2008年11月21日
[北のおやじ](福井駅)
回転寿司でも蟹が食べられる

福井に到着したのは夜10時過ぎで、ただ寝るだけだった。翌日昼過ぎには富山に向かう。越前カニを食べるチャンスは昼飯しかない。駅ビルを歩いていたら蟹専門店を見つけた。店に入ると若い女性が寄って来る。「駅の中で蟹を食べられるところはない?」と聞いた。
「それなら、回転寿司がいいですよ。蟹の絵が出てましたから」と嫌な顔一つしないで親切に教えてくれる。ついでに店に並ぶ蟹の説明を聞いていたら、買うつもりはなかったのに、結局買ってしまった。たちまち財布が軽くなった。
回転すし屋の入り口に生簀があり、蟹がたくさん入っていた。「この蟹を食べられるの?」と聞いたら、「はい、買ってきます」と言う。部下と二人で???と怪訝な顔をする。カウンターに座って待っていると、店の前の魚屋から買ってきた茹でかにが出てきた。

越前ガニ(オス)ではないが、雌のセイコ蟹を一杯ずつ食べた。外子、内子、ミソが美味い。もちろんビールを頼んで、思いがけない立派な昼食になった。因みに蟹は一杯1,000円。大型のオスに比べると小さいが、安くて卵も食べられるので地元の人はセイコを好む。
「ブリも食べてくださいね」蟹屋の女性のことばを思い出した。トロぶりと書いてあったが、まだ脂の乗りは薄い。これから寒くなればさらに美味しくなるだろう。
ブリ、焼き鯖

福井名物の焼き鯖。ノルウェー産だろうか。日本への輸出のお陰でノルウェーの漁師が潤っていると先日テレビで紹介していた。身の厚さとお値段からして国産とは思えない。
中トロ、穴子、いくらと部下が回転台から取るのを見ていた。ビールを飲まない彼は、銀髪に遠慮する気なんかまったくなさそうだ。子供のように目が輝いている。
食べ終わって再び蟹屋に行った。さっきの女性に「美味しかったよ、ありがとう」と声をかけた。「ブリも食べましたか?」と言うので「もちろん」と微笑んだ。彼女は銀髪よりさらに大きな笑みを返してくれた。
北陸漁港 北のおやじ
福井県福井市中央1-1-25 JR福井駅構内プリズム福井内
0776-28-5550
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2008年10月25日
[ヨコイ](名古屋)
ようやく行った元祖あんかけスパゲッティ

「このまま東京に帰っていいですか?」午前中のミーティングを終えたところで部下に宣告された。気の弱い銀髪はノーとは言えない。それでも「一人で帰れるもん」と突っ張って名古屋に一人残った。思案の末に名古屋名物あんかけスパゲッティのヨコイに行くことにした。
今まで何度か食べたことがあるあんかけスパゲッティだが、元祖と言われるヨコイは初めて。ヒルトンホテルのロビーでPCを開き場所を調べたら何のことはない、定宿の国際ホテルのすぐ近くにある。もっと早く来ればよかったと後悔した。
12時過ぎたら一杯になるだろうと思ってヒルトンから必死で歩いた。首尾よく5分前に到着したものの、既に満席で徒労だったと知る。しかし、回転がいいので直ぐに座れた。「ミラカンと海老かつ」と入り口のボードを思い出しておばちゃんにオーダーした。
活気がある店だ。メニューを見る客は殆どいない。水を出す、注文を聞く、サラダを置く、おばちゃんたちの動きは軽快だ。カウンターの向こうの料理人も動きに無駄がない。50人以上も客が居るのに、料理が運ばれてくるまでそれほど長くかからなかった。

一口食べてさすが元祖、満席の理由が分かった。名古屋駅前で食べたものより数段美味い。とろみがついたソースは跳ねやすいので慎重に食べた。隣の客は紙のエプロンをして、さらにおばさんにスプーンを求めて念には念を入れる周到さ。銀髪もおばさんに声をかけようかと思ったが、面倒なので行儀のいい男たちを嘲るだけにした。いわば負け惜しみだ。
ミラカンとはミラネーズ(ベーコン、ハム、ウインナー、マッシュルーム入り)とカントリー(ピーマン、オニオン、マッシュルーム、トマト入り)を合わせたもので、もっとも代表的な料理である。海老かつは予想と違った形だったが、とても美味しかった。ブヨブヨに茹でられたスパゲッティは、思ったほど絡まらず弾力もなかったのでソースが跳ねてワイシャツを汚すこともなかった。見たか!エプロンもスプーンも入らないんだよ!
客は次々に入ってくる。店を出て、階段を下りたところで立て看板をパチリ。階段を上ろうとする3人連れのおじさんたちが不思議そうに見ている。そう言えば若い女性客が意外と少なかった。たまたまだったのかもしれないが、相席が当たり前の店は女性には辛いだろう。
銀髪は満足した。一人でも寂しくない。銀髪を見捨てて東京に戻った部下にヨコイのことを教えてあげよう。我ながらなんて優しい上司なんだろう。
ヨコイ
愛知県名古屋市中区栄3-10-11 サントウビル2F
052-241-5571
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2008年10月24日
[あつた 蓬莱軒]②(名古屋)
個室で会席料理&誕生会

