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2007年09月30日

鴨の舌

お土産を酒の肴に

多くの人にとってこの1ヶ月、三連休の週末が続いた。旅行に行った人も多いだろうが、銀髪は近場でお茶を濁した。哀れんでくれたのか、いくつかお土産をいただいた。
出色だったのは香港からのお土産である鴨の舌だった。

よく分かってくれていて、みんなちょっと変わったものを探し出してくれる。銀髪が食べたことがないと思ったようだが、実は香港で一度食べたことがある。湖南料理の店だったと思うが、7~8年も前のことなので記憶は定かではない。面白半分で鴨の舌を頼んだら、50個くらいの舌が皿を埋め尽くして出てきたので驚いた。お土産の写真を見て、あの時の光景がはっきりと蘇った。

夜遅く、いつものように酔っ払ってお土産を家に持って帰った。翌日、再び酔っ払って帰ったら、袋が空いていた。我が家の住人たちは毛嫌いして食べないだろうと思っていたが、さすがはのん兵衛の子供たちだ。
「美味しかった?」と聞いたら、「普通」と愛想がない。食べようとしたら「骨がついてるよ」と教えてくれた。

牛の舌は焼肉屋の人気商品。豚のタンも良く食べられている。鴨の舌がゲテモノであるはずがなく、毛嫌いすると思った方がおかしいのかもしれない。

舌は真空パックされていて、娘が言ったとおり骨がある。焼き鳥のタレをつけて焼いたような味だ。娘が「普通」と表現したように、特別美味しいわけではないが、不味くもない。

かつて香港で食べたものとはイメージが随分と異なる。香港ではパッケージの写真のように身は原型のままだったし、塩味だった。食べ尽くすのに苦労したっけ。

インターネットで「鴨の舌」を調べると、日本の中華料理屋でもメニューに載せているところが結構ある。探してまで食べに行く必要はないと思うが、銀髪グルメ紀行の筆者としては行った方がいいのだろうか。

それにしても、北京ダックなどで皮や身は平気で食べるくせに、舌だと鴨がかわいそうに思えてしまう。べつに生きたまま舌を切り取るわけではあるまいに、不思議なものだ。
そういえば舌きり雀の話ってどんなだったかな?

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2007年09月29日

[大寿司]③(錦糸町)

欠食児童を引き連れて


「蕎麦屋と寿司屋どっちがいい?」と聞いたら全員が寿司屋と言う。候補にした蕎麦屋には純米大吟醸酒など銘酒が何種類もあるが、寿司屋は醸造酒のみ。酒好きが多いメンバーだが、寿司の魅力にはかなわない。

総勢男ばかり8名となれば安くて美味い店、錦糸町の大寿司に限る。狭い大寿司のカウンターは我々でほぼ一杯になった。

いつもながら豪快な刺身の盛合わせだ。これで2人前だから食べ応えがある。手前から 平目、鮪、雲丹、鯵、甘海老、蛸、烏賊。開業以来、生しか使ったことがない自慢の鮪は青森県大間産だが、大将は脂の乗りが悪いと不満顔だ。

これだけの刺身があればゆっくり呑めると踏んだのだが、他の連中の刺身は瞬く間になくなっていく。
右端のKがコハダを握ってくれと言う。彼は刺身の途中で握りを数個食べて、再び刺身を食べる変わった食べ方をする。それを知らない連中が素直に追随するものだから、一気に食事会は終盤に入ってしまった。大将はあちこちから寿司の声がかかるのでてんてこ舞いだ。

銀髪はあくまで刺身に執着する。刺身でコハダを食べる。今年はシンコを食べ損なったのが残念。「ばふんはもう終わったんですか?」と聞いたら、銀髪にだけバフン雲丹を出してくれた。他の連中はスズキ、牡丹海老、さんまを握ってもらう。その都度銀髪は同じネタの刺身を要求する。

1時間足らずでみんな満腹になってしまったようだ。仕方なく最後に穴子と大トロを握ってもらった。これで銀髪も終了である。
1人で3~4合を飲む奴が何人もいるのに、空いた酒は4合瓶が2本だけ。とにかく競争するかのように食べることに専念した面々だった。

お代は写真にない岩牡蠣などのつまみ類や酒を入れて1人約1万円。みんなは大いに満足したようだが、もう少しゆっくり味わって欲しかった。

一番喜んだのは、大いに食べてサッと帰る我々を送り出した大将だったろう。

大寿司
東京都墨田区錦糸4-5-8
03-3625-2591

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2007年09月28日

[七草](下北沢)

下北沢にある女性に人気の隠れ家的なお店


若者がごった返す下北沢駅前の通りから外れ、小田急線の踏切を越えて成城方面にちょっと行ったところに七草はある。

「静かに食べたい女性にお奨めの店」という雑誌のコメントを無視して男2人で出かけた。店に着くとTさんは、「電車の中から見えるので、気になっていた店だ」と言う。席に通され、「男2人で来る客は珍しいでしょう?」と店の女性に尋ねると、「そうですね」とはっきり言われて苦笑した。

コーンスープ、焼きかき、葡萄の煮浸し

料理はお任せ。スープからスタートして、次に焼いたかきが出てきた。同時に葡萄を煮たもの。果物を焼いたり煮たりした料理はいかにも女性向き。

鳥ごぼうの味噌和え、山芋まんじゅう、炊き合わせ

次から次に料理が出てくる。炊き合わせはしめじとかぼちゃに隠れたつるむらさきが美味。
料理の評価に余念がない3人のおば様たちの隣席で、我々はしっかり酒盛りをする。女性向きの店にしては日本酒の品揃えもいい。

トマトの煮浸し、野菜と麩の和え物、豚ばら

2種類のトマトの煮浸しは酸味がさわやか。和え物はきゅうり、いもがら(里芋のへた)と利休麩。利休麩が聞き取れず何度も聞きなおした。女性なら知っていて当たり前なのだろうか。生麩を濃い口醤油で煮しめて油で揚げたものだそうで、食感が面白かった。

