« 2008年11月 | メイン | 2009年01月 »

2008年12月31日

年越しそば

最後に食べるのは今年もそば

年越しそばはいつ食べるのだろう。大晦日のニュース番組を見るといつも同じ疑問が湧き上がる。

我が家がずっと先祖伝来の風習を守ってきたかと問われれば、すぐに首を振る。両親が4年以上海外在住だった時、自らが7年半オーストラリアで勤務していた時、伝統は途切れ変質した。

日本に帰ってきてから10年以上、我が家では年越しそばを紅白歌合戦のフィナーレの時に食べ始める。海老の天ぷらを揚げ、そばを茹で、つゆを作る。この作業を11時半から15分で終えるのは銀髪の仕事だ。これも今年は止めて、晩ご飯に食べようと思っている。

通勤電車がガラガラになった日、クラブ順子に行った。お腹を空かして行っても順子は割烹田村を併設しているので心配ない。シェフが代わり、スリランカカレーは食べられなくなったが、必ず何か出してくれる。この日、店のNが用意してくれていたのがかも南蛮そばだった。

「年越しそばです」と出してくれたそばを美味しくいただいた。長時間仕込んでくれていたらしく、鴨の味がしっかり出た美味しいつゆだった。くたくたになったネギの見映えが悪いけれど、我々の顔を浮かべながら作ってくれたそばが不味いわけがない。

翌日、昼に再び近くの蕎麦屋へ行った。年越しそばのつもりはない。前日の酒が残っているにもかかわらず、昼前から飲んだために胃もたれしていたからだ。思ったより盛りが多い立派なそばで、思惑が外れた。おまけにビールを飲んで焼け石をまた焼いた。

鴨せいろを食べるときにいつも思うのだが、鴨肉を二つに噛み切ろうとすると脂身がはがれて片方についてくる。脂身に切れ目を入れてくれたらもっと美味しく食べられるのに残念だ。順子の肉の方が一口大で食べやすかった。

これだけそばを続けたら、細く長く達者で暮らせるだろう。或いは、一年間の苦労を切り捨て、来年の幸運が約束されるかもしれない。

何はともあれ、みなさん、よい年をお迎えください。

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月30日

[油山山荘](福岡)

ふぐの白子は日本一


ANAホテルに油山山荘から紹介を受けたタクシーが迎えに来た。ホテルから20分強の道のりを間違えずに行けるタクシーが少ないためだ。街の灯りが乏しくなるにつれて、東京の知り合い、大金持ちの食通が日本一と絶賛するふぐ白子への期待が膨らんでくる。

宿泊もできるだけに料亭というより旅館のような建物。着物を着た老女将が出て来るかと思ったら、迎えてくれた女将は思ったより若い。部屋に案内して、我々の面倒を見てくれたのは美しい若女将だった。「お父さんに似たんだね」と言うと全員大笑い。お客様も銀髪も部下も、みんな既にご機嫌である。

付け出し、煮こごり、身皮

「天然とらふぐは身と皮の間が筋肉のように発達する」と出されたのが身皮。梅肉で和えた身皮はなるほど歯応えがあって美味しい。

刺身

「天然ふぐは味があるので、福岡の人はねぎを巻かないで食べるんですよ」と若女将が言うと素直に従う。ねぎはおろか、ポン酢をつけずに食べても味がある。ひれ酒が美味い。

最後の数枚を譲り合っていたら、昔なら身酒にしたもんだとお客様が言う。遊び人だったのがばれると恥ずかしがるので、銀髪がつぎ酒を頼むことにした。若女将に「身酒にしたいんだけど」と言うと、「ハイッ」と笑みを浮かべた。油山山荘は多くの粋人に支えられているようだ。熱々のつぎ酒にふぐ刺しをしゃぶしゃぶして食べた。

唐揚げ、白子

身がたっぷりついた唐揚げを食べていると、お目当ての白子がお披露目された。ここぞとばかりやって来た女将が誇らしげに説明する。滅多に入らない特大の白子とのことで、銀髪も初めて見る大きさだ。小さいのが刺身にされ、大きいのは焼かれる。

白子刺し、白子酒、白子焼き

初めて食べた白子の刺身、初めて飲んだ白子酒。他ではなかなか味わえないものも良かったが、やはり秀逸だったのは白子焼き。何とも言えない香りが立ち上ってくる。食通が日本で一番と言うのも頷ける。

てっちり、雑炊

ピンク色が美しい。身も厚くてボリューム満点の豪華な鍋だ。腹一杯だが食べ続けた。雑炊も逃さない。銀座だったら一人前で4万円ぐらいはしそうなコースが半分以下で食べられるのは、柳橋連合市場の西本が女将の実家だから。地元の名士のお客様も西本と聞いて納得していた。その名士を初めて連れて来たのが東京から来た我々だったのが愉快だ。

刺身、唐揚げ、白子、鍋、雑炊、みんな美味しかった。ひれ酒、身酒、白子酒、旨かった。元気な女将が楽しませてくれた。また食べたい。飲みたい。会いたい。もちろん一番は若女将かな。


割烹御宿 油山山荘
福岡県福岡市城南区東油山147
092-871-5034
http://www.aburayama.co.jp

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月29日

[アディング・ブルー](南青山)

美味しいものはレストランで学ぶ


「外でよろしければ…」「寒くはないんですか?」わずかなやり取りだけで、行くことに決めた。年末の忙しい時期、評判のいい店はどこも一杯なので贅沢は言えない。

店内はガラガラだったのに、わずかな期待はかなわず予定通り外に連れ出された。店の前に立てられたテントは電気ストーブと灯油ストーブで温められていたが、足元には冷たい空気が居座っていた。

シューブレッドとオリーブ、もち豚の自家製ハム

パンも自家製ハムも美味しくて少し元気になってきた。皿を出すときに料理の説明はなかったものの、こちらが求めると淀みなく答えてくれた。自家製ハムに乗ったソースが面白い。

パン盛合せ、エシレバター

女性店員が木の樽のようなものを脇に抱えてやってきた。もうアイスクリーム?と思ったらバターだった。「美味しいバターですね」と褒めたつもりが、「バターだけは自家製ではないんですよ」と不満気である。後で調べてみると、ロブションやタイユバンなど一流レストランで使われる発酵バターとのこと。(http://www.webgrandchef.com/breakfast/echire/echire.htm

フランス産キノコのフリカッセのサラダ、島根産ウリボー(仔猪)のロワイヤル

数種類のキノコは薫り高くてワインが美味しく感じる。ウリボーも悪くない。テントの中も満員になってきた。最後に入ってきたグループには食材が乗ったワゴンが登場した。何故、我々のとことにやって来なかったのだろう。他の客も羨ましそうに、不満気に見ていた。すべての客にいちいち店内からワゴンをひいてくるのは面倒なのかもしれない。

店内から目の届かないテントではサービスの評価をするのは酷かもしれない。料理は悪くなかった。パンも美味しかったので、いつか店内で食べたいものである。

何よりも良かったのはエシレバターを知ったことだ。銀髪が知らないことが何と多いことか。後日、成城石井で50g(399円)のエシレバターを買った。天然酵母を使ったパンとお歳暮でもらった生ハム、チーズ、娘が作ってくれたクリームシチューで豪華な食事が出来た。

アディング・ブルーに行って本当に良かった。

アディング・ブルー
東京都港区南青山6-3-16 ライカビル1F
03-5485-2266
http://www.addingblue.com

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月28日

[江島]③(銀座)

今年最後の松葉ガニ


本日のスポンサー氏にとっては今シーズン4度目の江島である。銀髪ならうんざりするところだが、他の人たちが喜ぶ様を見れば満足らしい。5人居るので二匹を予約してくれていた。

一匹が1キロ前後あるという。銀髪は2度目で、しかも昼間のとんかつが胃を重くしていたのでサラダと、足の2本ぐらいもらえば充分だった。

蟹は一見したところ量が少ないように思えるが、意外と食べ応えがある。どんなに美味しい料理でも、同じものを食べ続ければ飽きてくる。みんな途中から食べるスピードが目に見えて落ちてきた。残すのはもったいないので、結局銀髪がたくさん食べる羽目になった。

さすがに常連のスポンサー氏は良く知っている。しゃぶしゃぶを2人前頼んでいた。肉は必要ないと主張した銀髪の負けである。「タレににんにくをお入れしますか?」と店の女性に聞かれて、思わず「ハイッ」と答えたら「お前はいらないと言ってただろう」と突き放された。

江島は蟹が自慢の店だが牛肉料理も悪くない。きれいな霜降りの肉を見たら我慢できるはずがない。何とか1枚ゲットして、さらに女性店員が足してくれた2枚目も素直にいただいた。結局スポンサー氏が1枚で我慢した。まったくもって申し訳ない。