「誕生パーティーをやるから来てよ」と言われてノコノコ名古屋まで行くことになった。場所は元祖ひつまぶしで有名な熱田神宮そばの蓬莱軒。昼間に来たことはあるが夜は初めて。もちろん個室で会席料理も初めてだった。
みんなが揃ったところで「あのー、私も先週誕生日だったんですが…」と銀髪が言うと、「あー、それならついでにおめでとう」と乾杯された。嬉しいような悲しいような。

小鉢がいくつか続いた後に伊勢海老と鮪のお造りがデーんとお出まし。伊勢海老は一人一匹ずつの豪華版。捌く前に4匹を皿に盛って見せてくれたが、部屋を出たところで飛び跳ねて仲居さんたちが大慌てで取り押さえるハプニングとなり大笑い。触角を折ってしまった一番元気な伊勢海老は主役の腹に納まった。

飲んだお酒は熱田神宮に奉納する草薙。老舗料理屋は日本酒に無頓着な店が多いが、蓬莱軒のこだわりは御奉納酒ということらしい。有難くももったいないが、上質な酒とは言い難い。嬉しいような悲しいような。

予想に反してうなぎ以外の料理もしっかりしたものを出す。それでも蓬莱軒に来たのだからうなぎを食べたい。店も心得たもので、肝焼き、う巻き、白焼きを他の料理の間に挟む。

最後にひつまぶしと行きたいところだが、コースの最後は一人ずつ出て来る会席まぶし。量を抑えても定番の3種類の食べ方をするために薬味やだし汁を用意してくれる。腹具合を考えればちょうどいい量だが、何だか嬉しいような悲しいような。どうせならひつまぶし由来のように大きなお櫃に持って来てくれたら盛り上がっただろう。分け合って、取り合って、食べる方が楽しい。

場を盛り上げてくれたのは部下がトイレで見つけた妙な貼紙。クリスマスの逆だからスマスリク?何のこっちゃ。いくら推理しても適当な答えが見つからない。仲居さんに聞いたら12月25日は石川五右衛門の命日で、逆さに貼っておくと泥棒除けになると言う。「キリスト様は五右衛門の生き還りでは?」なんて馬鹿なことを言う奴が居る。時代錯誤するほど飲ませてしまったのかもしれない。
イヤー、楽しかった。ついでに誕生日を祝ってもらえたし。良かった良かった。料理も美味しかった。しかし、やっぱり蓬莱軒ではうなぎを食べたい。特に肝焼きはもっと食べたい。おっきなひつまぶしを食べたい。
餅は餅屋、うなぎ屋はうなぎが主役。他の料理はうなぎの脇役に徹して出しゃばる必要はない。
あつた 蓬莱軒
愛知県名古屋市熱田区神戸町503
052-671-8686
http://www.houraiken.com/
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2008年09月13日
名古屋フラワーホテルのあんかけスパゲッティ
新幹線を降りてすぐ食べられるあんかけスパゲッティ屋さん

名古屋駅近くで昼飯を食べることになった。何にするか迷っていたら、部下があんかけスパゲティの店があると言う。久し振りだったのですぐに提案を受け容れた。
新幹線口、いつもタクシーを降りるところ、そこにあるビジネスホテル・名古屋フラワーホテルの1階の喫茶・レストランに入った。
長め(ブヨブヨ?)に茹でた太いスパゲティを炒め、あんの上に乗せる。あんかけと言いながら、あんをスパゲティにかけるわけではない。あんは胡椒辛いトマトベース、片栗粉でとろみをつけてある。初めて食べたときは実に珍妙な食べ物と思うが、意外なことに気に入ってしまう人が多い。

