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2008年01月31日
[がね屋](福岡)
地元の人が奨めるのはリーズナブルで美味い店

福岡でも美味しいイタリアンやフレンチなどの洋食の店があるという。4人揃ったので気取らず食べられるスペイン料理屋にしようと思った。客先を出てから予約を入れようと計画したが、出るときには今回も和食に決まっていた。一人増えることになり、民主主義は否定された。
稚加栄やてら岡ほど有名ではないが、地元の人には評判がいい店らしい。博多うどんの老舗「かろのうろんやの近く」と説明するまでもなく、タクシーは店名を聞いてすぐに頷いた。
かき酢

1階奥の個室に一旦は入ったが、オーダーする前にトイレに行って、寿司カウンターの中を覗いた。目に付いたのが佐賀のかき。あまり聞いたことがないので即決した。小振りだが悪くない。
さば、みずいか

定番の2品。店内に生簀はなかったのに、店員はしきりに奨める。怪訝そうな顔を見て取ったか部屋の奥の障子を開けるように言う。障子の向こうに生簀があり、魚が悠々と泳いでいた。
さばの唐揚げ、いかの天ぷら

刺身を食べ終わると、残りを希望の料理にしてくれる。客の意向を聞かず、部下がいかは天ぷらと即答する。困ったもんだ。
もちうお煮付け、大根とキンメダイの南蛮仕立て

もちうおはイボダイまたはエボダイの名前で知られる。南蛮仕立ての方が美味かったかな。
寿司

がね屋は料亭というより寿司屋のようなので、最後は寿司にした。
客は寿司よりまだ酒を飲みたそう。「もう一本いきますか?」と聞いたら、部下が横から「僕はもういいです」と口を出す。いかのときは黙っていた客も、酒では我慢が出来なかった。数分間説教されて部下はシュンとしていた。
もっとも、2次会では部下は完全復活。お客様もご機嫌で、宴は深夜まで続いた。
漁師料理 がね屋
福岡県福岡市博多区上川端町3-6
092-282-1171
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2008年01月30日
[日山](日本橋人形町)
昭和2年創業、人形町の老舗ですきやき

「スキヤキ、ゲイシャ、フジヤマ」を外国人が日本にイメージするものとされたのはいつの頃だろう。変わらないのは富士山ぐらい。日本人でも芸者を見ることは稀で、他の人はどうか知らないがすきやきも最近では殆ど食べたことがない。
定例の6人での食事会。半数が還暦を超越しているので気遣って魚料理が多かったが、意外なことに肉が大好きだと知った。そうとなればハイカラの街、人形町がいい。久し振りに日山に行くことにした。もちろん食べるのは看板料理のすきやきである。
付け出し、前菜

すきやきは松竹梅の3コースあr、違いを聞いたら肉質だけだという。高齢者とお財布に気を遣って各コースを2人前ずつ頼んだ。食べ比べもできるので一石三鳥の離れ業と自画自賛した。
梅

もっと赤身が来ると思っていたのに、梅でも立派な霜降りなので驚いた。今日の肉は梅が山形、竹が青森、松が山形、宮城の混合。日山は肉屋をあちこちに出店しているので、仕入先も多様。その中から部位、質によって松竹梅に分類されるようだ。
竹

日山では鍋奉行は必要ない。仲居さんがすべて作ってくれる。関東風ではあるが、一枚ずつ丁寧に焼いて割り下も軽く注ぐ程度なので汁っぽくなることはない。従って最後にうどんを放り込むことはできない。牛丼にしたいと思っても無駄だ。
松

サシの入り具合に大きな違いはないが、食べてみると肉に甘味がありさすがに松の肉と感心した。料理人が間違ったのか、サービスなのか、いつものことなのか分からないが、一枚余った。仲居さんを促し分けて食べたら、今度は味が違う。時間が経つと途端に味が変わることは他の店でも何度か経験した。高級牛肉は繊細である。室温で脂が溶けて旨みが流れ出してしまったようだ。
すきやき、デザート

食べ終わってみんなに感想を聞いた。「松竹梅、どれも美味しい!」というのが大勢。確かに梅で充分満足できた。
仲井さんたちも思わず話しに入ってくるほどの賑やかで笑いっぱなしの宴会だった。元気な大先輩たちを見ていると、日本経済のためにまだまだ頑張って欲しいと思った。
日本橋 日山
東京都中央区日本橋人形町2-5-1
03-3666-5257
http://www.hiyama-nihonbashi.co.jp
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2008年01月29日
[匠](四谷三丁目)
新潟名物と、いい日本酒

地下鉄丸の内線、四谷三丁目駅1番出口を出て新宿方面に歩くと左側に匠がある。階段を下りドアを開けて指を2本立てると、カウンターの一番奥に案内された。
へぎそばを最後に食べると決めているので、軽めの酒の肴を頼むことにした。
のっぺ、氷頭なます

のっぺい汁のことかと思ったら、新潟郷土料理は汁がない。材料は角切りなのでお箸の使い方が下手な人も安心。ただし、なめこにだけは苦労させられるだろう。
氷頭は鮭の鼻先の軟骨のこと。北海道や東北の名物かと思ったら、新潟県の郷土料理でもあるそうだ。
栃尾のジャンボ油揚げ(ネギ味噌入り)

250年ほど前から新潟市栃尾に伝わる大きな油揚げ。ネギ、ネギ味噌、納豆、全部入りの4種がある。ボリュームがありそうだがお腹に溜まらずにいい。
いかのトンビ揚げ、冷奴

トンビはいかの口のこと。カラスとも言われるものだが、口がどれかみんな分かるかな?足の付け根のところにあり、いつも捨ててしまう。コリコリとしてなかなかの珍味。
へぎそば

