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2008年10月31日
[葡萄酒サッカヴァン]④(四谷)
ワインを飲むならやっぱりこの店

なんとなくワインが飲みたくなった。肩肘張らず、リーズナブルにグラスワインを飲むならサッカヴァンがいい。大好きな店なのに、なんと1年半振りの訪問である。予約のために電話を手にしたが、ちょっと考えていきなり行くことにした。
店に入ると初めて見る店員が迎えてくれた。ちょっと失望して客席を見渡し、キッチンに目をやったところでようやくオーナーの杉本さんを見つけた。目が合うと、驚いた顔をしている。この瞬間のために電話をしなかったのである。あー楽しい。
自家製スモークサーモン、自家製鶏のハム

サッカヴァンのいいところはオーナーの探究心。前に食べた自家製のポークハムやソーセージには感心させられた。今回も新作に挑戦した。サーモンもハムもワインによく合う。
本日のグラスワインは白が5種類、赤が9種類。最近ではボトルではなくグラスワインを数種類飲むことにしているので、サッカヴァンは選択肢が多くて嬉しい。
自家製コンビーフ、アンチョビのスパゲッティ

コンビーフもいい出来だ。ときどきテーブルにやってきて杉本さんが説明してくれるのが楽しい。最後にスペイン産の赤ワインを頼んだら、「以前飲まれたのと同じメーカーのものです」と言われて驚いた。確かに前にもスペイン産のワインを飲んだ。こちらが忘れているのに大した記憶力である。
ワイン4杯の代金が7,300円、料理4品の値段が4,350円。ワインを飲みに来たのだから当然の結果だろう。料理に重きを置くのであれば、新鮮な肉や魚の立派な料理もある。今はキノコ類も美味しい。
いつ来ても銀髪にとっては落ち着ける店である。不思議なことに時間はゆっくり流れているように感じるのに、時計を見ると信じられないほど時を刻んでいる。チーズでもう一杯と言いたいところを我慢して勘定をした。
常連客のように振る舞い、常連客に対するようににこやかに応じてくれる。せめて半年に1回くらいは来ないと罰があたりそうだ。
葡萄酒サッカヴァン
東京都新宿区愛住町4-1
03-3358-7650
http://www.sacavin.jp/
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2008年10月30日
[美々卯](京橋)
うどんすきは美々卯の登録商標

京橋の美々卯に最初に来たのは10年ほど前である。大きくて立派な店なので長い間本店だと思い込んでいた。美々卯が大阪で200年以上の伝統を受け継ぐ老舗であること、うどんすきが美々卯の登録商標であることを知ったのは道頓堀の今井へ行ったのがきっかけだった。グルメ紀行のお陰で予習復習をするようになったので食い物の知識はどんどん膨らんでいく。
煮穴子、にしん、そば寿司

Tさんが煮穴子とにしんを、銀髪がそば寿司を頼んだ。うどんすきが有名だが、石臼挽きの自家製粉したそば粉で打ったそばも捨て難い。遅い時間に入って「売り切れました」と言われたことがあるので、ついつい頼んでしまう。

昭和3年に先代・薩摩平太郎が考案したといううどんすき。名前も彼がつけたそうだ。道頓堀今井では「うどんすき」ではなく「うどん寄せ鍋」と呼んでいたので不思議に思って調べたら、うどんすきが美々卯の登録商標だと分かった。
良識ある今井とは違い、杵屋が「杵屋うどんすき」と名付けたものだから、美々卯が訴えた。結局、平成9年東京高等裁判所が「うどんを材料として魚介類、鶏肉、野菜類等の各種の具を合わせて食べる鍋料理」として普通名称化されていると結論付けた。そのため今では誰でも「うどんすき」を使えるようになった。美々卯は敗訴を悔しがるより「うどんすき」の名称がひとつの商品名から料理の名前として認められたことを喜ぶべきかもしれない。

美々卯のうどんすきで注意することは、活き車海老をつまんだまま熱湯の中で成仏させることである。放っておくと飛び跳ねて熱湯が飛び散ることになる。隣席では仲居さんが老夫婦に丁寧に教えていたのに、我々のところには来なかった。無視されたのか、常連と思われたのか分からない。
美々卯のうどんすきは美味しい。茹ですぎてもうどんがくたびれないのもいい。「麺を追加しますか」と聞いたら「腹一杯」と答えたTさんも、ゆらゆらと鍋の中で誘ううどんを見たら箸がのびてしまう。食べ過ぎてしまうのが、うどんすきの困ったところである。
美々卯 京橋店
東京都中央区京橋3-6-4
03-3567-6571
http://www.mimiu.co.jp/
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2008年10月29日
[瓜](渋谷)
いい店見つけた!

「今日は生牡蠣を食べるぞ!」と、渋谷のオイスターバーをネットで調べて行った。ところがビルの袖看板に目指す店の名はない。ビル違いかと行ったり来たりしたがやはり見つからない。
仕方なくオイスターバーの後釜と思われる店に入った。「和食とワインの店」の看板文字に期待して。
照明を落とした雰囲気のある店内。キッチン奥に炭火の焼き場。カウンターの左上にはワイングラスがぶら下がる。ここまでは看板どおりだが、棚には森伊蔵、村尾、魔王の芋焼酎3Mを筆頭に有名焼酎が並ぶ。日本酒も純米酒を中心にいい品揃え。ムクムク興味が湧いてきた。
お通し、椎茸の炭火焼

お通しに帆立と金目鯛の寿司が出てきて意表を突く。これがなかなか美味い。小さい店の割にメニューは豊富で驚く。鮮魚、薩摩地鶏、岩手県産地鶏・高原豚、佐賀県産大豆を使用した豆腐、無農薬有機野菜、珍味。何を食べるか随分と迷った。
野菜の中で自慢の素材は椎茸とアスパラと言う。今のアスパラはオーストラリア産なので、国産の椎茸を頼んだ。その椎茸を一口食べて連れが驚きの声を上げる。「原木?菌床?」ここまで相手をしてくれていた店員は質問の意味を分からず、選手交代。「原木です」と板長が答える。原木栽培した栃木産椎茸は香りが良くて秀逸だった。粘り気のないさらさらした柚子こしょうが気になる。美味すぎる。
薩摩地鶏もつ盛合せ、銀杏

