2010年02月15日

[ビーフン東](新橋)

ちまきは美味い、ビーフンは楽しい


「新橋のビーフン東に行ったことあるか?知ってる?」友人の電話は銀髪がこれまでカバーしていないのを責めるような響きがあった。グルメ雑誌で見たことがあるような気がする。一目置く優秀な友人である。見栄を張るより正直な答を選択した。「いや、知らない」

“昼メニューのビーフンは4-5種類が大・中・小とあります。それぞれ「焼き」か「汁」をえらびます。「バーツァン1個と、ビーフン(かに玉・汁・小)」がぼくの定番です。”電話を切ってすぐにメールで教えてくれた。行かねば!

11時35分、既に半分近くの席が埋っている。「奥から詰めてください」と促されてカウンターに座った。友人の定番は先に座っていた客に言われてしまった。すぐにやってきた中華ちまき・バーツァンの大きさに圧倒された。「巨大な」と表現した友人のメールを思い出した。バーツァンを割って、写真を撮っている間にかに玉乗せ汁ビーフンも到着した。

豚バラ肉2片、うずらの卵1個、ピーナツが入ったバーツァンが人気なのはよく理解できた。かに玉ビーフン(小)より高い600円を誰も躊躇しないだろう。右隣に座った女性二人はバーツァンを半分に切って出すように頼んだ。友人が言う、「バーツァン半切り」のようだ。みんな心得たものだ。入店して食べ終わるまで10分。焼きビーフンに後ろ髪を引かれた。

数日後、再訪した。五目焼きビーフンの大、850円を頼んだ。「にんにく醤油をかけて食べてください」何万回も言ったであろう台詞を置いて店のおばさんが去っていく。「大した量ではない」と口コミサイトに書かれたコメントを鵜呑みにしたことを後悔した。50歳を超えた銀髪には荷が重そうだ。

パサつくビーフン、この量を食べ尽くす自信がないと思ったところにスープが出された。その瞬間、閃いた。「つけ麺にしよう!」焼きビーフンを一口、二口食べて、続いてつけ麺風にする。これを繰り返すうちに苦もなく食べ終えた。汁ビーフンのように麺がのびることもないし、何より焼きビーフンと汁ビーフンの両方を一度に味わえる。気分も含めて満腹になり、一人悦に入った。

「昼と夜はメニューが変わります」再び友人のメールを思い出した。「ヌキ」を食べに行かなければならない。楽しみだなー

ビーフン東
東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館 2F
03-3571-6078

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2010年01月22日

[順海閣](横浜中華街)

シウマイの元祖?


「脇道の小さい店が美味しいんですよね」地元横浜の人のことばに全員が頷いた。しかし、具体的な店の名前は出て来ない。結局、銀髪が案内することになってしまった。ところが「山東」など心当たりのあるところはどこも行列が出来ている。すぐに銀髪のネタも切れてしまった。

順海閣の看板を見ると「脇道の小さくて汚い店が美味しいんだぞ!」と言う亡き父の声が聞こえてきた。約40年前、福岡から東京に転居して数ヵ月後に父に連れられて中華街にやってきた。そのとき、少し並んで入った店が順海閣だったはずだ。3人を引き連れて店に入った。

でかい!大きな部屋がいくつもあり、複数の大きな丸テーブルには地名の札が立てられている。観光バスの到着を待っているようだ。みんなが失望したのではないかと気になったが、観念するしかない。オーダーも銀髪に任された。最後に食べるつもりだったフカヒレチャーハンが先に来た。幸い、みんな美味しいと喜んでくれた。

ランチだったので、飲茶を演出した。お互い遠慮しなくていいように、点心類は4個ずつ入っているものを選んだ。小さな店でなくても、誰も文句を言わなかった。銀髪に気を遣ってくれたのだろうか。料理に満足してくれたからだろうか。

もちろん銀髪はビールを飲んだ。すぐ顔が赤くなる部下は涙を飲んだ。小龍包は例によってそのまんま口に放り込んだ。火傷しそうで大変満足した。スペアリブは殆ど銀髪が食べた。ビールの肴には最高だった。

家に帰って順海閣のホームページを開いた。創業は1945年で7~8人が入れば一杯になる店だったという。支店を出したり、本店を拡張したのが1980年以降ということだから、銀髪の記憶は間違いではなかったようだ。さらに崎陽軒に勤務していた創業者の父親が、シウマイの開発者だと分かった。実に面白い。

昔も今も脇道や裏道に小さな店が次々と開店し、ダメな店は消えていく。若さと情熱を持ったチャレンジャーの店は活気があり、美味しいのは当たり前だ。不況の今こそチャンス到来といったところだろうか。順海閣を目指して頑張って欲しいものだ。

順海閣
神奈川県横浜市中区山下町147番
045-681-1324
http://www.junkaikaku.co.jp/

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2010年01月17日

[ぎょうざ大学 元町店](神戸)

神戸ぎょうざの人気店


「どうやって見つけたんですか?」年長の部下に聞く。「前に近くを通ったとき行列ができてたんですよ」と答える。寒い中で並ぶのは嫌だと思いながらついていくと、路地には誰もいない。店内を覗いても客はいないので「しめた!」と思ったら、後ろから「11時半開店です」と冷めた声。開店までの10分を店の中で待たせてもら交渉をする間もなく、冷たい声の主は我々を追い越してドアをピシャリと閉めた。

アーケードに戻りヤマハの店などで時間を潰させてもらった。11時31分、店に戻ると中年夫婦に一番札を奪われた。彼らは奥の4人掛けテーブルに、我々は近くの4人掛けテーブルに陣取った。鷹揚なのか面倒くさいのか、人気店の割には窮屈に座ることを強要されなかった。

ぎょうざだけなら2人前から、ラーメンなども頼めば1人前でもOK。追加オーダーはできないので部下は同時にラーメンも頼んだ。銀髪がぎょうざ2人前だけしか頼まなかったので部下は心配してくれたが、ちゃんと腹具合を計算していた。飲み物は追加オーダーが出来るのだ。

ビールは大瓶だった。ぎょうざが焼きあがる前に1本、焼きあがってからもう1本追加した。店員も心得ている。何も言わないのにラーメンと一緒に小さなどんぶりを持って来てくれた。愛想が悪いと口コミに書かれているが、気が利いている。部下のぎょうざ2個とラーメンを少しもらってあげた。

大昔、先輩にご馳走になったときのことを思い出した。料理を頼む前にビールをガンガン飲まされた。ビールで腹を膨らませて、料理を食べれないようにする魂胆である。意図はすぐに分かったが、注がれるビールを断るわけにはいかなかった。

12時近くになって店も混み始めた。ぎょうざライスを頼む客が多い。学生はニンニク入りを食べられるが、サラリーマンは我々と同様にニンニク抜きを食べているのだろう。意外なことにラーメンも悪くなかった。でも、次回来ることがあってもぎょうざにビールを頼むだろう。出来ればニンニク入りを。


ぎょうざ大学 元町店
兵庫県神戸市中央区元町通2-3-5
078-332-2233

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2010年01月05日

[新世界菜館](神保町)

特大の上海蟹


「こんな大きな蟹は滅多に入って来ないです」半信半疑だったが見せられて本当に驚いた。今まで数十匹食べたけれど、これほど大きな上海蟹は初めて見た。300g以上もあると言う。銀髪の手と比べるとその大きさがよく分かる。

「上海蟹以外は大した料理はないよ」と連れに言ったのを謝らなければならない。2回来たことがある新世界菜館だが、上海蟹のイメージしか残っていない。三種の冷前菜には渤海産花クラゲ、大黒神島産牡蠣の冷製、もち豚の自家製チャーシューを選んだ。どれも悪くない。特に花クラゲがコリコリとして面白かった。上海蟹とフカヒレのスープも上海蟹が蒸し上がるまで立派に責任を果たした。

甕出しの紹興酒を頼んだら上澄みのものをグラスでサービスしてくれた。中ほどのものと比べると味の違いが分かって面白い。「イヤー、どれも美味しいけれど、この店の良いところは下積みの若者たちだね」と言って笑わせた。気分がいいとオヤジギャグも快調だ。

中国娘、ベテランの店員、若い店員、みんなにこやかにやってくる。「イヤー、凄い、イヤー、これは凄い」銀髪が褒め称えるとみんな誇らし気な笑顔を見せる。これだけの大物を仕入れているとはさすが新世界菜館である。

「割り箸持って来てくれる?」上海蟹の足の身を押し出すのに割り箸を使うのは初めてだ。普通の上海蟹の足に割り箸は太すぎる。ミソとネットリした白子を堪能した後は疲れるだけの上海蟹だが、この日は身も楽しめた。

最後にお腹を満たすために上海蟹みそたっぷりのあんかけチャーハンを頼んだ。若い店員が料理をテーブルに置こうとするので「あっ!そのまま持っていて。ちょっとこちらに傾けてくれる?」と言った。「写真を撮る人は多いですが、注文つけられたのは初めてですよ」と苦笑する。「ダメかな?」と言うと「きれいに撮ってもらった方が嬉しいですから」とポーズを取る。なかなか可愛い奴だ。

店を出るとき、応対してくれた店の人たちが勢ぞろいして笑顔で見送ってくれた。銀髪も満面の笑顔で、ちょっと格好をつけて手を上げた。今まで来た中で一番の新世界菜館だった。

新世界菜館
東京都千代田区神田神保町2-2 新世界ビル
03-3261-4957
http://www.sinsekai.com/

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2009年12月06日

[センス]③(日本橋 マンダリンオリエンタル)

センスがいい?


2006年2月(昼)、2008年1月(夜)に続いて3度目のセンス。今回は個室を予約したのでこれまでとは違う景色。日本橋コレドなどが遥か下に見える。馬鹿と煙は高いところが好きというが、なんだか偉くなったような気分になって恥ずかしい。

ミシュランガイド東京で毎回星をもらっているセンスだが、2010年版発売直後にもかかわらず個室が簡単に取れた。実際、昨年までは銀髪グルメ紀行にも掲載している店が星を得ると、アクセス数が増えたものだが今年は殆ど影響がない。書店にも山積みされたまま。2008年版の大騒ぎはいったいなんだったのだろうか。

センスはミシュラン2008年発売の前も今も殆ど変わっていない。一つ星はあってもなくても関係ないのかもしれない。あるいは三つ星ならともかく一つ星では不本意で迷惑かも。

鶏肉が嫌いな人にはレタスのスープが出て来た。彼は出汁ぐらいは平気なのだが、しっかり配慮してくれたのは流石である。

飲茶ランチといってもワゴンサービスというわけではない。各人に行き渡るのに時間がかかるけれど、それがゆったりと落ち着いた食事の演出にもなる。壁を背にした人たちは景色も楽しめる。窓を背にした銀髪は会話で場を持たせるしかないけれど。

銀髪が香港でもっとも多く泊まったホテルがマンダリンオリエンタルである。夜の美食三昧も思い出深いが、翌朝ホテルの中二階でお粥を食べるのが楽しみだった。レタス、ネギ、揚げパンもいいが、塩炒りピーナツが銀髪の一番のお気に入り。センスのお粥も期待通りだった。

ぜんざいのようなデザートを食べてお開きになった。帰って写真を見ると3,800円は高そうに思える。しかし、みんなの食後の感想は「安い!」ということだった。個室、絶景、優雅なサービスがそう思わせたのだろう。

ミシュランは純粋に味で選ぶと言うからたいしたもんだ。銀髪はこのブログを書き始めた頃から個人差がある味については出来るだけコメントをしないようにしてきた。食事を楽しめるかどうかの重要なポイントはサービスにある。それ以上に重要なのは誰と行くかだ。

「あなたとなら、どこでもいいわ」なんて言われたら有頂天になる。しかし、調子に乗って妙な店に連れて行くと「センスがない」と言われる。社交辞令は程々に聞いておいたほうがいい。


東京都中央区日本橋室町2-1-1
マンダリン・オリエンタル センス
03-3270-8800

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2009年11月20日

[三陽](野毛、桜木町)

あんたが一番!


6時ちょっと前、行列が出来る店と聞いていたが簡単に入れた。「荷物は壁に…」と言われるまま、鞄を壁のフックにかけていると「〇〇〇でいいかい?」と背中に声がぶつかるので、「あー、いいよ!」と応えておいた。よく聞き取れなかったが、出てきたときのお楽しみだ。

周りの人たちに出される料理を観察したら、ビール大瓶、バクダン(揚げニンニク)のお通し、ネギトリ(鶏肉の味噌炒め)、餃子が店主が言った〇〇〇のようだ。右奥の2人掛けのテーブルで料理を待つ間、壁に貼られたメニューや口上を見る。品のいい銀髪グルメ紀行では書けない×××があちこちにある。それにしても何か異様な臭いがする。

「美味しいですねー」部下がネギトリを食べながら言った言葉は、餃子にも使われた。
餃子を食べ終わると再びことばが飛んできた。「モンゴルの〇〇〇を食べてよ!」やって来た料理はもつ煮込み。異様な臭いの元はこれだった。食べてみると臭みは消えるが、部下は一口食べてギブアップした。こんなの台湾で食べた臭豆腐に比べれば可愛いもんだ。

部下が食べられそうなものを探した。中国娘に聞くと海鮮炒めがいいと言う。思案しているとまたまた「旦那!オレに任せてよ!」と声が飛んできた。やってきたのは海鮮炒め。中国娘が奨めてくれたものと同じだった。

しばらくすると破れた全椅子のカバーは客たちのお尻で隠されて店の景観は改善された。客は店の外のテーブルにまで溢れた。ぼちぼち潮時のようだ。勘定を頼むと「スープが出るよ!」と店主の大声。ずっとテンションが高いまま。この店の最大のウリは明るく、元気な店主である。あんたが一番!

友人が絶賛して奨めてくれた餃子だが、皮、具、焼き方すべてにおいて皮から作った銀髪の餃子の方が上だと思った。何しろ娘が「お父さん、絶対餃子屋さんやった方がいいよ」と言うぐらいだから。でも娘に言ってやった。
「お父さんが餃子屋さんをやったら、大学に行けなくなっちゃうよ。なにしろ2時間かけて32個しか作れないんだから…」


三陽
神奈川県横浜市中区野毛町1-38
045-231-0943
http://sanyou.hp.infoseek.co.jp/

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2009年11月16日

[金燕酒家](新宿歌舞伎町)

四川&西安料理


麻婆豆腐があまりにも有名な四川料理はともかく、西安料理は刀削麺ぐらいしか思い浮かばない。西安が昔は長安と呼ばれていたと聞けば、学校で習ったことを思い出す。中国歴史物が好きな人は一気に親近感が増すだろう。

週半ばなので暇かと思ったらほぼ満席。席に案内されながら店の中を観察する。「オッ!美人がいる」、「アッ!あそこにも」と店をチェックするつもりが客に気をとられてしまった。圧倒的に若い女性が多い。

小龍包、コラーゲン

西安料理を食べに来たはずなのに、火鍋を食べることになった。それでも店の名物の小龍包は外せない。火傷寸前になりながらスープは口の中いっぱいに広がった。
鍋が人気の理由はコラーゲンにあるのだろう。鍋に入れては薄まってしまう。自分の器で溶かした方が無駄がない。半分だけ鍋に放り込んだ。

肉、野菜、餃子

肉は牛と羊のハーフ&ハーフにした。牛肉はしゃぶしゃぶして食べるよりも、煮込んだ方が良さそうだ。スープのエキスを吸った方が味がよくなる。焼餃子や他の点心も美味しそうだが、鍋にも入る餃子のみで我慢した。鍋を食べ終わってから追加を考えてもいいだろう。

鍋、刀削麺

最初はMy唐辛子を入れようかと思った。ところが最後の方になると充分な辛さになった。特に四川料理ならではの山椒の辛さがポイントで、食後感は麻婆豆腐の似ている。

最後は西安料理の代表格、刀削麺を選んだ。麺の太さにバラつきがあるため、初めて食べる連れは戸惑っていた。食感の違いを楽しむ麺だと説明しても麺はツルツルでなければならないと譲らない。麺という名称が誤解を生むのかもしれない。

追加を頼む必要はないぐらいにお腹一杯になった。店長らしき人に「繁昌しているね」と声をかけると、「笑いが止まりませんよ」と正直だ。美女が集まれば、店長はもっと愛嬌を振りまき笑顔になるだろう。、金燕酒家が美女を作るのか、たまたま美女が来ていたのか定かではない。


金燕酒家
東京都新宿区歌舞伎町1-2-5
03-3207-0970
http://www.kinensyuka.jp/

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2009年11月13日

[潮夢来]③(新橋)

上海蟹尽くし


「今日は中華です」と言うと意外そうな顔をされた。「上海蟹ですよ」と続けると「上海蟹を美味しいと思ったことないです」と来た。もう予約してあるので引き下がれない。どうしても嫌ならフカヒレだって北京ダックだってある。

店について「期間限定上海蟹メニュー」を手にしたら、初志貫徹上海蟹尽くしにすると決めた。嫌いなら好きにさせてやる。前菜三種盛りから無難なスタート。次は紹興酒漬けである。一口食べてKさんが驚いた顔をする。漬け汁まで飲み干すのを見たら愉快になった。

今年は上海蟹をあまり見かけない。不漁なのか不景気なのか、例年ほど日本に入ってないようだ。しかし、中国飯店グループなら必ずある。しかも系列店の中で潮夢来が一番リーズナブルに食べられる。「紹興酒は美味しくない」と言うKさんのために30年物を頼んだ。これを飲んだら紹興酒に対する偏見も変わるはずだ。

雌雄を1杯ずつ頼み、分けることにした。「イヤー、私も17年前に上海で初めて食べた時には美味しいと思わなかったんですよね。それが、10年ぐらい前に飯田橋で…」あー、駄目だ。美味しいものにありついたとき、Kさんの耳は塞がれる。「聞いてますか?」と言うと、ニコッとしただけで再び顔を下げる。中国飯店グループの店は身を取り出してくれるから楽だけど、料理に夢中で聞く耳をもたない。

上海蟹の小龍包を慎重に口に運ぶ。火傷するかどうかの賭けに出る。皮が少し破れて口中にスープが広がっていく。ちょうどいい温度になったところでモグモグする。あー幸せ。
「白菜炒めはどう?」と上海娘に聞けば「メニューにないけど、豆苗と蟹みその炒め物もできますよ」と言う。じゃあ、それにしよう。美人には素直に従う銀髪だった。

最後は上海蟹の炒飯。いろんな素材や調味料の味がどのように混ざり合っているのか分からないけれど、確かに美味い。
「どうしてもと言うならデザート食べてもいいですけど」と言うので止めようかと思ったところで、「サービスです」と笑顔の上海娘がマンゴープリンをテーブルに置いた。Kさんによると今まで食べた中で最高のマンゴープリンだそうだ。

「上海蟹は寒くなると、もっと美味しくなりますよ」と言うと、「これ以上になるんですか?」と眼を丸くする。好きじゃないといいながら、全ての料理がきれいになくなった。
あれっ? もしかしたら、これってまんじゅうこわいだったのかなー

潮夢来
東京都港区東新橋1-6-1 日本テレビタワー1F
03-5568-1818
http://www.chuugokuhanten.com/storechaomenglai/index.html

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2009年11月05日

[玲玲リンリン](新橋)

おいしい手作り餃子


「餃子を食べに行こう」と言うとSさんは意外な顔をする。最後の晩餐は餃子にビールと何度も書いているのに、銀髪はいつも高級店に行っているイメージが強いようだ。しかし切り替えが早い。「いいですねー」と笑顔を見せる。いい人だ。

急な階段を上ると中国人女性たちが談笑していた。その内の一人が近づいてきて「予約は?」と聞く。「ない」と答えると、中年女性2人と相席になった。店の8割のテーブルはまだ空いている。予約で一杯なのだろう。かなりの人気店に違いない。

お通し、薬味

玲玲の餃子にニンニクは入っていない。好きな人は刻んだ薬味のニンニクをつけて食べる。ニンニクを嫌いな人やこれから仕事の接客業の人たちには喜ばれるはずだ。我々はもちろんたっぷりつけて食べることにした。餃子自体に味がついているのでニンニクとラー油だけで食べた。

水餃子、焼餃子

中身の種類は白菜、セロリ、キャベツ、しいたけ、トマト、なす、しそ、にら、海老、フカヒレ、ホタテなど。具を選んだら焼餃子、水餃子、蒸餃子のどれにするか決める。Sさんに「どれにする?」と聞いても答えは返って来ない。銀髪もメニューを見詰めたまま固まってしまった。中国娘の助けを借りて水餃子は定番のキャベツ、焼餃子はニラ、蒸餃子はトマトにした。

蒸餃子、春巻き

自家製の皮はモチモチして美味い。しかし、厚いので思ったよりお腹が膨らむ。他の具を試そうと思っていたが、目先を替えることにした。餃子以外の料理を食べる相席のおばさま達にも刺激された。

小龍包、青梗菜炒め

小龍包には失望した。丸ごと口に放り込み、熱々のスープで火傷寸前になるのが大好きなのだが、大き過ぎてそれが出来ない。水餃子でも充分ジューシーなので、そちらで火傷すればよかった。

店は徐々に一杯になってきた。中国娘たちの応対を見ていると、電話で席を確保して来た人は僅かなようだ。予約をしていないにもかかわらず、最後の4人掛けテーブルは若いカップルが獲得した。神様は恋人たちに甘い。

家に帰ってパートナー殿に怒られた。ニンニクを使いすぎたようだ。哀れなことに彼女は翌日も同じ被害に遭う事を、そのときはまだ知らなかった。ゴメンネ


玲玲リンリン
東京都港区新橋3-19-2 2F
03-3432-9073

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2009年10月13日

[白龍トマト館](新江古田)

念願の杏仁豆腐


友人にご馳走になった後、固辞したのに持たされたお土産が海老春巻と杏仁豆腐。家族に大絶賛されたものの、江古田に行くことはないし、店の名前も忘れてしまって早10年。覚えていたのがトマトの大きな看板。ネットで調べて家族と行くことにした。

記憶の場所と異なったので半信半疑だったが移転したとのこと。12時前だったので、2階はガラガラ。4人席に座り料理を頼み始めたら大きなテーブルに席替えさせてくれた。

レバニラきくらげ炒め、海老巻揚げ

レバニラ炒めは少量の割りに高い。しかし食べ始めたらみんな納得の美味さ。海老巻揚げが来たところでパートナー殿の顔が輝いた。この店に間違いない。海老とシソだけの豪華な春巻き。海老のプリプリッとした食感が記憶の通りだった。

玉子餃子、とこぶしの柚子バター炒め
海老豆腐、鶏肉とピーマンの辛味湖南風

変り種の玉子餃子はともかく、どの料理もみんなを喜ばせた。江古田でこの料金なら不満を言う人も多いだろうが、料理人の腕はしっかりしている。わざわざ世田谷から電車でやってきたのも無駄ではなかった。

トマトタンメン、杏仁豆腐

まさに文字通りの看板料理がトマトタンメン。テレビでも紹介された異色のタンメンで、遠くからやってくる人の目的はこれ。しかし、銀髪は初体験で、10年前に紹介してくれた人も敢えて頼もうとはしなかった。なんとなく分かるような気がする。

「いい思い出は増幅されるもの。がっかりするかもしれないよ」と予防線を張って頼んだ杏仁豆腐。食べ始めると再びパートナー殿の顔が輝いた。甘味の評価を銀髪は出来ないけれど、彼女に言わせると記憶の通りナンバーワンの杏仁豆腐らしい。

「家に買って帰ろうかな」と言うのを制した。「また来ればいいじゃないか」と言ったものの次回はいつ来られるか分からない。それでも、腹一杯食べて飽きるよりましだろう。思い出の味が熟成されるのを待つのも美味しく食べるコツである。


白龍トマト館
東京都中野区江原町3-17-1
03-5988-7330
http://www.tomato-tanmen.com/


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2009年08月29日

[花梨](長野・ホテル国際21)

ホテルの中華料理


2人だったらカウンターがいい。3~4人だったらテーブルがいい。5人以上になったら丸テーブルがいい。結婚式やパーティーでは丸テーブルで洋食や和食のコースを食べても違和感がないが、通常は中華料理が無難な選択である。

丸テーブルの利点は話をしやすいこと。欠点は遠くの相手にお酌などがしづらいところだ。従って食事の快適さは店のサービス次第ということになる。

ホテル国際21は長野オリンピックでも主要ホテルとして活躍した。その地階にある中国料理の花梨はさすがに快適であった。すべての料理が店員によって分けられて各人に出される。回転テーブルに大皿を次々に置いていく店があるが、食べる方は大変なストレスを感じる。料理や酒がグルグル回っては、肝腎の話に集中できない。

欲を言えば長野らしい素材を取り入れたらいいと思うものの、地元の人にとってはどうでもいいことかもしれない。長野には海がないし、山菜を中華風に料理してもピンと来ない。

強いて言えば信州牛がある。料理の選択は部下に任せたので、出てきた牛肉の産地は定かではない。店員に聞こうかと思ったが、止めにした。充分に美味しい肉の出自をあれこれ詮索する必要もないだろう。

デザートを食べて無事終了した。食が細い人の前には手付かずの皿がいくつか残ってしまった。もったいないので貰ってあげようかと思ったが、そのままにしておいた。それをやるとメタボに近づく。くわばらくわばら。


花梨
長野県長野市県町576 ホテル国際21
026-234-1201
http://www.kokusai21.jp

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2009年08月22日

[源記茶餐廰Yuen Kee Restaurant](香港)