最後にしゃぶしゃぶ鍋を利用して雑炊を作ってもらった。腹一杯なのに断れない意思の弱さ。ペアを組んだ相手が下戸だから、甲羅酒もすべて銀髪が飲みきった。

家に帰ると案の定、暴食の結果を思い知らされた。うなだれたのは体重計の数字を覗き込んでいるからでない。心から反省した。

江島
東京都 中央区 銀座 3-5-4 十字屋ビル4F(松屋デパート向かい)
TEL:03-3535-3131
http://www.ginza-ejima.com/

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月27日

[いもや](東神田)

安くてボリュームたっぷりのとんかつ


昼時に馬喰町の問屋街近くに行く用事があり、めし屋を検索していたらいもやが引っかかった。駿河台下のいもやには30年以上前によく行った。郷愁に誘われて他の店はどうでもよくなってしまった。

日本橋から江戸通りに入り早足で歩いた。高カロリーの食事にありつくまでに、エネルギーを消費しなければならない。少し寒いぐらいがちょうどいい。
店は表通りから外れた路地にあった。迷わず店を見つけたのが誇らしい。

どこのいもやも外観は似ている。店に入ったら神保町界隈の店と錯覚してしまう。12時前なのに店はほぼ一杯だった。違うのは主人が客と親しげに話していることだ。常連さんだろうか。

隣に運ばれたとんかつ定食を見てごはんの量に驚いた。大盛りだと思い黙っていたのが間違いだった。自分の前に大きなとんかつと大盛りのごはんがやってきた。とても消費したエネルギーに見合わない。

750円にしてはボリュームたっぷりで美味しいとんかつである。ごはんを残そうと決心して食べ始めたら店のおばさんから話しかけられた。「大変な世の中になりましたねー」と言われて「そうですねー」と返した。常連さんだけと話すのかと思っていたが、どうやらこの店の人は話好きのようだ。神保町界隈よりもはるかに下町っぽくて和む。

ごはんを残せなくなってしまった。こんなにいい人たちが精魂込めて作った料理を残すなんてばちが当たりそうだ。後から入ってきて「ごはん少な目」という人たちが恨めしく思えた。

夜には銀座「江島」での宴会があるのにタップリ食べてしまった。帰りはタクシーに乗るつもりだったが、歩くことにした。お金は減らずカロリーを減らす両得である。夜は蟹だから摂取カロリーを調整できそうなのが救いと思ったのだが…


いもや 東神田店
東京都千代田区東神田1丁目14-6
03-3861-9454

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月26日

[安兵衛](日本橋室町)

冬はおでんで決まり!


日本橋三越を越えて神田方面に歩くと路地の向こうに飲み屋が見える。いつか行きたいと思いながら、果たせなかった店が安兵衛である。銀座の高級割烹もいいが、のん兵衛にとっては路地の古びた店は抗しがたい魅力がある。やすベー、いい響きだ。

機会は突然やってきた。客を迎えに行ったらダブルブッキングで宴席がキャンセルになった。嘆いてはいられない。すぐに安兵衛のことが頭に浮かんだ。部下と一緒に早足で歩く。ドアを開けて店内を見回すとまだ半分ぐらいの入り。ヤッタネ! おでんのカウンターに真っ直ぐ歩いて行った。

お通し、おでん

頼んだ料理が出て来るまで、目の前のおでんを少し貰うことにした。銀髪は大根と玉子。部下は大根とはんぺん。「崩れてしまっているから」と部下の皿に大根が1つ余計に入った。銀髪は不公平にむくれたりしない。すかさず半分取り上げて口に運ぶ。口の中ですぐに溶けてしまった。あー美味しい。

鳥の唐揚げ、玉葱の天ぷら

部下が頼んだ2品は少しだけ口にした。脂っぽいものが出てきたら怯んでしまう。「お前も、そんなに若くないんだぞ」と言いたいところだが、止めにした。残ったらもったいない。気持ちよく平らげてもらおう。

赤むつ

割烹らしいものを頼もう。高級魚の煮付け3,000円が一番高い料理。「頭と尻尾、どっちがいい?」と優しい銀髪。「尻尾の方がいいです」と答える可愛い部下。あー幸せ。

最後はおでん。隣に座った3人組は酒もそこそこにおでんばかり食べている。いつの間にか目の前の鍋は半分以上なくなっている。振り向くとテーブル席も満席。熱燗も7本飲んだので、ぼちぼち席を空けてあげよう。稼ぎ時にダラダラしていたら店に嫌われる。

安兵衛は昭和5年創業の店。割烹というより居酒屋の方が似合っている。料理は男っぽく、店の雰囲気も男の世界。パッと見は小さな店だが、総席数が100席もあるので大きな宴会も可能だ。カウンターから見える調理場が大きいのも頷ける。

気楽に食べて呑んで、おやじたちには都会のオアシスである。

割烹 安兵衛
東京都中央区日本橋室町3-2-13
03-3241-2855

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2008年12月25日

[庄助](新宿3丁目)

安心して入れる庄助


あまり楽しいニュースがない今日この頃でも、忘年会、クリスマスとなれば街は賑やかである。予約が取り辛いこの季節は頭が痛い。新宿3丁目をぶらついていたら、庄助を見つけた。7時を過ぎていたがまだ入れると分かってホッとした。おやじ御用達の庄助歌舞伎町店、十割蕎麦のしょう助など系列店に行ったことがあるので不安はない。1階のおやじ向け本店も魅力的だったが、ちょっと洒落た2階に行くことにした。

お通し、ぶり刺身

2階の庄助はグループの中では真ん中ぐらいの格である。特別安いわけではないが、手頃で美味しい店だと思う。

焼鳥

ねぎま、砂肝、せせり、つくね、正肉。1階の庄助が焼鳥自慢の店なので、居酒屋としては美味しい焼鳥だった。

おでん、チャンジャ

2階はおでんが看板料理だから避けては通れない。大根、つくね、イワシつみれ、はんぺん、玉子。照明を落としたちょっとシックな雰囲気に合わせたように、おでんも上品だ。純米山廃「三谷藤夫」を呑む。

吟醸っぽい軽い味わいの「ここの酒・庄助」にはチャンジャを合わせた。他の店ほど日本酒の品揃えは多くない。若い人向けの店は何故か焼酎がメインである。若い人たちも、もっと日本酒を飲んで欲しいものだ。

おやじ御用達の店にはない洒落たデザートもある。女性も気に入るような居酒屋だ。どちらかと言うと銀髪にはおやじ御用達の店の方が合っているかも。

味も値段も安心な庄助だった。


焼鳥おでん惣菜 庄助 新宿末広通り店
東京都新宿区新宿3-6-11 庄助本店ビル2・3F
03-3226-8778

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月24日

[たん良]最終回 

ありがとう、たん良


銀髪グルメ紀行の最終回ではないのでお間違えなく。大好きな赤坂「たん良」は今週末で閉店する。ご主人の体調不良のためだが、残念で仕方がない。見た限りはいたって元気そうで、回復に向かっているのがせめてもの救いだ。

ぐじ(あまだい)の刺身を初めて食べたのが10年前のたん良だった。メジマグロを京都ではヨコワと言うのもたん良で教わった。本格的なグルメ旅はここから始まったのだ。

藤九郎で銀杏にも名産地があることを知った。鮒寿しはここで好きになった。男たちは嫌がるのに、連れて来た女性たちはみんな喜んで食べた。女性のチャレンジ精神、適応力の凄さを知った。

琵琶湖名産のもろこもたん良で初めて食べた。琵琶湖の汚染やブラックバスの影響でいつまで食べられるか分からない貴重な魚だ。

いつも蒸し物、煮物中心に食べていたので、焼き物は避けてきたきらいがある。滋賀産と聞けば食べたのに鴨もうずらも最初で最後とは泣けてくる。

鯛の皮がパリッと煎餅のようになるのは今も不思議だ。これも食べられなくなる。トホホ…

まる鍋や、ああまる鍋や、まる鍋や。あー残念、残念。

最後の最後は葛きり。かぶら蒸しや吉野煮などなど、今回食べ損なった料理は多い。それでも最後の週に来れたのはラッキーだった。大物政治家も芸能人も、予約が取れずに涙をのんでいる。

壁にかかった銀髪の提灯を取り、紙袋に入れた。「元気になって、復帰してくださいね」と言って主人、女将さんと握手を交わす。
店を出ると見送りに出てきたご夫妻が頭を下げる。「おおきにー」の声を背中に聞く。振り向くと再び頭を下げてくれる。すべてがいつもと同じなのに、「また来ます」と言えないのが辛かった。


投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2008年12月23日

[辰っちゃんのホルモン市場](名古屋)

