2009年08月28日
[ペローラ アトランチカ](表参道)
ベランダは恋人たちに

ロバート・ゴダート作「千尋の闇」を読んで以来、マディラと聞くと妙にそわそわしてしまう。どんな話だったかとうに忘れてしまっているにもかかわらず、マディラについては相当な知識をもっているかのように錯覚しているのだから困ったものである。
マディラ島の料理を出す店があると知って場所を調べたら、先日行ったうかい亭表参道店のあるビルだった。思ったとおり洒落た店で、ベランダには夜景に向かって座るカップルたちが並んでいた。食い気優先の銀髪は、ベランダへの出入り口近くの席を選んだ。これは正解だった。
マディラ風サラダ

「どこがマディラ風なの?」親しみはあってもマディラのことは何も分からない。「マンゴーが入っているんです」と教えられる。エスペターダは月桂樹で風味付けしながら焼き上げたマディラ島名物の串焼き料理。ブラジル料理のシュラスコはこれが起源なのか?
エスペターダ

若い店員はエスペターダをメインにするように言った。しばし考えた後につかまえた年長の店員はメインはカタプラーナだと主張し、残りのスープでリゾットを食べるように奨めた。もちろん、ベテランの意見に従った。
魚介のカタプラーナ

サービスもきっとリゾート地のマディラ風なのだろう。カップルたちと異なり、我々は料理と料理の間をのんびりと楽しむ時間はない。出入り口に座ったお陰で、ベランダとキッチンを往復する店員に度々催促できた。リゾットを断り、デザートのパオン・デ・ローを持って来る様にお願いした。これから焼くので10分以上はかかると言う。やれやれ。
パオン・デ・ロー

若い店員に従えば、串焼きを食べている間にリゾットを作ってもらえただろう。さらにリゾットを食べている間にパオン・デ・ローを焼いてくれたに違いない。しかし焼きあがるまで観念して待った甲斐はあった。大きさに度肝を抜かれたが、スカスカで難なく食べ尽くした。カステラの原型というデザートを食べることが出来たのは嬉しかった。それにしても日本人はカステラを随分とリッチな菓子に作り変えたものだ。
パオン・デ・ローは苛立った気分を癒してくれた。マディラワインを楽しむための充分な時間を用意しなかったのは銀髪の責任で、店を責めるわけにはいかない。
これからは秋の夜風に吹かれるベランダは最高だろう。恋人たちは特等席で愛を語るがいい。グッドラック!
ペローラ アトランチカ
東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE4F
03-5468-0865
http://www.portuguese.jp/
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2009年08月14日
[ESCADA](マカオ)
マカオでポルトガル料理

香港から高速フェリーに乗り、1時間超でマカオに着く。入国審査を終えてゲートを出ると政府公認案内人と称するガイドが群がってくる。マカオは10回近く来てると言っても、自由に回りたいからと言っても、離れないガイドをなんとか振り切った。我が家の女性たちの興味はショッピング、グルメ、観光の順で、いくら世界遺産巡りをアピールしても無意味だ。
タクシーでセントポール天主堂跡に行った。砲台を見て坂を下り始めてセナド広場に着くまで1時間以上かかった。土産物屋やブティックが行く手を阻んだためだ。世界遺産の旅はほんの僅かで終了して、セナド広場近くのESCADAに入った。観光よりも食い気が優先される。
コロッケ、海鮮リゾット

旅行会社のミールクーポンでつまらない料理を食べているカップルを横目に、メニューを開いた。まずは干し鱈入りのコロッケが期待値を上回った。ところが最後に食べるつもりの海鮮リゾットが先に来てしまった。
鰯のグリル、アフリカンチキン

ポルトガル料理定番の鰯のグリル。塩焼きしてオリーブオイルをかけてある。娘たちに魚の食べ方を教えるいい機会になった。もちろん、ナイフは魚用のものではない。料理ごとにフォーク・ナイフを替えるほど洒落た店ではないから気が楽だ。グラスワインは紙箱のカスクから蛇口をひねって入れる。テーブルクロスは使い捨ての紙製で、効率がいい。
ポルトガル料理と言うよりも、マカオ料理の定番と言った方がいいのがアフリカンチキン。マカオに来る度に食べる料理だが、店によって微妙に味が異なる。ESCADAのアフリカンチキンはココナツが効いていて、女性に受けそうな優しい味だった。
腹ごしらえを終えて、タクシーでヴェネチアンホテルに向かった。この数年でマカオは大きく変わった。不況になってカジノの建設ラッシュも沈静化しているが、そのうち活気を取り戻すだろう。ラスベガス並みの豪華ホテル&カジノが多数出来たが雰囲気は随分違う。器が変わっても中国人客が多数を占めると賭場になってしまう。中国人がゆっくりと流れる時間を楽しめるようになるまであと50年はかかるだろう。何しろ日本人でさえ、まだその域に達していないのだから。
Restaurant Escada
RUA DA SE NO.6-8 R/C, MACAU
(853)2986-6900
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2009年02月10日
[ビキニ タパ](渋谷)
雨に濡れずにスペイン居酒屋へ

渋谷マークシティの4階、井の頭線アベニュー口の前に昨年8月、スペイン居酒屋が誕生した。新しい店も前と同様に喫茶店の類と思い無視していたが、傘をさして店を探すのが面倒なので入ることにした。
新聞に挟むチラシのようなものを渡されたが、それがメニューだった。「お奨めは?」と聞いたら、「どんなものがよろしいですか?」と聞き返された。写真つきのメニューに頼ることにした。
生ハム盛合せ、季節野菜のブランチャ温かいヴィネグレットソースで


メニューの下に細かい字が書いてあり、料理の説明かと思ったら外国語だった。ブランチャとは網焼きかなんかのことだろう。ヴィネグレットソースは多分オリーブオイルとお酢を混ぜたもの。
イベリコ豚のバラ肉、豚のモルノー(つくね)

「ピンチョス(片手でつまめるおつまみ)の伝道師」と呼ばれる、日本におけるスペイン料理の第一人者ビニェス師が監修したと胸を張るだけあって、ピンチョスはもちろん小皿(タパ)の料理も悪くない。
白魚のフリット、ラビアのカネロン


グラスワインは白が3種、赤が4種、シェリー酒やスパークリングワインなどリーズナブルで飲みやすい。料理の種類はおつまみ以外にもたくさんあるので、グループで長居しても飽きないだろう。
前にあった喫茶店よりもずっと人が入って儲かっているに違いない。昼からぶっ通しで飲むことも出来る。老若男女誰もが楽しめる店である。ただし、日本酒や焼酎があったかどうかは未確認なのであしからず。
ビキニ タパ
渋谷マークシティ4階
03-5784-5500
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2009年01月10日
[フランツィスカーナー]③(日本橋)
ビールを我慢するのは辛い

約2年前、忘年会で窮屈に詰め込まれて仲間が激怒して以来久々に訪れた。客はまだ2組しか入っていないが、我々二人は隅っこの小さいテーブルに案内された。もともとテーブルが小さく、料理をたくさん並べることはできない。ランチでもサラダやパンを順良く食べ尽くさなければ、たちまち料理を置く場所に窮することになる。
ソーセージランチを選んだのがまずかった。必然的にビールを飲みたくなる。小さなランチビールを頼むことにした。ところが、Yさんはあっさりと飲み干して店員にお代わりを要求するにである。思わずそれを制止して、「もっと美味しいビールにしましょう」と言ってしまう浅はかさ。

本物のビールがやってきた。一口飲んでYさんが唸る。ランチビールは日本的なビール風味の炭酸飲料水だったが、本物のドイツ生ビールの何とふくよかなことよ。
グラスを裏返すと泡の線がきっちりと書かれている。泡がこの線より多いとドイツ人は怒り出すに違いない。メニューにも量が明示されており、良心的だと言えるだろう。
銀髪グルメ紀行に書くつもりもなく入店したため、肝腎の料理の写真は撮り損なった。ソーセージも美味しくて本物のビールを合わせれば完璧な食事になる。
1995年に米ドルが高値をつけて以来、円安傾向が続き輸入酒の値段が上がった。最近の円高は輸出企業には大きな痛手となって日本経済を揺るがしているが、一方では輸入食材の値下げが始まっている。ワインなども在庫がさばけた店から値下げが行われるかもしれない。
フランツィスカーナーでも輸入還元セールをやってくれれば嬉しい。生ビールの在庫はそれほどないはずだ。時々ホームページをチェックしてみよう。
東京都中央区日本橋3-8-16 ぶよおビルB1
03-6225-5485
http://www.zato.co.jp
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2008年10月05日
[ビーチハウス](ホノルル、ワイキキ)
ハワイ最後の晩餐

