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2008年04月30日

[炙屋 風土](南青山)

外国人が好きそうな店


南青山周辺には評判がいい店が多い。予約なしでもどこかに入れるだろうとぶらついた。1軒目の焼き鳥屋は満席で断られた。2軒目が正(GOKAKU)に行った時、外国人が並んでいたので気になっていた店「風土」。扉を開けてしまったと思った。調理場を囲むようにカウンターがあり、薄暗くて雰囲気が良すぎる。フラッシュを焚かなければ写真が撮れないが、それは不可能に思えた。

ほぼ満席なので出ようかと迷っていたら、2階にどうぞ言われ逃げられなくなった。幸い、2階はテーブル席しかなく、そこそこの光源があるのでホッとした。

お通し、レバー刺し

この種の店の定番、キャベツのお通しはごま油風味のタレにつけるところが変わっている。レバー刺しは感動もの。コリコリしており、噛むと音がする。相方は変だと言うが、新鮮さの証だろう。肉は期待できそうだ。

黒はんぺん、ごぼうチヂミ

静岡名物とはちょっと違う黒はんぺん。炭火で焼くと香ばしい。評価が高かったのがチヂミ。お好み焼きというより天ぷらに近いかもしれない。粉が少なくヘルシー志向の人に受けそうだ。

牛タン葱焼き、六白黒豚ロース肉天然塩焼き

牛タンが美味しいのは当たり前だが、豚もいい。最近の豚肉は本当に美味しくなった。

みやざき地頭鶏天然塩焼き

焼肉屋では豚や鶏は牛肉の脇役的存在だが、この店ではどれもしっかり存在を主張している。

ホームページを見たら、イギリスの日刊紙「The guardian(ガーディアン)」2月26日号で東京の居酒屋トップ3に上げられたそうだ。外国人が並んでいた理由が分かった。
ミシュランに限らず、外国人の評価をありがたがるつもりは毛頭ないけれど、悪くない店ではある。外国人記者が気に入ったのは我々が食べた2階ではなく1階のカウンターだろう。2階は雰囲気がかなり劣ると思った方がいい。但し、1階で写真撮影が許されるかどうかは定かではない。


炙屋 風土 青山店
東京都港区南青山3-12-4
03-5770-5039
http://www.wid.co.jp

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2008年04月29日

モスバーガー

福岡まで来て食べるものではないけれど


空港で博多ラーメンか博多うどんを食べようと思った。しかし、部下は福岡駅まで行って食べましょうと言う。何か目当ての店があるに違いないと思って従った。
連れて行かれたのは飲食店が数店入った駅隣のビルで、店の一覧写真を見て選んでくださいと言われて絶句した。空港で食べるべきだったと思ったが後の祭り。
熟考した末にモスバーガーに決めた。銀髪の決定を聞いて今度は部下が絶句した。

ビルに入っていたラーメン屋、うどん屋、郷土料理屋なども美味しい店だったかも知れない。しかし、戦略的に裏通りに出店すると言われたモスバーガーが選んだビルがメジャーだとは思えない。銀髪の決定は的外れではなかったと思う。

記憶にないほど久し振りにモスバーガーを食べられると思うと、エレベーターを降りる頃にはすっかり機嫌が良くなった。頼んだのは食べたかったオーソドックスなものではなく、ライスバーガー。メニューを見て気が変った。

かき揚げバーガーは美味しかった。米を粉にして焼いたパンを使うのかと思っていたが、これは天むすからヒントを得たような代物。何とも珍妙な食べ物だが同種のものはコンビニでもたくさん売っている。話の種にはなりそうだ。

オニオンリングも久し振り。たまねぎより衣の方が容量が多い。見事な調理に感心しながら食べ終えた。

店を出るときに看板に気付いた。「価格改定」という表現に苦笑した。「値上げのお知らせ」で良さそうなものだが、さぞかし社内で議論したのだろう。

「ライスバーガーを食べましょう」「食料自給を推進しましょう」なんてことを書けばもっと良かったのにと思った。
戦後、アメリカの戦略によって給食にパンが導入された。それ以来、アメリカからせっせと小麦粉を買い続ける日本。
食料価格の高騰はいろんなことの転機、発想の転換を促しているのかもしれない。

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2008年04月28日

[味粋](日本橋茅場町)

おやじ御用達のお店で就職祝


景気後退の影が忍び寄ってきているが、来春卒業予定の大卒者は引く手あまたらしい。もともと子供の数が少ない世代なので取り合いになるのも止むを得ない。
小遣いが稼げればいいと思う退職した団塊世代も行き場はあるだろうが、もう少し頑張らなければならない50歳前後が満足できる職場を得るのは難しい。

お通し、刺し盛り

2歳年上の先輩の就職を斡旋した。過去10年で成功したのはたった二人。最初から高賃金を求める人は難しい。たまたま決まっても、すぐに放浪することになる。

つぶ貝、うるか

今日は先輩の就職前祝いである。招待してくれたのは銀髪の一回り以上も上の大先輩。彼も最近再就職を果たしたばかり。人柄か、能力か、空白期間なく働いている。
食通で銀髪をグルメ道に導いてくれた人でもあるが、うるか(鮎の塩辛)には箸をつけなかった。好き嫌いが多い先輩はもちろん目もくれない。

若竹煮、めざし、ふぐ唐揚げ

大先輩が「普通の居酒屋」と言ったとおり、おじさんたちの憩いの場的な店である。若竹煮も高級店にひけをとらない。
ふぐは期待しては可哀想だ。いい味付けをしている。

近況報告会は終り、昔の話になる。30年近く前の楽しかったこと、辛かったこと。いや、今は全部楽しい思い出になっている。大先輩は幾分小さくなり、先輩は少し太った。

大先輩には「俺がいいと言うまで禁酒しろ!」と何度も注意されたが従わなかった。「このままではアル中になって死ぬぞ!」と怒られたがまだ生きている。
怒られてから30年近く経った今、ようやく酒量を半分に減らすことを決心した。それでもまだ多いと怒られるかもしれないが…

今度はお二人の就職祝いを銀髪がすることを約して別れた。


旬の居酒屋 味粋
東京都中央区日本橋茅場町2-10-10
03-3663-6055

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2008年04月27日

山田製油

頑張る人にひらけゴマ!