梅宮辰夫プロデュースのお店


ワシントンホテルプラザ2階の「銀座」を出て向かいのビルの地下に入ったのは7時少し前で、店内は8割方埋まっていた。仕切りの隙間から隣のテーブルを覗くと、大皿にカルビやロースが豪快に盛られているのが見える。我々は既に腹八分目だったので、そんなに食べることはできない、と思っていた。

お通し(チャプチェ、野菜)、レバ刺し

芸能人が経営する店は数多いが、梅宮辰夫については胡散臭い印象を持っていた。観光地でよく見かける漬物屋の人形を見ると、単に人寄せに使われているだけに思えたためだ。
食通であっても企業経営は簡単ではない。
偏見を持ちながら、レバ刺しを食べた。推薦者のT氏が不安そうに顔を覗く。「美味しい」と言うと笑顔になった。お世辞ではなく、偏見を解くことにした。

ホルモンつぼ漬け、ハラミ、ツラミ、ラーメン

T氏のイチオシはホルモンつぼ漬け。落ち着きなくホルモンをひっくり返すのを見兼ねて部下のKがトングを取り上げた。脂をあまり落とさないように焼くのがコツらしく、半生の状態で口に放り込んだ。「美味い!」のKの言葉につられてみんなが箸を出す。

ハラミ、ツラミを食べて終りにしようと思ったら、「ごはんくださーい!」とT氏が言うので驚いた。さらに「ラーメンくださーい!」と続けるので他のみんなもアングリである。
本日2軒目の食事であることを忘れてしまいそうだ。

名古屋には焼肉屋2店、寿司屋と焼き鳥屋1店、梅宮辰をの店があるらしい。いずれもタマミグローバルという会社が経営する。全国に22店ある梅宮辰夫漬物本舗はデジタルラボラトリーの関連会社ナガノファクトリーのもの。梅宮辰夫がオーナーではなく、名を貸しているだけのようだ。もっとも、食通の誉れ高い梅宮辰夫の名に惹かれて客が来るのだから、彼の責任は重大だ。

ホルモン市場は肉の種類も豊富で値段も手頃。梅宮辰夫の名声に傷をつけることはなさそうだ。


辰ちゃんのホルモン市場
愛知県名古屋市中区錦3-19-6ワンダフルプラザ MB1
050-7300-3290

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月22日

[銀座](名古屋)

名古屋の銀座


ヒルトンやマリオットなどの高級ホテルに比べるとワシントンホテルは少し貧弱に見える。そのホテル2階にある銀座。東京を憧れるような店名には妙な先入観を抱いてしまう。ところが思ったより立派な店でちょっと驚いた。

左に長くゆったりしたカウンター席が、右のテーブル席は窓際に並ぶ。奥には座敷があるようだ。我々は一番奥のテーブルに案内された。まだ6時前なので客は少ない。
ふぐ、名古屋コーチン、和牛しゃぶしゃぶ、居酒屋料理など何でもござれはいいような悪いような。ホテル併設のレストランらしく万人向けのメニューである。

お通し、いかの沖漬け

「塩辛、刺身の盛合せ、すき焼き小鍋」と地元の人がオーダーした。本日お奨めメニュー、16kgのブリが気になる。「ブリも入れてくれる?」思わず口を挟んだ。

何でもござれが不安だったが刺身を食べて安心した。「美味しいでしょ?」と聞く地元の人に素直に頷いた。ブリの刺身にも満足した。カマが待ち遠しい。店に入ったときに部下が見たと言う巨大なカマに期待が膨らんだ。

4人居るのでちょうどいい。他でも滅多に食べられない大きさのブリは極上の味だった。120人も入れる店で、巨大カマの塩焼きを食べられるのは2組のみ。早い時間に来て良かった。

ひれ酒のひれも立派だった。何でもござれも悪くない。料金もリーズナブルで良かった。しかし、長居をするつもりはない。席について間もなく、連れの一人が向かいのビルに焼肉屋を見つけた。何度も行ったことがあるらしく、絶賛する。冗談半分で電話させたら予約が取れてしまった。

名古屋の銀座が悪かったわけではない。大変満足したが、時には馬鹿をしたくなる。まだ夜は始まったばかりなのだ。同行の諸氏たちの思い出にもなるだろう。多分…


銀座
愛知県名古屋市中区錦3-12-22 名古屋錦ワシントンホテルプラザ2F
052-971-2401

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月21日

[うな春](名古屋)

頑張れ新星・うな春


「食事に行きましょう」と言われて行き先も分からないままついて行った。「老舗のうなぎやが移転したんですよ」と言われて何を食べるか悟った。50mほど向こうにうなぎ屋を見つけた途端にお腹が空いてきた。

メニューには名古屋らしくひつまぶしがある。主人に「ひつまぶしにします」と銀髪が言うと他の3人も続いた。他の料理の写真も欲しかったが、仕方がない。みんなが頼みやすいように最初に声を出してあげたのは失敗だったかも。

「ビールでも飲みますか?」と言ったら全員が手を小さく横に振る。2人が下戸だと知った。部下は昼間なので自重するようだ。銀髪1人で飲むことになった。鰻の骨がついてきた。薬味と一緒に出てきた漬物も酒の肴になる立派なものだ。

蒲焼が重なるように乗ったひつまぶしは値段相応に立派だ。名古屋のうなぎは蒸しが入らない関西風で香ばしくてなかなか美味しい。清潔な店内同様に、器や料理にも清潔感がある。

そのまま食べて、薬味を乗せて、最後にだし汁をかけて食べた。見た目以上にボリュームがある。ビールを飲んで喋っての銀髪は、食事に集中するみんなに遅れがちだ。それでもしっかり味わった。老舗料理屋に負けないひつまぶしだった。

座敷から降りたところで炊飯器のようなものに目が止まった。店に入ったときには気付かなかった。「これで米を炊くんですか?」と主人に声をかけた。待ってましたとばかり説明し出す。釜の下に炭を入れて炊くそうだ。「どこでも買えるんですか?」と聞く。そんなわけはない。お茶を運んでいた女将らしき人も足を止めて話し出す。美味しいものを作ろうとする必死さが伝わってきた。頑張ってるなー!

以前別の場所にあったうな春とは無関係とのことだった。ウナギは産地にこだわらず、その時のいちばんいいものを使うそうだ。「他のうなぎ屋よりもここのごはんの方が美味しいですよね」店を出てから部下が褒めた。主人の前で言ってあげればよかったのに。

気持ちのいい店だった。名古屋で一番の鰻屋と言われるようになるかもしれない。


うな春
愛知県名古屋市東1-7-32 エメラルド泉1F
052-962-8055

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月20日

[大喜 富山駅前店](富山)

富山名物ブラックラーメン


午後4時、「ラーメンが食べたい!」と連れが騒ぐ。「駅前の8番でいいですか?」と食に無頓着な部下が言う。今ラーメンを食べると夕食が不味くなる上に、どこでも食べられるチェーン店のラーメンをわざわざ富山で食べるなんて、絶望感を覚えた。

「美味しいラーメンがないかフロントに聞いて来いよ!」と部下を蹴飛ばした。名鉄ホテルの男性が教えてくれたのがブラックラーメン。慣れ親しんだものしか食べたがらない連れも、銀髪に気遣って珍しく異論を唱えない。少し元気が出てきた。

ホテルマンに教えられた店・大喜富山駅前店に入った。「なんだ有名店と言うわりには客がいないじゃないか」と連れは不満気だが、まだ4時半である。混んでいたら異常だ。「俺はブラックラーメン」と店のおばさんに告げると「大きさを選んでください」と素っ気無い。メニューを見ると確かにラーメンの種類は書いてない。単品勝負の店のようだ。もちろん小を頼んだ。

「しょっぱいなー」と連れが顔をしかめる。写真を撮り終えて一口食べると確かにしょっぱい。

麺もつゆに馴染んで黒い。チャーシューの量を考えると700円は良心的だ。半分だけ食べるつもりが結局食べきってしまった。しかしスープを飲み干すのは不可能だった。
創業は昭和22年、富山ブラックラーメンの元祖だそうで、本店は総曲輪に近い西町にある。

空港に向かうタクシーの運転手さんに聞いた。ブラックラーメンは大喜の創業者が肉体労働者のために編み出した。塩分を補給し、腹を満たすためにごはんのおかずにもなるラーメンにしたとのこと。
大喜のメニューを思い出した。徳島ラーメンも生卵を入れて丁度いいぐらいに濃いスープだが、ブラックラーメンも負けていない。

「もう、二度と食べなくていいな」と連れは言うが、銀髪は生卵を入れなかったことに悔いが残った。空港の売店で行きつ戻りつ、何度もブラックラーメンを買おうと迷ったが止めにした。次回富山に来たら大喜本店に行こう。銀髪は小ラーメン、ごはん、生玉子とビールを頼む。部下には特大を食べさせる。どっちみち酒を飲まないのだから居酒屋に連れて行くよりはましだろう。何だかワクワクしてきた。


