2010年03月14日
[あかなす家](渋谷)
トマトラーメン

パッと見た時は店名の意味が分からなかった。漢字なら赤茄子だと閃いて、ああ、トマトのことかと理解した。インドを原産国とする茄子が日本に入ってきたのは奈良時代。一方南米原産のトマトが入ってきたのはそれから1000年も後のことらしい。日本でトマトと呼ばれるようになったのはずっと後のことだ。
面白半分で入ってみたが、若いカップルが多いので恥ずかしくなった。茅場町の太陽のトマト麺では銀髪よりも年長者がたくさん居た。トマト味だからというわけではなく、場所柄渋谷は若い人が多いということだろう。

アサリトマトラーメンを食べた。太陽のトマト麺で経験済みだったので驚きはない。チーズ入りがあかなす家の人気商品のようだが、スパゲティだと思えば経験したことがない味ではない。
麺の起源は4000年前の中国とも言われるが、その後色んな形で世界に広まった。南米産のトマトは大航海時代にヨーロッパに伝わり、今では世界でもっとも愛される野菜になった。トマトラーメンが生まれるまで、壮大なドラマがあると言ったら大袈裟だろうか。店の人は考えもしないかもしれないが…
あかなす家で面白かったのは2組の若いカップル。どちらもお金を払ったのは女性の方だった。男性たちはそれが当たり前のように振る舞い、「ごちそうさま」の一言もない。ここにも時代の変化を見ることができた。
いやー、実に面白い。
あかなす家
東京都渋谷区道玄坂2-23-1
03-3462-2289
http://tomatoramen.com/
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2010年03月10日
[とちぎや](宇都宮)
そば処、宇都宮

「昼飯にするか」部下に言うと、「あちらに行きましょう」と東武宇都宮駅に向って歩き出す。アーケードに入り「どこかあてがあるのか?」と聞いたら「何軒か餃子屋さんがあります」と答える。銀髪は餃子しか食べないと思っているのだろうか。
「オウ!ここにしよう」蕎麦屋の前で立ち止まると部下が驚いたような顔をする。左側に2人掛け、右側に4人掛けのテーブルが並ぶ。4人掛けのテーブルは掘り炬燵ではない畳の上なので迷っていると、「奥が空いてます」と声をかけられた。調理場の前に広いテーブルが一つだけあった。
「宇都宮にはいい蕎麦屋がたくさんあるんだよね」と店の女性に話しかける。「そうらしいですね」と他人事のようだ。「ここもそうじゃないの?」と言うと、慌てて頷く。なかなか可愛い。

高原大根そばを頼んだ。100%日光産そば粉を使った手打ちの二八そば。100%と表示されれば十割そばかと思いがちだが、2割は小麦粉である。大根は那須塩原産。てっきりおろしそばが出て来るかと思ったら、細切りの大根が乗って来た。とちぎやのオリジナルらしい。

ランチにはサービスでかき揚げがつく。「宇都宮はそばも美味しいらしいぞ」と言ったにもかかわらず、部下は天丼を頼んだ。食べ物には無頓着な男である。小さいそばとセットなので許してやろう。
思ったよりも本格的なそばで満足した。そば湯を飲んでいると、目の前を不思議なそばが通り過ぎていく。高原大根そばと並ぶとちぎやの名物「にらそば」である。にらは鹿沼産と栃木の野菜にこだわっている。これもオリジナルらしいが、そばに合うのだろうか。今度チャレンジしてみよう。
そばと言えば信州そばがあまりにも有名だが、越前おろしそば、出雲割り子そば、盛岡わんこそばなどそばを名物とするところは多い。餃子で町興しに成功した宇都宮。今度は蕎麦屋を売り込んだらどうだろう。栃木には酒蔵も多い。日本酒とそば、いい組み合わせだと思うのだが。
まげし とちぎや
宇都宮市曲師町2-11 オリオン通り
028-635-4155
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2010年03月06日
ほていや(福井)
福井名物を二つ一緒に

先日、佐佳枝亭で辛味大根そばを食べた時、他の客がソースカツ丼を食べるのが不思議に思えた。しかし、考えてみるとカツ丼は蕎麦屋にあって当たり前。ソースカツ丼を洋食の一つと思い込んでいたのが間違いだった。
福井ではカツ丼と言えばソースカツ丼のこと。今回はカツ丼を食べる明確な意思を持って蕎麦屋に行くことにした。ほていやは福井駅から歩いて数分、古いアーケードの商店街にある。以前、何でもあるのが気に入らず別の店に行ったが、蕎麦屋というのはそんなもの。今回は偏見もない。
ソースカツ丼を単品で頼んだ。すると、部下がおろしそばとのセットを頼むと言う。「ごはん少なめ」とは賢明だ。量が多すぎると一度は敬遠したが、ごはん少なめなら何とかなりそうだ。「すいません、こっちもセットにしてくれる。ごはん少なめで」と大声を上げた。

大きな器を見てちょっと怯んだが、上げ底と知って安心した。まずそばを食べてみる。ちょっとゴワゴワした感じのそば。「やっぱり美味しいですね」と部下が褒める。次にカツを食べてみる。これは悪くない。元祖、ヨーロッパ軒のソースカツ丼より甘くなく銀髪好みだ。パン粉も存在感がある。

もっとも、ヨーロッパ軒で食べたのは随分前のことだから、評価が正確かどうか自信はない。甘いというイメージが膨らみすぎているのかもしれない。「ヨーロッパ軒は甘いですよ」と部下も言う。いつもはあてにならない部下だけれど、下戸で甘党が言うのだから間違いないかもしれない。
勘定をして店のおばさんに「ヨーロッパ軒より甘くなくていいですね」と言うと、にっこり笑った。料理人のおじさんも含めてみんなが銀髪に好意を持ってくれたみたいだった。
ほていや
福井県福井市中央1-2-5
0776-23-4626
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2010年02月20日
[めんちゃんラーメン](福岡)
〆は博多ラーメンで

游心を出てめんちゃんラーメンに向った。「初めて食べた時、感激しました」と部下が絶賛するラーメン屋は、開店時間の7時を回ったばかりでは客の姿はない。奥のテーブルで店員が黙々と餃子を包んでいる。「おい!餃子を食べるか?」と部下に聞くと「もーお腹一杯で食べられませんよ」と言うので、意地でも頼む気になった。

お腹一杯と言いながら部下は銀髪より高いネギたっぷりのラーメンを頼んだ。ところが半分ほど食べたところでギブアップするのだからお坊ちゃまは困る。自分で頼んだものは残さず食べなさいとママに教わらなかったのだろうか。

銀髪はシンプルなラーメン。以前は必ず入れていた紅しょうがだが、最近はラーメン本来の味を楽しむことにしている。もっとも、紅しょうがの隣にあった真っ赤なものには惹かれた。「何ですか?」と聞いたら辛子高菜だと言う。食べてみると昆布のようだ。高菜ラーメンに使う高菜の切れ端で作ったそうだ。めんちゃんラーメンの名物に認定!

餃子は博多餃子らしく一口サイズ。部下を困らせるつもりで頼んだものの、ラーメンもギブアップしている奴に無理強いできない優しい銀髪である。餃子にはもちろんビールがつきものなのでお腹がパンパンになった。キッチリと躾けられた銀髪は、頼んだものを残すようなことはしない。

銀髪は一人空港へのタクシーに乗り込んだ。部下はやっと解放されて喜んでいるに違いない。空港のラウンジでいつものようには生ビールを飲む気にはならなかった。しかし、思わずウイスキーに手が伸びてしまった。母はこんな意地汚い男になるように育てなかったと嘆くに違いない。
機内では水をもらった。落語を聞くつもりだったが、何の話だったかまったく覚えていない。下から突き上げるような衝撃で目が覚めた。無事に着陸したようだ。
家に着いて風呂に入り、ビールを飲んだ。夜中にお腹が反乱をおこした。ちょっと反省した。
めんちゃんラーメン
福岡県福岡市博多区上川端町3-1
092-281-4018
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2010年01月31日
[佐佳枝亭](福井)
辛い大根の越前そば

老舗蕎麦屋の佐佳枝亭はお堀の向こう側にある。石垣の中にあるのはお城ではなく県の庁舎なのが異様だ。城を復元して観光や町のシンボルとして活用する都市が多いが、福井は近代的なビルを建ててしまった。知事になってお殿様になった気分を味わいたいものだ。

11時半、佐佳枝亭にはまだ誰も客はいなかった。合計すると200年近いと思われる3人の視線が銀髪に注がれた。調理場にも同年輩の女性が一人。女性ばかりの店かと思ったら、平均年齢を上げそうな男の料理人がいた。彼が主人だろうか。
福井のそばは越前そばというよりもおろしそばの名称の方が古いそうだ。越前おろしそばと言えば完璧になる。メニューを何度も繰って、結局シンプルなおろしそばを頼むことにした。但し、辛味だいこんのおろしを選ぶ。ついでに鯖寿司をつけた。

「なんだ、しみったれてるなー」少ししかない大根おろしを見て、700円だから仕方ないと思い直した。ところがそばをタレにつけて一口食べると滅茶苦茶辛い。既にタレの中に大根が相当量入っていた。この大根が辛いのなんのって、心底驚いた。大根おろしをそばにたっぷり絡めると口の中がヒリヒリする。辛味大根は何度も食べたことがあるがこんなに辛いものは初めてだ。
さば寿司を食べて口の中を中和させる。きゅうりを食べてホッとした。壁を見ると本日使っているそば粉の産地が書いてある。福井県産そば粉を地産地消の店だという。大正5年創業の誇りが感じられる。
大根おろしを全部そばつゆに放り込んだ。ますます辛くなった。イヤー、辛い。口の中が悲鳴をあげている。大量のわさびを食べるバツゲームのようだ。なんとかそばをたいらげて、そば湯をたっぷり加えたが、飲み干すことは出来なかった。
後から入って来た客の半数はカツ丼を食べていた。もちろん、福井のカツ丼は卵とじではなくソースカツ丼。銀髪のように口を歪めている客は他にいない。
佐佳枝亭では普通のおろしそばかカツ丼を食べるのが無難だ。「辛味だいこんは辛いですね」とおばちゃんに言ったら「そうですか?」と無表情につれない返事。もしかすると、たまたま激辛の大根に当たったのかもしれない。
帰りは公園を通り、橋を渡って城跡を抜けて行った。口の中のヒリヒリは、お腹に移ってきた。ちょっとやばい。歩幅を広げスピードを上げて駅へ向った。
佐佳枝亭 本店
福井県福井市順化1-24-1
0776-21-0533
http://www.sakaetei.jp/
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2010年01月24日
[にぼらや](熊本)
熊本で煮干ラーメン

熊本での昼食は熊本ラーメンを食べることになっている。黒亭、こむらさき、味千、桂花などの老舗有名店はあらかた食べた。もっとも、市内で食べ損なったら空港で食べても良しとしているのだから、ラーメンを語る資格はない。まあ、熱くてそこそこ食べられれば文句を言わない。
今回も口コミサイトでラーメン屋を検索したのだが、意外なことに上位に煮干ラーメンが入っている。不思議に思ったものの、考えてみると東京でも「東京ラーメン」なるものは少数派である。熊本だってとんこつラーメン以外のものがあってもおかしくない。

「熊本の水と北海道羅臼昆布、土佐の鰹などで作り上げた和風だし」「無農薬の餌で育てられた放し飼いの地鶏の卵」「化学調味料は一切使わない」などなどこだわりのラーメン屋さんとのこと。二日酔い気味の胃にはとんこつスープより優しいのは間違いないようだ。

煮干しラーメンが目の前にやってきた。「かつお節をかけますか?」と言うので少しかけてもらった。余計なことだが、みんなは海苔をどのようにして食べているのだろうといつも気になっている。伊丹十三の名作「たんぽぽ」では海苔の食べ方の解説はなかった気がする。初めての試みとして手で切り裂いて2回に分けて食べた。溶かして食べた方が良かっただろうか。
写真では油が浮いているのが見えるが、食べているときは気付かなかった。あっさりとして美味しいラーメンだった。隣を見ると既に部下は食べ終わっている、と思ったら再びレンゲでスープをすくう。これで終りかな、と思ったらまたレンゲを持つ。銀髪の視線に気がついて「あとをひきますね」と言った。
「とんこつラーメンでなくて悪かったな」と言うと、「本当は今日のようなラーメンの方が好きなんです」と言うから正直だ。熊本出身なので郷土のラーメンを愛していると信じていた。「それじゃー、これまで嫌々銀髪に従ってラーメンを食べていたのか?」といじめようかと思ったが止めておいた。部下といえども、満足そうな顔をわざわざ歪めさせることはない。
にぼらや 酒場通り店
熊本県熊本市下通り1-5-17
096-356-3060
http://www.niboraya.com/
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2010年01月23日
[のっけ家](静岡)
まぐろ丼

「まぐろ丼と牛タン、どちらがいい?」静岡名物ならまぐろと麦とろと言うべきだが、敢えて麦トロ飯とセットになっている牛タンを前面に出した。思ったとおり迷っている部下を見るのが面白い。悩んだ挙句、まぐろ丼と答えたのは予想の範囲内だった。彼はとろろが好きではない。

「本鮪大トロ頭肉丼が名物らしいぞ」銀髪が誘導しても部下は乗って来ない。「僕、まぐろづくし丼にします」と言われてがっかりした。2種類の写真が撮れなくなってしまった。銀髪は最初からまぐろづくし丼に決めていた。
二人仲良くまぐろづくし丼を食べることになった。赤身から手をつけたが意外なことに旨い。一番美味しそうなところから食べるか、それを最後に残すか育ちが分かる。好物を最後にする人は、子供の頃に奪われる心配がなかったのだろう。家庭内でも生存競争を強いられた人は、奪われる前に好きなものを食べる。

大物政治家の息子だった友人は大勢の秘書や書生たちと一緒に毎日食事をしたと言う。個々人に与えられたのは飯茶碗と箸のみで、取り皿はなかった。おかずは直接口に入れるしかない。キープするなんて出来なかったのだ。好きなものはいの一番に食べる。たくさん食べたければ早食いしかない。
銀髪よりも早いスピードで食べていく部下を見て友人を思い出した。客は次々に入ってくる。銀髪も部下を追いかけなければ白い目で見られそうだ。まぐろに比べてご飯の量が少ないのでバランス良く食べるのが難しい。ごはんだけ大盛りにしてもらえば良かった。
のっけ家は水産会社の系列らしい。清水、豊田、甲府、富士などに7店舗構えている。リーズナブルに美味しいまぐろが食べられると評判がいい。部下が嬉しそうに食べていたので、メデタシ、メデタシである。カツガツと早食いするのを見るのは、ご馳走する側からしたらそれなりに気持ちがいいものだ。
のっけ家 静岡店
静岡県静岡市葵区紺屋町4-27 森川ビル1F
054-205-8251
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2010年01月10日
大勝軒 いぶき
麺が上手に食べられない

先日、テレビでつけ麺がブームと報じていた。つけ麺の産みの親は東池袋大勝軒の創始者山岸一雄氏というのが定説らしい。既に50年もの歴史があるにもかかわらず、最近ブームになっているのは何故だろうか。
光が丘の駅から歩いて数分、住宅地にさしかかるところに大勝軒の幟を見つけた。山岸氏の引退が大きく報じられてラーメンマニア以外にも広く知られるようになった大勝軒だが、本店はおろか暖簾分けした店にも入ったことがない。幟につられて行くと5人が並んでいた。
長時間待ってまでラーメンを食べたいとは思わないが、5分や10分なら他の店を探すより待つ方が得策である。しかし寒風の中で前金を払わされるとは思わなかった。人気店では食券を買わないと列に加われないことが多い。山岸氏がもっとも重視したという「お客様への感謝の気持ち」は約60店の大勝軒のれん会加盟店にどのように伝わっているのだろうか。

待ち時間は予想より長かった。入ってみるとカウンターが7席のみ。行列の先客と我々2人が入るためには総入れ替えしないといけないことが分かった。肝腎のつけ麺はなかなか美味しい。
銀髪と同年齢の部下はラーメンを選んだ。銀髪も大勝軒でなければラーメンを食べただろう。寒風にさらされたためだけではなく、熱々のラーメンを好むのがおじさんたちの習性だ。テレビではつけ麺ブームの理由として、若者が熱い麺をすすれないことを上げていた。確かに豪快にズルズルと音を立てて食べる人は少なくなった。一度れんげに乗せて冷まして食べている。しっかり噛んで胃に負担をかけない食べ方だ。

他の全員がつけ麺を選んだことを知り後悔していた部下も、ラーメンを一口食べて笑顔になった。100g増しの300gのつけ麺は簡単に銀髪の腹に収まった。隣席の女性はまだ半分も食べていない。あつもりにした麺は早く食べなければ絡まって食べにくい。そう言えば外国人は熱々でなくても麺を上手にすすれない。欧米化の傾向はここにもあるのかもしれない。最後に入った我々が最初に店を出た。
「5分で食って来い!」約30年前、ボスにどやされて食堂に走ったものだ。席に駆け戻り受話器を持ち上げた。呼び出し音を10回聞いて電話を切り、ため息をつく。電話の先は無人の独身寮。仕事をするフリも堂に入っていた。
大勝軒 いぶき
東京都練馬区田柄5-16-10
03-3577-4112
大勝軒のれん会
http://www.tai-sho-ken.com/noren/index.html
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2009年12月27日
[音羽](大阪、守口市)
関西風(?)はなかなかいい

11時40分、店の前で店主らしき人が煙草をふかしていた。「開いてますか?」と言いながら入ると女性店員が迎えてくれた。店内に客は一人もいない。煙草の人が我々を追いかけるように店に入り、追い越して調理場に消えた。
「何を食べたらいいですか?」と店員に聞くと「生地は一緒なので中に何を入れるかですね」と曖昧な返事。「豚玉でしょ」と言う部下に従った。焼きそばが入ったモダン焼きはエビを選んだ。「定食にもできますよ」と言うので笑った。やっぱり大阪ではお好み焼きはごはんと一緒に食べるんだ。

定食は断り、ごはんの代わりにビールを頼んだ。調理場で完成した料理が熱くなったテーブルの鉄板の上に置かれた。からしとマヨネーズはあらかじめつけることをせず、別に持って来てもらった。下戸の部下に2種類のお好み焼きを多めに切り分けた。
まず豚玉を口にした。「ウン、おいしいじゃないか」と言うと部下も同意した。「前に他の店で食べたら凄く不味かったんですよ」と続ける。トラウマから大阪では知らないお好み焼き屋に入らなくなったと言う。モダン焼きを食べた。「オヤッ?」豚玉よりも美味い。

関西風でも広島風でも焼そば入りのお好み焼きは何度も食べたが、どれも生地と麺が喧嘩していた。この店のモダン焼きは見事に合体していて実に美味い。そばを卵でコーティングしているとのことだが、目の前で作っていないので詳細はわからない。
12時を過ぎたところで男女3~4人のグループが続々と入って来た。僅か数分ですべてのテーブルは埋ってしまい、入りきれない客が入り口で踵を返した。「勘定をして!」口をモグモグしながら店員に告げた。タイミングよく入って来たグループが笑顔を見せた。

外に出て店の写真を撮った。看板に「関西風」の文字。大阪で関西風を謳うのはどうしてだろうかと気になった。大阪でも広島風が関西風を凌駕しているのだろうか。「美味しかったですね」と関西風お好み焼きに対する部下の評価も一変したようだ。メデタシ、メデタシ。
音羽
大阪府守口市松町2-12
06-6998-4330
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2009年12月26日
[小嶋屋](長岡駅)
美味しいへぎそば

「運転手さん、近くで美味しい食べ物屋さんある?」銀髪の質問に「駅からはちょっと離れますが小嶋屋ですかね」と即答された。すると隣に座っている部下が「駅の中にもありますよね」と言う。運転手さんはバツが悪そうに同意した。
駅に近くなると名誉挽回のつもりか「新潟の魚を出す店もありますよ」と運転手さんは他の店をいくつか紹介してくれる。「どうしますか?」と聞く部下に「へぎそばに行こう」と答えた。東京では何度も食べたことがあるへぎそばだが、新潟では初体験なのである。

メニューの一番上にあるへぎそばを頼んだ。これに付いた小鉢は大したものではないが銀髪を誘惑するには充分だった。「エビスビール下さい」2人で1本なら午後のアポにも影響することはない。オーストラリア駐在のときは当たり前だったことが、日本では特別なことになる。

「もしかしたら今までで一番美味しいかもしれない」一口食べて部下に言った。自分の味覚に自信がない情けない銀髪である「国内産石臼挽きそば粉100%使用 国内産布海苔でつないだ爽やかなのど越しの自家製そばです」勘定場で手にしたパンフレットを見て納得した。間違いなくこれまで食べたへぎそばで一番美味しい。自分の味覚だけでは自信がなかったものが、説明書きでなんとか裏付けられた。まったくもって情けない。
パンフレットを読み進み「おやっ?」と思った。屋号の前に「越後長岡」と書いてある。へぎそばと言えば十日町である。ホームページのアドレスにもnagaokaの文字。調べてみると十日町に小嶋屋総本店があることを知った。長岡小嶋屋が創業40年余りに対して小嶋屋総本店は90年。どうやらこちらが本家本元のようだ。
新潟県内にある総本店系列の店は8店舗で、長岡小嶋屋など別系列は初代の子供たちが独立して営んでいるそうだ。いがみ合っているようには見えないが、東京の府中、立川などに店を出している長岡小嶋屋の方が商売は上手のようだ。
残念ながら小嶋屋総本店の通販サイトでは年内の商品販売を終了している。長岡小嶋屋の商品は各地の有名デパートで買える。今年の年越しそばは長岡小嶋屋のへぎそばに決めた。
小嶋屋 CoCoLo長岡店(長岡駅ビル)
http://www.nagaokakojimaya.com
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2009年12月23日
[大平庵本店](長野)
老舗のサービス

「有名な店で凄く混んでいるんですよ」と言われたら、12時前とはいえ自然と早足になる。店に飛び込んで拍子抜けした。客は誰もいないし、暖房も入れたばかりのようで寒々としている。席につくと店のおばさんが言った。「お茶はセルフサービスになっています」
銀座6丁目のラーメン屋・富松を思い出した。客はまばらでカウンター内の店員は手持ち無沙汰にもかかわらず、ビールを頼むとカウンターのこちら側にある冷蔵庫から自分で出してくれと言う。たまにこんな店に出くわすとムッとする。時と場合によっては客を煩わせるルールを侵してもいいと思うが、頭が固い。

ビールを頼んだら大瓶だった。老舗料理屋の中には中瓶や小瓶が発売されるようになっても大瓶にこだわるところがある。こんな頑固さなら歓迎である。これだけで機嫌が良くなる。コップ2つとそばを伸ばして揚げたようなつまみを持って来てくれたおばさんがとても優しくなったような気がするから不思議だ。
12時を過ぎた頃から客が入りだした。常連さんはすぐに給茶器に向う。よく躾けられている。後ろに座った老夫婦はおばさんから店のシステムの説明を受けたが、席を立つ気配がない。あれこれ観察しているうちに目の前にそばが来た。

「地元のHさんはそばに唐辛子をかけるんですよ」と部下が言う。刺身にわさびを乗せて醤油につけるのと同じ考え方。長野名物八幡屋の唐辛子を味わうにはいい手法だ。これは真似しないわけにはいかない。

激辛唐辛子でなくてもいつもより辛く感じる。しかし、そばつゆをたっぷりつけるのが好きな人にとってはあまり意味がないようだ。試しにやってみたら、唐辛子はつゆに浮遊した。唐辛子だけ先に舌に乗せて、それからそばを食べるのが一番かもしれない。やってみる気はしないけど。
帰って大平庵のことを調べてみた。大正3年(1914年)創業の老舗である。現在地への移転が昭和2年というから建物自体も重みがある。手打ちのそばも悪くない。それにしてもあの老夫婦はお茶を飲めたのだろうか。確認しそこなって妙に気になる。
大平庵本店
長野県長野市南石堂1248
026-226-6579
http://www.taiheian.com/
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2009年12月20日
[西町大喜 二口店](富山)
再びの富山ブラック

「アレッ?この辺りだったんですが…」タクシーの運転手さんが車を停めてキョロキョロしている。見つけたのは銀髪だった。目立たない小さな店はドアを閉ざしてさらに目立たなくなっている。タクシーを飛ばしてラーメン屋に到着して休みだったのは何回目だろう。
途方に暮れながらも壁に張り紙を見つけた。支店は営業しているらしい。駅前店には行ったことがあるので二口店に向った。「こちらも休みですね」店に着いて運転手がつぶやく。「ここは二口店なの?根塚店って書いてあるよ」運転手の間違いだった。無線で連絡を取りながら、ようやく西口店に辿り着いた。
本店や駅前店とは違って二口店は立派な店だ。広い店内は客で一杯。カウンターに座れたのは幸運だった。料理人の動きを見ているだけで退屈しない。ラーメンは一度に作れる数が限られている。3順目に入って部下に言った。「今度は俺たちの番みたいだぜ!」

駅前店で食べて以来、今度はライスと生卵を頼むと決めていた。醤油辛く味が濃いブラックラーメンはご飯のおかずとして生まれたという。カウンターで観察していると、半分以上の客がご飯を頼んでいる。生卵をラーメンに入れる客はあまりいない。料理人が2つの丼に生卵を入れ、2つの茶碗にごはんをよそった。我々のものに間違いない。
オーダーするときに「生卵はラーメンに入れますか?」と聞かれた意味が分からなかったが、ご飯にかけて食べる人もいると後で知った。銀髪は生卵を真っ黒なスープに混ぜ合わせた。徳島ラーメンを思い出す。
二度目になると、驚きは半減どころか拍子抜けした。生卵のお陰かそれほど醤油辛く感じない。ご飯がよく合うのは予想通りだった。「思ったほど辛くありませんね」と部下も銀髪と同様な感想を述べた。二人で丼をかかえてスープをすすってみた。今度は「やっぱりしょっぱいですね」これも銀髪と意見が一致した。
タクシーが間違えた根塚店は西町大喜本店とは別系列だった。ブラックラーメンの産みの親からのれん分けされた正統性を主張しているそうだ。どこでも本家争いがあるものだ。客にとっては美味しければどちらでも構わない。一生懸命味を競ってもらいたいものだ。
念願のブラックラーメン+ライス+生卵を食することができた。しかし、ライスに生卵をかける人のことが気になって仕方がない。スープをかけて玉子かけごはんにするのだろうか。なかなかブラックラーメンから卒業できない。
西町大喜 二口店
富山県富山市根塚町3-9-10
076-420-2644
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2009年11月28日
[丸山](足利市)
地方都市にも美味しいラーメン

東京に住んでいると日本=東京と思い込んでしまう。約30年前、愛知県豊橋市に赴任した時、独身寮があった飯田線の駅に降り立ち呆然とした。駅前の商店街に複数のスーパーがあると思い込んでいたのだ。その駅には釣り道具屋兼雑貨屋と、その家族が経営するラーメン屋しかなかった。
今はインターネットのお陰で地方都市に出張しても食べる場所を探すことが容易だ。無論足利市駅は飯田線の駅より遥かに大きいが、事前に調査していると心強い。口コミ情報の食べログで調べると、上位にあったのが丸山だった。

もともとは日本料理屋だったような、ラーメン屋にしては立派な店だ。テーブルはゆったりとしているし、厨房も広い。営業時間は11時半~14時半、17時~20時半。深夜が稼ぎ時の東京の常識は通用しない。
12時半を過ぎた頃には32席がほぼ埋って待つ人が出て来た。車で乗り付けた営業マン、工場作業服の男たち、OL、近くのおばさん、老夫婦、客層は様々だ。厨房には店主と思われる男性と中年のおばさんが2人。テキパキと動いているが、満席になるとラーメンにありつくまでは辛抱が必要になる。

ラーメン550円、チャーシューメン800円、仕事がなければにんにくラーメンや餃子を食べたいところだが我慢した。手打ちというだけあって、規格外れの麺が混じるのがアクセントになって面白い。
シンプルな優しい味のラーメンはどんな客にも受け容れられる。東京のラーメン屋のインパクト重視と異なるのは土地柄を考えてのことだろう。駅前ではなく、駐車場がある幹線道路の店というのも地方都市らしい。通りすがりの客はあてに出来ないだけに、いい加減なことはできない。東京が一番という常識も、意外とあてにならないのかもしれない。
手打らあめん 丸山
栃木県足利市中町957-7
0284-72-5154
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2009年11月03日
[豊月](八重洲)
お気に入りになりそう

日本橋、八重洲周辺には蕎麦屋がたくさんある。立ち食いの店も含めてその殆どは路面店。わざわざ地下の知らない店に飛び込もうとは思わない。おまけにみすぼらしいビルで入り口も小さい。階段を降りるにはそれなりの勇気がいる。
インターネットは世界を変えた。口コミサイトの食べログを見なければ近くに居ながら永遠に行かなかったかもしれない。人は見かけによらない。店だって外見だけで判断しては可哀相だ。階段を降りて店に入った。壁に酒の肴の短冊がたくさんかかっている。店内を見ただけでそばの味が分かるわけではない。

連れはもりそばを頼んだ。銀髪はお目当ての鴨せいろではなく、鴨南蛮を頼んだことを料理が来てから気がついた。「新そば」の文字に期待したのはそば湯だった。しかし鴨南蛮では丼にそば湯を加えて飲むのはしんどい。鴨南蛮は美味しかった、でもそば湯が飲めない。嬉しさと悲しさが交錯しているときに運ばれてきたのがそば湯。なんとそば湯用の器まで持って来てくれた。

これには感激した。頼みもしないのにこんなサービスをしてくれたのは半蔵門の「蕎麦小路 さわらび」以来である。さわらびはいかにもこだわりのそば屋さん。店の造りから、器、メニューに至るまで神経が行き届いているさわらびに比べると、豊月は居酒屋が昼にそばを出しているような店。感激より驚きの方が大きかった。
客のことを考えた細やかな心遣いは接客だけでなく料理など全てに影響する。これなら夜の料理も期待できるはず。今度は絶対夜に来よう。心に決めた。
豊月
東京都中央区八重洲1-3-19 辰沼建物ビル地下
03-3275-2779
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2009年10月31日
[夢飯](西新橋)
これってチキンライス?

