2010年07月27日
[でめ金](西新宿)
串カツ食べて暑さに勝とう

「二人、大丈夫ですか?」扉を開き、あいさつ代わりに聞いてみた。カウンターに2組、合計5人が居るのみ。カウンターの中は店主と奥さん、マレーシア人女性の3人。「何を頼んだらいいですか?」と聞いたら、店主がお任せを奨めてくれた。お腹が一杯になったところで止めればいい。

キャベツと野菜スティック、串揚げ屋の定番にしたのはどの店だろうか。油っぽさを緩和させるだけでなく、野菜の栄養素は油と共に吸収されやすくなるという。

海老しそ巻、牛ヒレ、車海老、稚鮎、鳥挽肉・えび・椎茸の詰め物。最初の6品が値段の高い串らしい。看板の創作串と季節の串が食欲をそそる。

先客の3人は勘定を終わり、別の2人も酒だけに集中している。油の中に入れられた特大アスパラは我々の物に違いない。目の前に置かれると更に大きく見える。「しばらく休止します」と宣言した。

「山形の出身ですか?」と聞いたら店主は驚いた顔をする。メニューにある日本酒は東光、カウンターに置かれた一升瓶の生産地を盗み見たことを白状した。米沢出身とのことで郷土の銘酒使うところに店主の愛が感じられる。

再開宣言をした。蟹きす巻、椎茸肉詰め、ジャガイモのベーコン巻、鳥とセロリ、ごぼう穴子巻、ぎんなんウインナー巻を少し間を置きながら揚げてもらった。全部で40種類ほどあるらしい。「全部食べたらいくらになるの?」と聞いたら、7,000円超とのことで意外に安い。前半の数種類を除いたら一串150円と聞いて納得した。

「米沢出身でどうして串カツなんですか?」と聞くと、35年前に創業したのは大阪人。店主は前経営者から引き継いだとのこと。海外で働いた経験があるから外国人を雇用しているのかと思ったら大間違い。賃金は日本人と変わらないらしい。「外国人の方が無断欠勤もなく真面目だから」と言われると辛いもんだ。
原則予約を受けないのは常連さんに迷惑かけたくないからとのこと。もちろんマスコミの取材もNG。「駅に着いて電話してくれれば席を取っときますよ」と人気店にもかかわらず偉ぶったところはない。
猛暑の始めに客足は一旦落ちるが、8月になると回復するらしい。夏バテ解消に串揚げも悪くない。
串カツのでめ金
東京都新宿区西新宿1-15-9 第二オムニクスビル1階
03-3346-1508
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2010年07月03日
[ジークレフ](吉祥寺)
ちょっと気取ってティーサロン
「コーヒーにしますか、紅茶にしますか?」食後に必ず聞かれる台詞だが、紅茶と答える人は殆んど居ない。我が家のウェッジウッドのティーポットはオーストラリア在勤中にちょっと活躍した程度で、帰国して20年近く箱の中で眠ったままだ。

吉祥寺を歩いていて紅茶専門店を見つけた。考えもなくフラフラと入ってしまった。子どもの頃、コーヒーはカウボーイ達が飲むもの、紅茶はイギリスの高貴な女性が飲むものと思っていた。今もそのイメージを引きずっている気がする。
ジークレフは銀髪のイメージを満たしてくれるような店である。年配の夫婦が無言で同じ空気を共有している。中年女性二人の話し方は囁きのようだ。メニューを開くとダージリンの種類の多さに驚いた。紅茶を産地から直輸入しているだけある。
のんびりした口調で紅茶の説明をしてくれるお嬢さん(といっても店員だが)に倣って、柔らかな口調で注文した。さしずめイギリス紳士といったところだ。お嬢さんは来たときと同じ速度でゆっくりと席を離れて行った。

沈黙を楽しめないのは貧しい性格だ。「昔、ロンドン勤務が長いことを鼻にかけている上司がね、飛行機で気取って紅茶を頼んだんだって。どんな種類があるかスチュワーデスに聞いたら、イングリッシュ・ブレックファストがあると答えたんだってさ。そしたらその上司は朝ごはんは食べて来たと怒ったんだって。馬鹿だねー、ガッハッハッ!」先輩から聞いた話を得意気に話して、笑って、ちょっと反省した。再び柔らかな空気が我々を覆う。
4~5人のグループがドアを開けた。詰めれば入れないこともない。長時間本を読んでいる客は退場を促されても良さそうだ。しかし、お嬢さんは何度も頭を下げ、グループは去って行った。結局、ティーポットにお湯を足してもらいながら1時間以上居た。
店がある路地を出て、東急百貨店の裏の道に入ると人ごみに前を遮られた。息せき切って時間が流れ出したような感じがした。
ティーサロンジークレフ (TEA SALON Gclef)
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-8-4
0422-26-9239
http://www.gclef.co.jp/
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2010年06月16日
[ももんじや](両国)
とっても美味しいももんじ

「もゝんじや」両国橋を渡って最初に看板を見た時は、「も」の次の点に気付かず、「や」の字は小文字と思った。「こんなところにもんじゃ焼き屋がある」と思ったものだ。何回か近くを通るうちに店の正面にいのししがぶら下がっていることに気がついた。看板の文字も正確に読んだ。それ以来、ずっと行きたいと思いながら機会はなかなか訪れなかった。
先日、六本木のまたぎに行って思い出した。好き嫌いがない3人を誘って初訪問がかなった。ももんじとは百獣から発した言葉だという。正しい屋号は「ももんじや・豊田屋」で創業は享保3年(1718年)の老舗である。

猪の肉が入った煮込みのお通しからスタート。猪鍋は2人前だけ頼み、色んな料理を食べることにした。猪肉は最低でも15分以上は煮た方がいいとのこと。火を通すと一度固くなり煮込まれて柔らかくなる。我慢できずに箸を伸ばす不心得者がいて、仕方なく野菜や豆腐は許した。後で追加すればいい。

味噌を加える江戸風すき焼きは新宿御苑前のみの家、人形町の大和でも食べたが、この店の味付けは頗る美味い。京都の赤みそと名古屋八丁味噌をブレンドするそうだが、これには参った。

猪肉が食べごろになるまでに熊のソース焼き、鹿の刺身、猪のソース焼きを頼んだ。鹿はこれまで食べた中で最高の美味。自家製ソースはすき焼きのタレに負けず劣らず美味い。このソースなら素材を選ばないかもしれない。

鍋の猪肉が食べごろになった。鍋もソース焼きもロース肉。ヒレ肉を焼いてみたらどうだろうと思う。もちろんすぐに追加した。これにはみんな唸った。猪肉を馬鹿にしてはいけない。

うどんを食べて満腹だが、残った汁がもったいない。おじやにして食べ尽くした。日本酒にこだわる銀髪も老舗の料理には熱燗で満足することにした。9代目の美しい女将が食事に華を添えてくれたのも楽しかった。帳場に座るのは8代目の女将だろうか。
調理場は2世代の大将が頑張るファミリービジネス。冬場になると予約が取れなくなるらしい。今は冷凍肉だが、却って肉質が安定しており、当たり外れがないそうだ。ももんじと侮るなかれ。最初に不味いものを食べたら嫌いになるものだが、初体験の連れの3人は本当に幸せである。
客が少ない夏場が狙い目だ。行くべし!
ももんじや
東京都墨田区両国1-10-2 両国橋東畔
03-3631-5596
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2010年04月09日
[たつみ 宇田川町店](渋谷)
デジャブ?