フラワーのあんかけスパゲティは「まー、こんなもんだろうー」と言う程度のもので、地元に人には不満が残るかもしれない。定番の赤いウインナーが乗る銀髪の食べた皿は、それなりに食べられるが、部下が食べた鰹節が乗ったものは美味しそうではなかった。

きしめんであればおかかはつきものである。旅行者はきしめんからの連想で、麺におかかが名古屋の定番と思うかもしれない。これを食べてあんかけスパゲティを不味いと思ったら悲劇である。
名古屋駅周辺であんかけスパゲティを食べられる店はフラワー以外にもあるようだ。名古屋名駅のチャオ、名駅南名鉄レジャック3階のあんかけ亭、カレーのココ壱番館系列のPASTA DE COCOなど。いつか栄にある元祖ヨコイに行かなければならない。
名古屋だけでなく、愛知県各地であんかけスパゲティの店がある。PASTA DE COCOは東京西新橋にもあるが、カレー屋ほど全国展開は進まない。
愛知県に行かなければ食べられない方が、名物としては価値があるのかもしれない。
フラワー
愛知県名古屋市中村区椿町15-4
052-451-2222
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2008年09月12日
[ざぶん](名古屋)
居酒屋で名古屋ちっくフーズ

「銀髪さんが来るのに居酒屋じゃ可哀想だなー」という声も上がったらしいが、結局居酒屋になった。名古屋での宴会はいつも5時半にはスタートする。錦界隈のよさそうな店は6時開店が多いので選択肢は限られてしまう。
だし巻き卵、オニオンスライス、冷奴、ゲソ揚げ

早い時間なので次々に料理はやってくる。きれいな落ち着いた雰囲気の店内も、テーブルに料理が並べばたちまち居酒屋っぽくなってくる。
姿造り入り舟盛

7種盛り1980円にウニを加えてもらった。舟盛は豪華に見えるので割安感がある。もっとも鮪の赤身はいかにも大衆居酒屋の色合いをしている。
どて煮、味噌かつ

ホテルの地下にあるだけに宿泊客が食べたがる名古屋名物もそれなりにある。地元の人にオーダーを任せると、自然に名古屋ちっくな料理も選ばれる。銀髪を気遣って頼んでくれたのかと感激するが、ただ自分たちが食べたいだけらしい。どて煮を一口、味噌かつを一串食べさせてもらった。
トンペイ焼き、毛蟹

地元の人はお好み焼きとオーダーしていたが、実際は広島名物のトンペイ焼き(薄切り豚肉入り玉子焼き)である。これが一番評判が良かった。「どうだ、美味いだろう」と名古屋の人が自慢するのが面白い。
一番人気がなかったのが800円の小さな毛蟹。銀髪はこれが一番気に入った。身はしっかり詰まっているし、ミソも美味。人気がない理由は食べ辛いため。お陰で殆ど独占できてとても満足した。
他にも色々頼んだが、割愛。安くて美味いと言ってもいいかもしれない。もっとも、みんなが気に入っている理由は味より場所。ホテルの地下と言えば誰でも分かるので待ち合わせ場所としては文句ない。最大の利点は2次会の店に近いこと。これを言われたら他の店に行きたいとは言えない。
嘉っとび炉端 ざぶん
愛知県名古屋市中区錦三丁目18-21 東京第一ホテル錦地下
052-950-7889
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2008年09月07日
[よね一](名古屋)
名古屋のうなぎ丼

鰻の蒲焼は江戸発祥の料理であるということはこれまで何回も書いた。東京の深川で養殖が始まり、やがて浜松に移転、現在は鹿児島が日本一の生産県となっている。
蒲焼は江戸から全国に広まり各地で微妙に変化した。背開きして蒸しが入る関東風、腹開きして蒸さない関西風がよく知られているが、名古屋も独自の鰻蒲焼文化をもっているようだ。
「あー、ひつまぶしのことか」と思う人も多いだろう。実際のところ、銀髪も名古屋ではひつまぶしを食べることが多かった。今回、客先で「うなぎを食べたい」と言ったら、御園座の近くにある店に連れて行ってくれた。お世辞にもきれいとは言えない「よね一」は創業以来60年以上の老舗うなぎ屋である。
もちろんひつまぶしがあるが、今日はパスしてうなぎ丼を食べることにした。名古屋でうなぎ丼を食べるのは銀髪グルメ紀行第1回目の「西本」以来、約3年振りである。一番高い2450円の特上はご飯の間にもうなぎ入る中入れ丼だった。