以前読んだ雑誌に行列が出来る店と書かれていた記憶が強く残っていた。大慌てで会社を飛び出し、西新橋のビルの階段を降りたのが11時5分。準備中の札がかかった店が多い。忙しそうにしている弁当屋を通り過ぎて振り返った。これが目指す店だった。8席のみのカウンターの上に弁当が並び、座る場所がない。
L字型のカウンターの端っこに座らせてもらった。「いいよ、ゆっくりで。急がないから」と声をかけた。弁当箱に料理を詰め終わるまで気長に待つことにした。
「ケチャップ味のチキンライスとは別物なんですよ」メニューを見せながら還暦を迎えたばかりの先輩に説明した。

中国の海南島の出身者がシンガポールで広めたものが海南チキンライス。シンガポールには何度か行ったが現地で食べたことはない。「トッピングは何にしますか?」店員がようやく我々の方を向いた。「一番人気はザーサイ入り玉子焼きです」と言われれば頷くしかない。

まずライスを食べた。鶏のスープで炊いてあるのでそのままでも充分味がある。その後の食べ方はメニューに従った。まず3種類それぞれのソースにチキンをつけて食べる。次にすべてのソースをライスにかけ、混ぜ合わせて食べた。

先輩は見るからに恐る恐る食べている。メニューの教えもまったく興味がないようだ。案の定、香菜は最初から皿の端に遠ざけられた。茹でた鶏の皮目を嫌うかと思ったけれど、それは大丈夫だった。「変わった食べ物があるもんだなー」食べ終わった後に呟くのを楽しく聞いた。
銀髪は美味しく完食した。My唐辛子を持ってこなかったことを後悔したけれど。後から入って来た男性二人はフライドチキンライスを食べていた。海南チキンライスといっても従業員は日本人。「よく間違えられるんですよー」と言うが、話をすればすぐわかる。西荻窪の本店でも日本人が切り盛りしているようだ。
日本人が美味しいと思うチキンライスの秘密は、日本人の経営ということかもしれない。
夢飯Mu-Hung
東京都港区西新橋2-15-12 イースタンビルB1F
03-3591-6558
http://www.mu-hung.net
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2009年10月25日
[麺屋 ひょっとこ](有楽町)
おかめとひょっとこ

交通会館の地下の店は「おかめ」「大正軒」「桃園」などを書いたが、実は最初に行ったのはひょっとこ。柚子ラーメンというのが珍しいと思って出かけて行った。早速書くつもりが延び延びになり、その間にチェーン店でも柚子ラーメンを見かけるようになった。
再び行こうと思ったのは二日酔いの翌日。軽くそばかうどんが定番だが、何故かラーメンが食べたくて仕方がない。好きなのは豚骨系のこってりタイプだが、さすがに胃を気遣ってあげた。そこでひょっとこを思い出したわけだ。
いつも座るカウンターの右側に座った。店主の手元がよく見える。柚子は絞るのではなく皮をすりおろすということは前に来た時に知った。皮を使い切った後の果肉部分はどうするのだろうと今回も疑問に思った。残念ながら忙しそうで話しかける雰囲気ではない。店名の由来は甘味の「おかめ」の姉妹店だから「ひょっとこ」ということらしいが、今回も確認できなかった。

後ろに女性が2人立った。7席しかない店に銀髪を含めておじさん3人が一つずつ席を空けて座っているので2人一緒に座れない。誰かが一つ席を動けば足りるのだが他の人は気付いてないのか、その振りをしているのか食べることに集中している。当然の如く銀髪が動いたが、正解だった。
女性たちがとても嬉しそうに食べるのだ。「あー、幸せ」なんて声が聞こえてくると、銀髪もそんな気分になる。ラーメンは一人でサッと食べるものと決め付けているおじさんたちよりも、批評したり世間話をしたりしてゆっくり食べる女性たちの方が上手な食べ方かもしれない。
なにはともあれ、胃に優しいラーメンだった。これなら今夜も美味い酒が飲めそうだ。酒呑みは懲りない。
麺屋 ひょっとこ
東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館地下
03-3211-6002
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2009年10月04日
[めんくいや]&[長崎亭](福岡)
ちゃんぽん?らーめん?

ホテルニューオータニ博多、コンシエルジェの女性がいの一番に教えてくれた店は「博多だるま」。行ったことがあると答えると「めんくいや」を教えてくれた。

カウンターに座り定番の博多ラーメンを頼もうと決めたところで、目の前を2つの丼が通過した。「ちゃんぽんラーメンです」と丼をテーブル置くところを見て気が変った。初めて食べるラーメンに期待しながらも、他店の博多ラーメンと比較できないことを後悔した。

アサリの剥き身、かまぼこなどが入ったちゃんぽん風の野菜炒めが乗っている。麺は博多ラーメンに使うストレート細麺。焦げた野菜が香ばしいのが気に入ったが、隣で博多ラーメンを食べている人が羨ましい。胡麻と辛子高菜を入れたら博多ラーメンに限りなく近づいた。

翌日、客先で「面白いラーメンがあるから行ってごらん」と紹介されたのが長崎亭。名前は「チャンらー」で、期せずして「めんくいや」のちゃんぽんラーメンと比較する機会を得た。偶然というか、銀髪のために用意された必然か。神様の存在を信じてしまう。

ちゃんぽんの具、ラーメンのストレート細麺は長崎亭とめんくいやの共通するところ。スープは片やちゃんぽん、此方博多ラーメンの違いはある。具は長崎亭の方が美味い。麺は使い慣れているめんくいやの方に軍配が上がる。
長崎亭でも隣のテーブルで食べているちゃんぽん麺が美味しそうに見えて羨ましかった。ちゃんぽんも博多ラーメンも長い時間をかけて今の形に納まった。ちゃんぽんラーメンがあだ花で終るか、新たなジャンルを作るのか分からない。
それにしても新種の麺料理が銀行合併会社の名前のようでは可哀想だな。
めんくいや
福岡県福岡市中央区渡辺通2-3-27 待鳥ビル1F
092-712-9551
長崎亭 博多駅南店
福岡県福岡市博多区博多駅南4-18-2 1F
092-474-6667
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2009年10月03日
[てぼ](福岡)
母(の味)を訪ねて3千里

空港からのタクシーを降りてまっすぐホテルニューオータニ博多のコンシエルジェに向った。「この近くに美味しいラーメン屋はある?」ホテルの女性は心得たもので銀髪の質問にすぐ答えてくれた。そのラーメン屋は明日紹介することにしよう。
腹を八分目まで満たして歩いていると路地の向こうにお好み焼き屋を発見した。散歩のつもりで店の前まで行ったら看板の「博多 下町の味」に目が止まった。

店の前を二往復して店を離れたものの後ろ髪が引かれて立ち止まった。結局戻って店に入ってしまった。「お好み焼きをください」「定食ですか?」「いや、お好み焼きだけでいいです」焼き場を担当するおじさんは頷いてくれた。外のテーブルに落ち着いたところに店のおばさんがやってきた。「定食のご飯抜きにしますか?その方が安いですから」もちろん異論はない。優しいおばさんだ。
出てきたのは薄くて大きい関西風の混ぜ焼き。甘い濃縮ソースにマヨネーズ、ケチャップ、辛子が乗ったお好み焼きを目の前にして、割れそうに膨らんでいた期待はみるみるしぼんでいった。マヨネーズが乗っていないところを半分ほど食べて、店内に入り勘定を払った。あまりに早かったので怪訝そうな顔をする優しいおばさんから逃げるように店を出た。

銀髪は11歳まで福岡で成長した。我が家でも母がよくお好み焼きを作ってくれた。溶いた小麦粉をフライパンに薄く伸ばし、キャベツやもやしなどの具を乗せる。その上からもう一度溶いた小麦粉をかけてからひっくり返す。つけるのは醤油で、マヨネーズなどは論外である。広島風に似ているが、違いも多い。我が家のお好み焼きが博多風というのは勘違いだったようだ。
途方にくれてネットに救いを求めた。よく考えたら両親は熊本の出身。熊本にはちょぼ焼きという醤油味のお好み焼きもどきがある。しかし、我が家のお好み焼きとは明らかに違う。ぼてじゅうがマヨネーズと辛子で味付けを始めたのが昭和21年。オタフクソースの誕生は昭和25年。関西風の混ぜ焼きが広まったのは昭和30年代。今のお好み焼きの姿は戦後に確立されたものだ。全国の流行に鈍感な人たちは我が家のようなお好み焼きを食べ続けていたに違いない。やれやれ、ようやく納得がいった。
てぼのおばちゃんへ。決して不味くて出てきたわけではありません。この場を借りてお詫びします。すいませんでした。
お好み焼 てぼ
福岡県福岡市中央区渡辺通2-2-20
092-781-5505
参考にしたHP
ぼてじゅう(http://www.botejyu.co.jp/botejyu/kigen.html)
オタフクソース(http://www.otafuku.co.jp/laboratory/culture/history/his01.html)
お好み歴史学(http://www.ikayaki.com/rekishi.html)
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2009年09月27日
[粋な一生](秋葉原)
ちょっと気に入ったかな

食べる時間より長い待つ時間を快適に過ごすため、メニューに工夫がしてある。店主のこだわりを読んでいる間に料理が出来上がる仕掛けだ。ちょうど<売切れ必至の人気メニュー>の秘密を読んでいるところに味噌ラーメンがやってきた。

繊細な盛り付け、根を取ってシャキシャキしたもやし、自慢のスープ。「おぅ!なかなか美味しいじゃん」山のようにあるラーメンブログを見るにつけ、ラーメン屋の評価だけは書くまいと思っている銀髪でも、「これは好みだ」ぐらいは言いたくなった。
メニューでは味噌ラーメンより前に出て来るのが<当店のおすすめ>の塩ラーメン。こちらは食べ方まで主人が丁寧に説明している。①まずスープは3口まで②チャーシューは温まって柔らかくなるまで待つ③終盤にスープを3口以上飲んで美味しくなったことを知る④御飯にスープをかけて御茶漬け風にする⑤調味料を加えて味の変化を試す⑥自分なりの美味しさの感じ方を見つける。まあ、こんなあんばいだ。

忠実にアドバイスを守った。いつもは早食い競争のようになるラーメンも、メニューを読み返しながら食べると時間がかかった。この店が好きになったのは⑥のコメントの解説。「誰がなんと言おうと自分の好きな食べ方が一番」なんてこだわりの店主がなかなか言えるものではない。遠慮なくMy唐辛子をポケットから取り出して振りかけた。オーッ!美味い!

御茶漬けのためにチャーシューを少し残しておいた。熱でフニャフニャになってごはんに混ざりやすい。塩ラーメンのスープがごはんによく合うねー。味噌のスープだったら昔を思い出して切なくなるだろう。40年以上前、我が家の愛犬は味噌汁ごはんが出て来ると下駄で蓋をして抗議したもんだ。
若くても、独学でも、接客の心得が未熟でも人気店になれるのがラーメン屋。そうは言っても、一生懸命さが感じられて好感が持てるお店である。
ラーメン食堂 粋な一生
東京都台東区1-27-2 竹善ビル1F
03-3837-8117
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2009年08月30日
[筑紫楼のふかひれラーメン](日本橋三越店)
話の種に

「昼にラーメンでも食べようかな」と思っていたところにNさんから電話がかかってきた。食事を一緒にとることになったが、ラーメンでは申し訳ない。会社の前で待ち合わせて歩き出しても、どこに行くか決まらない。やっぱりラーメンが食べたい。そうだ、ふかひれラーメンなら喜ばれるに違いない。
「ご馳走しますよ、遠慮なく」と言ったら、Nさんは蟹入りの高い方、3,200円のものを選んだ。本当に遠慮がない。味比べをするために銀髪は3,000円の醤油味のものを頼む。どちらにもシュウマイとデザートがつく。


小さな器をもらい、お互い少しずつ分け合った。蟹入りの方は濃厚で美味しいが、食べ進むと醤油味の方も悪くない。ふかひれ料理の代表格であるふかひれ煮を連想させる。もやしを乗せて酢をかけるとラーメンであることを忘れそうになる。麺はそれなりで、スープが滅法美味い。ラーメンを単品で食べると2,400円。その価値はあるかもしれない。

後日、今度は東京駅キッチンストリートにある筑紫楼のふかひれ麺専門店に行った。こちらは1,600円。高級そうな日本橋三越店と駅にある麺専門店、味覚が雰囲気に左右されるのは間違いないが、800円の差は場所代だけというわけではなさそうだ。
銀座の筑紫楼に行ったとき書いたとおり、ふかひれと一口で言っても色々ある。(→http://codawari.info/ginpatsu/archives/2009/03/post_1189.html)ラーメンに使うものが高級品とは思えない。どちらの店のふかひれも似たようなものだろう。味の違いはスープの作り方と麺にあるように思えた。
高額なラーメンを食べるのはばかばかしいと思うが、ふかひれスープを飲むつもりなら悪くないような気もする。どうせ行くなら800円を節約しても意味がないと思った。
数ヶ月後、三越本店にある筑紫楼に行った。入り口に立つ店長らしき人と目が合う。ちょっと考えて踵を返し、近くのラーメン屋に向かった。
日本橋三越店
東京都中央区日本橋室町 1-4-1 日本橋三越本店新館10階
03-3242-2946
頂上麺 八重洲店
筑紫樓ふかひれ麺専門店
東京都千代田区丸の内 1-9-1 東京駅1階キッチンストリート
TEL.03-5224-6080
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2009年08月08日
[らーめん 松富](銀座)
高級クラブの美女に会える(?)ラーメン屋

「あそこは砂肝の唐揚げが美味しいのよね」高級クラブの女性が言うので驚いた。夜な夜なお金持ちにご馳走になっていると思ったが、一人ラーメン屋で腹ごしらえすることもあるのだろうか。同伴をラーメン屋で済ませるつわものがいるのかもしれない。尊敬してしまう。
順子、麻衣子、江川、高田などなど高級クラブが並ぶ数奇屋通りの路地裏に松富はある。看板は見たことはあったが、行くきっかけを作ってくれたのは日本橋のしうまい家松富である。(→http://codawari.info/ginpatsu/archives/2008/02/post_826.html)主人は自分が育てた銀座のラーメン屋を弟子に任せて日本橋に店を開いた。
ラーメン、しうまい

背脂が浮いたこってりしたラーメン。味の濃さや麺の茹で方は指定できる。主人の年齢からして昔ながらの和風ラーメンを想像して行ったので、ちょっと驚いた。背脂ラーメンの先駆者だったのか、弟子が改良したのか定かではない。
もちろん特許しうまいもある。しうまい家と同じ味だ。メニューを見ると餃子や春巻き、クラブの女性から聞いた砂肝をはじめ酒の肴も豊富にある。

報告を兼ねてしうまい家松富に昼飯を食べに行った。しうまい、餃子は銀座から日本橋に運ばれて来るそうだ。同じ味なのは当たり前だった。主人は「日本橋の店では全部一人でやらなければならないから大変ですよ」と苦笑いする。たくさんの料理を出す店だが、看板料理はやはり特許しうまい。銀座の店と特許しうまいなどの製造を信頼する弟子に任せられるとは幸せ者だ。弟子も偉いが主人も偉い。
銀座の店に行くのはいつも昼間。今度は夜に行きたいものだ。一緒に来てくれる美女がいたら嬉しいけれど…
らーめん 松富
東京都中央区銀座6-4-16 花椿ビル1階
03-3289-3465
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2009年08月01日
[ジャポネ](有楽町)
満腹、満腹

11時を少し回ったばかりなのに行列が出来ていて驚いた。ラーメン通Araproさんのブログに書いてあったけれど、そんなに人気がある店とは想像もしなかった。20人近くが並んでいるのを見て踵を返した。
その日は交通会館まで足を伸ばして、先日書いた桃園で長崎ちゃんぽんを食べた。それから数回ジャポネを覗いたけれど、いつも同じぐらいの行列が出来ていた。
今日は前夜の酒が残って胃が重たい。さっぱりスッキリの柚子らーめんを食べようと交通会館の「ひょっとこ」に向かった。習慣になってしまったでジャポネ見学のつもりが、珍しく行列が短いので迷った末に列の後ろについた。8番目である。席に着くまで長く感じたが、時計を見たら7分しか経っていなかった。
待っている間にお腹が空いた気分になった。ジャポネのジャンボ(大盛り)を頼んだ。左を見るとじゃりこの横綱を客が受け取っている。右隣の客にはキムチスパの横綱がやってきた。壁際で立って見ていた時よりも、目の前で見ると度肝を抜かれる量である。銀髪が頼んだのは横綱より小さいはずだが胸がドキドキしてきた。

食べきれるだろうか、残したら軽蔑されるだろうか、お腹は大丈夫だろうか。待つ時間の10分は不安で仕方がなかったが、目の前に置かれたジャポネのジャンボを見てホッとした。横綱を見た後では少量に見えた。
汁がないのでツルツルッと食べることはできない。モグモグと食べるにはちょっとコツがいる。美味い!と言いたいところだが、銀髪でも簡単に作れそうだ。もっと美味しいスパゲティは山ほどある。長時間並んでまで食べる理由はないように思えるのだが…
壁に貼られたメニューを見ると「平成13年7月7日現在」と記されている。ジャポネなどレギュラーサイズが500円で、一番高い横綱が800円。人気店にもかかわらず、長年良心的なスタンスを保っているのが人気の秘密かもしれない。
食べ終わった頃には30人ぐらいが待っていた。銀髪は二度と並ぼうとは思わないだろう。でも、もし今日と同じぐらいの列だったら並んでしまうかもしれないなー。
ジャポネ
東京都中央区銀座西1丁目2番地先 銀座インズ3 1階
03-3567-4749
電話でテイクアウトの予約が出来る。並ぶより得策かも。
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2009年07月19日
[桃園](有楽町)
懐かしがるか、新鮮な驚きか

階段を一段下りるごとに時間が遡って行くような気分になる。都心の大型ビルの地上フロアは改装してそれなりにきれいになっているが、地下は時間が止まってしまったままのようだ。もっとも、ビルが出来た頃はどの店も明るくてきれいだったに違いない。
店に入ると「チケットを買ってください!」と大声が飛んできた。自動販売機を探していると大声の主おばさんAがやってきて手動販売であることを知る。お金を払うとプラスチックの黄色く丸い番号札を渡された。カウンターを指し示されて配膳口の前に座ってしまった。対になった番号札の片割れが目の前に並んでいる。Aの手が目の前を行き交うのが煩わしいが、キッチンの様子が見えて面白い。
おばさんBが少量の麺を茹でて別の鍋に移し蓋を被せた。代わって既に茹で上がっていた大量の麺が温めなおされる。おばさんBの指示でおばさんCが麺を5つの丼に分ける。量を同じにするようにBがCに指示をしている。Cは銀髪よりかなり年長に見えるが、この店では最年少の新人のようだ。
炒めた具とスープの入った店主の中華鍋が5つの丼の上を行き交う。時折鍋底が盛り上げた具に接触する。5人分は老境に入った店主には重過ぎるように思える。鍋が空になった後でも左肩は下がったままだ。BがCに具の量が均等になるように指図する。Aが早くしろと注意する。3番目の丼が銀髪の前にやってきた。

九州ラーメンの原型と言われる白濁したスープを想像したが、タンメンと言った方がいい。茹でている時に見て驚いた麺も、野菜の下から引きずり出してみるとさらに太く見える。口コミ情報で酷評されるほど悪くはない。こんなに太いちゃんぽん麺は他にはないだろうから、何十年もこの麺を食べるために通う人もいるに違いない。鶏の唐揚げ、揚げ団子(さつま揚げ)も人気だという。

配膳台に丼が6個並んだ。太い麺を箸で素早く分けるのは難しいだろう。今度は店主の中華鍋が丼にぶつかるかもしれない。配膳台を10cm低くしてあげればいいのに。心配してはみたものの、結果を見届ける前に食べ終わり店を出た。入った時と違って大声は飛んで来なかった。忙しすぎてか、「ありがとうございました!」と言う余裕はないようだ。
店は満席になり、外に待つ人も出始めた。銀髪のように桃園を絶賛するグルメ雑誌を読んで来た人もいるだろう。初体験の人の評価はともかく、常連さんにとってはいつも変わらぬ美味しいちゃんぽんであるに違いない。
長崎ちゃんぽん 桃園
東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1
03-3214-9048
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2009年07月05日
[空](札幌)
これは美味しいね

札幌での昼食はラーメンに決まっている。どこに行くかはブログや口コミ情報が頼り。ラーメンのブログは驚く程たくさんあり、専門家はだしの批評にはいつも感心させられる。口コミ情報のコメントも他の業態に比べて圧倒的に多くて信頼できる。
〇〇系とか△△の出身とかは気にしない。有名店だからといって遠く郊外まで足を延ばすつもりもない。安近旨、札幌のラーメン屋をいつもの条件で探したら、初めて「空」がひっかかった。最近出来た店だろうか。
暑い!札幌でも夏は暑い!札幌駅からすすきのまで歩くとさすがに汗をかいた。店は難なく見つかったものの、店の囲い(?)は取り払われており、エアコンで涼む願いはかなえられなかった。開店の11時から30分経過していたが先客は一人だけ。奥の席は熱が籠もっていそうなので、オープンエアの道路に背を向けて座った。
玉の汗をまとっている料理人2人に比べれば、我々は天国に居るようなものだ。評判のラーメン屋の料理人たちは、若くて、無口、真剣な眼差しが共通点だ。鍋でスープを作っているのを眺めていると、スーツ族が5人入ってきて店はほぼ満席になった。

熱いうちに、麺が伸びないうちに食べようと頑張るせいか、或いは料理人たちの雰囲気が乗り移ったせいか、我々も無言でラーメンに向き合う。昔は漫画を読みながら気軽に食べるものだったのが、いつの頃からかラーメン道なるものが出来たような気がする。
半分ほど食べたところで「美味いな」と部下に言うと、「美味しいですね」と返ってくる。何がどう美味いかを説明できるほど道を究めてはいない。
食べ終わって席を立つと、すぐに別の客が現れた。「もう、ラーメンを食べる時期じゃなくなったな」と部下に言った。一度はひいた汗が再び浮かんできている。真夏になったらエアコンをつけるのだろうか。それだけが気になった。
空
北海道札幌市中央区南3条西5-20-2
011-281-0085
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2009年06月27日
[東京ラーメンストリート](東京駅)
東京駅の新名所

東京駅八重洲南口地下1階、東京駅一番街に6月17日東京ラーメンストリートがオープンした。日経朝刊でそのことを知り、見学に出かけた。11時半頃だったのでよもや食べることができるとは思わなかったが、想像を絶する人の群れに圧倒された。「こいつら仕事をしているのか?」と行列を見て毒づいた若者が列に加わるのを横目に、銀髪は足早に通り過ぎた。
1週間後、11時に到着すると人混みは半分以下に緩和されていた。食券を買って「二代目けいすけ」の列に並んだのが11時2分で、7分後には席に案内された。テーブルの相席は強要せず、余裕があってなかなかいい。10分後にラーメンがやってきた。器の形が面白い。

海老の香りが強い面白いラーメンだ。伊勢海老のビスクのようであるが、食べ進むうちにやっぱりラーメンだと納得する。レンゲが巨大なので左手に持ったままでは食べにくい。どうやったら上手く食べられるだろう。試行錯誤しているうちに、ほぼ食べ終えた。

