2008年11月12日
[い津み](福岡市博多)
世界一(?)のふく料理屋

7~8年前、「東京で一番高いふぐ屋を予約しといたからな」と言われて行ったのが東京赤坂の「い津み」で、銀髪の願いもむなしく勘定するときに彼の台詞は冗談ではないことを悟った。それ以来、博多の本店に行くことは憧れであり恐れでもあった。
タクシーに店名を伝えても知らなかった。住所を告げると「あー、あの料亭ですね」と気付いた。赤坂の店とは比較にならないほど立派な店だ。個室は控えの間と客室に分かれる。仲居さんが上座の客に見えないようにメニューを銀髪の目の前に掲げた。
煮こごり、ひれ酒

煮こごりの善し悪しをどう表現したらいいか分からないが、上品な味で美味いのは間違いない。ひれ酒のひれが随分小さいと思ったら、い津みでは背びれしか使わないとのこと。つぎ酒をしても味は濃い。
てっさ

三人前のてっさが出てきて圧倒された。「当店のてっさは二枚引きです」と言われても何のことかわからない。厚めに切った刺身を切り開いたものとのこと。薄いピンク色の身は噛みごたえがある。ぽん酢に頼らなくても味がある。「天然です」と言われてもピンと来ないことが多いが、い津みのものを食べれば違いは歴然である。
白子、唐揚げ

「今週から白子が入っていますが、いかがしますか?」と聞かれて客と部下の顔を見る。目は口ほどに語っている。てっさほどの感動はないが、久し振りの白子はやはり美味い。
てっちり

鍋は控えの間で作られ、仲居さんが運んでくれる。あらためてしっかりした身だと思う。
雑炊、お新香

い津みでは雑炊に卵を入れない。ふぐを味わってもらうには卵はない方がいいと主張する。おかわりをして満腹になった。
福岡出身の芸能人が日本一と言ったそうだが、地元贔屓を差し引いてもトップクラスであることは間違いない。てっさはこれまで食べた中で一番と言ってもいい。満足感一杯で店を出た。店の外に並ぶ黒塗りの車を横目に歩く我々を、女将がしばらく見送ってくれた。
い津みのふぐのことは早く忘れよう。他の店のふぐが食べられなくなってしまう。
博多 い津み
福岡県福岡市博多区住吉2-20-14
092-291-0231
http://www.hakata-izumi.com/
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2008年07月22日
[河太郎](福岡)
日本で最初のいけす料理店

河太郎は博多のみならず日本で最初の生簀料理店だという。生簀の主役は佐賀県呼子で取れたいかで、この活造りの元祖も河太郎である。早い時間だったこともあり、生簀のすぐ横の一等席が用意された。
河太郎は2度目だが、銀髪グルメ紀行で紹介するのは初めて。稚加栄や寺岡などに浮気していたが、戻ってみると、生簀は記憶していたより小さい。ソープランド街のすぐそばということも今回初めて気がついた。
いかの活造り

原油価格高騰でイカ釣り漁船などの休漁が話題になっている。その影響か、小さないかが三杯盛られてきた。透き通った身の下で尚も息づく様は迫力に欠けるが、大きないかよりも柔らかくて味も悪くない。
おこぜ

冬が旬のふぐがお休みの間の主役をはるのがおこぜ。白身の上品な味はふぐより上と言う人も居る。

刺身で食べた残りを調理してもらう。おこぜを揚げてもらうので、いかはいつものような天婦羅ではなく塩焼きにしてもらった。

おこぜの卵と肝は煮付けにしてくれた。「このおこぜは大きいので骨を食べるのは大変ですよ」と味噌汁を奨められたが譲らなかった。揚げるのに時間がかかってしまったが、骨までしっかり食べ尽くした。
食糧危機は深刻な問題になっている。偉そうなことを言える立場ではないが、我々ができることの一つは食べ残しをしないことだろう。野菜や果物の皮は剥かないで食べる。動物も魚介類もとことん食べ尽くす。内臓はもちろん皮や骨、血までも利用する。ソーセージなどいい例だ。意外と美味しいものを発明できるかもしれない。
河太郎では殆どゴミにしなかった。銀髪は偉い!と自画自賛。
河太郎
福岡県福岡市博多区中洲1-6-6
092-271-2133
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2008年06月14日
[うどん平](福岡)
博多で一番おいしいうどん?

博多の麺と言えば豚骨ラーメンで今や全国区になった。うどんと言えば讃岐うどんを筆頭に稲庭うどん、氷見うどんなどが有名で博多の名前は出て来ない。
実際は戦後生まれで屋台が発祥のラーメンよりも、うどんの方が歴史も格も上だと思っている銀髪なのに、博多に来れば美味しいラーメン屋ばかり探そうとする。
ラーメンは若い料理人が革新的な味を作り出しているが、うどんはひたすら伝統を守っているように見える。かろのうろん、因幡うどん、川端うどんなど人気上位にある店はいずれも老舗と言われる名店ばかり。銀髪にとって、うどん平は馴染みのない名前だった。

外に並んでいると「暑いから中に入ってください」とおばちゃんが招き入れる。有名店によくある尊大さはまったくない。中には10人以上が雑然と立って待っていた。
外で待っている間に注文を取る店が多いが、中に入れてくれたお陰で客が何を食べているか観察できて良かった。
部下が「ここはえび天が有名なんですよね」と言う。「でも、ごぼ天も食べたいですよね」と重ねる。「両方入れればいいじゃないか」と銀髪が応えていとも簡単に問題は解決した。
他の客のオーダーを聞いても7割はえび天とごぼ天のセットで注文していた。残りの大半はえび天と他の天ぷらのセットである。

