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2009年05月31日

[あなごめし](広島)

広島名物あなごめし


久し振りの広島。昼食はお好み焼きかつけ麺か、他に何かないだろうかと思案しながら歩いていると、定食屋の店先に立てかけられた黒板に目が止まった。そうだ!穴子があった。これに決めっ!

客先で12時が過ぎた。「食事に行きませんか?」と誘うと「それじゃあ、センチュリー21に行きましょう」と言うではないか。気の弱い銀髪はさっきの定食屋に行きたいと言い出せない。あー、辛い。

ホテルセンチュリー21の11階にある京もみじに入る。メニューにあなご定食があった。バンザイ! 神様に銀髪の願いが通じたようだ。

1,100円にしては立派な定食だった。しかし、肝腎のあなごめしの小さいこと小さいこと。やはり神様なんていないんだ。

翌日まで悔しさが残っていた。予約した新幹線は9時37分発のぞみ14号で東京駅には1時33分に着くので、昼食は車中ですることになる。あなごめしの駅弁を売っている店を探した。

活きあなごめし弁当は1,260円。あなごめし単品で京もみじよりも高いのだから、優劣は明白である。駅弁といっても馬鹿にしたものではない。思ったより美味しかった。買ってすぐに食べていたら、ホカホカでもっと美味しかっただろう。
反省すべきはホテルの朝食バイキングで食べ過ぎたこと。前夜に酒もたらふく飲んだ。あなごめしに申し訳ない。

あなごめしは広島名物と言っても間違いではないが、宮島の駅弁が本家本元らしい。残念ながら仕事で宮島に行くことはない。いつか適当な理由を作って宮島まで行かなければならない。もちろん、体調万全で面会しよう。その時はビールにも登場願おう。考えるだけでよだれが出てきた。

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2009年05月30日

[二丁目ダイニング](日本橋)

なかなか点数高いよ


永代通りを茅場町から日本橋方面に歩いていたら、野菜の直売所を見つけた。どうやら産直野菜を使っているレストランが店頭で無人販売をしているらしい。俄然、その店に興味が湧いた。

狭い入り口の階段下に店はある。いきなり誰か誘っていくのは気が引けるので、ランチタイムに視察することにした。営業時間は11時半からとこの界隈にしてはちょっと遅い。開店と同時に飛び込み、カウンターに座って定番のハンバーグを頼んだ。

野菜を売り物にしているだけに付け合せの野菜がバラエティに富んでいる。「なかなか点数高いよ」と店の女性に根っこがついた小松菜を褒めた。「男は残すでしょ」と聞いたら予想通り。食通のKさんが聞いたら怒るだろう。「うちの野菜は固めに茹でてあるからか、残す人が多いんですよ」とのこと。

ごはん、サラダ

ごはんは白米、ういろう豆、玄米類、はだか麦、もちきびの五穀米。健康のため、よく噛んで食べるような固さに炊き上がっている。サラダもいい加減なマカロニサラダというわけではない。
食後のコーヒーもデミカップではなく、しっかり量がある。これで1,000円ならなかなかいいと思うのだが、近隣で働く女性たちの評価はどうだろうか。

野菜は生産者の顔がしっかり見えるものを使っている。魚は築地交差点マクドナルドが入るビルの1階にある浅田水産から仕入れると言う。築地で一番美しい女性がいる店としてテレビでも度々紹介されている。銀髪は市場内で買うことが多いが、買い忘れがあったときには浅田水産に行くことにしている。築地に慣れていない人は混み合う場内や場外市場に行くよりは浅田水産の方が買いやすくて安心である。

「浅田水産の尚子さんは、凄い美人ですってね」と店の女性が言うので「いやいや、あなたの方が上だね」と答えた。ホントだよ。

夜はもっとたくさんの野菜がメニューに乗るそうだ。浅田水産本日イチオシの魚も興味がある。近い内に行ってみよう。


日本橋 二丁目ダイニング
東京都中央区日本橋2-15-3 B1F
03-3274-6776
http://yoshokuya.exblog.jp

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2009年05月29日

[だぼ鯊]⑥(日本橋)

もうすぐ終わる銀宝


今年もあぶないところでギンポオを食べ損なうところだった。最盛期がゴールデンウイークに重なり、営業日数が減るため時が経つのが早い。地方から来る人を連れて行くところを思案していて思い出した。お江戸日本橋の名物料理トップ3は寿司、天ぷら、鰻。そうだ!ギンポオ(銀宝)を忘れていた!てなもんだ。

一番好きな天ぷら屋さんは「だぼ鯊」。扉を開けた途端に笑顔で迎えてくれる。「他の2人はお任せ。俺はお好みで」と我儘が言えるのも良い。大将は臨機応変、変幻自在である。

稚鮎、三つ葉

琵琶湖の稚鮎はちょっと苦味があって美味い。軽く三つ葉を食べてお目当てのギンポオを揚げてもらう。

ギンポオ

しんこ、新いか、はぜ、ギンポオなどは、大きく育つ前の僅かな期間が旬。特にギンポオは大人になると皮が固くて食べられない。江戸前天ぷら、通好みの代表格である。

小玉ねぎ、あおりいか、めごち

他の人たちが一通りコースの品を食べ終えた。すかさずギンポオを勧める。大将が丁寧にギンポオの説明をしてくれる。これに口を挟むのが銀髪の悪い癖だが我慢できない。もちろん銀髪も2匹目を頼んだ。

ギンポオ、あなご

最後は穴子。ギンポオと食べ比べする。ホカホカ、サクッ、は一緒だが歯ごたえが微妙に違う。もちろん味も。イヤー、楽しいな。

しじみの味噌汁

連れの一人が椀物を頼んだ。立派なしじみは身も美味しく、いいだしが出ている。「十三湖?小川原湖?」と質問したら、茨城県涸沼(ひぬま)産とのこと。茨城県は宍道湖を擁する島根県、十三湖や小川原湖がある青森県に次いで全国第三位のしじみ漁獲高を誇る。イヤー、まだまだ知らないことはたくさんある。

知らないでいれば食べ損なって悔しい思いをすることはないが、知った以上は食べずにはおられない。何はともあれ今年もギンポオを2匹食べることができた。めでたし、めでたしである。

ギンポオが食べられるのもこれから1週間あるかないか。食べたい人は急いで天ぷら屋さんへ行こう。もちろん、だぼ鯊がお勧めである。


だぼ鯊
東京都中央区日本橋3-3-14
03-3271-7533

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2009年05月28日

[やす幸](銀座)

銀座老舗のおでん


順番が逆になってしまったのがずっと気になっていた。銀髪が行った中ではナンバー1と思っているおでん屋「おぐ羅」 の主人が修行した店が「やす幸」とのこと。行こう行こうと思いながら果たせずにいた。

機会は偶然やってきた。大阪からの客人と会ったのが5時前。この時間に開いており、まだ行ったことがない有名店は限られている。客と世間話をしながら頭の中をフル回転しているとやす幸の名前が浮かび上がってきた。やす幸は4時からやっている。思った通り早い時間なので予約なしでも入れた。

お通し、牛タン酒蒸し

刺身、海老しんじょ

「今日はかつおがお勧めですよ」と言うので「それじゃ、お任せで少しずつ盛り合わせてください」と造ってもらった。「これがかつおですか?」と客が聞くのも無理はない。かつおにしては色が鮮やか過ぎる。盛られているのはメジマグロ、アオリイカ、スズキと言われてずっこけた。

牛タンの酒蒸し、海老しんじょはなかなか良かった。早い時間でないと売り切れてしまうようだ。メニューにくさやがあるのは老舗らしい。頼もうとしたら客が嫌がるので止めにした。日本酒は黒松白鹿の一種類のみ。燗をつけているのが3代目と聞いて冷酒から燗酒に切り替えた。すずの薬缶から燗酒を注いでもらう。おぐらの大将を思い出した。

大根、玉子、袋、キャベツ、三つ串、わかめ

大玉、すじ、あじつみれ、ゆば

大阪の客人がすじを頼むと、関西訛りを聞き取った店員が東京では「牛すじではありませんよ」と言う。銀髪も牛すじと思い込んでいたが、指摘されて思い出した。白身魚のすり身にサメの軟骨を混ぜたものが関東のすじである。

板場の空気がピンと張り詰めたのを感じた。銀髪の目の前を左から右に貫禄満点の人が歩いていく。「誰、あの人?」と若い板さんに聞いたら2代目とのこと。おぐらの大将の師匠なのか兄弟子か。古くからの従業員が多いのは、2代目の力なのかもしれない。