時間潰しには最適と言われて日本橋高島屋の催し物会場に行った。成る程面白く、目を輝かせていたらKさんが胡麻油を買ってくれた。

胡麻油は日本料理には欠かせないものなので、日本原産と思っている人が多い。もちろん中国料理にもたくさん使うので、中国原産と考える人もいる。もっとも奈良時代初期には胡椒などと共に日本に伝来したので、日本原産と言ってもおかしくないかもしれない。

実際はインド、またはエジプト、アフリカが原産地である。アラビアンナイトで「開けごま」というのは、子供向けに翻訳したときに訳者が創作したものと長く思っていた。セサミストリートをテレビで見て、自分の思い違いに気付いた頃には大人になっていた。

金胡麻油、ラー油

「私が搾りました」とにこやかに話す人が社長とのこと。若いので半信半疑だったが、帰ってホームページを見たら嘘ではなかった。3代目というから若くてもおかしくない。
但し、無農薬の胡麻を使った本物の胡麻油作りは3代目自身が苦労して取り組んだもの。苦節10年を経て有名百貨店などに評価されるようになったらしい。かおりが高くて豆腐やサラダにかけると美味しい。ラー油もピリッとしてなかなかいい。両方とも我が家で好評だった。

ごま塩

油以上に面白いのが塩味がついた胡麻。自然海塩を溶かして黒胡麻をつけこみ、鉄鍋でじっくり炒り上げるという。
「特許をとっているのですか?」と聞いたら、昔からある製法とのこと。赤飯を買うと胡麻しかついてこないと思ったことがあるが、多分同じ製法で作られたものなのだろう。

山田製油の商品はネットでも買える。(http://www.henko.co.jp

真面目に頑張っている人は応援したくなる。美味しければ尚更だ。

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2008年04月26日

[風長閑]②(日本橋)

我がホームバー

銀髪グルメ紀行を始めて今回が933回目、毎日更新しているから6月末には1,000回に到達する。約2年半の間に行った店の数は600~700軒。使ったお金は… 考えたくない。
登場回数がもっとも多いのが我が社の近くにある風長閑。銀髪は我がホームバーと呼んでいる。

渋谷の「シノワ」は料理もワインも美味しく、フロアスタッフもなかなか格好いい。しかし、一番感激したのは男性トイレに歯間ブラシやうがい薬が置いてあったことだ。
それ以来トイレに入ってシノワと比べる習慣がついてしまったが、なかなか肩を並べる店は見つからなかった。
「灯台下暗し」、「青い鳥は我が家に居た」、ではないが、我がホームバー風長閑にも同じような備えがあるのに気付いたのはほんの数ヶ月前だった。

飲み屋のトイレにはボトルなどの宣伝や、名言集、「一歩前へ」などの無粋な言葉がかけられているところが多くて白けるが、風長閑はちょっと違う。

3月と4月

気付かないで用を足して出て行く人が多いのは仕方がない。気付いたのはいいが、飾っていた雛人形の1体を持って帰った不届き者がいたらしい。仲良く並ぶ人形に嫉妬したのかもしれないけれど、酒飲みの風上にも置けない人だ。
酒の場は無礼講とはしゃいでもいいけれど、酔った時こそ本性が出て品格が問われるものである。

ショットバーで銀座一有名な「MORI BAR」のトイレもちゃんとエチケットグッズの備えがある。今まで行ったレストランやバーの中で、トイレがきれいなところはみんないい店だった。飛行機の中のトイレをCAが飛行中に何度もチェックしているのを見ると感心してしまう。

風長閑のママは明け方まで働いても、日中は睡眠時間を削って習いごとで忙しい。趣味とは言え、店造りに役立っていることも多いはずだ。ママの気配りに気付いたら声をかけてみよう。
何かいいことがあるかも… トイレの話の二番煎じは反則ですよ!


風長閑
東京都中央区日本橋2-2-8 風月堂ビルB1
03-3231-0140
http://www013.upp.so-net.ne.jp/kazenodoka/

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2008年04月25日

[彌次朗兵衛](新宿歌舞伎町)

おでん、炉ばた焼、酒処


10年以上前、お客様にご馳走になった店に行った。何を食べたかまったく記憶に残っていないが印象は悪くなかった。

風林会館前の交差点近くで場所は悪くない。ところがもっとも繁昌する時間帯なのに客はまばらである。選び放題の席の中から奥のカウンターに座ったためか、お通しと生ビールが運ばれた後は誰も注文を取りに来てくれない。女将は忙しく他の客と調理場を行き交い、料理人はノンビリと女将の指図を待っている。

このままでは餓死してしまいそうなので、女将の持ち場(おでんが湯気を立てる入り口近くのカウンター内)の前に移動した。女将も心なしかホッとしているようだ。即座におでんを注文した。

思惑通りに飢えはしのげた。おでん用にしょうが醤油が入った出汁を渡された。おでんの有名店なら怒りそうな食べ方ではあるが、意外と悪くない。

もつ煮込み、塩辛

メニューにあると何故か必ず頼んでしまうのがもつ煮込み。記憶にないくらい久し振りに外れだった。不味くはないが、もつ煮込みとは違うような気がする。肉豆腐とも違うし、オリジナルと言われればそうかもしれないが、何か違う。

記憶にないほど久し振りにうろたえてしまった。孤軍奮闘汗をかいている女将を何とか褒めなければならない。壁のお品書きを何度も見て塩辛を注文した。
こちらは大正解だった。「自家製」の文字が光る唯一の品は美味しかった。口うるさい相方もようやく微笑んでくれた。

たまたまメインの料理人がインフルエンザで寝込んでいたかもしれない。注文を取りに走り回る可愛い店員が強制送還されたのかもしれない。すべてのスタッフが揃っていたら、メニューにあるたくさん過ぎる料理もこなせたかもしれない。多くの客へのサービスも行き届いたかもしれない。

一生懸命の女将を見ていたら悪口なんか書けない。今日はたまたま運が悪かったのだと思って店を出た。そう、滅多にない日だったのだ。絶対あり得ない日だったに違いない。

女将さん、頑張ってね!

