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2009年01月31日
宇都宮餃子館 インター店
ビールと餃子が最高

今年も酒蔵見学ツアーに行く羽目になった。部下が同じマンションの住民と結成したワイン同好会の恒例行事である。新潟、福島を回った昨年同様、貸し切りバスの費用負担を軽減するために誘われた。集合場所は両国に7時45分。
マンションの住民以外の参加者6人が時間前に揃った。バスに乗り込み、ツアーをアレンジしてくれた西彦酒店で一時停車、酒店の家族と差入れの酒を積み込む。いつも笑顔で優しい店主だ。彼のお陰で随分と助かっている。その後マンションの近くで停車、住民が揃うまで後方のサロン席で30分以上待ち、ようやくバスが動き出した。

蓮田サービスエリアでトイレ休憩。店の中をブラブラしていて唐辛子ペーストを見つけた。餃子にピッタリ合うに違いない。バスに戻りサロン席から前方の席に移動した。喫煙者に置き煙草を注意したが、銀髪が居座れば気分が悪かろう。

宇都宮インターを降りてすぐのところにある宇都宮餃子館で昼食。一見したところ小さく見えたが、敷地内に複数の施設があり、総収容人数300名と意外に広い。200人ぐらい入れそうな団体客用食堂の前に餃子を作る機械が展示されていた。

サービスエリアで買った唐辛子が予想以上に辛くてビールが美味い。「生ビールをお代わりする人?」勢いよく手を上げたのは銀髪を含めて2人だけ。サロン席に座った面々は既にかなり出来上がっていた。
宇都宮餃子館では10種類以上の餃子があるはずだが、団体用メニューではビールも2杯が限度。これから酒蔵見学で試飲会もあると思えば、適量かもしれない。飲みすぎるとトイレも心配だ。

酒蔵見学の後、高根沢町の「元気あっぷむら」に行った。温泉に入り、サウナで酒を抜くと頭がボーッとした。バスに乗り込もうとしてオーバーのポケットにカメラがないことに気付いた。鞄の中を探してもない。銀髪の後にロッカーを使用している人を風呂場から呼び出してもらったがない。施設内で立ち寄ったところも隈なく探した。何も出てこなかった。
絶望してバスに戻り、念のため鞄をひっくり返したら底の方に隠れているカメラを見つけた。カメラを高く掲げるとバスの中に歓声と拍手が湧き上がった。穴があったら入りたい。
施設の方々、風呂場からタオルで前を隠しながら来てくれた人、バスで待ってくれていた人たち、皆さんに大変ご迷惑をかけた。この場を借りて、あらためてお詫び申し上げます。一生懸命探してくれたKさん、K君、ありがとうございました。
酒蔵見学の様子は明日アップします。
宇都宮餃子館 インター店
栃木県宇都宮市徳次郎町高谷原21-12
028-666-1317
http://www.gyozakan.jp
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2009年01月30日
[燕楽](新橋)
人気店は場所を選ばない

評判が高いとんかつ屋さんというので新橋駅前にあると思った。地図で探したら、浜松町一丁目の交差点近くで繁華街から離れている。
前を歩く人たちの数がどんどん少なくなり、燕楽の看板が見える頃には前にも後ろにも誰もいなくなった。11時ちょっと過ぎに暖簾をくぐると一番乗りである。

カウンターの向こうに料理人が3人、こちら側に女性が3人、開店の準備をしていた。「暖房を入れますね」と言われたものの、暖まるまで時間がかかりそうだ。調理場の火に近い席を勧められた。2,300円のロースカツを頼む。

「ロースカツについています」とポテトサラダが出された。漬物と交互に食べながらカツが揚がるのを待つ。冷蔵庫から取り出された豚肉は厚くて揚げるのに時間がかかりそうだ。揚げ油は3つあり、奥の鍋に銀髪の肉が静かに沈んだ。
ポテトを三分の一ほど食べたところでガラス戸の向こうに影が見えた。他の客が来たかと思ったら、鳩が2羽店先で遊んでいた。とんかつが目の前に来る頃、ようやく一人だけの寂しさから解放された。今度は間違いなく人間のカップル。11時30分過ぎからは次々に人が入ってきて、店は活気を帯びてきた。

衣は薄く、淡い狐色で上野ぽん太のトンカツに通じるものがある。何もつけないで食べてもしっかり下味がついているのが分かる。塩で、醤油で、とんかつソースで、味を変えながら食べていった。
カウンターの中を観察するのは面白い。2,300円のカツは弱火でじっくり揚げられる。900円のカツランチの肉は少し色づいた真ん中の油の鍋に入る。厚さの違いかカツランチの肉は強火でどんどん揚がっていく。一般的な濃い狐色のトンカツが好きな人や急いでいる人はカツランチの方をお奨めする。
揚げている料理人と女性店員の一人は中国人のようだ。名店の味や技を受け継ぐのが外国人というのが珍しくなくなった。真面目に働く外国人にはどんどん日本国籍を与えていいのではないだろうか。伝統が維持され、日本人の人口が増える。こんなにいいことはないと思うのだが…
勘定を払って外に出た。鳩のカップルは消えていた。
燕楽
東京都港区新橋6-22-7
03-3431-2122
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2009年01月29日
[ラージマハ-ル](渋谷)
貴族のインド料理?

ラージマハールは都内に5店舗あり、随分前に銀座店に行った。インドにある世界遺産タージマハルは知っているが、ラージマハルは聞いた事がない。似た様な建物の名前かと思ったまま、調べることはなかった。今回、渋谷本店に来てオーナーの名前がラージだと知った。マハールは宮殿の意味。ラージさんの宮殿ということだろうか。
エレベーターを降りると仕切りがないので真正面に厨房が見える。いきなり宮殿に彷徨いこんだような気持ちにさせる演出のようだが、一斉に店員の目が注がれ逃げ場を失った気分になる。先客は我々を待っていたかのように入れ違いに店を出て行った。
パパド、インドビール

座るとすぐにパパドが出て来る。大好きなピリ辛せんべいは酒の肴に最高である。なくなるとすぐに持って来てくれる。全ての店員が我々のためにいる。厨房も我々のオーダーを待ち構えている。料理が重ならないように一品ずつ頼むことにした。ワインを半分空けたらすぐ注ぎに来る。水はいつもグラスを満たしている。たくさんの召使いに囲まれた気分になる。
タンドーリセット

鶏の胸肉、もも肉、ドラムスティック、羊肉、シシケバブ、魚などがタップリ乗った二人分のプレート。これだけでお腹が一杯になりそうだ。インド王侯貴族の味と胸を張るだけあって上品で美味しい。
ナン

銀座店で食べた時は何とも思わなかった。記憶がなくたってしまったようだ。ラージマハールのナンはまるでホットケーキのような香りがする。フワフワの食感と共に他では味わったことがないナンだった。
サグ・バニー(ほうれん草のカレー)

大好きなほうれん草のカレー。タンドーリセットとナンでお腹一杯になっても、まだ食べられる。頼んで出してもらった唐辛子をかければ、完食するのに苦労はなかった。
8時を過ぎた頃からエレベーターが度々開くようになった。店員はエレベーター上の階数表示を見つめて客を待ち構えている。既に我々への関心はなくなっている。
190センチを超える店員の笑顔に見送られてエレベーターに乗る。宮殿を出て喧騒の渋谷の街に戻った。
ラージマハール 渋谷本店
東京都渋谷区宇田川町30-5 JOWAビル5F
03-3770-7677
http://www.rajimahal.gr.jp
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2009年01月28日
[魚や](日本橋蛎殻町)
さかなやでさかな

信号の向こうによたよたと歩く男が見える。彼はこちらに気付いていないようだ。横断歩道を渡ったところで声をかけると、驚いたように見上げる。「何だ真っ白じゃないか。えらい、齢とったなー」約25年ぶりの第一声にしては無礼である。「お互い様じゃないか!」と笑い合った。
「どこに行く?」「俺の知っているさかなやに行こう」素直に彼に従うことにした。魚を食べさせる店の意味と解釈したが、店の名前が「魚や」だった。5年ほど前までよくランチをした店と気付いたのは店の前に立ったときである。鯖の塩焼き定食が好きだった。
お通し

5時半過ぎなので1階のカウンター席には誰もいない。2階に上がると1組先客がいた。「刺身の盛合せでも頼むか?」と聞かれたが、健康にいい魚だけを選ぶことにした。万歩計を見せて涙ぐましい努力を披瀝する彼にはいわし、さば、ぶりなどの青魚の方がいい。

3種を一盛りにしてもらったが、量が多いので驚くと「だからこの店が好きなんだよ」と誇らし気だ。常連ぶる彼に敬意を表してお奨めのぶり大根を頼んだ。これも以前ランチでよく食べたものだ。