澄んだおでんの汁などおぐらがやす幸で学んだものは多い。しかしおぐらの大将は創業者であるだけにメニューをどんどん進化させることができたようだ。
3代に渡って伝統を引き継ぐのも大変なことだ。昔からの常連さんがいつ行っても安心できる店、それがやす幸のいいところなのだろう。


やす幸
東京都中央区銀座7-8-14
03(3571)0621
http://www.ginzayasuko.com/

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2009年05月27日

[PIZZA DA BABBO ピザ ダ バッボ](人形町)

人形町で人気のピザのお味は


「おいっ!ピザを食べに行こうぜ!」会社に残っていた部下に声をかけた。評判のピザを食べるためには4人がベストである。開店の6時を少し回ったところで店に入ると、左奥の部屋に通された。我々にとっては薄暗いが、恋人たちには良い雰囲気だ。

休み明けなのに何と予約でほぼ満席。6時半頃団体客で埋まるので、料理は早めに頼むようにアドバイスされた。

パン、お通し、自家製ピクルス盛合せ

ワインも早めに白と赤を1本ずつ選んだ。白と赤を同時にテイスティングして「白はもう少し冷やした方がいいな」「ウン、赤は空気に馴染ませてから飲もう」と格好をつけたかった。しかし約20年前、外国人に教わったこれらの台詞は使えなかった。ソムリエがいる店なのに、我々が見ていないところで別の店員が開栓し、テイスティングも省略されてしまった。


自家製シチリア風ソーセージ、トリッパ・ヒヨコ豆・緑野菜のオーブン焼き、青海苔の衣をつけたタコのフリット、イタリア版スティックサラダのバーニャカウダソース。隣席でも早めにまとめて注文しているが、我々の料理は順調にやってくる。どれも悪くない。特にトリッパが気に入った。いよいよお目当てのピザ。店のコーナーにある石釜には薪が燃えており本格的だ。

オリベッラ、メーラ

水牛モッツァレッラ、フルーツトマト、ルーコラのオリベッラ。ちょっと焦げが気になる。4人で分けるように切れ目が入っているのは嬉しい配慮である。6分割されたら面倒だった。
トマトソースがかかっていないリンゴとゴルゴンゾーラの白いピザ・メーラ。添えられたハチミツをかけると意外にもよく合っている。甘いものが苦手な銀髪も美味しく食べられた。

マルゲリータ

最後に変わったものを食べようかと思ったが、他店と比較しやすいマルゲリータを食べることにした。これも黒い部分が多い。裏もしっかり焦げている。それにもかかわらずチーズは溶けきらずにダマになっていた。日本橋「ウノ」の福山オーナーが「焦げは飛沫のようでなければならない」というようなことを言ったのを思い出した。

満員の客が料理人の余裕を失わせたのだろう。来た日が悪かったのかもしれない。


PIZZA DA BABBO ピザ ダ バッボ
東京都中央区日本橋人形町2-21-1 島村ビル 1F
03-3666-2777
http://www.da-babbo.jp/

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2009年05月26日

[チャオバンブー](表参道)

原宿裏道の屋台風アジア料理屋


先日は行こうと思って見つからず、結局お好み焼き屋「やいやい」に入った。バリ島出身の料理人たちに会って楽しかったが、チャオバンブーに行けずに悔いが残った。もう一度地図を確かめて行ったら直ぐに見つかった。路地を一本間違えただけだった。

行列の後ろに並び、店の名前を見て勘違いに気がついた。行列が出来ている立派な店は餃子屋で、目指すチャオバンブーは路地の反対側にあった。タッチの差で空いていたテーブルを若い男に奪われた。帰り支度を始めたカップルが居たのはラッキーだった。

生春巻き、モツレバー炒め

店員に尋ねたらいきなりご飯物を勧められた。怪訝そうな顔をしたらこちらの気持ちを察しておつまみに出来るようなものを勧める。一通り説明を聞いて、生春巻きからスタートすることにした。ちょっと変わったモツとレバーが入った炒め物も悪くない。ボトルのままタイビールを飲むと、どこか東南アジアの屋台にいるような気になった。

通りに向いて座っていた連れの視線を追うと、店の看板の前に10人近い行列が出来ていた。軽装の外国人カップルが怨めしげに通り過ぎていく。不謹慎と思いながらも優越感を拭い去ることはできない。

空心菜のオイスターソース炒め、タイラーメン

中華料理屋でもよくある空心菜の炒め物。でも微妙に味が違う。客席から見える厨房の雰囲気もどこか東南アジア的である。さて、最後は店員イチオシのご飯物を頼もうとしたら、連れがフォーを食べたいと言う。単純なフォーではつまらないのでタイラーメンにした。麺は中華麺ではなくライスヌードルを選ぶ。フォーみたいなタイラーメンは正解だった。

バイカパオ

最後の最後、イチオシのバイカパオを頼まなければ怒られる。店員から詳しい説明は聞けなかったが、バイカパオとはバジルのことらしい。鶏肉とバジルを唐辛子やタイの香辛料で炒め、ナンプラーで味付けする。目玉焼きを潰して、鶏肉とご飯を混ぜて食べた。タイラーメンでお腹一杯と言っていた連れもお代わりをした。

オープンエアーの屋台風の店は、料理の種類も質も屋台的である。しかし、どれも不思議に美味しい。なかなかご機嫌な店だった。


チャオバンブー
東京都渋谷区神宮前6-1-5
03-5466-4787

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2009年05月25日

[うまい鮨勘](赤坂)

家族で寿司カウンター


我がパートナー殿がお仲間と行った熱海で気に入った店が鮨勘だと仰る。前に二人で行った新橋店に今度は家族で行こうと提案された。ホームページで調べて、結局赤坂店に予約を入れた。

ながーいカウンターのほぼ中央に座った。最初にオーダーしたのは銀髪。お任せで刺身を作ってもらった。

カラーのメニューは子供にとって分かりやすくて有難い。1個からオーダーが出来ると知って、上の娘が4種類の貝を頼んだ。これを見てパートナー殿がいか尽くし、下の娘が鮭尽くしを頼む。隣に座った下の娘の食べたものだけ写真に撮った。鮭の後はヒラメとカレイのエンガワの味比べと遊んでいる。

上の娘は2回目も貝にこだわる。パートナー殿は海老尽くし。板さんはオーダーが分かりやすいと感謝している。鮨勘は豊富なネタが自慢だ。ぶどう海老など幻の高級海老もある。フカヒレ寿司は笑わせる。馬肉の刺身も面白い。

下の娘が今度はポン酢味の寿司を5種類頼んだ。他にタコの吸盤、鮪ユッケなど遊び心を満たして喜ぶ。

銀髪は再び刺身を注文した。カウンターの中を覗いて今度は自分で魚を選ぶ。鯛の湯引き、トロサーモン、アジにイワシ鯨を加えた。

そろそろみんなが満足したようなので、銀髪は穴子の寿司を頼んだ。半身を煮つめで、残りを塩味にしてくれる気遣いが有難い。

店独自のビールが2本あり、それぞれ個性があってなかなかいい。日本酒の品揃えも悪くない。

勘定をして店を出た。「妙な注文の仕方で変わった家族と思われただろうね」と言うと「寿司屋さんで刺身ばかり食べている方がよっぽど変わっている」と言い返された。

いずれにせよ好き勝手に注文できて、しかもリーズナブルで美味しいと好評だった。担当してくれた板さんがイケ面だったのも彼女らのご機嫌の理由。みんなが喜んでくれれば銀髪も嬉しい。


うまい鮨勘 赤坂店
東京都港区赤坂3丁目13-10 赤坂Bizタワー向い
03-3560-6711
http://www.sushikan.co.jp/

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2009年05月24日

[凪](新宿ゴールデン街)

ガツンと濃厚煮干


新宿で途中下車してゴールデン街に向かった。高校に入って以来、学校や職場への経由地である新宿には何度降りたか分からない。にもかかわらず、ゴールデン街は過去1回しか行ったことがない。作家やジャーナリストが集まる店は一見では入りにくく、知らない店ではボッタクリにあいそうで怖い。友人に連れられて行ったのがいつだったかも忘れてしまった。

ゴールデン街に足を踏み入れた途端、妙な思い込みは吹っ飛んだ。若いカップルや立派な一眼レフカメラを持った外国人が何組も歩いている。区役所通りと違い悪質な呼び込みもいない。
凪の店主もゴールデン街に特別の思い入れがあるらしい。急な階段を上ったところに念願の復活を果たしたとのこ。渋谷、立川、駒込で個性豊かなラーメンを出しているが、新宿店は特濃煮干のスープがウリである。

