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2008年06月30日

[やぶ久](日本橋)

老舗のそば屋はカレーが美味い


「カレーうどんが美味いぞ!」最初に連れて行ってもらったときに奨められてから、「古奈屋」並みのカレーうどん屋さんと決めてしまった。
創業は明治35年というから伝統のある立派なそば屋なのに、カレーうどんでは申し訳ないけれど。

そこで、何か違うものを頼もうと選んだのがカツ丼。んっ?違う? だって同じ値段ならカツ丼の方が親子丼より肉が多くてお得じゃありませんか。んっ?そういう問題ではない?
蕎麦を食べろと言われても、まあ、メニューにあるんだから何を食べるか客の勝手だよね。

そして辿り着いたのがミニカレーうどんとミニカツ丼。これが銀髪にとってのやぶ久のベストメニューである。

カレーうどんは口の中を火傷しないように普通に食べる。カツ丼はご飯が半分残るように慎重に食べる。うどんとカツがなくなったところで、余ったカレーをご飯にかけてカレー丼にする。3種類の食べ方をして、カレーも余すことなく食べ切る。いいアイデアと思いません?

珍しく違うものを食べる気になった。クラブの女性がカレーつけそばが最高と教えてくれた。うどんと飯物に決別して、久し振りに老舗のそばを食うことにした。カレーには違いないけど。

店の名刺代わりのカードには「せまくても こんでいてても いましばし まつたかいあり このそばかな」と書いてある。堂々と言われたら頷くしかないが、確かにこの店は料理が出て来るまで時間がかかる。数人で行って、他の人が食べ終わっても自分のものが来ないなんてことはざら。逆のパターンになって、相手が不機嫌になっていくのを見るのも辛いものだ。だからできるだけ11時を回ってすぐに行くことにしている。

前回、久し振りに行ったときにいつも勘定場に座る店主が居なかったので、「おじいさんは来ないの?」と聞いた。本当は「遂にくたばったの?」と言おうと思ったが下品だから慎んだ。「いらっしゃいますよ」と店員が身内に敬語を使うのが店主の人柄を物語っている。

財布を出したところで後ろに気配を感じた。噂をすれば… アーまだ元気そうだ。軽口を叩かなくてよかったと胸をなでおろした。

カレーつけそばも悪くなかったが、やはりミニカツ丼とミニカレーうどんのセットが一番だ。冷房で体が冷える頃にやってくるので、夏でも問題ない。実に気配りができている店である。


日本橋 やぶ久
東京都中央区日本橋2-1-19
03-3271-0829


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2008年06月29日

BALVENIE(バルヴェニー)

至極のスコッチウイスキー

ジョニ黒、オールドパー、シーバスリーガル、団塊の世代以前に酒呑みたちが憧れたスコッチウイスキーの3傑だろう。手が届かなくてカティーサークやホワイトホースなどで我慢した人たちも多いに違いない。いずれもブレンデッドウイスキーである。

酒税法が変わり洋酒の値段が劇的に下がったところで、熟成年数を見て飲むようになった。ジョニ黒の有り難味は薄れ、8年物、12年物、17年物といった具合に高級化が進んでいく。
バレンタインも以前は平たいボトルの12年物を飲むのがやっとだったが、今は17年物が主流である。

最近ではかつては見たこともなかった30年物がどのメーカーからも出ている。剛毅な友人が居て、海外旅行に行く度に30年物以上の高級酒を買ってくる。もちろんよだれを拭いながら試飲会に参加する。今回はバルヴェニー(BALVENIE)だった。グレンフィディックの姉妹蒸留所だが、独特の蒸留方法などでグレンフィディックとは違った味を作り出している。単一蒸留所で造られたもののみを使うモルトウイスキーの名品である。

「少し甘いね」と試飲したメンバーの一人が呟いた。素晴らしい舌をしている。まろやかで芳しいのがバルヴェニーの特徴である。味のせいか、販売量が限られているせいか、これまで友人が買ってきたバランタイン、マッカラン、グレンフィディックなどの30年物の中で一番高かったそうだ。

スコッチウイスキーはこれまで何十種類も飲んできたが、名前は殆ど記憶していない。バルヴェニーは初めてと思ったが、もしかしたら飲んだことがあるかもしれない。銀髪のホームバー「風長閑」に置いてあったからだ。

15年ものでもサントリーが輸入する正規品なら12,600円もする。サントリーの品揃えは21年物までで30年物がいくらするかは分からない。分かっても買う気にはならないだろう。

酒があまり強いとは言えない友人も、自分が買ってきた高級酒はストレートで飲むようになっただけでなく、他人にもそれを強いる。なかなかいい傾向だ。彼の探究心が深まればますますいい酒を我々も飲めるようになる。ますますいい傾向だ。

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2008年06月28日

[木都里亭](溜池山王)

健康保険組合の料理屋


飲み放題付きの食べ放題が何と3,000円。鯛の活き造りや一匹丸ごとの香草焼がデーンと構える。刺身、オードブルなど前菜類が豊富にある。

別のコーナーでは料理人がサービスしてくれる。しゃぶしゃぶ、天ぷら、寄せ鍋、ビーフシチューもある。


安かろう悪かろうではない。素材も味も悪くない。これなら絶対お奨めだと言いたいところだが、誰でも行ける訳ではない。関東ITソフトウェア健康保険組合の被保険者やその扶養者のための保養施設なのだ。

この組合は(社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会を設立母体として昭和61年に設立された。大企業を含め福利厚生施設を売却したりする組合が多いのに、さすがに新しい業界は勢いがある。

数十年前になるが、以前勤めていた会社の保養(宿泊)施設を何度か利用した。まだ若かったので、食堂で一緒になるのは年上ばかり。大企業なので面識はないけれど、いつか直属の上司になるかもしれない人を前にして気疲れしたものだ。
もっと嫌だったのは施設の管理人(兼料理人)の横柄さ。彼らも社員なので、若い人に偉そうにしたがる。もちろん素晴らしい管理人が殆どだが、嫌な奴に当たったら悲劇だ。

関東ITソフトウェア健康保険組合には約5,500社が加盟しているというから、大企業の組合と様子が違うようだ。同じ会社の人と鉢合わせすることは滅多にない。羨ましい限りだ。
一般人でも木都里亭を利用する方法はある。被保険者と一緒に行けば1,000円増しで楽しめる。

他にも似たようなところがあるはずだ。探してみよう。持つべきものは友達だ。

木都里亭
東京都港区赤坂2-5-6 山王健保会館
03-5570-1803

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2008年06月27日

[太子楼](新宿御苑前)

本格的な杭州料理を食べられるお店


「中国が近い将来日本を抜く」と色々な場面で中国脅威論が語られることが多くなったが、かつては遣隋使、遣唐使を送るなど日本が中国を崇めていた。もちろん文化面でも中国の方が遥かに上だった。食では中国8大料理(山東料理、四川料理、江蘇料理、浙江料理、広東料理、湖南料理、福建料理、安徽料理)を生んだ。

杭州料理は浙江料理に属し、中国を代表する詩人・蘇東坡が作ったとも言われる東坡肉(トンポーロウ=皮付き豚の角煮)が有名である。杭州料理の店があると聞いて行くことにした。新宿御苑から徒歩3分。ホームページを見ると、ちょっと怪しげな日本語が微笑ましく、本場の味が期待できる。

くらげ、海老の龍井炒め

ホームページで「モダンで落ち着いたインテリア」と言うのはご愛嬌ということにしておこう。3桁のお値段の料理が並ぶメニューを見たら豪華な店でないのが有難くなる。
杭州名物の龍井(ロンジン)茶を使った料理はさすがに高いがそれでも1,200円。内陸にあるため川や湖で獲れる素材を使い、淡白な味が特徴だ。

茄子とモンゴウイカのピリ辛炒め、オリジナル醤油焼きそば

新宿の繁華街から離れるだけに、飛び込み客は少ないだろう。客の多くは近隣の常連さんで、我々のようにわざわざ来た人はいないようだ。周りのテーブルには餃子、鳥の唐揚げ、麻婆豆腐などが乗っている。

本場から来たという料理人は忸怩たるものがあるに違いない。銀髪のように杭州料理やオリジナル料理を求める客が増えれば、メニューの構成もかなり違ったものになるはず。好奇心旺盛な若い女性たちに、料理人を喜ばせてもらいたいものだ。

杏仁豆腐

デザートの評価には自信がないけれど、この杏仁豆腐も悪くないと思った。店が賑やかになれば、もっと色々な杭州料理が食べられるようになるはずだ。もっとも街の中華料理屋的なところを愛する常連さんたちにとっては迷惑な話で、そっとしておいて欲しいかもしれない。


太子楼
東京都新宿区新宿1-30-6
03-3358-9885
http://www.taisirou.com

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2008年06月26日

[かつ銀](銀座)

