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2009年06月30日

[サニーサイド](新宿三丁目)

気楽なカフェバー


薄暗い店内はカップル向けのカフェといったところだろうか。案内された奥の小さなテーブル席に素直に座ろうとしたら、別の店員が広い方を勧めてくれた。マニュアル通り、無理矢理詰め込もうとしないのが気に入った。まだゆったりできる時間帯だ。

レバーパテ

店員がテーブルに置くときに転げ落ちてしまったパン。彼はそれを気付かずに去っていった。やっぱりおおらかな店だ。パテがなかなか美味しい。

ロメインレタスのサラダ あつあつのブルーチーズをかけて

溶けて熱々のブルーチーズをレタスにかける。想像したとおり、なかなかのお味。サービスは行き届かないカフェだが、料理は悪くない。

トリッパのアラビアータ煮込み

ビールから白ワインに、そして赤ワインへと順調に進んでいく。グラスで飲めるワインの選択肢が限られるが、気にしない。トリッパも水準に達しているのだから。

パルマ産プロシュートと青唐辛子のぺペロンチーノ

真正面に見える席に若い女性2人が座った。大きな生ビールを飲みながら、豪快に煙草をくゆらしている。アホ面で鑑賞している白髪じじいはまったく気にならないようだ。
左横の席も、その隣の席も女性だけの二人連れ。雰囲気も料理も悪くないので若い女性が気に入るのも理解できる。

腹一杯になったので勘定を頼んだ。席を立って見回すと、やはり女性が圧倒的に多い。それが店の雰囲気を優しくしているのかもしれない。気が利かない店員たちも邪気がなさそうで怒る気にならない。緊張感なく寛げる雰囲気を作る戦略だとしたら、大したものである。

サニーサイド
東京都新宿区新宿3-28-7 キーストン1F
03-3350-6860

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2009年06月29日

[たる善]②(札幌)

札幌でナンバー1の寿司屋


銀髪の左隣に堂々とした地元の紳士が座ったのは、我々がほぼ満腹になった頃だった。「札幌にいい寿司屋はたくさんあるけれど、たる善が一番だと思うよ」と言われて、銀髪も大きく頷いた。

たる善に初めて行ったのは昨年の10月、まだ移転前の店だった。新しい店はカウンター席が二室あり、喫煙可の方を覗くといつもは東京新丸ビル店を仕切るオーナーの眞田さんが居た。銀髪は大好きな板長・大坂さんの禁煙カウンターの中央に座った。5時半、まだ客は他にいない。

利尻うに、毛蟹、玉子、するめいか、ほっき貝


今日の料理は目の前に立つ高原さんにお任せした。解禁したばかりの利尻うにをはじめ地元の食材が並ぶ。写真では動くいかを見せられないのが残念だ。

ボストン鮪、しまえび、とうもろこし、にしん

するめいかで太る本鮪はまだ津軽海峡にいない。今の時期、大トロを食べたければ輸入物になる。鮪の後には再び北海道の食材。

数の子、あん肝、しまえび、時鮭、漬物、笹竹の子

数の子はたる善の自家製だと言う。国産にしんの卵を使い、塩抜きの必要のない美しい数の子である。時鮭はときしらずと呼ばれるように秋鮭と異なり今が旬。昼間覗いた二条市場でも主役を張っていた。

ぼたん海老、水だこの子、はまぐり、白魚、ます子、おかか&山わさび、白老牛

北海道で竹の子というと笹竹の子のことらしい。今回の出張中に市場や露天で何度も見た。この日、一番面白かったのが水だこの子。ねっとりとしてなかなかの珍味だった。

牡蛎で有名な厚岸産の白魚。「北海道でも獲れるの?」と驚いているところにやってきたのが冒頭書いた地元の紳士である。彼が頼んだものを見て「それって筋子?」と失礼ながら口を出してしまった。どうにも我慢が出来ない仕方がない奴だ。「ます子ですよ。もうじき終わりだね」教えてくれたのは紳士である。「さくらますの卵です。これも自家製です」と遅れて大坂さんが口を出す。

「何を飲んでるんですか?」と紳士。「北海道地酒の大吟醸です」と答えると「北の勝が一番」とご馳走してくれた。本醸造だが癖がない。「料理を邪魔しない酒ですね」という銀髪のコメントを気に入ってもらえたようだ。「大坂さん、山わさびと鰹節に醤油をかけたやつを出してあげて」と親切だ。鼻にツーンとして刺激的である。

穴子、時鮭、にしん、さくらんぼ

最後に3カンだけ握ってもらった。刺身でも食べた時鮭やにしんだが、寿司にするとまた違った味わいがある。
「もっと食べるか?」と部下に聞くと、日本酒で真っ赤になった顔を横に振った。

今回もたる善は素晴らしかった。そして、実に楽しかった。


たる善
北海道札幌市中央区南5条西4丁目クリスタルビル1階
011-511-4484

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2009年06月28日

[ホテルオークラ レストラン ニホンバシ]②(日本橋茅場町)

さすがはホテルオークラ


ホテルオークラレストランは昭和41年開業の老舗レストラン。証券業協会や投資顧問業協会などが入る証券会館の7階にあるので、これまで多くの経済界の重鎮なども迎えて来たに違いない。

しかし、40年不況で山一證券が日銀特融を受けた翌年の開業は厳しい環境だったろう。この年ビートルズが来日、加山雄三の「君といつまでも」、美川憲一の「柳ヶ瀬ブルース」などがヒットした。「夢は夜開く」もこの年のヒット曲だが歌ったのは園まりなど。(宇多田ヒカルの母・藤圭子の「圭子の夢は夜開く」は1970年の発売である。)

昭和41年(1966年)当時の日経平均は1,400円台、それから1989年に38,915円で天井をつけるまでは日本経済も順調に拡大した。バブルの頃はホテルオークラレストランも大いに潤ったことだろう。

茅場町周辺には接待向きのレストランが少ないので、ホテルオークラレストランは貴重な存在である。アラカルトでカレーなどを気楽に食べてもいいし、今日のようにビジネスランチコース(4,500円)でゆったり会食してもいい。

スープ、サラダに続いて、メインは特大有頭海老のフライ、本日の築地直送お魚料理、仔牛のチーズ包みパン粉付け焼き、牛フィレまたはサーロインステーキの中から選択する。銀髪は海老を選んだ。「国内産だよね?」と言いながら「外国産?」と付け加える自信のない質問に、ウエイターは「国内産です」と自信を持って答える。しかし、どこで獲れた物かは答えることができなかった。

「こちらは撮らなくていいですか?」と他の人たちは心得たものだ。総勢5人の中でステーキは誰も頼まなかったので撮影したのは3品のみ。最後にデザートと飲み物がついた。値段からして、料理の質は先日行った京橋ドンピエールの方が上のような気がした。しかし、ゆったりとした空間、落ち着いた雰囲気などを考慮すれば使い勝手はオークラの方が上になる。

100年に1度の経済危機と言われるが、この日はほぼ満席だった。世の栄枯盛衰にもかかわらず、長く続いているのはさすがだと言わざるを得ない。


ホテルオークラ レストラン ニホンバシ
東京都中央区ニホンバシ茅場町1-5-8 東京証券会館7F
03-3667-4828

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2009年06月27日

[東京ラーメンストリート](東京駅)

東京駅の新名所


東京駅八重洲南口地下1階、東京駅一番街に6月17日東京ラーメンストリートがオープンした。日経朝刊でそのことを知り、見学に出かけた。11時半頃だったのでよもや食べることができるとは思わなかったが、想像を絶する人の群れに圧倒された。「こいつら仕事をしているのか?」と行列を見て毒づいた若者が列に加わるのを横目に、銀髪は足早に通り過ぎた。

1週間後、11時に到着すると人混みは半分以下に緩和されていた。食券を買って「二代目けいすけ」の列に並んだのが11時2分で、7分後には席に案内された。テーブルの相席は強要せず、余裕があってなかなかいい。10分後にラーメンがやってきた。器の形が面白い。

海老の香りが強い面白いラーメンだ。伊勢海老のビスクのようであるが、食べ進むうちにやっぱりラーメンだと納得する。レンゲが巨大なので左手に持ったままでは食べにくい。どうやったら上手く食べられるだろう。試行錯誤しているうちに、ほぼ食べ終えた。

「六厘舎」の行列がもっとも長く、「ひるがお」「むつみ屋」もそこそこ並んでいる。37席のけいすけと同様に、34席のむつみ屋は比較的待ち時間が少なそうだ。ひるがおは24席と少ない。列の長さは同じぐらいでも、回転は悪そうだ。

六厘舎は初めて作った支店で28席。12席しかない大崎本店よりも並ぶ時間は短いかもしれない。むつみ屋は北海道が本店で、70店舗以上も全国展開しているので「東京で、真っ先に食べたい4店舗」というキャッチコピーに相応しいのかどうか分からない。

