2010年03月15日

[克]②(中目黒)

もつだけじゃない


「お前は生はダメだもんな」中目黒にオフィスがあるNを先輩の店に誘った。克の魅力は芝浦の食肉市場で買い付ける新鮮な肉。しかし、Nの嗜好は保守的だ。無料のお通しの後はポテトサラダ、イカの丸焼きを食べる。

しっかり焼くつくねはSも食べる。ボロニアソーセージ、山芋もSの注文だ。彼が頼んだものは銀髪もつまむが、銀髪が頼んだものを彼は食べない。

「トンビは美味いぞ」豚の尻尾の煮込みはピリ辛で気に入っているが、Sは見向きもしない。「レバーを焼いてくれる?」と言うと「オレも」と珍しくSが追随する。カウンターなので注文しやすい。「オレはちょっと炙るだけ」と銀髪が言えば、「オレはしっかり焼いて」とSが続ける。

今日はほぼ満員大盛況。奥のテーブル席は近隣の人たちだろうか、年配のグループ客で賑わっている。客が多いと目の前でたくさんの肉が焼かれるので参考になる。「それなーに?」存在感のある串はナンコツだ。

合鴨ロースはSも気に入ってくれた。「それちょうだい」焼き物以外に一番出るのが味キャベツのようだ。ビールの後にSは熱燗を、銀髪は焼酎割りを飲んだ。最後は銀髪も熱燗に参戦。ペースを落としていたSは銀髪に煽られてまた飲む。翌日は辛かっただろう。悪いことをした。

先輩の店を応援しようと思ってSを連れて来たが、事務所を移転すると言うのでがっかりした。もっとも、Sの力を借りずとも店は順調に客を獲得しているようだ。駅からちょっと歩くが、地元の人たちに支えられれば心配は要らない。

中目黒近くの目黒川は都内屈指の桜の名所として知られる。4月1日からライトアップされるそうだ。克は4時開店で11時半まで開いている。花見に行く前に、或いは花見の後に一杯やるのもいい。克の料理を携えて花見に行くのも悪くないだろう。春本番は目の前だ。


もつ焼き 克
東京都目黒区中目黒3-6-5
03-3716-7224

前回の記事とメニュー → 

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2010年03月01日

[和](新宿歌舞伎町)

たしかに和める店


「ここでいいんじゃないですか?」こちらの懐を察してくれたのか大衆的な店を指し示す。奮発して格好つけようという思いはすぐに消えた。素直に好意は受け容れた方がいい。

階段を下りて店内を覗くと思ったよりも小さな店だった。入れるか不安だったが、焼き場にいた店主がすぐに若い店員を呼んだので安心した。空いていたのがラッキーなのか、空いていて当然なのか、答えはすぐに出る。

お通し、白レバー

串焼きは1本から頼める。最初に来たのは白レバー。悪くない。続けてセセリ、もも焼き、ぼんじり、つくね。空いていたのはラッキーだった。店員はアルバイト風の若者。品が良く優しい顔をしている。チェーン店のようなオーダー端末機を持っていないのが賢く見えるから不思議だ。

それにしても最近は焼き鳥の水準が高くなったと思う。地鶏を使っている店も多い。白レバーも珍しくはなくなった。不思議に思って調べてみるとやはり鶏肉の輸入は減っている。減り始めたのが地鶏ブームの始まりと一致して思えるが定かではない。鳥インフルエンザ以降に顕著になってきたのは間違いないようだ。

約35年前、大学の学園祭で焼き鳥屋をやった。同級生が肉屋の息子で、タイ産の冷凍焼き鳥を卸してもらった。今も同じようなことをやっているのだろうか。安いからといって飛びついたらがっかりする。祭りの雰囲気の中では美味しいと思えるかもしれないけれど。

牛すじ煮込み

和で一番気に入ったのは牛すじ煮込み。大きく「名物」と書いてもいいような逸品だった。プチトマトが入っている煮込みはイタリアンやフレンチと言ってもおかしくない代物だ。フランスパンでもあればご機嫌だが、それで腹一杯になってもらったら困るのかもしれない。

なかなかいい店だった。小さいながらも居心地がいい。いや、小さい店だからこそ落ち着くのかもしれない。主人が一人、店員が一人、それに見合った数の客。身の丈を知っている店はそれほど多くはない。


東京都新宿区歌舞伎町1-8-4 良川ビルⅣ地下1階
03-3209-9119


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2010年02月22日

[もつ焼き 克](中目黒)

中目黒の期待の星


「N先輩が焼き鳥屋を開いたんだ」中学の柔道部仲間Sが電話をくれたのが昨年末。ようやく行く機会が訪れた。中目黒駅で会って山手通りを下る。駒沢通りを越えて、東京共済病院前バス停を過ぎたところに赤提灯が見えた。焼き鳥ではなくもつ焼きである。期待と不安が広がる。

想像していたより広い店だ。カウンターを横目に奥に進むとシャンデリアが下がり、ソファー席もある。以前のバーから居抜きで引き継いだためで、アンバランスが面白い。貸切りパーティーも出来るもつ焼き屋も面白いではないか。4時開店と使い勝手もいい。

お通し、ボロニアソーセージ、レバカツ

「お通し代は取らないんだ」と先輩が言う。貼り紙を見ると確かに0円。「点数高いですよ!」褒めるところがなかったらどうしようという不安は少し消えた。「お通し代がタダの分、好きなものを頼んでくれたらいいんだ」と嬉しいことを言ってくれる。意気や良し。

レバー、シロ、カシラ、テッポウ、ガツ、ワッパ、オッパイ

「お奨め持って来て下さい」先輩の奥さんにお願いした。レバーは「かる焼き」で中が生。新鮮でなければ出来ない仕事。レバカツが美味かったはずだ。味の不安も吹っ飛んだ。本音で褒めることが出来る。ワッパ、オッパイなどなど、珍しいものが好きな人も楽しめる。

ホーデン刺し、レバー刺し

ホーデン(睾丸)刺しを頼んだら、「レバー刺しも食べてくれ」と先輩が言う。どちらも素晴らしかった。「いい仕入れ業者と付き合ってますね」と褒めたら「息子が自ら芝浦で買って来るんだ」と聞いて大きく頷いた。芝浦の食肉市場はいわば肉の築地。店名の克は店長を務める息子さんの名前から取っている。中目黒の期待の星である。

トンビ豆腐、チーズ春巻き

豚の尻尾が入ったピリ辛のトンビ豆腐も克の名物。Sが頼んだのはボロニアソーセージとチーズ春巻きの2つ。珍味や肉刺しが嫌いな人でも食べるものはたくさんある。

飲み物にもこだわる先輩がイチオシなのがハイ・サワーとレモン。もちろんホッピーもある。飲んで食って一人3,000円。「儲かるんですか?」と聞いたら、「まずはみんなに来てもらうことから」とのこと。「一度来てくれたら、みんな褒めてくれる」と嬉しそうに話す。

男気たっぷりのN先輩。頑張ってください。


もつ焼き 克
東京都目黒区中目黒3-6-5
03-3716-7224


メニュー


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2010年02月10日

[夢とり](八重洲)

素人っぽいのがいいね


「店主は元プロゴルファーだったらしいですよ」部下の言が本当かどうか分からないが、入り口ではゴルフバックが大きな顔をしている。ツアープロではないにしろ、生粋の料理人というわけでもなさそうだ。

お通しでビールを飲んで日本酒を頼むと、小皿を置いて行った。枡からグラスを取り出して乗せるための皿だ。グラスを枡につけたままにするか、取り出すか、時々議論になるが、これなら分かりやすい。グラスの酒より枡に溢れ出した方が量が多いとは嬉しい限り。

横浜関内の鳥元で見たのと同じような焼き鳥用フォークがあった。10人で分け合って食べるのに、このフォークが貢献した。恐らく店主は客としての経験の方が長いのだろう。日本酒といい、焼き鳥用フォークといい、客の気持ちが良く分かっている。

今まで気付かなかっただけかもしれないが、最近食べた鍋は殆ど水を入れない。夢とりのキムチ鍋も具材しか入ってないように見える。焦げそうでも心配無用なのはすぐに分かった。

水分は足りないどころか溢れそうになった。写真は3人前だが、10人に2つの鍋でちょうど良かった。しかし、10人の分け方には問題があったかもしれない。鍋の減り方は明らかに違った。

鍋の前に焼き鳥を食べ終わる予定だったが、出て来るのに時間を要した。ガラスで仕切られて幸せな我々と対称的に、主人は煙に包まれて四苦八苦している。

つくば茜鶏を使った自慢の焼き鳥は悪くなかった。やっと出て来たピーマンとしいたけの肉詰めは、みんなで譲り合った。間が開くと戦闘意欲が減退する。中年軍団の我々は鍋でほぼ満腹になってしまった。

それでも、欠食児童のように食べる我々のスピードに合わせて料理を作るのは大変だったろう。勘定をして店を去るとき、主人が安堵したように見えた。


八重洲 夢とり
東京都中央区八重洲1-5-10 八重洲井坂ビルB1
03-3245-1678

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2010年02月02日

[八重洲 とり安](京橋)

人気の焼き鳥居酒屋


「あー、とり安だな。知ってるよ」と言ったけれど、連れて行かれた店は違っていた。銀髪が思っていた店はとり安ではなかったのだろうか。
入り口は狭いが中はそこそこの広さ。一番乗りした我々6人は、座敷に上がった。掘り炬燵式になっているので座りやすい。

先ずビール。いつものように銀髪が勝手にオーダーする。「トラフグね」と言ったら、丸っこいおばさんが「とりふぐ」と訂正する。トラフグの刺身に似せてささ身で作ったとりふぐ造り。とり安の名物料理である。トラフグと同様にポン酢ともみじおろしで食べさせる。
もう一品はたたき。こちらはしょうが醤油で食べる。どちらもささ身だけど料理法を変えれば味も変わる。

佐賀県の地鶏みつせ鶏のネギマと、串焼き5本(ひな、皮、ささみみそ、みさき、レバー)を各人に頼む。ひなは新潟産の鳥越の鳥とのこと。まだ客が少ないのでどんどん来る。「早過ぎるよ」と言うとちゃんとスローダウンしてくれた。ベテランで固めた店員たちは客の気持ちをしっかり受け止める。

串焼き5本は前半が塩焼き、後半がタレ焼き。どれも美味しい。いつものように年長軍団はよく食べ、よく飲む。熱燗の2合徳利がすぐなくなり、何度も何度も追加注文。丸っこいおばちゃん、スリムなおばちゃんとおじさん、店員3人が我々の席につきっきりのようだ。3人とも齢は重ねてもフットワークがいい。

「唐揚げちょうだい」とり安のもう一つの名物料理もみつせ鶏で、柔らかくて香ばしい。一人一切れずつ食べるとお腹が膨らんだ。さらに焼き鳥を追加しようとしたらみんなからストップがかかった。それなら勘定をと思うとさにあらず。雑炊やおにぎりはちゃんと食べると言うのだから恐れ入る。齢を取っても健啖家ばかりだ。銀髪はおにぎりを1個だけ食べた。他の人たちがオーダーしたささみが乗った雑炊は魅力的だった。

座敷を降りて店内を見まわすと満席の賑わい。人気の焼き鳥屋は不況知らずのようだ。翌日調べてみると、とり安は銀座寄りに京橋店があることが分かった。銀髪の勘違いではなかった。ランチ時に行って見ると、そちらが本店で40年の歴史があるそうだ。本店を姉が、八重洲店を弟が経営している。「弟の店もよろしく」とお姉さんは優しかった。


八重洲 とり安
東京都中央区京橋1-6-8 コルマ京橋ビル1F
03-3567-9454
http://www.yaesu-toriyasu.jp/

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2010年01月28日

[鳥元](関内)

壊れた蓄音機


かねてから美味しいと聞かされていた店に遂に連れて来られた。荷物を置いてトイレに行っている間にオーダーは全て終っていた。K氏は自分が好きなものしか頼まない。違うものを頼もうとすると「それは不味い!」と拒否される。

スープ、さつま揚げはお通し代わり。もろきゅうにはK氏のためにマヨネーズが添えられる。K氏の好みを店側は熟知している。「飲み物は何か頼んだんですか?」と聞くと緑茶ハイを頼んだと答える。「ビールがいい!」と反発したのは銀髪だけ。他の人は「オウ、意外といけるね」と上手だ。

K氏に「どうだ、美味いだろう」と言われれば否定する人はいない。悔しいけれど確かに美味しい。本当に立派なシロだ。半分食べたところでまた「どうだ、美味いだろう」と言う。お代わりするのを銀髪も同意した。全部食べたらまた「どうだ、美味いだろう」と来た。壊れた蓄音機みたいだと言っても若い人は意味が分かるまい。

体のことを気遣って、K氏は野菜を多く食べるようになった。しかし、生野菜にはマヨネーズやドレッシングをたっぷり、炒めた野菜もバターや油がたっぷり。どこまで本気で健康を気にしているのか分からない。

ぼんじり、手羽の唐揚げ、どちらも脂が乗って美味しい。レバーもきっと美味しいはずだ。鳥わさも食べてみたい。塩で焼いてもいいはずだ。しかし、どれも「不味い料理」と言われそうなので遠慮した。違う機会にゆっくり食べよう。

「これ何だか分かりますか?」出来損ないのフォークのようなものを皆にかざした。中心の丸い穴に串を入れて身を抜く道具に違いない。尖った部分に抜いた身を刺して食べるのだろう。鳥元の串は長いので、食べ辛い。量が多いので分け合って食べる方が多くの種類を食べられる。店主を呼び「これはどこかで買えるの?」と聞いたら、先代が考えて特注したものだということだった。これは欲しい。

鳥元という同名のチェーン店の一つかと思っていたが、まったくの別経営。歴史はこちらの方があるようだ。先代から引き継いだ若い息子が店主で、西口店を母親がやっている。
「どうだ、美味かっただろう?」という台詞はあまり聞かないで済んだ。K氏は勘定を払ってさっさと消えてしまったからだ。まったくせわしない。

今度はカウンターでデートでもしようか。美女の笑顔が加われば、今日よりもっと美味しいと感じるはずだ。特製フォークも力を発揮するだろう。今度は銀髪が壊れた蓄音機になるのは間違いない。

鳥元 馬車道店
神奈川県横浜市中区真砂町4-43 木下商事ビル
045-681-0364

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2010年01月27日

[味楽亭](新宿歌舞伎町)

今では変わった焼肉


約10年振りの訪問だった。人間の記憶は、いや、銀髪の記憶はなんと頼りないものだろう。メニューを何度も繰った。料理だけでなく、飲み物の種類も少ない。今ではどの焼肉屋でも置いてあるマッコリもないのに驚いた。

野菜類はサンチュ、ナムル、キムチぐらいしかない。取りあえず、サンチュとナムルを頼んだ。肉の質を知るためにレバ刺し、他店と比較しやすい牛タン塩、それからロース、カルビなどの肉を選んだ。

「塩、こしょうは自分でやってください」とまだ凍って、くるまったままのタンがテーブルに置かれた。もっと驚いたのはレバ刺しのはずがタレにまみれたレバーが出てきたこと。若い不慣れな韓国人店員の間違いかと思ったら「うちは刺身は置いてないんですよ」と店主らしき人が言う。後ろの客の注文にも「クッパはありません」と答えている。メニューに書いてあるものがないとは経営が変わったのかもしれない。

どの焼肉も赤いタレで覆われている。どの写真も一緒に見えるのでパチパチは止めて食べることに専念した。何枚か食べているうちに徐々に思い出してきた。この店の特徴は赤いタレだったのだ。好みによって辛さを調節してくれる。10年前に赤坂で焼肉を食べれば、似たようなタレを使う店がたくさんあった。このタレをつけて焼いたウナギの蒲焼は面白かった。

カルビを焼いたら炎が舞い上がった。すかさず店主が氷を持って来て火を消す。七輪の窓を閉めて、火力の調節方法を教えてくれたのには苦笑するしかなかった。子供の頃は七輪は各家庭の必需品だった。七輪の構造を熟知していたはずなのに、火の勢いに慌ててしまった。

記憶が甦るにつれ、当初の失望感は和らいでいった。時代と共に焼肉屋の業界も変貌し続けている。今や醤油ダレにつけた焼肉ではなく、塩焼きの焼肉が主流である。ましてコチジャンベースの赤いタレの焼肉は殆ど見なくなった。

味楽亭を他店と比較するのは馬鹿げている。これはこれで魅力的な焼肉だと言えるかもしれない。

味楽亭
東京都新宿区歌舞伎町2-23-10
03-3200-1919

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2010年01月21日

[そして…はなまる](新宿3丁目)

焼き鳥は美味しかったけれど


靖国通りの角に立った瞬間決めた。週末の夜、予約もしていないのに躊躇してはいけない。インスピレーションに従うべきだ。階段を降りて店に入るとまだ空席が目立つ。キッチン近くに集まった店員たちは忙しそうでこちらを向いてくれない。右を見たら誰かがこちらを向いて立っていた。店員と思い、手を上げて一言発したところで鏡に映った自分だと気が付いた。そっと手を下ろし、誰にも見られなかったことを確認した。

お通し、日本酒

「大根おろしは醤油を数滴垂らして…」と食べ方をメニューで教えてくれる。ビールが来たところでカップルが1組入ってきた。予約席を除いて全て席は埋った。空席が多く見えたのも鏡のせい。銀髪の決断は正しかった。トボトボ階段を引き返す人が多い。洒落た日本酒の器を見て、ますます自分を褒めた。

白レバー、身、ネギマ、つくね、砂肝、ハツ

殆どの串焼きは1本~なので、メニューの上から順番にオーダーした。つくね以外は塩焼きにしてもらい、柚子胡椒をつけて食べた。もちろんMy唐辛子も活躍する。満足、満足。

ナンコツ、皮、ささみわさび、はつもと、ぼんじり

予約席も一杯になった頃から連れが「煙い」と目を押さえ始めた。銀髪の決断に汚点をつけたくないので「気のせい」と我慢を強いた。銀髪も目を押さえた数分後、突然火災報知器のベルがけたたましい音を立て始めた。しかし、店員も客もまったく慌てる素振りを見せない。

牛タン串、トマトサラダ

逃げようかとも思ったが、数人が階段を降りてきては満席と断られて帰っていくのを見て留まることにした。トマトサラダがまだ残っている。5分以上も鳴り響き、ベルはようやく疲れ果てたようだ。勘定を頼むと卓上のポットの鳥スープを飲むように奨められた。

「6階が原因だったらしいです」と店員が言い訳した。人気の店にうまく入れたことよりもスプリンクラーが作動してずぶ濡れにならなかったことがラッキーに思えた。連れは怒っているかと思ったら、「味は良かったよ」と慰めてくれた。

そして…はなまる
東京都新宿区新宿3-14-22 小川ビル B1F
03-3353-3028


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2010年01月06日

[はじめ屋](新宿歌舞伎町)

緑のちょうちん


屋台に毛がはえたような店のガラス窓の向こうで老若男女が盛り上がっている。窮屈そうなのでその店は避けようと思った。角を曲がったところに緑のちょちんがぶら下がった店を発見。国産素材を50%以上使っている安心な店のようだ。

扉を開けると満席のように見えるが店員は席に案内してくれると言う。店のどん詰まりで左折、配膳場所のような狭い通路を抜けるとカウンター中心の空間があった。なんとそこは避けたはずの屋台に毛がはえたような場所だった。

コートは壁にかけず、丸めて足元に置いた。煙がもうもうとして目が痛い。何かあったらガラス窓を蹴破ればいいやと覚悟を決めた。メニューを見て料金が安心なのに救われた気になる。道行く人を観察しながらお通しのキャベツ口に入れる。向こうにとってはこちらが動物園の檻の中かもしれない。

見事な焼き鳥に目をみはった。砂肝も一串にたくさん刺さっている。160円とは思えない。客がたくさん入っているのも分かる気がする。多少の煙は我慢する価値がある。

お奨めの特製朝挽もも串が焼き鳥の中では一番高い250円だけのことはある。立派な元祖皮串は100円とは泣けてくる。決して煙のせいだけではない。

看板の牛すじ煮込みはコラーゲンたっぷりプリプリしている。連れはこれを脂と見限った。取り皿の隅に放置されたコラーゲンが恨めしげに銀髪を見ているような気になるが、ヒンシュクを買いそうなので食べるわけにはいかない。串揚げの盛合せも衣が脱がされて可愛そうだ。まったくもって今日の連れは残酷である。

ふと気が付くと煙たくなくなっていた。二巡目の客に入れ替わる頃合いになったのかもしれない。新規の客が焼き鳥を頼み始めるまで、しばし焼き場は暇になる。名代焼き餃子を食べようか迷ったが、ホッピーで膨らんだ腹に余裕はなかった。

狭い通路を抜け、残った客たちの幸運を祈りつつ、無事に店を出た。こだわりの串焼きはなかなか良かった。角を曲がり、我々が居た部屋を覗き見た。今度はこちらが観察されている。いや、観察しているのは我々のはず。ウーン、マァ、いいか


はじめ屋
東京都新宿区歌舞伎町1-26-7
03-3200-0123

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2009年12月25日

[とん豚テジ](新宿歌舞伎町)

優しい韓国人


テレビなどで美味しい肉料理の店と紹介されたことも知らないで、なんとなく良さそうに見えたので飛び込んだ。テーブル席の間を抜けて右側にある座敷席の奥に案内された。左隣で4人が盛り上がっており、座席の間に座った店員が一生懸命調理している。彼を突き飛ばすか、テーブルを跨ぐかしなければ席に辿り着けない。やっと座って他の店員を待ったが来る気配がない。諦めて立ち上がった。

靴を履くと店員が飛んできた。「足が悪いので座敷はきついんだ」と掘り炬燵式でないことを理由に店を出ることを告げると、テーブル席に移ってはどうかと言う。言い訳がきかなくなったので留まる事にした。テーブル席は快適そうだ。

「あなたは韓国の人?」と聞いたら店の経営者も含めて全員が韓国人と言う。お通しが並んだ。キムチはともかく沢庵とキンピラは美味しくない。「ここで作ったの?」と聞いたら買ってきたものとのこと。丁寧な日本語は見事なものだが、妙なところで日本人に迎合する必要はないだろう。

お奨めはカンナ三段バラ肉の鉄板焼き。肉を見てようやくカンナの意味が分かった。カンナで削ったような薄い肉を上手に盛り付けている。冷凍肉であることは明らかだが、見栄えはする。

店員が斜めになった鉄板に肉をきれいに並べて、その上にレタスを乗せた。下の方にはキムチが溶けた肉の脂を待ち構える。テーブル席の方が店員もやりやすいだろう。店員が一旦離れても呼び戻しやすい。裏返した肉も焦げ目がついたところで再び手を上げた。寄って来た店員が食べ方の説明をしてくれた。わかめのように見えたのは行者にんにくだった。

店員が三種類の食べ方を説明してくれる。いなくなれば好き勝手に食べればいい。なかなか美味しい。半分ほど食べたところで手を上げた。キッチンと客席を往復する店員がすぐつかまる。席を替わって本当に良かった。カンナの面影はなく、皿の上でくたびれ果てた格好の肉を店員が鉄板に乗せてくれる。ついでに野いちごのマッコリを頼んであげた。手ぶらで帰らせるのは申し訳ない。

「量が多いので、カンナ三段バラを食べた後で追加注文したらいいですよ」とのアドバイスは良心的だった。ビールとマッコリを数杯飲めば腹も脳もちょうどいい。甘かったけれど野いちごのマッコリも面白かった。

とん豚テジ
東京都新宿区歌舞伎町2-22-8 第八金嶋ビル 1F
03-5292-1391

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2009年12月24日

[牛兵衛](渋谷)

リーズナブルに最高級の和牛


「一頭買いの店!」という言葉は焼肉店の殺し文句だ。高級牛肉を割安で食べられるイメージがビンと来る。「最高級A5ランクのみを使う焼肉店」と言われればよろよろっと階段を降りてしまっても納得してもらえるだろう。

それでも値段は気になる。ドアを開けて店内を見回してちょっと安心した。ごく普通の焼肉屋さんに見える。店員もアルバイト風。案内された席の隣には若い女性が二人、足を組んで食べていた。不安は吹っ飛んだ。

お通し300円、キムチ390円は良心的だろう。二人で色んな部位を食べたいと思ったら、ちゃんとメニューにあった。メニューの写真と比べると実物もそん色ないものだった。包み野菜に巻いてちょうどいいぐらいの脂の乗り方である。

ホルモンの盛合せもある。こちらはメニューの写真より実物の方が立派。コリコリタンの食感が面白かった。高額なものをたくさん食べたらお財布が泣くことになるが、色んな部位を少しずつ食べた方が美味しく楽しい。