鶏肉はいつものように刺身でチェック。美しい。薬味はショウガ、ニンニク、柚子こしょうの3種。柚子こしょうが美味い。「大分産?」と聞いてみたものの自信がない。答えは鹿児島産。おばあちゃんが手作りしているもので、普通の店では手に入らないらしい。やはり市販の瓶詰め柚子こしょうではなかった。肉がなくなった後も柚子こしょうを残して酒の肴にした。
銀杏は思ったとおり藤九郎。随所にこだわりがある店である。
田楽、豚バラ肉の塩焼き

豆腐も豚も自慢するだけある。脂身の多い豚も塩味が効いて美味しい。再びの柚子こしょうが嬉しい。
メニューにはなかったが、お通しの寿司が美味しかったので〆も寿司を握ってもらった。鯛、ひらめ、白いか、甘海老。なめこ汁がとびっきり熱くて飲むのに苦労した。

日本酒の値段がちょっと高めなのが痛いが、料理にはとても満足した。居酒屋と割烹の間の料金で、いい素材を使って上手く調理している。近いうちにまた来よう。いい店見つけた!
瓜
東京都渋谷区道玄坂2-23-13 渋谷DELIタワー8F
03-5459-3068
http://www.shibuya-uri.com/
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2008年10月28日
[梵](入谷)
普茶で厳かな誕生会

今年も誕生会を開いてくれた。銀髪の都合で遅くなってしまったが、今年も誕生日が7日違いのKと2人合同で祝ってもらった。感謝、感謝である。
店を選ぶ際に「フチャ料理でよろしいですか?」と聞かれ、「何でもいいです」と答えた。お茶会で出される食事らしい。Kに「今日はフチャ料理らしいよ」と言うと「中華ですか?」と勘違いしている。どんな料理かは見るまで謎のままにしておいた。
入谷と言えば鬼子母神が有名だが、梵は鷲神社(おとり様)の近くにある。11月には熊手を買う人で賑わう。あいにくの傘がうっとおしい日だったが、茶室もある古い日本家屋は雨の夜がよく似合って風情がある。
4人部屋の個室に入ると、既に小垪(前菜)が置かれ、横に献立が置いてあった。

ふり仮名を読むと中国語のようでもある。Kの予想は当たらずとも遠からずだ。精進料理に見えるが鮑や雲丹の文字が気になる。店の女性に聞いたら、精進料理と思ったのは正解だった。約3百年前に京都の万福寺を建立した中国・明の隠元禅師が伝えたものらしい。普(あまね)く、衆に茶を供する等の意味がある。店の雰囲気共々厳かで、ハッピーバースデーを歌う気分にはならない。



鮑に似せた麩、雲丹も本物ではない。挽肉団子に見えるものは大豆が原料。スモークチーズではなく豆腐の燻製。次から次に料理が出て来る。献立は月毎に季節の料理が加わるが、半分は定番の料理らしい。それでも若い店の女性が淀みなく料理の説明をするのに感心した。
「いつもは満室になるの?」と聞くと「そうでもありません」と正直だ。大小8室あるが、予約制なので飛び込みで入ってくる客はいない。さすがに酉の市の時は賑わうようだ。


野菜だけでは体が干からびてしまいそうなので、揚げ物も適当に混ざる。精進料理を食べる人も本当は魚や肉、油っぽいものを食べたいはずだ。そのため野菜類を使っても、見た目や食感、味は肉類に似せるのではないかと思った。いやいや、我々のような俗人に食べさせるために工夫しているのだと言われれば返す言葉はない。
毎日は辛いがたまには精進料理もいいものだ。楽しい誕生パーティーが終り、静かな余韻に浸りながら店を出たところで、Kの顔が輝き始めた。「銀髪さん!次の店でシャンパンを飲みましょう!」の明るい声で、一気に俗界に引き戻された。
竜泉 梵
東京都台東区竜泉1-2-11
03-3872-0375
http://www.fuchabon.co.jp
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2008年10月27日
[たる善](札幌)
地魚を食べるならやっぱり寿司屋だね

「すし善」「さい藤」「政寿司」など、これまで行った中から選べば美味しい魚が食べられることは分かっている。「すし善の板さんが銀髪さんはどうしているの、と言っていましたよ」と部下が促すが、他の店を探すことにした。たくさんの店に行くのがグルメ紀行の使命である。
まだ5時を過ぎたばかり。これはと思う店で受け容れてくれたのはたる善。7時半までの条件付だが2時間あれば充分、帰りの飛行機の出発時間に丁度いい。カウンターに座り、板さんにこれまで行った札幌の寿司屋の名前を上げると、たる善のオーナーはすし善の出身と教えてくれた。店名に善を付けることを許されているなら味は保証付だろう。
板長の大坂さんと名刺交換。たる善一筋15年で板長に登りつめた。従業員が長く働く店はいい店に違いない。若い店員たちの真摯で緊張した面持ちも店の質の良さを証明している。
地物を中心にお任せした。

ホッキ貝 毛かに ぼたん海老、シャコ、すみいか、銀杏、さんま、玉子焼き、鱈の白子、鯨の舌、白老牛と続く。まだ混み合う前だから大坂さんをほぼ独占状態。料理が出て来るのもスムーズだ。
スミイカは捌いた後も動いている。死後硬直前の身は柔らかく、ゴロ(わた)も鮮烈で美味い。ぼたん海老や白子の下敷きになった昆布も焼いてくれた。玉子焼きは何とも言えない風味がするので質問したら、牛乳入りとのこと。近海で獲れたミンククジラのタンや北海道産の白老牛が出てきたのには驚いたが、地物には違いない。嬉しい驚きである。
ひらめ、大トロ、ししゃも、鮭児、炙りきんき、いくら、うに、にしん、穴子