西本との共通点はうなぎが食べやすい大きさに切ってあるところだ。関東風なら蒸してあるので箸で簡単に切れる。名古屋は蒸さない関西風だからかと思ったが、関西でも一口大に切ることはない。たった2軒で名古屋風と言うのは大胆かもしれないが、あながち間違いではないだろう。
名古屋風のうなぎ丼が発展して、ひつまぶしが生まれたのではないだろうか。ごはんと混ぜやすいように、うなぎ丼よりもっと細かく切るのがひつまぶしである。
タレも他の地域に比べれば濃くて甘辛い。最後にあっさりとお茶をかけるのも理にかなっている。
切り刻んで出すのが一般的な中部地区では、通常の丸ごと蒲焼を「長焼き」と称する。ごはん抜きの蒲焼を長焼きと呼ぶようだが、刻んだものが主流なので長焼きの名称が生きる。
紀州備長炭で焼き上げるよね一のうなぎ丼はなかなか美味しかった。新しい発見をしたような気分になり、いっそう美味しく感じた。
よね一
愛知県名古屋市中区栄1丁目5-16
052-231-6924
http://www.yoneichi.com/
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2008年08月29日
[和田金](松阪)
念願の松阪肉すき焼の元祖

「和田金に行ったんだよ」と自慢したい気持ちをグッと抑えながら言っても、「ワーッ!いいなー」と羨ましがる人は居なかった。都内を走る電車に広告を出しているにもかかわらず、明治初期に創業した松阪を代表する老舗料理屋の名を知る人は意外と少ない。
それでも、和田金に来る人の過半は観光客のようだ。吊り広告も決して無駄ではない。道路拡張の影響で取り壊しを余儀なくされた和田金が、近代的なビルの大店に生まれ変わって20年以上になる。旅館を思わせる入り口で靴を脱ぎ、エレベーターに乗る。部屋に入ると一転、古民家の座敷を思わせる雰囲気になる。部屋の真ん中に炭火のテーブルがデンと構える。
さしみ、たたき、タン

次はいつ来れるか分からないので、いろんな部位、料理を食べ比べすることにした。赤身の分厚い刺身、まだ凍ったままのタンよりも、表面を炙ったたたきが一番美味しかった。
他の人たちにタンは溶けるのを待って食べることを奨めた。口の中でとろける美味しさに変わる。
ロースステーキ

和田金で一番高いメニューだけあって、とても美味しい肉だった。柔らかいが脂っこくない。
あみ焼、すき焼

3人なので、あみ焼とすき焼を1.5人前ずつ用意してもらった。あみ焼は醤油だれを塗って照り焼き風に食べる。しかし、何と言っても看板料理のすき焼が美味い。仲居さんのゆきさんが調理してくれるので楽チンだ。割り下を使わない関西風のすき焼きは、たくさんの砂糖をかけるのに驚くが、ご飯によく合う。酒飲み達も、盃を置いて食事に没頭した。
和田金は但馬牛の雌の仔牛を買い、自社の牧場で育て、処女牛として客に出す。この日に食べたものを見る限り、サシが少なく脂っぽくない。和田金が理想とする牛肉の質が分かる。和田金の肉の内臓類がどこに卸されるか、誰もが知りたがるが企業秘密になっている。びっちりサシが入った部位も、どこかに転売されるのかもしれない。
看板のすき焼は8,400円で食べられる。銀座で食べるよりはるかに割安である。炭火を使った昔ながらの調理法を見るのも結構楽しい。仲居さんに学びながら、ときどき仲居さんを茶化しながら食べるのがまたいい。10%の奉仕料も納得できる。
若い女性が大好きな客も、おいしいく食べさせてくれたゆきさんに文句は言えないだろう。和田金で35年のベテランが、いい味を出す老舗だった。
和田金
三重県松阪市中町1878
0598-21-1188
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2008年08月24日
[Zen](軽井沢)
軽井沢も長野、長野と言えば蕎麦