旅行最後の食事をしくじるわけにはいかない。ベストの責任回避策は相手に店を選ばせることだ。彼女が選んだのはワイキキビーチに面するウエスティン・リゾートホテルのレストランだった。
プール周りはともかく屋内は高級レストランのような雰囲気のため、ドレスアップして来る客もいるが、銀髪は短パンにTシャツ。もちろん、予約時に確認しているので問題ない。メニューは昨日と同様に英語と日本語のものを一つずつもらった。さすがに高級ホテルのレストランだけあって、日本語のメニューも英語のものとまったく同じ。日本語のメニューで彼女が選ぶのに任せた。これで責任回避はほぼ完璧である。
ロミサーモン、帆立ケーキ

ハワイの代表的な料理のロミサーモンは鮭にたまねぎとトマトのミンチを混ぜて作るカルパッチョのようなもの。カリカリのポテトで挟んだ帆立貝。どちらもとても美味しかった。
ステーキを頼むと追加料金を払って魚介類を添えることが出来る。サービス価格なのでステーキを頼まなければ添え物も注文できない。彼女がブラックタイガーを食べたいというので、ミニヨンステーキを頼んであげた。これで彼女のオーダーは希望通り完璧である。
更にもう一品メインを頼んでも、食べ切れないのは分かっているので店員と相談した。彼も理解が早く、二皿に分けてくれると言う。5ドル余計にかかるが、納得のサービスである。
ステーキと海老ソテー

ステーキの焼き加減が絶妙だった。初日のdkステーキハウスのリブステーキは厚さが2倍以上あったとはいえ、切ると血が流れ出てきた。今日のステーキはミディアムレアでも上手に火が通っているので殆ど血が出てこない。生焼けが嫌いな彼女も、これなら食べられると喜んだ。
デザート

JAL でもらった雑誌についていたクーポン券でゲットしたデザート。11ドル得をした。2人で分けてもいい大きさだった。高級そうな店だがグラスワインも10~15ドルでタップリ注いでくれる。最後のコーヒーに至るまで、いいレストランのイメージは消えない。
とどこおりなく最後の晩餐の幕が下りた。終りよければ全て善し。満足そうな笑顔が銀髪には一番のご馳走だった。
Beachihouse
Moana Surfrider, A Westin Resort
2365 Kalakaua Avenue lop Honolulu, HI 96815
808-922-311
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2008年09月18日
[ガウディの舌](銀座)
店の評価は店員次第

パエリアを食べるには大人数の方がいい、という理由だけでこの店を選んでしまった。30代2人、40代2人、50代4人、60代1人、70代1人、男ばかり10人は店にとっては前例がない異様なグループに見えたに違いない。
我々10人のテーブルは壁際に座った人はトイレにも立てないような設定になっていた。まだ5時半、店内には2組居るのみで余裕がある。トイレに立てるように6席と4席に分けて20㎝ほど間を開けたら、女性店員がやってきて文句を言う。隣に客が来るから元に戻すように執拗だ。来るまでいいだろうと言っても譲ろうとしない。空気は一気に悪くなった。
海老とオリーブのお通しに始まり、スペイン風オムレツ、海老のハパネロソース、イカのフリット、チョリソーとサルチョンの盛合わせ、ツブ貝の香草ガーリックバター焼き、ムール貝のエスカベッチェ、ヤリイカのガーリックソテーイカ墨のソース、自家製チョリソー、そば粉の冷製コカ(スペイン風ピザ)と矢継ぎ早にオーダーした。



お通しのオリーブは殆どの連中が残した。いつも思うが男は女に比べて本当に保守的だ。食い物だけではなく、異性に対しても、日頃の行動にしても、女性の方が遥かに柔軟性がある。みんなをスペイン料理屋に連れて来たのは失敗だったと思ったが、幸い頼んだ料理は次々になくなっていった。料理の文句を言う者は殆ど居ない。
イカ墨のパエリア、ガウディの舌風ミックスパエリア

芯が残った米に不満を言う者もいたが、順調に消費された。7時前には頼んだ料理は全てみんなの胃袋の中に消えた。
結局、隣の席に客は来なかった。店全体を見渡してもまだ半分も埋まっていない。嫌味の一つを言ってやりたくても、押し問答した女性店員はオーダーを取った直後に別の女性にバトンを渡して帰ってしまっていた。
勘定を払う際、いきさつをレジの男性店員に話した。「申し訳ありませんでした」と言うものの、不愉快そうである。「ガウディの舌」は東京ディズニーランドの姉妹店。マニュアルどおりに働く店員たちにとって、柔軟性を求めるのは無理のようだ。
ディズニーランドで成功しているサービスが、飲食店にも合うわけではない。
スペイン風居酒屋 小皿料理 ガウディの舌
東京都中央区銀座5-9-5
03-3571-2075
http://www.rcjapan.com
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2008年08月12日
[ラ・タペリア](四谷三丁目)
人気のスペイン料理屋だってさ

電話で予約を入れるときさくな外国人訛りの日本語が聞ける。日本人なら無礼と感じる言い回しも外国人なら好ましいと思われるから得をしている。四谷駅を出て杉大門通りを左に曲がったらすぐに見つかった。荒木町と言ってもいい場所だ。立地も有利だ。
電話で言われたとおり、狭い空間の小さなテーブルに通された。隣にチェーンスモーカーが居る。煙草を吸いながら料理を口にする無神経さに店を出ようかと思ったが我慢することにした。メニューにある豊富な料理の写真を見て喜んでいるAさんを気遣ってしまった。
お通し、自家製ピクルスの盛合せ

お通し代わりのカリフラワーの冷製スープはなかなか良かった。ピクルスは値段の割りに量が少ない。ボトルのワインはリーズナブルだがグラスワインは不味くて割高。Aさんの顔が曇る。
生ハム、ヒコイワシの酢漬け

セラーノとイベリコの生ハム盛合せは予想通り。マドリードの伝統的なタパスであるヒコイワシの酢漬けは好みの味だった。
ムール貝

スペイン料理で一番好きなムール貝料理。ふっくらとした身が期待通りだった。「どこ産?」とスペイン人のオーナーに聞いたら「貝はパスポートを持ってないので分からない」と言う。冗談のつもりだろうが笑えない。貝が消化しそこなった蟹を話題にして勝手に楽しむことにした。店は頼りに出来ない。
自家製パテ

タパスが小皿料理、おつまみといった意味だと思い出した。店の雰囲気と値段を見て一皿の量が多いと勘違いしていた。忙しく満席のテーブル間を歩き回るオーナーと店員の両方に、近くを通る度にメニューを求めた。銀髪には自家製パテを、Aさんにはデザートを頼もうとしたが、オーナーは頑として受け付けない。デザートは料理を食べ終わってから出すのがスペインの流儀で譲れないと言う。
仕方なくパテを2人で分け合い、それから再びデザートのメニューを貰った。デザートを食べ終わった後に紅茶を持ってくるのもスペインのマナーらしい。予約なしでドアを開けて断られる多くの客のために、早く帰ってあげようと気遣ったが無駄だった。
写真の料理と生ビール1杯、小さなグラスワイン1杯、小さなシェリー酒1杯、スペイン産ミネラルウォーター2本、デザート1皿、紅茶1杯で合計13,500円。そうそう、パンも追加したかな。
足を組み、煙草を吸いながら料理を口に運ぶ人を許すのだから、店のパンフレットにあるように「居酒屋のようなスペインのフードスタイル」を守る店である。無礼をきさくと感じる人は楽しめる店だ。
ラ・タペリア
東京都新宿区四谷3-3 ストリーム四谷B1F
03-3353-8003
http://www.la-taperia.com
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2008年06月12日
[ストックホルム](赤坂)
スウェーデン料理のバイキング

昭和30年代前半、帝国ホテルが食べ放題のことをバイキングと名付けて世に広めた。そのモデルとなったのがスモーガスボード。スウェーデンなど北欧の料理なので、帝国ホテルは日本人が覚えやすい「バイキング」にしてしまった。今ではバイキングよりビュッフェの方が一般的になり、本家本元のスモーガスボードの呼称は脇にやられてしまったままである。
レストランストックホルムは日本で唯一のスモーガスボード専門店とのこと。前々から行きたかった店である。ようやく1700年代より伝わるスウェーデンの伝統料理・スモーガスボードを味わうことができた。

常時60種類以上の料理がある。スウェーデン料理の代表的なものがニシンを使ったもので、上の写真の皿の手前に6種類並べた。基本はマリネ・酢漬けで、これをマスタード、ハーブ、トマト、ホースラディッシュ、バルサミコ酢など色んなソースに漬け込んだものがある。

せっかくだから、お代わりの皿にもニシンを乗せて、スモーク鱈、スモークサーモン、グリーンランド産甘海老ボイルなどたくさん盛った。
2皿目をたいらげながら、テーブルの上に置いてあるスモーガスボードの食べ方・解説書を読んだ。
「スモーガスボードの食べ方には、スウェーデンの伝統的な様式があり、例えばお皿の数が多ければ多いほどマナーが良いとされている、などがあります。たくさんの料理を少しずつ味わっていくことが重要となりますので、一度にたくさんの料理を取らずに、お皿には少しずつ盛りつけていき、テーブルとスモーガスボードを何度も往復しましょう。」
今更分かってももう遅い。「お皿をたくさん汚したら、使う洗剤も多くなり環境汚染につながる。」と負け惜しみを言って自らを慰めた。
温かい料理もなかなかボリュームがある。白いソースをかき回してスパゲティにかけたら、丸ごとのホタテがごろんと転がり落ちた。