「大トロは築地市場から?」と大坂さんに問いかける。築地の中卸し・石宮から仕入れるすし善と同じかと思ったが、地元の松前からと教えられた。地元でも立派な鮪が手に入るようだ。珍しいししゃもの寿司。脂が乗った炙りきんき。東京の高級寿司屋なら一貫2,000円もする寿司好き垂涎の鮭児。うまいうまい。

最後に漬物、網走湖の大しじみ。〆に北海道ならではのにしんの寿司。腹一杯だが穴子を忘れていた。塩と煮ツメで食べさせるのがたる善流。
部下と共に生ビールと冷酒を3合ずつ。大坂さんとの会話も楽しく飲みすぎた。勘定が心配だったが、銀座の半額ぐらいの印象である。部下に乗せられてすし善に行かなくて良かった。いい店見つけた。
たる善は来月に移転する。「店を新しく立派にしたら、値段は上がり味が落ちるのが通例だよ」と意地悪を言った。「そんなことはありません」と若い店員がムキになる。たる善なら間違いはないだろうが、次回チェックしに行こう。あー、次の出張が楽しみだ。
たる善
(現住所)札幌市中央区南5条西4丁目クリスタルビル1階
(新住所)札幌市中央区南4条西3丁目2-6
011-511-4484
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2008年10月26日
[麺屋 三四郎](札幌)
札幌でトップクラスの人気ラーメン店

戦後生まれの食品でもっとも発展したのはラーメンだろう。戦後の屋台などから発展したラーメンは中国料理の麺類とは異なる日本独特のものである。その後、1958年のインスタントラーメンの発明で国民食となり、昭和40年代初めに札幌ラーメンがご当地ラーメンの先鞭をつけた。
ご当地ラーメンがある街に行くと一度はラーメンを食べる。北海道、しかも札幌なら札幌ラーメンだろうと思うのが銀髪の浅はかさ。口コミランキングでトップクラスにある三四郎が旭川ラーメンと知ったのは東京に戻ってからだから間が抜けている。

言い訳がましくなるが、入店してすぐに少し妙だと思った。メニューに並ぶ料理の順番が醤油から始まる。札幌ラーメンなら味噌のはずだ。限定潮(しお)ラーメン、限定豚(とん)とろラーメンなんてわざわざ限定をつけているのでますます混乱した。メニューの最後には吟醸味噌ラーメンが一段上げて目立っている。どれも美味しいと言いたいのだろうが、一食限定で食べに来る旅人にはどれを選んでいいか分からないのは辛い。
結局、吟醸味噌ラーメンを頼んだ。味玉入り。後から入ってくる客が醤油ラーメンを頼む。次の客も醤油ラーメン。オーダーを変更しようかと迷うがもう遅い。見上げると吟醸醤油ラーメンの札が目立つところに一枚だけ貼ってある。これには勇気付けられた。

不思議な味の味噌ラーメンだった。豚骨ラーメン味噌味のような感じだが、味噌の香りが強くない。札幌味噌ラーメンとはまったく違う味で戸惑った。限定潮ラーメンも評判がいいらしいが、いずれにしても他にない独自の味が三四郎をラーメン屋ランキングの上位に押し上げているのかもしれない。
食べ終わってしばらくはゲップをすると味噌の匂いが駆け上がってきた。あー、あれはやはり味噌ラーメンだったんだと思った。東京に帰ってしばらくすると、また食べたいと思うようになった。
戦後生まれのくせに日本の国民食になったラーメンは、そのときどきの若い料理人たちによって変貌し続けている。確立された伝統の味がないために、自由な発想を受け容れることができる。ラーメンは大した奴である。
麺屋 三四郎
北海道札幌市中央区南八条西13-3-35
011-511-0346
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2008年10月25日
[ヨコイ](名古屋)
ようやく行った元祖あんかけスパゲッティ

「このまま東京に帰っていいですか?」午前中のミーティングを終えたところで部下に宣告された。気の弱い銀髪はノーとは言えない。それでも「一人で帰れるもん」と突っ張って名古屋に一人残った。思案の末に名古屋名物あんかけスパゲッティのヨコイに行くことにした。
今まで何度か食べたことがあるあんかけスパゲッティだが、元祖と言われるヨコイは初めて。ヒルトンホテルのロビーでPCを開き場所を調べたら何のことはない、定宿の国際ホテルのすぐ近くにある。もっと早く来ればよかったと後悔した。
12時過ぎたら一杯になるだろうと思ってヒルトンから必死で歩いた。首尾よく5分前に到着したものの、既に満席で徒労だったと知る。しかし、回転がいいので直ぐに座れた。「ミラカンと海老かつ」と入り口のボードを思い出しておばちゃんにオーダーした。
活気がある店だ。メニューを見る客は殆どいない。水を出す、注文を聞く、サラダを置く、おばちゃんたちの動きは軽快だ。カウンターの向こうの料理人も動きに無駄がない。50人以上も客が居るのに、料理が運ばれてくるまでそれほど長くかからなかった。

一口食べてさすが元祖、満席の理由が分かった。名古屋駅前で食べたものより数段美味い。とろみがついたソースは跳ねやすいので慎重に食べた。隣の客は紙のエプロンをして、さらにおばさんにスプーンを求めて念には念を入れる周到さ。銀髪もおばさんに声をかけようかと思ったが、面倒なので行儀のいい男たちを嘲るだけにした。いわば負け惜しみだ。
ミラカンとはミラネーズ(ベーコン、ハム、ウインナー、マッシュルーム入り)とカントリー(ピーマン、オニオン、マッシュルーム、トマト入り)を合わせたもので、もっとも代表的な料理である。海老かつは予想と違った形だったが、とても美味しかった。ブヨブヨに茹でられたスパゲッティは、思ったほど絡まらず弾力もなかったのでソースが跳ねてワイシャツを汚すこともなかった。見たか!エプロンもスプーンも入らないんだよ!
客は次々に入ってくる。店を出て、階段を下りたところで立て看板をパチリ。階段を上ろうとする3人連れのおじさんたちが不思議そうに見ている。そう言えば若い女性客が意外と少なかった。たまたまだったのかもしれないが、相席が当たり前の店は女性には辛いだろう。
銀髪は満足した。一人でも寂しくない。銀髪を見捨てて東京に戻った部下にヨコイのことを教えてあげよう。我ながらなんて優しい上司なんだろう。
ヨコイ
愛知県名古屋市中区栄3-10-11 サントウビル2F
052-241-5571
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2008年10月24日
[あつた 蓬莱軒]②(名古屋)
個室で会席料理&誕生会

