2007年02月08日
[桃乳舎](日本橋)
スパゲッティの茹で方はアルデンテなんて言い出したのはいつごろだろうか

子供の頃は我が家でスパゲッティといえばナポリタンのことだった。やがてミートソースが出てきて、一躍スパゲッティは豪華な食事に進化した。スパゲッティは1960年代後半になって家庭でも良く食べられるようになったというから銀髪の記憶と合致する。ナポリタンとミートソースが双璧の時代がしばらく続いた。ときどき両雄に割って入ったのは余ったカレーを翌日使ったインディアンスパゲッティぐらいだった。
社会人になって最初の赴任地・豊橋に初めての本格的なスパゲッティ屋が出来たのが1982年だったと思う。女子社員を数名連れて行ったら、茹でたての麺に汁気タップリのソースがかかって出てきた。フライパンで炒めることをしない細く、固めの麺に大ブーイングだった。本物のスパゲッティを食べさようと得意満面・意気揚々としていた銀髪は顔色なかった。
イタメシブームはバブル経済下に始まったというから、アルデンテが広まったのも80年代に入ってから。銀髪が苦い思いをした時期と重なる。
先日、子供の頃に食べたあのナポリタンを探したが、意外と難しい。喫茶店でも昔ながらのものを出すような店は殆どなくなった。歴史のある洋食屋が集まる人形町界隈ならあるだろうと思って行ったら、日本橋小網町の桃乳舎で見つけた。

創業は明治時代、現在の店舗は昭和初期の建築というから由緒正しい洋食屋だ。実は4年位前までよく通った。ランチは480円と安く、他の料理は高くても600円以内。フライ物が主流でカレー、ハンバーグ、ハヤシライスなど洋食屋定番のメニューも並ぶ。冬季にはカキフライを頻繁に食べに行った。450円のスパゲッティは今まで食べる気がしなかったので初体験だ。スパゲッティは当然のことながらナポリタンしか置いていない。

汁気が殆どないケチャップ味の一皿は、概ね昔懐かしいスパゲッティの味を維持している。美味しいとは言い難いと思いながら食べていたら、後から入ってきた客が「スパゲッティ大盛」と注文するのを聞いて驚いた。中高年の男性たちには根強い人気があるらしい。確かに以前よく通ったときにも、スパゲッティを食べる人は多かった。
もう一度メニューを見ると、目玉焼きは「フライエッグ」と書いてある。「スパゲッティ」ではなく「スパゲティ」だ。女性店員も正しい発音をしていた。安い定食屋のイメージしかなかったが、今回行って見て、伝統を保持する誇りのようなものを感じた。
勘定は調理場が見渡せるカウンターで済ませる。カウンターの上には50円玉と10円玉が予想されるお釣りの額に合わせて整然と並んでいる。こちらがお金を出すと、カウンターの向こうにいる80歳を超えると思われるおばあちゃんが、指先で釣り銭をこちらに滑らせてくれる。
映画「三丁目の夕日」の世界は意外と近くに見つかるかもしれない。
桃乳舎
東京都中央区日本橋小網町13-13
03-3666-3645
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2006年08月19日
[ミートパイ]
オーストラリアでの思い出のジャンクフードがこれだ。
銀髪がシドニーに居たときに、建国200周年を迎えた。メルボルン出身の人に「おめでとう!」と言うと、「200周年はイギリスから来た流刑囚たちの子孫が作ったシドニーの話」と乗って来ない。メルボルンは数年前に150周年を祝ったとのこと。メルボルンはゴールドラッシュで群がった人の子孫が作った都市。どっちもどっちだと思うが譲らない。
オーストラリアには先住民・アボロジニがいる。アメリカ同様に先住民を殺し迫害した結果の建国○○年は、ちょっと違う気がして仕方がない。オーストラリアの北、ダーウィンの酒屋には「アボロジニに酒を与えないでください」と貼り紙がしてあった。土地を奪った罪悪感からか生活保護を厚くしたが、働かなくてもいい(実際は白人から職を得るのが難しい)アボロジニは、毎日道端に座り込み酒浸りになっている。
インディアン、アボロジニやニュージーランドのマオリなど数百年前に侵略された民族の子孫が権利を主張しても、真剣に耳を貸す人は少ない。侵略した政府も人も遥か以前になくなっている。土地や自治権を取り返した国はまだいい方で、取り返す戦争はまだ世界中で続いている。それを擁護するのも非難するのも難しいが、取り返す術を持たない民族はむなしく酔っ払うだけなのだろうか。
アボロジニの食べ物として有名なのは、いもむしや蜜を腹に抱えた蟻などだが、どれも砂漠地帯でやっと口にできる貧しい食料だ。シドニーのサウスヘッドに行くと、アボロジニはその地の豊かな海で魚介類を獲って生活していたとある。逃げて行った砂漠の食事を名物と言うのは申し訳ない。
結局のところ、伝統的なオーストラリア料理とはイギリス料理になってしまう。ローストビーフ、フィッシュ&チップスなどだが、銀髪にとって忘れられないのがミートパイだ。パイの中身は何種類もあるが代表的なのはビーフパイ。フードコートで食べた。