最後はチーズ。ノルウェーのゴートチーズ、デンマークのクリームチーズやブルーチーズなどを食べる。もちろんケーキやアイスなど甘いものもある。ここまで来ると腹が重くて動くのが嫌になる。

ホテルのバイキングと比べると、こじんまりした空間で最初は拍子抜けするが、内容はこちらの方が上と思う。海賊よろしく豪快にスウェーデン産のリキュール・アクアビット(生命の水)をあおれば、楽しさは倍増する。
レストラン ストックホルム
東京都千代田区永田町2-14-3 赤坂東急プラザ1F
03-3509-1677
http://www.stockholm.co.jp/
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2008年04月02日
[マヌエル コジーニャ・ポルトゲーザ](渋谷)
渋谷のマヌエルもなかなかいい

マヌエルは四谷の「マヌエル・カーザ・デ・ファド」、丸の内の「マヌエル丸の内」に次いで3店目の訪問である。四谷は広めの店内で器などの仕掛けも大袈裟。丸の内はカフェのような気軽な感じ。渋谷店はコジーニャ・ポルトゲーザ(ポルトガルの台所)の名の通り、家庭料理を食べさせる民家を思わせる店だ。
マヌエルも3回目になると料理の味も特徴もほぼ分かる。バカリャウ(干し鱈)を使った料理がお奨めで、特にコロッケはお気に入りだが今回は違う料理を食べることにした。
お通し、バカリャウのサラダ、ガーリックブレッド

お通しは各店共通だ。自慢のバカリャウ料理はサラダを食べた。水に浸して戻してから調理するようだが、ときどき噛み切るのに苦労することがある。今日のバカリャウはちょうどいい感じだった。
イワシのグリル

マヌエルで食べてバカリャウのことを初めて知った。それまではポルトガル料理の代表はイワシのグリルと信じていた。オーストラリアでも、マカオでもポルトガル料理屋に行ったら必ず注文した。ところがマヌエルでは四谷、丸の内の両店にイワシがなく、とても不思議に思ったものだった。
店長に尋ねると、イワシが置いてあるのは渋谷と高輪のみとのこと。わざわざいつも食べられる日本で頼むこともあるまいが、つい手を出してしまった。オリーブオイルをかけて食べるのがマヌエル風である。
鶏のプーカラ

四谷店では大きな壷に入って出てきた鶏のプーカラだったが、器が小さくて別物かと思った。店によってプレゼンテーションも異なる。ポートワインで煮込んだ鶏は香りもよくてメインに相応しい料理だった。
四谷、丸の内に比べると店は小さくてメニューも少ない。それでも、いや、それだから一番落ち着ける。予約で一杯なのに満席になったのは8時半頃と遅かった。渋谷は客の出足が遅いのだろうか。小さい店だけに満席になるとちょっとうるさい。男性客もいるが、元気で明るい女性たちの前では影が薄い。
ざわざわして賑やかなのも台所には似合っている。リーズナブルなポルトガルワインを飲み、食後はポートワインでダラダラするのも楽しいものかもしれない。
マヌエル コジーニャ・ポルトゲーザ
東京都渋谷区松涛1-25-6
03-5738-0125
http://www.pjgroup.jp/manuel/shibuya/index.html
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2007年12月25日
[ハンニバル ドゥ](原宿)
チュニジア料理に再度挑戦

サッカーのクラブ世界一にACミランが輝いた。3位決定戦で浦和レッズが破ったのがアフリカ代表チュニジアのエトワール・ザヘル。チュニジアは、かつて対岸のローマと覇を競ったカルタゴを祖とする。地中海沿岸国だけにイタリア料理、ギリシャ料理などと共通点も多い。チュニジア料理は中野の「カルタゴ」に次いで2回目の挑戦である。
唐辛子とオリーブ&パン、サラダチュニジアン

自家製の唐辛子ベースの辛味噌がとてもいい。辛いのが好きな銀髪にとってはお土産に買って帰りたいぐらいだ。
サラダはりんごの酸味が効いている。
プリック

プリックは春巻きの皮にツナとパセリと半熟玉子を包んで揚げたもの。手で持って黄身が流れ出さないように慎重に食べる。楽しく食べて味も悪くない。作り方をチュニジア人の店員に効いたが「内緒」と言って教えてくれない。
フロアを仕切っている彼は、若い女性だけのテーブルに特にご執心だ。流暢で早口の日本語で女性たちの人気を独占している。それに反して中年男性だけのテーブルや、我々には冷淡に感じる。被害妄想かもしれないが…
鯛と野菜のクスクス

同じチュニジア料理屋であるが、お奨めの料理はカルタゴとは随分違う。それでもクスクスはどちらにもある堂々の名物料理。世界最小のパスタ・クスクスはどんどん水分を吸収するので、トマトベースのスープをタップリかけて食べる。
きじのオープン焼き

看板料理は丸ごとオーブン焼き。黒鯛、真鯛、石持、ひな鳥、ホロホロ鳥、鳩、ウズラなど選択肢は多い。この日はフランス産の野生のきじがあった。食べた記憶がないので、値は一番張るが食べることにした。
感動するほどの味ではないが、好奇心は満たされた。よく運動をしている野生動物の肉は固い。オーストラリアに居たとき散弾銃で撃ち落された野鴨を2匹もらって閉口したことがある。一匹は鍋にしたものの噛み切れずに捨てた。二匹目は竜田揚げにしたら油を吸って何とか食べることが出来た。
きじを一匹丸ごとは大きすぎるので半身のオーブン焼きにしてもらった。部位によって味、食感が大きく違って面白かった。手羽肉はナイフすら拒否された。噛み切ろうとしたが、歯が抜けそうなので諦めた。
ハンニバルは紀元前200年頃のカルタゴの伝説的な猛将で、ローマを崩壊の一歩手前まで追い詰めたが、若きローマの武将・スキピオに敗れる。ハンニバルが自害して30年後、ローマはカルタゴを焼き滅ぼしてしまった。
戦争と料理の因果関係は深い。もしカルタゴが勝っていたら、原宿の街はチュニジア料理屋で埋め尽くされていたかもしれない。クリスマスをイタリアンで楽しむ恋人たちが、クスクスを食べていたかもしれないと想像するのも楽しいものである。
ハンニバル ドゥ
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-53-3 YFLビルB1
03-3479-3710
http://www.hannibal.cc
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2007年12月07日
[サン・イシドロ](渋谷)
スペイン家庭料理のお店

東急百貨店向かいのM&Iビルの横の路地を入るとスペイン国旗が誘う。昼間はどのように見えるか分からないが、夜はそれなりの雰囲気がある店構えだ。
直前に予約したせいか入り口近くの小さなテーブルに案内された。先客は4人のグループとカップル客の2組だけだが、これから満席になるのかもしれないと受け容れた。
まずビールと行きたいところだが、スペイン料理屋らしく品揃えが豊富なシェリー酒と気取ってみる。透き通った色の辛口のシェリー酒でいいスタートが切れた。
スペイン風オムレツ

冷たくて残念だった。チン!とやってくれてもいいのにと思ったが、家庭料理を謳う店でも失礼だろう。
アンギラス(シラスウナギ)

スペインの代表的な料理を銀座の半値で食べられた。これだけでとてもハッピーである。ふくよかな味の琥珀色のシェリー酒を頼む。シラスウナギを食べ終えた後も、最後までテーブルに留めてパンを浸して食べた。
遅れてやってきた店主と思われる女性が我々の席を広げてくれた。やはりオーナーは違う。席が倍になったおかげで、我々の気持ちも随分大らかになってスペインらしい。
血と米のソーセージ、赤ピーマンの肉詰め

闘牛に因んで赤の料理と洒落てみた。
血が固まって黒色になったソーセージは米の粘り気で固い。血の味はしないが不思議な食べ物だ。
赤ピーマンの肉詰めはイメージとまったく違った。ナイフを入れるとフニャッとしている。
肉の先入観が勝り、頭が混乱する。定番の肉詰めピーマンを知らない相方はあっさりと魚介類がペーストだと言い当てる。

鴨といちじくの料理だと思うが忘れてしまった。シェリー酒は意外と強く、赤ワインを飲み始めたときにはかなり酔っていた。
シラスウナギは禁漁になる地域が増えて将来食べられなくなる可能性がある。我々はこの一品だけで大満足だった。残ったオリーブオイルにパンを浸せばいくらでも酒が飲める。
日本橋のミシュラン三ツ星「サンパウ」は別だが、東京にあるスペイン料理屋は大衆的な店が多い。サン・イシドロも居酒屋気分で楽しめるいい店だった。
サン・イシドロ
東京都渋谷区宇田川町34-6 M&Iビル1F
03-3780-3146
http://www.sanishidro.jp
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2007年10月02日
[マヌエル丸の内](丸の内)
丸の内でポルトガル料理。料理は美味しかったけれど

