2008年10月14日

[小はれ日より]④(銀座)

今日は小はれ日よりではなく満天(満点)の星


「上海蟹の紹興酒漬けがちょうど食べ頃になっています」電話の向こうの大川さんの笑顔が見える。グルメ紀行を書くためには好きな店ばかり何度も行くわけにいかないが、小はれ日よりは複数回訪れた数少ない店だ。それでも昨年の5月以来の訪問。変わらぬ歓迎ぶりが嬉しい。

薬膳スープ、上海蟹の紹興酒漬け

お決まりのスープの後に今日のトップスターのお出ましである。他店より多目の紹興酒で約2週間漬けたと言う。卵が濃厚で美味い。もう上海蟹の季節になったかと感慨にふけった後、言葉少なにむさぼり食った。

小はれ日よりにメニューはない。予約のときに予算や好みを伝えておけば、オーナーシェフの高橋さんが腕をふるってくれる。まるで懐石料理のように少量多品目の料理を味わえる。



楽しいのは料理だけではない。高橋さんの絶妙なトークも魅力だ。「あかしやです」と出された皿の上にはさんまが乗っている。ジョークと気がついても、素知らぬ振りして説明させると照れて汗を掻く高橋さん。笑いは最高の調味料でもある。

蒸し上海蟹、フカヒレと牛アキレス腱のスープ

前日に予約を入れていたので銀髪のために特上の配慮があった。食べやすいように上海蟹の身をほぐして殻に詰めておいてくれたのだ。酢としょうがで味付けされてとても美味しい。

上海蟹の配慮に感激していたら、もっと上の料理が出てきた。銀髪のために長時間煮込んで用意したというスープ。鶏がら上湯スープがベースだそうだが、今まで味わったことがないような複雑な味である。長時間煮込んだことにより素材から染み出した味のハーモニーで、特別な味付けはしていないという。スープのとろみは牛のコラーゲンによるもので、片栗粉などは使っていない。何とも不思議で濃厚な味に唸り、黙り込んでしまった。高橋さんのしてやったりの顔が憎い。

ピータン入り麻婆豆腐、デザート

看板料理のいつもの麻婆豆腐が出てきて再び宴は賑やかになってきた。「今度は1週間前には電話くださいよ」と言う。銀髪に何を食べさせるか構想を練る時間を楽しむと言ってくれる。一流の料理人が銀髪の顔を思い浮かべながら料理を用意してくれるなんて、これ以上ない幸せである。

勘定を払い、席を立ち、喜びを噛み締めながら、「今日はまいりました」と言って頭を下げた。あらためて料理人に愛される客でいたいと思った。


美食同源 銀座 「小はれ日より」
東京都中央区銀座1-15-8 銀座耀ビルB1F
03-3538-0554
http://www2.odn.ne.jp/kohare/


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2008年10月13日

[中国茶房8]②(六本木)

サソリや北京ダックだけじゃない!


中国茶房・六本木店に来るのは2回目。恵比寿店も合わせると3回目になる。「恵比寿店」では看板料理の北京ダックの前にサソリを食べた。北京ダックは前回の「六本木店」でも食べた。皮を削ぎとった残りも炒め物とスープにしてくれて3,680円。宴会もいいが、休みの日は家族で行っても喜ばれるだろう。

ジャガイモ千切唐辛子炒め

ビールのつまみに680円のジャガイモ炒めを頼んだ。辛そうだったので思わず選んでしまったが、ビールを飲みながらメニューを吟味してちょっと後悔した。そして、今日のテーマを決めた。

メニューを見ているのは銀髪のみ。サソリでもヘビでも構わず頼む銀髪である。二人の部下は何を食べさせられるか戦々恐々かも知れない。

まだ6時を少し過ぎたところなので、まだガラガラである。それなのに予想に反して料理が揃うまでちょっと時間がかかった。6品を並べて、写真を撮って、さあ、これからお楽しみだ。全部でいくらでしょう。

答えは840円。水餃子が一皿105円。ピーナッツとあわび茸が各210円。ホームページによると餃子は店の点心師の手作りだそうだ。安いので中国からの冷凍品と勘違いしてしまった。餃子は30種類もあるが全部食べても3,150円。これだけでお腹一杯にしたら店の人に睨まれるかもしれない。

最初の水餃子を食べた部下が飛び上がらんばかりに驚き、大袈裟に口をゆがめた。彼が口にしたのは唐辛子の餃子だった。唐辛子、トマト、きゅうり、ニンニクの芽と頼んだものは変り種ばかり。ゲテモノでなくとも驚かせることは出来る。実に愉快である。

210円の料理もたくさんある。酒の品揃えがイマイチだが、中国人経営では仕方がない。まだまだ中国人は酒には無関心のように見える。酒の質は富のバロメーターでもある。

北京ダックもいいが、105円と210円のおつまみでも悪くない。但し、餃子は3個ずつなので、3人もしくは3の倍数で来ることをお奨めする。まるで世界のナベアツだね。


中国茶房8 六本木本店
港区西麻布3-2-13 コートアネックス六本木2F
03-5414-5708

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2008年09月17日

[笑龍](渋谷)

野菜ソムリエと漢方アドバイザーの店


ともかく野菜ソムリエが選んだ野菜を漢方薬局と協力して薬膳料理を出すというのが笑龍のウリらしい。野菜ソムリエ資格がどのぐらいの価値があるか分からない。美容と健康にいいと言われれば、悪いイメージは湧かない。まあ、入ってみよう。

消化促進、老化防止、美肌、免疫力アップ、養血と脳内活性、風邪予防。メニューを見ると、全部食べなければならないような気になる。迷ったらセットメニューだ。「副都心線開通記念セット」が一人前2,800円。これに決定! もともと女性客向けに作ったセットで物足りないかもしれないと言われて、看板料理の世界一長い春巻きを追加した。

野菜ソムリエサラダ、大海老のマヨネーズ

いかにも健康に良さそうなサラダに見える。目で食べるサラダといったところだろうか。

紹興酒テイスティングセット

紹興酒、20年物紹興老酒、甘口の5年物紹興老酒の3種セットで1,000円。漢方の酒を飲もうか悩んだが20年物に負けた。紹興酒は体内では作れない必須アミノ酸を含むので、勝手に漢方酒に分類してあげた。