新潟県魚沼地方発祥、つなぎに布海苔(ふのり)を使ったそばのこと。へぎ(片木)という器に盛り付けて出す。
ふのりは海苔というより糊として使われることが主だったが、偶然そばに混ざったら美味かったということらしい。山芋や小麦粉などのつなぎより、しっかりしてコシがある。
この店では若布も混ぜているとのこと。
写真は1.5人前。それでも多いとつぶやいたら店の女性に「ペロリと入っちゃいますよ」と言われた。実際そのとおり。
新潟は銘酒も多い。久保田、八海山、越乃影虎、〆張鶴など名の通ったものはもちろん、地酒も揃えてある。初めての雪譜(純米)、次に巻機(純米吟醸)を飲んだ。
落ち着いたいい感じの店だった。店員は男も女も品がよく快適だった。匠は15年ほど前に中目黒で開店、現在は四谷、六本木、渋谷道玄坂を加えて4店舗あるそうだ。
素朴な料理に美味い酒。なかなか良かった。
匠
東京都新宿区四谷3-13 ミズキビルB1
03-3226-9205
http://www.takumi-hegisoba.net
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2008年01月28日
[野田岩日本橋高島屋店]
日本橋高島屋「野田岩」の白焼き中入れ丼

11時前の来客であれば日本橋高島屋の特別食堂にお連れすることが多い。帝国ホテル(洋食)、大和屋三玄(和食)、五代目野田岩(うなぎ)の一流三店が入り、座席間が広く昼の軽い接待には丁度いい。
「料理の選択肢が多いですから」と高島屋に向かう道すがら言っておきながら、メニューを開く間もなく鰻を奨める。従来は「かさね重」のワンパターンだったが、最近では白焼きの中入れ丼を奨める。これがなかなかいい。

通に丼とお重とどちらが美味しいかを語らせると、丼派が圧倒的に多い。見栄えがいいお重に比べると味は上で値段も安いというわけだ。お重派は「どんぶり飯」なる言葉のイメージで敬遠しているきらいもないではない。もっとも両者の比較などしたことがない人が殆どだろう。
野田岩で丼を食べたのはお重と比較しようと思ったからではない。二日酔いで胸焼けしていたので蒲焼きではなく白焼きで済ませようと思ったためだ。ご飯の間にも白焼きが挟んであるので思った以上に量があったが、二日酔いの影響もなく食べきった。
上に乗った鰻と、ご飯に挟まれて蒸された鰻が絶妙のハーモニーを醸し出している(ような気がする)。
丼嫌いの人も、白焼き中入れ丼安いと蔑むことはしないだろう。昼食に3,360円は決して安いわけではない。酒を飲むときはかさな重を頼みまず白焼きで一杯の方がいいが、そうでなければ白焼き中入れ丼が定番になりそうだ。
かさね重

日本橋高島屋特別食堂
かさね重の記事http://codawari.info/ginpatsu/archives/2007/12/post_749.html
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2008年01月27日
[銀座アスター]③(日本橋)
高級店の大衆料理

超とまではいかないが、銀座アスターは高級店の部類に入る老舗料理屋だ。ランチはともかく夜はフカヒレなどの値が張る料理を食べなければならない気分にさせられる。スポンサー側にはかなりのプレッシャーがかかる。
メニューを見て悩んでいるので「餃子とか麻婆豆腐が食べたいですね」と助け舟を出した。大衆中華料理を食べるとの方向性を打ち出してあげたので、オーダーはしやすくなったはずだ。アッと言う間に注文する料理が決定した。
餃子、春巻き

以前ランチ時に必ず食べたのが餃子。スポンサーを気遣ったのは確かだが、銀座アスターの餃子はお気に入りの一つでもある。
春巻きは人数分ずつ頼んで、しかも食べやすいように半分に切ってもらった。安い料理でも手抜きがなく、サービスも変わらないのが嬉しい。
かに玉、麻婆豆腐

山椒が効いた四川風の激辛が主流になりつつあり銀髪も激辛派だが、誰でも食べられるオーソドックスなものも悪くはない。
チャーハン、坦々麺

夜に、銀座アスターで、メインらしいものがない食べ方をする人は滅多にいないだろう。街の中華定食屋でも食べられる料理ばかりだが、質は当然かなり上。料金は高めでも、高級料理を頼んでいないのでスポンサー氏のお財布も安泰だ。
店員も我々を蔑んでいる気配はない。とてもフレンドリーでいい応対である。この日の店内は天候のせいか、空席が目立った。店員の給料分も出ない料理で申し訳なかったが、とても満足した夕餉だった。
銀座アスター 日本橋賓館
東京都中央区日本橋3-7-20 DICビルB1
03-3273-8831
http://www.ginza-aster.co.jp
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2008年01月26日
富山のお土産
空港で買った富山のお土産

自分で食べるために買うものをお土産と言うと笑われそうだが、他に言葉は思い浮かばない。甘いものは苦手なので買うのは酒の肴。
カップほたるいか酒

全国的に有名な富山湾のほたるいかの干物と日本酒のセット。ふぐのひれ酒に倣っていかは炙り、熱々にした酒の中に入れる。しばし蓋をして、開けたらマッチで火をつける。生臭いかと思ったら意外と美味しくて満足した。
ほたるいか沖漬、白えび甘酢漬、いか黒作り

安易に買った3点セット。どれも美味しくなくて失敗した。一番楽しみにしていたのは黒作り。家に帰って内容物を確認したらイカ墨の文字がどこにもない。いか、食塩までは理解できるが、黒ふ、赤ふ、焼酎、ソルビット、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、ph調味料と添加物のオンパレードである。
添加物の全てが悪いわけではないと思うけれど、昔ながらの本物を味わう楽しみは消え失せた。それにしても技術の進歩は凄まじい。それらしいものを見事に作り出す。喜ぶべきか悲しむべきか。
再び富山に。今度は失敗は許されない。商品をひっくり返して裏面の表示を見て歩く。店員は嫌がるだろうが安易な買い物はしない。それにしても無添加のものを探すのは難しい。諦めかけたところで見つかった。

