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2009年04月30日
[ボスボラス・ハサン](新宿三丁目)
久々のトルコ料理

チュニジア、イラン、ギリシャ料理などと似ているために何度も行った気になっていたが、トルコ料理屋は高田の馬場のDENIZに行って以来約6年振りである。強大なオスマントルコが周辺の地域から食文化を吸収したのか、洗練された宮廷料理に発展したためか、あるいは両方の理由からか、トルコ料理はフランス料理、中国料理と並んで世界三大料理の一つと言われる。
ホームページによると、ボスボラス・ハサンのオーナーは日本初のトルコ料理屋(イスタンブール?)で5年間シェフを勤めた後、1993年に独立したそうだ。真に日本におけるトルコ料理屋の草分け的存在である。内装はエスニック料理屋にしては立派な店で、宮廷料理をイメージしたののかもしれない。
エキメッキ、キュチュック・メゼ

前菜盛り合わせキュチュック・メゼを頼んだら、パン(エキメッキ)につけて食べるものだと言われた。パンを手で千切ろうとしたら熱くて皿に放り出した。これがもちもちしていてとても美味しい。冷めてしまうと味は半減するので、温かいうちに食べきった方がいい。
中東料理の代表格ドネルケバブを食べるか、他の料理にするか迷った。他の店と味比べをしたいと同時に、初めてのものに挑戦したい気持ちもある。
ボスボラス・ヨーウルト・ケバブ

店の人と相談してケバブを使ったオーブン料理を食べることにした。遊牧民を祖とするトルコ人にとってはヨーグルトも欠かせない食材である。意外と酸っぱくなくて良かった。しかし、量が多くて他の料理を追加することは断念した。
スットゥラッチ(ライス入りプリン)

デザートは銀髪には甘過ぎた。本来は甘くして飲むチャイ(トルコ紅茶)は砂糖抜きで飲んだ。
トルコワインを飲んだが、残念ながらフランスワインほど洗練されていない。中東・地中海の代表的な酒は薬草系などのスピリッツ、蒸留酒が主流。日本人からしたら洗練された料理と日本酒を持つ日本料理を世界三大料理に加えたいものだ。もっとも、世界三大料理はキリスト教、仏教、イスラム教から一つずつ選んだと解釈すれば分かりやすい。イスラム代表は間違いなくトルコである。
ボスボラス・ハサン
東京都新宿区新宿3-6-11 第一玉屋ビル2F
03-3354-7947
http://www.bosphorushasan.com/
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2009年04月29日
[わかい](人形町)
熱い熱いラーメン

毎月1回行くのがとても楽しみなラーメン屋。週1回ぐらいは行ってもいいのだが、人形町の床屋に行くついでなので仕方がない。ラーメンマニアらしい若者は見当たらず、いつも近隣の会社員たちで賑わっている店である。

路地裏にあるため、通りすがりの人が偶然入って来ることは殆どない。メニューの最初にあるのは醤油ラーメンだが、多くの人は味噌ラーメンを頼む。しかも3人に1人は「カタメン、1.5」と付け加える。麺の茹で方が固め、大盛りの意味である。
この日は11時10分に到着した。一番乗りである。主人が銀髪ただ一人のためにラーメンを作り始めた。出来上がるまでに客が入ってこないことをひたすら祈る。客が増えると主人はもやしをどんどん加えて客の数に合わせるので、出て来る時間は遅れて味は不安定になってしまうことがある。
もう一人の料理人が茹で上がった麺をどんぶりに入れた。もう安心だ。今日はラッキーなことに作り終わるまで次の客は入って来なかった。

もやしを炒めてスープを加えて煮込む札幌ラーメン方式の料理法のため、滅茶苦茶熱い。これが最高にいい。熱くなければラーメンではないと思う銀髪である。どんなに評判の店でもスープがぬるいと好きになれない。
ラー油壷の底に沈んだ唐辛子をすくって加える。時には持参の一味唐辛子を振り入れる。熱さと辛さで鼻水が出て来る。ポケットティッシュを持っていなくて何度後悔したことか。初めて食べた時は違和感があった茎わかめも好きになった。
半分ほど食べたところで客がどんどん入りだした。主人、麺を茹でる人、女性店員、合計150歳はゆうに超えるだろうベテラン達に活気が出てきた。銀髪はどんぶりに神経を集中する。今日はティッシュを持っているので安心だ。
今日は今までで一番美味しかった。髪が伸びるのが待ち遠しい。
わかい
東京都中央区日本橋堀留町1-7-16
03-3661-3661
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2009年04月28日
[やいやい](表参道)
日本文化を支えるのは外国人

ブランドショップが並ぶメインストリートから裏道に入ればリーズナブルに食事ができる店があるはずだと思った。ところが予想に反してファッション関係の小さな店が殆どであせった。幸い飢え死にするかもしれないという恐怖感は数分で消えた。お好み焼き屋が目の前に現れたのだ。客は若者ばかりと思ったら、我々が座ったカウンターの隣には中年夫婦が居て少し安心した。
男前もやし、キャベツ炒め

「お奨めです」と言われた料理は右隣のカップルが食べているもののようだ。サンプルがあるので頼みやすい。お通しに見えたのがピリ辛の男前もやし280円。ひ弱なもやしも辛さを加えれば男前になるらしい。お好み焼きが出来上がるまでの時間潰しにピッタリのキャベツ炒めが380円。アンチョビソースが塩辛くてビールに合う。
ホルモン焼き

左隣に出されたホルモン焼きを見て追加注文。すぐに調理が始まるのが心地よい。鉄板が大きいので満員の客の注文も難なくこなせるようだ。入り口を見ると予約の客以外は断られている。やはり銀髪は日頃の行いがいい。
山芋焼き

山芋をつなぎにするお好み焼き。一度は豚肉入りを頼んだが、ヘルシーに徹して野菜だけのものに変更した。プチトマトなどが入って面白い。
あまからまぜ焼き

甘く煮た豚肉そぼろを入れたお好み焼き。辛味は別添のソースで調整する。目の前で調理するので「マヨネーズはなしで、ねぎは半分だけかけて」などと我侭な注文も伝えやすい。
「ROKA」さんはどこの人?料理人の胸元の名札を見ながら声をかけた。日本に来て3年、調理場に立って2年半と言う。もう一人はMUDITAさん。共にバリ島の出身。人気のお好み焼き屋を支える料理人二人が外国人とは愉快だ。
お好み焼きを食べながら話を続けた。異国で一生懸命働く若者を見るとエールを送りたくなる。
勘定を終えて席を立ち「頑張ってね!」と言ったら爽やかな笑顔が返ってきた。二人ともなかなかのハンサムボーイだ。表参道路地裏の旅は正解だった。一期一会。いい青年たちに出会えた。
やいやい
東京都渋谷区神宮前6-8-7
03-3406-8181
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2009年04月27日
[かゆう](福岡)
リーズナブルに楽しめる天ぷら割烹

「西中洲とは通だね」褒められた部下は、別の地元の人に紹介されたとは言えずに曖昧に笑った。お通しから細やかな仕事が見て取れる。カウンターに立てかけられたメニューが見事だ。白墨で店主の奥様が書いたそうだ。
お通し、メニュー

部下が常連ぶって次々に頼む。福岡に来たら定番のごまさば。目の前でポテトチップを作るのを見て不思議に思っていたら、看板メニューのポテトサラダになった。
ごまさば、ポテトサラダ

「鯨はミンク?」と聞いたら鰯クジラとのこと。「珍しいね。それならもらいましょう」実にきれいだ。さえずりも赤身も美味い。嫌がる部下に無理やり食べさせたら再び箸を伸ばした。「天然鰻じゃないの?」と部下が残念がる。養殖物だが柳川産と聞いて食べることにした。白焼きは関西風の仕上がりである。
鯨刺身、鰻白焼き

「おーッ!えつがあるじゃないか」地元の人が解説を始める。カタクチイワシ科に属し筑後川に産卵する。東京人にとっては幻の魚かもしれない。美しい姿に相応しい繊細な味の魚だ。
イチオシの日本酒は店名と同じ「かゆう」。店主が一流料理屋の料理人たちと米作りから搾りまで参加して若竹屋酒造に詰めてもらった酒である。日本酒にこだわる店が悪いはずがない。
エツの天ぷら、辛子蓮根

もちろん看板料理は天ぷらである。部下が食べたことがないと言うこしあぶらとこごみを頼んであげた。
天ぷら(畳いわし、有明海苔、こしあぶら、こごみ)

