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2008年05月31日

マンテンホテル (富山)

大浴場と郷土料理のホテル

米国のサブプライムローン問題は日本のホテルにも影響を及ぼし始めた。ここ数年で外資系の高級ホテルが多数開業した。ペニンシュラ、マンダリン・オリエンタル、コンラッド、グランドハイアットなどの新しいホテルだけでなく、新宿のパークハイアットなど実績のあるホテルでも空室が目立つようになってきたそうだ。

一泊5万円もするようなホテルがいつも満室というのは庶民には想像できない世界だけれど、愛用していた外国人の懐が寂しくなり始めたと聞けば、ひがみ根性も少し和らぐ。もっともメデタシメデタシと行かないのが世の常。彼らが格を落とすと、我々の憩いのホテルの予約が取り辛くなる。

日本のビジネスホテルは素晴らしい。昔は素泊まりしかなかったが、今では温泉大浴場があるホテルも珍しくなくなった。薄型テレビは日本の狭いホテルの部屋にはうってつけである。インターネット接続が無料なのもいい。

朝食も国内勢の方が上を行っている。パン、果物、シリアルなどが豊富で、器などで豪華に見せる外資系ホテルよりも、和食を中心に洋食もミックスした日系ホテルの方が日本人には合う。

富山マンテンホテルでは郷土料理コーナーがあった。いかの黒作り、ほたるいか沖漬け、きす昆布締め、いか刺身、ます寿司、かまぼこなどが小鉢に用意されていた。
粗悪で廉価な商品でお茶を濁すホテルもないではないが、忙しいビジネスマンにとっては地元の名物を朝食で食べられるのは嬉しいサービスである。

帰りの飛行機の出発時間まで売店で時間を潰したら、中国語が飛び交っているので驚いた。出発ロビーに入ると、滑走路に上海航空の飛行機が待機しているが見えた。大都会にいると目立たない変化も地方都市では顕著である。
世界の変化に柔軟に対処して生き残る日本のビジネスホテルは逞しくて頼もしい。

富山マンテンホテル
富山県富山市本町2-17
076-439-0100
http://www.manten-hotel.com

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2008年05月30日

[バードランド]②(銀座)

再びバードランドへ


食べ損なったものがあったので再度「バードランド」に行くことにした。前回一緒だったYさんと、今回初めてのKさんと3人。電話で予約を入れても、コース料理を強いられることはなかった。

自家製レバーのパテ

口コミで絶賛されるだけあって確かに美味い。Kさんがワインが絶対合うと言うので焼き場の和田さんに「レバーに合うグラスワインをください!」と声をかけた。和田さんはしばし考えた末に、若い店員に白ワインの銘柄を告げた。

ネギマ、手羽先

前回食べ損なったネギマと手羽先を頼む。他のものも食べたいと言うKさんの希望は却下。隣の人が頼んだ皮焼きを見て、泣きそうになったので仕方なく皮だけ追加した。
更に温情で前回感動したソリぐらいは食べさせようと思ったがメニューにない。ここで諦めたら男が廃る。店員から和田さんに聞いてもらったら、1人1個だけなら出せると言う。何度たべてもこれがベストだ。簡単に諦めるのは一生の後悔だと大袈裟に胸を張る。

ホワイトアスパラ焼(フランス産)、ささみのバジルソース、山椒焼

今が旬のフランス産ホワイトアスパラを食べさせようとオーダーしたら「ニホンからですがよろしいですか?」と言う。「エッ!今日は日本産なの?」と声を上げたら和田さんが怪訝そうにこちらを向く。連れの二人が笑い出して話が呑み込めた。「日本から」ではなく「二本から」だった。日本語は難しい。

Yさんが店員に「この店の店員はみんなイケメンですよね」と持ち上げると、Kさんがその店員を見つめて「そうかなー」と遠慮がない。銀髪はYさんに賛同する。まったくYさんの言うとおりだ。絶対Yさんが正しい。間違いなく…  あまり強調すると嘘っぽくなる。

親子丼

絶品と言われる親子丼。Kさんはツユダクの方が好きのようだ。銀髪も一口食べさせてもらった。甘さが控えめで銀髪はこちらの方がいい。親子丼フリークはたくさんいるので評価はその人たちに任せよう。

やはりバードランドの日本酒は美味い。どれもが熟成された酒で深みがある。今度は一人でゆっくり来よう。早い時間に来て、再び和田さんと酒談義をしたいものだ。


バードランド
東京都中央区銀座4-2-15 塚本素山ビルB1
03-5250-1081

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2008年05月29日

[日本橋焼餃子](日本橋三越前)

三越前に餃子専門店誕生


ランチ時、日本橋三越前の裏通りを歩いていて新しい店を見つけた。入ろうかと一瞬悩んだが、そのままやり過ごした。餃子とご飯では納得できないし、昼間からビールをがぶ飲みするのも気が引ける。あれから1週間、遂に餃子の夕べがやってきた。

いつもの定番は避けて、テーブル席があるという地下に潜ることを決断した。たくさん皿を並べるにはカウンターでは狭すぎる。想像したより地下は広い。点心類は5種類しかないので全部注文した。食べ切れないことはないだろう。出来上がるまで自家製キムチと豆もやしで生ビールを喉にぶち込んだ。ビールが美味い季節到来である。

海老焼餃子、日本橋焼餃子

最初にやってきたのが海老餃子、次が主役の日本橋焼餃子。海老餃子は海老のプリプリ感も、身上である香りも薄い。焼餃子は悪くはないが他店を圧倒する看板料理とは言い難い。

小龍包とスープ入り焼餃子の食べ方が書いてある箸袋を見て気がついた。袋をひっくり返すとYUJINの文字。日本橋高島屋近くの「YUJIN」の系列店だったのだ。「焼餃子はYUJINの方が美味い」と言ったら、「日本橋焼餃子はにんにくを使わないから味が薄く感じるのではないか」とのこと。つけだれで調整して食べた。

水餃子、極丸、海老揚ワンタン

水餃子と極丸は美味い。水餃子も焼いた小龍包の極丸もしっかりした皮の特徴が活きている。皮に具が負けている感のある焼餃子と正反対の評価になった。ワンタンは可もなく不可もない。

海老焼餃子をこき下ろした挙句、女性店員に1個食べさせた。彼女はしっかり自分の意見も加えて調理場に伝えた。嬉しいことに、貴重な意見のお礼と紹興酒をサービスしてくれた。店の評価がグッと上がる。紹興酒の肴にサラダと焼き豚を追加した。

帰り際に箸をプレゼントしてくれた。店でも割り箸は使っていない。環境に優しい店作りも推進しているそうだ。YUJINの箸袋をそのまま使っているのも無駄を省く心掛けの一つなのだろう。

YUJINは有名な中国人の点心師がいると評判になった店だ。テレビでも紹介された。彼は今、日本橋焼餃子店を指揮しているそうだ。本場では水餃子や蒸餃子が主流で、焼餃子は戦後日本で進化を遂げたものである。焼餃子には結構うるさい日本人が満足するものを作れるかどうか。

一流点心師の誇りを賭けた戦いに興味津々である。


日本橋焼餃子
東京都中央区日本橋室町1-11-1
03-3278-0770
http://www.yu-jin.net/gyoza.html

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2008年05月28日

[難波]②(富山)

久し振りに行った富山最高峰の寿司屋


「〇〇という料理屋知ってる?」と聞くと「知ってますけど、もっといい寿司屋がありますよ」とタクシーの運転手さんが言う。「ちょっと郊外にあるんですけど…」と続けるのを「アー、難波ね」と遮った。

難波から送られてきたメールを思い出した。いい魚を大量に仕入れてしまったので来て欲しい言う。翌日に富山出張するのを見越しているかのようだ。多数の人に送ったメールであることは分かっているが、タクシーの運転手さんに推奨されると、偶然には思えなくなってくる。部下に「難波に行くぞ!」と告げたら、顔がパッと明るくなった。

まぐろ3種

左から水揚げされたばかりの本まぐろの赤身。真ん中が今は壱岐を回遊している160キロの本まぐろの大トロ。水揚げは10日前。右が5日前に水揚げされた小型の氷見産本まぐろ。
獲れてすぐの赤身は死後硬直で身が固く、噛み切るのに苦労するほどだった。熟成されて柔らかくなった大トロ、中トロと比較できたのが面白かった。

あら、新湊さんアカイカ、穴水産のこはだ

新湊産天然車海老、穴水産しゃこ

地元の素材中心に造ってもらった。大きな車海老が印象的。もちろん頭は焼いてくれる。

のどくろ、炙りしめ鯖、漬物

のどくろには部下がうなった。皮を炙ったお陰で脂が程よく溶けて、口の中に広がる。しめ鯖も同様で、魚も肉も軽く火を通した方が美味いことが証明される。

料理はもちろんだが、店主との会話が滅法楽しい。銀髪のうんちくを嫌がらず聞いてくれる。もちろん色んなことを教えてくれる。
酒は勝駒。地元の小さな酒蔵らしいが、純米、吟醸、大吟醸、本醸造と飲み比べた。