彌次朗兵衛
東京都新宿区歌舞伎町2-10-5 ギンレイビルパートⅠ 1F
03-3207-3040

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2008年04月24日

[楼蘭]3(銀座)

高級料理屋なんか怖くない


個室に入ることが多い楼蘭だけど、予約なしに行ったので久し振りに全体が見渡せる席に座った。常連さんと一緒だから料理の選択権はない。お手並み拝見といったところだろうか。

前菜

定番はくらげ、蒸し鶏、ピータンだが、彼は自分が嫌いなピータンを抜いて代わりに焼き豚を入れると言う。ところが料理が出てきてもどれも食べようとしない。自分が食べる気がないのに嫌いなものを外すなんて、いつもながら面白い人だ。自分の嫌いなものは他の人にも奨めないというのも一つの見識かも。

料理の注文をしながら背中が痒いと言うので、店の女性に「孫の手は置いてないの?」と聞いてあげた。首を横に振るので「熊の手は?」と茶化すと、「事前にご予約いただければ用意しましたのに」と澄まして応える。冗談が分かる女性で楽しくなった。

シュウマイ、小龍包、春巻

小龍包を乗せた金属の器が面白い。箸で持ち上げるときに皮を破ってスープがこぼれるのが何とも口惜しいが、これならこぼすことがない。特注品だろうか。

燕の巣のスープ

「銀髪はいらないな」と言うので、燕の巣のスープは銀髪の分がない。福岡のチャイナで食べたばかりなので、羨ましい気持ちはおきなかった。客のものを少しだけ貰って味見した。チャイナの3分の1以下の値段だけど、味は悪くない。

ブロッコリー、ロメインレタス、茄子と挽肉味噌

迂闊なことにロメインレタスの名を知らなかった。シーザーサラダなどによく使われると言われて納得した。炒めても悪くない。茄子は別に頼んだレタス炒飯に乗せて食べた。

燕の巣のスープ以外は街の中華料理屋でも食べられるもので、値段もそれほど高くない。周りの客はクラブの同伴客とおばあちゃんばかり。2人でも極小皿があるので仲良く食べられる。食の細い老人でも食べ尽くすのに苦労しない。土地柄や時代に合わせるのが長く続く店の秘訣なのだろう。

「すいません、熊の手は予約していただいてもお出しできません」先ほどの女性店員が謝りに来た。「料理長が作ったことがないそうで…」
銀髪が本気で予約すると思ったのだろう。もちろん食べる気にはなっていた。但し、別の店でだけれど。


楼蘭
東京都中央区銀座5-8-20 銀座コア10階
03-3575-0787

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2008年04月23日

[祢保希 渋谷店](渋谷)

友遠方より来る


大学時代の友人たちと久し振りに飲むことになった。仙台に単身赴任している友人の予定に合わせたので、こちらに選択権はない。緊急・重要な仕事が入らないように願いながら2週間を過ごした。6時15分に祢保希の個室に入ったら4人分がセットされていた。

5分後に幹事が到着したので生ビールを頼んだ。二人で時間をかけて飲んでいる間に何度か携帯電話が鳴った。仙台からの友人が久々の渋谷を迷ってうろうろしているようだ。

煮こごり、どろめ

7時を過ぎてようやく3人で乾杯をすることができた。幹事が前もって頼んでいた料理が運ばれる。祢保希は赤坂店に行ったことがあるので料理はだいたい分かる。どろめとは鰯の稚魚(しらす)のこと。

鰹のたたき、焼き魚の緑豆乗せ

ビールに飽きて冷酒にした。空席に料理が溜まっている。「あいつ、本当に来るの?」と聞かれて幹事が顔を曇らせた時に、「急に仕事が入っちゃって…」と言いながら最後の一人がやってきた。今日三度目の乾杯をする。

桜鯛しゃぶしゃぶ、鯛皮焼きの茶漬け

冬場であれば祢保希ではクエを食べたいが残念ながらシーズンは終わった。今は桜鯛しゃぶしゃぶが人気のようだ。炙った骨でだしを取り、思ったより厚い薄切りの鯛をしゃぶしゃぶする。個々に鯛が乗った皿があてがわれるので、遠慮することも欲張ることもできないのがいい。

話し役、聞き役、なだめ役。何十年経ってもそれぞれの役回りは変わらない。子供の話、仕事の話はめっきり少なくなり、代わりに年老いた親の話が増えた。今日来なかった友人たちの話がもっとも安心できる話題だ。

大学を出て、みんなが初めて結婚する頃を最後に音信不通になった友が何人か居る。気楽に集まるのは誰かの2度目の結婚を祝った連中ばかりだ。
旧交を温めるつもりの会で言い合いになって疎遠になってしまった仲間もいる。あれから20年以上が経つ。水に流したいと思うのは向こうも同じかもしれない。次は必ず引っ張り出そう。

成功している幹事役の友人が勘定を払おうとしたので皆で制した。馬鹿をやった昔を語れる仲間だから集まってくる。あの頃のように、今も割り勘が気持ちがいい。

土佐料理 祢保希
東京都渋谷区渋谷2-17-5 シオノギ渋谷ビル
03-3407-9640
http://www.katsuo.co.jp/

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2008年04月22日

[チャイナ](福岡)

福岡で最高級食材を使った中華料理を


博多は魚が美味い。生簀のある店がたくさんある。ふぐ、あらなどの高級魚もいいが、さばも新鮮で美味い。もつ鍋、水炊き、ラーメン、他にも名物がたくさんある。それなのに中国料理がいいと部下は言う。魚介類や鍋料理が美味しい冬は去った。地元の人はいつもと違うものを食べたいかもしれない。そんな気持ちが湧き起こり、部下の言に従うことにした。

前菜、北京ダック

ホームページを見て北京ダックを食べることは決めていた。他は部下に任せるべきだったが、地元の新鮮な食材を使った料理でもあればと思いメニューを開いたのが間違いだった。「赤海燕の巣」に目が止まった。仕切り屋の虫が騒いでもう止まらない。