空白の25年間を埋める作業に忙しく、食べるスピードが上がらない。その代わり、2合徳利は次々と追加されていく。「おい、ゆっくり飲めよ、身体に悪いぞ!」と注意する。「お前が言うか?」と怪訝な顔をする。学生時代、酒量にかけては銀髪の上を行く奴はいなかった。
中年男が避けられない話題が健康だ。「逆さラクダだからなー」と彼は腹をさすってニヤリとする。逆さラクダは学生時代に銀髪が付けた渾名だ。ラクダは背中にこぶがあるが、彼は腹にあるという意味。「なんだ、まだ覚えているのか」と再び昔話に戻る。

最後に立派なカキフライを食べた。お互い中濃ソースは使わないで醤油をかける。我々の世代には醤油派が結構いる。
いつの間にか店はほぼ満席である。10人ぐらいで宴会を始めた連中もいる。勘定をすると腹を満たした比率どおり、酒代が3分の2を占めた。
昔話は終った。これからは新しい思い出を作る時間。お楽しみはこれからだ。
魚や 日本橋店
東京都中央区日本橋蛎殻町1-15-2
03-3664-9080
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2009年01月27日
[薩摩八郎](新宿)
大阪発の九州郷土料理

新宿東口を出て区役所通りに行く途中に昨年11月、変わった店が出現した。外から見ると店内にいくつもの大きな樽が据えられている。その一つ一つが個室になっているようだ。気になっていた店にようやく入ることが出来た。
「3階へどうぞ!」苦労して急な階段を上ったにもかかわらず、細かく区切った半個室にをあてがわれた。樽の中で飲みたかったのに、まんまとしてやられた。これなら普通の居酒屋と変わらない。
薩摩地鶏備長炙り焼き、黒豚餃子

地鶏炙り焼きは東国原宮崎県知事の専売特許と思っていた。出てきた料理とメニューの写真と比べるとちょっと貧弱だ。黒豚に惹かれて頼んだ餃子もまあこんなものだろう。樽の個室に入れなかったショックがまだ尾を引いている。
たたき、さつま揚げ

薩摩の店名からして予想したとおり日本酒はないに等しい。焼酎はこの種の店としては普通の品揃え。梅酒は10種類あり、女性には喜ばれそうだ。もっとも、最近では焼酎をガンガン飲む若い女性も増えてきた。意外と梅酒を好むのは男だったりして。
肝のレア焼き、豚バラ

肝は「新鮮だからできるこの一品」と書かれたメニューにだまされた。ミディアムとウェルダンの間ぐらいでちっともレアではない。それでも1本130円なら悪くはない。
料理を持ってきても空いたグラスや皿はこちらが言わなければ持って行かない。飲食店でアルバイトしている娘が見たら怒るだろう。小さなテーブルに料理を置く場所を作るのは客の責任である。
料理やサービスに不満タラタラだった銀髪が勘定場から笑いながら戻ってくるのを見て連れが不思議がった。笑ったのは勘定をしてくれた若者が笑顔で「おおきにー」と言ったからだ。九州郷土料理屋にはそぐわない方言が可笑しかった。本店が大阪梅田と聞いて納得した。
「???」あれっ? 「おおきに」って大阪弁だっけ?
がぶ呑み居酒屋 薩摩八郎 新宿店
東京都新宿区新宿3-20-3 ニューサンパークビル別館
03-5361-8400
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2009年01月26日
[鮨屋時蔵](熊本)
熊本は馬肉だけじゃない

熊本に行くと言ったら誰もが「馬刺しですねー」と羨ましがる。しかし毎回馬肉では能がない。部下に「馬刺しと寿司、どちらがいい?」と聞くと、銀髪の心をしばし読んで「寿司がいいです」と答えた。よく出来ましたと言いたいところだ。
熊本出身とはいえ、若い部下が寿司屋を知っているわけがない。ネットで評判が良くてリーズナブルな店を探して電話した。一度電話口から遠のいた声が戻って来て「大丈夫ですよ」と言われるとホッとする。タクシーでの行き方を教えてもらい電話を切った。
8時20分に到着。カウンターに座り、「地物の魚ってあるんですか?」と聞いたら大将は苦笑い。「もちろん目の前に海がありますからね。でも、品切れになっているのも多いんで」と申し訳なさそうだ。


お通しはハイウオ。いきなり食べたことがない魚かと思ったらカジキのこと。地方によって魚の呼び方は異なり面白い。「カジキとマグロは別種でカジキマグロと言うのは間違い」と解説が入る。さば、かんぱち、まはぎ、こはだと続いた。
我々に料理が来なくなった。座敷の客がメインの寿司を食べる時間になったようだ。しばし、酒の肴は主人との会話だけ。「店名の時蔵はどこから来たの?」「私の名前がときぞうなんですよ。苗字は鮨屋じゃないですけどね」と笑わせる。入店してすぐに名刺交換したが、三文字の名をときぞうとは読めなかった。
「握ってもらえる?」「いくつぐらい食べられますか?」腹具合によって食べるものを決めるのは主人の役割。「いいよ、お腹空いているから全部食べるよ」と言ったところで主人の考えはまとまったようだ。壁にはネタの値札がかかって良心的な店だが、主人に任せた方が良さそうだ。



主人の後ろには常に火が燃えている。寿司も炙るものが多い。少し火を通すと魚も肉も美味しくなるし、飽きない。小振りの寿司はもっと出てきても食べられた。
9時半頃に来た3人連れはネタがないからと断られた。それ以降、店に来る人はなかった。勘定をして、外に出ると入り口に札がかかっていた。熊本の夜は短い。時蔵には早めに行った方がいいようだ。

二代目正六 鮨屋時蔵
熊本県熊本市上通り4-11 司ビル地下
096-326-7771
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2009年01月25日
[黒亭](熊本)
熊本で一番人気のラーメン屋さん

12時をわずかに過ぎてしまった。行列ができているかと心配したが誰も並んでいない。タクシー料金を払っている間に2人連れに先を越された。ところが彼らは店の中を覗き込み、あっさりと諦めた。待つことを覚悟して扉を開けると待機するための左手の椅子に誰も座っていなかった。熊本の人は気が短いのだろうか。

座った途端にあっという間に外に行列が出来た。同情しながらも優越感に浸ろうとしたら、食べ終わった客が勘定を払うために店内に列を作った。ちょうど入れ替えのタイミングだったようで、すぐに店の外の行列はなくなった。それでもラーメンが出来上がるのは意外と遅く、店内を観察する充分な時間を与えられた。
店主のおばあさんを含めて老若7人の女性店員がいる。その中の一人がラーメンを作っている。入り口に近い厨房では男性が2人、自慢のチャーシューを仕込んでいる。店の奥の壁には古い建物の写真。「僕が20年前に来たときはあれでした」と熊本出身の部下が懐かしがる。観察に飽きて液晶テレビをぼんやり見上げていたら、ラーメンがやってきた。

普通のラーメンが590円、玉子入りラーメンが820円。相席になった老夫婦のラーメンとは玉子の他にチャーシューの数ともやしが違う。黄身は2つあるのに白身が少ないので双子かと思った。(後でホームページを見たら卵は卵黄2個とのことだった。チャーシューも普通のラーメンより質がいい)
スープを吸う。なかなか美味しいが、卵がスープの温度を下げてしまったかもしれない。黄身を割って麺にからめる。「生卵ですがよろしいですか?」と注文の際に確認されたことを思い出す。スーツ姿の我々は一目で他所者と分かる。
テーブルの上には市販の一味唐辛子とコショウが置いてあり、焦がしニンニクなどはない。こむらさき、味千を抑えて熊本ラーメン御三家で一番人気を誇るラーメンは、想像したほどインパクトは強くなく、熊本ラーメンにしてはあっさりしているように感じた。昔ながらの中華そばの器に通じるものがある。
店を出て歩き出したところでゲップが出た。口の中に広がる匂いは、しっかり熊本ラーメンだった。
黒亭
熊本県熊本市二本木2丁目1-23
090-352-1648
http://kokutei.com/menu.html
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2009年01月24日
ポールボキューズのお弁当 (東京駅大丸地下)
ミシュランの星とは無関係?

