさびれた感じの大きなビルの中を、はがくれ目指して歩き回った。地下2階を半分ほど回ったところで、人だかりが遠くに見える。約20人が近隣の店の邪魔にならないように列を作っていた。午後のアポまで時間はたっぷりあるので並ぶことにした。

待っている間、ちっちゃなおばちゃんが注文を取って回る。立ち居振る舞い、表情がいかにも大阪人風で面白い。銀髪は生じょうゆうどんと天ぷら、部下はぶっかけうどんを頼んだ。

生じょうゆ

約30分並んで席についたら、すぐに料理が出てきた。「初めてですか?」と問われて頷くと、食べ方を教えてくれると言う。神妙に待っていると、「ハイ、箸を構えて」と言われ、店主がうどんに薬味を乗せて、生じょうゆを二往復半かけるのをアホ面して見ている。「2本だけすくって、ハイ、食べて!」と命じられる。「濁るから絶対混ぜたらダメ!」と大阪弁で念を押され、店主に怒られないように指示通り食べる。徳島産のすだちを絞ってくれたのは余計なお世話とつぶやきながら。

ぶっかけ、ちくわと半熟卵の天ぷら

今度は「うどんのカルボナーラや!」と温かいうどんに乗せた生卵を手早くかき混ぜて、店主は別のおのぼりさんの席に移っていった。混ぜる前に写真を撮りたかったが果たせなかった。味見をさせてもらったら、なかなかの美味だった。今度家でやってみよう。

半熟卵の天ぷらもなかなか面白かった。我々の倍以上の時間を使ってなおも食べている左の女性二人を横目に、席を立って勘定場に向かった。店の外にはちっちゃなおばちゃんの懸命な努力にもかかわらず、行列が周りの店の領域を侵食していた。人気店になるには女性の支持が必須だが、昼間の行列をさばくには痛し痒しだろう。

大阪名物のうどんを食べようと思ってきたが、はがくれのうどんは讃岐うどん。特製生醤油も本場讃岐から取り寄せたものだ。

行列が出来るだけあって、なかなか美味いうどんだった。次回来る時は「常連でっせ!」と応えて、自分の好きなように食ってやる。食べる前にパチリ、すだちは絞らず、生じょうゆは3周半、しっかりまぜまぜして、持参した大好きな八幡屋磯五郎の一味唐辛子を振る。怒られちゃうかな?


梅田 はがくれ
大阪府大阪市北区梅田1-1 大阪駅前第3ビルB2
03-6341-1409
http://www.hagakure.cc

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2007年06月16日

スイカ

スイカが泣いている


スイカを貰って帰ったら、子供たちから見向きもされなかった。せめて少しぐらい口にしてもいいと思うが、そんな思いやりすら見られないのである。すいかは果物の王様だったはずなのに…

30年前に比べるとすいかの消費量は半分になっているらしい。我が家の子供たちが特別に我侭というわけではなさそうだ。核家族化して大きなスイカが食べ切れないとか、冷蔵庫に入らないからとか言われるが、実際のところは他にも美味しい果物がたくさん出てきたからではないだろうか。

大昔、我が家は男3人兄弟の5人家族だったが、大きなスイカでも苦もなく食べきった。今ではスイカは分断されラップを着て売り場に並んでいるが、昔は1個丸ごと買うのが普通だった。これを、トントン叩いて熟れ具合を予測するのが楽しかった。

切ってみると腐っていたこともあった。重いすいかを提げてヒーヒー言って帰って来た父が、玄関先で膝に当てて、見事に破裂してしまったこともあった。くたびれもうけの父の悲しむこと悲しむこと。
夏の暑い日に縁側に座り、種を遠くに飛ばして遊んだことも懐かしい。

先日、玉ひでのデザートに出てきたスイカは皮の白い部分が殆どなくて驚いた。

スイカは度々品種改良されて一時的に人気を盛り返した。黄色い身のすいかには驚いた。種無しすいかを見たときは、食べやすさよりもどうやって次のすいかを作るのか疑問に思った。小型化し、新種で気を引かせ、甘味も増したが消費量はどんどん減っていく。

昔、我が家では赤い部分を食べた後の白い部分を漬物にした。塩味が甘味を増して大好物だったが、玉ひでのすいかでは漬物ができない。もっとも、嘆く以前にそんな漬物を食べた記憶すら薄れてしまった。

スイカを泣かせているのは銀髪のせいでもある。果物を殆ど口にしなくなったのん兵衛には、スイカを慰めてやる言葉が浮かばない。

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2007年06月15日

[游玄亭銀座並木通り店](銀座)

またまた叙々苑游玄亭へ

お客様と食事に行くときは本当に嬉しい。銀髪グルメ紀行を書く取材費が会社から出るようなもので、財布の中身が減ることがないからだ。どこに行こうか散々思案していると、ボスが必ず邪魔をする。彼は好き嫌いが激しく、でかい顔ができる馴染みの店しか行きたがらない。結局、叙々苑游玄亭に行くことになってしまった。

これまで何度も行っているので書くことがない。(「叙々苑・游玄亭並木通り店」 「叙々苑・游玄亭有楽町店」 「叙々苑・游玄亭赤坂店」) 新商品という塩味のユッケだけを写真に収めた。

