2008年11月09日

明治神宮

伝統の式には変わらぬ親子の愛情


神楽殿に入ると「おめでとうございます」と挨拶された。「?」と思ったがすぐに自分の格好に気がついた。親族の控室に向かう男が礼服に白いネクタイなら挨拶の言葉は簡単だ。主役の家族に会うと今度はこちらが「おめでとうございます」と言う。乱発される「おめでとう」はいつも笑顔とセットである。

新郎と新婦を言い間違えて皆の笑いを誘った。厳粛な親族紹介の場ではジョークを封印するつもりが、結果オーライになった。「式は既に始まっています。私語は慎むように」と係のおばさんに睨まれながら神殿に向かった。

大きな赤い傘を掲げられ、境内を主役の二人がゆっくり歩く。参拝に来た人たちがカメラを向ける。外国人観光客が特に喜んでいる。銀髪も背筋を伸ばし、胸を張って歩く。美しい姪っ子の後方に冴えないおやじが写っては申し訳ない。

披露宴が行われる明治神宮記念館に移動した。新郎新婦の友人たちが加わり、より華やかに場が盛り上がってきた。挨拶も余興も期待されない銀髪はただ食べるだけ、飲むだけである。

次々に料理が運ばれてくる。入れ歯の調子が悪い母の料理には細かく切れ目が入っている。気遣いができる賢く優しい姪っ子が事前に頼んでいたようだ。

一流の結婚式場、ホテルで行われる披露宴の食事は良く出来ているが、どんなに頑張っても壇上の主役には敵わない。

これまでたくさんの披露宴に出席した。似た様な式次第だがそれぞれに個性がある。両親、親族、友人たちを見れば新郎新婦の人となりが良く分かる。

宴もクライマックスに近づいた。姪っ子が手紙を読む。我が兄のくだりは泣けた。泣きそうな、それでいて笑っているような兄が格好良く、映画「花嫁の父」のスペンサー・トレーシーを思い出した。エリザベス・テーラーも綺麗だったなー。

しかしあれはいかん。我が娘には絶対に感謝の手紙なんぞ読まないように約束させなければならない。たくさんの人に涙顔を見せるのは辛い。感謝は結婚したときでなく、時々ボソッと言ってもらう方が嬉しい。

明治神宮
http://www.meijikinenkan.gr.jp/jingukyosiki/index.htm

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2008年10月01日

[踊子](ホノルル)

疲れた時は日本食


「日本食にしよう!」と言ったらパートナー殿は驚いた顔をした。いつもは「日本食は日本で、海外では現地の食事を」と頑張る銀髪が、自ら日本食を食べたいと言ったのは初めてのことである。

ホノルルセンチュリーライドで160kmを走り、夜は馬鹿でかいステーキを食べようと計画していた。ところが胃の中は空っぽのはずなのに、食欲が湧かないのだ。「イタリアンはどう?」と言われても気が向かない。どんなにいい物を食べても美味しいと思えそうもない。

ハイアットリージェンシーホテル裏の踊子に行った。今年が創業から36年という老舗日本料理店だ。ビールとすぐに来るという料理の中からキムチを頼んだ。後で来ると思ったカルフォルニアロールもすぐにやってきた。

ビールをお代わりした。水分をどんなに摂ってもトイレに行きたいとは思わない。日本酒に移ろうか迷ったが、ひからびた身体と値段を考慮してビールを続けることにした。輸入品はさすがに高い。「魚は地のものですか?」と聞いたら「本土から」と言う。「本土?」と聞き返した。アメリカ本土の意味で日本のことではなかった。。

海鮮盛り合わせ($37.95)は立派である。ロブスターも、蟹も茹でたてなのだろうか温かい。身は簡単に殻から抜き出せて食べやすかった。食べていくうちに食欲が出てきたような気がした。疲れた身体には日本食がやさしくていい。

最後に踊子ロールを食べた。マグロ、サケ、イカ、アボガドなどが入って華やかなのが名前の由来らしい。満腹ではないがこの程度でおひらきにすることにした。勘定を終えても、客はまだまだ入ってくる。朝6時から夜12時までがレストランの営業時間だが、ラウンジは深夜までやっているそうだ。

ホテルに帰ってすぐ寝るつもりが、結局12時頃まで眠くならなかった。レース展開はほぼ予想通りだったが、その後次々と不思議な現象が起こる。人体のメカニズムはどうなっているのだろう。