まだ11時だというのに東京駅大丸の地下食品売り場は人でごった返していた。列車に乗る人だけでなく、近くの会社員たちも弁当を買いに来る。家に持ち帰るデパートの買い物客もいるだろう。
多くの有名店の弁当の誘惑を退けて銀髪が買ったのはポールボキューズのお弁当だった。
ポールボキューズの料理と最初に出会ったのはオーストラリアのメルボルンだった。約20年前、大京が建設して「バブルの塔」と揶揄した高層ビルに大丸が出店し、ポールボキューズもオープンした。ミシュラン三つ星の名店との評判につられて、いそいそと出かけたもんだ。
店の明るさと前菜のテリーヌの画像だけが脳に記録されている。他の料理の画像は消えてしまった。メルボルンの大丸はなくなったが、今もポールボキューズとの関係は深いに違いない。何たって惣菜屋まで開くのだから。レストランはヒラマツと提携しているらしい。ポールボキューズと聞いても懐かしくなるだけで、日本では行ったことがない。
今日はお弁当で20年以上前の若き日を思い出そうという魂胆だった。まだ30代前半で髪は若白髪の域だった。今よりは黒髪が多かったはずだ。

新幹線に乗り込み弁当を開いた。白いごはんの上にロースカツ、ハンバーグ、パストラミチキン、玉ねぎ、茄子、トマト。店頭に届くのを待って買った甲斐があった。カツはサクッと香ばしく、チキンは胡椒が効いて悪くない。ハンバーグやつけ合せ野菜もいい。609円なら上出来だ。メルボルンでは料理にはそこそこ満足したが、お値段が気に入らなかったことを思い出した。何たってバブルの塔である。
それにしてもポールボキューズがトンカツやハンバーグとはイメージに合わない。どちらもフランス料理とはほど遠い。まさかレストランで出しているわけでもあるまい。それにしてもカゴメの中濃ソースには感心した。郷に入れば郷に従えもここまで来れば立派である。
もちろんポールボキューズが作っていないことは分かっている。名前の使用料が購買意欲を削ぐほど料金に上乗せされているわけでもなさそうだ。またお弁当を買いに行こう。惣菜だけ買ってビールの肴にしてもいい。
しかし、何だがどんどんレストランから足が遠のいていくように感じる。ポールボキューズにとってはこれで良かったのだろうか。
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2009年01月23日
[ブノワ](表参道)
再開したミシュラン一つ星

ミシュラン2009年版にブノワの名がないのに気付いた人はどれぐらいいただろう。2008年版を買った人の何パーセントがブノワに行ったか分からない。昨年の8月に閉店してしまって、ミシュランの評価もあてにならないと思っていたら、原因は他にあった。
店の評価が悪化した訳ではなく、世界的な金融危機の影響で倒産したアーバンコーポレーションがオーナーだったため、その煽りを受けたらしい。捨てる神あれば拾う神がある。別のオーナーの下、12月4日に再開された。総勢27人でランチに行った。

幹事役が予約時に3,300円のランチを予約していた。お酒は高価格なので厳禁。お店への貢献は限定的になるが、暇になる1時半からのランチだから少しぐらいは感謝されたに違いない。光が暑いほどに差し込み、高い天井にもかかわらず暖房は使わなくて良さそうだ。モダンなテーブルの上にはクリストフルのナイフとフォーク。アラン・デュカキスのプロデュースが加わればミシュランの星を受けるのは簡単だっただろう。

豚肉のパテにはワインが必要だったと思う。水を飲みながらでは脂っぽさに半数近くが音を上げた。牛肉の煮込みはコンビーフみたいだと文句を言いながらも残した人はいなかった。

リンゴ尽くしのアイスクリームと、マシュマロ&クッキーも評判が良かった。27人全員にコーヒーか紅茶がいき渡るにはかなりの時間を要した。
「銀髪さんなら星はいくつあげますか?」と聞かれたが、ランチで評価を下すのは正当ではない。値段相応の昼用の料理でとやかく言っても仕方がない。パンやデザートに一流レストランの片鱗は見て取れた。
サービスは27人では行き届かないのも無理はない。もっとも、レストラン評論家なら予約を受ける方が悪いと言うかもしれない。どんな商売だって適正規模というものはある。
ミシュラン2010年版に復帰できるように、新しいオーナーの下で頑張って欲しいものだ。残念ながら27人のうちでリピーターになる人は殆ど居ないだろう。女性はともかく男たちの意見は一致していた。
「俺にはフランス料理は向かない」と口々に言う。フォークとナイフより割り箸が似合う我々である。
ブノワ
東京都渋谷区神宮前5-51-8 ラ・ポルト青山 10F
03-6419-4181
http://www.benoit-tokyo.com/
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2009年01月22日
[日乃本 比内や]③(日本橋)
今夜のメインはきりたんぽ鍋

昨年、日本橋界隈で行った店の中で気に入った店の筆頭格が比内やである。最初は昼に親子丼を食べに行った。普通の親子丼と違い、鶏肉は炭火で焼いている。香ばしい焼鳥が気に入った。
2回目は焼鳥を食べるために行った。期待したとおり比内地鶏はとても美味しかった。日本酒の品揃えも充実していて呑みすぎた。店員の品がいいのも気に入った。

3回目の狙いはきりたんぽ鍋である。まずお通しから。ゆったりと落ち着いた大人の雰囲気を出してくれるのは料理だけでなく店員の貢献度が高い。

ご当地料理の中からはたはたずし、味噌漬けきりたんぽ、みずのこぶの酢の物、いぶりがっこの4品。質素な郷土料理だけに感動するほどのものではないが、日本酒にはよく合う。今回も秋田の地酒にこだわろうと思ったら何と昨年見学に行った夢心酒造の奈良萬があるではないか。大事に取り扱ってくれるところにしか出さないと行っていた専務のことばを思い出した。業者にも信頼される店らしい。

「今日はいいレバーが入っています」と言われて飛びついた。もも肉や羽の付け根の肉、紫蘇焼きも美味しい。しかし、勧めるだけあってレバーが一番。さすがに健康な地鶏のレバーは白レバーより上の味だった。

刺身の盛合せ、砂肝を食べ、焼きものの最後にちょうちん。若い人は初めてと不思議がる。子供の頃、度々食べさせられたと年長者は顔を曇らせる。どちらの反応も楽しくて、銀髪は悦に入ってムシャムシャ。

さあ、きりたんぽ鍋。浅草のあらまさに比べると品がいい。しかし、あらまさで食べた印象を大きく変えることはない。きりたんぽが他の鍋料理に比べると影が薄いのは、素朴な醤油味でインパクトに欠けるせいだろう。肉や野菜を食べ進み、最後に食べたきりたんぽがスープをタップリ吸ってとても美味しかった。他の素材のすべてがきりたんぽのためにあると納得した。

稲庭うどんを鍋に入れてお終いにしよと思っていたが、念のために聞いてみた。「親子丼を食べますか?」 考えてみたら、何度も親子丼の話を銀髪から聞かされた人たちが我慢できるわけがない。小さめの親子丼をみんなで仲良く分け合って食べた。
日乃本 比内や
東京都中央区日本橋室町2-1-1 日本橋三井タワーB1
03-3231-1718
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2009年01月21日
[黄金屋](渋谷)
行列が出来るもつ鍋屋

本当は違う店に行く予定だった。電話を入れたところ、「今ならまだ大丈夫ですよー」と言うだけで名前も電話番号も聞かれない。席がなくなるかもしれないと急いで歩いていると別の店から声をかけられた。新宿店に飛び込みで行って断られ、電話予約もなかなかできなかった黄金屋の渋谷店である。この機会を逃す手はない。
お通しキャベツ

もつ焼き屋定番のお通しは生キャベツ。特製の味噌をつけて食べる。ヘルシーで好きなお通しだが、ちょっと芯が多いような気がする。
注文をするとキッチンにいる白人男性二人が復唱する。料理を運んで来るのは韓国人だろう。都内に7店舗展開できるのも外国人労働者のお陰だ。
酢もつ、牛タン

もつ鍋屋の定番メニュー1番目に必ず来る酢もつ。黄金屋も店の名物と言う。銀髪ももつ鍋屋でいつもオーダーする。各店で微妙に味が違い、黄金屋は酢が抑え目でいい。
フォアグラ風という柔らかく煮た牛タンが酢もつと並ぶ名物料理とのこと。2品を美味しく食べているうちにもつ鍋が食べ頃になってきた。
もつ鍋醤油味

カロリーや脂質は少なめで、ビタミンやコラーゲンが豊富なもつは女性にも人気だ。予約が取り辛い店だというのも納得できる鍋である。
もつを食べ、野菜を殆ど食べたところでお通しのキャベツも鍋に放り込んだ。具を食べ尽くしたところで特撰ちゃんぽん麺を頼む。これで満腹。なかなか良かった。
それにしても隣席のカップルの食欲は凄まじい。黄金屋名物の各種料理やもつ焼きを食べた後に揚げ物が運ばれてきた。これから鍋もやってくるはずだ。
いつの間にか店は満席である。店の入り口の椅子には我々が去るのを喜ぶ客が座っている。店を出たところに客引きはもういなかった。
博多もつ鍋と炭火ホルモン焼き 黄金屋
東京都渋谷区道玄坂1-3-11 1番ビルB1F
03-5728-8600
http://www.koganeya.net/
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2009年01月20日
[旭鮨総本店 ルミネエスト店](新宿)
リーズナブルに食べる寿司