とんかつ居酒屋


夜、とんかつ屋に行こうと言われるとちょっとめげる。中学・高校と毎日とんかつを弁当に入れてもらっていたほどのとんかつ好きだが、フライ物ばかりを酒の肴にするのは辛い。
かつ銀は酒の肴も多種あると聞いてホッとした。

店は広い。壁にはフライ物以外のメニューもたくさん張ってある。とんかつの評価が高い店ということを忘れてしまいそうだ。

おつまみ類各種

タン盛合せ、ハンバーグ、ポークソテー

口コミではタン盛り合わせが美味しいと書いてあったので頼んだが、10人の男たちの殆どが箸をつけようとしない。男は保守的で、女性の方が逞しいといつも思う。
ハンバーグがなかなかいい。メンチカツも美味しいに違いないが、既にたくさん頼んであるので遠慮した。

カツ丼、カツカレー

ご飯物は他の店とはちょっと違っている。客自らが別盛りのご飯にかけて食べる。いつまでも熱いのが嬉しい。

とんかつ2種

ブログや口コミで絶賛されるとんかつ。中がほんのり赤く、切り口は斜めに入っている。豚飼育の衛生管理が行き届いているのか、最近では豚肉も刺身で食べさせる店が増えてきた。とんかつでもちょっと生が一番美味しい揚げ方なのだろう。

例によって慌しく食事を終えた。とんかつをおかずにご飯を食べた者もいる。色んな食べ物があると言っても、やはりこんな飲み会は辛い。銀髪だってとんかつならご飯を食べたい。メタボ回避のための自制心が邪魔をした。食べずに悔やむか、食べてから後悔するか。

今度、ゆっくり昼に来よう。とんかつにご飯。ランチならどちらの後悔もしないで済む。


かつ銀
東京都中央区銀座2-14-5 B1F
03-3543-2485

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2008年06月25日

[つな八 本店](新宿)

念願のつな八本店に遂に入れた


いつ行っても行列が出来ていて入れない。予約をすればいいものを、いつも飛込みでは仕方がない。目指して行くとダメなのに、他の店に行くつもりで店の前を通ったら誰も並んでいなかった。金曜日の7時に簡単に入れてしまうのだから世の中面白い。もちろん予定を変更してつな八の暖簾をくぐった。

つな八は1924年(大正13年)創業というから80年以上の歴史を持つ老舗の天婦羅屋さん。その割にカウンターで2千円位から食べられる庶民的な店。行列が出来るのも頷ける。
カウンターに座り、天婦羅膳1,995円、上天婦羅膳2,730円、特選江戸前膳3,990円のどれにしようか迷う。この上はポンと値段が跳ね上がるので、お好みにした。好きなものだけ食べよう。

産地直送盛合せ、白海老

めじな、くろむつ、やりいか、はもの4点盛りを頼んだが、なかなか来ない。お通しがない明朗会計は嬉しいけれど、ビールのつまみがないので白海老の天婦羅を頼んだ。すぐに揚げてくれるかと思ったが、銀髪の順番はかなり後。結局刺身が先に来た。

カリッではなく、衣が厚くてフンワリとしている。ものの本によれば、これが本来の江戸前天婦羅だそうだ。

海老、いか、めごち

めごちはフンワリというより、中がべチャッとしていた。尾びれとそれに続く骨は噛み砕けない。板さんがこまめに天婦羅鍋の火を点けたり消したりしているのが気になっていたが、揚げ油の温度が低かったのかもしれない。

大あさり、ほたて、小玉葱

お好みにしても、カウンターなら困らない。他人の天婦羅が揚がるのを見て、何を食べるか決断できる。隣席を覗き見て、中がレアのほたては特に美味しそうに見えた。結局、食べた中では玉葱が一番美味しかった。

ミシュランが星をつけた店の天婦羅は衣が薄く油もくどくない。グルメ本が推奨する店を好きな人がつな八の天婦羅を褒めないのはよく理解できる。もっとも、これこそ老舗が守る伝統の味なのかもしれない。「この値段なら充分美味しい」という口コミが多い。高級店なみの値段なら来ないということだろうか。

店を出る頃には行列が出来ていた。ラフな格好をした若いカップルが多い。カウンター天婦羅デビューに目を輝かしているのが窺える。「美味しいだろう?」「美味しいね!」なんて会話する恋人たちに野暮な話はするまいと思った。


つな八 本店
東京都新宿区新宿3-31-8
03-3352-1012
http://www.tunahachi.co.jp

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2008年06月24日

[丸善](日本橋)

本屋では有りません。鰻屋さんです。


誰でも日本橋の丸善と言えば本屋さんしか思い浮かばないだろう。日本橋交差点に立つ柳屋ビルの地下2階に鰻屋があることは知っていたが、この店の名前が丸善だとは知らなかった。もっとも読み方は「まるよし」で、本屋とは全く関係ない。

かつては日本橋を代表するビルだった柳屋ビルも今はおんぼろビル。空き店舗が目立つ地下を歩くと気持ちも寂しくなる。そこにある料理屋にはまったく興味がなかった。
ところがある朝、水の入った大きなビニール袋の中をうごめく鰻が店に運び込まれるのを目撃して俄然行く気になった。

日本橋には鰻屋が多い。鰻の養殖は明治時代に深川で行われたのが始まり。鰻の蒲焼は元々江戸料理と言ってよい。後に浜名湖、愛知、鹿児島と最大産地は移っていく。お江戸日本橋に鰻屋が多いのは当たり前の話で高級店も多いが、丸善はいたって庶民的な店である。

お重は1,200円、1,500円、1,800円、2,200円の4種類。見栄を張っても2,200円が上限なのは嬉しい。鰻以外のメニューも多く、専門店というより居酒屋の感じ。生きた鰻を見なければ、今でも鰻を食べたいとは思わなかっただろう。

割り箸の袋を見ると日本橋店の他に三の輪店の電話番号も書いてある。南千住にある三の輪店は持ち帰り専門店で、アド街ック天国でも紹介された人気店とのこと。三の輪店は炭火焼らしいが、ビルの地下にあるためか日本橋店はガスで焼かれているようだ。

隣の人よりも立派なお重でいただいた。器で値段が分かるのが辛い。12時近くになると、常連さんと思える会社員たちが次々に入ってくる。4ランクあるが1,200円でも満足できるのではないだろうか。さらに安いうな丼もある。安くても「通はうな丼を食べる」と気取れば引け目を感じることもない。

出口のレジで2人分4,400円を5千円札で払うと「600万円」と釣り銭を渡された。常連さんには名物おばちゃんとして愛されているに違いない。
三の輪店は昭和10年の創業という。日本橋店もそれなりに古そうだが、老舗の風格はない。
気楽にうなぎを食べられるところがいい。


丸善(まるよし)
東京都中央区日本橋2-1-10 柳屋ビルB2
03-3271-8442

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2008年06月23日

[トゥッカーノ](渋谷)

ブラジル移住100周年にブラジル料理


ブラジルのイメージはサッカーとリオのカーニバルぐらいしかない人が多いだろう。皇太子がブラジルの移住100年の式典に赴き、新聞でブラジル特集が掲載されてもなお、関心を持つ人は少ない。銀髪も似たようなものだが、食べ物には興味が湧く。

ブラジル料理の代名詞みたいになっているシュラスコを以前から食べたいと思っていた。ようやく念願がかなった日の翌日にブラジル移住100周年の記事を見た。何かに導かれたようで不思議な気分になった。ドラマなら都合が良すぎる設定と馬鹿にするところだ。

店は大勢の若者でほぼ一杯だった。彼らは2時間4,000円の食べ放題を選んでいる。飲み放題もつけているかもしれない。我々は90分3,000円と飲み物を頼み、料理を取るために席を立った。シュラスコを乗せてもらうために皿の一部を空けておく。

席に戻るとすぐに大串を持って店員がやってきた。丸ごとの肉をナイフで削り取り皿に乗せる。食べ終わった頃に別の店員がソーセージや内臓肉の串を抱えてくる。シュラスコは牛、豚、鶏、ソーセージなど10種類以上ある。オーストラリア産などの安い輸入肉ではあるが、じっくりと焼かれて思ったよりジューシーで美味い。

食い飽きたところでショーが始まった。若い男たちの目は踊り子の大きな胸に釘付けになっている。女性連れの男の目はさとられないように彷徨っては目標点に向かう。

ショーが終わったら再び店員が大串を持って客の間を歩く。腹一杯なのに食べてしまう不思議。最後にやってきたパイナップルの丸焼きには驚いた。
隣のテーブルの女性3人は2時間コースのようで気合が入っている。「私は太る体質だから」と言うタイプの人たちに見える。デザートの別腹も大きいに違いない。

銀髪の祖父母はハワイに移住し、再び日本の土を踏むことはなかった。学生のとき、ブラジル移民を描いた石川達三の第一回芥川賞受賞作「蒼氓」を読んで、他人事と思えず感銘を受けた。苦心惨憺した祖父母の孫は日本でブラジル料理など食べ歩きにうつつを抜かして居る。

最近のブラジルなど新興国の急成長振りを見ていると、日本の平和ボケが心配になってくる。もちろん銀髪も含めての話だが…

トゥッカーノ
東京都渋谷区道玄坂2-23-12 渋谷フォンティスB1
03-5784-2661


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2008年06月22日

鯖のへしこ

ノルウェー、アメリカ大統領選、福井って国際的?