マコカレイ、小柱、うに、穴子2種

握りも美味い美味い。3人で食べて酒6合、生ビール2杯、ウーロン茶2杯を飲んで合計41,200円。とても満足した。

難波さん、またメール待っていますよ。


鮨 難波
富山県富山市公文名34-12
076-493-8686

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2008年05月27日

[そおだ](長野)

長野の会席料理は海鮮尽くし


長野は群馬、埼玉、山梨、静岡、愛知、岐阜、富山、新潟の8県に囲まれており、海はない。面積は北海道、岩手、福島に次ぐ第4位だが80%が山岳地帯で耕地は8%強しかない。白菜、レタスや野沢菜などの漬物用野菜の生産が全国1位。全国2位のリンゴやブドウなど果樹栽培も盛んなところであるが、食材が豊かな土地のイメージは湧いてこない。

外の看板には大衆割烹と書いてあるが、そおだはなかなか立派な店だった。座敷に通され席に着くや否や、部下が頼んでいた会席コースの料理が運ばれてきた。


ビールが来る前に4品がテーブルに並べられた。地方ではあっという間にテーブルの上が賑やかになる傾向がある。乾杯をしている間に更にホタルイカ、コノワタの2皿が追加された。

料理が出されるスピードが若干緩和されたものの、2杯目の焼酎が終わった頃には更に3品がテーブルを飾った。ここまですべて他県産の魚介類を使った料理である。大衆割烹と謙遜するには及ばない立派な料理だった。

銀髪に気を遣って部下がコースとは別に信州牛を頼んでいた。リンゴを食べさせて育てるというのが信州牛のウリである。部下を含めて他の人たちは気に入らなかったようだが、噛み応えがある肉も悪くないと思う。もっとも濃い味付けの上にバターを乗せたら、年長者にはくどかったかもしれない。

コゴミ、コシアブラ、モミジガサなどの山菜の天ぷらがメイン料理となった。まさか山菜も魚介類同様他県産ということはないだろう。長野らしい料理に少しホッとした。

地方都市といってもさすがに県庁所在地だけあって立派な料理屋がある。議員や公務員への接待が減ったお陰で料亭を維持することは大変のようだ。
地元の人の話では、そおだは料亭の格としては2番手グループとのこと。若い女性店員たちのサービスは大衆的と言えなくもないが、なかなか美味しい料理で楽しめた。お値段は東京に比べたら割安感があるものの、大衆的とは言えない。

旅行者はカウンターに座り、ゆっくりと地元の素材を使った料理を食べたらいい。魚介類を減らせばグッとお安くなり、大衆割烹と感じることができるだろう。しかも地元の素材を楽しめて一石二鳥になる。


割烹 そおだ
長野県長野市南長野南石堂町1275-11
026-226-3362

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2008年05月26日

[レガート](渋谷)

楽しい多国籍料理


ガラス張りのエレベーターが動き始め、東京タワーを正面に見事な夜景が浮き上がってくる。店に入ると同じ夜景が見える右側のテーブル席を数組のカップルが占拠している。
入り口で待っていると店員がやってきて「お名前を伺っていいですか?」と言う。正面のスタンディングバーに多くの外国人が飲んでいるのが目に入る。本名を告げたものの「ジョンとかトムと言った方が良かったかな?」と笑いを誘った。

案内されたのは左側の広々としたダイニングルーム。席に向かうオープンキッチン沿いの通路を歩くと、料理人たちが「いらっしゃいませ!」と大きく声をかける。席に着くとすかさず「〇〇様」と始まった。なるほど、このために名前を聞いたわけだ。「トムの方がいいな」と女性店員に言うと、「それじゃ、私もマリーにしましょうか」と明るく乗りがいい。


前菜に選んだのは“富山県産白海老と春野菜のセモリナ粉フリット、自家製ハーブ塩を添えて”と“鹿児島県産鰹のサラダ仕立て、ペドロヒメネス種の10年熟成シェリーヴィネグレットで”の2品。多国籍料理と言うので気取らず和食風の料理でスタートすることにした。フォーク、ナイフ、スプーンと並んで箸もセットしてある。 

メインは“瞬間燻製した銀鱈の炙り焼き、梅肉を入れた中華粥とオシェトラキャビアを添えて” “イベリコ豚のグリル、豆豉醤のソースと花山椒の香り”の2品。「分けてお持ちしましょうか?」と良く分かっている。

銀鱈やイベリコ豚もいいけれど、中華粥と豆豉醤のソースがとても美味しい。多国籍料理というよりも、和洋中が上手に調和した料理と言った方が適切だ。メインの素材そのものよりも添え物やソースが印象的だった。

「マリーちゃん、マリーちゃん」と呼んでは、白、赤のグラスワインを4種類飲んだ。料理を運んでくれた男性店員もフレンドリーでいい。テーブルのローソクだけの灯りでは料理が写せないと心配したが、フラッシュ撮影も笑顔で即承認。最初に感じたよりも、ずっと気楽な雰囲気で有難かった。

なかなかの店だと思ったら、タブローズ、カフェ ラ・ボエム、ゼスト、モンスーンカフェ、権八などを抱えるグローバルダイニングの経営だと後で知った。レガードは大手のノウハウを良く活かしている。店長個人の力もあるのだろう。

席を立ち「マリーちゃん、またね!」と手を振った。エレベーターホールまでは店長が見送ってくれた。
なかなかいい店だ。


レガート
東京都渋谷区円山町3-6 E・スペースタワー15
03-5784-2121
http://www.legato-tokyo.jp/jp/shibuya

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2008年05月25日

アサリ

潮干狩りは美味い

ゴールデンウイーク期間中の海岸はどこも潮干狩りで賑わっていた。あまりの混雑振りを目の当たりにして、解禁は5月かと思っていたが、調べてみると3月後半だったと知った。同時に入漁料が1,500円前後かかることも分かった。規定量を超えると超過料金も発生する。昔は考えられなかったことだ。

福岡に住んでいた子供の頃、しばしば潮干狩りに行った。海岸まで歩いて10分程度だったと思う。両親と行ったのか、兄弟で行ったのか、はたまた友達と行ったのか記憶は定かではない。この時代のことになると、母や兄たちの助けを借りなければ正確なことを言えないのが残念である。

豊橋勤務時代、社員食堂で食べたアサリの味噌汁は忘れられない。おかずは週1~2回は冷奴だけ。魚は店で焼いたものを皿に盛るだけ。賄いのおばちゃんの手抜き料理にはうんざりしたが、アサリの味噌汁のときは嬉しかった。身がプックリとして実に美味で、それまで食べたアサリの中で一番美味しかった。

アサリの酒蒸し

豊橋から帰郷する前夜、親戚がバケツ一杯のアサリを持ってきてくれた。ペットボトルに海水を詰めてくれる念の入れように感激した。入漁料を払ったのか、入漁料がいらない穴場を知っているのか聞きそこなった。全部は多いので粒の大きなものを選んで東京に持って帰った。豊橋勤務時代に食べたような美味しいアサリだった。

獲ってきたばかりのアサリは身が詰まって重い。お店で買うより身が太く、味も濃い。こんな美味いものなら、久し振りに潮干狩りに行ってみようかなと思った。もっとも、子供たちはついてきてくれる年齢ではなくなった。女房もついて来てくれるとは思えない。
同情して同行してくれたとしても、入漁料を4人家族分の約5,000円を払う気にはならない。

築地にでも買出しに行く方が安くて楽だ。あれこれ考えた挙句、潮干狩りは思い出の中に封じ込めておこうと決めた。


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2008年05月24日

朧(おぼろ)月夜

昔は良かった

♪ 菜の花畠に、入日薄れ、見わたす山の端(は)霞ふかし
  春風そよふく、空を見れば、夕月かかりてにほひ淡し  ♪

自転車で水田地帯を走った。あぜ道も舗装されているので、幹線道路を走るより快適で安全だ。あぜ道まで舗装する必要があるのだろうか、これも道路特定財源で出来たのだろうか、などと野暮なことは考えないで、昔懐かしい歌を口ずさみながら走った。歌うのは替え歌の方である。

♪ 菜の花畠で、牛が屁こく(おならをする)、 
  サイレンと間違えて、弁当を開く
    弁当の中には、梅干一つ、 梅干の中には、 種が一つ ♪

原曲の歌詞はそれこそおぼろげにしか覚えていないが、替え歌は今でも間違えることはない。誰が作ったものか知らないが、福岡にいた小学生のときによく歌ったものだ。のどかさと貧しさをよく表した替え歌である。