肉餃子

券売機でビール、肉餃子とラーメンの食券を買った。これを店員に渡すと「ラーメンは後にしますか?」と気が利いている。追加のビールを買うために両替を頼むと、「こちらで支払って構いませんよ」と融通が利く。人気のラーメン屋は偉そうにしているところが多いが、凪はとても好感が持てる店だ。

味玉煮干ラーメン

想像した以上にガツンと来るラーメンである。富山のブラックラーメン以来の衝撃を受けた。チャーシューもなかなかのもの。太い麺もいいが広く薄く伸ばし麺もいいアクセントになっている。しばらくしたらまた食べたくなるようなラーメンだった。

食べている間に何人もの若者が入って来た。中にはこんな店でデートが出来る羨ましい奴もいる。ラーメンの刺身など面白いものもあり、もっと色々食べたい気持ちもあったが彼らのために席を空けることにした。

ゴールデン街の店主たちはイメージ向上に熱心なようである。旧い店と新しい店が混在する旧くて新しいゴールデン街。客も徐々に入れ替わっていく。



東京都新宿区歌舞伎町1-1-10-2F
03-3205-1925
http://n-nagi.com/

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2009年05月23日

神戸の駅弁

引っ張りだこのひっぱりだこ飯


旅の最大の楽しみは食事である。神戸には神戸牛、明石の蛸や鯛、穴子、豚まん、餃子など美味しいものがたくさんある。しかし、今回は街をふらつくのを控えた。いつも賑わう南京町も人通りが少ないというからインフルエンザの被害甚大である。

街中に出ないで地元の食を楽しむには駅弁がベストである。みんな考えることは一緒なのか一番人気の神戸牛を100%使用した「牛肉王子」は売り切れていた。二番人気は明石の蛸を使った「ひっぱりだこ飯」でネーミングの良さにも感心した。

看板の写真に疑いの目を向ける。立派なたこが入っているように見えるが、実際とは異なるだろうと思った。買ってすぐに食べたいところだが、名古屋を通過する昼時まで我慢した。

蓋をはずして中を覗くと意外なことにちゃんとしたタコが二切れ入っていた。海峡でもまれて育った明石だこの柔らか煮は想像したよりも美味。炊き込みご飯も上出来で、なかなかよかった。蛸天というすり身のだんごが入っているのもユニークだ。

スーパーやデパートで催される駅弁祭でもひっぱりだこ飯は常に人気上位にある。以前、家族が買ってきたものを一口もらって食べたが、器のユニークさだけが印象に残っていた。峠の釜飯のようにかなり昔から販売されているものと思っていたが、平成10年4月5日に明石海峡大橋開通記念で発売されたという。

やっぱり駅弁は列車の中で食べるに限る。出来れば窓を開けて駅弁売りから弁当とお茶を買いたいものだが、新幹線ではそれもかなわぬ夢である。最近N700系でインターネットのサービスが始まった。パソコンで最新ニュースを見ながら、ひっぱりだこ飯を食べた。

子供の頃に夢見た未来社会が次々と現実になっているが、ひっぱりだこ飯のようなものは夢の中ではとっくに消え去っていた。SF作家の想像力が及ばないこともある。何十年経っても峠の釜めしやひっぱりだこ飯は残っているかもしれないと思うだけで愉快だ。


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2009年05月22日

[桃花春](神戸メリケンパークオリエンタルホテル)

新型インフルエンザなんかに負けるな神戸


神戸駅で新幹線を降りる人の殆どはマスクをしていた。マスクではなくサングラスで顔を隠していたのが歌手のかまやつひろしだったのが笑えた。
オリエンタルホテルの従業員は予想に反してマスクをしていなかった。客に不安感を与えないためという。

閑散としたロビーを抜けてエレベーターに乗った。早い時間とはいえレストランにも人はまばら。一番奥の部屋「天津」に入ると港の景色が迫ってきた。銀髪は窓を背にして座った。薄暮からきらめく夜景へと変わる様を見る楽しみは他の人たちに譲った。

料理はオーダーバイキング形式で、テーブルに置かれたメニュー60種類から好きなものを選ぶ。メニューを見ても誰も声を発しないので、銀髪が勝手に選ぶことにした。高級食材であること、分けやすいことを基準にした。



人数分が盛られた前菜を前にして「取り分けてくれるの?」と言うと、店の女性は首を振って冷たく笑った。ふかひれスープは研修生の女性が分けてくれたが北京ダック、挽肉レタス包み、蟹爪フライは大皿のまま回転テーブルに乗せられた。


もちろんモンゴウイカのXO醤炒め、鮑のオイスターソース煮も取り分けてはくれない。3つずつ頼んだスペアリブの黒豆蒸しや小龍包、海老蒸し餃子、フカヒレ蒸し餃子などの飲茶類は無造作にまとめて置かれた。バラバラに置いてくれれば回転テーブルが忙しく働く必要もなかっただろう。

料理は次々にやってくる。「もう少しゆっくり出してよ」と言ったが後の祭り。アッと言う間にテーブルを埋め尽くした。キッチンの料理人も暇を持て余しているに違いない。

「ラストオーダーはいかがですか?」と言われて90分の時間制限があることを知った。海老のチリソース、酢豚、五目焼きそば、五目炒飯、デザートに杏仁豆腐、マンゴープリンを頼んだ。

お腹は一杯になった。90分が過ぎたところで担当の女性も消えた。それから1時間、夜景をたっぷり堪能しながら話に熱中した。空いていたせいか追い出されることもなく、店は寛容だった。

オーダーバイキングは作りたてを食べられるのがいい。特に今はいつ来るか分からない客のために、たくさん作って並べておくのは無駄である。新型インフルエンザが終息するまで、頑張れ神戸!


桃花春
兵庫県神戸市中央区波止場町5-6
078-325-8111

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2009年05月21日

[柿安 香港飲茶](銀座)

これが香港飲茶?


「飲茶 ワゴンサービス 東京」とネット検索した。出てきたのはルミネエスト新宿にある九龍點心と銀座の柿安・香港飲茶の2店。決断は人任せにして、銀髪はただついて行くだけにした。総勢4人、飲茶を食べるにはちょうどいい人数だ。

開店の11時前に店に到着したら、休日のせいか先客は一組だけだった。行列が出来ているかもしれないと思っていたので喜びながらも少し不安になった。ワゴンは後で回った来るとの説明を受けて、店の一角にあるバイキング料理を取りに行った。多品種少量ずつ盛ってワゴンを待つことにした。

銅鑼が店内に鳴り響いた。キッチンから運ばれてきたものはフカヒレ飯。これからどんどん点心が運ばれてくると思ったので人数分は頼まないで二皿を分け合った。

スープ、フカヒレ飯

ワゴンサービスで回ってきたのは下の写真の料理。小龍包は無残にしぼんでいる。鶏の足はいつも食べるゼラチンのとろけるようなものとは明らかに異なる。次のワゴンに期待しようと思った。しかし、それからいくら待ってもシュウマイや餃子の類は回って来なかった。

みんなの落胆振りは目を覆うばかりであった。「同じものでもいいや!」と待っても、ワゴンは後から入って来た人の方に行って、こちらにはやって来ない。みんな諦めてバイキングのデザートを取りに行った。銀髪はおでんを持って来た。和辛子ではなく豆板醤で食べるおでんはなかなか面白かった。

「もうすぐ、時間ですが…」と勘定書きを店員が置いて行った時、みんなの怒りのピークは過ぎて虚脱感が漂っていた。「そもそも2千円以下の食べ放題で美味しい飲茶が食べられると思うのが間違っている」と言ったら、「ルミネエストや横浜中華街は良かった!」と猛反発をくらった。せっかく店選びを任せて責任放棄できる立場にあるのに余計なことを言ってしまった。

すぐに白旗を掲げ、戦線を離脱しようとしたら爆弾が飛んで来た。「それなら次は香港に行こう」と言うではないか。「エーッ!ホ、ホンコン?飛行機に乗って?」冗談でしょ。


柿安 香港飲茶
東京都中央区銀座西3-1 銀座インズ1 2F
03-3538-4631

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2009年05月20日

[織音]②(日本橋)

カウンターの割烹もいい


織音は2度目だが夜は初めて。カウンターに座って割烹料理を楽しむことにした。「昼に来たときのことをブログに書いたんですよ」と言うと、「あー、あの時の。みんなで読ませてもらいました」と女将が微笑む。カウンターの中の上神田さんが「今日は逃げ出したい気持ちです」と冗談を言う。

安いコースだと物足りないし、高いものは多すぎる。メニューを見ながら迷っていると、6825円のコースを示し「基本のコースにお好みのものを足したらどうですか?」と勧められた。「私が採って来た山菜もありますよ」と上神田さんに言われて決心した。「お任せします」