原材料は「いか、いか内臓、いか墨、塩、酒」と完璧である。酒の肴にはちょっと塩辛いが、パンやクラッカーに乗せると面白い。もちろんご飯にも合う。

原材料を見ればお分かりのとおり、黒作りは塩辛にいか墨を加えただけのもの。塩を抑えて自分で作るのが一番。オーストラリアに居たときは手に入らないので自分で作ったものだ。
添加物入りを嘆く前に、安易に買ってしまう怠慢こそ反省すべきかもしれない。
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2008年01月25日
[雲海](富山)
ANAクラウンホテルプラザ富山の鉄板焼き

2006年末に全日空はホテル部門の大半の株式をインターコンチネンタルグループ(IHG)に売却した。各地のホテルは直営とフランチャイジーに分かれるため、売却後の名前は全日空ホテル、ANAインターコンチネンタルホテル、ANAクラウンホテルプラザなどバラバラになってしまった。
地方に行ってホテルで食べるのは不本意だが、冬の雪国でブラつくのも辛い。簡単に妥協してホテルのエレベーターに乗り込んだ。鉄板焼きは最上階にあるはずとエレベーターを降りたら中華料理屋とバーしかないので戸惑った。経営と同様に場所も変わったかのと一瞬思ったが、金沢と勘違いしたことに気付いた。エレベーターに戻り5階で降りた。
かぶら寿司、寒ブリ

富山県氷見の名物が二つ。前菜としてはちょうどいい。なれ寿司は好き嫌いが分かれるがブリは脂の乗りがよくて文句ない。氷見の寒ブリはブランド化しており、地元で食べることが難しくなっている。高値で売れる東京の方が手に入りやすい。流通網の整備は地元に富をもたらすかもしれないが、庶民の食卓からは遠ざかる。
ホイル焼き

鉄板の上で焼かれていたホイル焼きの中身は、丁寧に皿に移し替えられて目の前に来た。
ステーキ

金沢の全日空ホテルでは宮崎牛だったが、この日の富山は仙台牛。もろみを加えたソースが意外と美味しかった。酒飲みの銀髪でもご飯が欲しくなり一杯食べた。他の3人はお代わりをした。
経営が変わってから大阪、広島、博多、富山の全日空IHG系列ホテルに宿泊した。客室が一番変わったのが富山で、普通の枕の他に抱き枕までベットの上に置かれたいた。
朝食が一番いいのは以前と同じ博多全日空ホテル。目の前で作ってくれる明太子入りのオムレツの得点が大きい。
鉄板焼きは富山の方が金沢より良かった。金沢で食べたのは随分前だから今は分からない。
IHGグループ主導になっても従業員は殆ど変わらないそうだ。それでも少しずつ変化は見える。真価が問われるのは観光シーズンが始まってからだろう。
雲海
富山県富山市大手町2番3号
076-495-1111(代表)
http://www.anahotel-toyama.com/restaurant/unkai.html
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2008年01月24日
[江島](銀座)
残り2ヶ月

日本海側のズワイガニ漁は昨年11月に解禁された。まだまだ食べられると思っていたら雌は1月10日で禁漁期に入り、雄は3月20日までの残り2ヶ月となった。
銀座で松葉蟹を食べるなら江島からん月ということで、今日は江島に行くことになった。
江島は活き蟹のまま、らん月は産地で茹でられて銀座に来る。食通は浜茹でが一番と言うが、果たして江島はどうだろうか。楽しみにして行った。

銀座の名店と言えども事前に予約しておかないと活き松葉蟹は食べられない。2杯を予約しておいたが、台に乗らないからと1杯のみの顔見世となった。表に「島根県・隠岐 松葉ガニ」裏面に「JFしまね西郷支所 富喜丸」と書かれた青いタグがついている。
蟹サラダ、平目の刺身

蟹が茹で上がるまでに頼んだ二品。蟹サラダではメインと味が被ってしまうのに、連れが無頓着にオーダーする。平目は正解。
茹で蟹、甲羅酒

浜茹で派でも、この日の松葉ガニは身がしっかり詰まり、甘くてとても美味しく感じた。部下は甲羅酒を美味い美味いと何杯も飲んでいた。
ステーキ

江島は牛肉も自慢だそうで、連れが客に披瀝したくて頼んでしまった。松葉ガニを食べた後ではどんなにいい牛肉も適わない。逆に高級牛過ぎて脂っぽく、半分近く食べ残してしまった。もったいない。
勘定をして席を立った。入り口近くの生簀には毛蟹がたくさんいる。連れはそれを見ながら「松葉ガニを食べたら毛蟹なんか食べられないよ!」と大声で言う。店員を気遣って「毛蟹も味が異なり美味しいよ!」と銀髪が遮ったのがまずかった。火に油を注いだ格好になり「いやっ!そんなことはない。松葉ガニが禁漁になったら江島には来ない!」とさらにボルテージが上がる。
他人の振りをしておけばよかった…
江島
東京都 中央区 銀座 3-5-4 十字屋ビル 4F(松屋デパート向かい)
TEL:03-3535-3131
http://www.ginza-ejima.com/
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2008年01月23日
[一心](長野)
長野にも立派なふぐを出す料理屋がある

長野出張では昼は蕎麦屋、夜は美山亭のような信州牛を出す店が定番だ。今回も部下が牛肉料理屋をアレンジしてくれるものと思っていたら、河豚だというのでちょっとがっかりした。しかし料理の選択権は銀髪にはない。地元の人は、滅多に食べられない河豚を選んだ。
思ったより小さな入り口の一心を見つけて中に入る。予約時に料理を頼んでいたのですぐに食事がスタートした。
ぬた和え、ふく刺し