「ラーメンを並んでまで食べる気がしない」と言ってはみたものの、10分足らずとはいえけいすけに並んだのは事実。わざわざ東京駅まで来たことを、「いつまで行列が続くかチェックするためだ」とうそぶいても言い訳にしか聞こえないだろう。銀髪も偉大なる大衆の一人である。

いずれの店もJR東海が選んだ精鋭ばかり。長時間並んで食べた方が、ありがたみが増して美味しく感じるかもしれない。

東京駅一番街 東京ラーメンストリート
東京八重洲南口地下1階
http://www.tokyoeki-1bangai.co.jp

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2009年06月26日

[ジャッジョーロ銀座](銀座)

ハーブや野菜で体に優しいトスカーナ料理


後輩が送ってくれた雑誌を見て行きたいと思っていたのがジャッジョーロ銀座。ハーブを使った身体に優しい料理というのが気に入った。その店に我がホームバー「風長閑」のママに先を越されたことをブログで知った。それから得た知識はビールがないこと、きれいな女性がいることだった。

「ここはビールを置いていないんだよね」とカウンターに座るなり言った。「ハイ、今日は置いてありません」と答えるので「いつもないんでしょ?」と畳み掛ける。「事前に言っていただければご用意します」とのこと。本当かな?納得できないまま銀髪はシェリー酒を頼んだ。

アミューズ、パン、サラダ

可愛いアミューズ、煎餅のようなパリパリのパン、そして自慢のサラダ。ハーブのサラダと五穀米のサラダを頼んだら、各人の皿に2種類のサラダをきれいに盛ってくれた。

まだ他に客がいないので、店の女性と相談しながら料理をじっくり選んだ。すべて決まったところで「大変な美人がいると聞いてきたんだけれど、あなたのこと?」と聞いた。「女性は私しかいませんので…」と微笑み、「夫婦で働かせていただいています」と続ける。彼女の目の先にはハンサムな料理人が居た。

ミネストローネ、ゴーヤとボッタルガ(からすみ)のパスタ

各人に取り分けてくれたスープとサラダ。美女の推薦に間違いがあるはずがない。品のいい料理を楽しみながらも、カウンターに座った中年カップルが気になった。男がシャンパンを飲み、女性が飲んでいるのはビールのようだ。ビールが飲めるというのは嘘ではなかった。
後から来た紳士が男の方に挨拶をしている。美女が「彼がオーナーです」と教えてくれた。店のシステムを熟知している常連さんはビールが飲める。

白身魚の紙包み焼き、タスマニア産仔羊のソテー

会話の助けになる料理を選ぶのも銀髪流である。タスマニアにはオーストラリア駐在の時に何度も行ったことがある。仔羊は目の前で美女の旦那が焼いてくれた。キッチンの料理人たちは言葉も交わさず、持ち場の仕事に専念している。やたらと店員が賑やかなイタリアンが増えたが、ジャッジョーロはフロアのテーブルを埋めた客たちともども落ち着いた雰囲気を作り出している。

デザート

銀髪はいつものようにデザートを断った。自慢のハーブを並べられたが、ハーブティーも断った。少し失望した表情を浮かべた美女に「グラッパを飲みたい」と告げると、顔がパッと輝いたような気がした。白や赤のワインをグラスで頼んだ時と同じように、ボトルを見せながら優雅に説明してくれる。

「ご主人と店を持ったら必ず連絡してくださいね」と名刺を渡した。「来月ジャッジョーロ2周年の企画があります」と自分の名刺を差し出しながらしっかり雇われ先の宣伝もする。

美男美女夫婦の夢がかなう日が早く来ることを祈る。


ジャッジョーロ銀座
東京都中央区銀座7-10-5 デュープレックス銀座7-10-5
03-5537-2233
http://www.giagiolo.jp

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2009年06月25日

[ラトリエ・デュ・グー](吉祥寺)

気取らずフレンチ風


「もう1年も経ったんですね」1周年のお祝いの札を見てシェフに声をかけた。1年前に覗いたとき、プリンスホテル料理長などからのお祝いの花が輝いていた。辛い修行は独立を果たして報われるものでもない。独立後が大変だ。シェフにとってはどのような1年だったのだろうか。

リエット、自家製ベーコン

「何を食べたらいいですか?」と聞いたら困った顔をされた。「酒の肴として少しずつ食べますか?それともしっかり食事をしますか?」と逆に質問される。もちろん酒の肴だ。

「全部すり潰してないのがいいですね」リエットは鶏肉の身が混ざって美味しい。自家製ベーコンも悪くない。上々の滑り出しである。

シェフはテーブル席に陣取る満員の客たち向けの料理を作るのに忙しい。女性ということを忘れさせるほどシェフの動きは堂々として風格がある。手順よく出来上がる料理を見ながら次に頼む料理を選んだ。

野菜のココット、岩中豚

返された質問の意味がよく分かった。メインに相当する料理は量がしっかりある。「フランス料理ですよね」と言うと「固執しない」と柔軟である。気取らず若い人も楽しめる料理がこの店の特徴である。

チーズ盛合せ

もっとワインを、赤ワインを飲み続けたい。5種類のチーズ盛合せが適当に思えた。どれも食べたことがあるようでも初めてのものばかり。チーズの名前はなかなか覚えられない。一段落ついたシェフと会話しながらチーズでワインを飲む。至高の時間だ。

勘定を始めた外国人が、友達を連れて来たいと予約の相談をしている。小さい店にもかかわらずシェフの他に若い女性店員が2人いる。そのうちの一人が戸惑うことなく英語で答えている。想像した以上に順調な1年だったようだ。

「あの鴨は美味しそうでしたね」シェフが作るのを涎を垂らして見ていたにもかかわらず、腹具合を考慮して今回はチーズを選んだ。後悔はしないが心残りではある。まあ、楽しみは次回に残しておこう。


ラトリエ・デュ・グー
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-8-9 ルミナス吉祥寺1F-B
0422-28-7907

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2009年06月24日

[日本橋二丁目ダイニング]②(日本橋)

夜も嬉しい野菜、野菜


「なかなか点数高いよ!」とランチで紹介した日本橋二丁目ダイニングに、夜行った。今度は狭い螺旋階段を降りても微塵の不安もない。事前に電話で予約を入れたものの、思ったとおり客はまばらだった。

お通し、本日の産直野菜サラダ

壁際のテーブルに座ると、カウンターとは違う景色だ。野菜の生産者などを書いた張り紙が間近に見える。メニューを見るよりも店に任した方が良さそうだ。女性オーナーとその妹のシェフ、昼間にもいた従業員、女性だけの店はアットホームな雰囲気である。

玉ねぎの丸ごとロースト、元祖魚肉ソーセージ復刻版愛媛生まれ

銀座コルザでも食べた玉ねぎ丸ごとのオーブン焼き。調理時間は約30分とのこと。銀座コルザでは8時間焼いたと言われたが、一杯食わされたのかもしれない。
壁に貼られた大きな赤いポスターに惹かれて頼んだソーセージ。1949年に愛媛県で生まれたアジ100%の魚肉ソーセージの復刻版。なかなか面白い→http://store.shopping.yahoo.co.jp/rikaryo/zeppin-gyoniku-sausage-4.html

玉ズッキーニ

玉のズッキーニは初めて見た。素揚げにしてくれた。色や形は違っても、味はやはりズッキーニだ。

「儲かっていますか?」と入店早々失礼なことを言ってしまったが、店内はほぼ満席になってきた。いい食材を集めれば仕入れ値は上がり、利鞘は薄くなる。「頑張ってるね!」
意外なことにこの日は女性客より男性客の方が多かった。メタボの客が殆どいないのも分かるような気がする。健康に気をつかっているからここに来る。ここに来るからますます健康になる。

自家製ピクルス、千歳ラム工房のフレンチラック

最後に北海道産のラムを食べた。もちろん肉も魚もあり、野菜同様のこだわりを持っている。バランス良く食べることが何より大切である。

夜の日本橋二丁目ダイニングはいい店だった。オーナーの村上さんの名刺を見ると、店名の他に会社の名前が書かれていた。「食養生」の社名を見ればオーナーの思いも良く分かる。メタボに悩む人は毎日通ってもいい。毎日一人で食事をする人にもお奨めの店である。

日本橋二丁目ダイニング
東京都中央区日本橋2-15-3 B1F
03-3274-6776
http://yoshokuya.exblog.jp

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2009年06月23日

[ブラックホール](新宿歌舞伎町)

焼肉激戦区の歌舞伎町に出来た新店


新宿区役所通り沿いにモダンな店が出来たのは今年の5月頃。外観と同様に名前も焼肉屋らしくない。一度はまったら抜け出せない旨さということから名付けたらしい。他にもたくさんの焼肉屋、韓国料理屋がある歌舞伎町ではそれなりの特徴がなければ生き残れない。