極上一頭盛合せに入っていなかったタンを最後に食べよう。清水の舞台から飛び降りるつもりで幻の極上タン(数量限定)2280円を頼んだ。少しぐらい見栄を張ってみようと思ったが、幸か不幸かこの日は入荷していなかった。そこで薄切り上タン塩1,200円にした。

貧弱なタンを予想したが意外と立派。充分美味しく食べられた。「山形牛一頭買い」の看板に偽りなしと言ってもいいだろう。小さな店で一頭買いが出来るの?という疑問の答えはホームページにあった。グループに18店の肉料理屋を抱えている。

隣席の女性たちの食欲は凄かった。焼肉と一緒にご飯、それが終ればチヂミ。割安に腹を膨らませる方法を知っている。彼女らにとって草食男子は不要に違いない。もつ焼き屋も最近では女性同士の客で賑わっている。不況でエスコートするお金もない男は、女性とはますます縁遠くなってしまうのかな。

牛兵衛 渋谷店
東京都渋谷区道玄坂2-25-5 B1F
03-3770-6060
http://www.royal-shoji.co.jp/food/

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2009年12月22日

[とことん倶楽部](東京駅)

リーズナブルに楽しく


「東京駅までたった30分じゃないか。出ておいでよ」自宅近くで仕事をしているからと渋る次兄を説得した。しつこく誘う理由を明かすわけにはいかない。とにかく次兄が来なければ話にならないのである。努力の甲斐あって、東京駅八重洲中央口で兄弟3人が揃った。

ときどき神の存在を信じる気になる。ほぼ満員に見えた店内左奥に3人用のテーブルが空いていた。座るなり長兄と相談して買ったプレゼントを取り出した。1週間後に還暦を迎える次兄に手渡す。生ビールがやってきた。おめでとうの言葉と共にジョッキをぶつけ合う。

テーブルに置いてあったピーナツを食べながらメニューを見る。「兄貴、適当に頼んでよ」促された長兄がオーダーを始めると、残りの二人が口を挟む。「モツ鍋のお味は何にしますか?」と聞かれて意見がまとまらなければ「両方頼んじゃえ!」となる。

「オウ!レバカツ美味いな!」長兄が感嘆の声を上げる。「レバーが美味しければ合格だよ!」と店を選んだ銀髪が自慢する。「美味い、美味い」髭をひきつかせながら次兄が同意する。焼き物だって悪くない。

女性店員を呼んで「椎茸!」と長兄が注文する。「しろ!」と銀髪が続く。「兄貴の奢りだからバンバン頼もうぜ」と次兄を煽るが遠慮している。「じゃあ、酢モツ」と銀髪が結着する。

再び女性店員を呼んで頼もうとしたら「俺はもう肉はいいよ」と長兄が情けないことを言う。1本減らしてみんなで分けることにした。野菜は大丈夫のようなのでしし唐は一人一本。「いやー、本当に食べられなくなったよ」と嘆く62歳の長兄に比べれば、次兄はまだ若々しい。それでも「俺の還暦は祝ってもらえるんだろうね」と54歳の銀髪が口を尖らせる。

焼酎のボトルが空っぽになり、口直しに頼んだ2本の瓶ビールも飲み干した。「次、行こうぜ!」銀髪の掛け声でみんな席を立った。

口々に「3兄弟なんだよ!」とママに言うと、疑わしそうな目つき。みんな名刺を見せる。「たまたま同じ苗字なんじゃないの?」と言われて懸命に分からせようとする。どこに行ってもいつも店の人たちはこんなやりとりにつき合わされる。

「誰が一番もてるの?」と聞かれて真っ先に手を上げるのは長兄だ。「オヤジが生きてたらなあ」と誰ともなくつぶやくと一瞬、間が空く。オヤジが生きていたら、そう、きっと長兄より先に手を上げて自慢していたことだろう。そう、そう、オヤジが生きていたら、3人の肩を抱き、大きく笑ったことだろう。そう、そう、そうだよな…


とことん倶楽部
東京都千代田区丸の内1-9-1 東京駅八重洲北口1階 キッチンストリート内
03-6267-2904

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2009年12月11日

[存じやす](宇都宮)

とちぎ和牛のステーキ


「栃木の酒を飲ませようと思ったんだけどなー」銀髪がステーキ屋に行くと言うとM氏は残念そうな顔をする。日光や那須の山々から発する水に恵まれた栃木には50を超える酒蔵があることを忘れていた。しかし今日は栃木の牛を食べると決めて来た。譲るわけにはいかない。

洒落たステーキハウスの先客はカップルのみで、その横でむくつけき男二人で食事するのは気が引ける。「大丈夫ですよ」と店員に励まされてオーダーを始めた。海がない栃木では肉以外の地元素材は野菜物に限られる。

地野菜のテリーヌ、パルマ産生ハム

テリーヌは二皿に分けて持って来てくれた。ますます恥ずかしくなるではないか。生ハムを頼んだM氏は、ビールの後に日本酒を飲むと言う。銀髪も気取っている場合ではない。ソムリエバッジをつけた美保さんを呼んで日本酒を頼んだ。「ごめんね、ワインでなくて」

四季桜、惣誉

さすがにソムリエがいる老舗レストランだけある。グラスも洒落ているし、存じやす限定の6年古酒も味わいがある。栃木の日本酒で歓待しようとしたM氏も満足気だ。何よりも洋食に日本酒が合うことが分かっただけでも収穫だった。海外で日本酒の評価が高まっているのに、どうして日本で衰退しているのか理解に苦しむ。

秋山農園と地場の野菜たちのオーブン焼き

栃木の日本酒と野菜でご機嫌である。いつの間にか中年男性の団体が集合している。若い男女のグループ客も居る。おやじ二人で飲んでいても目立たなくなった。

特選牛ステーキ(サーロイン、ヒレ)

栃木県内の指定生産者による4等級以上の枝肉だけに与えられるのがとちぎ牛の名称。栃木県は産出額では本州1位の牛肉生産地だけに、栃木産の牛肉は東京でもよく食べられている。それでも地元で食べるとちぎ牛のステーキは格別だった。

サラダ、焼めし

期待以上だったのが焼めし。ステーキは銘々の鉄皿で焼かれたに違いない。焼めしは鉄皿で調理されるので、米が肉の脂や汁を吸収して美味。腹一杯と乗り気でなかったM氏もしっかり食べ尽くした。

清算した後、美保さんはコートを羽織った。銀髪たちをショットバーに案内するためだ。ソムリエは利き酒のプロというだけではなく、接客を含めたサービスのプロであることを改めて確認できた。もっとも、彼女の心遣いはもともと持ち合わせているものかもしれない。ご機嫌な存じやすだった。

ステーキ&ワイン 存じやす
栃木県宇都宮市中央5-9-2
028-637-4129 / 028-636-8701
http://www.zonjiyasu.com/

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2009年12月02日

[福みみ](渋谷)

元気一杯、笑顔一杯


階段を下りると正面の壁にお通し代がない店と書いてある。グッと気分が良くなって店に入ると、若い店員たちの大合唱で迎えられた。近くの男道場や女道場の系列かと思ったが違うようだ。最近はこんな店が流行りなのだろうか。

お通し、コリコリ鶏のゆびき

お通しはないと思っていたらキャベツが出てきて戸惑った。こんなものでも200~300円を取る店もある。壁の張り紙は勘違いだったのだろうか。

ぼんじり、レバー、つくね

「あなたが橋本さん?」目の前で鶏を焼いている若者に声をかけた。彼の後ろの額を見ると焼き師の称号を得ているらしい。「美味しいよ!」と銀髪が言う前から実に楽しそうに仕事をしている。店員を乗せるのも上手い店だ。

シソ巻き、白レバー、チーズもち巻

お奨めをまとめて頼むと全部一緒に来そうなので2度に分けてオーダーしたが、杞憂だった。さすが認定焼き師だけあっていいタイミングで出してくる。白レバーは中がトロトロでなかなかのものだった。

確認して落胆したのは日本酒のメニューが貧弱なこと。品揃えが豊富な焼酎や梅酒は若い客のためのものだ。店内を見渡すと間違いなく銀髪が最年長。連れが2番目。もっとも銀髪が日本酒党というだけで、中高年にも焼酎党が多い。一度覇権を失ったら復権は本当に難しいものだ。

牛スジとモツの煮込み、味噌汁

煮込みを肴に熱燗を空けたところでお開きにした。勘定を頼むと味噌汁が出て来た。釣り銭を財布に収め、レシートを見るとご丁寧にお通し¥0と書いてあった。気に入ったので帰り際に店長と名刺交換した。彼もアルバイト学生と見間違える若さだ。

Kuurakuグループは国内外21店舗の経営の他、人材育成などのコンサルティングをやっているようだ。傘下の従業員の出来が悪ければ洒落にならないが、福みみ渋谷店を見る限りアルバイトを含めて実に楽しそうに働いている。楽しさの源は客の笑顔。その笑顔は料理と接客から生まれる。笑顔のキャッチボールがあれば店が廃れるはずがない。

福みみ
東京都渋谷区道玄坂2-25-17 小島ビルB1F
03-3461-2911
http://kuuraku.co.jp

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2009年10月22日

[さくら家](入船)

庶民の味方


最寄り駅は新富町か八丁堀。「汚い店ですから」と散々言われて来たので逆にきれいに見えた。カウンターに座り「何年ぐらいになるの?」と声をかけると、今の店になったのが昭和24年から、創業から数えると90年と言うから驚いた。焼き場で煙をまとう女将さんは亡き3代目の奥様。旦那さんに見えたのは3代目の弟。おばさん、お婆ちゃんも含めてのファミリービジネスである。今風のイケメンだって血は繋がらなくてもファミリーの一員に違いない。

メニューを見ると良心価格で種類も豊富。これでは選ぶのが大変だ。「お任せしますよ」と言うと、横から「7本コースで」とKさんの声。いつものように銀髪が仕切っていたが、今日のスポンサーのことをすっかり忘れていた。


ミツバ巻、つくね、ちょうちんと続く。「なかなか美味しいじゃん!」と言うとKさんが嬉しそうな顔をする。「枝豆が茹で上がりました」「お刺身はいかがですか?」言われるたびに応諾する太っ腹なKさんである。「白レバーをささ身で巻いて食べたら美味しいですよ」とお婆ちゃんが教えてくれる。「本当だー」と喜びついでに砂肝を巻くKちゃん。何でも巻けばいいってわけではない。



「アオトです」「エッ、何のこと?」「青唐辛子です」、目の前で焼いてくれるので質問もしやすい。焼き鳥屋ではもちろんMy唐辛子が活躍する。「手を出してごらん」と女将さんの手の平に振りかける。これを家族みんなで味見して目をパチクリ。プロを驚かすのは本当に楽しい。

鳥肉は大山地鶏、椎茸はもちろん原木栽培。こだわりながら値段を抑えることができるのはファミリービジネスならでは。20年も前からワインを置いているとのことで、ワイン党のK氏は大喜び。しっかり時代の先端を行っている。外で働いている4代目もいつか新しいアイデアを持って戻ってくるかもしれない。

トイレに行ったら奥の部屋は意外と広く、おじさんたちで一杯になっていた。席に戻り「儲かってるね。豪邸に住んでんじゃないの?」と聞くと「ここですから」と手を広げて女将が苦笑いをする。リーズナブルな理由がもう一つ分かった。

Kさんが勘定を始めたところで出口の扉に張られた紙が目に入った。「松ナン」とはなんだろう。聞いてみると松茸をささ身で巻いたものらしい。ナンは軟骨ではなくて南蛮。
「次の機会に」と言ったら「次にはもうないでしょう」と言われて食べることにした。あっ!またKさんを差し置いて銀髪が仕切ってしまったと反省。国産の松茸を今の値段で出せるのはあと数日とのこと。あくまで庶民派の店である。

女将さん、おじさん、お婆ちゃん、イケメン君、そして連れて来てくれたKさん、どうもご馳走様でした。

さくら家
東京都中央区入船2-2-1
03-3551-4878

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2009年10月16日

[ヤキトリ エ ヴァン プーサン](六本木)

ヴィオニスの焼き鳥屋さん


2002年、最優秀ソムリエ阿部誠氏の店は銀座のサロンドシャンパーニュヴィオニス、ビストロビオニスに続いて3店目。ビストロが閉店したのはショックだったが、新しい店が出来たのは喜ばしい。オープンから半年ほど経ってしまったが、いよいよ行く機会が訪れた。

優しい雰囲気の今風の焼き鳥屋ではあるが、フレンチの洒落た雰囲気を予想していたのでちょっと意外だった。それでも多種の部位が書かれた焼き鳥メニューを見ると期待が持てそうだ。リーズナブルなボトルワインの他に、赤白数種類のグラスワインがあるのも嬉しい。

お通し(茄子)、鶏ささみのこぶじめ

お通しもちゃんとしているし、鳥わさは軽く昆布締めしてあって美味しい。白ワインのボトルが4本カウンターの上に並んだ。それぞれの説明を受けると盛り上がる。阿部さんの店はこうでなくっちゃ。

ささ身、手羽先、せせり、なんこつ、皮、ぼんじり、かしわ、つくね、げんこつ、銀杏、白レバー、レバー、砂肝、はつ、かん(はつ元)、えんがわ(横隔膜)。注文は1本からOKなので、メニューに並んでいる焼き鳥を全品食べることにした。塩かタレかは料理人に一任した。



いかにも焼き鳥屋の職人という雰囲気がないので、大丈夫かな?と思う人もいるかもしれない。食べ進んでいくと杞憂だったのが分かる。白レバーと普通のレバーの食べ比べは最高だった。貴重な白レバーの方が美味しいと言いたくなるが、甲乙つけ難い。

「アレッ、前に会ってるよね?」「ええ、店に入って来られたときから分かっていました」連れが「私も気づいていましたよ」と続ける。店長はビストロ・ヴィオニスにいた永田さんだ。地位が人を作ると言われるのは本当だ。新店で店長に昇格した永田さんは以前より風格が出て、さらに朗らかだ。

フレッシュトマトの浅漬け、白レバーのパテ

永田さんの粋なはからいで新しいボトルを開けてもらった。トマトで気分を変えて、パテでワインを楽しむ。リーズナブルなワインでも、ソムリエと会話しながらの食事は楽しいものだ。お財布はそんなに傷まずにちょっとリッチな気分になった。

ヤキトリ エ ヴァン プーサン
東京都港区西麻布3-2-5 グリーンプラザアネックスノゾエビル1F
03-3405-0325
http://www.vionys.com/poussin

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2009年07月18日

[葡萄屋]②(銀座)

いつも満腹


毎日違う店を食べ歩くのと、限られた店をローテーションするのと、どちらが幸せだろうか。3年8ヶ月の間に1000軒以上も行った銀髪からしたら、ローテーションできる人が羨ましい。

Kさんが「メシでも食べに行こうか?」と言えば葡萄屋は10%以上の確率がある。主人に「いい酒飲ませてあげるよ!」と30年物のスコッチウイスキーを持ち込むのは葡萄屋40年の歴史の中でKさんだけだろう。

何も言わなくても出て来るものは決まっている。Kさんは「今日は違うものがいいなー」なんてことは言わないから店も楽だ。「今日は〇〇が美味しいよ!」というような会話は起こり得ない。葡萄屋の焼鳥は老舗らしく大きい。焼き方も上手でなかなか美味しい。

生焼けが嫌いなKさんなのに、葡萄屋の焼き方はミディアぐらいである。鮮度がいいから出来る焼き方だが、Kさんが文句を言わないで食べているのが不思議だ。「中は生ですよ。大丈夫ですか?」なんて言おうものなら次回からカリカリのものを食べさせられるので、銀髪も余計なことは言わない。いい焼き具合だ。

自分の前に置かれた焼鳥を他人の皿に移しだすと、Kさんがお腹一杯になった証拠だ。銀髪の皿に置かれたら、部下の方に回す。こちらだって腹一杯なのだ。若い奴を連れて来た保険が機能し始める。

所要時間が1時間を超えることは絶対にない。4人以上で来ることが多いので、酒の持込みをされても店主が容認する要素は多い。銀髪のように1年に1回しか来ないようでは上客にはなれない。

常連客と大事にしてもらいたい気持ちもあるが、いい店を発見したときの喜びも捨て難い。初めて食べる美味に感動できる機会も失いたくない。二兎を追うわけにはいかないのが辛い。

葡萄屋
東京都中央区銀座西2-2 銀座インズ2 B1F
03-3564-2001

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2009年07月16日

[たつみ](渋谷)

串焼きも串揚げも、欲張りすぎかな


「途中でストップしたらいいの?」メニューも見ないでカウンターの中の料理人に声をかけると「何本にしますか?」と言われた。メニューを見ると、5本、10本などの料金が書いてある。「じゃあ、10本にしよう」と言ったら、「10本を1人前ですか?」と聞きなおされた。「串揚げを二人で分け合うのも変でしょ?」と質問の応酬。どうも噛み合わない。「好きなものを選んだ方が良さそうだね」と言うと「そうですね」とあっさり肯定された。お奨めを聞いたら困った顔をするので「ちょっと、時間をちょうだい」と言って会話を切った。

お通しのきれいな野菜を食べながら選んだ。「キス、豚ロース、うにもち、ホタテ、チーズを串揚げで2本ずつ」一呼吸置いて「ささみ明太、レバー、しそ巻きを串焼きで1本ずつ」と告げたら「アラカルトは2本ずつでお願いします」とのこと。ハイ、分かりました。

揚げ物は目の前で、串焼きは奥のキッチンで調理されるようだ。キスを食べ、豚ロースが皿に置かれたところで、焼き物3種類が同時に出てきた。慌てて「ちょっと早すぎるよ」と言ったら「じゃあ止めましょうか」とのんびりした答え。しかし、うにもちは既に油の中を泳いでいて間に合わなかった。


5本が皿に勢ぞろいした。どれから食べるか思案のしどころだ。ポイントは最後に揚がったうにもちである。銀髪はうまくやった。連れは律儀に出た順番に食べているので、アドバイスしてあげた。「もちは早く食べないと固くなっちゃうよ!」

こちらの様子を窺っていた料理人が再び揚げ始めた。残るは2品だが、追加注文はその2品を食べ終わってからすることにした。寿司屋と同じ要領だと分かったのでもう安心だ。
山芋ささみ焼きと銀杏を追加した。お腹はほぼ一杯だがグラスにたっぷり残った日本酒の肴が必要だ。今日はまったくチグハグである。

串揚げと串焼き、そして鉄板焼きもあるという東京では珍しい店。昼3時から深夜2時までと使い勝手がいい。料理も平均的で値段相当で、串焼き、串揚げ、お好み焼きまで食べられる欲張りな店である。でも肝腎なものが足りない。答えは簡単なように思えるのだが…


四季の串 たつみ
東京都渋谷区宇田川町33-14 久保ビルB1
03-3463-0677

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2009年07月08日

[ブラックホール]②(新宿歌舞伎町)

顧客第一の姿勢が素晴らしい


前回(→「ブラックホール」)少人数向けのハーフサイズが3切れでは2人で譲り合いして面倒だと書いたら、早速4切れに改善するとのコメントを店から頂いた。これは行かねばならない。

予約をしないで行ったので、店に入ってしばらく不安な思いで待った。本日供される和牛の識別番号が書いてある黒板に目が止まった。待たされる時間も悪くない。
「〇番テーブルへ」とマネジャーが店員に告げたのでホッとした。見える範囲のテーブルはすべて埋まっている。

野菜サラダを頼もうとしたら、「お通しにキャベツが出ますけどよろしいですか」と親切だ。代わりにナムルを頼む。前回気付かなかった識別番号や店員の態度、すべてが良く見えるから不思議だ。

レバ刺しと前回食べなかった薬味のネギを頼む。数種類の薬味もブラックホールならではのものだ。出てきた料理を片付けながら、ハーフサイズの皿が出て来るのが待ち遠しくてしょうがない。期待しながらも不安も残る。ワクワク、そわそわしている銀髪を連れが面白がる。

待ちに待ったハーフサイズがやって来た。上タンも上カルビもちゃんと4枚ある。質も落ちてないようだ。感激した。本当にやってくれたのだ。大したものだ。銀髪のせいでコストが上がったのではないかと心配になった。でも嬉しい。嬉々としている銀髪を連れが茶化す。

ホルモンの盛合せを持って来た若い女性に「上の人に銀髪が来てると伝えてくれる?」と言った。キョトンとしているので「そう言えば誰か分かると思うよ」と付け加えた。しばらくして店長がやってきた。隣席の女性3人のグループが不思議そうにこちらを見ている。最初は銀髪が何か文句を言ったので店長が来たと思ったのかもしれないが、二人の嬉しそうな顔を見て謎が深まったに違いない。

銀髪が疑問視した一皿3切れは、奇数が常識のベテラン料理人からしたら当然のことだったようだ。まして死につながる4はタブーなのだろう。随分と議論した結果、客の利便性を優先させることにしたと聞いて、ますます感心した。

ぼちぼち帰ろうかと思っているときに、再び店長がやってきた。7月1日にオープンしたばかりのブラックホール2を見に行くので、もう一度挨拶に来てくれたのだ。彼が去った後、今度はマネジャーと名刺交換した。

店を出た後も銀髪の興奮は収まらない。5月に1号店がオープンしたばかりなのに、早くも2号店をオープンした。きっと成功する。いや、成功して欲しいと心から思う。

和牛塩焼肉 ブラックホール
東京都新宿区歌舞伎町1-2-5
03-6457-6089
http://www.iloveyakiniku.com

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2009年07月06日

[サッポロビール園 ガーデングリル](札幌)

ビールが一番


「どのレストランにしますか?」案内所で予約をしようとしていた部下が振り返った。4ヶ所もレストランがあるとは知らなかった。「食べ放題でいいよ」と言うと、案内所の女性が電話して席を確保してくれた。その途端、園内を歩く修学旅行らしい中高生の群れのことを思い出した。彼らと喧騒の中で食べ比べする気にはならない。

「ゴメン、違うところに変えてくれる?」と言うと、今度は電話もしない。ガーデングリルはまだガラガラだった。ここなら大人の時間が過ごせそうだ。飲み物のメニューを見る。さすがにビールの種類が豊富だ。先ずファイブスターから始めることにした。

ウエイターがテーブルに置いた二つのグラスを見ると泡の量が全然違う。銀髪の目の前に置こうとしたグラスは3分の1を泡が占めている。流石に文句を言ったら違うものを持って来た。ビールの殿堂が泣く。

こちらのラムは食べ放題のジンギスカンホールにはないグレインフェッド(穀物飼育)でちょっと高級。肉質は柔らかく牧草臭くないので食べやすい。野菜付きの「まるごとジンギスカン」を頼んだ。持って来た若い女性店員が肉を指さしながら「ショルダー、もも、肩ロース、ロース、ショートロイン」と早口で言った。「覚え切れないなー」と冗談めかして言ったら「メニューを見てください」と冷たい。写真付きのメニューを見ても、どれがどれかは分からない。まあ、いいかっ!

昼間、二条市場を覗いた時に見たタラバガニが忘れられない。思わず頼んでみたけれど、生で来るかと期待したらキッチンで料理したものだった。ラム肉のソーセージもやはり調理済みで出て来た。せっかく目の前でグリルできるのにもったいない。

「肉を追加するか?」と部下に聞いたらお腹一杯だと言う。銀髪はアルトビール、開拓使麦酒に続いて4杯目はクラシック生ビールを頼んだが、こちらにも乗ってこない。珍しいこともあるものだ。昨日の酒が残っているのかな?