最後は天むす。名古屋大須・千寿の天むすをイメージしたので、出てきたおにぎりを見てちょっと戸惑った。随分と試行錯誤したと言う天むすは美味しかった。
天むす

東京で修行して九州出身の奥さんに手を引かれて店主が西中洲に落ち着いたのが2年半前。リーズナブルに美酒美食が出来る店を手に入れた博多の人たちは奥さんに感謝しなければならない。
美酒美食 かゆう
福岡県福岡市中央区西中洲5-3
092-752-6779
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2009年04月26日
[達 Tatsu](福岡)
もやし入り和風ハンバーグ

福岡に来たときの昼食はラーメンかうどんが定番になっている。どちらにするか悩んでいると「洋食はどうですか?」と部下が言う。「以前、地元の人に連れて行ってもらったんですが、ハンバーグが美味しい店ですよ」とまで言われたら断るわけにはいかない。
12時を回っていたので混んでいた。普段は4人掛けのテーブルを、分けて2人用の席を作ってくれた。壁にくっついた長椅子に座ると、クッションの切れ目でお尻が痛い。わざわざ奥の席を勧めてくれた部下を責めるわけにはいかない。
ランチのハンバーグを頼もうとして「期間限定」の文字が気になった。店員に聞くとやはり看板料理のハンバーグではない。ジュージュー音を立てて鉄皿で出されるのが名物らしい。シェフのお奨め、和風ハンバーグを頼んだ。

もやしが入っているハンバーグは初めて食べた。もやしが入っているのが和風ということだろうが、もやしの原産国は東南アジア、インド、中国などで日本ではない。海外各地で料理に使われており、オーストラリアでは生のままサラダに入っていて驚いたことがある。
もともと外国のハンバーグは牛肉100%で、それ以外は和風ではないかという疑問も湧いてくる。合挽き肉、玉ねぎなどで作るハンバーグは日本人の発明品と言われる。もやしハンバーグと言われれば素直に納得するのに我ながら偏屈と呆れる。
それにしても日本人の創造力は素晴らしい。豆腐ハンバーグ、鰯ハンバーグなどいったい何種類のハンバーグがあるのだろうか。不況下で麻婆もやしの素が大ヒットしていると聞いた。和風ハンバーグは安価な割に見栄えがする。カロリーも低く健康志向に合う。もやしハンバーグも家庭料理のレパートリーに是非とも加えたいものである。
もやし入りハンバーグはなかなか美味しかった。1965年創業の老舗洋食屋さんらしく、ビーフシチューなど他の料理も評判がいいとのこと。反対側の壁には表彰状らしきものが掛けてある。福岡を代表する洋食屋に違いない。
達 Tatsu
福岡県福岡市中央区天神3-16-1 日若ビルB1
092-751-7302
http://www.tatsu1965.sakura.ne.jp
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2009年04月25日
人形町今半のお弁当
すき焼き紙鍋

「おい!いつ来るんだよ!」さすがに苛立った。忙しい客のためにランチミーティングにしたが、肝腎のお弁当がなかなか来ない。10時45分~11時30分のお届け指定にもかかわらず、到着したのは12時直前だった。
一人が怒っていると、他の人は寛容になるから面白い。一番忙しい人が「大丈夫ですよ」と笑うので楽になった。汗を拭きながら料理を並べる配達人には一言だけの文句で止めにした。「後はこちらでやるからいいよ」と開放すると、彼は次の場所に怒られに行った。
別室にそっと料理を並べておき、みんなを驚かそうというたくらみは潰えた。それでも紙鍋がセットされたときは、誰もが少しばかり感激してくれたようだ。

銀髪にとっても初めての試みだった。誰もオフィスですき焼きが食べられるとは思わなかったはずだ。火を点けたばかりのときは不安になるほど頼りなかった固形燃料も、だんだん勢いを増して食べ頃が近づいてくる。

さすがに牛鍋の老舗、今半である。出前とはいえ、牛肉も美味。誰もが目の前の鍋に夢中で、いつものように話が弾まない。それでもみんなが褒めてくれるので主催者も配達の不手際は気にならなくなった。
黙々と食べ尽くした後にも、紙鍋にはたっぷりのスープが残った。店で食べれば肉や野菜を追加して、最後にうどんでも入れてもらうところだが、それはかなわない。なんとも間抜けな終わりかたのような気がした。それでも、ランチとしてはちょうどいい量だったかもしれないと納得した。
今半は1895年(明治28年)に創業、人形町今半は昭和27年に浅草今半日本橋支店として開業した。その後、昭和31年に長男が浅草今半、次男が人形町今半を継いで、それぞれが独立して発展してきたそうだ。
東京都内だけでなく、神奈川、千葉、埼玉でも配達してくれる。ちょっと変わったランチミーティングはいかがでしょうか。
人形町今半
http://www.imahan.com
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2009年04月24日
[いふう](中目黒)
女性に人気の焼き鳥・割烹

中目黒に来たのは2回目。目と鼻の先にあっても知らない町は多い。早めに来て、中目黒駅周辺を歩いた。大きな街のように見えるが、ちょっと歩くと下町のような風情もある
路地をぶらついて待ち合わせの少し前にいふうに着いた。予約が取り辛い人気店だ。
遠くから来た人が近くの人を待つ当たり前の風景。生ビールを一口飲んだところでNが「1分遅刻だな」と言いながらカウンターの隣に座った。料理人の前に座る我々が唯一の男同士。女性に人気の店は不況を知らない。
お通し、お造り

お通しはごま豆腐。この店の看板らしい。鯛、まぐろ、スミイカの3種盛に鯛の白子を加えてもらった。一流の味をリーズナブルに食べられると言うのが人気の理由のようだ。
焼鳥お任せ4本

「嫌いなものはありませんか?」と店員が言うので「好きなものはレバーです」と答えると苦笑い。お任せなので選べないのが辛い。しかし、しっかりレバーは入っていた。レアに焼かれて満足のいく出来だ。焼鳥屋の看板は掲げていないが、この店の主役が何かは明白である。
大根おろし、砂肝、ぼんちり

口直しに大根おろしを食べて銀髪だけ焼鳥を2本追加した。見かけによらず食事に保守的なNにぼんちりを半分食べさせた。初めて食べたと言うから驚きだ。
いふうサラダ、豚肉の燻製

焼鳥はたくさん食べたくないと言うNのためにサラダと自家製のスモークポークを頼んだ。
日本酒もリーズナブルでなかなかいい。酒の肴を追加しようと思案する目の先には土鍋がある。火から下ろされて蒸らしているようだ。
竹の子ごはん

最近よく見る炊飯用ではない普通の土鍋が出てきた。これでお腹一杯。なかなか美味しかった。
焼き場の料理人はイヤホンで2階の注文を受けているようだ。ガード下に開店して2年、今の場所に移転して2年。新しい店らしい工夫が見られる。料理人は忙し過ぎて話しかけるのも気が引けるのがちょっと寂しかった。
いふう
東京都目黒区中目黒2-7-11
03-3715-8662
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2009年04月23日
[伊勢定](日本橋)
うなぎ会席

「うなぎ屋を予約しました」と言われて考え込んだ。だらだら酒を飲んでから最後にうな重では満腹で動けなくなるし、分け合ってどんぶり飯をつつくのもゾッとする。コース料理の内容を見たら、最後の食事は半うな丼になっている。よし!5,250円の「野立」に決めた。
ぬた、おから、お造り、焼鳥、うなぎの肝焼き


コースとは別に焼鳥とうなぎの肝焼きを頼んだ。苦味のある肝焼きは通好みで、酒を飲まない連中はあまりいい顔をしない。うなぎ屋定番のうざくを頼もうかと思ったが止めにした。酢の物を嫌う男は多い。
白焼き、う巻き、若竹煮

白焼きが出てきてようやくうなぎ屋らしくなってきた。う巻きもなかなかいい。伊勢定は日本酒の品揃えがいいのが気に入った。うなぎ屋で純米酒や吟醸、大吟醸を何種類も置いている店は他に知らない。
半うな丼、肝吸い

うな丼を仲居さんが各人の前に置いて行く。優しい部下がそれを奥に座っている人にまわそうとして仲居さんに止められた。先ほど白焼きの腹の方を食べた人には、蒲焼きは尾の方を出すらしい。公平に分配するという気配りには感心した。
漬物、水菓子