「誕生パーティーをやるから来てよ」と言われてノコノコ名古屋まで行くことになった。場所は元祖ひつまぶしで有名な熱田神宮そばの蓬莱軒。昼間に来たことはあるが夜は初めて。もちろん個室で会席料理も初めてだった。
みんなが揃ったところで「あのー、私も先週誕生日だったんですが…」と銀髪が言うと、「あー、それならついでにおめでとう」と乾杯された。嬉しいような悲しいような。

小鉢がいくつか続いた後に伊勢海老と鮪のお造りがデーんとお出まし。伊勢海老は一人一匹ずつの豪華版。捌く前に4匹を皿に盛って見せてくれたが、部屋を出たところで飛び跳ねて仲居さんたちが大慌てで取り押さえるハプニングとなり大笑い。触角を折ってしまった一番元気な伊勢海老は主役の腹に納まった。

飲んだお酒は熱田神宮に奉納する草薙。老舗料理屋は日本酒に無頓着な店が多いが、蓬莱軒のこだわりは御奉納酒ということらしい。有難くももったいないが、上質な酒とは言い難い。嬉しいような悲しいような。

予想に反してうなぎ以外の料理もしっかりしたものを出す。それでも蓬莱軒に来たのだからうなぎを食べたい。店も心得たもので、肝焼き、う巻き、白焼きを他の料理の間に挟む。

最後にひつまぶしと行きたいところだが、コースの最後は一人ずつ出て来る会席まぶし。量を抑えても定番の3種類の食べ方をするために薬味やだし汁を用意してくれる。腹具合を考えればちょうどいい量だが、何だか嬉しいような悲しいような。どうせならひつまぶし由来のように大きなお櫃に持って来てくれたら盛り上がっただろう。分け合って、取り合って、食べる方が楽しい。

場を盛り上げてくれたのは部下がトイレで見つけた妙な貼紙。クリスマスの逆だからスマスリク?何のこっちゃ。いくら推理しても適当な答えが見つからない。仲居さんに聞いたら12月25日は石川五右衛門の命日で、逆さに貼っておくと泥棒除けになると言う。「キリスト様は五右衛門の生き還りでは?」なんて馬鹿なことを言う奴が居る。時代錯誤するほど飲ませてしまったのかもしれない。
イヤー、楽しかった。ついでに誕生日を祝ってもらえたし。良かった良かった。料理も美味しかった。しかし、やっぱり蓬莱軒ではうなぎを食べたい。特に肝焼きはもっと食べたい。おっきなひつまぶしを食べたい。
餅は餅屋、うなぎ屋はうなぎが主役。他の料理はうなぎの脇役に徹して出しゃばる必要はない。
あつた 蓬莱軒
愛知県名古屋市熱田区神戸町503
052-671-8686
http://www.houraiken.com/
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2008年10月23日
[あきば]⑤(八重洲)
長い日本列島の周りには豊かな海の幸がある

店に入ると「今日は遅いですね」と女将さんがにこやかに迎えてくれた。カウンターの中の大将が仕事をしながら笑いかける。遠方より来る友を待っている間に7時を回ってしまった。いつも座る奥の席は占拠されていたので、大将のまん前ど真ん中の席に座った。
お通し

しめさば、ひらめ、かつお、関アジ、つぶ貝

千葉県富津のさば、青森のひらめ、気仙沼のかつお、関アジは言うまでもない。お任せの後は釧路のつぶ貝、愛知のみる貝。大将の口から淀みなく産地が出て来る。「愛知のどこ?」と突っ込むと手が止まる。大将の律儀な性格が滲み出てくる。ど忘れする齢頃なのはお互い様だ。
カウンターの上にあるあきば名物の貝類。今日は大きなさざえ、つぶ貝、みる貝がデンと鎮座している。「実は貝が大好きなんですよ」と言われて、どれか一つだけのつもりがつぶ貝とミル貝の二つを頼んだ。ミル貝の写真は撮り忘れてしまった。
かんぱち

カウンターの中央に座ったときから気になっていたのが何かのカマ。「これ何ですか?」と聞いたら、大将が待ってましたと言わんばかりの表情。尾鷲(おわせ)産の6.5キロの天然釣りかんぱちだとのこと。「触ってみてください」と言われて従った。弾力があるというより固い。刺身と塩焼きで食べた。あー、シ・ア・ワ・セ!

今日のお客様O氏は酒を飲めないので早めに寿司に移った。すみいか、まぐろづけ、サーモン、いくら、えんがわ、うに、きんき、煮あなご。炙って旨みを増した網走産きんきが特に美味い。やはり魚も肉も少し火を通した方がいい。O氏は平目のえんがわに感激していた。いつも食べているのはカレイのえんがわかも。
O氏は仕事が終ると毎日家に直行するそうで、奥さんに同情してしまう。オーストラリアに住んでいた頃、毎夜家で夕食をとる銀髪に妻は「お金出すから週1~2日は飲んできてくれ」と懇願したものだった。「夫婦円満の秘訣はできるだけ顔を合わさないこと」と友人は言う。けだし名言である。

しじみと玉子焼きを食べてお開きに。2次会に誘ったがあっさり断られた。家で待っている奥様が気になるのかもしれない。我が家だったら「何でこんなに早いの?」と怒られてしまう。なんて幸せな夫婦だろう。 どっちが?
あきば
東京都中央区八重洲1-4-10
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2008年10月22日
[ルメン](新宿歌舞伎町)
天然酵母を使った新宿で一番美味いナポリピザ

ネット上で評判がいいピザの店を探したらルメンが出てきた。住所を打ち込み、現れた地図を見て首を傾げた。いつも近くを通るけれど、イタリア料理屋があったか思い出せない。どうせ空いているだろうと思って行ったら甘かった。週末はさすがに混んでいる。週初に出直したら思惑通り席を確保できた。
ルメンがある道は、区役所通りからちょっと外れるので人通りが少ない。間口が狭く、小さな店内を外から覗いても、美味しい店とは思えずいつも素通りしていた。
生牡蠣、カプレーゼ

厚岸産の生牡蠣、ナポリ直送のモッツァレッラチーズとフルーツトマトのカプレーゼ。店員のお奨めに素直に従った。いくつか料理を奨めて、最後に「当店の自慢料理はピザです」と強調した。言われるまでもなくピザを食べに来たので他の料理で腹を満たすつもりはない。
生ハム、トリッパ

生ハムは涼しくなってきたので再開したばかりというだけあって味も香りも文句なかった。脂の乗りが程よい。牡蠣、チーズとトマト、生ハムの3品を食べて厳選素材を使っていることは良く分かった。料理の腕も見たいのでトリッパを頼んだ。シンプルな料理が多い中で、トリッパはちょっと手間暇かかる。煮込み具合がちょうど良く、味も良かった。
マルゲリータ

他店と比較するならシンプルなマリゲリータに限る。天然酵母を使った生地もしっかり味わえるだろう。薄い生地とモチモチした食感の縁がナポリピザの特徴だが、ルメンの生地は他店のものより少し固く、しっかりしている。もっと大きな違いは香り。連れはハーブのような匂いがすると評していた。今まで食べたピザの中でも一番美味しいとのこと。相手が喜んでくれれば銀髪も嬉しい。
グラスワインの品揃えやサービスに注文をつけたいところだが、ピザ屋と割り切れば問題ないだろう。店員が「ピザを食べてください」と強調したのも良く理解できた。ナンバーワンは一つあれば充分といったところだろうか。
ラ・ピッツェリア ルメン
東京都新宿区歌舞伎町2-8-3 最上ビル新宿1F
03-3205-1207
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2008年10月21日
[たん良]⑥(赤坂)
名店の味を記憶に留めたい

料理屋ではたん良が当ブログ最多出場を誇る。過去3年で800軒以上で夕食をとったが、依然として好きな料理屋トップテンに居る。そのたん良から葉書が来た。季節柄「松茸が入りました」「天然ふぐ始めました」などの案内が多いので、たん良なら「まる鍋始めました」かなと思ったら違っていた。
ご主人の体調不良のため12月26日を以って店を閉めると書いてある。驚いたのなんのってすぐに電話をしたら女将さんが出てきた。早速行くことにした。もちろん既にまる鍋は始まっている。
お通し、刺身盛合わせ

たん良は季節ごとに異なる料理以外は殆どメニューに変化はない。従って行く度に違うお通しは楽しめる。もっとも定番の料理が中心といっても、種類が多いので一度に食べきれるわけではない。
鯛の皮、松茸フライ、かぶら蒸し

初めての人には必ずかぶら蒸しを頼んであげる。伝統の料理をいつも客の記憶どおりの味に仕上げる腕にはいつも感心する。ご主人は、薬を飲んでいないので味覚は研ぎ澄まされたままと嬉しそうに笑う。針による治療と休養でゴルフができるまでに体力は回復してきたという。
藤九郎、土瓶蒸し、稲穂

松茸がたっぷり入った土瓶蒸しは、これまで食べたものとは別物と連れが感嘆する。鯛の皮、藤九郎銀杏、揚げた稲穂、初めての人は誰でも喜ぶ素材、技術、遊び心である。
まる鍋、卵

雌のすっぽんだったそうで、卵を食べる幸運に恵まれた。鍋に入れると熱ではじけるので慎重に慌てて食べる。
「ご主人が休養中に丸なべが食べたくなったらどの店に行ったらいいんですか?」と聞いたが答が返ってこない。「治ったらまた店を再開します」の言葉を信じて待つしかなさそうだ。
壁にかかる銀髪の名が書かれた提灯を記念に持って帰ってくださいと言われたが、「年内にまた来ますよ」と断った。閉店まで2ヶ月余もあるというより、たった2ヶ月しかない。いろいろな思い出と共に、名人の味をしっかりと記憶に残していきたいものだ。
赤坂 たん良
東京都港区赤坂3-7-15
03-3586-1914
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2008年10月20日
[グット ドール](銀座)
金色の滴り

君嶋屋、君嶋屋、横浜君嶋屋とMさんが言う。キミシマと言われてもデザイナーぐらいしか思い浮かばないが、どうやら有名な酒屋のようだ。横浜の酒屋が銀座にワインバーをやっているから行こうと言われてその気になった。
日本橋から銀座4丁目の店まで歩いた。やっと着いたところでホッとするわけには行かない。店のドアを開けるには狭くて急な階段を3階まで上らなければならない。軽快に上りきった銀髪をMさんがゆっくり追いかけてきた。

カウンターを左に見ながら窓際の奥の席を目指した。ビールで喉を潤したところでワインのメニューをもらった。常時10種類のグラスワインが用意されている。味比べを出来るのは嬉しいが、値段は正直だと分からされるのはちょっと辛い。料理が出て来るまで胡麻パンスティックやパンを肴にする。
ブーダンノワールのテリーヌ、サラダ、海老とイカのソテー・プロヴァンス風

料理も楽しめる。しかし、フランス料理屋やイタリア料理屋のメニューは本当にわかりにくい。ブーダンは豚の血と脂肪で作ったもの。ノワールは黒の意味で、フランスのギャング映画をフィルムノワールと言ったことを思い出させる。プロヴァンス風とは トマト、にんにく、オリーブオイルをたっぷり使った料理のこと。
トリップの煮込みニース風、鴨もも肉のコンフィ、チーズ盛り合わせ

