« 2009年06月 | メイン | 2009年08月 »

2009年07月31日

[ビアライゼ ’98](新橋)

懐かしの名人芸


「くさやはないんですね」店主に対する銀髪の精一杯のアピールである。約17年前に日本一美味しい生ビールを飲ませる店があると聞いて、通ったのが八重洲にあった灘コロンビアである。珍しくくさやを焼いて出していた。いつの頃からか主人の姿が見えなくなり、やがて亡くなったと聞いた。そして店の前で呆然とする日がやって来た。店は閉店していた。

ビアライゼは灘コロンビアの亡き名人の技を引き継いだ松平さんが開いた店だ。銀髪は顔を覚えていたが、彼はもちろん覚えているはずはない。くさやの話を出したのは正解だった。距離はグッと縮まった感じだ。「トイレに行く時に見てください」と師匠と一緒に写る大きな写真を指さした。

新名人のビールをグイッとやる。新といっても数十年のキャリアである。さすがに泡がきめ細かくて口髭になる。お通しのパンと枝豆でグイッ、グイッ。アッ!ビールを撮り忘れていた。この店の主役はビールなのだ。

2杯目は本日の生ビールであるバスペールエール。つまみはハムステーキ。それにしても広い店は大賑わいである。予約の客がどんどん現れ、飛び込みの客はすごすごと退散する。灘コロンビアは長いカウンターのある鰻の寝床のような店だったと記憶している。ビアライゼはビアホールというのが相応しい。

くさやは置いていなくても、もずくなど日本的なつまみもたくさんある。撮り損なった一杯目のビールを写真のために再び飲むことにした。他の店なら「泡が多い」と文句を言いたくなるが、ビアライゼはこれが身上。かち割り氷で冷やすビアサーバーは灘コロンビアから引き継いだ。名人が注いだグラスを口に運び、もう一度口ひげを作って遊ぶ。

2種類の横浜ビールを飲み比べた。生ビールを3杯と小瓶でお腹はパンパンである。ビアガーデンで大ジョッキをがぶ飲みした若い頃とは、比較にならないほど飲めなくなってしまった。この辺で切り上げてショットバーに行くことにした。

途中でお漏らししないように、念のためトイレに行った。壁にかかった大きな新旧名人の写真がホールを見下ろしている。技が引き継がれ、多くの人たちが楽しんでいるのを毎日見て幸せだろう。写真を見ながら想像していると、銀髪もなんとなく幸せな気分になった。


ビアライゼ ’98
東京都港区新橋2-3-4
03-5512-5858

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月30日

[ワンズキッチン](渋谷)

なかなか美味しい納豆チャーハン


何かの雑誌で納豆チャーハンの記事を見た。確か渋谷のはずだ。納豆チャーハン、渋谷で検索して出てきたのが日中友好チャーハン。店名はワンズキッチン。多分これだ。

地下の店に下りる階段の壁に雑誌のコピーがたくさん貼られていた。思ったより明るくて大きな店である。メニューにはたくさんの料理が並ぶ。看板では上海料理専門店のようだが、中国各地の料理が揃っている。店員の助けを借りて、上海らしい料理を選んだ。

いんげんの辛味炒め、上海風辛い味噌豆腐炒め

「上海風」と書かれた料理は甘いものが多い。それを避けたら2品ともピリ辛料理になってしまった。共に辛くても違った味付けで悪くない。干し海老の香りが効いたいんげんの料理はビールにぴったり。

上海生煎包(サンチェンボー)

この店の一番人気は小龍包を焼いたサンチェンボー。小龍包と焼餃子を同時に味わえる気分だ。ちょっと大きめなので丸ごと口の中に放り込めないのが残念だった。

この日は客が少なかったこともあり、頼んだ料理が次々と出てきた。最初に頼む料理を3品で止めておいたのは正解だった。値段の割に量が多い。ほぼ満腹だが、お目当てのチャーハンは頼まないわけにはいかない。

日中友好チャーハン

高価な食材は入っていないとはいえ、950円にしては量が多い。想像したよりも遥かに美味い。日本の納豆と中国醤油のコラボレーションが見事な日中友好である。
暇を持て余してカウンターのところで無駄話をしている店員を呼んだ。何事かと思って飛んできた店員に「なかなか美味しいよ!」と言うと、緊張した顔がほころんだ。
納豆は一度揚げてあるそうで、中国醤油共々香ばしい。糸も引かないので納豆とは思わないかもしれない。

メニューに並ぶ料理は100種類以上。フカヒレもあるが、大衆的な料理を食べる店だろう。4人ぐらいで多種類の料理を味わいたいものだ。最後に日中友好チャーハンを忘れずに。


上海人情 ワンズキッチン
東京都渋谷区神南1-16-3 ブルーヴァールビルB1
03-5784-1886
http://www.wangs-k.com

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月29日

[銀座 うかい亭](銀座)

うかい亭で味比べ


「肉を味比べしようと思うんだ」メニューを開くなりソムリエに言った。まずメインを選んで、それから前菜へと遡って行く。「メニューを渡されても困りますよね」と銀髪が勝手に料理の選択権を握る。お客様は頷くしかない。白と赤のワインも同時に選んだ。

紫雲丹のジュレ、鮑、オマール海老

極上の雲丹料理を食べているとシェフの町田さんが登場。オマール海老や鮑の解説をしてくれる。鮑は一人が食べないと言うので、特大の鮑を三人で分けることになった。蒸し上がるまで通常より時間がかかるため、ブリュターニュ産オマール海老が先に出来上がった。

「アメリカンソースです」と町田さんがオマール海老のソースの説明をする。フランス人が故郷に戻って造り出した海老のミソを使ったソース。アメリカ人が発明したのなら単に海老ミソソースと呼ばれたのだろう。「美味い!」と言うと「ありがとうございます」と満足気だ。

うかい亭名物の鮑の岩塩蒸し。肉厚で柔らかく流石である。町田さんは我々の会話を邪魔しないように黒子に徹しようとするが、銀髪が主役にまつり上げる。それを見てソムリエの藤澤さんも舞台に駆け上がる。自説、通説、入り混じって料理談義が膨らむ。

いよいよメインイベント。神戸牛がなかったので代わりに松阪牛と今日の特選和牛(但馬産)の味比べ。ステーキに相応しいサシの入った厳選牛同士。この企画は好評だった。ヒレとサーロインを食べ比べする人はいるが、我々のやり方は珍しいらしい。4人が同じコースを食べてもつまらない。どちらが美味しかったのか。値段の差ほどの違いはあったのか。我々だけが知っている。

町田さんがガーリックライスを丁寧に炒める。油を少ししか使わないので時間がかかる。その間も話は続く。「部屋に入って嫌な感じがしました」と町田さんが告白する。いくつかの質問も店の人たちを緊張させてしまったようだ。「あの人が悪いんです」と部下が銀髪を指さす。おいおい俺のせいにするなよ。藤澤さんの顔も最初に比べると、笑みを浮かべて穏やかになった気がする。

別室に移って、デザートと食後酒をいただいた。銀座店は表参道店より良かった。個室だったせいかもしれない。相手をしてくれた二人のお陰であることは疑いない。次に行くときに指名したら喜んでくれるだろうか。

接待なのに一番楽しんでいるのはいつも銀髪である。「エッ?接待だったんですか」と驚いた町田さんの顔が目に浮かぶ。財布が悲鳴をあげているけれど、とても楽しかった。


銀座 うかい亭
東京都中央区銀座5-15-8 時事通信ビル 1F
03-3544-5252
http://www.ukai.co.jp/ginza/

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2009年07月28日

[オステリア ウーゴ](新宿三丁目)

ワインを飲みに行こう


「今日はワインを飲みに行こう!」と決めてから店を探した。条件はグラス売りが10種類程度あり、それなりのレベルのワインが置いてあること。これまで行ったことがある店を除外すると、店は限られる。その中からオステリア ウーゴを選んだ。

先客は若い女性が2人だけ。店の男性(乾さん)と親しげに話している。会話が途切れたところを見計らって、オーダーする。まずビール、そして白ワインを頼む。

アサリ・ムール貝・地ハマグリの白ワイン蒸し、自家製パン

大好物の貝の白ワイン蒸し。キッチンで2つに分けて持って来てくれた。シンプルな料理だが実に美味しい。自家製のパンはそのままでもいいが、スープを吸わせるともっと美味しい。

「お好みを言っていただければメニューにないワインもお出しできます」と言われて、すかさず「安くて美味しいやつ」と応える。馬鹿の一つ覚えだ。イタリアワインの店かと思っていたが、オーストラリアワインが出てきた。ラベルを見るとメルボルンに住んでいたとき、娘が通っていた小学校の本校があるGeelong産である。「Geelong Grammar School はチャールズ皇太子が通った学校だよ」と知ったかぶりをする。乾さんが素直に感心してくれる。いい気分だ。

トリッパ・センマイ・ギアラの赤ワイントマト煮込み、キンメダイの香草焼き

「重めの赤ワインでキンメダイにも合うやつを」と最後のワインを頼んだ。ソービニオンブラン、シャルドネ、メルロー、ピノノワール、カベルネソービニオンと進んできた。タップリ注いでくれるので大分酔ってしまった。

チーズの盛合せ

「なかなかいい店だね」と褒めたら乾さんが「8月一杯で閉店になります」と言う。それにしては意外と明るく悲しそうではない。27才の若いシェフも話に入ってきた。「店長と3人で市ヶ谷の近くに店を開くんですよ」と続けるので合点がいった。「オープンしたら必ず教えてね」と銀髪の名刺を渡した。