次に思い出したのも替え歌だが、こちらの記憶は曖昧だ。

♪ ずいずい ずっころばし ごまみそずい 
どつぼ(土壷)にはまって さあ大変  ♪

土壷とは肥溜めのことである。昔は田の一画に必ず肥溜めがあった。夏には表面が乾燥して周りの土と区別がつかなくなり、誤って落ちそうになったこともある。あぜ道に停車し、周りを見渡しても肥溜めらしいものは見当たらない。
考えてみれば、昔は全て有機肥料、無農薬だったのだ。今は有機栽培の野菜が高級品になってしまったから不思議なものだ。化学肥料や農薬が発明されて良かったのか悪かったのか。中国製餃子問題も元を辿れば日本自らが撒いた種、いや教えた肥料によるものかもしれない。

昔に戻そうと思っても容易ではない。人間も家畜も抗生物質などの薬品漬けになっているので、糞尿がそのまま安全な有機肥料とはならない。遺伝子組み換えを行った植物の影響も定かではない。本当にややこしい時代になったものである。

トマトやリンゴを服で拭ってカブリとやる、なんてことを子供が今の時代にやろうものなら親に怒られてしまう。昔の方が貧しくても心は豊かだった気がする。

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2008年05月23日

[楽蔵うたげ](八重洲)

ビッグエコー、カラオケ屋さんの居酒屋


いつものように次々と注文するのをじっと見ていた。アルバイトと思われる女性店員が手元の機械に必死に注文を打ち込むが間に合わない。途中で「これ灰皿?」と場を読めない奴が横槍を入れる。構わず注文は続く。再び「これ灰皿?」の声。店員のイライラは頂点に達したようで、「灰皿です!」と甲高い声が飛んだ。さらに注文が続くが、一瞬の間を店員は逃さなかった。ピシャッと音を立てて彼女はドアの向こうに消えた。

ポテトサラダ、鶏の唐揚げ、焼き鳥、茸のホイル焼き、ウインナー、鮭ハラス、本ししゃも、ジャガイモホイル焼き、野菜串焼き、牛カルビ、ハラミ焼き。




どんどんテーブルの隙間がなくなっていく。普通なら「もっとゆっくり持って来て」と言うところだが、この会では早く出て来ないと怒る人がいるので問題ない。大量に注文したと思った料理を30分程度で殆ど食べ終わった。
遅れて一人やって来た。残り物は僅かしかない。追加注文をしてあげるのかと思ったけれど、焼きおにぎりも食べ終わった人は食事への興味が失せていた。心は既に2次会である。銀髪も腹五分目程度で腰を上げた。酒を飲む間もなかったので健康的な食事だった。

楽蔵うたげは第一興商ビッグエコーが展開する居酒屋である。カラオケ屋さんのノウハウが活かされているのか個室中心なので居心地は悪くない。個室の壁にかかった内線電話がカラオケ屋のようで面白い。

好き嫌いがある人も、食べるものがなくて困ることはない。ジャガイモにはバターだけでなく塩辛を合わせたり、牛肉には焼き石をセットするなどアイデアも豊富でいい。
もちろん安心価格なので若い人にも受けるだろう。

高級店に行き慣れた人には味やアルバイト店員の応対が気に入らないかもしれない。常連客として厚く遇してくれる店に行きたがるのを制して、新規開拓を強いる銀髪に問題があるのだろう。みなさん迷惑をかけてごめんなさい。


楽蔵うたげ 八重洲店
東京都中央区日本橋3-2-16 マスヤビル1~4F
03-5204-2221
http://www.clubdam.com/dkdining/shop/rakuzo/

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2008年05月22日

[銀座レカン](銀座)

今日のテーマはフォアグラ


何を食べたいか明快に希望を述べてもらえると、接待におけるホスト役は楽である。「何でもいいですよ」と言ってくれる気遣いは有難いが、的が絞れず悩ましい。しかし今回は「フォアグラが食べたい!」と言われて困った。

銀座にフレンチの名店は多い。評判が高くても新進気鋭の店は候補から除外した。ヴァンピックルのフォアグラも悪くないが、高級店を期待している人には向かない。数種類のフォアグラ料理を食べられる店ということで、30年以上の歴史を誇る銀座レカンに行くことにした。

マキシムドパリには及ばないまでもなかなか重厚な雰囲気の店である。スタッフの応対も申し分ない。「今日のテーマはフォアグラなんだよ」とメニューを差し出したギャルソンに告げた。歴史のある立派な店では何を食べるか相談する時間が楽しい。

アミューズ2種

選んだ料理は4品。その前に目も楽しませてくれる2皿がご機嫌だ。

手長海老、黒鮑

「赤座手長海老とビーツのコラボレーション ハチミツとマニゲット風味」、「山口県萩産 黒鮑のコンポートと温度卵 トリュフのクーリ」の2種類はメニューのまま食べることにした。シェフの創意工夫が楽しめるのが前菜である。
昆布だしで煮込んだ鮑が和食のようだが、肝を使ったソースは伝統的なフランス料理だという。これが美味い。

フォアグラ2種

結局メニューにある料理を銀髪の好みにアレンジしたものを作ってもらった。一つはフォアグラの素材を活かしたオーソドックスな焼物。もう一つはフランス産アスパラを添えて一工夫したもの。表面をカリッと焼いたオーソドックスなソテーが本当に美味しくて感動的だった。
もう一品は同じフォアグラなのに、一口大に切っただけで幾分淡白な味になるから不思議だ。フランス産
アスパラが香ばしくて歯ごたえがある。国産では味わえない食感だ。

デザートのワゴンには多種のケーキが並ぶ。女性なら小躍りしそうな風景だ。
デザートを頼まなくても甘いものが次から次に出て来る。

伝統的な料理、新しい創作料理のどちらも楽しめるのがいい。身のこなし、豊富な知識、笑顔が勝負のスタッフ陣にも文句はない。

老舗と言っても格式張ったところはなく、フレンドリーである。怖気ずに若い人も行って欲しい店である。


銀座レカン
東京都中央区銀座4-5-5 ミキモトビルB1
03-3561-9706
http://www.lecringinza.co.jp

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2008年05月21日

[ゆるり屋](渋谷)

27種類もの鍋がある店


鍋専門店の文字に吸い寄せられた。鍋を売りものにする店は多いがせいぜい4~5種類。塩、味噌、醤油、キムチなど味が変わるだけ、または味は一緒で具材が変わるだけの店が多い。
ゆるり屋はそんな常識を超えていた。メニューを開いて驚いた。

添え書きと共に半分ほど読み進んだところで嫌になった。店員を呼んだら若くて美人に属する女性がやってきた。高めだけども、一番最初に書かれた2,800円のつみれ鍋を奨められたら従うことを内心決めた。ところが奨めてくれたのは1,800円と2,300円のちりとり鍋。何と商売っ気がないのだろう。見栄を張って高い方を頼んだ。美女には弱い。

ゆるり屋のサラダ、じゃこねぎ豆腐

鍋が煮える前にすぐ出て来る2品。健康に気遣って野菜中心にした。安くてなかなか美味しい。

豚ばらのちりとり鍋

何故ちりとりなのか疑問に思ったが、鍋の形状を見て分かった。土鍋ではない鉄板鍋はまるで塵取りのようだ。大阪市生野区の万才橋にあるホルモン焼きの店が発祥の地で、ちりとり鍋はそれなりに知られている鍋とのこと。味噌ベースがお約束である。
たっぷり乗った唐辛子に怯えてはいけない。これだけあっても殆ど辛くない。

ちゃんぽん

最後にちゃんぽんを食べた。これが美味しい。

ゆるり屋は全国に300店以上展開するレストラングループ・際コーポレーションに属するだけあって、非常に居心地がいい店作りをしている。鍋以外の料理や酒も充実している。

店内には若者のカップルが多いが、熟年世代にもアピールすべきだ。鍋は多種の材料がいるので、子供が自立して2人だけになった家庭ではやり辛い。中高年夫婦二人向き合って鍋をつつくのはいかがだろうか。意外と話が弾むかもしれない。

「夫婦円満の秘訣はできるだけ一緒にいないことだ。向き合って食事なんてとんでもない!」という人の意見はもっともだと思わないではないけれど…


ゆるり屋
東京都渋谷区円山町5-18道玄坂スクエアビル2F
03-6415-1596 
http://www.kiwa-group.co.jp/restaurant/l2-a3-ak19_a100331.html

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2008年05月20日

[玉ゐ](日本橋)

予約が取れない店のはずだったのに…


開店してすぐに何度か入ろうとしたことがある。昼は行列に加わる気にはならなかった。夜は予約なしで行ったら断られた。時は流れ、先日ふと思い出して電話した。夕方近くだったのに簡単に予約が取れてちょっと不安になった。

待ち合わせ場所に現れたKさんに行き先を告げると顔が曇った。前に行ったことがあるらしい。不安を増幅させるような表情にムッとしたものの、とにかく自分で判断しようと腹をくくった。店に入ると先客は2人のみ。まだ時間が早いからと自らを納得させた。

