2008年12月26日

[安兵衛](日本橋室町)

冬はおでんで決まり!


日本橋三越を越えて神田方面に歩くと路地の向こうに飲み屋が見える。いつか行きたいと思いながら、果たせなかった店が安兵衛である。銀座の高級割烹もいいが、のん兵衛にとっては路地の古びた店は抗しがたい魅力がある。やすベー、いい響きだ。

機会は突然やってきた。客を迎えに行ったらダブルブッキングで宴席がキャンセルになった。嘆いてはいられない。すぐに安兵衛のことが頭に浮かんだ。部下と一緒に早足で歩く。ドアを開けて店内を見回すとまだ半分ぐらいの入り。ヤッタネ! おでんのカウンターに真っ直ぐ歩いて行った。

お通し、おでん

頼んだ料理が出て来るまで、目の前のおでんを少し貰うことにした。銀髪は大根と玉子。部下は大根とはんぺん。「崩れてしまっているから」と部下の皿に大根が1つ余計に入った。銀髪は不公平にむくれたりしない。すかさず半分取り上げて口に運ぶ。口の中ですぐに溶けてしまった。あー美味しい。

鳥の唐揚げ、玉葱の天ぷら

部下が頼んだ2品は少しだけ口にした。脂っぽいものが出てきたら怯んでしまう。「お前も、そんなに若くないんだぞ」と言いたいところだが、止めにした。残ったらもったいない。気持ちよく平らげてもらおう。

赤むつ

割烹らしいものを頼もう。高級魚の煮付け3,000円が一番高い料理。「頭と尻尾、どっちがいい?」と優しい銀髪。「尻尾の方がいいです」と答える可愛い部下。あー幸せ。

最後はおでん。隣に座った3人組は酒もそこそこにおでんばかり食べている。いつの間にか目の前の鍋は半分以上なくなっている。振り向くとテーブル席も満席。熱燗も7本飲んだので、ぼちぼち席を空けてあげよう。稼ぎ時にダラダラしていたら店に嫌われる。

安兵衛は昭和5年創業の店。割烹というより居酒屋の方が似合っている。料理は男っぽく、店の雰囲気も男の世界。パッと見は小さな店だが、総席数が100席もあるので大きな宴会も可能だ。カウンターから見える調理場が大きいのも頷ける。

気楽に食べて呑んで、おやじたちには都会のオアシスである。

割烹 安兵衛
東京都中央区日本橋室町3-2-13
03-3241-2855

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2008年12月16日

[モリタ屋](丸の内)

京都肉屋さんのすき焼きは美味い!


「魚より肉がいい」と女性陣からの意外な要求。男どもより女性の希望が優先であるが、一人鶏肉が食べられない奴がいる。豚より牛肉の方が喜ばれるのは間違いなく、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキと選択肢は多い。仲居さんが取り分けてくれる店がいいけれど、銀座では予算が合わないので頭をかかえた。

ネットでようやく見つけ出したモリタ屋は丸ビルにありながら最高価格が11,550円。少し不安だがもともとは肉屋だというのが決め手になった。35階の皇居が見える席に7人が揃った。オーダーしたのはすき焼き4人前、しゃぶしゃぶ3人前。卵やごまだれ、ポン酢だれは7つずつ用意してもらった。

先付け(五種盛)、和牛たたき、和牛刺身

先付けの後はたたきか刺身を選ぶ。ばらばらに頼んで味見をした。どちらもきれいにサシが入り、美味しい。店の選択に自信が出てきた。

すき焼肉、しゃぶしゃぶ肉

厚めのすきやき用の肉、薄めのしゃぶしゃぶ肉、どちらも美しい。みんなの目が一層輝いてきた。仲居さんがすき焼きなべにざらめを敷いて、肉を乗せた途端に甘い肉の香りが我々を魅了した。

すき焼き

これは美味い!味の記憶が薄れてしまったけれど、人形町「日山」や松阪「和田金」よりも美味しい気がする。一人分2枚で150gというボリュームを感じさせない。すき焼き派の4人から分けてもらったのが申し訳なく、いやいや、もっとすき焼きを食べたくて肉を追加した。

しゃぶしゃぶがかすんでしまった。野菜も豆腐もしらたきも、すき焼きが美味い。しゃぶしゃぶの鍋は退場してもらって、うどんもすき焼き鍋に入った。

モリタ屋は明治2年(1869年)創業、牛肉の卸・小売に始まり、昭和50年に直営牧場を開設、レストラン経営へと進んだ。京都四条猪熊の本店のメニューを見ると、丸ビル店より遥かに安い。京都和知牛の美味さを堪能できる価格設定だ。

丸ビル店で余計に払った夜景代が惜しくなった。景色なんてすぐに飽きてしまうので、どうせなら肉代に費やすべきだったと後悔した。


モリタ屋
東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング35F
03-5220-0029
http://www.moritaya-net.com

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2008年11月27日

[松木家](渋谷)

渋谷で老舗の東京風すきやきを


道玄坂を上がり交番前から右に折れて神泉方向に少し歩くと右手に松木家のビルがある。通りから見えるのはショットバーで、短い階段を上がってドアを開くと店の右手がレストランになっている。奥の座敷席は宴会客で一杯。我々はテーブル席に案内された。

「すきやきとしゃぶしゃぶ、どちらがお奨めですか?」と仲居さんに聞いても、「お客様のお好みですから」と言われると会話はどうどう巡りするだけ。甘いのが苦手な銀髪でも、隣のテーブルから流れてくるすき焼の匂いに気持ちが乱される。箸袋を見たら松木家の上に「すきやき」としか書いていないので、すきやきに決めた。

前菜

「上すきやき」と告げると、仲居さんはすぐに引っ込んでしまった。牛肉料理以外にも料理はたくさんあり、すきやきの前に何か頼もうと思ったのに肩透かしを食った格好。戻ってきた仲居さんの手には料理が2品。メニューを見直すと、7,000円の上すきやきには前菜とデザートがついていた。これだけで充分だ。

立派な霜降りの近江牛がやってきた。料理はすべて仲居さんがやってくれるので楽チンだ。卵はこだわりの栃木県矢板産。「箸で持ち上がるんですよ」と言われても、ちょっと遅かった。既にかき混ぜてしまっている。しかし、美味しい卵であることはよく分かる。肉と卵のハーモニーが抜群。すきやきにして本当に良かった。実に美味い。