グレインフェッドラムは美味しかった。ソーセージはまあまあ。タラバガニはハズレだった。何より美味かったのは生ビール。色んな種類が飲めるガーデングリルは正解だった。


サッポロビール園 ガーデングリル
北海道札幌市東区北7条東9丁目2-10
0120-150-550(サッポロビール園総合予約センター)
http://www.sapporo-bier-garten.jp/garden/

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2009年07月02日

[ホルモン建設工業(株)](新橋)

工事現場で焼肉


昨年11月、関係者を集めたプレオープニングで来たときは、まだ内装が出来上がってないと思った。もちろん、コンセプトは聞いていたが、まさか本当にそのまんま開業するなんて…

鉄パイプで組んだ足場むき出しの店内がウケるのか、店内はほぼ一杯の賑わいである。おやじ御用達のような店なのに、若いサラリーマンやOLが多い。

キムチ、お通し(キャベツ)

料理の注文は常連のS氏に任せる。工事現場の内装にもかかわらず、ちゃんとしたものが食べられる。それがこの店がウケる一番の理由だろう。

ナムル、もつ煮込み

ちょっと変わったもつ煮込み。この店ならではの特徴を出すのに熱心である。意外と美味しいので一人でパクパク食べていたら、S氏の視線に気がついた。慌てて皿を二人の間に置きなおした。

角切りレバ刺し、角切りユッケ

肉を厚めに切るのもこの店の特徴。レバーはともかく、ユッケの角切りはあまり見たことがない。壁のあちこちに貼られた料理の短冊。希少部位がたくさんあって、あれも食べたい、これも食べたいだが、2人ではちょっと辛い。

焼肉盛合せ

店長お任せにした肉の盛り合わせに圧倒される。タンもハラミも厚切りで歯応えがある。あくまで豪快に!という感じである。これも工事現場のコンセプトの一つだろうか。
忙しいのか酒が出て来るのが遅いのが玉にキズ。まあ、そのうち改善されるだろう。雑に見える内装が、こちらの気持ちも大らかにさせる。

店長と名刺交換した。肩書きは代表取締役。ホルモン建設工業株式会社なら店長ではなく社長というのも頷ける。焼鳥屋や焼きとん屋が幅を利かせる新橋界隈。果たしてこの焼肉屋が新橋の新名所になるのかどうか、乞うご期待といったところである。

ホルモン建設工業
東京都港区新橋2-5-6 大村ビルB1
03-3504-0074
http://www.horuken.sakura.ne.jp/horumon/


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2009年06月25日

[ラトリエ・デュ・グー](吉祥寺)

気取らずフレンチ風


「もう1年も経ったんですね」1周年のお祝いの札を見てシェフに声をかけた。1年前に覗いたとき、プリンスホテル料理長などからのお祝いの花が輝いていた。辛い修行は独立を果たして報われるものでもない。独立後が大変だ。シェフにとってはどのような1年だったのだろうか。

リエット、自家製ベーコン

「何を食べたらいいですか?」と聞いたら困った顔をされた。「酒の肴として少しずつ食べますか?それともしっかり食事をしますか?」と逆に質問される。もちろん酒の肴だ。

「全部すり潰してないのがいいですね」リエットは鶏肉の身が混ざって美味しい。自家製ベーコンも悪くない。上々の滑り出しである。

シェフはテーブル席に陣取る満員の客たち向けの料理を作るのに忙しい。女性ということを忘れさせるほどシェフの動きは堂々として風格がある。手順よく出来上がる料理を見ながら次に頼む料理を選んだ。

野菜のココット、岩中豚

返された質問の意味がよく分かった。メインに相当する料理は量がしっかりある。「フランス料理ですよね」と言うと「固執しない」と柔軟である。気取らず若い人も楽しめる料理がこの店の特徴である。

チーズ盛合せ

もっとワインを、赤ワインを飲み続けたい。5種類のチーズ盛合せが適当に思えた。どれも食べたことがあるようでも初めてのものばかり。チーズの名前はなかなか覚えられない。一段落ついたシェフと会話しながらチーズでワインを飲む。至高の時間だ。

勘定を始めた外国人が、友達を連れて来たいと予約の相談をしている。小さい店にもかかわらずシェフの他に若い女性店員が2人いる。そのうちの一人が戸惑うことなく英語で答えている。想像した以上に順調な1年だったようだ。

「あの鴨は美味しそうでしたね」シェフが作るのを涎を垂らして見ていたにもかかわらず、腹具合を考慮して今回はチーズを選んだ。後悔はしないが心残りではある。まあ、楽しみは次回に残しておこう。


ラトリエ・デュ・グー
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-8-9 ルミナス吉祥寺1F-B
0422-28-7907

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2009年06月23日

[ブラックホール](新宿歌舞伎町)

焼肉激戦区の歌舞伎町に出来た新店


新宿区役所通り沿いにモダンな店が出来たのは今年の5月頃。外観と同様に名前も焼肉屋らしくない。一度はまったら抜け出せない旨さということから名付けたらしい。他にもたくさんの焼肉屋、韓国料理屋がある歌舞伎町ではそれなりの特徴がなければ生き残れない。

店内は広々としており近隣の焼肉屋とは雰囲気が異なる。お通しは山盛りのキャベツの千切りで、とんかつ屋さんみたいだ。定石どおりまずは上タンからスタートした。

キャベツ、上タン

レギュラーサイズの他に多種類の部位を食べたい少人数向けの小皿があるのが嬉しい。まずはいい肉から食べてみよう。

上ハラミ、上ロース

少量なのはいいが、三切れずつというのが解せない。小皿を頼むのは2人連れが殆どだろうから、四切れを一皿とすべきだ。毎回譲り合うのは疲れる。

切り落としタン、ゲタカルビ

切り落としはタンにも色々種類があることが分かって興味深かった。ゲタカルビも同様に面白かった。他にも色んな部位がある。盛合せを頼んだ方が賢いかもしれない。

塩焼きを楽しむためにネギなど付け合せも豊富である。しかし、そのことを知ったのは家に帰ってホームページを開いてから。食べるその場で説明してくれれば、もっと違った楽しみ方が出来ただろう。メニューを読まない方が悪いのは分かっているけれど。

新宿では元横綱若乃花・お兄ちゃんの韓国焼肉料理屋も閉店してしまった。激戦区で戦うだけの武器は取り揃えたかもしれないが、精鋭の兵隊(店員)が育つかどうかは未知数である。隊長や下士官たちの頑張りに期待したいものだ。 


和牛塩焼肉 ブラックホール
東京都新宿区歌舞伎町1-2-5
03-6457-6089
http://www.iloveyakiniku.com

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2009年06月09日

[コルザ](銀座)

演出も楽しいキッコーマンの鉄板焼き屋


「5時に銀座能楽堂地下の店に集合してください」と言われ、いつもより早い時間指定にちょっと驚いた。通常7,500円のコースが6,300円で食べられる5時~7時のトワイライトタイムコースを予約したとのこと。なかなか優秀な幹事だ。

いつものメンバーが2人欠けたお陰で8人が鉄板焼きテーブルにうまく収まった。まずは前菜から。値段の割りにちゃんとしていると褒めたら、キッコーマンが経営する店と教えられて納得した。

続いてホタテと海老の海鮮鉄板焼き。立派なホタテ8個は雌雄半々、身の大きさもバラバラ。「どれが当たるか心配になるね」と料理人に聞いたら、「混ぜ合わせるので不公平にはなりませんよ」と安心させる。しかし、手元に来た皿に卵は入ってなかった。

丸ごと焼いた玉ねぎに興味が湧いた。「家でやってみよう!」と言ったら、「オーブンで8時間焼きますのでご家庭では無理です」と言われた。本当かな?

肉は鉄板焼きと網焼と2種類から選ぶ。もちろん半々にしてもらった。鉄板焼きは輸入肉だとすぐ分かる。追加料金を払えば黒毛和牛に変えてくれるが、メタボグループにはこの方がいい。キッコーマンらしく熟成もろみに漬け込んだ網焼きは驚く程柔らかく、同じ肉とは思えない。

ごはんは追加料金を払ってガーリックライスにした。デザートのお勧めは鉄板焼きアイスクリープだ。光を落として炎に覆われるアイスクリームにみんなの目は釘付けになる。肉のように「僕はミディアムで」と軽口を叩けば倍楽しい。

鉄板テーブルを次の客に譲って場所を移動した。アイスクリーム以外のデザートも頼んで味比べをしていたら、年配の店員(店長?)が「醤油をかけたら更に美味しくなりますよ」と瓶を示す。半信半疑のみんなは最初は恐る恐るかけて目を瞠り、次に多めにかけて「さすが、キッコーマン」と感動の声を上げる。

クリームと醤油の相性をもっともらしく解説する者も出てきた。「オイッ!ちょっと瓶をこっちに寄越せ」と銀髪が言う。スプーンに少し注いで味見をし、首を傾げる。横に座った部下が真似をする。銀髪が手を上げると、こちらの様子を窺っていた先ほどの店員が、満面に笑みを浮かべて近寄ってきた。

なかなか楽しいコルザだった。


コルザ
東京都中央区銀座6-5-15 銀座能楽堂ビルB1F
03-3572-3030
http://www.colza.co.jp/

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2009年06月05日

[味道園](松江)

しまね和牛肉の店


「どこか美味しい焼肉屋ないかな?」とタクシーの運転手さんに聞くと、「ギュウカクはどうですか?」と言う。「まさかチェーン店の牛角じゃないだろうね」と言うと「そうかもしれません」と答える。さらに「サカイもチェーン店ですか?」言われてずっこけた。

運転手さんが電話をして探したのが味道園で、5時前なのに店を開けて待っていてくれた。こちらの希望通り地元しまね和牛を使った焼肉屋である。いつものように2人前ずつ頼もうとするK氏と押し問答した挙句、負けた。どうせ金を払うのは彼だ。

特選塩タンからスタートした。K氏が自分の行きつけである銀座並木通りの游幻亭の方が上だと言うが、1人前1580円と6000円のタンを比べては可哀想だ。値段を考慮すると味道園も負けていない。ハラミがとても美味しい。とても1000円には思えない。


極上ロース、極上カルビが出てきてK氏も2人前ずつ頼んだのを後悔した。1人前1950円でこの霜降りである。50代のK氏と銀髪で約半分を食べて、残りは30代の部下に託されることになった。
タンとレバーの刺身は頼んだ銀髪の責任。他の二人は手をつけなかった。半分は焼いて食べた。

K氏が懲りずにホルモンを2人前頼んだ。絶対責任を持つと言ったのに、またまた部下に押しつけられた。銀髪は口直しにトマトを頼んだ。地元産野菜も味道園の自慢だ。

「牛角は嫌だ!」と強硬だったK氏が好んで食べたのはポテトサラダ、ウインナー、鮭茶漬けだった。銀髪は立派に責任を果たしたと思う。部下の皿にはカルビとホルモンが数切れ残された。彼のせいではない。もちろんしまね牛のせいでもない。


島根県松江市東朝日町78-7
0852-28-1000
http://www.midoen.jp

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2009年06月04日

[江戸路](人形町)

旧鳥友の時代から人気の焼き鳥屋


「玉ひでの姉妹店」というだけで店は一杯になるだろう。鳥友がなくなったと思っていたら、立派なビルが建ち、名前を変えて再スタートした。経営者の玉ひでの娘さんを見たかったが、この日は虎ノ門にある店に居るとのことだった。

大通りに面したドアから入り、長いカウンターを左に見ながら奥に進み、階段を上った。席につくと、お通しとコラーゲンスープが運ばれてきた。ちょっと変わった枝豆は誰もいないテーブルの殆どに置かれていく。柱が窮屈な4人席に押し込まれたのを恨むより、来る直前の予約にもかかわらず入れたことを喜ぶべきかもしれない。


レバーのパテ、冷やしコラーゲン鳥、砂肝すだちポン酢、鳥皮柚子ポン酢。焼鳥の前に、ちょっと変わった料理を食べることにした。女性なら飛びつくコラーゲンに、男たちはあまり興味を示さなかった。

もも肉、ハツ、つくね、レバー(タレ)

お任せの5本コース、8本コース、どちらを選ぶか悩んだ末に、食べたいものだけをオーダーすることに決めた。もっとも、他の人にとっては店に任せるか銀髪に任せるかであまり違いはない。出てきた焼鳥は値段で予想したとおりボリュームがある。まず4本ずつにしたのは正解だった。

ハツモト、ぼんちり、せせり、砂肝、皮、合鴨


今度は2本ずつ頼んで、4人で分け合うことにした。銀髪にとってはハツモトが初体験。ぼんちりやせせりが初めての人もいた。銀髪だけが頼んでいると不満が出る。定番の砂肝や皮が食べたいと思うのも無理はない。

最初に頼んだ4本はタレか塩か好みを聞かれたが、ハツモト、ぼんちり、せせりは選択させてはくれなかった。それぞれがオリジナルの味付けになっているからのようだ。ぼんちりやせせりはさっぱりと美味しく食べられるが、未経験の人たちには本来の味を知らしめたかった。

勘定をして1階に下りるとカウンター席もほぼ一杯で賑わっていた。今度はカウンターで食べてみたいものだ。


江戸路
東京都中央区日本橋人形町1-19-2
03-3668-0018
http://www.ensen-ado.com/edoji/ningyoucho/1.htm

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2009年04月20日

[ぼるが](新宿西口)

中高年の憩いの居酒屋


約10年振りにやってきた。その前が更に10年前。大学時代はしょっちゅう来た店だが、卒業後は10年に1回来ては懐かしんでいる。階段を上がってすぐのコーナーには70歳前後の6人組が同窓会でもやっているようだ。その内の一人が立派なデジタル一眼レフのカメラで同僚たちにフラッシュを浴びせている。

お通し、もつ煮込み

店内も外観も記憶の通りだけど、30年前の客層は学生や若いサラリーマンが多かった気がする。1949年に創業して、現在の場所に移転したのが1958年。かつてあったような若者たちの熱い議論は、店の隅々まで探しても見つけられない。

ばん焼き

ぼるがの看板料理は焼き鳥&焼きとんである。道路に面した炭火でおじさんが焼いている。2人前頼んで塩とタレを半々にしてもらったが、2本ずつ5種類という訳ではなく、鳥肉と豚肉をうまく混ぜてくれた。塩味もいいが甘くとろみのあるタレも捨て難い。

おから、わらび、湯豆腐

一皿の量が多いので食べ応えがある。30年前は量が少ないと思ったかもしれない。もっとも、若い頃は肉類ばかりを食べて、山菜や豆腐の類は避けたことだろう。

腹が膨れてきたところでもう一度店内を見回した。若い女性の3人組と2人組が店の雰囲気に溶け込んでいる。30年前にはなかった光景のように思える。何度見ても男子学生らしき連中はいない。この日は若き日の自分を見つけることはできなかった。

腹いっぱいになったので勘定をした。70歳前後の6人組は数分前に席を立った。また10年後、ぼるがで彼らに会えるかもしれない。6人全員が揃っているとは限らないが…

ぼるが
東京都 新宿区西新宿1-4-18
03-3342-4996

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2009年04月09日

[好ちゃん](神田)

楽しくて美味しい塩ホルモン


外堀通りから路地に入って少し歩くと左前方に好ちゃんの看板が見えた。代々木のイタリアン「タンタボッカ」で紹介されてから数日、この日が来るのが待ち遠しかった。階段を下りてすぐの店で名前を告げたら、系列の静岡おでんの店だった。好ちゃんはその奥にあった。

銀髪を迎えて緊張気味に見えたスタッフも、「ブログ見せてもらいましたよ」と笑った後はすぐに打ち解けた。タンタポッカから聞いて銀髪グルメ紀行を読んだようだ。サービス統括の杉浦さんはもちろん女性スタッフも明るく元気だ。料理は杉浦さんに任せた。既に常連気分である。

きゃべつ、レバ刺し、ゆで豚とキムチ

ピーナッツもやし、ハツユッケ

タンタボッカでも食べた自慢のレバー。珍しいハツのユッケ。良かった。とても美味しい。温かく迎えられたにもかかわらず、グルメ紀行で褒めることが出来ないと辛い。そんな心配も吹っ飛んだ。「ウマイ、ウマイ、ウマイよ!」来る店員みんなに告げる。笑顔がはじける。

シビレ、シマチョウ

「そろそろ焼きものを持ってきますね」「オウ、頼むよ!」実に楽しい。料理を任せたお陰でメニューにないものも出してくれる。新鮮な肉なので焼き過ぎには目を光らせる。ヤンは軽く炙ってわさび醤油で食べると、貝のような食感だ。
「ぼくの一番のお奨めです」と杉浦さんが出してくれたのがハツあぶら。普通なら切り落としてしまう脂身を残したのも。食べて大きく頷いて笑い合う。銀髪が唯一欲したテールも期待通りの味だった。

ヤン、ハツあぶら、テール

タレもつけず、塩の味付けだけで食べたせいか、胸焼けも胃もたれもなくまだ腹に余裕がある。タンタボッカでコメントしてくれた「ゆも」さんのお奨め「モツちゃんぽん」を食べようかと思ったが、隣の静岡おでんが気になってしょうがない。杉浦さんに告げたら、身軽に席の予約を取りに行ってくれた。どこまでも気持ちがいい。

イヤー、満足、満足。美味しくて良かった。

好ちゃん 神田本店
東京都千代田区内神田1-11-10
03-5280-6188
http://www.yoshichan.com/

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2009年04月03日

[うかい亭](表参道)

心地よいサービス


ブランドショップが入る表参道ジャイルの5階、店に入るとすかさず店員が3人近づいてきた。コートと荷物を預け、ガレのランプを見ながら鉄板焼きルームに足を踏み入れると、正面のガラスケースに並ぶラリックの作品が目に入る。左には接待や家族向きの個室があり、我々は右側の広い部屋に案内された。

簡単に予約が取れたのも頷ける。銀髪を含めて客が8人では鉄板焼きカウンターの半分も埋まらない。ホームページを見てきたのでメニューは一瞥しただけでソムリエに返した。
「肉は最低150グラムからですか?」「いいえ、100グラムでも50グラムでも結構です」
「それではサーロインとテンダロインを100グラムずつ」「半分ずつお分けしますか?」
「ええ、そうしてください」メインを決めてから、他の料理の相談をしていった。

「ほったさんのトマトはいかがですか?」「ホッタ産?」「いえ、堀田さんです」四国の堀田さんが作ったフルーツのような甘いトマトだった。
初めて食べるような太いフランス・ロワール産のホワイトアスパラ。こちらのロワールは間違いなく地名である。

名物は鮑の岩塩蒸しと分かってはいるが鮑ではつまらない。アイナメ、桜鯛、車海老、伊勢海老、首を振り続けたら「ブルターニュ産オマール海老はいかがですか。伊勢海老より濃厚な味です。」堀田産、ロワール産、ブルターニュ産と産地を言われたら弱い。あっ!堀田さんは産地じゃなかったっけ。

山形県産サーロインと宮崎県産テンダロイン(フィレ肉)。産地は逆だったかな?フィレ肉とは思えないようなサシが入っているので、産地だけでなく肉の種類も見間違えてしまう。しかし見た目は同じようでも一口食べると違いは歴然。サーロインは脂の甘味と香り、フィレは肉の旨味、どちらも甲乙つけ難い。

メインディッシュが終わったら別室でデザートや食後酒を愉しむ。テレビでお馴染みの服部幸應氏が取巻きを連れて入って来るのと入れ替わりに部屋を出た。店員が見送ってくれるのはエレベーターまでと思ったら、傘を持って通りまでついてきたのには驚いた。さらにタクシーまでつかまえてくれる。極上の夜を演出するサービスに感銘を受けた。


うかい亭 表参道店
東京都渋谷区神宮前5-10-1 表参道じゃいる5F
03-5467-5232
http://www.omotesando-ukaitei.jp

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2009年03月16日

[鳥政](表参道)

創業から32年、伝統の焼鳥


鳥政を覗いたのは何回目だろうか。いつも予約なしで戸を開けては断られた。混んでいれば他の店に行けばいいやと今回もダメ元で行ったら、何とカウンターはガラガラ。真ん中の席に座り「イヤー、空いてて良かった!」と言うと、板さんも笑った。すぐにお通しが出てきた。

お通し

「こんな日もありますよ」「イヤー、ラッキー、ラッキー」と話を続けながらガラスケースの中を物色する。一串がでかい。メニューと見比べて悩む。半コースでは種類が少なくてつまらないが、全コースでは食べきれるか自信がない。決めかねていると「全コース1人前を2人で分けて食べてもいいですよ」と言われた。それを早く言ってくれ!

さび焼き、レバー、しそ巻き、つくね

わさびが乗ったささ身、レバーは共に中がレアの状態。「美味いですねー」と板さんを見ると「ありがとうございます」と嬉しそう。入店を断られた時には偉そうに思えたが、逆恨みだったようだ。しそ巻きと太いつくね。うまい、うまい。

もも、ねぎ巻き、白玉(うずら)、ぎんなん

ねぎ間ではなく鶏肉でねぎを覆っているねぎ巻きを食べたところで京橋の老舗・伊勢廣を思い出した。あらためてメニューを見上げるとボンジリやセセリのような今はやりの部位がない。「創業以来メニューは変わっていないんでしょう?」と聞くと怪訝そうな顔をする。「刺身なんかはその日によって変わりますよ。でも焼鳥は…そうですね…変わってませんね…」若い板さんはまだ質問の意味をはかりかねているようだ。銀髪一人、ニンマリとした。

日本酒を頼むと熱燗用と冷酒用が1種類ずつしかない。これも伊勢廣に似ていると思ったら、出てきた冷酒は純米大吟醸の写楽。ちょっと嬉しくなった。

砂肝、皮、なんこつ、手羽先

板さんのお奨めどおり、全コース1人前でお腹が一杯になった。最後はもちろん鳥のスープ。

だんだん客が増えてきた。女性客はカウンターに2人、座敷に4人、男性に混じって数人と表参道らしく多い。小さな店に女性が集まれば混み合うのもよく分かる。
「今度は予約してきますね。今日食べなかった料理もたくさんあるから」と言うと「またお願いします。名刺いりますか?」元気がいい。

ボリュームタップリの昔ながらの焼鳥を食べられるいい店だった。

鳥政
東京都港区南青山3-13-2 山川ビル 1F
03-3405-4515

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2009年03月05日

[鳥巣亭](原宿)

原宿駅前で昔ながらの焼鳥屋


男二人、ロードバイクの店の帰りに原宿に戻ってくると、どこで食事をするか戸惑ってしまう。しかし、女子供の街との先入観を振り払って嗅覚を働かせ、ビルの看板と窓を見ながら適当な店を物色する。あった、あった、あれならいけそうだ。

エレベーターを降りて店を見ると、思ったとおり原宿に居ることを忘れさせてくれるような焼鳥屋である。ところがカウンターに座っているのは外国人男性&日本人女性のカップルと若い女性の二組で原宿らしい陣容である。レディースコースなるものもあり、やはり原宿を意識しているようだ。

お通し、自家製チャーシュー

焼鳥はすべて150円~200円とリーズナブル。コースは断って、アラカルトで食べることにした。「2本ずつだね?」と聞くと「2本以上です」と念を押された。「二人だから2本でしょう」と言うと「3本でもいいですよ」とかみ合わない。そうか、2本の倍数じゃなくてもいいと言いたかったのかと気付いた。

もも肉、レバー、せせり、ぼんじり

料理人は二人ともベテランのようだ。今風の洒落たものはないが、焼き方も上手で悪くない。
日本酒は八海山、浦霞、久保田、月山、田酒と有名どころを揃えている。外国人も女性たちもガバガバ飲むのは400円~600円と格安だからだろう。我々はビールを飲み続けることにした。中瓶で500円というのも良心的だ。

しいたけ、ぎんなん、はつ、なんこつ、ながいも

我々の後に若いカップルが入ってきたが、続けて中年二人組、高年2人組が加わり、ようやく店に相応しい雰囲気になってきた。後から来た2組は常連さんらしく、料理人たちも元気になってきたように見える。客だけでなく料理人も人見知りをする。

時間の経過と共に店の雰囲気がどのように変わっていくか見届けたかったが、ビールで腹が膨らんでしまったので勘定をすることにした。ネット上では殆ど情報がない店だが悪くはなかった。オヤジ達、カップル、外国人、誰をも受け容れる昔ながらの焼き鳥屋だった。

鳥巣亭
東京都渋谷区神宮前1-14-2 ルポンテビル3階
03-3497-5351

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2009年02月27日

[モーリヤ](神戸)

老舗のステーキ屋さんで神戸牛を


「肉屋が経営しているので安く神戸牛が食べられるんですよ」と神戸に住んだことがある部下が言う。神戸には何度も来ているのに一度も高質な神戸牛を食べたことがないのが不満だったが、今日こそ120年の歴史を持つモーリヤで食べられると意気込んだ。

メニューを開くとお得な厳選牛のコース料理が目に入った。さらにページをめくると神戸牛のコースが別にある。神戸の老舗ステーキ屋の肉はすべて神戸牛と思いがちだが厳選牛は神戸牛の基準は満たしていない。味は同等と言うので悩んだ末に、やっぱり極上神戸牛のコースを食べることにした。

オードブル(鴨)

座ったのはいつものようにカウンター。目の前で焼いてくれるのは山村店長兼総料理長。お母さんが実家で但馬牛を育てていると言うだけに、神戸牛についての造詣は深い。
もちろん歴史のある店のことも教えてくれる。モーリヤは肉屋が前身だが、今は肉屋を経営していない。部下が勘違いした元町の森谷肉店は血縁関係はあっても別経営とのことだった。