「六厘舎」の行列がもっとも長く、「ひるがお」「むつみ屋」もそこそこ並んでいる。37席のけいすけと同様に、34席のむつみ屋は比較的待ち時間が少なそうだ。ひるがおは24席と少ない。列の長さは同じぐらいでも、回転は悪そうだ。
六厘舎は初めて作った支店で28席。12席しかない大崎本店よりも並ぶ時間は短いかもしれない。むつみ屋は北海道が本店で、70店舗以上も全国展開しているので「東京で、真っ先に食べたい4店舗」というキャッチコピーに相応しいのかどうか分からない。

「ラーメンを並んでまで食べる気がしない」と言ってはみたものの、10分足らずとはいえけいすけに並んだのは事実。わざわざ東京駅まで来たことを、「いつまで行列が続くかチェックするためだ」とうそぶいても言い訳にしか聞こえないだろう。銀髪も偉大なる大衆の一人である。
いずれの店もJR東海が選んだ精鋭ばかり。長時間並んで食べた方が、ありがたみが増して美味しく感じるかもしれない。
東京駅一番街 東京ラーメンストリート
東京八重洲南口地下1階
http://www.tokyoeki-1bangai.co.jp
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2009年06月20日
[ストーン](浅草橋)
焼きカレーのお店

「この近くの有名店は…」と部下が淀みなく話す。何年経っても銀髪任せの部下が多い中、彼は美味しい店の探索に熱心なので楽である。「焼きカレーの店はどうですか?」との提案に素直に従った。
「喫茶店のような小さな店ですよ」と教えられていたので、店の前に立っても驚かない。入り口の黒板に、思いっきりTV、ぴったんこカンカン、ぶらり途中下車の旅、アド街ック天国、スーパーJチャンネルなどこれまで紹介されたテレビ番組が列挙してある。

12時前なのでまだ客はまばらである。大きなおばさんが入り口に一番近い席を我々にあてがった。
焼きカレーを頼んだらサラダと冷奴が出てきた。サラダはともかく豆腐とは珍妙な取り合わせである。置いていったコップに入っているのはレモン水だろうか。随所に見られるユニークさの中でも極め付けが焼きカレーに違いない。

待望の焼きカレーが出来上がった。銀髪と部下の前に一つずつ置かれた。想像の範囲内で焼きカレー自体に驚きはない。それでもジーッと見詰め続けた。

「お前の方が美味そうだな」と部下のカレーに目を移して呟いた。部下は意に介さず食べ始める。「交換しましょうか?」と言ってくれるのを期待したが無駄だった。思ったとおり、チーズの下に卵が隠れている。しかもしっかり焼けた卵が…
我が家で夕食がカレーの時は、翌朝も銀髪はカレーを食べる。朝食のカレーには目玉焼きを添える。もちろん黄身はトロトロである。カレーにトロトロ卵が好きなのに、目の前の焼きカレーはカチカチ卵ではないか。部下のカレーを覗き込むと黄身は半熟トロッの状態である。いくら勘定は銀髪が払うといっても「交換しろ!」と命令することは出来ない。まして上下関係を振りかざしたらパワハラと訴えられるかもしれない。
客はどんどん入ってくる。相席は当たり前になってきた。マスコミの力は偉大というよりも、マスコミを呼び寄せたネーミングが素晴らしいということだろう。
嬉しいそうに、美味しそうに食べる部下が恨めしい。悲しい気持ちのまま食べ終えた。
ストーン
東京都台東区浅草橋1-10-12
03-5821-3800
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2009年06月14日
[こむらさき](熊本)
横浜ラーメン博物館にも出店している1954年創業の熊本ラーメン

「一番好きなのはこむらさきです」と部下が言う。「店の場所を知ってるか?」と聞いたら首を振る。熊本出身のくせに、空港で売られている老舗3店の詰め合わせで判断したらしい。
銀髪はホテルでもらった地図をポケットから取り出した。その地図にこむらさきは書いてある。
アーケードが終る手前で部下が立ち止まった。「違うよ、ここは支店だ」銀髪は歩き続ける。「あれだ!」銀髪が看板を見つけた。「本店の方が小さいんですね」と部下が言う。「あたりまえじゃないか。移転しない限り、本店の方が小さいのが普通だ。小さく始めて成功したら大きな支店を作るものだ。」
こむらさきの本店は部下ならずとも拍子抜けする町の中華料理屋という感じの店だ。部下はお勧めの王様ラーメンを、銀髪は当然スタンダードのラーメンを頼んだ。

部下が「あれっ?」という顔をする。「味千と間違ったかな?」詰め合わせの箱から取り出す際に入れ替わったのかもしれないと思ったようだ。確かに味千の方がインパクトがある。期待しないで食べた味千と、期待して食べたこむらさきの差なのだろうか。
しかし、食べ進むに従って優しい香りが口に広がる。豚骨ラーメンにしてはくどくない。横浜のラーメン博物館で人気というのも分かるような気もした。まあ、各人好みがあるので優劣はつけられない。
店を出てタクシーをつかまえた。「空港まで!」と行き先を告げると、女性ドライバーが歓喜の声を上げた。「出版社の方ですか」と聞くので軽く否定した。近くに勤める人と思ったらしい。一拍置いて「あっ!ラーメンを食べに来られたんですね」と一人で納得している。
「ラーメンお好きなんですか?」と言われて考えた。グルメ紀行の取材のためだけではなく、好きだから食べている。
「熊本ラーメンが好きなんて、若いんですね」と言われて照れた。こむらさきをあっさり味と思ったのなら内臓の若さを誇ってもいいかもしれない。長距離客を乗せてラッキーを連発する運転手さんと楽しく語らっているうちに空港に着いた。
「若いというより馬鹿だね」と言うと、実に楽しそうに笑う。車を降りたら「気をつけて帰ってください!」と明るい声が追いかけてきた。「パイロットに言ってくれ!」と一言多い銀髪である。
こむらさき 本店
熊本県熊本市上林町3-32
096-352-8070
http://www.komurasaki.com/
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2009年06月13日
[味千ラーメン](熊本)
世界の味千

熊本空港では黒亭、こむらさき、味千のラーメンが老舗3店として詰め合わせで売られている。前回熊本に来た時に黒亭を食べたので今回は残りの2つを食べようと意気込んだ。
熊本県内に70店舗以上あるので地元でも一番食べられているラーメンだろう。創業は1968年というから既に40年以上の歴史がある。創業者の重光孝治氏は久留米を発祥とする九州ラーメンの代名詞、豚骨スープにニンニク風味を加えた先駆者とのことである。

熊本市の中心街にある味千ラーメン銀座通り店に行った。口コミサイト・食べログではトップランクにある黒亭と違い、味千の評価は若干劣る。チェーン店化して味が落ちたのは仕方ないと想像した。ところがなかなか美味しいから困ってしまう。自分の味覚を信じていいのか迷ってしまった。
世界の味千と称されるように海外、特に中国で多数出店していると聞いた。ホテルに戻ってホームページを開いて驚いた。海外店舗数は100程度だと思っていたが、2009年4月30日現在389店舗もあるという。国内105店舗と合わせると合計494店舗、これほどだとは思わなかった。
台湾2、アメリカ7、シンガポール18、フィリピン1、タイ7、インドネシア5、オーストラリア5、カナダ3、マレーシア5、10カ国の合計が53店舗。香港が33店舗だから中国本土で301店舗あることになる。
中国本土で猛烈な勢いで出店しているのですぐに500店を超えるだろう。1000店に到達するのもそんな遠い未来ではなさそうに思える。
顧客に支持されなければこれほどの発展はあり得ない。意外に美味いと思った銀髪の味覚も大衆的と言えるだろう。
味千は美少年酒造にも手を差し伸べた。たかがラーメン屋と侮ることなかれ。何はともあれ「あっ晴れ!」である。
味千ラーメン 銀座通り店
熊本県熊本市花畑町13-4
096-354-9822
http://www.aji1000.co.jp/
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2009年06月06日
[民芸の店 鷦(ささき)](松江)
出雲名物割子そば

何度も松江に来ているのでどうしてもそばを食べたいわけではない。まして松江担当の部下はそばアレルギーときている。ところがブラブラ歩く途中に割子そばの文字を見つけると、突然義務感が湧いてくる。まして手打ちと書いてあれば拒絶することは難しい。

部下のためにかつ丼やカレーがあることを確認して、民芸店のわき道から店に入った。別の店かと思ったら経営は同じらしい。堂々と民芸店の正面から入るべきだった。
店内はそれなりに混んでいた。地元の人が殆どで割子そばを食べている人はいない。部下はカツカレーを頼んだので、銀髪一人がいかにも旅行者に見える。

観光客で賑わうような蕎麦屋で出てくる立派なものではなく、薬味とそばが三段のいたってシンプルな割子そばだ。三分の一の薬味をそばに乗せてそばつゆをかける。食べ終わったら下の段に移る。あっと言う間に食べ終わった。
部下は「ちょっと大盛りにしました」とカレーの量をサービスしてもらっている。ハンサムガイは得だね。「カツカレーにはコーヒーもついてます」と言うが、割子そばにはついていない。二人分の勘定を払い、まだカレーを食べている部下を残して席を立った。

今度は民芸の店の中を通って外に出た。あらためて店名を見る。ショウと読んでみたが何のことかわからない。家に帰って国語辞書を見て読み方がわかった。スズメ目ミソサザイ科の鳥とのことだが、ミソサザイも何のことかわからない。全長約10cmの日本産で最小の鳥のひとつとのこと。
野鳥料理の専門店に行けば食べられるかもしれないと言ったら、不謹慎だろうか? 銀髪らしいと笑ってくれるだろうか?
民芸の店 鷦(ささき)
島根県松江市末次本町22
0852-21-2266
http://matsue-sasaki.hp.infoseek.co.jp/
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2009年05月31日
[あなごめし](広島)
広島名物あなごめし

久し振りの広島。昼食はお好み焼きかつけ麺か、他に何かないだろうかと思案しながら歩いていると、定食屋の店先に立てかけられた黒板に目が止まった。そうだ!穴子があった。これに決めっ!
客先で12時が過ぎた。「食事に行きませんか?」と誘うと「それじゃあ、センチュリー21に行きましょう」と言うではないか。気の弱い銀髪はさっきの定食屋に行きたいと言い出せない。あー、辛い。
ホテルセンチュリー21の11階にある京もみじに入る。メニューにあなご定食があった。バンザイ! 神様に銀髪の願いが通じたようだ。

1,100円にしては立派な定食だった。しかし、肝腎のあなごめしの小さいこと小さいこと。やはり神様なんていないんだ。
翌日まで悔しさが残っていた。予約した新幹線は9時37分発のぞみ14号で東京駅には1時33分に着くので、昼食は車中ですることになる。あなごめしの駅弁を売っている店を探した。


活きあなごめし弁当は1,260円。あなごめし単品で京もみじよりも高いのだから、優劣は明白である。駅弁といっても馬鹿にしたものではない。思ったより美味しかった。買ってすぐに食べていたら、ホカホカでもっと美味しかっただろう。
反省すべきはホテルの朝食バイキングで食べ過ぎたこと。前夜に酒もたらふく飲んだ。あなごめしに申し訳ない。
あなごめしは広島名物と言っても間違いではないが、宮島の駅弁が本家本元らしい。残念ながら仕事で宮島に行くことはない。いつか適当な理由を作って宮島まで行かなければならない。もちろん、体調万全で面会しよう。その時はビールにも登場願おう。考えるだけでよだれが出てきた。
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2009年05月24日
[凪](新宿ゴールデン街)
ガツンと濃厚煮干

新宿で途中下車してゴールデン街に向かった。高校に入って以来、学校や職場への経由地である新宿には何度降りたか分からない。にもかかわらず、ゴールデン街は過去1回しか行ったことがない。作家やジャーナリストが集まる店は一見では入りにくく、知らない店ではボッタクリにあいそうで怖い。友人に連れられて行ったのがいつだったかも忘れてしまった。
ゴールデン街に足を踏み入れた途端、妙な思い込みは吹っ飛んだ。若いカップルや立派な一眼レフカメラを持った外国人が何組も歩いている。区役所通りと違い悪質な呼び込みもいない。
凪の店主もゴールデン街に特別の思い入れがあるらしい。急な階段を上ったところに念願の復活を果たしたとのこ。渋谷、立川、駒込で個性豊かなラーメンを出しているが、新宿店は特濃煮干のスープがウリである。
肉餃子

券売機でビール、肉餃子とラーメンの食券を買った。これを店員に渡すと「ラーメンは後にしますか?」と気が利いている。追加のビールを買うために両替を頼むと、「こちらで支払って構いませんよ」と融通が利く。人気のラーメン屋は偉そうにしているところが多いが、凪はとても好感が持てる店だ。
味玉煮干ラーメン

想像した以上にガツンと来るラーメンである。富山のブラックラーメン以来の衝撃を受けた。チャーシューもなかなかのもの。太い麺もいいが広く薄く伸ばし麺もいいアクセントになっている。しばらくしたらまた食べたくなるようなラーメンだった。
食べている間に何人もの若者が入って来た。中にはこんな店でデートが出来る羨ましい奴もいる。ラーメンの刺身など面白いものもあり、もっと色々食べたい気持ちもあったが彼らのために席を空けることにした。
ゴールデン街の店主たちはイメージ向上に熱心なようである。旧い店と新しい店が混在する旧くて新しいゴールデン街。客も徐々に入れ替わっていく。
凪
東京都新宿区歌舞伎町1-1-10-2F
03-3205-1925
http://n-nagi.com/
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2009年05月03日
[万世橋酒場](秋葉原)
昼の排骨(パーコー)拉麺、夜のカツサンド

『万世橋酒場は、昼はラーメン、夜は立呑み・串揚げ料理のお店です。アルコール類には特に力を入れており、老舗の居酒屋の定番「亀甲宮」(通称キンミヤ焼酎)を揃えているほか、専用サーバーでいれる泡のきめ細やかなビールや各種カクテルなども楽しめます。“串揚げ3本盛・じゃがすじ・チャイナ小鉢、生ビールにホッピー”最近のおすすめです。常連さんが絶えない気楽な酒場です。』
ホームページを見て行けばどうということはなかったのだけれど、本店ビルの中でパーコー麺を食べられるところを探して迷ってしまった。日本橋のたいめい軒のように、レストランでもラーメンが頼めると勘違いしていた。パーコー麺は本店ビルの外といってもいい万世橋酒場にあった。
店のおばさんがクリップに挟んだ伝票を、調理場まで針金に乗せて投げ出す様が楽しい。端末に打ち込んでオーダーするのが一般的になった今、万世のシステムが新鮮に感じてしまうから不思議だ。
12時まではサービスで普通盛りと同じ値段で大盛りが食べられる。前夜の飲みすぎで胃が重いにもかかわらず、取材のためならと大盛りを頼んでしまった。大きなどんぶりは見栄えがする。

日本橋店で何度か食べたけれど、万世橋酒場のパーコー麺の方が遥かに美味しく感じた。写真さえ撮れればいいと思っていたのに、大盛りラーメンを完食してしまった。出されたものは残してはいけないと母に教わったが、今は残す勇気が必要なのかもしれない。
本店の味と比較しようと思い久し振りに日本橋店に行った。いや、行こうと思ったが果たせなかった。己の貧しい記憶力を呪いながら店を探すのを断念した。オフィスに戻り万世のホームページを開き、少しホッとして、ひどくがっかりした。記憶違いではなく日本橋店はなくなっていた。
がっかりすることはない。パーコー麺を食べたければ本店に行けばいい。5時以降の酒場も魅力的だ。熱々の万世名物カツサンドも食べてみたいものだ。大衆酒場でも一緒に行ってくれる美女がいれば嬉しいけれど……
万世橋酒場
東京都千代田区神田須田町2-21
03-3251-0291
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2009年05月01日
[とびっちょ](江ノ島)
行列どころか人だかりの人気店

成城学園前から往復約110㎞、3度目の自転車による江ノ島である。毎回昼食は江ノ島でとることにしている。前回は「HANABI食堂」に行ったが、生シラスを食べられずに悔しい思いをした。「今度は下調べをして店を決めてある」と家族に言ったら、彼女たちも行くと言う。もちろん電車で。
「さらばブラックタイガー」となったので、前の2回と違って今回の相棒はマドンナ。「自転車の独り言」と文句を言っていたブラックタイガーと異なり、マドンナは銀髪に殆ど疲れを感じさせなかった。7時半に出発して10時20分に江ノ島に到着。10時30分に目指す「とびっちょ」の前に立つと、人だかりに唖然とした。

店の前に用意された紙に名前を書いたのが10時40分。11時にレストランはオープンするのに、なんと81番目。4巡しないと我々はしらすにありつけない計算だ。10時50分に到着した家族は江ノ島観光に出かけた。銀髪は携帯音楽プレーヤーで懐かしのニューミュージックを聞きながら待つことにした。どうせ後は家に帰るだけだ。3時間もかかるけど。
途中で生しらすを買って味見した。ごはんだけ持ってくれば、しらす丼ができる。釜揚げしらすはもちろん、しらす豆腐なども店頭で買える。しらすビールもある。

家族が戻ってきた。「みんなが居なければ独りで他の店で食べたのに」「お父さんがここで食べたいと言うから付き合ってあげたのよ」責任のなすりあいに飽きた頃、2時前に店に入ることが出来た。
しらすと桜えびのかきあげ、生しらす丼

生しらすと生さくらえび丼、しゃけいくらしらす丼

味噌汁、温泉卵

美味しかった。生卵も温泉卵も双子なのが面白かった。でも女性陣は全部食べきれず、大きなどんぶりにごはんだけが残った。食事が終わって店を出ると、260番目の欄に書き入れた人が「こりゃ夕食だな」と言って笑いを誘っていた。
家族は鎌倉へ、銀髪は帰路についた。腹が重くて前半はゆっくり走った。道も何度か間違ったため往路より時間をかけて家に辿り着いた。風呂に入ってビールを飲み始めた頃、家族が帰ってきた。お腹が一杯で晩御飯はいらないと言う。自分で酒の肴を3品作り、2本目のビールを開けた。
とびっちょ
神奈川県藤沢市江の島1-6-7
0466-23-0041
http://www.tobiccho.com/
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2009年04月29日
[わかい](人形町)
熱い熱いラーメン

毎月1回行くのがとても楽しみなラーメン屋。週1回ぐらいは行ってもいいのだが、人形町の床屋に行くついでなので仕方がない。ラーメンマニアらしい若者は見当たらず、いつも近隣の会社員たちで賑わっている店である。

路地裏にあるため、通りすがりの人が偶然入って来ることは殆どない。メニューの最初にあるのは醤油ラーメンだが、多くの人は味噌ラーメンを頼む。しかも3人に1人は「カタメン、1.5」と付け加える。麺の茹で方が固め、大盛りの意味である。
この日は11時10分に到着した。一番乗りである。主人が銀髪ただ一人のためにラーメンを作り始めた。出来上がるまでに客が入ってこないことをひたすら祈る。客が増えると主人はもやしをどんどん加えて客の数に合わせるので、出て来る時間は遅れて味は不安定になってしまうことがある。
もう一人の料理人が茹で上がった麺をどんぶりに入れた。もう安心だ。今日はラッキーなことに作り終わるまで次の客は入って来なかった。

もやしを炒めてスープを加えて煮込む札幌ラーメン方式の料理法のため、滅茶苦茶熱い。これが最高にいい。熱くなければラーメンではないと思う銀髪である。どんなに評判の店でもスープがぬるいと好きになれない。
ラー油壷の底に沈んだ唐辛子をすくって加える。時には持参の一味唐辛子を振り入れる。熱さと辛さで鼻水が出て来る。ポケットティッシュを持っていなくて何度後悔したことか。初めて食べた時は違和感があった茎わかめも好きになった。
半分ほど食べたところで客がどんどん入りだした。主人、麺を茹でる人、女性店員、合計150歳はゆうに超えるだろうベテラン達に活気が出てきた。銀髪はどんぶりに神経を集中する。今日はティッシュを持っているので安心だ。
今日は今までで一番美味しかった。髪が伸びるのが待ち遠しい。
わかい
東京都中央区日本橋堀留町1-7-16
03-3661-3661
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2009年04月28日
[やいやい](表参道)
日本文化を支えるのは外国人

ブランドショップが並ぶメインストリートから裏道に入ればリーズナブルに食事ができる店があるはずだと思った。ところが予想に反してファッション関係の小さな店が殆どであせった。幸い飢え死にするかもしれないという恐怖感は数分で消えた。お好み焼き屋が目の前に現れたのだ。客は若者ばかりと思ったら、我々が座ったカウンターの隣には中年夫婦が居て少し安心した。
男前もやし、キャベツ炒め

「お奨めです」と言われた料理は右隣のカップルが食べているもののようだ。サンプルがあるので頼みやすい。お通しに見えたのがピリ辛の男前もやし280円。ひ弱なもやしも辛さを加えれば男前になるらしい。お好み焼きが出来上がるまでの時間潰しにピッタリのキャベツ炒めが380円。アンチョビソースが塩辛くてビールに合う。
ホルモン焼き

左隣に出されたホルモン焼きを見て追加注文。すぐに調理が始まるのが心地よい。鉄板が大きいので満員の客の注文も難なくこなせるようだ。入り口を見ると予約の客以外は断られている。やはり銀髪は日頃の行いがいい。
山芋焼き

山芋をつなぎにするお好み焼き。一度は豚肉入りを頼んだが、ヘルシーに徹して野菜だけのものに変更した。プチトマトなどが入って面白い。
あまからまぜ焼き

甘く煮た豚肉そぼろを入れたお好み焼き。辛味は別添のソースで調整する。目の前で調理するので「マヨネーズはなしで、ねぎは半分だけかけて」などと我侭な注文も伝えやすい。
「ROKA」さんはどこの人?料理人の胸元の名札を見ながら声をかけた。日本に来て3年、調理場に立って2年半と言う。もう一人はMUDITAさん。共にバリ島の出身。人気のお好み焼き屋を支える料理人二人が外国人とは愉快だ。
お好み焼きを食べながら話を続けた。異国で一生懸命働く若者を見るとエールを送りたくなる。
勘定を終えて席を立ち「頑張ってね!」と言ったら爽やかな笑顔が返ってきた。二人ともなかなかのハンサムボーイだ。表参道路地裏の旅は正解だった。一期一会。いい青年たちに出会えた。
やいやい
東京都渋谷区神宮前6-8-7
03-3406-8181
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2009年04月19日
月見そば
たかが月見そばと笑うなかれ

生卵が無料でトッピングできる「まえだ」では、月見そばが380円のかけそばの値段で食べられると思って喜んだ。お得なまえだが近くにあるのに、小諸そばが満席なのが不思議に思えた。興味が湧いて月見そばの値段を見たら何と290円ではないか。そば自体の質が違うとはいえ、衝撃を受けた。
数日後、日本橋の立ち食い蕎麦屋「よもだ」に行った。生まれて初めて月見そばを頼んだ。かけそばが220円、卵が50円、合計で何と小諸そばより安い270円。なんだか申し訳ない気持ちになった。
よもだ

小諸そばの写真も撮らなくっちゃ。数日後、小諸そばに行った。そばを鍋に投げ込む。ざるでお湯を切ってどんぶりに移す。ここから「よもだ」と作り方が違った。どんぶりに入れたそばの中央に窪みを作って卵を乗せ、その上に熱いそばつゆをかけたのだ。白身が少し固まり、盛り付けも美しい。イヤー、月見そばは奥が深い。天ぷらそばなどはつゆを入れて最後に具を乗せるのに月見そばだけ別格だ。
小諸そば

他の立ち食い蕎麦屋はどうだろう。なんだか月見そばにのめりこんでしまった。日本橋三越前の六文そば、東京駅八重洲地下街の梅もとへ行った。
六文そば、梅もと

そばの質や量が違うので値段の比較はどうでもいい。関心があるのは作り方のみ。固唾を飲んで料理人の手元を見詰める妙な客である。どちらの店も卵を乗せてからつゆをかけるのは同じ。しかし六文そばは黄身がどんぶりの隅っこに流されてしまい、梅もとは最初からどんぶりの縁に卵が割り落とされたのでつゆが卵全体にかからない。
味についての評価は立ち食いそばフリークに任せることにして、美しさでは小諸そばが一番だった。他にも立ち食いそばの店は山ほどあるから、作り方の統計を取りたくなったが、それも立ち食いそばフリークに任せよう。もう、月見そばは飽きた!
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2009年04月18日
[まえだ2号店](京橋)
まえだに何があったのだろうか?