「この店はいつからやっているんですか?」と聞いたら「120年以上前です」と言うので驚いた。渋谷の現在地に移転してから既に70年、元は浅草にあったそうだ。
ますます、すきやきにして良かったと思った。松木家の看板料理は昔からすきやきで間違いない。しゃぶしゃぶは大阪の永楽町スエヒロ本店の先代店主が昭和27年に考案したものらしいから、60年足らずの歴史しかない。

ごはんかきしめんかを迷ったが、きしめんにして正解だった。鍋の残り汁をタップリ吸ったきしめんをこだわりの卵につけて食べて大満足。でも、次回はごはんに乗っけて食べてみたいかも。

日本酒の品揃えも良く、食べ終わったらバーに移ってもいい。なかなか美味しい松木家だった。


松木家
東京都渋谷区円山町6-8
03-3461-2651

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2008年11月11日

[よかろう門](渋谷)

なかなか美味しいもつ鍋屋


気のせいかもしれないが、渋谷は鍋料理の店が多い。勘違いを恐れず更に分析すると、渋谷は若者が多い街だからと思い立つ。文化村通りやスペイン坂を歩くと水炊きやもつ鍋のように安くて腹が一杯になる鍋料理の店が目に付く。高級ふぐ店は見当たらない。若者だけでなく、銀髪も安心して入れる。

近くにもう一軒もつ鍋屋があったが、よかろう門の方を選んだ。店に入ると意外と広く、早い時間なのに半分くらい席が埋まっていた。狭い席に通された挙句「混みあってきたら2時間で〆させていただきます」と強気だ。

お通し、酢もつ

まぐろの山かけがお通しとはもつ鍋屋らしくない。福岡の有名店「やま中」に行って以来、もつ鍋屋ではまず酢もつを頼むのが定番になった。鍋よりも店によって特徴があるのが酢もつだ。よかろう門のものは万人向けで食べやすい。

鍋、ちゃんぽん

「どれがお奨め?」と聞いたら「味噌を頼む人が多いですけど、博多では醤油が普通らしいですよ」と言う。確かに彼女の言うとおりだ。やま中でも醤油味を食べた。出てきた鍋に入っているもつが立派で感心した。

キャベツ、ニラ、ゴボウ、などの野菜がしんなりして食べ頃になった。連れが美味しいを連発する。店員の強気もまんざら大袈裟でもないようだ。他の料理を頼もうか迷ったが、柚子胡椒入り餃子と追加の野菜を鍋に入れることにした。〆にちゃんぽん麺で腹を満たした。

隣に若いサラリーマンが二人。鍋をつつきながら白いご飯を食べている。彼らの向こうに若い女性の二人連れ。飲んでるのはウーロン杯だろうか。お互いのテーブルがくっつくことはなさそうだ。座敷には男女のグループ客が数組。店内はほほ満席だが追い出されるほどではなかった。

本社は福岡というだけあって、本場の味に近くてなかなか美味しかった。店舗は渋谷店の他に赤坂にもある。福岡の赤坂かと思ったら、東京港区の赤坂。福岡の店を閉め、東京に進出して4年目に入る。頑張れ、博多っ子というところかな。


よかろう門
東京都渋谷区宇田川町26-11 白馬ビル3F
03-5458-2198
http://www.yokaroumon.jp/index.php

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2008年11月06日

[黒豚庵](新宿3丁目)

鍋が美味しい季節になりました


新宿通りに立ちグルッと見回す。各ビルに飲食店の袖看板が光る。日が暮れるのが早くなって、看板が目立つようになった。木曽路、月の雫など見慣れた店は除外して行ったことがない店を選んだ。

黒豚=美味しいというイメージは浸透している。黒毛和牛からの連想で日本独自の豚と思っている人も多いが、イギリスのバークシャー種の豚で純粋な外来豚である。「鹿児島産黒豚」の宣伝が成功したのだろうか。お陰で黒豚に庵をつけるだけで美味しい店のように感じる。

からし蓮根、からすみ

熊本のからし蓮根、長崎のからすみ、大分の椎茸、博多の明太子、鹿児島のさつま揚げ、きびなご刺し身など九州出身者が喜ぶ料理が揃えてある。からし蓮根はしっかり辛くてなかなか良かった。高級品のからすみは上手に薄く切ってある。880円なら仕方ない。

黒じょか、さつま揚げ

鹿児島なら芋焼酎が定番。黒じょかを使うとは珍しい。あまり美味しい焼酎ではなかったが、気分は充分味わえた。鹿児島の名店から取り寄せたというさつま揚げは評判が良かった。

黒豚しゃぶしゃぶ

2人前の肉は思ったより少なく見えた。野菜で底上げされている。もっとも、肉をつまむとしゃぶしゃぶ用にしては厚い。肉質は柔らかいので厚いほうが味があっていいかもしれない。たっぷりだしが出たスープに麺を入れ、別途持って来てくれた塩ダレで食べた。これは気に入った。

テーブルのボタンを押すまで店員はやって来ない。まだ入ったばかりという韓国人店員のサービスはお粗末だが、一生懸命さで救われる。週初とはいえ客はまばら。こんなんで広い店を維持できるのかなと心配するのは無用。黒豚庵は年商300億円を越す日本レストランシステムの系列店。ドトールコーヒーもグループ企業の一つ。

繁華街の一等地のビルには大型チェーン店が殆ど。ビルのオーナーが大手を選ぶのは当然だろう。内装、料理の質は悪くない。価格とサービスはファミレス並みという店が目抜き通りに並ぶことになる。初めて入る店でもぼったくられることはない。迷ったら目抜き通りにある大きな店に入るのは、無難な選択と言えるかもしれない。

黒豚庵 新宿東口店
東京都新宿区新宿3-17-5 新宿ニユー富士ビル3F
03-3358-1331

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2008年09月05日

[いのこ家](新宿3丁目)

蒸し豚と豚ヒレ寿司


目指す店はマルイシティ8階にある。予約していないので、満員のエレベーターの全員がライバルに思えてしまったが、7階で不安は一掃された。そこには映画館があった。
エレベーターは我々だけになり、「いのこ家」に入ったのは我々だけだった。それでもカウンター席以外に選択の余地はなかった。ギリギリセーフに胸をなでおろした。