大喜 富山駅前店
富山県富山市新富町1-3-8
076-444-6887

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2008年12月19日

[寿司栄](富山)

夜は行けない寿司屋


天然の生簀と言われる豊饒の富山湾。ここに来たら美味しい魚介類が食べられる店、寿司屋が一番である。クラウンプラザホテル(旧全日空ホテル)近くで昼食をとることになり、誘われたのが寿司栄だった。

12時前というのに既にカウンターは半分以上埋まっていた。我々が座って数分で14席はすぐに埋まった。おまかせ寿司コースは全国各地の素材を使った寿・司・栄、地元素材の総・曲・輪、お手頃なAランチ(1,575円)、Bランチ(2,100円)がある。銀髪はもちろん富山湾の魚介コースである輪を選んだ。

カウンターの前には水がチョロチョロ流れている。寿司をつまんだ指を洗うためだ。一度は箸を持ち上げたが、すぐに置いた。機内食のクラムチャウダーの香りがこみ上げてくるのでビールは頼む気はおきない。

客の半分以上は若者で、しかも女性が多い。正面の壷に昭和23年3月23日創業と記してある。地元の人にはもちろん、観光客にも有名な店らしい。Aランチといえども目の前で握ったものを順に食べられる。明朗会計で若い女性でも気軽に美味しい寿司を楽しめるのが人気の秘密だろう。

「なかなか美味いじゃないか。わざわざ「難波」に行く必要もないな」と部下に言うと「そうですね。美味しいですね」と頷く。前にも寿司栄に来たことがある言いながら、一度も銀髪を連れて来ないとは怪しからんと思った。難波は全日空ホテルのコンシエルジェで紹介してもらった。近くの寿司栄を奨めなかったのが不思議だ。

部下は地元食材にこだわらない寿を頼んだ。従って鮪のトロがスタート。最後にウニも出た。地元食材だけで高級ネタが少ない銀髪には3カン多く出た。部下は食い足りないと文句を言う。渋々追加オーダーを認めた。店を出ると「富山の寿司は美味いですねー」と言う。築地経由のネタをたくさん食べたにもかかわらず…

家に帰って寿司栄のホームページを見たところで全日空の女性との会話を思い出した。寿司栄は確かに候補に上げてくれていた。拒絶したのは銀髪の方である。寿司栄本店は禁酒禁煙の店だった。従って酒のつまみはなく、寿司しか出てこない。昼はともかく、夜は殆ど寿司を食べない銀髪にとっては無縁の店なのだ。

「あそこは酒が飲めないんじゃないか!」と部下に言ったら「そうでしたか?」とボケ顔を見せる。下戸の彼にとっては嬉しい店だが、酒呑みにとっては昼限定の店である。ご注意を。

寿司栄 総曲輪本店
富山県富山市総曲輪2-8-22
076-421-7035
http://www.susiei.com

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月18日

[祢保希ねぼけ](銀座)

冬はふぐより美味しい(?)クエ鍋

土佐料理の祢保希は赤坂店、渋谷店に行ったことがある。場所は違っても馴染みの店のような安心感がある。料理の選択肢は多いが、冬のお奨めはあら料理だろう。本場の福岡などで何度も食べてきたあら(クエ)も、祢保希では初めての挑戦だった。予約時にはコースではなくクエ鍋だけを頼んでおいた。

お通し、刺身

土佐料理の店らしく、お通しはかつおの佃煮。クエの刺身はコースには入っていない。味見程度で充分なので半人前を頼んだ。白身もいいが、皮のところが面白い。

うつぼのたたき、どろめ

土佐料理と言えばかつおのたたきだが、甘酸っぱいかつおは好きではない。かつおを避けてうつぼにした。こちらも代表的な土佐料理である。高知で食べたうつぼより遥かに美味しかった。脂なのかコラーゲンなのかトロリとして品がいい。どろめ(かたくちいわしの稚魚)はいつも外れがない。

クエ鍋

長崎五島列島で捕れた体長1メートル以上、20kg級のクエというだけあって身が厚い。2人前をぺろりと食べてしまい。クエと野菜を追加注文した。仲居さんに「コラーゲンタップリの皮に近いところを持ってきてよ」と冗談半分、本気半分でお願いした。「他のお客様もあるので無理ですよ」と否定しながらも、出てきたクエは要求したもの。大いに感謝した。コラーゲンでお肌に艶が出たようだ。男だってきれいな肌の方がいい。

最後は雑炊。クエのだしがしっかり出ている。ふぐより美味いと言う人も多いが、ふぐに比べると脂が多く、少し魚臭さが残る。好き好きだろう。

クエは捕獲技術が進んだお陰で、深海魚にもかかわらず生簀で飼えるようになった。輸送技術の進歩も大きく、東京に居ながら祢保希で常時クエを食べられるのが嬉しい。但し、クエ鍋目当ての客は多く、予約がなかなかとれないのでご注意を。早めの予約が望ましい。

祢保希(ねぼけ)
東京都中央区銀座7-6-8 西五番町通り
03-3572-9640

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月17日

[かねいし](目黒)

金石・陣内夫妻のお店


元野球選手の金石さん、元バドミントン選手陣内さんが経営する寿司屋に誘われた。金石さんが寿司を握り、陣内さんが料理を運ぶ光景を思い浮かべたが、すぐに振り払った。テレビでよく見る二人が店を切り盛りしているわけがない。

かき、いか、ひらめ、あんこう

10年前の創業から店は大森さんが守る。開店したばかりのように清潔で、ゆったりとした席が心地よい。目の前には有名焼酎が並び、日本酒は大森さんの足元の冷蔵庫で出番を待つ。
「大森さんの店のようなものですね」と言うと曖昧に微笑む。信頼できる友人を持った金石さんは幸せ者だ。付き合いは夫人よりも長いそうだ。

ぎんなん、しまあじ、しまえび、しめさば、たいら貝

目黒駅から5分以上歩く目立たないビルにある店は、オーナー夫妻の知人や常連さんに支えられているようだ。先客は中年のおじさん二人とおばさん二人の2組。大森さんとは永遠に話せないかと心配したが、おばさん二人が帰ってからは我々が独占できた。

とり貝、あわび、あなご、玉子焼き、いくらおろし

「いわしは店で出せる仕入れ値ではない」「赤貝は値段が落ち着いてきた」ということばで店の思想が分かる。ブランドに捉われず、常連にリーズナブルで美味しいものを提供する主義のようだ。

べったら漬、赤貝、こはだ、エシャロット巻き、げそ

エシャロット巻きが大森さんのオリジナル自信作。数種類の味噌を混ぜているのがミソだ。

なまこ酢、鯛の塩辛、あわびの肝

そろそろお開きにしようと思ったところで自家製塩辛が出てきた。話は弾み、酒も進む。これ以上は飲み過ぎと困っていたら、寿司を食べ始める常連さんに大森さんを奪われた。潮時である。

行きつけのクラブから遠い目黒はいい。店を出てすぐにタクシーに乗り込み我が家へ向かった。テレビドラマをやっている時間に帰ると家族に怒られるが、今日は許してもらおう。まだクライマックスには時間がある。


かねいし
東京都品川区上大崎1-1-14 白金トーカンキャスティール2F
03-3444-9480

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月16日

[モリタ屋](丸の内)

京都肉屋さんのすき焼きは美味い!