「高いから別の店にしましょう」新宿駅東口のルミネエスト8階の寿司屋に入ろうとしたら止められた。見栄を張るつもりでいたが、遠慮されるとちょっと嬉しくホッとする。しかし、他に食べたい店が見つからず7階に下りたらもう一軒寿司屋を発見。これには連れも頷いた。
下高井戸を本店とする旭鮨はあちこちで見かけるけれど、入ったのは初めて。「何軒あるんですか?」と板さんに聞くと40軒と言われて驚いた。回転寿司を除くと最大ではないだろうか。カウンターに座っても高級寿司店でないと分かれば気が楽になる。

お通しに続いて刺身を適当に作ってもらった。お任せで出てきたのがキンメ、ブリ、イカ、追加に頼んだのがアジ、シメサバ。ブリの産地は氷見と板さんはすぐに答えたが、他の魚については曖昧になる。大チェーン店なので一括仕入れをしているのだろう。板さんが答えられないのは無理もない。

「何か焼きましょうか?」板さんが奨めてくれた魚を断り、立ち上がって席から離れたガラスケースの中まで物色してホタテに決めた。「軽く焼いてくださいね」とお願いしたが、焼き手には伝わらなかったようだ。
板さんがテーブル客のために寿司を握り出した。振り向くと女性の二人連れが多い。年長親子の今日の夕食は寿司セットかな。若い友達同士もちょっとお酒を飲みながらセットの寿司を食べる。我々もダラダラ飲むのは止めて寿司を食べることにした。
メダイ、ウニ、シラス、イクラ、ブリ

最後にブリを頼むと連れが嫌な顔をする。刺身で食べた厚切りのブリが脂っぽかったらしい。無理に食べさせると今度は美味しいと喜ぶ。薄めに切って寿司にすると味が変わるから面白い。
寿司屋と言っても色々ある。旭鮨はリーズナブルに食べられる安心な寿司屋だった。
旭鮨総本店 ルミネエスト新宿店
東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿7階
03-5369-2781
http://www.asahizushi.com
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2009年01月19日
[ロイヤル アスコット](横浜ロイヤルパークホテル)
カクテルは楽しい

「ここはバーですから、カクテルを頼んでくださいね」東京の数々の有名バーに顔がきくI氏は地元横浜だといつにも増して元気である。ショットバーは大好きな銀髪も、甘いカクテルは苦手なので何を頼んでいいか分からない。いつものようにドライ・マティーニかギムレットにするのもつまらない。甘いのは覚悟してアスコット自慢のカクテルを飲むことにした。

1杯目はグランプリ受賞作品のポーリッシュカフェ。甘味を抑えたコーヒー風味のカクテルで、男女を問わず好まれそうなカクテルである。

2杯目はゆずのコンフィチュールカクテル。思ったほど甘くはない。殆どジュースだけど。
カクテルはレシピを聞くのが楽しいのに、テーブル席で残念と思っていたらI氏がたくさんのうんちくを提げて席を移動してきた。
「世界に誇れる日本発のカクテルは横浜のグランドホテルで生まれたんですよ!」と誇らしげだ。1890年に日本で初めて創作されたカクテルが「バンブー」、世界に広まった名カクテル「ミリオンダラー」は1894年作でいずれもグランドホテルの支配人ルイス・エッピンガーによるものである。
「映画から生まれた男女のカクテルは何でしょう?」I氏がクイズを出す。みんなが降参すると解説が始まる。答えはスカーレットとレッドバトラー。以前、銀髪グルメ紀行でも紹介したカクテルだ。(→「カクテル・風と共に去りぬ」)
I氏の話の途中で店員が銀髪の空のグラスを見咎める。「それじゃ、ギムレットを」と言ったところで「やっぱりヨコハマを飲んでもらわなくっちゃ」とI氏が遮った。

ジンとウォッカの2つのスピリッツをベースにしたカクテルで悪くない。今年は横浜開港150周年で数々の記念行事が企画されている。これから1年間、もっとも多く飲まれるカクテルかもしれない。飲む場所はタワー最上階にあるシリウスではなく、重厚な雰囲気のアスコットの方が相応しいようだ。メインバーの呼称はダテではない。
「シャンパンベースの男に合うカクテルは何でしょう?」I氏の質問は宿題となりお開きとなった。ミモザは女性が好む。キールロワイヤルでも銀髪には甘い。さて何だろう?レシピが覚えられない銀髪はI氏のようなカクテル通にはなれそうもない。
メインバー ロイヤル アスコット
横浜ロイヤルパークホテル 2階
045-221-1155
http://www.yrph.com/rest/ascot/index.html
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2009年01月18日
数の子スパゲティ
プチプチして美味しいスパゲティ

土曜日の朝は冷蔵庫をのぞく事から始まる。結婚したとき休日の家事は二人で分担する約束をしたが、いつの間にか食事の担当者は銀髪になってしまった。子供たちは「今日のごはんは何?」と聞く相手が銀髪であることに何の疑問も抱いていない。
冷凍冷蔵庫には一週間以上熟成された素材が出番を待っている。入れられた順番に出してもらえない可愛そうな連中や、食べ残しを見てしばし考える。昼食はスパゲティにした。お相手は数の子である。
おせちに欠かせない数の子も、正月が終れば見向きもされない。今年は元旦の分しか買わなかったのに、実家に行ったら殆ど一箱を押し付けられた。先週スパゲティを作ったが、写真は撮らなかった。美味しく出来るとは思わなかったのだ。写真を撮るために再度挑戦した。

今回はちょっと見栄えを気にして作った。数の子は出来るだけ形が残るようにスライスして、バジルを加えた。上出来と思ったが家族の評価は前の方が高かった。
前回は半分以上を刻みほぐしてスパゲティによく絡むようにし、別に余っていた辛し明太子とシメジを加え、唐辛子、にんにくを炒めてぺペロンチーノ風味のスパゲティにした。数の子の塩味があるので、塩は控えめにした。
スパゲティはどんな具材や味付けでも受け容れてくれる。本場でもたくさんの種類があるに違いないが、素材の多様さでは日本が一番ではないだろうか。数の子スパゲティも我が家の定番になりそうだ。もっとも完成品になるにはもう少し試行錯誤が必要である。
「これだ!」と思うものが出来たころには数の子は冷蔵庫から消える。わざわざ買うことはないので、来年の正月まで食べることはなくなるだろう。
それでも炒めて食べても美味しいことが分かったので、余っても困ることがなくなるのは嬉しい。今度は炒飯にしてみよう。プチプチして美味しいはずだ。茹でたり揚げたりしたらどうだろう。考えるだけで楽しくなった。
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2009年01月17日
特急はくたかでの夕食
単に駅弁だけど…

空が少し明るくなったと安心したのは束の間で、再び前も見えないぐらいに雪が舞う。飛行機が飛ぶ時間の天候は予想できない。東京行き最終便が予定通り札幌を離陸して富山に着陸する保証はない。飛行機はキャンセルして列車で東京に戻ることにした。
5時40分とまだ早い時間なのに富山駅改札前の弁当屋で買える駅弁はます寿司だけだった。東京でも食べられるます寿司ではつまらないので、土産物屋でかまぼこセットを買った。
思ったとおり改札を通ってすぐの売店でも駅弁を売っていた。しかし、残っていたのはます寿司とぶりかまめしがひとつずつ。もちろん珍しいぶりかまめしを選んだ。
特急はくたか21号の発車時刻5分前にホームに出たが、到着が遅れて更に5分待つ間に身体は冷え切ってしまった。列車に乗り込み弁当を開け、口にしたビールがぬるく感じた。

冷えたぶりかまは生臭いかと心配したが、とてもよく出来ていて感心した。弁当屋の技術はたいしたもんだ。氷見のぶりの名声を汚していない。富山の日本酒・銀嶺立山のお相手はかまぼこに代わる。

富山は派手な結婚式をすることでも有名である。その象徴的存在がかまぼこだと言われるが、オードブルかまぼこにはその片鱗も見出せない。かまぼこが結婚式なら、ぶりは結婚後のお歳暮の主役。嫁の実家からぶりを嫁ぎ先に届け、捌いた半身を実家に戻すそうだ。廃れつつある風習かもしれないが、今も年末のぶりの値段に少なからず影響しているらしい。
食べて、飲んで、グルメ紀行を書いている間に黒部や糸魚川など誰でも知っている名の駅に停まってはまた走り出す。いつか観光に来ることがあるだろうか。誰かついてきてくれるかな。
直江津を出たときに、はくたかの遅れは7分に広がっていた。それでも「越後湯沢での新幹線への乗り継ぎはご心配ありません」とアナウンスされたので安心だ。
いつの間にかトンネルの壁ばかりになってしまい、目を凝らしても雪景色は見えない。もうすぐ十日町である。
少し眠ることにした。
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2009年01月16日
[つる幸](金沢)
小京都の美味しい料亭