デジャブ(既視感)だろうかと一瞬立ちすくんだ。カウンターの中の料理人を見たことがあるような気がする。店内を見回す。絶対に初めてのはずだ。座ってメニューを見て気がついた。「向こうの店で会いましたよね?」と言うと、料理人が笑顔で頷いた。以前行ったたつみの支店だったのだ。

支店であればシステムも同じ。ストップするまで揚げてくれる串揚げ屋が多いが、たつみはオーダーした分だけ揚げてくれる。どの串も揚げる時間は短いので慌てることはない。2本ずつ頼んで様子を見て、また頼む。

最初は肉ものを2本。次は野菜物。そして魚介類へと進む。

「マヨネーズはつけないでいいよ」野菜と魚介にはマヨネーズをつけるのが決まりのようだ。串揚げはどんな素材も食べやすいのが長所、逆にどんなものでも同じような味になるのが短所。どれもマヨネーズ味では飽きてくる。

「ばくだんって何?」料理でばくだんと言えば納豆を使ったものが思い浮かぶ。なんでも混ぜこぜにするイメージもある。しかし、たつみのばくだんはシンプルなゆで卵をひき肉で包んだもの。うずらの卵を使ったスコッチエッグと思えばいい。

料理人は本店と宇田川店を行き来しているにもかかわらず、今回も偶然一緒になった。何かの縁かもしれない。2度目なのにもう何度も会ったいるような気になるから不思議だ。そうなると、本店より美味しく感じてしまう。本当に不思議なもんだ。
四季の串 たつみ 宇田川町店
東京都渋谷区宇田川町33-10 J+RサイドJビル B1
03-3462-5977
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2010年02月07日
[柳橋食堂](福岡)
昼食は市場で

11時を少し回ったばかり。多くの店はまだ開いていない。「天神か中洲まで歩こう」ということになった。部下に連れられて歩いていると、見覚えのある建物が目に入った。渡辺通りのホテルニューオータニ、銀髪が泊まったホテルだ。突然、行き先の変更を告げた。部下はちょっと不満そうだ。
ニューオータニから歩いて数分のところに柳橋商店街がある。魚市場には食堂があるはずだと思った。商店街入り口の地図を見ると食堂は2軒ある。もつ屋は夜だけの営業。開いていたもう1軒は魚屋兼惣菜屋の2階にあった。何を食べるか迷っていると、ウニやイクラが乗った豪華版ではなく650円の海鮮丼を奨めてくれた。ついでにふぐの唐揚げを頼んだ。

2階に上がり、テーブルを指定されると、そこには既に料理が3皿並んでいた。そのテーブルの客がトイレにでも行っているのかと思ったら、これはサービスだと言うので驚いた。海鮮丼がやってくるまでビールの肴にした。ふぐの唐揚げは頼む必要がなかったかもしれない。


650円の海鮮丼は思った以上に立派だ。さすが市場の食堂である。色んな魚の切れ端が盛られている感じだが、なかなか美味い。12時前にもかかわらず客がたくさんいるのも頷ける。市場を見学して、昼飯を食べて帰る旅行者も多そうだ。営業時間は11時から4時まで。夜にやっていないのが残念だ。
腹一杯になって、市場を見て回った。お腹が空いていたら揚げ立てのさつま揚げを買ってしまったことだろう。博多に住んでいたならば鯨の尾の身に財布が開いたに違いない。何よりも異彩を放っていたのがふぐ。3kg以上の大物が何匹も寝そべっていた。並べられた白子も巨大だ。誘惑に抗するのが大変だった。
料理をしない部下はつまらなそうにしていたけれど、柳橋商店街は思いのほか楽しかった。
柳橋食堂
福岡県福岡市中央区春吉1-10
092-761-1811
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2009年12月19日
元祖 天むす
津名物?それとも名古屋?

津駅周辺でランチをすることになった。三重県には伊勢えびや松阪牛など高級料理をイメージする素材があるが、津となるとピンと来るものがない。仕方なく駅前のビルの中にある全国チェーン店で津とは直接結びつかない料理を食べて駅に向った。
切符を買い、改札を抜けたところで天むすの売店に気がついた。前に来たときも首を傾げたことを思い出した。「どうして名古屋名物を津で売っているのだろうか?」
腹一杯のお腹をさすって逡巡した。「食べ切れなきゃ、捨てればいいや」と自分を納得させた。
名古屋行きの特急に乗り込みビニール袋から天むすの包みを取り出した。包装紙の中には見慣れた文字「めいふつ 天むす 千寿」に加えて「元祖」の文字が輝く。竹皮を開くとアルミホイル、これを開くと一口で食べるには微妙な大きさのおむすびが5個ときゃらふ(ふきの佃煮)。名古屋の天むすは海老の天ぷらがおむすびから顔を出していたはず。

渋る部下に1個あげた。いや、食べてもらった。名古屋の天むすと同様にほんわりと温かい。中には小さな海老の天ぷら。名古屋の天むすと比較したいところだが、あやふやになっている味の記憶では公正さに欠ける。「腹一杯なのに食べられたので、美味しいんじゃないですか」と部下は言う。残すつもりが銀髪も4個すべてを食べ切った。天ぷらだけでなく、ご飯や海苔も美味しかったからだ。

初代が発明したエピソードが一緒なので、津の千寿が発祥で元祖なのは間違いないようだ。名古屋名物味噌煮込みうどんの山本屋本店と総本家のように、全国では正統性を巡っていがみ合っている店が多い。3代目が小さな店を細々とやっている津の千寿に対して、名古屋の千寿は支店を出すなど隆盛で元祖を凌駕している。しかし、ホームページを見ても、両者が喧嘩しているようには見えない。
名古屋駅で降りたら、改札近くの売店で天むすが売られていた。対抗心をむき出しにしないのがなかなか好ましい津の千寿である。
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2009年12月17日
[農家の台所](新宿三丁目)
この店はなかなかいい

数週間前、飛び込みで行ったら断られたので今度は予約の電話をした。入店時間は1時間毎になっているようだ。エレベーターを降りると左の入り口に案内された。野菜売り場を通ってレストランに入るシステム。思ったとおり女性が多い。銀髪が最年長かと思ったら、奥の座敷におばさまが4人居た。

「初めてですか?」大学生と思われる女性店員が聞く。3,800円、4,800円、5,800円の3コースがあり、それぞれに野菜、魚、肉の比率が4:3:3、6:2:2、10:0:0の3種類あると説明してくれた。銀髪には5,800円の10:0:0、連れには4,800円の4:3:3を選んだ。分け合って食べれば10種類以上の料理が楽しめる。

前菜代わりに食べるのはサラダバーで。好きなものを何度でも取りに行ける。籠に入っているものを取ろうとすると、野菜を切っている女性が生食用の春菊などを盛ってくれた。お代わりを食べ終わったところでコース料理が始まった。下の写真左側が10:0:0、右が4:3:3の料理である。


野菜だけのコースには野菜の天ぷら、コロッケと揚げ物が2種類ある。以前、似たような店で生野菜ばかり食べて閉口したことがある。途中で揚げ物を食べた時の幸福感が忘れられない。農家の台所はよく考えている。我々を担当してくれた女性をつかまえて「美味しいね」と言うと、満面に笑みを浮かべる。アルバイトが料理に自信を持ち、楽しく働いている店が悪いはずがない。


「私の方が美味しいですね」野菜、魚、肉を4:3:3の割合にしたコースはバランスが良く、懐石料理に通じるものがあるので食べやすい。大きな黒い塊がデンと乗っかった銀髪のメインディッシュを見て、連れは勝利を確信したかのようだ。「勝負は下駄を履くまで分からないよ。なぜ野菜尽くしの方が高いか考えなきゃ」と銀髪は余裕である。

銀髪の料理を一口食べて連れが目を剥いた。黒色をしたキャベツは見た目は悪いが、口に含むとトリュフの濃厚な香りが広がる。一口でいいと言ったくせに、半分近く強奪された。

最後はムラサキ米で満腹になった。それでも身体は軽く感じるから不思議だ。翌朝、しっかりお腹が空いて、朝ごはんが美味しかった。しかし空腹感がおさまったのは昼にラーメンを食べた後。焼肉屋が恋しくなった。
農家の台所
東京都新宿区新宿3-5-3 高山ランド会館4F
03-3226-4831
http://www.noukanodaidokoro.com
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2009年10月12日
[三福](水天宮)
夜の一人飯が楽しいかも

思ったよりきれいな外観にちょっと戸惑った。壁には手書きのメニューが掛けられている。中に入ってみると想像通りの小ささ、古さでホッとした。60歳前後の男性客が3人、テーブルで食べていた。スピードを落とした身のこなしのお父さんが料理を運び、機敏に動くあ母さんがカウンターの中で料理する。

日替わり500円の内訳はメニューのとおり。店内にも同じメニューがかかっている。追加の一品料理はすべて100円。同じ料金ならどれが得だろうと考えてしまう浅ましさ。先客のテーブルを盗み見ると2~4品取るのが適当のようだが、初めてなのでさばみそ一品だけ注文した。