「魚より肉がいい」と女性陣からの意外な要求。男どもより女性の希望が優先であるが、一人鶏肉が食べられない奴がいる。豚より牛肉の方が喜ばれるのは間違いなく、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキと選択肢は多い。仲居さんが取り分けてくれる店がいいけれど、銀座では予算が合わないので頭をかかえた。

ネットでようやく見つけ出したモリタ屋は丸ビルにありながら最高価格が11,550円。少し不安だがもともとは肉屋だというのが決め手になった。35階の皇居が見える席に7人が揃った。オーダーしたのはすき焼き4人前、しゃぶしゃぶ3人前。卵やごまだれ、ポン酢だれは7つずつ用意してもらった。

先付け(五種盛)、和牛たたき、和牛刺身

先付けの後はたたきか刺身を選ぶ。ばらばらに頼んで味見をした。どちらもきれいにサシが入り、美味しい。店の選択に自信が出てきた。

すき焼肉、しゃぶしゃぶ肉

厚めのすきやき用の肉、薄めのしゃぶしゃぶ肉、どちらも美しい。みんなの目が一層輝いてきた。仲居さんがすき焼きなべにざらめを敷いて、肉を乗せた途端に甘い肉の香りが我々を魅了した。

すき焼き

これは美味い!味の記憶が薄れてしまったけれど、人形町「日山」や松阪「和田金」よりも美味しい気がする。一人分2枚で150gというボリュームを感じさせない。すき焼き派の4人から分けてもらったのが申し訳なく、いやいや、もっとすき焼きを食べたくて肉を追加した。

しゃぶしゃぶがかすんでしまった。野菜も豆腐もしらたきも、すき焼きが美味い。しゃぶしゃぶの鍋は退場してもらって、うどんもすき焼き鍋に入った。

モリタ屋は明治2年(1869年)創業、牛肉の卸・小売に始まり、昭和50年に直営牧場を開設、レストラン経営へと進んだ。京都四条猪熊の本店のメニューを見ると、丸ビル店より遥かに安い。京都和知牛の美味さを堪能できる価格設定だ。

丸ビル店で余計に払った夜景代が惜しくなった。景色なんてすぐに飽きてしまうので、どうせなら肉代に費やすべきだったと後悔した。


モリタ屋
東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング35F
03-5220-0029
http://www.moritaya-net.com

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月15日

[清山](渋谷)

隠れ家的な蕎麦屋


渋谷駅から歩く歩く。渋谷でナンバー1の蕎麦屋との評判が背中を押してくれるがなかなか辿り着けない。早道のつもりで裏道を選んだのが不味かった。小さな地図をほのかな灯りで読むには齢を取り過ぎた。行きつ戻りつしながら予約の7時を少しオーバーしてようやく辿り着いた。

隠れ家と呼ぶに相応しい佇まい。1階席はガラガラ、地下も半分ほどの入り。部屋一杯に広がる大テーブルの片隅に座った。ジャズが流れるモダンな店内、淡い照明の壁際に一升瓶が並ぶ。

焼き椎茸、そばがき

スープを溜めた椎茸は思ったより香りが薄かったかな。そばがきは今まで食べたことがないような柔らかく、それでいてモチモチした食感。たっぷりのわさびをつけて食べると、ちょっと感激した。

焼き鱧の板わさ、天ぬき

日本酒が27種類もある。定番の板わさは鱧入りの高級品。砂場を思わせる天ぬきもなかなか良かった。焼き味噌も頼めばいくらでも酒が飲めそうで危険だ。

せいろ蕎麦、田舎蕎麦

十割そば、特に田舎蕎麦は蕎麦らしい風味が感じられる。タップリ供される生わさびが嬉しく、酒の肴にもいい。

蕎麦湯

重い、重い鉄瓶にはそば湯。これが驚くほど濃い。そばがきとそば湯がとても印象的な店である。

8時過ぎには店はほぼ一杯になった。蕎麦屋でデートも悪くないと思うが、この日は男同士、女同士の客が多かった。料理を運ぶ店員から店のこだわりを聞けなかったのがちょっと残念だった。勘定場で少しだけ話が聞けた。
店の名刺を求めたが置いてない。ホームページも多くは語らない。隠れ家らしい店ではある。


清山
東京都渋谷区神山町10-8
03-3460-0088
http://seizan.oc2n.co.jp/

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月14日

[室町 砂場 赤坂店](赤坂)

メチャクチャ美味いのかな


口コミ情報の食べログで明治2年創業の室町 砂場本店より赤坂店の方が高い評価なのが気になっていた。赤坂に寄ったついでに念願の赤坂店に行った。

開店時間の11時半に到着。店の前の通りに黒塗りの車がたくさん停まっているが、口コミの言うように開店を待っているわけではなく、向かいの鹿島建設を訪れたようだ。一軒家のような小さな店に入ったら先客は普段着の1組のみだった。

かきあげがつゆに浸かって出てきたところで砂場の天ぷらがどんなものか思い出した。比較したいと言いながら、記憶が薄れてしまってからやって来るとは我ながらいい加減だ。そばの量にはあらためて驚かされた。疲れた胃を休ませるにはちょうどいい。

それにしてもそばの味はよく分からない。香りには敏感なつもりでいるが、そばの香りを嗅ぎ分けることができる人を尊敬してしまう。つゆはもう少し濃い方が好きだ。後味が悪くないのはいい。本店との優劣はおろか、星をいくつつけるべきか判断できない。

酒を頼まなかったことを後悔した。銀髪の後に入ってきた夫婦はビールを、その後に来た枯れた感じのおじさんは日本酒を頼んだ。近隣のサラリーマンよりグルメ本を頼り来たような客が多い。鹿島建設で会議を終えた黒塗りの主と思われる紳士が、数人を引き連れて座敷に上がる。12時過ぎにはほぼ満席になった。

「寿司幸本店」に置いてあるような爪楊枝には感心した。名前だけで高い値段を取っているわけではない。料理の素材はもちろん、随所に名店のこだわりがあるのだろう。

それでもやっぱり星の数は分からない。


室町 砂場 赤坂店
東京都港区赤坂6-3-5
03-3583-7670

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月13日

[西海](神田)

ちゃんぽんも美味しいが、おばちゃんのさりげない気遣いもいい


運転免許の更新を終えて神田駅に向かいブラブラ歩いた。蕎麦屋、とんかつ屋、定食屋、どこに入るか迷うだけで決まらないでいたら、目の前に長崎料理屋が現れた。即決した。どこに惹かれたのか分からない。

11時半なので客はまばら。「どこでもいいですよ」と言ってくれるのが嬉しい。混み合う時間帯まで間があっても、狭い席に押し込める店が多い中、寛容で客重視の姿勢は評価できる。それと比例するようにちゃんぽんは美味しかった。カメラを持っていないのを悔やんだ。

カメラをポケットに入れて再訪した。12時に近いせいか、応対したおばちゃんが違ったためか、今度はカウンターに導かれた。目の前で料理人が麺を丸めては重さを量っている。足すときもあれば、減らすときもある。珍しく一回で出来ても無表情なので褒めてあげようかと思ったが自重した。

心の中で褒めたりけなしたり、飽きずに料理人を見ていたら皿うどんがやってきた。お腹が空いていたせいか、スープがないためか、ちゃんぽんより量が少なく思えてしまった。味はもちろん悪くない。

3回目の訪問。初回と同様に自分の好きな席を選べた。遠くの席からも麺を丸める料理人が見える。今回はちゃんぽんにシュウマイを添えた。自家製と思われるラー油、胡椒、さらにMy唐辛子をちゃんぽんにぶち込んで大変満足した。

値段から想像した大きさではなかったが、評判どおりシュウマイは秀逸だった。これにはビールが合いそうだ。ゆで豚や餃子も美味しいらしいので、夜も悪くないだろう。

デートに向く感じはしないが、4人前後で飲み会をするにはいい店である。親しい仲間を引き連れて行きたいものだ。

長崎料理 西海
東京都千代田区内神田2-8-5 山口ビル1F
03-3254-4780

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月12日

[いふう](銀座)

大手飲食店企業の韓国料理店


銀髪に「安い店を探せ!」と命じられて部下が白羽の矢を立てたのは銀座マロニエゲートにある韓式料理いふうだった。8人が奥の個室にきれいにおさまった。

キムチ盛合せ、チャプチェ、海鮮チヂミ

「キムチなのになんでキュウリや大根が入っているんだ」と文句が出た。野菜の漬物の総称がキムチだと説明しても納得してもらえない。食べ慣れないものを受け容れない男は多い。
「チャプチェって何だ?」と嫌そうにするが、春雨を炒めたものと言えば喜んで食べる。
チヂミは説明の必要はない。海鮮を探すのが難しいシンプルな出来栄えだった。

ダッカルビ、白もつ鍋

「これがダッカルビ?」と言ったのは銀髪。以前食べたダッカルビは八重洲の五韓満足で焼いて食べた。どちらが本場に近いのかは分からない。五韓満足は美味かった。

もつ鍋といったら博多名物。韓国料理には思えなかったが、スープにマッコリが入っていると聞いて納得。

海鮮チゲ鍋、石焼きビビンパ

鍋はテーブルの端で店の人が作ってくれる。一番遠くに座った銀髪には部下がよそってくれた。遠くから「スープも入れろよ!」と大声を出さなければならない。手元に来た器には白菜しか入っていない。家で料理の手伝いをしたことがない亭主関白に物を頼むと悲惨な目に合う。2杯目は店の女性にお願いした。海老、白菜、豆腐などがバランスよく入りホッとする。

石焼きビビンパは混ぜている間に冷めてしまってお焦げが出来ない。さすがに温めなおしてもらったら、バリバリに焦げてやってきた。銀髪は焦げてない部分を少しもらって食べた。

目抜き通りの大型ビルに店を構えることができるのは、名が通った店か大型のチェーン店である。予想したとおり、いふうは無国籍創作料理「ちゃんと」など全42店、従業員数1400名の大チェーンに属する。銀座の一等地という場所の割に料金はリーズナブルである。