トリップは牛の内臓肉でイタリア料理ではトリッパというもの。ニース風とはトマト、オリーブオイル、アンチョビなどを入れて作られた料理、コンフィは玉葱などを煮崩れるまで炒めたもののこと。フランス在住歴6年のKも料理の説明は上手くない。ワインの味は分かると言うが、値段を見れば彼の評価は必要ない。
全ての種類を飲んだ頃にはカウンターの半分以上が埋まった。全て女性である。途中で若い男がワインを2杯飲んですぐに帰った。我々は場違いな客だったかとバーテンダーに尋ねたら、いつでも大歓迎と言ってくれた。それはそうだ。これだけ飲み食いする客は居ないだろう。
因みに店名のグットは滴り、ドールは黄金の意味とMさんが教えてくれた。フランス語の予習をして行けば、楽しみも倍増するのは間違いない。
グット ドール
東京都中央区銀座4-3-5 銀座ハトリビル3F
03-3564-7218
http://www.goutte-dor.com/ginza
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2008年10月19日
ジャパニーズウイスキー②
日本のウイスキーも安くない

外国の弁護士事務所からパーティーの招待状が届いた。いつもはそのままゴミ箱行きになるのだが、余興としてウイスキーの試飲会をするというので行くことにした。サントリー響30年の抽選会をやるというのも魅力だった。
六本木のグランドハイアットに設けられたパーティー会場は思ったより空いていた。主催者の弁護士事務所は顧客である日本の金融関係者に欠席が多かったのに失望したに違いない。大荒れのマーケットではパーティーどころではなかった人も多いだろう。
宴たけなわになった頃、試飲会が始まった。真っ先に駆け寄って、トップを切って響30年をゲットした。次いで外国人たちが寄ってきた。バーテンダーにどれを飲んだらいいか聞こうとするので銀髪が手伝ってあげた。

「外国人のくせに、ウイスキーのことも知らないのか」という調子で説明する。こちらがジョークを飛ばすと、たちまち打ち解ける。日本人の殆どは顔見知りとしか話さないが、パーティー慣れした外国人は輪の中に気軽に入ってくる、輪の中に誘ってくれる。実に愉快だ。
サントリーの響30年はブレンデッドウイスキーで10万円もする。4種類の中でもっとも高価な酒である。さすがにまろやかで飲みやすい。
ピュアモルトの竹鶴は複数の蒸留所のモルトウイスキーをブレンドしたもの。
余市と宮城峡は単一の蒸留所のモルトのみを使ったシングルモルト。余市が約2万円。竹鶴と宮城峡は熟成年数が違っても値段はほぼ同じの約1万円。シングルモルトの方が希少価値があるからだ。

バランタイン30年を正式な輸入代理店であるサントリーから買えば8万円だが、免税店や並行輸入品を扱うディスカウントショップなら3万円前後。日本のウイスキーは割高のようだが、世界的に評価も高くなっている。安かろう悪かろうは遥か昔の話だ。個人的には余市20年が一番美味かった。
客が少なかったお陰で4種類を2回ずつ飲んで、最後に余市を飲んだ。満足満足。別れの握手をした外国人たちから、銀髪先生とおだてられますます気分が良くなった。
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2008年10月18日
ビックエコー
歌に専念するビッグエコー
「カラオケ屋に行こうか」と誰からともなく声が出た。いや、ウソをつくのはよそう。言いだしっぺは銀髪である。約15年前も銀髪がKに声をかけた。以前勤めていた会社で、女性たちを慰労するために企画した。忘年会などで無理やり2次会に連れて行かれ、カラオケ屋でホステスの役回りを強制される女性たちが可愛そうだったからだ。1次会からカラオケ屋に直行し、2~3時間歌い続けて憂さを晴らしてもらった。
男は銀髪とKの二人で、女性は2~3人。3ヶ月に1回程度開催して、新曲を2曲覚えてくるノルマを課した。スピッツ、ディーン、ワンズなどの新曲を覚えて得意気だった銀髪はまだ30代後半。あの頃ぼくは若かった。
八重洲、日本橋周辺にカラオケ屋は多い。選んだのは仲通りに面したビッグエコーである。選んだビッグエコーの裏手に和食居酒屋の系列の楽蔵があり、そこから料理が運ばれると思ったためだ。ビッグエコーは昨日紹介したTOMPOOYAの他にも色んな飲食店を経営している。
メニューを見て楽蔵とは連携していないことがすぐに分かった。それでも料理が運ばれてくるまでは、他のカラオケ店よりは美味いのではないかと期待したが、有難いことにカラオケに集中することを促すかのような料理ばかりだった。


Kさん、Kちゃん、K。銀髪以外はイニシャルにKがつく。KさんとKと銀髪の50前後の重鎮たちに混じってKちゃんが花を添えてくれた。
カラオケ屋を利用するのは若者ばかりかと思っていたが、Kさんがビッグエコーのメンバーズカードを持っていたのには驚いた。もっとも大先輩のM氏は、70歳代の仲間たちとカラオケ屋で会合するという。完全個室で料金も安いからで、歌いたいわけではないそうだ。
カラオケを楽しむなら4人ぐらいがちょうどいい。歌を探している間に順番が回ってくる。食事をしたいならビッグエコーは避けた方がいい。料理が美味しいカラオケ屋もあるはずだ。1次会、2次会を同時にやってさっと帰る。
憂さ晴らしには大声で歌うのが一番いいが、食事のお陰でフラストレーションが溜まっては意味がない。
http://www.clubdam.com/be/
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2008年10月17日
[TOMPOOYA(東風家)](渋谷)
アジア料理なんでもござれ

渋谷スペイン坂はいつも活気に溢れている。通行人の多くは若い人なので歩くスピードは早く、話し声も大きく明るい。そんな若者たちを相手にする飲食店もユニークだ。ビルを見上げて雰囲気が良さそうだったので飛び込んだのがTOMPOOYAだった。
店内は個室風の部屋が並ぶ。カーテンで通路と仕切られており、足元は見えるので完全な個室ではない。それでもプライベートな空間は維持されて心地よい。カラオケのビッグエコーの系列店だけに個室中心の店造りはお手の物なのだろう。
お通し、飲茶盛り合わせ