オープンは10月頃かな。今から期待と不安が一杯に違いない。どんな店が出来るだろうか。銀髪にとっても、すごーく楽しみである。


オステリア ウーゴ
東京都新宿区新宿3-7-5 一兆ビル2F
03-3350-2335
http://www.osteriaugo.com

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2009年07月27日

[ちゃんこ 川崎](両国)

夏はちゃんこが狙い目


「うなぎにしようか?」と銀髪。「いいですねー」とみんなの賛同を得たものの、老舗の名店は1週間先まで予約が取れない。なにも平賀源内の策略にはまることはない。元々脂っこいうなぎは夏には売れなかったものだ。

発想の転換が必要である。老舗料理屋でも季節外れのものを捜せばいい。ちゃんこ料理の老舗・川崎に電話したら難なく予約できた。名古屋場所で相撲関係者も東京を離れている。4部屋しかない川崎の予約を取るのはシーズン中は大変だ。今がチャンスである。

4,900円のコースがスタートした。鶏みそ、枝豆でスタート。「ここのもつ焼きは砂肝だ!」とHさん。「いや、真ん中はレバーだよ」「オウッ!心臓もある」我ら6人は評論家ばかり。全部食べて3種類のもつが一串に刺さっていることが分かった。

もも焼き、つくねと続く。ちゃんこの前座ぐらいに思っていたが、焼鳥がこれほど美味いとは思わなかった。

「だから秋田の高清水なんだ」川崎の創業者の四股名が横手山と聞いてHさんが解説する。枡の香りがする冷酒には塩がつく。「日本酒に合いますよ」と出された三つ葉。なるほどその通り。

サラダか鳥わさが選べる。銀髪は鳥わさを選んだ。鶏肉はどれを食べても美味い。

川崎のちゃんこ鍋はソップ炊き一種類だけ。「ソップは鶏がらのこと。だから痩せ型の相撲取りをソップという」とHさん。本当に物知りだ。鶏がらの出汁に隠し味程度の醤油を加えただけというシンプルなスープ。ソップとはオランダ語でスープのことらしい。素材の旨味を最大限に活かす鍋である。もつが放り込まれたところで遅まきながら気がついた。いい鶏肉を使っているから焼鳥も鍋も美味しいのだ。

鍋に入っていた野菜は4人前。「残りの2人前も追加しますか?」 野菜を食べ終わったら「雑炊はどうしますか?」我々の応えはいつもイエス、イエス、イエス。店の人が気遣ってくれるが、年配者はよく食べ、よく飲み、よく喋る。帰り際に立ち話をすると店の人も同意見だった。年配者の方がよく食べる。酒量もわきまえている。若者より元気がいい。

昔と違って今はエアコンが効いている。バランスが取れたちゃんこ鍋は栄養もあり健康にもいい。「夏はちゃんこ鍋に限る!」と言ってブームになったら、銀髪も平賀源内になれるかもしれない。


ちゃんこ 川崎
東京都墨田区両国 2-13-1
03-3631-2529

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月26日

[コルカタ]③(世田谷区砧)

商売繁盛、頑張るインド人


「カメラ持って行かなくていいの?」と言われ「2回も書いてるからなー」と答えたものの、念のためポケットに入れた。そんなに店は変わっていないと思ったのだが…

遠くから光り輝く看板が見えた。「アレッ、あんなのあったかな?」ドアを開けると、いつものようにシェイクさんが満面の笑みで迎えてくれた。店内の飾り付けが変わったようだ。メニューも新しくなっている。カメラを持ってきて良かった。

マサラパパド、サラダ、サモサ

最初からワインを飲むことにした。下の娘も成人したのでワインの1本ぐらいは軽いもんだ。サモサも人数分頼んで食事は順調に進む。

タンドーリチキン、シークケバブ

1回目の記事(→http://codawari.info/ginpatsu/archives/2007/12/post_757.html)と2回目(→http://codawari.info/ginpatsu/archives/2008/11/_kolkata.html)を見比べると、普通の皿から鉄板に変わっている。コルカタが順調に進歩していることが分かる。

ビリヤーニ

新しい料理の目玉はインド風のチャーハン。単なるサフランライスかと思ったら、中からカレーらしきものが覗いている。ライスをどけると中にカレーが挟んであった。とろみがあって日本風のカレーに似ている。他のインド料理屋でもあまりお目にかからない逸品である。

卵のカレー、海老とほうれん草のカレー

カレーも種類が増えた。卵のカレーは白身が存在感を出している。ほうれん草のカレーはマトンが定番だが、海老好きの日本人には受けそうだ。特に我がパートナー殿が喜んだ。

外の看板や新しいメニューは4月から導入したとのこと。大好きな店が順調に成長しているのを見るのはとても嬉しい。現在2号店の候補地を探しているそうだ。

後日「祖師ヶ谷大蔵の駅前でシェイクさんに会ったよ」と娘が教えてくれた。店から随分と離れた駅でビラを配っていたらしい。「郵便受けにビラが入ってたわよ」とパートナー殿が付け加える。まったく大したものだ。年中無休で頑張っているシェイクさんだから、不況なんか関係ないだろう。まったく大したものだ。


KOLKATA
東京都世田谷区砧3-2-7 第2大蔵ビル1F
03-3415-9786

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月25日

[過門香 トラストタワー店]②(丸の内)

宴会に最適


トラストタワー店は今回が2回目(1回目の記事→http://codawari.info/ginpatsu/archives/2006/05/post_217.html)。東京駅から濡れずにやって来れるので宴会には便利な店だ。個室や衝立で仕切られた席が多いのも使いやすい。サービスも宴会用に心得たものである。

季節の冷菜五種盛り合わせ

「こちらが5人前です」と女性店員が前菜をテーブルに置いた。「こちらは4人前です」と別の皿を入り口近くのテーブルに置く。我々9人は割り当て分を行儀よく自分の小皿に移す。

海鮮入りフカヒレスープ、北京ダック、本日の蒸し点心二種

スープと点心は各人に一つずつ来るので取り損なうことはない。北京ダックは今度は4人前が最初に出てきた。真ん中に座った奴がどちらの皿から取るか瞬時に判断する。イヤー、まったく紳士的な集団である。

大海老の特製マヨネーズソース、あぐー豚ロースと旬野菜の酢豚

大海老は「一人〇個です」と店員は指示してくれなかった。2個ずつは行き渡りそうだが3個は定かではない。それぞれが箸を伸ばした後、大皿に海老が2個残った。美しい譲り合いが始まる。遠慮したが最後の1個は銀髪が食べる羽目になった。

酢豚は余った。店員が取り分けても残した人がいただろう。今度は銀髪も固辞した。男たちにはちょっと甘過ぎたようだ。

KAMONKAあんかけ固焼きそば、おすすめデザート

後半に入って店員が取り分けないのは正解かもしれない。各人、腹具合が異なるからだ。燃費の悪い車は大量の燃料が必要である。古い車は燃料を欲しがらない。

過門香が新興グループの割に店舗網を拡大できるのは客の支持が多いからだろう。リーズナブルなことだけでなく、サービスに負うところも大きい。宴会のメインは料理より会話。割り切ってしまえば楽しいものだ。


過門香 丸の内トラストタワー店
東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館2F
03-5288-7788

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月24日

[てっぺん渋谷女道場](渋谷)

渋谷で一番元気がいい店はどっちかな?


以前てっぺん渋谷男道場が渋谷で一番元気がいい店と書いた(→http://codawari.info/ginpatsu/archives/2009/06/post_1271.html)。しかし、向かいにある姉妹店の女道場も負けていない。こちらは店員の殆どが若い女性。ドスの聞いた男道場と違い、明るく高い声音はかなり耳に響く。メニューはちょっと女性らしくユニークだ。

鉄板焼きが主流の男道場に対して、こちらは串焼きが自慢。お通しは串焼き屋定番のキャベツ。別に頼んだ串焼き2本を乗せて出てきた。タレと脂が落ちてキャベツに味がつく。
串焼き意外で一番人気がパリそばサラダ。そばを揚げたものは何度も食べたことがあるが、こちらは盛岡冷麺。店員が麺を砕いて混ぜ合わせてくれる。パリッとした食感が消えない内に食べるべし!

キャベツ、こころ(心臓)、パリそばサラダ

目の前で串焼きを担当している女性は電話を受ける担当でもあるようだ。次々に予約の電話がかかってくる。忙しくて焼き損ったかと思われるほどレバーは中が生。しかし、これが銀髪の好みで大正解。トロッとして実にいいレバーだ。

砂肝、豚バラ、もも肉、レバー

男道場でもあった亀岡牛のもつ。煮込みと唐揚げの2種類を頼んだ。食べている間も店員の叫び声(?)が響き渡る。

亀岡牛の塩もつ煮、塩ホルモンの唐揚げ

「勘定をしてください」カウンターの隅に座っていた若い女性が店員に言った。美人だから興味深く見ていたら、鞄から財布を取り出した。連れの男は当然のように帰り支度をしている。兄弟だろうか。イヤイヤ、そうは見えなかった。世の中変わったものだ。

デザートはキャンセルした。勘定をして外に出たら店の女性が追いかけてきた。携帯でも忘れたかと胸に手を当てたところで「デザートが遅くなってすいませんでした」と謝る。キッチンから飛んできたようだ。銀髪は客のバースデーイベントから逃げてきたやましさがあるので、彼女が頭を下げるのにうろたえてしまった。男道場の中は既に闇。全ての客がバースデーイベントを楽しんでいるようだ。やがて、女道場の灯も消えた。

機会があったら、銀髪の誕生日をここでしようか。ウーン、想像しただけでも恥ずかしい。

てっぺん渋谷女道場
東京都渋谷区宇田川町41-23 河野ビル1F
03-5428-3698
http://www.teppen.info/

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月23日

[よこい](銀座)