家族で食事に行くことになり、何を食べるかは彼女たちに任せた。返ってきた答えはポルトガル料理だった。料理屋はこちらで探してくれと言う。気軽に請け負ったが、意外なことに4軒目でやっと予約が取れた。それがマヌエルだった。マヌエルは四谷店に行ったことがあるので出来れば他の店が良かったのだが…
場所は東京国際フォーラムの向かいのビルの地下1階。四谷店と異なりカフェのような造りだ。テーブルは小さく、隣席との間隔は狭く、居心地は良くない。一人早く着いたのでビールを頼むとつまみにオリーブが出てきた。

四谷店で全ての料理を食べたわけではないが、2度目のマヌエルとあって料理を選ぶのも常連気取り。家族の好みを聞き、店員と相談しながら次々と頼む料理を決めた。
バカリャウのコロッケ、バカリャウ・ア・ブラス

バカリャウとは干し鱈のことで、これがないとポルトガル料理は語れない。二品とも四谷店で食べたが、前より美味しく感じた。バカリャウ・ア・ブラスは海水で戻した干し鱈、玉ねぎを炒め卵とじしたもので、この店のシェフがポルトガル料理コンテストで優勝した料理とのこと。四谷店で食べたものはこれほど美味しかっただろうか。はっきりとは思い出せないが、こちらの方が上なのは間違いないようだ。
砂肝のトマト煮、あさりのガーリック蒸しコリアンダー風味

コリアンダーもポルトガル料理に欠かせない香草だが、多くの日本人が苦手とする。我が家の連中にとってはオーストラリアに住んでいた頃から馴染みの香りで、むしろ好んで食べている。
海の幸のカタプラーナ、タコご飯コリアンダー添え

カタプラーナは2枚貝の形をした銅鍋で煮込んだ南部アルカルヴェ地方の名物料理だそうだ。四谷店では大きな壷が出てきた。プレゼンテーションは四谷店の方がいい。料理の説明も四谷店が上。
ポルトガル料理ではお米の料理も欠かせない。タコ雑炊でほぼお腹一杯になった。
グラスワインを女性店員に頼んだら、ボトルの残りを注いだだけで極端に少なく驚いた。おかわりを頼むと今度は新しいボトルを開けて倍の量。店員の質は四谷店に遥かに劣る。イケ面のボーイが娘たちに受けてはいたけれど…
小さいテーブルと、窮屈な店内。むしろ、カップルでカウンターに座る方がいいかもしれない。総合点では四谷店が上だが、味だけは四谷店よりも美味しく思えた。まさかトータルで各店の水準を合わせているわけでもあるまいが。
マヌエルは四谷、丸の内の他に渋谷、高輪にも店を構える。店舗を増やして全体のレベルが落ちた、ということにならなければいいけれど。
マニュエル・カサ・デ・ファド
東京都千代田区丸の内3-3-1 B1F
03-5222-5055
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2007年08月30日
[カルタゴ](中野)
カルタゴって、どこにあるか知っていますか?

「カルタゴは現在のチュニジア共和国にあった古代都市である。」と言われてもチュニジアがどこにあるかわからない。イタリア半島長靴のつま先でシチリア島をチョンと蹴飛ばすとアフリカにぶつかる。そこがカルタゴと言えばイメージが湧くかもしれない。紀元前に栄えた都市で、ギリシャやローマと覇権を競った。戦争は悲惨だが、文化の伝播に重要な役割をする。中野のカルタゴに来れば、様々な地中海料理を味わえるわけだ。
ビール、ピタパン

珍しいビールがある。左がモロッコのカサブランカで、映画を思い出して飛びついた。右はパレスチナのビールで独特の香りがある。
ピタパンはマクドナルドのメニューにもなっているが地中海沿岸国で広く食べられている。
前菜4種盛り

ひよこ豆のディップ、焼き茄子のディップの上に胡麻のペーストをかけてある。これをピタに乗っけて食べる。他はピーマン、ニンジンのサラダ。11種の中から選べと言われても、分からないのでお任せにした。
オムレツ

ちょっと辛いすり潰した唐辛子をつけて食べるとパンチが効いている。
クスクシ・ロワイヤル

ラムの串焼き、骨付きラム、ソーセージが乗った豪華な一皿。肉の下にはクスクスが敷かれている。クスクスは水分を吸いやすいのでトマトベースのスープをかけて食べる。
とにかく料理の殆どが初体験のような、どっかで食べたことがあるような、不思議な料理ばかり。各国のビールに加えてモロッコやトルコなどの珍しいワインもグラス売りしているので、飲み物でも楽しめる。
何度か来ないと地中海料理の真髄まで届かないかもしれない。それにしても、東京には本当に色んな料理屋がある。それを探検して回るのは逞しき女性たち。隣のテーブルの女性が異国の料理を食べながら、旅の思い出を語っている。それを男たちがありがたがって聞いている。やっぱり女性にはかなわない。
アラブ・トルコ地中海料理 カルタゴ
東京都中野区中野3-34-3
03-3384-9324
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2007年08月23日
[プエルト・デ・パロス](銀座)
たまにはみんなでスペイン料理

銀座にはイタリアン、フレンチなど洒落たレストランが多いが、不思議なことにスペイン料理屋も多い。スペイン料理屋となると、どの店も庶民的な雰囲気とリーズナブルなお値段が嬉しい。いろいろ食べようと思ったらデートではなく、人数は多い方がいい。
予約を取ってから人数集めに走って何とか格好をつけた。初めての店なので早めに行った。思ったとおり気楽な雰囲気。店員も殆どがスペイン人のようだ。流暢に日本語を話す者もいれば、怪しげな者もいる。セニョール、セニョールを連発する店員相手に「セルベスター、ポルファボール」とこちらも怪しげなスペイン語でビールを頼む。他の料理もみんなが来る前に勝手にオーダーしてしまった。
ハムとチーズの盛り合わせ

セラーノ、ベジョータ、チョリソー、サラミ、チーズの盛り合わせだが、やっぱりベジョータが一番脂が乗って美味い。
オムレツ

フンワリとしたじゃがいも入りのスペイン・オムレツ。スペイン料理はあまりたべたことがないと言う3人に生ハム、オムレツと、先ずどのスペイン料理屋にもある定番料理を食べてもらった。
うなぎの稚魚ピルパオ風

スペイン料理の代表格だが、滅多に日本では食べられない。しらすうなぎが高騰しているため、スペインでも簡単には食べられなくなった。小さな器で5,250円。この店で一番量が少なく、一番高い料理だった。
ミニ甲いかの墨煮

うなぎの稚魚を食べ終わった後のガーリック風味のオリーブオイルをかけて食べたら、グッと旨みが増した。5,250円を無駄には出来ない。このオイルが残った皿を店員がさげようとするのを制止して、パンを追加オーダーした。
海鮮パエジャ

最後はお約束のパエリア。2人前から作ってくれるが、ちょうどいい量だった。
2次会で店のママに驚かせようと思って「うなぎを20匹食べてきた」と言ったら、「あらっ、稚魚を食べたの?」と軽くあしらわれた。4~5匹とありそうな話にすべきだったと後悔した。下手くそッ!
プエルト・デ・パロス
東京都中央区銀座7-2-11
03-3574-7387
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2007年08月16日
[MARU](八丁堀)
美人がたくさんいると言われて行ったわけではないけれど

美人を餌にすれば男は必ず釣れる。決して否定はしないが、ワインを格安で飲めるスペインバール(酒場)と聞いて行く気になった。結構、有名な店らしい。八丁堀駅の上に位置し、1階は店舗兼立ち飲み屋、2階は居酒屋、3階は鉄板焼きと各階で若干コンセプトが違うが、原価に500円を足すだけで酒が飲めるのは各店共通だ。
6時頃に入れば予約はいらないと常連さんに言われたが、行ってみたら予約で一杯。7時半までの時間制限でやっとテーブルを確保した。
ボケロネス(いわしの酢漬け)、フルーツトマトのブルスケッタ

2階の中央には炭火焼きコーナーがあって、猛烈な勢いで煙が換気筒に吸い込まれている。「焼き物は時間がかかります」と言われたので、遅れて来るMさんの分までまとめて頼んだら、思ったより早く料理が揃ってしまった。考えたら客はまだまばら。注文はすぐに通ってしまうから出来上がりも早いわけで、上手く乗せられてしまった。
クレソンの気持ち、有機野菜のグリル盛り合わせ