カウンターの中は戦場のようだ。手打ちのうどんを製麺機に入れる。包丁で切らないからか「手打ち風うどん」と書いてあるのが律儀に見える。グラグラ煮えたぎる大なべにうどんを入れる。熱々に茹で上がったうどんを水で洗う。素人がやったら間違いなく火傷する。
うどんのつゆは大きな徳利で湯せんしている細やかさ。客の注文に負けじと店の奥で天ぷらが揚がる。
テーブルで食べると博多でトップクラスのうどん屋と思うだろうが、カウンターで戦場を見た後食べるとトップと断言したくなる。
親切で丁寧なおばちゃん、真剣な調理場、美味しいうどん。今まで来なかったのは迂闊だった。
東京に戻って、福岡の行きたい店を自分でリストアップした紙を見たら、うどん平がちゃんと書いてあった。まったく思い出さなかったボケ頭がちょっと心配になった。
うどん平
福岡県福岡市博多区博多駅前3-17-10
092-431-9703
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2008年04月22日
[チャイナ](福岡)
福岡で最高級食材を使った中華料理を

博多は魚が美味い。生簀のある店がたくさんある。ふぐ、あらなどの高級魚もいいが、さばも新鮮で美味い。もつ鍋、水炊き、ラーメン、他にも名物がたくさんある。それなのに中国料理がいいと部下は言う。魚介類や鍋料理が美味しい冬は去った。地元の人はいつもと違うものを食べたいかもしれない。そんな気持ちが湧き起こり、部下の言に従うことにした。
前菜、北京ダック

ホームページを見て北京ダックを食べることは決めていた。他は部下に任せるべきだったが、地元の新鮮な食材を使った料理でもあればと思いメニューを開いたのが間違いだった。「赤海燕の巣」に目が止まった。仕切り屋の虫が騒いでもう止まらない。
赤い海燕の巣のスープ、フカヒレ(トラザメ)のスープ

燕の唾液に血が混ざったと言われ血燕とも書く。高級な燕の巣の中でも大変希少な極上品。スープに入れる前のものを食べてみたが味は殆どない。上湯スープがとても美味しい。
燕のスープと味比べのため同額程度のフカヒレスープを頼んだ。ところが女性店員・谷さんが別メニューを持って来てトラザメを奨める。値段を見て目を剥いた。一杯(一人前)25,000円もするので一瞥しただけで断った。一度引っ込んだ谷さんがまた戻ってきた。「お客様が頼んだフカヒレと同額でもいいので是非トラザメを味わって欲しい」と料理長が言うらしい。断ることが出来なくなった。
味付けは極太繊維質のフカヒレに負けないように濃厚である。
鮑となまこ、ロブスター

フカヒレに加えて日本産の3大中国料理乾燥食材を揃えることにした。生のなまこを嫌いと言う人も、このなまこは気に入ったようだ。
頼んだ覚えはないが、「生簀に一匹しかいないロブスターを料理長が我々のために特別に作りました」と言われたら断れない。香港出身の料理長は客を料理するのも上手い。
スープ炒飯、焼き菓子

これも好評だった。「わざわざ福岡まで来て中国料理なんて」という気持ちは吹き飛んだ。
昼間の飲茶でも出さない焼き菓子はまたも料理長のサービスと言う。会ってもいない料理長が頑張ってくれたのは伝達役の谷さんの功績だろう。
個室を出て店内を見渡すと、客はまばらだった。料理長が我々のために腕を振るう時間があったのは幸運だった。
料理長と店員に乗せられて予算を大幅にオーバーしてしまったが、招待した皆さんは満足感一杯の様子。思い出に残る晩餐となったようだ。メデタシ、メデタシである。
チャイナ グランド・ハイアット・福岡
福岡県福岡市博多区住吉1-2-82
092-282-1234
http://www.grandhyattfukuoka.com
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2008年01月31日
[がね屋](福岡)
地元の人が奨めるのはリーズナブルで美味い店

福岡でも美味しいイタリアンやフレンチなどの洋食の店があるという。4人揃ったので気取らず食べられるスペイン料理屋にしようと思った。客先を出てから予約を入れようと計画したが、出るときには今回も和食に決まっていた。一人増えることになり、民主主義は否定された。
稚加栄やてら岡ほど有名ではないが、地元の人には評判がいい店らしい。博多うどんの老舗「かろのうろんやの近く」と説明するまでもなく、タクシーは店名を聞いてすぐに頷いた。
かき酢

1階奥の個室に一旦は入ったが、オーダーする前にトイレに行って、寿司カウンターの中を覗いた。目に付いたのが佐賀のかき。あまり聞いたことがないので即決した。小振りだが悪くない。
さば、みずいか

定番の2品。店内に生簀はなかったのに、店員はしきりに奨める。怪訝そうな顔を見て取ったか部屋の奥の障子を開けるように言う。障子の向こうに生簀があり、魚が悠々と泳いでいた。
さばの唐揚げ、いかの天ぷら

刺身を食べ終わると、残りを希望の料理にしてくれる。客の意向を聞かず、部下がいかは天ぷらと即答する。困ったもんだ。
もちうお煮付け、大根とキンメダイの南蛮仕立て

もちうおはイボダイまたはエボダイの名前で知られる。南蛮仕立ての方が美味かったかな。
寿司

がね屋は料亭というより寿司屋のようなので、最後は寿司にした。
客は寿司よりまだ酒を飲みたそう。「もう一本いきますか?」と聞いたら、部下が横から「僕はもういいです」と口を出す。いかのときは黙っていた客も、酒では我慢が出来なかった。数分間説教されて部下はシュンとしていた。
もっとも、2次会では部下は完全復活。お客様もご機嫌で、宴は深夜まで続いた。
漁師料理 がね屋
福岡県福岡市博多区上川端町3-6
092-282-1171
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2007年12月27日
[春駒](福岡)
今年も、冬の王様てら岡のあらしゃぶで締めくくり

今年最後の福岡出張になった。3人旅だが刺身が嫌い、食べたことのないものには手を出さないと言う人は日帰りすると言う。残った2人は「ラッキー!」てなもんだ。あらを食べることが出来る。ところが残ったもう1人のFは、あらのゼラチン質が嫌いで、てら岡のあらしゃぶ以外は食べたくないと言う。嫌がる奴を無理に引きずりまわすわけには行かないが、何度も行ったことのあるてら岡ではつまらないと思い、系列の春駒に行くことにした。
春駒は中洲から春吉橋を渡ってすぐ右側にある。本店に比べると小振りだが、食後の中洲行きには遥かに便利だ。小上がりの掘り炬燵式のテーブルを確保できた。まずは博多名物、呼子のいかの生き造りから。