春巻き、美肌フカヒレの茶碗蒸し

揚げる鍋がないから家庭では食べられない春巻き。結局はさみで切ってくれるのだが、「手で持って食べてください」と言えばもっと面白いだろう。まあ、上品な店では奨められない。

本日の産直野菜一品、フカヒレの薬膳ごはん、身体にやさしいデザート

コラーゲンが人気のフカヒレ料理がコースに2品も入っている。本数が数えられるほどでフカヒレ繊維と言った方がいいが、最近はやりの偽装ではない。2,800円のコースでは上々である。

薬膳料理の店だけに、腹八分目の量が憎い。軽めの味付けなので後で胃がもたれることもない。「副都心線開通記念セット」は10月31日までやっている。女性には喜ばれるだろう。

男性には食後は早く帰って寝ることをお奨めする。飲みなおしに行こうものなら、帰りにラーメンが欲しくなってしょうがない。折角の薬膳料理も効果が消えてしまうだろう。銀髪は我慢できた。薬膳効果は維持できたかもしれないが、我慢は精神的に辛かった。

笑龍
東京都渋谷区宇田川町21-1
03-5728-5515
http://www.urg.co.jp

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2008年08月17日

[鹿港](上町)

人気の肉饅を朝から買えるようになった


皇居のランニングコースの2周目に入ったところで携帯電話が鳴った。長兄がこれから母の所に行くと言う。前日に行ったばかりの銀髪でも、兄が来るとなれば顔を出さないわけにはいかない。予定を切り上げて、約20㎞を戻ることにした。

往路は下りが多くて楽だが、復路はちょっとしんどい。もっとも、新しいロードバイクは赤坂の虎屋の前、渋谷南平台、駒沢などの坂を苦にしなかった。愛い奴である。
三軒茶屋を越えて上町にある肉饅で人気の鹿港を通り過ぎたところでブレーキをかけた。まだ10時なのに店が開いていたような気がした。振り返ってみると確かに開いている。いつものような行列どころか、一人も客がいない。

聞けば開店時間は11時半から9時に早まったとのこと。前に来たときは他の客にあおられる様に買ったが、今日はゆっくり相談することもできた。母の家で蒸しなおすことにして冷めた肉饅と2種類のまんとうを買った。リュックに入れても背中が熱くならなくていい。

母の家に着くと、既に兄がビールを飲んでいた。なんと兄も肉饅を買って来ていた。彼が買ってきたのは自由が丘の五十番。のれんわけか喧嘩別れか知らないが、神楽坂の五十番より美味しいそうだ。チン!では美味しくないので蒸篭で温めて食べ比べをした。

前にも書いたことがあるが、銀髪の思い出の肉饅は福岡の鹿鳴春のもの。鹿港の肉饅は具が縮んで真ん中にコロリと収まっている。鹿鳴春に似ていて嬉しくなる。当然、皮との間に空間が出来る。昔の肉饅はどれもこんなものだったと思うが、最近では五十番のように具が柔らかく、肉汁と油たっぷり、隙間なしのものばかりである。

鹿鳴春も鹿港も、鹿の字がついているのでルーツは同じかもしれない。鹿港の主人は台湾で修行して、本場の味を再現しているという。残念ながら鹿鳴春は潰れてしまったので、銀髪の記憶を確かめることはできないが、母も兄も銀髪の意見に同意してくれた。

鹿港の営業時間が長くなったのは嬉しい報せだ。地方発送もしてくれるようだ。昔ながらの肉饅が食べたいと思う人は是非試して欲しい。

鹿港
東京都世田谷区世田谷3-1-12 1F
03-5799-3031

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2008年08月07日

[夢餃子](宇都宮)

肉屋さんの宇都宮餃子


東京へ帰る新幹線の時刻表を持っていなかったため、とりあえず客先から宇都宮駅に直行した。すぐに乗れそうなら駅弁で、時間があれば駅ビルで昼食をとることにした。切符を買って時計を見ると出発まで30分ある。

駅ビルPASEOにはJR改札のある2階に4軒と1階に2軒の餃子屋が入っている。宇都宮餃子館、みんみん、宇味家などの有名店には駅ビル以外の店に行ったことがある。1階の青源にも行った。今日は初めての夢餃子に入ることにした。

有名店には既に多くの人が居るのに先客は一人のみ。不安感は横に置いて、料理が出て来るのが早そうなのを喜んだ。普通ならビールを飲むところだが自重して650円の夢セットにした。
しかし思ったより時間がかかった。調理場を覗くと料理人が何度も餃子をへらで少し持ち上げ、焼き上がりを見ている。ちょっと心配したが、きれいに焼きあがって来た餃子を見て安心した。

とん汁はあまりいい出来ではない。ごはんもあまり美味しくない。しかし肝心要の餃子は有名店と比較しても悪くなかった。最初に宇都宮餃子を食べたときは、期待が大きかっただけに拍子抜けした。色々食べ歩いて無用の期待を捨ててしまうと今度は美味しく感じられるようになった。まったく面白いものである。
夢餃子は餃子屋さんとしては新興のようだ。もともとは肉屋さんと聞けば餃子も美味しいはずだと納得する。駅ビルに入るのだからそれなりの評価か資力があるに違いない。

食べている間に一組、二組と客が入ってきた。まだ12時前だから、人気がないと思ったのも勘違いかもしれない。「僕、餃子だけでいい!」と自己主張していた隣席の幼児が可愛かった。
勘定を払うとランチ時は50円引きと知って嬉しくなった。やっぱり今度はビールを飲もう。ご飯に餃子では物足りない。

帰って調べたら夢餃子は全国に瞬間冷凍した餃子を卸しているとのこと。「フリージングレイン」という最新技術を使っているらしい。宇都宮駅の店舗で焼き上がるまで時間がかかったのは、冷凍だったからかもしれない。味は悪くなかったので確かに最新技術なのだろう。