揚げパンのような、コロッケのような、不思議なお通しが店を象徴している。最初に来たのが飲茶盛り合わせ。無難なスタートである。
3種類の春巻きプレート

生春巻きや揚げ春巻き。甘辛いタレ。多分ベトナム料理なのだろう。ちょっと違うような気もするが悪くはない。
サテー盛り合わせ

インドネシアなどマレー圏の代表的な料理のサテー。シンガポールや日本のインドネシアレストランで食べるものと全く違う。盛り付けも味も上品である。初めて食べる人は美味しく思うだろうが、本場のサテーを食べたことがある人は違和感を持つだろう。
タコライス

日本もアジアの一部であることは否定しない。日本代表として登場したのは沖縄名物タコライス。まあ、こんなものだろう。
敢えて各国の料理を並べてみた。もちろん一国の料理で統一する方法もある。カップル向けの小部屋の他に小パーティーができる部屋もある。トイレに行くついでに店内を見渡すと2家族合同で誕生パーティーをやっていた。主役は幼稚園児のようで、盛り上がっていた。
中国、タイ、ベトナム、インドネシア、韓国、日本などなど、色んな料理を揃えた妙なお店。食通は目を剥くかもしれないけれど、子供たちは喜んでいる。考えてみれば日本の家庭も似た様なもの。お母さんは世界各国の料理を作れるスーパーシェフなのである。
アジアンダイニング TOMPOOYA(東風家)渋谷スペイン坂店
東京都渋谷区宇田川町13-7 KOYASUビル4F
03-5459-2622
http://www.clubdam.com/dkdining/index.html
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2008年10月16日
[いいかげんや](新橋)
いい、加減、かな ?

いきつけの店がある人は頼もしい。S氏を誘うと必ず「いい店を知っていますよ」と返ってくる。常に新しい店を探さなければならない銀髪にとってこんな楽なことはない。焼き鳥激戦区の新橋で、彼が推薦する店となれば嫌でも期待してしまう。
お通し、刺身

店はすぐに見つかった。すでにS氏は奥の席で待っていた。座るとすぐにS氏が予約時に頼んでいた刺身が出てきた。白レバーを含む鳥の刺身をたべれば、焼き鳥の味は食べる前から保証されたようなものだ。


1本150円からというお手頃値段で美味しいとなれば店は一杯になる。S氏はカウンターを予約したかったようだが、奥の2人席で仲良く食べた。カウンターでなくても店主が料理を運んではだべっていくので楽しい。常連のS氏のおかげだ。


それにしてもSはよく食べる。肉ばかりでお腹が一杯なのに今度は野菜を頼む。不思議なものでこちらも負けずとオーダーしてしまう。鳥ばかりでは飽きるので豚バラ。ノスタルジックにハムカツ。琴線に触れるのが上手な店だ。

もう終りだろうと思ったらまだ頼むS氏。つられて追加注文をする銀髪。気の置けない相手との食事は楽しいが、身体に悪い。お腹が悲鳴をあげる。
激戦区で毎日席を満たすのは並大抵ではないだろうが開業して既に7年。問屋を通さず直接仕入れているので、素材は新鮮でしかも安いというのが人気の秘密だろう。
店名にオーナーの性格が表れている。ユーモアがあって、元気で、自信満々といったところだろうか。「いいかげん」という言葉は銀髪も好きだ。「いい」にアクセントを置く。風呂の温度をみて、いい(湯)加減というのと同じ。ちゃらんぽらんではなく、ちょうどいいという意味で使う。
値段、味、サービス、雰囲気。合わせて「いい、加減」の店である。
いいかげんや
東京都港区新橋4-20-9
03-3434-2911
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2008年10月15日
[しょう助](新宿三丁目)
庄助グループの高級店

庄助には焼き鳥、おでん、個室ダイニングなど数種類の店がある。先日行った焼き鳥「庄助」はおやじ御用達の典型的な大衆居酒屋。今回行ったしょう助は多分グループの最高級店で、庄助とはまったく趣が異なる。
テーブル席は気の置けない相手となら接待にも使える雰囲気で、もちろんカップルにも受けそうだ。彼らにとって最適なのはゆったりとした窓際のカウンター席だが、景色は期待できない。二人の世界にひたるにはうってつけかもしれない。
お通し、日替わり三種盛合せ、豆腐

内装だけでなく店員のユニフォームもサービスの質も庄助と異なり格段にいい。その分お値段も随分違う。料理は止むを得ないとしても、日本酒は割高に感じる。
鶏のたたき、茜鶏もも唐揚げ

茨城県筑波産の茜鶏。ちょっと上の店らしいメニューも豊富だ。庄助とのコストパフォーマンス比較ばかりしてしまうが、他の同種の店と比べたら悪くない。大衆店の庄助が支えてくれるおかげだろう。
せいろそば

しょう助の一番のウリは十割蕎麦。それを食べなければいけないと思うから、腹八分目のところで他の料理を頼むのを止めてしまった。若いときならば腹一杯飲んで食べて〆にそばを食べただろうが、今は無理をしなくなった。店の戦略は客によっては裏目に出てしまうこともある。
庄助としょう助。これだけ違うと優劣を決めるのは意味がない。どちらが好きかと問われれば、答えは簡単である。どちらが生き残れるか予想するのもたやすい。
庄助としょう助。同種の競合店と比べるとどちらも悪くないと思う。
酒・魚と十割蕎麦 しょう助 sono
東京都新宿区新宿3-32-10 T&Tビル7F
03-3356-1818
http://www.shousuke.jp
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2008年10月14日
[小はれ日より]④(銀座)
今日は小はれ日よりではなく満天(満点)の星

「上海蟹の紹興酒漬けがちょうど食べ頃になっています」電話の向こうの大川さんの笑顔が見える。グルメ紀行を書くためには好きな店ばかり何度も行くわけにいかないが、小はれ日よりは複数回訪れた数少ない店だ。それでも昨年の5月以来の訪問。変わらぬ歓迎ぶりが嬉しい。
薬膳スープ、上海蟹の紹興酒漬け

お決まりのスープの後に今日のトップスターのお出ましである。他店より多目の紹興酒で約2週間漬けたと言う。卵が濃厚で美味い。もう上海蟹の季節になったかと感慨にふけった後、言葉少なにむさぼり食った。
小はれ日よりにメニューはない。予約のときに予算や好みを伝えておけば、オーナーシェフの高橋さんが腕をふるってくれる。まるで懐石料理のように少量多品目の料理を味わえる。