バランスの取れた良いコースだった。しかし、うなぎは大勢揃ってコースで食べるものではないと、あらためて思った。うざく、う巻き、肝焼きを肴に軽く日本酒を飲み、最後にうな丼を食べるのがベストではないだろうか。デザートなんていらない。
昼なら肝焼きでビールを飲み、うな重で腹を満たす。これが一番だな。
伊勢定
東京都中央区日本橋室町1-5-17
03-3241-0039
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2009年04月22日
[鉄板鍋一蓮](渋谷)
女性に人気のコラーゲン&ヒアルロン酸ジュレ鍋

渋谷駅前を歩いていたら若い女性がグルメガイドを配っていた。一度は通り過ぎたものの、かわいそうだから貰ってあげた。パラパラめくると「鉄板鍋」の文字が目に入った。見たことも聞いたこともない。じっくり読むと「クーポン特典4,500円→2,950円」とある。これに負けた。
店内は若い女性ばかりで半分が埋まっていた。銀髪に場違いのような雰囲気に臆しながらもカウンター席に落ち着く。店員にグルメガイドを開いて見せると「たった500円の追加で6,000円の豪華満足コースに出来ます。内容は………」ろくに説明を聞かずに承諾した。
お通し、サラダ

ナムルとキムチの盛り合わせ、海鮮チヂミ

鍋に行き着くまでにお腹一杯になりそうで心配した。海鮮チヂミを半分食べたところで店員を呼んだ。
鉄板鍋

鉄板の中央に穴を開けたような初めて見る鍋。周りに盛った野菜を穴の中に崩しながら食べるように説明を受けた。コラーゲンの玉とヒアルロン酸ジュレが溶けてしまったところに牛肉をしゃぶしゃぶする。途中まで食べた頃に豚肉ときのこ類が出てきた。
我々と同時に食べ始めた左隣の女性二人は苦もなく食べ切ってしまいそうだが、我々は一生懸命譲り合った。殆どなくなったところで店員を呼ぶとうどん、きしめん、おじやを選べると言う。
おじや、杏仁豆腐

写真を撮って味見するだけのつもりが、おじやは美味かった。食べ尽くすと鍋の形状があらわになる。なかなか面白い鍋料理だった。
店は満席になっている。宴会をやっている10人ほどのグループに数人男が混じる以外は全員が女性。あらためてグルメガイドを見ると「美食ナビ こだわり東京OLのおいしいグルメマガジン」となっていた。
インターネットでも割引クーポンが手に入る。コラーゲンと割引クーポンの威力は絶大である。まあ、定価で食べる人はいないだろうな。
鉄板鍋一蓮
東京都渋谷区道玄坂2-23-13 渋谷デリタワー3F
03-5489-6262
http://www.ichiren.jp
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2009年04月21日
[六覺燈](銀座)
銀座に溶け込む高級串カツ

大阪黒門市場に本店があると聞いていたので「串カツですよね」と切り出した。関東では串揚げと呼び、串カツは豚肉と野菜のはさみ揚げを指す。大阪名物串カツは「ソース2度つけ禁止!」という言葉に代表される庶民の食べ物である。
サラダ

高級串カツ店らしく、トマト・キャベツ・ごぼう・大根・きゅうり・ヤーコン・スナップエンドウが入ったサラダが美しい。なしのような味のヤーコンが珍しく、固い皮の塩トマトが甘い。
牛肉、貝柱、エンドウ豆のコロッケ

とろけるような牛肉やプリッとした海老を食べて、素材が高級なら串カツといえども庶民の手の届かない料理になると納得した。ところがエンドウ豆のコロッケが出てきたところで様相が一変した。単にネタを高級にしたわけではなく、かなり手を加えたものが次々と出てくる。
和食なら日本酒と決めている銀髪だが、揚げ物にはワインがいい。赤ワインをグラスで求めたら、ボトルを開けてデカンタに移し変えるので驚いた。値段が跳ね上がるのを覚悟しなければならない。
とんぶり、あさり、桜えびもち

基本コースは20本で、中でも一番鮮烈だったのが桜えびもち。銀髪の目の前に置かれた途端に香りが立ち上る。桜えびを炒って、車えびのミソを加え、餅と合わせて揚げたそうだ。
揚げてくれる楠さんと楽しく会話していたら、名札をつけていない人がにこやかに現れた。店主の水野さんだ。やわらかな大阪弁の合間に強烈な自負が顔を出しては消える。しばし空気を支配した後、客が入って来たからと風のように自分の持ち場に去っていった。
「楠さんも大変だねー」と声をかけたらなんとも言えない笑顔が返ってきた。
鮭、こんにゃく、豆腐

桜えびの次に感心したのがこんにゃく。歯応えがあって実に面白い。これだけ料理の工夫をすれば店主も従業員も楽しくて仕方がないだろう。ワインに合う自家製パンや各種デザートも大阪生まれとは思えないような(失礼)洗練されたものを出す。
勘定を終わったところで店主が再登場し、店の外まで見送ってくれた。「ニッポンイチや、ニッポンイチヤデー!」と、後ろで言っているような気がした。
六覺燈
東京都中央区銀座6-8-7 交詢ビル4F
03-5537-6008
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2009年04月20日
[ぼるが](新宿西口)
中高年の憩いの居酒屋

約10年振りにやってきた。その前が更に10年前。大学時代はしょっちゅう来た店だが、卒業後は10年に1回来ては懐かしんでいる。階段を上がってすぐのコーナーには70歳前後の6人組が同窓会でもやっているようだ。その内の一人が立派なデジタル一眼レフのカメラで同僚たちにフラッシュを浴びせている。
お通し、もつ煮込み

店内も外観も記憶の通りだけど、30年前の客層は学生や若いサラリーマンが多かった気がする。1949年に創業して、現在の場所に移転したのが1958年。かつてあったような若者たちの熱い議論は、店の隅々まで探しても見つけられない。
ばん焼き

ぼるがの看板料理は焼き鳥&焼きとんである。道路に面した炭火でおじさんが焼いている。2人前頼んで塩とタレを半々にしてもらったが、2本ずつ5種類という訳ではなく、鳥肉と豚肉をうまく混ぜてくれた。塩味もいいが甘くとろみのあるタレも捨て難い。
おから、わらび、湯豆腐

一皿の量が多いので食べ応えがある。30年前は量が少ないと思ったかもしれない。もっとも、若い頃は肉類ばかりを食べて、山菜や豆腐の類は避けたことだろう。
腹が膨れてきたところでもう一度店内を見回した。若い女性の3人組と2人組が店の雰囲気に溶け込んでいる。30年前にはなかった光景のように思える。何度見ても男子学生らしき連中はいない。この日は若き日の自分を見つけることはできなかった。
腹いっぱいになったので勘定をした。70歳前後の6人組は数分前に席を立った。また10年後、ぼるがで彼らに会えるかもしれない。6人全員が揃っているとは限らないが…
ぼるが
東京都 新宿区西新宿1-4-18
03-3342-4996
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2009年04月19日
月見そば
たかが月見そばと笑うなかれ

生卵が無料でトッピングできる「まえだ」では、月見そばが380円のかけそばの値段で食べられると思って喜んだ。お得なまえだが近くにあるのに、小諸そばが満席なのが不思議に思えた。興味が湧いて月見そばの値段を見たら何と290円ではないか。そば自体の質が違うとはいえ、衝撃を受けた。
数日後、日本橋の立ち食い蕎麦屋「よもだ」に行った。生まれて初めて月見そばを頼んだ。かけそばが220円、卵が50円、合計で何と小諸そばより安い270円。なんだか申し訳ない気持ちになった。
よもだ

小諸そばの写真も撮らなくっちゃ。数日後、小諸そばに行った。そばを鍋に投げ込む。ざるでお湯を切ってどんぶりに移す。ここから「よもだ」と作り方が違った。どんぶりに入れたそばの中央に窪みを作って卵を乗せ、その上に熱いそばつゆをかけたのだ。白身が少し固まり、盛り付けも美しい。イヤー、月見そばは奥が深い。天ぷらそばなどはつゆを入れて最後に具を乗せるのに月見そばだけ別格だ。
小諸そば

他の立ち食い蕎麦屋はどうだろう。なんだか月見そばにのめりこんでしまった。日本橋三越前の六文そば、東京駅八重洲地下街の梅もとへ行った。
六文そば、梅もと

そばの質や量が違うので値段の比較はどうでもいい。関心があるのは作り方のみ。固唾を飲んで料理人の手元を見詰める妙な客である。どちらの店も卵を乗せてからつゆをかけるのは同じ。しかし六文そばは黄身がどんぶりの隅っこに流されてしまい、梅もとは最初からどんぶりの縁に卵が割り落とされたのでつゆが卵全体にかからない。
味についての評価は立ち食いそばフリークに任せることにして、美しさでは小諸そばが一番だった。他にも立ち食いそばの店は山ほどあるから、作り方の統計を取りたくなったが、それも立ち食いそばフリークに任せよう。もう、月見そばは飽きた!
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2009年04月18日
[まえだ2号店](京橋)
まえだに何があったのだろうか?