刺身は端が皿から浮き上がり、花びらのように美しい。3人に一皿なので、みんなが遠慮して食べ辛いのが難点だ。一人前ずつの小皿では技が見せられないのだろうか。
鍋

焼きふぐも唐揚げもなく、鍋になってしまった。任せっぱなしだと好みのものが食べられないのが残念だ。6人で鍋は二つでこちらは銀髪が鍋奉行となった。骨の部分から先に入れ、最後に野菜で食べごろになる。向こうの鍋奉行は皿を持ち上げ全ての具を一気に鍋に流し込んだ。初めての人は驚きあきれ返るが、銀髪からするといつも見る光景だ。
白子焼き、白子の茶碗蒸し

鍋の途中でコースとは別に頼んだ白子がやってきた。茶碗蒸しが一心オリジナルの自慢料理とのことだったので、銀髪だけ茶碗蒸しを食べることにした。銀髪の気持ちを察してくれた仲間が白子焼きを1個分けてくれたので、食べ比べをすることができた。
茶碗蒸しは悪くないが、やはり焼きにはかなわない。
雑炊、葛きり

ふぐがそれほど好きではない仲間が待ち望んだ雑炊の時間だ。他の人たちは鍋でお腹が一杯なので味見程度に食べる。
デザートを食べて、お開きに。階段を下りたところで店主親子がお見送りをしてくれた。跡取りを控えてにこやかな大将と大きな息子。いい雰囲気である。
店を出て南に下りアーケードを歩いた。既にシャッターが閉まった店が目立ち、気温より寒く感じる。それから1時間超が過ぎて2次会の店を出たら、意外なことに街に活気が出始めていた。
どこの街にも酔っ払いがいる。負けてはいられないと次の店を目指した。
一心
長野県長野市権堂町3丁目
026-235-4054
http://issin.freebook.jp/
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2008年01月22日
[ひしゅうや](渋谷)
初めて行った宮崎郷土料理

23日で東国原知事が就任から1年になる。人気はいまだ衰えず各種世論調査では支持率が90%台を維持しているそうだ。東京の宮崎物産店の売り上げは9割増というが、宮崎郷土料理の店も恩恵を受けたに違いない。もしかしたら県外の店の売り上げの方が地元より多いのではないだろうか。
ひしゅうやは宮崎郷土料理の魚山亭グループの中では、比較的安くて評判がいいらしい。「あじくら」に再訪しようとしたら入れず、ひしゅうやに行ったらカウンターが空いていた。老若男女、銀髪と同年輩のおじさんたちもいてご機嫌である。
さつまいも

お通しはさつまいも。鹿児島がもちろん生産地ナンバー1だが、宮崎もトップ5に入る。甘くて本来は苦手なさつまいもも、塩をかけると結構美味しく食べられる。
地ビール

瓶ビールを頼んだら出てきたのはハートランド。キリンが作る麦芽とホップだけの本物のビールを置いてあるのは評価できる。ハートランドを頼んでから地ビールに気がついた。もちろん飲んでみる。宮崎の「ひでじビール」はハートランドを上回る香り高いビールだった。
チキン南蛮、ぎょろっけ

すべての注文は若い店員のお奨めに素直に従った。チキン南蛮は甘酢に漬けた唐揚げにタルタルソースをたっぷりかけた変り種。宮崎料理の定番品という。ぎょろっけも予想と違った。さつまあげをフライにしたようなものだ。
地鶏火あぶり

定番中の定番。東国原知事誕生後、もっとも有名になった宮崎料理だろう。いの一番に頼んだはずなのに、カウンターの目の前の調理場で出来上がるたびに他のテーブルに運ばれていく。しびれを切らして催促したらオーダーは通っていなかった。
宮崎と言えばそば焼酎をイメージするのは銀髪だけらしい。メニューには3種類しか載っていず、芋焼酎が主流のようだ。宮崎は麦焼酎も、米焼酎も生産する何でも県だ。宮崎が他県の後塵を拝する理由かもしれない。
ぎこちなく動く若い店員に奨められるままに頼んでしまったが、重めの料理ばかりで量も多かったので3品でお腹一杯になってしまった。近くの「庵狐」に比べると料理の種類が少なく、店員の応対も劣る。東国原知事効果もいいが、“宮崎”に頼らない店作りも必要である。宮崎料理にこだわった自分も悪いと反省。
店を出るときにもらった爪楊枝は立派だった。固い地鶏を歯間から取り除くには、市販の安い爪楊枝では役不足。帰り際に知った予想外の気遣いに、ちょっと気分が良くなった。
ひしゅうや
東京都渋谷区円山町18-2 藤田ハイツ1F
03-3463-0075
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2008年01月21日
[伊勢藤](神楽坂)
酒飲み憧れのお店

伊勢藤に来るのは4回目だが、前回来たのが7年位前でその前が15年程前、1回目はいつだったか思い出せない。昭和12年創業当時の店は戦災で消えたといっても、現在の店は昭和23年に建造されたというから銀髪より年長である。最初に来たときも今の3代目店主だったか分からないが、雰囲気はいつ来ても同じだ。
店に入ると薄暗くシーンとしている。カウンター席が一等席だが、満席なので靴を脱いで右奥の座敷に上がった。一汁四菜は自動的に出てくる。酒は白鷹のみで、冷か熱燗かを聞かれるので熱燗を選ぶ。連れは銀髪がビールを頼まないことを不思議がる。ビールは置いてないことを教えた。