数ヶ月前、久し振りにまえだの1号店に行ったら閉まっていた。2号店が近くにあるはずだが、場所が明確ではないので他の店に行った。数日後、1号店が再オープンしたことを知った。1号店のことは忘れ、今度は最初から2号店に向かった。

2号店は1号店よりはるかに立派で夜は居酒屋になる。入り口に夜のメニューが置かれていて、なかなか魅力的ではある。店に入り自動券売機で食券を買おうとしたが1号店より種類は少ないようだ。
天ぷらそば

温泉たまご、わかめなど無料のトッピングを入れて、席についた。天ぷらは期待ほど熱くない。汁もあまり熱くない。天ぷらは1号店の方が立派だった気がするが記憶違いだろうか。それでも10割そばに大きなかき揚げを乗せて、卵とわかめも加えて480円で豪華なそばになった。
再び天ぷらそば

いいコメントを書きたいので再訪した。前より混んでいる時間帯だったので、配膳口でちょっと待たされたが運よく熱い天ぷらが回ってきた。「卵は一人1個、他のトッピングは1つまみ」と注意書きされているにもかかわらず、何人もが時間をかけてトッピングするのでイライラした。汁はやはりあまり熱くなかった。
かけそば

意外と多くの人がかけそばを頼むので、今回は銀髪も真似をした。卵は無料なので380円のかけそばが追加料金なしに月見そばになる。他の人を見ると天ぷらそばに固執していない。丼物に卵を入れたり、人それぞれ。これから暑くなればもりそばの方が良さそうだ。
まえだの1号店に行ってみた。メニューの種類は減って2号店との違いは立って食べるか、座って食べるかの差しかないように見える。まえだは以前のまえだではなくなってしまったように見える。まあ、どうでもいいか。
それにしても、七味唐辛子がでかい!必見に価値あり。
蕎麦 まえだ 2号店
東京都中央区京橋1-19-2
03-3562-8820
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2009年04月17日
[流石はなれ](新富町)
これからもっと輝きそうな期待の星

地図を片手に迷わず到着できた自分を褒めてやりたかった。こんなところに?という路地に流石はなれを見つけた。椅子の足がガラス越しに見える不思議な外観。中に入り、そば打ちが真正面に見える席か料理人の目の前か悩んだ。
たくさん歩いたご褒美は恵比寿ビール。五十嵐さんがそば味噌を出す。そばの実がコリコリして美味い。矢守さんがそばを打ち始めた。思ったよりも早く仕上がっていくのに驚く。
そば味噌、桜海老とえんどう豆の玉子とじ、うなぎ

連れのKさんが箸や箸置き、皿や酒器を褒める。場所、店、什器、すべてがはなれという名に相応しい。時間がゆっくりと流れる。この日は10席の店に客が4人だけというのもラッキーだった。前日までの予約が必要なので、これから客が増えることはない。
氷魚、かつおのたたき、あさりそば

氷魚(鮎の稚魚)は初めて食べた。先週テレビで琵琶湖を旅した芸能人が食べていて羨ましく思ったばかりだ。「かつおのたたきは好きじゃない」と言うKさんが一口食べて目を瞠る。農家から直接仕入れた藁で炙ったと言うから本格的だ。燻製に似た香りがほのかにする。愛知産のあさりがふっくらとして美味いこと。温かいそばを食べて思わず笑ってしまった。美味しくて笑ったことはあまりない。
えぼだい、わらび

幽庵焼きの魚、山菜、日本酒が進んで危険だ。五十嵐さんが忙しそうなので、矢守さんに「10割そばは切れやすいと思っていたけど違いますね。そんなに練っている風でもなかったけど」と声をかけた。「いいソバを使っていれば切れる方が不思議です」とこともなげに言う。
ウニ豆腐、そばがき、若竹煮

湯葉のような豆腐に乗った特大のウニに感激し、ふわふわのそばがきにまた笑ってしまった。自費で買った石臼を手で引くので、微妙な食感を出せると矢守さんが解説する。「毎日ひいているうちに右腕だけが太くなっちゃいました」と笑う。
そば、いもようかん

何度見てもきれいなそばだ。食べ終わっても千切れたそばは殆どない。そば湯を飲んでまた笑った。まったく今日はどうかしている。日本酒を飲みすぎてしまったのだろうか。
流石の本店は銀座1丁目にあるそうだ。それにしても若い二人に店を任せる本店のオーナーは立派。期待に応えようと頑張る二人も大したもんだ。「開店当初はお客様がたくさん入るとバタバタして大変でした」と五十嵐さんが笑う。まだまだ発展途上というところだろうが、充分楽しめた。
店を出て「今日のコースは8400円だったんですよ」とKさんに言うと「エー!12,000円ぐらいと思ってました」と驚く。黙っておけばよかった。
流石 はなれ
東京都中央区湊3-13-15
03-6228-3870
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2009年03月29日
[うな富](人形町)
こだわりのうなぎ屋さん

ネットで人形町界隈で評判の高い店を探したら「うな富」にぶち当たった。聞き覚えのある店名なので、有名店に違いないと思い勇躍出かけて行った。目印はロイヤルパークホテルで、一本水天宮寄りの路地と覚えたら地図の必要はない。

思ったとおり難なく発見したが、想像した堂々たる老舗の建物ではなく、こぎれいな小さな店で拍子抜けした。うなぎ屋の幟がなければ、喫茶店と勘違いしてしまいそうだ。入ろうとして「注文を受けてから蒸すので20~30分かかる」という趣旨の紙が貼ってあるのに気付いた。ちょっと悩んで覚悟を決めた。
カウンターに座りメニューを見上げる。ランチのうな丼(1,500円)と竹(2200円)、松(3000円)、特(4300円)の3種類のお重がある。値段の違いはうなぎの大きさで、半身、4分の3、1、1.5匹らしい。迷わず松を頼んだ。
10分経過、調理場からの親方の声で女性がお重の用意を始めた。ごはんを入れて、タレをかけ、混ぜ合わせる。オーダーしてから18分で銀髪のお膳が完成した。肝吸い、とろろ芋、漬物などを従えてうな重がやってきた。

失敗した。ごはんの量を聞かれたときに、「少なめ」と言ってしまった。待っている間に腹の容量が大きくなっていた。しつこくない軽めの味付けのタレが食欲を増した。「ごはんを足してください」と言おうかと思ったが意気地がなかった。
会社に戻って口コミ情報の食べログを見た。驚いたことに各コメントに店主が丁寧に返事を書いている。仕事ぶりや接客などに通じるものがある。
40年続いた東京海上ビルの店を閉めて、人形町に移転してきたそうだ。確かにその店には何度も行ったことがある。だからうな富の名に聞き覚えがあったのだ。ランチ時に客の回転よりも味にこだわっていたら儲からないだろうなと心配になってしまう。
次回はごはん多目にしよう。
うな富
東京都中央区蛎殻町2-8-9
03-3667-7266
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2009年03月28日
[太陽のトマト麺](茅場町)
ラーメン? スパゲティ?

昨日、レストラン東洋のスパゲティ焼きそばを紹介した。今日は逆のパターンである。
タクシーで移動中に茅場町で変わったラーメン屋を見つけた。本店は錦糸町で創業から既に3年以上経っているらしい。テレビなどマスコミで何度も紹介されたらしいが知らなかった。
茅場町のランチタイムは早い。午前の株式市場が終わる11時過ぎには食事に出かける。11時20分頃の到着では入れないかもしれないと心配したが、まだ席に余裕があった。
お奨めはチーズ入り。しかし迷うことなく「太陽のラーメン」を頼んだ。初めての店ではメニューの一番上にあるものを頼むことに決めている。
料理人が横から見える席に座ったので待つ時間も退屈ではない。フライパンにオリーブオイル(?)を注ぐ。野菜を炒める。トマトソースを加える。火が通ったところで麺を茹で始める。メニューに替え玉があったので、予想したとおり細めんで、茹で時間は短い。
太陽のラーメン

ブクブクとバブルがはじけるほどスープが熱いのが嬉しい。にんにく風味が効いたトマトソースはスパゲティのソースと変わらないように思える。煮豚がラーメンを連想させるものの、スープスパゲティと変わらないとケチをつけたくなる。それでも好きな味だ。悪くない。
茄子のラーメン

基本は太陽のラーメンと一緒。素揚げした茄子を加え、ネギを乗せて、辛さを増している。これもスパゲティ屋で同じようなものがある。ボンゴレラーメンも似たようなものだろう。
環境に配慮しているとのことで割り箸ではなく塗り箸を使っている。箸使いが苦手な人にとってはツルツル滑る塗り箸はちょっと辛いかもしれない。一般的なフォークだと麺が細すぎてうまく絡めることができないだろう。難しいものだ。
太陽のトマト麺は東京に7店舗、神奈川に3店舗、大阪に1店舗ある。フランチャイジーも募集している。
調理時間が短いので列が出来ても回転は良さそうだ。場所柄なのか、女性客より男性客の方が多いのは意外だった。しかも中高年が多い。まあ、他人のことは言えないけれど…
太陽のトマト麺
東京都中央区日本橋兜町7-7
03-5652-9830
http://www.taiyo-tomato.com/
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2009年03月24日
[悠讃](飯田橋)
うどん居酒屋

大学の同級生二人を誘った銀髪が当然のことながら幹事役になった。最後に来るSの職場に近い店を探す。リーズナブルで美味しいと評判の店の中から迷う事なく悠讃を選んだ。もう一人のMが香川県の出身で、讃岐うどんを批評してもらおうと思ったためだ。
約束の7時より少し早く到着したら、既にMが待っていた。軽いおつまみで生ビールを飲みながらSを待つ。
お通し、ごぼうチップ

ビールが残り少なくなった頃、Sがやってきた。彼の到着から10分足らずで約30年の空白の時間は埋められた。年配の女性店員を呼んでお奨めを聞く。ランチ時は混雑するうどん屋も、夜は静かな居酒屋である。酒の肴の種類は多く、味も悪くない。
大山鶏の唐揚げ、出汁巻き卵

テーブルに置かれたメニューで酒を選ぶ。多数の焼酎が書いてあるが、日本酒の品揃えが貧弱でがっかりする。店員に尋ねると日本酒のメニューは別にあった。何と浦霞のオンパレード。これだけの種類の浦霞を揃えている店は初めてで、ちょっと驚いた。
炙りしめ鯖、ハラス焼き

大学時代に酒豪の一人だったSよりも、急ピッチでMが浦霞を飲んでいく。Sの母がバッカス(酒神)と呼んでいた銀髪はお冷と交互に浦霞を飲む。大学時代とは違う酒席の風景だが、3人揃えば気持ちは30年以上前に容易に戻る。もっとも他人の目には近くの中年サラリーマンの集まりにしか映らないだろう。
ぶっかけうどん

〆に相応しい量ではないぶっかけうどんを一人一杯ずつ頼んだ。そのため日本酒も肴も追加するのは止めた。うどんを食べながら「どうだい?」とMに聞くと、専門的なコメントがさすがだった。
食べ終わって調理人(主人?)に「香川県出身ですか?」と聞いたら「違いますが、香川で修行しました。粉も香川から取り寄せています。」とのこと。「オーストラリア産の小麦ですけどね」と続けた笑顔が良かった。
腹は一杯だが少し呑み足りない。今度は周辺をよく知るSが幹事役だ。飯田橋もなかなか悪くない。
Udon Dining 悠讃
東京都千代田区飯田橋4-4-12 ワイズビル1F
03-3262-2424
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2009年03月09日
[タレカツ](水道橋)
醤油味のカツ丼

ソースカツ丼を求めて念願の福井のヨーロッパ軒に行ったことは3月3日に書いた。現在残されている文献上ソースカツ丼の元祖がヨーロッパ軒であることは疑いがないようであるが、群馬や福島など他の地域のソースカツ丼も郷土の名物として愛されている。元祖はともかく、どこが一番美味しいかは食べる人が決めることであろう。
もともと揚げ物には醤油派の銀髪にとって、ヨーロッパ軒のソースはちょっと甘く感じた。事実は小説より奇なりというか、偶然とは不思議なもので、ヨーロッパ軒に行った直後にタレカツ丼なるものを知った。1945年に新潟のとんかつ太郎の店主が広めたもので、新潟ではカツ丼と言えばタレカツ丼のことだそうだ。これが醤油味と知って水道橋に飛んでいった。
開店の11時半を回ったばかりなのに既に4人の客が居た。それでも半分も埋まっていないので自分の好きな席を選ぶことができた。正面の客に運ばれる丼を見ると、カツが盛り上がって乗っているので、量の多さにちょっと脅えた。しかし、目の前にやってきた自分のカツ丼は控えめで安心した。正面の客は大盛りを頼んだようだ。

食べ始める前に満席になった。店内の待機席も一杯になった。料理を作る店員の動きも慌しくなった。大通りから外れた路地にある店なのに賑わっている。食べて納得。ヨーロッパ軒のソースカツ丼よりも銀髪の嗜好に合っている。

温玉をトッピングしたが、カツだけでも充分だ。常連と思える人たちが、大盛りごはんを頼むのも理解できた。お腹が空いていたこともあるけれど、4枚のカツとのバランスからしたらごはんはもう少し欲しい。
それにしても地方の名物を居ながらにして食べられる東京は本当にいいところだ。カツ丼だって何種類もある。ラーメン屋も多彩だ。食材も日本どころか世界中から集まってくる。もちろん、料理人も上京して切磋琢磨する。
醤油味ベースのカツ丼は気に入った。
新潟カツ丼 タレカツ
東京都千代田区西神田2-8-9
電話:03-5215-1950
http://www.tarekatsu.jp/
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2009年03月07日
[両国](徳島)
徳島に来たら中華そば

空港で拾ったタクシーの運転手さんに「徳島ラーメンの両国に行ってくれる?」と声をかけたら「知らない」と言われて戸惑った。他の店を奨めようとするので「徳島駅近辺ではいのたに、東大、麺王には行ったよ」と先手を打ったら黙り込んだ。しばらくして「駅前CITYのいわたも美味しいんじゃないかな」と言う。しかし「本店しか行ったことがないけど…」と続けるので初志貫徹することにした。「やっぱり両国にしよう」と告げるとちょっと落胆したようだ。

徳島駅から歩いて10分足らずだが、人通りはあまりない。駅の反対側にある有名店いのたにと比べるべくもない。店に入ると会社員のグループが二組、店の本棚から取り出した漫画を読みながらラーメンの出来上がりを待っていた。
おばあさんが水を片手にゆっくりと歩み寄ってきた。時の流れを乱さないように、「エーとう、肉入り…、そば…」とオーダーする。メモを取って調理場に行く姿を見送ってから、再びおばあさんに会うまでに、混み合ういのたにと同じくらいの時間がかかった。

テーブル上の器に盛られた無料の卵を一つ取り、中央の肉をちょっとずらして割り入れた。先ほどの運転手から聞いた「徳島ラーメンはすき焼きみたいで嫌いだ!」と罵った客のことを思い出した。生卵の白身を嫌ったのだろうか。小さな卵でも白身が固まるほどスープは熱くない。
あまり脂っぽくない食べやすいラーメンだった。勘定を払う時に料理人(主人)が出てきた。おばあさんが奥さんかと思っていたが、若いので意外だった。確かに若くなければ深夜までの営業は出来ないだろう。
一時間後、タクシーの運転手さんが奨めてくれた駅前のいわたに行った。遅れて徳島に着いた部下が腹を空かせていたためだ。1杯の量が少なめなのでベルトを緩める必要はなかった。手作りスイーツもある不思議な店だが、徳島ラーメンの基本は外していなかった。
ホテルに置いてあった「徳島ラーメン団」という冊子には50店舗以上が掲載されているが、両国のように載っていない店も多数あるに違いない。徳島で徳島ラーメンと言わずとも中華そばで通じる。
両国
徳島県徳島市両国本町1-21
088-652-0772
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2009年03月02日
[金王庵](渋谷)
しゃぶしゃぶとそばすき(?)

渋谷駅を出て道玄坂の裏通りを歩いた。行き先を決め、予約をして行く方が安心だけど、たまには嗅覚を頼りに飛び込むのも楽しい。料理屋が密集する場所を離れると雰囲気のある店が散在する。昼間歩くとまったく違う印象だろうが、暗闇にぽっかりと浮かんだ感じは心をくすぐる。
「そば」と「豚のしゃぶしゃぶ」の文字を見て決断した。「うどんすき」ではなく「そばすき」と言えるかもしれない。リーズナブルにちょっと変わった料理が食べられそうだ。落ち着いた雰囲気の店内には一組だけ客が居た。
お通し、そば味噌、そばパリパリサラダ

応対してくれたおばあさんがとても優しい。入る前から決めていたしゃぶしゃぶを頼み、その前に食べるものを選んだ。日本酒はグラス売りが決まりだけど、それを曲げて一合入りの器とお猪口を2つ持ってきてくれた。「うちはグラス売りだけです」と愛想がない店が増えたが、ここは違う。

鍋が煮えてきた。柔らかいやまと豚をしゃぶしゃぶする。数々の賞を得た豚肉らしくなかなか美味しい。時折鍋の様子を見に来るおばあさんと話し込む。声をかけるときはもちろん「おかあさん」。銀髪が呼ぶにはおばあさんでは可哀想だ。おかあさんとの話を楽しみに来る客が多いそうだ。

最後はおかあさんの指導の下、グラグラと沸き立つ鍋にそばを入れて1分間そのダンスを見詰める。固めが好きな銀髪は、砂時計の砂が落ちきる前にそばを上げる。細めのそばはつるりと喉を通っていく。いくらでも食べられそうだ
残りのそばを入れて再びそばのダンスを楽しむ。全部腹に納まったところでそばを茹でたスープを飲むのが嬉しい。そばつゆの器にそば湯を入れたら濃すぎるので別の器をもらった。そば湯にちょっとそばつゆを入れて飲もうとすると、おかあさんが薄すぎると注意してくれる。「そば湯だけでもいいぐらいなんだよ」とおかあさんに言うと、不思議そうな顔をする。こちらもちょっと苦笑い。
なかなか楽しかった。「もう引退しようかと思っている」とおかあさんは言うが、もったいない。いつまでも元気で店に出て欲しいものだ。
蕎麦由々 金王庵
東京都渋谷区道玄坂1-17-5 オリンピックビル1F
03-3496-3535
http://www008.upp.so-net.ne.jp/konnouan
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2009年02月21日
[蒙古タンメン中本](御徒町)
口は耐えたが、お腹がね

ラーメンマニアのブログを読むといつも感心する。美味しいラーメンを求めて毎日のように食べるバイタリティー、スープや麺の出来具合を的確に批評する知識に感嘆してしまう。銀髪はといえば、最大のポイントはスープが熱いこと。次が薬味が多いこと。自前の唐辛子まで持ち込んで味をこねくりまわすのだから、マニアにとっては言語道断の所業だろう。
唐辛子、豆板醤、にんにくを入れて食べることを楽しみに御徒町近くのえぞ菊に行った。あれっ?場所を間違えたかなと思って行ったり来たり。看板が見つからない。記憶を信じてもう一度向かった場所に立ち止まり呆然とした。

仕方なく、近所の店に入ることにした。どっかで見たことがあるような気がする。そうだそうだ、ARAPROさんのブログだ。11時をちょっと回ったばかりなのに満席なのには驚いた。食券販売機の前に立ってもARAPROさんが食べたものを思い出せない。辛さを頼りにつけ麺の8倍辛い冷やし五目蒙古タンメン食券を買った。

つけだれはたっぷりの具と一緒にドンブリで出てきた。まず野菜を食べた。辛いけれど食べられないほどではない。麺をスープにどっぷりつけて食べると結構辛い。半分ほどつけて食べると麺の味が引き立てられる気がする。つけ麺が人気の理由が分かるような気がした。
家に戻ってARAPROさんのブログを見たら北極ラーメンを食べなければいけないらしい。日を替えて行くと、11時を過ぎたばかりなのに3組並んでいる。たいしたもんだ。北極ラーメンの食券を店員に渡して席が空くのを待った。

9倍辛いラーメンは、スープの温度と辛さとどちらも熱かった。真っ赤なスープがネクタイやシャツに飛ばないように慎重に食べた。隣で食べている2人のうち銀髪と同じ愚か者の方がヒイヒイ言っている。このスープを全部飲むつわものがいるというから恐れ入る。
表面の唐辛子を除けながら、いつもと同じぐらいスープを残して店を出た。
唇や舌に残った辛さは10分ほどで消えた。約6時間後、お腹が痛くなり唐辛子を体の外に出した。出口がポカポカ温かくて閉口したが、これも約10分で消滅した。
蒙古タンメン中本 御徒町店
東京都台東区上野5丁目20-3
03-5688-1233
http://www.moukotanmen-nakamoto.com/
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2009年02月11日
[業平屋]④(両国)
頑張れ大将、女将さん

「今日は仲間内だから純米しばりだからね」と大将に念を押した。「分かりました!」といい返事。冷蔵庫から一升瓶をガラス器に入れ持って来た。一口飲んで大将を呼んだ。「なんだいこれは?大吟醸じゃないの?」と問い詰めると「ハイ、でも純米です」と、とぼける。安い純米酒を頼んだのに、ちゃっかり純米大吟醸酒と解釈する。折れるのはいつもこっちだ。
村上の鮭

村上の鮭はここで教わった。昨年、村上に行って更に勉強したので、今では銀髪の知識が上だろう。目ざとく白い皮がついた身を取り皿に確保する。腹側の身は脂が乗ってとてつもなく美味い。部下の濃い皮の身を少しだけもらい味比べ。ご満悦のところに大将がやってくる。「次はどうしましょうか?これはいかがでしょう?」またも大吟醸だ。「もう勝手にしてくれ!」と苦笑い。
本ししゃも

本物のししゃもの美味しさを初めて知ったのも業平屋だ。スーパーで買ってきたししゃももどきに慣れていたので驚いた。今食べてもやはり美味しい。あらためて感動していると、「黒吟はどうでしょう?」と来た。純米しばりのつもりがいつものように業平屋で一番高い日本酒に行き着いた。これで一人一万円コースは間違いなくなった。
そばを食べる連中を残して一足先にタクシーに乗り込んだ。運転手さんが「あそこはそばだけの客には鼻にもかけないんで評判悪いんですよ」と言う。飲酒ご法度のドライバーは使う金もしれている。「大きなビルを建てて、お金持ちだから庶民のことがわからないじゃないんですか」と続けるので、「そんなことはないですよ」と、弁護してあげた。
苦しくても胸を張るのが下町っ子だから誤解されることもあるだろう。大将も女将さんも苦労人である。みなさん、応援してあげてね。
業平屋
東京都 墨田区亀沢2-8-7
03-3622-7978
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2009年02月07日
[山水](亀戸)
初めて食べた釜揚げそば

BAR BRANCHE に入る前、小腹が空いていたので近くの蕎麦屋に入った。そばだけさっと食べて行けばドライマティーニを飲むことが出来たかもしれないが、昼間ならともかく夜に蕎麦屋に入って酒を飲まないわけには行かない。我ながら律儀な性格である。そばがきは時間がかかるということなのでそば味噌を頼んだ。

コリコリとした食感がなかなかいい。他の料理にも期待が持てたが、そばを食べることにした。ソバは長野をはじめ国内産のソバを厳選して使っているそうだ。石臼でひいたそば粉を手打ちにする本格的なそばである。メニューの中から珍しい釜揚げそばを頼んだ。
釜揚げそば

そばは冷水で洗わなければならないと信じていたが、うどんのように釜揚げにしても悪くない。子供の頃は温かいそばでなければ嫌だったが、近年はそば湯を飲みたくてわざわざせいろを頼むようになった。釜揚げそばなら茹でてそのまま食べられるので手間が省けていい。貴重な発見だった。家でもやってみよう。
豚せいろ、ぶっかけ

鴨せいろを頼もうとして珍しい豚せいろに宗旨替えした人、焼味噌、卵、青ねぎ、大根、海苔、天かすをまぜまぜした人は選択ミスをしたように思えた。まあ、本人の勝手だけど。
この記事を書きながら、JALの機内誌で学んだことを思い出した。氏原暉男氏の著書「ソバを知り、ソバを生かす」によると片仮名のソバは植物あるいは実の段階、ひらがなのそばは粉や麺などに加工されたもの、漢字の蕎麦は固有名詞などと使い分けするそうだ。屋号に使うとしたら蕎麦ということになる。なかなか奥が深い。
「二八ですか?」と店の女性に聞いたら「十割です」と憮然とされた。店の紹介記事を読むと、実際には多少のつなぎが入っているようだ。限定粗引きそばは十割なのかもしれない。今度はゆっくりと日本酒でも飲みに来ようと思った。
手打ち蕎麦 山水
東京都江東区亀戸6-24-8
03-3684-0543
http://www5.plala.or.jp/sobasansui/index.html
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2009年01月25日
[黒亭](熊本)
熊本で一番人気のラーメン屋さん

12時をわずかに過ぎてしまった。行列ができているかと心配したが誰も並んでいない。タクシー料金を払っている間に2人連れに先を越された。ところが彼らは店の中を覗き込み、あっさりと諦めた。待つことを覚悟して扉を開けると待機するための左手の椅子に誰も座っていなかった。熊本の人は気が短いのだろうか。

座った途端にあっという間に外に行列が出来た。同情しながらも優越感に浸ろうとしたら、食べ終わった客が勘定を払うために店内に列を作った。ちょうど入れ替えのタイミングだったようで、すぐに店の外の行列はなくなった。それでもラーメンが出来上がるのは意外と遅く、店内を観察する充分な時間を与えられた。
店主のおばあさんを含めて老若7人の女性店員がいる。その中の一人がラーメンを作っている。入り口に近い厨房では男性が2人、自慢のチャーシューを仕込んでいる。店の奥の壁には古い建物の写真。「僕が20年前に来たときはあれでした」と熊本出身の部下が懐かしがる。観察に飽きて液晶テレビをぼんやり見上げていたら、ラーメンがやってきた。

普通のラーメンが590円、玉子入りラーメンが820円。相席になった老夫婦のラーメンとは玉子の他にチャーシューの数ともやしが違う。黄身は2つあるのに白身が少ないので双子かと思った。(後でホームページを見たら卵は卵黄2個とのことだった。チャーシューも普通のラーメンより質がいい)
スープを吸う。なかなか美味しいが、卵がスープの温度を下げてしまったかもしれない。黄身を割って麺にからめる。「生卵ですがよろしいですか?」と注文の際に確認されたことを思い出す。スーツ姿の我々は一目で他所者と分かる。
テーブルの上には市販の一味唐辛子とコショウが置いてあり、焦がしニンニクなどはない。こむらさき、味千を抑えて熊本ラーメン御三家で一番人気を誇るラーメンは、想像したほどインパクトは強くなく、熊本ラーメンにしてはあっさりしているように感じた。昔ながらの中華そばの器に通じるものがある。
店を出て歩き出したところでゲップが出た。口の中に広がる匂いは、しっかり熊本ラーメンだった。
黒亭
熊本県熊本市二本木2丁目1-23
090-352-1648
http://kokutei.com/menu.html
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2009年01月12日
[山本屋総本家](名古屋)
久し振りの味噌煮込みうどん

名古屋駅のJRセントラルタワーズに行った。12階、13階とレストランフロアを歩き回り結局山本屋総本家に入った。
最初に味噌煮込みうどんを食べたのは約30年前で、多分山本屋総本家だったと思う。麺が固くて八丁味噌が辛過ぎると思った。長い空白期間があり、久し振りに食べたのは約5年前。今度は山本屋本店の錦店で、記憶ほど麺は固く感じなかった。最初のイメージが強すぎたせいもあるが、今はアルデンテのスパゲッティだけでなく、そばもラーメンも固茹でが好まれている。味噌煮込みうどんの固さも時代に合ってきたのかもしれない。
12時を超えていたが運良く座れた。入店するときから決めていた冬季限定牡蠣入りうどんがメニューにない。支店はメニューが少ないと思ったのは間違いで、以前食べたのは山本屋本店の方だったのだろう。名古屋出張が増えるにつれて山本屋総本家や山本屋本店に何度も行ったので区別がつかなくなってしまった。
注文するときに、必ず「打ち粉にそば粉を使っておりますが、よろしいでしょうか?」と聞かれる。ダメと答えたらどうするのだろう。店を出なければならないのだろうか。もっとも総本家なら酒と酒の肴だけを食べても許してもらえる。本店の方は「当店はうどん屋ですので必ず一人一杯を頼んでください」と言われるけれど。

何度も食べているうちに、八丁味噌にも違和感がなくなってきた。最初はあれほど濃く感じたスープも、今では何とも思わない。もっと濃いスープのラーメンもある。慣れだけではないような気がする。
「山本屋総本家に行きました」と地元の人に話したら、「あそこは量が少ないからなー」と別の店に行くように奨められた。確かに、すうどんで1,000円もするものを、多くの名古屋人は敬遠するのかもしれない。
ライバル意識が強い総本家と本店だが、値段は似たようなものだ。安いと一段下に見られそうだし、高過ぎると客が離れていく。お値段だけは仲良しの両者である。
山本屋総本家
名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 JRセントラルタワーズ13階
052-581-9625
http://yamamotoya.co.jp/day/index.html
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2008年12月21日
[うな春](名古屋)
頑張れ新星・うな春