福井の鯖なんて聞いたことがないと思った人も、若狭湾で獲れると言われれば納得するだろう。昔、若狭の鯖は塩漬けして京都に運ばれ、現在の福井県小浜市から京都市左京区出町柳までの道を鯖街道と言われた。鯖街道の威光は今はなく、小浜市はオバマ氏(アメリカ大統領選の民主党候補オ)を応援することで名を上げた。

へしこだけでなく焼さばも福井名物だとふるさと市のおばちゃんが教えてくれた。へしこの袋をいつものように裏返す。何とノルウェー産の鯖と書いてあるではないか。今は焼さばもみんなノルウェー産で、若狭湾の鯖より脂が乗って美味しいとおばちゃんは言う。福井名物も外国頼りである。

しばらくおばちゃんをからかっていたら手ぶらで店を出ることが出来なくなった。原材料名を読むと、鯖の他は塩、米ぬか、唐からしのみで添加物なし。ノルウェー産でも妥協することにした。

今度は商店街入り口の立派な土産物屋に入った。そこで売っていたへしこは福井産だった。若狭湾で鯖が獲れなくなったわけではないようだが、高額な地元産は京都など他県に送られ、地元で使うものはノルウェー産ということかもしれない。

さて、ノルウェー産の鯖のへしこ。生と焼きと2種類の食べ方をした。生は甘酢につけて食べるという。

そのまま食べるとかなり塩辛いが、酢をつけると少しましになる。先人の知恵だ。鯖なのにマスの様にピンク色なのが面白い。
焼くと脂がしみ出してくる。生ほど辛くはない。不思議なものだ。

それでも酒の肴にはちょっと辛すぎる気がする。ごはんのおかずの方が向くかもしれない。食べ残した分はお茶漬けにでもしよう。
喉が渇くので飲みすぎるのが玉に瑕かな。ご飯派は食べ過ぎることになるへしこだ。

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2008年06月21日

越前おろしそばとかにめし

昼飯は福井名物で


タクシーの運転手さんに福井名物を聞いた。越前ガニは言われなくても分かっているが漁期は過ぎてしまった。いの一番に出てきたのはらっきょう。「三国一の花ラッキョウ」と三木のり平のキャラクターで有名な台詞の三国が福井県にあることを初めて知った。
次に運転手さんがそばと言うまでにかなりの時間を要した。信州そばや出雲そばほど名は通っていないが、永平寺そばとも越前そばとも言われ、そこそこ有名らしい。

駅から歩いて数分の商店街らしきところに行ったら、朝市みたいなところを見つけた。

店の奥にそば屋があり、入り口辺りで野菜を買ったおばあさんたちがそばを食べている。迷った挙句、向かいの立派な店で食べた方が良さそうだと思い踵を返した。ところが立派な店のショーウインドウにはそば以外の雑多な料理の蝋細工も並べてある。こりゃダメだ。
元の店に戻り、おばあちゃんたちと並んで食べる方を選択した。

おろしそば

メニューの最初にあるのがおろしそば。おばあちゃんたちが食べているのもおろしそば。おろしそばだけは太麺も選べる特別待遇。おろしそばだけが越前の名前を冠している。迷わず越前おろしそばにした。400円とお手頃値段。店名は「吹の華」で看板には手打ちそばの名門店と書いてあった。看板に偽りなしと言っても良さそうだ。

かにめし

おろしそばが少量だったのでお腹にはまだ空白がある。駅弁ランキングで上位に来る弁当を買った。デパートやスーパーの駅弁大会の常連でもある見慣れた赤いプラスチックの容器だが、食べるのは初めて。ずわいがにの雌の赤肉・卵巣・味噌等の内臓と共に炊き上げたご飯に、紅ずわいがにの身を乗せた物。小松駅で買ったかにの弁当には失望したが、この越前かにめしは1,100円の価値はある。パッケージには電子レンジで温めたり、炒飯や雑炊にしても美味しいと書いてある。確かに温めた方が美味しそうだが、買った店に電子レンジがなかったのが残念だった。

越前おろしそばと越前かにめしで合わせて1,500円。「奨めるものが福井にはないんですよ」と嘆いたタクシーの運転手さんに、銀髪がそれなりに満足したことを教えてあげたかった。

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2008年06月20日

[乙女寿司](金沢)

お詫び
昨日、新しいドメインへの移行作業を行いましたが、画像が見られない状態が続きました。さらに、せっかく書き入れていただいたコメントが消えたものがありましたことをお詫び申し上げます。

プロが奨める寿司屋


富山の人気寿司店「難波」の主人は勉強家だ。近隣だけでなく東京にも度々行くという。金沢に行くと言ったら彼が紹介してくれた店が乙女寿司だった。
タクシーの運転手さんには店名を告げるだけでよかった。路地の奥にみすぼらしく佇むように見えたのでちょっと驚いた。店の入り口が見えると安心した。立派な店である。

古い建物の割に店主は若い。祖父の代から続いているのかと聞いたら血縁はないと言う。乙女寿司で長年修行したのかと聞いたらそれも違う。店と店名だけ引き継いで血縁も師弟関係もないとのこと。だとすると、乙女寿司の評判は鶴見店主が一代で築き上げたものということになる。

赤イカ、白バイ貝、マコガレイ

メジ鮪、アジ、万寿貝

地物中心にお任せにした。単純な刺身はわずかで、オリジナリティーが溢れる料理である。

アワビ、のど黒、ゲソ

アワビの肝和えは見た目も美しい。肝は餌によって色が違うらしく、我々が食べたアワビはきれいなグリーンである。
それにしても圧倒的な存在感があるのはやはりのど黒である。脂が乗って実に美味。

魚は目の前の木箱(氷を敷いたネタケース)に収められており、ガラスの冷蔵ケースはない。鶴見さんが蓋を開ける度に中を覗きこんで質問する。
キジ海老という地元の海老、能登うしつで獲れた近海鮪を頼んだ。

アラ、キジ海老、うしつ鮪

最後に椀物と巻物を頼んだ。連れの二人は穴子などを食べているが、愛知産には興味がない。

あら汁、かんぴょう巻き、かっぱ巻き、ウナギ

店に入った時から気になっていた肉厚の鰻。地物に徹するつもりが禁を破った。寿司の評価は割れた。しゃりの好みなどはよく分からない。

銀髪は創作料理などを充分に堪能した。保守的な人にはちょっと違和感があるかもしれない。10年後、20年後の乙女寿司も見てみたいものだ。


鮨処 乙女寿司
石川県金沢市木倉町4-10
076-231-7447

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2008年06月19日

[麹蔵](八重洲)

サービスを勉強しなきゃ


昨年11月にオープンした比較的新しい店に行った。先客の6人のグループが入り口でたむろしている。邪魔だと思ったら席に案内されるのを待っているようだ。客は殆ど入っていないのに待たされる不思議な光景だ。このとき踵を返すべきだった。

生ビール、ワイン

650円位する地ビールを頼んだ。口広のグラスを考慮すると半分近くが泡に思える。意地汚い酒呑みの機嫌は一気に悪化する。
8,000円ほどのシャブリを頼んだ。なんと既に栓を開けた瓶を持って来て、無造作にテーブルの上に置く。「冷やすのはないの?」と聞くと、ワインクーラーの用意はなく、代用品に氷水を入れて持って来た。
栓は乾いており、シャブリ特有の切れの良さが感じられない。目の前で開けていないので、何か違うワインを詰めてきたのではないかと疑われかねない。

平政の刺身2種、きびなご

ビールとワインで気分が落ち込んだ。何でもケチをつけたくなる。九州出身の銀髪はともかく、他の人は濃い甘口醤油が気に入らない。醤油は普通のものと2種類用意した方がいい。きびなごの酢味噌も評判が悪い。

辛子蓮根、フランス産ウズラの岩塩焼

自家製の辛子蓮根はフライにする変り種。店名の前にCHACOAL GRILLと書くだけあって、炭火焼には自信を持っているようだ。

さつまいもスティック、海老春巻

さつまいもをシナモンにつけて食べるのは思ったほど甘くなくて悪くない。海老春巻もまあまあ。居酒屋としては料理は許せるレベルにある。少し機嫌が直ってきて調子に乗った。フランス・シャラン産鴨焼と奄美焼きそば、更に鶏飯を一緒に頼んでしまった。

焼きそば、鶏飯

2品を置く場所を我々客がせっせと作った。鴨焼きの前にご飯が来るとは油断していた。冷めるといけないのでご飯に具を乗せ、鶏のスープをかけて食べ始めた頃に鴨がやってきた。鴨は酒の肴ではなくご飯のおかずと思われたようだ。