味比べをするためにリブロインとフィレを頼んだ。さすがに美しい。フィレだってしっかりサシが入っている。リブロインの方が大きいが、脂身を切り取られると寂しくなる。

さっとミディアムレアに焼いてもらった。最初は赤穂の塩だけで食べるように奨められた。思ったほど脂がしつこくなくて驚いた。これが神戸牛の特徴らしい。

部下のフィレを一口もらった。肉の味がしっかりする。別の部位も食べたくなった。サシが少ない赤身も噛めば噛むほどに美味しいに違いない。

リブロインの脂はカリカリに焼いて焼き野菜の上に乗せてくれた。和牛の美味さは脂にあると言っていい。切り取られてどうなるかと気が気ではなかったが、しっかり銀髪の腹に納まる事になった。メデタシメデタシである。

美味しい神戸牛を食べて満足満足。これからは神戸牛の極上品にこだわらなくてもよくなった。次に来たら厳選牛と食べ比べしてみよう。神戸牛の赤身のステーキも魅力的だ。いやー、食べなければならないものがたくさんできてしまった。


モーリヤ
兵庫県神戸市中央区下山手通2-1-17
078-391-4603
http://www.mouriya.co.jp

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2009年02月23日

[はなもんや](新宿)

和風個室の焼肉屋さん


「全席和モダン掘り炬燵個室の焼肉屋」というのに興味を持った。接待用の畳部屋を持つ高級焼肉料理屋は他にも知っているが、すべて和室の焼肉屋は初めてである。

JR新宿駅新南口、ユニクロの目の前、それほど大きくないビルの6階でエレベーターを降りると日本料理屋と錯覚する。靴を脱いで個室に入り、テーブルを見てようやく焼肉屋と納得する。
コースは滅多に頼まないけれど、参考のために5,400円のぐるなびクーポン限定コースを食べることにした。グラスワインもコースに含まれている。

煮込み、キムチ盛合せ、おぼろ豆腐、もも赤身刺し

店員も店の雰囲気に染まるのだろうか、みんな物腰が柔らかく品がいい。店名の「はなもんや」は京都弁かと思ったら、人間の指紋にあたる牛の鼻紋のことだというから笑わせる。

近江牛盛合せ

赤身とバラ肉の3種(バラ、上バラ、ゲタバラ)が1人一枚ずつ名札つきで出てきた。なかなか美味しい。醤油ダレ、味噌ダレもあるが、3種類の塩で食べるのが一番いい。

ホルモン盛合せ(ミノ、マル腸、ハツ)

すべて近江牛というわけではないけれど、ホルモンもなかなかの肉質だ。ぐるなびコースはこれで終わり。まだお腹も脳も満足はしていないが麺やごはんを食べる気にもならない。肉を追加することにした。

さがり、ざぶとん

肋骨に近い部位のサガリ、鞍下に近い最上級肩ロースのざぶとんを食べた。腹一杯にするにはいくらかかるか分からないのでこのぐらいでお開きに。安売りに釣られてきて、結局高いものを買うのに似ている。ぐるなびコースにごはんをつけてないのはなかなかの戦略家だ。安くあげるなら食事付きのはなもんやコース(5,800円)の方がいいだろう。

三角、くり、うわみすじ、みすじ、とうがらし、いちぼ、しんしん、とも三角。希少部位を全部食べたくなる。次回は戦略を練り直して来よう。いい店だった。

はなもんや
東京都新宿区新宿4-1-9 新宿ユースビルPAX6F
03-6457-7211

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2009年02月16日

[路地](新宿三丁目)

デートにも使えるきれいな焼きとん屋さん


「数年振りに海外勤務から戻ったら、焼きとん屋が多いのにびっくりした」と友人が言う。彼の職場の近く、新橋には昔から美味しい焼きとん屋がたくさんある。しかし、確かに新しく出来た店もあり、新橋以外でも焼きとん屋が増えている。

学生のとき、武蔵小山の焼きとん屋によく行った。焼きとんを肴に安い焼酎のホッピー割りを飲むのが好きだった。汚いイメージが強い焼きとん屋も、随分変わって来た。オヤジたちの聖域に女性が進出してきたせいかもしれない。

新宿伊勢丹裏の路地を歩いていたら、ちょっと洒落た感じの店を見つけた。まさに今風の焼きとん屋さんで、店に入ると男女比はほぼ半々。デートにも使えるような店だ。席につくと二日酔い防止のための青汁とお通しが出てきた。

さしみ湯葉、生野菜盛り

湯葉の盛り方や野菜の化粧を見れば、店の雰囲気も想像してもらえるだろう。焼き場の男性店員のユニフォーム姿も決まっている。料理を運ぶ女性も物腰が柔らかい。

てっぽう、たん、大とろバラ焼き、こぶくろ、かしら、ればー、がつ、しろ、つくねと続けた。大とろバラ焼き以外は1本ずつ頼めるのが嬉しい。1本200円~300円はちょっと高めだが、店の雰囲気も合わせて考えれば安いものである。しかもブランド豚・岩手産の白金豚と聞けば納得する。こぶくろが特にきれいだ。

勘定をして出口に向かおうとしたところで地下へ続く階段が目に入った。店員に尋ねると、地下だけではなく2階も3階もあると言う。大部屋や個室、カップルにぴったりの席もあるようだ。女性も安心して入れる店と言いたいところだが、新橋の焼きとん屋で豪快にジョッキをあおる女性たちを思い出した。元気な女性たちは怖いものなしだ。

銀髪がメンバーだったオーストラリアのゴルフ場では、土曜日は女人禁制だった。プレー終了後、ビールを飲みながらオーストラリア人がつぶやいた。「土曜日ぐらいは男だけでくつろぎたい」


路地
東京都新宿区新宿3-17-17
03-3352-0080
http://www.roji.info/

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2009年02月09日

[がいがい](麻布十番)

きねつきもちの肉巻が一番


「エッ!ここ?」焼き鳥屋と聞いてきたので入り口を見て驚いた。派手なディスプレイがないので行き過ぎてしまいそうだ。中に入ると焼き場がステージのようにカウンターに囲まれている。直前に予約したのでカウンター席は売り切れで、我々は小さな個室に通された。男同士で入る部屋ではないが止むを得ない。オーダーを受けた後、扉を閉めようとする店員を制した。密室で野郎二人は辛い。

お通し、地鶏の白子ポン酢

日本三大地鶏(名古屋コーチン、比内地鶏、薩摩若しゃも)や甲州赤毛鶏などの鶏肉はもちろん牛肉、豚肉、野菜とこだわりの品揃え。素材の美味さを堪能しようではないか。

比内地鶏刺身6点盛り、コーチン刺身

比内地鶏刺身は手前から肝、心臓、白肝、上段もも肉ルイベ、ささみ、すなずり、コーチン刺身は肝、ささみ。肝の食べ比べは面白かった。個別に食べると分からないが、交互に食べると違いは明らか。

ぼんぽち、ひざ軟骨(甲州赤毛鳥)、せせり(比内地鶏)、出し巻き

刺身で食べられる肉だからレアでも良さそうだが、脂を落として外をカリッと焼くのがこの店の特徴。固くならない程度にしっかり焼くのも熟練の技だ。

へしこ、地鶏もも肉柚子こしょう煮

地鶏料理が中心の店になぜがへしこがある。酒のメニューには黒龍。思ったとおりオーナーが福井出身だった。

きねつきもちの肉巻、トマト巻

ボチボチお開きにしようと思ったところで、カウンターにと声がかかった。やはり特等席はカウンターだ。しかも焼き場に近いので店長と話が出来る。本日一番気に入ったきねつきもちの肉巻きの作り方も教わった。これは銀髪のレパートリーになる。

ラストオーダーが4時と遅いので急かされない。楽しく話していたら12時近くになっていた。一つの店にこれほど長く居たのは久し振りだ。「混んできたら2時間で出てもらいます」という店が多い昨今、ちょっと高めの料金も仕方ない。2次会に行かなくて済むなら安いものだ。

美女と一緒であれば、もっと楽しかったに違いない。それだけが残念だ。


がいがい
東京都港区麻布十番1-3-1 APORIAビル1F 
03-3586-3335
http://www.gaigai.jp

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2009年01月22日

[日乃本 比内や]③(日本橋)

今夜のメインはきりたんぽ鍋


昨年、日本橋界隈で行った店の中で気に入った店の筆頭格が比内やである。最初は昼に親子丼を食べに行った。普通の親子丼と違い、鶏肉は炭火で焼いている。香ばしい焼鳥が気に入った。

2回目は焼鳥を食べるために行った。期待したとおり比内地鶏はとても美味しかった。日本酒の品揃えも充実していて呑みすぎた。店員の品がいいのも気に入った。

3回目の狙いはきりたんぽ鍋である。まずお通しから。ゆったりと落ち着いた大人の雰囲気を出してくれるのは料理だけでなく店員の貢献度が高い。

ご当地料理の中からはたはたずし、味噌漬けきりたんぽ、みずのこぶの酢の物、いぶりがっこの4品。質素な郷土料理だけに感動するほどのものではないが、日本酒にはよく合う。今回も秋田の地酒にこだわろうと思ったら何と昨年見学に行った夢心酒造の奈良萬があるではないか。大事に取り扱ってくれるところにしか出さないと行っていた専務のことばを思い出した。業者にも信頼される店らしい。

「今日はいいレバーが入っています」と言われて飛びついた。もも肉や羽の付け根の肉、紫蘇焼きも美味しい。しかし、勧めるだけあってレバーが一番。さすがに健康な地鶏のレバーは白レバーより上の味だった。

刺身の盛合せ、砂肝を食べ、焼きものの最後にちょうちん。若い人は初めてと不思議がる。子供の頃、度々食べさせられたと年長者は顔を曇らせる。どちらの反応も楽しくて、銀髪は悦に入ってムシャムシャ。

さあ、きりたんぽ鍋。浅草のあらまさに比べると品がいい。しかし、あらまさで食べた印象を大きく変えることはない。きりたんぽが他の鍋料理に比べると影が薄いのは、素朴な醤油味でインパクトに欠けるせいだろう。肉や野菜を食べ進み、最後に食べたきりたんぽがスープをタップリ吸ってとても美味しかった。他の素材のすべてがきりたんぽのためにあると納得した。

稲庭うどんを鍋に入れてお終いにしよと思っていたが、念のために聞いてみた。「親子丼を食べますか?」 考えてみたら、何度も親子丼の話を銀髪から聞かされた人たちが我慢できるわけがない。小さめの親子丼をみんなで仲良く分け合って食べた。

日乃本 比内や
東京都中央区日本橋室町2-1-1 日本橋三井タワーB1
03-3231-1718

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2008年12月23日

[辰っちゃんのホルモン市場](名古屋)

梅宮辰夫プロデュースのお店


ワシントンホテルプラザ2階の「銀座」を出て向かいのビルの地下に入ったのは7時少し前で、店内は8割方埋まっていた。仕切りの隙間から隣のテーブルを覗くと、大皿にカルビやロースが豪快に盛られているのが見える。我々は既に腹八分目だったので、そんなに食べることはできない、と思っていた。

お通し(チャプチェ、野菜)、レバ刺し

芸能人が経営する店は数多いが、梅宮辰夫については胡散臭い印象を持っていた。観光地でよく見かける漬物屋の人形を見ると、単に人寄せに使われているだけに思えたためだ。
食通であっても企業経営は簡単ではない。
偏見を持ちながら、レバ刺しを食べた。推薦者のT氏が不安そうに顔を覗く。「美味しい」と言うと笑顔になった。お世辞ではなく、偏見を解くことにした。

ホルモンつぼ漬け、ハラミ、ツラミ、ラーメン

T氏のイチオシはホルモンつぼ漬け。落ち着きなくホルモンをひっくり返すのを見兼ねて部下のKがトングを取り上げた。脂をあまり落とさないように焼くのがコツらしく、半生の状態で口に放り込んだ。「美味い!」のKの言葉につられてみんなが箸を出す。

ハラミ、ツラミを食べて終りにしようと思ったら、「ごはんくださーい!」とT氏が言うので驚いた。さらに「ラーメンくださーい!」と続けるので他のみんなもアングリである。
本日2軒目の食事であることを忘れてしまいそうだ。

名古屋には焼肉屋2店、寿司屋と焼き鳥屋1店、梅宮辰をの店があるらしい。いずれもタマミグローバルという会社が経営する。全国に22店ある梅宮辰夫漬物本舗はデジタルラボラトリーの関連会社ナガノファクトリーのもの。梅宮辰夫がオーナーではなく、名を貸しているだけのようだ。もっとも、食通の誉れ高い梅宮辰夫の名に惹かれて客が来るのだから、彼の責任は重大だ。

ホルモン市場は肉の種類も豊富で値段も手頃。梅宮辰夫の名声に傷をつけることはなさそうだ。


辰ちゃんのホルモン市場
愛知県名古屋市中区錦3-19-6ワンダフルプラザ MB1
050-7300-3290

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2008年12月05日

[花ざくろ](岐阜)

岐阜県が誇る飛騨牛


幸か不幸か牛肉偽装事件で飛騨牛の名前は全国に知れ渡った。名古屋などで何度も食べたことがある銀髪でも「岐阜県内で14ヶ月以上肥育された黒毛和種で、3等級以上のもの」だけが飛騨牛と呼ばれることを事件になるまで知らなかった。

口取り、前菜盛合せ

花ざくろは創業25年、有名ブランドとして定着する前から最上級5等級の飛騨牛のみを使っているとのこと。迷った末に特選おまかせ雪コースを頼んだ。自慢の牛タンをはずすわけにはいかない。

牛たたき、オカカサラダ

牛のたたきもイチオシメニュー。「これが美味いんですよ!」と今日が2度目の岐阜県担当Fが声を上げる。太った男が肉を口に頬張り、嬉しそうに笑うと本当に美味く見える。

牛タン(元と先)

「店の看板料理と言う割にはイマイチなんですよ」と店に来る前にFは批判的だった。「美味しくないって言ってましたよ」と仲居さんをからかうと困った顔をする。実際に食べてみると悪くない。Fも「すいません、勘違いでした」としおらしいので、比較するためにコース外の牛タン(先)を追加した。「アッ、これだこれ!前回食べたのはこっちですよ」とFの面目も保たれたようだ。

サーロイン(上)だけでなくヒレ肉も見事にサシが入っている。仲居さんが丁寧に焼いてくれるのを待つ。Fは「しっかり焼いてください」と言ったくせに、食べた肉を「焼き過ぎですね」としかめっ面をする。上等な肉を炭にしてはもったいない。

50歳を超えた我々には110gの肉で正解だった。脂が口に残っていたせいか、今日一番感動を与えたのは白いごはんだった。普段夜にはご飯を食べる習慣がない銀髪だが、富山県産こしひかりが滅茶苦茶美味しくて、完食してしまった。

階段の踊り場の壁に目が止まった。安福号は飛騨牛を頂上まで持ち上げた名種牛で、これまで39,000頭もの子を送り出したそうだ。以前、「島根牛の糸桜号には4万頭の子がいる」言うと、「エッ?凄いなー!」と仲間の一人が感嘆して計算を始めた。彼の勘違いを大いに笑ったものだ。

花ざくろは安福号の血統にこだわって仕入れをしているそうだ。安福号だって凄いのだ。何が?

花ざくろ
岐阜県岐阜市栗矢田町1-5
058-266-1189
http://hanazakuro.com/

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2008年11月05日

[伊達の牛たん本舗](仙台駅)

時間がないときは駅ビルで


地方出張でホテルや駅ビルで地元名物を食べるのには抵抗感がある。特に根拠があるわけではないが、時間があれば街に出たい。駅の土産物売り場で一番目立つのが伊達の牛たん本舗。「ここの芯たんが有名で美味しいですよ」と部下の一言が駅ビルでの食事を決心させた。

席についてすぐに「芯たん」と告げた。「売り切れました」とアルバイトと思われる若い女性店員は素っ気無い。数量限定でランチ時に売切れてしまうらしい。部下共々落ち込んだ。
仕方なく、普通の牛タンからスタートした。

牛タン1.5人前

駅ビルの店に偏見を持って入ったためか、思ったより美味かった。新幹線の時間まで余裕があるし、酒の肴的な料理も多いので日本酒を飲むことにした。

牛タン味噌肉豆腐、肉味噌たんかつナンのカナッペ

日本酒の品揃えがいい。浦霞、十四代、飛露喜、田酒などの銘酒が手頃な値段で飲める。定食を食べる客が多い店内で大判振る舞いの客に見えたかもしれない。我々の担当者はアルバイト→チーフ(?)の女性→店長と昇格していった。

通しゃぶ

合成肉の牛タン。通しゃぶと命名したものの、部下は一切れ食べて口を歪める。ダメだと決めたら絶対口にしない相手は困る。仕方なく銀髪が平らげた。タレをつけて持参の唐辛子をかければ悪くない。

牛タンつくね

つくねは食べてくれた。やれやれである。好き嫌いがある相手は疲れる。好き嫌いがない銀髪も相手を疲れさせているかもしれない。とにかく珍しいものは見境なく頼むのだから。

新幹線にはゆっくり間に合った。駅ビルにある店に対する偏見も少し解けた食事だった。


伊達の牛たん本舗
仙台駅地階エスパル店
022-722-8356
http://www.dategyu.jp

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2008年11月03日

[天國](上野)

西郷さんの横で食べる馬肉


上野で仕事を終えたのが11時半。部下に預けておいた地図を受け取り早足で歩く歩く。会社を出る前に行く店を決めて地図を印刷してきた。公園内に店はあるのだろうかちょっと不安になる。

公園内に建てられた地図の前に立つ。フォークとナイフのレストランマークは小高い山の上にある。「あれじゃないですか?」と部下が指し示す方を見たら、高い木々の向こうに建物が見えた。

公園内で人通りが少ないためか、馬肉専門店だからか分からないが、広い店内に客はおばさんが2人だけ。馬肉入りのコロッケを食べているようだ。我々はもちろんステーキ定食である。

小鉢やデザートは省いて肉をもう少し大きくして欲しかったが1,600円ではこんなものか。味噌汁を吸って「馬肉の匂いがする」と部下はご機嫌である。夜なら酒の肴になってしまうステーキも、昼ならごはんと共に口に入る。焼き具合も丁度良く、銀髪もご機嫌である。

熊本の天國本店は創業1982年らしいが、上野の天國はいつからあるのだろう。東京にある馬肉専門店は小さい店が殆ど。おそらく天國が一番立派な店ではないだろうか。個室が5部屋ありカウンターや椅子席も含めるとかなり大勢が入れる店だ。

霜降りの馬刺しやレバー刺し、馬肉のしゃぶしゃぶや焼肉も美味そうだ。パンフレットの美人女将の写真も気になる。この日は女将の顔を拝むことができなかった。

西郷さんの銅像近くにある店なら黒豚などの鹿児島料理の方が相応しいような気もするが、西南戦争を持ち出すまでもなく西郷さんは熊本とも縁が深い。もっとも西郷さんだから熊本料理とこじつけても意味がない。美味しい馬肉が食べられれば文句はない。女将が写真どおりであればもっと文句はない。今度確かめに行かねば。


天國
東京都台東区上野公園1-59 上野公園内 西郷銅像横
03-3824-3211

熊本 天國 本店
熊本県熊本市二本木2-13-12
096-326-4522


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2008年10月16日

[いいかげんや](新橋)

いい、加減、かな ?


いきつけの店がある人は頼もしい。S氏を誘うと必ず「いい店を知っていますよ」と返ってくる。常に新しい店を探さなければならない銀髪にとってこんな楽なことはない。焼き鳥激戦区の新橋で、彼が推薦する店となれば嫌でも期待してしまう。

お通し、刺身

店はすぐに見つかった。すでにS氏は奥の席で待っていた。座るとすぐにS氏が予約時に頼んでいた刺身が出てきた。白レバーを含む鳥の刺身をたべれば、焼き鳥の味は食べる前から保証されたようなものだ。


1本150円からというお手頃値段で美味しいとなれば店は一杯になる。S氏はカウンターを予約したかったようだが、奥の2人席で仲良く食べた。カウンターでなくても店主が料理を運んではだべっていくので楽しい。常連のS氏のおかげだ。


それにしてもSはよく食べる。肉ばかりでお腹が一杯なのに今度は野菜を頼む。不思議なものでこちらも負けずとオーダーしてしまう。鳥ばかりでは飽きるので豚バラ。ノスタルジックにハムカツ。琴線に触れるのが上手な店だ。

もう終りだろうと思ったらまだ頼むS氏。つられて追加注文をする銀髪。気の置けない相手との食事は楽しいが、身体に悪い。お腹が悲鳴をあげる。

激戦区で毎日席を満たすのは並大抵ではないだろうが開業して既に7年。問屋を通さず直接仕入れているので、素材は新鮮でしかも安いというのが人気の秘密だろう。

店名にオーナーの性格が表れている。ユーモアがあって、元気で、自信満々といったところだろうか。「いいかげん」という言葉は銀髪も好きだ。「いい」にアクセントを置く。風呂の温度をみて、いい(湯)加減というのと同じ。ちゃらんぽらんではなく、ちょうどいいという意味で使う。

値段、味、サービス、雰囲気。合わせて「いい、加減」の店である。

いいかげんや
東京都港区新橋4-20-9
03-3434-2911

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2008年10月06日

[日乃本 比内や]②(日本橋)

夜も期待を裏切らない


ランチで食べた親子丼が気に入ったので夜も行きたくなった。人生の大先輩たちを引き連れて総勢6人で出かけた。初めてのディナーで、人数が多いので5,000円の串焼きコースを食べることにした。コースの方が楽なのは確かだ。

先付け、自家製豆腐

予約時に頼んでいたので席につくとすぐに料理が出てきた。ビールで乾杯した後、日本酒に移った。比内やは秋田の地酒など日本酒の種類も豊富に揃えている。枡酒を持って来たのかと思ったら中は自家製豆腐。早とちりしてしまって苦笑い。

比内地鶏の焼き鳥は期待していた通り美味かった。皿にまとめて盛り合わせるのではなく、1本ずつ各人の皿に焼き立てを置いて行く。店員たちはきびきびとして明るく気持ちがいい。

コース料理を頼んで良かったと思うときもあれば、その反対もある。比内やは前者の方で、初めて来た人や自分で料理を選ぶのが面倒な人はコースにしたら安心だ。特に酒飲みにはピッタリの肴が多い。お陰でちょっと飲みすぎた。

〆はもちろん秋田名物の稲庭うどん。コースの最後だけに量は少なめで丁度いい。追加料金を出せばうどんの代わりに親子丼にしてくれる。もっとも親子丼ならいつでもランチで食べられるので、わざわざ夜に食べることもないだろう。

比内地鶏のお造り、比内地鶏のお寿司

コースとは別に頼んだのが上の2品。何も言わなかったのにちゃんと各人に分けて持って来てくれた。比内地鶏の刺身も美味い。寿司はもっと美味くて気に入った。
料理、酒、サービス、どれも文句はない。大先輩たちも満足してくれたようだ。日本酒がすすんでしまうのがちょっと困りものだけど。

ランチ、コース料理での宴会とどちらも及第点。次はカウンターで豊富なメニューの中から単品を食べてみよう。コースを食べるより高くなるに違いないが、裏切られることはないだろう。

日乃本 比内や
東京都中央区日本橋室町2-1-1 日本橋三井タワーB1
03-3231-1718

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2008年07月13日

[松喜屋](滋賀県大津)

本場の近江牛を


毎年この時期に地元の人に案内されて大津の老舗料理屋に行くのが楽しみだ。今回は松喜屋。早速ホームページを開いてチェックした。
松喜屋は明治初期に近江牛を関東に紹介して、その名を広めたとのこと。牧場と肉屋、それに料理屋を経営する。期待はいやが上にも高まった。

付け出し

前菜、たたき、サラダ、じゃがいもグラタン

席に着くなり料理が運ばれてきた。ビールで乾杯し、次に日本酒を頼んだが、すぐに思い直した。鉄板焼きには赤ワインの方が合う。


見事な霜降り肉が前面に、裏に赤身の肉が隠れる。さすがに近江牛の霜降りは美味い。ホームページによると、松喜屋の創業者は近江牛を船で横浜港まで運んだ。近江牛は東京で大評判になったが、牛を乗せたのが神戸港だったため神戸牛と呼ばれてしまったとのこと。
なるほど神戸牛は近江牛のことだったのかと思ったら、話はそれほど単純ではない。

神戸肉は1983年に発足した神戸肉流通推進協議会により以下のように定義された。①兵庫県で生まれた但馬牛の血統であること。②お産をしたことがない雌牛または去勢した雄牛であること。③兵庫県で肥育されること。④兵庫県の食肉センターに出荷されること。
つまり明治時代に勘違いで名付けられた神戸牛が、後年正式なブランド牛に生まれ変わったことになる(正式名称は神戸肉または神戸ビーフ)。アー、ややこしい。

鉄板焼き

肉と野菜が乗った皿の奥に隠れていた赤いもの。レバーのように見えたが正体は赤こんにゃく。近江八幡市の特産品で、派手好みの織田信長が赤く染めさせたとも伝えられるもの。滅多に食べないので、以前食べたことを忘れていた。