昔、小学生の娘と自宅近くの5店の餃子食べ歩きをしたことがある。10年以上経った今でも彼女にとっては夏の日の貴重な思い出のようだ。宇都宮で駅ビルにある餃子屋全店制覇なんてのはどうだろう。安上がりの楽しい思い出になるはずだ。

夢餃子
宇都宮駅ビルPASEO
028-600-3185

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2008年07月18日

[天丹](銀座)

中国二色鍋


普通のスープと辛いスープ、2つに分かれた鍋は東銀座の「台湾海鮮」と日本橋の「天香回味」で食べたことがある。いずれも台湾に本店がある「天香回味鍋城本店」の系列。今回の天丹は四川料理という。勝手に本家争いを煽ることにした。

集まったのは大津の「松喜屋」で知り合った同業5人。「東京に戻ったら食事をしましょう」とどちらからともなく出た言葉を社交辞令にしないのが銀髪の流儀。その場で日を決め、幹事役を買って出た。

豆苗炒め、鶏の唐辛子炒め

40代前半の3人のお腹を見て鍋に決めた。高級店で大食いされたら財布が泣く。ダイエットに効果があるカプサイシンを含む唐辛子をたくさん使った料理を選ぶ気遣いが我ながら憎い。

2色鍋

中国人の店員が2つのスープを椀に混ぜ合わせ、すりおろしたニンニクなどを入れてくれた。これでタレの出来上がり。鍋の薬膳効果などは言ってくれないし、食べ方の説明も詳しく説明してくれることはない。

色気がない我々のテーブルに遠慮や気遣いは無用。きれいに並べられた2種類の肉(黒豚と羊)、練り物、野菜をぶち込む。タレが辛くて肉の味の違いなどまったく分からない。猪肉も追加したところで、白湯スープだけで食べてみた。美味しいスープと初めて知った
つけダレは2種類作った方がいい。

烏骨鶏、ラーメン

面白い具材を追加してみんなの興味を引こうとするが、他の連中は紹興酒ばかり追加するのに熱心だ。次に行く予定の店から何度も電話が入るので、紹興酒の更なる追加を制止した。お開きが近いと知って、喋りと笑い、それに酒のために開けられていた大口に、残りの食べ物が放り込まれていく。いやいや頼もしいばかりだ。

四川省重慶は盆地にあるため夏は火城と呼ばれる。そこで暑気払いのための辛い鍋を火鍋と呼んだそうだ。台湾海鮮はモンゴルが起源という。一方で天丹は四川が本場という。どちらにしても重要な役割をしているのが中が2つに分かれ鍋。銀髪も通信販売で手に入れた。醤油味と味噌味の鍋、寄せ鍋とキムチ鍋、などなど、大活躍している。

みんなゴジラ並みに元気になった。しかし、2軒目で火を吹くが如くはしゃぐ連中には手を焼いた。貸切り状態にしてくれたお店に感謝、感謝だった。


四川火鍋 天丹 銀座本店
東京都中央区銀座7-108 コリドー街2階
03-3569-7033
http://www.ten-tan.com

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2008年06月27日

[太子楼](新宿御苑前)

本格的な杭州料理を食べられるお店


「中国が近い将来日本を抜く」と色々な場面で中国脅威論が語られることが多くなったが、かつては遣隋使、遣唐使を送るなど日本が中国を崇めていた。もちろん文化面でも中国の方が遥かに上だった。食では中国8大料理(山東料理、四川料理、江蘇料理、浙江料理、広東料理、湖南料理、福建料理、安徽料理)を生んだ。

杭州料理は浙江料理に属し、中国を代表する詩人・蘇東坡が作ったとも言われる東坡肉(トンポーロウ=皮付き豚の角煮)が有名である。杭州料理の店があると聞いて行くことにした。新宿御苑から徒歩3分。ホームページを見ると、ちょっと怪しげな日本語が微笑ましく、本場の味が期待できる。

くらげ、海老の龍井炒め

ホームページで「モダンで落ち着いたインテリア」と言うのはご愛嬌ということにしておこう。3桁のお値段の料理が並ぶメニューを見たら豪華な店でないのが有難くなる。
杭州名物の龍井(ロンジン)茶を使った料理はさすがに高いがそれでも1,200円。内陸にあるため川や湖で獲れる素材を使い、淡白な味が特徴だ。

茄子とモンゴウイカのピリ辛炒め、オリジナル醤油焼きそば

新宿の繁華街から離れるだけに、飛び込み客は少ないだろう。客の多くは近隣の常連さんで、我々のようにわざわざ来た人はいないようだ。周りのテーブルには餃子、鳥の唐揚げ、麻婆豆腐などが乗っている。

本場から来たという料理人は忸怩たるものがあるに違いない。銀髪のように杭州料理やオリジナル料理を求める客が増えれば、メニューの構成もかなり違ったものになるはず。好奇心旺盛な若い女性たちに、料理人を喜ばせてもらいたいものだ。

杏仁豆腐

デザートの評価には自信がないけれど、この杏仁豆腐も悪くないと思った。店が賑やかになれば、もっと色々な杭州料理が食べられるようになるはずだ。もっとも街の中華料理屋的なところを愛する常連さんたちにとっては迷惑な話で、そっとしておいて欲しいかもしれない。


太子楼
東京都新宿区新宿1-30-6
03-3358-9885
http://www.taisirou.com

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2008年05月29日

[日本橋焼餃子](日本橋三越前)

三越前に餃子専門店誕生


ランチ時、日本橋三越前の裏通りを歩いていて新しい店を見つけた。入ろうかと一瞬悩んだが、そのままやり過ごした。餃子とご飯では納得できないし、昼間からビールをがぶ飲みするのも気が引ける。あれから1週間、遂に餃子の夕べがやってきた。

いつもの定番は避けて、テーブル席があるという地下に潜ることを決断した。たくさん皿を並べるにはカウンターでは狭すぎる。想像したより地下は広い。点心類は5種類しかないので全部注文した。食べ切れないことはないだろう。出来上がるまで自家製キムチと豆もやしで生ビールを喉にぶち込んだ。ビールが美味い季節到来である。

海老焼餃子、日本橋焼餃子

最初にやってきたのが海老餃子、次が主役の日本橋焼餃子。海老餃子は海老のプリプリ感も、身上である香りも薄い。焼餃子は悪くはないが他店を圧倒する看板料理とは言い難い。

小龍包とスープ入り焼餃子の食べ方が書いてある箸袋を見て気がついた。袋をひっくり返すとYUJINの文字。日本橋高島屋近くの「YUJIN」の系列店だったのだ。「焼餃子はYUJINの方が美味い」と言ったら、「日本橋焼餃子はにんにくを使わないから味が薄く感じるのではないか」とのこと。つけだれで調整して食べた。

水餃子、極丸、海老揚ワンタン

水餃子と極丸は美味い。水餃子も焼いた小龍包の極丸もしっかりした皮の特徴が活きている。皮に具が負けている感のある焼餃子と正反対の評価になった。ワンタンは可もなく不可もない。

海老焼餃子をこき下ろした挙句、女性店員に1個食べさせた。彼女はしっかり自分の意見も加えて調理場に伝えた。嬉しいことに、貴重な意見のお礼と紹興酒をサービスしてくれた。店の評価がグッと上がる。紹興酒の肴にサラダと焼き豚を追加した。

帰り際に箸をプレゼントしてくれた。店でも割り箸は使っていない。環境に優しい店作りも推進しているそうだ。YUJINの箸袋をそのまま使っているのも無駄を省く心掛けの一つなのだろう。

YUJINは有名な中国人の点心師がいると評判になった店だ。テレビでも紹介された。彼は今、日本橋焼餃子店を指揮しているそうだ。本場では水餃子や蒸餃子が主流で、焼餃子は戦後日本で進化を遂げたものである。焼餃子には結構うるさい日本人が満足するものを作れるかどうか。

一流点心師の誇りを賭けた戦いに興味津々である。


日本橋焼餃子
東京都中央区日本橋室町1-11-1
03-3278-0770
http://www.yu-jin.net/gyoza.html

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2008年04月24日

[楼蘭]3(銀座)

高級料理屋なんか怖くない


個室に入ることが多い楼蘭だけど、予約なしに行ったので久し振りに全体が見渡せる席に座った。常連さんと一緒だから料理の選択権はない。お手並み拝見といったところだろうか。

前菜

定番はくらげ、蒸し鶏、ピータンだが、彼は自分が嫌いなピータンを抜いて代わりに焼き豚を入れると言う。ところが料理が出てきてもどれも食べようとしない。自分が食べる気がないのに嫌いなものを外すなんて、いつもながら面白い人だ。自分の嫌いなものは他の人にも奨めないというのも一つの見識かも。

料理の注文をしながら背中が痒いと言うので、店の女性に「孫の手は置いてないの?」と聞いてあげた。首を横に振るので「熊の手は?」と茶化すと、「事前にご予約いただければ用意しましたのに」と澄まして応える。冗談が分かる女性で楽しくなった。

シュウマイ、小龍包、春巻

小龍包を乗せた金属の器が面白い。箸で持ち上げるときに皮を破ってスープがこぼれるのが何とも口惜しいが、これならこぼすことがない。特注品だろうか。

燕の巣のスープ

「銀髪はいらないな」と言うので、燕の巣のスープは銀髪の分がない。福岡のチャイナで食べたばかりなので、羨ましい気持ちはおきなかった。客のものを少しだけ貰って味見した。チャイナの3分の1以下の値段だけど、味は悪くない。

ブロッコリー、ロメインレタス、茄子と挽肉味噌

迂闊なことにロメインレタスの名を知らなかった。シーザーサラダなどによく使われると言われて納得した。炒めても悪くない。茄子は別に頼んだレタス炒飯に乗せて食べた。

燕の巣のスープ以外は街の中華料理屋でも食べられるもので、値段もそれほど高くない。周りの客はクラブの同伴客とおばあちゃんばかり。2人でも極小皿があるので仲良く食べられる。食の細い老人でも食べ尽くすのに苦労しない。土地柄や時代に合わせるのが長く続く店の秘訣なのだろう。

「すいません、熊の手は予約していただいてもお出しできません」先ほどの女性店員が謝りに来た。「料理長が作ったことがないそうで…」
銀髪が本気で予約すると思ったのだろう。もちろん食べる気にはなっていた。但し、別の店でだけれど。


楼蘭
東京都中央区銀座5-8-20 銀座コア10階
03-3575-0787

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2008年04月22日

[チャイナ](福岡)

福岡で最高級食材を使った中華料理を


博多は魚が美味い。生簀のある店がたくさんある。ふぐ、あらなどの高級魚もいいが、さばも新鮮で美味い。もつ鍋、水炊き、ラーメン、他にも名物がたくさんある。それなのに中国料理がいいと部下は言う。魚介類や鍋料理が美味しい冬は去った。地元の人はいつもと違うものを食べたいかもしれない。そんな気持ちが湧き起こり、部下の言に従うことにした。

前菜、北京ダック

ホームページを見て北京ダックを食べることは決めていた。他は部下に任せるべきだったが、地元の新鮮な食材を使った料理でもあればと思いメニューを開いたのが間違いだった。「赤海燕の巣」に目が止まった。仕切り屋の虫が騒いでもう止まらない。

赤い海燕の巣のスープ、フカヒレ(トラザメ)のスープ

燕の唾液に血が混ざったと言われ血燕とも書く。高級な燕の巣の中でも大変希少な極上品。スープに入れる前のものを食べてみたが味は殆どない。上湯スープがとても美味しい。

燕のスープと味比べのため同額程度のフカヒレスープを頼んだ。ところが女性店員・谷さんが別メニューを持って来てトラザメを奨める。値段を見て目を剥いた。一杯(一人前)25,000円もするので一瞥しただけで断った。一度引っ込んだ谷さんがまた戻ってきた。「お客様が頼んだフカヒレと同額でもいいので是非トラザメを味わって欲しい」と料理長が言うらしい。断ることが出来なくなった。
味付けは極太繊維質のフカヒレに負けないように濃厚である。

鮑となまこ、ロブスター

フカヒレに加えて日本産の3大中国料理乾燥食材を揃えることにした。生のなまこを嫌いと言う人も、このなまこは気に入ったようだ。

頼んだ覚えはないが、「生簀に一匹しかいないロブスターを料理長が我々のために特別に作りました」と言われたら断れない。香港出身の料理長は客を料理するのも上手い。

スープ炒飯、焼き菓子

これも好評だった。「わざわざ福岡まで来て中国料理なんて」という気持ちは吹き飛んだ。

昼間の飲茶でも出さない焼き菓子はまたも料理長のサービスと言う。会ってもいない料理長が頑張ってくれたのは伝達役の谷さんの功績だろう。

個室を出て店内を見渡すと、客はまばらだった。料理長が我々のために腕を振るう時間があったのは幸運だった。

料理長と店員に乗せられて予算を大幅にオーバーしてしまったが、招待した皆さんは満足感一杯の様子。思い出に残る晩餐となったようだ。メデタシ、メデタシである。

チャイナ グランド・ハイアット・福岡
福岡県福岡市博多区住吉1-2-82
092-282-1234
http://www.grandhyattfukuoka.com

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2008年03月29日

[雲楼](京橋)

最後まで衰えないのは食欲?


雪園新宿本店の焼きそばは、美味しかったが懐かしの味ではなかった。そうなると京橋店にどうしても行きたくなってしまった。
約15年振りだったので少し迷ったが、大きな時間のロスもなく辿り着いた。入り口にはランチのサンプルが置いてあり、お目当ての焼きそばもちゃんとあった。

3階に通されてちょっと面食らった。記憶がない部屋なので以前来たのは2階だったのだろうと思う。入り口ではよく見なかったが、出てきた1,300円の海鮮焼きそばは小皿、スープ、デザート付のセットになっていた。ちょっと違和感がある。

テーブルに豆板醤が置いていないのも変だ。わざわざ豆板醤を頼んで食べたが、舌は明らかに違うと主張する。店が変わったのか、舌の記憶違いか分からないままに店を出た。

翌日、雪園新宿店の店員が奨めてくれた雲楼に行った。入り口のメニューを見ると左上から焼きそばが数種類並び、他の料理に続く。焼きそばが看板料理なのは間違いない。2階に上がるとデジャブー(既視感)に捉われた。席についてテーブル上の豆板醤の瓶を見て全てを悟った。デジャブーではなかった。昔焼きそばを食べた店は雪園ではなく、雲楼だったのだ。
雪園新宿本店の店員が、雲楼を紹介してくれた理由もよく分かった。焼きそばで有名なのは雪園ではなく雲楼だと言いたかったのだろう。

五目焼きそば

イカ、ホタテなどの魚介類、豚もつなどが入った五目焼きそばに、豆板醤をタップリかけて食べた。食べている途中で、昔よく食べたのは五目ではなく海老入りだったことも思い出してきた。それにしてもこんなに量が多かっただろうか。軽々と食べていた昔が懐かしい。

人間の記憶とは何とあやふやだろう。一番確かなのが味覚だったというのも驚きである。もしかしたら、味覚だけはボケないのかもしれない。欲望の中で最後に残るのが食欲ということを考えれば当然かもしれない。


雲楼
東京都中央区京橋2-7-9
03-3561-6390/0226

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2008年03月28日

[雪園](新宿)

湖南料理の老舗レストラン


湖南料理は中国8大料理の一つだそうだ。湖南料理の他は四川、広東、山東、江蘇、浙江、福建、安徽で、北京料理は山東料理、上海料理は浙江料理に含まれるらしい。

湖南は毛沢東の出身地で、昔の楚があったところと言われると、何となく分かった気分になる。史記、項羽と劉邦、四面楚歌、さらに虞美人が出てくれば親しみさえ湧いてくるから不思議だ。

鶏肉の湖南風辛子ソース、自家製ハムのハチミツ漬け

最初の赤いものを食べて相方が悲鳴を上げた。赤ピーマンと思ってパクリとやってしまったが、幅広の唐辛子だった。山椒を使う四川料理は痺れるような辛さだが、湖南料理は辛くて酸っぱいのが特徴だという。最初から見事に洗礼を受けてしまった。

ゆばのサンドイッチ、柔らかバラ肉と豆腐の黒豆煮込み

配膳室に料理が到着したブザーが聞こえるが、フロアを担当するベテラン中国店員は向こうのテーブルの客と話し込んでいる。耐えかねて「到着しましたよー!」と彼を呼んだ。「何年もフロアを仕切っているから大丈夫。ちゃんと聞こえてますよ」と言うが、冷めた料理は食べたくない。案の定サンドイッチの上のアメは固くなって歯にこびりついた。

京橋の雪園はよくランチで行った。必ず海鮮焼きそばを頼み、豆板醤をタップリ乗せて食べた。懐かしくなって、最後はメニューにはなかったけれど、焼きそばを作ってもらった。

海鮮焼きそば

店員もお腹が空いたのだろう。配膳室からズルズルとソバを食べる音が聞こえてくる。彼の食事が終わったところで、我々の焼きそばが到着したとブザーが知らせてくれた。
豆板醤で食べたかったが、置いていないと断られたので仕方なくマスタードで食べた。

「昔、京橋の雪園で焼きそばをよく食べた」と言うと、店員は「ウンロウには行ったか?」と聞く。「行ったことがない」と応えると、メモ用紙に雲楼と書いて渡してくれた。ライバル店を奨めるとは変な奴だ。

固くなったアメ以外は、どの料理も美味しかった。ベテラン店員はとっても愛想が良くて、話も上手だった。ブザーに機敏に反応してくれていたら文句はない。
そうそう、彼がお腹を空かせていなかったらもっと良かったかもしれない。


雪園 本店
東京都新宿区新宿3-8-9
03-3354-4028

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2008年03月12日

[李揚飯店](札幌)

札幌で坦々麺


札幌に来ると食べたい物がたくさんあって目移りする。蟹、雲丹などの魚介類も豊富だし、ジンギスカン、ラーメンなど手頃に食べられるものも多い。
同行者の好みを聞いたら「じゃがいも、とうもろこし」と言う。寿司屋をすぐに思い浮かべる銀髪だが、なるほどそんなものもあったのかと頷いた。

ネットでじゃがいも専門店を探し出したが、夕食までには時間が早いのでマッサージに行くことにした。ホテルマンに尋ねたら、サッポロファクトリー内の店の割引券をくれた。湯船に浸かりサウナで汗を流す。マッサージの予約時間までセットのおつまみを食べ、ビールを飲んだ。

お腹一杯にしなかったはずなのに、マッサージを終わっても食欲は蘇ってこなかった。わざわざ専門店にじゃがいもを食べに行く意気込みは萎えていた。サッポロファクトリー内のドイツ料理屋にもじゃがいも料理はあるが、言い出しっぺは興味を示さない。向かいにある中華料理屋に入った。

サラダ、春巻き

鍋の前菜として出てきた水菜のサラダと別注の春巻きを食べながら、スープが沸騰するのを待った。店員は春巻きは時間がかかると言ったがすぐにやってきた。他に客は殆どいないので、マニュアル通りの台詞を言っても意味がない。

二色鍋

札幌に来て昆布だしと坦々スープの二色鍋を食べるとは思わなかった。お腹が一杯といいながら、制止を振り切って凍った肉を一度に入れてしまうので、なかなか沸騰しないでイラついた。二つのスープが混ざり合い奇妙な鍋になってしまったが、坦々スープの辛さのお陰で失せていた食欲も蘇った。麺を入れて食べ終わった頃にはそこそこの満足感はあった。

羊肉が入っていたので北海道料理とこじつけて自らを慰めようとしたが、冷凍して風味のなくなった羊肉に二重丸をつけるのは困難だった。

やっぱり寿司屋の方が良かったなー

李揚飯店
札幌市中央区北2条4丁目 サッポロファクトリーレンガ館1F
011-281-1888

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2008年03月02日

[めんめん](宇都宮)

人気の国産餃子・宇都宮餃子


中国製冷凍餃子の農薬参入事件の行方は混沌としている。餃子屋さんにも影響しているのではないかと心配していたら、どうやらいい方向に影響しているらしい。王将も宇都宮餃子も売り上げが伸びたというから面白いものだ。

宇都宮で午後のミーティングを部下がアレンジした。東京で食事をしてから出かけても間に合うが、迷わず宇都宮で餃子を食べることにした。宇都宮駅でタクシーに乗り「正嗣!」と告げると、運転手さんが首を傾げた。「今の時間はやっていないよ!」とつれない。宇都宮餃子三傑(?)のうち宇都宮餃子館、みんみんは行ったが、正嗣は夜しかやってないとのことで、またも行き損なった。仕方なく、運転手さんの推薦の店に連れて行ってもらった。

名前を聞いて想像したとおり麺があるお店で、餃子専門店ではないのでちょっと失望した。12時前なので客はまばらだが、餃子だけを注文する客が多くて少し安心した。

羽根つき餃子

見るからにパリッとしていて期待が持てる。口に含むとジューシーなのに驚いた。挽肉にスープをたっぷりしみこませ、ガラスープの煮こごりを加えているという。薄皮なのにしっかりスープを包み込んでいる。今まで食べた宇都宮餃子の中で一番好きな餃子だった。

回鍋肉、チャーハン

人気ランキングを書いた貼り紙を見て回鍋肉を選んだ。「ラー油をたくさんかけたら美味しいですよ!」と言う店の女性に素直に従った。餃子以外の料理もなかなか美味しい。今度は部下に夕方のアポを取らせよう。仕事帰りにこの店に寄って酒盛りをして帰りたくなった。

店を出て歩いて数分のところにある正嗣に行った。男3人が扉を開けて何やら店のおばさんと交渉していたが、すごすごと引き下がった。やはりランチ時に食べることはできない。
ついでに歩いて数十歩のみんみん本店に行こうとしたら、ここでも失望感を漂わせた男女数人と鉢合わせした。この日(火曜)は休業だったのだ。

めんめんで美味しい餃子を食べた我々は、正嗣でもみんみんでも落胆しなかった。少しだけ優越感を抱いてミーティング場所に向かった。

めんめん
栃木県宇都宮市二荒町5-13
028-638-5298

「宇都宮餃子①」みんみん&宇都宮餃子館 
「宇都宮餃子②」青源みそしる亭&宇味家

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2008年01月27日

[銀座アスター]③(日本橋)

高級店の大衆料理


超とまではいかないが、銀座アスターは高級店の部類に入る老舗料理屋だ。ランチはともかく夜はフカヒレなどの値が張る料理を食べなければならない気分にさせられる。スポンサー側にはかなりのプレッシャーがかかる。

メニューを見て悩んでいるので「餃子とか麻婆豆腐が食べたいですね」と助け舟を出した。大衆中華料理を食べるとの方向性を打ち出してあげたので、オーダーはしやすくなったはずだ。アッと言う間に注文する料理が決定した。

餃子、春巻き

以前ランチ時に必ず食べたのが餃子。スポンサーを気遣ったのは確かだが、銀座アスターの餃子はお気に入りの一つでもある。
春巻きは人数分ずつ頼んで、しかも食べやすいように半分に切ってもらった。安い料理でも手抜きがなく、サービスも変わらないのが嬉しい。

かに玉、麻婆豆腐

山椒が効いた四川風の激辛が主流になりつつあり銀髪も激辛派だが、誰でも食べられるオーソドックスなものも悪くはない。

チャーハン、坦々麺

夜に、銀座アスターで、メインらしいものがない食べ方をする人は滅多にいないだろう。街の中華定食屋でも食べられる料理ばかりだが、質は当然かなり上。料金は高めでも、高級料理を頼んでいないのでスポンサー氏のお財布も安泰だ。

店員も我々を蔑んでいる気配はない。とてもフレンドリーでいい応対である。この日の店内は天候のせいか、空席が目立った。店員の給料分も出ない料理で申し訳なかったが、とても満足した夕餉だった。


銀座アスター 日本橋賓館
東京都中央区日本橋3-7-20 DICビルB1
03-3273-8831
http://www.ginza-aster.co.jp

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2008年01月13日

[獨一処餃子](海老名)

私のお墓の前で酔っ払わないでください


父の墓は海老名にある。父の墓の前で3兄弟が酔っ払えば、父が羨ましくて墓から出てくるかもしれない。大酒呑みだった父は、糖尿病と高血圧にもかかわらず、最後まで抵抗を続けて力尽きた。父が亡くなった年齢に近づいてきた長兄はやっと禁煙コールに白旗を上げた。今のままでは父の年齢までもたないと脅した医師の功績である。
次兄は随分前から飲酒の量を控えているように見える。銀髪も酒量を減らせば、父は妬ましさも心配もなく安らかに眠れるだろう。

海老名に墓参りした後は、以前に比べるとグッとかわいい酒盛りをする。いろんな店に行ったが、最近は「獨一処餃子」に行くことが多い。お子様ランチに喜ぶような子供もいなくなったので、ビールに餃子がベストの選択である。

豚耳、かに玉

餃子が焼けるまでは一番早く出てくる豚耳が一番いい。コリコリの食感とピリ辛がいい。
かに玉は随分にいい加減に作ったように見えるが、フワッとして悪くない。でもやっぱりいい加減に作ったように思える。

青椒肉絲、海老餃子(左端に焼き餃子)

こんな店といっては失礼だが、無理して立派な料理を頼む必要はない。周りの人は定食や麺類を食べている。豚耳以外に面白い食材が見当たらないので、いつもは家で食べられない青椒肉絲を選んだ。ピーマン料理が我が家の食卓に上ることは殆どない。最近の親は子供に優しすぎる。

そしてメインは餃子。餃子とビールの組み合わせに勝るものはない。

最近はターミナル駅周辺はどこに行ってもチェーン店ばかりが目立つ。それでも探せばお気に入りの店が見つかる。多くを望むわけではないので、チェーン店に入るより満足感はある。

たいした店ではないと思っていたが、店主の本業はオペラ歌手で知る人ぞ知る有名店らしいと最近知った。それでも、いつ行っても並ぶことがないのが何より嬉しい店である。


獨一処餃子
神奈川県海老名市中央2-9-55
046-233-4410

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2008年01月10日

[銀座 麒麟](銀座)

忘年会、新年会お奨めの店


昔の友人たちとの宴会は楽しい。しかし、必ず不心得物がいるので幹事役は大変だ。今回も当日のキャンセルが居た。1人は宴会が始まる寸前という非道の輩である。

前菜盛合せ、上海蟹肉とふわふわアキレス腱のスープ

丸テーブル2つに分かれて座ったが、欠席者がいるために片方のテーブルには空席が目立った。大皿をテーブルに置かれたら困るところだったが、各人に取り分けて持ってきてくれるので安心だ。アキレス腱がなかなかいい。

フカヒレと高菜の煮込み、有頭海老の香り醤油添え

メニューのフカヒレにちょっと期待したが、高菜?と予想した方が当たった。逆に有頭海老は思ったより立派なものだった。

こんがり焼き上げた北京ダック、銀ムツと銀杏のピリ辛塩味炒め

昔話に盛り上がり、近況報告は人それぞれ。胸を張る人も居れば、優しく微笑む人が居る。、宴会の掛け持ちで去る人と、遅れてやって来た人がすれ違う。

鹿児島産皮付き豚肉とナマコの醤油煮込み、豆板醤風味のピリ辛雌カブご飯

麒麟の店名からキリンビールの経営と勘違いした人も出たように、食事にはみんな満足したようだ。デザートを食べてお開きになった。ドタキャンの人たちの会費も出席者が分担したために高くなってしまったが、基本料金はフリードリンク付きで1万円。

1階から6階まである結婚式もできる立派なレストランだが、高級中華料理屋とは若干コンセプトが異なるようだ。客層を広げ、リーズナブルに食べられる店ならではの工夫が料理や素材にも見て取れる。
同じ1万円を使うなら、高級中華料理屋ではなく麒麟の方が満足感は高いだろう。
名を取るか、実を取るか、幹事の腕の見せ所である。


チャイナガーデン 銀座 麒麟
東京都中央区銀座6-9-15
03-3572-0039
http://www.ginzatact.co.jp/kirin

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2008年01月07日

[マンダリンオリエンタル東京 センス](日本橋)

アジアを代表する最高級ホテルの中華料理


1月5日(土)日本経済新聞土曜版に高級ホテルのランキングが載っていた。東京ではトップがパークハイアット東京(総合1位)、次(総合5位)の順になっていた。ザガットサーベイではマンダリンオリエンタル東京は日本唯一の6つ星で国内トップに評価されているそうだ。

香港のマンダリンは定宿にしていたが、東京はもちろん泊まる必要はないのでレストランだけしか利用したことがない。37階にはフレンチの「シグネチャー」もあるが、まだ食べたことがないナポレオンフィッシュを求めてセンスに行くことにした。

窓際はカップルが占拠しているが、接待にも問題はない。仄暗い雰囲気のあるフロアではカメラ撮影を咎められるかと思ったが快く承諾してくれた。フロアスタッフの応対も気持ちがいい。メニューを開きお目当てのナポレオンフィッシュを頼もうとしたが、入荷していないとのこと。ショックは隠しようもなかったが、2万円のコースでお手並みを拝見することにした。

スタートの小皿と前菜2種

「仔豚入り香港スタイルバーベキューの盛り合わせ 季節のピクルス添え」「二種類のくらげ入り本日の前菜盛り合わせ」の2種を頼んだ。前菜とメインは選択制のので写真を撮るためにすべて違う料理を選ばせてもらったが、客が食べた仔豚の方が美味しそうに見えた。

北京ダック、フカヒレ姿煮

「SENSE特製北京ダック2種類の食べ方で」「特大フカヒレ姿の金華ハムの香りのとろみスープ」は固定メニューで、コースの中心であり店の自慢の品のようだ。北京ダックとマンゴーを挟んだ品は香港でも特に女性に人気らしいが、銀髪には甘すぎた。
フカヒレは気仙沼産大型のヨシキリザメのヒレとのことで、これは本当に美味かった。