傘も荷物も預かってはくれないカジュアルなお店。目的にしていた2品、「蒸豚しゃぶとしゃきしゃき野菜セット」「豚ヒレ握り寿司」を頼んでから、メニューを見詰めた。枝豆のようなすぐ来そうな料理が見当たらない。店員に聞くと「混んでいるので、どれも時間がかかります」と素っ気無い。お通しがあるからいいやと思ったが、結局来なかった。席料目当てのつまらないお通しに腹が立つときもあるが、何もなければ手持ち無沙汰ではある。

豚ヒレ握り寿司

幸い、一杯目のビールを飲んでいるうちに寿司がやってきた。炙りはレアの状態で少し赤身が覗く。北海道の直営農場で育てたSPF豚は生でも大丈夫とのこと。塩味が程よく、予想したより美味しかった。

蒸豚しゃぶとしゃきしゃき野菜セット

我が家でもよくやる豚肉と野菜のセイロ蒸し。違いは豚肉の質というか安心度。野菜の上に薄切りの豚肉を乗せて、再び蓋をして30秒。レアの状態でも食べられるのは握り寿司で証明済み。2種類のロース肉は美味しく、蒸し野菜を食べればヘルシーな気分になった。

雑炊

蒸し器の下の鍋には肉や野菜のエキスが滴り落ちる。その鍋に出来たスープを使って麺か雑炊を最後に食べるのが定番。ヘルシー料理にこだわって雑炊を選んだ。

雑炊を食べ終わる頃には入り口で待つ人も出て来た。映画が終わる頃にはもっと列が延びるだろう。リーズナブルなワインや、果汁タップリのジュースなど、若い女性向けの飲み物は豊富だが、オジサン向けの酒の品揃えは貧弱。長居は無用のようだ。

家に帰り、体重計に乗ったら蒸し豚野菜の効果てきめんだった。メタボに悩むオジサン向けの店も開いてみたらどうだろう。もっとも、後でこっそりラーメン屋に行くようでは逆効果。それが我慢できる人なら、最初からメタボになることはない。


いのこ家
東京都新宿区新宿3-1-26 マルイシティ新宿City-1 8F
03-5362-0158
http://www.inokoya.co.jp/

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2008年09月02日

[火鍋厨房 銀座 麒麟](新橋)

残暑は辛い鍋で乗り越えよう


業界の有名人F氏と初めての会食を企画した。別の友人I氏も誘った。どこで食べるか散々悩んだ末に、一番分かりやすい場所を選んだ。機関車広場の前にある、ニュー新橋ビルなら迷いようがない。

少し早めに到着したら、既にI氏は席についていた。一番遠くからやってくるF氏は多分遅れるだろう。料理を決め、ビールを飲み始めた。料理が運ばれてきた時にタイミングよくF氏も到着した。

お通し、ザーサイ、焼餃子

銀座にある「麒麟」は立派な中国料理を出す店である。系列である新橋の店は、遥かに大衆的な店だ。銀座店はビルを丸ごと使う大きな店で、ちょっと高級な感じ。大衆店故に場所を変えて一線を画するのも分かるような気がする。もっとも、火鍋専門店ながら小皿料理も豊富で、リーズナブル。サラリーマンが気楽に入れる店で、なかなかいい。

三色鍋

二色鍋の店は結構あるが、三色鍋は初めて。白湯と豆乳の塩味スープ、四川風の辛味と山椒の効いたスープ、干し海老風味の旨みスープの3つに分かれ、それぞれに合わせてつけだれも3種類ある。


みんな銀髪グルメ紀行のことを知っているので、具が到着する度に皿を持ち上げて写真を撮らせてくれる。気の毒なので、ほどほど撮ったところでカメラはバッグにしまった。後は食べることに専念するのみ。

論客のF氏の話はとても参考になった。頃合いを見計らって、こちらの意見も述べる。同意できる部分が圧倒的に多いが、ぶつかり合うものもある。食べるのに専念するつもりが議論に熱中して、スープが蒸発してしまう。何度か注ぎ足してもらったものの、議論は沸騰したままである。

鍋はなかなか美味しかったが、ゆっくり味わう会ではなくなった。若いときには上司や会社の悪口だけでなく、天下国家も含めて偉そうに議題にしたものだ。久し振りの議論満載の食事は面白かった。F氏と別れた後も、頭の中で論点を何度も何度も反芻した。酔いが醒めると、記憶もなくなってしまいそうで怖かったからだ。

火鍋の薬膳効果のおかげか、翌日は体も脳も快調。もちろん口も滑らかだった。

火鍋厨房 銀座 麒麟
東京都港区新橋2-16-1
03-3502-0039

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2008年08月29日

[和田金](松阪)

念願の松阪肉すき焼の元祖


「和田金に行ったんだよ」と自慢したい気持ちをグッと抑えながら言っても、「ワーッ!いいなー」と羨ましがる人は居なかった。都内を走る電車に広告を出しているにもかかわらず、明治初期に創業した松阪を代表する老舗料理屋の名を知る人は意外と少ない。

それでも、和田金に来る人の過半は観光客のようだ。吊り広告も決して無駄ではない。道路拡張の影響で取り壊しを余儀なくされた和田金が、近代的なビルの大店に生まれ変わって20年以上になる。旅館を思わせる入り口で靴を脱ぎ、エレベーターに乗る。部屋に入ると一転、古民家の座敷を思わせる雰囲気になる。部屋の真ん中に炭火のテーブルがデンと構える。

さしみ、たたき、タン

次はいつ来れるか分からないので、いろんな部位、料理を食べ比べすることにした。赤身の分厚い刺身、まだ凍ったままのタンよりも、表面を炙ったたたきが一番美味しかった。
他の人たちにタンは溶けるのを待って食べることを奨めた。口の中でとろける美味しさに変わる。

ロースステーキ

和田金で一番高いメニューだけあって、とても美味しい肉だった。柔らかいが脂っこくない。

あみ焼、すき焼

3人なので、あみ焼とすき焼を1.5人前ずつ用意してもらった。あみ焼は醤油だれを塗って照り焼き風に食べる。しかし、何と言っても看板料理のすき焼が美味い。仲居さんのゆきさんが調理してくれるので楽チンだ。割り下を使わない関西風のすき焼きは、たくさんの砂糖をかけるのに驚くが、ご飯によく合う。酒飲み達も、盃を置いて食事に没頭した。