鴨焼き

再び血が頭に昇り始めた銀髪を横目に、連れのK氏はゆうゆうと先に鴨を食べ終える。急須に残ったスープを全部銀髪のお椀にぶちまけ、おかわりを店の女の子に持って来てもらう。新しく熱々のスープをご飯にかけてしてやったりの表情だ。まいりました。

地ビールに目がくらんだのが不味かった。泡が不快なら瓶ビールを頼めばいい。
気取って白ワインなんか頼む奴が悪い。焼酎を飲んでいれば嫌な思いをしなくても済む。
ご飯が先に来たと怒るのが間違っている。料理を出すタイミングなんか構ってくれるはずがないのだから、オーダーするタイミングをこちらが考えなければならない。

反省しながら、8時を過ぎてもガラガラの店を後にした。

奄美・鹿児島・沖縄料理 CHACOAL GRILL 麹蔵 八重洲一丁目店
東京都中央区八重洲1-3-7 八重洲ファーストフィナンシャルビルB1F
03-3510-3366
http://www.ramla.net/casual_restaurant/koujigura

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2008年06月18日

[母家](池袋)

池袋のイチオシ焼き鳥屋さん


池袋は男と外国人の多い街。銀髪の勝手な思い込みではあるが、渋谷、青山、麻布、代官山、などと比べると圧倒的に若い女性が少ないような気がする。従って、グルメ本が推奨する洒落たレストランが殆どない。

実際、これまべ銀髪が行った店もタイ料理、メキシコ料理、居酒屋など。そして、今回は焼き鳥屋となった。東口を出て明治通りを新宿寄りに5分ほど歩く。飲食店がまばらになった辺りに雰囲気のある店構えを見つけた。予約なしだが、運良く入れた。込み合うかも知れないのに我々2人を4人テーブルに案内する太っ腹。これですっかり気に入った。最初の対応が料理の評価と一致することが多い。

枝豆、自家製ところてん

鳥が焼きあがる前に食べた壱岐産天草を使った自家製ところてん。しっかり歯応えのある立派なところてんだった。

レバー、背肝

お奨めは?の問いにいの一番に名前があがったのがレバー。レアに焼かれて文句なし。胸骨の後ろあたりの肉という背肝もいい。ますますこの店が気に入った。

キャベツ、馬刺し

口直しにサービスのキャベツ。焼き鳥屋なのに何故か馬刺しも美味い。

さつま峰地鶏の串焼き、矢元(ヤゲン)

首肉、鳥ムネ肉(胡麻味噌ダレ)

母屋限定酒、刈穂母家純米酒を飲んで盛り上がると酒の肴が足りない。鹿児島峰遊鶏場産の地鶏のタタキを食べる。ささみ、むね、ももの3種類の味比べが出来る。

さつま峰地鶏のタタキ

運良く入れたので「今日は空いてるの?」と聞いたら「いつもこんなもんですよ」と言っていたが、謙遜なのはすぐに分かった。程なく一杯になった。

もう一度背肝を頼もうかと思ったが、お開きにすることにした。食べる速度が鈍った我々がいつまでも4人用のテーブルを占拠していては申し訳ない。3回転目に入るテーブルもある。

期待通りのいい焼き鳥屋だった。店主がソムリエの資格を持つだけに酒もいい。人気店といっても偉そうではないし、ぎゅうぎゅう詰めにされることもない。池袋一の評判に大きく頷いた。


母屋
東京都豊島区南池袋1-12-6
03-5950-0377

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2008年06月17日

[ヴィオニス](銀座)

日本で唯一(?)のシャンパン専門バー


ちょっとしたお祝いごとがあった。シャンパンに目がない部下の慰労会を兼ねてヴィオニスに行くことにした。もともとシャンパンはあまり好きではなく、女性の飲み物のイメージが強い。男二人で行くには違和感があるのでM氏も誘った。

予約の電話をすると「カウンターは満席なので、6人掛けのテーブルでよろしいですか? 相席をお願いするかもしれませんが…」と言う。6時の開店時間なら相席もなかろうと思って承諾した。エレベーターで銀座の高級クラブのにおいがする美女2人と一緒になった。同伴の待ち合わせだな、と思ったら何と我々と同じテーブルに座った。

人参のスープ、パテ、 シャンパーニュ地方のチーズ2種

もしかしたらどこかのお金持ちのお嬢様たちかもしれないと考え直した。30歳前後だが奥様には見えない。下手に話しかけては失礼かもしれないと思い、彼女たちを視界から消した。本日のグラスシャンパンは5種類。彼女たちに遅れて我々も順番に飲み始めた。料理は銀髪が勝手に選ぶ。

スモークサーモン、ベジョータ

乾杯をしたのが多分一番安いシャンパン。連れの二人はビールを飲むように2杯目、3杯目と続ける。

デュモアゼル、ルイ・ロデレール

4杯目に一杯3,200円のルイ・ロデレールを飲んだ。ソムリエの武井さんは客の懐具合を読む技術も持っているようだ。次に本日の目玉となる「サロン」を奨めて銀髪を笑顔で見詰める。連れの2人が無言で後押ししている。かくして一杯4,200円のサロン1996年をいただくことになってしまった。後でネットで調べたら1本3万円以上もする限定ワインだった。

前に座る女性たちとは折にふれてことばを交わした。デュモアゼルをお代わりしている彼女たちにサロンをご馳走しようかどうか迷うと仲間の話に乗れない。決断をしようとしたまさにその時、姉貴分が勘定を頼んだ。時計を見たら7時半過ぎ。慌ててお開きにする時間ではない。

高級クラブのミーティング時間に間に合うように切り上げたのかもしれない。或いは待ち合わせ場所に向かい、小食と酒に弱い振りをして同伴相手に優しく微笑むのだろうか。やはり最初の見立てで間違いなかったようだ。いずれにしても奢る機会を逸してホッとした。

ヴィオニスの阿部オーナーは2003年全日本最優秀ソムリエとのこと。その名声のお陰で、品質のいいシャンパンを約250種類揃えている。フランス・シャンパーニュ地方には約5500の酒造所があるというから驚いた。シャンパンの種類は1万種を超えるという。
シャンパンは甘く感じるので好きではなかったが、1万種もあれば自分好みのシャンパンもありそうだ。

楽しい飲み会だったが、やはりヴィオニスは女性と行くべきだろう。座るのはもちろんカウンター。相席の連中がいいシャンパンを飲んでいたらムカつくし、この日のように美女が目の前に座ると心が乱れ、疲れる。

武井さんに次を奨められる前に勘定を頼んだ。腹はシャンパンで満たされているが、〆にラーメンを切望している。やはり銀髪にはシャンパンは似合わない。


サロンドシャンパーニュ ヴィオニス
東京都中央区銀座8-8-18 銀座8818ビル3F
03-5537-0700
http://www.vionys.com

※ 冒頭のサロンの写真はヴィオニスのHPから拝借しました。

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2008年06月16日

[ヴィロン](渋谷)

とにかくフランスパンが美味しい


「パン屋が経営するフランス料理屋」程度の予備知識を持って行った。渋谷東急百貨店本店の向かいにあるパン屋は思ったより大きく立派だ。
店に並ぶパンやケーキを横目に右隅にある階段を上った。気取った高級フレンチではなさそうで良かった。

ベテランの味わいとフレンドリーな雰囲気を身にまとった店員と何を食べるか相談した。「うちは一皿の量が多いですよ」と言う巨躯を見ると、さもありなんと思える。

バケット・レトロドール

「パンを食べすぎなければ」という条件で3品を頼むのを許してもらった。確かにバケットはいつも食べるフランスパンよりかなり美味しい。忠告を守ってゆっくり食べた。

ホタテとサマートリュフ

秋のトリュフほど香りは強くないが、安価なので厚めのスライスで食べられるのがいい。ホタテやジャガイモとうまく調和している。

自家製スモークサーモン

ノルウェー産の鮭を使った自家製スモークサーモンは生のように色鮮やかだ。

松坂ポーク・4種の料理

メインは店員のお奨めに従って一品を分け合って食べた。松坂牛はあまりにも有名だが、豚もあるとは知らなかった。
料理はどれもフランスの田舎のレストランで食べるような素朴なものばかり。忠告された通り量が多くて田舎料理的である。グラスワインも数種類揃えていてご機嫌だ。

もっとも、どの料理もバケットにはかなわない。デザートも食べずに1階のパン屋に向かった。「遅くなると売り切れますよ」とアドバイスしてくれた店員は2階の売り上げを減らした。バケットを手に入れることが出来てホッとした。

バケット・レトロドールはパリ市主催バケットコンクールで10年間に7回も優勝した名品。ヴィロンではフランスのヴィロン社と独占契約した100%フランス産の小麦粉・レトロドールを使っている。日本で食べることが出来るのは渋谷の本店と丸の内の2店だけとのこと。