座敷の障子は開かれており、連れはカウンターの客を盗み見て無言の理由を銀髪に尋ねる。この店のルールだと答えようとしたら、客の1人が何事かを店主に話しかけてちょっと場が和んだ。さらに観察していると、中央に居た男が席を立った。謎は解けた!カウンターの面々は他人同士だったのだ。
頼んだ熱燗は記憶どおりのぬる燗である。一汁四菜の他にいなごを追加した。座敷の先客がくさやを頼むと、カウンターの1人が呼応するかのようにくさやを注文した。来る度に必ずくさやを食べる客がいて、前回も店はくさやの臭いで一杯になったことを思い出した。そう、前回は銀髪自身が頼んだのだった。
超有名店だが雰囲気に気圧されて入りづらいのか、これまで満員で断られたことはない。たまたま運が良かったのかもしれない。長居するほど酒の肴が多いわけではなく、酔っ払いを許してくれるほど寛容ではなさそうだ。節度をもって飲むべしということだろう。

雰囲気だけを味わい、我々も早々に引き上げた。外に出て店の外観を写真に収めている間にも、何組か店に入ることを逡巡して去って行った。誰でも優しく迎えてくれる店だから、怖気づくことはない。しばし時代を超越する世界に身を置くがいい。
さて、次回は7年後ということにならないようにしよう。たとえ10年後でも、店は変わることはないだろうけれど…
伊勢藤
東京都新宿区神楽坂4-2
03-3260-6363
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2008年01月20日
[キャトリエム]②(日本橋)
♪ 私の 私の彼は~ 左利き~

日本橋界隈で10人以上のランチを受けてくれるところは少ない。売り手市場になる昼時は団体で長時間粘られたらあがったりである。そう思う店が殆どで、読みが浅い。銀髪のグループなら長く居れば居るほど酒の売り上げが伸びて儲かるはずなのに…
快く受けてくれたのはコレドにある「キャトリエム」である。前もランチで利用した。銀座レカンの系列店で料理はしっかりしており、1,200円、1,800円、2,600円の3種類のランチがあり、この日は真ん中を選んだ。内容は行く度に違うが、いつも充分にお得感がある。
そう言えば銀座レカンもミシュランには選ばれなかった。マキシム・ド・パリと同じように地下の店であることが災いしたのだろうか。
砂肝のサラダ

前に食べたとき、違った料理だったがやはりポーチドエッグが乗っていた。シェフはよほど好きなのだろう。
豚の頬肉

牛の頬肉はよく食べるが、豚の頬肉は焼きとん屋以外ではあまり食べたことがない。肉が嫌な人は魚も選べる。魚を選んだ人の中には頬肉と聞いて豚を拒絶した意気地なしが何人か居た。
コーヒー

最後にデザートとコーヒーが出てきたが、取っ手が特徴的なカップにみんなの注目が集まった。右手で飲むとしっくり手に馴染むのだが、左手では明らかに使い難い。左利きには不便だとの声に、みんなが同意して話が盛り上がったところでお開きとなった。
そのときは何とも思わなかったのだけれど、しばらくしてから果たして洋食器に利き手が問題になるのか疑問に思った。箸を左手に持つ人はいても、左利きの人がフォークを右手、ナイフを左手に持つところを見たことがない。ペンを左に持つ外国人でも、ナイフを左手に持つことはないだろう。
左利きの人がコーヒーカップを右手に持っても何の不思議はないはずだ。大昔にヒットした麻丘めぐみの「私の彼は左利き」で、彼はブラックコーヒーを左手で飲むがナイフを左手で持つという歌詞はない。
もっとも右利きでも右手にペンを持てばコーヒーカップを持つ手は左なので、妙な歌詞ではある。
それにしても、ときどきドラマで見る麻丘めぐみはおばさんになってしまった。それでも上手に年齢を重ねた方だと思う。他人のことを言えた義理ではないけれど…
キャトリエム
東京都中央区日本橋1-4-1 コレド日本橋4階
03-3272-8446
http://www.lecringinza.co.jp/4eme/
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2008年01月19日
[アカシア](東京駅GRANSTA)
東京駅構内地下、TOKYO STATION CITY GRANSTAで買ったお弁当

東京駅が変わった。まだリニューアル途上であるが、徐々に新しい姿を見せ始めている。先陣を切ったのがGRANSTAだった。東京駅構内の地下に45店が出来た。そのうちの約半分が弁当を販売している。浅草今半のすき焼き弁当、まい泉のとんかつ弁当、過門香のあんかけ焼きそばなども捨て難かったが、結局アカシアのロールキャベツシチュー弁当を買うことにした。
12時6分の新幹線に乗る予定だったので、11時50分まで待って注文した。650円と800円の弁当の違いは、ごはんの量とコロッケが帆立てのクリームコロッケかポテトコロッケかだけ。お目当てのロールキャベツに差はないので安い方を選んだ。

階段を上りホームに立つとほぼ同時に新幹線の清掃が終了してドアが開いた。寒風が吹きすさぶホームで、弁当を冷めるままにする愚は冒さずに済んだ。
殆ど誤差なく計画通りにことが進んでいる。指定の席に座ると、弁当を開ける。蓋を固定しているセロテープを剥がすのに手間取って、切れそうになるのを堪えた。

いきなりロールキャベツを食べるのも惜しい気がして、ポテトコロッケを一口食べた。次にご飯をたべて、ようやくロールキャベツに箸をつけた。キャベツは繊維質も壊れ、箸だけではらりと割れた。

口に含むとほんのり温かい。弁当屋でよそってもらったときから熱々でなかったのだから仕方がない。新宿「アカシア」の思い出はかつて書いた。懐かしくて久し振りに食べたロールキャベツだったが、本店の味より薄く感じた。とろみも少ない(ような気がする)。
「オウッ! これこれ!」と笑みを満面に浮かべることはできなかったが、久し振りのアカシアの味は楽しめた。他の弁当より特色があり面白かった。
追伸 初めて食べる人へ。
お弁当が美味しいと思った人には何も言いません。美味しくないと思った人は、これに懲りずに新宿本店に行ってください。それでもダメだったら。潔く諦めましょう。
http://www.gransta.jp
http://www.restaurant-acacia.com
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2008年01月18日
[むとう](日本橋三越前)
路地裏のそば会席