数ヶ月前、久し振りにまえだの1号店に行ったら閉まっていた。2号店が近くにあるはずだが、場所が明確ではないので他の店に行った。数日後、1号店が再オープンしたことを知った。1号店のことは忘れ、今度は最初から2号店に向かった。

2号店は1号店よりはるかに立派で夜は居酒屋になる。入り口に夜のメニューが置かれていて、なかなか魅力的ではある。店に入り自動券売機で食券を買おうとしたが1号店より種類は少ないようだ。
天ぷらそば

温泉たまご、わかめなど無料のトッピングを入れて、席についた。天ぷらは期待ほど熱くない。汁もあまり熱くない。天ぷらは1号店の方が立派だった気がするが記憶違いだろうか。それでも10割そばに大きなかき揚げを乗せて、卵とわかめも加えて480円で豪華なそばになった。
再び天ぷらそば

いいコメントを書きたいので再訪した。前より混んでいる時間帯だったので、配膳口でちょっと待たされたが運よく熱い天ぷらが回ってきた。「卵は一人1個、他のトッピングは1つまみ」と注意書きされているにもかかわらず、何人もが時間をかけてトッピングするのでイライラした。汁はやはりあまり熱くなかった。
かけそば

意外と多くの人がかけそばを頼むので、今回は銀髪も真似をした。卵は無料なので380円のかけそばが追加料金なしに月見そばになる。他の人を見ると天ぷらそばに固執していない。丼物に卵を入れたり、人それぞれ。これから暑くなればもりそばの方が良さそうだ。
まえだの1号店に行ってみた。メニューの種類は減って2号店との違いは立って食べるか、座って食べるかの差しかないように見える。まえだは以前のまえだではなくなってしまったように見える。まあ、どうでもいいか。
それにしても、七味唐辛子がでかい!必見に価値あり。
蕎麦 まえだ 2号店
東京都中央区京橋1-19-2
03-3562-8820
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2009年04月17日
[流石はなれ](新富町)
これからもっと輝きそうな期待の星

地図を片手に迷わず到着できた自分を褒めてやりたかった。こんなところに?という路地に流石はなれを見つけた。椅子の足がガラス越しに見える不思議な外観。中に入り、そば打ちが真正面に見える席か料理人の目の前か悩んだ。
たくさん歩いたご褒美は恵比寿ビール。五十嵐さんがそば味噌を出す。そばの実がコリコリして美味い。矢守さんがそばを打ち始めた。思ったよりも早く仕上がっていくのに驚く。
そば味噌、桜海老とえんどう豆の玉子とじ、うなぎ

連れのKさんが箸や箸置き、皿や酒器を褒める。場所、店、什器、すべてがはなれという名に相応しい。時間がゆっくりと流れる。この日は10席の店に客が4人だけというのもラッキーだった。前日までの予約が必要なので、これから客が増えることはない。
氷魚、かつおのたたき、あさりそば

氷魚(鮎の稚魚)は初めて食べた。先週テレビで琵琶湖を旅した芸能人が食べていて羨ましく思ったばかりだ。「かつおのたたきは好きじゃない」と言うKさんが一口食べて目を瞠る。農家から直接仕入れた藁で炙ったと言うから本格的だ。燻製に似た香りがほのかにする。愛知産のあさりがふっくらとして美味いこと。温かいそばを食べて思わず笑ってしまった。美味しくて笑ったことはあまりない。
えぼだい、わらび

幽庵焼きの魚、山菜、日本酒が進んで危険だ。五十嵐さんが忙しそうなので、矢守さんに「10割そばは切れやすいと思っていたけど違いますね。そんなに練っている風でもなかったけど」と声をかけた。「いいソバを使っていれば切れる方が不思議です」とこともなげに言う。
ウニ豆腐、そばがき、若竹煮

湯葉のような豆腐に乗った特大のウニに感激し、ふわふわのそばがきにまた笑ってしまった。自費で買った石臼を手で引くので、微妙な食感を出せると矢守さんが解説する。「毎日ひいているうちに右腕だけが太くなっちゃいました」と笑う。
そば、いもようかん

何度見てもきれいなそばだ。食べ終わっても千切れたそばは殆どない。そば湯を飲んでまた笑った。まったく今日はどうかしている。日本酒を飲みすぎてしまったのだろうか。
流石の本店は銀座1丁目にあるそうだ。それにしても若い二人に店を任せる本店のオーナーは立派。期待に応えようと頑張る二人も大したもんだ。「開店当初はお客様がたくさん入るとバタバタして大変でした」と五十嵐さんが笑う。まだまだ発展途上というところだろうが、充分楽しめた。
店を出て「今日のコースは8400円だったんですよ」とKさんに言うと「エー!12,000円ぐらいと思ってました」と驚く。黙っておけばよかった。
流石 はなれ
東京都中央区湊3-13-15
03-6228-3870
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2009年04月16日
[天松](渋谷)
気取らない老舗の天ぷら

2階のカウンター席に座ろうとしたところで先客と板さんとの会話が聞こえた。コース料理ではなくお好みで揚げてもらえるようだ。料理人が銀髪の方にやって来たので、こちらもお好みをお願いした。「お通しはいかがしますか?」という質問には驚いた。内容を聞いて天ぷらに専念することにした。お通しを断ることが出来る店はあまり記憶がない。
カウンターの上に置かれた野菜の籠盛りからたらの芽、こごみ、ふきのとうの山菜3種、旬の竹の子、間に定番の海老、キスを挟んでもらうことにした。


板さんが座敷の客に揚げている白魚を見てこれを追加。季節の魚介類のメニューはなく、カウンターの上にも乗っていないので手探り状態。「はまぐりはあるの?」「ありますよ」鹿島産の立派なはまぐりが出てきた。「高そうだね」と言うと「はい、高いです」とあっさり肯定されて苦笑い。どうも話が続かない。旬の素材が一段落したところで穴子を頼んだらまず骨が出てきた。穴子はもちろん江戸前羽田沖。


「ごま油の比率はどのぐらい?」と聞いたらちょっと憮然としたように見えた。老舗の江戸前天ぷら屋さんが使うのは100%胡麻油と決まっていると言いた気だ。焙煎したものと、生絞りを調合しているそうだ。「穴子が嫌いと言っていた連れが、美味しいってさ」と褒めたら板さんは初めて嬉しそうに笑った。
デザート代わりに頼んでおいたかぼちゃとさつま芋を食べてお開きにした。甘いものが苦手な銀髪でも天ぷらにすると美味しく感じるから不思議だ。
天松は昭和11年創業。新宿のつな八や船橋屋などの老舗天ぷら屋に通じるものがある。奇をてらわないオーソドックスな天ぷらをリーズナブルに食べさせてくれる店である。ミシュランに選ばれることはないだろうが、誰でも気軽に利用できる店も貴重である。食べたい物を食べたいだけ食べることができるのも嬉しい。
連れが「今度、子供を連れて来よう」と言う。老舗でも肩肘張らないところがいい。
天松 渋谷本店
東京都 渋谷区 道玄坂1-6-1
03-3462-2815
http://www.tenmatsu.com/
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2009年04月15日
[織音](日本橋)
接待にも使えるお店

「会員様ですか?」電話予約の際に聞かれた。そのとき織音は東急リゾート・ハ―ヴェストクラブが昨年10月に開いた会席・割烹料理屋だとは知らなかった。「近隣の方ですか?」と会員以外でも優しい応対に安心した。
社員6名を引き連れてランチに出かけた。5,040円の小会席、一人は刺し身、もう一人が鶏肉が苦手だと告げてある。

烏賊の文字が鳥に見えたので文句を言いそうになった。どうも老眼がひどくなって落とした照明の下では見えにくい。「品書きにさしみ醤油と書くのは珍しい」とMさんが指摘する。「ダシを加えて作っているのでしょう」と銀髪。名料理長らしく、さりげなくアピールしているように見える。


「立派だなー」刺し身の代替料理は見事な野菜尽くし。銀髪も刺し身がダメだと言えば良かった。「ぜんまいじゃありませんからね」煮物に入っている山菜を指して皆に知ったかぶりをする。色鮮やかなこごみである。