最初のタン焼きは頗る美味い。それから霜降りの肉に移る。確かに美味しい肉だが、途中から拷問のような展開になる。焦げる寸前の肉をみんなが譲り合う。皿に取り分けてあげると、恨めしそうに肉を見つめている。焼いてもパサパサにならない上等なレバーが来た時にはグロッキー寸前だった。お客様は喜んでくれただろうか。

游玄亭の最高級の肉に最初は喜び、最後は苦しむ構図はいつものとおりですので、これまでの記事を参考にしてください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以下はお知らせです。

既報のとおり、携帯電話で見やすいように、携帯専用の画面を開設しました。
http://codawari.info/system/blog/mt4i.cgi?id=1

携帯専用画面の開設に伴い、画面左のカテゴリー欄をリニューアルしました。

「読者お奨めの店」を「お奨めの店・料理」と改題、銀髪のイチオシの店とその店で食べて欲しい料理を追加しました。携帯専用画面からの店探しにもご活用ください。
携帯の場合は画面を開いて 「すべて → お奨めの店・料理 → 選択 → 銀髪イチオシ」と進んでください。

店舗名一覧は店舗を探す場合に利用してください。店舗名をクリックすれば詳細記事を見ることが出来ます。

地域別記事を開くと、そのまま記事の内容に入ります。

ヤフーブログに写真中心の銀髪グルメ紀行(写真集)を載せています。
http://blogs.yahoo.co.jp/hn2460jp

これからも銀髪グルメ紀行をよろしくお願いします。

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2007年06月14日

[二代目長崎楼](日本橋)

揚げてない皿うどんを初めて東京で食べた。


博多全日空ホテルの近くの「元祖ぴかいち」というラーメン屋さんに行ったときのことだ。人気ナンバー1は皿うどんだったが、揚げ麺を食べる気がしないので3位のちゃんぽんにした。相席した地元の人が皿うどんを頼むのも気にならなかったが、出てきたものを見て心底後悔した。九州での皿うどんは揚げ麺ではなく、麺を炒めただけのものだということを思い出した。仕方なく自分の頼んだちゃんぽんと、ノー勘の部下の味噌ラーメンを撮っていたら、前の人が「食べかけですけど皿うどんを写しますか?」と声をかけてくれた。

元祖ぴかいちの皿うどん

先日、長兄が我が社にやってきた。「日本橋に来たときは皿うどんよく食べる」と言う。揚げそばは食べたくないなと思ったが、兄は違うと言う。博多のぴかいちのことを思い出した。それなら同行しなければならない。

開店時間は11時半だが、3分前に行ったら既に先客が食べていた。兄に倣って皿うどんの竹1,000円を頼む。東京人が思っている揚げ麺の皿うどんを、この店ではちゃーめんという。
1分もしないうちに皿うどんが出てきた。肉、魚介類、野菜のあんかけで、中の麺の状態は分からない。一見したところ揚げ麺のかたやきそばと同じようだ。

昔、母が作ってくれた皿うどんは元祖ぴかいちと同様に、あんかけではなかった。麺を引きずり出した。

確かに揚げ麺ではない。極太の麺に焦げ目がつけてある。長崎ではこれが皿うどんなのだろうか。半分の懐かしさと、半分の物珍しさが交錯する不思議な皿うどんだった。

店名の二代目は兄が解説してくれた。以前はもう少し日本橋寄りの路地裏にあったそうだ。ひげを生やしたユニークなおやじさんで、マスコミにもかなり露出していたらしい。現在の店主はその名物おやじの次男坊とのこと。先代から数えると30年以上の歴史を持つ。
従って、昔ながらのファンも多く、昼時には行列ができるらしい。兄もその1人に違いない。美味いとも、不味いとも言えない不思議体験だったが、もう2~3回行けば病み付きになるかもしれない。

二代目長崎楼
東京都中央区日本橋室町2-3-14 古河ビルB1
03-3211-3076

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2007年06月13日

[鳥茶屋](神楽坂)

神楽坂に行くならまずここから


飯田橋から坂を上りきったところで左手に毘沙門天、右手に鳥茶屋が見える。創業50余年という神楽坂を代表する料理屋だが、神楽坂で行くのは毘沙門天近くの「伊勢藤」か「姿」など数店のみ。鳥茶屋は気になっていはいたが入ったことはなかった。

ずっと焼き鳥屋と思っていたのだが、関西料理・うどん会席の店と知ったのは最近のことである。予約もしないでブラリと出かけたが、老舗の割には至って気楽。靴を脱いで小上がりの掘りごたつ式テーブルに陣取った。左側に酔っ払いの高齢者、右側に若いカップルがいる。風景も至って庶民的だ。

お通し

お通しはじゅんさい豆腐、ひじき入りの厚揚げ、大根の漬物、山芋の梅和え。

メニューも気取りがない。古い料理屋定番の古めかしいメニュー本で、お奨め料理は赤のマジックでマークしてある。観光客気分でやってくる客への親切だろうが、ぞんざいな線の引き方ながらも優しい心遣いだ。隣の若いカップルと同じ料理を並べるのに抵抗感があったが、我々も観光客と五十歩百歩。偉そうなことはいえない。赤いマークに素直に従った。