ちょっと立派過ぎる。中身はしっかり煮込んだビーフシチューといったところだ。ミートパイの種類はチキンやホワイトシチュー、モツ煮込みなどはたくさんあるが食べたかったものとは違う。
思い出のミートパイはシドニーのセブンイレブンで見つけた。

中身は挽き肉で安っぽいがまさにこれだ。日本で食べるミートパイにも美味しいものはたくさんあるが、思い出は思い出だ。
アボロジニが食べるいもむしは以前ゴールドコーストで食べたが、今回はどの店のメニューにも見つけることができなかった。ちょっとホッとしたけれど。
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2006年05月05日
ポルトガル料理
ポルトガルは大昔はもっとも日本と親密な関係の国だった。今は歴史教科書にしか出てこない。
30年振りにマカオを観光した。マカオには世界遺産の教会跡(外壁だけだが)があり、その地下が博物館になっている。

30年前はなかったと思われるこの博物館には作者不詳の絵が何枚もかけられており、長崎の絵もある。博物館の壁には長崎で殉教したキリシタンの名前が書かれている。宣教師だけでなく日本人の名前も多いが、誤字がたくさんあってちょっとみっともない。
海外旅行をすると観光地の説明やレストランの日本語メニューで日本語の誤りをよく目にするが、なぜ日本人のチェックを受けないのか不思議で仕方がない。日本に来る外国人も日本で同じ思いをすることがあるのだろうか。
ポルトガルと日本のつながりは、ポルトガル領だったマカオでも見ることができた。しかし、マカオでポルトガル料理を食べても日本食との共通点を探すのは難しい。
日本にはポルトガル語を語源とする食べ物は多い。よく知られている天ぷらやカステラ以外にもパン、キャラメル、金平糖、ザボンなどがある。
意外なところでは鯖寿司のバッテラ。ポルトガル語でボートのことで、鯖の押し寿司の形がボートに似ているところからバッテラと名づけられたらしい。
これだけ日本食の語源にもなっているのだから、料理や味付けにもっと共通点があっても良さそうだがそれがない。唯一の共通な料理はいわしのバーベキューだが、魚を焼いただけの料理をポルトガル伝来の料理とは言えないだろう。
ポルトガル料理の代表?