透き通った身が美しい。時おり足がサワサワと動く。沖縄産の塩をつけ、わさびを乗せて食べる。味よりもコリコリ感が楽しい。天ぷらにしてもらったゲソが美味だった。
我々を担当してくれた仲居は中谷由紀子さん。大吟醸酒を頼んだら品切れ。別の大吟醸を頼んだらこれも品切れ。酒を取りに行っては品切れの連続で、結局安い酒に落ち着いた。本店に比べて大衆的雰囲気の春駒では、高い酒は出ないのかもしれない。「安上がりでありがたい」と言うと由紀子さんが苦笑する。
関さば

お客様がさばを求めると、関さばしかないと言う。銀髪が「あじは?」と聞くと関あじしかないと応える。我々は玄海灘のさばやあじがいいのだが、ここは高級料亭のプライドか居酒屋レベルで出す地魚は置いていない。仕方なく関さばを頼んだ。さすがに美味いが、酒のように安上がりでは済まなかった。
食べ切れずに残った刺身は胡麻さばにしてもらった。贅沢な料理になってしまったが味が変われば食欲が蘇る。
あらしゃぶ

サフランの緑色が鮮やかなスープでしゃぶしゃぶが始まった。由紀子さんが薄く切ったあらの身をちょっと鍋に泳がせて、我々の皿に乗せてくれる。今日のあらは100kgの大物とのこと。Kが「どのぐらい?」と聞くので「お前ぐらいだよ!」と銀髪が茶化すと由紀子さんが大笑いする。Kは90kgに到達しないようにダイエットをしたいと思っているが、気持ちだけで空回りしている。
あらちり

しゃぶしゃぶ用の薄切りのあらが終り、コラーゲンがプリプリの厚い身の鍋になる。これがまた美味いんだよね。
雑炊

ふぐより美味しいと言われるあらだが、お腹一杯にもかかわらすお代わりをしてしまった。満足満足。
帰り際、勘定をしていたら女将が挨拶に来てくれた。いやに若いと思ったら寺岡美由紀女将はてら岡主人の長女とのこと。本店でも、春駒でも料金は同じだそうだが、本店の座敷より春駒の方が気楽で楽しかった。仲居さんが良かったのかもしれない。
あらしゃぶだけ食べる分にはそれほど高くない。博多に行ったら是非食べてもらいたいものだ。
春駒
福岡県福岡市中央区西中洲1-3 (春吉橋たもと)
092-734-3988
http://www.teraokagroup.co.jp
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2007年11月30日
[さざんか](福岡)
福岡で鉄板焼き

福岡では玄界灘の新鮮な魚介類を食べるのが銀髪の定番である。ところが、これを好まない人が居てちょっと困った。まさか平均年齢50ウン歳の男5人でフレンチやイタリアンでもあるまい。熟考の末鉄板焼きに決めた。これなら地元の魚介類や野菜も食べることが出来る。
鉄板焼き店は東京には山ほどあるが、福岡では選択肢が限られる。5人に適当な個室となるとホテル・オークラの「さざんか」ぐらいしかなかった。東京のさざんかはミシュランの一つ星に選ばれたが、福岡の評価は分からない。
前菜とサラダ

5人いれば料理の選択に自由度が増す。銀髪が食べたいものを2人前ずつ頼んで、みんなで分けることにした。嫌いなものがある人は拒否すれば他の人の分け前が増えるだけ。料理の組み合わせが自由に出来るのが鉄板焼きのいいところだ。シェフは目の前にいる。
野菜各種

たまねぎ(淡路産)、コガネタモギダケ(愛知産)、ピーナッツモヤシ(福岡能古島)と産地を告げて出されると有り難味が増す。
あわび

玄海の黒鮑はバター焼きでいただいだ。肝を嫌いと言う人がいるから信じられない。ありがたや、ありがたや。
車海老、フォアグラ

車海老は当然ながら天草産。フォアグラは?地物にはこだわらない柔かな頭が必要とすぐに妥協する。これも嫌いと言う人がいる。何でも食べる銀髪がまたも得をする。貝でもアヒルでも肝は美味しい。
ステーキ(ヒレ、サーロイン)

牛は佐賀牛でなくてがっかり。フォアグラは近県でなくても許せるのになんでステーキは?と突っ込む人が居ないのが有難い。
ガーリックライス

みんな大好きガーリックライス。次の店に行って、嫌われても平気だ。どっちみち好かれるのはお財布を握っている人だけだとみんな知っている。その人だってお財布がなければタダの人。
福岡は東京と比べて割安だといつも思うのだが、ホテルで食べたらそれほど変わらないようだ。やっぱり安くて美味しい地魚を食べる方が銀髪には向いているようだ。
さざんか
福岡県福岡市博多区下川端町3-2 ホテルオークラ2F
092-262-1111
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2007年10月31日
[福わらじ](鹿児島)
黒豚&黒毛和牛

鹿児島屈指のホテル、城山観光ホテルから坂を下り平田公園に向かった。目指す店「福わらじ」はその公園に面した小路にある。平田公園は天保の改革で薩摩義士を率いた平田靫負を顕彰する史跡だそうで、鹿児島のタクシーの運転手さんの説明に聞き入った。観光案内の研修が必須という鹿児島のタクシー運転手はみんな話し上手だ。
福わらじに着くと地元の面々は既に勢ぞろいしている。自慢の黒豚しゃぶしゃぶをいただく手筈になっていた。
きびなご、さつまあげ、豚足煮