それにしても牛肉のブランドは難しい。岐阜産牛の中で最高級が飛騨牛と言われるように、ブランド産地の中でも細分化される。松阪では特産松阪牛、神戸では三田牛、佐賀牛では伊万里牛などなど。

ところが我が奥様は脂の多い霜降り肉は大嫌い。鮪の大トロも大嫌いだから黒鮪が禁漁になっても意に介さないだろう。ブランドに踊らされない賢い奥様と言いたいところだが、やっぱり服飾品はブランド物が欲しそう。

賢い消費者なんてどこにもいないのだ。

松喜屋
滋賀県大津市唐橋町14-17
077-534-1211
http://www.matsukiya.net

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2008年06月23日

[トゥッカーノ](渋谷)

ブラジル移住100周年にブラジル料理


ブラジルのイメージはサッカーとリオのカーニバルぐらいしかない人が多いだろう。皇太子がブラジルの移住100年の式典に赴き、新聞でブラジル特集が掲載されてもなお、関心を持つ人は少ない。銀髪も似たようなものだが、食べ物には興味が湧く。

ブラジル料理の代名詞みたいになっているシュラスコを以前から食べたいと思っていた。ようやく念願がかなった日の翌日にブラジル移住100周年の記事を見た。何かに導かれたようで不思議な気分になった。ドラマなら都合が良すぎる設定と馬鹿にするところだ。

店は大勢の若者でほぼ一杯だった。彼らは2時間4,000円の食べ放題を選んでいる。飲み放題もつけているかもしれない。我々は90分3,000円と飲み物を頼み、料理を取るために席を立った。シュラスコを乗せてもらうために皿の一部を空けておく。

席に戻るとすぐに大串を持って店員がやってきた。丸ごとの肉をナイフで削り取り皿に乗せる。食べ終わった頃に別の店員がソーセージや内臓肉の串を抱えてくる。シュラスコは牛、豚、鶏、ソーセージなど10種類以上ある。オーストラリア産などの安い輸入肉ではあるが、じっくりと焼かれて思ったよりジューシーで美味い。

食い飽きたところでショーが始まった。若い男たちの目は踊り子の大きな胸に釘付けになっている。女性連れの男の目はさとられないように彷徨っては目標点に向かう。

ショーが終わったら再び店員が大串を持って客の間を歩く。腹一杯なのに食べてしまう不思議。最後にやってきたパイナップルの丸焼きには驚いた。
隣のテーブルの女性3人は2時間コースのようで気合が入っている。「私は太る体質だから」と言うタイプの人たちに見える。デザートの別腹も大きいに違いない。

銀髪の祖父母はハワイに移住し、再び日本の土を踏むことはなかった。学生のとき、ブラジル移民を描いた石川達三の第一回芥川賞受賞作「蒼氓」を読んで、他人事と思えず感銘を受けた。苦心惨憺した祖父母の孫は日本でブラジル料理など食べ歩きにうつつを抜かして居る。

最近のブラジルなど新興国の急成長振りを見ていると、日本の平和ボケが心配になってくる。もちろん銀髪も含めての話だが…

トゥッカーノ
東京都渋谷区道玄坂2-23-12 渋谷フォンティスB1
03-5784-2661


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2008年06月18日

[母家](池袋)

池袋のイチオシ焼き鳥屋さん


池袋は男と外国人の多い街。銀髪の勝手な思い込みではあるが、渋谷、青山、麻布、代官山、などと比べると圧倒的に若い女性が少ないような気がする。従って、グルメ本が推奨する洒落たレストランが殆どない。

実際、これまべ銀髪が行った店もタイ料理、メキシコ料理、居酒屋など。そして、今回は焼き鳥屋となった。東口を出て明治通りを新宿寄りに5分ほど歩く。飲食店がまばらになった辺りに雰囲気のある店構えを見つけた。予約なしだが、運良く入れた。込み合うかも知れないのに我々2人を4人テーブルに案内する太っ腹。これですっかり気に入った。最初の対応が料理の評価と一致することが多い。

枝豆、自家製ところてん

鳥が焼きあがる前に食べた壱岐産天草を使った自家製ところてん。しっかり歯応えのある立派なところてんだった。

レバー、背肝

お奨めは?の問いにいの一番に名前があがったのがレバー。レアに焼かれて文句なし。胸骨の後ろあたりの肉という背肝もいい。ますますこの店が気に入った。

キャベツ、馬刺し

口直しにサービスのキャベツ。焼き鳥屋なのに何故か馬刺しも美味い。

さつま峰地鶏の串焼き、矢元(ヤゲン)

首肉、鳥ムネ肉(胡麻味噌ダレ)

母屋限定酒、刈穂母家純米酒を飲んで盛り上がると酒の肴が足りない。鹿児島峰遊鶏場産の地鶏のタタキを食べる。ささみ、むね、ももの3種類の味比べが出来る。

さつま峰地鶏のタタキ

運良く入れたので「今日は空いてるの?」と聞いたら「いつもこんなもんですよ」と言っていたが、謙遜なのはすぐに分かった。程なく一杯になった。

もう一度背肝を頼もうかと思ったが、お開きにすることにした。食べる速度が鈍った我々がいつまでも4人用のテーブルを占拠していては申し訳ない。3回転目に入るテーブルもある。

期待通りのいい焼き鳥屋だった。店主がソムリエの資格を持つだけに酒もいい。人気店といっても偉そうではないし、ぎゅうぎゅう詰めにされることもない。池袋一の評判に大きく頷いた。


母屋
東京都豊島区南池袋1-12-6
03-5950-0377

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2008年05月30日

[バードランド]②(銀座)

再びバードランドへ


食べ損なったものがあったので再度「バードランド」に行くことにした。前回一緒だったYさんと、今回初めてのKさんと3人。電話で予約を入れても、コース料理を強いられることはなかった。

自家製レバーのパテ

口コミで絶賛されるだけあって確かに美味い。Kさんがワインが絶対合うと言うので焼き場の和田さんに「レバーに合うグラスワインをください!」と声をかけた。和田さんはしばし考えた末に、若い店員に白ワインの銘柄を告げた。

ネギマ、手羽先

前回食べ損なったネギマと手羽先を頼む。他のものも食べたいと言うKさんの希望は却下。隣の人が頼んだ皮焼きを見て、泣きそうになったので仕方なく皮だけ追加した。
更に温情で前回感動したソリぐらいは食べさせようと思ったがメニューにない。ここで諦めたら男が廃る。店員から和田さんに聞いてもらったら、1人1個だけなら出せると言う。何度たべてもこれがベストだ。簡単に諦めるのは一生の後悔だと大袈裟に胸を張る。

ホワイトアスパラ焼(フランス産)、ささみのバジルソース、山椒焼

今が旬のフランス産ホワイトアスパラを食べさせようとオーダーしたら「ニホンからですがよろしいですか?」と言う。「エッ!今日は日本産なの?」と声を上げたら和田さんが怪訝そうにこちらを向く。連れの二人が笑い出して話が呑み込めた。「日本から」ではなく「二本から」だった。日本語は難しい。

Yさんが店員に「この店の店員はみんなイケメンですよね」と持ち上げると、Kさんがその店員を見つめて「そうかなー」と遠慮がない。銀髪はYさんに賛同する。まったくYさんの言うとおりだ。絶対Yさんが正しい。間違いなく…  あまり強調すると嘘っぽくなる。

親子丼

絶品と言われる親子丼。Kさんはツユダクの方が好きのようだ。銀髪も一口食べさせてもらった。甘さが控えめで銀髪はこちらの方がいい。親子丼フリークはたくさんいるので評価はその人たちに任せよう。

やはりバードランドの日本酒は美味い。どれもが熟成された酒で深みがある。今度は一人でゆっくり来よう。早い時間に来て、再び和田さんと酒談義をしたいものだ。


バードランド
東京都中央区銀座4-2-15 塚本素山ビルB1
03-5250-1081

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2008年05月12日

[蔵] (新宿)

近江牛をリーズナブルに食べる


近くを通る度に安っぽいビル(失礼)と「近江牛一頭買い」の文字のアンバランスさが気になっていた。ビルの外装を見ればリーズナブルな店なのは間違いない。近江牛は高級牛肉の代表格でお財布が心配になる。

高級な牛肉を安く食べられるなら予約も取り辛いに違いないと思ったが、当日予約が意外なほど呆気なく受容れられた。期待が不安に変わったまま店に入った。内装、雰囲気、メニューの値段、すべて予想どおり。残されたのは「近江牛」の質である。

レバ刺し

焼肉、焼きとん、焼き鳥、店のレベルを計る物差しとしているのがレバー。これが良ければ味は約束されたようなものだ。恐る恐る一口食べてみる。問題ない!

2人用セット

大皿に骨付きカルビ、タン、ハラミなどが盛られてきた。2人で行けば仲良く1枚づつ、色んな部位が食べられて嬉しい。肉質もまずまずで、これで3,800円なら文句はない。期待から不安へ、不安から安堵へ、心はジェットコースターに乗っているような感じだ。

ナムル、サンチュ

肉だけでなく、他の食べ物もいい感じだ。何より割安感があっていい。

ホルモンセット

内臓類も980円で4種類が食べられる。肉の善し悪しが他の部位よりはっきりするのがホルモンである。叙々苑游玄亭の方が美味いのは間違いないが、5分の1程度の値段を考えれば納得である。

ネットで調べたら、蔵は池袋店が食べ放題で名を馳せた。チェーン店であれば近江牛一頭買いも理解できる。家族や仲間内で行くには充分美味しいお店。若いカップルでも安心価格である。

白髪頭の銀髪も、ニコニコだった。

炭火焼肉蔵新宿五丁目店
東京都新宿区新宿5-11-13 フジビル2F
03-3356-2988

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2008年05月07日

[バードランド](銀座)

評判以上に「感激した!」


予約をしていないので入れないことを覚悟して行った。5時45分に到着、7時半までという約束でカウンター席に座ることができた。ラッキー!

とにかく奥久慈軍鶏を食べたいのでコースを避けてメニューの上から順番に串焼きを頼んだ。カウンターに囲まれた焼き場は舞台のようだ。主役はもちろん店主の和田さんで神経を研ぎ澄まして焼いているように見える。焼き上がるまで砂肝の煮こごり、軍鶏皮の二杯酢を食べる。

焼き鳥が順番にやってきた。わさび焼き、レバー、砂肝、皮、ハツ、つくね、ぼんちり、正肉。焼き加減は完全に火が通ってしまう直前の状態。素晴らしい。




ビールから日本酒に移った。メニューの右上に書いてある「すべて純米酒です」の文字が気になる。「主人は日本酒が好きなんですか?」カウンターから離れた舞台中央で黙々と焼いている和田さんに声をかけたら、こちらを振り向いてかすかに頷いた。ちょっと笑ったように見える。

そり、フランス産のうずら

本日運良くあるというソリを食べて唸った。腿の付け根の肉で、一羽から2切れしか取れない。歯応えがあって、噛むほどにジューシーで美味い。柔らかい=美味しいというのが間違いだと分かる。肉も魚も焼いた方が美味いこともはっきり認識できる。自分が撮った写真を後で見てよだれが出て来た。

若い衆に手伝ってもらって酒を選んだ。みんな、にこやか、爽やかなために美男子に見える。まず神亀ひこ孫の純米酒を飲む。次に広島の竹鶴純米酒を頼んでびっくり。琥珀色で今まで味わったことがない日本酒だ。「社長が試飲、ブレンドして酒蔵に詰めてもらったものです」と、またまた爽やかに店員が説明してくれた。和田さんのことを社長と言うのだから店員は社員と行った方がいいかもしれない。

ひこ孫、竹鶴、月桂冠

剣菱の5年古酒「瑞祥」を飲む。かつて一世を風靡した剣菱も最近では影が薄くなったが、こんな美味い酒を出しているとは。そして今日のハイライトはメニューを見て気になっていた月桂冠・昭和51年純米古酒。ひこ孫の衝撃を凌駕する酒でまたまたびっくり。
「これはまるでポートワインだ!」と言うと、遠くで串を焼きながら和田さんが話しに加わってきた。

店員に銀髪の名刺を和田さんに渡すように頼んだら、とうとう本人が自分の名刺を持って銀髪の横に来てしまった。

和田さんのこだわりに銀髪がうんちくで応酬する。あらためてメニューを見ると焼酎がない。他の鶏に比べて脂っこくない奥久慈軍鶏には甘味がない焼酎は合わないと言う。ワインは酸味があるから甘く感じないが、実際は日本酒よりも甘く自分の料理に合うとも。

焼酎を嫌いなわけではないそうだ。焼酎の飲み方、肉の焼き方、あれやこれや話していたら、後ろからYさんが「銀髪帰るぞ!」とつっつく。話に加われなくてつまらないのかと思ったら、店を心配して遮ったようだ。いつの間にかほぼ満席。それなのに焼き場に人が居ない。そりゃそうだ、和田さんは銀髪と話し込んでいる。

かたくりのおひたし、きゅうりの浅漬け、スープ

和田さんと意見がまったく同じで嬉しくなってしまった。料理の引き立て役である酒に対するこだわりを聞けば、主役の料理に対する熱情は半端ではない。

店を出ても興奮は冷めやらなかった。イヤー、楽しかった。また行かなくちゃ!


バードランド
東京都中央区銀座4-2-15 塚本素山ビルB1
03-5250-1081

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2008年05月01日

[ばんばん](日本橋)

新しい店にエールを送りたいけれど…


再開発で閉店や移転の店が多い日本橋界隈に新店が誕生した。「芝浦直送」を掲げる期待の店である。築地なら魚市場と誰もが知っている。芝浦に肉の市場があることを知る人は少ないだろう。芝浦直送と書けば新鮮で美味しい肉が食べられるということ。ワクワクして行った。

味もやし、ポテトサラダ、冷やしトマト

肉が焼きあがる前にすぐ出て来る野菜類を食べた。もちろん芝浦とは関係ないが、まあ、合格点だろう。

はらみ、たわら(つくねのにら巻き)、たん

「かしらです」と中国人の店員がテーブルに置いた。今まで経験のないような柔らかで美味しいかしらだ。さすが芝浦直送と感激した。しかし、後から「はらみです」と出された物を食べて急速に気持ちが萎えた。店員はかしらとはらみを取り違えている。感激して損したというよりも、食べてすぐに間違いに気付かなかった自分に腹が立った。

かしら、レバー、皮

焼き場を覗き見た。串を回す手がぎこちない。料理人も中国人かもしれない。不安は的中した。レバーも皮も焼き過ぎである。鮮度に自信がある店は、豚でもレバーは中が少し赤いぐらいの状態で出す。激戦区新橋のモツ焼き屋では当たり前だが、この店は慎重だ。

がつ、ればかつ

がつは簡単には噛み切れなかった。部下はなんとか飲み込んだが、銀髪は敢えて食べ残した皿を店員に渡した。日本人の店長がすっ飛んで来たら合格だが、残念ながら何も起こらなかった。開店したばかりの店で特に重要なことが見落とされている。食べ残しは最大の警鐘であるから、理由を追求すべきところなのに…

100円台の串焼きに文句をつけるほど野暮じゃない。値段の割にボリュームもあって美味しいと評価すべきだろう。ポテトサラダもればかつも悪くはなかった。しかし、近くに「紅とん」という手強い競争相手がいる。品揃えも向こうの方が上。

頑張れ、店長! あなたの努力次第で何とかなるかもしれませんよ。


ばんばん
東京都中央区日本橋2-2-5 日本橋アルガビル1F
03-6662-6467

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2008年04月30日

[炙屋 風土](南青山)

外国人が好きそうな店


南青山周辺には評判がいい店が多い。予約なしでもどこかに入れるだろうとぶらついた。1軒目の焼き鳥屋は満席で断られた。2軒目が正(GOKAKU)に行った時、外国人が並んでいたので気になっていた店「風土」。扉を開けてしまったと思った。調理場を囲むようにカウンターがあり、薄暗くて雰囲気が良すぎる。フラッシュを焚かなければ写真が撮れないが、それは不可能に思えた。

ほぼ満席なので出ようかと迷っていたら、2階にどうぞ言われ逃げられなくなった。幸い、2階はテーブル席しかなく、そこそこの光源があるのでホッとした。

お通し、レバー刺し

この種の店の定番、キャベツのお通しはごま油風味のタレにつけるところが変わっている。レバー刺しは感動もの。コリコリしており、噛むと音がする。相方は変だと言うが、新鮮さの証だろう。肉は期待できそうだ。

黒はんぺん、ごぼうチヂミ

静岡名物とはちょっと違う黒はんぺん。炭火で焼くと香ばしい。評価が高かったのがチヂミ。お好み焼きというより天ぷらに近いかもしれない。粉が少なくヘルシー志向の人に受けそうだ。

牛タン葱焼き、六白黒豚ロース肉天然塩焼き

牛タンが美味しいのは当たり前だが、豚もいい。最近の豚肉は本当に美味しくなった。

みやざき地頭鶏天然塩焼き

焼肉屋では豚や鶏は牛肉の脇役的存在だが、この店ではどれもしっかり存在を主張している。

ホームページを見たら、イギリスの日刊紙「The guardian(ガーディアン)」2月26日号で東京の居酒屋トップ3に上げられたそうだ。外国人が並んでいた理由が分かった。
ミシュランに限らず、外国人の評価をありがたがるつもりは毛頭ないけれど、悪くない店ではある。外国人記者が気に入ったのは我々が食べた2階ではなく1階のカウンターだろう。2階は雰囲気がかなり劣ると思った方がいい。但し、1階で写真撮影が許されるかどうかは定かではない。


炙屋 風土 青山店
東京都港区南青山3-12-4
03-5770-5039
http://www.wid.co.jp

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2008年04月14日

[やきやき三輪](銀座)

リーズナブルな店といっても、いいものを食べれば高くなる


銀座プランタンの並びに昨年9月マロニエゲートがオープンした。レストランフロアには銀座初出店や新業態が多く揃うという。その中からリーズナブルに食べられて、夜景がきれいな店「やきやき三輪」に予約を入れた。

夜景が見える部屋には4人掛けの鉄板焼きテーブルが3卓ある。我々9人で一部屋占拠できると思ったが甘かった。窮屈だが2卓に分かれて座った。

キムチ

「コースを頼んだ方がお得ですよ」と言う店員の親切なアドバイスを無視して、食べたい物だけを頼むことにした。各テーブルにキムチを2皿ずつ頼んだが、あまりに量が少ないので人数分に増やした。「一皿いくら?」の問いに「多分380円です」と若い女性店員は曖昧に答える。メニューにキムチは420円と書いてあるが、少量の皿の値段とはどうしても信じられない。店員に問いただしたら、「確認してきます」と部屋を出て行った。

目の前の鉄板が熱くなってきた。しかし、一向に焼く素材がやってこない。イラついてきて会話が止まったところで、調理場から聞こえてくる金属が擦れ合う音に気付いた。程なくして、アルミホイルに乗った料理が運ばれてきた。目の前の鉄板は保温用でしかなかった。アルミホイルは店にとってはいいアイデアだ。鉄板が汚れないし、保温の熱も通しやすい。客にとっては安っぽくて貧弱に見える。

シーフード焼き、ポテト焼き

さんざん待たされたのでアッと言う間になくなった。次が出てくるまでにキムチを追加した。
空いていた隣のテーブルを予約していた5人が入ってきた。狭い部屋に男ばかり14人がひしめくことになった。新参者は席につくなり煙草をふかし始める。雰囲気だけでなく空気も悪くなった。

あさり、あわび

あさりは身が太ってて美味しかった。あわびは1個しかなかったので一切れずつ分け合って食べた。高価な一切れだったに違いない。

牛タン、牛コロコロ焼き

最高級の牛肉をオーダーした。不味かろうはずがなく、これもアッ言う間になくなった。次の焼きそば、お好み焼きもなかなか出てこない。仕方なくまたキムチを追加した。メニュー通りの値段なら、キムチだけで1万円近く使ったかもしれない。気狂い沙汰だ。
調理場を見に行ったら若い店員が汗だくで料理を作っている。9人が瞬間蒸発状態で食べ尽くすので料理が追いつかないと悲鳴をあげていた。可愛そうなので文句は言わずに席に戻った。

焼きそば、お好み焼き

一番評判が良かったのは写真がないキムチ焼きめしだった。

生ビールをそれなりに飲んで、焼酎ボトル1本加えて総額約9万円。一人一万円の食事に「いいものを頼んだから当然だ」「とても美味しかったのでまた来よう」とみんなご機嫌だった。金を払わない彼らはともかく、スポンサーが「銀座だからこの値段は仕方がないよ」と納得顔だったから善しとしよう。

結局、女性店員はキムチの値段を教えてはくれなかった。


やきやき三輪 銀座店
東京都中央区銀座2-2-14 マロニエゲート12F
03-5159-0038
http://www.yakiyaki-miwa.com/index.html

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2008年03月25日

[清香園 総本店](銀座)

老舗の焼肉屋?


銀座の清香園は昭和26年創業、全国各地にある清香園は暖簾分けした弟子たちの店で支店ではないようだ。オーナーはマスコミに頻繁に登場した有名人で、清香園の名を世に知らしめた。この店を韓国在住の経験があるM氏が夕食会の場所に指定した。

お通し

ネギにたっぷり唐辛子が乗っているが、南米産やタイ産などに比べると韓国産はそれほど辛くない。松の実のスープは胃に膜を作るので、乾杯の前に飲むように奨められた。

オーダーは韓国通のM氏に任せた。前半に出てきた料理は殆どが焼肉屋で食べるものだった。



レバーの刺身だけは銀髪が頼んだ。焼肉屋、焼き鳥屋では、レバーを食べれば肉の質や鮮度が判断できる。ガイドブックなどで評価が高いのが頷けた。

食事の合間にメニューを見せてもらった。緑豆のチヂミは食べたことがなかったが、他に見知らぬ食べ物は少ない。何よりはっきりしたのは、清香園は典型的な焼肉屋ということだった。戦後、日本で韓国焼肉のスタイルを確立させた功労者なのかもしれない。

客が自分で焼いて食べる方式は、大阪の「食道園」が考え出したという説がある。韓国本場の焼肉は甘いタレにつけた肉を、一度に全部焼いてしまう。客が好みの焼き加減で食べるやり方は日本方式と言った方がいいだろう。

最後は海鮮チゲを食べることにした。店員が焼肉用の網を持ち去り、おが炭の上に鍋が置かれた。火加減はガスで調節する。スープを注ぎ足して食べた後にうどんを入れて満腹になった。家に帰り体重計に乗ってショックを受けた。かなり食べ過ぎてしまったようだ。

韓国本場の味が懐かしい人は赤坂や大久保にある韓国料理屋に行った方がいい。M氏の思いは達成されたのか、ちょっと気になった。

清香園 総本店
東京都中央区銀座1-6-6
03-3561-5883

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2008年03月21日

[葡萄屋](銀座)

銀座で40年のこだわりの焼き鳥屋


銀座インズにある店と聞いていたので、女性好みのこぎれいな店と思っていた。入ってみると重厚な木のテーブルや椅子だけでなく店員も年輪を重ねている店だった。
店に足を踏み入れると、開店当初から働いていると思える昔美人だった(かも知れない)女性が満面の笑みで迎えてくれた。

もちろん笑顔が向けられたのは常連さんである。メニューを見た感じではコースを頼むしかないようだが、常連さんのお陰でかなりの自由を与えられた。焼き鳥は時間がかかるとのことで、彼はテキパキと生野菜をオーダーする。実に頼もしい。

レバー

最初にレバーがやってきた。写真では分かりづらいかもしれないが、ミディアムレアの焼き加減が素晴らしい。銀髪の評価に常連さんも誇らし気だが、本人は生は嫌い。

ハツ

レバーと同様に素晴らしかったのがハツ。これもわずかに生っぽくて、最高クラスの焼き加減・味だった。生っぽいのがダメな連中は、焼きなおしてもらったが、店の人は不機嫌だった。

うずらと皮、砂肝が来たところで立ち上がった。メニューには焼き鳥の種類が書いてないので、焼き場のカウンター上の冷蔵ケースに収まっている串を見に行った。膝なんこつ、軟骨、ぼんちり、手羽先を追加注文した。


一串の量が多く、脂が乗った立派な焼き鳥は、若者の腹にも納まり切らなかった。もちろん銀髪は自分のノルマは達成した。
「伊勢廣」や宮川などの老舗は量が多い。高度成長期の企業戦士たちは、大量に飲み食いしたに違いない。齢を取った彼らだけでなく、若い連中も食が細くなって上品になった。もしかすると、食欲は経済成長率と比例するのかもしれないと思った。食が細った国の男たちは元気がない。