和田金は但馬牛の雌の仔牛を買い、自社の牧場で育て、処女牛として客に出す。この日に食べたものを見る限り、サシが少なく脂っぽくない。和田金が理想とする牛肉の質が分かる。和田金の肉の内臓類がどこに卸されるか、誰もが知りたがるが企業秘密になっている。びっちりサシが入った部位も、どこかに転売されるのかもしれない。

看板のすき焼は8,400円で食べられる。銀座で食べるよりはるかに割安である。炭火を使った昔ながらの調理法を見るのも結構楽しい。仲居さんに学びながら、ときどき仲居さんを茶化しながら食べるのがまたいい。10%の奉仕料も納得できる。

若い女性が大好きな客も、おいしいく食べさせてくれたゆきさんに文句は言えないだろう。和田金で35年のベテランが、いい味を出す老舗だった。


和田金
三重県松阪市中町1878
0598-21-1188


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2008年08月01日

[酉十郎](渋谷)

水炊きを安く食べられるお店


スペイン坂近くの渋谷は若者で溢れていた。人混みを見ているうちに、入れる店があるかどうか焦ってきた。5分ほど歩き、「美味しくて、リーズナブルで、大人の店」の条件に合いそうな店を見つけた。名前からして子供が来そうにない店だ。

階段を上がり、店に入って予想以上に閑散としているのに驚いた。意外に広い店内に先客は1組だけ。「今週から会社員は夏休みにはいったのでしょう」と店員はのん気だ。焼き鳥でも食べようと思って入ったが、お奨めは水炊きとのこと。冷房が効いた店内なら熱い鍋も問題ない。

お通し、とりわさ、茶豆

鍋を始める前に鳥皮のお通しだけでは寂しいので、とりわさと茶豆を頼んだ。鳥皮と茶豆はよく冷えていた。冷蔵庫で出番を待っていたようだ。半分食べたところで鳥皮は鍋に入れることに決めた。とりわさも余ったら鍋行きと決めていたが、なかなかいい味だったので食べつくした。

水炊き

大山地鶏を8時間煮込んで作ったというスープは近くの「華善」よりも濃厚に見えた。コラーゲンを鍋に入れると瞬く間にスープに溶け込んだ。スープに京都の黒七味を入れるだけで美味しく飲める。塩味がついているようだ。

具は華善より貧弱だ。華善では女性店員が鶏のつくねを目の前で作ってくれるなど上々のサービスだったが、酉十郎では期待を裏切られた。華善の3分の2の値段では具材の質量と共にサービスが劣っても仕方がないかもしれない。

最後に雑炊用のご飯を貰った。女性店員が水洗いしたご飯と生卵をテーブルに置いて無言で去って行った。こんな時、女性が居たら料理上手をアピールできるチャンスだが、その役目は銀髪に回ってきた。上手に出来て自画自賛だったが、喜ぶべきか悲しむべきか。

勘定をする際に「鍋はいかがでしたか?」と店長らしき男が笑顔で聞いた。「美味しかったよ」と答えたものの、未だに満席には程遠い店内にもかかわらず、手持ち無沙汰そうに立っている店員への不満は飲み込んだ。

送り際に見せた店員たちの笑顔は善人そのもの。華善のようにコンサルタント会社に運営委託すれば、見違えるような店になるに違いない。サービスの何たるかを学べば、笑顔はもっと輝くだろう。客が喜べば、アルバイトだって仕事が楽しくなるに違いない。

酉十郎
東京都渋谷区宇多川町12-7 エメラルドビル2F
03-3464-1016

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2008年07月28日

[小肥羊](新宿)

本場中国で700店以上展開する火鍋専門店


中国人の友人から「今度美味しい火鍋の店にご招待しますよ」と言われて数ヶ月経った。日中を忙しく駆け回っている彼に、「あの約束はどうなったの?」とは口が裂けても言えない。ずっと待つつもりでいたが、以前入ろうと思った店がその店だと気が付いた。もう止まらない。

辛いスープと普通の鶏ベースの白濁したスープのコンビネーションは他の店と同じ。但し唐辛子が表面を覆ってスープが見えないような大辛を選べるのが面白い。飲んでみると意外と辛くなくて拍子抜けした。

1999年に中国内蒙古で設立された小肥羊は今では700店舗以上展開する中国第2位の外食チェーン店になったという。昔、中国の料理店のイメージは小さく汚いものだったが、経済発展著しい今の中国らしく小肥羊も立派な造りの店だ。加えてサービスも実に中国らしい。食べ方の説明も料理の説明もない。客に笑顔を見せないで、料理を置くときの素っ気無さも見事に輸入されている。

最高級のラム肉を頼んだ。芸術的なまでに薄く切られている。しばらく鍋に泳がすと、どこに行ったか分からなくなる。練り物類は凍ったまま出て来るので、煮えたぎったスープを冷ますのには好都合だった。

箸休めに串焼きを食べた。店員に意見を求めたが要領を得ないので自分で判断した。ピリッとしてなかなかのものだった。これも冷凍なのかな?

大したことはないと思っていた辛いスープは食事の終り頃には凄く辛くなった。白湯スープと調節して何杯も飲んだ。あれこれ追加の具を頼むより健康に良く、値段も高くならない。せっかくの薬膳スープだ。具の旨みの染み出しでさらに美味くなったものを残すのはもったいない。

火鍋の店は多いが、それぞれ特徴があって面白い。どれがいいかは各人の好み。暑い夏を忌み嫌うよりも、熱い鍋で体脂肪を燃焼させよう。痔を患っている人はちょっと注意!