昨日の続きです
軽井沢の民宿(ペンションと言うらしい)は快適だった。6畳くらいの部屋にシングルベッドが4つ入っている。畳の部屋だったらもっと良かったが、洋間でもスキンシップがはかれる広さだ。家族旅行はこうでなければならない。旅行以外で家族が一部屋で寝ることはないのだから。
夕食は宿泊客が全員揃う食堂で6時に始まり、1時間足らずで終った。ダラダラ呑む時間も酒の肴も与えられなかったので、珍しく白いご飯で腹を満たした。朝食は宿泊客全員が8時集合なので、病院並みに食間が長い。もっとも料理は比較にならないほど美味しいと言っても差し支えないだろう。なんたんってペンションなのだ。
部屋に戻りオリンピックを見ながらすぐに眠りに落ちた。家族は久し振りに銀髪のいびきを楽しんだようだ。翌朝早起きして自転車で1時間走った。腹ペコのお陰で朝食がさらに美味しい。何より家族揃っての朝食が良かった。
それから半日は旧軽井沢銀座を歩き、石の教会を見るなど観光らしきものをした。暗くなるまで家族がガラス球のアクセサリーを造っている間、一人車に残り仮眠を取った。夕食後のロングドライブが待っている。
刺身こんにゃく、高原野菜と揚げ蕎麦サラダ、いろいろ葱の春巻

評判の「東間」に行ったら、「完全予約制、蕎麦懐石の店ですから」と断られた。そこで紹介してくれたのが姉妹店のZenである。雰囲気は悪くない。ところがこちらは鍋料理が自慢で懐石料理はないと分かり、家族は失望する。酒なしで懐石料理なんか食べさせられたら堪らないと、運転手の銀髪はホッとする。
妻は自分で蕎麦以外の単品を頼み、懐石に近づけるんだと頑張った。しかし、健闘むなしく揚げ蕎麦は油が浮いていて不味い。文句タラタラである。アルバイトらしき店員たちは、懐石料理屋の仲居さんには遠く及ばず、ファストフード店でアルバイト経験豊富な娘たちが偉そうに批評する。
鴨汁蕎麦、黒ぶた汁蕎麦

もり蕎麦、季節の野菜そば

銀髪はもり蕎麦を頼み、みんなのものを少しずつ味見した。蕎麦は悪くない。蕎麦湯をタップリ飲んで腹八分目で食事を終えた。車の中で家族が寝息を立てても、つられない程度の腹具合だ。
渋滞が少しあったが往路より1時間ほど余計にかかっただけでその日のうちに家に着いた。
シャワーを浴びて、軽いつまみを揃えたのが23時50分。ビールが美味い。飲酒の連続記録は今日もギリギリで途絶えずに済んだ。何はともあれ、メデタシメデタシである。
そばの店 Zen
長野県北佐久郡軽井沢町発地1398-58 72ゴルフ通り
0267-44-6566
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2008年08月03日
氷見うどん (富山空港)
日本三大手延べうどん

トップ3や三大〇〇となんでもかんでも上位3つを作りたがる。
うどんでは讃岐うどんがダントツで文句は出ないところ。他に地名がついた有名うどんには稲庭うどん、水沢うどん、氷見うどん、五島うどん、博多うどんなどがある。きしめん、ひもかわ、ほうとうなどもうどんの一種だから、候補に入れろと言う人も居るだろう。
氷見うどんを三つの中に選ぶためには手延べうどんでくくればいいことを思いついた。麺を竿にかけて引き延ばして適当な太さにする製法のうどんは、上記中の稲庭、氷見、五島の3つだけだから簡単だ。手延べと言えばそうめんを思い浮かべる。JAS規格では手延べうどんは直径1.7mm以上、そうめんが1.3mm未満、その間が冷麦と決められてある。
秋田県の稲庭、富山県氷見、長崎県五島列島と手延うどんの産地が全て日本海側というのも面白い。どこが元祖か分からないが、中国から伝わって北前船で各地に広まったという説に頷きたくなる。氷見のうどんは石川県の輪島から製法が伝えられたそうだが、輪島のうどんは廃れてしまった。

氷見うどんは富山空港にある麺処「とみいち亭」でよく食べる。普通のうどんもあるが、せっかく富山に来たのだからと割増料金を払って氷見うどんを食べることにしている。なぜ高いのか疑問だったが、手間暇かかる手延べであると知って納得した。もちろんブランド料も否定できない。
うどんもそーめんもコシを出すためには国内産だけでは難しいため、外国産小麦価格の高騰でどこも苦しんでいると聞く。ところが日本のうどんの起源を辿ると、遣唐使や弘法大師が中国から伝えたという説が有力。米国や豪州などから小麦が輸入されるずっと前からあった日本のうどんはコシのないうどんだったのだろうか。もともと国内産の小麦粉は麺類加工に適したものであるため「うどん粉」と呼ばれた。メリケン粉とうどん粉は違うものと言われる。いったい、どこで何が狂ったのだろうか。
外国産小麦粉が高騰したので各地の名物うどんが食べられなくなるかもしれないなんて、まったく不思議な国である。
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2008年07月14日
[山忠](豊橋市、二川)
もうすぐ土用、うなぎ、うなぎ、うなぎ