今まで見た中で一番美しいきびなごだった。酢味噌が添えられていたが、塩を頼んで食べた。さつまあげもいい。鹿児島で食べるさつまあげはいつも熱々だ。
豚足というより角煮のようだ。一流の料理屋らしく品のいい料理に仕上げた。豚足を嫌いだという人も気付かず食べ尽くしている。
豚しゃぶしゃぶ

毎度のことではあるが、豚肉をすべて鍋に放り込む人がいる。彼にとってはしゃぶしゃぶなどという料理は存在せず、いつも寄せ鍋になってしまう。ありがたいことに肉質がいいので、しばらく鍋の中を泳いでも肉は硬くならない。
牛しゃぶしゃぶ

黒豚の脇役に追いやられてしまった感があるが、黒毛和牛も鹿児島名物である。味比べをすることにした。やはり牛肉の方が濃厚な感じがする。悪くないと思ったが、他の人は黒豚の方を支持した。豚肉の方があっさりしている。牛肉を食べた後の鍋には黒豚のときにはなかった親指の爪ぐらいの大きさの脂がびっしり浮いていた。
遅れてやってくる予定の2人が食事会に間に合わなくなったので、2人のためにとっておいた豚肉も食べることにした。テーブルの上でラップをかけられて出番を待っていた肉だが、食べてみると味が違うのに驚いた。約1時間の間に変質してしまったのだろうか。
以前、銀座らん月で食べたとき、余った牛肉を持ち帰ったことがあった。家人が喜ぶと思ったが、食べてみると別物の肉に変わっていた。かくも繊細なものである。
旅に出て土地のものを食べると格別に美味しく感じるのは、気のせいというわけではない。どんなに流通技術が進歩しても、食品・飲料に旅をさせると殆どが味は劣化する。
旅をして地の物を飲み食いするのが最高の贅沢だと思う。
福わらじ
鹿児島県鹿児島市平之町13-3
099-222-3241
http://www.fukuwaraji.jp
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2007年10月22日
[長野](福岡)
福岡で1番人気の水たき屋さん

福岡は鍋も美味しい街である。ふぐ、あらなどの高級な鍋、もつ鍋などの庶民的な鍋。水たきでは新三浦などの高級店もあるが、安くて美味しいと人気なのが長野である。
営業時間が12時~21時までと、間に休み時間がないので旅行者にとっては重宝する。
安い店と聞いていたのでボロ家かと思っていたが、意外ときれいなので安心した。お客様が一緒なので心配したが杞憂に終わった。
メニューは簡単、選択肢はあまりない。水炊きは1人前2,250円。骨付き肉か、つくねかを選択する。鳥皮の見た目が嫌いと言うひ弱な部下の希望で、2対1の割合でつくねを多く頼んだ。
お通し、スモークチキン、から揚げ

鍋以外は酢もつのお通しだけと素っ気無いのでスモークチキンとから揚げを追加した。写真は2人前だが、それぞれ1人前370円と良心的な価格である。

仲居さんが器にネギを入れてスープを注いでくれる。脂っぽくてちょっと臭いが気になる。他店では臭い消しに胡椒を入れるが、長野には胡椒を置いていない。

早い時間でお腹が空いてないこともあって、なかなか鍋の中身がなくならない。野菜を入れたら、少しずつみんなの箸が動く。野菜が臭い消しの役目もしたようだ。銀髪はスープをお代わりしようとするが、穴あきの兼用お玉が使いにくい。
長野で使う鶏肉は博多ブランドの「華味鳥」。料亭「華味鳥」は昨年銀座にも出店したが、もともとは鶏肉屋。長野にも供給していることになる。
正直言うと、料亭「華味鳥」のほうが長野より美味い。鶏肉自体が上等のようだし、スープも癖が少なく東京人には食べやすい。
長野の魅力は何と言っても値段。6人で食べて飲んで2万円強。華味鳥や新三浦ではそうはいかない。博多の人と味覚を共有できる人は長野へ行ったら大満足だろう。
そうそう、どちらにしても大事なことは、お腹を空かせていくことである。前日の暴飲暴食&夜更かしが影響するようではグルメの資格はない。
水たき 長野
福岡県福岡市博多区対馬小路1-6
092-281-2200
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2007年10月21日
[あきちゃん](福岡中洲)
我慢できない飲んだ後のラーメン

母は「屋台のラーメンなんて死んでも食べたくない」とよく言っていた。屋台では大きなバケツに突っ込むだけでどんぶりを洗ったことになる。
亡くなった父は「汚い店が美味しい」と主張した。子供心に父親に味方したい気持ちもあったが、日々ご飯を作ってくれる母には勝てない。行儀よく母に従った。
福岡に住んでいたのは約50年前。父は夜な夜な中洲で飲んだくれていた。もしかして、父はあきちゃんにも寄ったことがあるのではと期待したが、大将は40年の経歴というからちょっと若い。

あきちゃんは中洲のスナックのママに奨められた。ラーメンを食べたいと言ったら即座に名が上がるぐらいの有名店で、芸能人などもよく訪れるという。屋台の席は一杯だったので、公園の縁石に腰を下ろして食べた。

10年ほど前、長浜の屋台で食べたラーメンはトンコツ臭がきつくて参ったが、あきちゃんのラーメンは思ったよりあっさりしていた。味が変わるからと紅しょうがを置いてない有名店が多いが、最初から紅しょうがが入っていた。拍子抜けしたが、これが多くの人に長く愛される秘訣かもしれない。
中洲の一流クラブの美女たちもしゃがんでラーメンを食べている。銀座では絶対見ない光景だ。もともとラーメン屋台など銀座にはないけれど。
母が嫌った屋台のラーメン屋だが、学生時代に兄たちと新宿でよく食べた。3人兄弟で飲むときの決まりは、1軒目が長兄、2軒目が次兄、そして3軒目のラーメンを銀髪が支払った。これで割り勘だと末っ子にも花を持たせる優しい兄たちだった。
飲んだ後にラーメンを食べてはいけないと思う今日此の頃。東京ではグッと我慢するのだけれど、博多に来たら我慢できない。明日の胃もたれは確実だが、旅の楽しみと戒めを解いた夜だった。
あきちゃん
福岡市博多区上川端町7(冷泉公園横)
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2007年10月15日
[華凛](鹿児島)
鹿児島の居酒屋で