「天候チェック中」の文字が画面を右から左に流れていく。「定刻どおりに出発することになりました」のアナウンスにホッとしたところで、「天候次第では羽田空港に引き返すこともあります」と不安を煽る。無事に小松空港に着陸、バスも順調に金沢駅に到着した。地元の人に苦労話をしようとしたら一笑に付された。富山空港ならともかく、自衛隊と共用の小松空港は殆ど問題ないと言う。
何はともあれ予定通り昼食会に間に合った。場所は地元の人に探してもらったが、なかなか苦労をかけたようだ。狭い部屋ながらもちらつく雪が見えて風情がある。料理は正月らしく金粉入りのお屠蘇から始まり、盛合せはおせちを思わせる。

白玉貝をすりおろした蓮根で包んだ蓮根饅頭の椀物、すずき昆布〆、ぶり、あかいか、甘海老を配したお造り。2代目主人は道場六三郎と料理の鉄人勝負をしたと聞くと、大向こうを唸らせる料理を出すと思いきや、なかなか繊細でやさしい味の料理を作る。

ほんのり柚子が香る和風かにしゅうまい、ゆり根、穴子、銀杏などが入った蕪蒸し風の椀物もなかなかのものだ。なまこと加賀野菜、ごはんに移るちょうどいい箸休めになる。残った日本酒を飲み干す場面だが、残念ながらランチの酒はお屠蘇のみで終っている。

給仕をしてくれた若い女性のアクセントが京都弁に聞こえたが、能登の出身と聞いてちょっと意外。店と料理の雰囲気によく合う女性だから京都出身と思い込んでしまったようだ。

うなぎには品よく薄くタレがかかっている。もう少し味が欲しくてタレの入った器を持つと温かかった。鉄人勝負だけでなく、数々の料理番組に引っ張りだこというのも頷ける。

水菓子、和菓子と続いて抹茶が来た。地元の人は時計を見て1時間半も経っているのに驚いていた。美味しくて楽しければ時が過ぎるのは早い。
雪が掃き寄せられ、店に入る時にはなかったむしろを踏んで門の外に出た。振り返ると女性店員だけかと思ったら、若い料理人も一緒に頭を下げていた。料理の合間に挨拶に来た女将はともかく、ランチにもかかわらず料理長が外でお見送りしてくれるとは驚いた。俄然、夜に来たくなった。きっと美味い酒席になるだろう。
つる幸
石川県金沢市高岡町6-5
076-264-2375
http://turukou.com
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2009年01月15日
[鈴善](大宮)
頑張れ大宮の関西割烹

地元の人を4人迎えて食事会をすることになり、部下がネットで調べた3店の中から鈴善を選んだ。大宮駅東口の狭い道は不況を忘れるほど人ごみで賑わっている。牛丼屋の角を曲がって少し歩くと右手に大きな提灯が見えた。入り口に立ってネットの写真との違いに戸惑った。
階段を上がって店内に。生簀に泳ぐトラフグを見てちょっと安心。ところが座敷に入ると我々を含めて7人には狭すぎる部屋に顔が曇った。かき入れ時では止むを得ないかと諦めかけたものの部下がダメ元で交渉するとあっさり広い部屋に移してくれた。
煮こごり、皮湯引き、てっさ

「せっかくですから広い方がいいでしょう」と2部屋を一つにしてくれた店主の笑顔がいい。全員が揃って宴席が始まると食事に酒に話に口は忙しい限りで、みんな満足してくれているようだ。
唐揚げ、焼きふぐ、白子

唐揚げや焼きふぐが一匹丸ごととは珍しい。小さいけれどこれもトラフグと店員が答える。先ほどまで泳いでいたふぐから取出した白子は中が少し生のように思える。新鮮だからできる焼き方。「これまで白子は食べれなかったが、これは美味しい」と言う人もいれば「これはちょっと…」と尻込みする人もいる。残った白子は銀髪がいただき、鍋に放り込んだ。
てっちり、雑炊(明太子入り)

平均年齢が60歳に近い我々には鍋の量は少し多かったかもしれない。雑炊には明太子と粗く千切った海苔が入る。本格関西割烹と謳うだけあって、店主には色々なアイデアが詰まっているのだろう。若く見える店主だが大阪の料亭での修行を経て大宮に店を開いて既に26年と知っていれば、入り口に立ったとき店構えは老舗の風格と思えたかもしれない。
かつて近くに数軒あったふぐ屋も新興勢力を除けば鈴善一軒になってしまったそうだ。店主の明るさが客を引きつけてきたのだろう。ふぐだけでなく、すっぽん、蟹、鱧などの高級料理をリーズナブルな値段で提供する大宮では貴重な存在。
いつまでも頑張って欲しいものだ。
鈴善
さいたま市大宮区仲町1-94 2F
048-644-9919
http://www.k5.dion.ne.jp/~suzuzen
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2009年01月14日
[鈴なり]⑦(荒木町)
やっぱりここが好き

「昨年4月以来じゃないですか?」店主の村田さんの記憶は大したものだ。帰ってから半信半疑で調べてみたら確かに前回来たのは昨年の4月だった。「何度も電話したんですけどね」と言い訳したが嘘ではない。特に昨年12月は10日頃電話したにもかかわらず年内満席で予約が取れなかった。
おひたし、三重産の牡蠣

久し振りなので6,000円のコースを頼んだ。4,500円のコースもあるので若い人も気軽に来れる。予約が取れない理由の一つだろう。村田さんに「痩せましたか?」と連れが言う。「エッ?太ったんじゃないの?」と銀髪が反論する。確かに顔は精悍になったように見えるが、動きはゆったりとして無駄がなく貫禄が出てきた感じだ。奥様も笑顔の輝きが増してきたように思える。店が順調なのだろう。

単品で頼むのが好きな銀髪だけど、コース料理の楽しみはあん肝、きびなごの天ぷら、このわた、塩辛など酒肴の華麗な盛合せである。これだけでいくらでも日本酒が飲めそうだ。豊富な品揃えの純米酒がリーズナブルで危険だ。
うにの玉地蒸し、カワハギ

コースでなくても玉地蒸しは頼んだ方がいい。何度食べても感激する。鈴なりはだし汁を使った料理がとても上品で美味しい。玉ねぎや大根を煮たシンプルな料理も好きだ。
お造り、鴨・竹の子、

氷見産ぶり、壱岐産まぐろ、鹿児島産竹の子など、産地談義も楽しい。カウンター席は実に楽しい。
キンメダイのしゃぶしゃぶ、

予想外のものが出て来るのがコース料理の楽しみ。キンメダイをシジミのスープでしゃぶしゃぶするのは初めて。しゃぶしゃぶをした後、キンメダイの旨味も加わったスープを炊き込みごはんにかける。スープをかけなくても充分美味しいが、もう一品得した気分になる。
牡蠣の炊き込みごはん、汁かけごはん

「銀髪さんが何回も書いているからいい店に違いない、と来る人が多いんですよ」と村田さんが言う。来店回数だけでなく文章から銀髪の評価を読み取ってしまう読者の鋭さには頭が下がる。「自分の予約が取れなくなるので褒めちゃダメですよ!」と連れが睨む。
杏仁豆腐

アッと言う間に2時間が過ぎた。いつも以上に酒がすすんでしまった。「ドタキャンが出たら電話くださいね。予定が入ってなければ飛んできますから」と伝えた。テレビで紹介されて以来、失礼な客も増えたらしい。奥様の笑顔が曇ることがないように、みなさんよろしくお願いします。
鈴なり
東京都新宿区荒木町7 清和荘1F
03-3350-1178
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2009年01月13日
[木曽路](名古屋)
木曽路はしゃぶしゃぶの店

全国に100店以上を展開している木曽路、「とりかく」や「素材屋」など別形態の飲食店を擁し東京証券取引所に上場している。立派な店で味も保証付きと言いたいところだが…
名古屋の木曽路に行くのは2度目、前回は会席料理を食べた。東京でも何度か行ったことがあり、いつもしゃぶしゃぶを食べていた。ところが昨年、松阪の和田金、人形町の日山、渋谷の松木、丸の内ビルのモリタ屋などですき焼きの美味しさを再認識した。この日は4人居たのですき焼きとしゃぶしゃぶを2人前ずつ頼んでしまった。肉は一番上の和牛特選霜降り肉である。
ふぐ刺し、刺身盛合せ

肉料理だけではなく様々な料理がある。他の人たちが頼むに任せた。食べたい物を食べてくれればいい。銀髪は少しだけ味見させてもらった。

美しい霜降り肉が二皿やってきた。地元の人に「木曽路の肉はすべて飛騨牛だ」と説明されたが、仲居さんに聞いて勘違いと分かった。それでも立派な国産牛であることは間違いない。しかし、二皿の肉は同じように見える。すき焼き肉は厚めに切り、しゃぶしゃぶ肉は薄くて脂身が多いのが普通だが、木曽路はどちらも同じと聞いてちょっと驚いた。
木曽路のすき焼きは関東風に割り下を使う。すき焼きの名店では肉に薄くからめながら焼いてくれるが、木曽路では仲居さんが数枚を焼いてくれた後、割り下をドボドボと注ぎ入れてセルフサービスになった。