今週末、7月19日から土用入りとなる。7月24日が土用の丑、街がうなぎの煙に覆われる前でも暑気払いにうなぎを食べたいものだ。
浜名湖に近い豊橋市。うなぎを売り物にする店も多い。
関東風、関西風

山忠では日本の中心・豊橋ならではの関東風と関西風の両方を味わえる。関東風は蒸してから焼くので身が柔らかい。関西風の腹開きでは身が串から落ちてしまうので、関東風は背開きにする。
見た感じ山忠はどちらも背開きにしているようで、関西風とは単に蒸さないで焼いただけのものらしい。
白焼き定食

銀髪が頼んだのはもちろん酒の肴にもなる白焼き。蒲焼はみんなから少しずつ貰って味見した。
肝焼き、生しらす

豊橋は峠を越えるとすぐに静岡県。しらす漁の盛んなところが目と鼻の先にある。思わず頼んでしまったが、定食にもちゃんとついていた。教えてくれればいいのに。
肝吸い、小鉢(生しらす)、漬物、デザートが付いて鰻重(松)が2,300円、白焼きが2,500円。浜名湖が目と鼻の先ならではのご機嫌な価格だった。東京だったら倍の値段の定食になってしまうだろう。
関西風、関東風のどちらがいいか、好みが分かれるだろう。酒の肴であれば焼き魚のような関西風が好きだ。ビールにも冷酒にも合う。ご飯に乗せるなら関東風がいい。箸でハラリと捌ける柔らかさなので、ご飯と絡まりあって口の中一杯に広がる。
平賀源内に踊らされなくても、夏はうなぎが美味い。
山忠
愛知県豊橋市中原町字新瓶焼7-2
0532-43-0665
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2008年07月06日
[アクトシティ・ホテルオークラ 山里](浜松)
一流ホテルはうなぎも美味しい

うなぎの産地偽装がマスコミを賑わしている。洋上で捕らえた稚魚を中国、台湾、日本などで養殖するのだから、DNA的には同じ種類のうなぎなのだろう。どこで育てたかは問題ではないと言いたいところだが、禁止薬物が検出されたとなると話は違ってくる。
母がお中元に鰻を送ろうとしたら、先方から断られたと聞いた。土用の丑が近づいているのに鰻業界にとっては大打撃に違いない。
名前を騙られた幡豆郡一色町は昭和58年から浜名湖を抜いて日本一の養殖場になった。画期的な養殖技術を開発した業者の貢献により鹿児島県が県別ではトップだが、地域別では一色町がナンバー1ということである。しかし知名度は今一つでイラついていたら偽装事件で全国に知れ渡った。吉と出るか凶とでるか。
トップの地位を明け渡してかなり経つのに、未だに浜名湖のうなぎのブランドは絶大である。今でも浜名湖が養殖日本一と思っている人が多いだろう。銀髪だって浜松に来たら鰻を食べなければならないような気になる。
地元の人に食事に誘われ、ホテルオークラの山里に行った。大枚払う覚悟をしてくれていたようだが、銀髪が選んだのはうなぎ。うなぎならもっと他で食べた方がいいと、別の高額な定食を奨めてくれるのだが、こちらはうなぎを食べると譲らない。根負けした相手も、一緒にうなぎを食べることになった。

一口食べ、二口食べて、尚もどちらが先にコメントするか駆け引きしている感じだ。銀髪が先に口を開いた。「さすが一流ホテル。思ったより美味いですね」と言えば、うなぎ通も素直に頷いた。ホテルでうなぎなんてと思っていたはずだ。これを美味しいと言ったら、馬鹿にされるのではないかとお互い警戒していた。銀髪の方がちょっと勇気があった。
うなぎ専門店のように活きうなぎを捌いて、蒸してと本格的に調理したのかは調理場が見えないので分からないが、美味しかったのは事実である。しかし、うなぎが浜名湖産か、それ以外の国産か、はたまた外国産かは知る由もない。そもそも、我々には味の違いなど分からない。いや失礼。銀髪には分からない。
浜松で食べたうなぎは美味しかった。それ以上は詮索する必要はあるまい。
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2008年06月20日
[乙女寿司](金沢)
お詫び
昨日、新しいドメインへの移行作業を行いましたが、画像が見られない状態が続きました。さらに、せっかく書き入れていただいたコメントが消えたものがありましたことをお詫び申し上げます。
プロが奨める寿司屋