小肥羊
東京都新宿区歌舞伎町2-26-3 アミモトビル2F
03-3208-7727
http://www.hinabe.net/

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2008年07月09日

[華善](渋谷)

リーズナブルに食べる華味鳥


渋谷を歩いていたら「華味鳥使用」の看板に目が止まった。銘柄鳥の博多華味鳥を使う水炊き屋は、東京では銀座の直営店「華味鳥」だけだと思っていた。ふらふらと看板につられて店に入った。

元気に、丁寧に、感じよく、若い店員に迎えられた。店内に客はまばらだがほぼ予約で一杯とのこと。何とか席を確保して早速「銀座の華味鳥と関係あるの?」と謎解きに入った。案の定、系列店とのこと。しかしコース料理(6,000円~)を頼まなければならない銀座に比べると、単品でもOKでお手頃値段と嬉しい店である。

お通し

お通しは酢もつなど水炊き料理の定番品。2品で500円とは良心的だ。鍋が来るまでもう一品あれば足りる。

唐揚げハーフ

メニューには銀座華味鳥にはない単品料理がたくさんある。唐揚げは予想と違った形で出てきた。鉄板をテーブルに置くなり店員が鳥を切り分けようとするので慌てて制してパチリ。キャベツの下には卵が潜んでいた。卵に鳥をつけても美味しいが、キャベツと混ぜ合わせて食べるのが子供の頃から大好き。大衆店っぽくていいなー

水炊き

コラーゲンタップリのスープは博多も銀座も渋谷も変わらない。若い女性店員が食べ方を説明してくれる。「最初はスープだけ飲んでください。塩とねぎを入れて…」銀髪の方がよほど流暢に語れるが、我慢我慢。終わるまでちゃんと聞いてあげた。ハイ、よく出来ました!2杯目からは自分で作る。胡椒を入れると格段と飲み易くなる。

今度は正肉、レバー、心臓を、そしてコネコネして挽肉を鍋に入れてくれる。野菜と共に浮かぶのはコラーゲンたっぷりのスープの塊。殆ど溶けたところで混ぜようとしたら、相方に止められた。薄まる前にお腹に入れると言う。女性はコラーゲンと聞くと目の色が変わる。

最後にちゃんぽん麺を食べて大満足。唐揚げが650円、鍋が5,900円(2人前)、これだけで充分だ。華味鳥よりはるかに安く済んだ。店員もこちらの方がきびきびとしてよく働く。日本橋本町、新宿、赤坂にも店があるのでこれからは華善にしようと思った。

店を出たところで店長が追いかけてきて名刺をくれた。後でよく見るとマウントウィナーズ株式会社(http://www.mtwinners.jp)とあり、渋谷と赤坂の統括マネジャーとのこと。どうやらこの会社が運営を任されているようだ。ホテル業界ではよくある方式だが、飲食業も同様なシステムがあるとは知らなかった。店員教育が行き届いているはずだ。

誰がやっていようが気持ちよく食事ができればそれでいい。渋谷の華善には満足した。

博多華善 
東京都渋谷区宇田川町35-4 オークヴィレッジ2F
03-5784-3787
http://www.hanamidori.net/hanazen/index.php

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2008年05月21日

[ゆるり屋](渋谷)

27種類もの鍋がある店


鍋専門店の文字に吸い寄せられた。鍋を売りものにする店は多いがせいぜい4~5種類。塩、味噌、醤油、キムチなど味が変わるだけ、または味は一緒で具材が変わるだけの店が多い。
ゆるり屋はそんな常識を超えていた。メニューを開いて驚いた。

添え書きと共に半分ほど読み進んだところで嫌になった。店員を呼んだら若くて美人に属する女性がやってきた。高めだけども、一番最初に書かれた2,800円のつみれ鍋を奨められたら従うことを内心決めた。ところが奨めてくれたのは1,800円と2,300円のちりとり鍋。何と商売っ気がないのだろう。見栄を張って高い方を頼んだ。美女には弱い。

ゆるり屋のサラダ、じゃこねぎ豆腐

鍋が煮える前にすぐ出て来る2品。健康に気遣って野菜中心にした。安くてなかなか美味しい。

豚ばらのちりとり鍋

何故ちりとりなのか疑問に思ったが、鍋の形状を見て分かった。土鍋ではない鉄板鍋はまるで塵取りのようだ。大阪市生野区の万才橋にあるホルモン焼きの店が発祥の地で、ちりとり鍋はそれなりに知られている鍋とのこと。味噌ベースがお約束である。
たっぷり乗った唐辛子に怯えてはいけない。これだけあっても殆ど辛くない。

ちゃんぽん

最後にちゃんぽんを食べた。これが美味しい。

ゆるり屋は全国に300店以上展開するレストラングループ・際コーポレーションに属するだけあって、非常に居心地がいい店作りをしている。鍋以外の料理や酒も充実している。

店内には若者のカップルが多いが、熟年世代にもアピールすべきだ。鍋は多種の材料がいるので、子供が自立して2人だけになった家庭ではやり辛い。中高年夫婦二人向き合って鍋をつつくのはいかがだろうか。意外と話が弾むかもしれない。

「夫婦円満の秘訣はできるだけ一緒にいないことだ。向き合って食事なんてとんでもない!」という人の意見はもっともだと思わないではないけれど…


ゆるり屋
東京都渋谷区円山町5-18道玄坂スクエアビル2F
03-6415-1596 
http://www.kiwa-group.co.jp/restaurant/l2-a3-ak19_a100331.html

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2008年05月19日

[博多もつ次郎](新宿3丁目)

行列が出来る店の隣の店


新宿で人気の串揚げ屋に行った。予約を取らないので直接出向くしかないが、心配したとおり店の前で何組も待っていた。銀髪の喉は一刻も早くビールで潤おされることを望んでいる。決断は早く、隣の店に飛び込んだ。

にこやかに迎えられて気分がいい。正社員かアルバイトか分からないけれど、きびきびとした接客が心地よい。

お通し、博多餃子

お通しは定番のキャベツ。キャベツをつける味噌ベースのものに工夫が見られる。博多で色んな店で餃子を食べたが、これといって共通するものはない。もつ次郎の餃子は博多で食べたどれにも似ていない。

銀髪の後に入った2組で満席になったようで、予約していない客が入り口で断られているのが見える。行列が出来る店の隣で得していると思ったのは間違いだったかもしれない。

醤助

メニューの最初に載っているのが看板料理と考えて、もつ鍋は醤油味を食べることにした。餃子の皮が乗っているのがもつ次郎風かな。それなりに美味い。期待しないで入ったものの、予想外にちゃんとした料理屋のようだ。