赤い海燕の巣のスープ、フカヒレ(トラザメ)のスープ

燕の唾液に血が混ざったと言われ血燕とも書く。高級な燕の巣の中でも大変希少な極上品。スープに入れる前のものを食べてみたが味は殆どない。上湯スープがとても美味しい。

燕のスープと味比べのため同額程度のフカヒレスープを頼んだ。ところが女性店員・谷さんが別メニューを持って来てトラザメを奨める。値段を見て目を剥いた。一杯(一人前)25,000円もするので一瞥しただけで断った。一度引っ込んだ谷さんがまた戻ってきた。「お客様が頼んだフカヒレと同額でもいいので是非トラザメを味わって欲しい」と料理長が言うらしい。断ることが出来なくなった。
味付けは極太繊維質のフカヒレに負けないように濃厚である。

鮑となまこ、ロブスター

フカヒレに加えて日本産の3大中国料理乾燥食材を揃えることにした。生のなまこを嫌いと言う人も、このなまこは気に入ったようだ。

頼んだ覚えはないが、「生簀に一匹しかいないロブスターを料理長が我々のために特別に作りました」と言われたら断れない。香港出身の料理長は客を料理するのも上手い。

スープ炒飯、焼き菓子

これも好評だった。「わざわざ福岡まで来て中国料理なんて」という気持ちは吹き飛んだ。

昼間の飲茶でも出さない焼き菓子はまたも料理長のサービスと言う。会ってもいない料理長が頑張ってくれたのは伝達役の谷さんの功績だろう。

個室を出て店内を見渡すと、客はまばらだった。料理長が我々のために腕を振るう時間があったのは幸運だった。

料理長と店員に乗せられて予算を大幅にオーバーしてしまったが、招待した皆さんは満足感一杯の様子。思い出に残る晩餐となったようだ。メデタシ、メデタシである。

チャイナ グランド・ハイアット・福岡
福岡県福岡市博多区住吉1-2-82
092-282-1234
http://www.grandhyattfukuoka.com

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2008年04月21日

[虎之介](新宿三丁目)

個室風の居酒屋


紀伊国屋書店と丸井の間にいい雰囲気の店がある。週末に何度か入ろうとしたが一杯で入れなかった。縁がないと思っていたが、週初めに予約もしないで行ったらあっけないほど簡単に入れた。

入り口に敷かれている強化プラスチックの透明板の上をこわごわと歩き、少し薄暗い店内を突き進んだ。靴を脱いで半個室に上がり料理の注文まで終えると、店員はすだれをスルスルと下ろして消えた。通路を通る他の客や店員が気にならなくなる。

お通し、もぎたて田園トマト、ホタテと胡麻豆腐、

お通しの素材を当てっこしたが外れた。舌にざらつく豆腐の中身はすり潰した竹の子だった。完熟トマトは沖縄産の塩をつけてシンプルにいただく。無農薬・有機野菜にこだわるというのも嘘ではないようだ。トマトも塩も甘い。
帆立のコラーゲンと胡麻豆腐の春野菜添え。コラーゲンと聞けば女性は黙っていない。

湯葉3種

汲み上げ湯葉3ステンシノワは3層のタワーで出てきた。プレゼンテーションも上手だ。湯葉にわさびを乗せただけのシンプルなものと、ウニ、トビッコを乗せたものの3種。

春野菜のセイロ蒸しジャイアントBOO、津軽鶏の唐揚げ

トマトの時に出てきた沖縄塩を置いておくべきだったと後悔したが、味噌、バルサミコマヨネーズ、バルサミコバターの3種をつけて飽きずに食べることが出来た。特にバルサミコバターはそれだけで酒の肴にもなった。

鶏の唐揚げはパリッと揚がった皮が美味しい。添えられた柚子胡椒で食べるのも悪くないが、やはり塩が欲しかった。

4桁の料理は佐賀牛などわずかしかなくリーズナブル。雰囲気もサービスも悪くない。惜しむらくは日本酒の品揃えが悪いこと。メニューにある1合単位で頼める日本酒は6種類。そのうち3種類が品切れだった。残るは本醸造が2種、純米大吟醸が1種。

料理がリーズナブルな割に日本酒の値段はかなり高め。若者向けに安い焼酎の品揃えは良く、女性向けにワインも置いてある。日本酒好きのグンと大人の客は想定外のようだ。
純米や吟醸、大吟醸のワンカップが多数市販されている。これを10種類ぐらい揃えたら評価はもっと上がるだろう。「日本酒を飲むと肌がきれいになります」とメニューに添えれば、女性客も頼みやすい。

デザート

銀髪が頼んだ3種の日本酒がことごとく品切れだったせいかどうか分からないが、デザートをサービスしてくれた。アルバイトと思われる店員たちにも好感が持てる店である。


虎之介
東京都新宿区新宿3-17-11
03-5368-8530

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2008年04月20日

今西の奈良漬

本物の奈良漬


昼飯時、「美味しい店がありますよ」と言う部下に従って近鉄奈良駅周辺を歩いた。ところが彼の記憶は曖昧で店が発見できない。行ったり来たりしていたら、立派な造りの店の前に出た。

オーラに引きつけられて店に入る。店内を見渡し、ガラスケースの中を覗いていたら、自信満々の中年女性店員につかまってしまった。「本当の奈良漬を作っているのはうちだけです」と胸を張る。他店のものはまがい物か中国製だと一蹴するのは大胆に過ぎると思うが、堂々とした風格に気圧されて信じてしまう。「女将さんですか?」と聞くと大きく頷いた。

店のパンフレットを読むと、「元祖製造元として江戸末期に開店、味淋粕は用いず、ましてや人工甘味・人工着色・合成保存料等は一切使用せず、最低でも3年、最長13年もの間酒粕に漬け込むと」とある。女将の顔を思い出すと、他店を皮肉っているように思える。

刻み奈良漬

食べやすく刻んである630円のものを買った。他に瓜小袋ときゅうり、西瓜、なすが入った小袋など土産用に買った。由緒正しき逸品でも1,000円前後で買えるのがいい。

今西の奈良漬は他店のものに比べると黒色で味がきつい。大酒飲みならともかく普通の人は食べる大きさに切って冷蔵庫で3~5日置いてから食べるように言われた。女将に銀髪がいかに大酒飲みかを説明した。我ながら馬鹿なことを言うと反省していたら「それなら切ってすぐ食べても大丈夫」と太鼓判を押された。ここで得意気になるからまたいけない。