買ったバケットをお土産にして友人にあげた。その場でちぎって食べて、あまりに喜ぶのでまた買いに行かなければならなくなってしまった。嬉しいような悲しいような…

ブラッスリー ヴィロン
東京都渋谷区宇田川町33-8 塚田ビル2F
03-5438-1776


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2008年06月15日

コンビニのご当地おにぎり

旅の新たな楽しみを見つけた


偶然入った福岡のコンビニでかしわご飯のおにぎりを見つけた。福岡のうどん屋に入るとかならずかしわ飯のおにぎりが置いてある。昔福岡に住んでいたときに、母がよく作ってくれたのがかしわ飯だった。

夏休み中、町内会における旧暦の七夕祭りでの炊き出しも必ずかしわ飯だった。鶏肉とごぼうが入った味付けご飯は子供たちの大好物。もちろん銀髪もたくさん頬張った。
空港で買ったちょっと高級な華味鳥むすびよりも、コンビニの方がずっと美味しく感じた。

豊橋のコンビニで見つけたのは天むす。残念ながらこれはハズレ。名古屋大須の「千寿」の天むすに遠く及ばないどころかまったく別物。海老の天ぷらというより竜田揚げのような食感だった。天むすの名称は誰でも自由に使えるのだろうか。
千寿の天むすをイメージして買う人はがっかりするだろうし、天むすの名を汚すことにもなりかねない。「天おにぎり」とでもしてくれれば、充分満足できるお味なのだが。

富山ではます寿司を買った。良く見ると「ますの寿司」と間に「の」が入っている。ます寿司は商標登録されているのだろうか。あるいはます寿司のメーカーに敬意を表しているのだろうか。
確かに厳密に言えばます寿司とは異なるが、なかなかいい。マンテンホテルの朝食や、全日空の機内食で出たます寿司よりも上出来だった。
ますの寿司と一緒に買った甘海老のおむすびも美味しかった。

神戸のコンビニでもます寿司のおにぎりがあった。天むすも愛知県以外で売られているかもしれない。もっとも、おにぎりはコンビニがある地区のメーカーが作っているので、各地で味が微妙に異なるはず。

最近、地方出張の度にコンビニに入ってしまう。弁当売り場を見て回り、めぼしいものがないと首を傾げながら店を出る。そのうしろ姿を怪訝そうに見送るコンビニ店員。
我ながら妙な奴だと思う。

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2008年06月14日

[うどん平](福岡)

博多で一番おいしいうどん?


博多の麺と言えば豚骨ラーメンで今や全国区になった。うどんと言えば讃岐うどんを筆頭に稲庭うどん、氷見うどんなどが有名で博多の名前は出て来ない。
実際は戦後生まれで屋台が発祥のラーメンよりも、うどんの方が歴史も格も上だと思っている銀髪なのに、博多に来れば美味しいラーメン屋ばかり探そうとする。

ラーメンは若い料理人が革新的な味を作り出しているが、うどんはひたすら伝統を守っているように見える。かろのうろん、因幡うどん、川端うどんなど人気上位にある店はいずれも老舗と言われる名店ばかり。銀髪にとって、うどん平は馴染みのない名前だった。

外に並んでいると「暑いから中に入ってください」とおばちゃんが招き入れる。有名店によくある尊大さはまったくない。中には10人以上が雑然と立って待っていた。
外で待っている間に注文を取る店が多いが、中に入れてくれたお陰で客が何を食べているか観察できて良かった。

部下が「ここはえび天が有名なんですよね」と言う。「でも、ごぼ天も食べたいですよね」と重ねる。「両方入れればいいじゃないか」と銀髪が応えていとも簡単に問題は解決した。
他の客のオーダーを聞いても7割はえび天とごぼ天のセットで注文していた。残りの大半はえび天と他の天ぷらのセットである。

カウンターの中は戦場のようだ。手打ちのうどんを製麺機に入れる。包丁で切らないからか「手打ち風うどん」と書いてあるのが律儀に見える。グラグラ煮えたぎる大なべにうどんを入れる。熱々に茹で上がったうどんを水で洗う。素人がやったら間違いなく火傷する。
うどんのつゆは大きな徳利で湯せんしている細やかさ。客の注文に負けじと店の奥で天ぷらが揚がる。

テーブルで食べると博多でトップクラスのうどん屋と思うだろうが、カウンターで戦場を見た後食べるとトップと断言したくなる。
親切で丁寧なおばちゃん、真剣な調理場、美味しいうどん。今まで来なかったのは迂闊だった。

東京に戻って、福岡の行きたい店を自分でリストアップした紙を見たら、うどん平がちゃんと書いてあった。まったく思い出さなかったボケ頭がちょっと心配になった。


うどん平
福岡県福岡市博多区博多駅前3-17-10
092-431-9703

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2008年06月13日

[田無羅](福岡)

伊万里牛は美味かった!


部下が2回行ったと自慢する。福岡では肉より魚介類との気持ちが強いが、何より部下が自慢するのがムカついてこれまで足を向けなかった。グルメ番組で中尾彬が食べているのを見て行く気になった。

お通し、テールの塩焼き

看板料理の一つがテールの塩焼き。部下が嫌いと言うので小さめのテールになったのがいけなかったのかもしれない。中尾彬が食べていたのはもっと大きかった。味はいいのだが、身がポロリと離れないのが残念だった。「久米」の方がよく煮込まれて柔らかく大きかった。

フエ(韓国風刺身)、センマイ刺身

鯛の刺身は韓国風の味付けをされて悪くない。

塩焼きタン

部下が絶賛していたのが薄切りタンに野菜を包んで食べる料理。脂の乗ったタンをあっさり食べさせるアイデア料理である。あんまり褒めるとけなしたくなるのが人情だ。

ロース2種

幻のロースと書かれたものを2種類頼んだ。メニューにも書かれていない富士山と呼んでいるロースが出てきた。これを食べて本当に驚いた。おそらくこれまで食べたロースで一番美味しい。田無羅は特にロースにこだわっており、サシの入り具合により30種類もの肉の切り分け方を駆使しているそうだ。
肉は佐賀牛の中でも最上級の伊万里牛。陶器で有名な町でこんなに美味しい肉が肥育されていたとは…

ラーメン

最後に天草大王でだしを取ったラーメンを食べた。これもなかなか美味しい。意固地にならずに田無羅に来たのは良かった。東京の高級店に比べれば非常にリーズナブル。ここのロースは試す価値がある。


田無羅
福岡県福岡市中央区春吉3-22-29
092-715-4129

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2008年06月12日

[ストックホルム](赤坂)

スウェーデン料理のバイキング


昭和30年代前半、帝国ホテルが食べ放題のことをバイキングと名付けて世に広めた。そのモデルとなったのがスモーガスボード。スウェーデンなど北欧の料理なので、帝国ホテルは日本人が覚えやすい「バイキング」にしてしまった。今ではバイキングよりビュッフェの方が一般的になり、本家本元のスモーガスボードの呼称は脇にやられてしまったままである。

レストランストックホルムは日本で唯一のスモーガスボード専門店とのこと。前々から行きたかった店である。ようやく1700年代より伝わるスウェーデンの伝統料理・スモーガスボードを味わうことができた。

常時60種類以上の料理がある。スウェーデン料理の代表的なものがニシンを使ったもので、上の写真の皿の手前に6種類並べた。基本はマリネ・酢漬けで、これをマスタード、ハーブ、トマト、ホースラディッシュ、バルサミコ酢など色んなソースに漬け込んだものがある。

せっかくだから、お代わりの皿にもニシンを乗せて、スモーク鱈、スモークサーモン、グリーンランド産甘海老ボイルなどたくさん盛った。
2皿目をたいらげながら、テーブルの上に置いてあるスモーガスボードの食べ方・解説書を読んだ。

「スモーガスボードの食べ方には、スウェーデンの伝統的な様式があり、例えばお皿の数が多ければ多いほどマナーが良いとされている、などがあります。たくさんの料理を少しずつ味わっていくことが重要となりますので、一度にたくさんの料理を取らずに、お皿には少しずつ盛りつけていき、テーブルとスモーガスボードを何度も往復しましょう。」

今更分かってももう遅い。「お皿をたくさん汚したら、使う洗剤も多くなり環境汚染につながる。」と負け惜しみを言って自らを慰めた。

温かい料理もなかなかボリュームがある。白いソースをかき回してスパゲティにかけたら、丸ごとのホタテがごろんと転がり落ちた。

最後はチーズ。ノルウェーのゴートチーズ、デンマークのクリームチーズやブルーチーズなどを食べる。もちろんケーキやアイスなど甘いものもある。ここまで来ると腹が重くて動くのが嫌になる。

ホテルのバイキングと比べると、こじんまりした空間で最初は拍子抜けするが、内容はこちらの方が上と思う。海賊よろしく豪快にスウェーデン産のリキュール・アクアビット(生命の水)をあおれば、楽しさは倍増する。


レストラン ストックホルム
東京都千代田区永田町2-14-3 赤坂東急プラザ1F
03-3509-1677
http://www.stockholm.co.jp/

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2008年06月11日

[竹葉亭 本店](銀座)

ミシュラン一つ星の実力は?