トリッパ、骨付ラム肉炭火焼アフリカ風クスクス添え

Mさんは料理がすっかり冷めてしまった頃にやってきた。7時半の制限時間が気になりだしたが、運良くカウンターに移動することができた。目の前に半分に切った大きなチーズ・ラクレットがある。注文が入ると皿の茹でたじゃがいもの上に焼かれてトロトロになったラクレットがかけられる。くさやを焼いているのかと思った強烈な臭いは、焼けたラクレットの仕業だった。
カウンターには数種類の生ハムが並ぶ。美女が多いとの話しを思い出して、生ハムの向こうに美女を探すが見つからない。ワイン好きのKさんは、女性には目もくれず壁際にならんだワインの物色に忙しい。他人が飲んでいるボトルを覗き見て、「殆ど原価なのだから、高いワインを飲むべきだ」と批判する。彼が言うのも一理あるが、あなたが物色しているワインの勘定を誰がするのか忘れている。
生ハムをオーダーしたが、満席となった今では焼き物でなくても時間がかかる。生ハムは美女よりも簡単に手に入ると思ったが甘かった。Kさんが再びワインを物色するために席を立つのを抑えて勘定をした。生ハムはキャンセルした。
結局美女は店員にも客にも…。
散々謝る紹介者にあらためて女に関心はないと言った。ワインを飲みに来たのだ。それでもなお謝る。そんなに俺って落胆しているような顔をしてたかな?
『maru 2階』
住所:東京都中央区八丁堀3-22-10 2階
電話:03-3552-4477
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2007年04月23日
[しぇりークラブ](銀座)
ギネスブック認定の店

新橋のクロンダイク・ハイボールでシェリー酒を楽しんだ。その後シェリー酒を飲んだと言うと必ず銀座の店かと言われる。やはり本家本元に行かねばならない。
数寄屋橋から歩いて数分でしぇりークラブに到着した。カウンターの中からにこやかに迎えてくれた渡辺さんに、新橋の店の話をしたら即座に打ち解けた。それからギネスブックの話題に。
ギネスブック認定書

しぇりークラブは世界初のシェリー専門店として1986年に創業、2005年11月にギネスブックからシェリー品揃え世界一の認定を受けた。実に227種のシェリー酒を揃えている。
シェリー酒とそのつまみ類だけでなくスペイン料理も充実しているので食事を楽しむ客も多い。
タパス(前菜)5品

ドライトマトやオリーブとアンチョビの和え物などシェリーの肴にピッタリだ。トルティージャ(ジャガイモ入りのスペイン風オムレツ)はスポンジケーキのような食感で、我が家でよく作るものとは別物だった。
生ハム2種

ハモンセラーノとハモン・イベルコ・ベジョータの2種類のハムを盛り合わせてもらった。色が濃いのがドングリを食べて太った豚のハムで、こちらが上のランクになる。生ハムにシェリー酒が最強の組み合わせだ。
甲イカの墨煮、トレス・ケソピザ

小さな墨イカの煮込みも評判が良かった。銀髪はもう少し唐辛子を効かせた方が好みだが悪くはない。
トレスはスペイン語で3のことで、3種類のチーズを使ったスペイン風のピザである。「ウノ、ドス、トレス、クワトロ、シンコ」と40年前に覚えたスペイン語の数え方を得意気に唱えた。おだてられて鼻高々のお馬鹿な銀髪である。
そうそう、肝心のシェリー酒のことを書き忘れた。テーブルクロスの紙にシェリー酒の分別表が出ている。これに載っている酒を全部飲んだつわものをがいるそうだが、我々は3種類だけでお開きにした。それぞれまったく異なる風味のシェリーだった。
それにしても残りは224種類。全部飲み尽くす日は永遠に来ないだろう。
しぇりークラブ
東京都中央区銀座6-3-17 悠玄ビル2F
03-3572-2572
http://www.sherry-club
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2007年01月25日
[アルトゴット](吉祥寺)
スカンジナビア料理とはどんな料理?

銀髪が探し当てた北欧料理の店は吉祥寺、東急百貨店近くの路地裏といったところにこじんまりとある。この類の店は女性に人気のはず。2階の店舗に上がると案の定客の大半は若い女性だった。そして、いつものように銀髪が最年長の客となった。
スカンジナビア半島はスウェーデンとノルウェーの2国からなるが、スカンジナビア諸国といえばこれにデンマークが加わり、フィンランドやアイスランドを含めることもある。アルトゴットはさらにオランダ、ベルギーなどを加えてスカンジナビア・北欧料理と広い地域をカバーしているようだ。
飲み物のメニューにはデンマーク、オランダ、ベルギーのビールが並ぶ。ワインはフランス産が多く、さすがに北欧の酒オンリーとはいかないようだ。
オードブル盛り合わせ

ノルウェー産ボイル甘えびから時計回りに、トナカイ肉入りのキッシュ、カニ入りサラダ、太刀魚のパテ、ポテトのアンチョビソースかけ、中央がアボガドサラダ入りのシュー。店の女性の説明をすべて書き取れなかったので不正確かもしれないが、これだけの種類があれば嬉しくなる。
トナカイ肉のカルパッチョ

アルトゴットが使う食材で一番ユニークなのがトナカイ肉だ。メインにも鹿・羊・牛に混じってトナカイのステーキが異彩を放つ。カルパッチョは銀座の「りょく」で食べた山羊の肉によく似ていた。酒の飲みすぎで鼻が赤い銀髪にとっては共食いみたいなものだ。
トナカイは輸入品かと思ったら、北海道留萌、幌延町で飼育されている国産品と聞いて驚いた。
ヤンソンスフレステルセ

ジャガイモとアンチョビのグラタンはちょっと塩ッパイがなかなかいけた。アンチョビが効いたグラタンは家で作ったら、人気メニューになるだろう。料理の名前がどういう意味か聞き忘れた。
パン

最後にトナカイのステーキなどを食べようと思っていたが、クネッケ(スウェーデンのパン)や大き目のパンのお陰でお腹一杯になってしまった。
若い女性が集まる店は異国情緒があり、味はそこそこ、リーズナブルな価格設定といった共通点がある。アルトゴットもそんなレストランだった。ランチタイムも女性客で一杯になるそうだ。
アルトゴット
東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目28-1
0422-21-2338
オードブル盛り合わせ 1,260円
トナカイ肉のカルパッチョ 1,575円
ヤンソンスフレステルセ 997円
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2007年01月16日
[フランツィスカーナー]②(日本橋)
ランチで「フランツィスカーナー」に行ったことはあるが、初めて夜に行くことになった。

世界一の幸せ者はイギリスの家に住み、アメリカの会社で高給をもらい、日本人の妻を持ち、中国人のコックを雇う人と言われる。組み合わせがずれて日本の家、中国の給料、アメリカ人の妻、イギリス人のコックになったら最悪と茶化す。
実際はもっと長々とあり、ドイツも笑いものにされていたはずだが思い出せない。
料理が不味いのはイギリスだけのように言われるが、イメージ的にはドイツも同様である。冬に凍る国では貧しい土地に育つ食物と、保存食に頼らざるを得ない。ロンドン郊外のパブで食べた料理はソーセージとジャガイモが主体でドイツ料理と似通っていた。
ちょっと前になるが日本橋にあるドイツ料理店フランツィスカーナーに会社の忘年会で出かけた。総勢約40人の中で幹事以外は何が出てくるか分からない。
鮭のディップ、ハムの盛り合わせ

チーズのサラダ、プレッツェル

お菓子でしか食べたことがないプレッツェルだが巨大なパンが出てきた。銀髪は一口だけ食べて次の料理を待った。
煮込み、ソーセージ

タコと白いんげん豆のトマト煮込み。豆はいかにもドイツらしいが、タコはドイツでも食べるのだろうか?
定番のソーセージは欠かせない。
ここで次の料理が出てくるまで間が空いた。定番料理のソーセージが出てきたので最後にデザートを予想した人が多かったが、銀髪は違った。ザウワークラフトが出てない。キャベツの酢漬けは定番中の定番だが、単品ではなく付け合せで使われる。ソーセージより格上としたらアイスバインしかない。
アイスバイン

塩漬けした皮付き豚もも肉を長時間煮込んだ立派なものが出てきた。これまで「ビヤステーション恵比寿」のハムのようなものしか食べたことがなかったので、正直言って驚いた。
コラーゲンたっぷりのプルンプルンのアイスバインなのだが、食べる人は少ない。プレッツェルでお腹が一杯になってしまったのも一因だが、豚足に似た皮付き&骨付きの外見で敬遠した人が多かった。まったく意気地がない。
結局、アイスバインの半分以上を銀髪が食べることになった。こんなものを気持ち悪がっていたらグルメ紀行など書けない。プレッツェルを食べるのを控えていたのでお腹にも余裕がある。満足満足。
最後にデザートが来ると銀髪も含めて全員が予想したのだが、何と忘年会コースにデザートはなし。どのみちデザートを食べない男共は気にしないが、女性たちはがっかりだったようだ。
4種類のドイツ生ビール、グラスワイン、3種類のカクテル、3種類のソフトドリンクの飲み放題は3,500円。これに10%のサービス料がかかって食べ物とあわせると1人約1万円になる。得したと思うか、損したと思うかは、人それぞれだろう。
いやいや、金を払ったのは会社で、社員はタダだから損したとは言わせない。
フランツィスカーナー
東京都中央区日本橋3-8-16
03-6225-5485
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2007年01月11日
[エーゲ海](渋谷)
10年ほど前から気になっていた東京でも数少ないギリシャ料理屋に行った。