炊き込みごはんは曜日によって決まっている。この日はあさりごはん。注文してから食べ始めるまでセルフサービスの店より速い。銀髪からしたらお父さん、お母さんというべきだが、お袋と言うよりお婆ちゃんの料理、味だ。
「イヤー、美味しいね。またメタボになっちゃうよ」と一番大きな先客が褒め称える。常連でも近くの職場ではないようだ。社用車でやってきたような立派な紳士である。メタボは三福のせいではないことは誰が見ても明らかだ。お父さんが返答しようとすると、カウンターからのお母さんの声が先に届く。
食べ終わった3人がそれぞれ勘定をする。お父さんが100円玉を握りしめている。みんな心得たもので「俺は2枚」「俺は1枚」などと助け舟を出す。釣り銭を出す方も、もらう方も簡単である。
3人と入れ替わって1人客が入って来た。銀髪も食べ終わって立ち上がると、お父さんは手の中の100円玉を数え始める。「4枚ね」と言うと、お父さんは慌てて100円玉を補充するために背を向けた。「ありがとうございました。またお願いします」と言われてその気になった。常連だけが気分がいい店ではない。
今度はカウンターに座って、のんびりと酒を飲みたいものだ。いや、その前に、一人暮らしのお袋のところにメシでも食いに行こうかな。
家庭料理 三福
東京都中央区日本橋蛎殻町2-4-1
03-3808-0886
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2009年09月24日
[麓屋](新宿西口)
なんでもあり。新感覚の蕎麦屋さん

京王プラザホテル正面のドアを入ったところで年配のホテルマンに声をかけた。「麓屋へはどうやって行くのですか?」彼はすぐさまベルボーイを呼んで、我々を案内するように指図した。さすが一流ホテル。エスカレーターを降り、一度ホテルを出て、店の中まで連れて行ってくれた。日本でもチップをあげるべきだったかもしれない。
テーブル上に銀髪の名を記したネームプレートが置かれていた。蕎麦屋とは思えないような雰囲気、アレンジ、なかなか洒落ている。若い店員がプロフェッショナルに見えないのがご愛嬌か。面白そうな料理を注文しようとすると「それは量が少ないからやめた方がいいですよ」とアドバイスしてくれる。
本日の燻製盛合せ、海の幸 にぎやかサラダ

燻製に合わせてワインを飲むことにした。グラスにたっぷり注いでくれるのが嬉しい。追加オーダーを店員に告げているところにサラダがやってきた。若い店員がしきりに奨めてくれた理由がよく分かった。追加オーダーをキャンセルしようとしたが、そのまま通すことにした。よく見ると野菜が海の幸を持ち上げている。
フランス産チーズと蕎麦粉パンのメルバ添え、豚のスペアリブ麓屋風

白ワインの次に純米酒を頼んだ。料理が和洋折中なので飲み物もルールを無視した。スペアリブが出てきて最後にチーズのつもりだったが意表を突かれた。幸いスペアリブもほぼ同時にやってきたのでチーズは横に置いた。ペースを乱されたため写真を撮り忘れ、スペアリブを動かしてしまった。もっときれいに盛り付けられていたのでご容赦を。柔らかくてなかなか美味しかった。
チーズの説明はしてくれなかった。銀髪も説明を求めることはしないで、赤ワインをオーダーした。ビール→白ワイン→日本酒→赤ワインと進んだのでちょっと酔った。最後にそばを食べる気持ちは萎えていた。
ホームページには「固定概念にとらわれず、和・洋・中の素材と技法を大胆に組みあわせ、麓屋流とでもいうべき新感覚の料理をお出ししてまいります。」とある。料理だけでなく酒の品揃えや高級そうでカジュアルなサービスまでも新感覚。一流ホテル直営のレストランと異なり、ちょっと抜けているのが気分を楽にさせてくれる。そこまで意図していないかもしれないが、なかなか面白い店だった。
麓屋
東京都新宿区西新宿2-2-1 京王プラザ1F
03-3344-2885
http://www.fumotoya.com/
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2009年09月20日
鯨の尾の身
めちゃくちゃ美味い尾の身

久し振りに築地に行った。世田谷成城学園駅近くの自宅から自転車に乗って50分で築地に到着、7時過ぎに築地場内に入った。店仕舞いするまでには時間がたっぷりある。場内を端から端まで回った。築地に来たら必ず立ち寄るのが鯨専門店。運が良ければ近海で獲れた生肉が手に入る。
残念ながら生肉はなかった。南氷洋の調査捕鯨による冷凍ものばかり。しかし、中央にポツンと置かれた塊肉に目を奪われて動くことが出来なくなった。サシが入った肉と「イワシ鯨 尾肉」の文字が交互に目に飛び込んで来る。

「これ、いくらですか?」と聞いたら「27,500円!」と言う。「一個?」と問いただすと「なに言ってんだい。築地はキロだよキロ売り!」と鼻で笑われた。そんなことは百も承知だ。右の小さい肉が1キロぐらいかと思ったのだ。量ってもらったら銀髪の思ったとおり。しかし1キロはとても買えない。
諦めて去ろうとしたら「好きなだけ切ってあげるよ」と引き止める。「このぐらい?」包丁があてられた場所は肉のほぼ真ん中。冗談じゃない、13,000円も払えない。4分の1ぐらいのところを示されて頷いた。包丁を一気に入れてくれたはいいけれど、下に行くほど厚くなった。250gのつもりが300gを超えており、8,000円も払うことになった。切ってもらった後では断れない。
調査捕鯨で一番獲れるのはミンククジラで体長は約8メートル、重さは13~14トン。一番口にすることが多い鯨だ。イワシクジラは約15メートル、25トンと大きい。脂の乗りもミンククジラより良くなる。黒ずんでいるのがミンククジラ、赤身のきれいなのがイワシクジラとの説明だった。赤身と比較したら尾の身の美しさが際立つ。

さすがに尾の身は好評だった。驚いたことに牛肉やマグロではサシの入ったものを敬遠するパートナー殿がパクパク食べる。触ると脂がスーと手につくほどの肉にもかかわらずだ。子供の頃は尾の身でもよく食卓に上ったものだったが、商業捕鯨が禁止になってから鯨肉は高級になってしまった。80歳を超えた母は、それでも昔の方が美味しかったと言う。イワシクジラよりもっと大型の生の鯨肉であれば、その美味しさは容易に想像できる。
300gの一部は母におすそ分けした。残りを3人で食べるには量が少なすぎた。「もういいの?」と聞いたらアッと言う間に箸が伸びてきた。銀髪に福はなかった。
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2009年09月19日
[Lounge H]
本当に隠れ家的なレストラン

日本橋から早足で歩いた。住所は銀座だが、昭和通りを越えるのでイメージ的には東銀座だ。まだ6時半なのにオフィスビルの1階には人影もない。
「オーイ!何してんだよー」ビルのフロア案内板を見て途方に暮れている友人に声をかけた。既に赤ら顔をしている。高級レストランがある分かりやすいビルなので、同窓会の案内状もろくに見ないで来たらしい。「オー、助かったよ!」と銀髪と気付いて声を上げる。案内板には確かにレストランの名前はない。
酔っ払いと一緒にエレベーターを13階で降りた。広々とした店内に客は数えるほどしかいない。夜景がきれいな店にもかかわらず、「会費4,000円程度」は何かの間違いではないかと思っていたが、そのからくりがほぼ分かった。



ビール、ワイン、日本酒、焼酎、ウーロン茶。飲み放題では酒のレベルの文句は言えない。どうせ近況報告が終わり、昔話になれば酒の味など分からなくなる。酒の肴は既に充分になっているのに、幹事はまだ料理を追加すると言う。料理はコースではなく、彼が適当にオーダーしているようだ。

腹一杯飲み食いして一人4,000円でもお釣りが来た。帰りは幹事に誘導されて裏口からビルを出た。数年前までブリジストン本社の地下で飲み食いしたことを思い出した。社員限定の食堂も多いが、決まりごとさえ守れば社外の人でも利用できるところが少なくない。この日のラウンジも基本的にはビルのテナント向けの施設だが、一般にも開放しているようだ。
「夜景がきれいな格安の店」として紹介しようと思ったが、幹事から銀髪グルメ紀行に住所や電話番号は載せないでくれと言われた。文章の中からどこにあるか読み取ってもらうしかない。わかるかな?
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2009年09月17日
[ビアホールライオン 銀座七丁目店](銀座)
さすが110年の王