最後の晩餐


「どこかいい足裏マッサージの店はないかい?」ホテルのコンシエルジェで尋ねた。海外でも日本でも、一番頼りになるのがホテルの案内だ。心得たもので、ホテルのレベルに合った店を紹介してくれる。高級なところへ行きたければ、高級ホテルで聞けばいい。

思惑通り、立派なマッサージ店だった。広々とした部屋、ふかふかの椅子、クラシック音楽を聴きながらマッサージを受けた。前日、日本語を話す香港人の呼び込みに負けて入った店とは大違いだった。高級と言っても50分で2,500円位だから大差はない。

勘定場でマッサージ師に尋ねた。「この近くで、安いラーメン屋を知らないかい?あなたたちが食べるような店がいい」英語でやりとりしている父親を、家族が不安げに見ている。
なんと、親切にもマッサージ師は一緒にマッサージ店を出て、銀髪たちを飯屋まで連れて行ってくれた。

ホテルのコンシエルジェと同様に高級マッサージ店で聞いたから、もう少しましな飯屋を予想していた。考えてみれば店は高級でもマッサージ師は薄給に違いない。わざわざ案内してくれたのにノーとは言えず、席についてパートナー殿や二人の娘の顔を窺った。

中華料理もあるが、サンドイッチもある不思議な店。源記は市内のあちこちにあり、その中ではもっともきれいな部類のようだ。銀髪は鴨を麺抜きで酒の肴代わりに、パートナー殿は「焼麺」を頼んだ。やきそばをイメージしたようだが、出てきたものを見て絶句した。

娘たちは海老ワンタンなどの具が異なる2品を頼んだ。細い中華麺(卵麺)を想像したが、平打ち麺が出てきて驚いた。それでも「この麺の方が好きだ」と言ってくれるから泣けてくる。小さな椀をもらい分け合って食べることにした。しかし、塗り箸で平打ち麺を掴むのは難しい。しかも麺が長くてとても苦労した。

「そんなにお腹が空いてなかったのでちょうど良かったよ」と言ってくれたが、免税店で最後のショッピングをしてホテルに戻ったら、ルームサービスでデザートを頼むと言う。「オイシイー!立派な店でお腹一杯になっていたら、ホテルのデザートは食べられなかったね。良かった、良かった!」と言われてしまった。喜ぶべきか、悲しむべきか、苦笑いを浮かべながらミニボトルのブランデーを飲む銀髪だった。

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2009年08月20日

[糖朝](表参道)

香港、東京、味比べ


香港の糖朝は気に入った。
(→ http://codawari.info/ginpatsu/archives/2009/08/post_1331.html
「味の記憶が消えないうちに東京の糖朝と味比べしよう」銀髪の提案はすんなりと受け容れられた。まったく我が家の連中は大したものだ。香港旅行中に一度も日本食を食べたいと言わなかったし、帰国してすぐに銀髪のお遊びに気軽に付き合ってくれる。

大衆食堂のような香港の店に比べて、青山の店は静かで落ち着いた雰囲気。内装、什器だけでなく店員も高級感を演出している。紹興酒があり、コカコーラがないのも大きな違いだ。

くらげと野菜の和え物、ピータン

味比べのはずが、香港で食べたものと違うものを頼むのには参った。銀髪に付き合う振りをして、好きなものを食べるとはますます大したものである。「だって、食べたいんだもの」と言われたら、銀髪も拒否できない。

蝦入り腸粉、蝦と五目入りもち米揚げ

比較の対象になったのが米の粉で作った皮でエビを巻いたもの。明らかに香港の糖朝が上。もっと言えば、新世界東海が一番美味しかった。「海老餃子はいいの?」と聞くと「だって、お父さんの作った餃子が一番だもん」と泣かせる。

五目粥、大蝦のチリソース炒め

香港の糖朝で食べた燕の巣、帆立、鮑が入ったお粥と同じものはない。五目粥の味が劣るのは仕方がないにしても、米の粘り気が強くて中国粥と日本の粥の中間ぐらいの食感。今度は「お母さんのお粥の方が美味しいね」とおだてる。親は子供にもてあそばれているようだ。

香港醤油焼きそば、マンゴープリン

銀髪が唯一選んだ焼きそば。美味しいと思うのだが「ゴムみたい」と一蹴されてしまった。そして、いよいよ看板デザートのマンゴープリン。銀髪は香港で食べなかったので評価する資格がない。女性たちは「スプーンの入り方が違う。固い!」と仰る。味もマンゴーの風味に欠けるそうだ。土地や気候の差で我々の味覚が麻痺しているのかもしれないが、どの料理も香港の方が美味しく感じた。しかも安いのだから優劣は明らかだった。

日本の糖朝は高島屋の100%子会社、アール・ティー・コーポレーションが運営している。小龍包で有名な台湾の鼎泰豐も同じ構図だ。共に本国で食べたことがある人は、日本でがっかりする。高島屋の名誉にかけて「日本の方が美味い!」と言わせてもらいたいものだ。店も、器も、従業員も、そして何より料金も立派なのだから。


糖朝
東京都港区北青山3-5-14
03-5786-1555
http://rt-c.co.jp/index.html

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2009年08月18日

[新世界東海](香港)

これも飲茶


昔は当たり前だったワゴンサービスをやる店が今は殆どなくなった。インターネットでホテルに近い新世界東海を探し出す。前日に行った映月楼で食べ損なったものを食べるより、違う店で味比べすることを家族全員が同意した。

11時半、並ばずに入れた。それはそれで不安になる。席に着くまでにワゴンが回ってないことが分かった。インターネットの情報が古かったようだ。テーブルに置かれたメニューの紙に食べたいものをチェックしなければならない。写真付きのメニューなどないので途方にくれたが、ガイドブックに飲茶の写真が載っていることを思い出した。そのページを開き、指差すと店の人がチェックしてくれる。写真のないものは中国語と英文の説明を読んで賭けに出た。

写真の料理はもちろん、想像して選んだものも間違いはなかった。オーダーした長女が胸を張ると、他の連中も自分の功績と譲らない。ワゴンサービスでないと分かり店を出ようとさえ思ったが、みんな既に違う楽しみを見つけたようだ。アクシデントや苦労があった方が後々話のタネに成る。心底ホッとした。

観光客の団体はいない。会話もしないで新聞を見ながら食べる人が多い。地元の人たちに違いない。映月楼より香港らしく、味も上のように感じる。そして安い。

全て順調に進んでいるように思えたが、最初に頼んだ料理がなかなか出てこない。蟹入り小龍包はせいろに1個だけしか入っていなかったので、黒服を着た女性が注文を受けた店員を叱っている。それを見て黒服の女性を呼んで、まだ出てこない料理があることを告げた。さらに彼女に追加注文をお願いした。英語も通じて、より快適になった。3種類の制服の意味をもっと早く知るべきだった。

鶏の足も無事やってきて、子供たちも満足した。パートナー殿だけが箸をつけない。いつもは女3人に対して疎外感を感じる銀髪も、好みが一致すれば素直に嬉しい。

ワゴンサービスの飲茶が減ったのも分かるような気がする。食べたい物をオーダーする方が地元の人にも評判がいいのだろう。店にとっても無駄が省けるし、出来立ての方が美味いに決まっている。

勘定をして店を出ると、10人ぐらいが並んでいた。それを見て、みんな入ったときとはうって変わってご機嫌になった。

新世界東海
九龍尖沙咀新世界中心三字樓
Level 3-302, New World Centre,Tsimshatsui, Kowloon.
Tel: 2367 1133

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2009年08月17日

[南大門](香港)

テレビドラマ、喰いタンの撮影にも使われた鯉魚門(レイユームン)の南大門へ


映月楼で飲茶を食べてショッピングへ。我が家の女性たちは大変つましくて、ブランドショップは店内をグルッと回るだけ。日本にも進出したスウェーデンのH&Mも見るだけかと思って入り口で待っていたら、何とここで1時間以上も費やした。さすがにここでギブアップ。一人ホテルに戻った。

全員が海外でも使える携帯電話を持っているから便利だ。3時間後、ペニンシュラ・ホテルで落ち合い、タクシーに乗った。運転手に鯉魚門と書いた紙片を見せる。英語が分からない運転手も多いので、これで間違いなく目的地に行ける。

鯉魚門初体験の娘たちは水槽に入った魚介類を見て感動の声を上げる。観光地化して割高と言われるが、感動分の料金を払う価値はある。客引きを振り切りながら一番奥にある南大門に向かった。他の店を試したい気持ちもあるが、無難な選択で5回目の訪問である。

マテ貝、トコブシ

南大門の店員を連れて再び魚屋へ。4本の指を立てる店員を退けて、2本を死守した。我々家族4人それぞれに一匹ずつ買う必要はない。言われるままに買うと食べ切れずに後悔する。店に戻って料理法を指定する。概ね店員の推奨を受け容れるが、譲らないものもある。経験のなせる技だ。外国人と丁々発止をやっているお父さんは格好良く見えただろうか。

シャコ、カニ

毎回欠かさない巨大シャコは、今までで一番美味しかった。カニは食べ辛いのは承知の上で頼んだ。カリカリに揚げた玉ねぎを食べさせたかったからである。

蒸し魚(ガルーパ)

ガルーパ(ハタ)だけは奨められるまま大きめのものを買った。あまり小さくても美味しくない。店員が頭と尻尾を銀髪の皿に乗せて去っていった。こうすることで一番偉い人が魚を全部食べたことになる。もっとも、食べやすい部分がゲストに行くわけだから、銀髪が名誉を得て、実は女性たちが得ることになる。しかし、一番美味しいのは汁。これを堪能するためにご飯を頼んだ。娘たちは更にカニに添えられたピリ辛の玉ねぎをかけて食べている。真似したら本当に美味かった。

サービスのデザート(マンゴーとスイカ)は半分残して店を出た。タクシーに乗り女人街と書いた紙片を見せると、運転手は大きく頷いた。銀髪は再び地獄のショッピングが始まることを覚悟した。

南大門
九龍鯉魚門海傍道中58A地下
58A Hoi Pong Road C.,Lei Yue Mun
2727-4628
http://www.gatewaycuisine.com/jap/index.html

暇な人は上のHPを見てください。迷訳が笑えます。

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2009年08月16日

[映月楼 SERENADE](香港)

香港で飲茶


「ワゴンサービスのある飲茶を食べたい!」香港に旅行するきっかけになった長女の一言である。「それなら香港サイドのMAXIM’Sね」と我がパートナー殿が以前行ったことのある店の名を上げた。「九龍側にも飲茶の店はあるはずだよ」と探したのが映月楼。これもMAXIM’Sのグループ店である。朝7時半からやっている。

10時半頃に行くと待っている人は2組のみ。香港サイドの店では1時間以上待ったのでラッキー!と思ったが、結局30分ほど待たされた。その間、予約客がどんどん入っていく。眺望が美しい部屋は予約が必要とのこと。我々が案内された部屋は11時に開けたようだ。東南アジア系の団体が加わって、アッと言う間に満席になった。同時にワゴンが一斉に入って来た。

100種類以上もあるらしいが、腹に入れられる量は限られている。好きなものだけを選びたいが、ワゴンのおばさんに急かされるとあたふたとあれもこれも取ってしまう。

スープ類やお粥などを食べたら、他が食べられなくなるのに…。みんなの頼み方を心配しても口出しはしない。一度逃すと同じものはなかなかやって来ない。「食べたかったのに」と後で恨まれたくはない。

60~70人は入れそうな部屋の約7割が団体客。彼らはガイドさんが大皿の料理をオーダーするのを見ているだけで、ワゴンから点心類を取る事はできない。25年前、ツアーでシンガポールに行ったときと同じだ。飲茶=点心のワゴンサービスというわけではない。騙されたと思っても文句は言えなかった苦い思い出は、海外旅行が楽しめるようになった新興国の人たちに受け継がれる。

飲茶は3~4人の家族で行くのが望ましい。親しい友人であっても、料理と人の数が一致しなければ譲り合ったり、押し付けたりと苦労する。

結局、14種類しか食べられなかった。お粥と菓子を遠慮した銀髪は12種類。代わりにビール2本で満腹になった。
後は、回ってくるワゴンを恨めしく見るばかり。大好物が来てもこれ以上は食べられない。明日の昼も飲茶だ。無理をすることはない。

映月楼(Serenade Chinese Restaurant)
尖沙咀香港文化中心1楼
1F Hong Kong Cultural Centre, Restaurant Block, Tsim Sha Tsui
2722-0932

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2009年08月15日

[翡翠拉麺小龍包](香港)

夜遅くも行列の店


マカオ発午後8時のフェリーで香港に戻った。お腹が空かないまま翡翠拉麺小龍包に着いたのが9時40分、店の前にたくさんの人が待っているので驚いた。電光掲示板に自分の番号が表示されるのを待つこと20分。店内は活気に満ちていた。

シンガポールが本店とのことだが、香港にも多店舗展開している。我々が行った店はブランドショップなども入るゲートウェイ・アーケードの3階にあった。このアーケードを歩けば船着場から汗をかかずに来られたのに、廣東道を歩いたので少しバテた。

ネギラーメン、四川タンタンメン

お腹が空いてないと思っていても、料理が目の前に現れるとすかさず箸を出す。看板の小龍包を撮り忘れるほど飢えていたのだろうか。
小龍包26香港ドル(円換算約350円)、ネギラーメン32香港ドル(約430円)、四川タンタンメン(約470円)と日本の半額程度。ネギラーメンはつけ麺のようにして食べるのかもしれないが、汁を麺にかけて4つに分けた。

海鮮おこげ、焼餃子

一番高かったのが海鮮おこげで約920円。スープたっぷりの焼餃子は約350円。缶ビール2本を加えて3,000円強だった。初日の糖朝と同様に、家族連れで賑わうのもよく分かる。店名と異なり、ラーメンと点心以外にも料理の種類は多い。値が張るものもあるにはあるが、普通に食べる限り家族4人で食べて5千円程度で済みそうだ。

店を出たときには電光掲示板は消えていた。ホテルまで歩いて10分ほどの距離だが迷わずタクシーをつかまえた。香港のタクシー料金が安いからでも、暑さに耐えられないからでもない。女3人は道の両側に並ぶ洋品店などの誘惑を断ち切れないだろう。そうなると、マカオでショッピングに付き合わされた地獄の時間が再現されることになる。

幸いなことに、全員が素直にタクシーに乗り込んだ。ホテルに着いて数分後、彼女たちはベッドに倒れこんだ銀髪を残して部屋を出て行った。ホテルの近くで開いている店を探すと言う。まったくタフな連中である。

翡翠拉麺小龍包
Shop3328, Level 3, Gateway Arcade, Harbour City, TST, Kowloon
2622-2699

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2009年08月13日

[糖朝](香港)

庶民の糖朝


「糖朝に行きたい!」と家族が言う。「そんなの東京で行けばいいじゃないか!」と銀髪が抵抗しても女3人との戦いは分が悪い。3時頃九龍のホテルにチェックイン後、スターフェリーで香港島に渡る。ウインドーショッピングをしながらビクトリアピーク行きのトラム乗り場に行き、1時間以上待たされた。頂上で夜景がきれいになるまで更に1時間待った。

下りのトラムに乗るにも1時間近く待たされそうなので、迷わずタクシーに乗って九龍の糖朝に向かった。着いた時には9時を回っていたにもかかわらず、店内は熱気に包まれていた。

糖朝は日本では東京青山、全国各地の高島屋などに7店もあるが、香港では1店のみ。プラスチック(?)の器を使う極めて庶民的な店だ。この日は地元の家族連れで賑わっていた。お粥とマンゴープリンがお目当ての我が家の女性たちは、お腹が空いたのか点心や他の料理も頼んだ。

銀髪はビールを1本瞬く間に開けた。次は紹興酒にしようとメニューを見たが、アルコール類はビールだけ。周りの客を見るとなんとコカコーラを飲んでいる人が多い。料理には合わないと思うが、香港ではコカコーラを飲みながら食べるのが普通のようだ。

茄子を食べて最後にお粥。燕の巣入り鮑と帆立のお粥はこの日頼んだ料理でもっとも高い。お目当てのお粥に女性たちはとても満足していた。料理全般、日本と比較するとかなり安く感じる。高島屋の糖朝にしか行ったことがないが、日本より3割~5割も安く感じた。

銀髪は3本のビールでお腹が膨れ上がった。女性たちもほぼ満腹の状態だったので、最大の目的のマンゴープリンはお土産にしてもらった。風呂上りにホテルで食べると言う。銀髪がいびきをかいている頃、まだ食い物を腹に入れるのだから女は逞しい。

勘定場の横の席に、4~5人座っていた。座席数が多いので、待ち時間は短いと思っていたはずだが、我々が出るのを喜んだのは間違いない。平日だというのに香港の飲食店はかなり遅い時間まで賑わっている。香港の糖朝は家族連れが楽しむ大衆食堂のような店だった。

糖朝 香港本店
G/F., 100 Canton Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon
(852)2199-7799

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2009年07月30日

[ワンズキッチン](渋谷)

なかなか美味しい納豆チャーハン


何かの雑誌で納豆チャーハンの記事を見た。確か渋谷のはずだ。納豆チャーハン、渋谷で検索して出てきたのが日中友好チャーハン。店名はワンズキッチン。多分これだ。

地下の店に下りる階段の壁に雑誌のコピーがたくさん貼られていた。思ったより明るくて大きな店である。メニューにはたくさんの料理が並ぶ。看板では上海料理専門店のようだが、中国各地の料理が揃っている。店員の助けを借りて、上海らしい料理を選んだ。

いんげんの辛味炒め、上海風辛い味噌豆腐炒め

「上海風」と書かれた料理は甘いものが多い。それを避けたら2品ともピリ辛料理になってしまった。共に辛くても違った味付けで悪くない。干し海老の香りが効いたいんげんの料理はビールにぴったり。

上海生煎包(サンチェンボー)

この店の一番人気は小龍包を焼いたサンチェンボー。小龍包と焼餃子を同時に味わえる気分だ。ちょっと大きめなので丸ごと口の中に放り込めないのが残念だった。

この日は客が少なかったこともあり、頼んだ料理が次々と出てきた。最初に頼む料理を3品で止めておいたのは正解だった。値段の割に量が多い。ほぼ満腹だが、お目当てのチャーハンは頼まないわけにはいかない。

日中友好チャーハン

高価な食材は入っていないとはいえ、950円にしては量が多い。想像したよりも遥かに美味い。日本の納豆と中国醤油のコラボレーションが見事な日中友好である。
暇を持て余してカウンターのところで無駄話をしている店員を呼んだ。何事かと思って飛んできた店員に「なかなか美味しいよ!」と言うと、緊張した顔がほころんだ。
納豆は一度揚げてあるそうで、中国醤油共々香ばしい。糸も引かないので納豆とは思わないかもしれない。

メニューに並ぶ料理は100種類以上。フカヒレもあるが、大衆的な料理を食べる店だろう。4人ぐらいで多種類の料理を味わいたいものだ。最後に日中友好チャーハンを忘れずに。


上海人情 ワンズキッチン
東京都渋谷区神南1-16-3 ブルーヴァールビルB1
03-5784-1886
http://www.wangs-k.com

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2009年07月25日

[過門香 トラストタワー店]②(丸の内)

宴会に最適


トラストタワー店は今回が2回目(1回目の記事→http://codawari.info/ginpatsu/archives/2006/05/post_217.html)。東京駅から濡れずにやって来れるので宴会には便利な店だ。個室や衝立で仕切られた席が多いのも使いやすい。サービスも宴会用に心得たものである。

季節の冷菜五種盛り合わせ

「こちらが5人前です」と女性店員が前菜をテーブルに置いた。「こちらは4人前です」と別の皿を入り口近くのテーブルに置く。我々9人は割り当て分を行儀よく自分の小皿に移す。

海鮮入りフカヒレスープ、北京ダック、本日の蒸し点心二種

スープと点心は各人に一つずつ来るので取り損なうことはない。北京ダックは今度は4人前が最初に出てきた。真ん中に座った奴がどちらの皿から取るか瞬時に判断する。イヤー、まったく紳士的な集団である。

大海老の特製マヨネーズソース、あぐー豚ロースと旬野菜の酢豚

大海老は「一人〇個です」と店員は指示してくれなかった。2個ずつは行き渡りそうだが3個は定かではない。それぞれが箸を伸ばした後、大皿に海老が2個残った。美しい譲り合いが始まる。遠慮したが最後の1個は銀髪が食べる羽目になった。

酢豚は余った。店員が取り分けても残した人がいただろう。今度は銀髪も固辞した。男たちにはちょっと甘過ぎたようだ。

KAMONKAあんかけ固焼きそば、おすすめデザート

後半に入って店員が取り分けないのは正解かもしれない。各人、腹具合が異なるからだ。燃費の悪い車は大量の燃料が必要である。古い車は燃料を欲しがらない。

過門香が新興グループの割に店舗網を拡大できるのは客の支持が多いからだろう。リーズナブルなことだけでなく、サービスに負うところも大きい。宴会のメインは料理より会話。割り切ってしまえば楽しいものだ。


過門香 丸の内トラストタワー店
東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館2F
03-5288-7788

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2009年06月22日

[とごうvsむつぎく](浜松)

浜松餃子対決


「本当に帰っていいんですか?」と言う部下に「俺が嘘をついていると言うのか?」と返した。「後で、あの野郎!上司を残して帰りやがって!と言わないで下さいよ」と不安そうだ。餃子の食べ歩きに仲間はいらない。まして2軒はしごするつもりと知れば、嫌がるだろう。

浜松は宇都宮ほどではないにしろ神戸などとともに餃子が有名なところだ。しかし浜松担当の部下は餃子を食べたことがない。当然ながらこれから行く店も浜松駅から歩ける店の中から銀髪が自ら探した。行く順番は悩んで悩み抜いた末に決めた。とごうには5時を過ぎたばかりに入ったので当然一番乗り。店員たちは仕込みで忙しそうだ。入り口の壁から大音響を発するキテレツ大百科を見ながら餃子が焼けるのを待った。

餃子焼き器と格闘する店員を見ながら、お通し(200円?)でビールを飲んだ。瓶ビール530円、餃子8個420円は良心的だ。次の客が無言で入って来たと思ったら、調理場に入るので驚いた。年齢からして店主かもしれない。巨躯の店員が餃子の焼き場を譲った。

豆を箸で上手に口に運び自画自賛するのも飽きた頃、柔らかい皮の餃子が出てきた。底が破れて見栄えが悪いが味はいい。食べ終わる頃に次の客が入って来たのは有難かった。老若3人の店員が、「ありがとうございました」と言うのを意外な気持ちで聞きながら店を出た。

タクシーの運転手さんも太鼓判を押したのがむつぎく。5時40分頃に入ったら、7割方席は埋まっていた。カウンターに座りとごうと同じようにオーダーする。瓶ビールは630円、餃子は460円とちょっと高め。但し、フライパンで素早く焼き上げるのでお通しの必要はない。テフロン加工(?)のフライパンを使っているので油も少なめに引いているようだ。とごうとの共通点は茹でたもやしが添えられていることぐらい。この茹でもやしが浜松餃子の特徴らしい。

あれこれ吟味しながら食べていたら、見覚えのある人が銀髪の側に座った。とごうで後から入って来た人だ。目が合って、目をそらし、それぞれの世界に戻った。こちらが食べ終わり、向こうが食べ始める頃、声が飛んできた。「どっちが美味しかったですか?」と言われて思わず二ヤッとした。

声を発しなかった自分を責め、声をかけてくれた相手に感謝した。どちらの店を先にするか逡巡したが結果オーライになった。銀髪の名刺を渡し、彼の名前がMさんと教えてもらった。僅か5分足らずの会話だったが、永遠の友を作った気分になった。

先に席を立ち、別れを告げて出口の勘定場に行った。「お知り合いですか?」と店の若い女性が聞くので手短に経緯を話した。「意見が一致してね」と言うと、若い女性の笑顔を見るおまけがついて来た。銀髪に声をかけてくれたMさんに再度感謝感謝である。

翌日Mさんから電話がかかってきた。「もう一軒行ったんでしょう?」と聞くと予想通りの答え。お互いの笑い声が重なった。


餃子屋とごう
静岡県浜松市中区田町329-14
053-458-7880

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2009年05月22日

[桃花春](神戸メリケンパークオリエンタルホテル)

新型インフルエンザなんかに負けるな神戸


神戸駅で新幹線を降りる人の殆どはマスクをしていた。マスクではなくサングラスで顔を隠していたのが歌手のかまやつひろしだったのが笑えた。
オリエンタルホテルの従業員は予想に反してマスクをしていなかった。客に不安感を与えないためという。

閑散としたロビーを抜けてエレベーターに乗った。早い時間とはいえレストランにも人はまばら。一番奥の部屋「天津」に入ると港の景色が迫ってきた。銀髪は窓を背にして座った。薄暮からきらめく夜景へと変わる様を見る楽しみは他の人たちに譲った。

料理はオーダーバイキング形式で、テーブルに置かれたメニュー60種類から好きなものを選ぶ。メニューを見ても誰も声を発しないので、銀髪が勝手に選ぶことにした。高級食材であること、分けやすいことを基準にした。



人数分が盛られた前菜を前にして「取り分けてくれるの?」と言うと、店の女性は首を振って冷たく笑った。ふかひれスープは研修生の女性が分けてくれたが北京ダック、挽肉レタス包み、蟹爪フライは大皿のまま回転テーブルに乗せられた。


もちろんモンゴウイカのXO醤炒め、鮑のオイスターソース煮も取り分けてはくれない。3つずつ頼んだスペアリブの黒豆蒸しや小龍包、海老蒸し餃子、フカヒレ蒸し餃子などの飲茶類は無造作にまとめて置かれた。バラバラに置いてくれれば回転テーブルが忙しく働く必要もなかっただろう。

料理は次々にやってくる。「もう少しゆっくり出してよ」と言ったが後の祭り。アッと言う間にテーブルを埋め尽くした。キッチンの料理人も暇を持て余しているに違いない。

「ラストオーダーはいかがですか?」と言われて90分の時間制限があることを知った。海老のチリソース、酢豚、五目焼きそば、五目炒飯、デザートに杏仁豆腐、マンゴープリンを頼んだ。

お腹は一杯になった。90分が過ぎたところで担当の女性も消えた。それから1時間、夜景をたっぷり堪能しながら話に熱中した。空いていたせいか追い出されることもなく、店は寛容だった。

オーダーバイキングは作りたてを食べられるのがいい。特に今はいつ来るか分からない客のために、たくさん作って並べておくのは無駄である。新型インフルエンザが終息するまで、頑張れ神戸!