銀髪の要求どおり安く済んだのは間違いない。メデタシ、メデタシ。

韓式料理 いふう 銀座マロニエゲート店
東京都中央区銀座2-2-14 マロニエゲート11F
03-3562-8671

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2008年12月11日

[あらまさ](浅草)

久し振りのきりたんぽ鍋を銘酒の店で


部下の二人が知っている人が来たので「一緒に飲みに行かないか?」と誘ったら、「二人で行くように予約しているのでダメです」と冷たい。「二人追加すればいいだろう」と言ってようやく交渉が成立した。店に電話をさせたら、彼らの期待に反してあっさり受け容れられた。

大通りでタクシーを降り、ちょっと路地に入ったところにある居酒屋風の店。風格がある。左手のカウンターを横目に見ながら奥に進んだ座敷に通された。

お通し、んめえ、白子

「あらまさ」が新政のことだと酒飲みならばすぐに気がつくはずだ。燗酒が中心と思っていたが、冷酒もある。新政の専門店ならではの品揃えだ。白子を食べて酒を飲んで「んめえ」と言うと、店の人が満足そうに微笑む。

刺身盛合せ、大吟醸酒

部下の先輩がやっている店なので、基本的にお任せ。料理はもちろん、日本酒も「これがいいよ!」と言われたら素直に従うだけだ。

はたはた、カワハギの唐揚げ

銀座の稲庭うどんの佐藤養介で食べたはたはたは卵がコリコリしていたが、こちらはネットリ。カワハギのあらの唐揚げとは珍しいと思ったら、主人のサービスだった。メニューにない料理なので有り難味がある。

きりたんぽ鍋、稲庭うどん

余った野菜を放り込んだかのような鍋。比内鶏でダシを取った本格派で味も濃い。グルメ紀行では初めてのきりたんぽ鍋で、店で食べるのも遥か昔で覚えていない。近い内に他の店のものと比較してみたくなった。

最後は稲庭うどん。冷やして食べることが多い稲庭うどんだが、タップリだしが出た熱々のスープで食べるのも悪くない。

それにしても日本酒をちょっと飲みすぎた。男4人で鍋を囲めば量が増えてしまう。浅草では馴染みの店もないので、いつものように2軒目には行かずに解散した。結果的には酒はほどほど、睡眠時間も減らずメデタシ、メデタシだった。


郷土料理 あらまさ
東京都台東区西浅草2-12-8 
03-3844-4008 
http://www.asakusa-aramasa.com/

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月10日

[Violet ヴィオレット](新宿3丁目)

炭火焼きも食べられるバー


エレベーターを降りたところは寿司屋だった。事前に調べたところではバーの奥が寿司屋のはずだ。「すいませーん」と声をかけると、板さんと、客の3人が怪訝そうに振り向いた。

バーの入り口は右手にあった。カウンターに落ち着くなり「イヤー、びっくりしましたよ」とバーテンダーに声をかけた。予想と違う展開も、話のきっかけになって良かった。ショットバー風の店だが、料理のメニューはしっかりしていてカウンターの左側にある炭火での料理がお奨めだ。さっきの寿司屋から取り寄せることも出来る。

さんまとじゃがいものサラダ、えぞ鹿の炭火焼

バーには似合わない量のサラダに少し驚いた。秋刀魚は酢で軽くしめてあり、ちゃんと洋風の料理に見える。
えぞ鹿のカルパッチョを一度は頼んだものの、直ぐに撤回した。せっかく炭火があるのだから、試してみない手はない。久々のジビエ料理を楽しんだ。もも肉ということもあって固かったが、これが健康な野生の味である。

ジビエに合うワインは赤。リーズナブルなグラスの赤ワインは3種類が用意されていた。値段の高いワインが大きなグラスとの先入観は誤りで、軽めのワインは左側、フルボディが右側だった。香りが強いフルボディは背が高い大きなグラスになる。勉強になった。

スパゲッティはメニューにない辛さとオリーブオイルを多めにしたぺペロンチーノを作ってもらった。銀髪好みだけに、とても満足した。でも、赤ワインをもう少し飲みたい。定番のチーズではなく生チョコを選んだのは正解だった。

勘定を終え、寿司屋の方に歩き出そうとしたらカウンター右のドアを指し示された。本来の出入り口は階段を下りたところにあると知った。なるほど、そちらから入れば寿司屋は店の奥になる。情報は間違いではなかった。

バーでの食事はいつもよりゆったりと時が流れたように感じた。食後に来る客でにぎやかになる前の時間帯は、案外狙い目かもしれない。たまにはこんな食事もいいものだ。


Bar Violet バーヴィオレット
東京都新宿区新宿3-11-11 ダイアンビルB1
03-3354-6639

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月09日

[とりで寿司]②(新橋)

いつ行っても楽しいとりで寿司


「約束したとおり直ぐ来たよ!」「予約した?」「もちろん!」カウンター席には既に3組6人。我々が入った後の残り2席も予約済み。右のカップルが見ていたのは何と銀髪グルメ紀行のコピーだった。連れも気付いて合図してくれたが、軽く頷くだけにした。

お通しは炭火焼き。皿かごに盛られた小魚などは殆ど手作り。鮪のつみれと聞いたら追加してしまう。小さな七輪は一杯になってしまった。鮪は赤身がかたまりのまま残っている。

セイコ蟹、ブリしゃぶ

「前回食べ損なったブリシャブを」と頼むと、他の客の目がオーナーシェフ遠藤さんの手元に集中する。舞台の主役は空気を読むのも上手。ブリは他の客にも行き渡った。美味い美味いの大合唱。

生きたイカが登場。福岡で何度か食べた呼子のイカ。捌いても動いている。「ゲソは噛まないで飲み込むと、喉にくっつくので気をつけてくださいね」と注意される。しょうが醤油、わさび醤油で味わう。

次は佐島のタコ。イカと対照的に湯気を上げて出てきた。「何分茹でるの?」「18分!」と中途半端な時間。季節やタコの状態で微妙に変わると言う。客の入りや予約が入っている時間を見て茹で始めるそうだ。まだ来ない左の2席の客は大事なショーを見逃した。

大トロ、野菜焼、なまこ酢

大間のまぐろの後は下仁田ねぎとズッキーニの焼物がアクセントをつけてくれる。

鬼エビ、しめさば

北陸名物の鬼エビ。もちろん頭は焼くだけでなく、食べやすくしてくれる。今日のさばは松輪産。前回の金華さばと同様にブランド魚だ。

美味い美味いの合唱に「この店の客は失語症になっちゃってるよ、美味いしか言わない」と軽口を叩くと、左端のおばちゃん、いやお姉さまから「あら私は食通で通っているのよ。本当に美味しいんだから」とにらまれる。客のみんなが笑っている。

「今日は遠藤さん元気いいねー」「きれいな女性がいますから」、再び左から「本当にこの店は美人が多いわね」と何故か自慢気だ。「イヤイヤ、いい男が多いんですよ」と返すと、遠藤さんが握手を求めてきた。「そう、一番いい男は遠藤さんだよ!」

自家製からすみ、鮪赤身の酒盗和え

「何故、色が違うんですか?」連れがいい質問をする。赤いからすみは赤ワインに漬けたもので、ワインを飲む人に出すと言う。まだ試行錯誤の段階で遠藤さんは不満のようだが、なかなかいける。
赤身に和えた鮪の酒盗も自家製。今日も自主規制値より1合多く飲んでしまった。この店で酒を我慢するのは無理だ。

前回食べたウニと、初めてのコハダ、穴子(塩味)を握ってもらいお開きにしようと思ったらデザートが出てきた。これも自家製。イヤー、何度来ても驚かせてくれる。

店を出る間際に右のカップルに「これからも銀髪グルメ紀行をよろしく」と声をかけた。振り返った女性の驚きの表情が面白かった。余韻を残したままドアを閉めた。


とりで寿司
東京都港区新橋4-10-6
03-5401-1441

前回の記事→「とりで寿司」 

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月08日

[緋色の海](新宿歌舞伎町)

漁夫の賄い料理


「いい店を見つけましたよ」と誘われた。緋色と聞いてシャーロックホームズを思い出した。確かあれは「緋色の研究」。「緋色の記憶」はトマス・クックだった。いずれも思い出せるのは題名だけで、内容はすっかり忘れてしまった。緋色の海とは随分と文学的な名前をつけたものだと思った。

Kさんから渡された店の名刺に書かれた地図は出来が悪かった。AK会館を知っていれば難なく辿り着けるが、地図に書かれた道をバッティングセンターから数えたら永遠に彷徨うことになる。約束の時間に遅れて店に飛び込んだ。