伊勢えび、アワビ

東星ハタとホタテ、フランス産鳩の丸揚げ

メインは一人二品選ぶことが出来るので「殻付き伊勢エビのハーフカット蒸し香港風葱生姜のフィッシュソース」「国産フレッシュアワビの姿煮込み海鮮フカヒレコラーゲンだしのオイスターソース」「東星ハタとフレッシュホタテの照り焼き七種野菜炒め添えMOTソース」「鳩の丸揚げ香港スパイス風味中国野菜添え」を食べた。ナポレオンフィッシュに並ぶマンダリンの名物と言われた東星ハタは、あまりに少量だったので食べた後にその存在に気付いた。

MOTソースとはセンスのオリジナルのXO醤ソースとのこと。MOTって、マンダリン・オリエンタル・東京の略だろうか?質問するのを忘れてしまったが、なかなか美味だった。

黄にらともやしと鶏肉入りスープ香港細麺、お茶うけ

デザート2種

2万円も出せば当たり前なのか、2万円を出せばこれだけのものが食べられるというか、大変満足できる内容だった。雰囲気もよく、スタッフの応対も悪くない。

3時間以上かけて、夜景を見ながらゆっくりと時の流れを楽しむ余裕が必要だ。料理が次々に来ないとすぐに手を上げる人や、同伴前にちょっと腹ごしらえと考えるような輩は遠慮した方がいい。


東京都中央区日本橋室町2-1-1
マンダリン・オリエンタル センス
03-3270-8800

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2007年12月21日

[楼蘭]②(銀座)

画竜点睛を欠く


うちのボスを加えてに大人数で食事をすることになった。両手にも満たない決まった店で決まった食事をする彼との夕食は、グルメ紀行の参考にならず辛いものだ。
しかし、定番の店といっても久し振りだからいいかと気を取り直した。直前になって彼が来ないことになった。だったら、違う店にしたのに…

全員が揃い、席に着いたがメニューをなかなか持ってこない。仕方なく催促したら、料理は既にボスが予約のときに指定したと言われてショックを受けた。

彩虹という12,000円のコース料理は食前酒から始まった。

楼蘭風季節冷菜の盛り合わせ、岩海苔と玉子のふかひれスープ

釜焼き北京ダック、鮑のオイスターソース煮込み

ミネラル野菜炒め、秋鮭の中国風ステーキ 特製ソース

牛ひれ肉のチャーハン、デザート

残念ながらコースよりもボスが構成するメニューの方がずっといい。彼はいつも燕の巣のスープを頼む。あとは麻婆豆腐などありきたりのものばかりだが、少なくとも燕の巣は初めて食べる人にはインパクトがあり、目玉となり得る料理である。コース料理はそれぞれがそこそこの仕上がりで、印象に残る皿がない。

安く腹を満たそうと思うのであればコース料理はバランスがいいが、1万円以上を払うのであれば高価なものを一皿頼んで、他は脇役で固めればいい。前菜・目玉の料理・やきそば・チャーハンで構わない。

宴会は盛り上がった。料理の批評をする人は誰も居ない。料理のすべては店側の意図通り(?)、会話・団欒の脇役に徹した。

楼蘭
東京都中央区銀座5-8-20 ギンザコア10F
03-3575-0787

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2007年12月19日

[青葉](新宿歌舞伎町)

台湾出身者たちも好きなお店


創業から31年、新宿で働く台湾出身者たちの郷愁を慰めて来た店が青葉という。今は韓国料理店が幅を効かし、中国本土出身者が多く働く歌舞伎町界隈だが、チャイナ・クラブのママの多くは台湾出身者。歌舞伎町を切り開いた人たちの面目躍如である。

古ぼけた歌舞伎町ビルの階段を下りると少し緊張する。日本橋・銀座界隈を根城とする人にとっては、古い新宿に足を踏み入れるとドキドキする。不夜城・新宿のイメージが膨れ上がる。店内に入ると新宿を飛び越えて、台湾の古い歓楽街にワープした気分になる。

在日10年以上に違いないが、未だにたどたどしい日本語の中年女性が応対してくれた。台湾料理店に来たら必ず食べるしじみの醤油漬けを頼んだ。

しじみの貝殻は日本の物とは思えない色をしている。生ニンニクが辛い。しじみの身はトロリとしている。台湾本場の味そのままなら、台湾の人が評価するのも分かる。

青菜は店員と散々相談した末に、定番の空芯菜の炒め物に落ち着いた。料理が来てからこれもニンニクをたっぷり使った料理であることに気付いた。先日、にんにくを食べてタクシーに乗り、寝込んでいるうちに窓を開けられて左半身が凍える思いをした。2品も続けてにんにく料理を頼んだことを後悔したが後の祭り。食べ始めると美味くて開き直った。

メインは上海蟹などを奨められたが、メニューを見ているうちに蘇った思い出に賭ける事にした。蒸した魚にネギなどの香味野菜を乗せて、熱いごま油をかける。オーストラリアの中華料理店で食べて気に入り、我が家で客を迎えたときに何度も主役を張った。丸ごとの魚が豪華に見えて、味も文句なしでとても好評だった。しかも料理は簡単ときている。

入り口の水槽で泳いでいた鯛がこの日の蒸し魚。本来使う魚とは違うが、何とか代役の任に堪えていた。台湾では、頭と尾びれはホストのところに行く。台湾出張の際、宴席で主賓の自分に来ないことが不満だったが、ホストが食べる気配がないので分捕ったことが懐かしく思い出された。今日はホストだから、台湾式に銀髪が貪る権利があって満足した。

タクシーに乗るときに、にんにくを食べたことを告白した。「韓国焼肉の店が多い赤坂からしょっちゅう客を乗せますが、冬にお客さん側の窓を開けるなんてとんでもありません」と、今日の運転手さんは銀髪を擁護しただけでなく、運転手仲間を非難してくれた。酒やにんにくの臭いが嫌なら運転手失格だとも。

よしっ! これからも遠慮なくにんにくを食べるぞ! 運転手さん、ごめんね。

台湾料理 青葉
東京都新宿区歌舞伎町1-12-6 歌舞伎町ビルB1
03-3200-5585

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2007年12月09日

[維新號](銀座)

気取らない維新號がいい