「食事に行きましょう」と言われて行き先も分からないままついて行った。「老舗のうなぎやが移転したんですよ」と言われて何を食べるか悟った。50mほど向こうにうなぎ屋を見つけた途端にお腹が空いてきた。
メニューには名古屋らしくひつまぶしがある。主人に「ひつまぶしにします」と銀髪が言うと他の3人も続いた。他の料理の写真も欲しかったが、仕方がない。みんなが頼みやすいように最初に声を出してあげたのは失敗だったかも。

「ビールでも飲みますか?」と言ったら全員が手を小さく横に振る。2人が下戸だと知った。部下は昼間なので自重するようだ。銀髪1人で飲むことになった。鰻の骨がついてきた。薬味と一緒に出てきた漬物も酒の肴になる立派なものだ。

蒲焼が重なるように乗ったひつまぶしは値段相応に立派だ。名古屋のうなぎは蒸しが入らない関西風で香ばしくてなかなか美味しい。清潔な店内同様に、器や料理にも清潔感がある。

そのまま食べて、薬味を乗せて、最後にだし汁をかけて食べた。見た目以上にボリュームがある。ビールを飲んで喋っての銀髪は、食事に集中するみんなに遅れがちだ。それでもしっかり味わった。老舗料理屋に負けないひつまぶしだった。

座敷から降りたところで炊飯器のようなものに目が止まった。店に入ったときには気付かなかった。「これで米を炊くんですか?」と主人に声をかけた。待ってましたとばかり説明し出す。釜の下に炭を入れて炊くそうだ。「どこでも買えるんですか?」と聞く。そんなわけはない。お茶を運んでいた女将らしき人も足を止めて話し出す。美味しいものを作ろうとする必死さが伝わってきた。頑張ってるなー!
以前別の場所にあったうな春とは無関係とのことだった。ウナギは産地にこだわらず、その時のいちばんいいものを使うそうだ。「他のうなぎ屋よりもここのごはんの方が美味しいですよね」店を出てから部下が褒めた。主人の前で言ってあげればよかったのに。
気持ちのいい店だった。名古屋で一番の鰻屋と言われるようになるかもしれない。
うな春
愛知県名古屋市東1-7-32 エメラルド泉1F
052-962-8055
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2008年12月20日
[大喜 富山駅前店](富山)
富山名物ブラックラーメン

午後4時、「ラーメンが食べたい!」と連れが騒ぐ。「駅前の8番でいいですか?」と食に無頓着な部下が言う。今ラーメンを食べると夕食が不味くなる上に、どこでも食べられるチェーン店のラーメンをわざわざ富山で食べるなんて、絶望感を覚えた。
「美味しいラーメンがないかフロントに聞いて来いよ!」と部下を蹴飛ばした。名鉄ホテルの男性が教えてくれたのがブラックラーメン。慣れ親しんだものしか食べたがらない連れも、銀髪に気遣って珍しく異論を唱えない。少し元気が出てきた。
ホテルマンに教えられた店・大喜富山駅前店に入った。「なんだ有名店と言うわりには客がいないじゃないか」と連れは不満気だが、まだ4時半である。混んでいたら異常だ。「俺はブラックラーメン」と店のおばさんに告げると「大きさを選んでください」と素っ気無い。メニューを見ると確かにラーメンの種類は書いてない。単品勝負の店のようだ。もちろん小を頼んだ。

「しょっぱいなー」と連れが顔をしかめる。写真を撮り終えて一口食べると確かにしょっぱい。

麺もつゆに馴染んで黒い。チャーシューの量を考えると700円は良心的だ。半分だけ食べるつもりが結局食べきってしまった。しかしスープを飲み干すのは不可能だった。
創業は昭和22年、富山ブラックラーメンの元祖だそうで、本店は総曲輪に近い西町にある。

空港に向かうタクシーの運転手さんに聞いた。ブラックラーメンは大喜の創業者が肉体労働者のために編み出した。塩分を補給し、腹を満たすためにごはんのおかずにもなるラーメンにしたとのこと。
大喜のメニューを思い出した。徳島ラーメンも生卵を入れて丁度いいぐらいに濃いスープだが、ブラックラーメンも負けていない。
「もう、二度と食べなくていいな」と連れは言うが、銀髪は生卵を入れなかったことに悔いが残った。空港の売店で行きつ戻りつ、何度もブラックラーメンを買おうと迷ったが止めにした。次回富山に来たら大喜本店に行こう。銀髪は小ラーメン、ごはん、生玉子とビールを頼む。部下には特大を食べさせる。どっちみち酒を飲まないのだから居酒屋に連れて行くよりはましだろう。何だかワクワクしてきた。
大喜 富山駅前店
富山県富山市新富町1-3-8
076-444-6887
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2008年12月15日
[清山](渋谷)
隠れ家的な蕎麦屋

渋谷駅から歩く歩く。渋谷でナンバー1の蕎麦屋との評判が背中を押してくれるがなかなか辿り着けない。早道のつもりで裏道を選んだのが不味かった。小さな地図をほのかな灯りで読むには齢を取り過ぎた。行きつ戻りつしながら予約の7時を少しオーバーしてようやく辿り着いた。
隠れ家と呼ぶに相応しい佇まい。1階席はガラガラ、地下も半分ほどの入り。部屋一杯に広がる大テーブルの片隅に座った。ジャズが流れるモダンな店内、淡い照明の壁際に一升瓶が並ぶ。
焼き椎茸、そばがき

スープを溜めた椎茸は思ったより香りが薄かったかな。そばがきは今まで食べたことがないような柔らかく、それでいてモチモチした食感。たっぷりのわさびをつけて食べると、ちょっと感激した。
焼き鱧の板わさ、天ぬき

日本酒が27種類もある。定番の板わさは鱧入りの高級品。砂場を思わせる天ぬきもなかなか良かった。焼き味噌も頼めばいくらでも酒が飲めそうで危険だ。
せいろ蕎麦、田舎蕎麦

十割そば、特に田舎蕎麦は蕎麦らしい風味が感じられる。タップリ供される生わさびが嬉しく、酒の肴にもいい。
蕎麦湯

重い、重い鉄瓶にはそば湯。これが驚くほど濃い。そばがきとそば湯がとても印象的な店である。
8時過ぎには店はほぼ一杯になった。蕎麦屋でデートも悪くないと思うが、この日は男同士、女同士の客が多かった。料理を運ぶ店員から店のこだわりを聞けなかったのがちょっと残念だった。勘定場で少しだけ話が聞けた。
店の名刺を求めたが置いてない。ホームページも多くは語らない。隠れ家らしい店ではある。
清山
東京都渋谷区神山町10-8
03-3460-0088
http://seizan.oc2n.co.jp/
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2008年12月14日
[室町 砂場 赤坂店](赤坂)
メチャクチャ美味いのかな

口コミ情報の食べログで明治2年創業の室町 砂場本店より赤坂店の方が高い評価なのが気になっていた。赤坂に寄ったついでに念願の赤坂店に行った。
開店時間の11時半に到着。店の前の通りに黒塗りの車がたくさん停まっているが、口コミの言うように開店を待っているわけではなく、向かいの鹿島建設を訪れたようだ。一軒家のような小さな店に入ったら先客は普段着の1組のみだった。

かきあげがつゆに浸かって出てきたところで砂場の天ぷらがどんなものか思い出した。比較したいと言いながら、記憶が薄れてしまってからやって来るとは我ながらいい加減だ。そばの量にはあらためて驚かされた。疲れた胃を休ませるにはちょうどいい。
それにしてもそばの味はよく分からない。香りには敏感なつもりでいるが、そばの香りを嗅ぎ分けることができる人を尊敬してしまう。つゆはもう少し濃い方が好きだ。後味が悪くないのはいい。本店との優劣はおろか、星をいくつつけるべきか判断できない。
酒を頼まなかったことを後悔した。銀髪の後に入ってきた夫婦はビールを、その後に来た枯れた感じのおじさんは日本酒を頼んだ。近隣のサラリーマンよりグルメ本を頼り来たような客が多い。鹿島建設で会議を終えた黒塗りの主と思われる紳士が、数人を引き連れて座敷に上がる。12時過ぎにはほぼ満席になった。
「寿司幸本店」に置いてあるような爪楊枝には感心した。名前だけで高い値段を取っているわけではない。料理の素材はもちろん、随所に名店のこだわりがあるのだろう。
それでもやっぱり星の数は分からない。
室町 砂場 赤坂店
東京都港区赤坂6-3-5
03-3583-7670
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2008年12月07日
[八百徳](浜松)
創業明治42年、浜松一のうなぎ屋

地元の人に初めて八百徳を勧められたのは3年以上前のことである。浜松に来るのは何故か定休日の月曜日が多い。3回は月曜日のため、他の機会は新幹線の時間に合わずに断念した。今回もスケジュール的には難しいと思っていたが、相手の都合により15分程度でミーティングを終えた。恐縮する相手に余裕をもって別れの挨拶して、八百徳に意気揚々と向かった。
浜松駅南口からすぐの駅南店に入ったのは11時半頃。既に1階は満席で2階に上がるように言われた。靴を脱いで下駄箱に入れ、畳敷きの大広間を進む。おしぼりが置かれたテーブルが2卓、予約の席らしい。2階はまだ空いていた。うな重を頼む。

蓋を開けてちょっと驚いた。値段の割りに鰻が小さく見える。それでも少し濃い目のタレが美味しそうだ。見た目のとおり味も香りも濃い目だった。その割に重くないのは関東風に蒸してあるからだろう。タレが焦げているのが香ばしくて関西風のようでもあるが、柔らかい身は蒸した結果であるのは間違いない。

肝吸いの肝はコロンとしていて大きかった。肝焼きもきっと美味しいだろう。
約100年の歴史を持つうなぎ屋の味は確かに良かった。本店と駅南店、大きな建物を有するだけのことはある。今まで食べた中での順位を考えようとしたが止めにした。同じ日に食べ比べしないことには優劣をつけても意味がない。
食べ終わる頃には2階もほぼ一杯になった。勘定をしに1階に下りたらガラガラで、第2陣を待つ準備が出来ていた。12時を回ると入店も難しくなるだろう。入れたとしても、料理が出て来るスピードが鈍り、新幹線に乗れるか読めなくなる。八百徳には余裕を持って早めに行きたいものだ。
我々は12時6分発上りのひかりにゆっくり間に合った。念願かなって満足、満足である。
4時半、既にお腹が空いてきた。量が少なかったのか、脂がしつこくなかったのか、味付けのためかよく分からない。部下に聞くと同じ意見である。晩飯が待ち遠しくて困った。メニューの一番上に書かれていた「お櫃鰻漬け」が店のお奨めなのはよく理解できた。
八百徳 駅南店(新幹線南口前)
053-452-5755
http://www.tokai.or.jp/yaotoku
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2008年11月30日
[大福うどん](博多駅)
博多うどんの主役はごぼうの天ぷら

博多うどんの御三家を勝手に決めさせてもらうと、かろのうろん、因幡うどん、そして大福うどんである。このうち2軒が博多駅ビルにある。
因幡うどんは本店だけでなく駅ビル店にも何度か足を運んだ。いつも混みあっているが、料理が出て来るのも食べ終わるのも早いので時間がないときには重宝する。ごぼ天うどんといなり寿司を頼んだ。

食べ始めるとすぐに衣はバラバラになりゴボウが独立する。久し振りに食べたのでごぼ天は切り方だけでなく存在感の薄さも気になった。博多うどんの代表と言えるごぼ天だが、店によって大きく異なる。
東京駅八重洲地下にある博多うどんは、細く刻んだごぼうを揚げている。ごぼうの切り方だけでなく、衣のつけ方も各店異なる。かろのうろんは円くまとめてきれいだ。明治の創業だからこれが本物かな?
日を変えて、大福うどんに行った。昭和25年創業というから因幡うどんより1年古い。銀髪の記憶の中には因幡うどんと「えいちゃんうどん」しかなかったが、大福うどんも子供の頃に行ったことがあるかもしれない。

大福うどんのごぼ天は立派だった。薄く切らずにごろんとしている。柔らかく煮込んであるので食べやすい。ゴボウ使用率は因幡うどんの数倍あり、お得感がある。
他の材料に金を使っていると言われても、ごぼうの存在感のお陰で大福うどんの方に軍配を上げてしまう。
大福うどん本店ではうどんすきをメインにしているらしい。フニャフニャの博多うどんが鍋料理に向くのかとても興味がある。
博多うどんの店の中で一番ごぼうが大きかったのに釣られて、本店のうどんすきも食べたくなってしまった。あまりの単純思考にちょっと恥ずかしい気はするけれど。
大福うどん
福岡県福岡市博多区
博多駅中央街1-1JR筑紫口ビル104
092-441-6628
http://www.daifuku-udon.com
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2008年11月18日
[へぎそば 匠](渋谷)
身体にいいそばでも飲みすぎにはご注意を

出張続き、運動不足、魚が美味しい冬。体が重くなってくると、蕎麦屋に足が向く。へぎそばの店なら新潟の美味しい日本酒も飲める。
階段を下りて店に入る。カウンターに座ってメニューを開く。そこで初めて四谷三丁目の匠と同じ系列の店と気付く。3年間で約900軒も行けば忘れてしまう店もある。まして、渋谷の匠の内装、雰囲気、客層は四谷とは全く違っていた。
お通し、生牡蠣、栃尾の油揚げ

四谷は昔ながらの居酒屋風で年配の女性が注文を取りに来るが、渋谷は今風の居酒屋で男性店員のユニフォームも決まっている。ところがメニューに並ぶ料理は殆ど一緒。「お奨めは?」と聞くと「栃尾のジャンボ油揚げ」と言うのも同じ。
そばチヂミ、そばコロッケ、ぎんなん

四谷になかったメニューはそばチヂミ。そば粉を使うならガレットと呼んだ方が良さそうだが、チヂミの方が一般受けするのだろう。ガレットはそば粉のクレープとも言われる。いつまで経っても本名で呼んでもらえない可愛そうな食べ物だ。ネギが入ったそばチヂミはなかなか美味しかった。
のっぺ、へぎそば

最後にへぎそばを食べると決めているのでお腹はこれ以上膨らませない方がいい。メニューを吟味した上で、結局のっぺを食べることにした。四谷で越後ののっぺは汁がないことを教わった。箸の使い方を判別できるような料理は食べ過ぎることがなく、日本酒の肴にはうってつけである。
そばのつなぎに海草(ふのり)を使ったへぎそばは、コシがあって美味しい。四谷より小さいへぎ(木の器)があるのもカップルが多い渋谷ならではのサービスかもしれない。
できるだけ肉類を避けたので胃は重くないが、日本酒を飲みすぎて頭が少し重い。反比例して口が軽くなる。自己制御は本当に難しいものだ。
へぎそば 匠 渋谷文化村店
東京都渋谷区道玄坂2-23-14 道玄坂225ビルB1
03-5784-6680
http://www.takumi-hegisoba.net
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2008年11月14日
[かりふわ堂](新宿歌舞伎町)
これが本当の大阪の味・お好み焼き?

「つんく♂さんのお店に連れて行って欲しい」と銀座のママに誘われた。「新宿は遠いので麻布の店に」とのご希望だったので、情報だけありがたくいただくことにした。
新宿コマ劇場の裏通り、名前を忘れてしまっていたがお好み焼き屋は一軒のみなのですぐに分かった。階段を上がり店に入ると、駄菓子やおもちゃが並べてある。店は二つに分かれ、左側がかりふわ堂。幸い予約なしでもカウンターは空いていた。
ざっくりキャベツ、牛すじこんにゃく

目の前には野菜が置かれてあり、焼き場は店の右奥に見える。壁に書かれたかりふわ堂についての説明書きを読みながら特製味噌をつけたキャベツをかじる。
メニューの中から大阪らしいものをと探し出した牛すじこんにゃくは期待通りの味だった。
とんぺい焼き、かきの鉄板焼き

広島お好み焼きの名物とんぺい焼きはかりふわ堂流で、豚肉を薄焼き玉子でふわりと包んでいる。かきの鉄板焼きには九条ネギがたっぷりで、京都風。大阪にこだわっているわけでもなさそうだ。何でも取り入れるのが大坂流と言われれば、納得してしまう。
ホルモンミックス焼き、豚玉

メニューの後ろの方に1,000円以上するオリジナルのお好み焼きが並ぶ。「どれを食べたらいいの?」と聞くと「私的には豚玉を食べて欲しい」と言う。若い女性店員2人とも明るくて好感を持っていたが、780円の安いものを勧められて一気に最高点をあげたくなった。
「お好み焼きは焼くのに20分かかります」と言われたのでホルモンミックス焼きを食べながら待つことにした。飲むのはホッピー。再び目の前の壁の説明を読む。「お好み焼きというより蒸し野菜」という部分に興味が湧く。
「忘れてるんじゃない?」と連れが不安がる。待ち切れなくなって店の女性を呼び止めたら、彼女の手に豚玉があった。お好み焼きを分けようとヘラで切ろうとしたら、もろくも崩れた。

つなぎが少なめにして、押さえつけずにじっくり焼いている。「蒸し野菜」の意味が良く分かった。20分以上かかったのも頷ける。つんくが言うようにこれまで食べたことがないようなお好み焼きだった。強いて言えば、我が家で小麦粉を使わず山芋だけで作ったお好み焼きに近い。
大好きになった女性店員に「美味しかったよ」と言うと、「そうですかー、いろいろ試行錯誤して作っています。また来てくださいね」と可愛い。再訪したい気持ちを決定付けさせる笑顔だった。
かりふわ堂
東京都新宿区歌舞伎町1-12-6 歌舞伎町ビル2F
03-5155-7620
http://www.karifuwa.com
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2008年11月02日
[さわらび](半蔵門)
気配りが嬉しい店

「近くに評判のいいイタリアンと蕎麦屋がありますよ」と部下が言う。男二人で行くなら蕎麦屋に決まっている。有名店にしては入り口が小さいだけでなく、中も狭いので驚いた。混み合う昼時なので当然2人席に案内されると思ったら、4人席を勧められて恐縮した。落ち着いた雰囲気の居心地のいい席に通され、「ビール、日本酒」と言いたいところを我慢した。
このところ蕎麦屋に行く機会が多い。頼むのは天婦羅せいろか鴨せいろと決まっている。昔は温かいそばを好んで食べたが、最近は蕎麦湯が飲みたくてせいろにする。さわらびには天麩羅そばがないので自動的に鴨せいろになった。

分厚い鴨肉が美味しい。なんで葱がこんなに合うのだろう。味を楽しみながらも、一つ浮かんだ疑問が解けないで頭が重い。鴨汁が入った器の形状が変わっている。注ぎ口があるように見えるが何のため?
蕎麦を食べ終わったところで店の女性(女将さん?)が一回り小さい器を持って来た。残った汁と蕎麦湯を合わせて飲むためだ。注ぎ口と思ったのは間違いではなかった。これは嬉しかった。鴨汁に蕎麦湯を入れても濃すぎるので、いつも茶碗などを利用する。銀髪の心理を見透かしたかのような気配りである。
天麩羅せいろを頼んだら、天麩羅も冷たいそばつゆで食べさせる店が多い。このところ鴨せいろを立て続けに食べたが、蕎麦湯のための器を出してくれた店は他になかった。主人は一茶庵で修行したそうだが、その影響だろうか。自分で考えたのなら大したものである。
あらためてメニューを見ると、酒の肴も豊富。何よりも純米酒の品揃えがいいのが気に入った。蕎麦湯を美味しく飲ませる気配り、本物の酒を出すこだわり。
これは夜に再訪しないとおさまらない。そんに気分にさせてくれた。ホームページを見ると、意外と若い店主と女将さんの店のようだ。
絶対、夜に行くぞ! きーめたっ!
蕎麦小路 さわらび
東京都千代田区隼町2-10 210半蔵門1F
03-5213-3311
http://www.k3.dion.ne.jp/~warabi/
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2008年11月01日
[鐵平](八重洲)
富士宮やきそばと静岡おでん

八重洲地下街を歩いていたら富士宮やきそばの店を見つけた。入ろうとしたが意外と混んでいるので日を替えて行くことにした。ショットバーで食べたこともあるし、スーパーで買って家で作ったこともあるが、専門店で食べるのは初めて。ちょっと期待した。
静岡おでんとのセットで900円。期待が大きかっただけに首を傾げた。麺がぼそぼそした感じで、一見ソース焼きそばのようだが味が薄い。
静岡おでんは最初から期待していなかったので納得の味だが、焼きそばは自分が作った方が美味しいと思った。

店の外には「富士宮やきそば学会公認」の張り紙がある。こんなんで公認するなんて、随分いい加減な審査だと思った。オフィスに戻りインターネットで調べたらホームページがあった。→「富士宮やきそば学会」
富士宮やきそばの特徴が記してある。富士宮流やきそば蒸し麺を使用。炒める油はラード。ラードを絞った後の肉かす、肉、天かすを入れる。イワシやカツオの削り節(だし粉)をかける。他にもいくつか製法に注文をつけている。
出来損ないかと思った鐵平の焼きそばは、富士宮やきそば学会の基準を満たしているようだ。知識をえたところでもう一度行くことにした。

今度は角煮がついたB定食を頼んだ。焼きそばだけでよかったのだが、昼には定食以外はオーダーできない。出来具合は前とまったく同じだが、今度はそれなりに美味しく感じるから不思議だ。ところが後半になって麺が冷めてくると食べるのが辛くなってきた。だし粉と唐辛子をかけて味を変えながら完食した。
焼きそばはごはんや他の料理と一緒に食べていたら冷め易い。焼きそばは単独で温かいうちに食べた方が良さそうだ。焼きそばにビールが正解のような気がした。
立ち飲み酒場 鐵平
東京駅八重洲地下街ローズロード
03-3231-2627
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2008年10月26日
[麺屋 三四郎](札幌)
札幌でトップクラスの人気ラーメン店

戦後生まれの食品でもっとも発展したのはラーメンだろう。戦後の屋台などから発展したラーメンは中国料理の麺類とは異なる日本独特のものである。その後、1958年のインスタントラーメンの発明で国民食となり、昭和40年代初めに札幌ラーメンがご当地ラーメンの先鞭をつけた。
ご当地ラーメンがある街に行くと一度はラーメンを食べる。北海道、しかも札幌なら札幌ラーメンだろうと思うのが銀髪の浅はかさ。口コミランキングでトップクラスにある三四郎が旭川ラーメンと知ったのは東京に戻ってからだから間が抜けている。

言い訳がましくなるが、入店してすぐに少し妙だと思った。メニューに並ぶ料理の順番が醤油から始まる。札幌ラーメンなら味噌のはずだ。限定潮(しお)ラーメン、限定豚(とん)とろラーメンなんてわざわざ限定をつけているのでますます混乱した。メニューの最後には吟醸味噌ラーメンが一段上げて目立っている。どれも美味しいと言いたいのだろうが、一食限定で食べに来る旅人にはどれを選んでいいか分からないのは辛い。
結局、吟醸味噌ラーメンを頼んだ。味玉入り。後から入ってくる客が醤油ラーメンを頼む。次の客も醤油ラーメン。オーダーを変更しようかと迷うがもう遅い。見上げると吟醸醤油ラーメンの札が目立つところに一枚だけ貼ってある。これには勇気付けられた。

不思議な味の味噌ラーメンだった。豚骨ラーメン味噌味のような感じだが、味噌の香りが強くない。札幌味噌ラーメンとはまったく違う味で戸惑った。限定潮ラーメンも評判がいいらしいが、いずれにしても他にない独自の味が三四郎をラーメン屋ランキングの上位に押し上げているのかもしれない。
食べ終わってしばらくはゲップをすると味噌の匂いが駆け上がってきた。あー、あれはやはり味噌ラーメンだったんだと思った。東京に帰ってしばらくすると、また食べたいと思うようになった。
戦後生まれのくせに日本の国民食になったラーメンは、そのときどきの若い料理人たちによって変貌し続けている。確立された伝統の味がないために、自由な発想を受け容れることができる。ラーメンは大した奴である。
麺屋 三四郎
北海道札幌市中央区南八条西13-3-35
011-511-0346
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2008年10月02日
[えぞ鞠](ホノルル、カラカウア店)
ハワイで味噌ラーメン

新宿区戸山の母校近くにあったカウンターだけの小さな本店に初めて行ったのは高校生だった40年近く前になる。その後、ハワイに支店を持つと知って驚いたものだ。
1997年7月にハワイに来たときには、えぞ菊はワイキキの北のはずれにあったはずだ。
パートナー殿に付き合ってティファニーでお買い物。12時近くになったので食事をしようと周りを見てもラーメン屋ぐらいしかない。渋るパートナー殿をなだめすかして近くまで行くとなんとえぞ菊ではないか。移転したのだろうか前よりはるかに大きくて立派で驚いた。もちろん本店なぞ比べるべくもない。

メニューを見てまたまた驚く。カレーもあるし寿司ロールまである。郷に入れば郷に従えということだろうか。えぞ菊がいかに有名な札幌味噌ラーメンか説明する前に、パートナー殿はちゃんぽんを食べると決めてしまった。もちろん本店にはないものだ。

銀髪はもちろん味噌ラーメン。食べたいからというより、本店と比較したいので頼んだ。そもそもグルメ紀行のために店に入ったようなものだ。他の料理の味見もしたかったが、やはり看板の味噌ラーメンを食べなければ意味がない。

ちゃんぽんが大きな器で量も多かったので味噌ラーメンもアメリカンサイズと思ったが、本店より小さくて拍子抜けした。もやしの盛りも少ないし、メンマも乗っていない。代わりに鳴門が乗っていて不思議だ。不味くはないものの、本店とは比べられない。それでも辛子味噌を加えると、本店に少し近づいた。
東京の本支店に必ず置いてあるおろしニンニクがないのも残念だった。休みの日はたっぷりとにんにくを入れたかった。餃子を頼んだのにビールを自粛したのも後悔した。餃子はビールとセットでなければ味気ない。
「日本からのお客様へ」と15%程度のチップを置いていくように表示してあるのも可笑しかった。料金は日本よりかなり高くなる。ラーメンは日本で食べた方がよさそうだ。少なくとも旅行者は現地の食事にうんざりした後に訪れるべきだと思った。素晴らしく美味しく感じるのは間違いない。
えぞ菊 カラカウア店
2146 Kalakaua Ave.
808-926-8616
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2008年09月15日
[日乃本比内や](日本橋)
焼き鳥丼風親子丼?