竹葉亭の鰻は京橋店でよくご馳走になった。オーストラリアから一時帰国する度に今は亡きKさんに連れて行ってもらった。仕事上の恩義より、食い物に対する感謝の念の方が永続するのだから我ながら情けない。

本店に来たのは初めてで、建物を見ただけで雰囲気のある佇まいに身をただす。江戸末期の創業、離れの茶室と座敷は大正13年に建てられたという老舗の鰻屋。最近ではミシュラン一つ星の店として広く知られるようになった。

前菜、刺身、椀盛、

じゅん菜と海老の前菜、真子かれい・鯛・鮪3種(赤身、中トロ、大トロ)の入ったお造り。もちろんハズレはない。椀物の甘鯛もなかなかいいが、この日もっとも感激したのはお椀そのもの。飲み終わった後に蓋をしても隙間ができてきっちりと収まらない。今日のお客様が、湯気で蓋が取れなくならない工夫だと推理する。タイミングよく挨拶に来た品の良い女将に解を求めた。

実は器が薄いので熱い汁を注ぐとたわみ、蓋との間に空間が生じるとのこと。冷めればきちんとはまる形態記憶お椀だ。現在、このような器を作る職人はいなくなり、割れたら代わりはない。塗りなおしながら大切に使っているそうだ。たわむほど薄く削っただけに、今まで持ったことのない軽いお椀だった。

鰻白焼き

酢の物、野菜煮

14,000円のコース料理の中で唯一の選択制が上の2品。銀髪が酢の物を選んだら、お客様は野菜煮を指定した。「写真を撮るには違う方がいいでしょう?」とニヤリとする。よく分かっていらっしゃる。ご協力に感謝、感謝。

鰻蒲焼き、御飯、香の物、みそ椀

肝吸いがつくと思ったらみそ椀で意表を突かれた。

果物、菓子

お客様が最高級はダイヤモンド、次がクラウンとメロンの解説を始める。仲居さんに尋ねるとこのメロンはクラウン。さすがミシュラン一つ星、高級品を使っている。
果物、甘味のことを知らない銀髪にとって、彼が居てくれたお陰で勉強になった。90㎝を超える腹回りの代償に立派な知識を会得している。

人によっては偉そうに聞こえる電話の応対、一歩間違えばぞんざいに見える仲居さんたちの誇り高い接客。老舗の佇まいと風格。厳選された素材と品のいい料理、胃にもたれない鰻。そして類まれなお椀。
何をどう判定するか、気持ちは乱れた。

ミシュランに選ばれた店が一流なのは否定しないが、選ばれなかった店が劣るというわけではない。知る人ぞ知る、無数の地上の星たちに敬意を表したい。

竹葉亭 本店
東京都中央区銀座8-14-7
03-3542-0789

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2008年06月10日

[義市商店](神戸元町)

最後の砦、明石焼き


東の横浜、西の神戸。外国文化が深く根付いた街である。共通する名物料理は中華料理と洋食。今回は洋食を食べようと意気込んだ。

新神戸駅からタクシーで目的の「レストランハイウェイ」に向かった。谷崎潤一郎が愛した老舗。ところがトーアロードに店はない。電話も取り外されていた。どうやら移転してしまったらしい。でも慌てない。次の候補も調べてある。中華街近くの伊藤グリルに歩いて行った。店に入ると間髪入れず冷たく宣告された。「満席です!」

さすがにショックは隠せない。近くに他の候補はない。伊藤グリルに行く途中で一瞥した明石焼きの店に戻った。お腹はペコペコである。時計は1時を回り、他の洋食屋を見つけるまで可愛そうなお腹をなだめすかす自信はない。

大阪の家庭では必ずたこ焼き器があると言うが、明石焼は特別な焼き器があるのだろうか。いずれにしても、地元の人が昼食時に群がるとは思えない。予想以上にこちらは空いていた。銀髪がオーダーする前に先客が勘定をして、以後銀髪が食べ終わるまで貸切になった。

壁には辻本清美や巨人の村田捕手、元ボクシング世界チャンピオンの井岡などの色紙が貼ってある。もう少し人気があり、旬の芸能人を誘致した方がいい。宣伝になっているとは言い難い。

神戸牛のステーキと明石焼きのセット

お得だと言われた1,300円のセットの神戸牛はこちらも予想通りの薄さ。それでも味は悪くなかった。

予想外だったのは明石焼き。なかなか美味しいじゃないか。たこ焼きよりもたこの存在感がある。今まで食べた明石焼きの中では一番美味い。今までで一番お腹が空いていたのを割り引いても悪くないと思った。店がガラガラだったので期待しなかったのも良かったかもしれない。

勘定をしたら最寄の観光地図をくれた。よそ者とバレバレの銀髪だからという訳でもなさそうで、客の殆どが観光客だから機械的に出している感じもする。

目的の洋食は食べられなかったけれど、そこそこ満足した。レストランハイウェイや伊藤グリルに用意した予算をかなり下回ったのも良かった。めでたし、めでたしである。


義市商店
兵庫県神戸市中央区北長狭通3丁目1-1
078-331-7890


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2008年06月09日

[アカシア]③(新宿)

アカシアはドイツレストラン?


もちろん、あのロールキャベツの「アカシア」である。先日いつものようにロールキャベツを頼んだ後に、壁に貼られたメニューに目が釘付けになった。アカシアは定食屋とばかり思っていたが、どうやら認識不足だったようだ。

日を替えて再びやってきた。2階の禁煙席に相席を強いられた。混んでる時間帯で文句は言えない。大テーブルなので他の客もそれほど気にならないのが幸いだ。ほぼ同時に同じテーブルに座った若いカップルが定食を頼んだ。我々は君たちとは違うよ!

冷製ソーセージ、レバーパテ、燻製若鶏

前回、目を奪われた各550円のおつまみ類だ。もちろん飲むのはドイツビール。カッカッカッ! とてもご機嫌である。

グリーンサラダ、ポークソテー

サラダも量が多い。大テーブルのこちら半分が皿で埋まった。ポークソテーも来てさらに我が方の陣地が大きくなる。向かいのカップルが目を白黒していて愉快だ。ビールをお代わりしてご機嫌で笑い声を上げているうちに、いつの間にか前のカップルは食べ終えて消えていた。

観客がいなくなって失望していたら、若い女性が2人、奥の大テーブルに座った。「混みあうかもしれませんので並んで座ってください」と店員に促されたものの、一つ席を空けて仲が悪そうだ。しばらくしても会話をしないので、我々も店員も状況を把握した。たまたま一緒に店に入っただけらしい。

赤の他人が並んで座らされた不機嫌な気持ちも、定食を口に運ぶ頃にはおさまった様だ。居酒屋で女だけで盛り上がるテーブルを見ることは珍しくなくなったが、女性の一人メシは珍しい。しかも2人が一つ席を空けて、並んで黙々と食べている光景はちょっと奇妙に見える。

連れの話では珍しくないらしい。料理をすることなく定食屋や弁当で夕食を済ませる女性も多いそうだ。今や企業戦士は男だけではない。女性の地位向上や自立が当たり前になってきた。若い男性の女性化、女性のオヤジ化が言われ始めて久しい。
彼女たちもすぐに消えた。我々の向かいには3組目が座った。

ロールキャベツ、ビーフシチュー

定番のロールキャベツ、そしてちょっと気張ってビーフシチュー。もちろんご飯をもらうと日本的だ。
ソーセージなどでビールを飲んでいるとアカシアはドイツレストランだと思えてくる。定食屋のイメージに異を唱えることはしないが、商売とは別に秘めた誇りがあるように思える。

もっとも銀髪も定食屋扱いしていたのだから偉そうなことは言えない。ドイツレストランのようだと思ったのも、銀髪の勝手な思い込みに過ぎないかもしれない。


アカシア
東京都新宿区新宿3-22-10
03-3354-7511

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2008年06月08日

高知の二次会、三次会、…

たまには夜の観光案内


盛り場に必ずある夜の無料案内所、ガイドのアドバイスでいい思いをしたことがない。高知でも無料案内所に入る同僚に渋々従ったが、設置してあったコンピューターを使ったら動かなくなってしまった。案内所のオヤジから「壊した!」「直せ!」と詰め寄られて頭に血が昇った。「新手のたかり屋じゃないか」と返したら、今度は向こうが沸騰した。

オヤジが電話で応援を呼び始めたので、同僚に促されて店を出た。旅先で喧嘩をしてもつまらない。同じ思いをしてもらいたくないので、読者のために高知の夜の道先案内をしましょう。行ったのは追手筋近辺である。

昼に乗ったタクシーの運転手さんにお奨めのクラブを聞いた。出てきた店名は「サヴォイア」と「順子」。次に乗ったタクシーの運転手も同じ意見だった。2軒とも老舗の部類に入る。入り口で値段の交渉をして、ハウスボトルを飲めばそれほど高くない。
外から見ただけで中に入らなかったが、「こうじ家」の店員のお奨めはベストウエスタンホテルの2階にある「桜塾」。若い人たちにとっては老舗クラブよりもキャパクラの方が人気のようだ。時間制の店は他にもたくさんある。