奈良漬が大好物と言う母にお土産を届けた。それから数日経っても感想を言って来ない。1週間後に母の家に行ったら「高級品は口に合わない」と言う。話を聞いたらあれほど説明したにもかかわらず、切ってすぐに食べたらしい。冷蔵庫で眠っていたものを取り出して食べさせたら「あら、美味しい」。

今西の奈良漬は市販のものとまったく別物と思った方がいい。奈良漬はあまり好きではなかったが、今西の奈良漬はいい酒の肴になるので気に入った。

女将の自信満々の顔が目に浮かんだ。


元祖純正奈良漬
奈良県奈良市上三条町31番地
0742-22-2415


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2008年04月19日

ポテトチップス

食べ過ぎにご注意

日本は過保護な国だとしばしば思う。4月から40歳以上の被保険者・被扶養者に対して、メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病予防のための健診・保健指導が実施されるようになった。幼児を対象にするなら分かるが、大人なら自己責任で処理すべきもの。社会保険財政が逼迫している最中に余計なことを始める余裕はないはずだ。

我が社にも保険士がやってきた。健康人の相談時間は一瞬で終るのに、メタボ人は30分以上話し込み、たくさんの資料をもらった。この不公平を看過してもいいのだろうか。時間はコストにつながる。
資料には食品ごとのカロリーが書いてある。ポテトチップスのカロリーを見て驚いた。

ポテトチップス100グラムは3杯半のごはんに相当する。アップルパイと並んで堂々のトップだった。

カルビーのホームページによると『ポテトチップスの歴史は、1853年にアメリカ、ニューヨーク州のサラトガ・スプリングスにあるムーン・レイク・ハウスホテルが発祥の地との説があります。ホテルのレストランでお客様が、「フレンチフライを厚く切りすぎだ!と言い出したので、コック長が紙のように薄く切ったじゃがいもを揚げたのが始まりといわれています。』とのこと。

海外での単身赴任を強いられた父が日本に戻っている間は、週末になると母と新宿に出かけた。両親にとっては結婚以来初めての蜜月時代だったと思う。留守番役の銀髪がいつも楽しみにしていたのが、京王デパート地下食品売り場から買ってくるポテトチップスだった。袋売りのものよりも、量り売りしていた京王デパートのものがはるかに美味しかった。

子供の頃もちろんケーキや饅頭が好きだったが、今は見たくもない。酒飲みになって嗜好は大きく変わったが、唯一ポテトチップスの地位は揺るがない。それがご飯3.5杯と同等のカロリーとはショックだった。

メタボの部下は銀髪以上にショックを受けているようだった。もっとも、そんな脅しで怯む奴ではない。ショックだ!ショックだ!と言いながらも食べることを止めないだろう。
保険士のアドバイスを受け入れるときは、既に手遅れになったときに違いない。

健康よりもポテトチップスの方が絶対的に魅力的なのである。

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2008年04月18日

[ろんぢん](松江)

時計屋ではない。島根牛しゃぶしゃぶの老舗料理屋


出雲空港からタクシーに乗り込んだ。「松江駅前のホテルで昼飯を食べよう」と言ったものの、午後の約束まで時間がある。「どこかいいところはないか?」と部下に聞いたら「ありますよ!」と嬉しそうにガイドブックを鞄から取り出した。付箋のついたページを覗き込むと、赤のマーカーがけばけばしい。

携帯電話での会話が長引いている。「どうしたんだ?」と聞くと「高いコース料理しかないので断ろうとしたけれど、来てくれと熱心にお願いされて電話を切らせてくれないんですよ」と言う。仕方がないので行くことにした。

店はシーンとしていた。かなり年齢がいった女性がにこやかに出てきた。「女将さんですか?」と聞くと大きく首を横に振る。さっき電話で押し問答した仲居さんだった。「すきやきはないの?」と聞いたら「うちは高級ですから…」と言う。彼女の頭の中ではしゃぶしゃぶの方がすきやきより上らしい。

胡麻豆腐、島根牛、しゃぶしゃぶ

牛だけでなく、世界遺産になった石見銀山近くで作られる丸餅や博多の職人から伝授されたうどんなど食材自慢をするのに仲居さんは大忙しである。

ほどなくもっと歳を重ねた女性が現れた。女将である。「なぜろんぢんなんですか?」の質問から彼女の細腕繁盛記が始まった。しゃぶしゃぶ屋を始めたのが43年前で、旦那が生きていたときは時計屋だった。ろんじんの名はやはりスイス時計の名門ロンジンから来ていた。家族を養うために時計屋を廃業、現在の店を始めて以来84歳の今も店を取り仕切る。

甘味3種

女将が自ら作ったと言うので、普段はあまり食べない甘味も口にした。我々3人は日本一の和牛と自慢するのを散々茶化したが、合計年齢で遥かに上回る女将と仲居の2人はまったく意に介さず言葉は止まらない。

彼女らの自慢が根拠がないわけではないと分かったのは家に帰ってネットで調べてからだ。あまり聞いた事がなかったが、島根牛は古くから全国の和牛産地へ繁殖用及び飼育用の元牛として供給されてきた。特に有名なのが第七糸桜号という種雄牛で、その子は4万頭にもなったという。各地の銘柄牛のルーツは島根牛かもしれない。

ロンジンは楽しく美味しかった。女将が元気なうちにまた行きたいものだ。

しゃぶしゃぶ ろんぢん
島根県松江市千鳥町(旅館団地)
0852-22-3618

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2008年04月17日

[すし処 N](四谷)

夫唱婦随の小さな寿司屋


「ブログに書かないでください」と帰り際に釘を刺された。八重洲仲通りの「あきば」と同じように電話帳にも載せていないと言う。女将に店名も電話番号も出さない約束をしてエレベーターに乗り込んだ。