特定素材の専門店では、メニューの右端からズラッと注文したくなる。玉ゐでも調子に乗って頼んだら、再びKさんが嫌な顔をする。

のれそれポン酢、噂の塩トマト

焼物が来る前に、2品頼んだ。のれそれは穴子の稚魚だから、穴子尽くしから外れていない。唯一穴子以外に食べたのがトマト。海に近いところで出来るので、ほんのり塩味がするトマトという。

他に客がいないので次から次に料理が運ばれてくる。タイミングを見て作ればいいものを店員も料理人も気が利かない。すぐに冒頭の写真のようにテーブルは一杯になった。

あな佃煮玉子焼き、ふっくら煮穴のきゅうり添え

さんしょ焼き、笹焼き

煮穴、さんしょ焼き、笹焼き、3種の味付けの基本は醤油だれで芸がない。Kさんが懸念したとおり同じ味では飽きてしまう。銀髪のような頼み方を想定していないのだろう。これはこちらの落ち度と反省すべきところだろうが、「似た味付けですが大丈夫ですか?」と一言声をかけて欲しかった。

白焼き、酢めし

Kさんは酢めしを頼んでお食事中。銀髪が一番楽しみにしていたのが白焼き。残念ながら福岡の「鮨隆」、広島の「水軍の宴」には遠く及ばなかった。

日本橋界隈では「あなごや吉五郎」の方が穴子以外のメニューも多いので飽きない。

「玉ゐは箱飯を食べる店」とKさんがしたり顔に言う。一気に料理が来たので、Kさんとの会食では最短の食事になってしまった。従って、まだ店にはほとんど客が入っていない。予約客は我々が去った後に大挙して押しかけて来たのだろう、と思いたい。


日本橋 玉ゐ
東京都中央区日本橋2-9-9
03-3272-3227

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2008年05月19日

[博多もつ次郎](新宿3丁目)

行列が出来る店の隣の店


新宿で人気の串揚げ屋に行った。予約を取らないので直接出向くしかないが、心配したとおり店の前で何組も待っていた。銀髪の喉は一刻も早くビールで潤おされることを望んでいる。決断は早く、隣の店に飛び込んだ。

にこやかに迎えられて気分がいい。正社員かアルバイトか分からないけれど、きびきびとした接客が心地よい。

お通し、博多餃子

お通しは定番のキャベツ。キャベツをつける味噌ベースのものに工夫が見られる。博多で色んな店で餃子を食べたが、これといって共通するものはない。もつ次郎の餃子は博多で食べたどれにも似ていない。

銀髪の後に入った2組で満席になったようで、予約していない客が入り口で断られているのが見える。行列が出来る店の隣で得していると思ったのは間違いだったかもしれない。

醤助

メニューの最初に載っているのが看板料理と考えて、もつ鍋は醤油味を食べることにした。餃子の皮が乗っているのがもつ次郎風かな。それなりに美味い。期待しないで入ったものの、予想外にちゃんとした料理屋のようだ。

お奨めだと言う肉の刺し身を一度は断ったが、食べてみる気になった。試すとしたらレバー刺しである。

レバー3種盛り

鶏(上)、牛(左)、豚(右)の3種類のレバー。豚のレバーを食べさせるのは鮮度に自信があるからだろう。馬刺しも食べるべきだったかもしれない。

ちゃんぽん

もつも脂が乗ったいいものらしく、素晴らしいだしが出た。〆にちゃんぽん麺を食べた。

隣の店ほど行列が出来るわけではないけれど、なかなか悪くない店だった。いつの日か、隣並に人気になっても、予約は受け付けてくれる店であって欲しいものだ。

博多もつ次郎
東京都新宿区新宿3-34-16 池田プラザビル4F
03-5363-6340

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2008年05月18日

ラフロイグ

持つべきものは太っ腹の友人

本人は酒が大好きというわけではないのに、海外旅行をする度に高額の酒を買ってくる。彼のグループには酒呑みがたくさんいて、試飲会をやると滅茶苦茶嬉しそうにする。銀髪もしばしばお相伴に預かる。マッカラン、バレンタイン、グレンフィディックなどウイスキーの30年物。カミュ、ヘネシーなどのブランデーの特級品。感謝感謝である。

今回はラフロイグの30年物を飲ませてもらった。もちろん、ラフロイグがどんな酒か彼は知らない。酒呑みたちが感激する長期熟成物(30年物)ということで買ってきたに過ぎない。ところが、ラフロイグの30年物があるとは知らなかった銀髪は飛び上がらんばかりに喜んだ。酒呑みの悲しい性である。

ウイスキーのふるさとはスコットランド。言うまでもなくそこで造られるのがスコッチウイスキーである。ジョニ黒やオールドパーなど古くから日本で親しまれて来たのがハイランド地方のウイスキー。近年、酒呑みたちが好むようになったのがアイラ島のウイスキーで、ラフロイグはその代表格である。

銀髪が最初にアイラウイスキーを飲んだのは約9年前、新宿パークハイアット・ホテルのピークバーだった。海に囲まれたアイラ島で造られるので、ほんのり汐味がすると言われてその気になった。アイラウイスキーは消毒薬ではないかと疑うような特徴あるウイスキーだが、滅茶苦茶気に入ったのでたくさんの人に奨めた。

マイナーだったアイラウイスキーも、サントリーが代理店になってメジャーになりつつある。サントリーが販売する正規輸入品ラフロイグ30年は何と99,000円もする。
さすがに30年物になると、まろやかでアイラの特徴が消えてしまう。凄く美味しいのだけれど、ちょっと物足りない。アイラはやはり野卑な方がいい。

河内屋の並行輸入品は39,999円と正規品に比べたらグンとお買い得。もっとも大酒呑みたちにとってはそれでも高過ぎて、自ら買うことは絶対ないだろう。
「ラフロイグは10年物がベストだよ!」とアイラ好きは言うに違いない。決してやせ我慢ではない。いや、少しやせ我慢かもしれない。

ウーン、本当のところはしみったれで、意地汚いのが酒呑みなのかな


サントリーのHP
http://www.suntory.co.jp/whisky/laphroaig/30years.html

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2008年05月17日

すきやばし次郎のまかないうどん

二郎さんお奨めのうどんなら間違いない

三ツ星の「すきやばし次郎」の名をつけたうどんを見つけた。ミシュランが「地下にある店はダメ」という選考基準を緩和してまで表彰した名店が推奨するうどんとあれば買わねばなるまい。

すきやばし次郎はもちろん寿司屋であるから、うどんをお店で食べることは出来ない。従業員たちのまかない食として使ったらとっても美味しいので、三ツ星シェフ小野二郎さんが店名を使うのを許したそうだ。

このうどんはちょっと衝撃的であった。最高峰の寿司を握り、評論家や食通の絶賛を浴びる一方で、気に入らない客には怒りを顕わにするとも噂される。そんな小野二郎氏なら、素材へのこだわりも半端ではないと信じていたのだが、まかないうどんは銀髪の勝手な思い込みをぶち壊してくれた。

通常、小麦粉と食塩以外のものが混ざったうどんは買わないことにしている。このうどんは何か別の植物のでんぷんを使用しているようだ。
つゆはうどん以上に様々なものが含まれている。エキスで風味を、カラメルで色を、調味料で味を整えている。

外国人に「何を買ったらいいか」と尋ねられて、「原材料名の数が出来るだけ少ないもの」と教えてあげたことがある。数が少ないほど添加物も少ない。漢字が読めなくても数を数えるだけで済む便利な見分け方である。

このまかないうどんを見る限り、二郎さんは添加物入りの食品を容認しているようだ。稀代の料理人がOKするのだから、添加物を毛嫌いしている銀髪の考え方が間違っているのかもしれない。
まさか、従業員たちが食べるから添加物入りの食品でもかまわないと思っているわけではないだろう。

漫画「美味しんぼ」の原作者・雁屋哲氏は大の添加物嫌い。小野二郎氏と対談してくれたらいいのになー。巨匠が「添加物は何の問題もない!」と言ったら、山岡士郎や海原雄山が何と言うか楽しみだ。

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2008年05月16日

[すしまみれ](新宿歌舞伎町)

明朗会計、安くて美味しい店、なのかな


4月23日、新宿区役所通りに寿し屋がオープンした。明るくきれいな24時間営業の店である。

お通し、刺身盛合わせ(お任せ)

210円と良心的なお値段のお通しが白木(プラスチック?)のカウンターに置かれた。刺身はお任せにしてちょっと後悔した。金目はともかくたこ、数の子、あおやぎは意外な組み合わせ。これで2,310円。

かに玉子焼き、刺身盛合わせ(指定した魚で)

「焼き立て」と一生懸命奨めるので断り切れず、「ちょっとだけ」と言ったら4個もくれた。2番目のの刺し盛りはお任せにしないでひらめ、たい、しめさば、あじを自分で選んだ。こちらが2,270円。満足感が違う。

寿司

大トロ、うに、しまあじ、かんぱち、えんがわ、こはだ

インドマグロの大トロとうにが378円、しまあじ252円、かんぱちとえんがわが210円、こはだが126円。

「脂が乗って柔らかい不思議なえんがわですね」と言ったら、「カレイのえんがわです。若い人に人気がありますよ」と返ってきた。ヒラメのえんがわが210円とは、随分安いと思ったがカレイなら頷ける。

インドマグロとはいえ大トロ378円はお値打ち。寿司の値段が壁に印刷してあるので、仕入れ値が上がっても客から取れる値段は不変。「大変でしょう?」と同情したら、「他のネタで調整しますから」と笑う。エッ?