出汁が自慢の京会席


ビルはすぐに見つかったが入り口が分からない。守衛さんに聞いて花屋の隣と教えてもらった。お洒落な店名の文字は壁面に溶け込んでしまっている。これでは気がつかなかったはずだ。会席を楽しむカウンター席は地下にあった。先客は着物を着た年配の女性2人と男性が2人。いかにも銀座らしい風景だ。

先付け(鱧のゼリー寄せなど)、アボガドのスープ

予約の際に10,500円の雪コースを頼んでいたので、座るとすぐに食事が始まった。数々の賞を取った横井さんが総料理長というだけあって、味だけでなく見せ方もうまい。しかしカウンターに座っても料理人は遠くて話ができない。カウンター割烹ではなくオープンキッチンと言った方が正しい。若い料理人たちが黙々と働いている。

お造り(あおりいか、ひらめ昆布締め、まぐろ、湯葉)、鮎

稚鮎が籠に飾られて出てきた。皿の炭火がほんのりと鮎を温める。。素材について、料理を運ぶ店員に聞いても全部は把握していないようだ。横井名人らしき姿はカウンターの中には見つからない。

魚介類のしゃぶしゃぶ

シャリッ…、シャリッ…。鱧の骨切りの音は料理人によって個性がある。鱧でとった出汁で鱧、海老、蛸、帆立をしゃぶしゃぶする。鮎の塩焼きは炭火を使っていたのに、今度は旅館の鍋でよく使う固形燃料。それでも料理の味には問題ない。具を食べた後の汁はさらに美味しくなったので、殆ど飲みの干した。

酢の物、素麺、水菓子

和の出汁が自慢というだけあって、我が家でつゆの素につけて食べる素麺とは比べ物にならない。夏定番の手軽な料理という位置付けは素麺に申し訳ないかもしれない。昔は麺つゆは母が食べる毎に作ってくれたが、今は市販のものを使うのが当たり前になってしまった。我が家でも一手間かけて素麺に主役を張らしてあげたいものだ。

料理が次々と出てきて慌しく感じたが、時計を見れば2時間近く経っていた。こちらがお願いした時間にピタリと合わせてくれるところは流石に銀座である。連れが美味しかったと喜んでくれたので、良かった良かった。


京料理 横井
東京都中央区銀座7-3-13 ニューギンザビル1F・B1F
03-3573-8855
http://www.kyoryori-yokoi.jp/

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月22日

[王ろじ](新宿三丁目)

とんかつの名付け親


とんかつが銀座の煉瓦亭で初めて出されたのが明治32年(1899年)。しかし名前はポークカツレツだった。王ろじは発明者ではなく名付け親だという。名付け親については元祖を名乗る店が他にもあるようだが、大正10年(1921年)創業で、商標登録までしているとあっては素直に聞いてもいいだろう。

とんかつ

王ろじのとんかつは普通のとんかつとちょっと違う。ロース肉を重ね合わせて丸く成形し、約12分かけてじっくり揚げる。ポークカツレツが世に出て30年以上経ち、特徴のあるものを作り出す必要があったのかもしれない。独自のものにはポークカツレツとは違う名称が必要だった。そこでとんかつと名付けた。銀髪の勝手な推理である。

とん丼

一番人気はとん丼だそうだ。カツカレーをとん丼と称する。カツカレーの元祖は銀座のグリルスイスで1948年に巨人軍の千葉茂があみ出したと言われる。ポークカツをとんかつにしたのと同様に、カツカレーをとん丼と名付けたのはいかにも王ろじらしい。とん汁に入っているのはベーコンのようだ。これは王ろじ風。漬物は王ろじ漬け。自己主張が立派だ。

王ろじ漬け、とん汁

煉瓦亭、グリルスイス、ヨーロッパ軒(大正2年創業、福井のソースカツ丼屋)そして王ろじ。老舗のとんかつには共通点がある。衣が薄くてカリッと揚げてあることだ。最近では生パン粉を使ったふんわりとした食感のとんかつが多くなった。油っぽくてどうも好きになれない。バターやミルクをタップリ使った生パン粉は味もカロリーも肉と競争してしまう。

ドアを開けて女子高生が入って来た。オウ!女子高生にも人気なのかと思ったら、カウンターに座る銀髪の後ろを通ってさっさと2階に上がってしまった。店のおばさんの声が女子高生を追いかける。2階は住居になっているようだ。新宿通りからちょっと入っただけなのに、なんともアットホームな店があったものだ。

カリッとした衣がいい。下町の食堂のような雰囲気も悪くない。気に入った。

 


王ろじ
東京都新宿区新宿3-17-21
03-3352-1037


煉瓦亭
http://codawari.info/ginpatsu/archives/2007/05/post_560.html
グリルスイス
http://codawari.info/ginpatsu/archives/2007/05/post_559.html
ヨーロッパ軒
http://codawari.info/ginpatsu/archives/2009/03/post_1177.html

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月21日

[若竹寿し](松江市玉造)

日帰り出張に最適の寿司屋


早めに仕事が終っても16時35分の出雲空港発羽田行きには乗れない。次は最終便の19時35分。松江市内では開店が早い店でも5時からなので、これまでは食事をして大慌てで空港に向かっていた。お粗末ながら、松江から出雲空港までの途中にある玉造温泉で食事をすることは考えもしなかった。

ネットで若竹寿しを見つけた。11時開店で夜中までぶっ通しでやっている。4時20分に仕事が終わりタクシーで若竹寿しに向かった。客はもちろん我々だけ。店は思ったより風格があるがそれもそのはず店主は3代目とのこと。「老舗ですね」と言ったら、「玉造温泉では老舗なんて言えませんよ」と謙遜する。日本最古の温泉と言われる玉造温泉には数百年の歴史を持つ旅館がいくつもある。

お通し、刺身(とびうお、しろいか、さざえ)

松江は宍道湖七珍が有名だが日本海に面していることを忘れていた。「とびうおが獲れるの?」あごと聞いて思い出した。土産物屋にはあご(とびうお)の野焼きが並んでいる。さすがに本場で食べるとびうおは美味い。

刺身(水だこ、いさき、あわび、白ばい貝)

「地元のものを中心にお願いします」と言ったのは愚かだった。ガラスケースに並ぶのは殆どが地物である。冬にはズワイガニもある。鮒の刺身も食べられるそうだ。もっと早く来るべきだったと後悔した。

のどぐろ一夜干し

「のどぐろを焼きましょうか?」と聞かれ、知ったかぶりをして「のどぐろは富山じゃないの?」と言ってしまった。浜田市の漁港から出荷されるのどぐろは「どんちっちのどぐろ」と呼ばれるブランド魚とのこと。脂の乗りがマグロ並みというだけあって今まで食べた中で一番美味しいのどぐろだった。店主と話している間に部下が全部食べてしまいそうな勢いなので慌てて取り上げた。

あご天、赤ウニ

店主のお母さんが作ってくれた揚げ立てのあご天。ハフッハフッ、ウマイ、ウマイ。地物の赤ウニ。店主に奨められたら断れない。4,200円は高いと思ったが、箱で出てきて納得。ミョウバンの臭いがしなくてなかなかいける。

寿司

かんぱち、まぐろ、とりがい、ひらめ、いずれも地物である。まぐろも今の時期は日本海を泳いでいる。ちょっと多目のシャリは客の7割以上を占める地元の人たちの好みかもしれない。次回はちょっと我侭を言わせて貰おうか。

タップリ時間があると思っていたら、タクシーが迎えに来てしまった。運転手さんには悪いが4種類目の地酒を飲み終えるまで待ってもらった。次回は秋か冬か、松江に出張するのが楽しみである。


若竹寿し
島根県松江市玉湯町玉造83-6
0852-62-0831

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2009年07月20日

夏の富士山

雪がなくても美しい


羽田空港を飛び立つと、やがて富士山が見えてくる。特に中国・北陸地方に向かうときは楽しみである。このために出来る限りA席を予約することにしている。下の写真は以前にも掲載した金沢行きの機上から写したものだ。

数十回飛んでも美しい富士山を見ることは難しい。雨天の時は外を見る気もしない。晴れていても雲が邪魔をするときもある。その一方で曇天だからこそ上のような写真も撮れる。写真を生業にしている人の苦労がよく解る。

これまで何年もの間、雪を被らない富士山は眺めるだけで写真に収めることはなかった。ところが今回初めて夏の富士山も美しいと思った。

いかんせんデジカメで撮った富士山は、遠く向こうに霞んで肉眼で見る富士山とは微妙に違う。少し修正を加えた方が肉眼に近い。

中国・北陸地方への便は、九州方面に向かう便に比べて富士山を見る時間が長く感じられる。見惚れていると、富士山の側面に這う道路が見えてきた。子供の頃、五合目までバスで行ったが、いつか自転車で行きたくなった。そして、近い内に頂上まで。もちろん歩いてだけれど…

富士山に感動したものの、グルメ紀行らしく何か食べ物と結び付けなければならない。思案の末に、東富士カントリークラブ(静岡県)から富士山を写し、ついでに料理と共に紹介しようと思った。ところが一昨日は小雨交じりで、富士山は顔を見せてくれなかった。従って、ハンバーグと地ビールでグルメ紀行とさせてもらおう。失礼しました。

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月19日

[桃園](有楽町)

懐かしがるか、新鮮な驚きか


階段を一段下りるごとに時間が遡って行くような気分になる。都心の大型ビルの地上フロアは改装してそれなりにきれいになっているが、地下は時間が止まってしまったままのようだ。もっとも、ビルが出来た頃はどの店も明るくてきれいだったに違いない。