Kさんが待つテーブルにはマテ貝が置かれていた。席につくなり銀髪にもマテ貝が運ばれて来たので恐縮して再度Kさんに頭を下げた。Kさんは年下に対しても礼儀正しい。

壁にかかった料理の札には値段が書かれていない。Kさんがいるから安心だが、店の雰囲気やお客さんを見ても心配は無用のようだ。お任せした刺身の盛合せの中心は大トロではなく鯨ベーコンなのが面白い。

大きなサザエの壷焼き、茹で上がったばかりの毛蟹。漁夫の賄い料理というだけあって、豪快な料理が身上のようだ。

白子鍋

たらの白子がたっぷり入った鍋を食べるとさすがにお腹が一杯になる。雑炊か麺を食べるべきだろうが自重した。

勘定を払って店を出ると主人が見送りに出てきてくれた。店の風格から予想していたより若い。「いかがでしたか?」と聞かれて、「日本酒の品揃えがイマイチ」と余計なことを言ってしまった。5種類の冷酒のうち2つが切れていて、残る3つは純米ではなかった。「お好きなものを言ってください。今度仕入れておきますから」と謙虚な姿勢に好感が持てた。

次回はカウンターに座ってじっくり話をしながら飲みたいものだ。素朴な感じの成年料理人と文学談義ができるかもしれない。


緋色の海
東京都新宿区歌舞伎町2-39-12
03-5272-2677

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2008年12月07日

[八百徳](浜松)

創業明治42年、浜松一のうなぎ屋


地元の人に初めて八百徳を勧められたのは3年以上前のことである。浜松に来るのは何故か定休日の月曜日が多い。3回は月曜日のため、他の機会は新幹線の時間に合わずに断念した。今回もスケジュール的には難しいと思っていたが、相手の都合により15分程度でミーティングを終えた。恐縮する相手に余裕をもって別れの挨拶して、八百徳に意気揚々と向かった。

浜松駅南口からすぐの駅南店に入ったのは11時半頃。既に1階は満席で2階に上がるように言われた。靴を脱いで下駄箱に入れ、畳敷きの大広間を進む。おしぼりが置かれたテーブルが2卓、予約の席らしい。2階はまだ空いていた。うな重を頼む。

蓋を開けてちょっと驚いた。値段の割りに鰻が小さく見える。それでも少し濃い目のタレが美味しそうだ。見た目のとおり味も香りも濃い目だった。その割に重くないのは関東風に蒸してあるからだろう。タレが焦げているのが香ばしくて関西風のようでもあるが、柔らかい身は蒸した結果であるのは間違いない。

肝吸いの肝はコロンとしていて大きかった。肝焼きもきっと美味しいだろう。

約100年の歴史を持つうなぎ屋の味は確かに良かった。本店と駅南店、大きな建物を有するだけのことはある。今まで食べた中での順位を考えようとしたが止めにした。同じ日に食べ比べしないことには優劣をつけても意味がない。

食べ終わる頃には2階もほぼ一杯になった。勘定をしに1階に下りたらガラガラで、第2陣を待つ準備が出来ていた。12時を回ると入店も難しくなるだろう。入れたとしても、料理が出て来るスピードが鈍り、新幹線に乗れるか読めなくなる。八百徳には余裕を持って早めに行きたいものだ。

我々は12時6分発上りのひかりにゆっくり間に合った。念願かなって満足、満足である。

4時半、既にお腹が空いてきた。量が少なかったのか、脂がしつこくなかったのか、味付けのためかよく分からない。部下に聞くと同じ意見である。晩飯が待ち遠しくて困った。メニューの一番上に書かれていた「お櫃鰻漬け」が店のお奨めなのはよく理解できた。

八百徳 駅南店(新幹線南口前)
053-452-5755
http://www.tokai.or.jp/yaotoku

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月06日

鵜舞屋の鮎

明治10年創業、老舗の味


「うまいや」と聞けば美味い又は旨いと書くと思うが、鵜が舞うとは粋な名前をつけたものだ。1877年の創業から長良川の鮎などを使った食品製造卸小売業を営んできたという。
鵜が舞う、もちろん鮎を獲るために。

岐阜のホテル、名古屋のデパート、JR東海キオスク、名古屋空港などで売られているが、我々が行ったのは郊外にある工場兼事務所。階段を上がった受付の一画に商品が並べられていた。最近の悪い癖で、すぐに商品を裏返してしまう。

さすがは老舗。伝統を守って130年というところだろうか、合成添加物が入っていない。事務員が仕事の手を止めて注文を取りに来たのを一度は断ったものの、結局買ってしまった。

鮎吟醸煮は雄が3匹、子持ち鮎は2匹入っている。家族は子持ちの方を喜んだ。多分吟醸酒の香りが気に入らなかったのだろう。骨は柔らかく、頭から尻尾まで食べ尽くした。もっとも頭5個はすべて銀髪が食べなければならたかった。

うるか

うるかも当然保存料無添加で鮎の内臓と塩だけで作る。そのため、かなり辛い。辛いがこれが本来のうるかの味なのだろう。新橋の鮎正には及ばないが、これだけで日本酒が進む。

翌朝、鮎正の真似をしてご飯に乗せてみた。うるかは酒呑みだけのものではない。

薄味が好まれるようになって保存料全盛の世の中になってしまったが、たまに昔ながらのものを食べるとホッとする。伝統の味を支えていくためには業者だけではなく我々にも責任があると思う。

株式会社 鵜舞屋
岐阜県岐阜市桜木町1-12
058-251-8781

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月05日

[花ざくろ](岐阜)

岐阜県が誇る飛騨牛


幸か不幸か牛肉偽装事件で飛騨牛の名前は全国に知れ渡った。名古屋などで何度も食べたことがある銀髪でも「岐阜県内で14ヶ月以上肥育された黒毛和種で、3等級以上のもの」だけが飛騨牛と呼ばれることを事件になるまで知らなかった。

口取り、前菜盛合せ

花ざくろは創業25年、有名ブランドとして定着する前から最上級5等級の飛騨牛のみを使っているとのこと。迷った末に特選おまかせ雪コースを頼んだ。自慢の牛タンをはずすわけにはいかない。

牛たたき、オカカサラダ

牛のたたきもイチオシメニュー。「これが美味いんですよ!」と今日が2度目の岐阜県担当Fが声を上げる。太った男が肉を口に頬張り、嬉しそうに笑うと本当に美味く見える。

牛タン(元と先)

「店の看板料理と言う割にはイマイチなんですよ」と店に来る前にFは批判的だった。「美味しくないって言ってましたよ」と仲居さんをからかうと困った顔をする。実際に食べてみると悪くない。Fも「すいません、勘違いでした」としおらしいので、比較するためにコース外の牛タン(先)を追加した。「アッ、これだこれ!前回食べたのはこっちですよ」とFの面目も保たれたようだ。

サーロイン(上)だけでなくヒレ肉も見事にサシが入っている。仲居さんが丁寧に焼いてくれるのを待つ。Fは「しっかり焼いてください」と言ったくせに、食べた肉を「焼き過ぎですね」としかめっ面をする。上等な肉を炭にしてはもったいない。

50歳を超えた我々には110gの肉で正解だった。脂が口に残っていたせいか、今日一番感動を与えたのは白いごはんだった。普段夜にはご飯を食べる習慣がない銀髪だが、富山県産こしひかりが滅茶苦茶美味しくて、完食してしまった。

階段の踊り場の壁に目が止まった。安福号は飛騨牛を頂上まで持ち上げた名種牛で、これまで39,000頭もの子を送り出したそうだ。以前、「島根牛の糸桜号には4万頭の子がいる」言うと、「エッ?凄いなー!」と仲間の一人が感嘆して計算を始めた。彼の勘違いを大いに笑ったものだ。

花ざくろは安福号の血統にこだわって仕入れをしているそうだ。安福号だって凄いのだ。何が?