マカオのポルトガル料理の代表的なものはアフリカン・チキンとカニのカレー炒めだが、いずれも中華料理と融合して出来た料理で、典型的なポルトガル料理ではなさそうだ。
オーストラリアに居たときポルトガル領事館の下にあったポルトガル料理店に行ったが、いわし以外はあまり記憶に残っていない。ポルトガルの最大の旧植民地ブラジルの料理を何品か食べた気がする。
先日行った新宿のLUXOR Barの店員がポルトガル人だった。彼が推奨するポルトガル料理屋が四谷にある。日本とポルトガルの文化交流を料理でも見つけることができるだろうか。
Restaurant Vele Latina Portuguese Cuisine
356-888
教会跡から坂を下った広場に面する大通り沿いにある大衆的なポルトガルレストラン
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2006年01月21日
JAL vs ANA オムレツ対決
朝食バイキングの楽しみは目の前で作ってくれるオムレツだ。勝手に日航と全日空に対決してもらうことにした。
外国のホテルでもオムレツを作ってもらうのが楽しみだ。オムレツの中身をベーコン、ハム、玉ねぎ、マッシュルーム、ピーマン、トマト、チーズなどの中から選ぶことができるのがいいが、他人のものと間違われないように完成をボーッと待っているのは辛い。
さて、オムレツ対決、日航(JAL)ホテル熊本と全日空(ANA)ホテル福岡にそれぞれのホテルの代表として登場してもらった。JALもANAも好みの具を頼むことができないのが残念だが、フロアスタッフが席まで持ってきてくれるのが嬉しい。
銀髪は一時オムレツをつくることに凝ったことがある。卵を割る。かき混ぜ方も出来上がりを左右する。少しミルクを加えることもあるが、ミルクの量の加減も難しい。具を多くするときれいなオムレツを作るのは難しい。塩はフライパンにひくバターの量で決まる。フライパンはしっかり焼かないといけないが、焼きすぎるとバターが焦げてしまう。
フライパンに卵を入れる。すばやくかき混ぜて卵をまとめて形を整える。周りがきれいに焼けて、中トロトロがオムレツの絶対条件。焼き始めたら出来上がりまでアッと言う間だ。要は何度も何度も失敗して、うまく出来て喜んでいるとまた失敗した。
まずJAL

卵の量が少ないせいか薄いオムレツだ。従って火が中に通りやすくトロトロが少ない。具は何も入っていない。お箸で二口で食べてしまった。
次はANA

博多だけあって明太子が入っている。トロトロも充分。スプーンを使わないと食べ尽くせない。
明太子が入っているので味付けはしっかりしており、ケチャップなどをかける必要はない。
銀髪審査委員長の判定はANAの勝ち。ANAは明太子を入れたので同条件の勝負とは言えないところもあるが、美味いのでJAL側の抗議は却下。JALも何か熊本らしいオムレツに工夫すべきだった。
オムレツ、ゆで卵、目玉焼き、何でも卵料理は半熟が嫌いな人もいる。そんな人にとってはJALに軍配が上がるだろう。
まあ、どうでもいいか。JALさん怒らないでね。
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2005年11月08日
クラブサンドイッチ
7年余の海外駐在を経験し、英語はそこそこ出来る。それでも海外に行ってレストランで失敗することは今もある。習慣の違いや思い込みが原因で、簡単に分かりそうで分からない。まあ、このぐらいの失敗は買ってでもやった方が面白い。
約30年前、大学3年のときホームステイをしていた友達を頼ってロサンゼルスに行った。
着いた日の夜、二人でステーキを食べに行くことにした。当時日本ではビフテキは高嶺の花。ビーフステーキなどとは言わない。ビフテキが日本での正式名称。これに憧れた。
牛肉は輸入禁止品目だったため、安価なビフテキなど日本には存在しない。従ってアメリカに来て、いの一番に食べるのは当然ビフテキだった。
メニューを見ると殆どがステーキ。値段の差を聞いたら単に大きさの違い。入ったのはその程度の店だが、我々にとってはハラハラドキドキ。意を決して1番大きなステーキを注文した。相当な量だが、二人ともまだ若い。食い気もチャレンジ魂も旺盛である。
すると次にウエイターが「スーパーサラダ?」と聞く。さすがはアメリカだ。サラダも大きなサラダに違いない。やってやろうじゃないかと友達に目配せして「OK!スーパーサラダ!」「サラダ、サラダ!」と応じた。
来たサラダを見て呆気にとられた。付け合せ程度の小さなサラダボウルが目の前に。合点のいかないまま食べ始めたところで気がついた。ウエイターが聞いたのは「スープ or サラダ」だったのだ。大きなアメリカ、大きなステーキと来たのでてっきり大きなサラダ=スーパーサラダと勘違いしてしまった。
先日、約30年ぶりにロサンゼルスに行った。今度は一流ホテルに滞在。出かけるのも面倒なのでホテルのレストランに入ったがメニューはいたってシンプル。昔のように大きなステーキなど食べたくない(食べれない?)。しかし、どの料理を見ても美味そうに思えない。
中年3人は思案の末メインを2品、サンドイッチを1品頼んで分けることにした。メインの2品は例に拠って相当な量に違いないので、軽めのサンドイッチが良いだろうとクラブサンドイッチに決めた。カニサンドならローストビーフサンドやローストターキーサンドよりましだろうと思って。
ところが出てきたサンドイッチにはどう見ても蟹は入っていない。そこでメニューを見直した。CLUB・SANDWICHとある。CRAB(かに)ではなかった。
札幌で入った喫茶店でクラブサンド(下の写真)を頼んだ。片仮名ならもっと間違えやすいが、今度はすぐに蟹サンドでないことに気づいた。あらためてアメリカでの失敗を思い出す。英語を読んで気づかない迂闊。