桃花春
兵庫県神戸市中央区波止場町5-6
078-325-8111

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2009年05月21日

[柿安 香港飲茶](銀座)

これが香港飲茶?


「飲茶 ワゴンサービス 東京」とネット検索した。出てきたのはルミネエスト新宿にある九龍點心と銀座の柿安・香港飲茶の2店。決断は人任せにして、銀髪はただついて行くだけにした。総勢4人、飲茶を食べるにはちょうどいい人数だ。

開店の11時前に店に到着したら、休日のせいか先客は一組だけだった。行列が出来ているかもしれないと思っていたので喜びながらも少し不安になった。ワゴンは後で回った来るとの説明を受けて、店の一角にあるバイキング料理を取りに行った。多品種少量ずつ盛ってワゴンを待つことにした。

銅鑼が店内に鳴り響いた。キッチンから運ばれてきたものはフカヒレ飯。これからどんどん点心が運ばれてくると思ったので人数分は頼まないで二皿を分け合った。

スープ、フカヒレ飯

ワゴンサービスで回ってきたのは下の写真の料理。小龍包は無残にしぼんでいる。鶏の足はいつも食べるゼラチンのとろけるようなものとは明らかに異なる。次のワゴンに期待しようと思った。しかし、それからいくら待ってもシュウマイや餃子の類は回って来なかった。

みんなの落胆振りは目を覆うばかりであった。「同じものでもいいや!」と待っても、ワゴンは後から入って来た人の方に行って、こちらにはやって来ない。みんな諦めてバイキングのデザートを取りに行った。銀髪はおでんを持って来た。和辛子ではなく豆板醤で食べるおでんはなかなか面白かった。

「もうすぐ、時間ですが…」と勘定書きを店員が置いて行った時、みんなの怒りのピークは過ぎて虚脱感が漂っていた。「そもそも2千円以下の食べ放題で美味しい飲茶が食べられると思うのが間違っている」と言ったら、「ルミネエストや横浜中華街は良かった!」と猛反発をくらった。せっかく店選びを任せて責任放棄できる立場にあるのに余計なことを言ってしまった。

すぐに白旗を掲げ、戦線を離脱しようとしたら爆弾が飛んで来た。「それなら次は香港に行こう」と言うではないか。「エーッ!ホ、ホンコン?飛行機に乗って?」冗談でしょ。


柿安 香港飲茶
東京都中央区銀座西3-1 銀座インズ1 2F
03-3538-4631

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2009年05月14日

[天香回味 火烤二吃 木原店店](日本橋)

一石三鳥?


天香回味の一番新しい店が日本橋コレド裏の路地に3月末オープンした。「天香回味 火烤二吃 木原店店」を完璧に読める人は多分いないだろう。テンシャンフェイウェイ・ホッカリャンツーきわらだなてんと読む。木原店は明治から昭和の初期まで「食傷新道」とも言われていた横丁らしい。

天香回味は薬膳火鍋の店として知られる。木原店店はグループで初めて2色鍋に鉄板をつけた鍋を導入した。鍋と焼き物を同時にやろうという欲張りな要求を満たすことが出来る。

3980円のコース

薬膳鍋は日本橋本店や東銀座店など何回も食べたことがあるが、我々9人の中には初めての人がほとんどなので店長の説明を黙って聞くことにした。ところがチャチャを入れるのが数人いて、説明時間が伸びてなかなか食い物にありつけない。イライラする銀髪とは対照的に店長は冷静だ。

説明が終わると一斉に材料を放り込む。鉄板のスペースが小さいので、一度並べたニンニクは鍋に放り込んだ。豚肉も半分は鍋にぶち込む。欠食児童たちの戦争が始まった。

コース料理に含まれる野菜やきのこ類を鍋に入れた後で、コース外のきのこを全種類追加した。2卓の鍋に一皿ずつの意味で「きのこを全種類2皿ずつ持って来て!」と仲間が頼んだら、中国人の女の子は誤解して各卓に2皿ずつ持ってきたから堪らない。置く場所もないので次々に鍋に入れた。写真も全部撮る暇がなかった。

とてつもなく多量に思えたが、殆ど残さずみんなの胃袋に収まった。鍋は大勢で食べると美味しい。もっとも、大人数だと鉄板がいかにも小さすぎる。一石二鳥ならぬ一石三鳥のはずが、一兎をも得ずになりかねない。新開発の鍋は2人、多くても3人が適当のようだ。しかも我々のような欠食児童ではなく上品にゆっくり食べる人向きとも言える。

薬膳鍋と焼肉を食べ過ぎて、胃腸薬が必要になるようなことだけは避けたいものだ。

天香回味 火烤二吃 木原店店
東京都中央区日本橋1-5-8 1F~3F
03-3548-3337

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2009年05月04日

[万豚記ワンツーチー](日本橋)

日本一辛い坦々麺


パーコー麺を食べようと万世日本橋店を探して昭和通りを行ったり来たりしたことは昨日書いた。長年続いた店がまさか閉店しているとは思わなかった。閉まる店があれば開く店もある。いつ出来たか知らないが、初めて万豚記の日本橋店に行った。

もっとも万豚記の1号店が1994年に開業して以来全国に47店に拡大し、紅虎餃子房など662店を擁する際コーポレーションの牽引役を担ってきたようだ。日本橋では新顔でも堂々たる風格がある。

メニューは豊富で何を食べるか迷った。周りの客たちが食べているものはバラバラである。悩んだ末に「日本一辛い坦々麺」を頼んだ。「日本一」のネーミングに負けた。

カウンターに座ると料理人の動きが見えて実に楽しい。筍と挽肉の料理、回鍋肉が運ばれて行った後、料理人が鍋に唐辛子を大量に放り込み始めた。

見た目に圧倒されるが唐辛子の辛味はそれほどではない。もっと辛いラーメンはたくさんある。痺れるような辛さは山椒によるものに違いない。

食べ続けるとヒリヒリしてくる。日本一山椒辛い坦々麺にごはんを放り込んだが失敗だった。ごはんに汁をかけた方が良かった。
食べている間も料理人を見ていたが、銀髪のような馬鹿はいなかった。他にも食べるものはたくさんある。隣の客が食べていた回鍋肉は美味しそうだった。

それにしても店名を正しく読める人がどの位いるのか気になる。「今日の昼飯はマントンキにしようぜ」という人が圧倒的に多いと思う。まあ、通じれば何と呼ばれても店側は気にしないだろうけれど。


万豚記
東京都中央区日本橋室町1-11-13大西ビル1F
03-3527-9351
http://www.kiwa-group.co.jp/brand/search.php?j=100004

追悼

忌野清志郎さんが亡くなった。銀髪に自転車を勧めてくれた友人は忌野清志郎さんに触発されて自転車を始めた。その縁から、ある意味彼を崇拝していた。ご冥福をお祈りします。

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2009年03月22日

[陳麻家](日本橋)

専門店の麻婆豆腐


五反田東口の小さな店に行ったのは2002年の夏だったと思う。麻婆豆腐好きな銀髪が偶然見つけて部下と一緒に飛び込んだ。それから色んなところで同じ名前の店を見るようになった。全国で100店以上もある大チェーン店になったが、その後入ったことはない。今年になって会社の近くに同じ名の店を見つけた。陳麻家には2002年以来の訪問である。

店に入ろうとすると店頭でビラを配っていた中国人女性が慌てて追いかけてきた。680円の陳麻飯を頼む。待つ間にメニューを開いて辛さが選べること知ったがもう遅い。卓上のラー油と山椒を加えて食べたが成功したとは言い難い。

食べ終わって胸ポケットに手を当てるとあるはずのものがない。生まれて初めて無銭飲食の嫌疑をかけられるのではないかと怯えた。別のポケットを探る。小銭があったが何度数えても630円しかない。先ほどの中国人女性に告げると「あー、いいですよ。後で持って来てください」と優しい笑顔。嫌な顔一つしない。急いで会社に財布を取りに戻った。

15分後、再びにこやかな笑顔に迎えられた。支払いを終えて、店の入り口のテーブルに置かれていたビラを手に取って愕然とした。開店記念のキャンペーンで50円の割引クーポンがついているではないか。彼女が入店のときに手渡してくれたら、会社に戻る必要はなかった。

ビラをくれなかったことを恨むべきか、免許証や名刺などを求められなかったのを感謝すべきか、しばし考えた。手持ちが50円足りないことを伝えていたら、機転をきかせてくれたかも知れない。やはり彼女の優しさを評価すべきだろう。

持って帰ったクーポン券の期限は3月31日まで。再訪すべきかどうか、ちょっと迷っている。坦々麺でも試してみるかな。

陳麻家 日本橋2号店
東京都中央区日本橋本町3-2-12
03-5201-5777
http://www.chin-ma-ya.com/

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2009年03月17日

[筑紫樓](銀座)

極上の青鮫のフカヒレ姿煮


「本店は銀座なの?」電話の向こうの若い女性に尋ねた。「一番古い店は恵比寿ですが、特に本店はありません」と答える。「一番美味しいのは銀座だよね」と言ったら笑い声が聞こえた。「総料理長は銀座に居ます」とちょっと誇らし気だ。「個室ですとコース料理を予約していただかなくては…」と言うので、「一番安いコース料金以上の料理を頼むからいいでしょう?」と返した。

ランチのコースでは食べたいものがなく、他のコースでは量が多過ぎる。銀髪が頼んだのは通常使われるヨシキリザメより高級なアオザメの姿煮。その前に前菜3種盛り。〆にフカヒレ入り土鍋そば。品数は限られるが、個室を使うのに相応しい料金にはなる。

席につくと料理をする前のフカヒレを持ってきてくれた。350gのものが2切れ。7人の会食なので各人に100gが行き渡ることになる。

蒸し鶏、くらげ、叉焼を食べながらフカヒレの登場を待つ。ちょうど食べ終わる頃にオイスターソースなどで味をつけた白湯スープ仕立ての姿煮がやってきた。

各人に取り分けてもらい、お好みで金華ハムともやしを加えて食べる。蟹を食べているわけではないのに会話が止まる。「どうだい?」と銀髪が聞くと、みんなが顔を上げて頷く。再び沈黙。
「白いごはんを入れていただいても美味しいですよ。お持ちしましょうか?」と担当の植田さんが奨めてくれる。確かに濃い味のスープがごはんとよく合う。

筑紫樓で食べられるフカヒレはヨシキリ鮫、青鮫、毛鹿鮫、メジロ鮫の4種。ヒレは背びれ、尾びれ、手(腹)びれの3種があり、食感や希少性によって値段に大きな開きがある。お得なセット料理やラーメンに入れられるものが、高額な料理と同じもののはずがない。
もっとも、フカヒレ自体に味はないので、スープの美味しさは大差ないかもしれない。

最後にフカヒレ入り土鍋そばを食べた。一流の料理人が作るものはラーメンであっても美味い。
担当してくれた植田さんの話も大変面白く、参考になった。勝手気ままなオーダーをする客のあしらい方も心得たもの。とても満足した。


筑紫樓 銀座店
東京都中央区銀座7丁目10-1 STRATA GINZA B1F
03-3569-2946
http://www.tsukushiro.co.jp/ginza/

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2009年02月28日

[祥雲](神戸三宮)

中国本物の餃子


「後で餃子を食べるためにお腹一杯にしない方がいいですよ」と部下が言う。銀髪グルメ紀行のことを考えてくれる優しい部下の言は尊重しなければならない。神戸らしい味噌ダレで食べる餃子を予想していたので、中国人経営の店に連れて行かれて戸惑った。

小さな店はそれなりに混んでいた。「繁昌しているね」と主人に問いかけると「今日はたまたまですよ」と中国人らしい訛りのある日本語が返ってきた。「テレビで紹介されたときは行列ができたけれど、今はそれほどでもない」と淡々と話す。

銀髪の問いを受けながら、手は休みなく動いている。キャベツ、しいたけ、にら、にんにく、ピリ辛の5種類の餃子が次々に出来ていく。取り敢えず、キャベツとしいたけの餃子を頼んだ。

「日本にどのぐらい居るの?」「20年」、「この店は出来てどのぐらい経つの?」「10年」。簡潔な答が返ってくるだけで話は盛り上がらない。「どうして餃子屋さんをやろうと思ったの?」と聞いたところで主人の手が止まり、顔が上がった。「日本には本当の餃子がなかったから」と話しだした。

「中国の餃子と日本の餃子の違い、分かりますか?」今度はこちらが質問される番だ。すぐに降参して答を待った。「日本の餃子は味がない。だから醤油と酢をつけて食べる。これおかしい。」と言われて成る程と思う。確かに中国では餃子もシュウマイもしっかり味がついており、タレを使うことはない。

今度はにんにくとピリ辛を頼んだ。味噌ダレも用意してあるが、もちろん何もつけないで食べる。ビールをお代わりする。「なるほどね」と一人呟く。

「日本に来て苦労したでしょう?」と聞くと、「ぜんぜん」と笑う。そんなはずはないと突っ込もうとしたが止めにした。苦労は当たり前と言われそうだ。

「美味しかったよ。頑張ってね」と言うと嬉しそうに笑った。本当に頑張ってね・


祥雲
兵庫県神戸市中央区加納町4-8-19 北上ホテル1F
078-393-0396

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2009年02月15日

[悟空](宇都宮)

宇都宮駅の餃子屋さん


宇都宮駅2階の餃子屋で、唯一入ったことがなかった悟空に直行した。既に1時を回っているのでガラガラだった。老夫婦がゆっくりと定食を食べている。急かされることもなく平和である。

4人掛けのテーブルに1人座ってメニューを吟味した。餃子とごはんにスープのセットがランチとしては相応しい。でも色んな種類の餃子を食べたい。5種類の餃子が乗った焼きセット(1,700円)は多すぎると思ったら、ハーフセットなるものを見つけた。ジャンボ餃子、野菜餃子、フカヒレ餃子、シソ餃子、キムチ餃子の5種類のセットで1人で食べるにはちょうどいい。

オーダーしたところでおじさんが1人、女性2人連れ、親子3人とたて続けて入ってきた。客がいない他の店に比べて、老夫婦と銀髪がいる悟空が一番賑わっているように見えたのかもしれない。

意外と料理が出て来るのに時間がかかる。中国人の店員がやってきて醤油の瓶を取替え、箸を追加していく。客が見えているのかいないのか、決められた作業を時間通り淡々とこなしている。

おじさんの定食が先に来た。女性2人連れにラーメンが運ばれるのを見て、ビールの中瓶を注文した。一杯目がなくなる頃、待ちに待った餃子がやってきた。女性2人連れにも餃子が運ばれる。ラーメン餃子セットだったようだ。

やっぱり餃子にビールはいい。お腹が空いていたことを考慮しても、思ったより美味しく食べられた。普通サイズの12個とジャンボサイズの2個、合計14個にビールを均等に配しながら食べ終えた。

店を出て向かいの餃子屋が替わっているのに気がついた。夢餃子がなくなっている。新興店が有名店に囲まれて営業するのは大変だろう。駅ビルの家賃も重くのしかかるに違いない。悟空の餃子が他に劣るわけではないが、有名店を押しのけるには料理以外の工夫も必要かもしれない。

どのように生き残っていけるか、楽しみではある。

悟空
栃木県宇都宮市川向町1-23 JR宇都宮駅ビルパセオ 2F
028-627-8500

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2009年02月14日

[中国茶房8]②(恵比寿)

安くて美味しい宴会


中学時代の同期生でちょっと遅めの新年会をやることになった。いつもは地元の下北沢に集まるが、今回は銀髪グルメ紀行を愛読してくれている幹事役が中国茶房を選んだため、恵比寿駅に集合した。
3年ぶりの再訪である

待ち合わせの時間を僅かに過ぎたところで、12人が揃った。上出来である。「土曜だから空いてるよな」「予約したんだろう?」「したけど、言葉が通じたかどうか、ちょっと不安なんだ」 話しながらゆっくりと坂道をのぼり、店に着いたのは予約した6時半。ガラガラだと思ったら、何人も待っているので驚いた。

幹事が名前を告げる。中国人の女性店員が予約シートを見て顔を曇らせる。「8時半じゃないですか?」「違うよ、何度も6時半と言ったよ。間違えないでね、18時半だよって」中国人の男性店員がやってきて確認する。一度6時半と書かれたものが8時半に訂正されていた。


我々はついていた。何とか調整して席を作ってくれた。追い出す格好になってしまったカップルには申し訳なかった。忙しく動き回る店員をつかまえて、早く出てきそうな料理を頼む。12人居るから3皿ずつ。

3個105円の手作りの水餃子は全部で30種類ある。値段を見て気が大きくなりメニューの上から8番目まで人数分を頼む。出てきて初めて8×12=96個がどれだけ大量か気付いた。通常は一皿ずつ出て来るので味比べが出来て楽しいが、大皿に盛られたらどれがどれだか区別がつかない。半分近くが余ったので、頼んだ奴が持って帰ることになった。袋代が105円。

このあと北京ダック。大人数なので2羽を頼んだ。みんなに充分行き渡り、余ったぐらいだった。皮を剥いだ残りで炒め物やスープを作ってくれる。(→「中国茶房8」

ビールをピッチャーで4杯、紹興酒8年物を2本、ウーロン茶などを飲み、一人当たりの会費は2,500円~3,000円。安かろう不味かろうというわけでもない。24時間営業だからできる薄利多売なのだろう。

みんなが喜んでくれるので、ついつい自慢してしまう。店から何かもらっているわけでもないのに。いつもながらおばかな銀髪だった。

中国茶房8
恵比寿店 http://www.8-duck.jp
六本木本店 http://www.cceight.com

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2009年02月12日

[龍の子](神宮前)

麻婆豆腐だけではない美味しい四川料理


「行列ができる店」「夜は必ず予約を」というネットの記事を無視して飛び込みで行った。近くに評判のいいレストランがひしめく地域なので、週末でなければどこかに入れる。それでも階段を下りる時には空席があることを祈った。

不安が顔に出ていたのだろう。「空いてますか?」と声をかけると、店員がわずかに笑った気がした。先客は一組だけで、予約も他に入っていないようだ。メニューを開きお奨めを尋ねるとたどたどしい日本語で答えてくれた。

四種冷菜盛り合せ

最後に決めた冷菜は当然のことながら前菜として出てきた。あんこう、バンバンジー、豚足、海老が別々の皿で出て来るとは思わなかった。値段(3,200円)に相応しい量と味は良心的に感じた。

マーボ豆腐

オーナーシェフが日本における四川料理の祖、陳建民氏の弟子と聞けばマーボ豆腐は外せない。いの一番に決定したが、店が空いているのを考慮して最後に追加オーダーすべきだった。前菜を食べ始めてすぐに出てきたので困った。山椒がしっかり効いて、四川料理の特徴である痺れるような辛さがありとても美味しい。でも3分の1ほど食べたところでごはんが欲しくなった。

龍の子特製辣味四川風ワンタン

「龍の子特製」に惹かれて頼んだワンタンもやってきて、すべての料理がテーブルに出揃った。冷菜は紹興酒のつまみに残すことにして、温かいマーボ豆腐とワンタンを先に片付けることにした。このワンタンが頗る美味しい。スープが2層になっていて、初めて出会う味である。辣味という割にはマイルドな辛さで食べやすい。

アンニン豆腐

この店のメニューは何故かマーボ、アンニンなどと漢字表記を避けて片仮名になっている。オーナーが顔を出してくれれば質問したいところだった。中国人の店員とやりとりするのは辛い。

前菜の残りで紹興酒を飲みながら、向かいのテーブルに一人座る若い女性のことを想像した。誰かを待っているのかと思ったが、生ビールを飲み、料理を食べ始めた。我々が勘定をして店を出るまでお相手は本だった。

龍の子は思ったより気軽に食事ができる店だった。グループや恋人同士はもちろん、女性一人の客でも憶する事はない。


龍の子
東京都渋谷区神宮前1-8-5
03-3402-9419

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2009年02月02日

[湖南菜館](新宿歌舞伎町)

毛沢東が愛した湖南料理


湖南料理の名店として知られる湖南菜館は、以前から気になっていた店だった。「歌舞伎町案内人」の著者李子牧(リーシャム)氏がプロデュースする店としても有名。店があるビルに近づくとかわいい中国娘に店のパンフレットを渡された。これを受け取りビルに入ろうとすると、彼女が驚いて追いかけてきた。銀髪が彼女の店を目指して来たとは思わなかったのだろう。

店内は明るく、洋風のレストランのようで、中華料理屋らしくない。中国人二人(一人は李子牧氏?)が新聞を広げて打ち合わせをしており、他に客はいない。客引きに成功した形の先ほどの中国娘が、コートを脱いだウエイトレス姿で我々の前に現れた。なかなかの美形だ。

お奨めを聞いたら、あれこれと教えてくれる。先ほど渡されたパンフレットを開き「全部これに載っているね」と言うと、恥ずかしそうに微笑んだ。本来なら細々と前菜を頼むところだが、写真の料理をオーダーした。彼女のお奨めなら量が多くたって構わない。

水煮魚(季節の鮮魚の湖南風ピリ辛仕立て)

中国八大料理の中では四川料理と湖南料理が辛口である。湖南料理は痺れるような辛さの四川料理とは異なり、酸味がある優しい辛さが特徴。水煮魚はこくもあってとても美味しかった。

蒜茸文蛤(蒸しハマグリ)

にんにくと唐辛子がぺペロンチーノを思わせる。ハマグリの下に敷かれた春雨がスープを吸って美味しい。スープも残すにはもったいないので大半を飲んでしまった。

毛家紅焼肉

カラオケルームもあるモダンな店内と壁に貼られた毛沢東の大きな写真がアンバランスで可笑しい。湖南省は広東省の北に位置し、昔は楚があったところ。毛沢東や劉少奇などの大政治家の出身地でもある。その毛沢東が愛した料理が毛家紅焼肉で、皮付きの豚角煮に近い。箸で切れるほど柔らかくコラーゲンタップリの逸品。もっとも中国料理独特の香辛料が日本人には評価を分けさせるかもしれない。

中国娘が心配してくれた通り、3品で腹が膨れてしまった。追加注文をするかどうか迷ったが、答を出すのは難しくなかった。また来ればいい。他にも気になる料理がたくさんある。

一つだけ心配事がある。今度行った時も、あのかわいい中国娘は働いているだろうか。それだけがきがかりで仕方がない。


湖南菜館
東京都新宿区歌舞伎町1-23-13 4F
03-3207-8288

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2009年01月31日

宇都宮餃子館 インター店

ビールと餃子が最高


今年も酒蔵見学ツアーに行く羽目になった。部下が同じマンションの住民と結成したワイン同好会の恒例行事である。新潟、福島を回った昨年同様、貸し切りバスの費用負担を軽減するために誘われた。集合場所は両国に7時45分。

マンションの住民以外の参加者6人が時間前に揃った。バスに乗り込み、ツアーをアレンジしてくれた西彦酒店で一時停車、酒店の家族と差入れの酒を積み込む。いつも笑顔で優しい店主だ。彼のお陰で随分と助かっている。その後マンションの近くで停車、住民が揃うまで後方のサロン席で30分以上待ち、ようやくバスが動き出した。

蓮田サービスエリアでトイレ休憩。店の中をブラブラしていて唐辛子ペーストを見つけた。餃子にピッタリ合うに違いない。バスに戻りサロン席から前方の席に移動した。喫煙者に置き煙草を注意したが、銀髪が居座れば気分が悪かろう。

宇都宮インターを降りてすぐのところにある宇都宮餃子館で昼食。一見したところ小さく見えたが、敷地内に複数の施設があり、総収容人数300名と意外に広い。200人ぐらい入れそうな団体客用食堂の前に餃子を作る機械が展示されていた。

サービスエリアで買った唐辛子が予想以上に辛くてビールが美味い。「生ビールをお代わりする人?」勢いよく手を上げたのは銀髪を含めて2人だけ。サロン席に座った面々は既にかなり出来上がっていた。
宇都宮餃子館では10種類以上の餃子があるはずだが、団体用メニューではビールも2杯が限度。これから酒蔵見学で試飲会もあると思えば、適量かもしれない。飲みすぎるとトイレも心配だ。

酒蔵見学の後、高根沢町の「元気あっぷむら」に行った。温泉に入り、サウナで酒を抜くと頭がボーッとした。バスに乗り込もうとしてオーバーのポケットにカメラがないことに気付いた。鞄の中を探してもない。銀髪の後にロッカーを使用している人を風呂場から呼び出してもらったがない。施設内で立ち寄ったところも隈なく探した。何も出てこなかった。

絶望してバスに戻り、念のため鞄をひっくり返したら底の方に隠れているカメラを見つけた。カメラを高く掲げるとバスの中に歓声と拍手が湧き上がった。穴があったら入りたい。