鹿児島の知人たちと飲むことになった。指定された店の名は「かりん」と聞いて、昼間行った華蓮の間違いではないかと思った。タクシーの運転手さんに告げるとやはり華蓮しか知らないと言う。指定された場所に向かうと確かにあった。華凛だった。
鹿児島は黒豚だけでなく、魚介類も豊富だ。地物を食べるにはうってつけの店のようだ。
刺身盛合わせ

鹿児島湾(錦江湾)で一年中獲れる鯛は特に有名。
さつまあげ、めひかり

鹿児島滞在中に何度も食べたさつまあげの第一弾。屋久島産トビウオをメインに海老を加えた「つきあげ」と称していたが、熱々揚げ立てのさつま揚げは本当に美味しい。
めひかりは宮崎産。地方都市に来たら傷みやすい小魚の方に有り難味がある。
豚足

他の料理は2~3皿頼むのに、豚足は誰も食べたいと言わないので一皿だけ頼んだ。煮込んでから焼いた豚足はプリンプリン、コラーゲンタップリで非常に美味。1個食べて、この美味しさを誰かと分かち合いたいと思ったが、結局誰も欲しいとは言わなかった。
東京からせっかく鹿児島に来たのに食のチャレンジャーは銀髪一人だけ。みんな北海道産のさんまの塩焼きやキムチなどを食べて喜んでいる。何とも理解できない。
もっとも銀髪が少数派なので、おかしいのはこちらということになる。
カキフライ

地物にこだわった銀髪だったが、カキフライには手をつけた。今シーズン初めてだったからだ。岩手産だろうか。いまだに30℃を超す日が続く鹿児島で秋の訪れを感じるのは、北からやってきた食材のおかげに違いない。
森伊蔵や伊佐美などの有名焼酎をたくさん飲んで、たらふく食べて、一人5,000円くらいだった。地元の人にとっては当たり前かもしれないが、東京人にとっては驚きの値段。満足度が高い居酒屋だった。
華凛
鹿児島県鹿児島市東千石1-7 1F
099-219-9483
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2007年10月14日
[華蓮](鹿児島)
鹿児島で食べるのはもちろん黒豚

ランチタイムになった。タクシーの運転手さんに美味しいトンカツを食べたいと聞くと二軒の名が上がった。一軒はタクシー座席前のホルダーにパンフレットが刺さっている華蓮。「どちらが美味しいの?」と聞くと、返事に困っている様子。そりゃそうだ。華蓮を奨めなければタクシー会社に怒られる。
パンフレットを見ると、JAが直営する店とのこと。素材の出所はしっかりしているので、運転手さんを安心させることにした。「華蓮に連れてって」と頼むと、車はより軽快に走り出した。
JAと聞いて想像した以上に店内は立派な造りで、我々も安心した。メニューを見るまでもなく、頼むのは決まっている。部下はヒレカツを頼んだが、銀髪はロースカツを選んだ。
ロースカツ定食

まず何も付けずに食べてみる。次にテーブルの岩塩を皿に挽いて、カツに付けて食べる。それから醤油、ソースの順にかけて食べる。上手に揚がったカツはとても美味しかった。おそらくタクシーの運転手さんは華蓮で食べたことがないのだろう。もし食べていたら、困惑することはなかったはずだ。
ヒレカツ&ロースカツ

翌日の昼食は別の店でヒレカツを食べた。鹿児島のちゃんとした店なら必ず黒豚を使っている。なかなか上手に揚がっていて悪くなかった。
その次の昼もトンカツを食べた。グルメ紀行を始める前には絶対にしたことがない三連チャンである。鹿児島に滅多に来ることがないこともあるが、味を忘れないうちに食べ比べをする方がいい。
結論はどの店も美味しかった。食べ方は塩で食べるのが一番いい。ヒレカツよりロースカツの方が美味い。日本人ほど肉の脂を好む人種はいない。牛肉は霜降りを好むのに、豚肉の脂は太るからと敬遠されてきた。実際、以前は豚の脂は美味しくなかったが、品種改良や餌のせいかイメージが変わってきた。コラーゲンやビタミンBを豊富に含むというので女性にも人気が出てきたが、お腹が気になる中年男性もそれほど気にすることはあるまい。
いずれにしても鹿児島で食べたトンカツは、どこで食べても美味しくて3連チャンも辛くなかった。
華蓮
鹿児島県鹿児島市山之口町3-12
099-223-8877
http://www.karen-ja.or.jp
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2007年10月04日
[やま中](福岡)
福岡で一番人気のもつ鍋屋さん

福岡出身の人に福岡で一番美味しいもつ鍋の店を聞いたら「やま中」だと言う。福岡担当の部下に伝えると、彼の携帯電話にも登録されていた。
予約の電話を入れさせたら、受付は3時からとテープの声が流れる。3時過ぎに電話したら話し中。10回以上かけて、電話が壊れているかもと心配になった頃にようやく繋がった。凄まじい人気のようだ。
5時半頃店に行った。部下は超汚い店との情報を得ていたが、気楽な接待ならOKのきれいな店だ。5時開店というのに店は半分以上埋まっている。
店員のお奨めに従ってみそ味の牛もつ鍋(1人前1,260円)をメインに選び、酢もつ、牛ほほ肉甘煮、冷奴を前菜にした。お通しは枝豆。
酢もつ、牛ほほ肉

もつ鍋の前に酢もつというのがもつ鍋屋の常識のようだ。牛ほほ肉は西洋料理屋で何度も食べたことがあるので、酢もつよりは食べやすい。
もつ鍋、野菜

もつ鍋は熱々で運ばれて来るので、鍋に乗せて火をつけるとすぐに食べられる。客を回転させるための工夫だろう。コンロはカチッと鳴るところまで回すと、鍋は煮えたぎるが吹きこぼれがないのが不思議だ。
せんまい、ちゃんぽん麺