お奨めだと言う肉の刺し身を一度は断ったが、食べてみる気になった。試すとしたらレバー刺しである。

レバー3種盛り

鶏(上)、牛(左)、豚(右)の3種類のレバー。豚のレバーを食べさせるのは鮮度に自信があるからだろう。馬刺しも食べるべきだったかもしれない。

ちゃんぽん

もつも脂が乗ったいいものらしく、素晴らしいだしが出た。〆にちゃんぽん麺を食べた。

隣の店ほど行列が出来るわけではないけれど、なかなか悪くない店だった。いつの日か、隣並に人気になっても、予約は受け付けてくれる店であって欲しいものだ。

博多もつ次郎
東京都新宿区新宿3-34-16 池田プラザビル4F
03-5363-6340

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2008年04月23日

[祢保希 渋谷店](渋谷)

友遠方より来る


大学時代の友人たちと久し振りに飲むことになった。仙台に単身赴任している友人の予定に合わせたので、こちらに選択権はない。緊急・重要な仕事が入らないように願いながら2週間を過ごした。6時15分に祢保希の個室に入ったら4人分がセットされていた。

5分後に幹事が到着したので生ビールを頼んだ。二人で時間をかけて飲んでいる間に何度か携帯電話が鳴った。仙台からの友人が久々の渋谷を迷ってうろうろしているようだ。

煮こごり、どろめ

7時を過ぎてようやく3人で乾杯をすることができた。幹事が前もって頼んでいた料理が運ばれる。祢保希は赤坂店に行ったことがあるので料理はだいたい分かる。どろめとは鰯の稚魚(しらす)のこと。

鰹のたたき、焼き魚の緑豆乗せ

ビールに飽きて冷酒にした。空席に料理が溜まっている。「あいつ、本当に来るの?」と聞かれて幹事が顔を曇らせた時に、「急に仕事が入っちゃって…」と言いながら最後の一人がやってきた。今日三度目の乾杯をする。

桜鯛しゃぶしゃぶ、鯛皮焼きの茶漬け

冬場であれば祢保希ではクエを食べたいが残念ながらシーズンは終わった。今は桜鯛しゃぶしゃぶが人気のようだ。炙った骨でだしを取り、思ったより厚い薄切りの鯛をしゃぶしゃぶする。個々に鯛が乗った皿があてがわれるので、遠慮することも欲張ることもできないのがいい。

話し役、聞き役、なだめ役。何十年経ってもそれぞれの役回りは変わらない。子供の話、仕事の話はめっきり少なくなり、代わりに年老いた親の話が増えた。今日来なかった友人たちの話がもっとも安心できる話題だ。

大学を出て、みんなが初めて結婚する頃を最後に音信不通になった友が何人か居る。気楽に集まるのは誰かの2度目の結婚を祝った連中ばかりだ。
旧交を温めるつもりの会で言い合いになって疎遠になってしまった仲間もいる。あれから20年以上が経つ。水に流したいと思うのは向こうも同じかもしれない。次は必ず引っ張り出そう。

成功している幹事役の友人が勘定を払おうとしたので皆で制した。馬鹿をやった昔を語れる仲間だから集まってくる。あの頃のように、今も割り勘が気持ちがいい。

土佐料理 祢保希
東京都渋谷区渋谷2-17-5 シオノギ渋谷ビル
03-3407-9640
http://www.katsuo.co.jp/

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2008年04月18日

[ろんぢん](松江)

時計屋ではない。島根牛しゃぶしゃぶの老舗料理屋


出雲空港からタクシーに乗り込んだ。「松江駅前のホテルで昼飯を食べよう」と言ったものの、午後の約束まで時間がある。「どこかいいところはないか?」と部下に聞いたら「ありますよ!」と嬉しそうにガイドブックを鞄から取り出した。付箋のついたページを覗き込むと、赤のマーカーがけばけばしい。

携帯電話での会話が長引いている。「どうしたんだ?」と聞くと「高いコース料理しかないので断ろうとしたけれど、来てくれと熱心にお願いされて電話を切らせてくれないんですよ」と言う。仕方がないので行くことにした。

店はシーンとしていた。かなり年齢がいった女性がにこやかに出てきた。「女将さんですか?」と聞くと大きく首を横に振る。さっき電話で押し問答した仲居さんだった。「すきやきはないの?」と聞いたら「うちは高級ですから…」と言う。彼女の頭の中ではしゃぶしゃぶの方がすきやきより上らしい。

胡麻豆腐、島根牛、しゃぶしゃぶ

牛だけでなく、世界遺産になった石見銀山近くで作られる丸餅や博多の職人から伝授されたうどんなど食材自慢をするのに仲居さんは大忙しである。

ほどなくもっと歳を重ねた女性が現れた。女将である。「なぜろんぢんなんですか?」の質問から彼女の細腕繁盛記が始まった。しゃぶしゃぶ屋を始めたのが43年前で、旦那が生きていたときは時計屋だった。ろんじんの名はやはりスイス時計の名門ロンジンから来ていた。家族を養うために時計屋を廃業、現在の店を始めて以来84歳の今も店を取り仕切る。

甘味3種

女将が自ら作ったと言うので、普段はあまり食べない甘味も口にした。我々3人は日本一の和牛と自慢するのを散々茶化したが、合計年齢で遥かに上回る女将と仲居の2人はまったく意に介さず言葉は止まらない。

彼女らの自慢が根拠がないわけではないと分かったのは家に帰ってネットで調べてからだ。あまり聞いた事がなかったが、島根牛は古くから全国の和牛産地へ繁殖用及び飼育用の元牛として供給されてきた。特に有名なのが第七糸桜号という種雄牛で、その子は4万頭にもなったという。各地の銘柄牛のルーツは島根牛かもしれない。

ロンジンは楽しく美味しかった。女将が元気なうちにまた行きたいものだ。

しゃぶしゃぶ ろんぢん
島根県松江市千鳥町(旅館団地)
0852-22-3618

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2008年03月17日

[ひで](渋谷)

テレビでよく紹介されるおでん割烹のお店


「アド街ック天国に出ていましたね」
「それは随分前ですね」
「あれっ?そうだっけ」
「最近出たのは裸の少年ですよ」

そうです、勘違いでした。見たのは確かに裸の少年で、道場六三郎が案内役をつとめていた。実はテレビ放映の前、「あじくら」「に行ったときに前を通り、いつか来ようと思っていた。裸の少年が背中を押してくれた。