お任せで作ってもらった刺身の盛合わせを思い出してドキッとした。同時に明朗会計の意味を考え直した。仕入れ値に適正な利潤を上乗せした価格のことではない。食べたものの値段が自分で計算できるかどうかが明朗会計の意味。「時価」の料理がないすしまみれはまさしく明朗会計の店である。

食べるものによって損得が生じるのはいたしかたないのかもしれない。


すしまみれ 新宿店
東京都新宿区歌舞伎町1-2-3
03-5155-7065

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2008年05月15日

[日本橋 ゆかり](日本橋)

ゆかりに行かなきゃ日本橋の料理屋は語れない?


何度か思いついて夕方に電話をしたことがある。カウンターで2人、個室で接待、こちらが望む席はその都度異なるものの、いつも断られた。今度は数日前に昼の個室を予約したら運良く一部屋空いていた。6人部屋に7人と窮屈だが止むを得ない。

松花堂弁当

「右から失礼します」「左から失礼します」「前から失礼します」と2人の仲居さんが皆の前に料理を置く。接客のマナーには反しているかもしれないが、忙しいランチタイムでは仕方がない。「上から」と「下から」がなくて良かったと笑い合った。

最初に出されたのが茶碗蒸し。中に穴子が入っている立派なもの。お弁当もズラッと並べてみると味気ないがバラスと立派なものである。

前菜、お造り

豚角煮、揚げ物

竹の子ご飯、デザート

繊細かつ美味。なかなかお得感があるお弁当でした。

勘定をしようとカードを出したら、「カードのご利用は1名様5,250円以上からと書いてます」と仲居さんに冷たくあしらわれた。もう少し優しく言ってくれればいいものをと思いながら現金を出した。

会社に戻りホームページを開くと、以下のような誇らし気な文字が躍る。大変評価の高い店だとこの時初めて知った。仲居さんにも誇りが染み付いているのが理解できる。

親子三代に渡って宮内庁への出入りを許された名門。
2000年に全面改築 東京建築賞を受賞した店
2002年「料理の鉄人Japan-Cup ‘02」にて総合優勝
2003年 NYタイムズ紙「日本の若手料理人5人」に選出される

口コミ情報では主人はかなり尊大のように書かれているが、本人のブログを読むとなかなか好人物のようである。料理だけでなく酒にもこだわりがありそうなので、銀髪と話が合うかもしれない。

次回はカウンターでじっくり主人と話がしたいものである。

日本橋 ゆかり
東京都中央区日本橋3-2-14
03-3271-3436
http://nihonbashi-yukari.com

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2008年05月14日

[Suginoko(すぎのこ)](表参道)

お奨め料理を素直に食べましょう


表参道の喧騒を逃れ、地下の店に足を踏み入れると隠れ家的で静かな雰囲気に呑みこまれた。場所といい、店の造りといい、客がまばらなのが不思議なくらいだけれど、週末には一杯になるとのこと。

名物料理は鹿児島産黒豚しゃぶしゃぶを蕎麦だし仕立てのつゆで食べるものらしい。冬だったら間違いなく頼むところだが、今回は別のものを頼むことにした。

お通し、松風つくね

何となくハンバーグを食べたかったので思わずつくねを頼んでしまった。ちょっと変わっていてそれなりに満足した。

海鮮生春巻、新じゃがチーズ

一等地にあり、地下とはいえゆったりした店内にしては、料理の値段は殆ど3桁と若者にも優しい値段設定である。野菜は無農薬にこだわると謳うので女性にも人気のはず。
果実酒の品揃えがいいのも女性向き。ワイン、焼酎も充実している。日本酒党には冷淡に見えるのは、ターゲットが若い女性だからかもしれない。

大山地鶏塩焼き、じゃこねぎオムレツ

黒豚しゃぶしゃぶ以外の名物はじゃこねぎオムレツ。さあ食べるぞ!と思ったところで気がついた。付け合せが毎回同じ水菜中心のサラダに同じドレッシングがかかっている。
つくねとオムレツのソースは多分同じもの。海鮮春巻も同系統のソースである。

しゃぶしゃぶのと併せて数品頼む料理の類かもしれないが、野菜を自慢という割には芸がなさ過ぎる。味が似たようになるのなら、オーダーを受けるときに説明があっても良さそうだ。

いい感じの店なのにもったいない。看板料理を避けたのが間違いだったと反省しきりの銀髪であった。


Suginoko(すぎのこ) 表参道店
東京都渋谷区神宮前5-1-3 丸喜ビルB1
03-3486-0160

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2008年05月13日

[オリオンズ](銀座)

知る人ぞ知るローストビーフの名店


銀座は目を瞑っても歩けると豪語するわけではないけれど、知ったかぶりをして電話を切った。ところがあたりをつけていたビルに「オリオンズ」の表示はない。恥を忍んで携帯電話を鳴らした。「すしざんまいのあるビルです」と言われてすぐに分かった。最初からそう言えよ!

ビルは見つかったがエレベーターの乗り場が分からない。エレベーターには乗れたが、降りても店の入り口が分からない。ローストビーフと聞いて立派なレストランと勘違いしたために、イメージ通りの景色になかなか辿り着けない。ラウンジのような店がそれと分かり、ようやく目的のショットバー風のカウンターに座った。やれやれである。

ヴィシソワーズ、あさり、ほたるいか

中は思ったより広い。ゆったりとしたソファーに寛いで食事が出来る。もっとも、銀髪はカウンターの方が落ち着ける。藤澤支配人との会話が楽しい。人それそれ好みは違う。

ローストビーフ

自慢料理はローストビーフ。「はじっこも入れてくれる? あそこが美味いんだよね」とオーストラリア仕込の知識をひけらかす。「良く知っていますね」と藤原さんも乗せるのが上手い。「オージービーフですか?」と聞いたら、「和牛ですよ!」と言うのに驚いた。

最近では帝国ホテルをはじめ殆どの高級ホテルのバイキングやパーティーで豪州牛が使われている。慣れ親しんだ豪州牛でも悪くないが、和牛のローストビーフは「SHIZUO TOKYO」で数年前に食べて以来なので嬉しくなる。
毎日数時間かけて焼くのは大変なことだ。せっかく焼いても売れ残ったらやるせないだけでなく経営にも響く。実際、SHIZUO TOKYOではいつでも食べられる料理ではなくなった。

スパゲッティ

辛いスパゲティを更に激辛にしてくれと頼んだけれど、汗はかかなかった。これでしっかり腹も膨らんだ。

「ローストビーフは一流ホテルよりも上」といつも自慢していたオーナーは昨年亡くなったそうだ。銀髪が藤澤さんに「確かに帝国より上だね!」と言った声は、天国のオーナーの耳にも届いただろうか。


オリオンズ
東京都中央区銀座7-3-13 ニューギンザビル1号館10階
03-3571-8732
http://www.f443.com/orions.html

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2008年05月12日

[蔵] (新宿)

近江牛をリーズナブルに食べる


近くを通る度に安っぽいビル(失礼)と「近江牛一頭買い」の文字のアンバランスさが気になっていた。ビルの外装を見ればリーズナブルな店なのは間違いない。近江牛は高級牛肉の代表格でお財布が心配になる。

高級な牛肉を安く食べられるなら予約も取り辛いに違いないと思ったが、当日予約が意外なほど呆気なく受容れられた。期待が不安に変わったまま店に入った。内装、雰囲気、メニューの値段、すべて予想どおり。残されたのは「近江牛」の質である。

レバ刺し

焼肉、焼きとん、焼き鳥、店のレベルを計る物差しとしているのがレバー。これが良ければ味は約束されたようなものだ。恐る恐る一口食べてみる。問題ない!