銀髪が中学・高校生の頃、父はクウェートなど海外に長く単身赴任したが、帰国するたびに外国の風を我が家に運んでくれた。父が不在の間に積もったほこりを拭い、久し振りに主役を務めるのはスライド映写機だった。壁にかけた幕に映った外国の景色・街並みの光を浴びながら、父の解説に目を輝かせたものだ。いつか自分も海外に行きたいとの思いを募らせた。
お土産も楽しみだったが、外国の食べ物にはもっと興味が湧いた。キャビアやピスタチオなどはその頃初めて食べた。ギリシャの食べ物は今でも忘れがたい。父は地中海に浮かぶ島国キプロスに駐在していたのだが、帰国時にギリシャ系キプロス人を研修生として連れ帰ってきた。銀髪にとって親しく話した最初の外国人だった。キトスという長身の男性は、我が家にも滞在し長兄の結婚式にも出た。
渋谷駅東口歩道橋を降りてすぐに「エーゲ海」の看板を見つけた。記憶に間違いはなかった。小さな店の壁はオーナー自筆の絵画で埋め尽くされ、異国情緒がある不思議な空間が出来上がっている。
メニューの中から思い出の料理をピックアップした。
焼きチーズ

ハルミチーズという羊のチーズは焼いても溶けない。パサパサした食感だが塩味がきいてワインに合う。我が家ではよくフライにしたが、40年近く前にチーズのフライを食べていた日本人は殆どいなかっただろう。石鹸のようだと子供たちは不味いチーズを嫌がっていた時代だ。
タラモサラタ、ピタ

ギリシャにもタラコがあり、名前もそっくりで驚いた記憶がある。タラモサラタはタラコとマッシュポテトを和えたものでギリシャのパン(ピタ)につけて食べる。この店では日本のタラコを使っているのとのこと。塩辛いギリシャ産より日本人の口に合うと言う。
ムサカ、ラムの串焼き

ギリシャ料理と言えばムサカが有名。グラタン皿で出す店も多いが、ラザニアのように切り分けて出すのが本式。
お勧めのラムの串焼きもいい味だった。
懐かしのギリシャ料理だが、実はメルボルンに駐在していたときによく食べた。メルボルンにはギリシャ移民が多く、ギリシャ料理屋が軒を連ねる通りもある。地中海料理なのでタコや鰯など魚介類の料理も多く日本人の口に合う。しかも値段が安かった。
それに比べるとエーゲ海はちょっと高めだ。物価が高い東京では仕方ないところかもしれない。
オーストラリアから帰国して約15年振りに本格的なギリシャ料理を食べることができて嬉しかった。メルボルンのことを、さらに逞しくて頼りになった父を思い出した。
そしてあの長身のキプロス人・キトス。彼がくれたギリシャ音楽のカセットテープは今も我が家にある。日本の伝統美や文化をキプロスの人々に伝えてくれると期待したが、帰国後しばらくしてトルコ系住民との内戦に巻き込まれて命を落とした。今も紛争は続いている。
思い出の料理は味わうことができたけれど、大好きだった父も、大きな体を屈めて微笑みかけるキトスの姿も、今は思い出の中にしか見ることが出来ない。
エーゲ海
東京都渋谷区渋谷3丁目18-3
03-3407-1783
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2006年12月06日
[マヌエル・カーザ・デ・ファド](四谷)
日本で初めてのポルトガル料理はちょっと面白い。
ポルトガル料理はマカオでしばしば食べた。代表的なのは鰯のグリル、アフリカンチキン、カレークラブなど。総料理長のマニュエルが最初に持った店がマカオだったというが、この店には銀髪がマカオで食べた料理はない。
入り口から左の広い禁煙フロアは圧倒的な女性客で占められている。喫煙席しか空席がなく、我慢を強いられるかと思ったら我々の他は団体客が一組だけ。しかも彼らも已む無く喫煙席に入れられたようだ。結局、煙も喧騒もない喫煙席でゆっくり食事をする幸運に恵まれた。
ポルトガル料理の初心者だと告げ、料理はお任せにした。
自家製パン、オリーブ、4種前菜

前菜は少しずつ4品。イベリコ豚のチョリソー、タコのサラダ、バカリャウのコロッケ、砂肝のトマト煮。バカリャウとは干し鱈のことで、ポルトガル料理の代表的な食材。コロッケに入った干物は噛み応えがあり、するめと同様に噛むほどに味が出てくる。
タコもポルトガル料理には欠かせない食材らしい。
バカリャウブラス

これも干し鱈を使った料理。ジャガイモ、玉ねぎと一緒に和えてポテトサラダ風だ。
鶏のプーカラ

大きな壺に入って出てきたのでびっくりしたが、中身はそれほどではなく安心した。壺はオーブンで蒸し焼きにされ、鶏肉と野菜のうまみが染み出している。フィリピンでもアフリターダ(Afritada)というよく似た料理があるそうだが、おそらくこれがアフリカンチキンの原型だろう。
ほぼ満腹になってきたので料理を止めようと思ったが、ごはんを食べなければ片手落ちとのこと。
海の幸のご飯

ブイヤベースにごはんを入れたような料理で、不味かろうはずが無い。
さて、これで終わりと思ったら、デザートが出てきた。デザートまで任したつもりはなかったが、ポルトガル特有の物なら味見してもいい気分になった。
デザート3種

アルフェイゼラオン風パォン・デ・ロー、マディラワイン風味のアイスクリーム、パスティシュ・デ・ナタ (ポルトガルのエッグタルト)。
左端のお菓子がカステラの原型。パンは英語ではなくポルトガル語である。
この店で感心したのは、どの店員に聞いても料理の説明をしっかりしてくれること。ポルトガルワインも美味しくて時間が経つのを忘れた。
最後に我々の相手をしてくれた一杉氏と話をしたら、東京駅近辺に新店舗をオープンすると言う。気楽に行ける店とのことだから、楽しみに待つことにしよう。
マヌエル・カーザ・デ・ファド
東京都千代田区六番町11-7 アークスアトリウムB1
03-5276-2432
http://www.manuely.jp/
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2006年04月06日
[エルチャテオ](銀座) 銀座でスペイン料理
フランス料理や高級イタリア料理に比べると、スペイン料理はリーズナブルな値段で楽しめるイメージがある。
銀座東映の裏手に目指す「エルチャテオ」があった。店に入ると予想通りで、イタリア料理屋に例えればトラッテリアとピッツェリアの中間のイメージだろうか。若いカップルや女性同士の客が殆どである。案内されたテーブルは、隣で30代と思われる女性が絶え間なく煙草の煙を撒き散らしているため移動した。
店員にお勧めの料理を聞いたが、アルバイトだろうか、あまり楽しそうではない。我がままやウンチクは封印して料理に専念することにした。
ハモン・イベリコ

イベリコハム(ハモン・イベルコ)2,100円を頼んだ。この店では値段が高い部類に入る。スペイン産生ハムが日本に入ってきたのは2002年5月と意外と遅い。中田英寿が居たパルマで有名なイタリア産生ハム・プロシュートでも輸入解禁は1996年だから、どこのレストランでも輸入生ハムが食べられるようになったのは最近のことである。
10年ほど前、ロンドンから帰国する便で熟年夫婦と一緒になった。定年退職して夫婦でヨーロッパ旅行した帰りとのことであったが、旅の一番の思い出がプロシュートを食べたことと言う。あまりの熱弁に銀髪はとうとう耐え切れずに自分のかばんを開いた。お土産にしようと思って買ったプロシュートがそこに入っていた。
それをかばんから出して、酒の肴にしましょうと提案した。ご夫婦は驚き、一度は遠慮したものの、恐縮しながらも手を出した。それから3人でワインを大いに飲んで食った。いや飲んだのはもっぱら男二人だったが。機内食よりもずっと美味しいものを肴に盛り上がった。3袋あったプロシュートはすべてなくなった。
イベリコハムを食べるとワインが進む。低価格のスペイン・ワインは我々のん兵衛にとっては嬉しい限りである。白ワインがあっという間になくなってしまった。赤ワインを追加する。一番安いワインが1万円もするような店ならこんな飲み方はできない。
たこのカルパッチョ、イカの墨煮、スペイン風ブイヤベースを食べてお開きにした。もちろんスープはパンに吸わせてたいらげた。スペイン料理を食べに来たのだからパエリヤを頼むべきとも思ったが、今から頼んで料理が出てくるまで待っているともう1本ワインが必要になると思ってやめにした。