店内は広々としており近隣の焼肉屋とは雰囲気が異なる。お通しは山盛りのキャベツの千切りで、とんかつ屋さんみたいだ。定石どおりまずは上タンからスタートした。

キャベツ、上タン

レギュラーサイズの他に多種類の部位を食べたい少人数向けの小皿があるのが嬉しい。まずはいい肉から食べてみよう。

上ハラミ、上ロース

少量なのはいいが、三切れずつというのが解せない。小皿を頼むのは2人連れが殆どだろうから、四切れを一皿とすべきだ。毎回譲り合うのは疲れる。

切り落としタン、ゲタカルビ

切り落としはタンにも色々種類があることが分かって興味深かった。ゲタカルビも同様に面白かった。他にも色んな部位がある。盛合せを頼んだ方が賢いかもしれない。

塩焼きを楽しむためにネギなど付け合せも豊富である。しかし、そのことを知ったのは家に帰ってホームページを開いてから。食べるその場で説明してくれれば、もっと違った楽しみ方が出来ただろう。メニューを読まない方が悪いのは分かっているけれど。

新宿では元横綱若乃花・お兄ちゃんの韓国焼肉料理屋も閉店してしまった。激戦区で戦うだけの武器は取り揃えたかもしれないが、精鋭の兵隊(店員)が育つかどうかは未知数である。隊長や下士官たちの頑張りに期待したいものだ。 


和牛塩焼肉 ブラックホール
東京都新宿区歌舞伎町1-2-5
03-6457-6089
http://www.iloveyakiniku.com

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2009年06月22日

[とごうvsむつぎく](浜松)

浜松餃子対決


「本当に帰っていいんですか?」と言う部下に「俺が嘘をついていると言うのか?」と返した。「後で、あの野郎!上司を残して帰りやがって!と言わないで下さいよ」と不安そうだ。餃子の食べ歩きに仲間はいらない。まして2軒はしごするつもりと知れば、嫌がるだろう。

浜松は宇都宮ほどではないにしろ神戸などとともに餃子が有名なところだ。しかし浜松担当の部下は餃子を食べたことがない。当然ながらこれから行く店も浜松駅から歩ける店の中から銀髪が自ら探した。行く順番は悩んで悩み抜いた末に決めた。とごうには5時を過ぎたばかりに入ったので当然一番乗り。店員たちは仕込みで忙しそうだ。入り口の壁から大音響を発するキテレツ大百科を見ながら餃子が焼けるのを待った。

餃子焼き器と格闘する店員を見ながら、お通し(200円?)でビールを飲んだ。瓶ビール530円、餃子8個420円は良心的だ。次の客が無言で入って来たと思ったら、調理場に入るので驚いた。年齢からして店主かもしれない。巨躯の店員が餃子の焼き場を譲った。

豆を箸で上手に口に運び自画自賛するのも飽きた頃、柔らかい皮の餃子が出てきた。底が破れて見栄えが悪いが味はいい。食べ終わる頃に次の客が入って来たのは有難かった。老若3人の店員が、「ありがとうございました」と言うのを意外な気持ちで聞きながら店を出た。

タクシーの運転手さんも太鼓判を押したのがむつぎく。5時40分頃に入ったら、7割方席は埋まっていた。カウンターに座りとごうと同じようにオーダーする。瓶ビールは630円、餃子は460円とちょっと高め。但し、フライパンで素早く焼き上げるのでお通しの必要はない。テフロン加工(?)のフライパンを使っているので油も少なめに引いているようだ。とごうとの共通点は茹でたもやしが添えられていることぐらい。この茹でもやしが浜松餃子の特徴らしい。

あれこれ吟味しながら食べていたら、見覚えのある人が銀髪の側に座った。とごうで後から入って来た人だ。目が合って、目をそらし、それぞれの世界に戻った。こちらが食べ終わり、向こうが食べ始める頃、声が飛んできた。「どっちが美味しかったですか?」と言われて思わず二ヤッとした。

声を発しなかった自分を責め、声をかけてくれた相手に感謝した。どちらの店を先にするか逡巡したが結果オーライになった。銀髪の名刺を渡し、彼の名前がMさんと教えてもらった。僅か5分足らずの会話だったが、永遠の友を作った気分になった。

先に席を立ち、別れを告げて出口の勘定場に行った。「お知り合いですか?」と店の若い女性が聞くので手短に経緯を話した。「意見が一致してね」と言うと、若い女性の笑顔を見るおまけがついて来た。銀髪に声をかけてくれたMさんに再度感謝感謝である。

翌日Mさんから電話がかかってきた。「もう一軒行ったんでしょう?」と聞くと予想通りの答え。お互いの笑い声が重なった。


餃子屋とごう
静岡県浜松市中区田町329-14
053-458-7880

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2009年06月21日

[海ぼうず](静岡)

大満足の静岡おでん丼ぶり


最初に静岡駅に降りて以来しばらくは、新幹線の改札を抜けてまっすぐ進んでアスティ西館に入っていた。マクドナルド、銀座ライオン、そじ坊、日本海庄や、万豚記など東京でも馴染みの店が多い。静岡らしい店は待月楼ぐらいしかなく、実につまらない駅だとずっと思っていた。

改札の裏手に東館があることを知ったのは静岡に10回以上来てから。いつも駅を離れて食事をしていたが、偶然東館にも食べ物屋があることを知った。我ながら情けなくなってしまう。西館の店に比べるとみすぼらしいが郷土色があってとてもいい。

東館では駿河湾の魚や地元の酒、そして静岡おでんを食べることが出来る。海ぼうずは静岡おでんと串焼きの店。海ぼうずのレトルトパック入りの静岡おでんは西館のお土産屋でも売っている。他の店で生しらす丼を食べるか迷ったが、海ぼうずで静岡おでん丼ぶりを食べることにした。

普通はメニューの方が立派だが、この店は実物の方が上。写真を見て期待が低かっただけに、すごく美味しく感じた。部下は大盛りを頼んだ。30円高いのはご飯だけ増量のはずだが、おでんも量が多いように感じる。己のひがみ根性を反省する。

「美味しいですねー」嬉しそうに部下が言う。「こんなに美味しいとは思いませんでした」と続ける。静岡担当の部下は数十回静岡に来ているのに、静岡名物を教えるのはいつも銀髪の役目だ。食べ慣れたものしか口にしない人を変わり者だと思っていたが、変わっているのは銀髪の方かもしれない。
「ご馳走様でした!」と勢いよく言われてちょっと気恥ずかしい。630円でこんなに喜んでもらえるとは有難い。

静岡駅で降りたら、是非東館に行ってほしいものだ。但し、「美味しいものを食べるための2箇条」を決して忘れないでほしい。

1. お腹を空かせること
2. 期待しないこと

これを守れば必ず満足するはずだ。


海ぼうず アスティ店
静岡県静岡市葵区黒金町4 静岡駅ビル アスティ
054-202-1500
http://www.shouetsu.co.jp

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2009年06月20日

[ストーン](浅草橋)

焼きカレーのお店

「この近くの有名店は…」と部下が淀みなく話す。何年経っても銀髪任せの部下が多い中、彼は美味しい店の探索に熱心なので楽である。「焼きカレーの店はどうですか?」との提案に素直に従った。

「喫茶店のような小さな店ですよ」と教えられていたので、店の前に立っても驚かない。入り口の黒板に、思いっきりTV、ぴったんこカンカン、ぶらり途中下車の旅、アド街ック天国、スーパーJチャンネルなどこれまで紹介されたテレビ番組が列挙してある。

12時前なのでまだ客はまばらである。大きなおばさんが入り口に一番近い席を我々にあてがった。
焼きカレーを頼んだらサラダと冷奴が出てきた。サラダはともかく豆腐とは珍妙な取り合わせである。置いていったコップに入っているのはレモン水だろうか。随所に見られるユニークさの中でも極め付けが焼きカレーに違いない。

待望の焼きカレーが出来上がった。銀髪と部下の前に一つずつ置かれた。想像の範囲内で焼きカレー自体に驚きはない。それでもジーッと見詰め続けた。

「お前の方が美味そうだな」と部下のカレーに目を移して呟いた。部下は意に介さず食べ始める。「交換しましょうか?」と言ってくれるのを期待したが無駄だった。思ったとおり、チーズの下に卵が隠れている。しかもしっかり焼けた卵が…

我が家で夕食がカレーの時は、翌朝も銀髪はカレーを食べる。朝食のカレーには目玉焼きを添える。もちろん黄身はトロトロである。カレーにトロトロ卵が好きなのに、目の前の焼きカレーはカチカチ卵ではないか。部下のカレーを覗き込むと黄身は半熟トロッの状態である。いくら勘定は銀髪が払うといっても「交換しろ!」と命令することは出来ない。まして上下関係を振りかざしたらパワハラと訴えられるかもしれない。