京・生ゆばの刺身、地鶏の唐揚げ、とりさし

特別に手の掛かった料理ではないけれど、どれも量があり、味もしっかりしている。連れは大山地鶏の柔らかくふくよかな味に感心しきりだった。うどんすきの主役はうどんでも、味の基本は鶏肉。店名に鳥がついているのは伊達じゃないようだ。

うどんすき

予備知識がなかったので、うどんには驚いた。細く切るのが面倒なのかと疑った。最初は違和感があり食べても美味しいとは思えなかったが、時間が経つにつれ我々にぴったりのうどんに思えてきた。なにしろ我々はダラダラお酒を飲むだけで、うどんがちっとも減らないのだ。思い出したように契っては口に放り込む。美味しいスープをタップリ吸い込んでも崩れないので、安心して酒の肴にできる重宝なうどんだった。もちろんスープは注ぎ足し注ぎ足しである。

これだけの大きな店なのに酒の種類が少ない。数種類置いてあるがすべて土佐鶴。鳥茶屋の料理には土佐鶴が一番と店主が判断したためだという。客にとって選択肢がないのは寂しいが、相手に見栄を張って大吟醸酒などに大枚使う必要がないのは有難い。

随所に老舗らしさが顔を出すが、いやらしさはない。過度の期待は禁物だが、神楽坂を楽しみたい初心者には優しい名店に違いない。


鳥茶屋本店
東京都新宿区神楽坂4-2
03-3260-6661
http://www.bolanet.ne.jp/torijyaya


追伸
携帯閲覧用のページ、携帯版銀髪グルメ紀行を作りました。
http://codawari.info/system/blog/mt4i.cgi?id=1

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2007年06月12日

[お多幸本店](日本橋)

おでん屋で焼き鳥三昧


お多幸には複数の系列があることは以前書いた(→「お多幸」)。日本橋お多幸本店は昭和23年銀座5丁目に開店、平成14年7月に現在の地に移転した。古ぼけた店内なので、ずっと日本橋にあったのかと思っていたが比較的新しいのに驚いた。

創業は1924年(大正13年)という説もある。違う系統のお多幸もほぼ同じ時期を創業年としているから、銀座4丁目に創業した店がすべてのお多幸の源なのだろう。紳士的に枝分かれしたのか、仲違いしたのかは詮索すまい。同じ赤い器に濃い醤油色のおでんがすべてのお多幸に受け継がれているのが面白い。

おでん以外の酒の肴となると、各店の特色が出てくる。日本橋お多幸本店は焼き鳥がウリだ。

ぼんちり、つくね、わさび、せせり

収容人員に対して調理場が狭いせいか、料理が出てくるのが遅いのがたまに傷だが、味は悪くないし、値段もそれほど高くない。

手羽先、おでん

手羽先も写真のとおり上手に焼けてきた。もちろんおでんが自慢なのは言うまでもない。お客様2人は思い思いのものをオーダーして舌鼓を打っている。銀髪は次のお目当てのためおでんは大根と卵だけにしたが、写真を撮る前に大根半分は略奪されてしまった。

お客様2人は70歳前後の歳なのに元気一杯にお酒をお代わりしていたが、さすがにペースが落ちてきた。銀髪はここぞとばかり名古屋コーチンの焼き物を頼んだ。

名古屋コーチン4点盛り、おしんこ

別に意地悪したわけではないが、お2人は味見をしただけで箸の動きも止まった。名古屋コーチンと言えども、満腹になってしまって美味しく感じないのだろう。さて、最後にもう少しおでんを食べようかと思ったが、お二人のからだの揺れ具合を見てお開きにすることにした。

それにしてもお元気だ。一回り以上も違うのに頭も体もしっかりしている。口角泡を飛ばして議論していたがたいしたもんだ。美女が横にいたらもっと元気になるのだろう。くわばらくわばら。


日本橋 お多幸本店
東京都中央区日本橋2-2-3 お多幸ビル
03-3243-8282


メニュー

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2007年06月11日

[東京大飯店](新宿)

思い出の東京大飯店


最初に飲茶を食べたのは大学時代、香港旅行をしたときだ。1970年代の後半から安売り航空券を販売するベンチャー企業の台頭で、貧乏学生にも海外旅行への道が開かれた。口コミを頼りに友人と六本木のマンションオフィスに行き、格安の航空券を手にした。業者の人たちは若くて活気に溢れていた。そんな新興旅行社の中に、今は大手になったエイチアイエスの創業者である澤田氏もいたに違いない。

旅行社は親切だった。香港駐在員が無料で我々の案内をしてくれただけでなく、何回かご馳走してくれたが、そのどれもが感動的だった。飲茶には特に感激した。
それから数年後、コロンビア駐在から帰国してすぐに未亡人となった母を元気付けるために、日本でワゴンサービスをしている中華料理屋を探した。やっと見つけたのが東京大飯店だった。

飲茶は昼だけかと思っていたが、久しぶりに行ったら3階の香港レストランで夜もやっていた。ワゴンサービスの16種類の中から5品を選んだ。

牛アキレス腱、鶏足

牛アキレス腱のやわらか蒸し、鶏の黒豆蒸しは柔らかくてコラーゲンタップリ。見た目で好き嫌いをする人には敬遠されるだろうが、銀髪はもちろん両方とも好物だ。日本人の味覚に合わせて本場より癖がないように思える。