施設の方々、風呂場からタオルで前を隠しながら来てくれた人、バスで待ってくれていた人たち、皆さんに大変ご迷惑をかけた。この場を借りて、あらためてお詫び申し上げます。一生懸命探してくれたKさん、K君、ありがとうございました。

酒蔵見学の様子は明日アップします。

宇都宮餃子館 インター店
栃木県宇都宮市徳次郎町高谷原21-12
028-666-1317
http://www.gyozakan.jp

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2008年12月04日

[随園別館]②(新宿)

中華料理は大勢がいい


突然別々の所にいる5人が集まって食事をすることになった。店選びを任されたのはいつもの通り銀髪。大通りに面した分かり易い店、手頃な値段、中華料理。条件を満たす店の中から新宿の隋園別館を選んだ。104で電話番号を聞いても分からず、銀髪グルメ紀行で調べて電話予約をした。

茄子、前菜盛合せ、干豆腐、なまこ

最後の一人が来ないので、つまみの類で紹興酒を飲んで待つことにした。まだ早い時間なので1階には我々を含む2組だけ。料理はどんどん出て来る。
客より店員の方が多い店内は中国語が響き渡り、まるで香港にいるようだ。量が多く、大雑把に盛り付けられた皿を見ているとますます異国の感じがする。

我々が来てから30分程で店内はほぼ一杯になった。料理が出て来るのが遅くなる。最後の一人が来る前にメインを頼んでおこうとしたら、仲間の一人が携帯を手にした。「まだか?銀髪がメインを頼もうと言うけれど、お前が来るまで待った方がいいと俺が制しているんだ」といつの間にかいい子になっている。

ピータン豆腐、小龍包、水餃子

全員揃ったところで追加オーダーした。ピータン豆腐は写真を撮る猶予を与えてもらえなかった。中国娘はテーブルに置くなり混ぜ混ぜしてしまった。
随園別館の名物は小龍包と水餃子。安くて量があってお奨めである。誰もが頼むので店側はいつも準備万端。それほど待たずにテーブルに並んだ。

北京ダックセット

北京ダックは丸ごと一匹が6,000円と手頃な値段で、1,000円足すと余った肉で2品作ってくれる。男5人でも食いでがあってお得感がある。結局スープは食べ切れなかった。食べる勢いが急速に落ちるのが中高年グループの哀しいところである。やっぱり中華料理屋は人数が多い方が楽しい。隋園別館は5人でも少ないぐらいだ。

店内は日本語ばかりになった。オーダーを通す言葉以外に中国語は聞こえない。これから忘年会シーズン。2階より上の大きな円卓を予約するのは早い方がいい。


随園別館
東京都新宿区新宿2-7-4
03-3351-3511
http://www.zuienbekkan.co.jp/

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2008年11月28日

過門香 (銀座)

豪華に見えるけどリーズナブルな中華料理店


過門香は東京駅丸の内トラストタワー店に行ったことがある。高級感のある店内ながら、リーズナブルな値段で飲み放題もついて大いに楽しんだ。

今回部下が「美味しいですよ!」とアレンジした店は銀座店だった。銀座と言っても柳がため息つく一丁目は銀座のイメージからちょっと外れる。古い重厚な感じの建物の地下にある割には、モダンで広く明るい店だ。

焼物3種盛合せ、焼餃子、上海小龍包、

海老入り棒春巻き、海老蒸餃子

酢豚、鶏肉の四川辛子炒め、麻婆茄子

揚げパン、デザート

メニューは豊富だ。フカヒレ、鮑、北京ダックなどの高級素材を使った料理もたくさんあるが、総勢10人の宴会でそんなものを頼んだらいくらかかるか分からない。銀髪より部下たちの方が分別があるので、オーダーを任せた方がいい。案の定、馴染みの料理ばかりが並んだ。

食べ慣れないものを頼むと、みんな評価に苦しむ。高級過ぎても猫に小判。餃子や麻婆豆腐なら、経験豊富なのですぐに好き嫌いが言える。誰もが満足したようだ。
中国人の女性店員に料理のアドバイスを求めたのは、単に話がしたかっただけのようだ。追加オーダーの度にちょっとからかって喜んでいる。まあ、これはこれで楽しい食事に一役かったことは間違いない。

店を出る際に「この店はいつできたんですか?」と聞いたら、8年前と言うのでちょっと驚いた。しかも銀座が一号店。老舗の風格すら抱かせる過門香だが、意外と新しい店だ。もっとも、「土風炉」「十割そば 鳥元」などを擁する大レストラングループの系列と聞けばなるほどと頷ける。

変わった料理を食べられなかったのが残念だったが、他の連中はみんな満足したようだ。もちろん銀髪も満足した。支払いが少なくて済んだ事に。

過門香 銀座店
東京都中央区銀座1-10-6銀座ファーストビルB1階
03-3563-7900
http://www.ramla.net

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2008年10月14日

[小はれ日より]④(銀座)

今日は小はれ日よりではなく満天(満点)の星


「上海蟹の紹興酒漬けがちょうど食べ頃になっています」電話の向こうの大川さんの笑顔が見える。グルメ紀行を書くためには好きな店ばかり何度も行くわけにいかないが、小はれ日よりは複数回訪れた数少ない店だ。それでも昨年の5月以来の訪問。変わらぬ歓迎ぶりが嬉しい。

薬膳スープ、上海蟹の紹興酒漬け

お決まりのスープの後に今日のトップスターのお出ましである。他店より多目の紹興酒で約2週間漬けたと言う。卵が濃厚で美味い。もう上海蟹の季節になったかと感慨にふけった後、言葉少なにむさぼり食った。

小はれ日よりにメニューはない。予約のときに予算や好みを伝えておけば、オーナーシェフの高橋さんが腕をふるってくれる。まるで懐石料理のように少量多品目の料理を味わえる。



楽しいのは料理だけではない。高橋さんの絶妙なトークも魅力だ。「あかしやです」と出された皿の上にはさんまが乗っている。ジョークと気がついても、素知らぬ振りして説明させると照れて汗を掻く高橋さん。笑いは最高の調味料でもある。

蒸し上海蟹、フカヒレと牛アキレス腱のスープ

前日に予約を入れていたので銀髪のために特上の配慮があった。食べやすいように上海蟹の身をほぐして殻に詰めておいてくれたのだ。酢としょうがで味付けされてとても美味しい。

上海蟹の配慮に感激していたら、もっと上の料理が出てきた。銀髪のために長時間煮込んで用意したというスープ。鶏がら上湯スープがベースだそうだが、今まで味わったことがないような複雑な味である。長時間煮込んだことにより素材から染み出した味のハーモニーで、特別な味付けはしていないという。スープのとろみは牛のコラーゲンによるもので、片栗粉などは使っていない。何とも不思議で濃厚な味に唸り、黙り込んでしまった。高橋さんのしてやったりの顔が憎い。

ピータン入り麻婆豆腐、デザート

看板料理のいつもの麻婆豆腐が出てきて再び宴は賑やかになってきた。「今度は1週間前には電話くださいよ」と言う。銀髪に何を食べさせるか構想を練る時間を楽しむと言ってくれる。一流の料理人が銀髪の顔を思い浮かべながら料理を用意してくれるなんて、これ以上ない幸せである。

勘定を払い、席を立ち、喜びを噛み締めながら、「今日はまいりました」と言って頭を下げた。あらためて料理人に愛される客でいたいと思った。


美食同源 銀座 「小はれ日より」
東京都中央区銀座1-15-8 銀座耀ビルB1F
03-3538-0554
http://www2.odn.ne.jp/kohare/


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2008年10月13日

[中国茶房8]②(六本木)

サソリや北京ダックだけじゃない!


中国茶房・六本木店に来るのは2回目。恵比寿店も合わせると3回目になる。「恵比寿店」では看板料理の北京ダックの前にサソリを食べた。北京ダックは前回の「六本木店」でも食べた。皮を削ぎとった残りも炒め物とスープにしてくれて3,680円。宴会もいいが、休みの日は家族で行っても喜ばれるだろう。

ジャガイモ千切唐辛子炒め

ビールのつまみに680円のジャガイモ炒めを頼んだ。辛そうだったので思わず選んでしまったが、ビールを飲みながらメニューを吟味してちょっと後悔した。そして、今日のテーマを決めた。

メニューを見ているのは銀髪のみ。サソリでもヘビでも構わず頼む銀髪である。二人の部下は何を食べさせられるか戦々恐々かも知れない。

まだ6時を少し過ぎたところなので、まだガラガラである。それなのに予想に反して料理が揃うまでちょっと時間がかかった。6品を並べて、写真を撮って、さあ、これからお楽しみだ。全部でいくらでしょう。

答えは840円。水餃子が一皿105円。ピーナッツとあわび茸が各210円。ホームページによると餃子は店の点心師の手作りだそうだ。安いので中国からの冷凍品と勘違いしてしまった。餃子は30種類もあるが全部食べても3,150円。これだけでお腹一杯にしたら店の人に睨まれるかもしれない。

最初の水餃子を食べた部下が飛び上がらんばかりに驚き、大袈裟に口をゆがめた。彼が口にしたのは唐辛子の餃子だった。唐辛子、トマト、きゅうり、ニンニクの芽と頼んだものは変り種ばかり。ゲテモノでなくとも驚かせることは出来る。実に愉快である。

210円の料理もたくさんある。酒の品揃えがイマイチだが、中国人経営では仕方がない。まだまだ中国人は酒には無関心のように見える。酒の質は富のバロメーターでもある。

北京ダックもいいが、105円と210円のおつまみでも悪くない。但し、餃子は3個ずつなので、3人もしくは3の倍数で来ることをお奨めする。まるで世界のナベアツだね。


中国茶房8 六本木本店
港区西麻布3-2-13 コートアネックス六本木2F
03-5414-5708

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2008年09月17日

[笑龍](渋谷)

野菜ソムリエと漢方アドバイザーの店


ともかく野菜ソムリエが選んだ野菜を漢方薬局と協力して薬膳料理を出すというのが笑龍のウリらしい。野菜ソムリエ資格がどのぐらいの価値があるか分からない。美容と健康にいいと言われれば、悪いイメージは湧かない。まあ、入ってみよう。

消化促進、老化防止、美肌、免疫力アップ、養血と脳内活性、風邪予防。メニューを見ると、全部食べなければならないような気になる。迷ったらセットメニューだ。「副都心線開通記念セット」が一人前2,800円。これに決定! もともと女性客向けに作ったセットで物足りないかもしれないと言われて、看板料理の世界一長い春巻きを追加した。

野菜ソムリエサラダ、大海老のマヨネーズ

いかにも健康に良さそうなサラダに見える。目で食べるサラダといったところだろうか。

紹興酒テイスティングセット

紹興酒、20年物紹興老酒、甘口の5年物紹興老酒の3種セットで1,000円。漢方の酒を飲もうか悩んだが20年物に負けた。紹興酒は体内では作れない必須アミノ酸を含むので、勝手に漢方酒に分類してあげた。

春巻き、美肌フカヒレの茶碗蒸し

揚げる鍋がないから家庭では食べられない春巻き。結局はさみで切ってくれるのだが、「手で持って食べてください」と言えばもっと面白いだろう。まあ、上品な店では奨められない。

本日の産直野菜一品、フカヒレの薬膳ごはん、身体にやさしいデザート

コラーゲンが人気のフカヒレ料理がコースに2品も入っている。本数が数えられるほどでフカヒレ繊維と言った方がいいが、最近はやりの偽装ではない。2,800円のコースでは上々である。

薬膳料理の店だけに、腹八分目の量が憎い。軽めの味付けなので後で胃がもたれることもない。「副都心線開通記念セット」は10月31日までやっている。女性には喜ばれるだろう。

男性には食後は早く帰って寝ることをお奨めする。飲みなおしに行こうものなら、帰りにラーメンが欲しくなってしょうがない。折角の薬膳料理も効果が消えてしまうだろう。銀髪は我慢できた。薬膳効果は維持できたかもしれないが、我慢は精神的に辛かった。

笑龍
東京都渋谷区宇田川町21-1
03-5728-5515
http://www.urg.co.jp

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2008年08月17日

[鹿港](上町)

人気の肉饅を朝から買えるようになった


皇居のランニングコースの2周目に入ったところで携帯電話が鳴った。長兄がこれから母の所に行くと言う。前日に行ったばかりの銀髪でも、兄が来るとなれば顔を出さないわけにはいかない。予定を切り上げて、約20㎞を戻ることにした。

往路は下りが多くて楽だが、復路はちょっとしんどい。もっとも、新しいロードバイクは赤坂の虎屋の前、渋谷南平台、駒沢などの坂を苦にしなかった。愛い奴である。
三軒茶屋を越えて上町にある肉饅で人気の鹿港を通り過ぎたところでブレーキをかけた。まだ10時なのに店が開いていたような気がした。振り返ってみると確かに開いている。いつものような行列どころか、一人も客がいない。

聞けば開店時間は11時半から9時に早まったとのこと。前に来たときは他の客にあおられる様に買ったが、今日はゆっくり相談することもできた。母の家で蒸しなおすことにして冷めた肉饅と2種類のまんとうを買った。リュックに入れても背中が熱くならなくていい。

母の家に着くと、既に兄がビールを飲んでいた。なんと兄も肉饅を買って来ていた。彼が買ってきたのは自由が丘の五十番。のれんわけか喧嘩別れか知らないが、神楽坂の五十番より美味しいそうだ。チン!では美味しくないので蒸篭で温めて食べ比べをした。

前にも書いたことがあるが、銀髪の思い出の肉饅は福岡の鹿鳴春のもの。鹿港の肉饅は具が縮んで真ん中にコロリと収まっている。鹿鳴春に似ていて嬉しくなる。当然、皮との間に空間が出来る。昔の肉饅はどれもこんなものだったと思うが、最近では五十番のように具が柔らかく、肉汁と油たっぷり、隙間なしのものばかりである。

鹿鳴春も鹿港も、鹿の字がついているのでルーツは同じかもしれない。鹿港の主人は台湾で修行して、本場の味を再現しているという。残念ながら鹿鳴春は潰れてしまったので、銀髪の記憶を確かめることはできないが、母も兄も銀髪の意見に同意してくれた。

鹿港の営業時間が長くなったのは嬉しい報せだ。地方発送もしてくれるようだ。昔ながらの肉饅が食べたいと思う人は是非試して欲しい。

鹿港
東京都世田谷区世田谷3-1-12 1F
03-5799-3031

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2008年08月07日

[夢餃子](宇都宮)

肉屋さんの宇都宮餃子


東京へ帰る新幹線の時刻表を持っていなかったため、とりあえず客先から宇都宮駅に直行した。すぐに乗れそうなら駅弁で、時間があれば駅ビルで昼食をとることにした。切符を買って時計を見ると出発まで30分ある。

駅ビルPASEOにはJR改札のある2階に4軒と1階に2軒の餃子屋が入っている。宇都宮餃子館、みんみん、宇味家などの有名店には駅ビル以外の店に行ったことがある。1階の青源にも行った。今日は初めての夢餃子に入ることにした。

有名店には既に多くの人が居るのに先客は一人のみ。不安感は横に置いて、料理が出て来るのが早そうなのを喜んだ。普通ならビールを飲むところだが自重して650円の夢セットにした。
しかし思ったより時間がかかった。調理場を覗くと料理人が何度も餃子をへらで少し持ち上げ、焼き上がりを見ている。ちょっと心配したが、きれいに焼きあがって来た餃子を見て安心した。

とん汁はあまりいい出来ではない。ごはんもあまり美味しくない。しかし肝心要の餃子は有名店と比較しても悪くなかった。最初に宇都宮餃子を食べたときは、期待が大きかっただけに拍子抜けした。色々食べ歩いて無用の期待を捨ててしまうと今度は美味しく感じられるようになった。まったく面白いものである。
夢餃子は餃子屋さんとしては新興のようだ。もともとは肉屋さんと聞けば餃子も美味しいはずだと納得する。駅ビルに入るのだからそれなりの評価か資力があるに違いない。

食べている間に一組、二組と客が入ってきた。まだ12時前だから、人気がないと思ったのも勘違いかもしれない。「僕、餃子だけでいい!」と自己主張していた隣席の幼児が可愛かった。
勘定を払うとランチ時は50円引きと知って嬉しくなった。やっぱり今度はビールを飲もう。ご飯に餃子では物足りない。

帰って調べたら夢餃子は全国に瞬間冷凍した餃子を卸しているとのこと。「フリージングレイン」という最新技術を使っているらしい。宇都宮駅の店舗で焼き上がるまで時間がかかったのは、冷凍だったからかもしれない。味は悪くなかったので確かに最新技術なのだろう。

昔、小学生の娘と自宅近くの5店の餃子食べ歩きをしたことがある。10年以上経った今でも彼女にとっては夏の日の貴重な思い出のようだ。宇都宮で駅ビルにある餃子屋全店制覇なんてのはどうだろう。安上がりの楽しい思い出になるはずだ。

夢餃子
宇都宮駅ビルPASEO
028-600-3185

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2008年07月18日

[天丹](銀座)

中国二色鍋


普通のスープと辛いスープ、2つに分かれた鍋は東銀座の「台湾海鮮」と日本橋の「天香回味」で食べたことがある。いずれも台湾に本店がある「天香回味鍋城本店」の系列。今回の天丹は四川料理という。勝手に本家争いを煽ることにした。

集まったのは大津の「松喜屋」で知り合った同業5人。「東京に戻ったら食事をしましょう」とどちらからともなく出た言葉を社交辞令にしないのが銀髪の流儀。その場で日を決め、幹事役を買って出た。

豆苗炒め、鶏の唐辛子炒め

40代前半の3人のお腹を見て鍋に決めた。高級店で大食いされたら財布が泣く。ダイエットに効果があるカプサイシンを含む唐辛子をたくさん使った料理を選ぶ気遣いが我ながら憎い。

2色鍋

中国人の店員が2つのスープを椀に混ぜ合わせ、すりおろしたニンニクなどを入れてくれた。これでタレの出来上がり。鍋の薬膳効果などは言ってくれないし、食べ方の説明も詳しく説明してくれることはない。

色気がない我々のテーブルに遠慮や気遣いは無用。きれいに並べられた2種類の肉(黒豚と羊)、練り物、野菜をぶち込む。タレが辛くて肉の味の違いなどまったく分からない。猪肉も追加したところで、白湯スープだけで食べてみた。美味しいスープと初めて知った
つけダレは2種類作った方がいい。

烏骨鶏、ラーメン

面白い具材を追加してみんなの興味を引こうとするが、他の連中は紹興酒ばかり追加するのに熱心だ。次に行く予定の店から何度も電話が入るので、紹興酒の更なる追加を制止した。お開きが近いと知って、喋りと笑い、それに酒のために開けられていた大口に、残りの食べ物が放り込まれていく。いやいや頼もしいばかりだ。

四川省重慶は盆地にあるため夏は火城と呼ばれる。そこで暑気払いのための辛い鍋を火鍋と呼んだそうだ。台湾海鮮はモンゴルが起源という。一方で天丹は四川が本場という。どちらにしても重要な役割をしているのが中が2つに分かれ鍋。銀髪も通信販売で手に入れた。醤油味と味噌味の鍋、寄せ鍋とキムチ鍋、などなど、大活躍している。

みんなゴジラ並みに元気になった。しかし、2軒目で火を吹くが如くはしゃぐ連中には手を焼いた。貸切り状態にしてくれたお店に感謝、感謝だった。


四川火鍋 天丹 銀座本店
東京都中央区銀座7-108 コリドー街2階
03-3569-7033
http://www.ten-tan.com

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2008年06月27日

[太子楼](新宿御苑前)

本格的な杭州料理を食べられるお店


「中国が近い将来日本を抜く」と色々な場面で中国脅威論が語られることが多くなったが、かつては遣隋使、遣唐使を送るなど日本が中国を崇めていた。もちろん文化面でも中国の方が遥かに上だった。食では中国8大料理(山東料理、四川料理、江蘇料理、浙江料理、広東料理、湖南料理、福建料理、安徽料理)を生んだ。

杭州料理は浙江料理に属し、中国を代表する詩人・蘇東坡が作ったとも言われる東坡肉(トンポーロウ=皮付き豚の角煮)が有名である。杭州料理の店があると聞いて行くことにした。新宿御苑から徒歩3分。ホームページを見ると、ちょっと怪しげな日本語が微笑ましく、本場の味が期待できる。

くらげ、海老の龍井炒め

ホームページで「モダンで落ち着いたインテリア」と言うのはご愛嬌ということにしておこう。3桁のお値段の料理が並ぶメニューを見たら豪華な店でないのが有難くなる。
杭州名物の龍井(ロンジン)茶を使った料理はさすがに高いがそれでも1,200円。内陸にあるため川や湖で獲れる素材を使い、淡白な味が特徴だ。

茄子とモンゴウイカのピリ辛炒め、オリジナル醤油焼きそば

新宿の繁華街から離れるだけに、飛び込み客は少ないだろう。客の多くは近隣の常連さんで、我々のようにわざわざ来た人はいないようだ。周りのテーブルには餃子、鳥の唐揚げ、麻婆豆腐などが乗っている。

本場から来たという料理人は忸怩たるものがあるに違いない。銀髪のように杭州料理やオリジナル料理を求める客が増えれば、メニューの構成もかなり違ったものになるはず。好奇心旺盛な若い女性たちに、料理人を喜ばせてもらいたいものだ。

杏仁豆腐

デザートの評価には自信がないけれど、この杏仁豆腐も悪くないと思った。店が賑やかになれば、もっと色々な杭州料理が食べられるようになるはずだ。もっとも街の中華料理屋的なところを愛する常連さんたちにとっては迷惑な話で、そっとしておいて欲しいかもしれない。


太子楼
東京都新宿区新宿1-30-6
03-3358-9885
http://www.taisirou.com

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2008年05月29日

[日本橋焼餃子](日本橋三越前)

三越前に餃子専門店誕生


ランチ時、日本橋三越前の裏通りを歩いていて新しい店を見つけた。入ろうかと一瞬悩んだが、そのままやり過ごした。餃子とご飯では納得できないし、昼間からビールをがぶ飲みするのも気が引ける。あれから1週間、遂に餃子の夕べがやってきた。

いつもの定番は避けて、テーブル席があるという地下に潜ることを決断した。たくさん皿を並べるにはカウンターでは狭すぎる。想像したより地下は広い。点心類は5種類しかないので全部注文した。食べ切れないことはないだろう。出来上がるまで自家製キムチと豆もやしで生ビールを喉にぶち込んだ。ビールが美味い季節到来である。

海老焼餃子、日本橋焼餃子

最初にやってきたのが海老餃子、次が主役の日本橋焼餃子。海老餃子は海老のプリプリ感も、身上である香りも薄い。焼餃子は悪くはないが他店を圧倒する看板料理とは言い難い。

小龍包とスープ入り焼餃子の食べ方が書いてある箸袋を見て気がついた。袋をひっくり返すとYUJINの文字。日本橋高島屋近くの「YUJIN」の系列店だったのだ。「焼餃子はYUJINの方が美味い」と言ったら、「日本橋焼餃子はにんにくを使わないから味が薄く感じるのではないか」とのこと。つけだれで調整して食べた。

水餃子、極丸、海老揚ワンタン

水餃子と極丸は美味い。水餃子も焼いた小龍包の極丸もしっかりした皮の特徴が活きている。皮に具が負けている感のある焼餃子と正反対の評価になった。ワンタンは可もなく不可もない。

海老焼餃子をこき下ろした挙句、女性店員に1個食べさせた。彼女はしっかり自分の意見も加えて調理場に伝えた。嬉しいことに、貴重な意見のお礼と紹興酒をサービスしてくれた。店の評価がグッと上がる。紹興酒の肴にサラダと焼き豚を追加した。

帰り際に箸をプレゼントしてくれた。店でも割り箸は使っていない。環境に優しい店作りも推進しているそうだ。YUJINの箸袋をそのまま使っているのも無駄を省く心掛けの一つなのだろう。

YUJINは有名な中国人の点心師がいると評判になった店だ。テレビでも紹介された。彼は今、日本橋焼餃子店を指揮しているそうだ。本場では水餃子や蒸餃子が主流で、焼餃子は戦後日本で進化を遂げたものである。焼餃子には結構うるさい日本人が満足するものを作れるかどうか。

一流点心師の誇りを賭けた戦いに興味津々である。


日本橋焼餃子
東京都中央区日本橋室町1-11-1
03-3278-0770
http://www.yu-jin.net/gyoza.html

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2008年04月24日

[楼蘭]3(銀座)

高級料理屋なんか怖くない


個室に入ることが多い楼蘭だけど、予約なしに行ったので久し振りに全体が見渡せる席に座った。常連さんと一緒だから料理の選択権はない。お手並み拝見といったところだろうか。

前菜

定番はくらげ、蒸し鶏、ピータンだが、彼は自分が嫌いなピータンを抜いて代わりに焼き豚を入れると言う。ところが料理が出てきてもどれも食べようとしない。自分が食べる気がないのに嫌いなものを外すなんて、いつもながら面白い人だ。自分の嫌いなものは他の人にも奨めないというのも一つの見識かも。

料理の注文をしながら背中が痒いと言うので、店の女性に「孫の手は置いてないの?」と聞いてあげた。首を横に振るので「熊の手は?」と茶化すと、「事前にご予約いただければ用意しましたのに」と澄まして応える。冗談が分かる女性で楽しくなった。

シュウマイ、小龍包、春巻

小龍包を乗せた金属の器が面白い。箸で持ち上げるときに皮を破ってスープがこぼれるのが何とも口惜しいが、これならこぼすことがない。特注品だろうか。

燕の巣のスープ

「銀髪はいらないな」と言うので、燕の巣のスープは銀髪の分がない。福岡のチャイナで食べたばかりなので、羨ましい気持ちはおきなかった。客のものを少しだけ貰って味見した。チャイナの3分の1以下の値段だけど、味は悪くない。