「来年もセンチュリーライドに出るの?」と聞かれて即座に「もう来ない」と答えた。「オリンピック選手みたいね」と言われてうまいことを言うなと感心した。大きなイベントが終った直後に次のことなど誰も考えられない。昼食後の満腹のときに「今晩は何を食べる?」と言われても何も思いつかないのと同じだ。

いずれにしても、海外どこでも日本食が食べられるのは有難い。やっぱり日本人だなー

ワイキキ キングス・ビレッジ内
2400 Koa Avenue
Honolulu, Hawaii 96815 USA
(808) 923-7368
http://www.odorikohawaii.com/

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2008年09月23日

[甘味 おかめ](有楽町)

大きなおはぎ

半年前、おはぎを買おうと思って近くの「おかめ」に行ったら閉店していた。入り口に麹町に移転したと書いてある。麹町まで買いに行く気はしないので、日本橋高島屋で他社のおはぎを買ってお茶を濁した。

「麹町に移転したんだよね」と部下に話したら「有楽町にありますよ」と言う。そんなはずはないと言い争ったが部下は間違っていなかった。甘党の彼に勝てるはずはない。
秋の彼岸が近づいて、再びおかめのことを思い出した。ネットで有楽町のおかめを検索したらイトシアプラザ1Fと交通会館B1の2箇所にある。どちらに行くか迷った。

交通会館の方は随分と昔からある店のようだ。部下が言った「有楽町の店」かどうか分からないのでイトシアの方も見に行くことにした。結局、イトシア店で買った。店頭に置いてあった名刺を見たら、有楽町店(イトシアプラザ)、交通会館、麹町店の3店の住所が書いてある。このときようやく3店が同じ系列だと分かった。

「大きなおはぎ」の印象が強かったせいか、店頭で見たときは思っていたより小さく見えて拍子抜けした。家に持って帰って開くとやはり大きい。あらためて持ち上げてみるとずっしりと重く感じた。家族に聞くと普通の倍ぐらいあると言う。大きなおはぎを買った甲斐があった。

右のごまおはぎは餡が中に入っているため一回り大きい。餡が少ない分、こちらの方が銀髪には食べやすかった。

昔、母が作ってくれたおはぎはもっと大きかったイメージがあるが、おかめと同じぐらいだったかもしれない。子供だったから巨大に思えたのだろう。ビデオカメラなどなかった時代だから、誰も証明することはできない。
しかし、明確な映像がないだけに、甘く哀愁を帯びた思い出になる。永久に答が出ないので、議論が沸騰するのも楽しい。

子供の頃、物差しでおはぎの大きさを測らなくて本当に良かった。


おかめ
有楽町店
東京都千代田区有楽町2-7-1 イトシアプラザ1F

麹町店
東京都千代田区麹町 フェルテ麹町1-7 1F

交通会館店
東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1

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2008年09月10日

[FUGA(風雅)](新宿歌舞伎町)

夜景がきれいなレストラン


「プリンスホテルの25階の店はどう?」と聞くと「あそこは古くて雰囲気が良くない」と言われた。新宿プリンスホテルの30周年に合わせて2006年12月にリニューアルオープンしたことを知らないようだ。

「プリンスホテルの25階を予約しました」とゲストに告げると、「品川?赤坂?」と聞かれた。確かにプリンスホテルと言って新宿と思う人は少ないだろう。しかも洗練されていないイメージがつきまとう。

昔来たことがある人も、ダサいイメージに囚われていた人も、席で待っている銀髪を見つけて口々に驚きの言葉を並べる。「ここはフレンチ?イタリアン?」の質問に首を振るとまた驚く。西新宿の高層ビルの夜景が美しく、ジャズの流れる店内では勘違いするのも無理はない。

お通し、白身魚のカルパッチョ

春巻、出し巻き玉子

中華料理や洋食の要素も取り入れているが、メニューは和食中心である。寿司カウンターもある。もっとも、和食なら日本酒にこだわる銀髪ですら、店の雰囲気に負けてシャンパンやワインを頼みたくなる。

鶏西京焼き、鴨の治部煮

治部煮までの5品はメニューリニューアル記念で半額だった。一皿ずつ頼もうとしたら「4人なので二皿ずつ頼んだ方がいい」と店員が言う。半額なら量も少ないかと思い素直に従ったが、しっかり量があったのでかなりお腹が一杯になってしまった。

串カツ、蟹炒飯

「正規料金のものをもっと頼むつもりだったのに、損しちゃったね」とソムリエバッジが光る店員に言ったら、「せっかく安いのですから、遠慮なく半額の料理をご利用ください」と笑顔で応える寛容さだった。

夜景が美しいレストランなのに、カップルは2組くらいしかいない。ホテルに宿泊している男同士や接待風の客の方が目に付く。それでも、席は3分の1も埋まっていない。隠れ家的というか、穴場というか、とても静かないい日、いい店だった。
メニューリニューアル記念は9月15日まで。いき損っても2~3ヶ月でメニューが入れ替わるそうだから、要チェックである。半額で楽しめる期間が年に数回あるはずだ。

勘定を払い、天空から地上に戻った。西武新宿駅に流れ込む人の群れ、きらびやかに散らばる飲食店や風俗店。一気に歌舞伎町の現実に引き戻された。一瞬戸惑うものの、すぐに溶け込んでしまう。活気に溢れた猥雑な歌舞伎町も悪くない。


和風ダイニング&バー FUGA(風雅)
東京都新宿区歌舞伎町1-30-1 新宿プリンスホテル25階
03-3205-1111

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2008年09月09日

[町家酒房 DEN 原宿](神宮前)

場所良し、酒良し、料理良し、雰囲気良し


神宮前の交差点でタクシーを降りてぐるりと見回し、鼻をひくつかせる。どこに連れて行かれるのだろうと同行者が不安に思う瞬間だ。一軒目、交差点のすぐそばにある店の前で立ち止まり、メニューをパラパラとめくった。すぐに地下への階段に足を踏み入れ驚かせた。いい加減に決めたように見えただろう。

薄暗がりの向こうにゆったりとしたテーブル席とカウンターが見える。店頭にあったメニューには様々な料理が書かれていたのに、バーのような雰囲気はちょっと意外だった。カウンターにはサントリーのウイスキーと、サントリーが輸入しているスコッチが並ぶ。「サントリー系列の店ですか?」とバーテンダーに聞くと、当たりだった。

ずわい蟹とキノコDEN風サラダ、戻りカツオのカルパッチョ

プレミアムモルツの黒生ビールが美味い。料理はバーのおつまみの域を超えている。奥のテーブル席で鍋料理を楽しんでいるカップルがいる。入り口近くのテーブルでは真剣な表情の男二人が軽いつまみで飲みながらヒソヒソ話をしている。込み入った仕事の話だろうか。

ネギトロの京風湯葉巻き、霜降り豚トロの古代塩焼き

京風ダイニングと謳う店の人気料理がネギトロの京風湯葉巻き。山芋がシャリッとしていいアクセントになっている。4品の中で一番美味しかった。

ゆったりとした大人の雰囲気の割にはリーズナブルな店である。ボトルワインもそれほど高くない。気分のいい食事が最後の勘定で乱されることはなさそうだ。

食事が終ってもお楽しみはこれからだ。目の前の「The Owner’s Cask 」が、銀髪にウインクをしている。混ぜ物なしのシングルカスクだけに、アルコール度数は61%。高度数を感じさせないまろやかさはストレートで飲まなければ分からない。

チーフバーテンダーの石塚さんとの会話も楽しい。他の客のために石塚さんがカクテルを作り始めた。シェーカーを振り終えたところで「もう少し背を伸ばして、ときどき頭の高さまで手を振り上げたらカッコいいですよ」と余計なことを言ってしまった。「素人が何を言う!」と怒られるところだが、石塚さんは汗を拭き拭き照れたような顔をする。

調子に乗って「バーテンダーの一番の見せ場だから、石塚さん目当ての女の子がカウンター一杯になるように鏡の前で練習したらいい」と勝手に動く困った口である。61%はやはりきいているようだ。

年中無休。週の初めは客も比較的少なくてゆっくりできる。カップルでも男同士でも使える店だ。

京風ダイニング 町家酒房 DEN
東京都渋谷区神宮前4-30-3 ティーズ原宿B1F
03-5775-3786
http://www.gnavi.co.jp/myu

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2008年06月28日

[木都里亭](溜池山王)

健康保険組合の料理屋


飲み放題付きの食べ放題が何と3,000円。鯛の活き造りや一匹丸ごとの香草焼がデーンと構える。刺身、オードブルなど前菜類が豊富にある。

別のコーナーでは料理人がサービスしてくれる。しゃぶしゃぶ、天ぷら、寄せ鍋、ビーフシチューもある。


安かろう悪かろうではない。素材も味も悪くない。これなら絶対お奨めだと言いたいところだが、誰でも行ける訳ではない。関東ITソフトウェア健康保険組合の被保険者やその扶養者のための保養施設なのだ。

この組合は(社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会を設立母体として昭和61年に設立された。大企業を含め福利厚生施設を売却したりする組合が多いのに、さすがに新しい業界は勢いがある。

数十年前になるが、以前勤めていた会社の保養(宿泊)施設を何度か利用した。まだ若かったので、食堂で一緒になるのは年上ばかり。大企業なので面識はないけれど、いつか直属の上司になるかもしれない人を前にして気疲れしたものだ。
もっと嫌だったのは施設の管理人(兼料理人)の横柄さ。彼らも社員なので、若い人に偉そうにしたがる。もちろん素晴らしい管理人が殆どだが、嫌な奴に当たったら悲劇だ。

関東ITソフトウェア健康保険組合には約5,500社が加盟しているというから、大企業の組合と様子が違うようだ。同じ会社の人と鉢合わせすることは滅多にない。羨ましい限りだ。
一般人でも木都里亭を利用する方法はある。被保険者と一緒に行けば1,000円増しで楽しめる。

他にも似たようなところがあるはずだ。探してみよう。持つべきものは友達だ。

木都里亭
東京都港区赤坂2-5-6 山王健保会館
03-5570-1803

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2008年06月04日

[串亭](代々木)

代々木を忘れてもらっては困る


渋谷→原宿→新宿。料理屋を探すとき何故か代々木は飛ばしてしまう。串亭の住所は渋谷区代々木なのに、新宿代々木店と新宿の名前が入って独り立ちできない。可愛そうな代々木さんだ。

代々木駅を降りて西にしばらく歩くと左手に串亭が見える。カウンターは余裕ある席の配置で心地よい。代々木の立地のなせるわざか。女性も好みそうなきれいな店だ。奥にグループ向けのテーブル席がある。接客係の男性店員の応対が素晴らしい。オーナーではないかと勘違いするほどだった。

お通し(野菜スティック、まめあじ煮こごり)

他の串揚げ屋と同様に、順番に揚げてもらってお腹が一杯になったところでストップする。最初のアスパラの大きさにびっくりした。お通しとアスパラでかなりお腹が膨らむ。

アスパラ

嫌いなものと特に食べたい物はスタート前に申告する。嫌いなものはないので、食べたいものフォアグラ、蓮根肉詰、稚鮎を指定した。フォアグラと稚鮎は280円の高級品。カレー味の蓮根肉詰は安い230円。串揚げの値段は原則2種類。

フォアグラ、蓮根肉詰、稚鮎

フォアグラのフライは初めて食べた。ソテーが一番なのは変わりないが、これも悪くない。稚鮎のフライも初めて。腹の苦味は天ぷらや塩焼きと変わらない。

ほたて、えびしそ、きす、子持ち(ししゃも)こんにゃく、いか、ささにら(鶏ササミとにら)、さわら大根
2串ずつ、食べ終わる頃合をみはからって出て来るので、思った以上に食べた。新宿の立吉や串の坊ほど種類は多くないが、どうせ全種類食べられるわけではないので適当だ。
串揚げ以外のメニューもそこそこあるし、女性好みの飲み物も充実している。

「串の房より上だよ!」と言うと、店員も料理人も嬉しそうだった。女性には間違いなく串亭の方が落ち着くだろう。

実は一番気に入ったのは野菜スティックに付いて来た肉味噌。日本酒によく合う。お通しがいい店は悪くない、というのも銀髪が店を評価する重要なポイントである。
代々木も捨てたものではない。

串亭 新宿代々木店
東京都渋谷区代々木1-53-4 田尻ビル1F
03-5304-8723

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2008年05月10日

[和のリゾートはず](愛知県蒲郡市西浦温泉)

GWの家族サービスは温泉へ


今日、明日はのんびりとゴールデンウイーク(GW)の疲れを癒しているお父さんたちが多いだろう。銀髪のGWは例年妻の実家豊橋に行くことになっている。今回は3日の朝5時に世田谷の自宅を出て、休憩時間を入れて約6時間かけて豊橋に着いた。

高速道路での渋滞情報を聞きながら不思議に思った。確かに東京を出てから渋滞に巻き込まれたが、渋滞中でも時速30~40㎞は出ていた。殆ど車が動かない渋滞と同一視できない。
渋滞は距離ではなく通過時間を重視するべきだと痛感した。テレビのニュースは距離重視である。距離の方が大袈裟に伝えられて、「ざまあみろ!」と視聴者を喜ばせることが出来る。

翌日、家族と義理の父母は豊橋から車で西浦温泉に向かった。銀髪一人、自転車で先に家を出た。途中、ラグーン蒲郡という遊園地・ショッピングモールがある。車なら時間帯によっては1㎞を1時間以上かけてやっと入場できるところを自転車ですり抜ける心地よさ、優越感に浸った

温泉に入って、部屋で食事となった。大食堂では味気ないが、部屋で食べるには追加料金がかかる。どこの旅館でも当たり前になったシステムだが、人手不足、コスト削減の前には致し方ない。

品数を並べるのが旅館の常。食べ切れないかと思ったが、意外としっかり腹に収まった。豊橋から自転車で走ったお陰もあるが、他のみんなも殆ど残さず食べているところを見ると、遅い朝食の後に何も食べなかったのが良かったみたいだ。

一人一匹ついてくる渡り蟹は人気がなかった。剥くのが面倒くさいので、頑張ろうとしない。腹ペコだったら意地でも食い尽くすだろうが、食料難も叫ばれる中、もったいない話である。

老いた両親がどのぐらい喜んでくれたか定かではない。大きくなった二人の娘はいつまでこんな旅行に付き合ってくれるだろうか。来年も全員揃うかどうか、予想するのは難しい。


和のリゾートはづ
愛知県蒲郡市西浦町大山17-1
0533-58-1811
http://www.hazu.co.jp/wahazu

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2008年04月20日

今西の奈良漬

本物の奈良漬


昼飯時、「美味しい店がありますよ」と言う部下に従って近鉄奈良駅周辺を歩いた。ところが彼の記憶は曖昧で店が発見できない。行ったり来たりしていたら、立派な造りの店の前に出た。

オーラに引きつけられて店に入る。店内を見渡し、ガラスケースの中を覗いていたら、自信満々の中年女性店員につかまってしまった。「本当の奈良漬を作っているのはうちだけです」と胸を張る。他店のものはまがい物か中国製だと一蹴するのは大胆に過ぎると思うが、堂々とした風格に気圧されて信じてしまう。「女将さんですか?」と聞くと大きく頷いた。

店のパンフレットを読むと、「元祖製造元として江戸末期に開店、味淋粕は用いず、ましてや人工甘味・人工着色・合成保存料等は一切使用せず、最低でも3年、最長13年もの間酒粕に漬け込むと」とある。女将の顔を思い出すと、他店を皮肉っているように思える。

刻み奈良漬

食べやすく刻んである630円のものを買った。他に瓜小袋ときゅうり、西瓜、なすが入った小袋など土産用に買った。由緒正しき逸品でも1,000円前後で買えるのがいい。

今西の奈良漬は他店のものに比べると黒色で味がきつい。大酒飲みならともかく普通の人は食べる大きさに切って冷蔵庫で3~5日置いてから食べるように言われた。女将に銀髪がいかに大酒飲みかを説明した。我ながら馬鹿なことを言うと反省していたら「それなら切ってすぐ食べても大丈夫」と太鼓判を押された。ここで得意気になるからまたいけない。

奈良漬が大好物と言う母にお土産を届けた。それから数日経っても感想を言って来ない。1週間後に母の家に行ったら「高級品は口に合わない」と言う。話を聞いたらあれほど説明したにもかかわらず、切ってすぐに食べたらしい。冷蔵庫で眠っていたものを取り出して食べさせたら「あら、美味しい」。

今西の奈良漬は市販のものとまったく別物と思った方がいい。奈良漬はあまり好きではなかったが、今西の奈良漬はいい酒の肴になるので気に入った。

女将の自信満々の顔が目に浮かんだ。


元祖純正奈良漬
奈良県奈良市上三条町31番地
0742-22-2415


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