重厚な建物が並ぶ日本橋三越側と、中央通りを挟んで向かい側の一帯とは180度趣が異なる。「利久庵」「はんなりや」「もつ壱」「あなごや吉五郎」「串TEN」「天香回味」など、これまで紹介したサラリーマン御用達の店がたくさんある。むとうはまだ開店から6年位の比較的新しく、品のいい感じの蕎麦屋である。
夜は会席のみというので、予約をして出かけた。こぎれいな店内は仄暗く各席が仕切られているので他の客の存在は定かではない。静かで個室会席の雰囲気を作り出している。
カナッペ2種、そば豆腐、

洋風の付け出しで意表をつく。カナッペは「まずビール」にはよく合う。
豆乳、葛粉、そば粉で作ったそば豆腐はプルンプルンしていて、味もいい。ビールの後、もちろん和食には日本酒。「すいませーん」と声をかけるとこちらの気持ちを見通していたかのように、若い店員が酒のメニューを持って衝立の向こうから現れたのには驚くやら、嬉しいやら。
そば味噌、天ぷら(海老、白子、ししとう、椎茸、京人参)

そば豆腐がプリンプリンならそば味噌はコリコリ。混ぜてあるくるみはが食感と脂肪分を加えて面白いそば味噌が出来上がった。
天ぷらを置いて店員は消えたので、「すいませーん」と再び声をかけた。塩が欲しくて呼んだのだが、さすがに今度は手ぶらでやってきた。今度もこちらの気持ちを察していたらさらに感動していたろうに残念だ。
鴨なべ

鴨、ネギ、水菜のシンプルな鍋は、炭火の上に置かれた。最初の鴨は柔らかくて美味しくて感激したが、3枚目には固くなってしまった。四谷の「三櫂屋」のように、しゃぶしゃぶにした方がいい。炭もオガ炭では大衆店っぽくてちょっと味気ない。
十割そば、そば湯

そば湯はかき混ぜるためのへらがついてきた。そば湯用に濃く作ったのだろう。両国の「業平屋」ほど濃くはないが、そば湯好きの人には嬉しい心遣いだ。
漬物、甘味

味もよく、店員の応対もいい。とてもいい店と思うのだけれど、何かが引っかかる不思議な気分になった。大衆店か高級店なのか、明確にしないとどの客もどこか不満が残る。
店主はきっと分かっていると思うのだが…
むとう
東京都中央区日本橋室町1-13-1 梅むらビル1階
03-3231-7188
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2008年01月17日
[馬ってん](新宿歌舞伎町)
新宿で食べる熊本郷土料理

明治通り、日清食品のある新宿6丁目の交差点でタクシーを降りた。いつもの道をいつになくゆっくり歩くと、足の動きに反比例していつもは固定されている首の筋肉が動く。左横、左上、正面、右横、右上と顔が向いたところで目が止まった。バッテンにひっかけてあることがすぐ分かる店名に惹かれた。
靴を脱いで好きなところに座ることを許された。聞けば開店してから1年以上経っているらしい。2階以上の店は飛び込みの客を得るのが難しい。早足で歩けば今日も見逃すところだった。熊本郷土料理といえばもちろん馬肉がメインとなる。
お通し、さくらソーセージ

明太子、馬タンの燻製、高菜が少量ずつ乗ったお通しでビールを飲む。馬肉のソーセージは珍しいが、昔は安物のソーセージは馬肉が中心だったことを忘れていた。
馬刺5種盛合せ、レバー刺し

たてがみ、フタエゴ、赤身、鞍下、大オビ(特選霜降)の盛合せと別にレバーを頼んだ。可愛い馬の絵を見ながら食べる。東京に馬刺しを出す店は多いが、レバーをはじめ色んな部位を食べさせる店は少ない。なかなか悪くない。
ビールの後は球磨焼酎。熊本にある28酒蔵の焼酎が勢揃いしている。27が熊本らしく米焼酎。芋焼酎全盛で米焼酎のことは忘れていた。久し振りに飲んだけれど、米焼酎の品質も確実に向上しているのが分かる。
馬焼5種類盛合せと火山焼き

ロース上ひも、上ばらヒモ、ヒレさがり、はらみ、特上フィレの5種類の馬肉や冷めてしまったソーセージを焼く。テーブルに組み込まれたガス台で焼くのかと思ったら、分厚い石のプレートが出てきた。阿蘇の溶岩を削って作ったもので実に面白い。油をひかずに肉を焼くので女性にも受けるだろう。
食べ終わって店主・杉本さんと話し込んだ。熊本出身、九州男児のイメージと異なり優しい感じの人だ。店の立地は良いとは言えず、しかも空中店ということで商売は難しいに違いない。知名度さえ上がれば人気店になる要素はたくさんある。次回は食べ損なった辛子蓮根や一文字のぐるぐるなどの郷土料理も試してみたいものだ。
火の国だいにんぐ 馬ってん
東京都新宿区歌舞伎町2-8-3 最上ビル2F
03-3202-0829
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2008年01月16日
[あじくら](渋谷)
渋谷のホルモンは美味しい

マークシティを出て神泉方向に歩いた。大通りに突き当たり右側に曲がると有名な中華料理の「文琳」があり、そこまでの途中にお気に入りの「庵狐」がある。10分足らずで抜けてしまう小路だが、魅力的な小さな店がたくさんあるので予約をしないで行った。今日も幸運の女神に愛されて、第一希望の店にすんなり入ることが出来た。
7時前の店は若者で埋まり、予約客を待つテーブルがいくつか残っているのみである。メニューを開くと和牛ホルモンだけでなく豚も鶏もある。もちろんロースやカルビもある。お奨めを聞こうとしたが、インド系と思われる店員しかいない。要領を得ないので自らの知識、経験、勘に頼ることにした。
キャベツ