生ビール2杯、ワイン2本飲んで12,000円で済んだので、得をした気分になった。
それでまっすぐ帰宅したわけではないけれど。得をしたと思ったのが悪かった。
エルチャテオ 銀座店
東京都中央区銀座3-2-12 全研ビル
03-3535-7033
http://www.vidriog.co.jp
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2006年03月13日
[LUXOR BAR](新宿) エジプト料理と水タバコ
食べたことのない料理を出す店を探し出すと嬉しくなってしまう。今日はエジプト料理だ。
いつも銀座界隈にいると、夜の新宿の歌舞伎町裏通りはちょっと身構えたくなる雰囲気がある。コマ劇場を右に、噴水を左に見ながらまっすぐ歩いて行くと突き当たりに目指すLUXOR BARのビルを見つけた。
小さなエレベーターに乗って5階で降りた。店の入り口右手にインタフォンがあり、それを押してドアが開くのを待つ。店に入ると奥はテーブル席があり広そうだが既に予約で一杯。来る前に予約を入れたものの、右手のカウンター席しか空いていなかった。我々が入った直後に何度もインタフォンが鳴ったが、すべて断られて帰っていった。まだ店の雰囲気に慣れない銀髪にとって、人気の理由がわからない。
カウンター上のテレビには映画「クレオパトラ」が流されている。絶世の美女と謳われた若き日のエリザベス・テーラーと凛々しいリチャード・バートンが主演した大作映画だ。大金をかけた壮大なスケールの映画とこの店が同じエジプトで繋がるとは想像できない。
メニューを見せてもらったら、ケバブやコロッケなど知っている料理はわずかで、殆どが初体験の料理ばかり。店員にお勧めを聞いたらメニューに写真つきで紹介されているものだと言う。従って、以下の4品を頼んだ。ワインはオリジナルの「クレオパトラ」のロゼ。
1品目はなすのパパガンヌ(750円)

エジプトの家庭でよく食べられているそうで、タコスに挟むひき肉とよく似た味のものが乗っている。香りはターメリックだろう。
2品目は合鴨と丸ごとトマトのスパイシーポット(880円)

3品目はナイルパーチ(白身魚)カスピ海ヨーグルトソース香味風味(1,500円)

4品目はタヒーナ・ゴマソース・ライス(680円)。

胡麻と聞いて日本的な料理かと思ったが、よくよく考えてみれば胡麻の原産地はエジプトと気付いた。アラビアン・ナイトで「開けゴマ!(オープン・ザ・セサミ・ストリート)」の台詞が出てくる。タヒーナとはゴマペーストのこと。日本料理に欠かせない胡麻がエジプト文明から広まったと聞くと、どのような変遷を経て日本に届いたか興味が湧いてくる。
食後に水タバコ(シーシャ)を吸った。水がボコボコ言うのを見ながら吸い込み、ミントの香りがする煙を遠くに吐き出す。フレーバーはイチゴ、リンゴ、バラなどなど15種ある。
ニコチンやタールの含有量は少なく、たばこ初体験の人でも気楽に香りを楽しめる。

低価格の変わった料理、水たばこによる異国体験。女性に人気の理由がわかった。
バーテンダーはポルトガル人。オーナーも含めてエジプト人はいない。料理が本場の味なのか確かめるにもエジプトは遥かに遠い。新宿ならではの不思議なお店。深夜遅くまで若者たちで賑わう。
LUXOR BAR
東京都新宿区歌舞伎町2-37-3 丸友ビル5F
03-3376-0320
http://210.153.102.79/luxorbar/index.html
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2006年02月23日
[ビヤステーション恵比寿](恵比寿) あのビヤホールはどこに
恵比寿ガーデンプレイスはサッポロビールの工場跡地に作られた。色んな施設、レストランがあるがメインはやっぱりビヤホールだろう。
ホームページを開いてみた。一日何人の人が見に来るのか分からないが、一流企業が運営するだけに立派なものだ。http://www.gardenplace.co.jp
1890年に恵比寿ビールは誕生した。恵比寿駅が出来たのは1901年。ビールを汽車で輸送するために出来た駅だ。1928年には「恵比寿」が街の名前になった。街の名前がビールの名前になったと思っていたが、逆だった。ビールの商品名が駅名となり街の名前になったそうだ。
恵比寿ビールの発売元はサッポロビール㈱だが、北海道の開拓使麦酒醸造所が1876年に「札幌ビール」を発売したのを発祥の起源とする。この醸造所は民間に払い下げられ、合併等の変遷を経て現在に至っている。冷蔵庫の中で冷えているのが当然の我々にとっては100年以上も前の飲み方は想像できない。もっともビールの起源である紀元前のエジプトにまで遡ると何が何やら分からなくなってしまう。
恵比寿工場は1994年にガーデンプレイスに姿を変えた。1988年に工場が閉鎖されてからガーデンプレイスの完成までの間もビールを飲む場は確保された。
思い出にあるのは列車の内装を改造したビアレストラン列車。敷地に固定され動くことのない列車だったが、なかなか雰囲気があった。ここで友人が婚約者を紹介してくれたのだが、その後彼は離婚し再婚した。遠い昔の話だ。
ガーデンプレイスが完成して、大ビヤホールが出現した。体育館のような大ホールにはビール製造に使う釜が鎮座し、工場の中で飲んでいるような楽しさがあった。しかし、3年ほど前に改装して普通のレストランに変わってしまったとのこと。
また一つ思い出の場所がなくなってしまったと嘆いても仕方がない。黒ビールを飲んだ。
肴は定番のザウワークラフト、ソーセージの盛り合わせ、アイスバイン。



これだけあれば充分だ。あとはひたすら飲むべし、飲むべし。
ガーデンプレイスには恵比寿麦酒記念館があり、ビールの製造過程などを見学したあと4種類のビールを試飲できる。格安とは言え有料である。昔は無料だったと思う。30年前、札幌工場に行ったとき次の見学グループが来ても席を空けずタダ酒を飲んだことが懐かしい。
試飲が有料になったのは思い出のビヤホールがなくなった以上に悲しい出来事だ。
呑ん兵衛はいくつになっても意地汚い。
ビヤステーション恵比寿
東京都渋谷区恵比寿4-20-3
恵比寿ガーデンプレイス内
03-3442-9731
0120-34-4251 予約センター
http://www.newtokyo.co.jp/yebisu/
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2005年12月21日
[フランツィスカーナー](日本橋) 本場ドイツの生ビール
来年のワールドカップはドイツで開かれる。対戦国の一つ、クロアチア料理店には行った。開催国のドイツ料理屋にも行かなくちゃ。
ドイツと言えばビールとソーセージだろう。それ以外に思い浮かぶのはハンバーグだが、きっとハンブルグの英語読みがハンバーグ。アメリカに行ってパンに挟まれてファストフードになった。
話は逸れるが、日本では現地語での読み方と英語の読み方が混在していて混乱する。ベルリンは英語ではバーリン、バハレーンも英語読みはバーリンと日本人には同じに聞こえる。日本語読みに慣れていると話しがかみ合わずに困ってしまうことがある。
さてドイツ料理。どうも高級料理のイメージがない。高級ワインもあるが、モーゼルやリースリング種の葡萄は甘いワインのため辛口全盛の最近では人気がない。
ソーセージ、ジャガイモ、ザウワークラフト(キャベツの酢漬け)でも食べながらビールを飲むのが定番だろうか。
昼飯時、大先輩のMさん、Fさんと会社の近くのフランツィスカーナーに行った。日本橋高島屋の一本東京駅寄りの道を入ると左手に格子扉が見える。地下に降りるとフランツィスカーナー バー&グリルがある。
ランチ1,000円で食後のドリンク付。
ランチメニューはハンバーグ、子羊のローストなど数種類ある。銀髪はソーセージの盛り合わせ。

Fさんがビールに関しての知識を披瀝し始めた。ドイツビールはメーカーごとにグラスが指定されているとのこと。Fさんの話を確かめようと店の人に尋ねると、いくつものグラスを持ってきた。
Fさんの言うとおり、なかなか洒落ている。グラスには泡の下限位置を示す目盛が書いてあり、いい加減に泡を多く注がないようになっている。法律で定められているとのこと。
日本人が泡にこだわるのはドイツ流かも。でも日本流の泡の量はちょっと多すぎる気がする。
話を聞いているともう堪らない。ビールを飲むことにした。ドイツの生ビールが飲めるなんて楽しいランチになった。