山菜の天ぷらはこごみ、ふきのとう、たらの芽の3種類。次の料理が出てくる間の話題は箸に向かった。再びMさんの指摘で変わった形状の箸であることに気付いた。「女将が器に凝っていますので」と店の女性に教えられたのは箸置き。裏返すと素材が書いてあり、集めてみると5種類あった。

本日のお楽しみデザートは夏みかんのゼリー。甘さ控えめなので銀髪でも美味しく食べられた。ここでも自家製か高島屋で買ってきたのかとたわいもない話で盛り上がった。

日本橋界隈は意外と接待に使える店が少ない。織音は6人用の個室が2つだけだが、大きな部屋でも席の間にゆとりがある。我々が大はしゃぎしても、他の席のおば様たちの迷惑にはならなかったと思う。6席の割烹や、バーもリゾートクラブらしい趣がある。
ホームページを見ると料理長は見事な腕前を持っているようだ。女将も経験豊富とのこと。次回はゆっくり割烹にでも行ってみようかな。
織音(おりね)
東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロントB1
03-3516-1097
http://www.orine.jp/
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2009年04月14日
[魚金 浜松町店](浜松町)
お洒落な魚金

新潟勤務を終えて東京に戻ってきた次兄の歓迎会の場所は予定通り長兄お奨めの魚金・浜松町店になった。「実は先週、新橋本店に行ったんだよ」と言うと、長兄は不満気である。店の前に立って「へー、お洒落じゃないか。新橋と随分雰囲気が違うね」と驚くと、「そうだろう」と機嫌をなおした。
「生牡蠣2つね」と長兄がオーダーするのを遮った。880円の価格は魚金にしては高い。「いくつ入っているの?」と店員に聞くと「5個です」と答える。「やっぱりね」新橋本店に行った経験が生かされた。もちろんオーダーは1つに変更した。

刺し身6点盛の値段は数種類あり、新橋では量の違いと早合点してしまった。実は質の違いと後で気付いた。従って今回は高級魚を加えて2,480円のものをオーダーした。他の魚介類も日によって内容が変わるようだ。それにしても相変わらず量が多い。

今日は3人なので新橋で敬遠した金目の煮付けを頼んだ。ところが店員の返事は無常にも「売り切れです」。仕方なく他の品を頼んで刺し身を食べていると、別の店員がやってきた。「これから新橋店に取りに行きます」と嬉しいことを言う。いい心掛けだ。

1980円の金目鯛の煮つけも食べ応えがあった。男3人とはいえ、中高年では腹の容量にも限界がある。1軒目は長兄、2軒目は次兄、最後の屋台のラーメンは銀髪が払っていたのは30年以上も前のこと。大いに飲んで食べては過去の話になってしまった。
兄弟3人、半世紀を超える付き合いであっても、一緒に暮らした期間は意外と短い。成人してからは誰かが地方や海外で勤務したため、3人で飲む機会はめっきり減っていた。
今回は2軒目も長兄にご馳走になった。銀髪は口で大いに貢献した、かな?「またやろうぜ」声を掛け合ってそれぞれの巣に戻って行った。
魚金 浜松町店
東京都港区浜松町2-6-4 シンシア浜松町1F
03-5401-5368
追伸
刺身6点盛りの6点は間違いではないかとの指摘が多いので、メニューを載せます。確かに不思議ですよね。

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2009年04月13日
[WAZA](新宿)
さすがサントリー

新宿駅東口を出てすぐ正面のビルの階段をずんずん下りていった。店内は照明を落とした大人の雰囲気。カウンターバーのある部屋は喫煙ルームだと言われてちょっと怯んだ。それでも意を決してカウンターの右端に座った。写真を撮るならここがベストのようだ。
季節野菜のチーズフォンデュ

「大人の空間でこだわりの野菜を食す」がコンセプトらしい。自慢料理はポトフやフォンデュとのことで、今日は後者を選んだ。「何種類のチーズを使っているの?」「一種類だけです」「へー、そうなんだ」プレミアムモルツを飲み干して白ワインに移る。グラスワインの品揃えがよくリーズナブルなのが嬉しい。
谷中しょうがの豚バラ肉巻き、キャベツのコロッケ

店長お奨めの谷中しょうが。豚肉との意外な組み合わせだ。「美味しいよ、あなたが店長?」「違います。呼んできましょうか?」「いやいや、それには及ばない」
オリジナルメニューの中から選んだキャベツのコロッケ。「これはいいねー。つなぎはホワイトソースかな?」「いいえ、キャベツだけです」「フーン…」
宮崎日向豚の炭火焼オリーブ風味とマスタード

自慢料理は炭火焼。薬味はオリーブを刻んで和えたもの、沖縄の塩、フレンチマスタードの3種。肉は箸で切れるぐらい柔らかい。何もつけなくても充分美味しいが、薬味を変えると飽きない。気前良くグラスにたっぷり注いでくれた赤ワインが豚肉に合う。
勘定を待っていると店長が挨拶に来てくれた。先ほど店員にしたのと同じ質問をする。
「チーズは何種類使っているの?」「2種類です。ワインなどは加えず、チーズ本来の味を召し上がっていただいています」
「キャベツコロッケのつなぎは何ですか?」「ベシャメルソースです。このコロッケを作るのはなかなか難しいですよ」
「ところでどこかのチェーン店ですか」「親会社はサントリーです」
謎はすべて解けた。大資本の系列店で、しかも大きな店では若い店員を教育するのは大変だろう。質問する方が悪い。酒の種類が豊富でリーズナブルな価格の理由も分かった。
店長が店の外まで見送ってくれた。とても居心地のいい店だった。また来ますよ。
東京都新宿区新宿3-27-4
新宿東海ビルB1
0120-71-7703
http://www.dynac-japan.com/waza/
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2009年04月12日
[魚店きなり(いおだなきなり)](祖師ヶ谷大蔵)
住宅街のナンバーワン居酒屋

「貝好きのKちゃんを連れてきたら大喜びするね」数ヶ月前来たときに自分が言った台詞をすっかり忘れていた。誕生祝をする場所を居酒屋にすると言われて驚いたが、少しずつ思い出してきた。「あー、あそこはいいね!」と言って、怪訝そうな視線を払いのけた。
いつもは勝手にオーダーする銀髪だが、今日は主役に任せることにした。出てくる料理を素直に食べる。メニューも見てないので料理名は覚えていない。
ふかひれ梅なんこつ、刺身(初鰹、たこ)

蓮根もち、くるみ湯葉、貝5点盛り

たこ唐揚げ、鮟肝、鰯刺し身

他の連中のオーダーが途絶えたところでようやく銀髪の出番だ。カレイの唐揚げは頭と骨が食べたい。身は他の人にあげる。ほたるいかの生食は珍しい。ほんの僅かだが寄生虫がいることがあるので、スーパーなどではボイルして売っている。経堂の老舗魚屋が展開する魚真出身の店主だからこそ、生ほたるいかにも自信があるのだろう。
カレイの唐揚げ、ほたるいか、

じゃこぬた、鰻の肝焼き、柚子シャーベット

前回来た時は平日だったから予約なしで入れたが、土日は混雑する。家族連れや若いカップル老若男女、近隣の住民が集まってくる。中高年も小上がりで何かの打ち上げ会をやっている。料理は新鮮で美味しく、酒の種類も豊富。若い店主や料理人がきびきび動くのも気持ちがいい。何よりもリーズナブルな値段設定が魅力である。
「祖師ヶ谷大蔵でナンバーワンの店かもね」と言ったら同意する人が多かった。大手の居酒屋チェーン店に行くより満足感は高い。
魚店きなり (いをだなきなり)
東京都世田谷区祖師谷3-33-2
03-3484-0095
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2009年04月11日
[らん月]④(銀座)
最高級のハンバーグ

久し振りの銀座らん月。何度も来ているので書くことはないだろうと思っていた。ところがどっこい、新商品開発を常に心がけ、老舗の名前に安住していないから偉い。
「俺はダイエット中だから」と言いながら、K氏はいつものように次々にオーダーする。最後に「ハンバーグ、ビーフカツ」と言うので耳を疑った。しゃぶしゃぶ、すきしゃぶと2種類の鍋がメインで、前菜が洋食メニューとは想像を絶する。
プレミアムビーフカツ

ビーフカツにしては柔らかい。まるでメンチカツのようだ。単純に牛肉に衣をつけてあげたものではなく、薄切り肉を重ねたものだった。いわゆるキムカツやミルフィーユカツの牛肉バージョンである。
プレミアムハンバーグ