「ブラディドール」に連れて行ってくれたMさんが紹介してくれた店は、飛び込み客はまず来ないところにある。ちょっと迷って携帯電話を鳴らし始めたとき、ビルの中に通りからは目立たない看板を見つけた。

お通し、刺身

毎日更新するおしながきがいい。それぞれの素材に産地が書かれており、素材へのこだわりが感じられる。自己流と謙遜するが、女将自筆の筆文字がいい味を出している。
鯵は産地の違うものが3種類あり味比べが出来る。しめさばを頼むと炙ったものを添えてくれるので、生と焼きの味の違いが分かる。芸が細かい。

寿司

こはだ、あなごを頼んで他はお任せにした。信頼できる店はお任せにした方が美味いものが食べられる。

うに

うにを箸でつまんでしっかりした身に驚き、食べてまた驚いた。鮪で有名な大間産のむらさきうにが入った容器を見せてもらった。うにをそのまま詰めただけで混ぜ物は一切なし。築地でも滅多に手に入らないそうで、実に美味。Nではうには旬の春~夏しか使わないとこだわる。軍艦巻きの海苔も特級品と誰でも分かるものだ。

席に着いたときから気になっていた大きなしじみを味噌汁にしてもらった。青森県小川原湖のしじみは巨大でしじみ特有の泥臭さがない。しじみとは別物と思える。

無口な若い主人も自慢の素材のことになると饒舌になる。日本酒も純米酒と生原酒しかない。酒も結構好きだと言うとおり飲み物も本物志向。しかも良心的な値段。これで儲かるのだろうか?
少し打ち解けたと思ったところで冒頭の会話になった。宣伝したくて仕方がないと思う銀髪の心情を読み取って機先を制された。

「会社の仲間に紹介してあげる」と言われても「お客様がまた来ていただくだけでいいです」と断ると言う。客を怒鳴りつけるような有名店とは違う。常連さんだけが偉そうにしている店でなく、たまに来る客でもいつも心地よく過ごせる店を作りたいそうだ。確かに銀髪以外は静かに飲み食いしている客が多い。

偉ぶらず偉そうにさせず、双方が自然体で客はゆったりと美味しい食べ物、酒を楽しむといったところだろうか。
毎日変わるおしながきや女将ノートなどをホームページで見ることができるけれど、これも紹介することができないのが残念だ。

主人と女将の思いが分かる方は、なんとか探し当てて行ってください。


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2008年04月16日

[魚道場]②(日本橋)

移転した魚道場に久し振りに行った


日本橋界隈は毎日群発地震で揺れている。バブルの時ですら手放さなかった地権者が、今回のミニバブルでは売り時を逃さなかった。古いビルを壊し、新しいビルの基礎になる鉄杭を打ち込む振動が日本橋の住人を悩ましている。完成したとき新オーナーは笑顔でいられるだろうか。

魚道場の入っていたビルも取り壊されることになり、魚道場も移転を強いられた。3月3日、電話番号が変わらない場所で営業を再開した。

入り口の上には「いとはん」の文字が削られた跡がある。店内は壁紙が貼りかえられてまるで新しく店を造ったようだ。入ってすぐはテーブル席、奥にカウンターと小上がりがある。カウンター席に座り、久し振りに主人の仕事ぶりを見ながら飲むことにした。

ばい貝、かぶら寿司、かにみそ

基本的にお任せの店であるが、「任せるよ!」と言うと、銀髪の好みをよく覚えていて「珍味系だね!」と応える。かつて富山出身の主人が北陸の味を銀髪に教えてくれた。

穴子の串焼き、刺身、ふぐの粕漬け

相変わらず厚く切った刺身だ。店は変わってもスタイルは同じだ。

カウンター後ろの小上がりが埋まった。カウンターからはテーブル席の様子が窺い知れないけれど、満席になったようだ。主人と女将の二人では手が回らない。

同行したTさんにに酒を注ごうとしたが手で制された。大車輪の主人は我々の料理まで手が回らなくなってきた。「忙しいですね」と声をかけると「たまたまだよ」と言うが、前日予約に来たときもほぼ満席だった。それでも気侭な客のことは分からない。待ちの商売は難しいものだ。

まだまだお任せ料理は続くはずだが、お開きにすることにした。奢るつもりだったが女将が手渡してくれた勘定書きのメモを覗き込み、客は自分が払うと言って聞かない。銀髪が誘った飲み会だが、思ったよりずっと安いのでご馳走になることにした。

魚道場の名刺の「安くて、美味しい」は嘘ではなかった。「また来ますよと」言って店を出た。今度はもっと空いていたらいいけれど。いや、やっぱり繁昌している方が嬉しいかな。


魚道場
東京都中央区日本橋3-3-5 丸十ビル1階
03-3231-3459

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2008年04月15日

[兄夫(ヒョンブ)渋谷店](渋谷)

日韓芸能人もよく来るお店


渋谷をぶらついていたら韓国料理屋「兄夫」の看板を見つけた。赤坂の「兄夫食堂」に行ったのは約1年半前のこと。渋谷にもあるとは知らなかった。安くて美味いのは赤坂店で経験済み。何の迷いもなく入ることに決めた。

7時を過ぎていたが幸い店は空いていた。壁には日韓芸能人の色紙がたくさん貼られている。草薙剛の色紙は目立つ位置にあったのですぐ見つけた。個室がたくさんある赤坂店と違って渋谷店はとても狭いので、芸能人が来たら目だって仕方がないだろう。貸切りで来たに違いないと勝手に解釈した。

1年半前に比べると韓国家庭料理の知識も豊富になった。兄夫は量が多いのも分かっているので控えめに頼んだ。

お通し

「お通しです」と出てきた皿が3つ。料金をチェックしなかったので分からないが、おそらくタダか少額。韓国ならもっとたくさん皿が出てくるが、日本では珍しい。タップリのキムチがとても美味しくて、これだけでいくらでも酒が飲めそうだ。韓国人も多く来店するのにキムチでお金を取ったら怒られるだろう。

ガムジャジョン、チャプチェ

すり下ろしたじゃがいもで作ったチヂミと韓国春雨の炒め物。どれも美味しい。

コップチャン鍋(韓国風もつ鍋)

辛そうに見えるが、韓国唐辛子は痺れるほどに辛くはなく、甘味があるので食べやすい。1.5人前と言うが、2人で食べ尽くすには骨が折れた。
途中で残ったガムジャジョン、チャプチェを鍋に放り込んだ。

これで足りなければうどんやラーメンを加えれば、動けなくなるほどお腹は一杯になるだろう。メタボが気になるので我々中年おじさんは自重した。

ビール、マッコリを飲んで一人3,000円程度。老若男女、誰もが満足できるお店である。

兄夫(ヒョンブ)渋谷店
東京都渋谷区道玄坂2-15-1
03-5728-7097
http://www.hyungboo.com/branches/view/3

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2008年04月14日

[やきやき三輪](銀座)

リーズナブルな店といっても、いいものを食べれば高くなる


銀座プランタンの並びに昨年9月マロニエゲートがオープンした。レストランフロアには銀座初出店や新業態が多く揃うという。その中からリーズナブルに食べられて、夜景がきれいな店「やきやき三輪」に予約を入れた。

夜景が見える部屋には4人掛けの鉄板焼きテーブルが3卓ある。我々9人で一部屋占拠できると思ったが甘かった。窮屈だが2卓に分かれて座った。

キムチ

「コースを頼んだ方がお得ですよ」と言う店員の親切なアドバイスを無視して、食べたい物だけを頼むことにした。各テーブルにキムチを2皿ずつ頼んだが、あまりに量が少ないので人数分に増やした。「一皿いくら?」の問いに「多分380円です」と若い女性店員は曖昧に答える。メニューにキムチは420円と書いてあるが、少量の皿の値段とはどうしても信じられない。店員に問いただしたら、「確認してきます」と部屋を出て行った。

目の前の鉄板が熱くなってきた。しかし、一向に焼く素材がやってこない。イラついてきて会話が止まったところで、調理場から聞こえてくる金属が擦れ合う音に気付いた。程なくして、アルミホイルに乗った料理が運ばれてきた。目の前の鉄板は保温用でしかなかった。アルミホイルは店にとってはいいアイデアだ。鉄板が汚れないし、保温の熱も通しやすい。客にとっては安っぽくて貧弱に見える。

シーフード焼き、ポテト焼き

さんざん待たされたのでアッと言う間になくなった。次が出てくるまでにキムチを追加した。
空いていた隣のテーブルを予約していた5人が入ってきた。狭い部屋に男ばかり14人がひしめくことになった。新参者は席につくなり煙草をふかし始める。雰囲気だけでなく空気も悪くなった。

あさり、あわび

あさりは身が太ってて美味しかった。あわびは1個しかなかったので一切れずつ分け合って食べた。高価な一切れだったに違いない。

牛タン、牛コロコロ焼き

最高級の牛肉をオーダーした。不味かろうはずがなく、これもアッ言う間になくなった。次の焼きそば、お好み焼きもなかなか出てこない。仕方なくまたキムチを追加した。メニュー通りの値段なら、キムチだけで1万円近く使ったかもしれない。気狂い沙汰だ。
調理場を見に行ったら若い店員が汗だくで料理を作っている。9人が瞬間蒸発状態で食べ尽くすので料理が追いつかないと悲鳴をあげていた。可愛そうなので文句は言わずに席に戻った。

焼きそば、お好み焼き

一番評判が良かったのは写真がないキムチ焼きめしだった。

生ビールをそれなりに飲んで、焼酎ボトル1本加えて総額約9万円。一人一万円の食事に「いいものを頼んだから当然だ」「とても美味しかったのでまた来よう」とみんなご機嫌だった。金を払わない彼らはともかく、スポンサーが「銀座だからこの値段は仕方がないよ」と納得顔だったから善しとしよう。

結局、女性店員はキムチの値段を教えてはくれなかった。


やきやき三輪 銀座店
東京都中央区銀座2-2-14 マロニエゲート12F
03-5159-0038
http://www.yakiyaki-miwa.com/index.html

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2008年04月13日

さらばブラックタイガー

何であれ別れは辛い

ブラックタイガーは海老ではない。銀髪の愛車(ロードバイク)である。→ 「自転車の独り言」
今日はグルメの話ではないのであしからず。

ブラックタイガー

ブラックタイガーを買ったきっかけは妻の一言だった。風呂からあがって来たら「おとうさん、太ももが干からびてきたね」と真面目な顔をして言う。冗談っぽく言うのなら聞き流すところだが、夏の朝植木に水をやる半ズボン姿のお爺さんのしなびた足と膨らんだ腹が目に浮かんだ。

まるでシナリオライターがいるように、物語は流れるように進んでいった。30年以上の空白期間を埋めるべく中学時代の友人たちとの交流が頻繁になり、同級生の一人がロードバイクを奨めてくれた。飛びついてしまったものの、続ける自信は乏しく比較的安い自転車を買った。

太ももだけでなく腹回りにも効果はてきめんだった。草木や水の匂いを感じ、陽を浴び風を切って走るのは楽しい。すぐに上級車を欲しくなり長く逡巡した。決断したのはブラックタイガーに相応しい乗り手が現れたからだ。後継車はマドンに決まった。

ブラックタイガーと別れが決まった週末、多摩川サイクリングロードを走った。名残を惜しんでゆっくり走ったつもりだったが、砂地でスリップして派手に転んだ。足をペダルから外すことも手をつくこともできなかったのは初めてである。腕、くるぶしは大きく傷つき、左腰にあざが出来た。ブラックタイガーが怒ったのかもしれない。嫉妬したのかもしれない。遂にハワイで開かれるセンチュリーライドにも連れて行ってやれなかった。

ラストランの前に思いをこめて丁寧に拭いてあげた。今度は素直に走ってくれた。次の乗り手はスキー全国大会で2位になった少年である。未来のオリンピック選手になるかもしれない少年の、夏の体力作りを助けることになる。ブラックタイガーも気に入ってくれるに違いない。