日本のスッキリ感だけのビールより遥かに旨い。Mさん曰く。「日本のビールは一口目は旨いが、二口目はもう旨くない。このビールは三口目も旨い!」
メニューを見るとビールだけでなくワインの品揃えもいい。
銀髪はソーセージ、ザウワークラフトを食べながらビールを飲む。ここでソーセージについてのウンチクをしゃべり始めるのだが今日はここまで。おかわりをしたいのもグッと我慢した。
それにしても、隣のオーストリアは宮廷料理など高級なものがあると聞くが、高級ドイツ料理って聞いたことがない。最高級のワインがあるのだから無い訳がない。フランスやイタリアに負けない料理があったら試したいものだ。
ドイツ通の方、教えてください。
フランツィスカーナー 日本橋店
http://www.zato.co.jp/fb&g_nihonnbashi.html
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2005年12月20日
[ドブロ](京橋) 日本唯一のクロアチア料理店
サッカーワールドカップの組み合わせが決まった。F組はブラジル、オーストラリア、クロアチアと日本。オーストラリアとブラジルは分かるがクロアチア? クロアチア料理? 何も思い浮かばない。
今日はフレンチ、イタリアン以外の洋食を食べようとネット検索数十分。何と、クロアチア料理店が京橋にあった。会社からも歩いていける場所にある。ワールドカップの対戦国になったので敵情視察だなどと勝手に理由をつけて行くことにした。
行く前に下調べ。旧ユーゴスラビアが分離してクロアチアは1992年に独立したものの、激しい内戦が続き、政情が安定するまでかなりの時間を要した。
地域的にはアドリア海に面しているため魚介類が豊富だが、肉料理も多彩。そう言えばオーストラリアのメルボルンで有名なステーキ屋はユーゴスラビア人が経営していた。
下調べも過ぎたるは及ばざるがごとし。店に行ってから驚きや感動を味わうためには簡単な知識で充分だ。さぁ敵情視察にレッツゴー。
失礼な話ではあるが店の中は思っていたよりはるかに立派。テーブルはロウソクの灯りでほんのり明るく、デートには絶好の雰囲気だが女性だけ、男性だけのグループも多い。
メニューには見たことも聞いたこともない料理がずらり。調理名の下の解説を読んでもよく分からないので、店の人に尋ねながら料理を決める。
チャプチッチ(ソーセージ)

スロバニア風カエルのフリット

クリームシュトゥリクリ(グラタン)

サルマ(ロールキャベツ)

ロールキャベツは中身を見るため切り分けて持ってきてもらった。添えてあるマッシュポテトと合わせて食べるとまろやかな味になる。
べゲタ風味の魚介ソテー

白身はアンコウだ。日本人は鍋しか思いつかないアンコウだが、上品な白身で美味しい。海外でも何度かソテーで食べたことを思い出した。クロアチアでも食べるとは思わなかった。
どれもしつこくなく食べやすい。
ドブロは日本で唯一のクロアチア料理屋だそうだから、ワールドカップではこの店に集まったクロアチア人サポーターを中継するためにテレビが入るのだろう。
試合後のインタヴューで「残念でした」と言ってもらいたいが、まずは友好。クロアチア料理を食べに行こう。
「ジーコ監督! この相手なら本当に美味しいよ!」と言えたらいいけど、クロアチアのサッカーは料理ほど美味しくないかも。
クロアチアは料理と同様、サッカーでもしつこくなければいいなー
クロアチア・レストラン Dobro
東京都中央区京橋2-6-14
04-5250-2055
料理の説明はドブロのホームページで見てください。
http://www.dobro.co.jp/index3f.html
投稿者 銀髪 : 固定リンク
2005年11月05日
[ANPONTAN]②(銀座) 閉店しました
昨日に続いてANPONTANの話。日本ではあまり味わえない中東料理も我々にとって懐かしい味だった。
(閉店しました)
ファラフェル(ひよこ豆の香味ペースト揚げ)が出てきた。

それを見てIさんが「ワー懐かしい」と喜んだ。食べた評価は「上品」ということだった。ニューヨークで苦学生だったIさんは、コロッケ感覚で安物のファラフェルをよく食べたと言う。香辛料はタコスの味付けに似ている。
銀髪は大学時代、ロサンゼルスでタコスを始めて食べたとき、その汗臭いような匂いに閉口した。ところが何度も食べているうちに病み付きになった。Iさんはこの匂いを遠慮がちに腋臭(わきが)と形容した。まさにそのとおり。体臭があまりない日本人には悪臭としか感じなかったこの匂いが、今は受け容れられているようだ。多少日本人向けに作られているのだろうか。それとも日本人も体臭を持つようになり、臭いに鈍感になったのだろうか。
次はケベ(牛挽肉の香味揚げ団子)。

ケベと聞いてケバブを思い出した。ケバブはトルコ料理。焼いた肉を小麦粉の皮で包んで食べる。ギリシャ料理のスブラキはケバブ似ている。トルコ、ギリシャ、中東と隣接する各国には似た料理が多い。
イスラエル料理にも似たような料理がある。伝統的な料理は中東=アラブ料理に近い。戒律で食べられない食材も一緒。
アメリカもオーストラリアも移民の国。従って移民が作る色んな料理が楽しめる。
メニューを見ていると、歴史が垣間見えてくる。人の移動と共に食文化も広がった事実を舌で感じることが出来る。
トロカジキのカラブリア風(スパイシートマト煮込み)。

これは地中海料理と言った方が良さそうだ。カラブリアとは小振りのイタリア産唐辛子。ケニア人のウエイターに頼んでそれを持ってきてもらった。いきなり一つ手に取りかじってみたら、Kさん、Iさんは驚いている。
以前、タイ産の青唐辛子を生でかじったときには口から火を吹きそうになり、何杯も水を飲んだ。飲めば飲むほど辛くて、痛くて涙が出てきた。それを思い出したが、好奇心には勝てない。乾燥唐辛子のせいか、カラブリアはそれほどきつい辛味ではなく安心した。
今日食べたのはANPONTANのメニューのほんの一部。有機栽培の野菜もよかった。
高級ワインもあるが、手頃なワインも多い。海外生活が長い松尾オーナーのゆったりとした店への思いが充分感じられる。
女性には優しいが、男には厳しそうな(?)松尾さんに鍛えられているだろう梅原さんのサービスも心地よい。客が増えて忙しくなっても今のサービスを忘れないでくれるだろうか。
海外勤務の経験がある人、海外旅行に行ったことのある人にとっては思い出が次々に湧いくる店だろう。
ひと時の異文化体験をしたようで、とても楽しく、懐かしかった。
投稿者 銀髪 : 固定リンク
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2005年11月04日
[ANPONTAN]①(銀座) 閉店しました
子供地球基金のパーティーで隣に座ったていたのがANPONTAN(あんぽんたん本舗)のオーナー、松尾さんだった。資金集めパーティーのスポンサーの一人で、くじの商品としてまた出席者全員のお土産としてANPONTANの食事券を提供した。彼には「ANPONTANはフランス語です」といきなりだまされた。なかなかの粋人。ANPONTANは彼が最近開いたばかりの店だ。早速行ってみた。
(閉店しました)
銀座有楽町方面から行くと昭和通を越えて銀座ラフィナート、京橋プラザの交差点を右折。一本目の路地の先にギャラリーなどを併設した松尾さんの自社ビルがある。完成したばかりで美しい。1階はカウンター席。オイスターバーといった感じか。2階のテーブル席に案内された。オーストラリアに7年の銀髪と一緒に行ったのはフランスに6年のKさん、ニューヨークに5年のIさん。いずれも海外生活の経験がある3人。
松尾さんによると生かきが自慢。手頃な値段で各地のかきが楽しめるとのことだったが、メニューを見ると予想以上の品揃え。ウエイターの梅原さんのお奨めに従って一人に1個、4種類のかきをオーダーした。
右上が宮城唐桑湾水山養殖場産(畠山重篤氏直送)、手前が北海道厚岸昆布森産、中央がワシントン州ペンコーブ海域のクマモト、左がタスマニアのキャッツアイ。

Iさんが意外なことに一番詳しい。厚岸はあっけしと読むそうで大好きと言う。クマモトはニューヨーク時代に良く食べたと懐かしそう。
銀髪は豪州タスマニアのキャッツアイを懐かしむ。
梅原さんは国内産を先に、外国産を後に食べるように奨める。なるほど外国産は濃厚な味わいだ。特にキャッツアイの強さには驚いた。昔はそう感じなかったが食べ比べると違いがわかる。
ワインの品揃えもいい。メニューはブドウの品種ごとに分けられているので選びやすい。Kさんは当然フランス産を主張する。銀髪は素直に従いシャブリを注文。6,500円と手頃。
この店は中東料理など珍しい味も楽しめる。それらを3種類食べたがその話しは次回に。
さあ、スパゲッティで終わりにしようかと言う段になって銀髪が二人に提案。「かきをもう4種類食べようか?」 二人は即座に賛成する。わが意を得たりと嬉しそう。
左上が三重県裏村、手前が岩手県大沢、右上がワシントン産サニーベイ、中央がオイスターボーイ。

大き目の日本産はちょっと塩っぱい。外国産はやはり濃厚な味。それぞれ個性がありどれもいい。
国内産は牡蠣、外国産はオイスターと区別して呼びたいほど味の違いは鮮明だ。
どれが一番気に入ったかと問われて、「銀座の高級クラブでどの子が一番可愛いかと聞かれるようなものだ」と応えてみんなの顰蹙を買う。
海水をたっぷり含んだ殻つきのかきを食するのは海を食べるようなものだ。洗浄してパックされた生食用かきでは海を食べた感じにはなれない。
ANPONTANはかき好きにはたまらない店だ。
今日は日本と海外、様々な海を堪能した。
ANPONTAN
東京都中央区銀座1-21-17
03-3564-1050
(月曜定休、18時~深夜まで)
投稿者 銀髪 : 固定リンク
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