これは美味い。口の中でとろけるハンバーグなんて食べたことがない。ステーキもしゃぶしゃぶ肉も赤いところがあると絶対食べないK氏が喜んで食べているので、「中は生ですよ」と言うと驚いたような顔をする。目や脳ではなく舌のほうが味を正確に判断する。でも、次回は「しっかり焼いてくれ」と言うんだろうなー。余計なことを言ってしまった。
すきしゃぶ

ビーフカツとハンバーグを分け合って食べてすきしゃぶに移った。鍋奉行はしゃぶしゃぶなんてやらせてくれない。「これじゃあ、すきしゃぶではなくすき寄せだ」といつものように銀髪が皮肉る。すきしゃぶもすきやき風のタレを使ってしゃぶしゃぶのように食べるらん月のオリジナル商品。すっかり定番メニューに定着した。
もっとハンバーグを食べたくて、らん月のホームページを見た。なんとランチの定食セットで4,0000円もする。高級牛肉を、注文を受けてから包丁で叩いてミンチにするとのこと。とろけるような美味さの理由が分かった。ハンバーグというようりタルタルステーキの表面を軽く焼いたものと思った方がいい。ビーフカツは4,500円。いずれにしても気軽にランチで食べる値段ではないのが残念だ。
銀座らん月
東京都中央区銀座3-5-8
03-3567-1021
http://www.ginza-rangetsu.com/
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2009年04月10日
[彦まる](神田)
極上だしの静岡おでん

「すいません、8時から予約が入っているのでゆっくりできませんが…」我々に与えられた時間は1時間弱だが既に好ちゃんでほぼ出来上がっているので問題ない。カウンターに座る前におでんの鍋にカメラを向けた。真っ黒な汁と串が静岡おでんらしい。

「隣で食べてきたから少なめにね」と頼む。同行したYさんがこだわる黒はんぺんを各人に1枚ずつ、あとは白もつ、ねぎまぐろ、すじ、大根を盛ってくれた。お通しの茹でピーナッツを挟みながらおでんを食べる。
ビール、ホッピー割り、マッコリと飲んできたが、おでんに合わせて日本酒に移った。

おでんを食べながら「これって美味しすぎないかい?」と言うとヒゲの店長が「だしを取る肉が違いますからね」と笑う。当初ホルモン焼きの「好ちゃん」だけでは肉を使い切れなかったので、静岡出身の元総料理長がおでん屋を思いついたとのこと。肉の良さはさっき食べて証明済みだ。
カウンターからだしとなるグツグツと煮える白濁したスープが見える。「開店以来注ぎ足しながら使っていますが、地元の老舗の味にはまだ勝てませんね」と謙虚だ。
「静岡といえば桜えびだよなー」Yさんが桜えびの話を続けていると、小鉢が出てきた。「築地に納める業者から直接仕入れていますから」と生の桜えびを出されてYさんが感激した。
ちょっと食べて出るつもりが、Yさんは既に日本酒を3杯目。銀髪も付き合って2杯。

「最後に何かお奨めは?」と聞くと「静岡おでんと串揚げの店ですから」と言うので、お任せで揚げてもらった。もちろん主役は黒はんぺんのフライ。おでんとは違った味わいだ。
予約の客で席もほぼ埋まり店長と話す時間もなくなってきた。彼と楽しく話すのも8時が限度のようだ。好ちゃんのグループ店の若者たちはイタリアンやフレンチの料理人が多いと言う。オーナーは少ない資金で開店できるホルモン焼き屋からスタートした。好きちゃんは3店舗に増え、彦丸も人気店となった。昨秋にイタリアンのタッタボッカを開店、若者たちの希望も膨らんでいることだろう。
彼らの明るく元気な姿を見ていると、応援したくなるじゃありませんか。
情熱厨房 彦まる
東京都千代田区神田1-11-10
03-3291-7010
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2009年04月09日
[好ちゃん](神田)
楽しくて美味しい塩ホルモン

外堀通りから路地に入って少し歩くと左前方に好ちゃんの看板が見えた。代々木のイタリアン「タンタボッカ」で紹介されてから数日、この日が来るのが待ち遠しかった。階段を下りてすぐの店で名前を告げたら、系列の静岡おでんの店だった。好ちゃんはその奥にあった。
銀髪を迎えて緊張気味に見えたスタッフも、「ブログ見せてもらいましたよ」と笑った後はすぐに打ち解けた。タンタポッカから聞いて銀髪グルメ紀行を読んだようだ。サービス統括の杉浦さんはもちろん女性スタッフも明るく元気だ。料理は杉浦さんに任せた。既に常連気分である。
きゃべつ、レバ刺し、ゆで豚とキムチ

ピーナッツもやし、ハツユッケ

タンタボッカでも食べた自慢のレバー。珍しいハツのユッケ。良かった。とても美味しい。温かく迎えられたにもかかわらず、グルメ紀行で褒めることが出来ないと辛い。そんな心配も吹っ飛んだ。「ウマイ、ウマイ、ウマイよ!」来る店員みんなに告げる。笑顔がはじける。
シビレ、シマチョウ

「そろそろ焼きものを持ってきますね」「オウ、頼むよ!」実に楽しい。料理を任せたお陰でメニューにないものも出してくれる。新鮮な肉なので焼き過ぎには目を光らせる。ヤンは軽く炙ってわさび醤油で食べると、貝のような食感だ。
「ぼくの一番のお奨めです」と杉浦さんが出してくれたのがハツあぶら。普通なら切り落としてしまう脂身を残したのも。食べて大きく頷いて笑い合う。銀髪が唯一欲したテールも期待通りの味だった。
ヤン、ハツあぶら、テール

タレもつけず、塩の味付けだけで食べたせいか、胸焼けも胃もたれもなくまだ腹に余裕がある。タンタボッカでコメントしてくれた「ゆも」さんのお奨め「モツちゃんぽん」を食べようかと思ったが、隣の静岡おでんが気になってしょうがない。杉浦さんに告げたら、身軽に席の予約を取りに行ってくれた。どこまでも気持ちがいい。
イヤー、満足、満足。美味しくて良かった。
好ちゃん 神田本店
東京都千代田区内神田1-11-10
03-5280-6188
http://www.yoshichan.com/
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2009年04月08日
[魚金本店](新橋)
一番人気の海鮮居酒屋

「魚金は安くて美味いよ」と以前の会社の同期が言う。「五反田店も良かったわよ」と我が家の神様が同意する。「今度3兄弟で魚金の浜松町店に行こうぜ」と長兄が誘う。これだけ聞けば待ってられない。新橋の本店に電話した。断られて2号店。やっぱりダメで4号店に。結局その日は諦めた。再び本店に電話して3日後の予約を受けてもらった。
約束の時間の5分前に店の前に立っていると、友人のFが料理人姿の男と歩いて来るのが見える。銀髪が手を上げるとようやくこちらに気付いた。一緒に居た若者は安心して4号店に戻って行った。6時ちょうどに二人でカウンターに納まった。
ミンク鯨、あわび

安くて量が多くて美味しいと評判の刺し身6点盛を頼む。あわびの刺し身も安いので追加。「刺し身が出てくるまで、すぐ出来るミンク鯨のステーキはいかがですか」と日本に長期滞在中と思われるアジア人が奨める。これはすんなり同意した。「人気の金目鯛の煮付けは時間がかかるので今頼んでおいた方がいいですよ」と続ける。これは拒否した。刺し身を見てから追加しても遅くない。
刺し身6点盛

みんなから話を聞いていたので、他のテーブルに運ばれる皿と同じものが来ると銀髪は予想できた。Fは度肝を抜かれたみたいだ。この顔が見たかった。
ビールを止めて熱燗を頼む。アジア人が日本酒をアルミの器に注ぎ、熱湯の中に入れるのをニューヨーク帰りのFが嬉しそうに見つめる。
左隣に老夫婦が座った。鷹揚にアジア人の勧めをすべて受けている。助言しようと思ったが営業妨害になるので自制した。時間がかかるはずの金目鯛は刺し身の前にやってきた。値段で想像できる限度を超えた大きさだった。老夫婦は半分食べてギブアップした。すぐに6点盛がやってきた。我々のものより豪華な刺し盛だった。それまで6点盛りにも種類があることを知らなかった。
「俺ばっかり食べてるんじゃないか?」とFが文句を言う。「俺の方が食べてるぞ」と銀髪が反論する。刺し身を食べ尽すのに大量の酒が必要だった。それにしても店員に乗せられなくて良かった。老夫婦は新しい料理の置き場に苦心している。
どんどん姉妹店が増えている魚金。不況の中でますます繁盛しそうだ。
魚金本店 新橋
東京都港区新橋3-18-3 第2富士ビル
03-3431-1785
刺し身6点盛り(平目入り)1980円、くじらステーキ780円、鮑1個380円
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2009年04月07日
[ジャックポット](新宿三丁目)
気軽にオイスター三昧