「肉はダメだぞ!」と命じたら部下が選んだ店は銀座ライオンの総本山七丁目店。メタボ軍団の部下たちに相応しい店とも思えないが、先日行ったばっかりの渋谷店と比べるのもいいだろうと思い承諾した。
さすがに歴史のあるビヤホールは重厚で風格がある。天井の高い立派な大ホールに粗末な椅子やテーブルが意外と合っているから面白い。サッポロ生ビール黒ラベル、エビス樽生、琥珀エビス、エビス・ザ・ブラック、白穂乃香、エーデルピルスなど各人好きなビールを頼む。


「肉以外にも料理はいろいろありますから」と言った我が社のメタボ頭が頼んだのは目を疑うものばかり。看板料理のローストビーフが一番ましに見えたが、売れ行きはよくなかった。


他のメタボたちも負けていない。一斉に頼むからテーブルに乗り切らないぐらいに料理がやってくる。テーブルのスペースを空けるには出ている料理を腹にぶち込むしかない。メタボへ真っしぐらだ。
ビールに飽きてワインや酒を飲む者も出てきた。僅かながら選択肢があるので飲み放題よりましだろう。そもそもメタボ軍団の飲み会は1時間超で終るので、2時間の飲み放題は無駄だ。

にしんのマリネを喜んで食べるのは最年長の健康優良社員のみ。健康診断の評価を見るまでもなく、食べるものと健康度は比例する。不健康な連中は、好きなものを食べて飲んで、煙草も吸って病に倒れても思い残すことはないだろう。もっとも、健康に気をつけても無病でぽっくり死ねるわけでもないから難しい。自由に飲み食いできなくなる前に楽しみたいと思うのも一理ある。
勘定をしたら渋谷の飲み放題コースと値段はほぼ一緒。満足度は比べるのもばかばかしいほど明らか。満足してくれたのはいいけれど、メタボたちが「明日から減量するぞ!」と言うのがチャンチャラ可笑しかった。
銀座ライオン 銀座七丁目店
東京都中央区銀座7-9-20
03-3571-2590
http://r.gnavi.co.jp/g131800/
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2009年09月14日
[ブラッスリー銀座ライオン](渋谷マークシティ)
飲み放題はお得かな?

中学の同級生が集まる飲み会は、いつもの下北沢ではなく渋谷で催されることになった。仲間の一人が割引券を持っていたためだ。店員とすれ違って個室に入ると、集合時間の数分前にもかかわらずまだ半数が来ていない。
「時間通りに始めるってよ!」先ほどの若い店員に宣告されたらしく、仲間の一人が憮然とした表情をしている。幸い5分程度でほぼ全員が揃った。2時間制限のロスは最小限に止まったかに思えたが、ビールが来るのに更に5分ほどかかった。これはアンフェアだ。
前菜3種盛合せ、本日のカルパッチョ(タコ)

ようやくピッチャーに入ったビールが来たが、ジョッキを満たしていくと全員に行き渡らない。更にトラブル発生!グラスの一つが割れている。店員が10分だけ寛大だったら済んだのに、厳格すぎるとこちらも寛大ではなくなる。それでも人間は忘れることができる素晴らしい能力を持っている。すぐに仲間との会話に没頭した。
シーザーサラダ、鶏の半羽揚げ・ソーセージ&ポテト添え

それにしてもビールが飲めなくなったものだ。若い頃はビアガーデンに行ったら特大ジョッキを何度もお代わりし、トイレを往復してはまた飲んだものだ。ビールは早々にお役ゴメンとなり、みんなワインや日本酒に乗り換えた。
ミックスピザ、おつまみ塩焼きそば

料理は1時間を経過したところで全て出てきた。つまみなしの時間ができるのではないかと心配したが杞憂だった。女性もいるので大皿料理を食べ尽くすまでにはいかなかった。全員が50代で食が細くなったせいかもしれない。それでも、もし取り合いになるほど美味しい料理だったらどうなっていたかは分からない。さすが歴史あるライオングループだけある。上手に計算されている。
お腹が空いていたので、銀髪は割り当て分をしっかり食べた。赤ワインもたらふく飲んだのでちょっと酔っ払った。翌日用事があったので2次会は失礼した。電車に乗っている間に酔いがさめた。家に帰って晩ご飯の残り物でビールを飲んだ。早く帰ると飲んでしまう。どうせなら2次会で飲むべきだったかもしれない。
ブラッスリー銀座ライオン 渋谷マークシティ店
東京都渋谷区道玄坂1-12-5 渋谷マークシティウエスト4F
03-5428-3612
http://www.ginzalion.jp
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2009年09月12日
[スエヒロのお弁当]
350円のお弁当
9月7日の日本経済新聞「クイックサーベイ」はなかなか興味深い内容だった。職場で“お弁党”が急速に勢力を拡大、昼食は家から持参した弁当組が35%もいるとのこと。コンビニ弁当など買って食べる人を加えればなんと60%がお弁党らしい。
定食屋で食べて、喫茶店でコーヒーなんていうのは少数派になりつつある。弁当と飲料でワンコインが昼食の常識ということであれば、スエヒロは実に強い味方である。
随分前のことだが、日本橋三越を背に中央通りを渡って路地裏を歩いていたら弁当屋を見つけた。銀座スエヒロが350円の弁当を売っているとは知らなかった。
コンビニと比較するにはトンカツ弁当がいい。コンビニ弁当より安くて、味も悪くない。量が少なめのような気もするが、銀髪には腹八分目でちょうどいい。数日後、人気のドライカレー弁当を買ってみた。My唐辛子をかけて食べたらとても美味しくなった。

看板商品はすきやき弁当らしい。500円と聞いてすごく高く感じるから不思議だ。牛肉の下にうどんが敷いてあるものの、薄切り肉が9枚(多分)と豪華だ。

弁当に貼られた紙に製造者はスエヒロ食品株式会社と書いてある。かつては高級店として君臨したスエヒロと関係あるのだろうか。疑問に思って調べてみた。スエヒロの前身は1909年に大阪の堂島に開業した洋食屋「弘得社」で、1930年にビフテキのスエヒロとなる。その後、全国に関連会社が出来上がる。スエヒロ会の東京地区メンバーは株式会社スエヒロ、銀座4丁目のスエヒロ商事株式会社、新宿のスエヒロフーズ株式会社、そして銀座6丁目のスエヒロ食品会社である。
子供の頃、何かのお祝いで家族揃って新橋のスエヒロに行き、ステーキに感動したことが忘れられない。窓から見下ろすと、芸者さんを乗せた人力車がまさに動こうとしていた。スエヒロのファミリーレストランを見たときにも驚いたが、350円の弁当にはもっと驚いた。
350円弁当は世界同時不況の前からあり、最近始めたわけではないらしい。今度は先見性があったのかもしれない。350円の弁当にもスエヒロ100周年の誇りが反映されているに違いない。
スエヒロ弁当
東京都中央区日本橋室町1-10-9
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2009年08月11日
[GDF KITCHEN](渋谷)
串揚げでワイン

GDFとは串揚げを意味するガストロノミック・ディープ・フライの頭文字を取ったとのこと。名前のとおり確かに気取った感じの店だが、洋風串揚げ屋の方が分かりやすい。若者でも安心価格で食べられる店となれば尚更である。
リーズナブルなワインを10種類以上グラスで用意しているのも嬉しい。寿司屋でワインを飲ませる店はたくさんあるが、意外に少ないのがワインを前面に打ち出した串揚げ屋。寿司や刺身よりもワインは揚げ物との相性がいい。
海老、茄子素揚げ、たまねぎ、牛肉

ワインを注いでくれた女性店員、料理を出してくれた男性店員、名札を見ると珍しい名前なので話しのきっかけを作りやすい。みんな素朴で優しい若者たちだ。夢を語る目は輝いている。ギャルソンが颯爽としている店よりもずっと寛げる。
鱧、ニョッキ、太刀魚、らっきょう入りカレーメンチカツ、たこ

海老や牛肉以外はどれも変わっている。イタリア料理定番のニョッキを揚げるなど遊び心が満ちている。創作の責任者である店長に「新しいものを作り出すのは面白くてしようがないでしょ」と言うと、照れているような、自慢しているような、不思議な表情をした。
甘辛唐辛子、じゅんさいと柚子ジュレ、帆立、アスパラの生ハム乗せ