アッと言う間に鍋が空になりそうなので、もつとせんまいを追加した。焼肉屋で出てくるようなせんまいを想像したが、意外とコリコリして美味しい。
〆はちゃんぽん麺。いくらでも食べられそうだったが、少しばかり遠慮した。スープをたらふく飲んだのでほぼ腹一杯。
やま中本店は西鉄大橋駅近くにあり、博多の中心からは少し外れる。最近、街中の赤坂に新店舗ができたそうで、こちらも連日満員とのこと。
美味しいもつ鍋に満足したが、やっぱり汚い店のほうが風情があると思ってしまう。周りを見渡せば男たちだけのグループよりも女性のいるテーブルの方が多い。彼女たちにすればきれいな店の方がいいに違いない。
デートでも行けるもつ鍋屋さんだが、子供はお断りなので家族では行けないのがお母さんには残念だろう。
博多もつ鍋 やま中 本店
福岡県福岡市向野2-2-12
092-553-6915
やま中 赤坂店
福岡県福岡市中央区赤坂1-9-1 サニー赤坂店2F
092-716-2263
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2007年09月24日
[博多 だるま](福岡)
思い出のラーメンを求めて

約8年前、福岡で衝撃的なラーメンに出会った。幕を張ったような濃厚なとんこつスープは忘れられない。
もう一つ驚いたことは、地元の人たちの誰もが紅しょうがを入れないで食べていることだった。
その秀チャンラーメンが東京赤坂に支店を出したと知って喜び勇んで出かけた。赤坂氷川公園近くにあり、赤坂の繁華街からはちょっと離れている。それでも名声はとどろいているらしく、開店の12時を過ぎると待ちかねたように次々と客が入ってくる。

テーブルに紅しょうがが置いてあったが、入れないで食べた。濃厚なスープではあるが、本店ほどではないようだ。記憶がいい加減なのかもしれない。
福岡出張で美味しいラーメン屋を探したら、「博多 だるま」が引っかかった。店の前の立て看板を見ながら開店を待った。策略にまんまと引っかかって、カウンターに座るなり看板で推奨の豚足と餃子を頼んだ。

豚足は意外と噛み応えがあり驚いた。小振りな餃子は600円とちょっと割高に思える。
豚足を見ただけで毛嫌いしている部下に餃子は任せた。

ラーメンは美味かった。調理場の右奥に控える大きな羽釜で豚足を2日間に渡って煮込んだという自慢のスープ、固めに茹でてもらった麺、タップリの九条ネギがよくバランスしていた。この店のテーブルに紅しょうがは置いていない。紅しょうがで味を濁すなということだろう。
食べ終わって勘定を払うときに手にした店の宣伝用小片で、秀ちゃんラーメンが系列店であることを初めて知った。
だるまは美味しかった。それにしても、系列店でありながらそれぞれ味が違う。敢えて言えばだるまは秀ちゃんらーめん(博多)とラーメン屋秀(赤坂)の間の味だろうか。九条ネギのおかげか、京都ますたにラーメンに似ているかもしれない。
福岡空港の土産屋でだるまのラーメンを見つけた。買おうかどうか迷ったが、止めにした。家で食べるより、福岡に来たときの楽しみに取っておこうと思った。
博多 だるま
福岡県福岡市中央区渡辺通り1-8-26
092-761-1958
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2007年09月23日
[鉄なべ](福岡・西中洲)
博多でも餃子で一杯、腹一杯

「鉄なべ」に行くのは2度目だ。前回と同様、既にお腹が一杯の状態なのに「味自慢餃子の店」の文字に惹かれ、熱々をイメージさせられる鉄なべの店名に負ける。

一軒目の食事が5時スタートだったので、鉄鍋の前を通ったのは7時15分。1階のカウンターはほぼ満席で我々3人は予約客が来るまでの時間限定ということで2階に通された。
鉄なべの看板料理が餃子であることは言うまでもないが、馬刺し、鯨、その他の酒の肴も豊富だ。銀髪はごまさばだけ食べればいい。部下はトマトも食べると言う。

最年長者が「餃子2人前!」と威勢がいい。お腹一杯で本当に食べられるのかな?と、思ったが餃子屋で餃子を頼まないわけにはいかない。素直に従った。

銀髪はごまさばに専念した。地元の最年長者は目もくれないが、我々よそ者にとっては博多に来たら生の鯖を食べたい。関さばでなくても新鮮な鯖は生で食べることができるはずだが、九州以外では殆どお目にかかることがない。
以前は生で食べることがなかったさんまは、今や刺身の人気者だ。輸送や保冷技術の発達で意外なものも生食用に供されるようになったのに、未だに鯖は酢でしめるのが定番のままだ。
東京でも刺身で食べられるようになればいいと思うものの、やっぱり博多で食べる方がいいと考え直す。どこでも食べることができると、それはそれで味気ないものだ。
約束どおり8時過ぎに店を出て、すぐ目の前の橋を渡って中洲に入った。華やかなドレスや着物の女性がネオンの街に色を添える。
さてさて、これからホテルに帰ろうか。どこかの店に潜り込もうか。思案のしどころである。
鉄鍋
福岡県福岡市西中洲1-5
092-725-4688
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2007年07月14日
[宝雲亭](中洲)
博多ひとくち餃子発祥の店

博多に出張すると、飲んだ後すぐにホテルに帰る気がしないから困ったものだ。ラーメンにするか餃子にするか部下に聞くと餃子がいいという。本家奉天に行こうかと思ったが思い止まった。いつも同じ店では芸がない。

目と鼻の先の宝雲亭に入った。下調べもなく入ったけれど、入り口左の調理場を見て安心した。本家奉天と同様に小麦粉を練って棒状にしたものがオーダーを待っている。本家奉天と比べると小麦粉の棒は細い。
お通し