客はどんどん入ってくる。相席は当たり前になってきた。マスコミの力は偉大というよりも、マスコミを呼び寄せたネーミングが素晴らしいということだろう。

嬉しいそうに、美味しそうに食べる部下が恨めしい。悲しい気持ちのまま食べ終えた。

ストーン
東京都台東区浅草橋1-10-12
03-5821-3800

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2009年06月19日

[いづ政](湯島)

銀座の名店・出井は湯島で生きている


「昔、銀座に居たのでわざわざ来てくれるお客様が多いんですよ」と主人が言う。店の住所が6丁目と聞いてピンと来た。入り口に書かれた「関西割烹」と銀座6丁目と来れば、出井しかない。それなら安心して料理は任せた方が良さそうだ。

付き出し、こちの吸物

「出井出身と言えば、四谷のゆたかもそうですよね」と言うと、一気に主人との距離が縮まった。思ったとおり先輩、後輩の仲。ゆたかの主人は引退して代替わりしたことを二人で残念がった。

お造り(こち、かつお、はも、うに、さざえ)、たこ唐揚げ

いづ政の名物はたこの唐揚げ。マスコミの取材もこれに集中するそうだ。揚げる前に茹でてあり、独特の歯応えとなかなかの味付けだ。メニューを見ても料理法を想像できなかったので、やはり任せて正解だった。

あま鯛一夜干し、茄子油煮

一夜干しの上に出汁がかけられた。「アッ!ゆたかと一緒だ!」思わず口にする。本来焼くときに使う出汁を、仕上がりにかけるのはいづ政のオリジナルと言う。それを兄弟子のゆたかも取り入れたとのことだった。自ら作った一夜干しとの絶妙のコラボレーションに湯島で再会できるとは思わなかった。

岩牡蛎、小芋煮ころがし

話を中断して岩牡蛎と奮闘する主人。日本海産と思って見ていると、「こんなの初めてですよ」と嬉しそうに差し出された。殆ど地元の宮崎で消費されていた牡蛎が、不況のせいで県外にも出荷されるようになったそうだ。しっかりした身で中ほどは濃厚な味がする。

唐辛子味噌きゅうり、もずく雑炊

唐辛子味噌を頼んで、マイ唐辛子を鞄から取り出した。「八幡屋のBIRD EYEで、これが一番辛くて美味しい」と自慢すると主人も持っていると言う。話を合わせているだけかと思ったら、冷蔵庫から袋を取り出して見せてくれた。思わずカウンターの向こうに手を伸ばし握手を求めてしまった。
最後はもずく雑炊。これはゆたかのオリジナルで、今はゆたかでも食べられないと言う。

大阪人でも知る人が少なくなってしまった関西料理。京料理と区別がつかない人も多い。本家がなくなってしまっても誇りを胸にして、熱い友情を持ち続けるなんて、感動してしまう。主人は29歳で独立して還暦を迎えるまでになった。今後も関西料理の伝統をしっかり伝えていって欲しいものだ。


関西割烹 いづ政
東京都文京区湯島3-38-3
03-3832-3210

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2009年06月18日

[越州](東銀座)

越後の酒と肴


待ち合わせの時間より随分と早く歌舞伎座に着いてしまったので、しばらく歩き回った。周辺には意外と料理屋がたくさんある。N氏と落ち合って目的の店に向かったが生憎と臨時休業で、嗅覚を頼りに一番良さそうな店に飛び込んだ。

お通し(生しらす)、越後の珍味三昧

「正解じゃないか!」とN氏が褒める。地下の店は思ったより賑やかだ。お通しを食べ、煮菜、ずいきのきんぴら、えごねりの珍味三昧を食べていると、入り口に近いカウンターに阿木燿子が座った。突然芸能人御用達の店に格上げされた感じだ。

本鮪(極上)

極上の文字に引きつけられた。「どこの?」と聞きたくなるのは無理もない。今の季節に近海物の極上品は滅多にないはず。「能登産」と言うので試すことにした。脂の乗りは強くないが成る程極上品と言える。N氏がこれまで食べた中でも最高レベルと感激する。

栃尾の油揚げ(ねぎ味噌焼き)

栃尾名物の大きな油揚げ。日本酒の肴にも合う。この店は久保田の品揃えがとてもいい。それもそのはず朝日酒造のアンテナショップとのこと。洗心や得月、もちろん越州という酒もある。季節限定の生酒を飲むとこの店に来てますます正解と思う。

のどぐろ、村上鮭ハラス焼き

北陸の高級魚のどぐろは避けて通れない。半身なのが残念だったが、お値段からしたら止むを得ないかもしれない。鮭放流の元祖である村上の鮭は陰干しした塩引鮭や鮭浸しが有名。近年マスコミなどで一躍人気になったのどぐろよりも遥かに伝統があり地元を潤してきた魚である。もちろん日本酒の友として最適である。

越州銀座店は京橋、新橋に次いで東京3番目の店舗になる。朝日酒造の店だけに、接客もしっかりしている。勘定をすると山本店長が名刺を持って飛んできた。店の外まで送ってくれる。この店は正解だった。


越州 銀座店
東京都中央区銀座3-13-11 銀座芦澤ビルB1
03-5565-5756
http://www.asahi-shouzi.co.jp/e/e-01.htm#ginza

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2009年06月17日

[ドンピエール](京橋)

立派なランチコース


「ドンピエールのランチコースを予約しました」と部下が言う。「ドンピエールならオムライスだろう。コース料理なんか断っちまえ!」と命ずる銀髪。素直に電話した部下が聞いた答えは「オムライスは1時からです」。粘ったけれど徒労に終った。

久し振りのドンピエールは記憶どおりの小さな店だった。一目で我々7人のテーブルがどれか分かる。席につくまで周囲を観察すると、客の殆どはオムライスと並ぶ名物のカレーを食べているようだ。部下が頼んだのは3780円のコースである。

自家製ハム、スープ

立派なハムにMさんがいたく感心している。「もう少し厚ければメインディッシュになりそうだ」と言う声にみんなが同意する。

メインコース

メインコースは岩手産無菌豚、ラム、ハンバーグ、黒ムツの4つの中から選ぶ。魚は誰も望まなかったため、撮った写真は3つになった。
どれもランチとしては充分な量がある。分け合って食べることをしなかったので、それぞれの料理の出来具合を評価することはできないが、それぞれが自分の選んだ料理に満足したようだ。

デザート

これまでの料理で値段にしては立派だと思っていたけれど、デザートのワゴンを見せられてちょっと驚いた。これだけ見事なデザートを見せられると、甘いものが苦手な銀髪は損した気分になる。デザートの料金を引いてくれたら嬉しいのになー

一人2種類選ぶことが出来るので、女性二人の後に銀髪もオーダーした。自分で味見する分を残して彼女たちの皿に取り分けてあげた。これで彼女たちは4種類を食べられることになる。横からMさんが自分の皿を出してくれた。分けるためではなく撮るために。

食事が終る頃、新手の客が数組入ってきた。席につくなり「オムライス」と注文している。時計を見るとちょうど1時を過ぎたばかり。混み合うランチタイムの後にしか食べられない名物料理。なかなかの戦略ではある。

ドンピエール
東京都中央区京橋2-3-4
03-3242-0141
http://www.perignon.co.jp

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2009年06月16日

[鮎正]③(新橋)

美味い!笑っちゃうほど美味い


夏の盛りの雄鮎、秋の子持ちの鮎を昨年食べて、次は何としても出始めの鮎を食べようと思っていた。ところが天然鮎の解禁日を見誤った。島根県高津川の解禁日はいつもより早い5月20日と知り、慌てて電話をしたが7月まで予約は取れない。粘ったら開店早々の5時~7時までならOKとのこと。ホッと胸をなでおろした。

骨せんべい、前菜

ドアを開けるとこちらを見た店員の表情が一瞬和んだような気がする。カウンターの真ん中に座って骨煎餅でビールを飲んでいると主人が現れた。今度ははっきりと顔に笑みが広がる。「オッ!今年も来たな!」という感じだ。

鮎の味噌仕立て、背越し

味噌仕立ても背越しも初めて食べた。鮎が大きくなると身だけの刺身になるが、今の時期は背骨ごと引いている。初夏らしく美しい逸品だ。

塩焼き

頭から食べて思わず「美味い!」と言った。何故か笑いが込み上げる。もう一度食べてまた「美味い!」。ハフハフ、ハッハッハッ!相方のしゃべくりを無視してまた「美味い!」
焼き場を見ると若い料理人が真剣勝負をしている。任せてもらえるまで何年も修行するという。まったく凄いものだ。

うるか茄子、うるか

鮎正自慢のうるか茄子は3度目だが、前2回と微妙に味が異なる。若鮎の内臓はどこか爽やかである。無理を言って来た甲斐があった。いつも同じ料理のように見えて、季節により異なった趣がある。