葡萄屋
東京都中央区銀座西2-2 銀座インズ2 B1F
03-3564-2001

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2008年02月23日

[あじくら]②(渋谷)

再びのあじくら


前回は飛び込みで入れたのに、その後予約の電話を入れる度に断られた。この日は数時間前に電話してようやく席を確保した。店に着いたらドアを半開きにして女性が中を覗いている。店員がやってきて、「8時半までなら…」と言うのを聞いて嬉しそうに頷いた。前回の我々と同じ状況である。7時頃までに入るなら飛び込みで来た方が良さそうだ。

グレンス、青唐辛子、レバー刺し

前回食べ損なったものを食べようと思ってきたが、グレンスだけは今度も一番に注文した。唐辛子はなかなかパンチが効いていてビールが美味い。

タケ(大動脈)、ミノ

タケは悪くないが、ミノは思ったより固い。叙々苑游玄亭のミノが食べたくなった。もっとも、游玄亭の一切れがあじくらの一皿と同じくらいの値段なので文句は言えない。

和豚シロコロ(丸腸)、地養赤鶏もも肉

焼きとん屋で食べるシロをイメージしたが、丸腸の文字に注目するべきだった。中から脂があふれ出してくるのを好きな人には堪らないだろうが、脂っぽいと敬遠する人もいるだろう。
鶏は冷凍物のようで、焼くのに時間を要したため固くなってしまった。

同じ店でも食べるもので評価が異なる。座る場所、一緒に食べる相手によっても印象が変わる。前回は入り口近辺の席だったので、自分が焼く煙だけを気にすれば良かった。今回は奥の壁際カウンター席だったので右隣と後ろの席の煙に包まれてしまった。特に豚バラなどの脂が多い素材を周りで焼かれると銀髪の燻製が出来上がってしまう。

最初に来たときは美味しそうなものを優先して頼んだから良かった。今回は初回ほどの感動はなかった。次回はこれまでの経験が活きるので、最高になるかもしれない。

早めに予約して4人以上で来ると楽しいだろう。気の合った仲間と3時間ぐらいかけてワイワイガヤガヤとやるのが一番の店である。2人なら予約なしでふらりと寄ったらいい。カウンター席なら潜り込める可能性が高い。お忍びの恋人同士なら煙に隠れることが出来て好都合かもしれない。


ほるもん倶楽部 あじくら
東京都渋谷区円山町7-12 イケダビル1F
03-3462-8811

前回の記事
「あじくら」

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2008年02月21日

[鳥しき](目黒駅)

女性に人気の焼き鳥屋

目黒駅に待ち合わせの時間より10分早く到着したので、目星をつけていた店を下調べすることにした。大通りから路地に入ると、面白そうな海鮮居酒屋を見つけた。その向こうに割烹かと思えるような店がある。それが目的の焼き鳥屋・鳥しきとは思わなかった。

携帯電話が鳴った。N氏も早く目黒駅に着いたようだ。慌てて踵を返した。今度は2人で路地裏へ戻ってきた。N氏にも魅力的に映った様子の居酒屋を通り越して鳥しきの扉を開けた。コの字型のカウンターに女性だけのグループ、女性を含むグループ、カップルが並び、男同士は我々だけ。もっとも右と左のカウンターに一人で飲む男性客を見つけてちょっと気が楽になった。

お通しが出てきたところでカメラを取り出した。ガーン! 電源を入れても画面はほぼ真っ白で料理が写らない。仕方なく携帯電話のカメラで撮ったが、慣れてないので下のようにピンボケばかりになってしまった。

我々に与えられた席は天国と地獄。入り口からすぐの席なのでひっきりなしに開くドアからの冷気で背中が寒い。一方で焼き場に面した前は暖かく、しかも店主の仕事ぶりや人柄に触れることができて楽しい。

狭い店だが料理人が主人一人では広すぎるのかもしれない。話しかけるのも申し訳ないほど忙しく働いている。我慢できずに声をかけると、嫌な顔を見せることもなく応対してくれる。若いのに立派な主人だ。

生ビールを飲んで、酒を2人で6合飲んだ。お任せの料理をストップして、お互い食べたい串を2本ずつ追加してお開きにした。
客が席を立つと偶然ドアを開けたラッキーな客がその席を埋める。主人がゆっくりする場面は、我々がいる間に一度も訪れなかった。

目黒に事務所があるN氏はこの店がとても気に入ったようだ。遠征してきた銀髪が地元の人に店を教える不思議な構図。鳥しきにとってはN氏が望ましい客だ。

連れてきた相手が喜んでくれたので、満足度は数ランクアップした。

鳥しき
東京都品川区上大崎2-14-12
03-3440-7656

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2008年02月18日

[やさいや](新宿歌舞伎町)

野菜がメインの鉄板焼き


実にいいネーミングだ。鉄板焼きと言えば肉のイメージが強いが、店名が「やさいや」であればダイエット中の女性も素直についてくる。
階段を下りてカウンターの鉄板を見たら、上手く乗せられたことに気付く。焼かれているのは海老、鮑などの魚介類や和牛などの肉類だった。

カウンターに座ってメニューを開くと、あながち騙されたわけではなさそうだと思う。焼き野菜は20種類以上あり、普通の鉄板焼き屋さんより野菜が豊富で値段もリーズナブル。店の売上高には貢献できないが、当初の予定通り野菜中心に食べることにした。

お通し、すくい豆腐

頼んだ野菜が焼きあがる前に豆腐が来た。だし醤油をかけて食べるように言われたが、そのまま食べた方が豆腐本来の味が楽しめる。

野菜おまかせ8品

蓮根、大根、玉ねぎ、椎茸、パプリカ、茄子、白菜、芽キャベツの8品。どれも甘味があって美味しい。野菜中心にしたのは正解だった。

竹の子グリル、ゆきれい茸

カウンターに座ると料理人の手さばきを見る楽しみがある。美味しそうに見えたものはすかさず追加注文する。外れがなくていい。

雪うるい

初めて食べた雪うるいはネギに似ている。沖縄産の塩、マヨネーズ、もろみと3種類の味があるので食べ終わるまで飽きない。

福豚のステーキ

野菜ばかり食べていると肉が頗る美味い。もっと食べたくなるが、今日はこれでお終い。お腹が重たくなくて快調である。

家に戻りホームページを開いてみたら、以前行った京橋の「時代おくれ」と同じ系列だと分かった。鉄板焼きは六本木や赤坂にもある。
野菜中心にしたのでお酒も控えめにして健康に留意した。お腹だけでなく、財布にも優しい夕餉だった。


鉄板焼野菜 やさいや ベジダイニング 未 (歌舞伎町店)
東京都新宿区歌舞伎町1-15-13 B1F
03-5292-1130
http://www.vegedinning.com/

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2008年01月25日

[雲海](富山)

ANAクラウンホテルプラザ富山の鉄板焼き


2006年末に全日空はホテル部門の大半の株式をインターコンチネンタルグループ(IHG)に売却した。各地のホテルは直営とフランチャイジーに分かれるため、売却後の名前は全日空ホテル、ANAインターコンチネンタルホテル、ANAクラウンホテルプラザなどバラバラになってしまった。

地方に行ってホテルで食べるのは不本意だが、冬の雪国でブラつくのも辛い。簡単に妥協してホテルのエレベーターに乗り込んだ。鉄板焼きは最上階にあるはずとエレベーターを降りたら中華料理屋とバーしかないので戸惑った。経営と同様に場所も変わったかのと一瞬思ったが、金沢と勘違いしたことに気付いた。エレベーターに戻り5階で降りた。

かぶら寿司、寒ブリ

富山県氷見の名物が二つ。前菜としてはちょうどいい。なれ寿司は好き嫌いが分かれるがブリは脂の乗りがよくて文句ない。氷見の寒ブリはブランド化しており、地元で食べることが難しくなっている。高値で売れる東京の方が手に入りやすい。流通網の整備は地元に富をもたらすかもしれないが、庶民の食卓からは遠ざかる。

ホイル焼き

鉄板の上で焼かれていたホイル焼きの中身は、丁寧に皿に移し替えられて目の前に来た。

ステーキ

金沢の全日空ホテルでは宮崎牛だったが、この日の富山は仙台牛。もろみを加えたソースが意外と美味しかった。酒飲みの銀髪でもご飯が欲しくなり一杯食べた。他の3人はお代わりをした。

経営が変わってから大阪、広島、博多、富山の全日空IHG系列ホテルに宿泊した。客室が一番変わったのが富山で、普通の枕の他に抱き枕までベットの上に置かれたいた。
朝食が一番いいのは以前と同じ博多全日空ホテル。目の前で作ってくれる明太子入りのオムレツの得点が大きい。

鉄板焼きは富山の方が金沢より良かった。金沢で食べたのは随分前だから今は分からない。
IHGグループ主導になっても従業員は殆ど変わらないそうだ。それでも少しずつ変化は見える。真価が問われるのは観光シーズンが始まってからだろう。


雲海
富山県富山市大手町2番3号
076-495-1111(代表)
http://www.anahotel-toyama.com/restaurant/unkai.html

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2008年01月16日

[あじくら](渋谷)

渋谷のホルモンは美味しい


マークシティを出て神泉方向に歩いた。大通りに突き当たり右側に曲がると有名な中華料理の「文琳」があり、そこまでの途中にお気に入りの「庵狐」がある。10分足らずで抜けてしまう小路だが、魅力的な小さな店がたくさんあるので予約をしないで行った。今日も幸運の女神に愛されて、第一希望の店にすんなり入ることが出来た。

7時前の店は若者で埋まり、予約客を待つテーブルがいくつか残っているのみである。メニューを開くと和牛ホルモンだけでなく豚も鶏もある。もちろんロースやカルビもある。お奨めを聞こうとしたが、インド系と思われる店員しかいない。要領を得ないので自らの知識、経験、勘に頼ることにした。

キャベツ

お通しのキャベツを食べながら肉を待った。注文したのはホルモン、シビレ、グレンス、ヤン、テールの5種類。

ホルモン、シビレ

ホルモンは塩、醤油タレ、にんにく醤油、味噌ダレ、コチジャンダレの5種類から選ぶ。フワフワの脂付きのしま腸はホルモン焼き肉の定番品。
シビレ(リードボーと呼ばれる子牛の喉の甲状腺)は意外なことに柔らかくて超美味で驚いた。

グレンス

勢いよく煙が吸い込まれていくのを見ながら、パクパク食べた。炭火に勢いがあるのでノンビリ話している余裕はない。グレンス(膵臓)も柔らかくて想像を上回った。

ヤン、テール

ヤンは固かったが予想の範囲。牛テールはちょっと期待外れ。食べるところが少なくて、満腹気味の終盤には適当だったかもしれない。

インド系の店員がスリランカ人だと連れが主張するので確かめたら正解!ヒンズー教徒のインド人は牛、回教徒のパキスタン人は豚を食べてはいけない。従って仏教徒のスリランカ人のみが牛肉や豚肉を取り扱えると考えたのかと思ったら、単なる勘だと言うので拍子抜けした。店員がスリランカ人といってもあじくらの評価に影響はない。ビール2本を加えて5千円札でお釣りが来た。

今日食べた肉はたった5種類。近いうちにまた来なければならない。シビレはもう一度必ず食べる。


ほるもん倶楽部 あじくら
東京都渋谷区円山町7-12 イケダビル1F
03-3462-8811

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2007年12月28日

[風雲](新宿歌舞伎町)

きれいなショットバーのような焼き鳥屋さん


歌舞伎町で店を探して彷徨った。年末の暴飲暴食がたたって、焼肉などは食べたくない。そんなときは不思議なことにやたらと韓国焼肉屋が目につく。タイ料理などのエスニックも気が乗らない。暴飲暴食の原因となった海鮮料理屋を今日は避けたい。妥協の結果、焼き鳥屋に行くことにした。気になっていたきれいな店は、焼き鳥屋を感じさせない。

ショットバーを思わせるカウンターに座ったが、清潔過ぎて焼き鳥の味にイメージが湧かない。いろいろ食べたいが2本が最低単位、盛合せも2人前以上となっているので頼みにくい。同行者に好き嫌いがあると、2本ずつ食べる羽目になる。レバーは自分1人で食べる覚悟で頼んだ。

目の前に焼き鳥が出てきてタレ焼きか塩焼きか聞かれなかったことに気付いた。レバーはサイズが不揃いのためにレア気味のところと、焼けすぎのところがある。

地鶏サラダ、コーチンたたき

名古屋コーチンがお奨めと言うが、1本4百円でも2人前が最低単位。小さな串で割高と思われたので、たたきを食べることにした。添えられたポン酢ではなく、塩胡椒で食べてみたくなった。塩には特にこだわっていないようだ。胡椒挽きとテーブル塩が一体となったものが出てきた。塩胡椒をして醤油を一滴垂らしたコーチンは、予想通り美味だった。

砂肝、ぼんちり

今度ははっきりとタレでなく塩でとお願いした。脂が乗った美味しいぼんちりは1本だけ、少し火が通りすぎだがそこそこ美味しい砂肝はほぼ2本を食べた。最低単位の2本は違うものを1本ずつでも許して欲しいものだ。

アスパラ巻き、シソ巻き

女性が喜びそうな店なのに、不思議なことに入ってくる客は男ばかり。焼き場を担当している料理人はベテラン。炭を使った本格派で、料理は一定の水準に達している。池袋に2店あり、新宿店も7月に移転したとはいえ10年以上歌舞伎町で営業しているという。

繁盛店への改善箇所は随所に見られるが、たまたまこの日が空いていただけかも知れない。店長の中島さんに一つ指摘したが、嫌がられただけのようで余計なお世話だったと反省した。

食事の途中で銀髪自身が立て掛けたメニューが倒れ、水のグラスがひっくり返ってコートやズボンが水を浴びた。1人で店内を取り仕切っている中島さんに余計な仕事を作って迷惑をかけてしまった。それにもかかわらず、店を出るまで丁寧に応対してくれた。

以前、日本橋で雇われ店長にアドバイスして不快な顔をされたことを思い出した。どうせ店長の思い通りにはならない。中島さんが店長ではなくオーナーだったら、アドバイスを感謝してくれたかもしれない。

新宿 風雲
東京都新宿区歌舞伎町2-21-5
03-3208-0718

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2007年12月17日

[まこちゃん](新橋)

あこがれの焼きトン屋さんへ


新宿・のみやで牛もつを食べたとき、新橋の焼きトン屋・まこちゃんのことを思い出した。半年以上前に目をつけた店だが、行く機会がなくそのままになっていた。ところが数日後部下が持って来た仕事が新橋で、まこちゃんまで歩いて5分もかからない。しかも5時過ぎに終わる仕事と理想的である。神様は日頃の行いがいい銀髪の味方だ。

5時15分に店に着いた。すでに半分近くが埋まっている。後で人数が増えると断って4人掛けのテーブルに座った。後から来る奴が絶対食べないものから注文する。

レバー刺し、コリコリ刺し、軟骨やわらか煮

まこちゃんも新宿・のみやと同様に「芝浦から毎日直送」を謳っている。レバー刺しはイチオシと言うだけあって予想以上だった。「叙々苑・游玄亭でも食べないのにこんな店で…」と言う奴が来る前に、さっさと楽しまなければならない。部下はコリコリ刺しが、銀髪は歯ごたえのある軟骨も気に入った。

生キャベツ、ポテトサラダ

野菜で口直しをしている間にも人がどんどん入ってくる。カウンターの客は横に移動させられ、広がった空間が全て埋められていく。ついに店の人が我々のテーブルの2席に眼を付けた。「後の人はまだ時間がかかりますか?」と聞かれると同時に、タイミング良く携帯が鳴る。ほどなく電話の主が飛び込んできた。滑り込みセーフだ。

シロ、レバー

焼物はボリュームたっぷりだ。後からやってきた彼はシロが大好き。2本、2本と注文して更に5本追加する。彼はちょっとタレが辛いと文句を言うが、シロはどんどん消費されていく。酒飲みは店自慢の辛目のタレが気に入るはずだ。

まぐろ串(頭)、かしら・ハツ

銀髪はホッピーのお代わりをした。他の人は抹茶ハイを飲む。

さつま揚げ、チャンジャ

トイレに立って見回すと、女性だけのグループもチラホラいる。トイレもちゃんと女性用と区別してあり、もはや焼きトン屋もオヤジの聖域ではない。店の外を見ると、中を覗いては諦めて帰る人たちが居る。
腹一杯になって、チャンジャだけでホッピーを飲んでいては申し訳ない。そろそろお開きの時間だ。窓ガラス越しに店の中を覗く人と目が合った。手を上げたら気がついたようだ。

さてこれからクラブに行こうか、ショットバーにしようか。結局どっちも行って午前様。神様は今日も行いがいい子と言ってくれるだろうか。

まこちゃん
東京都港区新橋3-18-7 桃山ビル1階
03-3431-5700
http://machi.goo.ne.jp/03-3431-5700


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2007年11月30日

[さざんか](福岡)

福岡で鉄板焼き


福岡では玄界灘の新鮮な魚介類を食べるのが銀髪の定番である。ところが、これを好まない人が居てちょっと困った。まさか平均年齢50ウン歳の男5人でフレンチやイタリアンでもあるまい。熟考の末鉄板焼きに決めた。これなら地元の魚介類や野菜も食べることが出来る。

鉄板焼き店は東京には山ほどあるが、福岡では選択肢が限られる。5人に適当な個室となるとホテル・オークラの「さざんか」ぐらいしかなかった。東京のさざんかはミシュランの一つ星に選ばれたが、福岡の評価は分からない。

前菜とサラダ

5人いれば料理の選択に自由度が増す。銀髪が食べたいものを2人前ずつ頼んで、みんなで分けることにした。嫌いなものがある人は拒否すれば他の人の分け前が増えるだけ。料理の組み合わせが自由に出来るのが鉄板焼きのいいところだ。シェフは目の前にいる。

野菜各種

たまねぎ(淡路産)、コガネタモギダケ(愛知産)、ピーナッツモヤシ(福岡能古島)と産地を告げて出されると有り難味が増す。

あわび

玄海の黒鮑はバター焼きでいただいだ。肝を嫌いと言う人がいるから信じられない。ありがたや、ありがたや。

車海老、フォアグラ

車海老は当然ながら天草産。フォアグラは?地物にはこだわらない柔かな頭が必要とすぐに妥協する。これも嫌いと言う人がいる。何でも食べる銀髪がまたも得をする。貝でもアヒルでも肝は美味しい。

ステーキ(ヒレ、サーロイン)

牛は佐賀牛でなくてがっかり。フォアグラは近県でなくても許せるのになんでステーキは?と突っ込む人が居ないのが有難い。

ガーリックライス

みんな大好きガーリックライス。次の店に行って、嫌われても平気だ。どっちみち好かれるのはお財布を握っている人だけだとみんな知っている。その人だってお財布がなければタダの人。

福岡は東京と比べて割安だといつも思うのだが、ホテルで食べたらそれほど変わらないようだ。やっぱり安くて美味しい地魚を食べる方が銀髪には向いているようだ。


さざんか
福岡県福岡市博多区下川端町3-2 ホテルオークラ2F
092-262-1111

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2007年11月27日

[伊勢廣](京橋)

老舗で伝統的な焼き鳥を


串に刺した焼き鳥は江戸時代に一般的になった料理法だが、庶民に普及したのは昭和30年代後半、ブロイラーが安価で供給されるようになってからだそうだ。伊勢廣は大正10年創業というので、以前から高級焼き鳥屋だったのだろう。

焼き鳥の材料はブロイラーから更に安価な輸入品へと引き継がれ、企業戦士たちの夜の憂さ晴らしのお相手となった。一般のサラリーマンの目には、伊勢廣は敷居が高く無駄な出費を強いられる店と映っていたに違いない。

久し振りに伊勢廣に行った。いつも1階のテーブル席だったが、大人数だったので2階の座敷に通された。フルコース料理はささみからスタートした。

ささみ、肝(肝臓・心臓・腎臓)

有機無農薬野菜、特製鳥スープ

葱巻き、もろきゅう

団子、皮身

もも肉、合鴨

手羽

伊勢廣の焼き鳥は一串が大きい。銀髪は食べきったが多くの人は合鴨や手羽の前に力尽きた。どうせコース料理しかないのだから、事前にライト・コースを予約すべきだったと後悔したが後の祭り。ライト・コースはフルコースと同じ9種類でサイズが小さくなる。女性や中高年にはこの方がいい。足りなければ好きなものを追加すれば足りる。

日本経済は高度成長が終り、バブルが弾け、景気後退に陥った。その間に食も大きな変遷があった。最近では新興の焼き鳥チェーン店の品質が向上したことに驚く。
日本三大地鶏と呼ばれる名古屋コーチン、比内地鶏、薩摩鶏始め、各地で地鶏が成育されるようになり、それを使う焼き鳥屋が増えた。企業戦士たちも老いて口が肥え、ブロイラーでは満足しなくなった。

新興の焼き鳥屋のメニューには必ず鶏の刺身があるが、伊勢廣にはない。ささみや肝が少し生焼きであることから、刺身でも食べられる新鮮な鶏肉を使っていることはわかるが、あくまで焼き鳥にこだわる。

「伊勢廣より美味しい店はいくらでもある」と言う人も多いが、伝統を守り続ける凄みは充分に感じられる店だと思う。よくも悪くもこれが老舗の味である。


伊勢廣
東京都中央区京橋1-5-4
03-3281-5864

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2007年11月22日

[哥利欧(ゴリオ)](銀座)

店名はゴリオと読む。ステーキ好きが憧れる店だ。


日本一と言われる新橋3丁目「麤皮(あらがわ)」の姉妹店が哥利欧。兵庫県六甲山麓で飼育される最高級の三田(さんだ)牛、その中で1頭800万円もするチャンピオン牛を麤皮が常に落札する。チャンピオンに準ずる牛は哥利欧で出される。常日頃供される肉も、三田の最高級のもの。店に届いた肉はオーナーが味見して値段が決められる。見た目がどんなに良くても食べてみないと味は分からない。赤字になっても相応の値段で売る真面目なオーナーだそうな。

有名店の割りに狭い店なのに驚いた。炭火の焼き釜に合わせた席数しかないそうだ。客はまだ我々だけなので小峰マネジャーが付きっ切りで対応してくれる。まずは自家製サーモンから。

スモーク・サーモン

スウェーデン産の鮭を自家で燻製するので、薫り高くフレッシュな味わいである。ステーキより燻製サーモンを目当てに通う人がいるというのも頷ける。

イラン産フレッシュキャビア「オショトラ」カナッペ哥利欧風

希少価値が増してきて、近い将来食べられなくなると小峰さんに脅されて頼んでしまった。キャビアは塩辛いという印象が強いが、優しい味わいだ。カリカリに焼かれたカナッペがとても美味しい。

サラダ2種

サラダを食べる間も小峰さんの講釈は絶好調である。若いときにご馳走になったステーキに感激して麤皮に転職したそうだから、その熱意たるや生半可なものではない。

サーロインステーキ&ランプステーキ

上手に焼くにはそれなりの大きさが必要なようで、サーロインは一固まりが2人分。幸い3人だったので、サーロインとランプステーキを頼んで味比べをすることができた。

赤身が残るがしっかり火の通った肉は噛むほどに味が出る。最高級の牛といってもいたずらに霜降りを礼賛することなく、ステーキに一番合うところだけを使っているようだ。
チャンピオン牛でも必要な部位だけを切り取り、残りは転売してしまう徹底振りである。

今日の会食のお相手は大の肉好きだが、感動の面持ちだった。飲み物を入れれば1人3~4万円はするが、さて皆さんはどう判断されるだろうか?