店に入ると「チケットを買ってください!」と大声が飛んできた。自動販売機を探していると大声の主おばさんAがやってきて手動販売であることを知る。お金を払うとプラスチックの黄色く丸い番号札を渡された。カウンターを指し示されて配膳口の前に座ってしまった。対になった番号札の片割れが目の前に並んでいる。Aの手が目の前を行き交うのが煩わしいが、キッチンの様子が見えて面白い。

おばさんBが少量の麺を茹でて別の鍋に移し蓋を被せた。代わって既に茹で上がっていた大量の麺が温めなおされる。おばさんBの指示でおばさんCが麺を5つの丼に分ける。量を同じにするようにBがCに指示をしている。Cは銀髪よりかなり年長に見えるが、この店では最年少の新人のようだ。

炒めた具とスープの入った店主の中華鍋が5つの丼の上を行き交う。時折鍋底が盛り上げた具に接触する。5人分は老境に入った店主には重過ぎるように思える。鍋が空になった後でも左肩は下がったままだ。BがCに具の量が均等になるように指図する。Aが早くしろと注意する。3番目の丼が銀髪の前にやってきた。

九州ラーメンの原型と言われる白濁したスープを想像したが、タンメンと言った方がいい。茹でている時に見て驚いた麺も、野菜の下から引きずり出してみるとさらに太く見える。口コミ情報で酷評されるほど悪くはない。こんなに太いちゃんぽん麺は他にはないだろうから、何十年もこの麺を食べるために通う人もいるに違いない。鶏の唐揚げ、揚げ団子(さつま揚げ)も人気だという。

配膳台に丼が6個並んだ。太い麺を箸で素早く分けるのは難しいだろう。今度は店主の中華鍋が丼にぶつかるかもしれない。配膳台を10cm低くしてあげればいいのに。心配してはみたものの、結果を見届ける前に食べ終わり店を出た。入った時と違って大声は飛んで来なかった。忙しすぎてか、「ありがとうございました!」と言う余裕はないようだ。

店は満席になり、外に待つ人も出始めた。銀髪のように桃園を絶賛するグルメ雑誌を読んで来た人もいるだろう。初体験の人の評価はともかく、常連さんにとってはいつも変わらぬ美味しいちゃんぽんであるに違いない。


長崎ちゃんぽん 桃園
東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1
03-3214-9048

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2009年07月18日

[葡萄屋]②(銀座)

いつも満腹


毎日違う店を食べ歩くのと、限られた店をローテーションするのと、どちらが幸せだろうか。3年8ヶ月の間に1000軒以上も行った銀髪からしたら、ローテーションできる人が羨ましい。

Kさんが「メシでも食べに行こうか?」と言えば葡萄屋は10%以上の確率がある。主人に「いい酒飲ませてあげるよ!」と30年物のスコッチウイスキーを持ち込むのは葡萄屋40年の歴史の中でKさんだけだろう。

何も言わなくても出て来るものは決まっている。Kさんは「今日は違うものがいいなー」なんてことは言わないから店も楽だ。「今日は〇〇が美味しいよ!」というような会話は起こり得ない。葡萄屋の焼鳥は老舗らしく大きい。焼き方も上手でなかなか美味しい。

生焼けが嫌いなKさんなのに、葡萄屋の焼き方はミディアぐらいである。鮮度がいいから出来る焼き方だが、Kさんが文句を言わないで食べているのが不思議だ。「中は生ですよ。大丈夫ですか?」なんて言おうものなら次回からカリカリのものを食べさせられるので、銀髪も余計なことは言わない。いい焼き具合だ。

自分の前に置かれた焼鳥を他人の皿に移しだすと、Kさんがお腹一杯になった証拠だ。銀髪の皿に置かれたら、部下の方に回す。こちらだって腹一杯なのだ。若い奴を連れて来た保険が機能し始める。

所要時間が1時間を超えることは絶対にない。4人以上で来ることが多いので、酒の持込みをされても店主が容認する要素は多い。銀髪のように1年に1回しか来ないようでは上客にはなれない。

常連客と大事にしてもらいたい気持ちもあるが、いい店を発見したときの喜びも捨て難い。初めて食べる美味に感動できる機会も失いたくない。二兎を追うわけにはいかないのが辛い。

葡萄屋
東京都中央区銀座西2-2 銀座インズ2 B1F
03-3564-2001

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月17日

尾瀬 (日本橋)

寿しとステーキ


「どこに行こうか?」と銀髪。「もう決めました」と部下。昼食会の場所は銀髪を煩わせることなく決定していた。会社の近くだが、聞いたことのない店だ。ネット上でも情報は少ない。「ステーキのコースを頼みました」と言われたが、昼にはちょっと重い。「他に何かないのか?」と聞けば「寿司があります」と答える。ステーキと寿司? なんじゃそれは

3月に開店したばかりというだけあって、まだ真新しくてきれいな店だ。カウンターとテーブル席、小さな個室が2つある。我々が入った方は大きい個室だろうが7人ではちょっと窮屈だ。椅子の後ろを歩くスペースはないので、バケツリレーの要領で皿を渡していく。

先付け

鮨コース(3,000円)、和牛ステーキコース(3,600円)のどちらも先付けは一緒。かんぴょう煮、椎茸といくら、ひらめの昆布締めの3品。悪くない。

鮨コース

海老しんじょに続いて鮨とお吸物。思ったよりも美味しい。

和牛ステーキコース

スープ、サラダ、ステーキ、ごはんと鮨コースよりボリュームがある。銀髪は鮨コースを選んだので、部下からステーキを一切れ恵んでもらったが、なかなか美味しい肉だった。夜のメニューを見ると特選和牛ステーキなるものがあるから、ランチコースの肉は一段下なのだろう。それでも脂が乗っており、年配者にはちょうどいい。

「最後はデザート?」と聞いたら、コースはこれで打ち止め。夜のコースも7,800円のコースを除いてデザートはついていない。甘味嫌いの銀髪には嬉しい献立だが、他の人たちは残念がっていた。

寿司とステーキの組み合わせをいかがわしいと思ったのは間違いだった。和風ステーキと言ってくれれば違和感はなかっただろう。

店名の由来を聞き損なった。メニューを見ると夜は「鬼怒」「日光」「華厳」「尾瀬」と4つのコースがある。主人は栃木県の出身だろうか。あるいは日光、尾瀬を熱愛しているのだろうか。今度は夜にカウンターに座って聞くことにしよう。

尾瀬
東京都中央区日本橋1-2-2 親和ビル1F
03-6214-2761

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月16日

[たつみ](渋谷)

串焼きも串揚げも、欲張りすぎかな


「途中でストップしたらいいの?」メニューも見ないでカウンターの中の料理人に声をかけると「何本にしますか?」と言われた。メニューを見ると、5本、10本などの料金が書いてある。「じゃあ、10本にしよう」と言ったら、「10本を1人前ですか?」と聞きなおされた。「串揚げを二人で分け合うのも変でしょ?」と質問の応酬。どうも噛み合わない。「好きなものを選んだ方が良さそうだね」と言うと「そうですね」とあっさり肯定された。お奨めを聞いたら困った顔をするので「ちょっと、時間をちょうだい」と言って会話を切った。

お通しのきれいな野菜を食べながら選んだ。「キス、豚ロース、うにもち、ホタテ、チーズを串揚げで2本ずつ」一呼吸置いて「ささみ明太、レバー、しそ巻きを串焼きで1本ずつ」と告げたら「アラカルトは2本ずつでお願いします」とのこと。ハイ、分かりました。

揚げ物は目の前で、串焼きは奥のキッチンで調理されるようだ。キスを食べ、豚ロースが皿に置かれたところで、焼き物3種類が同時に出てきた。慌てて「ちょっと早すぎるよ」と言ったら「じゃあ止めましょうか」とのんびりした答え。しかし、うにもちは既に油の中を泳いでいて間に合わなかった。


5本が皿に勢ぞろいした。どれから食べるか思案のしどころだ。ポイントは最後に揚がったうにもちである。銀髪はうまくやった。連れは律儀に出た順番に食べているので、アドバイスしてあげた。「もちは早く食べないと固くなっちゃうよ!」

こちらの様子を窺っていた料理人が再び揚げ始めた。残るは2品だが、追加注文はその2品を食べ終わってからすることにした。寿司屋と同じ要領だと分かったのでもう安心だ。
山芋ささみ焼きと銀杏を追加した。お腹はほぼ一杯だがグラスにたっぷり残った日本酒の肴が必要だ。今日はまったくチグハグである。

串揚げと串焼き、そして鉄板焼きもあるという東京では珍しい店。昼3時から深夜2時までと使い勝手がいい。料理も平均的で値段相当で、串焼き、串揚げ、お好み焼きまで食べられる欲張りな店である。でも肝腎なものが足りない。答えは簡単なように思えるのだが…


四季の串 たつみ
東京都渋谷区宇田川町33-14 久保ビルB1
03-3463-0677

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月15日

[てん茂]②(日本橋)

鈴虫の音色を聞きながら江戸の味


名古屋からの客をランチで天ぷら屋に連れて行くと部下が言う。彼が言う店は美味しい天ぷら屋だが、ランチ時は2,000円前後の定食を食べる会社員達でごった返す。ミシュランの星をもらった店でもランチをやっているところは似たようなものだ。しばし考えた末、てん茂に行くことに決めた。夜に行ったことがあるので勝手は分かっている。(前回→http://codawari.info/ginpatsu/archives/2009/03/post_1193.html
昼は6,300円のコースもあるが、9,450円、12,600円のコースは夜と同じ。この金額なら昼間も混む心配はないだろう。案の定、我々の他には2人居ただけだった。