アスパラが出てきたところでストップした。「後は何が出るの?」と聞いたら次が稚鮎、その次がバームクーヘンだと言う。稚児というより赤子のような鮎。ちゃんとたで酢をかけて出てきたので笑ってしまった。バームクーヘンは断った。みんながストップしそうなところにデザート代わりの甘味を配したのも店長のアイデアだろうか。
稚鮎、アイスクリーム、お茶

大きな冷凍庫が32種類もの揚げ物をリーズナブルに提供できる秘訣だろう。「次に来るときは途中から再スタートしていいですか?」と聞いたら、それは出来ないと言う。各串には当然のことながら原価の違い(=利益率の差)がある。いいとこ取りは許されない。32種類全部食べた人もいるそうだが、銀髪は永遠に出来そうもない。
寿司屋は世界中に広がった。しかし、天ぷら屋や焼鳥屋などの専門店はあまり見かけない。GDFキッチンは串揚げ屋の可能性を教えてくれた。職人がいらない分、多店舗展開もできそうに思える。
GDF KITCHEN
東京都渋谷区道玄坂2-6-4
03-5459-3794
http://gdfkitchen.JP
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2009年06月24日
[日本橋二丁目ダイニング]②(日本橋)
夜も嬉しい野菜、野菜

「なかなか点数高いよ!」とランチで紹介した日本橋二丁目ダイニングに、夜行った。今度は狭い螺旋階段を降りても微塵の不安もない。事前に電話で予約を入れたものの、思ったとおり客はまばらだった。
お通し、本日の産直野菜サラダ

壁際のテーブルに座ると、カウンターとは違う景色だ。野菜の生産者などを書いた張り紙が間近に見える。メニューを見るよりも店に任した方が良さそうだ。女性オーナーとその妹のシェフ、昼間にもいた従業員、女性だけの店はアットホームな雰囲気である。
玉ねぎの丸ごとロースト、元祖魚肉ソーセージ復刻版愛媛生まれ

銀座コルザでも食べた玉ねぎ丸ごとのオーブン焼き。調理時間は約30分とのこと。銀座コルザでは8時間焼いたと言われたが、一杯食わされたのかもしれない。
壁に貼られた大きな赤いポスターに惹かれて頼んだソーセージ。1949年に愛媛県で生まれたアジ100%の魚肉ソーセージの復刻版。なかなか面白い→http://store.shopping.yahoo.co.jp/rikaryo/zeppin-gyoniku-sausage-4.html
玉ズッキーニ

玉のズッキーニは初めて見た。素揚げにしてくれた。色や形は違っても、味はやはりズッキーニだ。
「儲かっていますか?」と入店早々失礼なことを言ってしまったが、店内はほぼ満席になってきた。いい食材を集めれば仕入れ値は上がり、利鞘は薄くなる。「頑張ってるね!」
意外なことにこの日は女性客より男性客の方が多かった。メタボの客が殆どいないのも分かるような気がする。健康に気をつかっているからここに来る。ここに来るからますます健康になる。
自家製ピクルス、千歳ラム工房のフレンチラック

最後に北海道産のラムを食べた。もちろん肉も魚もあり、野菜同様のこだわりを持っている。バランス良く食べることが何より大切である。
夜の日本橋二丁目ダイニングはいい店だった。オーナーの村上さんの名刺を見ると、店名の他に会社の名前が書かれていた。「食養生」の社名を見ればオーナーの思いも良く分かる。メタボに悩む人は毎日通ってもいい。毎日一人で食事をする人にもお奨めの店である。
日本橋二丁目ダイニング
東京都中央区日本橋2-15-3 B1F
03-3274-6776
http://yoshokuya.exblog.jp
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2009年03月15日
[鎌倉山](横浜)
箸で食べる洋食?

土地勘のないところでレストランを探すのは難しい。ネットやグルメ雑誌を頼っても、一種の賭けであることは間違いない。大きなビルにある有名店が無難な選択である。鎌倉山は赤坂店や玉川高島屋店に行ったことがあるので、料理にも馴染みがあった。
鎌倉山は値段が高いというイメージが強い。特に赤坂店では最高クラスのコースと高級ワインをご馳走になったので、かなり恐縮した。ところが今回ホームページでランチはそれほど敷居が高くないと知って使うことにした。29階からの絶景を擁するゆったりとした個室は居心地がいい。

鎌倉山の看板料理は言うまでもなくローストビーフであるが、前菜となる魚介類が好きという人も多いだろう。生食が苦手な人にとっては鎌倉山は辛いに違いない。魚介類も肉も火を通した方が美味しいと思う。しかし、せっかくの新鮮な素材を焼いてしまうのはいかにももったいない。

生食が嫌いな人にはローストビーフはまたしても苦痛である。鮮やかな色のローストビーフを焼いて欲しいと言われたら、今度は料理人が悲しくなってしまうだろう。銀髪は料理人がベストと思う焼き方で問題ない。もっとも、ソースをかけるところでダメ出しをしてしまう。軽く塩胡椒を足して、ホースラディッシュをつける。イングリッシュマスタードもいい。シンプルな味が好きだ。
新鮮な魚介類の刺身が和食なら、和牛を使った生肉のようなローストビーフは洋風、そして最後のデザートになると完全な西洋料理になる。ケーキ好きの女性や甘党の人は狂喜するだろう。「好き嫌いしちゃダメですよ!」と言っていた銀髪がケーキを前にして途端に元気がなくなる。
みんながワインを遠慮してくれたので比較的割安のランチとなった。昼間の接待にはいい店である。
ローストビーフの店 鎌倉山 横浜スカイビル店
神奈川県横浜市西区高島2-19-12 スカイビル29F
045-442-0600
http://www.roastbeef.jp
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2009年03月14日
[ゲンカツ](銀座)
意外と美味しいキムカツ

キムカツはキムタクとかキムニイと関係があるのかと思っていた。実際は希望と夢でキムらしい。豚の薄切りを重ねた豚カツは八重洲の豚カツ屋でミルフィーユカツの名で出ていた。辛党の銀髪にはミルフィーユの意味が分からず、ただただ興味本位で頼んだら不味かった。それ以来、この種の豚カツは避けてきた。
ゲンカツがキムカツの店とは知らないで入ってしまった。2002年にスタートしたキムカツは何故か2006年からゲンカツという店名に転換し始めた。商号の問題でも起こったのだろうか。いつの間にか、キムカツが料理名として一般に認知されてしまったからなのだろうか。

6種類の中からプレーン、黒胡椒、チーズの3品盛合せを頼んだ。薄切り肉を25枚重ねたというキムカツは、八重洲の豚カツ屋で食べたものとはまったく別物で、意外と美味しかった。3種の中では特に黒胡椒がいい。
余った薄切り肉を重ねてボリュームを出したトンカツの代用品のイメージが強かったが、普通の豚カツと充分渡り合える料理に仕上がっている。その代わり料金もゲンカツ膳 (ゲンカツ・キャベツ・炊きたてご飯・お味噌汁・香の物付)が1,950円と立派である。

安くあげようと思ったらゲンカツ丼がいい。卵とじではなく温泉卵が乗ってくる。デザートもついて1,300円とお手頃である。タレにくぐらせず、揚げたままの状態でごはんに乗っけてくれたらもっといいが、まあ好みだろう。
どの家庭でも余った薄切り肉を数枚重ねた豚カツを、お弁当のおかずなどにしたことがあるはずだが、25枚も重ねて商品化したのは立派。色んなものがはさめるので、種類も豊富に出来る。料理名も全国的に認知されているのなら、大したものである。
ゲンカツ 銀座店
東京都中央区銀座4-6-18 銀座アクトビル3F
03-3567-1129
http://genkatsu.com
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2009年03月13日
[串音](渋谷)
お洒落な串揚げ屋

エレベーターに乗るまでは、9階にあるバーに行くつもりだった。ところが降りたのは5階、串揚げ屋さんになってしまった。デリタワー8階には以前書いた瓜もある。さほど大きくないビルだが、洒落た店が集まっている。
店に入ると左にカウンター、奥にテーブル席がある。瓜によく似た造りだ。他の串揚げ屋と同様にお任せで揚げてもらい、お腹が一杯になったところでストップする。
野菜、もずく、たら、ささみ