他の二人がデザートを食べ終わるのを待って店を出た。外を歩きながらなおも感動したステーキの話で盛り上がる相手を見ていたら、軽くなった財布も泣きはしないだろうと思った。


哥利欧(ゴリオ)
東京都中央区銀座8-18-3
03-3543-7214

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2007年11月01日

[鳥ふじ](茅場町)

美味しい店見つけました


実は見つけたのは銀髪ではない。ときどきチェックしている「美味しいネタ仕入れました」というブログで発見、レアの各種焼き鳥の写真に目を奪われて行く気になった。
予約しようと書き取った電話番号に電話をしたが通じない。104で聞いたが登録がない。もう潰れたのかな?と、諦めようとしたらKさんに「住所が分かっているなら行ってみましょう」と促されて歩き出した。

日本橋交差点から平成通りを越えて、新大橋通りの1本手前を右折、しばらく歩いたら「鳥ふじ」の看板が見えた。Kさんの判断は正しかった。店に入ると若い女性に迎えられた。カウンターに座りメニューを見ると、店主 澤本純子と書いてある。店内を見渡しても女性は迎えてくれた人しかいない。まさに彼女が店主で、カウンター内の職人・森さんと出会って開店を決意したと言う。

お通し、くみ上げ豆腐

つくねを食べて、豆腐に移る。豆腐にタレをかけることを奨められたがそのまま食べた。何もかけなくても味があり、なかなか美味しい。

コーチン刺身、黄身くずし(ササミのユッケ風)

名古屋コーチンは愛知県春日井市の稲垣種鶏場のもの。関東では鳥つねなど数店にしか卸さない一級品だという。名古屋コーチン以外は水郷の赤鳥。朝引きの赤鳥の鮮度がコーチンより上と森さんは自慢する。

メニューにある焼き鳥7種類を人数分の3本ずつ頼もうとしたら、Kさんは自分は二人から分けてもらうので2本ずつでいいと言う。
「美味しいネタみつけました」の写真のとおり、レアの焼き鳥は本当に美味しい。

鳥の焼き霜、名古屋コーチンの塩焼き

みんなが感嘆の声を上げたのが、鳥の焼き霜(皮目を焼いた胸肉の刺身)。焼いた後に冷凍庫で冷やすため出てくるのに20分ほど時間がかかるが、待つだけの価値はあった。

コーチンは固いという印象があるが、鳥ふじのコーチンは脂が乗ってイメージと異なるものだった。

最後に親子丼を食べることになった。ポスターの親子丼がみんなの脳裏に焼きついている。一人前を頼み両脇の2人が少しもらおうと提案したが、中央のKさんは全部自分が食べると譲らない。そのために、自分の焼き鳥は頼まずに、お腹を空かせていたのだと言い張る。
Kさんが焼き鳥をまったく食べなかったのなら理解できる。しかし、我々に焼き鳥を分けてもらったはずで、その分我々が親子丼を一口ずつもらっても何の不思議はないと思うが、Kさんのあまりの剣幕に引き下がった。

結局、我々両脇の2人は一人前を別に頼み分け合った。卵3個を使い、半ば卵かけごはんのような鳥つね流の親子丼は確かに美味かった。
まあ、電話も通じないのにKさんの執念で辿り着いた店だ。満足してくれたら結構な話だ。

澤本さんや森さんが「次回は是非名古屋コーチン鍋を食べてください」と言う。今年7月にオープンしたばかりなのに、既にテレビで紹介された鳥ふじ。
予約が取れない店になる前に、再訪しなければならないと思った。


鳥ふじ
東京都中央区日本橋茅場町3-4-6 本橋ビル2階
03-3249-6118
http://www.torifuji.net

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2007年10月30日

[66亭](新宿歌舞伎町)

最近お騒がせの若の花、お兄ちゃんのプロデュースのお店


以前、若乃花の店=ちゃんこ屋さんと思って入ろうとしたが、焼肉屋と知って敬遠していた店である。スキャンダル報道は好きではないが、最近話題の名前を聞いて66亭のことを思い出した。店の前を通るといつも空いていたので、予約なしで行くと予想通り。昨日も焼肉だったが、ちゃんこ屋が人気だから韓国式の鍋でもあるに違いない、と思って入った。

ビールを頼んでメニューを見た。全ページを隅々まで見て壁の張り紙を見る。再びメニューに戻ったが、何度見ても鍋はない。出ようかと思ったがビールを頼んでしまっている。他に2人しか客はいないので、我々が帰ると店員が可愛そうだ。仕方なくまたメニューを見た。

お通し

キムチを食べながら観念して、焼肉以外の料理を頼むことにした。

チョレギサラダ、海鮮おつまみチヂミ

焼肉屋のサラダはごま油が香ばしくて美味しい。洋風ドレッシングよりずっといい。
チヂミも美味しい。表面がカリカリに焼かれて焦げ目が香ばしい。

若のつくね焼き卵タレ、ソーセージ盛り合わせ

つくねは焼いて持って来るのかと思ったら、炭焼きの準備をするので嬉しくなった。圧縮成形したオガ炭なのが笑えるが、いいサービスだ。炭火のおかげでチヂミも温めなおして食べることができた。
せっかく仰々しくやってくれたのに、つくねだけでは申し訳ないと思ってソーセージを頼んだ。「焼肉は食べないのか?」という無言の圧力に耐えながら。

たっぷり蒸し鶏冷麺

最後まで焼肉は食べないで通した。何とかなるもんだ。大したものは食べていないが、味もそこそこだったし、料金は2人合わせて酒込み7,000円で済んだ。
それにしても客が来ない店だ。店を出るまで先客2人と我々2人しか客はいなかった。場所柄、深夜が込み合うのかもしれない。店は5時までやっている。

いずれにしても韓国料理屋は周辺に山ほどあるので競争は厳しいだろう。「若」の顔がいつまで客寄せになるのかわからない。皮肉なことに、スキャンダルが我々を呼んだのは間違いないけれど…


Korean Dining 66亭 新宿歌舞伎町店
東京都新宿区歌舞伎町2-9-3 丸源51ビル
03-5272-4527
http://www.66tei.jp

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2007年10月29日

[ぐぅ](八重洲)

ホルモンを食べて元気になろう


狭い店内は照明と店員の若さで極めて明るい。女性も入りやすい雰囲気の店だ。この店が大好きなKさんに連れていってもらった。

野菜

お通し代わりの特製浅漬けキムチは芯がサクサクして、なかなかいい。キャベツとネギは食べ放題。女性が喜ぶサービスだ。

テール

骨から削ぎ落とす手間は相当だろう。そのため他の店では見たことがないテール焼き。塩味が効いて食感もありなかなかの美味。

ミノ、マルチョウ

通常は切り開いてホルモンと称されて出される小腸だが、ぐぅでは開かないものをマルチョウと呼ぶ。焼かれたら皮が縮み脂肪分が中から溢れ出して来る。ホルモン好きには堪らない逸品。

コリコリ

名前のとおりコリコリしているのは大動脈。塩味がいい。

コブクロ

子宮管だけでなく子宮自体の肉も含まれているようだ。これもコリコリしている。どの肉も味付けがいい。備長炭が近火で肉を燻るように焼く。煙は物凄い勢いで排煙管に吸い込まれていく。

一番高いのが極カルビ2,300円とお手ごろ価格の焼肉定番品は避けて、あくまで内臓肉にこだわって食べた。シビレ(胸腺からすい臓の部位)がなかったのが残念だった。

焼肉屋に行くたびに聞くのに、ちっとも覚えられないのが肉の部位の名前。一回整理してみよう。
英語名からきているのがタン(舌tongue)ハツ(心臓heart)レバー(肝臓lover)アキレス(アキレス腱achillis)ガツ(豚の胃guts)テール(尻尾tail)。
漢字を連想すると何となく分かるのがハラミ(腹身、横隔膜)ナンコツ(軟骨)ツラミ(面身、頬肉)コブクロ(子袋、子宮)。
ホルモンは内臓肉の総称として使われることが多いが、個別には腸(大腸、小腸、直腸、盲腸)を指す。テッチャンは大腸のことだ。
胃は4つありミノ、ハチノス、センマイ、赤センマイ(ギアラともいう)。ヤンはセンマイと赤センマイのつなぎ目。
他にサガリ(横隔膜の下部分)ウルテ(気管)マメ(腎臓)ヤオギモ・ブッブギ(肺)フエ・コリコリ(心臓の付け根の動脈)アギ(顎)などがある。

もっとも、せっかく整理してあげてもぐぅに来る女性は絶対覚えようとしないだろう。イケメンの店員を呼び止めて聞くチャンスをむざむざ放棄することはないからだ。ねっKさん?そうでしょう?


炭火焼肉 ぐぅ
東京都中央区八重洲1-7-3
03-5255-3729

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2007年10月14日

[華蓮](鹿児島)

鹿児島で食べるのはもちろん黒豚


ランチタイムになった。タクシーの運転手さんに美味しいトンカツを食べたいと聞くと二軒の名が上がった。一軒はタクシー座席前のホルダーにパンフレットが刺さっている華蓮。「どちらが美味しいの?」と聞くと、返事に困っている様子。そりゃそうだ。華蓮を奨めなければタクシー会社に怒られる。

パンフレットを見ると、JAが直営する店とのこと。素材の出所はしっかりしているので、運転手さんを安心させることにした。「華蓮に連れてって」と頼むと、車はより軽快に走り出した。

JAと聞いて想像した以上に店内は立派な造りで、我々も安心した。メニューを見るまでもなく、頼むのは決まっている。部下はヒレカツを頼んだが、銀髪はロースカツを選んだ。

ロースカツ定食

まず何も付けずに食べてみる。次にテーブルの岩塩を皿に挽いて、カツに付けて食べる。それから醤油、ソースの順にかけて食べる。上手に揚がったカツはとても美味しかった。おそらくタクシーの運転手さんは華蓮で食べたことがないのだろう。もし食べていたら、困惑することはなかったはずだ。

ヒレカツ&ロースカツ

翌日の昼食は別の店でヒレカツを食べた。鹿児島のちゃんとした店なら必ず黒豚を使っている。なかなか上手に揚がっていて悪くなかった。

その次の昼もトンカツを食べた。グルメ紀行を始める前には絶対にしたことがない三連チャンである。鹿児島に滅多に来ることがないこともあるが、味を忘れないうちに食べ比べをする方がいい。

結論はどの店も美味しかった。食べ方は塩で食べるのが一番いい。ヒレカツよりロースカツの方が美味い。日本人ほど肉の脂を好む人種はいない。牛肉は霜降りを好むのに、豚肉の脂は太るからと敬遠されてきた。実際、以前は豚の脂は美味しくなかったが、品種改良や餌のせいかイメージが変わってきた。コラーゲンやビタミンBを豊富に含むというので女性にも人気が出てきたが、お腹が気になる中年男性もそれほど気にすることはあるまい。

いずれにしても鹿児島で食べたトンカツは、どこで食べても美味しくて3連チャンも辛くなかった。


華蓮
鹿児島県鹿児島市山之口町3-12
099-223-8877
http://www.karen-ja.or.jp

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2007年09月18日

[くじら屋](渋谷)

30年も前から行きたかった店に初めて行った。


くじら屋は昭和25年創業というから、銀髪が生まれる前からあったことになる。国際捕鯨委員会が1986年に商業捕鯨を禁止してからも、よく営業が続けられると感心していた。
学生の頃に古めかしい木造の店に気圧されてから、これまで行く機会を逸していた。先日麗卿に行ったときに思い出した老舗料理屋は、建て替えられて今風のきれいなレストランになっていた。

くじらを食べたことがないと嫌がる客を、他の料理もあると説得して連れて行った。部屋に通されメニューを見ると、ご飯、うどん、漬物の類以外は鯨しかない。客は他の料理に逃げることが出来ないと知り落胆した。熟考の末、鯨焼肉セットをメインにして刺身を数品オーダーした。

お通し、竜田揚げ

焼肉セットには竜田揚げ、上赤身刺身、焼き物用の鯨肉の3品がつく。竜田揚げは誰でも食べやすい。今は調査捕鯨で捕獲したミンク鯨を使っているため、給食で食べたナガス鯨の懐かしい味には結びつかないのが残念。ナガス鯨がたまに入ると瞬く間になくなるそうだ。

上赤身刺身、心臓刺身、鹿の子刺身

心臓の刺身は食べた記憶がないが、ごま油の風味が効いて美味しい。鹿の子(顎の骨を覆っている部分)は他の部位に比べると脂が乗っていて、この日一番の収穫だった。

焼き物

焼き肉用の肉も生で食べられるので、固くならないようにレアを奨められた。いつも思うことだが、魚も肉も生より焼いた方が美味い。ちょっと炙って塩で食べると絶品だ。
心臓刺身や鹿の子刺身も焼くと、箸の動きが止まったままだった客も、再び食べ始めて美味いを連発する。刺身だと飽きてしまって余るのは目に見えていたので、焼肉を選んだが正解だった。

和食店でも「刺身・焼き魚セット」をやればいいと思う。大皿に刺身を盛ってくる。半分ほどなくなったところで、網焼きの用意をする、というようなサービスやったら受けると思うがどうだろうか。

最初は尻込みしていた客も、刺身、焼肉としっかり食べた。調査捕鯨で捕獲した南氷洋産冷凍鯨でなく、近海ものの生鯨だったらもっと気に入ってくれただろう。商業捕鯨の禁止は本当に残念だ。

ハンバーガーばかり食べているような連中に、捕鯨の善悪を論じて欲しくないと切に思う。


元祖 くじら屋
東京都渋谷区道玄坂2-29-22
03-3461-9145
http://www.kujiraya.co.jp

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2007年09月12日

[おでん石](銀座)

みつせ鶏に誘われて


銀座から地下鉄に乗ろうと銀座インズに入ったら、レストランフロアに迷い込んだ。そこで見つけたのが「おでん石」。外壁に、あるいは入り口に置かれたメニューに「みつせ鶏」の文字を見つけて興奮した。それから数日後、待望の店に行った。

みつせ鶏は炭寅二子玉川店で食べたことがある。何気なく飛び込んだ店だったが、肝や砂肝の刺身が美味しくて驚いた記憶がある。みつせ鶏の名前はしっかり記憶に刻まれた。
みつせ鶏は佐賀の地鶏かと思ったらフランス産の鶏。現地で交配し、その雛を佐賀県三瀬村に年3~4回空輸、親鳥に育てみつせ鶏を産ませるそうだ。丁寧に育てられて出荷される。

久し振りにそのみつせ鶏を食べられると分かり、喜び勇んでおでん石に出かけていった。6時過ぎだからか、一番乗りだった。

お通し

炭寅のように刺身は置いていなかった。串を刺した焼き鳥を出す店と思ったのは勘違いだった。胸肉、ハツ、もものころ焼3種とレバー照り焼きを頼んだ。

ころ焼き3種

胸肉はささみのような食感になってしまった。ももについた皮はしっかりとめくれあがり縮んでいる。ハツが一番美味しい。あくまで比較の問題ではあるけれど。

レバー照り焼き

焼き鳥屋の良し悪しはレバーで決まると勝手に信じている。刺身用のレバーを中まで火が通らないようにレアに焼いたものが大好きだ。この店のレバーは、生焼けは絶対許さない人向けであった。

看板の京風おでんは次の機会に食べることにして、残った酒を飲み干して勘定をすることにした。
我々の後から入ってきた3人組は既に出て行ってしまったが、まだ注文を始めたばかりの6人組が残っているので、席を立つのも気が楽だった。


おでん石 銀座インズ店
東京都中央区銀座3-1番の先 銀座インズ1内B1F
03-3561-1087

ご参考
炭寅 
http://www.sumitora.jp/二子玉川店の他に、銀座にも店ができたようだ。

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2007年08月31日

[とことん家](名古屋)

こんなところでと言っては失礼だけど


5時過ぎに国際ホテルのロビーでお客様と落ち合った。何店か候補を調べてきたので、彼の好みを聞いて1軒目に電話をした。予約が一杯で入れない。2軒目に電話したら、開店は6時で時間厳守という。仕方ないので、国際ホテル並びにある「とことん家」に入って時間待ちをすることにした。

元気のいいドスのきいた声の女性に導かれて店内に。6時を過ぎたら道路に客が溢れる店も、この時間ならまだ客はまばらだ。焼きとんは嫌いではないどころか好きな部類だが、時間待ちなので軽く数本だけ頼むことにした。一杯だけ生ビール。

お通し

お通しのキャベツはこの種の店の定番だが、つけるソース皿のでかいこと。

とんやき、ちくわ

とんやきとはありきたりのものと思ったが、店員に念のため聞いてみた。大腸とだと言われて興味がわいて頼むことにした。皮のような微妙な食感はとても楽しめた。
焼きとん屋でちくわなんか、と思ったら大動脈。馬は食べたことがあるが、豚は多分初体験。面白い。

おっぱい、せせり

おっぱいはすぐ分かる。それでも何か言いたいのがオヤジの習性。「雄のオッパイかい?」と聞いたら「雌に決まってるでしょ」と言う。「そんなことあるかい、俺だってオッパイあるぞ」と蒸し返すと店員は黙り込む。してやったりとニヤつくオヤジ。困ったもんだ。

楽しくなってきてビールを追加する。おっぱいまでで終りのつもりがせせり(首の肉)を追加した。全員ここに居座ることを決めてしまったようだ。さっき電話した店は忘却の彼方に。

どて焼き、味噌カツ

「名古屋はどて煮、大阪はどて焼き」と銀髪が講釈をたれる。焼酎に移ってとことん家自慢の味噌カツを食べるが、熟知している名古屋名物にはみんな手厳しい。

口直しにおっぱいを追加。やっぱりこれが一番いいらしい。もちろん味が…


とことん家
愛知県名古屋市中区錦3-24-2

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2007年08月01日

[串屋横丁](祖師ヶ谷大蔵) 

おやじの聖域がどんどんなくなっていく


昔は男性と女性が行く店は明確に区別できた。ところが女性の社会進出が顕著になってからは、男性が行く店にどんどん女性が浸入して来た。ラーメン屋、牛丼屋、さらには立ち食い蕎麦屋にまで1人で入ってくる女性がいる。ましてや2人以上であればどこだって怖いものなしだ。

居酒屋、焼き鳥屋に女性同士のグループが居ても違和感がなくなってきたが、焼きとん屋は男性の聖域と信じていたがそんなことはない。串屋横丁に入って痛感した。

メニュー

串屋横丁は茂原や五井など千葉県中心に展開しているチェーン店だが、ウルトラマンの街・祖師ヶ谷大蔵にも出来た。住宅街の店だからターゲットはサラリーマンではなさそうだ。日大商学部の学生もあてにしているだろうが、週末の狙い目は家族連れだろう。家族となれば女・子供。お父さんは付け足しに過ぎない。

料理の数々

一串110円からというお値打ち価格。お母さんも財布の中身を気にしないでいられる。お父さんもこの値段の料理にいちゃもんつける程愚かではない。
むしろ豚の内臓を喜んで食べている姿に驚くと共に、女性の逞しさにただただ感心するのである。

お父さんとして不満のなのは日本酒の品揃えが悪いところだ。純米酒や吟醸酒などはいくら探しても見つからない。もっとも、焼きとんに高級酒を合わせようと思う方が悪いとすぐに気がつく。酒の選択も料理とのバランスが必要だ。

OL、オヤジギャルから主婦、子供に侵略されて嘆くよりも、女性の縄張りに乗り込めばいいと思うのだが、オヤジ達は保守的で恥ずかしがり屋。洒落たフレンチやイタリアンだけでなく、タイ、ベトナムなどのエスニック料理屋に足を向けるのも躊躇する。

悲しき男たちよ、何処へ行く

串屋横丁
東京都世田谷区砧8-10-1
03-3415-8848

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2007年07月24日

[禅](新宿)

チェーン店も馬鹿にしたものではない


新宿で一番人気の焼き鳥屋「車屋」に行った。店内を覗くと意外と広いので2人なら潜りこめると思ったら、左の壁際に子供も含めて10人以上が待っている。20分で座れると言われたが信用できず店を出た。「申し訳ありません、またよろしくお願いします」の声が追いかけてきた。またトライしようと思わせるいい心がけだ。

車屋のビルを出て正面に別の焼き鳥屋を発見。躊躇なく階段を下りて店に入るとそこそこいい雰囲気。店内の階段を上がりベランダ風の席に案内された。並んで座って階下を見下ろす。面白い造りの店だ。

お通しは揚げ物と大根おろし。おすすめの一品料理から枝豆、鴨ロースのたたき、パリパリ鳥皮の酢味噌がけを頼む。

鴨ロース、パリパリ鳥皮

鴨ロースのたたきを食べて店の選択に誤りがなかったことを確信した。あらためてメニューを見ると焼き鳥の値段はちょっと高めだ。

砂肝、ぺた、みちほる

きっと大き目の串だと想像していたが、普通の大きさの串が出てきて拍子抜けした。ところがぺた(ぼんちり)を食べて連れが歓声を上げた。前にも食べさせたことがあるぼんちりだが、初体験だと言い張る。確かにあまり脂ぎってはいないので、前に食べたものとはものが違う。割高感が消えた。
みちほるは卵巣の中の卵とその周辺の身。卵を割って肉をつけて食べる。

ぶつ、つくね、すきみ、レバー

次に出てきた皿は、値段に見合う大きさで割高感はさらに小さくなった。ぶつ(もも肉)はとても柔らかくて美味い。すきみ(首)もいい。レバーも驚くほど大きくて立派なものだ。
帰り際に店のおばさんに「美味しかったですよ」と声をかけた。鶏は福島産紅ふじ鶏と自慢気に応える。車屋に入れなくて、良かったかもしれないと思った。

家に帰って調べたら、禅は都内に9店舗あるチェーン店だと知った。焼き鳥といっても、こだわりの頑固一徹オヤジの店だけがいいわけではないようだ。京橋の「栄一」では職人気質に付き合うのに心底疲れた。

老舗か新興かは関係ない。美味しいものを気持ちよく食べさせてあげたいと思う心が最高のおもてなしとなり、受ける側は至福の時を堪能し感謝する。

料理だけでなく、すべてに通じるものが心・愛情なのかもしれない。

やき龍 禅
東京都新宿区3-25-10 富山ビルB1
03-5312-2966

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2007年07月01日

[たこ坊](大阪)

たこ焼き屋でも串揚げ屋でもなかった。くわ焼きの店だった。


昔、農機具の鋤(すき)を使ったのがすき焼きなら、鍬を使ったのがくわ焼き。要するに鉄板焼きを洒落てくわ焼きと称している店であるが、雰囲気はいたって気楽。カウンターには若者3人組、くたびれたおじさんたちなど客層に統一感はない。

壁に貼られたお品書きには焼き物と揚げ物が多種類列挙してある。最低110円、最高が300円台と安心価格。食べ盛りの子供を連れて来ても心配はない。何を頼んでいいか分からないのでお任せにした。

あなご、エビパン

最も高価な部類に属するのがあなごのくわ焼き。それでも360円。味をどうこう言うよりも、丸焼きは存在感タップリで客受けしそうだ。
大阪に住んだことのある部下が大好物だと言うのがエビパン。揚げたパンにエビのすり身が塗ってある。中華料理に似たような料理がある。もちろん本家は中華料理の方だろうが、たこ坊でも立派なオリジナルの人気商品である。

ほたて、ネギ間

飛び上がるほど美味いわけではない。毒づくほど不味いわけでもない。いや、美味いと言ってあげてもいいような気もする。
次が出てくるのを待っていると、5人家族が入ってきた。大人並みの体格を持つ小学校高学年の子を筆頭に、家族全員がヘビー級だ。

卵巻き、蓮根肉詰め

蓮根で初心者向けのお任せセットが終了。追加しようかと考えたが、たこ坊の雰囲気は分かったのでお開きにした。
さっき入って来た5人家族も我々同様にお任せコースから始めている。「いくら食べてもいいぞ!」と若い父親は見た目だけでなく太っ腹だ。隣の肝っ玉母さん風の母親が余裕を見せて頷く。

兄弟3人に父を加えて、馬を飼っているのかと言われるぐらい毎日買い物籠を一杯にして悲鳴をあげていた母。やがて子供たちが独立して、父は逝った。やりくりに大変だった母だが、今は1人暮らしで買う量はしれているからと、高級食材を買っているようだ。
このところ毎週末に母を訪れる。先日は父の命日に買っておいたというステーキ用の最高級神戸牛を食べさせられた。自分は歯が悪くて食べられないからと言うが、いくつになっても子供に美味しいものを食べさせたいと思う気持ちは抜けないようだ。

小学生の銀髪に「我が家はエンゲル係数が飛びぬけて高い」と揶揄された頃が、母の一番幸せだったときに違いない。


たこ坊
大阪府大阪市中央区千日前1-8-3
06-6211-4704

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2007年06月15日

[游玄亭銀座並木通り店](銀座)

またまた叙々苑游玄亭へ

お客様と食事に行くときは本当に嬉しい。銀髪グルメ紀行を書く取材費が会社から出るようなもので、財布の中身が減ることがないからだ。どこに行こうか散々思案していると、ボスが必ず邪魔をする。彼は好き嫌いが激しく、でかい顔ができる馴染みの店しか行きたがらない。結局、叙々苑游玄亭に行くことになってしまった。

これまで何度も行っているので書くことがない。(「叙々苑・游玄亭並木通り店」 「叙々苑・游玄亭有楽町店」 「叙々苑・游玄亭赤坂店」) 新商品という塩味のユッケだけを写真に収めた。

最初のタン焼きは頗る美味い。それから霜降りの肉に移る。確かに美味しい肉だが、途中から拷問のような展開になる。焦げる寸前の肉をみんなが譲り合う。皿に取り分けてあげると、恨めしそうに肉を見つめている。焼いてもパサパサにならない上等なレバーが来た時にはグロッキー寸前だった。お客様は喜んでくれただろうか。