クラブの後でお腹が空いたら「呑兵衛屋台」のシジミラーメンがお奨めとのこと。屋台といっても普通のお店。入ろうとしたが満席。ラーメン専門店ではなく、酒盛りしているテーブルが半数以上なので客の回転は悪そうだ。諦めて他のラーメン屋に行った。

暗くなるとちゃんとした(?)屋台も姿を現す。

まっちゃん、やまちゃん、虎吉

夜の蝶たちに一番人気は「まっちゃん」。確かに屋台の席やテントの椅子席はほぼ満席だった。ラーメンを食べている人が多いがお奨めは餃子。テント脇で黙々と餃子を包んでいるおじさんを見ると夜の蝶たちの話は信用できるようだ。食べたかったが、お腹が一杯で断念した。

ベストウエスタンホテルの前には甘党向けの屋台が出ている。子供のお土産にする人も多いだろう。
家で待つ奥さんのご機嫌をとることは難しいが、小さな子供を味方にすることはできるかもしれない。

旅行者を待っているのはホテルの空っぽの部屋。怖いのは翌日の二日酔いとメタボ腹だけだ。

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2008年06月07日

[こうじ家](高知)

土佐の高知の名物料理


珍しいものを好む銀髪と見向きもしないおやじ、どちらでもない部下の男三人で夕食となった。

お通し、平目の薄造り、じゃが芋とチーズの揚げ饅頭

フルーツトマトとチーズのサラダ、牛タンの陶板焼き

上の料理はもちろん銀髪がオーダーしたものではない。こうじ家は郷土料理以外にもいろんな料理がある。イタリアンのようものもあり、老若男女、地元の客、観光客、誰でもどうぞのお店である。

もっとも、オーダーしたおやじが気に入ったのは卵かけご飯のみ。我々酒呑みを目の前にして早々にご飯をかっこんで満足している。ここからは部下と二人の酒盛りとなる。

ニタリ鯨のお造り、ウツボのたたき

銀髪が選んだのは鯨、ウツボと土佐ジローの3品。

高知沖を回遊する鯨は体長10~13mの小型のニタリ鯨で、1970年代半ばは外洋と合わせると年1400頭以上捕獲されていた。現在は調査捕鯨で年間50頭しか捕れない貴重な食材であるが、食用よりもホエールウォッチングで観光客を魅了している。

ウツボは南日本に広く分布するが、食用にするのは和歌山県と高知県ぐらいしかない。鋭い歯で伊勢海老なども食べる美食家だから、外見に似合わず美味しい白身の魚である。

土佐ジローの炙り焼き

土佐ジローは高知原産で日本最古の日本鶏とも言われる土佐地鶏とアメリカ原産のロードアイランドレッドとをかけ合わせた一代雑種の鶏。小型で褐色、脂肪が少ないのが特徴。なかなか歯応えがある肉だった。

我々も酒はほどほどにして卵かけご飯を食べることにした。親鶏が小型なのだから卵もかわいい。付け合せの青海苔とねぎを乗せて、ザックリ混ぜて食べる。ちょっと濃い目の醤油がよく合う。

取りあえず高知らしいものをいくつか食べた。次回はゆっくり皿鉢料理でも食べたいものである。

土佐食人 こうじ家
高知県高知市廿代町7123 マツチヨビル2F・3F
088-875-1233
http://www.kojoiya.com

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2008年06月06日

[得月楼](高知)

高知を代表する料亭へ


陽暉楼と言えば聞き覚えのある人も多いだろう。原作は宮尾登美子、映画では池上季美子主演で話題になった。本は読んでないし、映画も見ていないので、てっきり遊郭の話かと思っていたが、土佐の花柳界を舞台に人間模様を描いたものらしい。

場所はよさこい節で有名なはりまや橋のバス停前。周りを見渡してもはりまや橋らしきものはない。入り口には観光客や一見さんを安心させるような看板が立ててある。

陽暉楼は明治三年に創業。他にもいくつか大楼があったというから、昔の高知は栄えていたのだろう。風格がある建物だが、往時の隆盛をうかがい知ることはできない。坂本龍馬は維新前に暗殺されているから陽暉楼を使うことはなかった。

弁当

名高い店なので事前に予約して行った。入り口の看板を知っていれば予約はしなかっただろう。しかし、予約していたお陰で座敷に通されて、美しい庭を堪能する間もなく、すぐに料理が運ばれてきた。

2,625円の弁当はかつおのたたきなどが入った立派なものだった。鯛でだしを取ったそうめんも美味しかった。
仲居さんのサービスも悪くなく、口コミで書かれているような悪いところは見当たらない。昼の弁当としては上等である。夜の豪華な料理が値段とつり合うのかは次の機会に検証することにしよう。

店を出たのがまだ12時を回ったばかりだったせいか、下駄箱を見ても他の客が入った気配はない。梅の季節には盆梅を観賞する客で賑わうそうだが、宴会シーズン以外は比較的空いているようである。表の看板に書かれているように、地元の人も観光客も気軽に利用したらいい。

店の前の交差点から見える大きなコンクリート橋を指して「あれがはりまや橋か!」と話していたら、地元の人に笑われた。親切に教えてもらった場所まで歩き、赤い橋を見て拍子抜けした。

よさこい節でかんざしを買う坊さんを、これまで生臭坊主と勘違いしていた。若い坊さんと娘の純愛物語と知ってこれまた己の無知を反省した。もっとも、坂本龍馬がいくつのときに暗殺されたか、タクシーの運転手も答えられなかった。高知が得月楼の頃の隆盛を取り戻すには、地元の人たちの地道な努力が必要なのかもしれない。

オーストラリアに住んでいたとき、外国人に日本のことを正確に伝えられなかった自分を思い出して、ちょっと恥じた。自分の国や町の文化を話せない人を誰も尊敬はしない。


得月楼
高知県高知市南はりまや町1-17-3
088-882-0101
http://www.tokugetsu.co.jp/indexl.html

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2008年06月05日

[業平屋]③(両国)

蕎麦屋で日本酒を


旧店舗の改築に合わせて向かい側の仮店舗へ。新店舗完成により元の場所に戻る。仮店舗は息子夫婦のイタリアンに衣替え。業平屋の過去数年は大きな変革期だった。
今日は久し振りの業平屋だ。子供を背負った長男が店に入ってきて大将夫婦に初孫が出来たのを初めて知った。変革期をうまく乗り切ったようで喜ばしい。

「いい酒が入ってますよ!」店が変わっても大将の台詞はいつも同じだ。大将は飲めないくせに日本酒にこだわりがある。
連れのIさんは〆張鶴の限定生酒を注いでもらう。銀髪には「善知鳥」を持って来た。

「栓が開いてる奴から片付けてあげるよ!」と言ったが、大将は譲らない。「田酒の限定品ですから飲んでください、どうせすぐに開けるんですから」と言われれば拒む理由はない。

田酒は明治11年(1877年)創業の青森唯一の酒蔵・西田酒造が生んだ純米の銘酒だ。生産量が少なかく手に入りにくかったこともあり超人気の酒になった。
善知鳥は5月下旬に地元中心に限定発売されたもので、東京で置いている店は少ない。青森県で開発された酒米「華想い(青系140号)」を使った大吟醸で、青森に数々の伝承がある善知鳥(うとう)の名を冠する。華想いは田酒の百四拾にも使われている。こちらは純米大吟醸である。

今日の肴はくらげと野菜の和え物、宮崎県産のふぐ一夜干しなどなど。業平屋ではメニューにないものでも女将さんに頼めば美味しい家庭料理を食べることができる。もっとも、銀髪には蕎麦味噌があればいい。

いつもは我々に付きっ切りの大将だが、今日は一人客に日本酒の講釈をたれるのに忙しい。グルメ本「庶民シュラン」に掲載されてから、新規の客が増えているらしい。

善知鳥の次ににごり酒、洗心などを奨められるままに飲み過ぎてしまった。それでも以前の酒量の半分程度なので、売り上げへの貢献も3割減といったところだろうか。節度のある飲み方をする自分を自分で褒めてやった。

ところが2軒目がいけない。連れて行ってもらった店にキープされていたマッカラン30年が銀髪の理性を奪った。酔った頭は自制心を失い、3軒目に行くことを要求した。足は素直に命令に従う。口に酒を運ぶ腕はロボットのように規則正しい。かくして、翌日後悔することになる。日本酒もスコッチも美味しい酒は危険である。


業平屋
東京都 墨田区亀沢2-8-7
03-3622-7978

以前の記事
「業平屋」
「業平屋」その2

田酒 西田酒造
http://www.densyu.co.jp

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2008年06月04日

[串亭](代々木)