富山の人気寿司店「難波」の主人は勉強家だ。近隣だけでなく東京にも度々行くという。金沢に行くと言ったら彼が紹介してくれた店が乙女寿司だった。
タクシーの運転手さんには店名を告げるだけでよかった。路地の奥にみすぼらしく佇むように見えたのでちょっと驚いた。店の入り口が見えると安心した。立派な店である。
古い建物の割に店主は若い。祖父の代から続いているのかと聞いたら血縁はないと言う。乙女寿司で長年修行したのかと聞いたらそれも違う。店と店名だけ引き継いで血縁も師弟関係もないとのこと。だとすると、乙女寿司の評判は鶴見店主が一代で築き上げたものということになる。
赤イカ、白バイ貝、マコガレイ

メジ鮪、アジ、万寿貝

地物中心にお任せにした。単純な刺身はわずかで、オリジナリティーが溢れる料理である。
アワビ、のど黒、ゲソ

アワビの肝和えは見た目も美しい。肝は餌によって色が違うらしく、我々が食べたアワビはきれいなグリーンである。
それにしても圧倒的な存在感があるのはやはりのど黒である。脂が乗って実に美味。
魚は目の前の木箱(氷を敷いたネタケース)に収められており、ガラスの冷蔵ケースはない。鶴見さんが蓋を開ける度に中を覗きこんで質問する。
キジ海老という地元の海老、能登うしつで獲れた近海鮪を頼んだ。
アラ、キジ海老、うしつ鮪

最後に椀物と巻物を頼んだ。連れの二人は穴子などを食べているが、愛知産には興味がない。
あら汁、かんぴょう巻き、かっぱ巻き、ウナギ

店に入った時から気になっていた肉厚の鰻。地物に徹するつもりが禁を破った。寿司の評価は割れた。しゃりの好みなどはよく分からない。
銀髪は創作料理などを充分に堪能した。保守的な人にはちょっと違和感があるかもしれない。10年後、20年後の乙女寿司も見てみたいものだ。
鮨処 乙女寿司
石川県金沢市木倉町4-10
076-231-7447
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2008年05月28日
[難波]②(富山)
久し振りに行った富山最高峰の寿司屋

「〇〇という料理屋知ってる?」と聞くと「知ってますけど、もっといい寿司屋がありますよ」とタクシーの運転手さんが言う。「ちょっと郊外にあるんですけど…」と続けるのを「アー、難波ね」と遮った。
難波から送られてきたメールを思い出した。いい魚を大量に仕入れてしまったので来て欲しい言う。翌日に富山出張するのを見越しているかのようだ。多数の人に送ったメールであることは分かっているが、タクシーの運転手さんに推奨されると、偶然には思えなくなってくる。部下に「難波に行くぞ!」と告げたら、顔がパッと明るくなった。
まぐろ3種

左から水揚げされたばかりの本まぐろの赤身。真ん中が今は壱岐を回遊している160キロの本まぐろの大トロ。水揚げは10日前。右が5日前に水揚げされた小型の氷見産本まぐろ。
獲れてすぐの赤身は死後硬直で身が固く、噛み切るのに苦労するほどだった。熟成されて柔らかくなった大トロ、中トロと比較できたのが面白かった。
あら、新湊さんアカイカ、穴水産のこはだ

新湊産天然車海老、穴水産しゃこ

地元の素材中心に造ってもらった。大きな車海老が印象的。もちろん頭は焼いてくれる。
のどくろ、炙りしめ鯖、漬物

のどくろには部下がうなった。皮を炙ったお陰で脂が程よく溶けて、口の中に広がる。しめ鯖も同様で、魚も肉も軽く火を通した方が美味いことが証明される。
料理はもちろんだが、店主との会話が滅法楽しい。銀髪のうんちくを嫌がらず聞いてくれる。もちろん色んなことを教えてくれる。
酒は勝駒。地元の小さな酒蔵らしいが、純米、吟醸、大吟醸、本醸造と飲み比べた。
マコカレイ、小柱、うに、穴子2種

握りも美味い美味い。3人で食べて酒6合、生ビール2杯、ウーロン茶2杯を飲んで合計41,200円。とても満足した。
難波さん、またメール待っていますよ。
鮨 難波
富山県富山市公文名34-12
076-493-8686
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2008年05月27日
[そおだ](長野)
長野の会席料理は海鮮尽くし