定番の野菜のお通しをかじっていると、すぐに揚げ物2品が目の前に現れた。串揚げは待たされる時間がなくていい。
こんにゃく、えび、アスパラの豚バラ巻き、栗とムラサキ芋

「嫌いなものはありませんか?」と言われて勢いよく「ありません」と笑ったのがまずかった。特大のアスパラと一緒に出てきたのが甘い栗と芋。苦手の甘いものも、何とか食べきった。連れは絶賛している。
たらの芽、ローストビーフ、豚とろ、わかさぎ

春到来を思わせるたらの芽。冬と共に去っていくわかさぎ。天ぷらではよく口にするたらの芽も、フライで食べるのは初めてだった。
蓮根肉詰め、甲いかのウニ乗せ、牛バラと菜の花、蟹と海老しそ巻き

立派な冷蔵庫がある割りに日本酒の品揃えが少ない。疑問をぶつけると、冷蔵庫の主はワインとのこと。揚げ物には日本酒よりワインが合うかもしれない。
揚げると食材の個性が薄れてしまうが、何でも美味しく感じる。カリッと揚げ立てはいくらでも食べられそうで危険だ。
串揚げダイニング 串音
東京都渋谷区道玄坂2-23-13 渋谷デリタワー5F
03-5941-7594
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2009年02月18日
[amber garretアンバー・ギャレット](渋谷)
大人の店でビールの飲み比べ

レストランの印をつけた地図を片手に渋谷の街を歩く。既に30店のうち13店に行った。今日はワインでも飲みたい気分なので片仮名の店名を選んだ。でも何の店だったか思い出せない。
行きつ戻りつして袖看板で探すのを諦めた。ビルの名前を見つけてエレベーターに乗り込む。7階で降りてもレストランとは思えない不思議な空間である。和食が並んだメニューを見て印をつけた理由を思い出した。隠れ家的な大人の店という触れ込みだった。
ごま豆腐、外国産ビール、イベリコ豚肩ロースのたたき

カウンターの上にはたくさんの洋酒が並ぶ。「まずビール」のつもりでイギリスの黒ビールとドイツビールを飲む。ドイツビールが美味くてビールの飲み比べをすることにした。初めて食べたイベリコ豚の生肉がおいしい。口に入れると脂身が溶ける。
大根と豚肉の甘辛煮、コレナイ豚のしょうが焼き

和食の店らしくお奨めは甘辛煮。「コレナイってどこのこと?」イベリコ豚の連想から地名と思ったコレナイとはコレステロールが少ないの意味で千葉産の豚肉のこと。これには笑った。お陰で説明してくれたマネジャーの福地さんと話すきっかけが出来た。
ビール2種、銀杏のバター焼き

ベルギー産のマルールは何とアルコール度が10%もある。スペイン産のクルーズカンポは日本のビールのようにすっきり飲みやすい。
色んなビールがあるのに驚かされる。福地さんはビールが好きなのでついついビールの品揃えが良くなると笑う。デザートビールなるものも数種類あり、リンデマンス・ペシェリーゼ・ランビック(ピーチ)を飲んでみたら甘い甘い。しかめっ面をしたらみんなに笑われた。
余程ひどい顔をしていたのか福地さんがカールスバーグの生ビールをサービスしてくれた。久し振りにビールをたくさん飲んだ。ビールが苦手という女性が多いけれど、アンバーに来れば好きなビールが見つかるかもしれない。
でも、やっぱりビールはほどほどにした方がいい。腹が膨らんで料亭仕込みの美味しい料理を食べられなくなってしまう。
新和食ダイニング amber garretアンバー・ギャレット
東京都渋谷区宇田川町17-1 渋谷ブラザービル7F
03-3770-8987
http://www.amber-g.jp/
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2008年11月09日
明治神宮
伝統の式には変わらぬ親子の愛情

神楽殿に入ると「おめでとうございます」と挨拶された。「?」と思ったがすぐに自分の格好に気がついた。親族の控室に向かう男が礼服に白いネクタイなら挨拶の言葉は簡単だ。主役の家族に会うと今度はこちらが「おめでとうございます」と言う。乱発される「おめでとう」はいつも笑顔とセットである。
新郎と新婦を言い間違えて皆の笑いを誘った。厳粛な親族紹介の場ではジョークを封印するつもりが、結果オーライになった。「式は既に始まっています。私語は慎むように」と係のおばさんに睨まれながら神殿に向かった。
大きな赤い傘を掲げられ、境内を主役の二人がゆっくり歩く。参拝に来た人たちがカメラを向ける。外国人観光客が特に喜んでいる。銀髪も背筋を伸ばし、胸を張って歩く。美しい姪っ子の後方に冴えないおやじが写っては申し訳ない。

披露宴が行われる明治神宮記念館に移動した。新郎新婦の友人たちが加わり、より華やかに場が盛り上がってきた。挨拶も余興も期待されない銀髪はただ食べるだけ、飲むだけである。

次々に料理が運ばれてくる。入れ歯の調子が悪い母の料理には細かく切れ目が入っている。気遣いができる賢く優しい姪っ子が事前に頼んでいたようだ。
一流の結婚式場、ホテルで行われる披露宴の食事は良く出来ているが、どんなに頑張っても壇上の主役には敵わない。

これまでたくさんの披露宴に出席した。似た様な式次第だがそれぞれに個性がある。両親、親族、友人たちを見れば新郎新婦の人となりが良く分かる。

宴もクライマックスに近づいた。姪っ子が手紙を読む。我が兄のくだりは泣けた。泣きそうな、それでいて笑っているような兄が格好良く、映画「花嫁の父」のスペンサー・トレーシーを思い出した。エリザベス・テーラーも綺麗だったなー。
しかしあれはいかん。我が娘には絶対に感謝の手紙なんぞ読まないように約束させなければならない。たくさんの人に涙顔を見せるのは辛い。感謝は結婚したときでなく、時々ボソッと言ってもらう方が嬉しい。
明治神宮
http://www.meijikinenkan.gr.jp/jingukyosiki/index.htm
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2008年10月01日
[踊子](ホノルル)
疲れた時は日本食

「日本食にしよう!」と言ったらパートナー殿は驚いた顔をした。いつもは「日本食は日本で、海外では現地の食事を」と頑張る銀髪が、自ら日本食を食べたいと言ったのは初めてのことである。
ホノルルセンチュリーライドで160kmを走り、夜は馬鹿でかいステーキを食べようと計画していた。ところが胃の中は空っぽのはずなのに、食欲が湧かないのだ。「イタリアンはどう?」と言われても気が向かない。どんなにいい物を食べても美味しいと思えそうもない。
ハイアットリージェンシーホテル裏の踊子に行った。今年が創業から36年という老舗日本料理店だ。ビールとすぐに来るという料理の中からキムチを頼んだ。後で来ると思ったカルフォルニアロールもすぐにやってきた。

ビールをお代わりした。水分をどんなに摂ってもトイレに行きたいとは思わない。日本酒に移ろうか迷ったが、ひからびた身体と値段を考慮してビールを続けることにした。輸入品はさすがに高い。「魚は地のものですか?」と聞いたら「本土から」と言う。「本土?」と聞き返した。アメリカ本土の意味で日本のことではなかった。。

海鮮盛り合わせ($37.95)は立派である。ロブスターも、蟹も茹でたてなのだろうか温かい。身は簡単に殻から抜き出せて食べやすかった。食べていくうちに食欲が出てきたような気がした。疲れた身体には日本食がやさしくていい。

最後に踊子ロールを食べた。マグロ、サケ、イカ、アボガドなどが入って華やかなのが名前の由来らしい。満腹ではないがこの程度でおひらきにすることにした。勘定を終えても、客はまだまだ入ってくる。朝6時から夜12時までがレストランの営業時間だが、ラウンジは深夜までやっているそうだ。
ホテルに帰ってすぐ寝るつもりが、結局12時頃まで眠くならなかった。レース展開はほぼ予想通りだったが、その後次々と不思議な現象が起こる。人体のメカニズムはどうなっているのだろう。
「来年もセンチュリーライドに出るの?」と聞かれて即座に「もう来ない」と答えた。「オリンピック選手みたいね」と言われてうまいことを言うなと感心した。大きなイベントが終った直後に次のことなど誰も考えられない。昼食後の満腹のときに「今晩は何を食べる?」と言われても何も思いつかないのと同じだ。
いずれにしても、海外どこでも日本食が食べられるのは有難い。やっぱり日本人だなー
ワイキキ キングス・ビレッジ内
2400 Koa Avenue
Honolulu, Hawaii 96815 USA
(808) 923-7368
http://www.odorikohawaii.com/
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2008年09月23日
[甘味 おかめ](有楽町)
大きなおはぎ