游玄亭の最高級の肉に最初は喜び、最後は苦しむ構図はいつものとおりですので、これまでの記事を参考にしてください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以下はお知らせです。

既報のとおり、携帯電話で見やすいように、携帯専用の画面を開設しました。
http://codawari.info/system/blog/mt4i.cgi?id=1

携帯専用画面の開設に伴い、画面左のカテゴリー欄をリニューアルしました。

「読者お奨めの店」を「お奨めの店・料理」と改題、銀髪のイチオシの店とその店で食べて欲しい料理を追加しました。携帯専用画面からの店探しにもご活用ください。
携帯の場合は画面を開いて 「すべて → お奨めの店・料理 → 選択 → 銀髪イチオシ」と進んでください。

店舗名一覧は店舗を探す場合に利用してください。店舗名をクリックすれば詳細記事を見ることが出来ます。

地域別記事を開くと、そのまま記事の内容に入ります。

ヤフーブログに写真中心の銀髪グルメ紀行(写真集)を載せています。
http://blogs.yahoo.co.jp/hn2460jp

これからも銀髪グルメ紀行をよろしくお願いします。

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2007年06月01日

[鳥茂](新宿)

誰と行くか迷ったら、やっぱり気心知れた男同士


席につくなり店員に「当店では牛や豚肉が中心ですのでご了承ください」と言われた。「焼き鳥嫌いの上司を連れて行ったら凄い剣幕で怒られて、鳥じゃないことを説明するのに苦労した」という兄の話を思い出した。

豚や牛の内臓肉を使う新宿の超有名店。連れが好き嫌いをすると銀髪が連れの分も食べることになり、種類をこなすことが出来ない。是非とも行きたい店だったが相手を決めるのに随分と時間がかかってしまった。結局気心の知れたYさんを誘った。男同士で酒と料理に専念するのも悪くない。

お通し、刺身4種

お通しは写真左の小鉢とお新香の二品がつく。刺身は上から右回りにガツ、子袋、脳、レバー。脳は白子のような食感で美味い。

お任せ4品2,000円

レアのレバー、唯一の鳥を使った料理というつくね、牛のサーロインを小ネギで覆ったネギトロ、ピーマンとで4品になるがオクラとミョウガの小鉢もついてくる。

これでは足りないので追加注文。壁に掛かったお品書きを右から全部1本ずつ注文した。「食べれますか?」と心配されたが大丈夫と胸を叩いた後に腹をさすった。但し、肝心の玉指しが未入荷。焼き用の玉はあるとのことだったが、「お奨めできません」と断られてしまった。

ネギ間、軟骨、シロ、ハツ、タン、気管

熱燗は名物の鉄瓶に入ってくる。器が重いのでたくさん残っているかと思うがすぐに空になる。2合を4回、生ビールを3杯ずつと酒もたくさん飲んだ。お代は18,000円。料理が1万円、酒が8千円といったところか。

脳とシロが特に良かった。シロはこれまで食べた中で一番美味いと思う。

店に入ったときには鳥茂一軒で帰ると固く誓った二人だったが、酔いが回ると見えない力が背中を押す。抗う理性は既に消え失せていた。アー、楽しい。

鳥茂
東京都渋谷区代々木2-8-5 (新宿駅南口)
03-3379-5188

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2007年05月29日

[ガムザコル](新宿)

韓国料理屋でリーズナブルな晩御飯


新宿歌舞伎町から靖国通りを渡ると、住所は大久保。韓国料理屋がひしめいている。歌舞伎町の韓国料理屋は焼肉中心の店が殆どだが、大久保側は家庭料理や郷土料理の店が多い。
靖国通りに面したガムザコルに入った。かなり前に来たことがあり、ドンキホーテが目印で迷うことはない。

客の半分以上は韓国人に見える。耳を澄ませてみると確かに外国語のようだ。どのテーブルにも赤いスープの鍋がかかっている。1番人気はカムジャタン(じゃがいも鍋)、2番人気はダットリタン(鳥鍋)と聞けば、韓国焼肉屋と違うことは分かってもらえるだろう。

3番人気の釜ふたキムチ三段バラを頼んだ。

韓国の焼肉といえば牛ではなく豚のバラ肉。メタポリックに悩む日本人なら三段腹を連想する料理名は嫌うかもしれない。前回来た時に料理を頼みすぎた気がしたのでこれを2人前頼んで様子を見ることにした(上の写真は1人前)。思ったとおり小皿が並ぶのを見て自分を褒めた。多分これで充分だ。

サラダ菜に肉とキムチと薬味を乗せて食べる。生のニンニクを入れるのがいかにも韓国人らしい。テレビ番組のせいか、韓国料理は激辛と思っている人が多いが、辛くない料理もたくさんあるし、辛いのが苦手な韓国人も大勢いる。
薬味の青唐辛子があまり辛くないのでコチジャンを持ってきてもらった。

壁にはたくさんの写真が貼ってある。韓流スターには興味がないので誰がトップスターかさっぱり分からないが、一人の白人には見覚えがある。北朝鮮との6カ国協議に活躍中のヒル国務次官補である。芸能人が来たことには驚かないが、アメリカの政府高官には驚いた。

ガムザコルとはじゃがいもの店という意味だとは後で知った。一番人気がジャガイモ鍋というのは頷ける。

結局頼んだ料理は釜ふたキムチ豚三段バラ(1,300円×2)だけ。瓶ビール(600円×2)、にごり酒(400円×2)を加えて合計4,600円。
次回は豪華にじゃがいも鍋にしましょうか。中鍋を頼んだら、釜ふたキムチ豚三段バラを2人前より100円も高い。そう、たったの100円。


ガムザコル
東京都新宿区大久保1-12-6
03-3232-5557

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2007年05月10日

[KOSO](芝公園)

美味しいステーキ屋に連れて行ってもらった。


銀髪のグルメの道を開けてくれたのは大先輩のH氏であった。大学時代に食べ歩き同好会と称してグルメを気取ったことはあったが、所詮子供の遊びの域を出ていなかった。社会人になってH氏に連れて行ってもらった料理屋にはいつも感動した。あれから30年近くになるのに、会えばすぐに昔の上下関係に戻ってしまう。

久しぶりに昼食に誘ってもらった。行く先は芝パークホテルとタクシーに告げられたが、実際はホテル近くの真新しいレストランだった。カウンターの中の料理長には見覚えがある。日本橋三越近くにあったステーキ屋を他に譲って、芝公園に最近開いた店だと分かった。

サラダ、マグロの胡麻揚げ

注文を聞かれることはない。メニューはなく、全てシェフへお任せである。

帆立カツ、ステーキ

コロッケかと思ったら帆立がゴロッと出てきた。揚げすぎると固くなるが、程よく揚げてある。
食べながらシェフの手元を見ていると、ステーキの準備に余念がない。日本橋の店で見たときと同じように、脂を惜しげもなく削いでいる。
焼きあがったステーキにはわさびと西洋わさびが添えられている。西洋わさびが鮮烈で美味しかった。

食後のコーヒーは別室で飲んだ。カラオケもできる華やかな部屋で、2万円以上のコースを頼めば利用できる。
大型のワインセラーには高級なものしか眠っていないように思える。小型冷蔵庫と同じくらいの大きさの空のワインセラーがいくつもあるのが不思議だったが、これは貸しワインセラーで、常連さんが貸し金庫のようにワインを保管するためのものだという。なかなか洒落たシステムで感心したが、自分が使える身分になることは一生ないだろう。

H氏は今日のお値段を教えてくれなかったが、シェフは松坂牛のような銘柄牛に固執している訳ではないので、法外な料金を取るようなことはなさそうだ。

一見さんお断りというわけではないが、予約制なので事前に電話をしてくださいとのことだった。夜はどんな料理が出てくるのだろうか。ワインを飲んでのお値段に恐れはあるが、興味津々でもある。


KOSO
東京都港区芝公園1-3-12 クローバー芝公園1F
03-3437-0007

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2007年02月01日

[鳥銀本店](名古屋)

名古屋コーチンなら鳥銀本店でと言いたいところだが…


林与一とおかみさんが出演するテレビコマーシャルで名古屋では知らない人はいない有名店。以前にも行ったことはあるが、グルメ紀行を始める前だったので記事にはしていない。前回は当日予約でテーブル席に座って適当に頼んで美味かった。今回は前日に予約したらコース料理を強いられた。

先付け、鳥刺身入り前菜盛り合わせ

刺身はササミと砂肝が少し。ウニや鳥の蒸し物がついているが、もっと刺身を食べたかった。

フカヒレ入り蟹茶碗蒸し、あん肝風呂吹き大根

この日頼んだのはコーチン尽くしの宴コースだったはずなのに、別のコースと間違えられたのではないかと疑った。値段が高いコースだと2時間は必要と言われたので4,800円の一番安いコースを頼んだのだが、手の込んだ料理の数々。
それにしても、予約のときに言われたのと異なり、料理が出てくるのが異様に早い。このペースなら1時間もしないうちにコースが終わってしまう。幸い別途焼き鳥を頼むつもりだったので、何とか時間は稼げそうだ。

コーチン・サケ入りかぶら蒸、コーチンの揚げ浸し

焼き鳥を頼んだ時には既に揚げ物まで出来上がっていたが、ご飯の前に焼き鳥を持ってくるように頼んだので何とかペースダウンができた。店側が予期せぬ追加オーダーは焼きあがるまで時間がかかった。その間に手付かずの料理を含めて、これまで出されたものをゆっくり食べる。時間の流れが銀髪好みのゆったりとしたものに変わった。

焼き鳥

焼き鳥を食べてようやく名古屋コーチンを食べた気になってきた。それでも前回のワイワイ、ガヤガヤ言いながらテーブルで食べた方が良かったように思える。カウンターならもっといいだろう。

ご飯、デザート

コースの最後はそぼろご飯と果物。途中で有名な女将が挨拶に来てくれた。

鳥銀はやっぱり焼き鳥屋さん。今日の料理と値段を考えると悪くないのだが、会席料理を気取らずに、刺身、唐揚げ、焼き鳥、スープの焼き鳥屋定番のコースの方が良かった。

名物・名古屋コーチンの素材を活かしたシンプルな料理が食べたかったと、銀髪は今日もわがままだった。


鳥銀本店
愛知県名古屋市中区3-18-12
052-973-3600
http://www.torigin.co.jp

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2007年01月29日

狐狸庵亭[幡ヶ谷]

郊外にも人気の店はある


友人のお母さんが亡くなった。93歳、アルツハイマーの末の大往生なだけに通夜は悲しみの中にも安堵の空気が流れていた。銀髪と友人夫妻の3人はお清めの場には溶け込めない感じがしたので、早々に斎場を後にした。

知らない街でいい店を探すのは至難だが、毎晩飲み歩いているとそれなりの勘が働く。最初に目に付いた店に飛び込んだ。店名のとおり雰囲気がある店だ。扉を開けると右にカウンター、左に小あがりの畳席があり、どの席も自由に選べる状況だった。掘りごたつ式ではなかったので、迷った末にカウンターに座った。

カバンからカメラを取り出したところで「すみません」と女性店員から声がかかった。大将の難しそうな顔が目に入り、これは京橋「栄一」の二の舞いかと身構えたら、「黒ネクタイを外してください」とのこと。写真撮影は快諾してくれた。

お通し、刺身三点盛り

まぐろ、鯛の昆布締め、いかの刺身は串焼き屋にしてはいい水準に達している。大将の難しそうな顔は客に対してではなく、料理にしっかり反映されているようだ。

豚串焼き盛り

ハツ、ハラミ、タン、バラ、軟骨に青唐の6品。炭で丁寧に焼かれていてどれも悪くはないが、個人的には軟骨が一番気に入った。やきとんを食べる機会は多くないにしても、豚の軟骨は他ではあまり見たことがない。

友人夫妻は他人盛を食べた。豚と鳥のミックスだ。狐狸庵亭は豚肉はもちろん鳥肉も刺身は置いていない。レアの焼き加減が好きな銀髪だが鳥インフルエンザがあちこちで発見される状況では止むを得ないところだろうか。

すじ鍋

実は全員が真っ先に目をつけたのはすじ鍋だった。友人夫妻も無類の食通、酒好きなだけに銀髪と意見は一致した。思ったとおり780円の価格設定とともに充分満足できる一品だった。

この他に、たこサラダ、せせり、アスパラ巻き、ピーマン肉詰め、レバかつなどを食べた。帰る頃には店はネクタイを外した客で満員。なんとか大将を笑わせようと思っていたが、忙しくなってしまいそれどころではなくなった。

今日も、「ネクタイを外してください」と言われた客で一杯かもしれない。それなら友引のときは暇なのかな。いやいや、きっと地元の人達で賑わっていることだろう。


狐狸庵亭
東京都渋谷区幡ケ谷1丁目32-1-102
03-5453-7477


刺身三点盛り 980円 
豚串焼き盛り 870円 ハツ、ハラミ、タン、バラ、軟骨、しし唐
他人盛り 1160円
すじなべ 780円

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2007年01月24日

[楽の房]②(三軒茶屋)

以前行った「楽の坊」に心残りの解消に行った。


テレサテンが歌ったように♪心残りはあなたーのことー♪ではない。心残りは白レバーの刺身だった。前回行ったときは8月の終わりでまだ暑い時期、刺身は出していなかったのだ。目的が白レバーの刺身だった上に、焼いた白レバーが美味かったからたまらない。寒くなったら行こうと思っていながら今頃になってしまった。

6時に長兄と三軒茶屋の改札で会って、楽の房に向かった。路地を抜けて超人気店「赤鬼」を右にやり過ごして店に着いた。今回も予約無しだがカウンター席に収まることができた。後から来たカップルは系列の太子堂店を紹介されていた。超ラッキーな我が兄弟二人は銀髪弟の行いの良さが故だ。

座るなり兄は店員に「楽の房は赤鬼より上だと思うよ!」とおべんちゃらを言う。「自分たちもそう思っています。自信があります!」と若い店員2人は勇ましい。

刺身盛り合わせ

左下がお目当ての白レバーの刺身だ。何もつけないで少しかじった後に、しょうがやにんにくで食べた。美味い美味いと歳を取ってますます顕著になったタレ目をさらに垂らして笑う兄。兄は熱燗、銀髪はぬる燗と意見が一致しない二人も、白レバーには同じ意見。

白レバーは通常より肥大化したもので、たくさんは取れないそうだ。白レバーは簡単に言えば鶏のフォアグラ。楽の房は契約養鶏場から特別に優遇してもらい仕入れているとのこと。

白レバー焼き、白子焼き

両方とも前回も食べたものだが、何度食べても美味い。

さてこれからが難しい。定番料理を食べればいいものを、ついつい違ったものを食べようとする銀髪。それに鷹揚に応じる兄。

豆腐の味噌漬け、いか入りコロッケ

味噌漬けは正解。塩っ辛いが熱燗にはとってもいい。コロッケは写真を撮る前に割ってしまったので、本当は一個。銀髪が取った半分にイカが入っていたので、兄の半分はイカなしコロッケ。あまりご機嫌よろしくなかった。

ちょっと尻すぼみの感もしないではないが、白レバーなど前半が秀逸過ぎたためかもしれない。イヤー、美味かった。
「さあ、兄貴、もう一軒いこうぜ!」


楽の房
東京都世田谷区三軒茶屋2-8-10
03-5486-3318

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2007年01月13日

[叙々苑・游玄亭、並木通り店](銀座)

叙々苑グループ最高級店


叙々苑グループは全43店、そのうち最上級クラス游玄亭6店舗の中でも銀座並木通り店がもっとも高い。2番目が昨年末に大阪で開店したホテルニューオータニ大阪店、そして「叙々苑・游玄亭(有楽町マリオン)」「叙々苑・游玄亭(赤坂)」などが続く。

特選ロース焼

単品でもっとも高い特選焼物で一皿の値段を比較してみると、並木通り店が7,500円、ニューオータニ店が7,000円、マリオン店や赤坂店が5,500である。因みに写真のロースが1枚当たり約1,000円になる。

有楽町マリオン店の女性は並木通り店と自分の店の肉は同質だと言う。前回並木通り店に行ったときはそうかもしれないと思ったが、今回は値段の違いを感じた。グループで1日に何頭の牛を使うか分からないが、最上級が選りすぐられて並木通り店に来るのだろう。

特選ひれ焼

以前マリオン店に入ろうとしたとき、セレブっぽいおば様が「失望しましたわっ!」と怒りながら出てきたことがあった。彼女は並木通り店の常連に違いない。満席でマリオン店に回されたのだろう。気持ちは分からないでもないが、銀髪にはマリオン店でも良すぎる。

レバー

焼くときにはレバーでさえも弱火のままでいい。したたり落ちた自らの脂が呼んだ炎で焼かれる。他の肉はともかくこれは皆に食べさせたい。レバーは焼くとパサパサの食感が嫌だと言う人が多いが、この店のレバーはよく焼いても柔らかく味がある。
ホルモンやミノも他では味わえない柔らかさだ。特に上ミノはサクッと噛み切れる。
タンも捨て難い。脂が乗り過ぎのきらいはあるが、いつも最初に食べるから気にならない。

しかし、カルビ、ロースなどは脂の乗りを喜べる年齢ではなくなってしまった。翌日昼過ぎまで口中に脂が残っていた。50歳を越えているのに、いつも游玄亭並木通り店に行こうと言う人を尊敬してしまう。
肉が好きな人はやはりエネルギッシュだと思う。


叙々苑・游玄亭 並木通り店
東京都中央区銀座5-4-6 ロイヤルクリスタル銀座6F
TEL: 03-3573-8989

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2006年12月12日

[紅花別館](日本橋)

「鉄板焼きはどうかい?」と聞いたら、みんな嬉しそうに頷いた。

会社の仲間を引き連れての食事会なので一番近い店を選んだ。近くにあるのは知っていたが、紅花には一度も行ったことがなかった。系列店でココットカレー(スリランカ・カレー)を食べたことがあるが、紅花を有名にした鉄板焼きは始めてである。

紅花のオーナーは気球で太平洋を横断した冒険家としても知られるロッキー青木氏。アメリカで包丁を振り回して調理するショー的要素を鉄板焼きに加味させて、アメリカンドリームを現実のものにしたことで有名になった。しかし、わが社の女性たちは誰も彼の名を知らなかった。

鉄板焼きを囲んで、詰めれば7人程が座れる席を4人で占領した。生ビールを頼んだら、大きなジョッキが出てきたのを見て、何となくこの店の内容を感じ取った。
メニューを見たら比較的リーズナブルなので、量が比較的少ないコースを選んでロブスターを追加した。

サラダ、スープ

サラダはサイドディッシュとしてはかなり大きめ。アメリカにいるような気分になる。
うって変わって小さなムール貝のカレーとクリーム仕立ての2種類。スープも多いと嫌だなと思っていたが、鉄板の上で温めるアルミホイルの器はちょうどよい大きさに見えた。

ロブスター

体色が緑色のロブスターはカナダ産。大きさの割りに安いので「冷凍ですね」と聞いたら当たり。この値段で活きの訳がないだろうと言いたげな根本さんは、髭をたくわえた立派な風貌のベテランシェフ。銀座店で30年、日本橋で8年の経験を持つ。にこやかに話をしながらの見事な包丁捌きは雰囲気がある。

サーロイン・ステーキ

皿に盛られてきた生肉を見て外国産肉と悟った。根本さんによるとオージービーフとのこと。オーナーのロッキー青木氏は日本人だが、紅花発祥の地はアメリカ。狂牛病騒ぎの前までは米国産牛だった。オーストラリアに長年住んでいた銀髪にとっても久し振りのオージービーフは噛むほどに味が出る。

和牛が出てくると期待していた他の面々には悪いことをした。健康な赤身の肉がいかに美味しいかを力説しても言い訳にしか聞こえなかっただろ。

紅花は日本でも8店舗を有するが、根本さんのような鉄板焼き名人が腕を振るう店は日本橋別館しかなくなってしまった。別館に隣接していた本館も今はない。

他店の半分ほどの値段で飲める高級ワインを飲んではしゃぐK以外の人たちにとっては、根本名人の腕と会話、そして初めて食べたと言うガーリックライスが何よりのご馳走だったようだ。

紅花別館
東京都中央区日本橋1-2-15
03-3278-8839

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2006年12月11日

[栄一](京橋)

久し振りに行ったのは東京・京橋の栄一だった。

晩飯どき、あてもなく昔の職場の近くに向かった。ふと横を見ると栄一の看板が見えた。栄一はランチに焼き鳥丼を食べによく行った店だが、夜は一度のみで店の記憶も薄れてしまった。「写真を撮らせてくれるかな?」気弱な銀髪に夜に何度も行ったことがあると言う連れは、「大丈夫ですよ」と心強い。

6時を少し回っていたが、1階席には誰もいない。カウンターに案内されてすぐに、「料理の写真を撮っていいですか?」と言ったら、手前の若い方の職人が奥の主人に聞いてくれた。「いいよ!」の声にホッと一安心。串6本の軽めのコースを頼んだ。

付け出し、ささみ、焼き鳥

カウンターは煙よけのためか、かなりの部分が焼き場とガラスで仕切られている。1階は我々2人だけだが、地下と2階の個室に客が入っているらしく、忙しそうな焼き場の二人に話かける雰囲気ではない。わさびを乗せたレアのささみに舌鼓を打ち、次の焼き鳥をパチリと撮ったところで、奥の主人からガラスの仕切り越しにクレームがついた。フラッシュが邪魔のようだ。

胡瓜の漬物、鴨焼き

調理場の二人に謝って、フラッシュがたかれないようにセットした。店内は明るいので、フラッシュなしでも撮れそうだ。胡瓜を撮り、食べて、次に鴨を撮ったところで主人から怒りの声が飛んできた。「撮るなと言っているのだから止めなさいよ!」と苛立っている。さっき以上に平謝りして、カメラをしまった。写真自体が気に入らないらしい。
従って、コースの続きであるぎんなん、うずらの卵、つくね、スープ、デザートのメロンの写真はない。

つくねが出て、2度目の淀んだ空気がようやく収まってきた頃、1階席の予約客が入ってきた。3組目の客は常連らしく、職人たちがにこやかに話し出した。居丈高な主人の物言いにムッとしなかったわけではないが、彼らの笑顔をみていると満更嫌な奴でもないようだ。険悪なやり取りが、他の客が居ない時で良かったと思った。

スープが出てくる前にすずめ焼きを追加した。骨ごとバリバリと食べた。豊橋に居たときに駅構内の焼き鳥屋でよく食べたのが懐かしい。「すずめは東北で捕獲された野生のもので‥」と若い職人が話し出した。連れとしていた銀髪の豊橋時代の話を素知らぬ振りして聞いていたようだ。席を蹴って店を出ていたら、嫌な気分が双方に残っただろうが、ちょっと安心した。怒った方も気分がいいわけではない。

メロンが出た後でもう一品、レバー焼きを食べた。この店を知るためにどうしても食べたかったのだ。わずかにレアで出てきたレバーは思ったとおり美味かった。上手に焼くには柔らかすぎるためか、間に心臓が刺さっているのが面白い。

満席になった。予約なしで来た客が、入店を断られている。ボチボチ我々も潮時だ。勘定を済ませて、店を出るときに女将さんが「申し訳ありませんでした職人なので‥」と頭を下げる。それを「いえいえ、こちらこそ気分を害させて申し訳ない、主人によろしく伝えてください」と制した。

二人の職人は兄弟だそうだ。女性たちも身内の家族的な店のようだが、1・2階と地下に入った大勢の客を少人数で仕切るのは大変だろう。

それにしても、ジューシーなレバーの写真を紹介できないのが残念である。

栄一
東京都中央区京橋1-5-1
03-3281-6578

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2006年12月03日

焼き鳥X

「鳥かぽね」を出て焼き鳥Xに向かった。

連れが食べたいと言うネギマと軟骨を求めて区役所通り沿いにある次の焼き鳥屋に入った。店の大きさはそれほど変わらないが、鳥かぽねとは対照的にとてもきれいな店だ。入り口も店内も比較にならないほど立派だ。客の年齢層も高く、クラブの同伴に見えるカップルが何組かいた。

ビールから再スタート。「料理の写真を撮っていいですか?」と聞いたら、「何のために?」と怪訝そうに言うが、特に不快な様子も見せずに容認してくれた。
若い方が主人だろうか。年長の方は主人の親ほどの年齢に見える。年長者の目が怖い。

お目当ての焼き鳥が焼き上がる前に煮込み食べた。

500円の煮込みは量が多く、味もいいお値打ち品だった。この店の看板料理と言ってもいいのではないかと思った。主人に「美味しいよ」と話しかけようと思うのだが、焼き場が遠くてコミュニケーションを取る雰囲気ではない。

ネギマ、軟骨