緑竹

いつものように海老からスタートする。前回はうどが入ったところは緑竹になった。「まだ竹の子があるんですか?」と聞いたら、待ってましたとばかり2代目が説明してくれる。2代目といっても80を超えている。台湾原産で夏場の高級竹の子として知られる。多くは鹿児島で栽培されているそうだ。えぐみがなくて美味しい。竹の子の王様と呼ばれるのも解るような気がする。

パセリ、稚鮎

日本の天ぷら屋でパセリを揚げたパイオニアが2代目だという。「飾り物を客に出すなんてとんでもない!」と先代に随分叱られたそうだ。50年以上前のことを懐かしがっているようだ。その間も3代目が天ぷらを揚げる。琵琶湖産の稚鮎は湖に留まっていると大きくならないそうだ。内臓の苦味が美味しい。

「鈴虫が鳴いてるの?本物?」と客が言って初めて気がついた。スピーカーから流れているかのように澄んだ音が店に広がる。「本物ですよ」と2代目が得意げに微笑む。後ろの椅子の下に籠が置かれているらしい。

きす

前回も食べた定番のきす。一度開いて骨を抜き、再び元の形に戻して揚げるのがてん茂流で、初代から2代目、3代目と受け継がれている。

天茶

他の客に邪魔をされずに食べられるのはいいが、ちょっと飲み過ぎたようだ。灯りを落とした店内では夜と錯覚するのは鈴虫だけではない。飲んだ後の天茶が美味い。

「次回はうなぎにしましょうか?」と言うと、客もあっさり同意した。名古屋にはうなぎの美味しい店がたくさんあるが、蒸しが入る関東風とは違う。どこでも食べられるのは天ぷらも同じだが、東京で食べるとちょっと違う。それを感じてくれたとしたら、てん茂にお連れした甲斐があったというものだ。

てん茂
東京都中央区日本橋本町4-1-3
03-3241-7035
http://tenmo.jp

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月14日

[和味 りん](新宿)

繁華街の外れにある落ち着いた日本料理店


入り口に立つと、どのレベルの店かだいたい分かる。りんは店の前を通る度に気になっていた。しかし階段を下りるのはそれなりに勇気がいる。たまたま雑誌で紹介記事を見て、行く決心をした。電話をかけると女性の応対が素晴らしい。いい店であることは決まったようなものだ。

カウンターに座りメニューを見ると、目移りして何を食べたらいいか決まらない。目の前で立派な型の鮎が焼かれている。「どこの鮎ですか?」と聞くと、目の前の若い板さんが「岡山です」と答える。すぐに板長らしき人が「養殖です」と付け加えた。さすが板長、こちらの聞きたいことがよく解ってらっしゃる。

付け出し、刺身盛合せ

鮎は要予約で個室の客に運ばれて行った。メニューの「本日のお造り」には各魚の産地が書き添えられている。もちろん天然物でブランド魚も多い。「少しずつ盛り合わせましょうか?」と女性店員。電話の彼女に違いない。城下かれい(大分)、かつお(気仙沼)、あかいか(萩)、しめ鯖(松輪)、あおやぎ(北海道)。二人で分けやすいように4切れずつ。付け出し、刺身、どれも美味しくてとても順調だ。

はも木の芽焼き、豚角煮和風ブイヨン仕立て

シャリッ、シャリッ、シャリッ!鱧の骨切りは何度聞いてもリズミカルで美しい。この調べで不味いはずがない。和風だしの角煮もなかなかのもんだ。

料理や日本酒を頼むと後ろに立つ若い店員がきれいに動く。アルバイトのようだがよく教育されている。電話をしたときに受けた女性の印象は、全ての店員にも当てはまる。
「飲んだことがない酒ばかりですね」と言うと、板長が「酒屋さんが奨めてくれるので」と正直だ。目利きが出来る料理人も立派だが、プロ同士の信頼も重要だ。

はものにゅうめん、白玉ぜんざい

はもそうめんと勘違いしたが、料理の流れを見て気がついた。鱧でだしをとった上品な味で、吸物のように全部飲み干した。白玉ぜんざいも酒呑みでも嫌にならない甘さだった。

帰ってホームページを見たらオーナーは飲食店とはまったく違う業種で驚いた。板さんの名刺を見ると店長となっているが、ブログも書いているので実質的にはりんの経営者のようなものだろう。女性店員も雇われ従業員とのこと。銀座の「おぐ羅」「京ふじ」「バードランド」など従業員の電話応対がいい店はどれも素晴らしい店である。

新宿では貴重な落ち着いた大人の店。それでいて銀座ほど高くないので若者も行ける。贔屓にしたい店である。


和味 りん
東京都新宿区新宿5-17-6 地下1階
03-3205-7252
http://www.wami-rin.com

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月13日

[ガール・ド・リヨン](八丁堀)

気楽に大衆フレンチ酒場


フランス在住歴6年のKともう1人の部下を連れて会社を出た。「どこに行くんですか?」と聞かれても「内緒!」とだけ答える。東京駅を背に宝町の交差点を越え、首都高のガードを過ぎてすぐの道を左折した。中華料理屋に入るふりをするとKが落胆の表情を浮かべる。それを笑ってさらに進み、ビストロの前に立った。入り口に「ワインを飲まない人お断り」のような趣旨の張り紙がしてあった。ワイン好きのKは喜ぶはずだ。

店内のテーブルには全て予約済みのカードが置かれている。7時からの予約が入っているテーブルになんとか座らせてもらった。制限時間は1時間半。壁にはどこかの駅の様子が映っている。リヨン駅だとKが解説してくれた。

牛タンのサラダ、フランスパン

フランスにある居酒屋と同じ雰囲気だとKが懐かしがる。料理の量が多いのも同じらしい。日本人らしく生ビールで喉を潤し、棚に置かれたたくさんのワインの空ボトルを眺める。値段とコメントが書かれた空き瓶がワインリストの役目をしている。

ムール貝と白貝のワイン蒸し、付け合せのポテト

大好物のワイン蒸し。残ったスープをフランスパンに染み込ませて食べる。ワインがすすむ。それにしてもたくさんのフライドポテトだ。

自家製ソーセージ、田舎風パテ

ソーセージよりもボリューム一杯のフライドポテト。「フランス料理というよりも、アメリカっぽいな」と言ったらこれがフランス流だと反論された。そこで30年以上前の記憶が甦った。ロサンゼルスでマクドナルドに入ったらフライドポテトでは通じなかった。アメリカではフレンチフライという名で売られていると教わった。

ガール・ド・リヨンに来て30年来の疑問が解けた。フランスではもちろんフレンチフライとは呼ばない。フリットである。ベルギーが発祥とも言われるが、フランスでもフリットが代表的な付け合わせなのは間違いないようだ。

7時20分過ぎに中年女性3人のグループが入って来たが、早く着いてしまったことを詫びて出て行った。我々は2本目のワインを半分ほど残して退散しなければならなくなった。道路で待つ彼女たちに残ったワインを進呈するように、店員にお願いして店を出た。これで男だけのグループは店から消えて雰囲気も良くなっただろう。

近くのポンデュガールによく似た店だと思ったら姉妹店だった。両方ともなかなかご機嫌な店である。ゆっくり、たくさんワインを飲むつもりなら、予約して行った方がいい。

ガールド・リヨン
東京都中央区八丁堀3-3-9
03-5541-4343

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2009年07月12日

[うまい鮨勘]②(赤坂)

回転寿司が物足りなくなった人に


都議選の投票用紙が届いた。宛名が4つもあるので首を傾げた。一瞬考えて気がついた。回転寿司を喜んでいた下の娘も20歳になったのだ。
「誕生祝いはどこでする?」と聞いたら鮨勘がいいと言う。板さんに声をかけるのが嫌だと言っていた娘も、前回行って鮨勘は気に入ったようだ、すねかじりの新成人にとってはちょどいい寿司屋である。

上の娘はもちろん親の助けなどいらない。前回と同じように貝ばかり食べている。今回は担当が違うにもかかわらず、いつの間にか前回の担当に握ってもらっていた。

銀髪はいつものように刺身で酒を飲む。次に鮭の皮目を焼いてもらう。箸を伸ばすのはいつも下の娘。パートナー殿と上の娘は我が道を行く。

パートナー殿がメゴチの天ぷらを頼んでしまった。親切にも1枚分けてくれると言う。天ぷらは天麩羅屋で食べた方がいいと言おうとして口をつぐんだ。口は災いのもと。
ビールだけでなくワインも鮨勘ブランドがある。頼んだ後に甘口であることが分かった。一口飲んで娘たちに渡した。まだ甘い酒が好きな大人だ。

金目鯛でダラダラ飲んでいる間に、女性3人の注文するスピードが落ちてきた。アボガドの巻物を頼んだので、一つもらった。目の前にあった巻物が変わっているので注文した。高菜巻きだと言う。4個ぐらい来るかと思ったら1個だけ。それならそれで有難い。

そろそろ握ってもらう頃だが、既にみんなはお帰りムード。銀髪がダラダラやってお腹一杯の幸せな気分を壊す愚は犯せない。勘定をしてもらった。

今日も鮨勘はみんなを楽しませてくれた。ありがとう!