半年前、おはぎを買おうと思って近くの「おかめ」に行ったら閉店していた。入り口に麹町に移転したと書いてある。麹町まで買いに行く気はしないので、日本橋高島屋で他社のおはぎを買ってお茶を濁した。
「麹町に移転したんだよね」と部下に話したら「有楽町にありますよ」と言う。そんなはずはないと言い争ったが部下は間違っていなかった。甘党の彼に勝てるはずはない。
秋の彼岸が近づいて、再びおかめのことを思い出した。ネットで有楽町のおかめを検索したらイトシアプラザ1Fと交通会館B1の2箇所にある。どちらに行くか迷った。
交通会館の方は随分と昔からある店のようだ。部下が言った「有楽町の店」かどうか分からないのでイトシアの方も見に行くことにした。結局、イトシア店で買った。店頭に置いてあった名刺を見たら、有楽町店(イトシアプラザ)、交通会館、麹町店の3店の住所が書いてある。このときようやく3店が同じ系列だと分かった。

「大きなおはぎ」の印象が強かったせいか、店頭で見たときは思っていたより小さく見えて拍子抜けした。家に持って帰って開くとやはり大きい。あらためて持ち上げてみるとずっしりと重く感じた。家族に聞くと普通の倍ぐらいあると言う。大きなおはぎを買った甲斐があった。

右のごまおはぎは餡が中に入っているため一回り大きい。餡が少ない分、こちらの方が銀髪には食べやすかった。
昔、母が作ってくれたおはぎはもっと大きかったイメージがあるが、おかめと同じぐらいだったかもしれない。子供だったから巨大に思えたのだろう。ビデオカメラなどなかった時代だから、誰も証明することはできない。
しかし、明確な映像がないだけに、甘く哀愁を帯びた思い出になる。永久に答が出ないので、議論が沸騰するのも楽しい。
子供の頃、物差しでおはぎの大きさを測らなくて本当に良かった。
おかめ
有楽町店
東京都千代田区有楽町2-7-1 イトシアプラザ1F
麹町店
東京都千代田区麹町 フェルテ麹町1-7 1F
交通会館店
東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1
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2008年09月10日
[FUGA(風雅)](新宿歌舞伎町)
夜景がきれいなレストラン

「プリンスホテルの25階の店はどう?」と聞くと「あそこは古くて雰囲気が良くない」と言われた。新宿プリンスホテルの30周年に合わせて2006年12月にリニューアルオープンしたことを知らないようだ。
「プリンスホテルの25階を予約しました」とゲストに告げると、「品川?赤坂?」と聞かれた。確かにプリンスホテルと言って新宿と思う人は少ないだろう。しかも洗練されていないイメージがつきまとう。
昔来たことがある人も、ダサいイメージに囚われていた人も、席で待っている銀髪を見つけて口々に驚きの言葉を並べる。「ここはフレンチ?イタリアン?」の質問に首を振るとまた驚く。西新宿の高層ビルの夜景が美しく、ジャズの流れる店内では勘違いするのも無理はない。
お通し、白身魚のカルパッチョ

春巻、出し巻き玉子

中華料理や洋食の要素も取り入れているが、メニューは和食中心である。寿司カウンターもある。もっとも、和食なら日本酒にこだわる銀髪ですら、店の雰囲気に負けてシャンパンやワインを頼みたくなる。
鶏西京焼き、鴨の治部煮

治部煮までの5品はメニューリニューアル記念で半額だった。一皿ずつ頼もうとしたら「4人なので二皿ずつ頼んだ方がいい」と店員が言う。半額なら量も少ないかと思い素直に従ったが、しっかり量があったのでかなりお腹が一杯になってしまった。
串カツ、蟹炒飯

「正規料金のものをもっと頼むつもりだったのに、損しちゃったね」とソムリエバッジが光る店員に言ったら、「せっかく安いのですから、遠慮なく半額の料理をご利用ください」と笑顔で応える寛容さだった。
夜景が美しいレストランなのに、カップルは2組くらいしかいない。ホテルに宿泊している男同士や接待風の客の方が目に付く。それでも、席は3分の1も埋まっていない。隠れ家的というか、穴場というか、とても静かないい日、いい店だった。
メニューリニューアル記念は9月15日まで。いき損っても2~3ヶ月でメニューが入れ替わるそうだから、要チェックである。半額で楽しめる期間が年に数回あるはずだ。
勘定を払い、天空から地上に戻った。西武新宿駅に流れ込む人の群れ、きらびやかに散らばる飲食店や風俗店。一気に歌舞伎町の現実に引き戻された。一瞬戸惑うものの、すぐに溶け込んでしまう。活気に溢れた猥雑な歌舞伎町も悪くない。
和風ダイニング&バー FUGA(風雅)
東京都新宿区歌舞伎町1-30-1 新宿プリンスホテル25階
03-3205-1111
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2008年09月09日
[町家酒房 DEN 原宿](神宮前)
場所良し、酒良し、料理良し、雰囲気良し

神宮前の交差点でタクシーを降りてぐるりと見回し、鼻をひくつかせる。どこに連れて行かれるのだろうと同行者が不安に思う瞬間だ。一軒目、交差点のすぐそばにある店の前で立ち止まり、メニューをパラパラとめくった。すぐに地下への階段に足を踏み入れ驚かせた。いい加減に決めたように見えただろう。
薄暗がりの向こうにゆったりとしたテーブル席とカウンターが見える。店頭にあったメニューには様々な料理が書かれていたのに、バーのような雰囲気はちょっと意外だった。カウンターにはサントリーのウイスキーと、サントリーが輸入しているスコッチが並ぶ。「サントリー系列の店ですか?」とバーテンダーに聞くと、当たりだった。
ずわい蟹とキノコDEN風サラダ、戻りカツオのカルパッチョ

プレミアムモルツの黒生ビールが美味い。料理はバーのおつまみの域を超えている。奥のテーブル席で鍋料理を楽しんでいるカップルがいる。入り口近くのテーブルでは真剣な表情の男二人が軽いつまみで飲みながらヒソヒソ話をしている。込み入った仕事の話だろうか。
ネギトロの京風湯葉巻き、霜降り豚トロの古代塩焼き

京風ダイニングと謳う店の人気料理がネギトロの京風湯葉巻き。山芋がシャリッとしていいアクセントになっている。4品の中で一番美味しかった。
ゆったりとした大人の雰囲気の割にはリーズナブルな店である。ボトルワインもそれほど高くない。気分のいい食事が最後の勘定で乱されることはなさそうだ。

食事が終ってもお楽しみはこれからだ。目の前の「The Owner’s Cask 」が、銀髪にウインクをしている。混ぜ物なしのシングルカスクだけに、アルコール度数は61%。高度数を感じさせないまろやかさはストレートで飲まなければ分からない。
チーフバーテンダーの石塚さんとの会話も楽しい。他の客のために石塚さんがカクテルを作り始めた。シェーカーを振り終えたところで「もう少し背を伸ばして、ときどき頭の高さまで手を振り上げたらカッコいいですよ」と余計なことを言ってしまった。「素人が何を言う!」と怒られるところだが、石塚さんは汗を拭き拭き照れたような顔をする。
調子に乗って「バーテンダーの一番の見せ場だから、石塚さん目当ての女の子がカウンター一杯になるように鏡の前で練習したらいい」と勝手に動く困った口である。61%はやはりきいているようだ。
年中無休。週の初めは客も比較的少なくてゆっくりできる。カップルでも男同士でも使える店だ。
京風ダイニング 町家酒房 DEN
東京都渋谷区神宮前4-30-3 ティーズ原宿B1F
03-5775-3786
http://www.gnavi.co.jp/myu
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2008年06月28日
[木都里亭](溜池山王)
健康保険組合の料理屋