新しい自転車の名前はまだない。

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2008年04月11日

たい焼き

たい焼きをもらった


初めてたい焼きを食べたのがいつか覚えていない。福岡に住んでいた頃、いつも食べていたのは回転焼きだった。
小学6年生の梅雨時に東京に移った。同じ物が地域によって呼び方が異なるとは知らない。初めて今川焼きを見たとき、回転焼きに良く似た菓子があると思ったものだ。

近くに今川焼きを売る店がなかったので食べる機会はめっきり減り、スーパーの前で売っていたアメリカンドックやたこ焼きが好物になってしまった。一時期、その場所でたい焼きを売っていたような気がするが記憶はおぼろげである。

前に勤めていた会社が新川にあったので、お客様がしばしば差し入れしてくれたのが人形町柳家のたい焼き。並んでまで買って来てくれるのは有難かったが、口にしたことはない。

銀座のクラブの黒服が届けてくれるのが「根津のたいやき」で柳家の暖簾分けとのこと。たい焼きのお礼にクラブに行くことになるから、鯛で客を釣ることになる。高くつくのでたい焼きはいらないと断っているのだが、止めようとしない。

浪花屋総本家のたい焼きをもらった。兄嫁が母に買ってきたものをおすそ分けしてくれた。貰ったのは3個のみ。我が家の女3人分で銀髪にはない。
最初から食べる気がないので、文句は言わない。浪花屋総本家が「およげ!たいやきくん」のモデルと言うので写真だけ撮った。

柳家、浪花屋総本家、四谷のわかばが東京のたい焼き御三家と言われるそうだ。どの鯛焼きも尻尾まで餡がつまっている。我が家の3人はつまっていない方が好きだと言う。大論争にもなるようだが、まったく興味がない。

銀髪の弱点は甘いものが苦手なことである。レストラン評価はデザートまで含まなければ画竜点睛を欠くと言われても仕方がない。
御三家だろうが、尻尾の餡がどうであれ食べる気にはならない。回転焼きなら一口だけ食べてもいいような気がする。単に思い出探しに過ぎないけれど…

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[フジママス](神宮前)

外国人がいっぱい


フジママスのホームページを見て目を疑った。「ご予約はご希望日の一週間前までにお願いいたします」と書いてある。当日予約は断られるかと恐る恐る電話したら、あっさり受け付けられた。店に着いたら予約も不要だったことが分かった。我々は1階席中央に案内された。

外国人グループが2組、日本人カップルが1組、それに我々しかいない。ほぼ客と同数の外国人店員の中から一人がやってきた。中国系の顔をした彼に、英語で話しかけたがうまく通じない。他の店員もネイティブのイングリッシュ・スピーカーではないようだ。結局共通語は日本語だった。

牡蠣フライ、豆乳スープ

高めの値段設定のメニューを見て量の多さを懸念したが、さっきの店員は3品では足りないと言った。仕方なく4品頼んだ。懸念したとおり、一皿の量が多い。
洋風の不可思議な野菜タップリ豆乳スープは美味しかったけれど半分残した。後の料理が食べられなくなる。

青梗菜と野菜のピリ辛炒め、ラムチョップ

オーナーシェフもマレーシア人の料理長も世界中の有名店で修行したそうで、味もプレゼンテーションも悪くない。席の間隔も広くて、ゆったりとしていい。それなのに何故か落ち着かない。
ワインを頼んだつもりが生ビールのおかわりがやってきた。客が少ない割りに料理が出てくるのも遅い。後から入って来た外国人女性二人連れがフラッシュを焚きまくって楽し気である。
開放感と粗さは紙一重で、リゾート地なら快適と思える雰囲気を楽しめるかどうかは客次第である。

日が長くなり、オープンカフェが活きてくる頃には、原宿、表参道を愛する若者や外国人たちが店に溢れるようになり、1週間前の予約が必要かもしれない。

今度は子供たちでも連れてこようかな。いや、ついてきてくださいとお願いしよう。ウーン、断られそうで誘うのが怖い。女房? ウーン…


フジママス
東京都渋谷区神宮前6-3-2
03-5485-2262
http://www.fujimamas.com/index-j.html

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2008年04月10日

[いちゃりばえん](吉祥寺)

熱帯魚を食べたい!


吉祥寺にはイタリアンやエスニックなどの店が目立つ。リーズナブルで美味しい和食居酒屋もあるはずなので、探すことにした。
沖縄料理は想定外だった。通り過ぎようとしたところで、看板の文字に目が釘付けになった。アカマチ、クルキンマチ、イラブチャーの刺身とある。カラフルな魚体を思い浮かべて飛び込んでしまった。

アカマチ刺し、ジーマーミー豆腐

お奨めのアカマチは鯛に似てなかなか美味だった。鮮やかな体色が分かるように湯引きの刺身なのも良い。出来れば黄色やライトブルーの体色だったらもっと面白かったのにと客は勝手だ。
ピーナツで作った沖縄ジーマーミー豆腐も美味しかったが、刺身を食べて目的を達した気分になってしまった。

泡盛利き酒セット

再び気分を盛り上げてくれたのは泡盛利き酒セット。たいして期待もしなくて入った店だけど、驚いたことに200種類もの泡盛、焼酎があるという。長期熟成の高価な泡盛もある。
利き酒セットで飲み比べると値段の差がよくわかる。もちろん、まろやかで高価なものが一番ではない。野卑なものを好む人もいるだろう。自分が好きなものを飲めばいい。

フーチャンプルー、もずくとツナの天ぷら

麩を使ったチャンプルーも悪くなかった。もずくとツナの天ぷらもいい味だ。いい店だと思えてきた。

沖縄風生春巻き、紅芋ごま団子

豚肉の塩漬け入りの生春巻は隣のテーブルを盗み見て食べたくなった。ただし、上にかかったマヨネーズは抜いてもらった。
意外だったのがごま団子。てっきり中華風の餡子が入ったものと思っていたが、まったく別物で酒の肴にもなる。

駅からすぐの立地なのに料理屋密集地から外れているせいか、客の入りはよくなかった。
たまたま空いていたのかもしれない。若者で一杯になってもおかしくない店だと思った。


いちゃりばえん
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-6-3 吉祥寺東急インB1
0422-70-4877

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2008年04月09日

[七厘や 圓](銀座)