後で調べてみた。クラブサンドイッチの典型的なレシピは三枚のトーストしたパンにローストチキン、ベーコン、レタス、トマトを挟んだものらしい。これにポテトフライがついてくる。クラブサンドイッチはどこかアメリカの社交クラブで発明されたものだろうか。名前の由来は分からない。知っている人がいたら教えて欲しい。
外国人が日本に来て失敗するのを笑ってはいられない。自分だってしっかり失敗している。
しかし、経験豊富な人が同行する何不自由ない旅もいいけれど、たまには失敗したほうが楽しく、思い出深い旅になる。
スーパーサラダ事件は未だに覚えているのに、他の日に食べた料理はさっぱり思い出せないのだから。
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2005年10月31日
[グランドハイアット](六本木)
子供地球基金KIDS EARTH FUND(KEF)を知っていますか?鳥居晴美さんが1988年に創設したボランティア団体で、木梨憲武氏や三枝成彰氏などが名を連ねる。10月27日、その資金集めパーティーに行ってきた。
こだわりサイトで細川佳代子さんのインタビュー記事を見た後輩が、彼が参加しているボランティア団体を紹介したいと、このパーティーに銀髪を連れて来た。
KEFの概要を案内書のとおり引用する。「子供地球基金は、支援を必要とする子どもたちへ、物心両面からの援助活動を行うと同時に、世界中の子どもたちの創作活動を応援しています。子どもだけが創りだすことができる絵画やアートを世界中から集め、子どもたちの夢や願いを、文化も国境も越えたメッセージとして発信。また、子どもたちの絵は絵本の出版や企業のカレンダー等に採用して頂き、その収益金を世界中の子どもたちへ還元しています。」
代表の鳥居晴美さんとお話ししたが、細川さんとカンボジア支援で一緒に活動したことがあるそうだ。ボランティア活動を近所のごみ拾いから始めたと言われるその精神は細川さんと同じだ。いつか、こだわりサイトに出ていただけるかもしれない。
チェロやピアノの演奏(プロの演者はもちろんボランティア)も楽しめたし、食事も立派なものだった。グランドハイアット・ホテルの一流シェフによるコース料理。
熟成パルマハム無花果ルッコラ25年物ヴィンテージのバルサミコ

アーティーチョークのクリームスープロワイヤル仕立て

ゴルゴンゾラリゾット帆立貝のポワレ ガーデンハーブ添え

プライムサーロインのグリル ソフトマッシュルームのポレンタ アスパラガスのロースト添え

へーゼルナッツメレンゲのモンブラン マラガレーズンアイスクリーム

高級ホテルの手際の良さにはいつも感心する。450人もの料理を間を置かず次々にサービスしていく。ステーキは多少焼きむらが気になるが、これだけ大量に作ったにしては満足できる域だ。
フロアスタッフと会話してメニューを選ぶ楽しみがないのが寂しいが仕方がない。
それにしても、昔はパーティー料理は不味いのが当たり前だったが、料理機材や技術の進歩も想像以上のものがありそうだ。
銀髪はコースを頼むことは殆どない。甘いものが嫌いなためデザートが食べられない。小さい店ならチーズなどに代えてもらうが、今日は無理のようなので少しづつ味見した。デザートの評価ができなければ洋食の批評はできないが、駄目なものは駄目。グルメ失格でごめんなさい。隣の人は美味しいと言っていた。
パーティーの最後にくじ引きがあった。寄付のつもりで一万円分のくじを買ったが、なんと内2枚が当たってしまった。10人掛けのテーブルで当たったのは銀髪のみ。しかもダブル。下手につくと怖い。
これは子供地球基金に参加しなさいとの神の思し召しだったのだろうか?
子供地球基金
http://www.kidsearthfund.org
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