楽しいのは料理だけではない。高橋さんの絶妙なトークも魅力だ。「あかしやです」と出された皿の上にはさんまが乗っている。ジョークと気がついても、素知らぬ振りして説明させると照れて汗を掻く高橋さん。笑いは最高の調味料でもある。
蒸し上海蟹、フカヒレと牛アキレス腱のスープ

前日に予約を入れていたので銀髪のために特上の配慮があった。食べやすいように上海蟹の身をほぐして殻に詰めておいてくれたのだ。酢としょうがで味付けされてとても美味しい。
上海蟹の配慮に感激していたら、もっと上の料理が出てきた。銀髪のために長時間煮込んで用意したというスープ。鶏がら上湯スープがベースだそうだが、今まで味わったことがないような複雑な味である。長時間煮込んだことにより素材から染み出した味のハーモニーで、特別な味付けはしていないという。スープのとろみは牛のコラーゲンによるもので、片栗粉などは使っていない。何とも不思議で濃厚な味に唸り、黙り込んでしまった。高橋さんのしてやったりの顔が憎い。
ピータン入り麻婆豆腐、デザート

看板料理のいつもの麻婆豆腐が出てきて再び宴は賑やかになってきた。「今度は1週間前には電話くださいよ」と言う。銀髪に何を食べさせるか構想を練る時間を楽しむと言ってくれる。一流の料理人が銀髪の顔を思い浮かべながら料理を用意してくれるなんて、これ以上ない幸せである。
勘定を払い、席を立ち、喜びを噛み締めながら、「今日はまいりました」と言って頭を下げた。あらためて料理人に愛される客でいたいと思った。
美食同源 銀座 「小はれ日より」
東京都中央区銀座1-15-8 銀座耀ビルB1F
03-3538-0554
http://www2.odn.ne.jp/kohare/
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2008年10月13日
[中国茶房8]②(六本木)
サソリや北京ダックだけじゃない!

中国茶房・六本木店に来るのは2回目。恵比寿店も合わせると3回目になる。「恵比寿店」では看板料理の北京ダックの前にサソリを食べた。北京ダックは前回の「六本木店」でも食べた。皮を削ぎとった残りも炒め物とスープにしてくれて3,680円。宴会もいいが、休みの日は家族で行っても喜ばれるだろう。
ジャガイモ千切唐辛子炒め

ビールのつまみに680円のジャガイモ炒めを頼んだ。辛そうだったので思わず選んでしまったが、ビールを飲みながらメニューを吟味してちょっと後悔した。そして、今日のテーマを決めた。
メニューを見ているのは銀髪のみ。サソリでもヘビでも構わず頼む銀髪である。二人の部下は何を食べさせられるか戦々恐々かも知れない。

まだ6時を少し過ぎたところなので、まだガラガラである。それなのに予想に反して料理が揃うまでちょっと時間がかかった。6品を並べて、写真を撮って、さあ、これからお楽しみだ。全部でいくらでしょう。
答えは840円。水餃子が一皿105円。ピーナッツとあわび茸が各210円。ホームページによると餃子は店の点心師の手作りだそうだ。安いので中国からの冷凍品と勘違いしてしまった。餃子は30種類もあるが全部食べても3,150円。これだけでお腹一杯にしたら店の人に睨まれるかもしれない。
最初の水餃子を食べた部下が飛び上がらんばかりに驚き、大袈裟に口をゆがめた。彼が口にしたのは唐辛子の餃子だった。唐辛子、トマト、きゅうり、ニンニクの芽と頼んだものは変り種ばかり。ゲテモノでなくとも驚かせることは出来る。実に愉快である。
210円の料理もたくさんある。酒の品揃えがイマイチだが、中国人経営では仕方がない。まだまだ中国人は酒には無関心のように見える。酒の質は富のバロメーターでもある。
北京ダックもいいが、105円と210円のおつまみでも悪くない。但し、餃子は3個ずつなので、3人もしくは3の倍数で来ることをお奨めする。まるで世界のナベアツだね。
中国茶房8 六本木本店
港区西麻布3-2-13 コートアネックス六本木2F
03-5414-5708
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2008年10月12日
ハワイのマクドナルド
10年で世界は変わった

「昼飯はマクドナルドに行こう!」嫌がる我が永年のパートナー殿を説得した。グルメ紀行を書くために是非ともマックに行かなければならない。話の種が必ずあるはずだ。
メニューを見てパートナー殿が首を傾げた。ビッグマックが4ドル19セント、フィレオフィシュが3ドル79セントもする。随分長い間日本でもマックに行ったことがないのですぐに比較できない。それでも11年前にハワイで食べたときは、日本より安いイメージだった。

セットメニューにパイナップルがついてくるのがハワイらしい。フィレオフィッシュは大きさも味も日本と変わらない。ポテトも同じ。コーヒーはスモールサイズなのに日本だったらMサイズの大きさだ。
日本に戻って早速東京駅地下街にあるマックを覗きにいった。ビッグマックが320円、フィレオフィッシュは270円。1ドル=100円で計算したら日本の方が約3割安いことが分かった。為替は11年前とそれほど違いはない。これほど差がついたのは日米両国の景気のせいと思われる。過去11年間で米国は消費者物価指数が約3割上昇した。対して日本はほぼ横ばいで、11年間のうち6回は消費者物価指数がマイナスというデフレ環境にあった。
日本が不況にあえいでいた時に、米国は好景気を謳歌していた。しかし、その間に米国は物価高となり、日米商品価格は逆転してしまったようだ。
卵12個入り3ドル89セント、ミルク1リットル入り3ドル35セントなど、食料品の殆どを米国本土から運んでくるハワイの物価は高い。常夏の島の住人たちは、夫婦共働きは当たり前で、夜間はアルバイトをして生活費を稼ぐらしい。リゾート地に居ながら働きづめというのは皮肉な話である。
地獄の沙汰も常夏の天国も、金次第ということだろうか。
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2008年10月11