揚げ物、酢の物

忙しいのでアラカルトはダメと電話で言われたが、コースにして良かった。調理法が変わって素材の特徴を余すことなく味わうことができる。

鮎ご飯、青梅のデザート

鮎ご飯がまたまた美味しい。客ごとに炊き立てが出て来る。2人分で4匹入っていると聞いて驚いた。コース全体で7~8匹食べた計算になる。イヤー、満足満足。

早い時間に来たので今日も主人をほぼ独占。料理の話はもちろん、馬鹿話にも付き合ってもらえてとても楽しい。「カウンターに座って女を口説く奴は馬鹿だよねー」と銀髪も舌好調だった。

店を出て連れが「右隣で口説いていたの分からなかったんですか?」と銀髪に注意をする。「エーッ!そうだったの?気にしない、気にしない」何を言われたって気分は高揚したままだった。

鮎正
東京都港区新橋4-17-5
03-3431-7448

2009年秋、移転しました
鮎正
東京都港区新橋4-21-14
03-3431-7448

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2009年06月15日

[寿司清]②(新宿)

やっぱり楽しくリーズナブルな寿司屋


3年振りにやってきた。あの時はカウンターのど真ん中に座ったが、今日はコーナーの端っこ。見える魚は限られるし、目の前の板さん以外は後ろ頭しか見えない。

お通し(フカヒレ軟骨)、ウニ

「きれいなウニだねー。洗った後に並べたの?」板さんに最初に声をかけるときは、銀髪といえども少し緊張する。「いいえ、普通に洗っただけです」おそらく向こうの方が緊張しているだろう。胸の名札で大場さんとは分かったが、笑顔を引き出すタイミングは難しい。

ミズイカ、イサキ、カレイ、アジ、イワシ

取りあえず目の前にある魚の中から刺身を造ってもらった。「イワシは酢につけてあるの?」一口食べて質問する。「サッと酢にくぐらせてあります。アジも一緒ですよ」と答える。アジは身が厚いので分からなかった。なかなか話は膨らまない。

トリガイ、アカガイ、アナゴ

江戸前にこだわる高級店ではアナゴの白焼きを頼むと「うちのアナゴは全部煮てますから」とムッとされる。大衆的な寿司清は堂々と本日のお奨めに掲げているのが嬉しい。

キンメ、ホウボウ、白エビ、トロ

左隣に若い女性2人が座った。我々に背を向けていた板さんが彼女たちの前に立ち、魚の名前をスラスラと言う。名札を見たら副店長の小月さん。「あいつだ!」3年前相手をしてくれた板さんをやっと見つけた。

「あのおじいさんは最近も来ているの?」と声をかけた。「しばらく来ないですね」と言いながら、怪訝そうに銀髪を見る。若い女性たちから小月さんを奪い取ってしまった。90歳を超えてさすがに前のように来られなくなった老人の話で盛り上がる。

突然「あの日も殻つきのウニを食べた!」と連れが口を挟む。まったく蛍光灯である。老人の話が出るまでこの店に初めて来たと思っていたというから恐れ入る。いつの間にか大場さんも打ち解けて会話を盛り上げている。笑うと年齢相応に若く見えるから楽しい。たくさん笑って勘定の時間になった。「小月さん、また3年後に会おうね!」と言って最後の笑いを誘った。

寿司清
東京都新宿区新宿3-15-17 伊勢丹会館3F
03-5366-8830

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2009年06月14日

[こむらさき](熊本)

横浜ラーメン博物館にも出店している1954年創業の熊本ラーメン


「一番好きなのはこむらさきです」と部下が言う。「店の場所を知ってるか?」と聞いたら首を振る。熊本出身のくせに、空港で売られている老舗3店の詰め合わせで判断したらしい。
銀髪はホテルでもらった地図をポケットから取り出した。その地図にこむらさきは書いてある。

アーケードが終る手前で部下が立ち止まった。「違うよ、ここは支店だ」銀髪は歩き続ける。「あれだ!」銀髪が看板を見つけた。「本店の方が小さいんですね」と部下が言う。「あたりまえじゃないか。移転しない限り、本店の方が小さいのが普通だ。小さく始めて成功したら大きな支店を作るものだ。」

こむらさきの本店は部下ならずとも拍子抜けする町の中華料理屋という感じの店だ。部下はお勧めの王様ラーメンを、銀髪は当然スタンダードのラーメンを頼んだ。

部下が「あれっ?」という顔をする。「味千と間違ったかな?」詰め合わせの箱から取り出す際に入れ替わったのかもしれないと思ったようだ。確かに味千の方がインパクトがある。期待しないで食べた味千と、期待して食べたこむらさきの差なのだろうか。

しかし、食べ進むに従って優しい香りが口に広がる。豚骨ラーメンにしてはくどくない。横浜のラーメン博物館で人気というのも分かるような気もした。まあ、各人好みがあるので優劣はつけられない。

店を出てタクシーをつかまえた。「空港まで!」と行き先を告げると、女性ドライバーが歓喜の声を上げた。「出版社の方ですか」と聞くので軽く否定した。近くに勤める人と思ったらしい。一拍置いて「あっ!ラーメンを食べに来られたんですね」と一人で納得している。
「ラーメンお好きなんですか?」と言われて考えた。グルメ紀行の取材のためだけではなく、好きだから食べている。

「熊本ラーメンが好きなんて、若いんですね」と言われて照れた。こむらさきをあっさり味と思ったのなら内臓の若さを誇ってもいいかもしれない。長距離客を乗せてラッキーを連発する運転手さんと楽しく語らっているうちに空港に着いた。

「若いというより馬鹿だね」と言うと、実に楽しそうに笑う。車を降りたら「気をつけて帰ってください!」と明るい声が追いかけてきた。「パイロットに言ってくれ!」と一言多い銀髪である。

こむらさき 本店
熊本県熊本市上林町3-32
096-352-8070
http://www.komurasaki.com/

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2009年06月13日

[味千ラーメン](熊本)

世界の味千


熊本空港では黒亭、こむらさき、味千のラーメンが老舗3店として詰め合わせで売られている。前回熊本に来た時に黒亭を食べたので今回は残りの2つを食べようと意気込んだ。

熊本県内に70店舗以上あるので地元でも一番食べられているラーメンだろう。創業は1968年というから既に40年以上の歴史がある。創業者の重光孝治氏は久留米を発祥とする九州ラーメンの代名詞、豚骨スープにニンニク風味を加えた先駆者とのことである。

熊本市の中心街にある味千ラーメン銀座通り店に行った。口コミサイト・食べログではトップランクにある黒亭と違い、味千の評価は若干劣る。チェーン店化して味が落ちたのは仕方ないと想像した。ところがなかなか美味しいから困ってしまう。自分の味覚を信じていいのか迷ってしまった。

世界の味千と称されるように海外、特に中国で多数出店していると聞いた。ホテルに戻ってホームページを開いて驚いた。海外店舗数は100程度だと思っていたが、2009年4月30日現在389店舗もあるという。国内105店舗と合わせると合計494店舗、これほどだとは思わなかった。

台湾2、アメリカ7、シンガポール18、フィリピン1、タイ7、インドネシア5、オーストラリア5、カナダ3、マレーシア5、10カ国の合計が53店舗。香港が33店舗だから中国本土で301店舗あることになる。

中国本土で猛烈な勢いで出店しているのですぐに500店を超えるだろう。1000店に到達するのもそんな遠い未来ではなさそうに思える。
顧客に支持されなければこれほどの発展はあり得ない。意外に美味いと思った銀髪の味覚も大衆的と言えるだろう。

味千は美少年酒造にも手を差し伸べた。たかがラーメン屋と侮ることなかれ。何はともあれ「あっ晴れ!」である。


味千ラーメン 銀座通り店
熊本県熊本市花畑町13-4
096-354-9822
http://www.aji1000.co.jp/

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2009年06月12日

[むつ五郎](熊本)

熊本随一の馬肉いろいろ


5時を回ってまだ間もないので一番乗りである。カウンターの一番奥に座るように言われた。主人が目の前にいる一等席だが気難しそうなのでちょっと緊張する。メニューを見ると脳みそなど食べたことがない部位が豊富で驚く。

お通し、馬刺し

「馬刺しは1種類だよ」と言うので赤身かと思ったら、きれいな肉が出てきて安心した。悪くない。
ビールの後は米焼酎を飲むことにした。「水割り、氷なしで」と言うと「ロックにしたら」と勧める。「氷は溶けて味が変わるので水だけでいい」と譲らない銀髪。希望通りの焼酎水割りが出てきた。

内臓盛合せ(タン、レバー、コウネ、ハツ、大動脈)