「酒選揃い」は箸染(車海老と蚕豆の黄金和え、筍と百合根と花山葵の梅肉絡め、うるいの辛子明太掛け、山独活の辛子酢味噌)、凌ぎ(冷昆布うどんと日本橋野菜)、椀(蓬餅とあいなめ葛打ち)、差味(さしみ二種)、風韻(丸茄子味噌田楽)食事(すっぽんご飯 黄身生姜餡)で構成される。昆布を練り込んだうどんは珍しい。和食の椀にムール貝は初めての経験。スッポンごはんにカレーとは驚かされる。

「そら豆は鞘が空を向いてなるので空豆や天豆、繭に似ているので蚕豆とも書きます」と教えられる。「山独活って何?」「日本橋で野菜ができるの?」各人に配られたメニューを見ながら話が弾む。

「何か当ててください」と出されたものの味や食感はイチジクのようでもあり、キウイのようでもある。またたびと教えられて驚いた。人間も食べるものだとは思わなかった。キウイはまたたび科ということなので味が似ているのも頷ける。
スタッフが作ったという鰹の酒盗には肝が入っているとのことでちょっと苦味がある。日本酒好きの銀髪には危険極まりない。
なるこ百合、あぶらこごみ、せり、姫筍などもコースの途中で出してくれるのでますます酒が進んでしまった。

カウンターには我々の右隣に接待風の3人が座り、後ろの大きなフロアは貸切りで満席、それでもあまりうるさくなくて気にならない。ゆっくり時間が流れていくような感じがするのも、目の前の上神田さんや女将の接客のお陰だろう。

昼の会席も良かったが、夜の割烹も楽しめた。オーナーシェフが仕切る割烹が好きな銀髪だが、一流ホテルにある割烹のような織音もなかなかいいもんだ。


織音(おりね)
東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロントB1
03-3516-1097
http://www.orine.jp/

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2009年05月19日

[みろく](渋谷)

イベリコ豚のしゃぶしゃぶ


先週、熊本郷土料理の熊吉に行く途中で入ろうかと迷った店がみろくである。スペイン産ブランド豚・イベリコ豚のしゃぶしゃぶに釣られてしまった。階段を下りて店に入ると半分ぐらい埋まっていた。4人掛けのテーブルを2人で使っている客が多いが、我々には2人掛けのテーブルを指し示された。鍋をするには狭すぎるので、店を出ることにした。

店員は若いのになかなか賢い女性だった。無言で踵を返した銀髪の顔を覗き込むと、こちらの心を読みきってすぐさま広いテーブルを勧める。ちょっと気まずい雰囲気が残ったが、今度は素直に席についた。どぎまぎしていた連れがホッとしている。

お通し、海ぶどう

店で飼育しているという海ぶどうは確かに美味しい。好きでも嫌いでもなかったが、かなりイメージが変わった。

おぼろ豆腐の胡麻サラダ、イベリコ豚

豆腐のサラダを半分ぐらい食べたところでイベリコ豚がやってきた。ついている野菜はネギだけなので季節の野菜というキャベツ、冬瓜、ズッキーニを追加した。

豚肉とねぎだけの組み合わせは四谷三丁目の三櫂家を思い出させる。つけ汁に柚子胡椒を溶かして食べる。肉はアッと言う間になくなった。追加した肉も簡単に食べ尽くすと、野菜鍋になってしまった。若者には物足りないかもしれないが、我々は野菜で腹を満たすことにした。身体にもお財布にも優しい。

焼酎の品揃えはそこそこだが、日本酒のメニューが貧弱なのが惜しい。純米吟醸酒は八海山の一種類のみなので、同じものをお代わりした。先ほどとは違う女性店員が持って来たガラスの徳利には4分の1ぐらいしか液体が入っていない。徳利を満たすだけの酒が残ってないとのことでサービスしてくれた。飲みすぎないでいいかもしれない。

賢い女性が見送ってくれた。海ぶどうが入った水槽を見て、「美味しかったよ」と言うと「これを目当てに来るお客様もいらっしゃいます」と笑顔で話す。すっかり仲直りが出来たような気分になった。


みろく
東京都渋谷区宇田川町35-6 B1
03-3770-0855

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2009年05月18日

[ジャックポット丸の内](丸の内)

オイスターバーで馬鹿食い


新宿のジャックポットがとても良かったので今度は丸の内店に行くことにした。店がある三菱商事ビルには何度か行ったことがあるので地図を持たなかったら迷ってしまった。幸い尋ねた会社員風の人が的確に場所を教えてくれたので助かった。道を聞く相手も吟味しなければ危ない。

地下に降りて店の前に立ち初めて東京駅から雨に濡れずに来れることを知った。6時を過ぎて会社帰りの人が行き交う通路の一角にあるにもかかわらず、店は空いていた。席につくと「混んできたら2時間でお願いします」と言われた。

お通しは新宿店と同じ蒸し牡蠣。吉川マネジャーに手伝ってもらい、6種類の牡蠣を食べた。吉川さんが自ら作ったという牡蠣MAPを見ながら、淡白なものから順番に食べていく。

グリーンサラダ、自家製ベーコン

まだまだ牡蠣を食べる気満々だが口直しに頼んだものも悪くない。不慣れな店員が笑顔の可愛いアサミンに代わったところで雰囲気も楽しくなってきた。

再び生牡蠣をと意気込んだが残りは5種類しかない。「外国産の牡蠣は新宿に持っていかれたんじゃないの?」と言うと吉川さんが苦笑する。ジャックポットは有楽町、品川、恵比寿、下北沢にもあるので、たくさん捌けるところに優先配分されるのかもしれない。

オーブン焼き、カキフライ

ジェノベーゼ(バジルソース)、リッチ(ウニとバター)、カレー(カレーソースとチーズ)のオーブン焼きではリッチが一番、ジェノベーゼも悪くない。カレーは予想したとおりの退屈な味。カキフライもわざわざジャックポットで食べなくても洋食屋の方がいいかも。

牡蠣のスパゲティ、リゾット

このブログを読んだら牡蠣の他に料理がないように思われるかもしれない。スパゲティやリゾットに入っていた牡蛎も含めて一人当たり15個食べたところで「ラストオーダーですが…」と言われた。混んでいないにもかかわらず、2時間制は生きていたようだ。満腹なのでもとより粘る気はない。牡蠣料理も殆ど食べ尽くした。

丸の内だからエリートサラリーマンがカウンターに座り、ワインを飲みながら生牡蠣を食べる様を思い描いたのは間違いだった。女性だけのグループが店を占拠している。新宿店の主流は恋人たち。新宿店の方が客もスタッフも元気で楽しそうだ。吉川さん新宿店に負けないように頑張ってね。

東京都千代田区丸の内2-3-1 三菱商事ビルB1
03-6267-0008
http://www.jack-pot.co.jp/

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2009年05月17日

レトルトカレー

大五郎三分間待つのだぞ!


福岡に出張したときに2種類のカレーをお土産に買って帰った。一つは北九州小倉のカレーの龍、もう一つは博多伽哩堂。どちらも仲良く昭和38年創業の地元では有名なカレー屋さんらしい。

地方出張するとお土産物屋には必ずといっていいほどレトルトカレーが置いてある。鯨、ふぐ、いのししなど珍しい素材を使ったもの、銘柄牛など高級素材を使ったものたど多種多彩だ。500円前後とそれほど高くないのもいいと思って買って帰ると、「高い!」と怒られてしまった。レトルトカレーの代表格であるボンカレーゴールド21とククレカレーは共に168円である。

ボンカレーの公式サイト(http://www.boncurry.jp/)を見ると、レトルトカレーは大塚食品の発明品とのこと。米軍が使っていた真空パックのソーセージからヒントを得て開発、1968年2月12日関西地区限定でボンカレーを発売した。ボンとはフランス語のBON(よい、おいしい)から来ている。その後、アルミ箔を使ったアルミパウチに改良して1969年5月に全国発売、銀髪の口にも入ることになった。

ハウス食品レトルトパウチ資料館(http://housefoods.jp/data/retort/)によるとクックレスcookless(調理しなくてよいの意)から名付けたククレシチューを1970年に発売、翌年ククレカレーがボンカレーの対抗馬として現れた。先駆者の前に苦戦したが、キャンディーズのCM「カレーもいいけどおせちもね」で地位を築いていった。

お土産で買ってきた2つのカレーを同じ皿に盛って味比べした。どちらも牛肉カレーで珍しい食材を使っているわけではなく、いわゆる有名店のカレーではある。どちらが美味しいかは好みもあるので論評は差し控えよう。