「オイスターバー」銀髪にとっては何か特別な響を持つ。大学時代、2回もあたったが嫌いになることはなかった。オーストラリアに行ってからは殻つきの牡蠣を食べる機会が増え、毎回1ダースぐらいペロリと食べたものだ。日本でもオイスターバーが増えてきた。新しい店を見つけると居ても立ってもいられなくなる。
迂闊なことに、何度も歩いた通りに3年も前からある店がオイスターバーとは知らなかった。狭い店のカウンターに座り、壁のメニューリストを見る。この日は16種類の生牡蠣が用意されていた。
お通し、ソース

お通しが自家製スモークサーモンとは泣かせる。この日は九州産がお奨めだった。お得な九州盛りに外国産を2種類加えた。薬味がまたまた泣かせる。牡蠣に定番のピリ辛カクテルソースだけでなく、ポン酢、ワインビネガーなど多彩。感激したのはアイラウイスキーのボウモアである。海に囲まれたアイラ島で熟成されるスコッチウイスキーと牡蠣は抜群の相性と言われる。これを一度やってみたかった。

恵比寿(福岡)、九十九島(長崎)、諫早(長崎)、セントへレンズ(タスマニア)、クマモト(ワシントン)の6種。壁のメニューを見れば味の濃厚さを黄色い丸の数で知ることが出来る。さわやかなものから順に食べていく。ソースを選ぶのも楽しい。

春香(島根)、ハマースレイインレッド(ワシントン)、キャッツアイ(タスマニア)の3種類を追加した。他の日本産の牡蠣は真牡蠣だが、春香は夏が旬の岩牡蠣。日本で今シーズン一番早い岩牡蠣ということだった。もちろん懐かしのオーストラリア産は外せない。
野菜サラダ、マルゲリータ

契約農家から仕入れた新鮮野菜を使ったサラダもこの店の自慢。サラダを挟んで8種類の牡蠣を食べた。食べられなかった8種類に未練が残ったが、相手を気遣って最後はピザを頼んだ。これもなかなか美味しかった。
若い店員たちの胸には名札がついていて、ヤスユキ君の名札には打点王の文字が添えられている。呼び止めて意味を聞くと、お奨め上手の意味と言うことで大いに笑った。銀髪はたくさん打点を稼がせる客である。若者と話すのは楽しいと思う今日この頃。いつの間にか歳を取ってしまった。
今まで行ったオイスターバーの中ではこの店がナンバーワンである。
ジャックポット
東京都新宿区新宿3-12-2 安室ビル1F
03-5312-0345
http://www.jack-pot.co.jp/
品川、恵比寿、丸の内などにも出店
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2009年04月06日
[大和](人形町)
酒よし 肉よし 気分よし

「一応、名前を聞いときましょうかねー」予約の電話をしたときに、店の様子はだいたい想像できた。6時前に到着したらまだ店の中は冷え冷えとしている。10年前に来たときと比べると店はますます風格を増し、店のおばさんもますます…
お通し、べったら、山ごぼう、たこぶつ


畳にあぐらをかいて、壁に貼られた料理の札を見上げる。山ごぼう、山芋、野沢菜、花らっきょ、小なす、セロリ、きゅうり、白菜、赤かぶ、べったら漬け。漬物以外のメニューは僅かしかない。主役は不動なので、小粒な脇役で充分ということだろう。
4人なので牛鍋と桜鍋を2人前ずつ頼むことに決めた。後から入ってきた左隣の4人組にはすぐに牛鍋の材料が届けられた。漬物で飲んでいる我々には頃合いをみはからっていたようだ。もしかしたら順番を間違えたかも。おばさんを見ているとどちらも可能性がありそうだ。牛肉が来て、ちょっと間を置いて馬肉がやってきた。
牛肉、馬肉

牛鍋、桜鍋

隣客が美味いを連発している。一人前1850円がそんなに美味いのかと不思議に思ったけれど、確かに馬鹿にしたものではない。切り落としのような半端な肉でコストを抑えているのかもしれない。
桜鍋の馬肉も悪くない。他で食べたものより美味しい。しかし、牛鍋と味比べしたらさすがに分が悪い。肉の追加は牛肉だけになってしまった。
近隣の会社員たちで店は賑やかになってきた。若い客が多いのはコストパフォーマンスがいいからに違いない。牛鍋をつつきながらごはんを食べれば、大いに満足するだろう。我々はうどんで〆た。

牛肉を何度も追加して、大吟醸酒もたくさん飲んだら多少高くなった。それでも、70年の老舗にしてはリーズナブルだった。
箸袋に書かれた通り、「酒よし 肉よし 気分よし」だった。
大和
東京都中央区日本橋人形町2-8-3
03-3666-7330
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2009年04月05日
バームクーヘン 「ねんりん家」vs「クラブハリエ」
人気のバームクーヘン比較

何故かバームクーヘンがブームである。いやいや、もともと人気があったことを銀髪が知らなかっただけかもしれない。もらい物の「クラブハリエ」を家に持って帰ったのが失敗だった。
味をしめた家族が日本橋三越に売っているとなぞをかける。しばらくして今度は東京駅大丸の「ねんりん家」に行ったが、行列ができていて買う気がしなかったと恨めし気な顔をする。可哀想だと思ったのが間違いだった。
大丸の外にはみだした列はそれほど長くないように思えた。ところが10分待っても遅々として進まない。列を離れようと思ったものの、これまでの10分を無駄にするのも辛い。パンフレットを配り「地方発送の方はいらっしゃいますか?」と店員が聞く。並んでいる間に全員の注文を取れば早く進むのにと腹が立つ。ラーメン屋でもやっていることが出来ないとは不思議だ。もしかしたら列を作らせるのは戦略かも。本を持ってくれば良かった。退屈なので努めて色んなことを考えて30分。ようやく自分の番がやってきた。

「そうだ!味比べをしてみよう」30分間、列で待つ間に考えたことを実行するために日本橋三越に向かった。クラブハリエは待ち時間ゼロだった。両方とも当日食べ切りの商品で、クラブハリエが630円、ねんりん家が787円。クラブハリエの方が値段は安いが、重さを量るとねんりん家の方が割安である。

切り口から分かるようにクラブハリエの方がしっとりしている。一口食べた感じでは味は殆ど一緒。何度も味比べするとだんだん違いが分かってくる。家族の好みを聞いたらほぼ互角。互角なら並ぶ時間が短い方に軍配を上げたいものだ。
それにしても両方とも多くの材料を使っている。記載されているものだけでクラブハリエが12種類(卵、砂糖、コーンスターチ、ショートニング、バター、小麦粉、生クリーム、食塩、リキュール、乳化剤、ベーキングパウダー、香料)、ねんりん家が27種類(卵、砂糖、小麦粉、ショートニング、でん粉、植物油脂、クリームチーズ、生クリーム、バター、還元水飴、トレバロース、洋酒、乳清、オリゴ糖、食塩、脱脂粉乳、寒天、乳化剤、膨張剤、香料、セルロース、調味料、カゼインNa、酸化防止剤、リン酸塩、着色料=カラメルとカロチン)。これだけの種類を駆使して毎日同じ味にできるとは大したものだと思う。
他の食品には神経質な我がパートナー殿は「自然食品の店のバームクーヘンは美味しくないのよ」と言う。難しいものである。
クラブハリエ
http://clubharie.jp/
ねんりん家
http://www.nenrinya.jp/
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2009年04月04日
[ブラディドール]②(銀座)
ウォッカの品揃えがギネス級のショットバー

「人通りが少なくなりましたねー」窓の外を見ながらマスターが言う。「銀座のクラブも随分潰れているらしいですよ」と続ける。銀髪が2軒目に選んだ店は一年振りのブラディドール。我々のように「クラブに行っても高いだけだからなー」と言う客が増えれば潰れる店が増えても仕方がない。
「ここは400種類ものウォッカがあるんだぜ」日本酒を二人で6合飲んだ後なので、友人はウォッカに尻込みする。「日本のウイスキーもあるよ」と言ってもニューヨーク暮らしが長い彼は「スコッチがいい」と譲らない。バーボンと言わないのが彼らしいが、ソーダ割りにするのがアメリカ的でもある。