飲み放題付きの食べ放題が何と3,000円。鯛の活き造りや一匹丸ごとの香草焼がデーンと構える。刺身、オードブルなど前菜類が豊富にある。

別のコーナーでは料理人がサービスしてくれる。しゃぶしゃぶ、天ぷら、寄せ鍋、ビーフシチューもある。


安かろう悪かろうではない。素材も味も悪くない。これなら絶対お奨めだと言いたいところだが、誰でも行ける訳ではない。関東ITソフトウェア健康保険組合の被保険者やその扶養者のための保養施設なのだ。
この組合は(社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会を設立母体として昭和61年に設立された。大企業を含め福利厚生施設を売却したりする組合が多いのに、さすがに新しい業界は勢いがある。
数十年前になるが、以前勤めていた会社の保養(宿泊)施設を何度か利用した。まだ若かったので、食堂で一緒になるのは年上ばかり。大企業なので面識はないけれど、いつか直属の上司になるかもしれない人を前にして気疲れしたものだ。
もっと嫌だったのは施設の管理人(兼料理人)の横柄さ。彼らも社員なので、若い人に偉そうにしたがる。もちろん素晴らしい管理人が殆どだが、嫌な奴に当たったら悲劇だ。
関東ITソフトウェア健康保険組合には約5,500社が加盟しているというから、大企業の組合と様子が違うようだ。同じ会社の人と鉢合わせすることは滅多にない。羨ましい限りだ。
一般人でも木都里亭を利用する方法はある。被保険者と一緒に行けば1,000円増しで楽しめる。
他にも似たようなところがあるはずだ。探してみよう。持つべきものは友達だ。
木都里亭
東京都港区赤坂2-5-6 山王健保会館
03-5570-1803
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2008年06月04日
[串亭](代々木)
代々木を忘れてもらっては困る

渋谷→原宿→新宿。料理屋を探すとき何故か代々木は飛ばしてしまう。串亭の住所は渋谷区代々木なのに、新宿代々木店と新宿の名前が入って独り立ちできない。可愛そうな代々木さんだ。
代々木駅を降りて西にしばらく歩くと左手に串亭が見える。カウンターは余裕ある席の配置で心地よい。代々木の立地のなせるわざか。女性も好みそうなきれいな店だ。奥にグループ向けのテーブル席がある。接客係の男性店員の応対が素晴らしい。オーナーではないかと勘違いするほどだった。
お通し(野菜スティック、まめあじ煮こごり)

他の串揚げ屋と同様に、順番に揚げてもらってお腹が一杯になったところでストップする。最初のアスパラの大きさにびっくりした。お通しとアスパラでかなりお腹が膨らむ。
アスパラ

嫌いなものと特に食べたい物はスタート前に申告する。嫌いなものはないので、食べたいものフォアグラ、蓮根肉詰、稚鮎を指定した。フォアグラと稚鮎は280円の高級品。カレー味の蓮根肉詰は安い230円。串揚げの値段は原則2種類。
フォアグラ、蓮根肉詰、稚鮎

フォアグラのフライは初めて食べた。ソテーが一番なのは変わりないが、これも悪くない。稚鮎のフライも初めて。腹の苦味は天ぷらや塩焼きと変わらない。

ほたて、えびしそ、きす、子持ち(ししゃも)こんにゃく、いか、ささにら(鶏ササミとにら)、さわら大根
2串ずつ、食べ終わる頃合をみはからって出て来るので、思った以上に食べた。新宿の立吉や串の坊ほど種類は多くないが、どうせ全種類食べられるわけではないので適当だ。
串揚げ以外のメニューもそこそこあるし、女性好みの飲み物も充実している。
「串の房より上だよ!」と言うと、店員も料理人も嬉しそうだった。女性には間違いなく串亭の方が落ち着くだろう。
実は一番気に入ったのは野菜スティックに付いて来た肉味噌。日本酒によく合う。お通しがいい店は悪くない、というのも銀髪が店を評価する重要なポイントである。
代々木も捨てたものではない。
串亭 新宿代々木店
東京都渋谷区代々木1-53-4 田尻ビル1F
03-5304-8723
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2008年05月10日
[和のリゾートはず](愛知県蒲郡市西浦温泉)
GWの家族サービスは温泉へ

今日、明日はのんびりとゴールデンウイーク(GW)の疲れを癒しているお父さんたちが多いだろう。銀髪のGWは例年妻の実家豊橋に行くことになっている。今回は3日の朝5時に世田谷の自宅を出て、休憩時間を入れて約6時間かけて豊橋に着いた。
高速道路での渋滞情報を聞きながら不思議に思った。確かに東京を出てから渋滞に巻き込まれたが、渋滞中でも時速30~40㎞は出ていた。殆ど車が動かない渋滞と同一視できない。
渋滞は距離ではなく通過時間を重視するべきだと痛感した。テレビのニュースは距離重視である。距離の方が大袈裟に伝えられて、「ざまあみろ!」と視聴者を喜ばせることが出来る。
翌日、家族と義理の父母は豊橋から車で西浦温泉に向かった。銀髪一人、自転車で先に家を出た。途中、ラグーン蒲郡という遊園地・ショッピングモールがある。車なら時間帯によっては1㎞を1時間以上かけてやっと入場できるところを自転車ですり抜ける心地よさ、優越感に浸った

温泉に入って、部屋で食事となった。大食堂では味気ないが、部屋で食べるには追加料金がかかる。どこの旅館でも当たり前になったシステムだが、人手不足、コスト削減の前には致し方ない。
品数を並べるのが旅館の常。食べ切れないかと思ったが、意外としっかり腹に収まった。豊橋から自転車で走ったお陰もあるが、他のみんなも殆ど残さず食べているところを見ると、遅い朝食の後に何も食べなかったのが良かったみたいだ。

一人一匹ついてくる渡り蟹は人気がなかった。剥くのが面倒くさいので、頑張ろうとしない。腹ペコだったら意地でも食い尽くすだろうが、食料難も叫ばれる中、もったいない話である。
老いた両親がどのぐらい喜んでくれたか定かではない。大きくなった二人の娘はいつまでこんな旅行に付き合ってくれるだろうか。来年も全員揃うかどうか、予想するのは難しい。
和のリゾートはづ
愛知県蒲郡市西浦町大山17-1
0533-58-1811
http://www.hazu.co.jp/wahazu
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2008年04月20日
今西の奈良漬
本物の奈良漬

昼飯時、「美味しい店がありますよ」と言う部下に従って近鉄奈良駅周辺を歩いた。ところが彼の記憶は曖昧で店が発見できない。行ったり来たりしていたら、立派な造りの店の前に出た。

オーラに引きつけられて店に入る。店内を見渡し、ガラスケースの中を覗いていたら、自信満々の中年女性店員につかまってしまった。「本当の奈良漬を作っているのはうちだけです」と胸を張る。他店のものはまがい物か中国製だと一蹴するのは大胆に過ぎると思うが、堂々とした風格に気圧されて信じてしまう。「女将さんですか?」と聞くと大きく頷いた。
店のパンフレットを読むと、「元祖製造元として江戸末期に開店、味淋粕は用いず、ましてや人工甘味・人工着色・合成保存料等は一切使用せず、最低でも3年、最長13年もの間酒粕に漬け込むと」とある。女将の顔を思い出すと、他店を皮肉っているように思える。
刻み奈良漬

食べやすく刻んである630円のものを買った。他に瓜小袋ときゅうり、西瓜、なすが入った小袋など土産用に買った。由緒正しき逸品でも1,000円前後で買えるのがいい。
今西の奈良漬は他店のものに比べると黒色で味がきつい。大酒飲みならともかく普通の人は食べる大きさに切って冷蔵庫で3~5日置いてから食べるように言われた。女将に銀髪がいかに大酒飲みかを説明した。我ながら馬鹿なことを言うと反省していたら「それなら切ってすぐ食べても大丈夫」と太鼓判を押された。ここで得意気になるからまたいけない。

奈良漬が大好物と言う母にお土産を届けた。それから数日経っても感想を言って来ない。1週間後に母の家に行ったら「高級品は口に合わない」と言う。話を聞いたらあれほど説明したにもかかわらず、切ってすぐに食べたらしい。冷蔵庫で眠っていたものを取り出して食べさせたら「あら、美味しい」。
今西の奈良漬は市販のものとまったく別物と思った方がいい。奈良漬はあまり好きではなかったが、今西の奈良漬はいい酒の肴になるので気に入った。
女将の自信満々の顔が目に浮かんだ。
元祖純正奈良漬
奈良県奈良市上三条町31番地
0742-22-2415
投稿者 銀髪 : 固定リンク
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