牛肉はしゃぶしゃぶ向きであることは明らかだった。すき焼き鍋では縮れて切れてみすぼらしい。歯応えもなく火を通すとあまりに貧弱な肉に見える。しゃぶしゃぶにすると、ごまだれに良く絡み、するりと喉を過ぎて行く。
地元の人が奨めてくれたように、5,000円くらいのコースにすべきだった。もちろんすき焼きではなくしゃぶしゃぶコースである。看板には「しゃぶしゃぶ・日本料理 木曽路」となっていた。なるほど、そういことか…、と後で気付くお粗末でした。
木曽路 錦店
愛知県名古屋市中区錦3-20-15
052-951-3755
http://www.kisoji.co.jp/
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2009年01月12日
[山本屋総本家](名古屋)
久し振りの味噌煮込みうどん

名古屋駅のJRセントラルタワーズに行った。12階、13階とレストランフロアを歩き回り結局山本屋総本家に入った。
最初に味噌煮込みうどんを食べたのは約30年前で、多分山本屋総本家だったと思う。麺が固くて八丁味噌が辛過ぎると思った。長い空白期間があり、久し振りに食べたのは約5年前。今度は山本屋本店の錦店で、記憶ほど麺は固く感じなかった。最初のイメージが強すぎたせいもあるが、今はアルデンテのスパゲッティだけでなく、そばもラーメンも固茹でが好まれている。味噌煮込みうどんの固さも時代に合ってきたのかもしれない。
12時を超えていたが運良く座れた。入店するときから決めていた冬季限定牡蠣入りうどんがメニューにない。支店はメニューが少ないと思ったのは間違いで、以前食べたのは山本屋本店の方だったのだろう。名古屋出張が増えるにつれて山本屋総本家や山本屋本店に何度も行ったので区別がつかなくなってしまった。
注文するときに、必ず「打ち粉にそば粉を使っておりますが、よろしいでしょうか?」と聞かれる。ダメと答えたらどうするのだろう。店を出なければならないのだろうか。もっとも総本家なら酒と酒の肴だけを食べても許してもらえる。本店の方は「当店はうどん屋ですので必ず一人一杯を頼んでください」と言われるけれど。

何度も食べているうちに、八丁味噌にも違和感がなくなってきた。最初はあれほど濃く感じたスープも、今では何とも思わない。もっと濃いスープのラーメンもある。慣れだけではないような気がする。
「山本屋総本家に行きました」と地元の人に話したら、「あそこは量が少ないからなー」と別の店に行くように奨められた。確かに、すうどんで1,000円もするものを、多くの名古屋人は敬遠するのかもしれない。
ライバル意識が強い総本家と本店だが、値段は似たようなものだ。安いと一段下に見られそうだし、高過ぎると客が離れていく。お値段だけは仲良しの両者である。
山本屋総本家
名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 JRセントラルタワーズ13階
052-581-9625
http://yamamotoya.co.jp/day/index.html
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2009年01月11日
[みなみ](静岡)
マグロは今どこにいる?

小さなビルの急な外階段を5~6人のサラリーマン風の男たちが下りてきた。看板を見るとマグロ専門店のようだ。静岡県には焼津港、清水港など日本有数のマグロ水揚げを誇る港がある。昼飯はここにすることにした。階段を上がろうとすると、さらに数人が下りてきた。

片付けが済んだテーブルを見つけて座る。メニューを見て店名はミナミマグロから来ていることに気がついた。インドマグロの名前でも知られる南半球で獲れるマグロである。
待たされること数分、ようやくやってきたおばさんに「みなみ鮪三色丼」を頼んだが売り切れ。隣で食べている「鮪煮つけ定食」に変更したら、これも売り切れ。思ったとおり人気店のようだ。仕方なく「まぐろ丼」にした。
料理が出て来るまで壁に貼られた説明を読んだ。清水港から直接仕入れているのかと思ったら築地の石司からだとのこと。先日行った目黒の「かねいし」も石司から仕入れているらしく、仲卸の名前がまぐろの品質を証明する。

石司のホームページ(http://www.tsukijinet.com/tsukiji/gyorui/isiji/index.htm)を見るとマグロの漁場が書かれている。青森県大間産ばかりがもてはやされるが、マグロは回遊魚であるため大間には秋冬しかいない。みなみで使うミナミマグロはインド、オーストラリア、南アフリカなどの冷凍物だが、石司の商品なら間違いないというところだろう。
質と値段を見ればみなみが繁昌することは理解できる。しかし、本当に美味しいものを味わいたいなら夜に行かねばならない。東京から気軽に行けるわけでないのが残念である。
まぐろ丼専門店 清水港 みなみ
静岡県静岡市駿河区森下町1-41 タイヨウビル2階
054-288-0232
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2009年01月10日
[フランツィスカーナー]③(日本橋)
ビールを我慢するのは辛い

約2年前、忘年会で窮屈に詰め込まれて仲間が激怒して以来久々に訪れた。客はまだ2組しか入っていないが、我々二人は隅っこの小さいテーブルに案内された。もともとテーブルが小さく、料理をたくさん並べることはできない。ランチでもサラダやパンを順良く食べ尽くさなければ、たちまち料理を置く場所に窮することになる。
ソーセージランチを選んだのがまずかった。必然的にビールを飲みたくなる。小さなランチビールを頼むことにした。ところが、Yさんはあっさりと飲み干して店員にお代わりを要求するにである。思わずそれを制止して、「もっと美味しいビールにしましょう」と言ってしまう浅はかさ。

本物のビールがやってきた。一口飲んでYさんが唸る。ランチビールは日本的なビール風味の炭酸飲料水だったが、本物のドイツ生ビールの何とふくよかなことよ。
グラスを裏返すと泡の線がきっちりと書かれている。泡がこの線より多いとドイツ人は怒り出すに違いない。メニューにも量が明示されており、良心的だと言えるだろう。
銀髪グルメ紀行に書くつもりもなく入店したため、肝腎の料理の写真は撮り損なった。ソーセージも美味しくて本物のビールを合わせれば完璧な食事になる。
1995年に米ドルが高値をつけて以来、円安傾向が続き輸入酒の値段が上がった。最近の円高は輸出企業には大きな痛手となって日本経済を揺るがしているが、一方では輸入食材の値下げが始まっている。ワインなども在庫がさばけた店から値下げが行われるかもしれない。
フランツィスカーナーでも輸入還元セールをやってくれれば嬉しい。生ビールの在庫はそれほどないはずだ。時々ホームページをチェックしてみよう。
東京都中央区日本橋3-8-16 ぶよおビルB1
03-6225-5485
http://www.zato.co.jp
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2009年01月09日
[ちゃんこ屋 六福](赤坂)
カレー鍋はいかが?

羽田空港から車を飛ばして六福に30分遅れで店に入った。「今、始まったところですよ」と幹事役が嬉しそうに手を振った。もともと欠席の予定だったので、ドタキャンの一人分を銀髪が埋めることになった。幹事役が喜ぶのは無理もない。幹事さんは大変だ。
我々のグループが占拠した中央の大きな正方形のテーブルには、食べ散らかされた皿が並んでいた。生ビールがやってきたところで乾杯!最初に来た人は何度目の乾杯だったろうか。グラスがぶつかり合い、笑顔が弾けた。
鳥たたき、揚げゴボウ

まるでカウンターに座っているよで、一つの皿に箸が届くのは3人まで。テーブルが大きすぎるので向かいに座った人と話すには大声を出さなければならない。それでもみんなの顔が見えるのは悪くない。
六福には4種類の鍋がある。人数が多いため4種類全てを頼んで試食したいと思うのは当然である。ところが主に食べたい物を聞くと全員がカレーに手を上げた。カレーちゃんこと塩ちゃんこを交互に置くことでみんな妥協した。トマト鍋と薬膳鍋は葬り去られた。
塩ちゃんこ

黒カレーちゃんこ

幹事の案内ではカレーちゃんこが名物と書いてあったので、銀髪もカレーに手を上げた。しかし、メニューの最初にあるのは塩ちゃんこなのが不思議だった。通常、看板料理が最初に来るからだ。
実際に食してみると、確かに塩ちゃんこの方が美味い。黒カレーちゃんこも悪くないのだが、国民食のカレーには誰しも一過言を持っているから難しい。自分流に味付けした我が家のカレー鍋の方が美味いかもしれない。
おじや

残ったスープにごはんとチーズを入れてリゾット風に仕上がった。単純に白いご飯で食べたがる人も多いだろう。辛さを加える香辛料などがもっとあれば良かった。カレー談義は尽きない。
賑やかで楽しい食事会だった。何よりのご馳走は久し振りに会った昔の仲間たちの明るい笑顔。どんな美味しい料理もかなわない。
ちゃんこ屋 六福 赤坂店
東京都港区赤坂2-14-28 鳳月堂ビルB1
03-3560-1850
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2009年01月08日
[やさい家めい Yasaiya Mei](六本木ヒルズ)
ヘルシーで美味しい野菜のしゃぶしゃぶ