お通し

お通しは鶏とわさび漬け、桜餅を模した海老しんじょ。おでん割烹と言うだけあって、品のいい2品を食べると銀座の一流おでん屋を想起させる。カウンターから見上げると、値段の書かれていない料理の札がたくさん掛かっている。懐が心配だ。

かつお

隣の中年客がかわはぎを頼んだ。迷った末にこちらはかつおにした。今年初めてで、久しく食べていない方を選んだ。隣に来た皿には立派な肝が乗っていてちょっと後悔したが、かつおも頗る美味しかったので満足だった。

札の中でソイが気になった。食べたことがあるはずだが形も味も思い出せない。「どのぐらいの大きさですか?」と聞くと「見ますか?」と親切である。カウンターの下からパットを3つ出して、その一つの布巾をはずしてメバルを除けてソイを引きずり出した。そこまで手間をかけてしまったら断るわけにはいかない。お奨めの塩焼きにしてもらった。

おでん

菜の花ととうもろこし、合鴨のつくね、大根、牛すじ、卵、ロールキャベツ。ソイが焼きあがるまでにおでんを食べた。

黒そい、おでん

鯛より美味と言われる黒そい。白身の上品な味である。きれいに食べ尽くしたので、板さんに自慢したいぐらいだったが、忙しそうでなかなか会話が弾まない。

最後にぎんなん、しらたき、れんこんを食べた。おでんの種類はまだまだたくさんあるが、到底食べ尽くせるものではない。次回の楽しみにとっておくことにした。
勘定書がやってくるまでドキドキしたが、酒代込みで1万円しなかった。

銀座並みの値段ではないから何度も気軽に来れそうだ。次回は「ひで」さんが誰か聞いてみよう。


おでん割烹 ひで
東京都渋谷区円山町15-5
03-3461-1701

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2008年03月11日

[Sun-mi高松](銀座)

地獄の沙汰も金次第


仲間内8人で宴会をすることになった。どこに行くか皆に尋ねたら、若手から声が上がった。タイミングよく高松の女将から勧誘電話を受けたばかりとのことで、あっさり行き先が決まった。彼に送られてきていたDMを見て、肉が多めの5,000円のコース、すき焼コースとしゃぶしゃぶコースを4人前ずつ頼んだ。

店はビルの大半を使っており大きい。掘り炬燵式の部屋もあるようだが、我々は座敷の部屋に通された。経験者に倣ってビニールの煎餅座布団を数枚重ねて胡坐をかいた。すき焼鍋を囲む4席がすぐ埋まり、1人が泣く泣く銀髪グループに加わった。

しゃぶしゃぶ肉、すき焼肉

肉が出てきてシーンとなった。「健康には脂が少ない方がいいんだ!」と言う年長者の声にみんな気を取り直した。ビールで乾杯した後、日本酒を頼もうとしたら飲み放題のリストを渡された。このとき初めて飲み放題付きで5,000円のコースだと知った。これでは肉質に文句は言えない。

すき焼

中寄りに座った銀髪に、右側からすき焼がやってきた。堪りかねて嫌々銀髪の左に座った男が箸を持ってすき焼グループに逃げて行った。すき焼を選んだ5人は酒が弱い、肥満、高血圧のどれか、もしくは複数の傾向がある。
すき焼き鍋が噴きあがっても、誰も火を弱めようともせずに黙々と食べている。家事の手伝いをしないのもすき焼き好きの共通点のようだ。

高級肉(しゃぶしゃぶ、すき焼)

年長者が言ったように、脂が少ないコースの肉は食べやすかった。試しに高級肉を2人前ずつ頼んだ。やはりこちらの方が美味い。銀髪もまだ若いと思った。
「やっぱり、違うね」と仲居さんに言ったら、「上のコースだとお肉だけでなく、ポン酢や胡麻ダレも違います」とのたまう。
値段によってつけダレまで品質に差があるとは知らなかった。安いコースを頼んだ我々が悪いのは重々承知しているが、そこまで差別(区別?)しないでいいじゃないかと恨めしく思った。

もっとも、他の連中はあまり気にしていないようだ。すき焼チームは白いご飯をかっ込んで早々と食事を終わらせた。しゃぶしゃぶチームは酒を飲みながらなので、多少時間が長くなる。
最後のうどんが美味しい。デザート付きの5,000円コースを堪能した。


Sun-mi高松
東京都中央区銀座1-5-15
03-3567-8168

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2008年02月29日

[野武士](荒木町)

珍しい雑炊専門店


東京12チャンネルの出没アド街ック天国で荒木町の特集をしていることを気付いたのは午後9時10分頃(2月9日土曜)。大好きな 「鈴なり」が出るかもしれないと思ってチャンネルを変えた。
既にランキングは途中まで進んでおり、番組が終わってから鈴なりが27位にランキングされていたの知ったが後の祭り。

通常、この番組でランキング入りする飲食店は限られているが、荒木町となれば殆どが飲食関係。気になっていた店もいくつかあり、初めて知った店はメモを取った。テレビ放映の余韻が醒めかかった頃に荒木町に向かった。

7時過ぎに桃太郎の扉を開けた。いくつか空席はあるものの、「一杯です」と言われた。有名な寿司金はやり過ごした。お財布が泣く姿は見たくない。与太呂には二の足を踏んでドアを開けられなかった。野武士の前に来た。ガラス窓から店内を窺えるのがいい。番組の影響もなく、客は女性一人のみ。迷いは微塵もなかった。

もろきゅう、鳥の唐揚げ、サラダ

一番奥のテーブルに座ろうと思ったが、真上にあるテレビがうるさい。1つ手前のテーブルに陣取りビールと料理を注文したところで、トイレの前だと気付いた。小さな店だ。仕方がない。
新鮮なきゅうりとジューシーな唐揚げを食べ始めたらテレビもトイレも気にならなくなった。

雑炊

もちろんお目当ては雑炊。具によって種類はたくさんあるので迷ったが、店の女性(主人の奥さん?)の助けを借りて季節物のかき雑炊にした。
ふぐ、すっぽん、あら、あんこうなど、鍋物の後の雑炊にはかなわないがもちろん美味しい。

食べ終わる頃には、いつの間にかカウンターも含めて満席になっていた。入り口で断られている客を見て、慌てて勘定を頼んだ。安い店で長居をしては申し訳ない。
再び店内を見渡したところで、入り口近くの客が食べている器が飯ごうだと気付いた。出没アド街ック天国で取り上げられた理由が、この飯ごうめしだったことを思い出したが後の祭り。

後の祭りばかりで情けない。あー残念!