主人が説明に詰まるとすかさず「コウネ」「大動脈」と銀髪がフォローする。大動脈まで当てられて意外そうな顔が愉快だ。

煮込み、脊髄、脳みそ

「好きなものを頼んでいいぞ!」と言われて部下が馬煮込みを頼む。「入れ歯でも噛み切れますよ」と主人が言うので「まだ入れ歯の歳じゃないですよ」とおどける。クリームシチューのようで美味い。「クリームや片栗粉を加えてないのに美味しい」と褒めちぎり主人の笑顔を引き出した。

脊髄は大阪で食べたことがあるが馬の脳みそは初めて。味付けが絶妙で何も言わずに出されたら脳みそとは思わないだろう。屠殺場で自らノコギリを使って脳や脊髄を取り出すというから大したものだ。熊本でもこれだけの部位を揃えている店はないだろう。

珍刺し、ルージュ

珍刺しはすぐに何のことか分かった。唇がルージュとは店に似合わず洒落た命名。「もっと美味しいものを食べたらいいのに」と主人が言うので、「店の人が言う台詞じゃないでしょう」と茶化す。珍は煮込んで煮こごりのようだ。ルージュは鯛の口のようにプルンとしている。「美味しいよ」と言うと主人が呆れた顔をする。

馬寿司、馬汁

最後は主人のお勧めに素直に従った。「一皿5個なんだけど、2人で喧嘩しないように6個にしといたよ」と親切だ。馬汁も予想以上に美味い。主人とすっかり打ち解けた。「変わったものばかり頼む妙な客と思ったでしょう?」と言うと、「もっと美味いものを勧めても、こっちの言うことなんか聞かないと分かってたよ」と銀髪をけなす。焼酎の飲み方のやりとりで悟ったに違いない。

創業から35年、奥さんが料理を運び、2代目がカウンターの中央に陣取る。「息子さんいい男だね」と言うと、「俺に似て良かったよ」と主人が笑う。銀髪はもっと大きく口を開け、のけぞって笑ってやった。

イヤー、実に楽しかった!


むつ五郎
熊本県熊本市花畑町12-11 熊本グリーンホテル地下
090-356-6256
http://www.mutugoro.co.jp/

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2009年06月11日

[てっぺん渋谷 男道場](渋谷)

渋谷で一番元気な店?


熊吉に行って以来、この路地に病みつきになった。週末になると人だかりがしていて気になったのが「てっぺん」という店。ダメ元で行ったら運良く入ることができた。若い男性店員たちが大きな声を揃えて歓迎してくれる。店員は男だけだから男道場。「向かいの店はこちらと関係あるの?」と聞けば、あちらは女性店員だけの女道場。面白い。

お通し、牛すじ串 

隣が食べている刺し身を頼もうかと思案していると、それはお通しだった。メニューの最初に大きく書かれた「一人一本必食」牛すじ串は避けて通れない。

いつの間にか店は一杯になり、入り口で落胆する人が増えてきた。客を迎える大声も聞かれなくなってようやく空気が落ち着いてきた。

チャンポテ、フワトロ焼き

チャンジャとポテトの焼き物、山芋をつなぎに使ったお好み焼き。目の前の鉄板で手際よく作られていく。躍動感溢れる美形の料理人をお目当てにやってくる女性たちもいそうだ。

鉄板野菜盛合せ、亀岡ホルモン

「あれ、なーに?」他の客に運ばれていく料理を目で示す。鉄板のパフォーマンスを見ているとメニューを見るのは面倒になる。料理人が立てかけられたメニューを向こうから指さす。「この辺に書いてあります」と言われて三桁の値段を確認、オーダーする。
京都で飼育される和牛の3割を占めるという亀岡牛。初めて聞くものは何でも食べてみたくなる。

きびきびと動く若い店員たち。その一人はなんとソムリエバッジをしている。別の若者の胸には「世界のビート 北野」の名札。由来を聞いて大笑いすると、その笑いが隣の若いカップルに伝染した。自分の子供のような連中と談笑する銀髪に連れは呆れている。

口コミで外国人の客もたくさん来るらしい。安くて元気一杯の酒場は老若男女、洋の東西を問わず人気である。勘定を払うと店長らしき人が見送ってくれた。振り返っても振り返ってもまだ見送っているのには恐れ入った。最後に大きく手を振って角を曲がった。

てっぺん渋谷男道場
東京都渋谷区宇田川町37-13
03-5452-1598
http://www.teppen.info

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2009年06月10日

[鳥ふじ]②(日本橋茅場町)

名古屋コーチン鍋


開店からもうすぐ2年。マスコミ等で度々取り上げられて、評判の高い店になった。銀髪が来て絶賛したのは1年半前で、久し振りの訪問である。2度目は名古屋コーチンの鍋を食べると決め、何度か再訪を試みたがタイミングが合わなかった。

「名古屋コーチンは火曜に入るので、今日で良かったです」と女将に言われてホッとした。今回はぴったりとタイミングが合った。

つくね、きゅうり、刺身三種

コースには刺身も入っており、とてもフレッシュで美味しい。連れに「彼女が女将だよ」と言って驚くのを楽しむ。「よく従業員と間違われるんですよ」と笑う女将は1年半前と変わらず若々しいが、余裕が出てきたように感じる。

手羽元、首肉

「熱いけど手で持って食べてください」明るい声で勧めてくれる。「三羽分の首肉を使っています」と言われて感心する。噛むほどに味が染み出してくる。

竜田揚げ、焼き霜

「イヤー美味しいですねー」と連れが褒めるので気分がいい。コースには入っていない鳥の焼き霜を追加してやった。焼いた後、冷凍庫で冷やすため時間がかかるが、再び褒め言葉を聞けるのは間違いない。

「切れ目がぱっくり開いて浮き上がってきます。箸でつまんで弾力が出てきたら食べ頃です」女将がお手本を見せてくれる。二切れ目からは自分たちでやる。鍋の中の鳥肉をこれほど見詰めるのは初めてだ。食べ頃を逃さないように真剣勝負。うまいうまい。

刺身でも食べられる内臓類もうまい。最後につくねを鍋に入れ、火が通ったところで野菜を加える。雑炊には人気の親子丼にも使われる日本一のこだわり卵が入る。
「ここは焼鳥屋と言ってはダメですね。鳥割烹と言うべきです」と連れがいいことを言う。ほぼ一杯になった店内を見るとますます気分がいい。常連さん気分になっている自分がおかしい。「いつもありがとうございます」と女将に笑顔で見送られるとちょっと面映い。今日で2回目なのである。

「近い内にまた来ますよ!」と言ったものの、新規開拓に明け暮れる銀髪にとっては約束が守れるかどうか辛いところだ。


鳥ふじ
東京都中央区日本橋茅場町3-4-6 本橋ビル2F
03-3249-6118
http://www.torifuji.net

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2009年06月09日

[コルザ](銀座)

演出も楽しいキッコーマンの鉄板焼き屋


「5時に銀座能楽堂地下の店に集合してください」と言われ、いつもより早い時間指定にちょっと驚いた。通常7,500円のコースが6,300円で食べられる5時~7時のトワイライトタイムコースを予約したとのこと。なかなか優秀な幹事だ。

いつものメンバーが2人欠けたお陰で8人が鉄板焼きテーブルにうまく収まった。まずは前菜から。値段の割りにちゃんとしていると褒めたら、キッコーマンが経営する店と教えられて納得した。

続いてホタテと海老の海鮮鉄板焼き。立派なホタテ8個は雌雄半々、身の大きさもバラバラ。「どれが当たるか心配になるね」と料理人に聞いたら、「混ぜ合わせるので不公平にはなりませんよ」と安心させる。しかし、手元に来た皿に卵は入ってなかった。

丸ごと焼いた玉ねぎに興味が湧いた。「家でやってみよう!」と言ったら、「オーブンで8時間焼きますのでご家庭では無理です」と言われた。本当かな?

