我慢できない飲んだ後のラーメン
母は「屋台のラーメンなんて死んでも食べたくない」とよく言っていた。屋台では大きなバケツに突っ込むだけでどんぶりを洗ったことになる。
亡くなった父は「汚い店が美味しい」と主張した。子供心に父親に味方したい気持ちもあったが、日々ご飯を作ってくれる母には勝てない。行儀よく母に従った。
福岡に住んでいたのは約50年前。父は夜な夜な中洲で飲んだくれていた。もしかして、父はあきちゃんにも寄ったことがあるのではと期待したが、大将は40年の経歴というからちょっと若い。
あきちゃんは中洲のスナックのママに奨められた。ラーメンを食べたいと言ったら即座に名が上がるぐらいの有名店で、芸能人などもよく訪れるという。屋台の席は一杯だったので、公園の縁石に腰を下ろして食べた。
10年ほど前、長浜の屋台で食べたラーメンはトンコツ臭がきつくて参ったが、あきちゃんのラーメンは思ったよりあっさりしていた。味が変わるからと紅しょうがを置いてない有名店が多いが、最初から紅しょうがが入っていた。拍子抜けしたが、これが多くの人に長く愛される秘訣かもしれない。
中洲の一流クラブの美女たちもしゃがんでラーメンを食べている。銀座では絶対見ない光景だ。もともとラーメン屋台など銀座にはないけれど。
母が嫌った屋台のラーメン屋だが、学生時代に兄たちと新宿でよく食べた。3人兄弟で飲むときの決まりは、1軒目が長兄、2軒目が次兄、そして3軒目のラーメンを銀髪が支払った。これで割り勘だと末っ子にも花を持たせる優しい兄たちだった。
飲んだ後にラーメンを食べてはいけないと思う今日此の頃。東京ではグッと我慢するのだけれど、博多に来たら我慢できない。明日の胃もたれは確実だが、旅の楽しみと戒めを解いた夜だった。
あきちゃん
福岡市博多区上川端町7(冷泉公園横)
投稿者 銀髪 : 2007年10月21日 05:25
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