野武士
東京都渋谷区幡ヶ谷1-9-5 リッツ幡ヶ谷1F
03-3374-9180

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2008年02月27日

[呑々道場](渋谷)

分散より集中の方が得策


道玄坂の北側には神泉駅方面や、東急百貨店周辺などに評判の店が多い。ところが、南側はレストランガイドや口コミサイトを見てもお奨めの店が少ない。ブラブラ新規開拓をすることにした。急坂を上るのは辛いので、マークシティーを神泉方面口から出て坂を下ろうとしたが、すぐにもつ鍋の看板に誘われてしまった。

もつ鍋は温まる、野菜がタップリ、安いなど魅力的な要素が多い。階段を下りて店に入ると客は2組だけ。やはり場所が悪いのか、店が悪いのか分からないが、とにかく挑戦である。

お通し

お通しはホタルイカと小魚。これを炙って食べる。貧弱なお通しだがアイデアは悪くない。

白レバーのたたき、馬肉ベーコン

もつ鍋以外にもメニューにはたくさんの料理が並ぶ。店員の助けを借りて白レバーと馬肉ベーコンを選んだ。この2品はとてもいい出来だ。

右隣に先輩と後輩か、上司と部下か、いずれかと見られる若い男女がいた。元気のいい、可愛い女性だが、よく喋りよく食べる様は恋人同士には見えない。隣のテーブルに次々に運ばれる料理の中で、焼き鳥が美味しそうに見えた。人のメシは白い、隣の芝生は青い。頼まずにはいられない。

砂肝、もも、ササミわさび

焼き鳥は失敗だった。焼きすぎでパサパサ、塩加減もよろしくない。これまで高い評価で進んでいたのに一気にしぼんでしまった。食べ残しを店員に見えないように鍋に放り込んだ。

白呑(味噌)

肝心のもつ鍋は普通。2人前からなので写真の鍋で1,960円。博多もつ鍋というが、福岡の人気店「やま中」に比べるべくもない。やま中にはもつ鍋以外の料理はほんの僅かしか置いていない。もつ鍋に全力を投入しているし、他の料理は付け足しに過ぎない。呑々道場ももつ鍋に心血を注ぐべきで、焼き鳥は評判を落とすだけだ。多品種を揃えると万人に喜ばれそうだが、飲食店に限らず単品商売の方が成功することが多い。

両隣を見る限りもつ鍋の評価は良いみたいだ。右の二人が鍋の材料を追加して大量に食べた後、ちゃんぽん麺を入れた。左の席のカップルも恋人同士には見えない。女性が男性の1.5倍ほどあり、2倍くらい食べる。別の味の鍋に交換して、さらに具やスープを足すのに店員が掛かりっきりである。

それにしてもどうでもいい相手と一緒の時の女性の食欲は凄まじい。男の方も財布の中身を気にしないでいいところに連れてきているのだから、どっちもどっちかな。


呑々道場 道玄坂店
東京都渋谷区道玄坂1-17-9
03-3464-8880

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2007年12月27日

[春駒](福岡)

今年も、冬の王様てら岡のあらしゃぶで締めくくり


今年最後の福岡出張になった。3人旅だが刺身が嫌い、食べたことのないものには手を出さないと言う人は日帰りすると言う。残った2人は「ラッキー!」てなもんだ。あらを食べることが出来る。ところが残ったもう1人のFは、あらのゼラチン質が嫌いで、てら岡のあらしゃぶ以外は食べたくないと言う。嫌がる奴を無理に引きずりまわすわけには行かないが、何度も行ったことのあるてら岡ではつまらないと思い、系列の春駒に行くことにした。

春駒は中洲から春吉橋を渡ってすぐ右側にある。本店に比べると小振りだが、食後の中洲行きには遥かに便利だ。小上がりの掘り炬燵式のテーブルを確保できた。まずは博多名物、呼子のいかの生き造りから。

透き通った身が美しい。時おり足がサワサワと動く。沖縄産の塩をつけ、わさびを乗せて食べる。味よりもコリコリ感が楽しい。天ぷらにしてもらったゲソが美味だった。

我々を担当してくれた仲居は中谷由紀子さん。大吟醸酒を頼んだら品切れ。別の大吟醸を頼んだらこれも品切れ。酒を取りに行っては品切れの連続で、結局安い酒に落ち着いた。本店に比べて大衆的雰囲気の春駒では、高い酒は出ないのかもしれない。「安上がりでありがたい」と言うと由紀子さんが苦笑する。

関さば

お客様がさばを求めると、関さばしかないと言う。銀髪が「あじは?」と聞くと関あじしかないと応える。我々は玄海灘のさばやあじがいいのだが、ここは高級料亭のプライドか居酒屋レベルで出す地魚は置いていない。仕方なく関さばを頼んだ。さすがに美味いが、酒のように安上がりでは済まなかった。
食べ切れずに残った刺身は胡麻さばにしてもらった。贅沢な料理になってしまったが味が変われば食欲が蘇る。

あらしゃぶ

サフランの緑色が鮮やかなスープでしゃぶしゃぶが始まった。由紀子さんが薄く切ったあらの身をちょっと鍋に泳がせて、我々の皿に乗せてくれる。今日のあらは100kgの大物とのこと。Kが「どのぐらい?」と聞くので「お前ぐらいだよ!」と銀髪が茶化すと由紀子さんが大笑いする。Kは90kgに到達しないようにダイエットをしたいと思っているが、気持ちだけで空回りしている。

あらちり

しゃぶしゃぶ用の薄切りのあらが終り、コラーゲンがプリプリの厚い身の鍋になる。これがまた美味いんだよね。

雑炊

ふぐより美味しいと言われるあらだが、お腹一杯にもかかわらすお代わりをしてしまった。満足満足。

帰り際、勘定をしていたら女将が挨拶に来てくれた。いやに若いと思ったら寺岡美由紀女将はてら岡主人の長女とのこと。本店でも、春駒でも料金は同じだ