湯がいた鳥皮の酢の物でビールを飲む。一人前10個は多いかと思ったが、仕方なく2人前を頼んで餃子が来るのを待った。
餃子

普通は焦げ目のついた方が上になるが、この店は違っている。部下が写真を撮るためにひっくり返しましょうかと提案するが、それを制した。ありのままが一番いい。
皮は非常に薄い。本家奉天より小麦粉の棒が細い理由が分かった。玉ねぎとにらを使い、にんにくを入れないというので、結構軽い。一人前が10個というのも頷ける。
東京に戻って調べてみると、宝雲亭が博多ひとくち餃子発祥の店とある。創業は昭和24年というから50年以上の歴史を有する老舗ということになる。
目と鼻の先にある2店は、共にオーダーを受けてから皮を麺棒で伸ばし、具を包んで焼く。しかし、皮の厚さ、具の内容などはまったく別物だ。好みは分かれるかもしれないが、腹具合や翌日の予定に合わせて選ぶのもいい。
東京でも玉川高島屋などで買えるようだが、中洲で作りたてを食べた方が美味いに決まっている。
宝雲亭
福岡県福岡市博多区中洲2-4-20
092-281-7452
http://www.houuntei.co.jp/
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2007年07月13日
[鹿六](博多)
頼んだ料理はちゃんと食べよう

「中洲の多門通り」とタクシーに言えばすぐに分かると言われたが、老境に入った運転手さんは知らなかった。降ろされたところで迷って店に電話をしたら、走って迎えに来てくれた。通りといってもタクシーが入ることが出来ない路地だから、中洲で遊んだ人でなければ分からないだろう。タクシーに憤る気持ちはすぐに消えた。
居酒屋というより割烹に近いが、カウンターには大皿料理が並ぶので小料理屋風でもある。気楽な接待なら充分使えそうだ。
お通し、お造り

お通しはシャコのにこごりを被せた卵豆腐。お通しもちゃんとした仕事をしている。刺身はお奨めのあらとひらす(平政)。あらの内臓が珍しくて良かった。
まじゃくの唐揚げ、まじゃくの塩辛

有明名産のまじゃく。海老に似てなくもないが、姿は醜い。恥ずかしいのか泥の中で生活し、穴に棒を突っ込まれるとハサミで撃退しようとして引き上げられてしまう。唐揚げは香ばしくて悪くないが、塩辛はホヤに似て癖がある。好きな人には堪らない酒の肴だろう。
いわしの糠どこ焼き、いわしの甘露煮

糠の臭みを好むかどうか、これも好き嫌いが分かれそうだ。甘露煮は万人好みの安心な味。
ここまでで、銀髪の興味のある料理はなくなった。客や部下に任せたら、きゅうりの漬物、ポテトサラダ、さつま揚げ、車えびの塩焼き、ゴーヤ炒め、きんき塩焼き、葉わさび、ほうれん草のおひたし2種、角煮など頼む、頼む。

お腹が空いているならどんどん頼んでくださいと言ったけれどと、行儀の悪い食べ方にはムッときた。キンキの頭も残さず食べろとまでは言わないが、一番美味しい首周りの身をたくさん残してサッサと店員に片付けさせるのを見て腹が立った。せめて「お腹が一杯になってしまったので、残してすいません」とでも言ってくれれば銀髪だけでなく、料理人を傷つけることもなかっただろう。
ご飯、味噌汁

料理を残しながらも、ご飯は食べたいようだ。じゃこめしとグリーンピースのご飯を追加する。博多ネギで覆われたしじみの味噌汁が美味だった。
勘定をしながら料理人に食べ残しがあったことを謝った。笑顔で会釈を返すのを見て、料理人と心が通ったように感じた。
小味処 鹿六
福岡県福岡市博多区中洲3-4-2
03-271-5857
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2007年06月30日
[稚加栄]2(福岡)
博多で一番人気のランチ

稚加栄は博多でもっとも有名な料亭の一つである。空港やデパートの販売店で明太子などを買った人も多いだろう。これまで何度か夜の接待で利用したが、ランチに来るのは初めてだ。稚加栄の限定500食のランチは地元では有名で人気が高い。
博多に来たら日付が替わるまで飲む。飲んだ後は餃子でビールか、博多ラーメンで締める。朝は意地汚くホテルのバイキングをたくさん食べる。いつも同じ道を辿るので、稚加栄のランチにありつくことはなく、博多うどんで軽く済ませることが多かった。今回は客と行くということで、前夜早めに帰り朝は軽く済ませた。
ランチは和定食と特製手打蕎麦定食の2種類。全員が和定食を選んだ。茶碗蒸し、野菜の煮物、刺身、いわしめんたい、天ぷら、渡り蟹の味噌汁、ごはん、漬物がお盆の上に所狭しと並ぶ。
大きな生簀から魚を網ですくい、数人の板前が並んで魚をさばいているのが遠くに見える。目の前に来た立派な刺身を見たらもう辛抱堪らない。客と目が合い、どちらからともなく声をかけた。「ビールでも飲みますか?」
味噌汁の中の渡り蟹にはしっかり身がついているのでしゃぶりついた。蟹のだしが効いた汁はビールのあてにもなる。

熱々の茶碗蒸しには鶏肉とぎんなん。定食でよくある具のない茶碗蒸しではなかった。
宴会の料理同様に、天ぷらは冷めているかと思ったら温かかった。
いわしめんたいはお土産屋でも売っている人気商品。ビールがもっと美味くなる。

立派なおかずとビールでお腹が膨らんだが、チューブ入りの明太子が気になって仕方がない。

ご飯にかけて一口、二口。もう一度かけて、三口、四口。
これで1,200円だから行列が出来るのも無理はない。夜の稚加栄は敷居が高いと言う人も楽しめる値段だ。しかし、これで満足してもらってはお店も困る。夜を知らずして満足するなかれ。東京に比べれば夜の値段も驚きの稚加栄である。
博多はいいなー。
稚加栄
福岡県福岡市中央区大名2-2-17
092-721-4624
http://www.chikae.co.jp/
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2007年06月29日
[鮨隆](福岡)
博多駅前でいい店見つけた!