代々木を忘れてもらっては困る


渋谷→原宿→新宿。料理屋を探すとき何故か代々木は飛ばしてしまう。串亭の住所は渋谷区代々木なのに、新宿代々木店と新宿の名前が入って独り立ちできない。可愛そうな代々木さんだ。

代々木駅を降りて西にしばらく歩くと左手に串亭が見える。カウンターは余裕ある席の配置で心地よい。代々木の立地のなせるわざか。女性も好みそうなきれいな店だ。奥にグループ向けのテーブル席がある。接客係の男性店員の応対が素晴らしい。オーナーではないかと勘違いするほどだった。

お通し(野菜スティック、まめあじ煮こごり)

他の串揚げ屋と同様に、順番に揚げてもらってお腹が一杯になったところでストップする。最初のアスパラの大きさにびっくりした。お通しとアスパラでかなりお腹が膨らむ。

アスパラ

嫌いなものと特に食べたい物はスタート前に申告する。嫌いなものはないので、食べたいものフォアグラ、蓮根肉詰、稚鮎を指定した。フォアグラと稚鮎は280円の高級品。カレー味の蓮根肉詰は安い230円。串揚げの値段は原則2種類。

フォアグラ、蓮根肉詰、稚鮎

フォアグラのフライは初めて食べた。ソテーが一番なのは変わりないが、これも悪くない。稚鮎のフライも初めて。腹の苦味は天ぷらや塩焼きと変わらない。

ほたて、えびしそ、きす、子持ち(ししゃも)こんにゃく、いか、ささにら(鶏ササミとにら)、さわら大根
2串ずつ、食べ終わる頃合をみはからって出て来るので、思った以上に食べた。新宿の立吉や串の坊ほど種類は多くないが、どうせ全種類食べられるわけではないので適当だ。
串揚げ以外のメニューもそこそこあるし、女性好みの飲み物も充実している。

「串の房より上だよ!」と言うと、店員も料理人も嬉しそうだった。女性には間違いなく串亭の方が落ち着くだろう。

実は一番気に入ったのは野菜スティックに付いて来た肉味噌。日本酒によく合う。お通しがいい店は悪くない、というのも銀髪が店を評価する重要なポイントである。
代々木も捨てたものではない。

串亭 新宿代々木店
東京都渋谷区代々木1-53-4 田尻ビル1F
03-5304-8723

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2008年06月03日

[ウノ]⑤(日本橋)

より上を目指して


ドアを開けると「やっぱり銀髪さんでしたか」と迎えられた。「予約の名前を見て、みんな色めき立ったんですよ」と続く。さりげなく本名を告げて予約を取ったので、みんな期待してくれていたらしい。社交辞令にしても嬉しいものだ。もっと喜ばしいのはスタッフの顔ぶれが約1年前と殆ど変わっていないことだ。店が繁昌しているだけでなく、上手くいっている何よりの証である。

おまかせ2種

以前は自家製のトマトを出してくれたが、隣の農家にも契約栽培してもらうようになったそうだ。盛況ぶりはこんなところにも表れている。夜も予約が取れない店になって久しい。

アスパラのアッレッソ、サルティンボッカ

「メニューは変わりましたか?」と聞くと、「私どものような店は変えようがありません」とオーナーの福山さんは相変わらず謙虚だ。ゴルゴンゾーラとマスカルボーネチーズのソースで食べさせる2種類のアスパラ、シチリアのマルサラワインを使ったソースで食べさせるサルティンボッカ(牛肉の生ハム包みマルサラソース仕立て)など、新メニューの研究にも余念がない。

ゴルゴンゾーラのピザ、ねぎのピザ

研究熱心な2代目のことを嬉しそうに話す福山さんだが、やはり主役はピザである。今日初めてのメンバーも居たので大好きなゴルゴンゾーラのピザを食べさせていつもの台詞。「どうだ!耳が美味いだろう?」
「変わったピザを、薄い生地で」と頼んだら、初めて食べたねぎのピザ。即興で作れるのも福山さんならではだろう。オーナーが獅子奮迅の働きをしてこそのウノである。

チーズの盛合せ、デザート

「パスタの店か、ドルチェの店を開こうと思っているんですが、いい場所が見つからないんですよ」と嘆くので、「この店だって場所はいいとは言えませんよ」と言うと福山さんは苦笑した。美味いものを作り、誠意をもって客に応対すれば、立地の悪さは克服できることを福山さん自らが証明したはずである。

今、開店して間もない頃の閑散とした夜のウノを思い出すのは難しい。しかし完成度が高くなるほど気紛れで飽きやすい客を満足させることは厳しくなってくる。ライバル店も次々と現れて来る。

ウノの更なる発展を期待したい。言う必要はないだろうが一言。「ゆめゆめ油断召さるな、福山殿!」 


UNO ウノ
東京都中央区日本橋本町1-1-8 共同ビル1F
03-3548-9161

これまでの記事
「ウノ」
「ウノ」その2
「ウノ」その3
「ウノ」その4

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2008年06月02日

[丸港水産](新宿3丁目)

安くて煙たい店


キャッチバーだけでなく、飲食店の呼び込みにも乗ってはいけない。過去2年半で約700軒に行った銀髪が得た教訓である。禁を破ったのは声をかけてくれたのが若い女の子で、しかも外から店内が丸見えだったためである。

外から見た1階の店内はほぼ満員だった。案の定、通されたのは2階の座敷席。空席は僅かしかなかった。海の家で炭火焼を食べるのがこの店のコンセプトのようだ。窓を閉め切った2階は1階から昇ってくる煙も加わって、客が燻製になりそうである。

「瓶ビールはありますか?」「はい、大瓶ですがよろしいですか?」
いいスタートだ。プレミアムモルツの大瓶が580円。料理が多少不味くても許してあげる。

あの頃のハムカツ(380円)、刺身5種盛り(1,980円)

炭火焼の他に、懐かしい味もこの店のコンセプトの一つ。年配の人にとって懐かしい味も若い人にとっては新しい味かもしれない。
刺し身も悪くない。余ったら焼けばいいと思って大きめの刺身を頼んだが、殆どそのまま食べてしまった。

活帆立殻焼き(480円)、イカ漁師焼き(480円)

焼くのはセルフサービス。銀髪はもちろん上手に焼いて捌いてあげた。隣の若者は彼女の前でいいところを見せようとするが四苦八苦。ポトンと音がしたので横を向くと、帆立が畳の上を転がっていた。

ウインナーも懐かしの味。空豆もさやのまま焼いた方が美味しい。

赤いウインナー(280円)、しいたけ(280円)、空豆(580円)

ワンカップの純米酒(450円)を飲み、ホッピー(セット400円)を飲んだ。ワンカップの種類をもっと増やしてくれれば有難いが、贅沢は言えない。

多摩川の河川敷を走ると、バーベキュー花盛りである。オーストラリアに居たときは数家族集まって、よく公園でバーベキューをやったものだった。気軽に盛り場でのバーベキューも悪くはない。

そこそこお腹を満たして店を出た。銀髪の燻製が出来る一歩手前だった。


丸港水産
東京都新宿区新宿3-12-12 吉田ビル1・2F
03-5367-2377

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2008年06月01日

[すし三崎丸](祖師谷大蔵)

回転寿司とどちらがいいか


子供が大きくなり、家族全員が揃うことは稀になった。平日は銀髪のせいなのは明白である。もっとも、銀髪がいない方が平和のようで、痛し痒しである。
休日に日頃の罪滅ぼしにちょっと気張って寿司屋にでも行こうと提案すると、いつも却下される。回転寿司がいいと言われて今度は銀髪が渋る。酒の肴も限られるし、混雑していて落ち着かない。双方の妥協したところがすし三崎丸だった。

ほたるいか、生しらす

あおりいかのげそ唐揚げ、焼き筍

旬の食材も結構取り揃えており、日本酒を飲みたくなる。回転寿司に比べると酒の品揃えもいい。純米酒や吟醸酒も各種あり、ちゃんと冷蔵庫で出番を待っている。



寿司をオーダーするのは銀髪の役目である。大トロなど一部を除いて2個240円均一のお手頃値段。たくさん食べようと思って「しゃり少な目」と頼んでも、希望が叶えられたとは思えない。職人の手に収まる量は長年の経験から固定されてしまっているのかもしれない。

いかは数種類を食べ比べできるし、聞いたことのない貝もある。安いからといって馬鹿にしたものではない。
すし三崎丸は関東一円に49店舗ある。持ち帰り寿司・京樽の一業態だということは、ホームページを開いて初めて知った。一度は経営破たんして上場廃止になったけれど、吉野家の子会社となり再建を果たした。助けた吉野家も再建組なのが面白い。

以前は寿司屋ではつまみや刺身ばかりでお腹を膨らませていたが、寿司中心だと酒も少なくて済む。刺身が減り、酒量が減るとお代も減る。おまけに身体にもいい。
そうそう、次の日の酒も食事も美味しい。52歳になってやっと気付いた好循環。お財布も身体も健康である。

http://www.kyotaru.co.jp/misakimaru/misakimaru.html

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