うまい鮨勘 赤坂店
東京都港区赤坂3-13-10
03-3560-6711

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月11日

[クロノス]②(銀座)

楽しく遊ぶカクテル


クロノスがオープンしたのは2007年11月17日で、時間が経つのは早いものである。行かなきゃ行かなきゃと思いながらご無沙汰してしまった。約1年振りだろうか、たまたま思い出して行ったらカウンターにモーリバーを紹介してくれたIさんが座っていた。なんという偶然だろう。時の神様(クロノス)は運命の女神(モイラ)をも操っているようだ。因みにクロノスの子が主神ゼウス、ゼウスの子がモイラである。

「銀髪さん、もっと来てやってよ」とIさんに言われたら断れない。約束どおり行くことにした。1ヶ月振りではあまり威張ることはできないけれど…
運良く空いていた。オーナーの時任さんにとっては嬉しくないだろうが、彼を独占できるから我々はハッピーだ。

「冴えない男がカッコ良くなるカクテルと、カッコいい奴がもっと良くなるカクテルを作ってくれる?」と時任さんにお願いした。「簡単に言うと、意外にやるじゃんとやっぱりやるじゃんだな」と言いたい放題。モーリバーの毛利さんや、名の通ったバーテンダーには恐れ多くて言えない事も、時任さんはニコニコと聞いてくれるからいい。

後から入って来た常連さんも笑って我々のやり取りを聞いていた。そして、彼も新作カクテルに相乗りしてくれた。知らない客同士でも時任さんのファンであることに変わりはない。

意外にやるじゃんとやっぱりやるじゃん

使ったリキュールを見せてくれた。「意外にやるじゃんはこいつにやって」と部下を指した。もちろん銀髪と常連さんはやっぱりやるじゃんを飲んだ。意外にやるじゃんは女性に勧めたら喜ばれるだろう。やっぱりやるじゃんはミントが効いて夏らしい清涼感がある。清清しく颯爽とした男のイメージだろうか。さすがカクテル大会でチャンピオンになっただけはある。

さんざん笑った後は、レア物のラフロイグを飲み比べした。瓶の底に沈んでいるのは樽の内部が剥げ落ちたものだそうだ。18年物はアイラでもさすがにまろやかに感じる。ところがとっかえひっかえ飲んでいると、どちらがどちらか分からなくなる。ぼちぼち酔いが回ってきたようだ。潮時だ。

ちょうど新手の客が3人入ってきた。いい流れだ。時任さんまたね。楽しかったよ。

CHRONOS(クロノス)
東京都中央区銀座7-6-19 ソワレ・ド・銀座 弥生ビルB1F
03-3289-0027

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2009年07月10日

[羽前 山久](入船、八丁堀)

頑張れ寿司屋の新星


「まだオープンしたばかりなんです。応援してくださいよ」と友人のI氏から電話がかかって来たのは札幌のたる善で寿司を食べていたときだ。偶然にも寿司屋への誘いだったので笑ってしまった。

入ってすぐに4人掛けのテーブル席、店主1人がやっと入れるL字型のカウンターが8席のこじんまりとした店である。テーブルに3人の女性が居た。カウンターの左に2人。もう1人が来るのを待っているようだ。カウンターの右端の1人は予期せぬ客だったようだが店主とは周知の間柄に違いない。我々は左から4つ目と5つ目の席にゆったりと座った。客がまばらで予想通りと思ったら、予約で満席と知って驚いた。

料理はお任せでどんどん出て来る。I氏は酒を飲まないのですぐに寿司を食べ始める。店主は手馴れたものである。間もなく若い3人連れが入って来た。銀髪はまだ空いている左席に動いた。I氏は銀髪が居た席に。3人が納まる席が出来上がった。

右端の1人は食べるスピードを上げて間もなく出て行った。入れ替わりに左隣2人の待ち人がやってきた。彼女のために再び大移動が始まる。我々2人と若者3人が一つずつ右にずれた。ようやく予約どおりの布陣になった。助け合いが美しい店である。

「純米酒はないんですよ」と言われてあるのは吟醸酒以上かその反対か考えた。あるのはもちろん下の醸造酒。真澄の300ml瓶が出てきた。客の懐具合を考えて高い酒は置かない方針らしい。主人の小松さんは23年間寿司清で働いた。修行したというより幹部社員だったのだろう。独立しても寿司清の方針をなぞっている。寿司清の近藤社長から送られた祝いの花が輝いていた。

一瞬、息が詰まる。煙草の煙だと気がついた。左を見ると女性が右手の煙草を耳の高さに掲げている。肘の角度はオードリー・ヘップバーンのようだ。他の席からも紫煙が立ち上る。男たちが真似ているのはジェームズ・ボンドだろうか。愛煙家にはいい店だ。

店名のごとく主人の小松さんは羽前(山形)の出身。山久はおじいさんが使っていた屋号とのこと。出てきた漬物はおばあさんの自家製。「お先に失礼します」と客たちに挨拶して帰って行ったのは奥様。満を持して独立開業した小松さんをファミリーが支えているのが分かる。

I氏に小松さんは寿司清の店長を歴任した人と聞いたので、強面かと思っていた。しかし、柔和で人柄がとても良さそうだ。寿司清の頃の常連さんで店が一杯になるのもよく理解できる。

小松さんの挑戦はまだ始まったばかり。これからの発展を祈るばかりだ。


羽前 山久
東京都中央区入船1-4-8
03-523-2733

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2009年07月09日

[築地食堂 源ちゃん](渋谷)

築地のネーミングに負けた


渋谷を歩いていたらホットペッパーをくれた。どの店の写真も実に美味そう。行ったことがある大チェーン店は避けて、初めての源ちゃんに行くことに決めた。パルコにあるということで安心感もある。そして店名の前に書かれた「築地」の文字。これが決め手になった。

お通し、サラダ

大漁旗などを掲げた店内は、立派なビルの中だということを忘れさせてくれる。メニューも居酒屋というだけあって良心的である。難点は店員をつかまえることが難しいところ。100席以上ある店内にオーダーを取る店員が2人しか居ない。客がまばらなうちにオーダーしておいた方が良さそうだ。

刺身盛合せ

2,800円の立派な刺身の盛合せ。2人前とメニューに書いてあるが、殆どの魚が3切れずつ。新宿ブラックホールの店長が言っていたことを思い出した。和食では奇数が常識なのである。3切れを2人で分けることはできないが、料理人の常識が優先される。頭を切り替えるのは並大抵ではない。

ホッケ

「脂が乗ってますよ」と勧められたホッケだが、意外と小さいので拍子抜けした。しかも身がほぐれにくくホッケらしくない。脂も乗っているようには思えない。ひっくり返してみると黒焦げだった。

それなりに店内は混み始めてきた。手を上げるが店員は気付いてくれない。周囲の客が大声で呼ぶのを待った。すぐ後ろの客の注文を受けて去ろうとする店員を呼び止めて焼きそばを頼んだ。
どんどん時間が経っていく。悪くもないのに「スイマセーン!」は好きではないが、痺れを切らして大声を上げた。「焼きそば来ないんだけど?」と言うと慌てて確認に行った。戻って来て「今、焼いているところでした。2分待ってください」と言う。5分で出てきたので作っていたのは嘘ではないようだ。

しまった!屋台風とはマヨネーズがたくさん乗っていることだろうか。連れはマヨネーズが嫌いなので、銀髪がマヨネーズのかかったところを重点的に食べた。口がマヨネーズを嫌がりだしたとき、マヨネーズを除けて食べればよかったと気がついた。なんという不覚。結局マヨネーズを全部食べて、麺を残してしまった。

人気のたこ焼き屋、築地銀だこは築地に店はない。同様に源ちゃんも築地に店がないことは分かっていた。それでも惹かれてしまう愚かな銀髪だった。


築地食堂 源ちゃん
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコPART1 7階
03-5459-2022
http://www.gensan.co.jp/gentyan/gentyan

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月08日

[ブラックホール]②(新宿歌舞伎町)

顧客第一の姿勢が素晴らしい


前回(→「ブラックホール」)少人数向けのハーフサイズが3切れでは2人で譲り合いして面倒だと書いたら、早速4切れに改善するとのコメントを店から頂いた。これは行かねばならない。

予約をしないで行ったので、店に入ってしばらく不安な思いで待った。本日供される和牛の識別番号が書いてある黒板に目が止まった。待たされる時間も悪くない。
「〇番テーブルへ」とマネジャーが店員に告げたのでホッとした。見える範囲のテーブルはすべて埋まっている。

野菜サラダを頼もうとしたら、「お通しにキャベツが出ますけどよろしいですか」と親切だ。代わりにナムルを頼む。前回気付かなかった識別番号や店員の態度、すべてが良く見えるから不思議だ。

レバ刺しと前回食べなかった薬味のネギを頼む。数種類の薬味もブラックホールならではのものだ。出てきた料理を片付けながら、ハーフサイズの皿が出て来るのが待ち遠しくてしょうがない。期待しながらも不安も残る。ワクワク、そわそわしている銀髪を連れが面白がる。

待ちに待ったハーフサイズがやって来た。上タンも上カルビもちゃんと4枚ある。質も落ちてないようだ。感激した。本当にやってくれたのだ。大したものだ。銀髪のせいでコストが上がったのではないかと心配になった。でも嬉しい。嬉々としている銀髪を連れが茶化す。

ホルモンの盛合せを持って来た若い女性に「上の人に銀髪が来てると伝えてくれる?」と言った。キョトンとしているので「そう言えば誰か分かると思うよ」と付け加えた。しばらくして店長がやってきた。隣席の女性3人のグループが不思議そうにこちらを見ている。最初は銀髪が何か文句を言ったので店長が来たと思ったのかもしれないが、二人の嬉しそうな顔を見て謎が深まったに違いない。

銀髪が疑問視した一皿3切れは、奇数が常識のベテラン料理人からしたら当然のことだったようだ。まして死につながる4はタブーなのだろう。随分と議論した結果、客の利便性を優先させることにしたと聞いて、ますます感心した。

ぼちぼち帰ろうかと思っているときに、再び店長がやってきた。7月1日にオープンしたばかりのブラックホール2を見に行くので、もう一度挨拶に来てくれたのだ。彼が去った後、今度はマネジャーと名刺交換した。