花ざくろ
岐阜県岐阜市栗矢田町1-5
058-266-1189
http://hanazakuro.com/

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月04日

[随園別館]②(新宿)

中華料理は大勢がいい


突然別々の所にいる5人が集まって食事をすることになった。店選びを任されたのはいつもの通り銀髪。大通りに面した分かり易い店、手頃な値段、中華料理。条件を満たす店の中から新宿の隋園別館を選んだ。104で電話番号を聞いても分からず、銀髪グルメ紀行で調べて電話予約をした。

茄子、前菜盛合せ、干豆腐、なまこ

最後の一人が来ないので、つまみの類で紹興酒を飲んで待つことにした。まだ早い時間なので1階には我々を含む2組だけ。料理はどんどん出て来る。
客より店員の方が多い店内は中国語が響き渡り、まるで香港にいるようだ。量が多く、大雑把に盛り付けられた皿を見ているとますます異国の感じがする。

我々が来てから30分程で店内はほぼ一杯になった。料理が出て来るのが遅くなる。最後の一人が来る前にメインを頼んでおこうとしたら、仲間の一人が携帯を手にした。「まだか?銀髪がメインを頼もうと言うけれど、お前が来るまで待った方がいいと俺が制しているんだ」といつの間にかいい子になっている。

ピータン豆腐、小龍包、水餃子

全員揃ったところで追加オーダーした。ピータン豆腐は写真を撮る猶予を与えてもらえなかった。中国娘はテーブルに置くなり混ぜ混ぜしてしまった。
随園別館の名物は小龍包と水餃子。安くて量があってお奨めである。誰もが頼むので店側はいつも準備万端。それほど待たずにテーブルに並んだ。

北京ダックセット

北京ダックは丸ごと一匹が6,000円と手頃な値段で、1,000円足すと余った肉で2品作ってくれる。男5人でも食いでがあってお得感がある。結局スープは食べ切れなかった。食べる勢いが急速に落ちるのが中高年グループの哀しいところである。やっぱり中華料理屋は人数が多い方が楽しい。隋園別館は5人でも少ないぐらいだ。

店内は日本語ばかりになった。オーダーを通す言葉以外に中国語は聞こえない。これから忘年会シーズン。2階より上の大きな円卓を予約するのは早い方がいい。


随園別館
東京都新宿区新宿2-7-4
03-3351-3511
http://www.zuienbekkan.co.jp/

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月03日

[とりで寿司](新橋)

新橋でいい寿司屋を見つけた!


昼3時から深夜3時までぶっ通しで営業して、自ら築地に買い出しに行く。熱意とアイデア一杯の料理は、若くなければ編み出せない。

新橋通のS氏に指定された店はちょっとくたびれた感じの外観。以前はうなぎ屋だったらしい。入り口に吊るされた籠の中のからすみをしばし眺めて扉を開けた。狭い店のカウンターの中に若い料理人が二人。カウンターの中央にデンと座ったS氏と共ににこやかに迎えてくれた。

げんげ、たいら貝、まんぼう

席につくなり、皿かごが差し出された。お通しは串焼きだと言う。7~8種の串から3種類選んだ。富山名物のげんげは思ったとおりの味だが、たいら貝、まんぼうが滅法美味い。内臓などの捨てるような部分をうまく使っている。

ぶり、ひらめ、かわはぎ、しめさば、いか

「今日、築地で一番のぶりです」と胸を張るだけあって、脂が乗っている。〆鯖は生より美味い。S氏が飛び込みで見つけた店と言うが、大当たりだ。主人が若くて明るいのが更にいい味付けになっている。

せいこ蟹、椎茸、あおやぎ

きれいに身を出して食べやすいせいこ蟹、香ばしい岩手産の原木椎茸。粗くおろした大根が美味い。
「ちょっとがっしりした純米酒」「爽やか過ぎない吟醸酒」などなど、訳の分からない注文をすると主人が酒の名前を店の女性に告げる。「ぼくは焼酎を」と言うS氏の注文は銀髪が断った。美味しい料理は冷蔵庫で出番を待っている旨い日本酒で食べたい。

タコが茹で上がった。ユーモアたっぷりに鉢巻きをする。パキスタン、ヒマラヤ、モンゴル、シベリア、カザフスタン、チリの6種の岩塩から一つ選んで削ってもらう。タコは塩で食べる。

たいら貝の海苔巻き、大トロ、シマエビ、こはだの海苔巻き

ぶり、からすみ、とり貝、うに

もう一度ぶりを頼んだ。早い者勝ちだ。自家製のからすみ。滅多に入らない国産のとり貝。最後に礼文のウニ寿司。写真を撮っているうちに崩れ出して、慌てて口に放り込んだ。

書きたいことはたくさんあるが紙面が足りない。近い内にまた行って続編を書くことにしよう。大吟醸酒などの高い日本酒を6合以上は飲んだはずだが、S氏は3枚払って数枚のお釣りをもらっていた。

いつの間にか満席になっている。予期せぬ客が扉を開くと「すいません、一杯です」と主人は威勢がいい。我々が出るタイミングに来た客は、幸運を噛み締めることだろう。

とりで寿司
東京都港区新橋4-10-6
03-5401-1441

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年12月02日

[山はら]③(築地市場内)

みんなが驚き、喜ぶ店


誰にも自慢したい店がある。しかしミシュラン認定の高級店に行ったと自慢しても嫌味な奴だと思われるのが関の山。連れて行くこともなく自慢するだけでは片手落ちだ。山はらなら店の内容はおろか、場所も秘して連れて行く方が面白い。自慢するのは後からでいい。

細く開いた鉄柵の門を抜けて築地市場内に足を踏み入れたところでみんなが驚く。暗がりを歩くとドキドキしているのが分かる。左に折れてさびれた旅館風の店に入る。ギシギシと鳴る階段を上り、へこむ畳を歩き胡坐をかく。皆の表情が可笑しい。

森伊蔵を袋から出して持ち上げると感嘆の声が上がる。次兄が送ってくれたものを家から持ってきた。山はらは酒の持ち込みが出来るのがいい。

鯛、まぐろの大トロ、キンメダイ、カンパチ、イサキ、アジ、ホタテ。豪快な盛り付けを見て、分厚い新鮮な刺身を食べて、みんな驚く。「凄いでしょ!凄いでしょ?」と繰り返し自慢する。みんなが賛同すると調子に乗ってまた自慢する。

豊後水道で獲れたという立派な鯛の塩焼き。銀髪が捌いてみんなに分ける。誰も手を上げないので頭は銀髪が有難くいただいた。

5度目の山はらで初めて毛蟹が出てきた。茹でたてはやはり美味しい。

本来は寿司屋なので、最後の食事は当然ながら寿司。寿司も美味いがアジのつみれ汁がまたいい。アジを包丁で叩いてつみれにしたのがよく分かる。口の中でハラリと崩れる。

余ったら持って帰ろうと思っていたのに森伊蔵は全部なくなった。飲み切ってやろうというみんなの意欲は凄まじかった。銀髪は苦笑いするしかない。「ビール代を含めて5人で約5万2千円」と教えると、口々に仲間を連れて来たいと言う。「カードは使えませんからね」と念を押す。忘年会・新年会シーズンは混み合うから早めの予約が望ましい。

入ってきた時とうって変わって店の外は魚を運び入れるトラックで賑わっていた。フラフラと揺れて歩く仲間が轢かれないかと心配で仕方がない。市場の外に出てホッとした。


山はら
東京都中央区築地5-2-1
03-3541-8747


「山はら」 
「山はら」その2 

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2008年12月01日

[からつもん](福岡)

佐賀人の心意気


「今日は私の知っている店で」と言われると嬉しい。ネットで店を探すのは煩わしいだけでなく、客を連れて行くのに相応しいかどうか心配である。当人が奨める店ならば懸念のすべてがクリアされる。常識人なら高級店は選ばない。

Aさんは料理も含めて予約してくれていた。割烹にしては気取らない居心地のいい店である。呼子のいか、佐賀牛、みつせ鳥など佐賀県は全国的に有名な素材の供給地である。期待してもいいだろう。

川島のおぼろ豆腐、がめ煮、魚のコロッケ、鯛のあら汁

川島は創業から200年以上の佐賀県の老舗豆腐屋。魚のコロッケは香ばしくていい。
豆腐以外は特に佐賀をアピールする料理はない。佐賀と福岡の料理に大きな違いはないのかもしれない。

刺身(あん肝、すずき・かんぱち・さば・するめいか)、子持ち鮎の塩焼き

うちわ海老、もち米団子のあんかけ、さば茶漬け

宮崎産の子持ち鮎の塩焼きも面白かった。うちわ海老はエスカルゴ風味でにんにくが効いている。新鮮で脂が乗っているさばは刺身でも茶漬けでも美味い。

日本酒の品揃えがいいのも嬉しい。銀髪は東京では飲んだことがない九州地元の酒にこだわったが、部下は久保田の最高級酒純米大吟醸洗心を飲みたいと言う。美味いのはもちろん分かっているが、値段も最高である。地方の寿司屋に行って大トロやウニなど他所のものを食べたがる人が多い。どこに行っても自分の嗜好を曲げないのが普通で、変わったものを食べたがる銀髪の方が少数派かもしれない。

それにしても腹一杯になった。鯛も鮎も固い骨だけ残して食べ尽くす銀髪の方が、他の人たちより2割増しの量を食べた感じだ。日本酒の量は3割増しだろうか。

満腹、満腹。ちょっと腹ごなしをしなければホテルに帰れなくなってしまった。

からつもん
福岡県福岡市中央区赤坂1-9-1 ブドウ赤坂ビルB1
080-6445-0141

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック