2008年11月25日

[ジャーメジャム Jame Jam] (阿佐ヶ谷)

初めてのペルシャ料理、かな?


「お客さん、是非食べに行ってください」 タクシーを降りるときにチラシを渡された。家に着くまで寝ていたので運転手さんとは殆ど会話をしていない。「知り合いのイラン人がやってる店です」と熱心だ。必ず行くと約束して車を降りた。

それから数ヶ月、チラシは鞄の中で眠っていた。偶然ホルダーの奥に隠れているのを発見したので行くことにした。南口を出てしばらく歩くと賑やかなアーケード街からどんどん離れていく。30年以上前、大学の友人たちとしけた屋台で飲んだことを思い出す。

わざわざ予約をしてきたけれど、カウンターに女性客一人だけと寂しかった。イラン人オーナーの助けを借りて、料理を選んだ。

前菜盛り合わせ、ピタパン

ひよこ豆、オリーブ、ヨーグルトで作った練り状のものをピタパンに乗せて食べる。ペルシャ料理といってもチュニジア、ギリシャ、トルコ、イスラエルなどの地中海料理とあまり変わらない。ちょっと拍子抜け、ちょっと安心した。

日本の生ビールを飲んで、トルコやレバノンのビールに行こうかと迷った末に、リキュールを飲むことにした。Yeni Raki(トルコ、45度)とKsaraku(レバノン53度)を飲み比べした。アブサンと同じ薬草系の味がする。しばらくストレートで飲み、飽きたところで水を入れた。アブサン同様に白濁するのが面白い。もっとも日本人が好んで飲む酒には思えない。変わり者の銀髪ぐらいだろう。

グービーデ・キャバーブ(ラム、チキン)

これも地中海料理の定番。ミンチ肉に香辛料を混ぜて焼いたもの。インド料理屋のケバブに似ている。イラン人に言わせれば古代ペルシャ帝国が近隣諸国を占領したことにより広まった料理で、ペルシャ料理がトルコ料理やインド料理などの起源とのこと。

店内にはオーナーのモーセンさんがNHKの衛星放送に出演した番組が流されていた。日本人の奥さんと、子供の名前がメニューの片隅に記されている。モーセンさんの優しい人柄がよく分かる。タクシーの運転手さんが応援したくなるもの頷ける。

開店してから1年半。水たばこが飲め、毎週土曜日にはチャージなしでベリーダンスも見ることができる。

モーセンさん、頑張ってね!


ジャーメ ジャム Jame Jam
東京都杉並区阿佐ヶ谷南2-20-7
03-3311-3223
http://www.jamejam.jp

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2008年11月20日

[ガンボ&オイスターバー](八重洲)

野郎二人でオイスターバー


夜間に移動して朝から仕事をさせる。そんな計画を平気で持ってくるのが我が社の部下である。管理職は人気商売と悟っている銀髪は断れない。発車時刻までの短い時間、夕食をする場所に選んだのはオイスターバーである。

ガンボ&オイスターバーの八重洲地下街店は初めてだが、新宿ルミネエスト店には行ったことがあるので部下の前でも戸惑うことはない。嬉しいことに生牡蠣セットが半額。6個セットを2つ頼もうとしたら、多すぎると部下からストップがかかった。渋々8個セットを1つ頼んだ。

レモンの右から北海道厚岸、北海道仙鳳址、米国ワシントン州パシフィックオイスター、アイルランド産パシフィックオイスターの4種類8個。8種類かと思っていたのでちょっと意外だった。6個セット二つなら同じ種類を2個ずつ食べなければならなかった。二人で一個ずつの8個セットは結果オーライだった。牡蠣に合うという店オリジナルの黒ビールを飲んだ。

カキフライ、バター焼き

数年前に閉店した神保町のバラライカのランチで出るカキフライは的矢の牡蠣だった。生で食べられるものの、鮮度が少し落ちたものを使っていたと思う。もしかしたらここのカキフライもバラライカと同様に殻から剥いたばかりの高級牡蠣をフライにしているのかもしれないと期待した。

「アッチチッ!」と大袈裟に口を歪める部下を見て笑った。「アッチチッ!」と今度は銀髪が慌てる番だ。熱い汁があふれ出して来たが、何とか我慢して口の中に止めた。期待に反して生食用のメニューには載っていない広島産の牡蠣だったが、フライには肉厚の広島産や岡山産の方が向くようだ。とても美味しかった。

メニューの中で食べ残した生牡蠣を頼むことにした。岩手県大槌産と南オーストラリア産ストリーキーベイ。最初は6個も食べられないと言った部下に、お義理で「食べるか?」と聞いたら予想外に首は縦に動く。再び仲良く2個ずつ食べた。「オイスターバーは初めてです」と喜ばれたら悪い気はしない。

慌しい食事だったが、男二人のオイスターバーも悪くない。ニューヨークやパリではごく普通の光景だろう。普通でないのは銀髪の目の前の男が飲んでいたのがウーロン茶だったことだ。出発時間が近づく。スパゲッティにくらいつく部下を、ワインを飲みながらじっと待った。

ガンボ&オイスターバー 東京駅八重洲地下街店
03-5201-7888
http://www.oysterbar.co.jp

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2008年08月21日

[コルベーユ](早稲田・リーガロイヤル東京)

懐かしのウインナーシュニッツェル


早稲田でミーティングを終え、食事をすることになった。高校生活を送った地域ではあるが、ラーメンのえぞ菊など数店しか思い浮かばない。下調べもしないで行ける安心な所はホテルのレストランだ。暑い日なのでワンメーターでもタクシーの運転手さんには大目に見てもらった。

日本料理(懐石、寿司、鉄板焼)、中国料理も魅力的だが、気軽なカフェを選んだ。懐にも優しそうだ。サントリー協賛の飲み放題が2,500円とお得なのもいい。

オードブル4種盛り、バーニャカウダ

オードブルが950円、バーニャカウダが800円と思惑通りのお手頃値段。ビールが美味い。

ウインナーシュニッツェル

メニューを開いたとき、即決したのがウインナーシュニッツェルだった。とても懐かしい響きがある。ビーフカツと似ているが、肉は叩いて薄くしたもので、多目の油をひいたフライパンで焼くところが異なる。父がよく作ってくれたような気がするが、例によって記憶は定かではない。

オーストラリアに居たときはチキンシュニッツェルのサンドイッチをよく食べた。客の好みを聞いて目の前で作ってくれる。ホワイトブレッド、チキンシュニッツェル、レタスまでは上手く言えるのだが、ソルト&ペッパーと言うところを、ソルト&シュガーと言って笑われた。不思議なことに言わないように意識すればするほど、また言ってしまう。今でも思い出すと冷や汗をかく。

サーモン網焼き

カフェは気軽でいい。シュニッツェルもサーモンも切り刻んで酒の肴になった。銀髪が選んだシュニッツェルの方が数段美味しい。海外と同様、日本で食べても洋食の魚料理は感心しない。サーモンを選んだ相手も素直に負けを認めた。勝てるはずはない。今日のシュニッツェルは銀髪が食べた中でも最高の出来だったのだ。

思い出の味を超えてしまったウインナーシュニッツェル。写真を見るだけでよだれが出て来る。


コルベーユ リーガロイヤル東京
東京都新宿区戸塚町1-104-19
03-5285-1121

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2008年07月29日

[レストランキハチ 銀座本店](銀座)

気楽に楽しめるあの有名な喜八氏のお店


今でも銀ブラという言葉は使われているのだろうか。そもそも銀髪ですら使ったことはない。銀ブラとは銀座をブラブラ歩くことで50年以上前に使われ始めたそうだ。今、銀髪がしていることは晩飯の場所探しだけれど、これも銀ブラの一種かもしれない。

無数の飲食店がひしめく銀座でもどこに入るか決めるのは困難を極める。ラーメン屋という訳にはいかない。立ち飲みや屋はちょっと疲れる。焼肉は食べたくない。何でもいいと言いながら、結局のところ何でも良くはない。ようやくピンと来た店を見つけたら予約で一杯。再び銀ブラ。ガラス窓から中を覗いたら、空席がたくさんある店を見つけた。妥協することにしたが、それが有名なキハチとは知らなかった。

2階席も空いていると言われて案内してもらったが、立派過ぎるので怖気づいた。ぶらついて偶然入った店では気楽にやれそうな1階席がお似合いだ。行ったときはスペイン料理特集をしていた。ファミリーレストラン風の写真のメニューが料理を選びやすくしてくれた。

茄子鮪からすみ風味、ルッコラとトマトのサラダ、干し鱈のブニュエロ

干し鱈を入れたコロッケはポルトガル料理屋マヌエルで何度も食べた。マヌエルのものより干し鱈の存在感が薄い。

初夏野菜の網焼き、真鯛ピーマンマリネ、マッシュルーム生ハム

薄焼きせんべいコカ、イカ葉山葵のトマトスパ

多国籍料理と謳うに相応しい創作料理の数々。一皿の量が少ないのでカップルでも色んな料理が楽しめる。美味しくて感激するほどではないが、キハチの名前に傷がつくほど酷くもない。
相方がキッチンカウンターの向こうにオーナーの熊谷喜八氏が居ると喜ぶ。テレビでも見たことがないので、当人かどうか銀髪は分からない。全部で57店舗を擁し、テレビにもよく登場する有名人を見ることができて、有難がるべきか悩んだが止めにした。目の保養になるとも思えない。

気楽に飲み食い出来る店を銀座に作ってくれた事にはちょっと感謝した。


レストランキハチ 銀座本店
東京都中央区銀座2-2-6
03-3567-6284
http://www.kihachi.co.jp


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2008年06月09日

[アカシア]③(新宿)

アカシアはドイツレストラン?


もちろん、あのロールキャベツの「アカシア」である。先日いつものようにロールキャベツを頼んだ後に、壁に貼られたメニューに目が釘付けになった。アカシアは定食屋とばかり思っていたが、どうやら認識不足だったようだ。

日を替えて再びやってきた。2階の禁煙席に相席を強いられた。混んでる時間帯で文句は言えない。大テーブルなので他の客もそれほど気にならないのが幸いだ。ほぼ同時に同じテーブルに座った若いカップルが定食を頼んだ。我々は君たちとは違うよ!

冷製ソーセージ、レバーパテ、燻製若鶏

前回、目を奪われた各550円のおつまみ類だ。もちろん飲むのはドイツビール。カッカッカッ! とてもご機嫌である。

グリーンサラダ、ポークソテー

サラダも量が多い。大テーブルのこちら半分が皿で埋まった。ポークソテーも来てさらに我が方の陣地が大きくなる。向かいのカップルが目を白黒していて愉快だ。ビールをお代わりしてご機嫌で笑い声を上げているうちに、いつの間にか前のカップルは食べ終えて消えていた。

観客がいなくなって失望していたら、若い女性が2人、奥の大テーブルに座った。「混みあうかもしれませんので並んで座ってください」と店員に促されたものの、一つ席を空けて仲が悪そうだ。しばらくしても会話をしないので、我々も店員も状況を把握した。たまたま一緒に店に入っただけらしい。

赤の他人が並んで座らされた不機嫌な気持ちも、定食を口に運ぶ頃にはおさまった様だ。居酒屋で女だけで盛り上がるテーブルを見ることは珍しくなくなったが、女性の一人メシは珍しい。しかも2人が一つ席を空けて、並んで黙々と食べている光景はちょっと奇妙に見える。

連れの話では珍しくないらしい。料理をすることなく定食屋や弁当で夕食を済ませる女性も多いそうだ。今や企業戦士は男だけではない。女性の地位向上や自立が当たり前になってきた。若い男性の女性化、女性のオヤジ化が言われ始めて久しい。
彼女たちもすぐに消えた。我々の向かいには3組目が座った。

ロールキャベツ、ビーフシチュー

定番のロールキャベツ、そしてちょっと気張ってビーフシチュー。もちろんご飯をもらうと日本的だ。
ソーセージなどでビールを飲んでいるとアカシアはドイツレストランだと思えてくる。定食屋のイメージに異を唱えることはしないが、商売とは別に秘めた誇りがあるように思える。

もっとも銀髪も定食屋扱いしていたのだから偉そうなことは言えない。ドイツレストランのようだと思ったのも、銀髪の勝手な思い込みに過ぎないかもしれない。


アカシア
東京都新宿区新宿3-22-10
03-3354-7511

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2008年05月26日

[レガート](渋谷)

楽しい多国籍料理


ガラス張りのエレベーターが動き始め、東京タワーを正面に見事な夜景が浮き上がってくる。店に入ると同じ夜景が見える右側のテーブル席を数組のカップルが占拠している。
入り口で待っていると店員がやってきて「お名前を伺っていいですか?」と言う。正面のスタンディングバーに多くの外国人が飲んでいるのが目に入る。本名を告げたものの「ジョンとかトムと言った方が良かったかな?」と笑いを誘った。

案内されたのは左側の広々としたダイニングルーム。席に向かうオープンキッチン沿いの通路を歩くと、料理人たちが「いらっしゃいませ!」と大きく声をかける。席に着くとすかさず「〇〇様」と始まった。なるほど、このために名前を聞いたわけだ。「トムの方がいいな」と女性店員に言うと、「それじゃ、私もマリーにしましょうか」と明るく乗りがいい。


前菜に選んだのは“富山県産白海老と春野菜のセモリナ粉フリット、自家製ハーブ塩を添えて”と“鹿児島県産鰹のサラダ仕立て、ペドロヒメネス種の10年熟成シェリーヴィネグレットで”の2品。多国籍料理と言うので気取らず和食風の料理でスタートすることにした。フォーク、ナイフ、スプーンと並んで箸もセットしてある。 

メインは“瞬間燻製した銀鱈の炙り焼き、梅肉を入れた中華粥とオシェトラキャビアを添えて” “イベリコ豚のグリル、豆豉醤のソースと花山椒の香り”の2品。「分けてお持ちしましょうか?」と良く分かっている。

銀鱈やイベリコ豚もいいけれど、中華粥と豆豉醤のソースがとても美味しい。多国籍料理というよりも、和洋中が上手に調和した料理と言った方が適切だ。メインの素材そのものよりも添え物やソースが印象的だった。

「マリーちゃん、マリーちゃん」と呼んでは、白、赤のグラスワインを4種類飲んだ。料理を運んでくれた男性店員もフレンドリーでいい。テーブルのローソクだけの灯りでは料理が写せないと心配したが、フラッシュ撮影も笑顔で即承認。最初に感じたよりも、ずっと気楽な雰囲気で有難かった。

なかなかの店だと思ったら、タブローズ、カフェ ラ・ボエム、ゼスト、モンスーンカフェ、権八などを抱えるグローバルダイニングの経営だと後で知った。レガードは大手のノウハウを良く活かしている。店長個人の力もあるのだろう。

席を立ち「マリーちゃん、またね!」と手を振った。エレベーターホールまでは店長が見送ってくれた。
なかなかいい店だ。


レガート
東京都渋谷区円山町3-6 E・スペースタワー15
03-5784-2121
http://www.legato-tokyo.jp/jp/shibuya

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2008年05月13日

[オリオンズ](銀座)

知る人ぞ知るローストビーフの名店


銀座は目を瞑っても歩けると豪語するわけではないけれど、知ったかぶりをして電話を切った。ところがあたりをつけていたビルに「オリオンズ」の表示はない。恥を忍んで携帯電話を鳴らした。「すしざんまいのあるビルです」と言われてすぐに分かった。最初からそう言えよ!

ビルは見つかったがエレベーターの乗り場が分からない。エレベーターには乗れたが、降りても店の入り口が分からない。ローストビーフと聞いて立派なレストランと勘違いしたために、イメージ通りの景色になかなか辿り着けない。ラウンジのような店がそれと分かり、ようやく目的のショットバー風のカウンターに座った。やれやれである。

ヴィシソワーズ、あさり、ほたるいか

中は思ったより広い。ゆったりとしたソファーに寛いで食事が出来る。もっとも、銀髪はカウンターの方が落ち着ける。藤澤支配人との会話が楽しい。人それそれ好みは違う。

ローストビーフ

自慢料理はローストビーフ。「はじっこも入れてくれる? あそこが美味いんだよね」とオーストラリア仕込の知識をひけらかす。「良く知っていますね」と藤原さんも乗せるのが上手い。「オージービーフですか?」と聞いたら、「和牛ですよ!」と言うのに驚いた。

最近では帝国ホテルをはじめ殆どの高級ホテルのバイキングやパーティーで豪州牛が使われている。慣れ親しんだ豪州牛でも悪くないが、和牛のローストビーフは「SHIZUO TOKYO」で数年前に食べて以来なので嬉しくなる。
毎日数時間かけて焼くのは大変なことだ。せっかく焼いても売れ残ったらやるせないだけでなく経営にも響く。実際、SHIZUO TOKYOではいつでも食べられる料理ではなくなった。

スパゲッティ

辛いスパゲティを更に激辛にしてくれと頼んだけれど、汗はかかなかった。これでしっかり腹も膨らんだ。

「ローストビーフは一流ホテルよりも上」といつも自慢していたオーナーは昨年亡くなったそうだ。銀髪が藤澤さんに「確かに帝国より上だね!」と言った声は、天国のオーナーの耳にも届いただろうか。


オリオンズ
東京都中央区銀座7-3-13 ニューギンザビル1号館10階
03-3571-8732
http://www.f443.com/orions.html

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2008年04月29日

モスバーガー

福岡まで来て食べるものではないけれど


空港で博多ラーメンか博多うどんを食べようと思った。しかし、部下は福岡駅まで行って食べましょうと言う。何か目当ての店があるに違いないと思って従った。
連れて行かれたのは飲食店が数店入った駅隣のビルで、店の一覧写真を見て選んでくださいと言われて絶句した。空港で食べるべきだったと思ったが後の祭り。
熟考した末にモスバーガーに決めた。銀髪の決定を聞いて今度は部下が絶句した。

ビルに入っていたラーメン屋、うどん屋、郷土料理屋なども美味しい店だったかも知れない。しかし、戦略的に裏通りに出店すると言われたモスバーガーが選んだビルがメジャーだとは思えない。銀髪の決定は的外れではなかったと思う。

記憶にないほど久し振りにモスバーガーを食べられると思うと、エレベーターを降りる頃にはすっかり機嫌が良くなった。頼んだのは食べたかったオーソドックスなものではなく、ライスバーガー。メニューを見て気が変った。

かき揚げバーガーは美味しかった。米を粉にして焼いたパンを使うのかと思っていたが、これは天むすからヒントを得たような代物。何とも珍妙な食べ物だが同種のものはコンビニでもたくさん売っている。話の種にはなりそうだ。

オニオンリングも久し振り。たまねぎより衣の方が容量が多い。見事な調理に感心しながら食べ終えた。

店を出るときに看板に気付いた。「価格改定」という表現に苦笑した。「値上げのお知らせ」で良さそうなものだが、さぞかし社内で議論したのだろう。

「ライスバーガーを食べましょう」「食料自給を推進しましょう」なんてことを書けばもっと良かったのにと思った。
戦後、アメリカの戦略によって給食にパンが導入された。それ以来、アメリカからせっせと小麦粉を買い続ける日本。
食料価格の高騰はいろんなことの転機、発想の転換を促しているのかもしれない。

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