「ダークタイプのウォッカってあるの?」と聞くと、「もちろんです」と即答。ウォッカとは思えないまろやかな味。「瓶の写真を撮らせてくれる?」と言うと「樽ですから持って来れない」と返されて「???」。実はマスターがボージョレーの樽に入れて作ったオリジナルのウォッカだったのだ。3年経ってようやく飲めるようになってきたと笑う。

「ジンのダークタイプってあるの?」今度出てきたものは市販品で、ちょっと薬草っぽい。「オランダ製です」とマスター。「オッ!ジンの発祥国だね。もともとはオランダの医者が薬用に作ったんだよね」「ジェネヴァですね」「1600年代だね」「もっと前じゃないですか?」と二人で盛り上がる。横を見ると友人は眠っていた。
雷の音で目が覚めた友人に「次は何を飲む?」と聞いたら、大きく横に手を振った。「何か食べるか?ここの餃子は美味しいぞ!」と言っても乗ってこない。ぼちぼちお開きにした方が良さそうだ。こんな客では店も儲からないだろ。
「宣伝してあげるからね」と言ってもマスターはあまり期待していないようだ。1年前のブログはあまり効果がなかったらしい。
「ウォッカの品揃えはギネス級、他にも多種の酒がある。餃子も美味い。マスターは美男子で格好いい」こんな宣伝でいいかな? ねえ、マスター
BLOODY DOLLブラディドール
東京都中央区銀座7-4-7 小島ビル2F
03-3289-8155
PS 土曜の昼1時から6時までは餃子屋になる。店名は露餃庵(ぺリアン)。東京はおろか日本中探しても珍しいロシア餃子専門店である。繁昌したらショットバーを止めちゃったりして…

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2009年04月03日
[うかい亭](表参道)
心地よいサービス

ブランドショップが入る表参道ジャイルの5階、店に入るとすかさず店員が3人近づいてきた。コートと荷物を預け、ガレのランプを見ながら鉄板焼きルームに足を踏み入れると、正面のガラスケースに並ぶラリックの作品が目に入る。左には接待や家族向きの個室があり、我々は右側の広い部屋に案内された。
簡単に予約が取れたのも頷ける。銀髪を含めて客が8人では鉄板焼きカウンターの半分も埋まらない。ホームページを見てきたのでメニューは一瞥しただけでソムリエに返した。
「肉は最低150グラムからですか?」「いいえ、100グラムでも50グラムでも結構です」
「それではサーロインとテンダロインを100グラムずつ」「半分ずつお分けしますか?」
「ええ、そうしてください」メインを決めてから、他の料理の相談をしていった。

「ほったさんのトマトはいかがですか?」「ホッタ産?」「いえ、堀田さんです」四国の堀田さんが作ったフルーツのような甘いトマトだった。
初めて食べるような太いフランス・ロワール産のホワイトアスパラ。こちらのロワールは間違いなく地名である。
名物は鮑の岩塩蒸しと分かってはいるが鮑ではつまらない。アイナメ、桜鯛、車海老、伊勢海老、首を振り続けたら「ブルターニュ産オマール海老はいかがですか。伊勢海老より濃厚な味です。」堀田産、ロワール産、ブルターニュ産と産地を言われたら弱い。あっ!堀田さんは産地じゃなかったっけ。

山形県産サーロインと宮崎県産テンダロイン(フィレ肉)。産地は逆だったかな?フィレ肉とは思えないようなサシが入っているので、産地だけでなく肉の種類も見間違えてしまう。しかし見た目は同じようでも一口食べると違いは歴然。サーロインは脂の甘味と香り、フィレは肉の旨味、どちらも甲乙つけ難い。

メインディッシュが終わったら別室でデザートや食後酒を愉しむ。テレビでお馴染みの服部幸應氏が取巻きを連れて入って来るのと入れ替わりに部屋を出た。店員が見送ってくれるのはエレベーターまでと思ったら、傘を持って通りまでついてきたのには驚いた。さらにタクシーまでつかまえてくれる。極上の夜を演出するサービスに感銘を受けた。
うかい亭 表参道店
東京都渋谷区神宮前5-10-1 表参道じゃいる5F
03-5467-5232
http://www.omotesando-ukaitei.jp
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2009年04月02日
[いずみ田](日本橋)
東京でも食べられる博多の味

「住所は分かっているので、後から追いかけます」と言った部下がなかなかやって来ない。いずみ田は大きな看板を掲げていないので、万豚紀のある建物の3階と知っていなければ店を探すのは難しい。携帯電話をかけて町をさまよう部下を助け出した。
メニュー、お通し

「コース料理がお得ですよ」と言われたが、即座に断った。鍋を5人前は多過ぎるし、博多の料理なら店員の力を借りずともオーダーできる。壁にかけられたメニューも分かりやすい。
ゴマサバ、磯辺巻き、美人クルビ

看板メニューの3品。博多に来たらならゴマサバは外せない。ゴマサバも磯辺巻きもイメージしたものと違ったが、悪くない。クルビは韓国語でイシモチのことらしい。博多通が韓国通の人に教えられた。
もつ煮込み、ホタルイカのカリカリ揚げ、菜の花と桜えびの天ぷら

今月のNew Menu Rankingのトップ3には春に相応しくホタルイカと菜の花が入った。味よりも季節感重視かな。
酢モツ、いわし明太香草焼、鍋の具

博多もつ鍋屋に定番の酢モツ。明太子を腹に詰めたイワシ。料理が来る度に解説をする銀髪に、嫌な顔一つしないで聞いてくれる大先輩たち。宴は進む。
慶州鍋

慶州は昔の新羅にあたるという。新羅、高句麗、百済と並べれば、学生時代を思い出す人も多いだろう。韓国と日本の味噌をブレンドしたピリ辛のスープが美味しい鍋だった。
勘定を払って店を出る時に店長の伊藤さんが挨拶に来てくれた。メニューのボードも彼の筆による。立派なものだ。博多に3店舗あり、日本橋店は中目黒に次いで東京進出2店舗目。見つけにくい店だからフラッと入ってくる客はいないにもかかわらず、いつも満席状態の人気店になっているようだ。
博多 いずみ田
東京都中央区日本橋室町1-11-13
03-3274-3955
http://izumida-hakata.jp/
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2009年04月01日
[タンタボッカ](代々木)
肉自慢のトラットリア

「これを食べないと承知しないぞ!と、いうやつはどれ?」何度使ったか分からないフレーズは、気楽なトラットリアのきさくな感じの店員に相応しい。苦笑いしながら応対してくれた柴田さんのお奨めに素直に従った。

自家製のパンでビールを飲んでいると、肉詰めオリーブのフライがやってきた。実は彼が奨める前から目をつけていた。初体験の料理は自慢の一品の場合が多い。

和牛レバーのカルパッチョは店頭に置かれていた手書きのメニューを見て気になっていた。牛ヒレ肉や鮮魚のカルパッチョはよく目にするが、レバーは珍しい。焼肉屋を姉妹店に持っているからこその自慢料理。バルサミコ酢とニンニク風味が合っている。セルバチコ(ルッコラの野生種)がさっぱりしていい。
いわしのカサレッチだけが想定外の料理。アンチョビを使っているかのような味付けで悪くない。歯ごたえのあるカサレッチというパスタは初めて口にした。

メインは牛リブロースのグリル。「炭火焼きだね」「ええ、そうです」。店頭メニューの「炭火焼き」の文字がこの店に入る決め手になったのは黙っていた。柴田さんはこれまでの料理に満足気な銀髪たちを見て自信を持ったのか、「この肉があってこその当店です!」と力がこもる。
いい肉であまり火を通したくないのは分かるが、もう少し焼いて温かくした方がよかった。後半は脂っぽく感じたのでレモンを絞ったら上手くバランスした。
焼肉屋の成功でオーナーが半年前に満を持して開いたのがタンタボッカ。念願のイタリアンに遂に辿り着いたということらしい。明るい店員たちと共にどのように進化していくか楽しみな店である。
柴田さんの話を聞いていたら、焼肉屋に行きたくなり、姉妹店「好ちゃん」3店舗の中から神田本店を予約してもらった。食べたばかりのレバーやリブロースが期待を持たせてくれるではないか。
トラットリア タンタボッカ
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-5-1 ニュー外苑ハイツ105
03-5771-4099
http://www.tanta-bocca.com
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