このところ野菜を前面に出す店が増えてきたような気がする。妙に「やさい」の文字に惹かれてしまう。胃にやさしく、メタボにならない食材を求めるようになったせいかもしれない。ネットで「野菜、レストラン、東京」で探すとたくさんの店が出て来た。その中から六本木ヒルズの「やさい家めい」を選んだ。
予約もしないでぶらりと出かけた。六本木ヒルズなら他にも選択肢が多い。早い時間なので見た感じガラガラ。難なく入れて喜んだものの、隣席とくっついた窮屈なテーブルをあてがわれた。予約客を待つ周囲のテーブルが我々を嘲っていた。
野菜チップス、野菜スープ

野菜しゃぶしゃぶコースが始まった。男性店員が右隣の客に野菜スープの説明を始める。野菜チップスをつまんでいても、耳は自然と説明の声に向いてしまう。5品の前菜プレート、野菜のお造りが来る心の準備が出来る。
前菜、野菜のお造り

料理が終るまで2度ずつ説明を聞いたが、言う方も聞く方もちょっと照れ臭い。説明が終るのがもどかしいが、お互い辛抱強く耐えた。隣と違ったのは我々のコースには黒トリュフがスライスされて放り込まれたこと。香り豊かなトリュフスープを2杯飲んで、野菜のしゃぶしゃぶを食べ始めた。
黒トリュフスープと鍋

数種類のキノコ、白菜、レタスなどをしゃぶしゃぶして食べる。半分ほど食べた頃には殆どの席が埋まり、隣席も気にならなくなってきた。
野菜に飽きたらスープのだし代わりの山形産牛の頬肉スライスを口に入れる。柔らかくてとても美味しい。全部食べてしまおうかと思っていると、隣席にお釜がやってきた。鍋の頬肉で牛丼を作ってくれると言うのを聞いて、肉を食べるのを止めた。
釜炊きごはんとほほ肉の牛丼、水菓子

我々の方にもお釜がやってきた。面倒くさいので説明を遮り、「残ったごはんはおにぎりにしてください」と伝えた。既にお腹一杯で2合は食べ切れない。鍋に入れる肉や魚の追加をしなくてよかった。勘定を頼むとまだデザートがあると言う。食べ終わるのは隣と一緒になった。

我々のテーブルを担当してくれたのは渡辺学さん。まだ入店してから数ヶ月と言うが、見事に仕切ってくれた。おまけに自筆の書まで添える丁寧さに感激した。
「今度は予約して来てください。必ずいい席を確保しますから」と言われて思わずにっこりした。最後に渡辺さんと心が繋がった感じがした。
やさい家めい 六本木店
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ 森タワーウエストウォーク5F
03-5775-2960
http://www.eat-walk.com/roppongi/
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2009年01月07日
[Olio GRILL&WINE オリオ グリル&ワイン](新宿歌舞伎町)
リーズナブルに飲み食いできるイタリアン居酒屋

職安通りに近い焼肉の有名店に行ったが、予想通り断られた。予約なしでは難しいと思っていても、それなりのショックを受ける。トボトボ歩いていたら、すぐに炭火焼の店を見つけた。イタリアンでも構わない。今日は肉を食べたい気分だ。
左側に長いカウンター席、右にテーブル席の洋風居酒屋で、気取ったところがないのが気に入った。メニューを見ると焼肉屋より遥かに安く済みそうで嬉しくなる。グラスワインも手頃な値段でたくさんある。
前菜三種盛り

前菜を食べながらワインを飲む。ちょっとご機嫌になる。目の前が焼き場でまだ誰もオーダーしていない。躊躇していると左に座った女性3人組から三元豚のオーダーが出た。すかさず豚タンをオーダーした。
豚タン焼き

炭火と我々の間に仕切りがあるものの、モウモウと立ち上がった煙が横に広がり我々に襲ってきた。席を代われないか聞こうかと思ったところで気がついた。煙の元は我々がオーダーした肉だ。文句を言える資格はない。焼きあがって手元に来たら煙は収まった。柔らかくて美味しいタンだ。
三元豚

隣客の三元豚も美味しそうなので追加注文をした。タンよりましだが再び煙の攻撃にあった。これも我々のオーダーだからじっと我慢をする。燻されたように焼けた豚は美味しかった。でも、次回来るときは、焼き場が見える一等席は避けた方が良さそうだ。この店の場合はカウンターの両端が特等席だ。
ラクレット

店名のOlio(オリーブオイル)からの連想でアーリオ(にんにく)・オーリオ・ぺペロンチーノを最後に食べようと決めていたが、ラクレットがあると知って気が変わった。ワインに合うし、ちょっとお洒落である。フランスパンにつければ、それなりに腹も膨らむ。
Olioは新橋や渋谷にもあるらしい。韓国料理が多い歌舞伎町でも存在感がある店に育って欲しいものだ。
Olio GRILL&WINE オリオ グリル&ワイン
東京都新宿区歌舞伎町2-28-16 ウィザードセブンビル1F
02-3205-1146
http://www.k-n-p.net/olio/
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2009年01月06日
[楽](下北沢)
オヤジも歓迎してくれる居酒屋

♪1月は正月で酒が飲めるぞ、酒が飲める飲めるぞ、酒が飲めるぞ!♪ 30年ほど前に流行った「日本全国酒飲み音頭」は、誰でも簡単に覚えられる歌だ。2月から豆まき、ひな祭り、花見、子供の日、田植え、七夕、暑いから、台風、運動会と続く。6月、8月、9月以外は成るほどと頷ける。11月は「なんでもないけど」と滅茶苦茶なのが面白い。12月の歌詞は「忘年会」でよさそうだが、さて何でしょう。
昨年、忘年会で下北沢の楽に行った。いつもなら二次会の途中にようやくやって来るカーディーラーの友人が、一次会が始まってすぐに到着した。不景気を象徴するような話だが、早くからみんな揃って飲めるのは嬉しい。
刺身盛合せ、ベロ大根

いつものようにカメラを構えるとV字サインをするひょうきんな仲間。カットすると言ったけどボツにするのは惜しい。看板料理の一つがベロ大根。ベロは牛タンのことで、よく煮込んであって柔らかい。
タジン鍋

一番の名物がモロッコのタジン鍋らしい。初めて見る不思議な鍋で野菜を蒸し焼きにする。水は入れないから素材だけのピュアな味が楽しめる。
我々のテーブルの担当者「のりぴー」の札が鍋の上に掲げられている。15分蒸して、さらに火を止めて5分待つ(たぶん)。ピーマンの形をしたタイマーが騒ぎ出したところで「のりぴー」と叫ぶ。
下北沢は若者の街。楽も客の殆どは若い男女。我々ばか者たちだって負けていないはしゃぎようだ。酒の勢いで「オーイ、のりぴー」と度々呼びつける。すぐに飛んでくる可愛い奴だ。残念なのはのりぴーが男だということぐらい。
明太子コラーゲン雑炊

女性に人気の雑炊を男ばかりで食べた。溶き卵を入れて最後の仕上げをしたのはもちろん銀髪。他の連中もおだてるのを忘れない。
「混んできたら2時間で終わり」と言われたが、結局3時間を超えた。どの料理もリーズナブルで悪くない。なのに学生が帰省して少ないせいか空いていてラッキーだった。
そうそう、12月の歌詞は「ドサクサ」である。分からないでもない。歌詞を忘れたら適当に自分で作って歌える楽しい歌だ。
さー、今年も飲むぞ! 取りあえず ♪ 1月は新年会で酒が飲めるぞ、酒が飲める飲めるぞ、酒が飲めるぞー♪ イェーイッ!
くいものや 楽 下北沢店
東京都世田谷区北沢2-17-11 バディーアンビルB1
03-3795-3724
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2009年01月05日
ラーメン、うどん、そば、スパゲッティ
今日は麺
2日から2008年を振り返って来たが、今日で最終回。明日から通常ペースに戻りますのでもう一日お付き合い願います。
九州(博多、熊本、鹿児島)ラーメン、札幌ラーメンなどは東京でも頻繁に食べるが、食べたことがないものがまだまだたくさんあるものだ。
話には聞いていたが濃厚なスープに生卵を入れる徳島ラーメンは面白かった。徳島ではいのたに、東大、麺王 の3店に行った。
東大

大喜の富山ブラックラーメンは濃厚と言うよりショッパイ。これも癖になりそうな危ないラーメンだ。今度は生卵を入れて食べたい。ラーメンランキングでいつも上位に来る東京天神下の大喜とは無関係。歴史なら富山の大喜の方が遥かに上だ。
ブラックラーメン

広島からはつけ麺。何度も広島に行きながら、食べるものはいつもお好み焼きだった。つけ麺を食べたことはないとは迂闊だった。ばくだん屋と流行屋に行ったが、それぞれ特徴があって面白い。
ばくだん屋