豚バラと大豆みそ焼きには麦が添えられている。肉ばかり食べると野菜が出てきてホッとするが、この日は逆で豚の固まりが出てきてホッとしてしまった。

雑炊、漬物、果物、氷豆腐

雑炊の具は女性に人気のもずく。酢の物のイメージしかないもずくだが、色んな料理法がありそうだ。米も単純な白米ではないようで、結構歯ごたえがある。
デザートのなしも片方には胡麻がまぶしてあり、面白い味だ。

普段は残す甘いものも、しっかり食べてしまった。カウンターの向こうで一人で料理を作る女性、給仕をするしとやかな女性の二人を見ていると、残せないような雰囲気が店を覆っていた。

それにしても結構な量に思えるが、女性客たちは全部食べ尽くして平気な様子である。男の前では食欲は封印されているのだろうか。謎である。

店を出るとき料理担当の女性がお見送りをしてくれた。冗談のつもりで「野郎ばかりで雰囲気を壊してごめんなさいね」と言ったら、否定してはくれず、「今度は奥様とご一緒においでください」と言われてしまった。やはり男同士は遠慮した方が良さそうだ。


七草
東京都世田谷区代田5-1-20
03-3410-2993


写真撮影でのフラッシュは不可だったので、不鮮明で申し訳ありません。

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2007年09月27日

[銀座 さの](銀座)

気兼ねなく、こだわりの料理を、お手ごろ価格で


銀座というにはちょっとはずれた昭和通りの近く、見落としてしまいそうな小さなビルを地下に降りると、オープンしてまだ2年が過ぎたばかりの真新しい店がある。
メニューは10,500円のコース一種類のみ。メニュー(末尾をご覧ください)を見て、出てくる料理を想像する。

先付け

蓮根には海老しんじょが詰まっている。これを極細の美しい箸で食べ始めた。黒檀の箸だという。

椀物

土瓶が出てくるとばかり思っていたら、真鍮製の美しい器が出てきて驚いた。中にはお約束の松茸と鱧。「淡路産ですか?」と食通みたいに尋ねたが、メニューにしっかり書いてあった。松茸は東北産で、今年初めての国産物を喜んだ。同行したKさんは器の方に気を取られているようだ。

造り、焼物

さよりを食べて「少し締めてるんですね」と尋ねた。後で見るとやはりメニューに書いてある。主人の佐野さんは「ちゃんと読めよ!」と言いたいところだったろうが、丁寧に応えてくれた。そんな我々のやりとりには興味がないとばかり、Kさんはやはり器を褒める。

蓋物、一口

海老芋はけしの実をまぶして揚げてある。子持ち昆布も菊を従え美しい。

食事

ごはんは土鍋で炊かれて出てきた。鮭といくらが乗っている。これが不味いわけがない。珍しくおかわりをしてしまった。
鍋敷きは佐野さんのお手製。いびつな形をからかったら、「そんなこと言われたのは初めてですよ」とむくれた。コースが一通り終わったので、佐野さんの緊張も解けたようだ。

佐野さんは食器集めが趣味でもある。茶道歴16年のKさんが思ったとおり、茶道の経験もあるとのことで二人で話が盛り上がっている。器に無頓着の銀髪はただただ感心するばかり。「鍋敷きは女性に作って貰えばいいのに」と再び茶化すと、趣味が災いしていると素っ気無い。

甘味

デザートについてきた楊枝が黒文字で素晴らしいとKさんがまたまた褒める。料理を褒めなさいよ!美味しいんだから。

こだわりの料理をこだわりの器に盛って客を喜ばせてくれる。自然にエールを送りたくなるような店だった。


銀座 さの
東京都中央区銀座4-10-2 銀座伊勢太ビルB1F
03-3541-5171


この日のメニュー(月に2度替わる)
先付 蓮根二身揚げ 海老真丈 菊花 ふり柚子
椀物 松茸と淡路鱧の土瓶蒸し 結び三つ葉 酢立ち  真鍮の器
造り ひらめ バフンウニ さより昆布締め  わさびが効いている
焼物 さんま一夜干し 揚げ銀杏串打ち
蓋物 海老芋けしの実揚げ 蟹あんかけ 卸し生姜
一口 春菊 黄菊 子持ち昆布浸し
食事 鮭といくらのかまどご飯
甘味 桃のアイスクリーム、わらび餅 

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2007年09月26日

[大和屋](横浜)

横浜で食べる大阪老舗料理屋の味


大和屋は明治10年(1877年)開業という歴史ある料理屋である。横浜駅近辺で会食することになり探し当てたのが大和屋で、東京では日本橋高島屋のお好み食堂に「大和屋三玄」として出店している。

横浜の大和屋もデパートの上階にあるが、大和屋三玄と異なり独立したきれいな店となっている。それでもデパートの限られたスペースでは、やはり老舗を演出するのは難しい。

先付け

老舗料亭らしくプレゼンテーションはさすがである。バイ貝、白和えと菊の花の下は柚子の器に盛られたさんまの南蛮漬け。

鱧と松茸の吸物

漆の器が美しい。土瓶蒸しのコンビ・鱧の吸物は本当に美味しい。外国産の松茸も何とか役目を果たしている。菊の花が浮かせてあって澄まし汁にアクセントをつけている。

造りと焚合せ

刺身は貝柱、ひらめ、まぐろ、焚合せは穴子と里芋。どちらの皿にも菊の花が彩りを添えている。

蕎麦、焼物

焼き魚はあまだいの若狭焼き。若狭焼きとは酒を塗りながら焼いたもので、代表的な京料理。香ばしく脂が乗ってこの日一番の収穫だった。

酢の物、デザート

大和屋の自慢が羽釜で炊いたご飯。調理場の右手に羽釜が二つ。一膳食べたところでお代わりを奨められたが、お腹が一杯で遠慮した。
デザートを食べてお開きに。

この日食べたのは10,500円のコース。とても美味しかったが、130年の歴史を持つ店の料理をこの値段で食べられたと喜ぶべきか、1万円出すならもっと気軽に美味しい店があると思うか、判断は難しいところだ。


大和屋 そごう横浜店
神奈川県横浜市西区高島2-18-1 10階
045-465-5958
http://m10-yamatoya.co.jp

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2007年09月25日

[Teji Tokyo](新宿歌舞伎町)

ちょっとお洒落な韓国料理屋


職安通りに近い歌舞伎町から新大久保に至るまでたくさんの韓国料理屋がある。歌舞伎町にある韓国料理屋は牛焼肉が中心だが、大久保側は豚焼肉家庭料理が多いと思っていた。Teji Tokyo は歌舞伎町にあるが、豚肉中心でちょっとお洒落な感じの韓国料理屋だった。

お通し

焼いた豚肉の食べ方がメニューに描いてある。看板料理であるのは間違いないので、2種類の豚を食べることにした。前菜を何かと問われたのでミニトマトキムチとハツ刺しを頼んだ。

トマトキムチ、ハツ刺し

トマトキムチは漬け込んだものではなく、キムチのタレをトマトにまぶしただけ。手抜き料理のようだが、以外にトマトはキムチ味に合う。
ユッケ風に食べるハツも悪くなかった。

イベリコ豚

殆ど脂身しかないイベリコ豚にひるんでしまったが、脂っぽくないと店員は言う。固まりの外側を焼いた後、スライスして再び網の上に置かれる。脂はみるみる少なくなり、焼き上がりとなる。これをメニューの食べ方に倣って口に運ぶ。店員の言葉を実感する。

ワイン漬け熟成オーギョップル

イベリコ豚(2480円)よりはるかに安い(1480円)が、それほどの価格差を感じさせない美味さだ。

韓式水餃子、黒豆マッコリ

野菜のおかわりをして、結構お腹が膨らんだ。しめに韓式水餃子をたべてしっかり満腹になった。
この店での収穫は黒豆マッコリ。甘いどぶろくの印象が強いマッコリだが、黒豆マッコリは小豆のような香ばしさがとっても面白い。

男性だけのグループもいるが、圧倒的に女性客が多い。太ると言われてもっとも敬遠されていた豚肉が、コラーゲンやビタミンを豊富に含むと伝えられて一躍人気者になった。仕掛け人が見事というしかないが、女心と秋の空。明日のブームは何になるのだろうか。興味深い。


Teji Tokyo
東京都新宿区歌舞伎町2-21-3
03-3207-5506

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2007年09月24日

[博多 だるま](福岡)

思い出のラーメンを求めて


約8年前、福岡で衝撃的なラーメンに出会った。幕を張ったような濃厚なとんこつスープは忘れられない。
もう一つ驚いたことは、地元の人たちの誰もが紅しょうがを入れないで食べていることだった。

その秀チャンラーメンが東京赤坂に支店を出したと知って喜び勇んで出かけた。赤坂氷川公園近くにあり、赤坂の繁華街からはちょっと離れている。それでも名声はとどろいているらしく、開店の12時を過ぎると待ちかねたように次々と客が入ってくる。

テーブルに紅しょうがが置いてあったが、入れないで食べた。濃厚なスープではあるが、本店ほどではないようだ。記憶がいい加減なのかもしれない。

福岡出張で美味しいラーメン屋を探したら、「博多 だるま」が引っかかった。店の前の立て看板を見ながら開店を待った。策略にまんまと引っかかって、カウンターに座るなり看板で推奨の豚足と餃子を頼んだ。

豚足は意外と噛み応えがあり驚いた。小振りな餃子は600円とちょっと割高に思える。
豚足を見ただけで毛嫌いしている部下に餃子は任せた。

ラーメンは美味かった。調理場の右奥に控える大きな羽釜で豚足を2日間に渡って煮込んだという自慢のスープ、固めに茹でてもらった麺、タップリの九条ネギがよくバランスしていた。この店のテーブルに紅しょうがは置いていない。紅しょうがで味を濁すなということだろう。

食べ終わって勘定を払うときに手にした店の宣伝用小片で、秀ちゃんラーメンが系列店であることを初めて知った。

だるまは美味しかった。それにしても、系列店でありながらそれぞれ味が違う。敢えて言えばだるまは秀ちゃんらーめん(博多)とラーメン屋秀(赤坂)の間の味だろうか。九条ネギのおかげか、京都ますたにラーメンに似ているかもしれない。

福岡空港の土産屋でだるまのラーメンを見つけた。買おうかどうか迷ったが、止めにした。家で食べるより、福岡に来たときの楽しみに取っておこうと思った。


博多 だるま
福岡県福岡市中央区渡辺通り1-8-26
092-761-1958

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2007年09月23日

[鉄なべ](福岡・西中洲)

博多でも餃子で一杯、腹一杯


「鉄なべ」に行くのは2度目だ。前回と同様、既にお腹が一杯の状態なのに「味自慢餃子の店」の文字に惹かれ、熱々をイメージさせられる鉄なべの店名に負ける。

一軒目の食事が5時スタートだったので、鉄鍋の前を通ったのは7時15分。1階のカウンターはほぼ満席で我々3人は予約客が来るまでの時間限定ということで2階に通された。

鉄なべの看板料理が餃子であることは言うまでもないが、馬刺し、鯨、その他の酒の肴も豊富だ。銀髪はごまさばだけ食べればいい。部下はトマトも食べると言う。

最年長者が「餃子2人前!」と威勢がいい。お腹一杯で本当に食べられるのかな?と、思ったが餃子屋で餃子を頼まないわけにはいかない。素直に従った。

銀髪はごまさばに専念した。地元の最年長者は目もくれないが、我々よそ者にとっては博多に来たら生の鯖を食べたい。関さばでなくても新鮮な鯖は生で食べることができるはずだが、九州以外では殆どお目にかかることがない。

以前は生で食べることがなかったさんまは、今や刺身の人気者だ。輸送や保冷技術の発達で意外なものも生食用に供されるようになったのに、未だに鯖は酢でしめるのが定番のままだ。
東京でも刺身で食べられるようになればいいと思うものの、やっぱり博多で食べる方がいいと考え直す。どこでも食べることができると、それはそれで味気ないものだ。

約束どおり8時過ぎに店を出て、すぐ目の前の橋を渡って中洲に入った。華やかなドレスや着物の女性がネオンの街に色を添える。

さてさて、これからホテルに帰ろうか。どこかの店に潜り込もうか。思案のしどころである。


鉄鍋
福岡県福岡市西中洲1-5
092-725-4688

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2007年09月22日

スコッチエッグ

子供の頃大好きだった豪華な料理(?)