店を出た後も銀髪の興奮は収まらない。5月に1号店がオープンしたばかりなのに、早くも2号店をオープンした。きっと成功する。いや、成功して欲しいと心から思う。

和牛塩焼肉 ブラックホール
東京都新宿区歌舞伎町1-2-5
03-6457-6089
http://www.iloveyakiniku.com

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2009年07月07日

[銀座 座屋](銀座)

ミシュランの星たちに負けてないよ


♪一丁目の柳がため息ついて 二丁目の柳がささやいた♪ 口ずさみながら銀座柳通りを歩き、昭和通りに出る前のビルで立ち止まった。「ここだ!」一発で見つけると気分がいい。
エレベーターではなく階段を下りる決断をした。階段も店の一部になっている気がしたからだ。思ったとおり導入部から店内まで雰囲気のある店だ。ど真ん中が好きな銀髪なのに案内されたのはカウンター奥のコーナー寄りの席。店主の岡添さんと名刺交換をした。

「くれから取り寄せた心太(ところてん)です」と出された先附け。呉?あれは広島だしなーと思いながら手書きのメニューを盗み見て久礼と分かった。蒸し暑い中を歩いた後の冷たい心太とビールは最高だった。
ホッとしたのも束の間、ショーが始まった。かつおを藁で燻す炎が上がる。初めて見る光景だ。皮はガスコンロでしっかり炙る。ニンニクを乗せて塩で食べるように言われた。「これはかつおじゃないねー」と言うと岡添さんがニンマリする。「最初からこんなに飛ばして大丈夫?」と聞くと、自信たっぷりの笑みが返ってきた。

「オーッ!」雛壇のようにして二人分の八寸が出てきた。料理をする岡添さんの手の動きを見ていたにもかかわらず、完成して出て来ると驚きの声を上げてしまう。あっ、俺の席は一等席だ!遅まきながら、気がついた。目の前で岡添さんの仕事が見える。会話するにもベストの場所だった。

冷たい玉蜀黍(とうもろこし)のスープに入ったじゅんさいが口の中で震える。金目鯛の美味しいこと。思わず笑ってしまう。最近、美味しいものを食べると笑う癖がついてしまった。

フレンチマスタードの瓶を見せられた。「鴨はフランス産ですか?」食材の殆どは高知から送られて来ると聞いていたが、これはというものは外国産でも使う。
日本酒は4本目に入る。18あるという高知の蔵元すべての地酒を揃えており、その中から料理に合わせて出してくれる。ワインではよくやるが、日本酒をお任せにしたのは初めてかもしれない。

土鍋ごはんが炊きあがった。岡添さんの奥さんの80歳を超えるお婆ちゃんが作る四万十川源流産「ヒノヒカリ」。なんともいえない薫りが立ち上る。

ごはんの用意をしてくれている間に漬物などで日本酒を飲む。最高だね。


まずごはんに醤油をかける。高知の地鶏・土佐ジローの小さな卵を軽く混ぜてごはんにかける。たまごかけご飯の写真を見ると思い出して涎が出てきてしまう。ご褒美のごとく、煎餅のようになったおこげを食べる。何とも幸せな時間である。

最後はすいか尽くしのデザート。最後まで手抜きはない。帰る前にトイレに入り大きく頷いた。ここにも神経が行き渡っている。

食べ慣れた素材を使っているが、どれも初めての味ように思わせるのは神楽坂の「石かわ」に似ている。和を超えた料理の発想は麻布十番の「かどわき」を連想させる。しかし、ほんわかとした楽しげな雰囲気は、座屋が抜きん出ている。高知でスタートして、神戸、銀座と店を増やしてきた。次はギリシャで店を開きたいと言う。若いのにたいしたもんだ。ミシュランの選考委員はもう来たのだろうか。フランス人にたまごかけご飯の美味しさがわかるかなー?

岡添さんに勧められるまま、帰りはエレベーターに乗った。1階でドアが開くと岡添さんが待っていた。最後まで驚かせ、笑わせてくれる人だ。イヤー、楽しかった。


銀座 座屋
東京都中央区銀座2-11-2 銀座2112ビル 地下1階
03-3248-9090

文月(7月)のお献立(1万円コース)

[先附] 久礼心太 車海老・茗荷・青林檎・蓮芋
[御造里] 鰹、鯛、ひらあじ
[八寸] 手長蝦、鬼灯トマト、昆〆鯛と糸瓜の酢物、だだ茶豆、にが瓜クリームチーズ、馬肉ユッケ、水茄子搾り
[冷椀] 玉蜀黍の摺り流し椀 蛸・雲丹・蓴菜
[炭焼] 高知産金目鯛翡翠焼
[爽肴] マグレ鴨と夏野菜蒸物・粒辛子餡掛け
[揚肴] 鱧筒揚げ、薯蕷モロヘイヤ、忍び山葵・まこも竹
[土鍋御飯] 四万十川源流産「ヒノヒカリ」生産者 岩崎花美
     土佐ジロー卵
[御数] 高知漬物
[甘味] すいか尽くし

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月06日

[サッポロビール園 ガーデングリル](札幌)

ビールが一番


「どのレストランにしますか?」案内所で予約をしようとしていた部下が振り返った。4ヶ所もレストランがあるとは知らなかった。「食べ放題でいいよ」と言うと、案内所の女性が電話して席を確保してくれた。その途端、園内を歩く修学旅行らしい中高生の群れのことを思い出した。彼らと喧騒の中で食べ比べする気にはならない。

「ゴメン、違うところに変えてくれる?」と言うと、今度は電話もしない。ガーデングリルはまだガラガラだった。ここなら大人の時間が過ごせそうだ。飲み物のメニューを見る。さすがにビールの種類が豊富だ。先ずファイブスターから始めることにした。

ウエイターがテーブルに置いた二つのグラスを見ると泡の量が全然違う。銀髪の目の前に置こうとしたグラスは3分の1を泡が占めている。流石に文句を言ったら違うものを持って来た。ビールの殿堂が泣く。

こちらのラムは食べ放題のジンギスカンホールにはないグレインフェッド(穀物飼育)でちょっと高級。肉質は柔らかく牧草臭くないので食べやすい。野菜付きの「まるごとジンギスカン」を頼んだ。持って来た若い女性店員が肉を指さしながら「ショルダー、もも、肩ロース、ロース、ショートロイン」と早口で言った。「覚え切れないなー」と冗談めかして言ったら「メニューを見てください」と冷たい。写真付きのメニューを見ても、どれがどれかは分からない。まあ、いいかっ!

昼間、二条市場を覗いた時に見たタラバガニが忘れられない。思わず頼んでみたけれど、生で来るかと期待したらキッチンで料理したものだった。ラム肉のソーセージもやはり調理済みで出て来た。せっかく目の前でグリルできるのにもったいない。

「肉を追加するか?」と部下に聞いたらお腹一杯だと言う。銀髪はアルトビール、開拓使麦酒に続いて4杯目はクラシック生ビールを頼んだが、こちらにも乗ってこない。珍しいこともあるものだ。昨日の酒が残っているのかな?

グレインフェッドラムは美味しかった。ソーセージはまあまあ。タラバガニはハズレだった。何より美味かったのは生ビール。色んな種類が飲めるガーデングリルは正解だった。


サッポロビール園 ガーデングリル
北海道札幌市東区北7条東9丁目2-10
0120-150-550(サッポロビール園総合予約センター)
http://www.sapporo-bier-garten.jp/garden/

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2009年07月05日

[空](札幌)

これは美味しいね


札幌での昼食はラーメンに決まっている。どこに行くかはブログや口コミ情報が頼り。ラーメンのブログは驚く程たくさんあり、専門家はだしの批評にはいつも感心させられる。口コミ情報のコメントも他の業態に比べて圧倒的に多くて信頼できる。

〇〇系とか△△の出身とかは気にしない。有名店だからといって遠く郊外まで足を延ばすつもりもない。安近旨、札幌のラーメン屋をいつもの条件で探したら、初めて「空」がひっかかった。最近出来た店だろうか。

暑い!札幌でも夏は暑い!札幌駅からすすきのまで歩くとさすがに汗をかいた。店は難なく見つかったものの、店の囲い(?)は取り払われており、エアコンで涼む願いはかなえられなかった。開店の11時から30分経過していたが先客は一人だけ。奥の席は熱が籠もっていそうなので、オープンエアの道路に背を向けて座った。

玉の汗をまとっている料理人2人に比べれば、我々は天国に居るようなものだ。評判のラーメン屋の料理人たちは、若くて、無口、真剣な眼差しが共通点だ。鍋でスープを作っているのを眺めていると、スーツ族が5人入ってきて店はほぼ満席になった。

熱いうちに、麺が伸びないうちに食べようと頑張るせいか、或いは料理人たちの雰囲気が乗り移ったせいか、我々も無言でラーメンに向き合う。昔は漫画を読みながら気軽に食べるものだったのが、いつの頃からかラーメン道なるものが出来たような気がする。
半分ほど食べたところで「美味いな」と部下に言うと、「美味しいですね」と返ってくる。何がどう美味いかを説明できるほど道を究めてはいない。

食べ終わって席を立つと、すぐに別の客が現れた。「もう、ラーメンを食べる時期じゃなくなったな」と部下に言った。一度はひいた汗が再び浮かんできている。真夏になったらエアコンをつけるのだろうか。それだけが気になった。



北海道札幌市中央区南3条西5-20-2
011-281-0085

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月04日

[ドンピエールエクスプレスカレー](東京駅)