お通しのキャベツを食べながら肉を待った。注文したのはホルモン、シビレ、グレンス、ヤン、テールの5種類。
ホルモン、シビレ

ホルモンは塩、醤油タレ、にんにく醤油、味噌ダレ、コチジャンダレの5種類から選ぶ。フワフワの脂付きのしま腸はホルモン焼き肉の定番品。
シビレ(リードボーと呼ばれる子牛の喉の甲状腺)は意外なことに柔らかくて超美味で驚いた。
グレンス

勢いよく煙が吸い込まれていくのを見ながら、パクパク食べた。炭火に勢いがあるのでノンビリ話している余裕はない。グレンス(膵臓)も柔らかくて想像を上回った。
ヤン、テール

ヤンは固かったが予想の範囲。牛テールはちょっと期待外れ。食べるところが少なくて、満腹気味の終盤には適当だったかもしれない。
インド系の店員がスリランカ人だと連れが主張するので確かめたら正解!ヒンズー教徒のインド人は牛、回教徒のパキスタン人は豚を食べてはいけない。従って仏教徒のスリランカ人のみが牛肉や豚肉を取り扱えると考えたのかと思ったら、単なる勘だと言うので拍子抜けした。店員がスリランカ人といってもあじくらの評価に影響はない。ビール2本を加えて5千円札でお釣りが来た。
今日食べた肉はたった5種類。近いうちにまた来なければならない。シビレはもう一度必ず食べる。
ほるもん倶楽部 あじくら
東京都渋谷区円山町7-12 イケダビル1F
03-3462-8811
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2008年01月15日
[マキシム・ド・パリ](銀座)
古のパリを味わう

1966年開業、フランス本店のイメージを銀座に再現した。バールームの壁にはロートレックの絵と鏡がかけられている。映画「赤い風車Moulin Rouge」を思い出した。この部屋で食前酒を飲みながらしばし語らうべきところだが、日本人らしくさっさとメインダイニングへの階段を下りていく。ここでも重厚な雰囲気が心地よく、「オペラ座の怪人」になった気分だ。
コース料理はどれを見ても量が多そうだ。食べたいものと、そうでないものが混ざっている。銀髪のテーブルを担当する若くハンサムな落合さんと相談した。客には希望どおりポタージュスープとエスカルゴを頼む。エスカルゴは6個あるので、もちろん奪い取るつもりだ。自分には魚介類の前菜。メインは2人で分けることにした。我侭な客に臨機応変なのが老舗レストランのいいところ。フレンチに慣れた常連客に鍛えられているのだろう。
ポタージュ、雲丹と黒鮑の冷製ジェリー寄せ キャビアを添えて

魚介類の料理はおそらく本店より銀座店の方が上だ。魚の扱い方は日本人が世界一だから。
殻付エスカルゴ ブルゴーニュ風、茸の形をしたパン

前菜2つが終わった頃、エスカルゴが焼き上がってきた。2人で前菜3品というイレギュラーなオーダーにもかかわらず、銀髪の想定したとおりのサービスが淀みなく進む。
パリパリしたパンが香ばしくて美味しい。2つ目のパンを頼み、残ったエスカルゴのソースをつけて食べた。
仔鳩胸肉とフォアグラのパイ包み 腿肉トリュフつめサルミソース

肉の匂い(多くの日本人には臭みと感じるだろうが)が強く、いかにも伝統的なフランス料理の味わいが懐かしく感じられた。臭みのある肉にはフレンチの真髄である力強いソースの力が輝く。
この店では是非ともクラシックな料理に挑戦してもらいたい。
ミシュランに選ばれなかったのが不思議だと落合さんに言ったら、ミシュランの基準では地下の店は寿司屋以外NGとのこと。加えて約30年前にパリの本店がミシュラン選出を拒否したのが響いたのかもしれないと教えてくれた。落合さんは残念そうだが、常連客にとっては落選は朗報だっただろう。
経験5年でもまだ若手と謙遜する落合さんは、近く赤坂にオープンする店に栄転するそうだ。オープンしたら必ず行くと約束した。また楽しみが一つ増えた。
マキシム・ド・パリ
東京都中央区銀座5-3-1 ソニービル地下3階
03-3572-3621
http://www.maxim-s.co.jp
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2008年01月14日
ミルク シーフード ヌードル
牛乳メーカーが開発したらいいのに

昨年12月11日、明治と森永が今年4月から1978年以来30年ぶりに牛乳を3%値上げすると発表した。雪印乳業が不祥事で業務縮小に至るなど乳牛業界の厳しさは窺い知れたが、30年も価格が据え置かれていたのには驚いた。
値上げ発表の1ヶ月前に日清食品が新商品を発売した。マニアの間で広まっていたお湯の代わりに熱いミルクを入れる食べ方を参考に商品化したそうだ(→http://cupnoodle.jp/campaign/milk_seafood/sp/index.html)。牛乳消費量減少傾向に歯止めをかけるには焼け石に水かもしれないが、牛乳メーカーのアイデアだったら良かったのにと思わないではない。
ミルク シーフード ヌードル

コンビニで噂の新商品を買って食べた。商品化に苦労したというだけあって普通に美味しくて拍子抜けした。不味い方が面白いのに、美味いとつまらないと思うのだから消費者は勝手である(銀髪だけ?)。マニアが好むシーフード ヌードルにミルクを入れて食べてみたくなった。

使ったのは家にあった明治おいしい牛乳(生乳100%、成分無調整、無脂乳固形分8.3%以上、乳脂肪分3.5%以上)。ミルク シーフード ヌードル開発担当者の苦労が少し分かった。牛乳好きには生乳を使った方が遥かに美味しく感じるだろうが、牛乳臭さが鼻につく人もいるだろう。
カップヌードルに合う牛乳を探そうかと思ったが、先駆者・マニアのブログを見る方が近道かも。もっともマニアの嗜好が自分に合うとは限らない。難しいものだ。
子供の頃、給食の脱脂粉乳が牛乳に替わったときは嬉しかった。蓋は手の平や息でひっくり返す遊びに使われた。友人からたくさん戦利品をせしめて得意になっていた。
牛乳にご飯にかけて食べた経験を持つ人も多いだろう。安価になった卵や牛乳が我々の体の礎となったのは間違いない。今は高齢者が増え、骨粗鬆症予防の必需品にもかかわらず消費は伸びない。
値上げは仕方がないかもしれないが、消費拡大のための新提案も必要ではないだろうか?
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2008年01月13日
[獨一処餃子](海老名)
私のお墓の前で酔っ払わないでください

父の墓は海老名にある。父の墓の前で3兄弟が酔っ払えば、父が羨ましくて墓から出てくるかもしれない。大酒呑みだった父は、糖尿病と高血圧にもかかわらず、最後まで抵抗を続けて力尽きた。父が亡くなった年齢に近づいてきた長兄はやっと禁煙コールに白旗を上げた。今のままでは父の年齢までもたないと脅した医師の功績である。
次兄は随分前から飲酒の量を控えているように見える。銀髪も酒量を減らせば、父は妬ましさも心配もなく安らかに眠れるだろう。
海老名に墓参りした後は、以前に比べるとグッとかわいい酒盛りをする。いろんな店に行ったが、最近は「獨一処餃子」に行くことが多い。お子様ランチに喜ぶような子供もいなくなったので、ビールに餃子がベストの選択である。
豚耳、かに玉

餃子が焼けるまでは一番早く出てくる豚耳が一番いい。コリコリの食感とピリ辛がいい。
かに玉は随分にいい加減に作ったように見えるが、フワッとして悪くない。でもやっぱりいい加減に作ったように思える。
青椒肉絲、海老餃子(左端に焼き餃子)

こんな店といっては失礼だが、無理して立派な料理を頼む必要はない。周りの人は定食や麺類を食べている。豚耳以外に面白い食材が見当たらないので、いつもは家で食べられない青椒肉絲を選んだ。ピーマン料理が我が家の食卓に上ることは殆どない。最近の親は子供に優しすぎる。
そしてメインは餃子。餃子とビールの組み合わせに勝るものはない。
最近はターミナル駅周辺はどこに行ってもチェーン店ばかりが目立つ。それでも探せばお気に入りの店が見つかる。多くを望むわけではないので、チェーン店に入るより満足感はある。
たいした店ではないと思っていたが、店主の本業はオペラ歌手で知る人ぞ知る有名店らしいと最近知った。それでも、いつ行っても並ぶことがないのが何より嬉しい店である。
獨一処餃子
神奈川県海老名市中央2-9-55
046-233-4410
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2008年01月12日
熊、とど、あざらし
北海道のお土産、野獣海獣カレーの缶詰

出張の土産を何にするかいつも悩む。何を買って帰っても胡散臭そうに見られるからだ。「喜び=驚き」を常に考える銀髪の気持ちは容易に受け入れてもらえない。それでも懲りない銀髪は、缶詰を手にしたら家族の驚きの表情が目に浮かび笑みがこぼれた。
札幌プリンスホテルのお土産物売り場にカレーの缶詰は4種類あった。一番美味しそうな蝦夷鹿は避けて熊、とど、あざらしの3種類のカレーを買った。
「ワー!熊のカレーを食べたかったんだ!」次女の予想外の反応にこちらが驚かされた。熊カレーを食べる漫画があったらしい。嬉しくもあり残念でもある複雑な気持ちを抱きながら試食会になった。

最短でも18年以上銀髪に付き合ってきた家族だけに、臆せず怯まず食べ始めた。「熊が美味しい」「あざらしの方がいい」「とども捨て難い」と一口目は威勢のよかった彼女たちも、2巡目にはスピードがガタッと落ち、3巡目には脱落者が出始めた。
最後に残った銀髪も奮戦むなしく降参した。銀髪にとって肉自体は初めてのものではない。大阪で食べた熊のしゃぶしゃぶは美味だった。大和煮の缶詰で食べたとどは鯨に似て不味くなかった。
肉に臭みはあるかもしれないが、カレーの味付けに問題があるようだ。

肉の臭みを出さないように苦労したのだろうか、多種の材料が溶け込んでいた。
結論。美味しくない!臭みは殺すよりも活かす方がいいと思った。
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2008年01月11日
[さい藤](札幌)
冬の札幌は美味しい

「寿司屋がいい」という部下のためにプリンスホテルのベルボーイに店を紹介してもらうことにした。「札幌でナンバーワンのすし善に匹敵する店を」と頼んだら、インターネットで調べて部屋まで地図を持ってきてくれた。そこまでやってくれたら無視するわけにはいかない。素直に従って予約を取った。
5時半頃店に到着。すし善と匹敵するというのは大袈裟だが、悪くなさそうだ。くの字のカウンターの中に2人の料理人がいて、我々を担当する塚原さんは40絡み。脂が乗り切っているようで期待が持てる。「嫌いなものはありますか?」と聞かれ、全員が「ありません」と先生と生徒の会話みたい。もちろん「地物中心で」と付け加える。
3種和え物、ひらめ、ほっき貝

まずはいか、いくら、うにの和え物から。刺身のスタートはひらめ。ミル貝と思ってその大きさに感心したら黒ほっき貝とのこと。地元の人が「苫小牧産だよね」と口を挟む。さらに「ほたても美味しいですよ」とガラスケースの中のほたての宣伝もしてくれた。
鮭児、炙り白子

1万匹に数匹しか獲れず、幻の鮭とも言われる鮭児に久々のご対面。もちろん冷凍物