2人用セット

大皿に骨付きカルビ、タン、ハラミなどが盛られてきた。2人で行けば仲良く1枚づつ、色んな部位が食べられて嬉しい。肉質もまずまずで、これで3,800円なら文句はない。期待から不安へ、不安から安堵へ、心はジェットコースターに乗っているような感じだ。

ナムル、サンチュ

肉だけでなく、他の食べ物もいい感じだ。何より割安感があっていい。

ホルモンセット

内臓類も980円で4種類が食べられる。肉の善し悪しが他の部位よりはっきりするのがホルモンである。叙々苑游玄亭の方が美味いのは間違いないが、5分の1程度の値段を考えれば納得である。

ネットで調べたら、蔵は池袋店が食べ放題で名を馳せた。チェーン店であれば近江牛一頭買いも理解できる。家族や仲間内で行くには充分美味しいお店。若いカップルでも安心価格である。

白髪頭の銀髪も、ニコニコだった。

炭火焼肉蔵新宿五丁目店
東京都新宿区新宿5-11-13 フジビル2F
03-3356-2988

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2008年05月11日

タカアシガニ

初めて食べたタカアシガニ(高脚蟹)


地方に行くと魚市場を覗くのが大好きだ。残念ながら休日は開場していないので、西浦温泉近くの形原町にある観光客向けの店に行った。たいして期待していなかったが、何と水槽にタカアシガニが居るではないか。これには驚くやら嬉しいやら。

売り場に行ったら「むしたて」の紙が貼ってある箱がいくつも並べられていた。買う気になっている客はすぐわかるらしい。店のおばちゃんが寄ってきて「もっと大きなのが倉庫にありますよ!」と戦闘態勢に入って他の客には目もくれない。「よし、見てみよう」と応じた。持って来た蟹は並べられている蟹とは異なりガチガチに凍っていた。冷凍品では味が落ちると思い、並べられているものの中で一番脚が太いものを3,600円で買った。

帰って箱を開けると説明書が入っていた。「当店では、厳選した《高足がに》を市場から帰ってすぐ、美味しさ共々丁寧に蒸しあげ、その旨みを逃さぬよう急速冷凍してあります。再加熱せずに、自然解凍ののち、食べやすい大きさに切ってからお召し上がりください。」
要は並べられていたものも冷凍品だった。うまく乗せられた気がする。もっとも、冷凍品と分かっていても間違いなく買っていただろう。

タカアシガニの主産地は駿河湾で、テレビで何度も見たことがある。まさか蒲郡で買えるとは思ってもいなかった。タカアシガニは水深200~400mの深海に生息し、脚を広げた長さは4メートルにも達する世界最大の節足動物である。約120万年前に出現した古い種で、生きた化石とも呼ばれるそうだ。

妻の実家に運んだものの、蟹用のハサミはおろか料理バサミもないので困った。ズワイガニやタラバガニの殻を想像したためだが、意外なことにとても柔らかい。更に嬉しいことに、身がスポッと抜けてくる。みんなが揃う前に食べやすいようにさばいて皿に盛った。昨日、渡り蟹を嫌がった家族も、次から次に食べて満足気だ。意外なことに付け根近くの太い部分より、爪に近い細い身の方が味が濃かった。

春先に産卵のため水深50m内外の浅瀬に上がってくるため、蒲郡でも食べられたのかもしれないが、旬は冬である。それでも日本近海で捕れる大型の蟹で唯一未経験だったタカアシガニを食べることができてとても良かった。次回は冬にもっと正真正銘蒸したてのタカアシガニ食べようと誓った。


味のヤマスイ 山本水産㈱
愛知県蒲郡市形原町港町88
0533-57-1155
http://www.yamasui.net

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2008年05月10日

[和のリゾートはず](愛知県蒲郡市西浦温泉)

GWの家族サービスは温泉へ


今日、明日はのんびりとゴールデンウイーク(GW)の疲れを癒しているお父さんたちが多いだろう。銀髪のGWは例年妻の実家豊橋に行くことになっている。今回は3日の朝5時に世田谷の自宅を出て、休憩時間を入れて約6時間かけて豊橋に着いた。

高速道路での渋滞情報を聞きながら不思議に思った。確かに東京を出てから渋滞に巻き込まれたが、渋滞中でも時速30~40㎞は出ていた。殆ど車が動かない渋滞と同一視できない。
渋滞は距離ではなく通過時間を重視するべきだと痛感した。テレビのニュースは距離重視である。距離の方が大袈裟に伝えられて、「ざまあみろ!」と視聴者を喜ばせることが出来る。

翌日、家族と義理の父母は豊橋から車で西浦温泉に向かった。銀髪一人、自転車で先に家を出た。途中、ラグーン蒲郡という遊園地・ショッピングモールがある。車なら時間帯によっては1㎞を1時間以上かけてやっと入場できるところを自転車ですり抜ける心地よさ、優越感に浸った

温泉に入って、部屋で食事となった。大食堂では味気ないが、部屋で食べるには追加料金がかかる。どこの旅館でも当たり前になったシステムだが、人手不足、コスト削減の前には致し方ない。

品数を並べるのが旅館の常。食べ切れないかと思ったが、意外としっかり腹に収まった。豊橋から自転車で走ったお陰もあるが、他のみんなも殆ど残さず食べているところを見ると、遅い朝食の後に何も食べなかったのが良かったみたいだ。

一人一匹ついてくる渡り蟹は人気がなかった。剥くのが面倒くさいので、頑張ろうとしない。腹ペコだったら意地でも食い尽くすだろうが、食料難も叫ばれる中、もったいない話である。

老いた両親がどのぐらい喜んでくれたか定かではない。大きくなった二人の娘はいつまでこんな旅行に付き合ってくれるだろうか。来年も全員揃うかどうか、予想するのは難しい。


和のリゾートはづ
愛知県蒲郡市西浦町大山17-1
0533-58-1811
http://www.hazu.co.jp/wahazu

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2008年05月09日

[ガシラ](渋谷)

魚の美味しい居酒屋


渋谷の裏通りを歩く。いい雰囲気のカウンター割烹を見つけたが、店内を覗くとちょっと敷居が高そうなのでやり過ごす。再びいい感じの店を見つけた。店内は見えないが威圧感がないので入ることにした。

思ったとおり店内も店員も雰囲気がいい。しかし先客は入ってすぐのカウンターに2人のみ。ちょっとひるんだが、気を取り直してメニューを開いた。

お通し、刺身6点盛り

お通しは蛤のだしで作った若竹煮。悪くない。刺身は1人前800円の6点盛りを分け合って食べられるように人数分頼んだ。少しずつ味見するのにちょうどいい。

豚角煮、白子カツ

鱈の白子は茹でるか天ぷらで食べることが多く、カツは珍しい。いかにも若者向けの店らしい料理だが、中年が食べても充分美味しい。

酒のメニューを開いて感心した。日本酒が16種類もあり、10種類が純米酒でそれ以外も吟醸酒だ。価格も650円~950円と良心的。日本酒は取り扱いが難しいので焼酎に逃げる大衆店が多いのになかなか立派。入り口近くに日本酒用の大型冷蔵庫がある。
日本酒を持って来た店員に、日本酒の品揃えを褒めたら「へー、そうなんですか?」と頼りない。アルバイトには店のこだわりは分からないようだ。

すっぱコリコリ、太刀魚の塩焼き

日本酒が美味しいので珍味を頼んだ。サメの軟骨のようだ。本日のお奨めメニューを開いたら焼き魚が8種類あった。料理人のいる魚屋というだけある。
そうそう、本日のメニューにも純米酒が2種類書いてあった。毎日書き換えられる当日のメニューが立派なこと、日本酒の品揃えがいいとなると、店の評価はグンと上がる。

店を出るときにはカウンターは一杯になっていた。二人用の椅子しかないカウンターはカップルには最高、男同士では居づらい。男同士やグループには別の部屋がある。

帰って調べたら、ガシラは行きたい店にリストアップしていた店の一つだった。ブラブラ歩いて店を探すにしても、いい嗅覚をしていると自画自賛した銀髪である。

料理人のいる魚屋 ガシラ
東京都渋谷区道玄坂1-19-5
03-3477-1515

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2008年05月08日

[カンパニョーラ](新宿)

ゆったりと食事を楽しむ気持ちが必要だ


「オステリア ヴィンチェロ」その2でコメントしていただいた、吉田さんご推薦のお店に行ってきた。厚生年金会館の裏道にあり、新宿三丁目、新宿御苑前駅のどちらからも少し歩く。早く行こうと思っていたが、雨の日を避けていたら時間が経ってしまった。

店はすぐに分かった。階段の下から見ると大きな店に見えたがカウンター8席とテーブル一つとこじんまりとしている。

頼んだ4品の前にアミューズが出てきた。丁寧な仕事振りをカウンター越しに見ているとお互い緊張してしまいそうなので「一人でやっているんですか?」と声をかける。他に客は誰もいないので、オーナーシェフの山根さんを和ませようとした。美味しいものを食べるためには客でも偉そうにしないで努力するのが銀髪の主義。

前菜盛合せ

乾燥トマトが2種類乗っている。カリカリの方が特に美味しい。これだけでいくらでもワインが飲めそうだ。山根さんは以前住んでいたシチリア料理を得意とする。シチリア料理にトマトは欠かせない素材だそうだ。

シチリア風カチョカヴァロチーズのソテー

初めて聞く名前のチーズ。焼いたチーズは本当に香ばしくて好きだ。

ウニのスパゲッティ アーリオオーリオ

ウニのスパゲティはクリームタイプが多いが、ぺペロンチーノ風もなかなかいい。トマトが入っていてもトマトソースとは違う。なかなかいいアイデアだ。今度家で作ってみよう。

バークシャー種黒豚肩ロース肉のグリル バジルのペーストを添えて

黒毛和牛と言うが、黒毛和豚と言わないのは何故か。答えは簡単、黒豚は実はイギリスのバークシャー種が元になっていて日本原産ではない。山根さんに聞いて初めて知った。アメリカ産の100%純粋バークシャー種黒豚は確かに美味かった。

途中からカウンターは満席になった。山根さんが一人で料理をし、ワインを注ぎ、話に付き合う。忙しくても手抜きしないし、そもそも手のかかる料理が多い。
早食いの人、我がままな人には向かない。ゆったりとした時間を堪能したい人にはいい。

吉田さんが言うアットホームな雰囲気を作りたいなら、客も協力しなくてはならない。山根さんとの距離感が近くなれば成る程、料理の完成度は高くなり、客も満足する。そんな店にするために、忙しくても一人の方がいいというのが山根さん流のこだわりなのだろう。


カンパニョーラ
東京都新宿区新宿6-4-2 コスモ新宿1F
03-3358-3409

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2008年05月07日

[バードランド](銀座)

評判以上に「感激した!」


予約をしていないので入れないことを覚悟して行った。5時45分に到着、7時半までという約束でカウンター席に座ることができた。ラッキー!

