家庭料理もいろいろある
「あれっ? 変わったな、この店」とKさんがちょっと驚いている。足が遠のいてしまったのはKさんだけではなかったのだろう。店は創業11年目にリニューアルオープンし、高級店から家庭料理中心の低価格店に姿を変えていた。
店の奥に架かった大型液晶テレビではスポーツ番組が流れている。どこか変だと思って眼を凝らすと、チーム名が韓国語で書かれている。左隣で鍋をつつく若者3人は韓国語を話している。ラフな格好の若い店員たちも韓国人。まるでソウルに居るみたいだ。
メニューの文字は日本語と韓国語。和牛焼肉のページは一瞥しただけで飛ばし、家庭料理を探す。メインはカムジャタン(ジャガイモの鍋)に決めた。すかさずKさんがキムチとケジャンを頼む。韓国語もポンポン出て来る。大したもんだ。中国でも韓国でも食べるのに困ることはないだろう。
キムチは浅漬け。ケジャンは先日の吾照里より濃い味で辛いが、悪くない。
じゃがいもの他に骨付きの豚肉が入っている。味が少し薄い気がしてケジャンのタレがたっぷりついた蟹の甲羅を鍋にぶち込んだ。それを見て韓国人の店員が肉のだしが濁るから止めた方がいいと忠告する。一度は従って甲羅を鍋から出したが、思い直して再度鍋に移した。日本式寄せ鍋では肉も魚もごちゃ混ぜにする。味が交ざって何が悪い。
Kさんは豆腐は絶対あるはずだから追加しようと言う。豆腐を分からせるのには苦労した。発音が微妙に違う。具を足すシステムはないようだが、Kさんの要求に店員も素直に応じてくれた。
思ったとおり鍋はさらに美味しくなった。Kさんと二人で日本人の知恵を自慢する。伝統や習慣という高い壁も、他国人なら軽々と超えることができるから面白い。ソウルでは練りわさびを鍋の薬味に使う店があった。アボガドの鮨・カルフォルニアロールなども日本人には考え付かない。
写真は撮り忘れたが、ジャガイモのチヂミも食べたので満腹。それなのにKさんがさらにビビンパを頼むからびっくりした。60歳を超えるのに、銀髪より遥かに健啖家である。尊敬してしまう。
たくさん食べる人がいると、食事は一層楽しくなる。特に鍋は2人より3人、3人より4人である。
Kさんの表情を見ていると、以前の韓国館より大衆的になった今の方が気に入っているようだ。韓国人や韓国通の日本人も、ソウルの料理屋を思い出してしまうような店である。
韓国館
東京都新宿区歌舞伎町2-41-8 植木ビル1F
03-3232-2989
投稿者 銀髪 : 2008年09月01日 07:45
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