さすがに美味しい特製カレー


東京駅八重洲南口地下1階の東京ラーメンストリートに向かった。オープンから1週間後の様子は先週書いた。2週間後の様子を見に行くと、前週より15分も遅いのに行列の長さは半減していた。行列を整理する若者はいなくなり、むつみ屋にいたっては呼び込みに必死だった。長時間待つ覚悟がいるのは六厘舎ぐらいだ。

予想通りの光景を後にしてラーメンストリートを離れた。向かったのは北口1階のキッチンストリートにあるドンピエールだった。先日、京橋ドンピエールに行ってカレーが自慢の店だと知った。そのカレー専門店がドンピエールエクスプレスカレーである。

OLに人気だというホワイトカレーを頼もうかと一瞬思ったが、特製ビーフカレーにした。
「特製ですか?」と確認されたので普通のビーフカレーもあるのだろう。1,600円なら立派な特製カレーに違いない。

一番の目的が東京ラーメンストリートの様子を見ることで、ついでにドンピエールのカレーを食べるというシチュエーションは正解だった。お腹を空かせること、あまり期待しないことの美味しいものを食べる2大要素が整ったからだ。

店名のとおりオーダーしてから約2分で目の前にカレーが置かれた。一口食べて美味しいと思った。牛肉が多いのが特製なのだろうが、肉なしでも充分美味しいと思う。2大要素がなくても美味しいはずだ。
カレーで1,600円は高いと思わないでもないけれど、それだけの価値がある。

2分で出て来るのはいいけれど、あまり早いとスタンドカレー屋さんと似たり寄ったりで安っぽく感じてしまう。せめて5分ぐらい時間をかけ、もったいぶって出した方が有り難味がわくのではないだろうか。

早すぎても遅すぎても客は不満を持つ。神経質に時計を何度も見る客と、注文をしてから本を開く客では時間の感覚が違う。マニュアルではカバーできない微妙なところは店員の感性に頼らざるを得ない。料理屋は本当に難しい。

ドンピエールエクスプレスカレー
東京都千代田区丸の内1-9-1 東京駅八重洲北口1F キッチンストリート内
03-5288-7551

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2009年07月03日

[クルン・サイアム](三軒茶屋)

男も好きになるタイ料理


「何でもいいか?」と言うと「ハイッ!いいです」と部下が答えるので店を予約した。ちょっと心配になって「エスニックは大丈夫か?」と聞くと、「チリ料理ですよね」とトンチンカンなことを言う。「タイ料理だよ!」と言うと顔色が変わった。「パクチーがダメなんですよ!」と訴えるがもはや聞く耳を持たない。何でもいいと言ったじゃないか。

彼の奥さんも誘った。エスニックは2人より3人の方が楽しい。彼女もパクチーが苦手と言うので店員にはパクチー抜きにしてもらった。パクチーが入らない料理もたくさんある。パクチーだけでタイ料理すべてを毛嫌いすることはない。

トード・マン・プラー(さつまあげ)、トムヤンクン

若者が喜ぶような店の造りでちょっと戸惑う。薄暗い店内でメニューを見るのは老眼には辛いので、思いつくまま代表的な料理の名をあげた。店員はすぐに理解してメモをとる。タイ料理未経験の二人にとっては道先案内人と言ったところだ。

ソム・タム(青パパイアのサラダ)、ガイ・ヤーン(鶏肉のスパイシー焼き)

さつまあげは各店特徴があって面白い。世界三大スープのトムヤンクンや辛い青パパイアのサラダなど期待通りの味だった。初体験の二人も恐怖感が消え、喜んで食べている。お店の看板料理とのことでガイ・ヤーンを追加した。

スッキーヘン(春雨の炒め物)、ガイ・パット・バイ・ガパオ・ラート・カオ(鶏挽肉のホーリー・バジル炒め)

「自分もオーダーしたかった」と言われるのは癪なので、部下にも一つ選ばせてあげた。春雨の炒め物は銀髪の頭の中になかった料理だったが悪くない。

最後は目玉焼きが乗っかったご飯物。鶏挽肉の味付けが絶妙で、タイで人気ナンバー1の料理だというのも頷ける。しっかりまぜまぜして食べたら本当に美味い。部下が何度もおかわりする。食べ終わった部下の皿を見たらご飯一粒も残っていなかった。

「タイ料理って、美味いですねー」と感激する部下を見て、奥さんがとても嬉しそうにする。男は食い物に対して保守的である。レパートリーが広がらない家庭に一石を投じることが出来て、とても満足な銀髪だった。

クルン・サイアム
東京都世田谷区太子堂4-27-11
03-5486-2023

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2009年07月02日

[ホルモン建設工業(株)](新橋)

工事現場で焼肉


昨年11月、関係者を集めたプレオープニングで来たときは、まだ内装が出来上がってないと思った。もちろん、コンセプトは聞いていたが、まさか本当にそのまんま開業するなんて…

鉄パイプで組んだ足場むき出しの店内がウケるのか、店内はほぼ一杯の賑わいである。おやじ御用達のような店なのに、若いサラリーマンやOLが多い。

キムチ、お通し(キャベツ)

料理の注文は常連のS氏に任せる。工事現場の内装にもかかわらず、ちゃんとしたものが食べられる。それがこの店がウケる一番の理由だろう。

ナムル、もつ煮込み

ちょっと変わったもつ煮込み。この店ならではの特徴を出すのに熱心である。意外と美味しいので一人でパクパク食べていたら、S氏の視線に気がついた。慌てて皿を二人の間に置きなおした。

角切りレバ刺し、角切りユッケ

肉を厚めに切るのもこの店の特徴。レバーはともかく、ユッケの角切りはあまり見たことがない。壁のあちこちに貼られた料理の短冊。希少部位がたくさんあって、あれも食べたい、これも食べたいだが、2人ではちょっと辛い。

焼肉盛合せ

店長お任せにした肉の盛り合わせに圧倒される。タンもハラミも厚切りで歯応えがある。あくまで豪快に!という感じである。これも工事現場のコンセプトの一つだろうか。
忙しいのか酒が出て来るのが遅いのが玉にキズ。まあ、そのうち改善されるだろう。雑に見える内装が、こちらの気持ちも大らかにさせる。

店長と名刺交換した。肩書きは代表取締役。ホルモン建設工業株式会社なら店長ではなく社長というのも頷ける。焼鳥屋や焼きとん屋が幅を利かせる新橋界隈。果たしてこの焼肉屋が新橋の新名所になるのかどうか、乞うご期待といったところである。

ホルモン建設工業
東京都港区新橋2-5-6 大村ビルB1
03-3504-0074
http://www.horuken.sakura.ne.jp/horumon/


投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009年07月01日

[坐来](銀座)

大分県のお店


「アラカルトでもいいんですよね?」「基本的にコース料理を食べていただきたいのですが…」電話のやり取りでおおよその雰囲気は分かる。言われたとおり任せた方が良さそうだ。

ウェンディーズの横手にあるエレベーターホールには、数人の紳士が集まっていた。8階で降りると大分県物産品ギャラリーにも紳士達がたむろしており、接待の相手がエレベーターを降りる度に駆け寄っていく。窓際のテーブル席もほぼ一杯の賑わいよう。銀座にはまだまだ銀髪が知らない人気店がたくさんある。

先付け、前菜、きらすまめし

献立には読めない字や、意味不明のことばが混ざる。どんなものが出て来るか、見てのお楽しみだ。
きらすまめしとはおから(きらす)とありあわせの魚(この日はカジキマグロ)を使った臼杵市の郷土料理とのこと。かぼすの香りがとてもよくて、おからとは思えない逸品である。

お造り

せっかく選んで座ったカウンターだが、オープンキッチンが見渡せるといった感じで、料理人と気軽に話すところではない。若い料理人がひととおり魚の名前を言って、すぐに持ち場に戻ってしまう。物足りなさそうにしていると、奥から年長者が飛んできて話をしてくれる。さすがは料理長、しっかり客の様子を見ていた。

酒肴

使うのはもちろん大分の素材。関あじ、関さば、城下かれいなどの魚介類、豊後牛、椎茸、かぼすなど有名なもの以外にも豊富な食材がある。大分の酒としてはいいちこに代表される麦焼酎がよく知られているが、日本酒も捨てたものではない。この日はメニューにない限定酒「豊潤」を飲むことが出来た。純米酒だが吟醸酒にも劣らない美味しい酒だった。

主肴、〆の逸品、プリン

福岡の胡麻さばの茶漬けに似た鰤のゴマ出し茶漬け。竹の筒に入っただし汁をかけて食べる。「〆の逸品」というのは決して大袈裟ではない。

銀髪が残したプリンを見た料理長に「これは不味い!」と言ったら、顔色が変わる。慌てて「イヤー、本当は甘いものが苦手でね」と安心させた。悪い冗談だと知りながら、いたずらな心が我慢できない。
県が株主というだけあって、大分の面汚しになるようなことは出来ない。真剣勝負の店に下手な冗談は慎むべきだった。

帰り際に店長兼総料理長とマネジャーが挨拶に来てくれた。なかなかいい店でしたよ。

 
坐来
東京都中央区銀座2-2-2 新西銀座ビル8階
03-3563-0322


献立

先付け 国東 銀太刀 背越し 朝摘み赤紫蘇よせ 瓜香
前菜 竹田 玉蜀黍 掻き揚げ 無花果 麦こがし
造り 関あじ 関伊佐木 真子鰈 臼杵郷味 きらすまめし
酒肴 玉蜀黍 雲丹焼き 豊後牛 焼き椎茸
主肴 国東稚鯛 冬瓜 香り蒸し合せ
〆の逸品 佐伯 鰤 ゴマ出し茶漬け 香の物
甘味 

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック