2006年09月06日

[箱根](日本橋) ハムカツ

味付けは懐かしさ。

日本橋の銀髪の会社周辺には多数の居酒屋がある。グルメ紀行を始める前まではよく行った店も、随分ご無沙汰になっている。箱根もその一つで、特にインパクトのある料理もないと思っていた。先日、出張からの帰社が遅くなった。会社で待ってくれる人もないので、のんびりと歩いていた。何気なく見た「箱根」の窓の向こうに、知った顔を見つけた。

呼び入れられてビールを頼んだ。みんな、大分出来上がっている。遅く来てオーダーすると、彼らのペースを壊すと気遣った。運ばれてくる料理を黙ってつまむことにした。注文をつける権利はない。
今日は、撮るべき料理もないだろうと思っていたらハムカツが出てきた。

懐かしい食べ物だ。約30年前に大学の学食でよく食べた。最初に食べたとき、大好物の豚カツだと思ったら、薄いハムのカツで衝撃を受けた記憶がある。しかし、そのとき初めて食べたのかというと、そうでもない。

ハムカツはコロッケパンなどと並ぶ、味パンの人気商品だった。焼きそばパンはラーメンライスと同様に炭水化物同士の組み合わせで違和感があったが、ハムカツパンは立派なものに思えたから不思議だ。ハムカツとの出会いをもっと遡ることができるだろうか?思い出せない。我が家の食卓に上ったことはなかったと思う。

懐かしくて家で作ったこともある。しかし学食で食べたハムカツとは明らかに違う。ハムの質が良すぎたようだ。そう言えば、子供の頃年末になると大きなハムを一本買っていた。魚肉ソーセージよりはハムらしいが、材料には魚肉や馬肉などが使われているまがい物だったと思う。

本物のハムが普通に家庭の食卓に上るようになったのはいつ頃からだろう。お中元やお歳暮は酒が主流だった我が家では、ハムなどの食べ物が混じっていると大喜び。つまり、本物のハムは盆暮れにしか食べられない高級品だった。

インターネットで調べると、このところハムカツが復活しているようだ。ハムの品質を高めたり、チーズなどを挟んだりして、高級感をウリにするハムカツもあるようだ。
しかし、どのコメントも「昔のあのハムカツの方が美味い!」と結論付けている。今の方が美味いに決まっているが、思い出の味にはかなわない。

しょっぱくて、歯ごたえのないハムでなければ、「懐かしさ」の味付けができない。決してグルメで食べる料理ではないのだから。いまでも学食に行けば、あの頃のハムカツが食べられるのだろうか?
箱根のハムカツはちょっと違う気がしたが、それが何かはよく分からなかった。

そうそう、箱根はハムカツを名物にしているわけではない。他にもたくさん料理があるので誤解のないように。


箱根
東京都中央区日本橋2丁目2-3
03-3278-8060

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2006年08月28日

[赤いクレヨン](下北沢)

なおも餃子の旅は続く。

ムロ、酒洛を出て3人組の一人Nと別れた。3人とも中学の同級生だが、Nは転居したので帰る方向が違う。Sと二人で小田急線に乗ったがまだ帰る気分ではない。下北沢で降りて本日3軒目に向かうことになった。行き先は「赤いクレヨン」。

先日、テレビで和田アキ子とマチャミが訪れたおでん屋で、歌手の香西かおりがオーナーの店だ。下北沢通のSはこの店の場所を知ってはいたが、行ったことはないと言う。芸能人の店なので値段が高いとの先入観があったようだ。

テレビ放映直後だったので混んでいるかと思ったら意外と空いていた。カウンターに座りお奨めを聞く。テレビで紹介された3品の中からタコとフルーツトマトサラダ、牛スジ24時間煮込みを頼んだ。

他に何かないかと探していると、今日のテーマである餃子を見つけた。浪速点天と書いてあるので有名な点天餃子を使っているのかと店の女性に聞いたら、自家製とのこと。関西弁の可愛いその女性に名前を聞いたが、「だんごちゃん」の愛称だけでかわされた。

出てきた餃子は成る程、点天とは違う。「自家製だってね」と男性店員に聞くと、「違います」との答。よそに特注しているとのことで、だんごちゃんは間違い。苦笑いしながらすまなそうにするだんごちゃんだが、愛嬌があってかわいいから許せる。味も悪くない。

他の2品の中では牛スジが良かった。Sも美味いを連発している。Sの予想に反していたって気軽な店で、彼も気に入ったようだ。赤いクレヨンは週末朝7時までやっている。芸能人も来るのだろうか。しっかりと下北沢の雰囲気に溶け込んでいる。おでん屋と思って行くとちょっと戸惑うが、なかなかいい店だと思った。

「これなら同級生の集まりをここでやってもいいな」などと二人で話し込んでいると、唐突にだんごちゃんが「男前ですね」と言う。最初は何のことかわからなかったが、「エッ!それって俺のこと?」と聞くと、「そうです」と言うではないか。そんなこと、滅多に言われたことがないので、一気にこの店の評価がアップしてしまった。100点満点で150点だ!
小遣いをやろうかと言いそうになって、森の石松を思い出した。

広沢虎造の講談「三十石船」での話。船に同乗した男は、目の前の相手が森の石松と知らずに石松を清水次郎長一家で一番強い男と褒め上げる。喜んだ石松は「飲みねえ、飲みねえ、寿司くいねえ」とご馳走したあげく小遣いまでやろうとする。いい気になっているところで男が言う。

「でも、石松は馬鹿だからねー」

赤いクレヨン
東京都世田谷区5丁目32-3
03-5712-2388
http://akakure.com

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