ブロッコリー、ロメインレタス、茄子と挽肉味噌

迂闊なことにロメインレタスの名を知らなかった。シーザーサラダなどによく使われると言われて納得した。炒めても悪くない。茄子は別に頼んだレタス炒飯に乗せて食べた。

燕の巣のスープ以外は街の中華料理屋でも食べられるもので、値段もそれほど高くない。周りの客はクラブの同伴客とおばあちゃんばかり。2人でも極小皿があるので仲良く食べられる。食の細い老人でも食べ尽くすのに苦労しない。土地柄や時代に合わせるのが長く続く店の秘訣なのだろう。

「すいません、熊の手は予約していただいてもお出しできません」先ほどの女性店員が謝りに来た。「料理長が作ったことがないそうで…」
銀髪が本気で予約すると思ったのだろう。もちろん食べる気にはなっていた。但し、別の店でだけれど。


楼蘭
東京都中央区銀座5-8-20 銀座コア10階
03-3575-0787

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2008年04月22日

[チャイナ](福岡)

福岡で最高級食材を使った中華料理を


博多は魚が美味い。生簀のある店がたくさんある。ふぐ、あらなどの高級魚もいいが、さばも新鮮で美味い。もつ鍋、水炊き、ラーメン、他にも名物がたくさんある。それなのに中国料理がいいと部下は言う。魚介類や鍋料理が美味しい冬は去った。地元の人はいつもと違うものを食べたいかもしれない。そんな気持ちが湧き起こり、部下の言に従うことにした。

前菜、北京ダック

ホームページを見て北京ダックを食べることは決めていた。他は部下に任せるべきだったが、地元の新鮮な食材を使った料理でもあればと思いメニューを開いたのが間違いだった。「赤海燕の巣」に目が止まった。仕切り屋の虫が騒いでもう止まらない。

赤い海燕の巣のスープ、フカヒレ(トラザメ)のスープ

燕の唾液に血が混ざったと言われ血燕とも書く。高級な燕の巣の中でも大変希少な極上品。スープに入れる前のものを食べてみたが味は殆どない。上湯スープがとても美味しい。

燕のスープと味比べのため同額程度のフカヒレスープを頼んだ。ところが女性店員・谷さんが別メニューを持って来てトラザメを奨める。値段を見て目を剥いた。一杯(一人前)25,000円もするので一瞥しただけで断った。一度引っ込んだ谷さんがまた戻ってきた。「お客様が頼んだフカヒレと同額でもいいので是非トラザメを味わって欲しい」と料理長が言うらしい。断ることが出来なくなった。
味付けは極太繊維質のフカヒレに負けないように濃厚である。

鮑となまこ、ロブスター

フカヒレに加えて日本産の3大中国料理乾燥食材を揃えることにした。生のなまこを嫌いと言う人も、このなまこは気に入ったようだ。

頼んだ覚えはないが、「生簀に一匹しかいないロブスターを料理長が我々のために特別に作りました」と言われたら断れない。香港出身の料理長は客を料理するのも上手い。

スープ炒飯、焼き菓子

これも好評だった。「わざわざ福岡まで来て中国料理なんて」という気持ちは吹き飛んだ。

昼間の飲茶でも出さない焼き菓子はまたも料理長のサービスと言う。会ってもいない料理長が頑張ってくれたのは伝達役の谷さんの功績だろう。

個室を出て店内を見渡すと、客はまばらだった。料理長が我々のために腕を振るう時間があったのは幸運だった。

料理長と店員に乗せられて予算を大幅にオーバーしてしまったが、招待した皆さんは満足感一杯の様子。思い出に残る晩餐となったようだ。メデタシ、メデタシである。

チャイナ グランド・ハイアット・福岡
福岡県福岡市博多区住吉1-2-82
092-282-1234
http://www.grandhyattfukuoka.com

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2008年03月29日

[雲楼](京橋)

最後まで衰えないのは食欲?


雪園新宿本店の焼きそばは、美味しかったが懐かしの味ではなかった。そうなると京橋店にどうしても行きたくなってしまった。
約15年振りだったので少し迷ったが、大きな時間のロスもなく辿り着いた。入り口にはランチのサンプルが置いてあり、お目当ての焼きそばもちゃんとあった。

3階に通されてちょっと面食らった。記憶がない部屋なので以前来たのは2階だったのだろうと思う。入り口ではよく見なかったが、出てきた1,300円の海鮮焼きそばは小皿、スープ、デザート付のセットになっていた。ちょっと違和感がある。

テーブルに豆板醤が置いていないのも変だ。わざわざ豆板醤を頼んで食べたが、舌は明らかに違うと主張する。店が変わったのか、舌の記憶違いか分からないままに店を出た。

翌日、雪園新宿店の店員が奨めてくれた雲楼に行った。入り口のメニューを見ると左上から焼きそばが数種類並び、他の料理に続く。焼きそばが看板料理なのは間違いない。2階に上がるとデジャブー(既視感)に捉われた。席についてテーブル上の豆板醤の瓶を見て全てを悟った。デジャブーではなかった。昔焼きそばを食べた店は雪園ではなく、雲楼だったのだ。
雪園新宿本店の店員が、雲楼を紹介してくれた理由もよく分かった。焼きそばで有名なのは雪園ではなく雲楼だと言いたかったのだろう。

五目焼きそば

イカ、ホタテなどの魚介類、豚もつなどが入った五目焼きそばに、豆板醤をタップリかけて食べた。食べている途中で、昔よく食べたのは五目ではなく海老入りだったことも思い出してきた。それにしてもこんなに量が多かっただろうか。軽々と食べていた昔が懐かしい。

人間の記憶とは何とあやふやだろう。一番確かなのが味覚だったというのも驚きである。もしかしたら、味覚だけはボケないのかもしれない。欲望の中で最後に残るのが食欲ということを考えれば当然かもしれない。


雲楼
東京都中央区京橋2-7-9
03-3561-6390/0226

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2008年03月28日

[雪園](新宿)

湖南料理の老舗レストラン


湖南料理は中国8大料理の一つだそうだ。湖南料理の他は四川、広東、山東、江蘇、浙江、福建、安徽で、北京料理は山東料理、上海料理は浙江料理に含まれるらしい。

湖南は毛沢東の出身地で、昔の楚があったところと言われると、何となく分かった気分になる。史記、項羽と劉邦、四面楚歌、さらに虞美人が出てくれば親しみさえ湧いてくるから不思議だ。

鶏肉の湖南風辛子ソース、自家製ハムのハチミツ漬け

最初の赤いものを食べて相方が悲鳴を上げた。赤ピーマンと思ってパクリとやってしまったが、幅広の唐辛子だった。山椒を使う四川料理は痺れるような辛さだが、湖南料理は辛くて酸っぱいのが特徴だという。最初から見事に洗礼を受けてしまった。

ゆばのサンドイッチ、柔らかバラ肉と豆腐の黒豆煮込み

配膳室に料理が到着したブザーが聞こえるが、フロアを担当するベテラン中国店員は向こうのテーブルの客と話し込んでいる。耐えかねて「到着しましたよー!」と彼を呼んだ。「何年もフロアを仕切っているから大丈夫。ちゃんと聞こえてますよ」と言うが、冷めた料理は食べたくない。案の定サンドイッチの上のアメは固くなって歯にこびりついた。

京橋の雪園はよくランチで行った。必ず海鮮焼きそばを頼み、豆板醤をタップリ乗せて食べた。懐かしくなって、最後はメニューにはなかったけれど、焼きそばを作ってもらった。

海鮮焼きそば

店員もお腹が空いたのだろう。配膳室からズルズルとソバを食べる音が聞こえてくる。彼の食事が終わったところで、我々の焼きそばが到着したとブザーが知らせてくれた。
豆板醤で食べたかったが、置いていないと断られたので仕方なくマスタードで食べた。

「昔、京橋の雪園で焼きそばをよく食べた」と言うと、店員は「ウンロウには行ったか?」と聞く。「行ったことがない」と応えると、メモ用紙に雲楼と書いて渡してくれた。ライバル店を奨めるとは変な奴だ。

固くなったアメ以外は、どの料理も美味しかった。ベテラン店員はとっても愛想が良くて、話も上手だった。ブザーに機敏に反応してくれていたら文句はない。
そうそう、彼がお腹を空かせていなかったらもっと良かったかもしれない。


雪園 本店
東京都新宿区新宿3-8-9
03-3354-4028

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2008年03月12日

[李揚飯店](札幌)

札幌で坦々麺


札幌に来ると食べたい物がたくさんあって目移りする。蟹、雲丹などの魚介類も豊富だし、ジンギスカン、ラーメンなど手頃に食べられるものも多い。
同行者の好みを聞いたら「じゃがいも、とうもろこし」と言う。寿司屋をすぐに思い浮かべる銀髪だが、なるほどそんなものもあったのかと頷いた。

ネットでじゃがいも専門店を探し出したが、夕食までには時間が早いのでマッサージに行くことにした。ホテルマンに尋ねたら、サッポロファクトリー内の店の割引券をくれた。湯船に浸かりサウナで汗を流す。マッサージの予約時間までセットのおつまみを食べ、ビールを飲んだ。

お腹一杯にしなかったはずなのに、マッサージを終わっても食欲は蘇ってこなかった。わざわざ専門店にじゃがいもを食べに行く意気込みは萎えていた。サッポロファクトリー内のドイツ料理屋にもじゃがいも料理はあるが、言い出しっぺは興味を示さない。向かいにある中華料理屋に入った。

サラダ、春巻き

鍋の前菜として出てきた水菜のサラダと別注の春巻きを食べながら、スープが沸騰するのを待った。店員は春巻きは時間がかかると言ったがすぐにやってきた。他に客は殆どいないので、マニュアル通りの台詞を言っても意味がない。

二色鍋

札幌に来て昆布だしと坦々スープの二色鍋を食べるとは思わなかった。お腹が一杯といいながら、制止を振り切って凍った肉を一度に入れてしまうので、なかなか沸騰しないでイラついた。二つのスープが混ざり合い奇妙な鍋になってしまったが、坦々スープの辛さのお陰で失せていた食欲も蘇った。麺を入れて食べ終わった頃にはそこそこの満足感はあった。

羊肉が入っていたので北海道料理とこじつけて自らを慰めようとしたが、冷凍して風味のなくなった羊肉に二重丸をつけるのは困難だった。

やっぱり寿司屋の方が良かったなー

李揚飯店
札幌市中央区北2条4丁目 サッポロファクトリーレンガ館1F
011-281-1888

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2008年03月02日

[めんめん](宇都宮)

人気の国産餃子・宇都宮餃子


中国製冷凍餃子の農薬参入事件の行方は混沌としている。餃子屋さんにも影響しているのではないかと心配していたら、どうやらいい方向に影響しているらしい。王将も宇都宮餃子も売り上げが伸びたというから面白いものだ。

宇都宮で午後のミーティングを部下がアレンジした。東京で食事をしてから出かけても間に合うが、迷わず宇都宮で餃子を食べることにした。宇都宮駅でタクシーに乗り「正嗣!」と告げると、運転手さんが首を傾げた。「今の時間はやっていないよ!」とつれない。宇都宮餃子三傑(?)のうち宇都宮餃子館、みんみんは行ったが、正嗣は夜しかやってないとのことで、またも行き損なった。仕方なく、運転手さんの推薦の店に連れて行ってもらった。

名前を聞いて想像したとおり麺があるお店で、餃子専門店ではないのでちょっと失望した。12時前なので客はまばらだが、餃子だけを注文する客が多くて少し安心した。

羽根つき餃子

見るからにパリッとしていて期待が持てる。口に含むとジューシーなのに驚いた。挽肉にスープをたっぷりしみこませ、ガラスープの煮こごりを加えているという。薄皮なのにしっかりスープを包み込んでいる。今まで食べた宇都宮餃子の中で一番好きな餃子だった。

回鍋肉、チャーハン

人気ランキングを書いた貼り紙を見て回鍋肉を選んだ。「ラー油をたくさんかけたら美味しいですよ!」と言う店の女性に素直に従った。餃子以外の料理もなかなか美味しい。今度は部下に夕方のアポを取らせよう。仕事帰りにこの店に寄って酒盛りをして帰りたくなった。

店を出て歩いて数分のところにある正嗣に行った。男3人が扉を開けて何やら店のおばさんと交渉していたが、すごすごと引き下がった。やはりランチ時に食べることはできない。
ついでに歩いて数十歩のみんみん本店に行こうとしたら、ここでも失望感を漂わせた男女数人と鉢合わせした。この日(火曜)は休業だったのだ。

めんめんで美味しい餃子を食べた我々は、正嗣でもみんみんでも落胆しなかった。少しだけ優越感を抱いてミーティング場所に向かった。

めんめん
栃木県宇都宮市二荒町5-13
028-638-5298

「宇都宮餃子①」みんみん&宇都宮餃子館 
「宇都宮餃子②」青源みそしる亭&宇味家

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2008年01月27日

[銀座アスター]③(日本橋)

高級店の大衆料理


超とまではいかないが、銀座アスターは高級店の部類に入る老舗料理屋だ。ランチはともかく夜はフカヒレなどの値が張る料理を食べなければならない気分にさせられる。スポンサー側にはかなりのプレッシャーがかかる。

メニューを見て悩んでいるので「餃子とか麻婆豆腐が食べたいですね」と助け舟を出した。大衆中華料理を食べるとの方向性を打ち出してあげたので、オーダーはしやすくなったはずだ。アッと言う間に注文する料理が決定した。

餃子、春巻き

以前ランチ時に必ず食べたのが餃子。スポンサーを気遣ったのは確かだが、銀座アスターの餃子はお気に入りの一つでもある。
春巻きは人数分ずつ頼んで、しかも食べやすいように半分に切ってもらった。安い料理でも手抜きがなく、サービスも変わらないのが嬉しい。

かに玉、麻婆豆腐

山椒が効いた四川風の激辛が主流になりつつあり銀髪も激辛派だが、誰でも食べられるオーソドックスなものも悪くはない。

チャーハン、坦々麺

夜に、銀座アスターで、メインらしいものがない食べ方をする人は滅多にいないだろう。街の中華定食屋でも食べられる料理ばかりだが、質は当然かなり上。料金は高めでも、高級料理を頼んでいないのでスポンサー氏のお財布も安泰だ。

店員も我々を蔑んでいる気配はない。とてもフレンドリーでいい応対である。この日の店内は天候のせいか、空席が目立った。店員の給料分も出ない料理で申し訳なかったが、とても満足した夕餉だった。


銀座アスター 日本橋賓館
東京都中央区日本橋3-7-20 DICビルB1
03-3273-8831
http://www.ginza-aster.co.jp

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2008年01月13日

[獨一処餃子](海老名)

私のお墓の前で酔っ払わないでください


父の墓は海老名にある。父の墓の前で3兄弟が酔っ払えば、父が羨ましくて墓から出てくるかもしれない。大酒呑みだった父は、糖尿病と高血圧にもかかわらず、最後まで抵抗を続けて力尽きた。父が亡くなった年齢に近づいてきた長兄はやっと禁煙コールに白旗を上げた。今のままでは父の年齢までもたないと脅した医師の功績である。
次兄は随分前から飲酒の量を控えているように見える。銀髪も酒量を減らせば、父は妬ましさも心配もなく安らかに眠れるだろう。

海老名に墓参りした後は、以前に比べるとグッとかわいい酒盛りをする。いろんな店に行ったが、最近は「獨一処餃子」に行くことが多い。お子様ランチに喜ぶような子供もいなくなったので、ビールに餃子がベストの選択である。

豚耳、かに玉

餃子が焼けるまでは一番早く出てくる豚耳が一番いい。コリコリの食感とピリ辛がいい。
かに玉は随分にいい加減に作ったように見えるが、フワッとして悪くない。でもやっぱりいい加減に作ったように思える。

青椒肉絲、海老餃子(左端に焼き餃子)

こんな店といっては失礼だが、無理して立派な料理を頼む必要はない。周りの人は定食や麺類を食べている。豚耳以外に面白い食材が見当たらないので、いつもは家で食べられない青椒肉絲を選んだ。ピーマン料理が我が家の食卓に上ることは殆どない。最近の親は子供に優しすぎる。

そしてメインは餃子。餃子とビールの組み合わせに勝るものはない。

最近はターミナル駅周辺はどこに行ってもチェーン店ばかりが目立つ。それでも探せばお気に入りの店が見つかる。多くを望むわけではないので、チェーン店に入るより満足感はある。

たいした店ではないと思っていたが、店主の本業はオペラ歌手で知る人ぞ知る有名店らしいと最近知った。それでも、いつ行っても並ぶことがないのが何より嬉しい店である。


獨一処餃子
神奈川県海老名市中央2-9-55
046-233-4410

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2008年01月10日

[銀座 麒麟](銀座)

忘年会、新年会お奨めの店


昔の友人たちとの宴会は楽しい。しかし、必ず不心得物がいるので幹事役は大変だ。今回も当日のキャンセルが居た。1人は宴会が始まる寸前という非道の輩である。

前菜盛合せ、上海蟹肉とふわふわアキレス腱のスープ

丸テーブル2つに分かれて座ったが、欠席者がいるために片方のテーブルには空席が目立った。大皿をテーブルに置かれたら困るところだったが、各人に取り分けて持ってきてくれるので安心だ。アキレス腱がなかなかいい。

フカヒレと高菜の煮込み、有頭海老の香り醤油添え

メニューのフカヒレにちょっと期待したが、高菜?と予想した方が当たった。逆に有頭海老は思ったより立派なものだった。

こんがり焼き上げた北京ダック、銀ムツと銀杏のピリ辛塩味炒め

昔話に盛り上がり、近況報告は人それぞれ。胸を張る人も居れば、優しく微笑む人が居る。、宴会の掛け持ちで去る人と、遅れてやって来た人がすれ違う。

鹿児島産皮付き豚肉とナマコの醤油煮込み、豆板醤風味のピリ辛雌カブご飯

麒麟の店名からキリンビールの経営と勘違いした人も出たように、食事にはみんな満足したようだ。デザートを食べてお開きになった。ドタキャンの人たちの会費も出席者が分担したために高くなってしまったが、基本料金はフリードリンク付きで1万円。

1階から6階まである結婚式もできる立派なレストランだが、高級中華料理屋とは若干コンセプトが異なるようだ。客層を広げ、リーズナブルに食べられる店ならではの工夫が料理や素材にも見て取れる。
同じ1万円を使うなら、高級中華料理屋ではなく麒麟の方が満足感は高いだろう。
名を取るか、実を取るか、幹事の腕の見せ所である。


チャイナガーデン 銀座 麒麟
東京都中央区銀座6-9-15
03-3572-0039
http://www.ginzatact.co.jp/kirin

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2008年01月07日

[マンダリンオリエンタル東京 センス](日本橋)

アジアを代表する最高級ホテルの中華料理


1月5日(土)日本経済新聞土曜版に高級ホテルのランキングが載っていた。東京ではトップがパークハイアット東京(総合1位)、次(総合5位)の順になっていた。ザガットサーベイではマンダリンオリエンタル東京は日本唯一の6つ星で国内トップに評価されているそうだ。

香港のマンダリンは定宿にしていたが、東京はもちろん泊まる必要はないのでレストランだけしか利用したことがない。37階にはフレンチの「シグネチャー」もあるが、まだ食べたことがないナポレオンフィッシュを求めてセンスに行くことにした。

窓際はカップルが占拠しているが、接待にも問題はない。仄暗い雰囲気のあるフロアではカメラ撮影を咎められるかと思ったが快く承諾してくれた。フロアスタッフの応対も気持ちがいい。メニューを開きお目当てのナポレオンフィッシュを頼もうとしたが、入荷していないとのこと。ショックは隠しようもなかったが、2万円のコースでお手並みを拝見することにした。

スタートの小皿と前菜2種

「仔豚入り香港スタイルバーベキューの盛り合わせ 季節のピクルス添え」「二種類のくらげ入り本日の前菜盛り合わせ」の2種を頼んだ。前菜とメインは選択制のので写真を撮るためにすべて違う料理を選ばせてもらったが、客が食べた仔豚の方が美味しそうに見えた。

北京ダック、フカヒレ姿煮

「SENSE特製北京ダック2種類の食べ方で」「特大フカヒレ姿の金華ハムの香りのとろみスープ」は固定メニューで、コースの中心であり店の自慢の品のようだ。北京ダックとマンゴーを挟んだ品は香港でも特に女性に人気らしいが、銀髪には甘すぎた。
フカヒレは気仙沼産大型のヨシキリザメのヒレとのことで、これは本当に美味かった。

伊勢えび、アワビ

東星ハタとホタテ、フランス産鳩の丸揚げ

メインは一人二品選ぶことが出来るので「殻付き伊勢エビのハーフカット蒸し香港風葱生姜のフィッシュソース」「国産フレッシュアワビの姿煮込み海鮮フカヒレコラーゲンだしのオイスターソース」「東星ハタとフレッシュホタテの照り焼き七種野菜炒め添えMOTソース」「鳩の丸揚げ香港スパイス風味中国野菜添え」を食べた。ナポレオンフィッシュに並ぶマンダリンの名物と言われた東星ハタは、あまりに少量だったので食べた後にその存在に気付いた。

MOTソースとはセンスのオリジナルのXO醤ソースとのこと。MOTって、マンダリン・オリエンタル・東京の略だろうか?質問するのを忘れてしまったが、なかなか美味だった。

黄にらともやしと鶏肉入りスープ香港細麺、お茶うけ

デザート2種

2万円も出せば当たり前なのか、2万円を出せばこれだけのものが食べられるというか、大変満足できる内容だった。雰囲気もよく、スタッフの応対も悪くない。

3時間以上かけて、夜景を見ながらゆっくりと時の流れを楽しむ余裕が必要だ。料理が次々に来ないとすぐに手を上げる人や、同伴前にちょっと腹ごしらえと考えるような輩は遠慮した方がいい。


東京都中央区日本橋室町2-1-1
マンダリン・オリエンタル センス
03-3270-8800

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2007年12月21日

[楼蘭]②(銀座)

画竜点睛を欠く


うちのボスを加えてに大人数で食事をすることになった。両手にも満たない決まった店で決まった食事をする彼との夕食は、グルメ紀行の参考にならず辛いものだ。
しかし、定番の店といっても久し振りだからいいかと気を取り直した。直前になって彼が来ないことになった。だったら、違う店にしたのに…

全員が揃い、席に着いたがメニューをなかなか持ってこない。仕方なく催促したら、料理は既にボスが予約のときに指定したと言われてショックを受けた。

彩虹という12,000円のコース料理は食前酒から始まった。

楼蘭風季節冷菜の盛り合わせ、岩海苔と玉子のふかひれスープ

釜焼き北京ダック、鮑のオイスターソース煮込み

ミネラル野菜炒め、秋鮭の中国風ステーキ 特製ソース

牛ひれ肉のチャーハン、デザート

残念ながらコースよりもボスが構成するメニューの方がずっといい。彼はいつも燕の巣のスープを頼む。あとは麻婆豆腐などありきたりのものばかりだが、少なくとも燕の巣は初めて食べる人にはインパクトがあり、目玉となり得る料理である。コース料理はそれぞれがそこそこの仕上がりで、印象に残る皿がない。

安く腹を満たそうと思うのであればコース料理はバランスがいいが、1万円以上を払うのであれば高価なものを一皿頼んで、他は脇役で固めればいい。前菜・目玉の料理・やきそば・チャーハンで構わない。

宴会は盛り上がった。料理の批評をする人は誰も居ない。料理のすべては店側の意図通り(?)、会話・団欒の脇役に徹した。

楼蘭
東京都中央区銀座5-8-20 ギンザコア10F
03-3575-0787

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2007年12月19日

[青葉](新宿歌舞伎町)

台湾出身者たちも好きなお店


創業から31年、新宿で働く台湾出身者たちの郷愁を慰めて来た店が青葉という。今は韓国料理店が幅を効かし、中国本土出身者が多く働く歌舞伎町界隈だが、チャイナ・クラブのママの多くは台湾出身者。歌舞伎町を切り開いた人たちの面目躍如である。

古ぼけた歌舞伎町ビルの階段を下りると少し緊張する。日本橋・銀座界隈を根城とする人にとっては、古い新宿に足を踏み入れるとドキドキする。不夜城・新宿のイメージが膨れ上がる。店内に入ると新宿を飛び越えて、台湾の古い歓楽街にワープした気分になる。

在日10年以上に違いないが、未だにたどたどしい日本語の中年女性が応対してくれた。台湾料理店に来たら必ず食べるしじみの醤油漬けを頼んだ。

しじみの貝殻は日本の物とは思えない色をしている。生ニンニクが辛い。しじみの身はトロリとしている。台湾本場の味そのままなら、台湾の人が評価するのも分かる。

青菜は店員と散々相談した末に、定番の空芯菜の炒め物に落ち着いた。料理が来てからこれもニンニクをたっぷり使った料理であることに気付いた。先日、にんにくを食べてタクシーに乗り、寝込んでいるうちに窓を開けられて左半身が凍える思いをした。2品も続けてにんにく料理を頼んだことを後悔したが後の祭り。食べ始めると美味くて開き直った。

メインは上海蟹などを奨められたが、メニューを見ているうちに蘇った思い出に賭ける事にした。蒸した魚にネギなどの香味野菜を乗せて、熱いごま油をかける。オーストラリアの中華料理店で食べて気に入り、我が家で客を迎えたときに何度も主役を張った。丸ごとの魚が豪華に見えて、味も文句なしでとても好評だった。しかも料理は簡単ときている。

入り口の水槽で泳いでいた鯛がこの日の蒸し魚。本来使う魚とは違うが、何とか代役の任に堪えていた。台湾では、頭と尾びれはホストのところに行く。台湾出張の際、宴席で主賓の自分に来ないことが不満だったが、ホストが食べる気配がないので分捕ったことが懐かしく思い出された。今日はホストだから、台湾式に銀髪が貪る権利があって満足した。

タクシーに乗るときに、にんにくを食べたことを告白した。「韓国焼肉の店が多い赤坂からしょっちゅう客を乗せますが、冬にお客さん側の窓を開けるなんてとんでもありません」と、今日の運転手さんは銀髪を擁護しただけでなく、運転手仲間を非難してくれた。酒やにんにくの臭いが嫌なら運転手失格だとも。

よしっ! これからも遠慮なくにんにくを食べるぞ! 運転手さん、ごめんね。

台湾料理 青葉
東京都新宿区歌舞伎町1-12-6 歌舞伎町ビルB1
03-3200-5585

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2007年12月09日

[維新號](銀座)

気取らない維新號がいい


維新號は魯迅や蒋介石などの留学生を相手に明治32年に創業したという。銀座本店は昭和23年に開店、まんじゅうが評判になり維新號の看板商品になった。その後、高級な赤坂店や新業態の店を各地に展開している。

日本橋コレドや神戸など複数の店に行ったことがあるが、歴史のある老舗料理屋のわりに中途半端な店という印象が強い。一時期フカヒレの姿煮を売りものにしていたというが、高級店というより中級店並の料理であり、料金である。

ネットサーフィンをしていて偶然に銀座本店のホームページにぶつかった。http://www.ishingo.co.jp/hp2/restorant/ishingo/honten-top.html
ランチメニューのお饅頭セット1,050円に目が止まった。これは行かなければならない。
場所は銀座8丁目で迷うことはない慣れ親しんだ界隈だ。日が暮れてからだけど…

迷わずお饅頭セットを頼んだ。肉まん、あんまん、胡麻まん、からし菜まんの中から肉まんを選ぶ。待っている間にメニューを開く。どこにでもある街の中華料理屋さんだ。

80席の気持ちくすんだ店内も趣があっていい。中央付近の丸卓のおばさんたち、右側でビールを飲んでいるおじさんたち、左向こうには945円のランチ定食を食べている若いサラリーマンたち。みんなリラックスしている。

お饅頭セット

原則として銀座本店だけが店内でお饅頭を食べられるとのこと。麺は日替わりだが、この日の麻婆豆腐を乗せた麺は美味しかった。

肉まん

蒸したての肉まんはさすがに美味い。ビールを頼むべきだった。他の維新號の店ではいつも不思議な違和感が残っていたが、銀座本店でようやく満たされた。これが維新號だ。

高級っぽいお店よりも、少しノスタルジックな佇まいの維新號が好きになった。


維新號 銀座本店
東京都中央区銀座8-7-22 B1
03-3571-6297

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2007年12月02日

[崎陽軒 中華食堂](横浜)

崎陽軒さん、大丈夫!?


崎陽軒は駅やデパートで売るだけと思っている人も多いだろうが、地元横浜には立派なレストランがある。崎陽軒本店には中国料理店だけでなくイタリアンや結婚式場・チャペルもあって驚く。
おば様たちと一緒にランチバイキングの列に加わる勇気がないので、我々はいつも地下の中華食堂に入る。

部下は海老チリが選択できる中華定食を食べた。もちろんシウマイも入っている。

銀髪はスペシャルランチにしてご飯ではなくビールを選んだ。餃子とチャーシューが目立って肝心のシウマイが少ないのが残念だ。各種シウマイ尽くしの方が嬉しいが、そんなランチセットはない。

最近、食品の虚偽表示等が問題になっているが、崎陽軒は大丈夫かな?と冗談交じりに話していた矢先にニュースが飛び込んできた。

社告

銀髪の周りには熱烈なシウマイ弁当ファンがいる。批判よりも食べられなくなる不安の声の方が多かった。幸いなことに今回の原材料不当表示の対象品目にシウマイ弁当は入っていなかった。

「原材料の表示順序が不適当だった」という意味をすぐに理解できた人は少ないのではないだろうか。銀髪は商品の裏面に書いてある「原材料名」を必ず確認して買う。殆どの場合、値段の差は「原材料名」を見れば納得できる。「原材料名」で添加物の有無を確認する人は多いが、順序を気にする人はあまりいない。

例えば蕎麦。安いものは「小麦粉、そば粉、食塩」の順で、蕎麦のはずがうどんに近い。もっと安いものはさらに混ぜ物が多くなり、添加物も加わる。
中華の高級調味料「XO醤」は「干し帆立貝柱、干しえび、…」の順が普通だが、廉価品は干しえびが最初に表示されている。

崎陽軒の不当表示に対して「???」の人には大した問題ではないだろうが、原材料表示を確認して買っていた人にとっては他社の「賞味期限」問題より怒り心頭かもしれない。

ともあれ、崎陽軒は材料をごまかしていたわけではないので事態は深刻化しなくて済んだ。シウマイ弁当ファンも胸をなでおろしただろう。
そんなファンに代わって、言いましょう。

崎陽軒さん! しっかりしろ! 頼んますよ!

崎陽軒 中華食堂
横浜駅東口地下街ポルタ
045-453-1351


追伸
ところで、シウマイ弁当のシウマイが原材料高騰のため一つ減ったと聞いたがホント?

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2007年10月20日

[明華園](人形町)

老舗中華料理店の名物はモツそば


以前人形町近くにオフィスがあった頃にはよく行った店。メニューには高級料理もあるが、いつも街の中華定食屋の感覚で使っていたため料理の印象はほとんど残っていない。

数ヶ月前の夜、お客様に連れられて久々に行った。ご馳走してくれるというので料理の選択は任せたが、記憶の通り特筆すべき料理は何もなかった。結局カメラはしまったままだったが、食べ終わった後でお客様はモツそばが絶品だと言うではないか。それなら頼んでくれれば良かったのにと恨めしかった。いつか行かなければと思いながら、時は過ぎていった。

すっかり忘れてしまった頃、店の前を通ってモツそばのことを思い出した。記憶は脳の中にどのように保存されているのだろうか。まったく不思議だ。

店に入ってメニューを開いたが、探すのが面倒くさい。店のおばさんに「モツが入ったラーメン」と頼んだら「モツそばですね」と言われた。

スープをすすって納得した。実にいい味が出ている。モツと言っても入っているのは鶏レバーのみのようだ。これを見て再び記憶の扉が開かれた。

子供の頃、我が家に衝撃を運んできたのが兄嫁だった。どの家庭も同じだと思うが、我が家でも母が嫌いなものは食卓に上らなかった。代表的なのがセロリ。この臭いには参った。これが1番の衝撃。

兄嫁が作るお雑煮にも驚いた。鳥レバーが入っていたのだ。これが2番の衝撃。食感は我慢できなかったが、汁が美味しいのに感心した。明華園のモツそばを見て30年以上も前の記憶が蘇ったわけだ。

ラーメンは専門店の方が美味いと思いがちだが、和洋中どの料理屋でも基本のスープが命。20代の若者がラーメン屋チャンピオンに輝く世界とは異質のものがあるように思える。

麺や具がなくなった後も汁をたくさん飲んだため、後になって喉が渇いて参った。
ラーメン通の人が何と言うか分からないが、ファンが多いのは事実。ミスマッチのようで意外に美味しいモツそばである。


明華園
東京都中央区日本橋人形町2-2-2
03-3666-4501


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2007年10月18日

[天龍](銀座)

久し振りに食べた名店の餃子


以前勤めていた会社から歩いて5分程だったので昼時によく行った。一生懸命に思い出すのだが、餃子以外の料理を食べた記憶がない。

餃子だけを書くのも申し訳ないので、大勢で行って他の料理も食べることにした。予約を取ろうとしたが、受け付けてくれない。来店客で一杯になるのだから、予約を受けて席を空けておくのは無駄。人気店だけができる強気の商売だ。予約なしでも確実に2階席が確保できる5時半に集合した。いつものように手当たり次第頼む。

まず出てきたのは看板の餃子。約11センチのジャンボ餃子はもちろん一口では食べ切れない。勢いよく噛みつくと、肉汁が飛び出してシャツを汚す危険にさらされる。慎重に噛むと肉汁が溢れ出し、タレが一気に薄まる。
この餃子の評判は良かった。初体験の連中からは感嘆の声が上がった。

レバニラ炒め、蟹玉

エビチリや鮑のオイスターソース炒めなど高級品も頼んだが、奪い合いになることはない。

なまこ

何か変わったものと思って頼んだなまこは、またも銀髪が殆ど食べることになってしまった。オヤジ達は食べ慣れないものを口にしようとはしない。

キムチ炒飯

キムチ炒飯はかなり辛くて、餃子に次いで高評価だった。お母さんが作るようなパラパラになってない不細工な炒飯だが味は良かった。

色々食べてはっきり分かった。この店では餃子が1番で2番以降はない。
和田誠著「お楽しみはこれからだ」に以下のような映画の名台詞が紹介してある。

スナックを経営する女性に客が「ここの自慢料理は何だい」と聞く。彼女は「〇〇よ」と答える。客が「他には?」と聞くと彼女は「それのおかわり」と言う。

天龍で使いたい台詞だ。


天龍
東京都中央区銀座2-6-1
03-3561-3543

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2007年09月19日

[餃子家 文福](銀座)

餃子大好き


先日行った「おでん石」と同じフロアに餃子家文福はある。餃子の文字を見るともう我慢できない。1人でも入ろうと思うのだが、分福は餃子専門店なので創作餃子もたくさんある。1人では色々試すことができないので、部下を連れて行くことにした。

分福は普通の店舗の隣にスタンドバータイプの餃子屋を併設している。店舗が込んでいたらスタンドバーでもいいと思ったが、店はガラガラだった。

砂肝の中国醤油煮

「餃子が焼きあがるまですぐ出てくるものはいかがですか?」と言われて頼んだのが砂肝480円。中華料理屋はお通しがないので2人で480円のお通しと考えれば割安だ。味も悪くない。

餃子は焼き餃子が12種類、水餃子3種類、蒸し餃子3種類、揚げ餃子3種類、スープ餃子4種類、合計25種類ある。これだけの種類を作り置きしておくわけにはいかないので、オーダーを受けてから包むのだろう。皮も手作りとのこと。

素直に「おすすめ」と「スタンダード」を頼んだ。

水餃子タンズー(揚げねぎ風味)

これはなかないける。揚げねぎが香ばしい。水餃子というよりスープ餃子の方に入れた方が良さそうだ。

蒸し餃子 明太子マヨネーズ

多くの人が好きな明太子とマヨネーズの組み合わせで、無難な味。もう少し個性を出した方が面白いと思う。創作餃子は意外性・驚きも重要な要素。

焼餃子

看板のはずの焼餃子スタンダード。「やっぱりスタンダードが最高だね!」と言ってしめたかったが、これ以上の餃子はアチコチで食べられるだろう。

あまりお腹が空いてなかったのでお開きにしたが、スタンダードよりも変わり餃子に挑戦する店だ。みんなでワイワイガヤガヤ批評するのが楽しいだろう。4個入りが基本のようなので2人または4人で行くのが適当。奇数で行くと面倒だ。

スタンダード餃子は誰もが一過言あるので難しい。我が家の連中に食べさせたら「お父さんの皮から餃子が一番美味しい」と言うに決まっている。おだてられてまた作ってしまう馬鹿な親父である。(→「うさちゃん餃子を作ろう」


餃子家 文福
東京都中央区銀座3-1 銀座インズ1-B1
03-3535-0086

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2007年09月14日

[福臨門 銀座店](銀座並木通り)

広東料理の最高峰、福臨門に行った。


香港の福臨門本店には2回行ったことがあるが、東京の店は初めて。「他にも安くて美味しい店がある」と悔し紛れにけなしていたが、実際行くとなると嬉しくなってHPでメニューのチェックをした。ディナーコースは15,750円、21,000円、31,500円、48,000円の4種類。お目当てのフカヒレと干し鮑が含まれるコースは31,500円以上のものだ。アラカルトの料金をチェックして、腹は固まった。

福臨門銀座店のあるビルは、「SHIZUO TOKYO 」「叙々苑・游玄亭並木通り店」など何度も来ているので迷うことはない。個室に案内されてウエイターと相談が始まった。もちろんコースは回避。
前菜はくらげ、炭焼きチャーシュー、蒸し鶏の冷菜を盛り合わせてもらった。ふかひれは1人前19,950円の最高級品を銘々に。干し鮑はこの日出せる1番大きな18頭のもの(3万円超)を3人で分ける。付け合せに干しなまこ(1個630円)を添えてもらうことにした。フカヒレ、鮑、なまこで日本3大干し中華素材が出揃うことになる。

前菜

それぞれが2,100円もするのだが、フカヒレや鮑の値段を見た後は格安に思えてしまう。福臨門の名に負けたわけではないが(もしかしたら負けたかも)どれも美味しい。特にチャーシューは気に入った。

フカヒレ(醤油煮込み)

他の2人には定番の醤油煮込みを食べてもらうことにした。もやしと黄にらを入れて食べる。赤酢は山いちごの酢で、さわやかな酸味だった。
銀髪はシンプルな上湯スープ(ページトップの写真)で食べた。大型のフカヒレだと一目で分かる立派なものだが、安いものでもスープの味は変わらないはず。「福臨門で一番高いフカヒレを食べた!」ということに価値がありそうだ。

干し鮑となまこ

3人で1個の鮑を分けたので1切れ1万円の代物。しばしば食べる機会があるフカヒレに比べるとありがたみはこちらの方が上。確かに美味い貴重なもの。それでも格段に安いなまこが意外な存在感を発揮していて面白かった。

我々が食べたフカヒレと鮑は48,000円のコースに含まれるものより数段階上のもの。HPのメニューにない7万円超の最上級のコースにしか入らない。最上級コースは福臨門銀座並木通り店がオープンしてからまだ2組が食べただけだそうだ。食通の客は我々と同じようにお目当ての料理のみ最高級のものを頼むとのこと。

チャーハン

お目当ての料理は終り、残りは腹を満たすことに徹する。まずはチャーハン。干し鮑の煮汁を使った干しタコと鶏肉の炒飯(2,520円)。これは美味い。干し鮑はスープの味を吸収する代わりに自らの味を煮汁に放出する。その煮汁を吸い取ったご飯がリゾット風に仕上がった。ランチで単品で食べることも出来るので是非試して欲しい。他では味わえない絶品の炒飯だった。


湯麺はさっぱりしていて美味しい。金華ハムが効いている。店の人の推奨どおりの量で充分満足したが、20年もの紹興酒のボトルを半分以上飲んだ銀髪と比べると、他の2人は腹八分目。

店を変え、カラオケを歌い、大いに気勢を上げた後の2人の終着駅は屋台のラーメン屋だったらしい。福臨門の味の記憶が消えてしまうと嘆きながらも、大満足の一夜だったとのこと。めでたしめでたし。

福臨門 銀座店
東京都中央区銀座5-4-6
03-6215-6996
http://www.fooklammoon-grp.com

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2007年09月11日

[麗卿](渋谷)

約30年ぶりの麗卿へ


大学時代、グルメ同好会などと勝手に名乗って食べ歩きをした。貧乏学生なので高いところには行けない。ラーメン屋、定食屋、他所の大学の学食などを食べ歩いてグルメと称していたのだから可愛いものだった。清水の舞台から飛び降りるつもりで行った今は閉店した神保町「バラライカ」のランチに感動し、後日アルバイトで約1ヶ月働いたこともある。

当時から食べ物に対する好奇心は旺盛だった。麗卿では生まれて初めて蛙に挑戦した。我々大学生は多数の腸詰がぶら下がる1階のカウンター席に座った。今回約30年ぶりに行ったが、記憶とまったく違う印象だ。

しじみ

メニューを見たら高いのに驚いた。30年前、蛙だけでなく豚の耳、豚足なども初めて食べたが、安いという記憶しか残っていない。それでも考えた。麗卿がそんなに高級になったはずはない。値段が高いのは量が多いからだ。しじみが出てきて納得した。

前菜3種盛り

イカ、鶏肉、しいたけの三種盛りは2,000円。これも納得の量だ。台湾料理というと小皿料理・屋台のイメージが強いが、台湾に行けば立派な海鮮中華料理屋がたくさんあることが分かる。経済成長を遂げた現代の台湾の金持ちたちは日本の台湾料理屋を見てどう思うだろう。

蛙の唐揚げ

失敗した。相手を驚かそうとしたのだが、衣がしっかり本体をカバーしてしまっている。30年前に食べたのはシンプルな焼きものだった。従って、蛙の姿をしっかり認知できた。しかし、それでは未知のものに臆病な相手は口にしなかったかもしれない。柔らかく揚がった蛙は、とっても良く出来ていた。

センチメンタル・ジャーニーのつもりだったが、結局何一つ記憶が甦ることはなく、初めて入った店のような気分は最後まで消えなかった。店が改装されて変わったのか、自分が変わってしまったのか。はっきりしているのはボケが進行しているということだろう。

麗卿
東京都渋谷区道玄坂2-25-18
03-3461-4220

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2007年08月26日

[夜来香](名古屋)

みんなが大好きな餃子


「最後の晩餐は絶対ビールに餃子ですね」と言ったら、お客さんが「名古屋で一番美味い店に行こう」ということになった。最後の晩餐でなくとも美味い餃子ならいつでも歓迎だ。

夜来香の店名を見て随分歴史のある店かと思ったが、案の定創業50年を超えるという。夜来香と聞いて李香蘭(山口淑子)を思い浮かべる人はかなり年配の人だ。中年族はテレサ・テン、若い人は劇団四季のミュージカルを思い出すに違いない。もっとも、結局はどれも李香蘭に繋がる。花の名前に結びつける人はいくらもいないだろう。

名古屋栄の夜来香は、お客さんが言うとおりマスコミなどでも紹介される餃子が評判の店だ。小振りな一口餃子なので、ビールのつまみにはうってつけだ。

写真の餃子は4人前。餃子とビールのセットで680円という格安価格も人気の理由だ。メニューを見るとラーメンは殆どが500円台。その他のメニューも600円~800円だ。

後から入って来て右斜めに座った女性二人。品のいいお母さんと、30歳前後の美女。お母さんは我々に背を向けて、美女がこちら向きと理想的な位置取り。2人が頼んだのが夜来香定食と餃子定食で各850円。量が多く、遠目に見てもお得なセットであることが分かる。残すのではないかと思ったが、見事に完食した。

餃子を裏返して盛り付けるのは、焦げ目の鮮やかさを引き立たせるためだと思っていたが、大量に盛られた餃子を見て今更ながら気付いたことが一つ。焦げ目のパリパリ感を保つための工夫に違いない。焦げ目を下にしたら時間が経つとグチャッとなる。

いつも見ている当たり前の光景でも、一瞬に閃くことがある。すぐに食べきる量だったら気付かなかったが、大皿一杯の餃子を見て閃いた。酒をだらだら飲む我々の前で、夜来香の餃子は最後までパリパリに頑張っていた。


夜来香
愛知県名古屋市中区栄3-2-112
052-241-4050
http://www.eiraishan.com

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2007年08月17日

[MR K’s](ニューヨーク)

アメリカの中華料理屋はアメリカ人好み?

再びニューヨーク紀行に戻ります。

日本で食べる外国料理は日本人向けに味付けされているので本場の味と違う、とよく言われる。アメリカでも日本と同じことが言えるようだ。アメリカで中華料理でもないだろうと思わないでもなかったが、いい経験をさせてもらうことになる。

MR K’sはニューヨークの中心街にある立派な中華料理屋である。座るなり店員はメニューを銀髪に渡し、料理の説明を始めた。しきりにコース料理を奨めるのだが、量が多そうなので渋っているとTAさんが割って入る。店員を待たせて今宵の勘定を誰が持つかTAさん、TOさん、銀髪でしばしもめたが、結局この店を紹介したTAさんに落ち着いた。そこで料理を選ぶ決定権はTAさんに移り、店員推奨の一番高い1人前100ドルのコース料理を頼むことになった。

前菜盛り合わせ

くらげ、椎茸の湯葉巻き、蒸し鶏はともかく海老の天ぷらは中華では異色だ。2人で分け合っても多そうな量の前菜を見て、不安がよぎった。

フカヒレスープ

美しい器に入ったスープは少し濃厚な味付けに感じるが、なかなかの本格派。下からの炎のお陰でいつまでも熱く食べることが出来る。内装だけでなく、器や演出も豪華だ。

北京ダック

華麗に丸焼きダックを見せてくれると思ったら、大根で作ったアヒルの人形が出てきて笑えた。何度も使い回しするのだろう。見せただけでさっさとさげられた。タップリ身が付いた鴨の皮をたくさん包んでくれて、食べ応えがあるアメリカらしい北京ダックだった。

メインその1

中華でステーキ?と思ったが、日本では薄切り肉で出てくるオイスターソース炒めのようだ。ロブスターと共に出された皿は迫力満点で、若いTOさんのみが食べ切った。

メインその2

もう終りと思ったら、もう一品出てきて驚いた。前の皿で無理をしたTOさんはさすがにショックを受けている。とっても美味しいすずきの照り焼きだったが、もちろん味見しただけ。腹が弾けそうだ。

最初に懸念したとおり、量が多くて困った。これだけの量で100ドルとは格安に思えるアメリカン中華だった。

昔はたくさん食べてはジムに通って体重を減らそうとするアメリカ人を笑っていたが、今では日本でも良く見られる光景になった。悪いところは真似しなくてもいいのに、人種にかかわらず誘惑には逆らえない。

MR K’s
570 LexingTOn Avenue, New York, N.Y 10022
212-583-1668

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2007年08月15日

[文琳](渋谷)

渋谷で有名な中華料理屋


アメリカ旅行の記事はちょっとお休みして、日本のお店です。

最寄は井の頭線の神泉駅だが渋谷からでもそれほど遠くない。地図を片手に歩いたら迷うことなく到着した。地下への階段を下りて店に入ると、シャンパン、紹興酒の甕などが目に入り何料理屋さんなのか戸惑う。左のテーブル席には5~6人のグループが、右のカウンターには女性2人と中年カップル。まだ食事はスタートしていないようだ。

調理場に近いカウンターに座りたかったが、案内されたのは入り口に一番近い席。若い女性店員がにこやかに応対してくれるのでよしとした。基本的にはお任せ料理とのことなので、承諾した。但し、次の予定があったので終了時間を指定したら、快く了承してくれた。

付け出し、ピータン豆腐

遠くの調理場を見ると、まるで我々の到着が合図となったかのように動きが忙しくなった。スタートとなった複数の小鉢は少人数でも楽しめるように工夫したある。

揚げ物、あいなめのカルパッチョ

フリッター風の揚げ物は衣を脱がせて食べた。衣の中の海老、付け合せの野菜は美味しかったが、女性店員には衣を脱ぎ散らかしことを謝った。

ワンタンスープ、ステーキ

海老ワンタンも美味しかったが、スープに浮いた焦がした葱が香ばしい。ステーキにかかったXO醤ソースは乾燥ホタテがタップリ入って自家製ならではの贅沢さだ。

それにしても調理場は静かだ。トップと思われる料理人が見つめる中、若い料理人たちが黙々と料理をお皿に盛っている。まるでホテルの宴会のように、全ての客に同時に料理が運ばれていく。彼らの前の客も料理人に話しかける気はないらしい。我々は幸運だった。こちらの問いかけににこやかに応じてくれる美女がいる。

酢豚、そば

トマトを豚肉で包んで揚げたプチ酢豚のあと、中華そばで料理は最後になった。料理が出てきたタイミングは他の客と同じで、指定した時間より20分以上遅れて店を出ることになった。
中国家庭料理の本を多数出している、有名なオーナーシェフは病気療養中とのことで、この日は店に居なかった。

料理の水準はオーナーが居なくても維持できているに違いない。その他の部分はオーナー復帰後にもう一度見てみたいものだ。


文琳
東京都渋谷区神泉町13-13  ヒルズ渋谷B1 
03-3780-6268
http://www.bunlin.co.jp/

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2007年07月31日

[銀座アスター 日本橋濱館](日本橋) 

女性たちとランチ


出産が間近に迫ってスタッフが退社することになったので送別会を開いた。身重なので夜に酒を飲んでドンちゃん騒ぎをするわけにはいかない。お腹の子の数倍の体重を得て、食事の量を自重する必要もあるようだ。そんなわけで、軽めのランチでお茶を濁すことになった。

銀座アスターは各人に取り分けてくれるので、女性たちも遠慮なく食べられていい。

前菜、スープ

大好物の干し豆腐があったので大満足。ついついビールを頼んでしまった。一杯だけなら午後の仕事に影響することはないだろう。
冬瓜は不思議なことに夏が旬の野菜。

鱧、鶏肉

このコースを選んだ最大の理由は鱧。京料理の夏の代表的な素材だが、中華でどう料理するか興味があった。梅肉で食べる鱧の落としとは明らかに違い、鱧と言われなければ関心を持つこともなさそうだ。
みんなが驚きの声を上げたのはむしろ鶏肉の皿。人参と思った赤い素材はスイカだった。酢豚のパイナップル論争ではないが、スイカも賛否が分かれた。

ひすい色の冷麺

最後の冷麺は見た目より量があって、しっかり満腹になった。午後の約束の時間が迫ってきたので、デザートの前に退席した。もともとデザートは食べないので、女性たちが分け合って食べてくれればいい。