肉は鉄板焼きと網焼と2種類から選ぶ。もちろん半々にしてもらった。鉄板焼きは輸入肉だとすぐ分かる。追加料金を払えば黒毛和牛に変えてくれるが、メタボグループにはこの方がいい。キッコーマンらしく熟成もろみに漬け込んだ網焼きは驚く程柔らかく、同じ肉とは思えない。

ごはんは追加料金を払ってガーリックライスにした。デザートのお勧めは鉄板焼きアイスクリープだ。光を落として炎に覆われるアイスクリームにみんなの目は釘付けになる。肉のように「僕はミディアムで」と軽口を叩けば倍楽しい。

鉄板テーブルを次の客に譲って場所を移動した。アイスクリーム以外のデザートも頼んで味比べをしていたら、年配の店員(店長?)が「醤油をかけたら更に美味しくなりますよ」と瓶を示す。半信半疑のみんなは最初は恐る恐るかけて目を瞠り、次に多めにかけて「さすが、キッコーマン」と感動の声を上げる。

クリームと醤油の相性をもっともらしく解説する者も出てきた。「オイッ!ちょっと瓶をこっちに寄越せ」と銀髪が言う。スプーンに少し注いで味見をし、首を傾げる。横に座った部下が真似をする。銀髪が手を上げると、こちらの様子を窺っていた先ほどの店員が、満面に笑みを浮かべて近寄ってきた。

なかなか楽しいコルザだった。


コルザ
東京都中央区銀座6-5-15 銀座能楽堂ビルB1F
03-3572-3030
http://www.colza.co.jp/

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2009年06月08日

[MARUGO GRANDE](新宿三丁目)

立ち飲み感覚ワインバー


新宿末広亭の通りを歩いていたら大きなガラスドアの向こうにたくさんのワインが並ぶ店を見つけた。「あっ!これがMARUGOか!」こんな大きな店が以前見つからなかったのが不思議だ。この界隈は狭い路地がごちゃごちゃしている。探しているうちに他の面白そうな店に入ってしまったことを思い出した。

窓際のカウンターに座りワインメニューを見る。グラスでスパークリングワインが2、白ワインが7、赤ワインが9種類ある。どんなに見栄を張っても1000円なのが嬉しい。

マルゴ風サラダ、ピアディーナ・トリッパの煮込みソース

店の名前を冠したサラダがあれば必ず頼むことにしている。「どこがマルゴ風なの?」と聞いたが、店員はワインの知識で頭が一杯のようだ。メニューにピアディーナという聞き慣れないものがある。イタリアの薄焼きパンとのこと。上に乗せる具は5種類の中から定番のトリッパを選んだ。なかなか美味しい。

アスパラソバージュのフリット、スパゲティ

細いアスパラのようだが別種のものらしい。ヘアスタイルから想像したものと当たらずとも遠からず。ちょっとネットリして美味しい天ぷらだった。
「オリーブオイルを多めにね」と注文したのが駿河湾しらすと万願寺唐辛子のサフランを練り込んだタリオリーニ。いい感じだ。

メインを頼んでないのを思い出した。しかし、これから肉を焼くのは時間がかかりそうだ。ワインは白から赤に変わっている。たまには甘いものでも頼んでみよう。甘過ぎないチョコレート、レアチーズケーキがあったのは幸いだった。銀髪が食べられる数少ないスイーツである。

ゴルゴンゾーラのレアチーズケーキ、自家製生チョコレート

通りを歩く人たちにとって我々は格好の見世物になっているようだ。もっとも、こちらからすると人間観察ができて実に面白い。動物園の動物たちもこんな気持ちだろうかと思うと、妙に楽しくなった。


MARUGO GRANDE マルゴー グランデ
東京都新宿区新宿3-6-14
03-3350-4605
http://www.marugo-s.com/g/

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2009年06月07日

テーブルマナー

マナーは心

前菜を食べ終わったところで、フォークとナイフを揃えて下の写真のように斜めに置いたら、同席した外国人から注意された。オーストラリアで7年半駐在し、多くの外国人たちと食事をしたが、そんなことを言われたことはなかった。外国人と争っても分が悪そうなので黙っていた。

外国人はフォークとナイフを縦に揃えて置くのが正しいと教えてくれた。その時は従ったが、どうにも納得できない。家に戻るなり調べてみたら、意外なことが分かった。イギリス式、フランス式、その他の3種類があるという。

縦に置くのはイギリス式で横に置くのがフランス式である。斜めに置いた銀髪のやり方も間違いではなかった。食事中を示すフォークとナイフの置き方は2種類。もっとも、八の字ならばどんな置き方でも間違いではないようだ。スープの飲み方もスプーンを手前からすくうか、奥からすくうか議論があるが、英仏やりかたが異なり気にすることはなさそうだ。

先日、隣席に座ったアメリカ人と思われる3人連れには驚かされた。肉や野菜などを一口大に切り分け、フォークを右手に持ち替えて食べていた。
パンは食べる分だけ千切ってバターをつけると教わったが、オーストラリアではパン全体にバターを塗ってからかぶりつく人が多かった。

情報が世界中に瞬時に伝わる現代と違い、昔は食事のマナーもゆっくりと広がっていったに違いない。本家から離れれば離れるほど独自の手法が定着するようになる。不快に感じなければマナーの細かいところは鷹揚に見た方がいいのかもしれない。

銀髪の名誉を回復する機会がやってきた。イギリス式、フランス式の絵を印刷して件の外国人に見せた。ちょっと驚いた表情を見せたが、すぐに子供に教えるのにいい資料だと言って、絵をポケットにしまった。素直でなかなかよろしい。

今日は和食、今度はこちらが攻撃する番だ。箸の握り方でも注意してやろうかと手元を見れば、まわりの日本人以上に上手に使っている。こちらの視線に気がついて「お箸は左手に取って、右手で持ち替えるのがマナーですよね」と言う。「正式な会席ならともかく、普段は気にしなくていいんですよ」と突き放した。まったく疲れる相手だ。

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2009年06月06日

[民芸の店 鷦(ささき)](松江)

出雲名物割子そば


何度も松江に来ているのでどうしてもそばを食べたいわけではない。まして松江担当の部下はそばアレルギーときている。ところがブラブラ歩く途中に割子そばの文字を見つけると、突然義務感が湧いてくる。まして手打ちと書いてあれば拒絶することは難しい。

部下のためにかつ丼やカレーがあることを確認して、民芸店のわき道から店に入った。別の店かと思ったら経営は同じらしい。堂々と民芸店の正面から入るべきだった。

店内はそれなりに混んでいた。地元の人が殆どで割子そばを食べている人はいない。部下はカツカレーを頼んだので、銀髪一人がいかにも旅行者に見える。

観光客で賑わうような蕎麦屋で出てくる立派なものではなく、薬味とそばが三段のいたってシンプルな割子そばだ。三分の一の薬味をそばに乗せてそばつゆをかける。食べ終わったら下の段に移る。あっと言う間に食べ終わった。

部下は「ちょっと大盛りにしました」とカレーの量をサービスしてもらっている。ハンサムガイは得だね。「カツカレーにはコーヒーもついてます」と言うが、割子そばにはついていない。二人分の勘定を払い、まだカレーを食べている部下を残して席を立った。

今度は民芸の店の中を通って外に出た。あらためて店名を見る。ショウと読んでみたが何のことかわからない。家に帰って国語辞書を見て読み方がわかった。スズメ目ミソサザイ科の鳥とのことだが、ミソサザイも何のことかわからない。全長約10cmの日本産で最小の鳥のひとつとのこと。

野鳥料理の専門店に行けば食べられるかもしれないと言ったら、不謹慎だろうか? 銀髪らしいと笑ってくれるだろうか?


民芸の店 鷦(ささき)
島根県松江市末次本町22
0852-21-2266
http://matsue-sasaki.hp.infoseek.co.jp/

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2009年06月05日

[味道園](松江)

しまね和牛肉の店


「どこか美味しい焼肉屋ないかな?」とタクシーの運転手さんに聞くと、「ギュウカクはどうですか?」と言う。「まさかチェーン店の牛角じゃないだろうね」と言うと「そうかもしれません」と答える。さらに「サカイもチェーン店ですか?」言われてずっこけた。

運転手さんが電話をして探したのが味道園で、5時前なのに店を開けて待っていてくれた。こちらの希望通り地元しまね和牛を使った焼肉屋である。いつものように2人前ずつ頼もうとするK氏と押し問答した挙句、負けた。どうせ金を払うのは彼だ。

特選塩タンからスタートした。K氏が自分の行きつけである銀座並木通りの游幻亭の方が上だと言うが、1人前1580円と6000円のタンを比べては可哀想だ。値段を考慮すると味道園も負けていない。ハラミがとても美味しい。とても1000円には思えない。


極上ロース、極上カルビが出てきてK氏も2人前ずつ頼んだのを後悔した。1人前1950円でこの霜降りである。50代のK氏と銀髪で約半分を食べて、残りは30代の部下に託されることになった。
タンとレバーの刺身は頼んだ銀髪の責任。他の二人は手をつけなかった。半分は焼いて食べた。

K氏が懲りずにホルモンを2人前頼んだ。絶対責任を持つと言ったのに、またまた部下に押しつけられた。銀髪は口直しにトマトを頼んだ。地元産野菜も味道園の自慢だ。

「牛角は嫌だ!」と強硬だったK氏が好んで食べたのはポテトサラダ、ウインナー、鮭茶漬けだった。銀髪は立派に責任を果たしたと思う。部下の皿にはカルビとホルモンが数切れ残された。彼のせいではない。もちろんしまね牛のせいでもない。


島根県松江市東朝日町78-7
0852-28-1000
http://www.midoen.jp

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2009年06月04日

[江戸路](人形町)