何度も福岡に来ているが、博多駅前ではラーメン屋以外は入ったことがない。客の希望を聞くべきだろうが、「寿司屋に行きたい!」と自己主張する銀髪。連れて行かれたのが博多駅筑紫口から歩いて数分、外から見える生簀が気になっていた店だった。店に入るともちろんカウンター席に。野郎同士で向かい合っての食事は辛い。美味い料理を前にして仕事の話なんかしたくない。
いかの活き造り

地元の物を中心にお任せしたら、最初に出てきたのは佐賀県唐津・呼子のいか。博多で生簀を持つ料理屋の定番だが、他にも食べたいものがあるので、少し小さめのいかを頼んだ。
刺身盛合わせ

海老、玄海の鯛、大分の関さばに加えて鮪が出てきた。そこで意地悪な質問。「インド鮪?」「本鮪です」「国内産?メジ鮪?」「いえ、大西洋産です」。
先日、築地市場内で仲卸に教えてもらったばかり。今の時期、国内産で大物の本鮪は殆ど取れない。上物は大西洋産で築地に空輸されて来るとのこと。期待した答えが返ってきて店に対する信頼感が増した。
穴子の刺身

店主イチオシは穴子の刺身。立派なサイズの対馬産活き穴子を生簀から取り出して見せてくれる。穴子の頭を高くかざして首に包丁を入れる。さばいた穴子は身の表面を軽く炙って刺身にする。炙った皮を添えて我々の目の前に出てきた見事な穴子。ポン酢を奨められたが塩をつけて口に運ぶ。肉厚の穴子の美味いこと、美味いこと。広島「水軍の宴」の穴子塩焼きを抜き去ってトップに躍り出た。穴子はこれから旬を迎える。
あげ巻き貝、あじ、しまあじ

地元のお客様が絶対食べろと頑張った貝とあじ。しまあじは店主の推奨。あじの脂が光り輝き、さすが脱帽の美味さだ。
赤貝、とり貝、ゲソ焼き

九州産の貝を2種類。ゲソは最初に出た刺身の残り。焼き加減が絶妙で、ネットリして味が深い。やはり魚も肉も焼くとさらに美味しくなる。
穴子、雲丹、佐賀牛

雲丹はアカウニ。バフンウニとムラサキウニしか知らなかったが、アカウニは主に九州西岸で獲れる。高級寿司ネタとして人気があるというので、銀髪は海苔を巻かずに食べた。一度殻から直接食べてみたいものだ。
佐賀牛霜降りの寿司でお開きにした。
店に入ったときはアシスタントかと思った若者が、実は二代目店主の二田さん。笑顔が凛々しい若干28歳の料理人で、包丁さばきもあざやかだ。笑顔でお見送りしてくれたのが若奥さん。夫婦でやっている店はいい店が多いが、鮨隆も例外ではなかった。
引退して若い息子夫婦に任せてしまった先代は、怠け者なのか人格者か。多分後者だろう。30年の歴史がある店を任されて、若夫婦が成長しないわけがない。
ご満悦の銀髪以上に喜んでくれたのはお客様。紹介した手前、銀髪がどう反応するか心配していたようだ。3人で酒もそこそこ飲んで合計26,000円。店主夫婦、店員、お客様、銀髪、部下、みんなニコニコ、最後はお財布もニコニコだった。
鮨隆本店
福岡県福岡市博多区博多駅東1-12-26
092-431-6046
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2007年04月26日
[やま田](福岡)
五島列島料理とは

五島牛やうどんがよく知られているが、最大の売り物はもちろん鮮魚である。福岡を担当する部下が絶賛する店に行った。
お通し、あおさの天ぷら

お通しは飯だこ。最近よく口にする旬の食べ物だ。銀座「天川」は絶品だった。
荒木町「四万十」の海苔の天ぷらも秀逸だったが、やま田のものも美味い。この日一番の収穫だった。
鯨盛り合わせ

「長崎産鯨」の文字に目を疑った。鯨と称して出す店もあるのでイルカだろうと聞いたらミンクだという。調査捕鯨以外では獲れないなずだが、混獲で網に入ったものかもしれない。店員が自信を持って長崎産のミンクと言うので頼むことにした。
出てきた皿を見たらますます納得できなできなくなってしまった。
揚げ巻貝、鯨竜田揚げ、里芋団子

鯨を敬遠する他の人たちも貝のバター焼き、ミンク鯨(?)の竜田揚げ、里芋団子の揚げ出しには満足気だ。
五島牛のステーキ

伝説の和牛の血を引く五島牛は高級品だ。味見だけすることにしてロースステーキ110グラムを頼んだ。これで3,800円。いい肉だとは思うけど、鈍感な銀髪に味の違いは分からない。高級牛の霜降りステーキはやはり脂っこくて辛い。齢とったー
五島鯖しゃぶしゃぶ

腹を満たすのはお目当ての鯖のしゃぶしゃぶ鍋。さっと湯がいてたべたら、生臭さが鼻についた。濃い味のだし汁でも生臭さは消えない。少し長めに火を通したら食べやすくなった。
皿を鍋の近くに置いてあるせいか、室温でもさばの脂が溶け出すのが分かる。生のまま柚子胡椒をつけて食べてみた。これが一番美味い。博多で鯖を食べるなら生食に勝るものはない。五島の脂の乗った鯖や鯵を食べて高級魚「クエ」が美味に育つ。
鯖や野菜の味が溶け込んだ鍋に入れたそうめんは苦もなく腹に収まる。美味い!
苦しい腹をさすりながら店を出ると、店長がお見送りをしてくれた。そこですかさず質問した。「鯨は本当に長崎で獲れたの?」答えは簡単だった。「北欧から長崎の業者が輸入したものです」
それは長崎産とは言えないよ!
五島旬鮮工房 やま田
福岡県中央区春吉3-11-19 ジャスマックビル1F
092-738-0512
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2007年04月19日
[久米](博多)