餃子3種

客があまり入ってないためか、料理の回転が悪いようだ。皮が固くなっていたフカヒレ餃子はちょっと残念だった。待ち時間なしに入れたのは嬉しいが、飲茶は満席の状態がもっとも楽しめる。

飲茶の種類は全部で52種類あり、ワゴンサービスの16種類以外は厨房から運んでもらう。

海老入り米もち、小龍包

蒸したての方がワゴンサービスより美味い。それでもワゴンサービスで食べたい。混雑している日曜の昼の方が飲茶を楽しめるだろう。

それにしても静かな夜だ。広い店内に4組は寂しい。母を連れてきた頃に比べると、東京大飯店ビルのテナントも随分入れ替わった。昔は全部中華料理屋だった気がする。その後、韓国料理屋が入り、今では居酒屋もある。

30年前、母は予想以上に感激してくれた。初めて食べた飲茶に、そして社会人になった末っ子にご馳走してもらうことに。あの時の東京大飯店は満席で活気があった。

思い出の店はいつまでも行列が出来る店でいて欲しいものだ。その人気店に運良く入れた感激を味わいたいと思う。数年に1回来る様な輩に偉そうに言う資格はないけれど。


東京大飯店 香港レストラン
東京都新宿区新宿5-17-13
03-3202-0121
http://tokyodaihanten.com

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2007年06月10日

[スラバヤ]

夏にはインドネシア料理を


インドネシア共和国は2億3千万人が住む世界第4位の人口大国である。上位3国の中国、インド、アメリカは分かっても、4位以下を正確に言える人は殆どいないだろう。インドネシア、ブラジル、パキスタン、ロシア、バングラディシュ、ナイジェリアと続き、10位に日本が入る。(2006年国連調査)

インドネシアは大航海時代に香辛料を求めてきたヨーロッパ各国に蹂躙されて、最終的にオランダ人に支配される。第2次世界大戦のとき日本軍がオランダ支配を解くが、日本の敗戦により再びオランダが盛り返す。これに対し民族主義者が独立を宣言して戦い、1949年に独立を果たす。その立役者のスカルノ元大統領が来日して見初めたのがデヴィ夫人である。

戦後、餃子、明太子などが復員兵によってもたらされ、人気食品に育った。歴史的にも或いは資源大国として経済的にも浅からぬ縁のあるインドネシアだが、料理に関しては日本にあまり伝わって来なかった。
スラバヤは日本では数少ないインドネシア料理のチェーン店である。

スラバヤランチ(インドネシア料理の盛合せ)

中央の春巻き・ルンピアは先日行ったトラベルカフェ・フィリピンにもあった。左端の串焼きがサテ。鶏肉の照り焼きや、海老の焼き物、野菜炒めなどは見たところ何の変哲もないものだが、歴史が語るとおり香辛料が豊富なインドネシアならではの味のような気もする。

この盛り合わせにテンペ(大豆の加工食品)、ナシゴレン(焼き飯)、ミーゴレン(焼きそば)などを食べれば一通りインドネシア料理を食べた気分になる。
もっとも、インドネシアは17,500もの大小の島により構成される国だから、料理の種類は数限りなくあるに違いない。

スラバヤの料理人は全てインドネシア人で、本場の味を再現しているというが、インドネシアに行った事がないので本当のところは分からない。それでも南国気分に浸り、リーズナブルな料理を楽しめるのがいい。トラベルカフェよりお奨めだ。

このランチには最初にウコンのスープ、デザートに揚げバナナとアイスクリームがついた。

揚げバナナは素揚げではなく、天ぷらのようだ。どんな料理法でも甘いのは変わらない。

暑い夏にはインドネシア料理が相応しいかもしれない。但し、暑いのは外だけで、室内は冷房で快適だ。こんなんで、本当にインドネシアを味わったと言えるのだろうか。まっ、いいか!


スラバヤ
http://surabaya.jp
都内:お台場店、豊洲店、六本木店
神奈川:みなとみらい店、港北店
静岡:伊東店、伊東宇佐美店(サヤン)、浜松店
岐阜:大垣店

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2007年06月09日

かつ天

徳島名物と言われてもらったお土産


「徳島でカツと言えばかつ天のことです」と徳島の人に言われたそうだが、徳島にもトンカツ屋が多数あるので真偽のほどは分からない。行ったことがないのでまた聞きを素直に信用するかどうか迷う。出張に同行する方が嬉しいのだが、お呼びがかからないので仕方なく土産を受け取る。

かつ天

練り物の揚げ製品は関東ではさつま揚げとか、揚げ半と呼ばれるが、関西以西では天ぷらという。九州で子供時代を過ごした銀髪にとっても同じことだ。かつ天とは天ぷらのカツのことだと容易に分かった。

一度はかばんにしまおうとしたが「要冷蔵」の文字を見つけて困惑する。梅雨前の暑い日に「要冷蔵」食品を持って銀座巡りはできない。会社で食べてしまうことにした。コンビニでパン、醤油、ソースを買ってきた。パンの中のバタークリームをこそぎ取り、かつ天を挟んだ。

自家製カツサンドに取り掛かる前にかつ天のまま食べてみた。天ぷらのかつと考えたのは間違いだった。天ぷらの材料となる魚の練り物を成形して、そのままカツにしたようだ。それにしても中身が薄い。衣の割合が圧倒的に多い。