それにしても昼の会食は欲求不満が残る。美味い食事には美味い酒が必須だが、ビールをコップ一杯ではやるせない。昼は酒を飲まなくても済む定食か麺類がちょうどいい。


銀座アスター 日本橋濱館
東京都中央区日本橋3-7-20 DICビルB1
03-3273-8831

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2007年07月20日

[神楽坂飯店](神楽坂)

神に導かれるままに


以前、「姿」に行った帰りに、Yさんに神楽坂を案内してもらった。最後に導かれた店が神楽坂飯店だった。外から写真を撮って、近いうちに来ようと思ったまま時が過ぎていった。

金曜日の夕方、予約もしないで神楽坂に行った。毘沙門天前で車を降りて左の小路を下っていった。雰囲気のある割烹、気楽な感じの居酒屋、流行りのイタリアンなどを品定めして毘沙門天に戻り、今度は反対の小路を歩いた。お腹が空いてきたので、良さそうな店に入った。案の定断られてしまったが、これは予想通り。次に入ったらまた断られた。

外から覗いてイタリアンに空席を見つけたが、和食にこだわった。これまでより少し落ちると思いながら和食の店に入ったらまた断られた。少し焦る。数店、同じことを繰り返し、洋食でもいいやと入ったがこれも断られた。選り好みをしている間にどこも空席が消えていった。暑さと疲れでどうでもよくなって、ガラガラの蕎麦屋に入ったら、まだ8時前なのにもうすぐ閉店だからと断られた。

ウェンディーズに入ろうかと笑う連れを制して、最後の望みにすがった。神楽坂飯店である。店のディスプレイにデンと座るチャレンジメニューの餃子を見ながらドアを開けた。

30分以上も歩かされたにもかかわらず、いつも冷静を装う銀髪が汗だくになるのを同行したKは楽しんでいた。壁に貼られたたくさんの色紙に目を向けさせて、しきりに有名店であることを強調する。「チャレンジで有名な店だけど、味も悪くないよ」とのYさんの言葉を引用して、言い訳に終始する銀髪だった。

シュウマイ、餃子

Yさんの言ったとおり、悪くない。Kも美味しいと言ってくれる。「お腹が空いたので何でも美味しい」と皮肉交じりであるが、気に入っているようだ。ようやくクーラーで一方の汗は消え、Kの笑顔で冷や汗もなくなった。

レバーの唐揚げ、チャーハン

嫌がるかと思ったレバーだったが、臭みもなく好評だった。辛い味噌だれがいいようだ。チャレンジメニューは一升チャーハンだが、これはもちろん普通のもの。刻んだ焼き豚が香ばしい。

結局、神に導かれるように神楽坂飯店に行くことになった。訳の分からない店に入れてもらえるよりよっぽど良かった。それにしてもどの店も若い女性で溢れている。中年夫婦もいる。親父たちはひっそりと行きつけの店で飲んだくれている。

銀髪もガイドブック片手の人たちと五十歩百歩だから言う資格がないのは分かっているが、それにしても今の神楽坂は異常だ。


神楽坂飯店
東京都新宿区神楽坂1-14
03-3260-1402

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2007年07月14日

[宝雲亭](中洲)

博多ひとくち餃子発祥の店


博多に出張すると、飲んだ後すぐにホテルに帰る気がしないから困ったものだ。ラーメンにするか餃子にするか部下に聞くと餃子がいいという。本家奉天に行こうかと思ったが思い止まった。いつも同じ店では芸がない。

目と鼻の先の宝雲亭に入った。下調べもなく入ったけれど、入り口左の調理場を見て安心した。本家奉天と同様に小麦粉を練って棒状にしたものがオーダーを待っている。本家奉天と比べると小麦粉の棒は細い。

お通し

湯がいた鳥皮の酢の物でビールを飲む。一人前10個は多いかと思ったが、仕方なく2人前を頼んで餃子が来るのを待った。

餃子

普通は焦げ目のついた方が上になるが、この店は違っている。部下が写真を撮るためにひっくり返しましょうかと提案するが、それを制した。ありのままが一番いい。
皮は非常に薄い。本家奉天より小麦粉の棒が細い理由が分かった。玉ねぎとにらを使い、にんにくを入れないというので、結構軽い。一人前が10個というのも頷ける。

東京に戻って調べてみると、宝雲亭が博多ひとくち餃子発祥の店とある。創業は昭和24年というから50年以上の歴史を有する老舗ということになる。

目と鼻の先にある2店は、共にオーダーを受けてから皮を麺棒で伸ばし、具を包んで焼く。しかし、皮の厚さ、具の内容などはまったく別物だ。好みは分かれるかもしれないが、腹具合や翌日の予定に合わせて選ぶのもいい。

東京でも玉川高島屋などで買えるようだが、中洲で作りたてを食べた方が美味いに決まっている。


宝雲亭
福岡県福岡市博多区中洲2-4-20
092-281-7452
http://www.houuntei.co.jp/

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2007年06月25日

[九龍餃子房](新宿)

安くて美味しい店と教えられて行った


友人から是非行くように言われた。「美味しい」よりも「安い」に惹かれたので、味には期待しないように何度も肝に命じた。期待はずれだったときに友人を恨まなくて済むように。

教えられた電話番号にかけて店の場所を聞いたら、「世界の山ちゃん」と同じビルだと分かった。先日山ちゃんが一杯で入れなかったときに、一度は入ろうとして思い止まった店だ。今度は迷わず入ったが、先客は一組しか居なかった。

可愛い店員の劉さんにお奨めを尋ねたが、結局はメニューの推奨マークに従った。

鉄鍋餃子、海老シュウマイ

鉄鍋餃子の形状を見て危険を感じ取った。少しだけ噛んで蓮華にスープを移して熱さを試す。危ないところで口の中を火傷するところだった。経験がものをいった。ちょっと待って丸ごと口に放り込んだ。餃子というより小龍包並みのスープの量で、なかなか美味しい。
海老シュウマイも悪くない。友人に曖昧な感想でお茶を濁す必要がなくなったのが嬉しかった。

蟹味噌小龍包、一口餃子

もう少し蟹の風味が欲しいところだが、上手にまとめてある。香港屋台だから、濃厚な上海蟹を使った上海風蟹味噌小龍包と比べてはいけないかもしれない。
一口餃子は酒の肴にうってつけのサイズだ。鉄鍋餃子のような火傷のリスクはない。

五目野菜炒めポーピン包み

店のオリジナル料理は五目野菜炒めを小麦粉の皮で包んで食べる。子供が喜びそうな趣向だが、大人だって楽しめた。

鉄鍋餃子578円、海老シュウマイ662円、蟹味噌小龍包819円、一口餃子515円、五目野菜クレープ819円。点心類に限らず、メニューは豊富である。デパートのショッピング帰りに家族連れで行ってもよさそうな店だ。

もちろん恋人同士でも問題はない。実際、店を出るときには8割方席は埋まり、その半数はカップルだった。この値段の料理に満足してくれる彼女を持つ男たちは幸せだ。

食事は値段ではない。誰と食べるかがもっとも重要なのは言うまでもない。「美味しい店に連れてって」と言われるより、「貴方と一緒ならどこでもいいわ」と言われる方が、世の男たちは嬉しいに違いない。そうすると、いい店を探してしまうんだな。男は馬鹿だね。

香港屋台 九龍餃子房
東京都新宿区新宿5-17-11 白鳳ビルB1
03-3200-3126

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2007年06月18日

[551蓬莱](大阪)

豚まんで有名な蓬莱に行った。


てっきりお土産物屋で肉まんだけ売っている会社と思っていたが、レストランがあるとは知らなかった。1階がテイクアウト売店で、2、3階がレストランになっている。右隣を見ると蓬莱がもう一店あって戸惑ってしまった。アレッ?どちらが有名、美味しいの?

数字(551?)が頭に残っていたので、こちらが有名な店と信じて店の2階に上がった。点心だけかと思っていたが、普通の中華料理屋さんだ。女性店員を呼び、何を食べるか相談した。「大阪名物」と赤い目印がある中から焼き餃子(8個280円)、焼売(4個310円)、豚まん(2個330円)を頼んだ。緑の印がついたチャーシューまんも奨められたが、下で買ってお土産にすることにした。

餃子、焼売

メニューの売り文句、「外はカリッと、中はジューシー」の餃子と「こちらも人気の一品!ボリューム満点!」の焼売は納得できるものだった。立派な造りの店だがお値段は良心的。さすが大阪だ。

豚まん

看板の豚まん。蒸したてが不味かろうはずがない。銀髪の好みとちょっと違うが文句はない。さすが人気の豚まんだ。

551蓬莱を出て、隣の蓬莱本館の豚まんを買った。「温かいのにしますか?冷蔵ものにしますか?」と聞かれた。生がないのが不思議だったが、お土産にするので冷蔵物を買った。後で調べると、元祖の蓬莱は昭和20年に創業し、創業仲間の3人が後に独立して蓬莱本館、蓬莱別館、そして551蓬莱の株式会社蓬莱に分かれた。蓬莱本館は冷凍食品などの販売が主力のようだ。、謎は解けた。

チャーシューまん

お土産に買った551蓬莱のチャーシューまんは評判が良かった。豚まんに比べてオリジナリティが高く、しっかりと味がついていた。
551の豚まんの底には定番の紙ではなく、経木(木を薄く削ったもの)が敷かれている。紙のものしか食べたことがない子供にとっては、物珍しく思えるに違いない。

551蓬莱も蓬莱本館もからしがついてきた。ちょっと不思議な気がしたが、これが普通の食べ方だったかな?

蓬莱 戎橋本店
大阪府大阪市中央区難波3-6-3
06-6641-0551

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2007年06月03日

[萬里](野毛)

日本で最初に餃子を売り出した店?


駅を挟んで西と東、或いは北と南。駅を出ると別世界が現れることは、地方都市で何度も経験した。閑散としていた方が再開発で活気を呈し、昔ながらの街が時代に取り残された印象を受ける。

桜木町には何度も行ったが、いつも降りるのはみなとみらいの方ばかり。反対側に降りる機会はなかったし、行こうと思ったことすらなかった。グルメ紀行を書いてなければ一生訪れることはなかったかもしれない。

客先を出る時間がちょうど昼時になる。みなとみらいのホテルやオフィスビルにあるレストランは東京のそれとイメージが重なるので食指が動かない。ネットで探したら日本で最初に餃子を売り出した店という「萬里」を見つけた。萬里の住所は野毛。東京に住む者にとっては上野毛は知っていても、野毛は初めて聞いた地名だ。

餃子

元祖を名乗る大阪・珉珉の創業は昭和28年、萬里は昭和24年創業というから珉珉より早い。しかし全国展開した珉珉に比べると萬里は近くにある萬里放題亭と2店のみ。勢いの違いは味の違いと影響しているのかもしれない。もっとも、珉珉も萬里も銀髪にとっては特に美味しいという訳でもない。懐かしさを求める人にはかけがえのないものだろうが…

萬里に入って店内を見回すと、客層はネクタイ族は稀。近所のおばさんたちもちょっと食事に来たという感じで和んでいる。みなとみらい地区とは時間の流れ方がまったく違うようだ。ボリュームがあって、リーズナブル、料理の種類も豊富なので、夜は居酒屋感覚の客で盛り上がるだろう。

萬里に限らず野毛の街は、夜になると違った顔を見せるに違いない。ソープランドやキャバレー「ロンドン」もある。もちろん居酒屋もたくさんある。

食通は洋食屋がお目当てで野毛に来る。外国人が多く住んだ港町横浜らしく、洋食屋の名店があるそうだ。野毛の夜は、馴染みの客の案内で歩きたいものだ。いつまでも変わらない街、それはそれで存在感はあるのかもしれない。

萬里
神奈川県横浜市中区野毛町2-71
045-231-8011

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2007年05月20日

豊橋四川飯店(豊橋)

陳建民の流れをくむ料理長が腕をふるう中華料理店。


豊橋で一番の中華料理店はここだろうということで予約を取った。5時半と早めのスタートだったが手前の狭い部屋に既に先客がいた。誰も居ない奥の広めの部屋に通されるかと思ったが、先客と一緒の狭い部屋に6人用テーブルがセットしてあるのが見えた。

不満気なパートナーをなだめて席についた。コース料理にしようかと一度は考えたが、ラーメンが食べたい、辛いのがいい、逆に辛いのは駄目だ、などなどみんな注文がうるさい。それぞれの好みを洩れなく採用して分け合うことにした。

くらげ、海老マヨネーズ、ホイコーロー

先客3人組にはウエイターが小皿に取り分けて出しているが、こちらの6人にはやってくれない。彼らは多分コース料理を食べているのだろう。仕方なくメンバーの1人が6等分しようとするが見ていられない。銀髪が最後まで給仕役をすることになった。

おこげのあんかけ、海老チリ、五目ラーメン

湯気も立ち昇らず、パチパチと弾ける音もしないおこげのあんかけは寂しいものがある。「ラーメンも順番を考えないでいいよ」と言ったので、途中に出てきた。それにしてもフカヒレまで順番を考えないで最後に出てくるとは思わなかった。パートナーが苛立って催促してようやく口にすることができた。

フカヒレスープ、鶏とカシューナッツ炒め、ピリ辛チャーハン

フカヒレスープに赤酢を求めたらウエイターがキョトンとしている。上役が出てきて置いてないと言われた。四川料理では使わないのかもしれない。鶏のカシューナッツ炒めとピリ辛チャーハンを追加注文した。

チャーハンは辛さに気合が入っていて良かった。大満足の銀髪だが他の人の助けは僅かで、オーダーした責任を取らされて満腹になった。口の中は火事になっている。

最後に杏仁豆腐を食べてお開きに。サービスには不満が残ったが料理の味はまずまずだった。他の連中はバーミヤンや餃子の王将と比べて絶賛していたが、料理長は喜ばないだろう。

クレジットカードを手にしたパートナーが勘定書を一瞥すると、クレジットカードを引っ込めてお札を2枚出した。それでも小3枚+コインのお釣りがあった。支払った後で再びバーミヤンと比較して喜んでいる。あれこれぶつぶつ言っていたのが嘘のようだった。


豊橋四川飯店
愛知県豊橋市駅前大通2-48 豊橋グランドホテル8F
0532-55-6221

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2007年05月14日

[富麗華](麻布)

コース料理を食べるだけじゃ能がない

銀座

中国飯店系列では新橋の「潮夢来」にはよく行くが、最高峰である富麗華に来るのは久しぶりだ。本来は上海料理の店なので上海蟹を食べに何度か来たが、シーズンが終わると足が遠のく。上海料理の店であるが北京ダックも名物なので、客の要求には合致する。

前菜盛り合わせ

メインが決まっているので前菜は多品種少量の盛り合わせがいい。くらげは歯ごたえがあり、チャーシューは品がいい。豚は揚げているのだろうか、皮がパリパリしている。流石に名店の誉れ高いだけあって外れはない。

北京ダック

一匹丸ごと使ってもらうことにした。10本が取れる。以前書いた「中国茶房8」では北京ダックが格安で食べられる。皮を取った後も炒め物やスープにしてくれるが、富麗華では皮だけしか出してくれない。中国茶房8の方が遥かにお得感がある。美しく焼かれた鴨を客に見せるプレゼンテーションも一緒だ。
中国茶房8に肩入れしたいが、焼きあがった鴨を見せられたとき、立ち上る香りはまったく違った。残念ながら食べる前から勝負の行く方は明らかだと悟った。

銀髪は2本だけ食べて、客が8本を次から次に口に突っ込む様を感心して見ていた。

北京ダックは店によって特徴がある。中国茶房8は皮だけでなく身もつけて厚めに削ぐ。好きなものを自分で巻いて食べるのも楽しい。神戸「第一楼」はダックをくるむ春餅が秀逸だった。

鮑と黄にら炒め、豆苗と筍炒め

お腹を満たすために頼んだ二品も悪くなかった。味付けは上海風にこだわって作ってもらった。料理は味付けが薄いので広東料理が好きな人には物足りないかもしれない。
飽きが来ないようにXO醤を頼んだらタップリ持ってきてくれた。もちろん自家製である。市販の物より辛さが控えめなので、これだけを肴に紹興酒を口に運んだ。

最後にXO醤がたくさん入った海鮮チャーハンを食べて、銀髪はデザートをスキップした。帰る頃には満席で、最初はうるさく感じた琴の音も控えめに聞こえる。

有名店の推奨コースを食べるのもいいが、有名店を自分なりに料理するのも楽しいものだ。


富麗華
東京都港区東麻布3-7-5
03-5561-7788
http://www.chuugokuhanten.com/storefureika

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2007年05月07日

[小はれ日より]③

食だけでなく会話も楽しむ

しかめっ面して味の評価をするだけでは楽しくも何ともない。料理人との会話を含めて大笑いしながらの食事はたとえようもない至福のひと時だ。

小はれ日よりはメニューがない創作料理の店だが、美味しいものを食べたければ料理人に考える余裕を与えることも必要だ。数日前に予約の電話を入れて、好みを伝えておけば後は行ってのお楽しみ。今回は客の好みに合わせて「野菜を多く使った料理を」とだけリクエストした。

きんぴらごぼう、野菜の湯葉巻き・卵焼き

ごぼうは皮を剥かずに一度揚げて味付けしている。無用に皮を剥かない店主の方針は共感するものがある。湯葉に巻かれた軽く茹でただけの水菜の味が客を堪能させてその心を捉えた。

にこごりとさざえ、あじの山椒焼き

にこごりは鶏のモミジを長時間茹でて、さらに蒸してスープを取る。混ぜ物を入れずとも冷めれば自然と固まる。定番料理ではあるが、この店の人気料理の一つである。

イベリコ豚のサラダ、海老団子

イベリコ豚を差し置いて黄色い金針菜が注目を集める。初めてこの店に訪れたときに知った鉄分を多く含む野菜だ。
海老団子は豆腐を混ぜ合わせているため、フンワリとした感触だ。醤油、砂糖、酢で味付けられた薬味のわさびが面白い味を出している。

素材や料理方法を教わるのは銀髪のいつもの食事風景だ。加えて、今日は金髪に染めた店主の容貌をけなすなど言いたい放題、すかさず店主の応酬を受けたりと、笑い笑い大いに笑ったのがいつもと違う楽しさだ。

炒め物二品

タコと紅花の入った炒め物は笑いの渦に霞んだ感じだったが、もう一品は中国産の香り高い唐辛子のおかげで、再び我々の関心を料理に引き戻した。唐辛子の使い方が上手いのがこの店の特徴である。

麻婆豆腐

ピータンを入れた店主オリジナル麻婆豆腐はピータンが甘味とコクを増したものだ。銀髪は気に入ったが、麻婆豆腐とはまったく別の料理と思った方がいい。これまでの料理と異なり麻婆豆腐は誰もが一過言を持つ定番の中華料理だけに、好みが分かれるかもしれない。店主独自に命名して世に知らしめて欲しい逸品だ。

デザート

ごま団子は揚げないでそのまま出てきた。すり潰した胡麻がきな粉の味に感じる不思議。美味しかったのは分かるが、お代わりをする客の健啖ぶりには驚いた。

今日は5,800円のコースだが、予算や腹具合に応じて作ってくれる。こんなに笑って食事をしていいのだろうかと思うほどに楽しい店である。予約の際にしっかり好みを言って出かければ失望することはない。

もちろん目的は食べること。店主は喋りより料理の腕が自慢なのは言うまでもない。


美食同源 銀座 「小はれ日より」
東京都中央区銀座1-15-8 銀座耀ビルB1F
03-3538-0554

http://www2.odn.ne.jp/kohare/

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2007年04月30日

[老祥記](神戸元町)

豚まん発祥の店はいつも行列


神戸餃子の赤萬を出て元町に向かった。どうせ元町に行くのなら赤萬も元町本店に行けば良かったと思ったが、行き当たりばったりの旅に計画性などない。元町の目的は有名ラーメン店だったのだが既に閉店していた。夜はやらない不思議なラーメン屋だ。落胆はしない。元町には中華街がある。

目指したのは老祥記という肉まんの店で、行列が絶えないことで知られている。店内でも食べることができると聞いていたので大きな中華料理屋と思ったら、意外に小さな店なので驚いた。

空いてる時間帯のようで店内に並ぶことが出来た。列の両側に10人程度が座れる大テーブルが2つある。「店内で食べる人は居ますか?」と声をかけられたので手を上げたらすぐに座れた。1個80円、1人前は3個なので2皿6個を頼む。グダグダと酒盛りするような店ではなく、飲み物は残念ながらお茶しかない。

一口で食べられるような小振りの肉まんで、割ると具がコロンと出てくる。これこそ探していた昔ながらの肉まんのイメージそのものである。(→「肉まん」) 肉汁が皮に染み込んでいてなかなかいい。味はしっかりついているのでそのまま食べた方がいいようだ。脂っこく感じたら、からしをつけると美味しく食べられる。

並んで、座って、食べて10分程度で店を出たら、行列は店をはみ出して通行人の邪魔にならないように道路で一旦途切れて、それからまた広場に続いていた。営業時間は10時から18時半で売切れ次第閉店。客がいる場所より作業場は倍以上の広さで、無駄のない動きを続けている13人の店員が開放されるのもあと1時間程度だろう。

店のチラシによると1915年(大正4年) 曹松琪が創業、「ぶたまん」という呼び名の発祥の店で「神戸のぶたまんじゅう屋」と呼ばれ親しまれてきたとのこと。単品商売でも90年間行列が絶えないとなれば、経営者は大豪邸に住んでいるんだろうなー

香港では酒を置いていない店なら酒屋で買ったビールなどを持ち込んで飲むことが許される。せめて広場に椅子とテーブルを置いてくれないだろうか。老祥記の周りにも持ち帰りできる店が多数ある。数店から好きなものを買って来て酒盛りができたら最高なのだが。


老祥記
兵庫県神戸市中央区元町2-1-14
078-331-7714

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2007年04月29日

[赤萬](神戸)

神戸名物の餃子を食べに行った


餃子を売り物にする街は多いが、神戸も特徴のある餃子を出すと知ったのは日本経済新聞夕刊の紹介記事からである。特異なのは餃子自体ではなく、タレの方である。

早めに仕事が終わって餃子屋に行くことを決めたが、まだ4時前。案内役のY氏に連れられて向かったのは三ノ宮。一軒目は5時まで休憩時間中で入れなかった。Y氏は失望することなく次の目当てに向かって歩き出し、派手な赤色が目立つ小さな店、赤萬に着いた。この店は13時から21時頃まで休みなく開いている。行列もできる店だそうだが今の時間は店内に客はなく、持ち帰りの客がときどき来る程度だ。

注文は1人に対して2人前、合計14個(500円)を頼む義務がある。従って2人で4人前を頼んだ。追加注文は許されないので料理はこれだけ。
ビール大瓶500円も嬉しい価格だ。オーダーしてすぐに薬味を味見した。

白味噌をベースにした味噌ダレが神戸餃子の特徴である。酒の肴の代わりに味噌を舐めた。思ったほど甘くなく、ピリ辛でなかなかいける。ビール1本がなくなりかけたところで餃子が焼きあがった。ビールを追加した。飲み物の追加注文はOKのようだ。

パリッとした焼き上がりの薄皮餃子で、具は少なめなので2人前は難なく食べられそうだ。味噌、醤油、酢、ラー油を全部混ぜて餃子をつけた。思ったほど味噌は個性を発揮せず、餃子の引き立て役に徹していた。

本店は元町にあり、震災で場所は移ったものの創業から数十年を経ている老舗である。三ノ宮店は餃子を包んで焼くだけなので本店の味と同じものが食べられる。お土産で持って帰りたかったが東京まではちょっと辛い。味噌ダレだけでも売ってくれないかと頼んだが、あっさり断られた。台湾人と思われる店員には我侭な客に対する便宜の権限がないようだ。

一軒目の入れなかった店はひょうたんで、赤萬と同様に人気店ということだった。次回はひょうたんに行ってみよう。他の店をはしごしてもいい。次の出張の楽しみが増えた。


赤萬
兵庫県神戸市中央区北長狭通2-2-1
078-331-0831

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2007年04月05日

[新華飯店](日本橋)

町の大きな中華料理屋さん


日本橋高島屋の裏通りに新華飯店はある。向かいには耐震構造不足で営業停止に追い込まれた新築のアパホテルが聳える。これを見上げる新華飯店のビルは昭和39年・東京オリンピックの年に建てられた。2階のフロアを担当する女性はオーナー一族で、彼女のお爺さんが現在の地に平屋の店舗で創業した。実に50年以上の歴史を誇る老舗中華料理屋だ。

本格的な中国料理や本場並みの点心、ヌーベル・シノアの店がひしめく日本橋・銀座界隈にあって、新華飯店はラーメン・餃子をメインに据える昔ながらの町の中華料理屋さんである。
高級料理もメニューにあるのだろうが、何度も来ている我々はメニューを求めることはない。

麻婆豆腐、ニラレバ炒め、野菜炒め、かに玉、餃子、エビチリを頼んだ。銀髪が口出しすることはない。野郎共がいつも頼むのはこれに酢豚、唐揚げなど家庭料理として定着している中華料理ばかりだ。麻婆豆腐で明白なようにどれも予想どおりの味だ。最近流行の四川風の山椒が効いたものではなく、丸美屋の麻婆豆腐の素を連想させる。

豚耳などのおつまみ類もあるけれど、おじさんたちは馴染みのない食べ物を敬遠する傾向がある。常連のスポンサー氏が頼むのはカレーライスにワンタンかタン麺。ランチ時でも夜でも同じものを食べる。彼は新華飯店をカレー屋と呼ぶ。他の連中も「カレー屋に行くぞ!」で分かったしまうから恐ろしい。