大塚食品の発明と言っても過言でないレトルトパウチのお陰で、有名店のカレーをお土産に出来るようになった。東京に居ながらにして日本中のカレーが食べられることを、我が家の面々はもっと喜んでくれてもいいと思うのだが、店のカレーとレトルトカレーは別物だとの声もある。難しいものだ。

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2009年05月16日

[恵亭](日本橋高島屋)

和幸グループの究極のとんかつ専門店


和幸は全国各地の駅やデパートなどにレストランが150店舗、惣菜屋が95店舗もある。さらに別の名前のとんかつ屋さんがあるとは知らなかった。恵亭は最良の肉、生パン粉を使用し、つなぎの卵は黄身のみを使う。油は60枚を目安に取り換えるなど、頑固なまでにこだわっているそうだ。

こだわりは豚カツだけではない。店内はゆったりとして雰囲気がいい。接客態度もいいし、上品な高島屋の客層によくマッチしている。こんなに豚カツ好きなお年寄りが多いのかと驚いてしまう。

1,600円のロースかつ膳を頼むと、お代わり自由のキャベツや漬物が並ぶ。隣席の老夫婦の旦那の方が席に着くなりビールを頼んだ。恵亭でのビールは奥様の買い物に付き合ったご褒美に違いない。


生パン粉を使った豚カツは油っこくてあまり好きではない。厚い肉に火を通すためには油の温度を下げなければパン粉が焦げてしまう。恵亭ではきれいな純正植物油を使っているためか、なんとか銀髪の嗜好に合った。

「キャベツのお代わりはいかがですか?」「なくなったお漬物を持ってきましょうか?」などと店の女性がかまってくれる。食べ終わったのに「お茶を取り替えましょうか?」と丁寧だ。辛子もこだわっている。爪楊枝もちゃんとしたものだった。和幸グループの力の入れようが分かる。

キャベツには胡麻と柚子の2種類を交互にかけて食べきった。土佐醤油をかけた大根おろしをカツに乗せたり、とんかつソースや醤油をかけるなど味を変えて楽しんだが、あれこれ選択肢があるので忙しかった。結局、最初に何もつけずに食べたものが一番美味しかったかもしれない。

恵亭は各地の高島屋などに7店舗を展開している。伊勢丹4店舗に展開しているさき亭も同ランクの店らしい。和幸をちょっと見直した。

恵亭 日本橋店
東京都中央区日本橋2-11-1 高島屋日本橋店6階
03-3517-1971

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2009年05月15日

[熊吉](渋谷)

出色の熊本郷土料理


渋谷駅から文化村通りを歩き、東急百貨店本店の辺りから1本東側の裏道を行くと、小さいが雰囲気のある店が並ぶ。目的を変えようかと迷いながら進んでいたら、目指す熊吉の店の前に来た。幸い予約なしでもすんなり席を確保できた。テーブルの間隔が広くゆったりとして落ち着いた感じの店だ。

馬刺盛合せ

熊本郷土料理屋ならば馬刺しは外せない。極上霜降肉、赤身、フタエゴ、たてがみの4種盛りは見た目が美しいだけでなく、実に美味い。一切れの厚さ大きさがちょうど良くて、東京で食べた馬刺しの中ではトップクラス。他の店の誘惑に負けずに辿り着いてよかった。

辛子蓮根、阿蘇の山サラダ

自家製の辛子蓮根からは白い湯気がほんのり上がっている。これがとてもいい。東京人にとっては、熊本で買うものより美味く感じるかもしれない。

今日は迷ってばかりだ。馬肉尽くしにしたかったけれど、熊本の地鶏・天草大王も試してみたい。溶岩焼きの文句がグッと来る。

天草大王の溶岩焼き

持ってきた店員が言ったとおり、茄子など生の野菜もすぐに焼けた。それを見て早く気付くべきだったと後悔した。鶏肉はさっさと食べてしまうか、一度皿に移して温めながら食べるべきだった。熱い溶岩プレートの上でジューシーさを失い固くなってしまった。

溶岩焼きの失敗があっても熊吉はいい店だった。駅からかなり歩いても再訪したい店である。馬レバーの刺し身や馬肉ステーキなど食べ損なったものも多い。鶏肉の刺し身など他にも魅力的なメニューがある。

勘定を払い、靴を履いたところで「東京で食べた辛子蓮根では一番美味しかったよ!」と店員に言ったら嬉しそうに笑った。


郷土料理 熊吉
東京都渋谷区宇田川町41-28
03-3463-0050

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2009年05月14日

[天香回味 火烤二吃 木原店店](日本橋)

一石三鳥?


天香回味の一番新しい店が日本橋コレド裏の路地に3月末オープンした。「天香回味 火烤二吃 木原店店」を完璧に読める人は多分いないだろう。テンシャンフェイウェイ・ホッカリャンツーきわらだなてんと読む。木原店は明治から昭和の初期まで「食傷新道」とも言われていた横丁らしい。

天香回味は薬膳火鍋の店として知られる。木原店店はグループで初めて2色鍋に鉄板をつけた鍋を導入した。鍋と焼き物を同時にやろうという欲張りな要求を満たすことが出来る。

3980円のコース

薬膳鍋は日本橋本店や東銀座店など何回も食べたことがあるが、我々9人の中には初めての人がほとんどなので店長の説明を黙って聞くことにした。ところがチャチャを入れるのが数人いて、説明時間が伸びてなかなか食い物にありつけない。イライラする銀髪とは対照的に店長は冷静だ。

説明が終わると一斉に材料を放り込む。鉄板のスペースが小さいので、一度並べたニンニクは鍋に放り込んだ。豚肉も半分は鍋にぶち込む。欠食児童たちの戦争が始まった。

コース料理に含まれる野菜やきのこ類を鍋に入れた後で、コース外のきのこを全種類追加した。2卓の鍋に一皿ずつの意味で「きのこを全種類2皿ずつ持って来て!」と仲間が頼んだら、中国人の女の子は誤解して各卓に2皿ずつ持ってきたから堪らない。置く場所もないので次々に鍋に入れた。写真も全部撮る暇がなかった。

とてつもなく多量に思えたが、殆ど残さずみんなの胃袋に収まった。鍋は大勢で食べると美味しい。もっとも、大人数だと鉄板がいかにも小さすぎる。一石二鳥ならぬ一石三鳥のはずが、一兎をも得ずになりかねない。新開発の鍋は2人、多くても3人が適当のようだ。しかも我々のような欠食児童ではなく上品にゆっくり食べる人向きとも言える。

薬膳鍋と焼肉を食べ過ぎて、胃腸薬が必要になるようなことだけは避けたいものだ。

天香回味 火烤二吃 木原店店
東京都中央区日本橋1-5-8 1F~3F
03-3548-3337

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2009年05月13日

[鈴なり]⑧(荒木町)

ステップアップは果たせるか


今日は珍しく一番乗り。6時をちょっと回ったところでカウンター席に座った。料理は1万円のコースを電話で予約してあるので、スムーズに食事は進行していった。

うるいと片栗菜、富山産岩牡蛎

八寸(本ミル貝、赤貝、子持ち昆布、蒸し鮑、ほたるいか、バイ貝

徐々に客が入りだす。驚いたことにカウンターの右隣と左隣に中年の男性客がずらりと並んだ。先日発売されたグルメガイドでも鈴なりが紹介されていた。すっかり予約が取れない店になってしまったが、圧倒的に女性客が多かった。男性にも支持されるようになったのは好ましい。

稚鮎とこごみの天ぷら、栗かに、玉地蒸し、白海老

青森産の栗かには初めて食べた。珍しい食材があるとすぐに取り入れるのが店主の村田さんのいいところ。珍しいもの好きの銀髪は素直に感動する。

マコカレイ、かつお、メジマグロ

変わったものがもう一つ。アシスタントの板前が違う。独立心旺盛な力のある板前は去っていく。板前を育てながら使っていくのは大変だろう。村田さんの苦労が分かる。

スッポンの焼き物、焼き竹の子(金沢産)、伊勢海老

スッポンの焼き物は気に入った。塩味がちょうどいい。ここまでで2時間が経過した。料理が出るスピードが遅くなってきた。振り向くとテーブル席は女性中心に埋まっている。左の男性客3人が料理を土産にしてもらい席を立った。

あさりごはん

銀髪もあさりごはんを少し食べて残りは握ってもらった。デザートの杏仁豆腐を食べ終わった時には既に3時間が経過しようとしていた。

我侭な客を満足させるのは大変だと思う。進歩してはじめて現状維持のイメージとなる。従業員を育てながら、料理の質を高めなければならない。もちろん利益を上げて次の展開に備えることも重要だ。

勘定をして若い板前に声をかけた。「頑張ってね。鈴なりの将来は君にかかっているからね」緊張した顔に初めて笑みが広がった。従業員たちが育ち、鈴なりが次のステージに駆け上がることを期待したい。