カツサンドを一口食べてみた。どっかで食べた記憶がある。もう一口食べて閃いた。昔懐かしいハムカツサンドだ。最近のハムカツは上質のハムを使うところが多いため、思い出のスイッチに届かなかった。魚肉中心の昔のハムカツに極めて近いかつ天サンドを楽しんだ。

食べ終わって悔しさが込み上げてきた。こんなカツサンドに満足しているわけにはいかない。部下は既に何度も四国出張を楽しんでいる。高知でかつお、四万十川の鰻や鮎、瀬戸内の鯛、たこ、穴子、鰆。アー、腹が立つ。

「オイッ!いい加減、俺を四国に連れて行けっ!なぁ、頼むから、お願い!」

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2007年06月08日

[宮鍵](名古屋)

明治32年創業の老舗のお味は?


「宮鍵に行きたい!」と店を指定された。有名な老舗料理屋と聞けばグルメ紀行の取材の対象としても文句はない。「予約が必要ですか?」と電話したら「少人数なら大丈夫です」と言われて、宮鍵の凡その姿は想像できた。
美女2人を連れて店に入ると「鍋なら2階」と言われたが、彼女たちのお望みは鍋ではなかった。そのまま1階奥に座ってメニューを見た。夜だというのにいきなり美女Aは櫃まぶし、美女Bは親子丼を食べるという。それではあまりに味気ないので、おつまみを数品頼むことにした。

しもふり、わさびあえ、とりサラダ

宮鍵の自慢はかしわ(鶏)料理。かしわさしみは夏季(5月~)なので頼めない。もつの類を美女たちは嫌いだという。苦心して何とか2人が食べそうなものを選んだ。上の3品の中ではわさびあえが好評だった。

やきとり、うなぎの肝焼き

焼き鳥というと、串を刺さないのが名古屋の流儀。老舗らしく流儀をしっかり守っている。
宮鍵のもう一つの自慢料理はうなぎ。ところが美女Bはうなぎが嫌い。どじょう、はも、ぎんぽうなどの形状のものは受け付けないらしい。全部1人で食べるつもりで肝焼きを頼んだ。うなぎが名物なら、肝は欠かせない。これも串に刺さずに出てきた。立派な肝で美味かった。

櫃まぶし、親子丼

美女たちは殆どお酒を飲まない。目的の櫃まぶしと親子丼に取り掛かった二人を前に、ゆっくりと盃を口に運ぶ銀髪。櫃まぶしは食べきらなければ手伝ってやろうと思ったが、意外と小さくて味見だけさせてもらう格好になった。元祖の「あつた蓬莱軒」が2,520円に対して宮鍵は2,200円だが蓬莱軒の方が量が多くてお得感がある。
親子丼は鳥ひき肉を使う変り種だ。これを目当てに来る人も多い。

ご飯でお腹を満たす気のない銀髪は、残りの熱燗をチビチビやりながら二人が食べ終わるのを待った。とっても楽しみにしていた美女2人との宴はあっけなく幕を閉じた。後日宮鍵では鍋を食べるべきだったと美女Aに言われた。もっと早く言ってくれ!

満腹になってホテルでマッサージをやってもらうと微笑む2人。外は雨。傘を持たない美女たちに、お店の主人(?)が傘をあげると親切だ。せっかくの好意を断った美女たちを乗せて、タクシーは名古屋観光ホテルに向かって走り去った。主人は傘を持って店に引っ込んだ。

銀髪は相合傘に適当な大きな折り畳み傘をかばんから取り出して広げたが、一緒に歩く相手はいなかった。名古屋駅までトボトボ歩き、酒と肴を買って新幹線に乗り込んだ。新幹線が走り出して30分後に酒はなくなり、睡魔が襲ってきた。眠りにつく前に、美女との心地よい宴がせめて夢の中で繰り広げられることを祈ったが、最後まで叶うことなく旅は終わった。


宮鍵
愛知県名古屋市中村区名駅南1-2-13 
052-541-0760

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2007年06月07日

[喜鮨](本郷)

東大正門前のお寿司屋さん


日本橋からタクシーに乗り、「東大の正門」と言ったのだが、車を降りて目を上げると赤門が見えた。仕方なく正門前まで歩いて左折するとすぐに寿司屋らしい店を見つけた。店主の山口喜久治さんの一文字を取って喜鮨、入り口に掛けられたのれんには七が3つの漢字が書いてある。扉を開けると、銀髪の手に地図が握られているのを見た店主が「すぐ分かりましたか?」と笑顔で声をかけてくれた。

赤門を正門と勘違いしているタクシーが多く、戸惑う客が多いと聞かされた。Tさん、Kさんが来るまでしばし談笑。グルメ記事を書いていると告げると、「あんまり載せないでくださいね」と言われた。今日もカウンター、テーブル、2階とほぼ一杯。ジャパンタイムズで紹介されて、外国人から電話が入り困ったこともあるらしい。

最初に網茸の漬物風のものや、芽昆布など4品が並んだ。今日はTさんが絶賛する女性Kさんを紹介してくれるのが目的なので、いつもの食べ歩きとはちょっと勝手が違う。茸の名前を教えてくれたのはKさんだった。故郷の秋田でよく食べたという。男2人より年長の起業家Kさんは、週末はスキューバダイビングをやるエネルギッシュな女性だ。