「鳥つねの親子丼を食べたら、他の親子丼なんか食べられない」と書こうと思って親子丼を売りものにしている店を探し、最終的に日本橋三井タワーの「比内や」に決めた。前を通ったことがあるので地図を片手に店を探す必要はない。
11時20分に到着。一番乗りだったので、どこでも好きなところに座るように言われた。ランチは親子丼と産地直送のサラダのみ。親子丼は1,200円。ごはんの大盛りでも同じ値段だが、初めてなので普通盛りにした。

待つ間もなくすぐに親子丼がやってきた。小鉢もついているのでちょっと得をした気になる。器の形状のせいか量は少なめに見える。大盛にすべきだったと少し後悔。
鶏肉を口に入れてちょっと驚いた。炭火の焦げた香りが口に広がる。しっかり焼き鳥である。親子丼の肉は煮るのが普通。玉子丼に焼き鳥を混ぜるのは親子丼の王道から外れているように思える。しかし鳥つねの親子丼だって、最初は玉子かけごはん風で違和感を持たれたに違いない。それがいつの間にか親子丼は半熟が当たり前になってしまった。
王道から外れていても比内やの親子丼は気に入った。何より夜に行きたくなった。日乃本比内やは秋田比内やからのれん分けした比内地鶏の専門店。きりたんぽ鍋もある。酒も鳥つねよりはリーズナブルに飲めそうだ。
順番ならまず鳥つねに行くべきだろうが、日本酒の値段を見てビビッてしまった。親子丼で焼き鳥を食べてみたいと思わせた比内やの戦略(?)に敬意を表することにした。近々に行かなければならない。期待しすぎないこと、お腹を空かせておくこと。美味しく食べる条件を忘れずに。アー楽しみだ。
秋田比内地鶏料理 日乃本比内や
東京都中央区日本橋室町2-1-1 日本橋三井タワーB1F
03-3231-1718
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2008年09月14日
[鳥つね自然洞](外神田)
とりあえず昼間の親子丼…

秋葉原のヨドバシで携帯電話の新機種を買うことにした。ワンセグなんか要らないがバッテリーがもたなくなってきたので仕方がない。買っても渡してくれるまで1時間以上待たなければならない。待ち時間に行く店としては鳥つねがちょうどいい距離にある。
電気屋の店員がマニュアルどおりに説明するのを我慢しながら聞いた。気持ちは既に親子丼に行っている。幸い12時前に鳥つねに着いた。玉ひでのように並んでいたらえぞ菊で味噌ラーメンになってしまうと心配したが、杞憂に終った。店はほぼ一杯だが待つことはなかった。

特上限定二十食の文字に惹かれて1,600円の特上親子丼を食べた。大丸東京駅店がオープンした時にも、催し物開場に出店していた鳥つねの特上親子丼を食べたことがある。80円高かった出店のものに比べ鶏肉は大振りのように感じる。もっとも、昨年11月のことだから記憶は曖昧である。鳥つねの代名詞である卵かけご飯のような親子丼だったことは間違いない。今日の卵かけご飯は白いごはんがなくなってしまったのに、底に黄色い汁が残った。ごはんが少ないのか、汁や卵が多いのか。ご飯を足して欲しいと言おうかと一瞬思ったが止めにした。
親子丼が出て来るまで、カウンターの中で一心不乱に鳥皮の毛を抜いている女性を見ていた。タオルで皮をこすり、残っている毛をライターで焼く。そしてまたこする。夜の準備をしているのだろう。丁寧な仕事ぶりを見ていると、夜に来なくっちゃと思う。
今度はカウンターに置いてある酒のメニューに目が止まった。いい品揃えだが恐ろしく高い。何かの間違いかと思うが、何度見ても一合の値段である。料理の値段を抑えた分、酒を高くしているのか、料理も酒と同じような値段のつけ方をしているのか、どっちだろう。
夜に来るべきか否か、ハムレットになってしまった。親子丼は美味しかった。1,600円が妥当なのかどうか、銀髪の舌では分からない。
鳥つね自然洞
東京都千代田区外神田5-5-2
03-5818-3566
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2008年09月13日
名古屋フラワーホテルのあんかけスパゲッティ
新幹線を降りてすぐ食べられるあんかけスパゲッティ屋さん

名古屋駅近くで昼飯を食べることになった。何にするか迷っていたら、部下があんかけスパゲティの店があると言う。久し振りだったのですぐに提案を受け容れた。
新幹線口、いつもタクシーを降りるところ、そこにあるビジネスホテル・名古屋フラワーホテルの1階の喫茶・レストランに入った。
長め(ブヨブヨ?)に茹でた太いスパゲティを炒め、あんの上に乗せる。あんかけと言いながら、あんをスパゲティにかけるわけではない。あんは胡椒辛いトマトベース、片栗粉でとろみをつけてある。初めて食べたときは実に珍妙な食べ物と思うが、意外なことに気に入ってしまう人が多い。

フラワーのあんかけスパゲティは「まー、こんなもんだろうー」と言う程度のもので、地元に人には不満が残るかもしれない。定番の赤いウインナーが乗る銀髪の食べた皿は、それなりに食べられるが、部下が食べた鰹節が乗ったものは美味しそうではなかった。

きしめんであればおかかはつきものである。旅行者はきしめんからの連想で、麺におかかが名古屋の定番と思うかもしれない。これを食べてあんかけスパゲティを不味いと思ったら悲劇である。
名古屋駅周辺であんかけスパゲティを食べられる店はフラワー以外にもあるようだ。名古屋名駅のチャオ、名駅南名鉄レジャック3階のあんかけ亭、カレーのココ壱番館系列のPASTA DE COCOなど。いつか栄にある元祖ヨコイに行かなければならない。
名古屋だけでなく、愛知県各地であんかけスパゲティの店がある。PASTA DE COCOは東京西新橋にもあるが、カレー屋ほど全国展開は進まない。
愛知県に行かなければ食べられない方が、名物としては価値があるのかもしれない。
フラワー
愛知県名古屋市中村区椿町15-4
052-451-2222
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2008年09月07日
[よね一](名古屋)
名古屋のうなぎ丼

鰻の蒲焼は江戸発祥の料理であるということはこれまで何回も書いた。東京の深川で養殖が始まり、やがて浜松に移転、現在は鹿児島が日本一の生産県となっている。
蒲焼は江戸から全国に広まり各地で微妙に変化した。背開きして蒸しが入る関東風、腹開きして蒸さない関西風がよく知られているが、名古屋も独自の鰻蒲焼文化をもっているようだ。
「あー、ひつまぶしのことか」と思う人も多いだろう。実際のところ、銀髪も名古屋ではひつまぶしを食べることが多かった。今回、客先で「うなぎを食べたい」と言ったら、御園座の近くにある店に連れて行ってくれた。お世辞にもきれいとは言えない「よね一」は創業以来60年以上の老舗うなぎ屋である。
もちろんひつまぶしがあるが、今日はパスしてうなぎ丼を食べることにした。名古屋でうなぎ丼を食べるのは銀髪グルメ紀行第1回目の「西本」以来、約3年振りである。一番高い2450円の特上はご飯の間にもうなぎ入る中入れ丼だった。

西本との共通点はうなぎが食べやすい大きさに切ってあるところだ。関東風なら蒸してあるので箸で簡単に切れる。名古屋は蒸さない関西風だからかと思ったが、関西でも一口大に切ることはない。たった2軒で名古屋風と言うのは大胆かもしれないが、あながち間違いではないだろう。
名古屋風のうなぎ丼が発展して、ひつまぶしが生まれたのではないだろうか。ごはんと混ぜやすいように、うなぎ丼よりもっと細かく切るのがひつまぶしである。
タレも他の地域に比べれば濃くて甘辛い。最後にあっさりとお茶をかけるのも理にかなっている。
切り刻んで出すのが一般的な中部地区では、通常の丸ごと蒲焼を「長焼き」と称する。ごはん抜きの蒲焼を長焼きと呼ぶようだが、刻んだものが主流なので長焼きの名称が生きる。
紀州備長炭で焼き上げるよね一のうなぎ丼はなかなか美味しかった。新しい発見をしたような気分になり、いっそう美味しく感じた。
よね一
愛知県名古屋市中区栄1丁目5-16
052-231-6924
http://www.yoneichi.com/
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2008年08月28日
[御清水庵 清恵](日本橋)
灯台下暗し、いい店が近くにあった

店の前を何度通り過ぎたか分からない。気になってはいたが、たくさんある蕎麦屋の一つぐらいにしか思っていなかった。行く気になったきっかけは先日の福井出張である。福井名物は越前ガニぐらいしか知らなかったが、出張で鯖やおろし蕎麦も名物と知った。
店は思ったより広く、席の間もゆったりとしていて居心地がいい。奥の席は川に面していて予約で埋まっていた。別紙の「本日のメニュー」もあり、酒の肴は充実している。もちろん、最初に選んだのは福井名物の鯖料理だ。
お通し、鯖の燻製、へしこ

初めて挑戦した燻製はなかなかいけた。へしこは土産に持って帰り、家で食べたものよりも美味しかった。
生しらす、刺身盛合わせ、つぶ貝の磯煮、焼きなす(とろろかけ)


「しらすは福井じゃないでしょ?」と店の女性に質問したら困った顔をする。すかさずおじさんが「駿河産」とフォローする。福井産のものでなくても美味しいものを揃えている。「店主ですか?」と質問したところから、丁々発止の会話が始まった。他の席のオーダーを取りに行っても、すぐにまた戻ってくる。実に楽しい。
「つくねが何で出来ているか当たったら、一品サービスするよ」と言われ、受けて立った。
つくね、煮物

「ひっかけで鯖では?」と探りを入れたがまともなクイズだと言う。「これまで一発で当てたのは一人だけ」と胸を張るのでヒントをもらった。そのヒントですぐに分かった。店主はちょっと驚いた顔をする。銀髪の面目躍如である。ノーヒントではなかったが、早い正答に対するご褒美に煮物を持って来てくれた。お返しに一番高い大吟醸酒をオーダーした。福井の日本酒も充実しているのだ。
「何歳に見える?」という質問は一発で当てた。脱サラをした年齢と、開店してからの年数はこれまでの話の中で出て来たので単純な足し算で済む。実は質問の前から既に驚いていた。日々充実している人は確かに若く見える。

最後はもちろん越前おろしそば。武生の蕎麦屋「御清水庵」で修行した店主が打つ蕎麦を〆にした。満腹なので少なめに盛ってもらった。
イヤー、楽しかった。奥の窓際が満席で良かった。お陰で店主と楽しい会話が出来た。店主が料理を差配するだけでなく、客席を回ってサービスする店が悪いわけがない。まさに灯台下暗しだった。
御清水庵 清恵(おしょうずあん きよえ)
東京都中央区日本橋室町1-8-2
03-3231-1588
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2008年08月24日
[Zen](軽井沢)
軽井沢も長野、長野と言えば蕎麦

昨日の続きです
軽井沢の民宿(ペンションと言うらしい)は快適だった。6畳くらいの部屋にシングルベッドが4つ入っている。畳の部屋だったらもっと良かったが、洋間でもスキンシップがはかれる広さだ。家族旅行はこうでなければならない。旅行以外で家族が一部屋で寝ることはないのだから。
夕食は宿泊客が全員揃う食堂で6時に始まり、1時間足らずで終った。ダラダラ呑む時間も酒の肴も与えられなかったので、珍しく白いご飯で腹を満たした。朝食は宿泊客全員が8時集合なので、病院並みに食間が長い。もっとも料理は比較にならないほど美味しいと言っても差し支えないだろう。なんたんってペンションなのだ。
部屋に戻りオリンピックを見ながらすぐに眠りに落ちた。家族は久し振りに銀髪のいびきを楽しんだようだ。翌朝早起きして自転車で1時間走った。腹ペコのお陰で朝食がさらに美味しい。何より家族揃っての朝食が良かった。
それから半日は旧軽井沢銀座を歩き、石の教会を見るなど観光らしきものをした。暗くなるまで家族がガラス球のアクセサリーを造っている間、一人車に残り仮眠を取った。夕食後のロングドライブが待っている。
刺身こんにゃく、高原野菜と揚げ蕎麦サラダ、いろいろ葱の春巻

評判の「東間」に行ったら、「完全予約制、蕎麦懐石の店ですから」と断られた。そこで紹介してくれたのが姉妹店のZenである。雰囲気は悪くない。ところがこちらは鍋料理が自慢で懐石料理はないと分かり、家族は失望する。酒なしで懐石料理なんか食べさせられたら堪らないと、運転手の銀髪はホッとする。
妻は自分で蕎麦以外の単品を頼み、懐石に近づけるんだと頑張った。しかし、健闘むなしく揚げ蕎麦は油が浮いていて不味い。文句タラタラである。アルバイトらしき店員たちは、懐石料理屋の仲居さんには遠く及ばず、ファストフード店でアルバイト経験豊富な娘たちが偉そうに批評する。
鴨汁蕎麦、黒ぶた汁蕎麦

もり蕎麦、季節の野菜そば

銀髪はもり蕎麦を頼み、みんなのものを少しずつ味見した。蕎麦は悪くない。蕎麦湯をタップリ飲んで腹八分目で食事を終えた。車の中で家族が寝息を立てても、つられない程度の腹具合だ。
渋滞が少しあったが往路より1時間ほど余計にかかっただけでその日のうちに家に着いた。
シャワーを浴びて、軽いつまみを揃えたのが23時50分。ビールが美味い。飲酒の連続記録は今日もギリギリで途絶えずに済んだ。何はともあれ、メデタシメデタシである。
そばの店 Zen
長野県北佐久郡軽井沢町発地1398-58 72ゴルフ通り
0267-44-6566
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2008年08月06日
[明月庵ぎんざ田中屋本店](銀座)
呑みどころ、そばどころ

「あそこは美味しいですよ」「評判いいですよ」と部下たちが口々に言う。「任せるよ!」の一言で今日の宴会場所が決まった。
メニューを見るとたくさんの酒の肴が書いてある。「お刺身も美味しいらしいですよ」の意見は却下した。わざわざ蕎麦屋で鮮魚を食べることもあるまい。あとは部下たちの言うがまま。
そば味噌、枝豆、旬の魚介の酢味噌和え

お通しはそば味噌。蕎麦屋らしくていい。枝豆は期待通りすぐに出て来た。冷えた枝豆を喜ぶ者もいれば、茹で立てでなければ美味しくないと言う者もいる。割烹ではないので大目に見ようじゃないか。
焼き穴子の胡麻和え、銀鱈、

焼き鳥、にしん

刺身を却下された者が、今度はにしんを頼んだ。そばにつきものの料理だから拒む理由はない。日本酒も1升近くが消費され、だんだんそばを食べる環境が整ってきた。
天婦羅盛合せ、野菜かきあげ

天婦羅盛合せは数種類あり、お好みで組み合わせてもらうこともできる。天婦羅の善し悪しは蕎麦屋の生命線でもある。天婦羅屋さん顔負けの美味しい天婦羅だった。評判がいいのも頷けた。
もりそば、そば湯

そばは二八。つゆは江戸風の濃く辛い銀髪好み。上質の鰹節を贅沢に使うと自慢するだけのことはある。そば湯の器も洒落ている。
何よりも良かったのは蕎麦アレルギーの部下のために、別鍋でうどんを茹でてくれたこと。客への思いやりは料理の質にも繋がる。店の歴史や評判を鼻にかけていないのがいい。
メタボが心配な部下たちが選んだ蕎麦屋だったが、結局は飲み過ぎ、食べ過ぎの晩餐だった。なかなか難しいものだ。
明月庵ぎんざ田中屋本店
東京都中央区銀座6-6-19
03-3571-8228
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2008年08月03日
氷見うどん (富山空港)
日本三大手延べうどん

トップ3や三大〇〇となんでもかんでも上位3つを作りたがる。
うどんでは讃岐うどんがダントツで文句は出ないところ。他に地名がついた有名うどんには稲庭うどん、水沢うどん、氷見うどん、五島うどん、博多うどんなどがある。きしめん、ひもかわ、ほうとうなどもうどんの一種だから、候補に入れろと言う人も居るだろう。
氷見うどんを三つの中に選ぶためには手延べうどんでくくればいいことを思いついた。麺を竿にかけて引き延ばして適当な太さにする製法のうどんは、上記中の稲庭、氷見、五島の3つだけだから簡単だ。手延べと言えばそうめんを思い浮かべる。JAS規格では手延べうどんは直径1.7mm以上、そうめんが1.3mm未満、その間が冷麦と決められてある。
秋田県の稲庭、富山県氷見、長崎県五島列島と手延うどんの産地が全て日本海側というのも面白い。どこが元祖か分からないが、中国から伝わって北前船で各地に広まったという説に頷きたくなる。氷見のうどんは石川県の輪島から製法が伝えられたそうだが、輪島のうどんは廃れてしまった。

氷見うどんは富山空港にある麺処「とみいち亭」でよく食べる。普通のうどんもあるが、せっかく富山に来たのだからと割増料金を払って氷見うどんを食べることにしている。なぜ高いのか疑問だったが、手間暇かかる手延べであると知って納得した。もちろんブランド料も否定できない。
うどんもそーめんもコシを出すためには国内産だけでは難しいため、外国産小麦価格の高騰でどこも苦しんでいると聞く。ところが日本のうどんの起源を辿ると、遣唐使や弘法大師が中国から伝えたという説が有力。米国や豪州などから小麦が輸入されるずっと前からあった日本のうどんはコシのないうどんだったのだろうか。もともと国内産の小麦粉は麺類加工に適したものであるため「うどん粉」と呼ばれた。メリケン粉とうどん粉は違うものと言われる。いったい、どこで何が狂ったのだろうか。
外国産小麦粉が高騰したので各地の名物うどんが食べられなくなるかもしれないなんて、まったく不思議な国である。
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2008年07月25日
[七福](渋谷)
渋谷で人気の広島お好み焼き

暑い!陽が落ちても暑い!こんな時は店を選ぶ気力も湧いて来ない。とにかくビールが飲みたいと思ったところにお好み焼きの看板を見つけた。神様はよく分かってらっしゃる。ビールにピッタリじゃないか。
小さな店だ。2人掛けの小さなテーブルに一度は座った。右隣の女性二人とはメニューで壁を作っているだけ。お好み焼きで口を膨らませては、水で腹に流し込んでいる左隣の若い男二人を見ると胸焼けがする。カウンターに移動した。やっぱりここがいい。
広島菜、とんぺい焼き

座るなりビールを頼んだ。そして広島菜と無造作に告げる。いかにも広島通に見えるじゃないか。続けて「広島出身なの?」と目の前の料理人(店主?)にたたみかける。「友達が…」語尾はよく聞こえなかった。大した問題ではない。ビールをグイッとやる方が大事だ。もう一度グイッ!。落ち着いたところでとんぺい焼きが出来るのを見詰める。鉄板とコテが奏でる金属音が楽しい。
餃子、牛すじ煮込み

自家製餃子の調理が最高に面白かった。多分冷凍と思われる餃子を鉄板に並べる。その上に被せられた蓋をちょっと開けて何と氷を放り込む。水が鉄板に広がらない工夫だろう。勢いよく蒸気が上がる。にんにくが効いた男性的な餃子だった。
自慢の牛すじも悪くない。脂身が多いがコラーゲンと言えば女性も喜ぶ。

店はほぼ満席になった。酒のつまみを頼んでいるのは銀髪たちぐらいで、殆どの人はすぐにお好み焼きを食べたいようだ。鉄板上にいくつもお好み焼きのベースができる。中に放り込む具を見ながら銀髪のところに来るお好み焼きを推測する。あれだと決めたものが他のテーブルに行くとがっかりする。海老もいかもチーズも入っていない、豚肉だけのシンプルなものが我々の頼んだものだ。最後に一枚だけ残った。間違いないと思っても目の前に置かれるとホッとする。焦らされるとさすがに美味しい。

残念ながら本場広島の人気店よりは味が落ちる。しかし料理人と助手のコンビネーションが素晴らしくて感激した。一生懸命働く姿は見ていて本当に楽しい。鉄板をきれいにする作業すら絵になる。カウンターに座って必見の技である。
楽しくて安くて良い夕食だった。外の熱気は少し収まり、夜風が気持ちよかった。
七福
東京都渋谷区道玄坂2-25-5 島田ビル2F
03-3463-0456
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2008年07月24日
[満寿家]③(神田)
ふぐの名店はうなぎも美味しい

野田岩本店のうなぎは美味しかった。ここで満足しては銀髪の名が廃るなんて偉そうなことは言えないが、どうしても食べたかった店の名が浮かんできた。ふぐの名店、神田の「満寿家」である。
元横綱北の富士さんに紹介されて訪れ、感動した満寿家は昼にはうなぎを出す。あれだけのふぐを食べさせてくれる店のうなぎである。不味い訳がない。
11時半に店に入った。客はまだまばら。カウンターの中に女将さんが居ないのでちょっと失望した。若い店員がメニューを見せてくれる。値段の差はうなぎの大きさ、量の差。腹具合と相談して2,600円の鰻重にした。日本橋から歩いてきて火照った体を冷ますためビールを頼んだら、茹でたてのそら豆が出て来た。昼も手抜きはない。

ビールを半分ほど飲んだところで調理場の方に立つ女将さんを見つけた。お新香を出す準備をしているらしい。目が合ったので手を振った。滅茶苦茶うれしい。少し間を置いてお新香と肝吸いを持ってきてくれた。女将さんの笑顔とこちらの笑顔がぶつかり合う。冗談が飛び交う。他の客も楽し気に見ている。

質問を繰り出して女将さんを引き止めようとするが、仕事を忘れていない。調理場と客の間を忙しく往復する。いつの間にか席は一杯に。我々を含む第一陣の客たちにうな重が行き渡った。

お重に重なり合うように蒲焼が乗っている。肉厚で何と美味しいこと。もちろん養殖物だが、仕入れる産地は決まってなく、そのときに一番いい物を選ぶと言う。「日本橋のどのうなぎ専門店よりも美味しいよ」と言ったら、女将は自信満々の笑顔を返す。「美味しくなかったらどうしようかと思っていたよ」と告げるとまた笑う。本当に楽しい。
夜の満寿家は、ふぐのない夏場は鱧が主役となる。はも焼き、はもしゃぶなど美味そうだ。カレイ類の最高級魚ホシガレイもあると言う。ふぐがなくても夜はやはり高級店だ。それに比べて昼のうなぎは日本橋の専門店よりも割安に感じた。女将の笑顔は夜と変わらず無料。
神田の満寿家に行くべし。
満寿家
東京都中央区神田鍛冶町3-3
03-3256-8897
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2008年07月23日
[野田岩](東麻布)
創業160余年、一度は食べたい老舗のうなぎ

日本橋高島屋の特別食堂で野田岩のうなぎを何度も食べた。その度に行きたいと思っていた東麻布の本店。ようやく願いが叶った。
蕎麦屋と同様に、うなぎは個室に似合わないと勝手に思っている。椅子席の予約は出来ないので晩飯にはちょっと早い5時半過ぎに飛び込んだ。首尾よく1階のテーブル席を確保。飛騨高山から移築した店の模型の全景を横に見上げる席である。歴史ある店に相応しく着物を長年着こなしている女性たちが忙しく働いている。思ったとおりいい雰囲気だ。

最初は当然ビール。それからもちろん日本酒に移る。おつまみは3種盛り。枝豆、うなぎのそぼろ、平目の昆布締め。うなぎのそぼろは初めて食べた。「何の魚ですか?」と、見れば分かる、食べたら間違いないのに連れが店員を困らせる。調理場に聞きに行って「平目です」と答える。うなぎの箸置きが可愛いので即答できなくても許してあげよう。
志ら焼

何と言っても野田岩の名物は天然うなぎを使った志ら焼(白焼き)。4月~12月までしか食べることが出来ない。「どこで獲れたうなぎですか?」と聞いたら、「この前は霞ヶ浦だと言ってましたけど、聞いてきましょうか?」と曖昧だ。銅製の器の下段に入れられたお湯のお陰で、食べ終わるまで温かい志ら焼は期待通りに美味しかった。産地がどこだろうが関係ない。
蒲焼、鰻重

鰻重も天然物を頼んでいたが、養殖物と比べたくなった。突然のオーダー変更に店の女性が混乱する。こちらも何をどのように頼んでいいのか分からないので話がかみ合わない。すると一番風格のある女性が割って入ってきて、あっという間に話をまとめる。
「どこの養殖物ですか?」の問いに「今日は焼津産です」と間髪いれずに答える。女将かもしれない。店の格とサービスがようやく一致した。
蒲焼は志ら焼と同じ銅製の器で出て来た。老舗の名店が選んだうなぎである。養殖物だって悪いはずがないとの予想は嬉しいことに的中した。鰻重の天然うなぎがどちらかというとあっさり目に感じるが、気のせいかもしれない。それにしてもご飯と一緒に食べると唸ってしまう。確かに野田岩本店は美味いと思った。日本橋高島屋店とは大きな差がある。
入り口のところに10人近くが待っていたので愚図愚図しないで勘定を払って出ることにした。二人で四匹のうなぎを食べたが、お腹は重く感じなかった。もちろんお財布はかなり軽くなった。
五代目 野田岩
東京都港区東麻布1-5-4
03-3583-7852
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2008年07月14日
[山忠](豊橋市、二川)
もうすぐ土用、うなぎ、うなぎ、うなぎ

今週末、7月19日から土用入りとなる。7月24日が土用の丑、街がうなぎの煙に覆われる前でも暑気払いにうなぎを食べたいものだ。
浜名湖に近い豊橋市。うなぎを売り物にする店も多い。
関東風、関西風

山忠では日本の中心・豊橋ならではの関東風と関西風の両方を味わえる。関東風は蒸してから焼くので身が柔らかい。関西風の腹開きでは身が串から落ちてしまうので、関東風は背開きにする。
見た感じ山忠はどちらも背開きにしているようで、関西風とは単に蒸さないで焼いただけのものらしい。
白焼き定食

銀髪が頼んだのはもちろん酒の肴にもなる白焼き。蒲焼はみんなから少しずつ貰って味見した。
肝焼き、生しらす

豊橋は峠を越えるとすぐに静岡県。しらす漁の盛んなところが目と鼻の先にある。思わず頼んでしまったが、定食にもちゃんとついていた。教えてくれればいいのに。
肝吸い、小鉢(生しらす)、漬物、デザートが付いて鰻重(松)が2,300円、白焼きが2,500円。浜名湖が目と鼻の先ならではのご機嫌な価格だった。東京だったら倍の値段の定食になってしまうだろう。
関西風、関東風のどちらがいいか、好みが分かれるだろう。酒の肴であれば焼き魚のような関西風が好きだ。ビールにも冷酒にも合う。ご飯に乗せるなら関東風がいい。箸でハラリと捌ける柔らかさなので、ご飯と絡まりあって口の中一杯に広がる。
平賀源内に踊らされなくても、夏はうなぎが美味い。
山忠
愛知県豊橋市中原町字新瓶焼7-2
0532-43-0665
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2008年07月06日
[アクトシティ・ホテルオークラ 山里](浜松)
一流ホテルはうなぎも美味しい