鈴なり
東京都新宿区荒木町7 清和荘1F
03-3350-1178

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2009年05月12日

[嶋村]②(日本橋)

気楽に行ける老舗割烹


客を迎えるにあたって料理屋を決めるのは難しい。行きつけの店なら我侭がきくし安心できるが面白味に欠ける。漫画美味しんぼでは客の生い立ちや性格、趣味趣向等を熟知した上で接待せよという。久し振りに東京に来る友をどこに連れて行くか考え込んだ。最終的に彼が長年勤務した日本橋にあり、知る人ぞ知る老舗割烹料理屋・嶋村に決めた。

お通し、ほたるいか、空豆

堅苦しい場を嫌うので1階のテーブル席にした。「初めて来た」と言っていた彼も、ビールから日本酒に変わったところで「あのカウンターで昼飯を食べたことがある」と目を輝かせ始めた。苦労のし甲斐があったというものだ。

お造り(ひらめ、さざえ、かつお)

壁に貼られた短冊の魚をピックアップしたら立派な刺身の盛合せが出てきた。さすが名料理店だ。実に上手に盛り付ける。

鯛兜の塩焼き、煮付け

嶋村の名物は鯛兜の煮付け。塩焼きも捨て難いので2品頼んでみんなで突っついた。もっと大きいイメージがあったが、一人一皿でもよかったかもしれない。

出し巻き玉子、地鶏塩焼き、新じゃが煮、3種入り雑炊

老舗割烹といっても仲居さんはとてもフレンドリーで気楽な雰囲気。居酒屋気分で予約なしに扉を開ける客も多い。我々も名物の鯛兜を食べた後は居酒屋で頼むような酒の肴で盛り上がった。

壁を見ると何やら番付表のようなものが額に入れて飾られている。これが文久元年の大江戸料理屋番付表で嶋村の名前が中心に大きく記されている。文久元年は西暦では1853年で、黒船来航(1855年)、安政の大獄(1860年)、桜田門外の変(1862年)より前。嘉永3年(1850年)創業から長く存続できた秘訣は、妙に格式張らず庶民にも愛される店作りにあったのではないか。今の嶋村を見て勝手に納得する銀髪だった。


03-3271-9963
東京都中央区八重洲1-8-6
03-3271-9963

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2009年05月11日

[どん底](新宿三丁目)

三島由紀夫も行った店


1949年創業の新宿西口の「ぼるが」、1951年の東口の「どん底」、老舗の居酒屋2軒がロシアに関係する店名なのは創業時の世相を反映しているのだろうか。ゴーリキーの戯曲「どん底」を連想するのは銀髪の勝手な思い込みかもしれない。店もことさら店名の由来をアピールする気はなさそうだ。

ぼるがに行った記憶は鮮明なのにどん底の記憶は殆どない。地下のカウンターに座ったのは間違いなく初めて。メニューを開いて「何がお勧めなの?」と聞く体たらく。有名などん底に来たことがないはずはないと思いながらも自信が持てない。

イベリコハム、グリーンサラダ

開店以来の名物というピザの前にイベリコハムとグリーンサラダを頼んだ。イベリコハムは昔にはなかったメニューのはずだ。期待していなかったグリーンサラダがみずみずしくて意外といける。美味しさの秘密を尋ねても「キッチンのことは分からない」と店員は素っ気無い。それでも長身のハンサムガイが笑いながら言うと嫌な感じはしない。

ピザ、バジリコスパゲティ

どん底自慢の一品、たっぷりチーズのミックスピザは確かに美味い。ナポリタイプなど最近流行りのピザとは違う昔風のピザだが、チーズが溢れて焦げたところが香ばしくて銀髪には新しい味に感じる。

ハンサムガイが勧めてくれたもう一つの名物「元祖カフェめし 林さんのライス」は連れに断固拒否された。ピザを食べた後に和風のご飯ものを食べるのは変だと言う。仕方なくスパゲティを食べた。「オリーブオイル多目にしてね」と希望したものが出てきて連れは満足そうだ。マイ唐辛子をかけたのでピリリと辛くて銀髪も満足した。

ハンサムガイに「格好いいね、外国人みたいだね」と言うと「日本人ですよ」と苦笑いする。「俺も外国人に見えるだろう?ベトナム人に」と言うと「まんま日本人ですよ!」ともう一人の若い店員と一緒になって馬鹿にする。

次回は絶対「林さんのライス」を食べよう。カウンターで一人で食べれば誰にも邪魔されることはない。

どん底
東京都新宿区新宿3-10-2
03-3354-7749
http://www.donzoko.co.jp/

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2009年05月10日

昔懐かしの味

味の記憶は消えない

客をひきつける文句は色々ある。代表的なのが手作り、手打ちなど「手」がついたものだが、だからといって全て美味いわけではない。我が家では皮から作った文字どおり手作り餃子は大好評だが、手打ちのうどんやラーメンはあまり評判が良くない。

「昔懐かしの味」も魅力的な言葉だ。老人が昔住んでいた街へ行って懐かしの食べ物を探し当てる番組があったが、味覚はいつまでも記憶に残る。銀髪にとって忘れ難いのはホットドックである。

マクドナルドのクラシックホットドッグ

以前も書いたことがあるが、ホットドッグは亡き父に繋がるものである。小学生の頃、父が勤めていた会社と進駐軍との野球大会が催され、昼食に生まれて初めてホットドッグを食べた。アメリカ人の主婦たちが作ってくれたホットドックの味が忘れられない。

大人になってホットドッグは何度も食べたが、日本で同じものは見つけられない。米国生まれのマクドナルドなら、しかもクラシックホットドッグなら、と期待した。残念ながら昔懐かしの味ではなかった。

昔懐かしカツサンド

カツサンドにはホットドッグのような思い出はないにもかかわらず、ネーミングにひかれて買ってしまった。「昭和の食堂車ソースレシピを再現」と書かれているが、そもそも食堂車でカツサンドを食べた記憶がない。他のカツサンドと大きな差があるとも思えない。

食堂車もやはり父との思い出に繋がる。カレーを食べた気もするが、ハンバーグだったようにも思う。味の記憶がないのは食堂車に座った感動を上回る料理ではなかったということだろう。しかし、父がビールを飲んでいた記憶ははっきりしている。

先日、しみじみ父の遺影を見た。自分は母親似とずっと思っていたが、父に似ているのに驚いた。年齢が近づいて来たためかもしれない。昔懐かしの言葉につられるのは、歳のせいに違いない。

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2009年05月09日

利き酒

日本酒は美味い

ちょっと前のことだが、日本酒の利き酒会を催した。デパートやディスカウントショップで買ったのが下記の4本。パーセンテージは精米歩合のことで、数値が少ないほどたくさん米の表面を削っている。

刈穂    大吟醸   45% 
越の寒中梅 純米大吟醸 35% 
古酒浦霞  純米大吟醸 40%  300本限定酒平成16醸造年度
郷乃誉   純米吟醸  58% 

ラベルを見て値段を想像する。一番高いのは精米歩合が最も低いもの。従って越の寒中梅と言いたいところだが、浦霞は3年古酒で、ブランド力も上。さてどちらか迷う。
一番安いのは精米歩合が一番高い郷乃誉で決まり。刈穂は3番目で間違いない。
値段は買った当時のものだが、答えは順に2,520円、3,990円、4,725円、2,400円。ラベルの表示は見事に値段に反映されている。刈穂が大吟醸にもかかわらず純米吟醸に近い値段なのは醸造用アルコールを添加しているからだろうか。

さて本番の利き酒は参加者5人全員が惨敗だった。もちろん銀髪も含まれる。2種類の違いは分かるが4種類となると混乱してしまう。何度も飲み比べしているうちどれがどれだか分からなくなってしまった。

同じメーカーの本醸造、純米、純米吟醸、純米大吟醸なら区別はつくかもしれないが、醸造用アルコールを加えて味を調整されたら何がなんだが分からなくなってしまう。少し前まではスッキリ飲みやすい酒は醸造用アルコールが添加されており、甘い酒は純米酒と分かったが、今は純米のスッキリ味も増えてきた。酒造りのプロの腕は凄いと敬服してしまう。

純米酒以外は邪道だと言いたいところだが、日本酒のラベルを見れば醸造用アルコールが入っているかどうか一目瞭然。メーカーは味を良くするためだと胸を張る。飲む人が判断すればいいだけの話だ。

しかし、利き酒会は辛いものだった。通ぶってもすぐに底が割れてしまう。何も自分で企画してボロを出す必要もなかったと反省しきりである。

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2009年05月08日

[銀座キャンドル](銀座)