海ぶどう、とこぶし

4品の次に海ぶどうととこぶしの2品。Tさんに寿司屋というより居酒屋と聞いていたが、なるほど多種類のつまみが用意されている。店の奥の冷蔵庫にはたくさんの日本酒が出番を待っている。岡山の酒蔵に作ってもらっているオリジナルの吟醸酒「喜酒」を飲んだ、飲んだ、また飲んだ。

うに、穴子寿司

温かいうちに食べてくださいと出された人数分の穴子寿司。とっても美味しいのに話が盛り上がって2つが冷めそうなのが気にかかる。もちろん銀髪はとっくに食べ終わっている。

Tさんとは同い年で聞けば家も近い。さらに話を進めるとなんとTさんの長男と銀髪の長女が同じ小学校のクラスメイト。イヤー、世の中狭いもんだ。

つまみを続けるか、食事にするかと女将に聞かれ寿司にした。

アットホーム、つまみの種類が多い、日本酒の品揃え、リーズナブル、などなどで人気が高い寿司屋。宣伝するなと言われても、自慢をしたくなるのが人情だ。次回はカウンターを占拠しよう。

Kさんは野郎共に負けずとたくさんお酒を呑んだにもかかわらず、仕事場に戻ると言う。残された男2人はタクシーに乗り、地元で呑みなおす事にした。半世紀を越えて生きて来た同い年、まだまだ話は尽きない。

喜鮨
東京都文京区本郷6-17-2
03-3811-5934


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2007年06月06日

[玉ひで](人形町)

1760年の創業、言わずと知れた親子丼発祥の店


大阪と博多の人をまとめて食事に連れて行くことになった。夜の観光ツアーのスタートとしては玉ひでがベストであろうと考えた。何しろ東京でこの店ほど長い行列が出来る老舗料理屋を他に知らない。昼の長蛇の列に加わる気は毛頭ないから、夜のコースが適当である。

電話で個室を予約しようとしたら4人以上からと言われた。3人で使うなら5,000円を別途支払わなければならないそうで、ばかばかしいから1階席にした。5,800円の親子御膳に追加料理を数品と考えたが、アラカルト料理はない。以前もそうだったのだろうか?

そぼろの小鉢の次は砂肝・皮の湯引き・ささみの一皿。ささみは真空パックして低温過熱したもの。つくね入りのスープはいい味だ。

マヨネーズの和え物が出て、煮こごり・肝・心臓の小鉢、温泉玉子と続く。

食事時間は2時間までと予約の際に念を押されたが、残りは極上親子丼とデザートのみになってしまった。4合瓶の純米吟醸酒はまだ半分も減っていない。ダメもとで追加料理を頼めないか聞いてみたが仲居さんは首を振るばかり。

困り果てていたら「ご飯についてくる漬物を先に持ってきましょうか?」と提案してくれた。小皿の漬物は出しゃばりもせず純米吟醸酒を見事に引き立てた。
漬物が大役を果たした頃、仲居さんが親子丼を作ると宣言しにやってきた。抵抗する手段は残っていない。

昼間に1時間待ちした人の殆どががっかりするという極上親子丼が厳かに登場した。銀髪が玉ひでの親子丼を食べるのは6回目くらい。最初は夜に出前してもらってオフィスで食べた。今は出前はやっていない。1階(個室?)で食べたこともある。その1階は長い行列を効率よくさばくため5~6年前に改装された。店主か料理長のみが作る卵の黄身乗せ極上親子丼は初めて食べた。昔はなかった高級親子丼だ。

1時間待ちもしてないし、もともと期待していなかったためか、意外と美味しかった。イメージ以上に卵に火が通っているので、割った黄身が流れ出したところと、それ以外の部分の味の比較が出来て楽しかった。陳腐なアイデアに見えた生卵だったが、ちゃんと計算されているのかもしれない。

最後にデザートのスイカを食べて1時間10分。どんなに頑張っても2時間居座るのは難しい。8代目店主は実に商売上手だ。「昼に荒稼ぎしているのだから夜の営業はおまけみたいなものでしょう?」と仲居さんに軽口をたたいたが、苦笑いをされただけだった。

他の料理はともかく、極上親子丼が思ったより美味しかったのは収穫だった。今度はしゃも鍋を食べてみようか。以前食べた印象は既に失せているが、8代目は何か新しい趣向を編み出しているかもしれない。

玉ひで
東京都中央区日本橋人形町1-17-10
02-3668-7651
http://www.tamahide.co.jp/index.html

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2007年06月05日

[業平屋②](両国)

肝っ玉かあさんバンザイ


これまで何度も来ているが、料理や酒の口上を聞く以外は大将とゆっくり話した記憶がない。先代から店を引き継いだのが20代だったというので、「よくやったね」とねぎらったら、首を振りながら「かみさんのお陰です」と真顔で応えた。

酒屋で買っても1升瓶で3万円以上する大吟醸酒などを揃えるこだわりの店だが、酒の肴は「おかあさん」が作る。いかにも蕎麦屋の酒の肴というものも多種類あるが、お惣菜の類もたくさん見た。

コロッケやロールキャベツなどの洋風料理が出てきて驚くことがある。さすがに2人の子供を育て上げただけに家庭料理も多く、おやじどもはそれを単純に喜ぶ。今日はエビフライだった。

いつもはお任せで出てくるものを従順に食べる銀髪だが、たまにはこちらの意思を通したくて壁のメニューに目をやった。定番料理に日替わり料理が交ざる。

興味を持ったのは定番に昇格した巣ごもり。揚げたそばに塩をふれば立派な酒のつまみになることを「そじ坊」で初めて知り、それ以来余ったそばをときどき家で揚げる。しかし、そばのかたやきそばとは珍しい。こだわりの蕎麦屋の揚げそばが不味かろうはずがない。

巣ごもり

揚げたそばが香ばしく、中華麺のかた焼きそばより格段に美味い。他の連中はざるそばを頼んだので、銀髪が大半を平らげようと思ったが、アチコチから箸がのびて来てアッという間になくなった。皆が喜んでくれたのなら文句はない。また次があるさ。

それにしても、おかあさんの貢献は料理だけではないようだ。大将が真顔で感謝し、「凄いんですよ」と言うにはこれまでおかあさんに随分と助けられたに違いない。頭が上がらないと言う旦那(大将)を、愛おしく見つめるおかあさんの笑顔が優しい。

その肝っ玉かあさんも最近では体のあちこちが傷んで病院に通っているらしい。からだに気をつけて、いつまでも美味しい料理を作って欲しいと願っているのは大将だけではない。


業平屋
東京都墨田区亀沢2-15-8 石川ビル1F
03-3622-7978

移転しました
業平屋
東京都 墨田区亀沢2-8-7
03-3622-7978

「前回の記事」

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2007年06月04日

[エラワン](新宿)

タイスキ? タイシャブ? タイヨセ?


タイ料理で人気の鍋料理タイスキは、現地語ではなんと言うのだろうか。単純に考えてタイのすき焼きを略してタイスキと称すると思っていたが、それならまったくの日本語である。ところがタイでもタイスキと呼ばれているらしい。日本の鍋料理の代表であるすき焼きの呼称だけがタイで採用されたようだ。

タイスキはすき焼きよりはしゃぶしゃぶに近いということで、タイシャブが正しいと主張するところもあり、エラワンでもメニューにはタイしゃぶと書いてある。日本では20年くらい前からタイ料理屋の人気メニューになったようだが、銀髪は今回初めて経験した。

新宿アドホックビルは小さいビルと思っていたが、エラワンの店内は結構広い。エスニック料理屋で中年のおじさんグループに出くわすことはまずないが、鍋料理が名物のせいか奥の個室には珍しくも中年男性グループが数組入っていた。男2人が差し向かいで食べているテーブルも珍しくない。

店名がついたエラワンコース1人前2,900円を頼んだ。

前菜(ラーフガイ=鶏ひき肉のサラダ)

鍋にはブラックタイガー、帆立貝、海老のすり身ボール、いかのすり身ボール、チキンボール、ミートボール、ハウスリッチボール、海老ワンタン、タイ風餃子、海老の海苔巻き、いかの肉詰め、パクチー魚肉巻き、野菜の盛り合わせが入る。

材料


しゃぶしゃぶというより寄せ鍋に近い。これならタイヨセのほうが相応しいように思える。タレはナンプラーに唐辛子、パクチー、レモングラスなどを加えて作っているようだ。結構辛いので、スープに好みの量だけ溶かして使う。スープは鶏がらベースのシンプルなものなので、辛さが苦手な人でも大丈夫だ。

最後にセンレック(タイの米粉細麺)を食べた後にデザートがついてくる。センレックではなく雑炊も選べるが、そうなるとタレ以外は寄せ鍋と殆ど変わらない。見慣れない料理に臆病なおじさんたちも抵抗がないはずだ。

タイスキのタレは市販されているようだから、今度我が家でやってみよう。暑い国の熱い鍋が暑気払いにうってつけかもしれない。


エラワン 新宿靖国通り店
東京都新宿区新宿3-15-11 アドホック新宿8階
03-3341-5127
http://www.erawan-jp.com

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2007年06月03日

[萬里](野毛)

日本で最初に餃子を売り出した店?


駅を挟んで西と東、或いは北と南。駅を出ると別世界が現れることは、地方都市で何度も経験した。閑散としていた方が再開発で活気を呈し、昔ながらの街が時代に取り残された印象を受ける。

桜木町には何度も行ったが、いつも降りるのはみなとみらいの方ばかり。反対側に降りる機会はなかったし、行こうと思ったことすらなかった。グルメ紀行を書いてなければ一生訪れることはなかったかもしれない。

客先を出る時間がちょうど昼時になる。みなとみらいのホテルやオフィスビルにあるレストランは東京のそれとイメージが重なるので食指が動かない。ネットで探したら日本で最初に餃子を売り出した店という「萬里」を見つけた。萬里の住所は野毛。東京に住む者にとっては上野毛は知っていても、野毛は初めて聞いた地名だ。

餃子

元祖を名乗る大阪・珉珉の創業は昭和28年、萬里は昭和24年創業というから珉珉より早い。しかし全国展開した珉珉に比べると萬里は近くにある萬里放題亭と2店のみ。勢いの違いは味の違いと影響しているのかもしれない。もっとも、珉珉も萬里も銀髪にとっては特に美味しいという訳でもない。懐かしさを求める人にはかけがえのないものだろうが…