うなぎの産地偽装がマスコミを賑わしている。洋上で捕らえた稚魚を中国、台湾、日本などで養殖するのだから、DNA的には同じ種類のうなぎなのだろう。どこで育てたかは問題ではないと言いたいところだが、禁止薬物が検出されたとなると話は違ってくる。
母がお中元に鰻を送ろうとしたら、先方から断られたと聞いた。土用の丑が近づいているのに鰻業界にとっては大打撃に違いない。
名前を騙られた幡豆郡一色町は昭和58年から浜名湖を抜いて日本一の養殖場になった。画期的な養殖技術を開発した業者の貢献により鹿児島県が県別ではトップだが、地域別では一色町がナンバー1ということである。しかし知名度は今一つでイラついていたら偽装事件で全国に知れ渡った。吉と出るか凶とでるか。
トップの地位を明け渡してかなり経つのに、未だに浜名湖のうなぎのブランドは絶大である。今でも浜名湖が養殖日本一と思っている人が多いだろう。銀髪だって浜松に来たら鰻を食べなければならないような気になる。
地元の人に食事に誘われ、ホテルオークラの山里に行った。大枚払う覚悟をしてくれていたようだが、銀髪が選んだのはうなぎ。うなぎならもっと他で食べた方がいいと、別の高額な定食を奨めてくれるのだが、こちらはうなぎを食べると譲らない。根負けした相手も、一緒にうなぎを食べることになった。

一口食べ、二口食べて、尚もどちらが先にコメントするか駆け引きしている感じだ。銀髪が先に口を開いた。「さすが一流ホテル。思ったより美味いですね」と言えば、うなぎ通も素直に頷いた。ホテルでうなぎなんてと思っていたはずだ。これを美味しいと言ったら、馬鹿にされるのではないかとお互い警戒していた。銀髪の方がちょっと勇気があった。
うなぎ専門店のように活きうなぎを捌いて、蒸してと本格的に調理したのかは調理場が見えないので分からないが、美味しかったのは事実である。しかし、うなぎが浜名湖産か、それ以外の国産か、はたまた外国産かは知る由もない。そもそも、我々には味の違いなど分からない。いや失礼。銀髪には分からない。
浜松で食べたうなぎは美味しかった。それ以上は詮索する必要はあるまい。
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2008年07月05日
広島つけ麺 [ばくだん屋]&[流行屋]
名物はお好み焼きだけではない

午前中の仕事を終えてタクシーをつかまえた。行き先は「どこか美味しい店へ」だ。運転手さんは考える。「お好み焼きはどうですか?」の声に広島担当の部下の顔が曇る。食べ飽きているようだ。牡蠣の季節ではない。穴子は宮島だと否定される。ようやく出て来た答えはつけ麺だった。
ばくだん屋

ばくだん屋はテレビなどで多数紹介され、広島に10店以上ある。東京には六本木、赤坂、西新宿に、他に福岡、名古屋にも出店している有名店とのこと。銀髪はもちろん初体験。

店員が辛さを選ぶように言うので、銀髪は「口から火が出る」ランクの11倍にしたが、その下のランクの「汗が出る」こともない。20倍以上を食べて褒められればよかったと思った。ただし、辛いのは確かで、味の何たるかは分からなかった。
流行屋

一軒では広島つけ麺の傾向は分からない。今度は下調べをして行った。「広島つけ麺」の名称を約20年前に使い始めた元祖とも言える店が流行屋とのこと。複数の若者が忙しく働く「ばくだん屋」と異なり、店主一人が黙々と倍以上も時間をかけて作る。

こちらの辛さは辛、中辛、大辛の3段階とシンプル。もちろん大辛を選んだがばくだん屋の11倍と似たり寄ったりだった。どちらも辛くて味はよく分からない。
具はチャーシューと茹でたキャベツが共通点。つけ汁にはたっぷりの胡麻。
広島つけ麺の特徴は「辛」にある。瀬戸内の小魚でだしを取るのが基本。だし汁のせいか大辛にしても口の中がヒリヒリするような事はない。今度は辛さを控えめにして味わいたいものだ。もっとも、それでは広島つけ麺と言えないかもしれないが…
いずれにしてもお好み焼きの牙城を崩すのは容易ではなさそうだ。しかし、焼けた鉄板を前にして食べる熱々のお好み焼きは夏向きではない。住み分けするには、辛いつけ麺は格好の食べ物。考えた人は偉い!
ばくだん屋
http://bakudanya.net/
流行屋
広島県広島市中区国泰町1-7-24
082-249-3377
http://www.cusi.ne.jp/hayariya/
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2008年06月30日
[やぶ久](日本橋)
老舗のそば屋はカレーが美味い

「カレーうどんが美味いぞ!」最初に連れて行ってもらったときに奨められてから、「古奈屋」並みのカレーうどん屋さんと決めてしまった。
創業は明治35年というから伝統のある立派なそば屋なのに、カレーうどんでは申し訳ないけれど。
そこで、何か違うものを頼もうと選んだのがカツ丼。んっ?違う? だって同じ値段ならカツ丼の方が親子丼より肉が多くてお得じゃありませんか。んっ?そういう問題ではない?
蕎麦を食べろと言われても、まあ、メニューにあるんだから何を食べるか客の勝手だよね。
そして辿り着いたのがミニカレーうどんとミニカツ丼。これが銀髪にとってのやぶ久のベストメニューである。

カレーうどんは口の中を火傷しないように普通に食べる。カツ丼はご飯が半分残るように慎重に食べる。うどんとカツがなくなったところで、余ったカレーをご飯にかけてカレー丼にする。3種類の食べ方をして、カレーも余すことなく食べ切る。いいアイデアと思いません?
珍しく違うものを食べる気になった。クラブの女性がカレーつけそばが最高と教えてくれた。うどんと飯物に決別して、久し振りに老舗のそばを食うことにした。カレーには違いないけど。

店の名刺代わりのカードには「せまくても こんでいてても いましばし まつたかいあり このそばかな」と書いてある。堂々と言われたら頷くしかないが、確かにこの店は料理が出て来るまで時間がかかる。数人で行って、他の人が食べ終わっても自分のものが来ないなんてことはざら。逆のパターンになって、相手が不機嫌になっていくのを見るのも辛いものだ。だからできるだけ11時を回ってすぐに行くことにしている。
前回、久し振りに行ったときにいつも勘定場に座る店主が居なかったので、「おじいさんは来ないの?」と聞いた。本当は「遂にくたばったの?」と言おうと思ったが下品だから慎んだ。「いらっしゃいますよ」と店員が身内に敬語を使うのが店主の人柄を物語っている。
財布を出したところで後ろに気配を感じた。噂をすれば… アーまだ元気そうだ。軽口を叩かなくてよかったと胸をなでおろした。
カレーつけそばも悪くなかったが、やはりミニカツ丼とミニカレーうどんのセットが一番だ。冷房で体が冷える頃にやってくるので、夏でも問題ない。実に気配りができている店である。
日本橋 やぶ久
東京都中央区日本橋2-1-19
03-3271-0829
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2008年06月24日
[丸善](日本橋)
本屋では有りません。鰻屋さんです。

誰でも日本橋の丸善と言えば本屋さんしか思い浮かばないだろう。日本橋交差点に立つ柳屋ビルの地下2階に鰻屋があることは知っていたが、この店の名前が丸善だとは知らなかった。もっとも読み方は「まるよし」で、本屋とは全く関係ない。
かつては日本橋を代表するビルだった柳屋ビルも今はおんぼろビル。空き店舗が目立つ地下を歩くと気持ちも寂しくなる。そこにある料理屋にはまったく興味がなかった。
ところがある朝、水の入った大きなビニール袋の中をうごめく鰻が店に運び込まれるのを目撃して俄然行く気になった。
日本橋には鰻屋が多い。鰻の養殖は明治時代に深川で行われたのが始まり。鰻の蒲焼は元々江戸料理と言ってよい。後に浜名湖、愛知、鹿児島と最大産地は移っていく。お江戸日本橋に鰻屋が多いのは当たり前の話で高級店も多いが、丸善はいたって庶民的な店である。

お重は1,200円、1,500円、1,800円、2,200円の4種類。見栄を張っても2,200円が上限なのは嬉しい。鰻以外のメニューも多く、専門店というより居酒屋の感じ。生きた鰻を見なければ、今でも鰻を食べたいとは思わなかっただろう。
割り箸の袋を見ると日本橋店の他に三の輪店の電話番号も書いてある。南千住にある三の輪店は持ち帰り専門店で、アド街ック天国でも紹介された人気店とのこと。三の輪店は炭火焼らしいが、ビルの地下にあるためか日本橋店はガスで焼かれているようだ。
隣の人よりも立派なお重でいただいた。器で値段が分かるのが辛い。12時近くになると、常連さんと思える会社員たちが次々に入ってくる。4ランクあるが1,200円でも満足できるのではないだろうか。さらに安いうな丼もある。安くても「通はうな丼を食べる」と気取れば引け目を感じることもない。
出口のレジで2人分4,400円を5千円札で払うと「600万円」と釣り銭を渡された。常連さんには名物おばちゃんとして愛されているに違いない。
三の輪店は昭和10年の創業という。日本橋店もそれなりに古そうだが、老舗の風格はない。
気楽にうなぎを食べられるところがいい。
丸善(まるよし)
東京都中央区日本橋2-1-10 柳屋ビルB2
03-3271-8442
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2008年06月14日
[うどん平](福岡)
博多で一番おいしいうどん?

博多の麺と言えば豚骨ラーメンで今や全国区になった。うどんと言えば讃岐うどんを筆頭に稲庭うどん、氷見うどんなどが有名で博多の名前は出て来ない。
実際は戦後生まれで屋台が発祥のラーメンよりも、うどんの方が歴史も格も上だと思っている銀髪なのに、博多に来れば美味しいラーメン屋ばかり探そうとする。
ラーメンは若い料理人が革新的な味を作り出しているが、うどんはひたすら伝統を守っているように見える。かろのうろん、因幡うどん、川端うどんなど人気上位にある店はいずれも老舗と言われる名店ばかり。銀髪にとって、うどん平は馴染みのない名前だった。

外に並んでいると「暑いから中に入ってください」とおばちゃんが招き入れる。有名店によくある尊大さはまったくない。中には10人以上が雑然と立って待っていた。
外で待っている間に注文を取る店が多いが、中に入れてくれたお陰で客が何を食べているか観察できて良かった。
部下が「ここはえび天が有名なんですよね」と言う。「でも、ごぼ天も食べたいですよね」と重ねる。「両方入れればいいじゃないか」と銀髪が応えていとも簡単に問題は解決した。
他の客のオーダーを聞いても7割はえび天とごぼ天のセットで注文していた。残りの大半はえび天と他の天ぷらのセットである。

カウンターの中は戦場のようだ。手打ちのうどんを製麺機に入れる。包丁で切らないからか「手打ち風うどん」と書いてあるのが律儀に見える。グラグラ煮えたぎる大なべにうどんを入れる。熱々に茹で上がったうどんを水で洗う。素人がやったら間違いなく火傷する。
うどんのつゆは大きな徳利で湯せんしている細やかさ。客の注文に負けじと店の奥で天ぷらが揚がる。
テーブルで食べると博多でトップクラスのうどん屋と思うだろうが、カウンターで戦場を見た後食べるとトップと断言したくなる。
親切で丁寧なおばちゃん、真剣な調理場、美味しいうどん。今まで来なかったのは迂闊だった。
東京に戻って、福岡の行きたい店を自分でリストアップした紙を見たら、うどん平がちゃんと書いてあった。まったく思い出さなかったボケ頭がちょっと心配になった。
うどん平
福岡県福岡市博多区博多駅前3-17-10
092-431-9703
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2008年06月10日
[義市商店](神戸元町)
最後の砦、明石焼き

東の横浜、西の神戸。外国文化が深く根付いた街である。共通する名物料理は中華料理と洋食。今回は洋食を食べようと意気込んだ。
新神戸駅からタクシーで目的の「レストランハイウェイ」に向かった。谷崎潤一郎が愛した老舗。ところがトーアロードに店はない。電話も取り外されていた。どうやら移転してしまったらしい。でも慌てない。次の候補も調べてある。中華街近くの伊藤グリルに歩いて行った。店に入ると間髪入れず冷たく宣告された。「満席です!」
さすがにショックは隠せない。近くに他の候補はない。伊藤グリルに行く途中で一瞥した明石焼きの店に戻った。お腹はペコペコである。時計は1時を回り、他の洋食屋を見つけるまで可愛そうなお腹をなだめすかす自信はない。

大阪の家庭では必ずたこ焼き器があると言うが、明石焼は特別な焼き器があるのだろうか。いずれにしても、地元の人が昼食時に群がるとは思えない。予想以上にこちらは空いていた。銀髪がオーダーする前に先客が勘定をして、以後銀髪が食べ終わるまで貸切になった。
壁には辻本清美や巨人の村田捕手、元ボクシング世界チャンピオンの井岡などの色紙が貼ってある。もう少し人気があり、旬の芸能人を誘致した方がいい。宣伝になっているとは言い難い。
神戸牛のステーキと明石焼きのセット

お得だと言われた1,300円のセットの神戸牛はこちらも予想通りの薄さ。それでも味は悪くなかった。

予想外だったのは明石焼き。なかなか美味しいじゃないか。たこ焼きよりもたこの存在感がある。今まで食べた明石焼きの中では一番美味い。今までで一番お腹が空いていたのを割り引いても悪くないと思った。店がガラガラだったので期待しなかったのも良かったかもしれない。
勘定をしたら最寄の観光地図をくれた。よそ者とバレバレの銀髪だからという訳でもなさそうで、客の殆どが観光客だから機械的に出している感じもする。
目的の洋食は食べられなかったけれど、そこそこ満足した。レストランハイウェイや伊藤グリルに用意した予算をかなり下回ったのも良かった。めでたし、めでたしである。
義市商店
兵庫県神戸市中央区北長狭通3丁目1-1
078-331-7890
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2008年06月05日
[業平屋]③(両国)
蕎麦屋で日本酒を

旧店舗の改築に合わせて向かい側の仮店舗へ。新店舗完成により元の場所に戻る。仮店舗は息子夫婦のイタリアンに衣替え。業平屋の過去数年は大きな変革期だった。
今日は久し振りの業平屋だ。子供を背負った長男が店に入ってきて大将夫婦に初孫が出来たのを初めて知った。変革期をうまく乗り切ったようで喜ばしい。
「いい酒が入ってますよ!」店が変わっても大将の台詞はいつも同じだ。大将は飲めないくせに日本酒にこだわりがある。
連れのIさんは〆張鶴の限定生酒を注いでもらう。銀髪には「善知鳥」を持って来た。

「栓が開いてる奴から片付けてあげるよ!」と言ったが、大将は譲らない。「田酒の限定品ですから飲んでください、どうせすぐに開けるんですから」と言われれば拒む理由はない。
田酒は明治11年(1877年)創業の青森唯一の酒蔵・西田酒造が生んだ純米の銘酒だ。生産量が少なかく手に入りにくかったこともあり超人気の酒になった。
善知鳥は5月下旬に地元中心に限定発売されたもので、東京で置いている店は少ない。青森県で開発された酒米「華想い(青系140号)」を使った大吟醸で、青森に数々の伝承がある善知鳥(うとう)の名を冠する。華想いは田酒の百四拾にも使われている。こちらは純米大吟醸である。

今日の肴はくらげと野菜の和え物、宮崎県産のふぐ一夜干しなどなど。業平屋ではメニューにないものでも女将さんに頼めば美味しい家庭料理を食べることができる。もっとも、銀髪には蕎麦味噌があればいい。
いつもは我々に付きっ切りの大将だが、今日は一人客に日本酒の講釈をたれるのに忙しい。グルメ本「庶民シュラン」に掲載されてから、新規の客が増えているらしい。
善知鳥の次ににごり酒、洗心などを奨められるままに飲み過ぎてしまった。それでも以前の酒量の半分程度なので、売り上げへの貢献も3割減といったところだろうか。節度のある飲み方をする自分を自分で褒めてやった。
ところが2軒目がいけない。連れて行ってもらった店にキープされていたマッカラン30年が銀髪の理性を奪った。酔った頭は自制心を失い、3軒目に行くことを要求した。足は素直に命令に従う。口に酒を運ぶ腕はロボットのように規則正しい。かくして、翌日後悔することになる。日本酒もスコッチも美味しい酒は危険である。
業平屋
東京都 墨田区亀沢2-8-7
03-3622-7978
以前の記事
「業平屋」
「業平屋」その2
田酒 西田酒造
http://www.densyu.co.jp
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2008年04月06日
[麺王](徳島)
徳島駅前にある徳島ラーメンはちょっと変わっている

徳島でラーメンを食べるのも4回目となる。その都度新しい発見があり面白い。以前、徳島駅前の「可成屋」に入ったが、今回は通りを挟んだ対面にある麺王である。可成屋は11時30分開店だが、こちらは11時から食べることが出来る。
入り口の券売機でラーメンと生卵を買った。卵のお値段は最初に行った「東大」がタダ、次の。「いのたに」が50円、麺王は20円である。ラーメン代と卵を合計すると麺王が一番安い
11時を回ったばかりなのに既に先客が一人居た。我々のすぐ後にも観光客と思われる3人連れが入ってきた。駅前、徳島ラーメンとなれば観光客が多いのも頷ける。
ところが、典型的な徳島ラーメンかと思ったら、ちょっと様子が違う。テーブルには辛子高菜や胡麻が乗っている。麺の茹で方も指定できる。替え玉まであり、まるで博多ラーメンのようだ。

向かいの可成屋同様に徳島ラーメンらしくないものが出てくるかと思ったら、ラーメン自体は意外とオーソドックスな徳島風。豚骨しょうゆのスープ、甘辛く煮た豚肉と生卵が揃えば一応徳島ラーメンの適格条件を満たしているということだろうか。料理人たちが切磋琢磨して特徴を出そうとしているのが垣間見えて感心してしまう。
徳島のラーメンは総じて味が濃い。人口比で徳島が全国一糖尿病患者が多いというが、濃い味が好きな県民性と無縁ではないのかもしれない。
麺王
徳島県徳島市寺島本町東3-4旭ビル1F
088-623-4116
http://www.ramen-todai.com/men-oh/index.htm
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2008年04月04日
[並木藪蕎麦](浅草)
鴨ヌキ抜き

毎週土曜の楽しみは日本経済新聞夕刊の「グラスの縁から」である。東理夫氏の洒脱な文章による酒にまつわるエッセイを読むと、居ても立ってもいられなくなる時がある。最近では3月8日の「鴨ヌキ」の話が良かった。山口瞳氏の本を読んだ東氏が並木藪蕎麦に行った話である。
鴨ヌキとは鴨なんばんのソバ抜きのことだそうで、これを肴に菊正宗を飲む。何度も読むとよだれが出てくる。
夕方6時、店にはまだ空席があった。ラッキー! ところが壁のお品書きを見ても、鴨ヌキがない。右から左、左から右と何度も目を動かすがやはりない。テーブルにはメニューなど置いていない。
店のおばちゃんに「鴨ヌキはないの?」と恐る恐る聞くと、3月迄しかないと言う。アンラッキー! 鴨ヌキの予定が鴨ヌキ抜きになってしまう。テーブルに突っ伏した銀髪に、「天ヌキならありますよ」とおばちゃんがやさしく声をかけてくれた。
そば味噌、板わさ

「ビールとそば味噌」と頼んだら、「お酒は飲まないんですか?」とおばちゃんが聞く。「後で頼みます」と言うと、「お酒にそば味噌がついてくるから一緒に注文した方が得ですよ」と親切だ。
天ヌキ

芝海老のかき揚げがどっぷりとつゆに浸かって出てきた。天ぷらはサクサクじゃなければ邪道のような気もするが、これがなかなかいい。海老もいいが、つゆをタップリ吸った衣もいい酒の肴になる。お酒をもう1本。
わさび芋、焼海苔

聞いた事がない芋と思ったら、単にわさびと山芋。箸ですべて持ち上がるほど粘り気のある山芋を海苔で巻いて食べた。
天ざる

一度はざるそばだけを頼んだが、他の席を見て考え直した。天ざるの天ぷらはつゆに浸かっていない。天ぷらのえびは「くまえび」と教えてくれた。大きいから熊かと思ったが、隈海老と書く。車海老に次ぐ高級品らしい。腹に子を持ったように厚く抱かせた衣が面白く、美味しい。お酒をもう1本。
玉子とじ、海苔かけ

ご推察のとおり並木の藪でもざるそばには海苔が乗っていない。海苔かけは海苔が乗ったかけそばではなく、海苔が乗ったざるそば。頭がこんがらがる。
相方が玉子とじと海苔かけを一人で食べた。銀髪の隈海老も半分食べて、玉子とじの汁もきれいに飲み切ったのには驚いた。周りの客が2~4回転しても居座る我々でも、これだけの食べっぷりを見れば店の人も喜んでくれるだろう。
家に帰って「グラスの縁から」を読み直した。どこにも鴨ヌキが11月~3月の限定メニューと書いていない。残り1ヶ月もないのに、自慢話を新聞に載せるなんてけしからん。食い物の恨みは恐ろしいよ!
並木藪蕎麦
東京都台東区雷門2-11-9
03-3841-1340
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2008年03月30日
[可成家](徳島)
徳島ラーメン?

口コミ情報で徳島駅前にある美味しいラーメン屋を探したら、可成家にぶちあたった。昼飯時まで時間を潰して、開店の11時半に店に着いたが開いていない。向かいのラーメン屋はオープンしているのでそちらに行こうか迷った。念のために店の中を覗いたら店員と目が合った。慌てて女性が扉を開けてくれたので、予定通り可成家に入ることができた。
ホッとして席に着いたが、メニューを見て首を傾げた。煮玉子? キムチ? 高菜? 思い込みとは恐ろしい。徳島に徳島ラーメン以外のラーメンがあると考えたこともなかった。東京には全国あらゆる種類のラーメン屋がある。博多に札幌ラーメン屋、札幌にトンコツラーメンの店があってもおかしくない。それなのに、旅行者は勝手に先入観を抱いてしまう。

壁には可成家のこだわりが貼ってある。豚骨、鶏がらで取ったスープ。高級小麦粉を使った自家製麺。自然飼料だけで育てた鶏の卵。生ビールまでもこだわりに入っているのはご愛嬌だ。

ラーメンは確かに美味しかった。評価が高いのも頷ける。徳島ラーメン好きの地元の人でもたまには違うものを食べたくなるだろう。
徳島ラーメンは生卵を入れても味が薄く感じないほどに濃い味である。それを嫌な人にはあっさり味のラーメンが恋しくなるだろう。そうは言っても豚骨ベースのラーメンは、東京で食べる醤油味や塩味のラーメンよりも濃厚である。これをあっさり味というのが徳島らしくもある。
徳島駅前だから旅行者もたくさん来るだろう。これを典型的な徳島ラーメンと勘違いする人がいたら可哀想だ。徳島ラーメンを一食、食べ損なった気持ちは抜けなかったが、まっ!美味しいラーメンを食べたからいいか。
徳島支那蕎麦 可成家
徳島県徳島市一番町3-10
088-655-2229
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2008年03月16日
[いのたに](徳島)
徳島ラーメンの代表格

空港に着いて前回と同様に売店を覗いた。三八、一福、春陽軒、ふく利、王王軒、岡本中華とメモしてタクシーに乗り込んだ。
「徳島駅方面にやってください」、タクシーが走り出したところで「徳島ラーメンを食べたい」と付け加えた。「駅前にありますよ」と言うので「あー、あそこか」と応じたら運転手さんの声のトーンが変わった。「徳島に来たことあるの?駅からちょっと離れるけれど、どうせならそっちに行きますか?」もちろん異論はない。
歩けば徳島駅から10分程のところだろうか。派手な看板が道の両側にあるので驚いたが、それは20~30台の車が止められそうな駐車場だった。

小さなラーメン屋を想像していたが、駐車場の規模に見合うラーメン屋としては比較的大きな店である。中に入ると大きな四角のカウンターが2つあり、立って待つ人が7~8人いるが、並んでいるわけでもない。取りあえず自動販売機で食券を買ったものの、どうしていいか分からない。
先に食券を買った人の真似をして、右のカウンターの中のおばさんに食券を渡してしばらく突っ立っていたら、しばらくして空いた席をあてがわれた。
調理場の4人、各カウンターに居るおばさん4~5人が忙しく働く。常連客ばかりならいいが、我々のような初めての客も多いので、秩序は乱れ発注ミスも重なって何やら内輪もめしている。それでも日常茶飯事なのだろう、いざこざはあっさりと収まって何事もなかったようにみんな持ち場に戻る。

大盛り、徳島ラーメン定番の甘辛く煮付けた豚肉入りを頼み、別売り50円の卵を割り入れた。
「東大」ほど味は濃くなかったが、他の土地のラーメンに比べるとしっかりと濃い。茹で時間が1分の極細麺を使っているというが、それほど細く感じられない。
壁に掛けられた免状には女性の名前が書いてある。オーナーは女性なのだろうか。映画「たんぽぽ」で宮本信子が演じた女主人を思い出した。もっとも旦那に先立たれてラーメン屋再興に奮闘する映画と一緒にするのは失礼かもしれない。何と言っても、この混みようなら屋敷が立っているに違いないからだ。
ラーメン屋といっても馬鹿にできない。
中華そば いのたに
徳島県徳島市西大工町4-25
088-653-1482
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2008年03月15日
[橘屋本店](松江)
シンプルな割り子そば

出雲空港からタクシーに乗って松江市内に向かった。ランチまで時間があるので先日「一耕」で出会った先生が奨めてくれた神魂(かもす)神社に行くことにした。「八雲立つ出雲八重垣妻ごみに 八重垣つくるその八重垣を」の古歌で名高い八重垣神社近くにある。その社殿は現存する大社造りで日本初の国宝に指定されたものだ。
ところが、タクシーの運転手はこの神社のことを知らなかった。タクシーの運転手が国宝を知らないことに驚いたが、聞けば出雲空港に入れるのは出雲市のタクシーのみ。従って松江のことはよく分からないと言う。行政指導か、縄張り争いか知らないが、観光客にはいい迷惑である。
神魂神社

まずタクシーも知っていた八重垣神社に行った。八重垣神社は縁結びの神として有名で、高校生の男女10人余りが池に紙を浮かべてコインを乗せ、願いがかなうか占っていた。縁が結ばれても、その後まで神様が面倒を見てくれないことを高校生ではわからないだろう。
迷いながら何とか神魂神社に到着した。国宝の神社は研究者と見られる数人のグループが居るだけで、ひっそりとしていた。出雲大社と比べると遥かに小さいが、荘厳さをたたえている。地元の人たちは観光客で賑わうことを喜ばないという。出雲のタクシーが知らないことは喜ばしいことかもしれない。
割り子そば