愛知県では誰でも知っているあんかけスパゲッティ。東京でも食べたことがあるが、元祖の「ヨコイ」で食べると人気の理由が分かる。
ミラカンとエビフライ

博多の麺と言えば豚骨ラーメンが全国に知れ渡ったが、うどんも他地域のものとはちょっと違う。因幡うどん、大名うどん、かろのうろんなどの老舗を凌駕するのがうどん平で行列が出来るのも頷ける。丁寧で優しい応対も好ましかった。
ごぼう天&海老天

福井出張をして越前おろしそばを初めて食べた。東京に戻り福井で食べたものより美味しい越前そばが目と鼻の先、日本橋三越近くの「御清水庵 清恵」で食べられると知った。
越前おろしそば

地方の名物でも東京で食べられるものは多い。麺類だけではなく色んな郷土料理についても出身地の人に評価してもらうと有難い。
コメントを公表するのが嫌な方は、トップページ左にあるアドレスにメールしてください。よろしくお願いします。
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2009年01月04日
この一品(東京以外)
東京以外にも美味しい店はたくさんある
ふぐ、あら、いか、さば、あじなど海の幸が豊富な福岡。特にふぐの2店は感激した。
「博多 い津み」のふぐてっさは噛み応えがあり、秀逸だった。二枚引きという刺身の造り方があることを知った。東京並みのお値段が玉に瑕。
てっさ二枚引き

福岡の郊外に位置する「油山山荘」では初めて白子の刺身を食べた。白子酒も面白かった。こちらは「い津み」と異なり東京より遥かに安い価格設定が嬉しい。安くはないが、充分に行く価値がある。
白子の刺身

海の幸に目を奪われがちだが、九州は肉も名品が多い。牛肉では佐賀牛、宮崎牛、鹿児島牛などなど。福岡「田無羅」のロース肉は一口食べて驚いた。切り方に特徴があり、肉の旨味を最大限に引き出す。サシの立派さだけを評価基準にしていたのを反省させられた。
ロース焼き

北海道も豊富な魚介類がある。それを堪能するならリーズナブルに食べられる「たる善」がいい。東京にも支店があるが、値段が全然違う。料理人との会話も楽しいお奨めの店だ。
ししゃも、鮭児、にしん

徳島の「ししくい」でのウニも面白かった。自ら割って食べるのだが、部下が躊躇するので桶の中をウニが逃げ回る。目の前でウニが動くのは不思議な光景だった。鳴門のワカメも秀逸で、産地で食べる新鮮な魚介類を堪能した。
ウニ

名古屋の「うな春」には今後の発展を願ってエールを送りたい。関西風の蒲焼の香ばしさ、歯応え、特注釜で炊き上げた米、名古屋に多い鰻の名店を超える可能性がある。
ひつまぶし

東京外で他にもいい店がたくさんあるに違いない。読者から教えていただけたら有難い。
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2009年01月03日
この一品(東京)
もう一度食べたいこの一品
昨年食べたもので、印象深かった料理、もう一度食べたい一品をご紹介しよう。
「あわびの源太」は蝦夷あわびを使ったあわび料理の専門店で、東京進出してからまだ日が浅い。丸ごとのあわびにかぶりつく何とも贅沢な一品である。当然ながらちょっとお高いのが問題で、そう何回も行ける店ではないのが辛い。
あわび秀飯

しゃぶしゃぶ派に転じて久しいが、昨年はすき焼きの美味しさを見直した年だった。人形町の日山、渋谷の松木家など割り下を使った東京風のすき焼きも美味しかった。肉に少しずつ割り下をからめながら焼くのがこつであることが分かった。最後に食べたために最も印象が強いのかもしれないが、関西風すき焼きの「モリタ屋」の美味さには思わず唸った。
すき焼き

何度も行った大好きな楽しいお店「小はれ日より」も、昨年は新しい発見があった。リーズナブルに創作中華が食べられる店だが、ちょっと予算を上げて、事前に予約して行ったら逸品に巡り合った。フカヒレはもちろん牛アキレス腱も初めてのものではなかったが、何とも不思議で濃厚な味付けに料理人の底力を見た思いがした。
フカヒレと牛アキレス腱のスープ

ふぐの名店「満寿家」もランチはリーズナブルで食べられる鰻の店。大枚払って野田岩で天然鰻を食べた直後に訪問した。満寿家のうな重は野田岩に負けていない。さすがは3代続く老舗。昼も手抜きはない。
うな重

「ヴィロン」のバケットの美味しさは定評がある。たかがフランスパン、どこがそんなに違うと馬鹿にしていたが、食べてみて驚いた。外側のカリッと中のモチッは秀逸だ。香りも抜群。みんな良く知っている。渋谷店だけでなく丸の内店でも買える。
バケット・レトロドール

外側のカリッと言えば新宿の「かりふわ堂」のお好み焼き。一見したところ普通の大阪風お好み焼きだが、中のフワッは初体験。大阪名物は粉物しかないと軽んじていたが、実に奥が深い。安くて美味いものを探求する大阪人の真骨頂である。
豚玉

初めて銀髪グルメ紀行を読む方は赤字の店名をクリックしてください。たくさんよだれが出ること間違いなしです。
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2009年01月02日
私の好きな店
2008年に行った中から3軒
グルメ紀行を始めて3年以上経った。もともと素人の銀髪に料理の評価ができるとは思っていない。自分の知識なんてたかがしれている。たまたま食べたものや、応対をしてくれた従業員で全てが決まるなんてことはあり得ない。百歩譲って許してもらえることは、銀髪の好みを記すことぐらいだろう。
一番楽しかったのは新橋の「とりで寿司」だ。店主が若くて元気がいい。高級ネタを扱う一方で、からすみを手作りするなど創意工夫をしている。自分のアイデアを形にするのが楽しくて仕方がないように見える。
料理のプレゼンテーションだけでなく、話も上手。他の客との一体感もあっていい。寿司屋にしては手頃な値段なのも嬉しい。
佐島のたこ(とりで寿司)

鮎料理で有名な「鮎正」は、創作料理を完成するまでの苦労話が聞けるのが楽しい。貴重な天然鮎を内臓や骨まで余さず料理する執念とも言える姿勢に感動させられた。主人の話を聞きながら食べると何倍も楽しい。ただでさえ予約を取るのが大変だったのに、ミシュランに選ばれてしまった。
苦うるか(鮎正)

焼鳥の「バードランド」も有名な店で、焼鳥が美味いことは言うまでもない。驚かされたのは酒に対するこだわりである。主人自ら酒蔵に足を運び、バードランドの料理に合う酒を探し出す。取り扱いが楽な焼酎に行かないところがいい。中途半端を許さない厳しさが感じられた。
月桂冠・昭和51年純米古酒(バードランド)

3店に共通するのはカウンターである。料理よりも口説くことが目的の人はテーブル席を選んだ方がいい。料理人の方がモテるのは間違いないからだ。女性も退屈な相手だからとカウンター席を望んではいけない。嫉妬されたら元も子もない。
カウンターで楽しむためには料理人との間の取り方が大切。他の客も居たら独占は出来ない。何より料理を作る邪魔をしては本末転倒ということになる。名前は上げきれないが「カウンターに座って欲しいですね」と言う料理人の居る店は間違いなくいい店だと思う。
銀髪に付き合ってもらっていつも感謝感謝である。
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2009年01月01日
2009年正月
あけましておめでとうございます

正月にもかかわらず、銀髪グルメ紀行を開いていただきありがとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

今日が1184回目の銀髪グルメ紀行になります。当初は同世代以上の男性読者を想定していたため、銀座、日本橋界隈の店に多く行きましたが、途中から若者や女性を意識して新宿、渋谷にも足を運ぶようになりました。
地方都市のレストランも紹介しているので、出張者や旅行者の方々にも利用していただいているようです。ありがとうございます。
冒頭の写真は富山行きの機上から撮影したものです。いつ見ても富士山の荘厳さには感動します。正月にもっとも相応しい写真でしょう。
銀髪プロフィールのシルエットを見て、うまく書けているとお褒めのことばをいただきますが、「こだわり」の担当者が私の写真を塗りつぶしたものですから似ているのは当然です。それでもよく出来ていると思います。
「毎日外食してよく太らないですね」と感心されますが、バランス良く適量をオーダーすれば、家で食べるのと何ら変わりません。と、胸を張りたいところですが、やはり金曜の夜に一番体重が増えています。土日にちょっと食事の量を減らして、運動をして何とか体調を維持しています。
銀髪グルメ紀行より半年早く始めた自転車。昨年はホノルル・センチュリーライド2008年を走りました。それなりに努力しているというところでしょうか。


今年は、どんな一年になるでしょう。グルメ紀行と自転車の両方を続けていけるか、自信があるような、ないような…
本年もご指導、ご支援いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
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