巨人・大鵬・玉子焼きは我々よりちょっと前の世代。大鵬はともかく巨人・玉子焼きは現役だけど、子供の圧倒的な支持を集める存在ではなくなった。今、玉子焼きに取って代わった料理は何だろうか。ハンバーグが有力候補であるのは間違いないだろう。

合挽き肉、玉ねぎ、パン粉などを混ぜて作るハンバーグは日本料理と言われる。アメリカでは牛肉100%が基本で、日本式のものはジャパニーズ・ハンバーグと呼んでいるという人がいたが真偽の程は分からない。

日本式ハンバーグはミートボールやメンチカツなど変身も容易である。スコッチエッグも変身仲間の一つだが、茹で卵を包んだだけで他より豪華に見えたから不思議だ。子供の口では噛み付けないぐらい大きなスコッチエッグは存在感たっぷりだった。

昼食に出かけたときに、スコッチエッグが入った弁当を見つけて思わず飛びついた。

スコッチエッグを誰が発明したか分からない。Wikipediaではスコットランド料理と紹介しているが、本当だろうか。ハンバーグ(ハンブルグ)ステーキ、アメリカンコーヒー、シンガポールヌードルなど、地元では地名を冠したりしない。

スコットランドの代表的な料理はキッパーズとハギスのようだ。キッパーズ(にしんの燻製)はミッドタウンの「Botanica」 で食べた。
ハギスはミンチ肉、丸麦、玉ねぎ、香辛料などを腸詰めにして蒸したもので、どうもこれがスコッチエッグの原型くさい。スコットランドに行ったことがないので、誰か本当のところを教えて欲しい。

スコッチエッグを出す店はあまりない。典型的なおふくろの料理かもしれない。うずらの卵を使った小型版もあるが、大きくなければ有り難味がない。

揚げたときにひび割れて卵の白身が覗く、ちょっと失敗した母手作りのスコッチエッグ。肉の部分を卵から剥ぎ取って、別々に食べてはしゃいでいた少年時代。

明日は老いた母と共に亡父の墓参り行く。その後はいつものように軽く酒盛りをする。両親に守られて無邪気だったあの頃を肴に…

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2007年09月21日

[洋食すいす](新橋)

サラリーマン御用達のお店


日本橋・銀座を挟む町、神田と新橋はサラリーマンが懐を心配しないで飲み食い出きる店が多いところだ。銀髪グルメ紀行の読者がトンカツを絶賛した店が洋食すいすだった。

開店時間を待って11時半過ぎに店に入った。まだ客はまばらだったが、料理を待つ間にほぼ満席になった。頼んだのはもちろんトンカツ。ふつうサイズのロースかつは780円だが、同行した部下がLサイズを奨めるので従った。

度肝を抜かれるかと期待したが、思ったほど大きくはなかった。期待しすぎは禁物である。トンカツの原点である銀座煉瓦亭や上野御三家などに比べると見劣りするが、すいすの格安のトンカツと比較する方が悪いとすぐに思い直した。

隣の席で若いサラリーマンが「この店のLメンチは凄いぜー」と賑やかに話している。帰り際に隣の席に運ばれてきたLメンチを見て密かに誓った。「今度はメンチカツにしよう!」

日は替わり、ランチタイムに新橋付近を歩く幸運に恵まれた。幸いお腹が空いている。迷わず洋食すいすに行って、カウンターに座った。Lメンチは自信がないので普通サイズのメンチカツを頼む。

厨房が覗けるカウンターは楽しい。下から炎に包まれているような鍋と、チョロチョロ炎の鍋が料理人の前に肩を並べている。中年のおばさん店員たちが調理場に告げるオーダーの殆どはメンチカツだ。

銀髪が頼んだメンチカツはオーダーする前から強火の揚げ油の中を泳いでいた。やがて弱火の油に移され、数分後には銀髪の前のカウンターに現れた。揚げるのに時間がかかると思ったのは取り越し苦労だった。忙しいランチ時だから、客の注文を見越して調理は進められている。

普通サイズのMメンチでも充分な大きさだ。全部食べ切れるかと心配になったが、割ってみるとふんわりと仕上がっており安心した。身が詰まっていたら食べ切れなかっただろう。
隣の客はLサイズを食べている。おまけにライスも大盛りである。いつの頃からか、大盛りを食べることはなくなった。「ごはんは少なめで」などとオーダーする自分がちょっと悲しい。

680円を支払い店を出た。すいすはやっぱりサラリーマンの強い味方である。

洋食すいす
東京都港区新橋3-5-13 大興ビルB1
03-3501-2722

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2007年09月20日

[三櫂屋](四谷三丁目)

日本一美味しい豚しゃぶのお店


グルメ雑誌は毎週どのぐらい発行されるのだろうか。滅多に買うことはないが、Dancyu の「日本一特集」には財布を開かされてしまった。掲載されている店の中からいの一番に選んだのが三櫂屋だった。3,360円で豚しゃぶ日本一が味わえるなら安いものだ。

日本一というには意外なほど小さな店だ。カウンターの上の1枚だけのメニューを見る。こだわりの料理の間に「ふつうのトマト」などがあり、肩肘張らない自然体が感じられる。

お通し、おぼろ豆腐

お通しに温かい枝豆が出てきた。単なる枝豆のお通しでも温かければ気分が違う。店の姿勢がよく分かるのがお通しだ。
おぼろ豆腐にはタレが入った可愛い器が添えられたが、我々は別に塩を求めた。どこの塩かと尋ねるとポルトガル産の塩とのこと。

焼蛸

客は誰でもメインが豚しゃぶと決まっているためか、魚料理の選択肢は多い。鮪のカマ焼きに心が奪われたが、つなぎはメインのひき立て役で充分。香ばしく焼かれた焼蛸はその任を充分果たした。

鍋となれば最近流行は電磁調理器だが、主流は今なおガスボンベ式だろう。三櫂屋は炭火と極めて珍しい。強く柔らかな火がしゃぶしゃぶに相応しいらしい。

もう一つユニークなところはたっぷりの薄切りねぎ。鍋の具はこのねぎと豆腐だけ。しゃぶしゃぶの肉にねぎを巻いて食べる。

群馬県で飼育された豚の肩ロース、薄切りねぎ、こだわり豆腐と揃って、最後のポイントはこだわりのタレ。嫌いなものは何一つない銀髪だが、甘いものと酸っぱいものはちょっと苦手。連れは絶賛していたが、しゃぶしゃぶのタレは豚であれ牛であれ胡麻ダレが好きだ。

それにしても炭火の力はたいしたもんだ。グラグラ煮えたぎることもなく、火力は安定している。豚肉やネギを優しく持ち上げる。

永遠に続くかと思われた暑さも和らいできた。鍋が恋しくなる季節はすぐそこに来ている。


三櫂屋
東京都新宿区舟町4 北村ビル2階
03-3351-3477

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2007年09月19日

[餃子家 文福](銀座)

餃子大好き


先日行った「おでん石」と同じフロアに餃子家文福はある。餃子の文字を見るともう我慢できない。1人でも入ろうと思うのだが、分福は餃子専門店なので創作餃子もたくさんある。1人では色々試すことができないので、部下を連れて行くことにした。

分福は普通の店舗の隣にスタンドバータイプの餃子屋を併設している。店舗が込んでいたらスタンドバーでもいいと思ったが、店はガラガラだった。

砂肝の中国醤油煮

「餃子が焼きあがるまですぐ出てくるものはいかがですか?」と言われて頼んだのが砂肝480円。中華料理屋はお通しがないので2人で480円のお通しと考えれば割安だ。味も悪くない。

餃子は焼き餃子が12種類、水餃子3種類、蒸し餃子3種類、揚げ餃子3種類、スープ餃子4種類、合計25種類ある。これだけの種類を作り置きしておくわけにはいかないので、オーダーを受けてから包むのだろう。皮も手作りとのこと。

素直に「おすすめ」と「スタンダード」を頼んだ。

水餃子タンズー(揚げねぎ風味)

これはなかないける。揚げねぎが香ばしい。水餃子というよりスープ餃子の方に入れた方が良さそうだ。

蒸し餃子 明太子マヨネーズ

多くの人が好きな明太子とマヨネーズの組み合わせで、無難な味。もう少し個性を出した方が面白いと思う。創作餃子は意外性・驚きも重要な要素。

焼餃子

看板のはずの焼餃子スタンダード。「やっぱりスタンダードが最高だね!」と言ってしめたかったが、これ以上の餃子はアチコチで食べられるだろう。

あまりお腹が空いてなかったのでお開きにしたが、スタンダードよりも変わり餃子に挑戦する店だ。みんなでワイワイガヤガヤ批評するのが楽しいだろう。4個入りが基本のようなので2人または4人で行くのが適当。奇数で行くと面倒だ。

スタンダード餃子は誰もが一過言あるので難しい。我が家の連中に食べさせたら「お父さんの皮から餃子が一番美味しい」と言うに決まっている。おだてられてまた作ってしまう馬鹿な親父である。(→「うさちゃん餃子を作ろう」


餃子家 文福
東京都中央区銀座3-1 銀座インズ1-B1
03-3535-0086

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2007年09月18日

[くじら屋](渋谷)

30年も前から行きたかった店に初めて行った。


くじら屋は昭和25年創業というから、銀髪が生まれる前からあったことになる。国際捕鯨委員会が1986年に商業捕鯨を禁止してからも、よく営業が続けられると感心していた。
学生の頃に古めかしい木造の店に気圧されてから、これまで行く機会を逸していた。先日麗卿に行ったときに思い出した老舗料理屋は、建て替えられて今風のきれいなレストランになっていた。

くじらを食べたことがないと嫌がる客を、他の料理もあると説得して連れて行った。部屋に通されメニューを見ると、ご飯、うどん、漬物の類以外は鯨しかない。客は他の料理に逃げることが出来ないと知り落胆した。熟考の末、鯨焼肉セットをメインにして刺身を数品オーダーした。

お通し、竜田揚げ

焼肉セットには竜田揚げ、上赤身刺身、焼き物用の鯨肉の3品がつく。竜田揚げは誰でも食べやすい。今は調査捕鯨で捕獲したミンク鯨を使っているため、給食で食べたナガス鯨の懐かしい味には結びつかないのが残念。ナガス鯨がたまに入ると瞬く間になくなるそうだ。

上赤身刺身、心臓刺身、鹿の子刺身

心臓の刺身は食べた記憶がないが、ごま油の風味が効いて美味しい。鹿の子(顎の骨を覆っている部分)は他の部位に比べると脂が乗っていて、この日一番の収穫だった。

焼き物

焼き肉用の肉も生で食べられるので、固くならないようにレアを奨められた。いつも思うことだが、魚も肉も生より焼いた方が美味い。ちょっと炙って塩で食べると絶品だ。
心臓刺身や鹿の子刺身も焼くと、箸の動きが止まったままだった客も、再び食べ始めて美味いを連発する。刺身だと飽きてしまって余るのは目に見えていたので、焼肉を選んだが正解だった。

和食店でも「刺身・焼き魚セット」をやればいいと思う。大皿に刺身を盛ってくる。半分ほどなくなったところで、網焼きの用意をする、というようなサービスやったら受けると思うがどうだろうか。

最初は尻込みしていた客も、刺身、焼肉としっかり食べた。調査捕鯨で捕獲した南氷洋産冷凍鯨でなく、近海ものの生鯨だったらもっと気に入ってくれただろう。商業捕鯨の禁止は本当に残念だ。

ハンバーガーばかり食べているような連中に、捕鯨の善悪を論じて欲しくないと切に思う。


元祖 くじら屋
東京都渋谷区道玄坂2-29-22
03-3461-9145
http://www.kujiraya.co.jp

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2007年09月17日

[STAGE・Y2](表参道)

ピザとスパゲッティが食べたい!


表参道で何か食べようということになった。暑い日はとにかくビールだ。他の繁華街なら居酒屋に行くところだが、表参道なら洋食だろうということになった。洒落た店には入り辛いし、そもそも予約なしでは入れないだろう。以前ビールだけを飲んだ店を思い出して行くことにした。

ステージY2は道路に面したコーナーがカフェ風で、以前ビールを飲んだのはここ。今日は食事をするので奥に進んでいった。予想通りガラガラである。嬉しいような悲しいような。

自家製鴨スモーク

ビールにピザ、スパゲッティがあれば今日は充分だと思ったが、メニューの「自家製」に引かれた。鴨は固いと相場が決まっているが、これだけ薄切りにしたら食べやすくなる。味も及第点だった。

ぺペロンチーノ

全然問題ない。平日の夜だから空いているが、週末の昼は入ることが困難かもしれない。少し見直した。
生ビールを2杯飲んでいるうちに、汗は引いた。グラスワインは550円とお手ごろなので、白を頼んだ。

マルゲリータ

失敗作か、この店独自のものか判断に困った。出てきたときは溶けていたが、ちょっと時間が経つとモッツァレラ・チーズが層をなして来た。チーズの方が生地よりも分厚い。たっぷりタバスコをかけて食べた。こだわりのイタリア料理屋はタバスコではなく自家製のチリソースを置いているが、この店は気にしていないようだ。

赤ワインを頼んだ。ピザの固くなったモッツァレラ・チーズと生地を別々に食べるとワインの絶好の肴になった。ピザを2度違った形で味わえるとはとても幸せだった。
これを意図していればたいしたもんだ。意図していなくてもたいしたもんだ。

料理は奥が深い。いずれにしても結構楽しめた。これはこれで正解かもしれない。


STAGE・2 (ステージ・Y2)
東京都渋谷区神宮前1-13-12
03-3478-1031

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2007年09月16日

[名古屋マリオットアソシアホテル]

高級ホテルのパーティー


高級ホテルのパーティーにしばしば招待を受けるが殆どが立食で、着席して食事する数百人規模のパーティーは久し振りだった。しかも1人で乗り込んでいくのは約15年ぶり。日本人は仲間内だけで固まり、見知らぬ相手が輪に入ってくるのを歓迎しないので1人でパーティーに参加するのは憂鬱である。

自分のテーブルを探し出し、同じテーブルの人たちと名刺交換した。銀髪から時計回りにA氏。B氏はA氏の部下。C、D氏とE、F氏がそれぞれ同じ会社で4人とも若い。G氏が銀行の支店長で最年長。その横はまだ無人のまま。会が始まってもまだやって来ない。そしてその横が銀髪で一巡する合計9人の丸テーブルだった。

「飛騨牛のコンソメを添えた魚介類 夏野菜を添えて」に次いで「フォアグラのブラマンジュ オレンジ風味の冷製スープと共に」が出る頃にH氏がやってきた。名刺交換すると証券系企業の部長さん。気を遣って話しかけても曖昧に応えるだけで乗ってこない。
CDEFの各氏は以前からの知り合いらしく、同年代のB氏を交えて話が盛り上がっている。銀髪は幸いA氏と旧知だったので楽な道を選び、H部長をG支店長に委ねた。

「淡白な味わいのヒメジのポワレ オリーブとトマトのソースを添えて」の後にパイナップルのシャーベットで口直しをしてメインの「特製牛フィレ肉のプレゼ ポルチーニとマスタード風味ソース」が出てきた。

前の二品に比べて、その後の二品はもう一つ。数百人の客に同時に温かい料理を最善の状態で出すのは難しい。東京六本木のグランドハイアットでは見事なステーキに感動したけれど…

食事をしながらG支店長、H部長の様子を窺うと、二人はまったく会話をしていない。助け舟を出してやろうかと思ったが、年下の自分が出しゃばることもないだろうと遠慮した。そもそも二人とも助けを求めている風でもない。

デザート(「ヨーグルトとパッションフルーツのデザート レモンのシャーベット添え」)が来る前にH部長が立ち上がったのには驚いた。おそらく立食と思って来たのだろう。名刺を置いて、知っている人に挨拶して早々に帰るつもりだったに違いない。我々同じテーブルの人にとっては存在感のない人だった。

若い連中はG支店長が居ることを、名刺交換した時点で忘れ去っているようだ。目を合わせることすらしない。G支店長も自ら話しかける気はなさそうだ。隣が賑わえば賑わうほど、G支店長の孤立感が際立ってくる。

コーヒーを飲み始める頃に終りの挨拶が始まった。新幹線のゆりかごで眠るまであと少しである。G支店長の苦痛のときが去るのももう少し、と思ったが余計なお世話だったかもしれない。

人の観察が面白すぎて、立派な料理の味の記憶が殆どない。これだけのパーティーで肉の焼き方や給仕するスタッフのレベルを云々しても仕方がない。パーティーでは、料理よりも一期一会を楽しみたいと思うのだけれど、皆で努力する気持ちがなければ叶わぬ望みだ。

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2007年09月15日

かぼすギムレット

またまた我がままカクテル


今週も日本橋風長閑に顔を出した。すんなり帰れば翌日が楽なのにと思っても止められない。いつもなら黒ビールで喉を潤すのだが、それを渇望するほどの気候ではなくなってきた。それなら何かカクテルをと思ったところで、カウンターに置かれた柑橘類が目に入った。

馬鹿にされそうだがレモンしか分からない。緑のものはライムと教えてもらった。ライムを使うカクテルの代表格はギムレットだが、ライムではありきたりと思ったことを見透かされ、小さめの柑橘類が出てきた。これがまたまた何か分からない。

ママが高島屋の物産展で買ってきた宮崎産のかぼすだった。役者は揃った。かぼすのギムレットとライムのギムレットの味比べをしようと提案した。先週は梨のカクテルに挑戦して石井さんの頭を悩ませたが、今回は簡単。レシピは同じでライムとかぼすを入れ替えるだけで済む。

かぼす(左)、ライム(右)のギムレット

ひと口ずつ飲んで首を傾げた。すぐには違いが分からない。もう一口飲んで少し分かった。かぼすの方が鮮烈な感じがする。味の違いというよりは、新鮮さの違いのようだ。遥かな海の向こうからやってきたライムは国内産のかぼすより条件が悪い。

いつもカボスを使った方がいいと思うのだが、かぼすはライムより小さいので果汁が少ない。切った断面を見たら種がたくさん入っていて、果汁の比率も少ないのが分かった。これでは採算が合わないし、客に価格を転嫁するのも難しいだろう。

すだちを使ったらどうかと思ったが、部下からもらって家にあるすだちを思い出した。かぼすよりもっと小さい。

それにしても柑橘類の種類は多くてよく覚えられない。かぼす、すだち、だいだい、ゆずなどなど。目隠しして味比べをして当てることが出来る人はいるだろうか。銀髪は目隠しされなくてもわからない。

かぼすギムレットとライムギムレットをみんなに飲んでもらったが、全員がかぼすの方を支持した。さて、これはメニューに入れてもらえるだろうか、石井さん?

日本橋「風長閑」にて
東京都中央区日本橋2-2-8 風月堂ビルB1 
03-3231-0140

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2007年09月14日

[福臨門 銀座店](銀座並木通り)

広東料理の最高峰、福臨門に行った。


香港の福臨門本店には2回行ったことがあるが、東京の店は初めて。「他にも安くて美味しい店がある」と悔し紛れにけなしていたが、実際行くとなると嬉しくなってHPでメニューのチェックをした。ディナーコースは15,750円、21,000円、31,500円、48,000円の4種類。お目当てのフカヒレと干し鮑が含まれるコースは31,500円以上のものだ。アラカルトの料金をチェックして、腹は固まった。

福臨門銀座店のあるビルは、「SHIZUO TOKYO 」「叙々苑・游玄亭並木通り店」など何度も来ているので迷うことはない。個室に案内されてウエイターと相談が始まった。もちろんコースは回避。
前菜はくらげ、炭焼きチャーシュー、蒸し鶏の冷菜を盛り合わせてもらった。ふかひれは1人前19,950円の最高級品を銘々に。干し鮑はこの日出せる1番大きな18頭のもの(3万円超)を3人で分ける。付け合せに干しなまこ(1個630円)を添えてもらうことにした。フカヒレ、鮑、なまこで日本3大干し中華素材が出揃うことになる。

前菜

それぞれが2,100円もするのだが、フカヒレや鮑の値段を見た後は格安に思えてしまう。福臨門の名に負けたわけではないが(もしかしたら負けたかも)どれも美味しい。特にチャーシューは気に入った。

フカヒレ(醤油煮込み)

他の2人には定番の醤油煮込みを食べてもらうことにした。もやしと黄にらを入れて食べる。赤酢は山いちごの酢で、さわやかな酸味だった。
銀髪はシンプルな上湯スープ(ページトップの写真)で食べた。大型のフカヒレだと一目で分かる立派なものだが、安いものでもスープの味は変わらないはず。「福臨門で一番高いフカヒレを食べた!」ということに価値がありそうだ。

干し鮑となまこ

3人で1個の鮑を分けたので1切れ1万円の代物。しばしば食べる機会があるフカヒレに比べるとありがたみはこちらの方が上。確かに美味い貴重なもの。それでも格段に安いなまこが意外な存在感を発揮していて面白かった。

我々が食べたフカヒレと鮑は48,000円のコースに含まれるものより数段階上のもの。HPのメニューにない7万円超の最上級のコースにしか入らない。最上級コースは福臨門銀座並木通り店がオープンしてからまだ2組が食べただけだそうだ。食通の客は我々と同じようにお目当ての料理のみ最高級のものを頼むとのこと。

チャーハン

お目当ての料理は終り、残りは腹を満たすことに徹する。まずはチャーハン。干し鮑の煮汁を使った干しタコと鶏肉の炒飯(2,520円)。これは美味い。干し鮑はスープの味を吸収する代わりに自らの味を煮汁に放出する。その煮汁を吸い取ったご飯がリゾット風に仕上がった。ランチで単品で食べることも出来るので是非試して欲しい。他では味わえない絶品の炒飯だった。


湯麺はさっぱりしていて美味しい。金華ハムが効いている。店の人の推奨どおりの量で充分満足したが、20年もの紹興酒のボトルを半分以上飲んだ銀髪と比べると、他の2人は腹八分目。

店を変え、カラオケを歌い、大いに気勢を上げた後の2人の終着駅は屋台のラーメン屋だったらしい。福臨門の味の記憶が消えてしまうと嘆きながらも、大満足の一夜だったとのこと。めでたしめでたし。

福臨門 銀座店
東京都中央区銀座5-4-6
03-6215-6996
http://www.fooklammoon-grp.com

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2007年09月13日

[おねぎや](新宿)

ネギという言葉に誘われて


居酒屋の分野では個人経営の店がいいのか、新興のチェーン店がいいのか、判断は難しい。ネーミング、店舗デザイン、素材、料理など主要なところは新興チェーンが勝る場合が多い。「おねぎや」もフロンティアグループの一業態で、新興チェーン店の良さを持っている。

靴を下駄箱に入れ、カウンター席に座る。目の前にネギを一心不乱に切っている青年を見て、ネギ尽くしでいこうと思ったが、メニューにそれらしい料理はあまりない。ネーミングで客を釣ったところでネギは既に責務を果たしている。

お通し

ネギのことは忘れることにして、食べたいものを頼むことにした。

できたて豆腐

名に恥じず温かい豆腐に抹茶塩や酒盗を乗っけて食べるとなかなか美味しい。ネギを売り物にする店のはずだが、定番のネギは薬味についてこない。

海鮮生春巻き

特に珍しい料理ではないが、リーズナブルで悪くない。

大山地鶏のネギ塩焼き、フォアグラ大根

看板料理は鍬焼き。農具の鍬に似せた鉄板で肉を焼く。上にタップリのネギ。もっとネギが多ければ嬉しかったが、なかなか美味しい鶏だった。鍬焼きは他の肉もあったが、店員が「どれも美味しいです。お客様のお好み次第ですね」と推奨料理を断言できないところはチェーン店らしい。

フォアグラ大根は煮込んだ大根の上にフォアグラのソテーが乗っている。以前、石鍋シェフのクイーン・アリスで食べたものに似ている。比較しなければ充分美味しい。980円なのでフォアグラは納得出切るが、大根はもう少し改良の余地があるかもしれない。

新興グループの店にはいつも感心させられる。他の店の料理もよく研究している。サラリーマンや若い恋人たちのみならず、ちょっと口うるさいオヤジも気に入る要素は多い。

もっとも気になるところは従業員の情熱だろう。マニュアルを越えて、いかに客を愛せるか。どれだけ客の満足した顔を見たいと思うか。おねぎやだってオーナーが店に居たらもっと素晴らしい店になると思うが、オーナーの身は一つ。

愛社精神を持たせることが難しい時代になった。料理屋に限った話ではないだけに、身につまされるところだ。

旬彩酒庵 おねぎや
東京都新宿区3-10-5
03-5368-5225
http://www.frontier-one.co.jp

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2007年09月12日

[おでん石](銀座)

みつせ鶏に誘われて


銀座から地下鉄に乗ろうと銀座インズに入ったら、レストランフロアに迷い込んだ。そこで見つけたのが「おでん石」。外壁に、あるいは入り口に置かれたメニューに「みつせ鶏」の文字を見つけて興奮した。それから数日後、待望の店に行った。

みつせ鶏は炭寅二子玉川店で食べたことがある。何気なく飛び込んだ店だったが、肝や砂肝の刺身が美味しくて驚いた記憶がある。みつせ鶏の名前はしっかり記憶に刻まれた。
みつせ鶏は佐賀の地鶏かと思ったらフランス産の鶏。現地で交配し、その雛を佐賀県三瀬村に年3~4回空輸、親鳥に育てみつせ鶏を産ませるそうだ。丁寧に育てられて出荷される。

久し振りにそのみつせ鶏を食べられると分かり、喜び勇んでおでん石に出かけていった。6時過ぎだからか、一番乗りだった。

お通し

炭寅のように刺身は置いていなかった。串を刺した焼き鳥を出す店と思ったのは勘違いだった。胸肉、ハツ、もものころ焼3種とレバー照り焼きを頼んだ。

ころ焼き3種

胸肉はささみのような食感になってしまった。ももについた皮はしっかりとめくれあがり縮んでいる。ハツが一番美味しい。あくまで比較の問題ではあるけれど。

レバー照り焼き

焼き鳥屋の良し悪しはレバーで決まると勝手に信じている。刺身用のレバーを中まで火が通らないようにレアに焼いたものが大好きだ。この店のレバーは、生焼けは絶対許さない人向けであった。

看板の京風おでんは次の機会に食べることにして、残った酒を飲み干して勘定をすることにした。
我々の後から入ってきた3人組は既に出て行ってしまったが、まだ注文を始めたばかりの6人組が残っているので、席を立つのも気が楽だった。


おでん石 銀座インズ店
東京都中央区銀座3-1番の先 銀座インズ1内B1F
03-3561-1087

ご参考
炭寅 
http://www.sumitora.jp/二子玉川店の他に、銀座にも店ができたようだ。

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2007年09月11日

[麗卿](渋谷)

約30年ぶりの麗卿へ


大学時代、グルメ同好会などと勝手に名乗って食べ歩きをした。貧乏学生なので高いところには行けない。ラーメン屋、定食屋、他所の大学の学食などを食べ歩いてグルメと称していたのだから可愛いものだった。清水の舞台から飛び降りるつもりで行った今は閉店した神保町「バラライカ」のランチに感動し、後日アルバイトで約1ヶ月働いたこともある。

当時から食べ物に対する好奇心は旺盛だった。麗卿では生まれて初めて蛙に挑戦した。我々大学生は多数の腸詰がぶら下がる1階のカウンター席に座った。今回約30年ぶりに行ったが、記憶とまったく違う印象だ。

しじみ

メニューを見たら高いのに驚いた。30年前、蛙だけでなく豚の耳、豚足なども初めて食べたが、安いという記憶しか残っていない。それでも考えた。麗卿がそんなに高級になったはずはない。値段が高いのは量が多いからだ。しじみが出てきて納得した。

前菜3種盛り

イカ、鶏肉、しいたけの三種盛りは2,000円。これも納得の量だ。台湾料理というと小皿料理・屋台のイメージが強いが、台湾に行けば立派な海鮮中華料理屋がたくさんあることが分かる。経済成長を遂げた現代の台湾の金持ちたちは日本の台湾料理屋を見てどう思うだろう。

蛙の唐揚げ

失敗した。相手を驚かそうとしたのだが、衣がしっかり本体をカバーしてしまっている。30年前に食べたのはシンプルな焼きものだった。従って、蛙の姿をしっかり認知できた。しかし、それでは未知のものに臆病な相手は口にしなかったかもしれない。柔らかく揚がった蛙は、とっても良く出来ていた。

センチメンタル・ジャーニーのつもりだったが、結局何一つ記憶が甦ることはなく、初めて入った店のような気分は最後まで消えなかった。店が改装されて変わったのか、自分が変わってしまったのか。はっきりしているのはボケが進行しているということだろう。

麗卿
東京都渋谷