文豪も通った老舗の味


洋食屋での食事を誘われて「喜んで!」と言ったものの、とんかつ、ハンバーグ、オムライスを思い浮かべてしまって気分は盛り上がらない。ランチなら問題ないけれど、夕食で2時間近くを潰せるものか考え込んでしまった。

1950年に銀座みゆき通りに創業した老舗だが、今の店舗は思ったよりきれいな店だった。照明を落としているのでデートでも問題ない感じ。「看板料理はチキンバスケットらしいですよ」「ハンバーグがお奨めと言われたけど」「マカロニグラタンもいいんじゃないですか?」洋食屋は知らない料理が殆どないので、誰もが意見を言いやすい。

白レバーのパテ いちじくのビュレ添え、チキンバスケット

パテでビールを飲んでいると、チキンバスケットがやってきた。フライドチキンと言うよりチキンカツ。確かに看板料理だけのことはある。柔らかく美味しい鶏肉だった。

1950年の海老マカロニグラタン、特選和牛のハンバーグ<200g>

創業年が記されたグラタン、和牛のハンバーグなどオーブンでじっくり焼きあげる料理が多いので、食事の時間はゆっくり進む。心配は杞憂だった。

栃木県産霧降高原牛のビーフシチュー、アップルパイ

店を出る予定の時間に合わせてアップルパイが焼きあがってくるはずだ。もう一品食べる時間がありそうなのでビーフシチューを頼んだ。ハンバーグよりもデミグラスソースがマッチして、個人的にはビーフシチューの方が美味いと思った。

右隣の中年夫婦と娘の3人連れはいかにも日本的な昔風のピザを食べている。左隣の若い女性二人はチキンバスケットを平らげて、オムライスに取り掛かっている。後ろの席には若いカップルが食べるのを忘れて笑っている。二人の向こうには会社員風の男性二人が何か深刻な相談をしている。左の壁際にはちょっと派手目の美女とおじさんがワインを飲んでいる。

60年近くあらゆる客を愉しませてきた料理の数々。変わらないのも偉大なことだと思える。


銀座キャンドル本店
東京都中央区銀座7-3-6 有賀写真館ビルB1
03-3573-5091
http://www.ginza-candle.com/

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2009年05月07日

[業平鮮魚店](福岡)

魚屋だから新鮮で安くて美味い


「イヤー、魚屋の奥が料理屋とは知らなかった」地元の名士が感心しながら入ってきた。カウンターの指定席に座る常連の人が満足そうに笑う。間に挟まった銀髪と部下もつられて笑顔になった。

店名のとおり店頭には魚が並ぶ。魚屋だから当たり前だ。自分で選んでオーダーしたいところだが、料理はすべて常連さんが仕切る。

鱈白子、刺身8種盛り

あら巻貝、ごまさば、塩辛

有明海のあげ巻貝は多分初めて食べた。博多に来たら必ずごまさばを食べる。昔お婆さんが作ってくれたごまさばは醤油ダレに胡麻を振りかけただけだったように記憶しているが、お店で食べるものは胡麻をすり潰したタレが多い。

葉わさび、キンキの煮付け

キンキは地元で獲れるものではないので、福岡では貴重品。これを我々のために確保しておいてくれた。料理人・横尾さんの気配りも常連さんの存在が大きい。

ごまさば茶漬け

常連さんが茶漬けにするため再びごまさばを頼む。先ほどのごまさばを使うつもりが、我々が喜んで食べ尽くしてしまったためだ。ひつまぶしのように最初は刺身で食べ、次にごはんに乗せて食べ、最後にだし汁をかけて食べるのがごまさばの正しい食べ方らしい。

きす天ぷらと塩焼き

腹一杯なのに大きなきすが出てきた。この後炊き込みごはんをすると言うがもう食べられない。常連氏と部下を残して次の店に向かった。

炊き込みごはん

約30分後、ウニやイクラが乗った豪華な炊き込みご飯を手土産にして二人が合流した。歩いたせいか、美味しいからか、我が胃袋は予想に反して簡単に受け容れてくれた。

博多の夜は実に楽しい。


業平鮮魚店
福岡県福岡市博多区上川端町9-152
092-282-0830

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2009年05月06日

[博多鉄鍋本店](博多駅)

ガード下の大型店


各地で駅および駅周辺の再開発が進んでいる。東京駅はツインタワーや駅地下のグランスタが完成した後も工事は終る気配がない。博多駅も改良工事のための白い壁が行く手を阻む。駅周辺もJR九州旧本社ビルが飲食店の集まるエキサイド博多になるなど変貌を続けている。

筑紫口を線路沿いに歩いて行くとちょっと違和感を持った。滅多に来ないので何が変わったのかよくわからない。「こんな店あったかな?」と不安な気持ちを抱きつつも、鉄鍋餃子の文字に惹かれて入ってしまった。

入り口近くの狭い空間の一席を与えられるかと思ったのに、店員はどんどん先に進んでいく。突き当りを左に曲がると大きな空間が現れてビックリした。駅が上に行けば、高架下には広大なスペースが出来る。当たり前のことがすぐには理解できなかった。

餃子は宇都宮、浜松、神戸などが有名だが、博多の餃子もじわじわと勢力を増している。モッチリとした皮、一口で食べられる小ささが特徴で、鉄鍋で供する店が増えてきた

「焼き上がるまでお時間がかかります」と言われたが、イライラする前に料理がやってきた。鉄鍋の餃子は熱くて食べるのに苦労した。ちょっと大き目の一口サイズで、口に放り込むには危険すぎる。

熱くて噛み切るのが大変だ。皮の底がカリカリになっているため箸で割るのは不可能である。慎重に食べている間に鉄板の餃子は更に焼かれ、噛み切るのがますます困難になっていく。運ばれてきて直ぐに餃子を裏返して両面焼きにすべきだったと後悔しても後の祭り。

それにしても。「博多鉄鍋本店」とは立派な名前をつけたものだ。本店というが、支店は見当たらない。JR九州の系列かと思ったが、確認できない。駅に近く、大勢が入れ、週末は朝5時までやっている。使い勝手がいい店ではある。


博多鉄鍋本店
福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 西高架下1F
092-482-1000

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2009年05月05日

ジャパニーズウイスキー(キリン編)

キリンにもいいウイスキーがある


銀髪のホームバーである日本橋の風長閑に行った。ママの努力か石井さんたちスタッフの頑張りか、不況にもかかわらず賑わっている。カウンターに座って棚に並んだ瓶を見渡しても何を飲むか決まらず、いつものように石井さんの助けを借りる。笑顔と共に出されたのは軽井沢だった。

軽井沢17年

「ジャパニーズウイスキーが美味い!」と、これまで何度か書いてきたがサントリーとニッカの製品しか頭になかった。キリンと言えばロバートブラウンかボストンクラブ。大学生のときにロバートブラウンには世話になった。それ以来しばらくご無沙汰している。

軽井沢は1976年に国産で初めて瓶詰モルトウイスキーの商品として発売されたそうだ。銀座などの高級料理店で飲まれていたというから銀髪が知らなかったのは無理もない。一般に普及しなかったのはメルシャンの製品だったからかもしれない。メルシャンは2006年にキリングループに入った。2004年インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ金賞受賞という銘酒の知名度が高まるのはこれからだろう。

富士山麓18年

これもシングルモルト。各社のジャパニーズウイスキーは世界でも評価が高く、賞を得た商品も少なくない。学生時代のキリン製ウイスキーのイメージと異なり富士山麓は値段も立派なものである。

日本は水がいいし酒造りの技術もある。何より日本人は繊細で香りにも敏感だ。ウイスキーが美味しく出来る条件は揃っているが、スコッチウイスキーには敵わないと思っている人が多い。先入観を捨てて、自分の舌や鼻で評価したいものである。熟成年数が伸びるに従って、評価はますます高まっていくことだろう。


軽井沢http://www.kirin.co.jp/brands/sw/karuizawa/index.html 
富士山麓http://www.fujisanroku.jp/

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2009年05月04日

[万豚記ワンツーチー](日本橋)

日本一辛い坦々麺


パーコー麺を食べようと万世日本橋店を探して昭和通りを行ったり来たりしたことは昨日書いた。長年続いた店がまさか閉店しているとは思わなかった。閉まる店があれば開く店もある。いつ出来たか知らないが、初めて万豚記の日本橋店に行った。

もっとも万豚記の1号店が1994年に開業して以来全国に47店に拡大し、紅虎餃子房など662店を擁する際コーポレーションの牽引役を担ってきたようだ。日本橋では新顔でも堂々たる風格がある。