とにかく奥久慈軍鶏を食べたいのでコースを避けてメニューの上から順番に串焼きを頼んだ。カウンターに囲まれた焼き場は舞台のようだ。主役はもちろん店主の和田さんで神経を研ぎ澄まして焼いているように見える。焼き上がるまで砂肝の煮こごり、軍鶏皮の二杯酢を食べる。

焼き鳥が順番にやってきた。わさび焼き、レバー、砂肝、皮、ハツ、つくね、ぼんちり、正肉。焼き加減は完全に火が通ってしまう直前の状態。素晴らしい。




ビールから日本酒に移った。メニューの右上に書いてある「すべて純米酒です」の文字が気になる。「主人は日本酒が好きなんですか?」カウンターから離れた舞台中央で黙々と焼いている和田さんに声をかけたら、こちらを振り向いてかすかに頷いた。ちょっと笑ったように見える。

そり、フランス産のうずら

本日運良くあるというソリを食べて唸った。腿の付け根の肉で、一羽から2切れしか取れない。歯応えがあって、噛むほどにジューシーで美味い。柔らかい=美味しいというのが間違いだと分かる。肉も魚も焼いた方が美味いこともはっきり認識できる。自分が撮った写真を後で見てよだれが出て来た。

若い衆に手伝ってもらって酒を選んだ。みんな、にこやか、爽やかなために美男子に見える。まず神亀ひこ孫の純米酒を飲む。次に広島の竹鶴純米酒を頼んでびっくり。琥珀色で今まで味わったことがない日本酒だ。「社長が試飲、ブレンドして酒蔵に詰めてもらったものです」と、またまた爽やかに店員が説明してくれた。和田さんのことを社長と言うのだから店員は社員と行った方がいいかもしれない。

ひこ孫、竹鶴、月桂冠

剣菱の5年古酒「瑞祥」を飲む。かつて一世を風靡した剣菱も最近では影が薄くなったが、こんな美味い酒を出しているとは。そして今日のハイライトはメニューを見て気になっていた月桂冠・昭和51年純米古酒。ひこ孫の衝撃を凌駕する酒でまたまたびっくり。
「これはまるでポートワインだ!」と言うと、遠くで串を焼きながら和田さんが話しに加わってきた。

店員に銀髪の名刺を和田さんに渡すように頼んだら、とうとう本人が自分の名刺を持って銀髪の横に来てしまった。

和田さんのこだわりに銀髪がうんちくで応酬する。あらためてメニューを見ると焼酎がない。他の鶏に比べて脂っこくない奥久慈軍鶏には甘味がない焼酎は合わないと言う。ワインは酸味があるから甘く感じないが、実際は日本酒よりも甘く自分の料理に合うとも。

焼酎を嫌いなわけではないそうだ。焼酎の飲み方、肉の焼き方、あれやこれや話していたら、後ろからYさんが「銀髪帰るぞ!」とつっつく。話に加われなくてつまらないのかと思ったら、店を心配して遮ったようだ。いつの間にかほぼ満席。それなのに焼き場に人が居ない。そりゃそうだ、和田さんは銀髪と話し込んでいる。

かたくりのおひたし、きゅうりの浅漬け、スープ

和田さんと意見がまったく同じで嬉しくなってしまった。料理の引き立て役である酒に対するこだわりを聞けば、主役の料理に対する熱情は半端ではない。

店を出ても興奮は冷めやらなかった。イヤー、楽しかった。また行かなくちゃ!


バードランド
東京都中央区銀座4-2-15 塚本素山ビルB1
03-5250-1081

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2008年05月06日

[だぼ鯊]⑤ (日本橋)

今日のハイライトはギンポ


江戸前の魚と言えば、アナゴ、シロギス。一年中使われるが晩春から夏にかけてが旬だ。秋には甲イカの子が新イカと呼ばれ寿司種としてだけでなく天ぷらでも人気となる。晩秋から初冬にかけてはハゼの季節。店名にしてしまうほど上品で美味しい魚だ。

忘れてならないのがギンポ(銀宝)で、江戸前天ぷらになくてはならない物。死んでしまうと味が落ちる。成長すると皮が固くなってしまうので、4~5月の限られた期間しか食べられない。まさに通好みの魚と言える。昨年は食べ損なったが、今年は口に出来て幸せだった。

ギンポ

関西ではカミソリ、日本海側ではウミドジョウ、東北ではカタウナギと呼ばれることで分かるように、長細い異形の魚。これを関東では銀宝と呼んで珍重する。江戸前の天ぷらにすると宝になってしまうのが面白い。身はしっかりしていて、噛み応えがある分味が深く感じられる。天ぷらが上手いと見抜いた料理人は凄い。

メゴチ、稚鮎、姫ニンニク、アスパラ、あなご

銀髪は定番のコースではなく、お好みで揚げてもらった。アスパラを頼んでトイレに立った隙にアナゴが一片乗せられていた。ギンポと比べてみると見た目は似ているが味は明らかに違う。

もう一匹食べようかと思ったが止めにした。連れの3人にも敢えて奨めなかった。我々の後に続々お客さんが入ってきて店は満員になっている。予約なしで飛び込んできた我々が、ギンポ目当てに予約してきた客のものを食べたら申し訳ない。

代わりに豆腐をしっかり味わってもらうことにした。にがりを多めにしているので箸で刺しても持ち上がる。大将手作りの豆腐だ。いつもとは趣向を変えて、薬味は別盛りにするようにアドバイスした。まず豆腐だけで、次は塩で、そして薬味を乗せて醤油をかけて食べる。みんな、気に入ったようだ。

ギンポを食べられるのは5月末頃まで。あまり時間はない。


だぼ鯊 
東京都中央区日本橋3-3-14
03-3271-7533

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2008年05月05日

結婚式

結婚式は面白い


もう、こどもの日といってもピンと来ない。子供たちはその子供たちを作る年齢に達してきた。我々にとって5月5日は孫の日になりつつある。孫ができるまでに通過する儀式が結婚式である。

時代と共に結婚式のスタイルが変化してきた。一風変わった結婚式に招かれたのは約20年前のことだ。会社の後輩が結婚することになった。場所はシドニーということもあったが、媒酌人はなしで最後に挨拶をしたのは本人だった。時を経て今はそれが普通になった。

銀髪は三々九度の式を挙げたので、日本のチャペルでの式は一昨年の部下の時が初めてだった。ブラジル人神父の妙なアクセントの日本語を聞きながら、疑問に思ったことを後日知り合いの神父にぶつけた。「日本人の神父さんではダメなんですか?」質問は的外れではなかったようだ。外国人でないと新郎新婦が喜ばないそうだ。この日もやはり外国人。変なアクセントは演技かもしれないと思うとおかしくなった。

主賓の祝辞、乾杯の発声が終り料理はスタートした。日本は本当にいい国だと思うのは、和洋折衷なんでもござれのところである。シャンパンやワインが主流になってきたが、今も変わらず酒や焼酎で盛り上がる人も居る。ホストも品揃えに大変である。

酒が入って場が賑やかになる。新郎新婦の友人の礼儀作法がなっていないと目くじらを立てる向きもあるけれど、割り切ってしまうと行儀がよく大人しい若者よりやんちゃな連中の方が楽しい。昔は誰のための結婚式か分からないものもあったが、今は完全に若者たちが中心である。

時代が変わっても年配者は昔ながらのスタイルにこだわって挨拶をする。冠婚葬祭の本を参考にするのもいいけれど、みんなの印象には残らないだろう。アメリカの大統領選挙を例に挙げるまでもなく、人をひきつけるためには笑いが必要だ。教訓はごくわずかでいい。日本人のスピーチはなかなか西洋人の域に達しない。