旧鳥友の時代から人気の焼き鳥屋


「玉ひでの姉妹店」というだけで店は一杯になるだろう。鳥友がなくなったと思っていたら、立派なビルが建ち、名前を変えて再スタートした。経営者の玉ひでの娘さんを見たかったが、この日は虎ノ門にある店に居るとのことだった。

大通りに面したドアから入り、長いカウンターを左に見ながら奥に進み、階段を上った。席につくと、お通しとコラーゲンスープが運ばれてきた。ちょっと変わった枝豆は誰もいないテーブルの殆どに置かれていく。柱が窮屈な4人席に押し込まれたのを恨むより、来る直前の予約にもかかわらず入れたことを喜ぶべきかもしれない。


レバーのパテ、冷やしコラーゲン鳥、砂肝すだちポン酢、鳥皮柚子ポン酢。焼鳥の前に、ちょっと変わった料理を食べることにした。女性なら飛びつくコラーゲンに、男たちはあまり興味を示さなかった。

もも肉、ハツ、つくね、レバー(タレ)

お任せの5本コース、8本コース、どちらを選ぶか悩んだ末に、食べたいものだけをオーダーすることに決めた。もっとも、他の人にとっては店に任せるか銀髪に任せるかであまり違いはない。出てきた焼鳥は値段で予想したとおりボリュームがある。まず4本ずつにしたのは正解だった。

ハツモト、ぼんちり、せせり、砂肝、皮、合鴨


今度は2本ずつ頼んで、4人で分け合うことにした。銀髪にとってはハツモトが初体験。ぼんちりやせせりが初めての人もいた。銀髪だけが頼んでいると不満が出る。定番の砂肝や皮が食べたいと思うのも無理はない。

最初に頼んだ4本はタレか塩か好みを聞かれたが、ハツモト、ぼんちり、せせりは選択させてはくれなかった。それぞれがオリジナルの味付けになっているからのようだ。ぼんちりやせせりはさっぱりと美味しく食べられるが、未経験の人たちには本来の味を知らしめたかった。

勘定をして1階に下りるとカウンター席もほぼ一杯で賑わっていた。今度はカウンターで食べてみたいものだ。


江戸路
東京都中央区日本橋人形町1-19-2
03-3668-0018
http://www.ensen-ado.com/edoji/ningyoucho/1.htm

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2009年06月03日

[チコアンドチャーリー](大阪)

大阪でメキシコ料理

「メキシコ料理でいいか?」と言われ「大阪名物で美味いものないもんな」と答えるのが精一杯の抵抗だった。「たこ焼きやお好み焼きを食っても仕方ないだろう」と念を押されれば同意するしかない。どちらも予想できた台詞だ。

メキシコ料理は旧友のMと共通の思い出料理である。大学時代、ロサンゼルスに語学留学していたMを頼って行った時、彼に食べさせられたものがタコスとブリトーだった。30年以上前に日本で食べた人は限られていただろう。最初は汗臭い味と感じたが、食べる回数が増えるにつれ好きになった。

ケサディージャ、ナチョス

チコアンドチャーリーはMのお気に入りの店である。奥さんとの最初のデートの場所もここらしい。銀髪と同様に、彼も帰国後多くの人にタコスを紹介した。しかし、この店で初めて食べたメキシコ料理も多いだろう。銀髪もメキシコ料理屋には何軒も行ったことがあるがケサディージャは初体験。中にチーズが挟んであり、ビールによく合う。

タコス、盛合せ

思い出のタコス。帰国直後はタコスの皮を探すのが大変だったが、今は最寄りのスーパーでも買えるので、店で食べるより家で食べる方が圧倒的に多い。パリパリの皮より柔らかい皮の方が家族は好きだ。メキシコ流にこだわらず、中に入れる具も多彩な銀髪流に変貌している。

「昼飯が遅かったからなー」Mは頼んだ料理を銀髪に食べさせようと熱心だ。昔のようには食べなくなった、飲まなくなった。お互い健康を気遣う歳である。
昔話、仕事の話、健康の話、老いた親の話、そして子供の話。優秀な子供たちのことで饒舌なMが羨ましくも妬ましくもある。

チコアンドチャーリーは駅まで近いので便利だ。「今度は東京でやろうぜ!」Mに見送られながら新幹線の改札口に向かった。


チコアンドチャーリー
大阪府大阪市梅田3-1-1 アクティ大阪カジュアルダイニング16F
06-6347-0303
http://www.senko.co.jp/chico


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2009年06月02日

[御八](渋谷)

富士(山)料理?


「産直野菜」「コラーゲン」という看板には女性が飛びつきやすい。渋谷の繁華街を歩き、似たような客寄せ文字に嗅覚を働かせて選り分ける。御八に入るとそれなりに広い店内に客はまばら。最初に通されたテーブルは断り、写真を撮るのに好都合な明るいテーブルに移動した。

ジュース、お通し

まずは野菜ジュース。これでお腹に酒を迎える準備をするようだ。お通しの野菜用に出された器には白い粉と液体が入っている。粉は塩とすぐに分かるが、液体の正体が分からない。店員に聞くと単なるフレンチドレッシング。店独自の和風ドレッシングと思って散々議論したことを笑った。

ちょこっと5種盛

産直野菜が自慢の5種盛で酒を飲んでいると、奥に座ったグループの女性が店員にオーダーを告げに我々の横を通っていく。テーブルに呼び鈴がないので不便だ。我々は店員が奥のテーブルを往復する機会を捉えて注文するから楽ちんである。

黒豚モツ焼き、アボガドの天ぷら

御八のウリは富士の黒豚。しろ、はつ、てっぽう、レバーのモツ類4種を楽しみにしていたが、ちょっと焼き過ぎなのが残念だった。
怖いもの見たさに頼んだアボガドの天ぷらは意外と美味しかった。火を通して食べても美味いようならアボガド料理の可能性は広がる。

富士宮焼きそば、溶岩焼き

なぜ富士宮焼きそばがあるのだろうとメニューを開いたときに疑問に思った。食べながら豚と焼きそばは富士つながりと遅まきながら気がついた。富士宮焼きそば初体験の友人はえらく気に入ったようだった。

溶岩焼きもやはり富士つながりということだろう。固くならないように一度皿に戻して食べるときにちょっと温める。以前、阿蘇の溶岩焼きで失敗したことがあるので、今回は上手に焼くことが出来た。

店はきれいだし、料理も悪くない。しかし、奥のテーブルの女性は可愛そうだった。店がほぼ満員になってから彼女が店員を呼びに行く回数が増えてしまった。彼女のテーブルは我々が最初に通されたところ。お気の毒様でした。

御八
東京都渋谷区道玄坂2-8-7 道玄坂ビル
03-5458-5560

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2009年06月01日

[とり八 鷹野橋店](広島)

リーズナブルに食べる瀬戸内の味


「いい店ありますか?」と地元の人に尋ねると「ありますよ!」と自信たっぷりに応えるので安心してついて行った。「あそこです」と指し示す方を見ると「関あじ」「関さば」の幟が立っている。「食べたいのは大分の魚じゃないんだけれど」と心の中で叫んだ。

生簀もある立派な店である。壁に魚の名前を書いた短冊がたくさん貼られている。瀬戸内の魚も安価で提供してくれるようで安心した。地域密着型の店であれば、他所の魚で客引きをするのは当然だと納得した。

めばる、あさり

刺身で食べられるメバルはなかったが煮付けで充分。小振りだが味はいい。地元の人が店の女性を呼び止める。なかなかの美人女将である。主人は板場に居るらしい。夫唱婦随で頑張っている店が悪いはずがない。

おこぜ、唐揚げ

広島に来て必ず食べるのがおこぜ。さっきまで生簀で泳いでいた立派なサイズのものが身を削がれても口をパクパクやっている。アラは唐揚げにしてもらったが、骨が太すぎた。お勧めのとおり汁物にしてもらった方がよかったかもしれない。

小いわし

高級魚より何よりも、広島では小いわしが一番美味しい。魚も肉もちょっと火を通した方が旨いと思うが、小いわしは刺身の方がいい。

めばる、おこぜ、小いわしとお目当ての魚は食べられた。銀髪ばかりが頼むのも気が引けるので後は部下に任せた。

海鮮サラダ、ホタルイカ、手羽先

富山湾のホタルイカ、どこのものか分からない鶏の手羽先。広島の食材を食べればいいと銀髪は思うが、食べたい物を頼むのを制止する訳には行かない。何があろうと食べ慣れたものを頼むのが男の習性。変わり者は部下ではなく銀髪の方だろう。

家族経営かと思ったものの、鷹野橋店というのが気になった。とり八の本店は流川にあり、他に複数の店舗があるという。安くて新鮮、豊富な品揃えもグループ経営ならではのものだろう。

美人の女将に見送られて店を出た。とり八グループと店主夫婦の関係は聞き損なった。


とり八 鷹野橋店
広島県広島市大手町5-9-1
081-245-8888
http://www.torihachi.net/

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