萬里に入って店内を見回すと、客層はネクタイ族は稀。近所のおばさんたちもちょっと食事に来たという感じで和んでいる。みなとみらい地区とは時間の流れ方がまったく違うようだ。ボリュームがあって、リーズナブル、料理の種類も豊富なので、夜は居酒屋感覚の客で盛り上がるだろう。

萬里に限らず野毛の街は、夜になると違った顔を見せるに違いない。ソープランドやキャバレー「ロンドン」もある。もちろん居酒屋もたくさんある。

食通は洋食屋がお目当てで野毛に来る。外国人が多く住んだ港町横浜らしく、洋食屋の名店があるそうだ。野毛の夜は、馴染みの客の案内で歩きたいものだ。いつまでも変わらない街、それはそれで存在感はあるのかもしれない。

萬里
神奈川県横浜市中区野毛町2-71
045-231-8011

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2007年06月02日

[カップ酒]

日本酒の新潮流


5月28日付けの日経新聞夕刊にカップ酒の記事が出ていた。東京都中野区にある「味ノマチダヤ」には常時70~80種類のカップ酒が並んでいるとのこと。数年前からカップ酒が若者の間で人気になっているのは知っていたが、この中野の酒屋が仕掛け人だったとは記事を読むまで知らなかった。

カップ酒は安酒好きなおやじの飲み物といったイメージが強く、今でも道端で飲んだくれている人の手にはカップ酒が握られていることが多い。中野の酒屋は渋る蔵元を説得して商品開発に取り組んだ結果、「八海山」や「天狗舞」などの銘柄酒もカップ詰めされるようになり、今では吟醸や大吟醸酒もある。

上の写真は下北沢の「とりとんくん」の写真。料理も安価だけれど日本酒も安価なカップ酒で提供してくれる。純米の「田酒」がカップで出てきたのには驚いたが、新聞記事にあるとおりカップの純米酒は当たり前になりつつある。

これまで何度も書いてきたが、日本食には日本酒が一番合う。ところが日本酒の品質保持には料理屋が頭を痛めている。一升瓶を何本も入れておく冷蔵庫はないし、栓を開けたらできるだけ早く空にして欲しいのに、日本酒好きの大酒呑みは年々減っていく。中高年層は焼酎に宗旨替えして、料理屋も取り扱いが優しい焼酎の品揃えに走る。
かくして、2003年に消費量で焼酎に抜かれて以来、日本酒は差が開けられる一方になっている。

東京駅大丸の酒売り場に行ってみた。さすがに中野の酒屋ほど品揃えはないが、1回飲みきりサイズの日本酒が結構ある。純米大吟醸もある。

旅行客用の品揃えのようだが、料理屋さんも一升瓶や4合瓶にこだわらず、このサイズを仕入れたらどうだろう。
小さめの冷蔵庫で何種類も保管できる。減った分だけ出入りの酒屋に補充してもらえば品質維持に神経をすり減らすこともない。

電器機器、精密機械、部品などの小型化で世界の市場を支配した日本製品。日本酒の復活は意外なところにヒントがあるかもしれない。


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2007年06月01日

[鳥茂](新宿)

誰と行くか迷ったら、やっぱり気心知れた男同士


席につくなり店員に「当店では牛や豚肉が中心ですのでご了承ください」と言われた。「焼き鳥嫌いの上司を連れて行ったら凄い剣幕で怒られて、鳥じゃないことを説明するのに苦労した」という兄の話を思い出した。

豚や牛の内臓肉を使う新宿の超有名店。連れが好き嫌いをすると銀髪が連れの分も食べることになり、種類をこなすことが出来ない。是非とも行きたい店だったが相手を決めるのに随分と時間がかかってしまった。結局気心の知れたYさんを誘った。男同士で酒と料理に専念するのも悪くない。

お通し、刺身4種

お通しは写真左の小鉢とお新香の二品がつく。刺身は上から右回りにガツ、子袋、脳、レバー。脳は白子のような食感で美味い。

お任せ4品2,000円

レアのレバー、唯一の鳥を使った料理というつくね、牛のサーロインを小ネギで覆ったネギトロ、ピーマンとで4品になるがオクラとミョウガの小鉢もついてくる。

これでは足りないので追加注文。壁に掛かったお品書きを右から全部1本ずつ注文した。「食べれますか?」と心配されたが大丈夫と胸を叩いた後に腹をさすった。但し、肝心の玉指しが未入荷。焼き用の玉はあるとのことだったが、「お奨めできません」と断られてしまった。

ネギ間、軟骨、シロ、ハツ、タン、気管

熱燗は名物の鉄瓶に入ってくる。器が重いのでたくさん残っているかと思うがすぐに空になる。2合を4回、生ビールを3杯ずつと酒もたくさん飲んだ。お代は18,000円。料理が1万円、酒が8千円といったところか。

脳とシロが特に良かった。シロはこれまで食べた中で一番美味いと思う。

店に入ったときには鳥茂一軒で帰ると固く誓った二人だったが、酔いが回ると見えない力が背中を押す。抗う理性は既に消え失せていた。アー、楽しい。

鳥茂
東京都渋谷区代々木2-8-5 (新宿駅南口)
03-3379-5188

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