ゴルフはシングルハンデが自慢のタクシー運転手だが、松江の道路についてはかなりハンデが必要だった。一方通行で立ち往生したところで、お役御免にした。
夜の街は昼間歩くと本当に寂しい。結局、目的の店はまだ開いてなく、雰囲気のあるそば屋にぶつかったのは幸運だった。
迷わず割り子そばを頼んだ。以前、松江駅前の「一福」 で食べた割り子そばに比べると、遥かにシンプルなものだった。そばの上から直接そばつゆをかけて、順番に食べていった。素朴なそばは美味しかった。
腹ごしらえが済んだところで本来の仕事、松江に来た目的を思い出した。八重垣神社と神魂神社でお参りした効果を試す時が来た。お賽銭をケチったことと、「すべてうまくいきますように」といい加減なお願いをしたことが、今更ながら気になってきた。
橘屋本店
島根県松江市東本町2丁目64番地
0852-25-0496
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2008年03月10日
[高山亭](長野)
列車の時間まで駅で一杯

新幹線が通っても、発車時間の間隔はローカル特急電車の頃とあまり変わらない。出発まで30分近くあるが、夕方近くとなれば時間の潰し方に迷うことはない。駅にある店は限られているので、どこに入るか迷いようがない。
そばを食べる時間はないが、軽く酒を飲むには充分である。晩酌セットがお得だが、食べたくない料理もあるので止めにした。
野沢菜

長野で酒の肴ナンバー1は当然のことながら野沢菜。諏訪出身のY氏がこの野沢菜に太鼓判を押したのだから悪くないのだろう。駅ビルにあるからといって馬鹿にしてはいけない。高山亭の本店はなかなか立派な店のようである。
もつ煮込み

居酒屋で必ず頼んでしまう。不思議とハズレがない料理である。どの店でも大量に作って注ぎ足しを繰り返しているに違いない。どうしても家庭では出せない味だ。テーブルにはもちろん八幡屋の唐辛子が置いてある。これをふりかけると間違いなく長野料理だ。
いなご

Y氏が懐かしがっていなごを頼んだ。「ここで作ったの?」と店の女性に尋ねると、残念ながらどこかで買ってきたもの。「中国産じゃないだろうな!」と意地悪を言うと、「国産ですよ! いなごは日本でしか捕れないんでしょう?」と聞き返された。
「昔、イナゴの日というアメリカ映画があったぐらいだから輸入品かもしれないよ」と言うと、店の女性は途端に自信をなくしたようだった。
原題はDay of the Locust、1975年の製作だから銀髪が映画監督か、脚本家になりたいと思っていた頃に見た映画である。内容はすっかり忘れてしまった。
環境破壊や途上国の人口爆発により食糧難が危惧されている。戦中や終戦直後にイナゴで飢えを凌いだ人も多かったという。今度同じような食料難の時代が来たとしても、農薬漬けでイナゴが食べられないかもしれない。ゾッとする話ではある。
高山亭
長野駅(ティリア内)
http://www.timelyhit.ne.jp/kouzantei/
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2008年02月28日
[室町 砂場](日本橋室町)
明治2年創業の老舗そば屋

神田界隈で名高い老舗そば屋と言えば、以前紹介した「神田まつや」、「かんだやぶそば」、そして室町砂場である。文芸春秋編のレストランガイドによれば砂場が最高の評価で、やぶそばは掲載すらされていない。
すぐに行くべきだったが一緒に行ってくれる客が現れるまで待っていた。
他の2店に比べると店内は真新しく感じる。仲居さんが忙しく働くのは3店共通である。背筋を伸ばして大股に歩くと、常連さんと思うのか居並ぶ仲居さんたちが道を開ける。好きな席を選んで座り、仲居さんが慌てて持って来た網籠にコートを放り込んだ。
メニューを一瞥して、天ざると天もりを頼む。レストランガイドを読んだので食べるものは決めてある。客には「いいですね」と念を押すだけだ。
そばとお茶は合わないから客が望まなければ出さないとの注意書きもあるが、そばには日本酒が定番。銀髪にお茶は要らない。午後の仕事に差し支えると言う相手も、お銚子を向けると素直にお猪口を持ち上げた。

先に天もりがやってきた。一番粉を使った少し黒いそばである。客に勧めたが、固辞された。遠慮したのか天ざるの方が高価(100円高い)だからか、理由は分からない。

天ざるを見て客は拍子抜けしたようだ。海苔が乗っていないからだ。砂場ではざるともりの違いは海苔の有無ではない。ざるはそばの実の中心を挽いたさらしな粉を使った白いそばで、もりは一番粉を使用したもの。銀髪が一人で来なかったのは、2つを写真に収め、味比べをしたかったためだ。
メニューの天もりの横には「当店発祥 天ぷらそばを暑い夏でも食べやすくとそばを冷たいセイロに致しましたのが始まりです。」と書いてある。こだわりがたくさんある老舗だ。天ぷらがつゆに浸かって出てきたのには驚いたけれど。

銀髪にとっては3軒の神田老舗そば屋の中ではレストランガイドが無視した店が一番いい。辛いつゆも、天ぷらも、酒の肴にもっとも適している。そばの評価をしろって? それはそば通に聞いてくれ。
室町 砂場
東京都中央区日本橋室町4-1-13
03-3241-4038
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2008年02月20日
[大善](長野)
善光寺前の十割そばのお店

タクシーに乗り、「善光寺近くの美味しいそば屋に連れて行ってくれ」と言った。運転手さんが最初にあげた名前は以前行ったことがある「元屋」。「別の店を」と頼むと「大丸」と応える。隣から部下が「そこも行ったことがある」と断る。
案内役の資格を失った運転手さんは、看板を頼りに我々を降ろす店を決めた。地元産のそば粉を使った十割そばの店の表示を見て、素直に店に入った。観光客と思われるおばさんたちで店はほぼ満席だった。
ビールを頼もうか迷ったが、0℃の外と店内の温度はほぼ同じ。熱燗を飲むと午後の仕事に差し障りがありそうなので我慢する。芸能人が残していった壁の色紙をみながら、寒さを忘れようとした。
三色そば

普通のそば、そばの実の内側(胚乳)のみを使った更科そば、赤い花そばの三種のそばを食べ比べすることにした。壁に赤いそばの花の写真が掛けてある。真っ赤なそばが来るかと期待したが、そばの実が赤いわけではなかった。むしろ驚いたのは更科そばの純白さ。麺の形状を見るとまるで稲庭うどんのようだ。
お盆に塩が乗っている。何に使うのかと聞くと、そばを塩だけで味わって欲しいと言う。そばを食べる度に、自分はグルメ失格だと思う。美味しいことは分かるが、他の人が言うほどそば粉の香りを感じて感動することができない。
震えながらそばを食べ終えた。タクシーの運転手さんがいい加減に選んだ店だが悪くなかった。信州黒姫山の裾野で栽培された霧下そばを石臼で挽き、自家製粉する。湧水を使い、こだわりのだしに3ヶ月寝かしたかえしを使用したそばつゆだと言う。老舗もいいが、若い店はよく研究しているので老舗の上を行くことがある。
タクシーの運転手さんが、いの一番に名前を上げるそば屋になるように頑張って欲しいものだ。
十割そば 大善
長野県長野市大門町46-1
026-233-5002
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2008年02月13日
[東大](徳島)
徳島ラーメンの一番人気店

ラーメン屋に行くことは徳島空港に着いた時に決めていた。徳島市街に向かって空港を出る前に、部下を待たせて売店へ行った。お土産を買うためではなく、徳島名物を知ることが目的だった。銀髪が手ぶらで戻ってきた理由を、ラーメン屋に入ってから部下に教えた。謎は解けたようだ。
四国で麺と言えば讃岐うどん。しかし、これは香川県の名物。売店を一周したらやたらとラーメンのパッケージが目に付いた。テレビで見たことがある生卵ぽっちゃんラーメンが、徳島のものだということは部下に聞いて思い出した。
評判の店は思ったより小さく貧弱だった。一号店、発祥の店は大体こんなものだ。外の自動販売機で買った食券を渡し、「まず、ビールと餃子。ラーメンは後で」と言ってカウンターに座った。

ビールが足りなくなり、部下にお金を渡した。彼は外に出て食券を買ってきた。他に2組いた客はラーメンをサッと食べていなくなった。腹がビールで一杯になる愚は冒したくないので、3本目のビールは我慢してラーメンを頼んだ。

テーブルの上の皿に盛られている卵(無料)を1個取って、自分でラーメンに割り入れた。子供の頃、インスタントラーメンに卵を入れるのが大好きだったが、徳島ラーメンは昔食べた卵入りインスタントラーメンとはまったく違うものだった。
徳島で一番濃いスープと自慢するだけあり、黄身を割って食べても味が薄まらない。ししくいで飲みすぎて味覚がおかしくなったかもしれない。ラーメン屋の後で、ショットバーに行ったせいで、ラーメンの味の記憶がおぼろげになってしまった。
帰りの空港で土産を買った。徳島ラーメンと鳴門のわかめ。実際に食べて気に入った2品だ。

家に帰り、家族に徳島ラーメンを作ってあげた。黄身を割っても味が薄まらないと感じたのは酔いのせいではなかった。卵を入れないと味が濃すぎるかもしれない。卵を入れて完成するのが徳島ラーメンの特徴と考えた方がよさそうだ。
卵ポッチャンのインスタントラーメンが食べたくなった。
東大 大道本店
徳島県徳島市大道1-36
088-655-3775
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2008年02月08日
[岡寮](新潟県南魚沼)
雪に埋もれた手打ち蕎麦屋

JRなら上越線の五日町駅か六日町駅が最寄り駅。車なら六日町インターから車で10分、東京練馬からなら2時間40分とのことだが、冬の豪雪期に蕎麦を食べに来る物好きはいないと思っていた。ところが開いていたのは我々のためだけではなさそうだ。スキー客や地元の客にも人気なのかもしれない。
蕎麦屋外観

緑豊かな農村地帯に佇む様が店のパンフレットにある。目の前の深い雪を見ていると、夏の風景をイメージするのは難しい。
良質の蕎麦を丁寧に石臼製粉した手打ち蕎麦、こだわりのつゆが自慢のようだ。
つゆ

つゆはかつおだしが効いた江戸風のものと、煮干が中心と思われる田舎風のものと2種類が出てくる。食べ比べができて面白い。
天ぷら

天ぷらは暖かい天つゆでいただく。田舎にしてはと言えば失礼だが、気が利いている。
蕎麦

蕎麦もコシがあってなかなかいい。魚沼近辺であれば越後へぎそばが有名だが、この店は十割そばがウリで、蕎麦本来の味と香りにこだわっているようだ。
そば湯も茹で汁ではなくて、飲むために別途作っているどろりと白濁した濃い汁。せいろ一枚では物足りない連中も、そば湯を何杯もお代わりして満足していた。
そして、何よりいいのが日本酒・八海山。酒蔵は岡寮を紹介してくれた上に、4合瓶3本を差し入れてくれていた。蕎麦屋で日本酒は最高だ。
久し振りに見るつららが下がる景色を堪能して外へ出た。バスに乗り込む前に、男どもは少年に戻って深く積もる雪の前に立ち、ズボンの前のファスナーに手をかけた。
そば屋 岡寮
新潟県南魚沼市岡218-1
025-775-3604
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2008年02月06日
[一粒庵](札幌)
地産地消

雪道を歩くのは辛いのでタクシーに乗ったが、客先から近い「狼」は休業していた。タクシーを飛ばして行った店が閉まっていたことは何度もあるので慌てない。口コミで人気の店は他にも調べてある。次のアポの途中にある一粒庵に向かった。タクシーの運転手は聞いたことがない店だと言って住所を伝えても迷ってしまった。札幌駅近くで下ろされてちょっと歩いたところに店の幟を見つけた。
階段を降り店の前に立った頃には12時を過ぎていた。それでも店の外には3人しか並んでいなかったので、北海道版じゃらんの記事を読みながら待つことにした。

麺の小麦粉、チャーシューに使う豚肉、味噌、米など全て北海道産を使う地産地消を謳っている。国産品ばかりを使って、ラーメン750円はかなり頑張っている値段だろう。
席に案内されるまで予想以上の時間がかかった。カウンターの他に4人掛けのテーブルが二つある。客の半分は女性。女性に人気の店は流行ると言われるが、食べる時間が長いので客の回転は悪くなる。おまけに店主一人が丁寧にじっくり作っているので、時間短縮は難しい。
目の前で女性店員に店外の行列を知らされて「エッ?行列ができてるの?」と店主はのん気だ。目の前のカウンターに座っている我々が、店外で待たされたのも知らないようだ。店主の手つきは若干スピードアップされた

我々も列の解消に協力しなければならないと思った。カウンターに座ってからもしばらく待たさ、やっと出てきたラーメンを我々はものの3分で食べ終えた。
最短で食べ終わったKが勘定を払うために席を立った。遅れて店を出てきた銀髪にKは「美味しかった」と短く感想を述べた。並ぶことも、初めての店を誉めることもまずしないKが満足そうな表情を浮かべた。
家に帰って店のホームページを開いた。店主の書いた文を読むと、真面目そうな顔が目に浮かんできた。
中国製餃子による中毒のニュースは衝撃的だった。餃子だけでなく日本の食料海外依存体質は深刻である。国内農業を疲弊させただけでなく、食の安全性に対する無防備さを助長したのは何だったのだろうか。
一粒庵店主が唱える地産地消の精神は、たかがラーメンと済ませる問題ではないと思った。
一粒庵
北海道札幌市中央区北4条西1丁目 ホクレンビル地下1階
011-219-3199
http://ichiryuan.com
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2008年01月28日
[野田岩日本橋高島屋店]
日本橋高島屋「野田岩」の白焼き中入れ丼

11時前の来客であれば日本橋高島屋の特別食堂にお連れすることが多い。帝国ホテル(洋食)、大和屋三玄(和食)、五代目野田岩(うなぎ)の一流三店が入り、座席間が広く昼の軽い接待には丁度いい。
「料理の選択肢が多いですから」と高島屋に向かう道すがら言っておきながら、メニューを開く間もなく鰻を奨める。従来は「かさね重」のワンパターンだったが、最近では白焼きの中入れ丼を奨める。これがなかなかいい。

通に丼とお重とどちらが美味しいかを語らせると、丼派が圧倒的に多い。見栄えがいいお重に比べると味は上で値段も安いというわけだ。お重派は「どんぶり飯」なる言葉のイメージで敬遠しているきらいもないではない。もっとも両者の比較などしたことがない人が殆どだろう。
野田岩で丼を食べたのはお重と比較しようと思ったからではない。二日酔いで胸焼けしていたので蒲焼きではなく白焼きで済ませようと思ったためだ。ご飯の間にも白焼きが挟んであるので思った以上に量があったが、二日酔いの影響もなく食べきった。
上に乗った鰻と、ご飯に挟まれて蒸された鰻が絶妙のハーモニーを醸し出している(ような気がする)。
丼嫌いの人も、白焼き中入れ丼安いと蔑むことはしないだろう。昼食に3,360円は決して安いわけではない。酒を飲むときはかさな重を頼みまず白焼きで一杯の方がいいが、そうでなければ白焼き中入れ丼が定番になりそうだ。
かさね重

日本橋高島屋特別食堂
かさね重の記事http://codawari.info/ginpatsu/archives/2007/12/post_749.html
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2008年01月18日
[むとう](日本橋三越前)
路地裏のそば会席

重厚な建物が並ぶ日本橋三越側と、中央通りを挟んで向かい側の一帯とは180度趣が異なる。「利久庵」「はんなりや」「もつ壱」「あなごや吉五郎」「串TEN」「天香回味」など、これまで紹介したサラリーマン御用達の店がたくさんある。むとうはまだ開店から6年位の比較的新しく、品のいい感じの蕎麦屋である。
夜は会席のみというので、予約をして出かけた。こぎれいな店内は仄暗く各席が仕切られているので他の客の存在は定かではない。静かで個室会席の雰囲気を作り出している。
カナッペ2種、そば豆腐、

洋風の付け出しで意表をつく。カナッペは「まずビール」にはよく合う。
豆乳、葛粉、そば粉で作ったそば豆腐はプルンプルンしていて、味もいい。ビールの後、もちろん和食には日本酒。「すいませーん」と声をかけるとこちらの気持ちを見通していたかのように、若い店員が酒のメニューを持って衝立の向こうから現れたのには驚くやら、嬉しいやら。
そば味噌、天ぷら(海老、白子、ししとう、椎茸、京人参)

そば豆腐がプリンプリンならそば味噌はコリコリ。混ぜてあるくるみはが食感と脂肪分を加えて面白いそば味噌が出来上がった。
天ぷらを置いて店員は消えたので、「すいませーん」と再び声をかけた。塩が欲しくて呼んだのだが、さすがに今度は手ぶらでやってきた。今度もこちらの気持ちを察していたらさらに感動していたろうに残念だ。
鴨なべ

鴨、ネギ、水菜のシンプルな鍋は、炭火の上に置かれた。最初の鴨は柔らかくて美味しくて感激したが、3枚目には固くなってしまった。四谷の「三櫂屋」のように、しゃぶしゃぶにした方がいい。炭もオガ炭では大衆店っぽくてちょっと味気ない。
十割そば、そば湯

そば湯はかき混ぜるためのへらがついてきた。そば湯用に濃く作ったのだろう。両国の「業平屋」ほど濃くはないが、そば湯好きの人には嬉しい心遣いだ。
漬物、甘味

味もよく、店員の応対もいい。とてもいい店と思うのだけれど、何かが引っかかる不思議な気分になった。大衆店か高級店なのか、明確にしないとどの客もどこか不満が残る。
店主はきっと分かっていると思うのだが…
むとう
東京都中央区日本橋室町1-13-1 梅むらビル1階
03-3231-7188
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2007年12月11日
[かんだやぶそば](神田)
酒飲みが喜ぶ老舗蕎麦屋

先日早く着き過ぎて「神田まつや」に行ったので、今日はゆっくりお出かけした。ビルに挟まれたまつやより角地のやぶそばの方が写真映りがいい。

11時50分、既にテーブル席はほぼ一杯で、座敷席の小さなテーブルをあてがわれる。まつやと比較しようと「もりそば」と「天ぷら」を頼もうとしたが見つからない。後から来た左隣の女性は「せいろう二枚」と手早く頼み、すまし顔をしている。若いのに常連さんのようで粋だ。
薄暗い店内は老眼に拷問を強いる。左から右に何度もメニューを読み返し、この店では「せいろうそば」がもりそばのことだと確認する。
えび天らしいものもないので「天たね」というものを頼んだ。説明書きは小さすぎて読む気にならない。
左の女性のところにはすぐにせいろうそばがやってきた。揚げ物があるためか、隣が一枚目を食べ終わりそうなのに、こちらに料理が来る気配はない。右隣のおじいさん3人組は鍋を囲んで盛り上がっている。手持ち無沙汰なので熱燗を頼んだ。今日は我慢するのを止めた。

そばみそが付いてきた。嬉しさにパチリとやったところで「ブログですか?」と左の女性から声がかかった。人懐っこい笑顔をグルメ紀行のファンにしようと頑張った。近くで働くOLらしく、昼食の時間が少ないときに、いつもせいろう二枚を食べてさっと戻るらしい。彼女が去った後にやっと銀髪の食事がやってきた。

てんぷら用の器につゆを少し入れて大根を混ぜる。これを天たねに乗せて食べる。ごま油が効いて酒の肴にいい。熱燗を頼んで正解だった。

もう一つの器に、そばがつゆに浸かることが不可能な位にそばつゆを少し入れる。。そば粉10、小麦粉1の割合のしっかりした蕎麦を、辛口の濃いつゆにちょっとつけて口に入れる。落語で学んだ作法を忠実に守る。ねぎとわさびはそばと合わせずにそのまま酒の肴にした。わさびだけでも立派な酒の肴になる。熱燗を頼んで大正解だった。
「赤い顔をして職場に戻ったら、すぐ首にされちゃいます」と、銀髪に羨ましそうに言い残して帰ったOLの顔が浮かんだ。申し訳ない。天たねで呑み、ねぎとわさびで呑み、そばで呑んで、そば湯で仕上げに入る。たっぷり残ったつゆを器に少し入れてそば湯を注ぐ。4回これを繰り返して席を立った。
そば屋に酒が切り離せないことも、落語で江戸っ子がそばの食べ方にうるさいのも、やぶそばなら納得できる。右隣のおじいさんたちは昼食の客が全員いなくなっても呑み続ける気配。今度は銀髪が羨ましく思う番だ。
帳場に勘定を払いに行くと、唄うように客の注文を調理場に告げている女性がいた。背中で聞いて不思議に思っていた声の主は意外と若かった。
のん兵衛にはやぶそばがいい。
かんだ やぶそば
東京都千代田区神田淡路町2-10
03-3251-0287
http://www.yabusoba.net
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2007年12月10日
[神田まつや](神田)
下町の風情漂う江戸前の手打ちそば屋

友人が10kg超の減量に成功して別人のようになった。聞けばカツどん、ラーメン、カレーライスをローテーションしていた昼食をそばに代えた結果だと言う。同世代の仲間の訃報が続いてダイエットを一大決心したそうだが、そばのお陰で達成された。2年ほど前にやはり10kg超の減量に成功した友人がいたが、これも昼食のそばを続けたそうだ。
暴飲暴食が続く時節柄、昼はそばにしようと思い立った。日本橋から神田やぶそばまで早足で歩いた。11時10分に到着したが開店は11時半。寒風の中で10分以上待つのはつらい。一瞬迷ったが、すぐに近くの神田まつやを思い出した。やぶそばに負けない歴史のある店だ。こちらの開店は11時。暖簾をくぐると既に半分以上の席が埋まっていた。

600円のもりそば1枚で済まそうかと迷ったが、てんぷらそば(1,900円)の文字が怪しく誘う。グルメ紀行のためだと自らを説得して天ぷらを足すことにした。天ぷらはそば屋を評価する重要な食べ物だ。加えて、帰りも歩けば余分なカロリーは消耗すると屁理屈をこねる。
右隣のテーブルに腰が少し曲がった女性が座り、もりそばを一枚頼むと同時に硬貨を店員に渡した。お勘定は後のはずだがお金を出す方も受ける方も自然だ。常連客に違いない。
さらに向こうのテーブルに銀髪よりちょっと年長の男性が座った。「日本酒を冷で」と頼んでいるのが聞こえて心がかき乱された。逡巡しているうちに天ぷらそばがやってきた。
立派なえび天を口にした途端、やっぱりビールを頼もうと思ったが自制した。もりそばだけの予定を天ぷらそばにしただけでも後ろめたさは残る。銀髪も大人になったものだ。
衣が厚くてそば屋の天ぷららしい。そもそも天ぷら屋でこんな大きなえびは使わない。それにしても上品で美味しい天ぷらである。

国産の小麦粉を使った手打ちそばは、卵をつなぎにしているそうだ。つゆは思ったほど濃くも辛くもない。そばの通ではないのでよく分からないが、みんなが絶賛するそばだ。

相席になったカップルのところにもそばがやってきた。男性の前にはもりそばが一枚。通を気取って2枚頼むのを見ていたが、半分食べ終わった頃にもう一枚がやってきた。店の気配りが憎い。女性は気取らず温かい汁そばを食べる。食べたいものを食べるのが一番賢い。外は寒いのだ。
そば湯をあらかた飲み干して勘定を払った。おばあちゃんはとうの昔に消え、おやじはまだそばで酒を呑んでいる。出口近辺でも酒盛りしているお年寄りがいる。店と客の調和が絶妙で見ているだけで楽しい。
神田まつや
東京都千代田区神田須田町1-13
03-3251-1556
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2007年12月01日
[野田岩](日本橋高島屋店)
日本橋高島屋の特別食堂で鰻を食べる

福岡に住んでいた子供の頃、デパートに行くときは白いシャツと紺の半ズボン、よそ行きの黒い靴を履いて出かけたものだ。もちろん頭は坊ちゃん刈り。最大の楽しみは大食堂のお子様ランチ。三丁目の夕日を見ると、東京っ子も銀髪と五十歩百歩だったようだ。
初めて日本橋の三越や高島屋を見たときは、その重厚な建物・雰囲気に圧倒された。しかし、お子様ランチを世に広めた名門デパートにはもはやお子様ランチを売り物にする大食堂はない。
日本橋高島屋の大食堂は12時前に中高年で埋め尽くされる。出店しているのは帝国ホテル、大阪の老舗料亭・大和屋三玄、五代目野田岩。子連れのファミリー客が来るところではなくなった。個室にこだわらなければお客様との食事にうってつけである。席の間隔は広いし、サービスも行き届いている。なにより料理の選択肢が多いのがいい。
客はメニューを渡されて何を頼むか迷う。選択肢の多さではなく、値段が張るのでこちらの予算を計りかねているためだ。そこですかさず「野田岩のかさね重がお奨めですよ」と助け舟を出す。4,410円の値段を確認したら他の料理を食べるにしても、こちらの腹積もりが分かり選びやすい。しかし、殆どの人がお奨めに従う。かさね重は群を抜いて魅力的である。

立派なお重を開けば野田岩名物の志ら焼が上段にある。これを食べるにはもちろんビールが欠かせない。続けて日本酒に行きたいところだが、誰もお付き合いしてくれそうもないので我慢する。他のテーブルを見たら昼寝を出来る特権階級はしっかり人生を楽しんでいる。彼らに比べればまだ小僧っ子の我々は、昼の仕事を考えざるを得ない。
野田岩は麻布にある160年以上も続く老舗のうなぎ屋。本店では天然うなぎを使うというが、高島屋店はどうだろうか。
うなぎの蒲焼は煙だけでご飯が何杯も食べられると落語のネタにもなるが、デパートの調理場から煙は届いてこない。やはり、夜に本店に食べに行きたいものだ。酒も我慢しなくていい。
特別食堂は高齢化社会にもしっかりマッチしていくだろう。しかし、特別食堂では、目を輝かせてお子様ランチが来るのを待っていた自分の姿を見つけることができないのが、ちょっと淋しい。
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2007年11月17日
[元祖へんくつや]&[ふくちゃん] (広島)
広島での昼食はお好み焼き

広島風お好み焼きはどこで食べても同じのように見えるが、微妙に異なる。今回は駅から少し離れた繁華街に行ってみた。
お好み焼き屋が集まる新天地付近、早い時間なのでガラガラの店が多いけれど、ほぼ満員の店もある。どちらに入ったかは言うまでもない。

肉、そば入りを頼んで出来上がるまで店の中を見回すと、自家製のお好み焼きソースが目に止まった。オタフクソースを使わないこだわりに期待してしまう。

一口食べて生麺を使っているのが分かった。カウンターの向こうを覗くと確かに生麺を茹でている。広島駅ビルの「麗ちゃん」と同じで、ここにもこだわりが感じられた。蒸し焼きにしているせいか出来上がりも早い。ソースはちょっと辛めで好みの味だ。
同じ通りを西に進むとふくちゃんがある。

こちらはビニール袋を破り蒸し麺をそのまま生地に乗せて水をかける。野菜はへんくつやより圧倒的に多い。丸くて重い鉄板で押さえつけ、一見したところ雑なお好み焼きの完成するまでかなりの時間を要した。