メニューは豊富で何を食べるか迷った。周りの客たちが食べているものはバラバラである。悩んだ末に「日本一辛い坦々麺」を頼んだ。「日本一」のネーミングに負けた。

カウンターに座ると料理人の動きが見えて実に楽しい。筍と挽肉の料理、回鍋肉が運ばれて行った後、料理人が鍋に唐辛子を大量に放り込み始めた。

見た目に圧倒されるが唐辛子の辛味はそれほどではない。もっと辛いラーメンはたくさんある。痺れるような辛さは山椒によるものに違いない。

食べ続けるとヒリヒリしてくる。日本一山椒辛い坦々麺にごはんを放り込んだが失敗だった。ごはんに汁をかけた方が良かった。
食べている間も料理人を見ていたが、銀髪のような馬鹿はいなかった。他にも食べるものはたくさんある。隣の客が食べていた回鍋肉は美味しそうだった。

それにしても店名を正しく読める人がどの位いるのか気になる。「今日の昼飯はマントンキにしようぜ」という人が圧倒的に多いと思う。まあ、通じれば何と呼ばれても店側は気にしないだろうけれど。


万豚記
東京都中央区日本橋室町1-11-13大西ビル1F
03-3527-9351
http://www.kiwa-group.co.jp/brand/search.php?j=100004

追悼

忌野清志郎さんが亡くなった。銀髪に自転車を勧めてくれた友人は忌野清志郎さんに触発されて自転車を始めた。その縁から、ある意味彼を崇拝していた。ご冥福をお祈りします。

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2009年05月03日

[万世橋酒場](秋葉原)

昼の排骨(パーコー)拉麺、夜のカツサンド


『万世橋酒場は、昼はラーメン、夜は立呑み・串揚げ料理のお店です。アルコール類には特に力を入れており、老舗の居酒屋の定番「亀甲宮」(通称キンミヤ焼酎)を揃えているほか、専用サーバーでいれる泡のきめ細やかなビールや各種カクテルなども楽しめます。“串揚げ3本盛・じゃがすじ・チャイナ小鉢、生ビールにホッピー”最近のおすすめです。常連さんが絶えない気楽な酒場です。』

ホームページを見て行けばどうということはなかったのだけれど、本店ビルの中でパーコー麺を食べられるところを探して迷ってしまった。日本橋のたいめい軒のように、レストランでもラーメンが頼めると勘違いしていた。パーコー麺は本店ビルの外といってもいい万世橋酒場にあった。

店のおばさんがクリップに挟んだ伝票を、調理場まで針金に乗せて投げ出す様が楽しい。端末に打ち込んでオーダーするのが一般的になった今、万世のシステムが新鮮に感じてしまうから不思議だ。

12時まではサービスで普通盛りと同じ値段で大盛りが食べられる。前夜の飲みすぎで胃が重いにもかかわらず、取材のためならと大盛りを頼んでしまった。大きなどんぶりは見栄えがする。

日本橋店で何度か食べたけれど、万世橋酒場のパーコー麺の方が遥かに美味しく感じた。写真さえ撮れればいいと思っていたのに、大盛りラーメンを完食してしまった。出されたものは残してはいけないと母に教わったが、今は残す勇気が必要なのかもしれない。

本店の味と比較しようと思い久し振りに日本橋店に行った。いや、行こうと思ったが果たせなかった。己の貧しい記憶力を呪いながら店を探すのを断念した。オフィスに戻り万世のホームページを開き、少しホッとして、ひどくがっかりした。記憶違いではなく日本橋店はなくなっていた。

がっかりすることはない。パーコー麺を食べたければ本店に行けばいい。5時以降の酒場も魅力的だ。熱々の万世名物カツサンドも食べてみたいものだ。大衆酒場でも一緒に行ってくれる美女がいれば嬉しいけれど……

万世橋酒場
東京都千代田区神田須田町2-21
03-3251-0291

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2009年05月02日

[らん月]⑤(銀座)

朝掘り竹の子の刺身


「悪いなー、またらん月で」とKさんが申し訳なさそうにする。「一緒に食事すると決まったときから諦めていましたよ」と笑ってあげた。10店ぐらいの馴染みの店をローテーションできる人が羨ましい。銀髪グルメ紀行を始めてから約3年半、休日を除いてほぼ毎日新しい店を探すのは辛い。

「すきしゃぶ、プレミアムビーフカツレツ、プレミアムハンバーグ、グリーンサラダ」K氏がスラスラとオーダーするのを聞きながら、メニューを繰っていたら竹の子の刺身が目に飛び込んできた。

朝掘り竹の子の刺身

竹の子の代表品種孟宗竹は801年に京都府長岡京市の海印寺、寂照院の開山・道雄上人が唐から持ち帰ったと言われる。この日の早朝、掘り出した長岡京の高橋さん夫妻の顔写真もメニューに載っている。まさに本場の竹の子の刺し身を食べられると喜んだ。

竹の子の伝来には諸説ある。近畿農政局のホームページでは「承応3年(1654)宇治黄檗山万福寺に明国の僧隠元が孟宗竹の母竹を携えて来日し、これが西山の麓一帯に定着し、たけのこが食されるようになったといわれています」とある。小学館の食材図鑑には「薩摩藩主島津吉貴によって元文元年(1736年)に現在の鹿児島市磯公園に株が植えられた」と記される。

実際、福岡、鹿児島など九州地方が竹の子の主な生産地である。もっとも平成19年の消費量の92%は輸入品が占めており、その大半は中国産というから日本での生産量争いはあまり意味がないかもしれない。長岡京の竹の子を食べられたことを素直に感謝したい。

越谷、鈴木さんの生卵

らん月のこだわりは生産者の顔が見える食材を使うこと。脇役であっても例外ではない。すきしゃぶに使う生卵の生産者は越谷の鈴木さんだそうだ。箸で挟んでも簡単には割れない。

そうそう、今回もKさんがプレミアムハンバーグを頼んだ。前回の記事(http://codawari.info/ginpatsu/archives/2009/04/post_1218.html)で予想したとおり、しっかり中まで火が通っていた。本当に余計なことを言ってしまったと後悔している。

銀座らん月
東京都中央区銀座3-5-8
03-3567-1021
http://www.ginza-rangetsu.com/

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2009年05月01日

[とびっちょ](江ノ島)

行列どころか人だかりの人気店


成城学園前から往復約110㎞、3度目の自転車による江ノ島である。毎回昼食は江ノ島でとることにしている。前回は「HANABI食堂」に行ったが、生シラスを食べられずに悔しい思いをした。「今度は下調べをして店を決めてある」と家族に言ったら、彼女たちも行くと言う。もちろん電車で。

「さらばブラックタイガー」となったので、前の2回と違って今回の相棒はマドンナ。「自転車の独り言」と文句を言っていたブラックタイガーと異なり、マドンナは銀髪に殆ど疲れを感じさせなかった。7時半に出発して10時20分に江ノ島に到着。10時30分に目指す「とびっちょ」の前に立つと、人だかりに唖然とした。

店の前に用意された紙に名前を書いたのが10時40分。11時にレストランはオープンするのに、なんと81番目。4巡しないと我々はしらすにありつけない計算だ。10時50分に到着した家族は江ノ島観光に出かけた。銀髪は携帯音楽プレーヤーで懐かしのニューミュージックを聞きながら待つことにした。どうせ後は家に帰るだけだ。3時間もかかるけど。

途中で生しらすを買って味見した。ごはんだけ持ってくれば、しらす丼ができる。釜揚げしらすはもちろん、しらす豆腐なども店頭で買える。しらすビールもある。

家族が戻ってきた。「みんなが居なければ独りで他の店で食べたのに」「お父さんがここで食べたいと言うから付き合ってあげたのよ」責任のなすりあいに飽きた頃、2時前に店に入ることが出来た。

しらすと桜えびのかきあげ、生しらす丼

生しらすと生さくらえび丼、しゃけいくらしらす丼

味噌汁、温泉卵

美味しかった。生卵も温泉卵も双子なのが面白かった。でも女性陣は全部食べきれず、大きなどんぶりにごはんだけが残った。食事が終わって店を出ると、260番目の欄に書き入れた人が「こりゃ夕食だな」と言って笑いを誘っていた。

家族は鎌倉へ、銀髪は帰路についた。腹が重くて前半はゆっくり走った。道も何度か間違ったため往路より時間をかけて家に辿り着いた。風呂に入ってビールを飲み始めた頃、家族が帰ってきた。お腹が一杯で晩御飯はいらないと言う。自分で酒の肴を3品作り、2本目のビールを開けた。

とびっちょ
神奈川県藤沢市江の島1-6-7 
0466-23-0041
http://www.tobiccho.com/

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