中華料理屋だからといって上湯スープを使っているわけではない。玉ねぎを長時間炒めているわけでもない。豚肉も煮込んでとろけるわけでもない。昔懐かしいお母さんが作ってくれたカレーに限りなく近いようで、中年のおじさんたちに人気のカレーライスである。

おじさんたちに連れられて若い女性が混じることはあっても、女性同士のグループや愛を語るカップルに出会ったことはない。もちろん銀座のクラブのお姉さまが同伴に利用することもない。

それでも上の階で居酒屋気分で呑んだくれるおじさんたちや、1階で夕食をとる単身赴任か残業準備の1人客にとっては理想的なお店だ。店側も妙な背伸びや色気を持ち合わせていない。変わらないことも貴重だと思わせる店である。


新華飯店
東京都中央区日本橋2-8-10
03-3271-9915

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2007年03月07日

[古月](上野池之端)

下町の旅館で食べる薬膳中華


随分前にテレビで紹介されていたのを覚えていた。古びた日本旅館で中華料理を食べるアンバランスは忘れようがない。タクシーを降りると記憶のとおりの日本家屋が我々を迎えてくれた。

靴を脱ぎ狭い廊下を歩み、階段をのぼり、部屋の中を縫って、個室に到達した。畳にテーブルと30cm位の足がついた椅子が置かれている。椅子は中途半端な高さなので腰がちょっと浮いた胡坐座りをする。女性はどんな風に座るのだろう。苦労するに違いないと思った。

日本旅館に中国女性店員は違和感を覚えるが、中華料理なので微妙にマッチしている。

春の養生茶、山菜と小海老の煎り焼き

薬膳のスタートらしいお茶を飲み、食事に入る。一品目は北の山菜・うるいを春巻きの皮に包んで焼いたもの。うるいは中華にしても美味しい。

子鳩の烏龍茶風味香り揚げ、直火焼チャーシュウ

コースではどちらか1品を選ぶことになるが、写真を撮るため相方に違うものを選んでもらった。小鳩の方がお奨めだが、保守的な人は鳩すらゲテモノに分類する。もったいない話だ。

ハマグリのピリ辛炒め菜花添え、蟹とフカヒレの葛引き中国ハム風味

糸唐辛子が添えてあるがそれほど辛くない。フカヒレのスープも優しい味付けだ。

サワラの餡掛け香味野菜添え、宮廷風 肉末 焼餅と新竹の子

 
焼餅は中華風ハンバーガーといえば分かりやすい。これはなかなか評判が良かった。

会席中国料理、ヌーベルシノワとも呼ばれるジャンルの料理だが、それを日本旅館の個室で静けさと共に味わう設定はなかなか面白い。
もっとも、テレビの雑音がないと落ち着いて食事ができない人や、煙草がないと間がもてない人には向かない。相手が同姓でも異性でも、気が合う相手でないと息が詰まって楽しくないかもしれない。

勘定をして靴を履くと、オーナーシェフの奥様がにこやかにお見送りしてくれた。日本旅館そのものの風情。この辺りには下町の有名店が多い。食後にぶらぶら散策しても楽しいと思ったが、タイミングよく来たタクシーに慌しく乗り込み、次の店を目指した。

山中旅館内中国料理 古月
東京都台東区池之端4-23-1
03-3821-4751
http://www.kogetu.co.jp/

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2007年03月05日

[開化亭](南青山)

もらった名刺には「昔の支那料理屋」と書いてあった。


南青山、六本木通り沿いの古いビルの地下に開化亭はある。以前紹介した「かど屋 吉川」と同じビル、壁を挟んで両隣だ。吉川は昔のメキシコ料理屋から和食の店に変貌した。
開化亭は多分昔のままで、働くのをやめた柱時計がたくさん壁にかかっている。椅子やテーブルも骨董屋を思わせる。

ちょっと早く店に着いたら、店主の町田さんがちょっと困った顔をした。理由はすぐに分かった。慌てて仕上げてきたのだろう。立派な前菜の大皿が出てきた。

銀髪を除く他の3人は既に何度もお邪魔しているらしい。前もって予約していたので、町田さんの気合が入っているのが分かる。

えびとひき肉の蒸し物、鴨の揚げ物

これも立派な料理だ。IさんKさんの話しぷりを聞いていると、この店を大好きなようだ。銀髪に向かって盛んに自慢する。町田さんとの相思相愛が料理の味を高めているのが感じられる。
鴨はまるでハムのような食感。周りはパリッとしている。

牡蠣、野菜炒め

牡蠣は揚げて甘酢あんかけにしてある。サクッとした歯ざわりと濃厚な海の香りがたまらない。残念ながらIさんは牡蠣が苦手なようで、肉入りの野菜炒めが出てきてホッとしていた。

男4人でガツガツ食べても、なかなか減らない。そろそろ料理を止めてくれるように頼んだら、町田さんは寂しそうな顔をする。少なくとももう一品食べてくれと言われたて出てきたのがおこげご飯。これならまだ腹に入りそうだ。

おこげにあんかけ野菜を注ぐとモウモウと皿が見えなくなる(左写真)。

最後に杏仁豆腐が出てきたが、もともと銀髪はデザートを食べない。一口食べて店の奥に向かった。そこには紹興酒の一升瓶が並んでいる。こんなの見たことない。

一升瓶をキープしている人がたくさんいるようだ。今日はご招待だったので料金は分からないが、きっとリーズナブルに抑えてくれているのだろう。

確かに本格中華というより、昔ながらの中華料理屋の風情なり味だ。美味しく食べるなら要予約。
場所柄芸能人もよく利用するらしい。カトリーヌ・ドヌーブも何度か来たそうだが、世界一の美女と言われた彼女を知らない若い人も多いだろう。先日のアカデミー賞授賞式に出席しているのを久し振りに見たが、顔の美醜に関係なく誰にも老いは平等にやってくる。

飲み食い話し笑い、大いに楽しんだ。「常連さんになって心地よく楽しもう!」という感じの店かな。

開化亭
東京都渋谷区南青山7-8-1 小田急南青山ビルB1
03-3499-5872

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2007年02月28日

[小はれ日より]②(銀座)

気に入った店はやっぱり楽しい


毎週来てもいいくらいだがグルメ紀行を書くためにいつも新しい店を探している哀れな銀髪である。久しぶりに会ったNさんの事務所がすぐ近くだと知って、小はれ日よりに連れて行くことにした。客を気遣ってというより、お店にあまり顔を出さない罪滅ぼしの意識の方が強い。気に入ればNさんが再訪してくれるはずだ。

店に入ると奥さんに笑顔で迎えられた。迷うことなくカウンターに向かう。店主も銀髪を覚えていてくれた。ご無沙汰して申し訳ないとの思いが一杯なのに出てきた言葉は、「あまりお腹が空いてないんだよ」。それでも店主は明るく応じてくれた。

さっと出てきたのは薬膳スープ、そして鶏の煮こごり。

生ビールを飲み干し、20年物の紹興酒に移る。杜甫、李白、白楽天などの詩を持ち出すまでもなく、中国料理も酒がないと片手落ち。もちろん紹興酒であるが、共産主義になって粗悪になってしまったようだ。最近は経済成長にともない復権の兆しがあり、ヴィンテージ物も輸入されるようになってきた。ところが日本のちょっとした中華料理屋でも、未だにカラメル色素で繕った紹興酒で高い料金を取っているところがある。小はれ日よりは主人も酒飲みだけあって銀髪を失望させることはない。

太刀魚、蒸しエビ、大根の漬物

量を少なくしてくれとの我々の要求を満たしながら、しっかりした料理を出してくれる。エビは下味をして蒸したもので、何もつけなくても美味しく食べることができた。

麻布十番の「春」と同じように紹興酒の甕を割ったものを器として使っている。似たようなことをする店があると言うと、何と春の主人は昔の職場の兄弟子とのこと。彼は陳健明の最後の中国人門下生でバーミヤン創業期の料理長だったことを教えてもらった。「唐人吉華」の主人も調理人仲間だそうだ。世の中は狭い。

美味い料理と酒を出されると、お腹が一杯のはずなのに辛抱たまらず麻婆豆腐を頼んでしまった。これまでにこやかに話していた主人が、真剣勝負の顔になった。看板料理に失敗は許されない。立ち上がる炎に向かう後ろ姿にオーラが漂う。壁が鏡だったら主人の表情が見えて良かったのにと心底思った。

麻婆豆腐

豆鼓を他の店のように細かく潰していないため存在感があっていい。頼んでも居ないのにご飯が出てきた。気を遣ってくれてわずかだが、麻婆豆腐がますます美味い。
あー、また近いうちに行かなきゃなー


美食同源 銀座 「小はれ日より」
東京都中央区銀座1-15-8 銀座耀ビルB1F
03-3538-0554


前回行ったときの記事
「小はれ日より」


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2007年02月21日

[家家厨房](銀座)

上海の家庭料理を気軽に楽しめる店


店の人の話では、最初の店は上海にあったそうだ。日本には逆輸入の形で店舗展開をしていった。上海の家庭料理というだけに店名は2つの家、ジャージャーと発音する。高級料理を手軽な値段でと言うだけあって、飲み放題付6,000円のコースは思った以上に楽しめた。

前菜6種盛り、肉シュウマイ、海老餃子

10人以上の男ばかりの宴会で飲み放題となるとみんな節操もなく飲む。嬉しいことに生ビールだけでなく飲み放題の中に青島ビールも含まれている。紹興酒やワインの味は期待できないので、ビールを飲む連中が多い。酒飲みは意地汚く計算高い。

スープ、えび、羊肉

茸とふかひれのスープと言うが、ふかひれを探すのが難しい。車えびの串揚げスパイシーソースは豆鼓が効いてなかなかいい。メニューを見ていないので肉が何かみんなで想像した。料理の名前はやわらか子羊のフィレ肉と野菜の炒め。羊のフィレ肉は柔らかくて臭みもなく一発で当てた奴はいなかった。

ほたて、干し海老と野菜の煮込み、あんかけ焼飯

各人に小分けして持ってきてくれるので食べやすい。料理もそこそこあるのだが、ビールでお腹が膨らんでしまった気がする。

杏仁豆腐

デザートを食べない銀髪だが、一口だけ食べてみたらちょっと普通と違う香りに首を傾げた。みんなに意見を聞いたら賛否両論。わざわざ店の人を呼んで尋ねたところ、きんもくせい入りだと分かった。家家厨房特製・自慢の杏仁豆腐とのことで、違いの理由が判明したら賛が圧倒的に優勢になった。

全員が満足して席を立った。2次会のスナックを目指して歩き出したが、途中で一人二人と減っていく。ビールの飲みすぎで我慢が出来なくなり、途中のビルにトイレを求めて駆け込んだのだ。

スナックで乾杯の頃には全員晴れやかに揃った。まったく酒飲みは困ったもんだ。他人に言えた義理ではないが…

家家厨房
東京都中央区銀座6-9-3 不二家銀座ビルB1F
03-3574-6881
http://www.jiajia.co.jp

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2007年02月15日

[YUJIN](日本橋)

テレビでも紹介された有名店らしい


YUJINはランチ時に近くを通る度に気になっていた。初めてブラリと入ったら、小さな店の奥に一組客がいるだけだったが、ほぼ予約で一杯。我々の後に来たカップルを最後にして、予約なしでは入れない状態になった。

メニューは店の規模の割には意外と豊富だ。中でも、本場から呼び寄せた点心師が作る餃子・シュウマイが自慢。これを逃すわけには行かない。

点心四種(黒豚、海鮮、椎茸鶏、緑)

お得なお試しセット。特に小松菜中心の緑のシュウマイがよかった。家で挑戦しようと思うが、つなぎが少なくて難しそうだ。

スープ餃子、上海小龍包

なぜかどれも一皿3個。喧嘩になるので4個にしてもらった。中にスープがタップリ入っているので火傷が心配。割り箸袋に安全な食べ方が書いてあったが無視してしまった。

餃子を噛んだらスープが勢いよく飛び出したので驚いた。割り箸袋を読むべきだったと後悔したが、幸いスープは前方に飛んでネクタイを汚さずに済んだ。説明書きのようにスープは火傷するほど熱くなかった。2個目は丸ごと口に放り込んだ。

小龍包は用心した。相方に先に食べるように強要した。スープがこぼれるのも構わず恐る恐る食べる様子を見て楽しんだ。結果はこれも火傷の心配は無用だった。銀髪は安心して丸ごと口の中に入れた。

スープは熱を加えるまで冷めて固まっているはずなので、両品とも充分に熱さなかったのかもしれない。まさか冷凍していたわけでもあるまい。火傷しないで良かったが、相方が火傷するのを見たかった。火傷するほど熱いのが好きな銀髪が、いつも懲りずに火傷して笑われるのである。

茄子の四川魚香炒め、東坡肉ハーフ

点心以外のウリは魚香を使った料理のようなので茄子のものを頼んだ。皮付きの中華角煮も久々に食べたくなった。

この店の最大の欠点は紹興酒だ。せっかくの美味しい料理にカラメル色素入りの紹興酒はいただけない。店全体が安っぽく思えてしまう。紹興酒を飲むことを諦めて、ビールに戻った。ビールとなれば焼き餃子。最後に定番を頼んだ。

焼き餃子

結局これが一番良かった。最後の晩餐は何がいいかと問われれば、迷わずビールに焼き餃子と応える。これだけで結構幸せな銀髪なのである。


YUJIN
東京都中央区日本橋2-6-5日本橋2丁目ビル
03-3548-8800
http://www.yu-jin.net

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2007年01月19日

[春](麻布十番)

カウンターで中華料理


少人数で中華に行くのは躊躇してしまうが、「二人でも大丈夫!」と太鼓判を押されていったのが麻布十番温泉からすぐ近くの春だった。太鼓判の主Kさんは先に来ており、既に一品目がカウンターに出されビールを口に運んでいた。

前菜、チャーシュー

ピータンとチャーシューは確かに中華だが、トコブシ、えび、明太子は和風っぽい。不思議な前菜だが、最初のビールにはピッタリ合う。器は紹興酒の甕を割ったものだろうか。粗雑なようでオシャレだ。

炒め物、ステーキ

えびといかの炒め物は中華だが、ステーキは洋風である。「どの地方の料理ですか?」と尋ねても、明解な答えは返って来ない。主人がイメージした創作中華料理ということだろうか。

干しいか入りの炒めもの

中華料理で使う3大乾燥食材と言えば、あわび・ふかひれ・なまこ。するめいかを干したものを使った料理は初めて食べた。
我が家では母が知人からもらった一夜干しのおすそ分けに閉口していた。普通に炙って食べるには量が多すぎて飽きてしまうからだ。そこで煮物に入れたり、スパゲッティに入れたりしてみたら結構食べられることを発見してから重宝するようになった。
するめもこのように使えるとしたら、正月の余り物で挑戦したくなった。

かに玉、鳥の揚げ物

渡り蟹を使ったかに玉こそが王道と思っている銀髪にとって、春のかに玉はとっても満足のいく品だった。
鳥は時間をかけて揚げたもののようだ。我々が来たときには既にカウンターの前に鎮座していたのだが、いつまで待っても出てこないので催促してしまった。冷ますために置いていただけだったらしいが、もちろん我々にも供してくれた。

麻婆豆腐、スープ

麻婆豆腐は中華の定番だが、スープはちょっと変わったもつ煮込み風。香菜の香りがよくてかなり美味しい。

夫婦二人でやっている店で、ご両人との会話が楽しくてついつい饒舌になった。「いつも饒舌だろう!」って?そう言われてしまうとミもフタもないが、盛り上がったのは間違いない。

「食べたいものがあったら数日前に言ってくださいね」と念を押された。小さい店なので食材をいつも豊富に抱えておくことはできない。食べたいもの、予算を言っておけば腕を奮ってくれる。解説付きの楽しい中華料理を食べたいときは「春」に行くことにしよう。
デートにもいいかもしれない。相手がいればの話だが…


中国文化会館 春
東京都港区麻布十番1-5-10
03-5474-4380

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2007年01月09日

[星福シンフウ](銀座)

忘年会・新年会続きで疲れた胃に薬膳料理を


銀髪にとっては毎日外食で大酒飲んでいるのだから「○○会続きで」は理由にならないが、たまには薬膳料理でもいいかなと思った。

特製薬膳前菜四品の盛り合わせ

もやし、くらげ、チャーシュー、干し豆腐の4品。新宿の「随円別館」でも書いたとおり、干し豆腐が銀髪の大好物。前菜はこれだけでもいいぐらいだ。

枸杞予(クコの実)いり白身魚の炒め

目の疲れがなかなかとれない人やタンパク質が不足がちな人にいいそうだ。中国人のウエイターがきちんと料理の説明をしてくれる。一生懸命書き取ろうとするが、中国語名の素材も多く困難を極める。コースメニューに説明がついているのでコピーして欲しいと言ったら快く承諾してくれた。

薬膳蒸しスープ

竹の子、松の実、浮き袋、金華ハム、白くらげ、クコの実、くわい、鹿のアキレス腱、アガリクス、キヌガサ茸などが入っている。これは自分で書き取った。体力に自信のない人や免疫機能の低下が気になる人にいいそうだ。

茯苓(ぷくりょう)入り海鮮ゆば巻き揚げ

茯苓とはサルノコシカケ科マツホドのこと。体のむくみが気になる人や腰や膝がだるいと感じる人に効く。

陳皮入り甘海老の蒸し

中央に乗っているものが鹿の角のスライス。体の冷えを感じる人やスタミナの衰えが気になる人にいい。

白きくらげ入り蟹肉と春雨の鍋

偏食がちで食物繊維が不足がちな人にいいそうだが、よく見るとクコの実などたくさんの素材が入っている。中身をすべて聞こうかと思ったが、面倒くさくなってやめた。紹興酒がまわってきていた。もう2本目に入っている。

麻婆豆腐、海鮮炒飯、海鮮おこげ

食事は7品の中から選ぶことができるが、3品を皆で分けることにした。麻婆豆腐がちょっと変わった味なので尋ねたら自家製の豆板醤だからと言って、持ってきてくれた。さらに中国薬膳料理漢方効能表というパンフまでくれた。
店内は満席だというのに、あれこれ質問する我々に上機嫌で接してくれる。主人でもないのにこの熱心さ、親切に頭が下がる思いだった。

これで元気になったかというと、あまりに楽しく飲みすぎて、今夜の主賓は翌日仕事にならなかったそうだ。申し訳ない。


星福シンフウ
東京都中央区銀座6-9\9
03-3289-4245


一口しか食べなかったデザート。これはこれで美味しかったそうだ。

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2006年12月30日

ホテル日航熊本、結婚式

結婚式の風景は随分変わった。

前菜

1985年から7年半オーストラリアに滞在した。その間、当然のことながら日本で行われた披露宴に出ることはなかった。オーストラリアでは後輩の結婚式を含めて数回招待されたが、仲人はなく披露宴の最後の挨拶は新郎が行うことに驚いた。あれから20年、日本でも結婚式・披露宴は随分変わった。

仲人を立てなくなったのは有難い。銀髪のときは誰に仲人をお願いするか随分と悩んだが、今はその心配はない。以前は何件の仲人を務めたか威張る人もいたが、突然仲人を頼まれて迷惑だった人も多いだろう。仲人をやる歳になっても今はその心配はない。新郎も何も知らない妻を煩わせることもない。
主賓であってもチャペルでの結婚式で特別な席は用意されない。その他大勢の中で静かに二人を祝福する。

今日の場所はホテル日航熊本。高級中華料理の数々である。おそらく二人は味を殆ど覚えていないだろう。ふかひれ、北京ダック、あわび、牛肉、高級素材と凝った料理が人生最良の舞台を彩る。

それにしても食事風景も随分と変わったように思う。昔は和食の場合は鯛が、その他の料理も何か持ち帰るものが用意された。結婚式の料理のおすそ分けを家族が待っていた頃の名残だろうが、今は誰も喜ばない。引き出物も自分で選ぶスタイルが主流になった。遠くから来た人は帰りの荷物と格闘する心配がない。

出される酒も多彩になった。シャンパン、ビール、紹興酒、白ワイン、赤ワイン、日本酒。好みが多様化すると、主催者の気遣いも大変になる。今日のように中華であれば、ビール、紹興酒があればいいと思うが、それでは我慢できない人を黙らせるのも大変だ。

結婚式・披露宴の型がなくなったことは気楽でいいけれど、逆に難しいことも増えたように思う。以前は祝う側、祝われる側で厳然たるルールが存在した。ルールは皆を縛ることが目的ではない。老若男女が集う場所では、すべての人が納得できて楽しめる暗黙のルールが存在した。今はうるさいご隠居さんもいなくなり、年長者が格段に物分りがよくなってしまった。

静かにちゃんと聞いてもらえるのは乾杯の挨拶までである。次第に無秩序になっていく。それでもご飯、デザートと進み最後の新郎新婦、新郎の父の挨拶が始まる頃には再び会場は静けさを取り戻す。
それなりの秩序が今でもあるのかとホッとするところである。

ビデオなどのハイテク技術を駆使し、煌く照明と大音響に溢れたステージは終幕を迎えた。プロの司会者による円滑な進行も、演出家による華やかな舞台も用意されてないこれからの人生を、二人は手を取り合って歩き始めた。
チャペルで神に誓ったように永遠の愛を持ち続けて欲しいと祈るばかりである。

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2006年12月23日

[餃子の王将](京都)

京都なら王将へ行かなきゃ

豆腐料理のたまゆらでは腹一杯にすることは避けた。先斗町を往復しているときに王将の文字が目に入ったためだ。部下はすぐ近くの珉珉を見つけてそちらにしようと言う。大阪ならともかく、京都なら王将だと一喝した。

昔、独身寮の先輩2人と、独身寮に入る権利を喪失した最年長の先輩と銀髪合わせて4人、日曜の昼食は愛知県豊橋市橋良町の王将だった。この店だけは先輩たちが少し奢ってくれた。大瓶のビール、餃子2人前、ニラレバ炒めが銀髪の三点セット。もちろんご飯は食べずにビールを追加した。

今日も懐かしの3点セットだ。大瓶のビールが480円、餃子180円、ニラレバ450円。30年経っても懐に優しい価格だ。

餃子

セントラルキッチン方式だと聞いていたが、東京で食べる王将の餃子とは皮も中身も違う。お膝元の方は皮が薄く、具に唐辛子辛さがない。各地域で微妙に味を変えているようだ。

ニラレバ炒め

これは豊橋のときから変わらぬ味だった。豊橋でたべてからは、王将のニラレバ炒めが一番気に入っているのだから不思議だ。「なんだ、銀髪なんてその程度か」との声が聞こえそうだ。

5年位前のことである。小学校5年生の娘と2人で留守番することになった。晩飯の用意なんてお手の物だが、娘と二人で餃子の食べ歩きをすることにした。
近所には小さな中華料理屋がたくさんある。王将を含めて5軒回った。どこでも餃子とビールを頼む。

王将以外のビールは中瓶だが、さすがに5軒も回るとビールで腹が膨れた。娘はいっぱしの評論家気取りある。娘の順位では王将は2位だったが、お財布担当の銀髪にとっては総合点でトップだった。

今でもときどき行きたいと思う餃子の王将。先斗町の近くで食べることもないと思うが、これはこれで楽しい思い出になった。

餃子の王将 三条店
京都府京都市中京区木屋町通三条下ル石屋町118-1
075-221-2873

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2006年12月07日

[天香回味](日本橋)

薬膳鍋の店は日本橋三越の近くにある。

東銀座の「台湾海鮮」には3度行った。その本店は日本橋三越の向かい側、路地裏にある。予約がなかなか取れないので小さい店だと思ったが、実際行ってみると3階まであるので総席数では東銀座店とそんなに変わらないかもしれない。

定番のぐるなび限定薬膳鍋コースを予約しておいたが、クーポン券を持ってくるのを忘れた。店の人にそのことを伝えたら、クーポン券をコピーしたものを持ってきてくれた。なかなか優しいじゃないか。

この鍋には黒豚、海老、椎茸入り肉団子、さつまいも、にんにく、冬瓜、チンゲン菜、キャベツ、椎茸、エリンギ、タモギ茸、黒キクラゲが入る。

60種類もの天然の成分が入っているスープは美容にもいいとのことで、女性客が圧倒的に多い店だ。男だけのグループは銀髪の席から見た限りいない。

鍋が煮えてきて食べごろになった。二つのスープを混ぜて飲むが、辛い物好きの銀髪は赤いスープを多めに入れる。我がグループの女性陣も楽しく食べているようだ。

コースにない茸、山武士茸、アワビ茸、アガリクス茸を追加した。

アガリクス茸は制がん効果があるともてはやされたが、今はあまり聞かなくなった。鍋に入れる前にみんなの制止を振り切って食べてみた。味も香りも殆どない。薬効があるかどうかはもちろん分からない。

鍋に何度もスープを注ぎ足してもらい、何杯もおかわりした。この鍋は食べるより飲むのが大事である。食材を追加する必要はない。

コースの最後はクロレラ入り麺。これに一人一枚のフカヒレがつく。フカヒレと言っても実に可愛いサイズで麺の小鉢にすっぽりと納まる。これを鍋で少し煮込むと、スープを吸って柔らかくなる。写真を見ると実際より美味そうに見える。

恋人同士で鍋をつつくのもいいけれど、5人で囲んだ鍋は賑やかで楽しかった。


天香回味
東京都中央区日本橋室町1-13-1
03-5255-7255

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2006年11月20日

[三和楼](横浜中華街)

上海料理は蟹だけではないよ。

上海にはこれまで4回行ったが、上海料理と意識して食べたのは昨年蘇州に行っ