新郎の挨拶は良かった。原稿を用意せずポツポツとたどたどしく話し始めた。祝辞を述べた人たちの話を引用しながら感謝と決意を述べた。なかなか賢い奴だ。

銀髪も娘の結婚式では慣例を破ることを決意した。新郎の父だけでなく、銀髪だって感謝の意を述べたい。「目立ちたいだけでしょ! お父さんが主役じゃないのよ!」と、娘はきっと怒るだろうけれど…

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2008年05月04日

[ヴェトナム・アリス](新宿)

品のいい東京のベトナム料理屋


外国で父がベトナム人に間違えられたと聞いて大笑いしたことがある。銀髪がオーストラリアに住んでいた頃、ベトナム人にベトナム語で話しかけられた。同胞と思われたらしい。子供の頃、「橋の下で拾ってきた」と父母にからかわれたが、30年の時を経て親子の証明がなされた。

オーストラリアに居たときはよくベトナム料理屋に行った。戦火を逃れ、亡命してオーストラリアに住みついたベトナム人がたくさんいる。手っ取り早い商売は食べ物屋ということになる。みすぼらしい店ばかりだったが、どこも美味しくて安かった。

贅沢ベトナムカレーセット

名物春巻バスケット

ヴェトナム・アリスには夜も含めて何度か来たことがある。女性客が多くて品のいいお店だ。東京のベトナム料理屋には何軒も行ったけれど、オーストラリアのベトナム料理屋とはまったく雰囲気が違う。もっとも、オーストラリアに居たのは20年近く前だから、同じように比較してはいけないのかもしれない。
ベトナム本国自体、経済発展が著しい。人件費が安いので、日本企業も中国からベトナムに工場を移す動きもある。

それでも銀髪はなかなかベトナムのイメージを変えることが出来ない。上品なベトナム料理屋に入ると違和感がある。ランチの1,500円がとても高く思えてしまうから不思議だ。

タイ料理屋は池袋にあるブリックのように、タイにありそうな猥雑で怪しげな雰囲気の店が結構ある。味も本場に近いものではないだろうか。ベトナム料理はどうもよく分からない。

銀髪ののルーツを探しに、いつかベトナムに検証に行かなければならない。

ヴェトナム・アリス ルミネ新宿店
東京都新宿区西新宿1-1-5 新宿ルミネⅠ 7F
03-5339-2033

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2008年05月03日

空弁 新千歳空港

北海道の新名物?


11時半札幌発、13時羽田着の飛行機に乗る。中途半端な時間の飛行機を予約してしまったと後悔した。イマイチ空港内のレストランに入る気分ではない。そうだっ!ラウンジで生ビールを飲みながら弁当を食べよう。結論を出したら急に楽しくなった。

空弁は駅弁に比べると小さい。飛行時間が少ないし、飛行機のテーブルが狭いので、小さくなったのだろうか。お陰で2種類食べることができる。悩んだ末に鮭かつのサンドイッチとジンギスカンのおむすびを買った。

タルタルソースをかけて食べる。鮭かつははっきり言って外れ。味は悪くないのだが、豚のカツサンドと比べると横綱と前頭ぐらいの差がある。シーフードだからタルタルソースというのもつまらない。改善の余地大いにありというところだろうか。

一方、ジンむすは面白い。ジンギスカンだから羊肉の焼肉が入っているかと思ったら名古屋の天むす風である。ジンむすのネーミングで思いつかなかったのは迂闊だった。
天むすは名古屋大須の千寿が圧倒的に美味い。千寿のものを食べる前に色んなところで食べたけれど、どこかが違う。
千寿の天むすが横綱ならジンむすは小結ぐらいにしても良さそうだ。

大阪にはたこむすなるものがある。こちらはおむすびの上にたこやきを乗せて海苔で巻いた物で、実に珍妙で面白い。天むすの番付ランキングに乗せるには抵抗があり、異種格闘技の様相を呈する。しかし、曙とボブサップの戦いよりはマシな気がする。

偉大なのごはんだろう。色んな素材との相性の良さではパンを凌駕していると思う。焼肉でも刺身でも、「白いごはんが欲しい!」と言う人が多い。最後に焼きおにぎりやお茶漬けはあっても、サンドイッチはまずない。

やっぱり日本人だなー

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2008年05月02日

[東寿し](札幌)

北海道最古の寿し屋


明治8年創業、東京から北海道に寿しを伝えたことから東寿しと名乗ったそうだ。
「古いからいいというわけでもあるまい」と地元の人が呟いたのが不気味に頭に残った。

5時半に店に到着。一斉に客が入ってきたため、1機しかないエレベーターを2度待ってようやく4階の座敷に到達した。席には銀髪の会社名付きのお品書きが置かれていて嬉しくなった。予算(1万円)と希望を事前に伝えておいたとおり、特別メニューを用意してくれたのが分かる。

メニュー、付け出し

全員揃うとすぐに付け出しと撮りそこなった塩水ウニがやってきた。

刺し身盛り合わせ、桜ますの焼き物

付け出しに箸をつけようとしたところで刺し身の盛り合わせが出てきた。ちょっと早いなーと思ったが、気を取り直して付け出しの里芋を食べたところで、焼き魚がをテーブルに置かれた。「料理を出すペースを落として」と仲居さんに注文をつけたが、頭に血が昇って他の人の話が耳に入らない。
目の前に付け出し、塩水うに、刺し盛り、焼き物の4皿が並んだ。あらためてメニューを見ると、あとは煮物を挟んですぐにお食事(にぎり寿司)になってしまう。

部屋を出て仲居さんをつかまえて、「とっとと食べて早く帰れということか?」と気色張った。仲居さんは「自分の不手際で、調理場の責任ではありません」と殊勝だ。刺身と暖かい焼き魚を同時に出す愚は料理人の仕業であることは疑いないところだが、自分の責任と言い張る仲居さんに免じて矛を収めた。

サービス(?)、煮物

煮物の前にお品書きにない料理が出てきた。仲居さんから一言もないので予定されていたものか、お詫びのしるしなのか良く分からない。多分後者だろうが、そうであれば仲居さんは只者ではない。彼女の言ったとおり、すべての差配をしているのかもしれない。

寿し

トイレに立った時に、今度は仲居さんに親しげに挨拶した。仲直りの時だ。注意してからは料理を出すタイミングも問題ない。
前半は怒りのため、後半は話が弾んでしまったために料理の味はよく覚えていない。仲居さんの本望ではないかもしれないが、料理よりも彼女の印象が強く残る店だった。

他の人たちは我々のやり取りに気付かず、楽しんでくれたようだ。もっとも、文句を言わない地元の客が一番怖い。北海道で最古の寿し屋なら、当然分かっているはずだ。


東寿し
北海道札幌市中央区南4条西3丁目
011-261-7161
http://www.azumazushi.com

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2008年05月01日

[ばんばん](日本橋)

新しい店にエールを送りたいけれど…


再開発で閉店や移転の店が多い日本橋界隈に新店が誕生した。「芝浦直送」を掲げる期待の店である。築地なら魚市場と誰もが知っている。芝浦に肉の市場があることを知る人は少ないだろう。芝浦直送と書けば新鮮で美味しい肉が食べられるということ。ワクワクして行った。

味もやし、ポテトサラダ、冷やしトマト

肉が焼きあがる前にすぐ出て来る野菜類を食べた。もちろん芝浦とは関係ないが、まあ、合格点だろう。

はらみ、たわら(つくねのにら巻き)、たん

「かしらです」と中国人の店員がテーブルに置いた。今まで経験のないような柔らかで美味しいかしらだ。さすが芝浦直送と感激した。しかし、後から「はらみです」と出された物を食べて急速に気持ちが萎えた。店員はかしらとはらみを取り違えている。感激して損したというよりも、食べてすぐに間違いに気付かなかった自分に腹が立った。

かしら、レバー、皮

焼き場を覗き見た。串を回す手がぎこちない。料理人も中国人かもしれない。不安は的中した。レバーも皮も焼き過ぎである。鮮度に自信がある店は、豚でもレバーは中が少し赤いぐらいの状態で出す。激戦区新橋のモツ焼き屋では当たり前だが、この店は慎重だ。

がつ、ればかつ

がつは簡単には噛み切れなかった。部下はなんとか飲み込んだが、銀髪は敢えて食べ残した皿を店員に渡した。日本人の店長がすっ飛んで来たら合格だが、残念ながら何も起こらなかった。開店したばかりの店で特に重要なことが見落とされている。食べ残しは最大の警鐘であるから、理由を追求すべきところなのに…

100円台の串焼きに文句をつけるほど野暮じゃない。値段の割にボリュームもあって美味しいと評価すべきだろう。ポテトサラダもればかつも悪くはなかった。しかし、近くに「紅とん」という手強い競争相手がいる。品揃えも向こうの方が上。

頑張れ、店長! あなたの努力次第で何とかなるかもしれませんよ。


ばんばん
東京都中央区日本橋2-2-5 日本橋アルガビル1F
03-6662-6467

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