長野は群馬、埼玉、山梨、静岡、愛知、岐阜、富山、新潟の8県に囲まれており、海はない。面積は北海道、岩手、福島に次ぐ第4位だが80%が山岳地帯で耕地は8%強しかない。白菜、レタスや野沢菜などの漬物用野菜の生産が全国1位。全国2位のリンゴやブドウなど果樹栽培も盛んなところであるが、食材が豊かな土地のイメージは湧いてこない。
外の看板には大衆割烹と書いてあるが、そおだはなかなか立派な店だった。座敷に通され席に着くや否や、部下が頼んでいた会席コースの料理が運ばれてきた。


ビールが来る前に4品がテーブルに並べられた。地方ではあっという間にテーブルの上が賑やかになる傾向がある。乾杯をしている間に更にホタルイカ、コノワタの2皿が追加された。
料理が出されるスピードが若干緩和されたものの、2杯目の焼酎が終わった頃には更に3品がテーブルを飾った。ここまですべて他県産の魚介類を使った料理である。大衆割烹と謙遜するには及ばない立派な料理だった。

銀髪に気を遣って部下がコースとは別に信州牛を頼んでいた。リンゴを食べさせて育てるというのが信州牛のウリである。部下を含めて他の人たちは気に入らなかったようだが、噛み応えがある肉も悪くないと思う。もっとも濃い味付けの上にバターを乗せたら、年長者にはくどかったかもしれない。

コゴミ、コシアブラ、モミジガサなどの山菜の天ぷらがメイン料理となった。まさか山菜も魚介類同様他県産ということはないだろう。長野らしい料理に少しホッとした。
地方都市といってもさすがに県庁所在地だけあって立派な料理屋がある。議員や公務員への接待が減ったお陰で料亭を維持することは大変のようだ。
地元の人の話では、そおだは料亭の格としては2番手グループとのこと。若い女性店員たちのサービスは大衆的と言えなくもないが、なかなか美味しい料理で楽しめた。お値段は東京に比べたら割安感があるものの、大衆的とは言えない。
旅行者はカウンターに座り、ゆっくりと地元の素材を使った料理を食べたらいい。魚介類を減らせばグッとお安くなり、大衆割烹と感じることができるだろう。しかも地元の素材を楽しめて一石二鳥になる。
割烹 そおだ
長野県長野市南長野南石堂町1275-11
026-226-3362
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2008年05月10日
[和のリゾートはず](愛知県蒲郡市西浦温泉)
GWの家族サービスは温泉へ

今日、明日はのんびりとゴールデンウイーク(GW)の疲れを癒しているお父さんたちが多いだろう。銀髪のGWは例年妻の実家豊橋に行くことになっている。今回は3日の朝5時に世田谷の自宅を出て、休憩時間を入れて約6時間かけて豊橋に着いた。
高速道路での渋滞情報を聞きながら不思議に思った。確かに東京を出てから渋滞に巻き込まれたが、渋滞中でも時速30~40㎞は出ていた。殆ど車が動かない渋滞と同一視できない。
渋滞は距離ではなく通過時間を重視するべきだと痛感した。テレビのニュースは距離重視である。距離の方が大袈裟に伝えられて、「ざまあみろ!」と視聴者を喜ばせることが出来る。
翌日、家族と義理の父母は豊橋から車で西浦温泉に向かった。銀髪一人、自転車で先に家を出た。途中、ラグーン蒲郡という遊園地・ショッピングモールがある。車なら時間帯によっては1㎞を1時間以上かけてやっと入場できるところを自転車ですり抜ける心地よさ、優越感に浸った

温泉に入って、部屋で食事となった。大食堂では味気ないが、部屋で食べるには追加料金がかかる。どこの旅館でも当たり前になったシステムだが、人手不足、コスト削減の前には致し方ない。
品数を並べるのが旅館の常。食べ切れないかと思ったが、意外としっかり腹に収まった。豊橋から自転車で走ったお陰もあるが、他のみんなも殆ど残さず食べているところを見ると、遅い朝食の後に何も食べなかったのが良かったみたいだ。

一人一匹ついてくる渡り蟹は人気がなかった。剥くのが面倒くさいので、頑張ろうとしない。腹ペコだったら意地でも食い尽くすだろうが、食料難も叫ばれる中、もったいない話である。
老いた両親がどのぐらい喜んでくれたか定かではない。大きくなった二人の娘はいつまでこんな旅行に付き合ってくれるだろうか。来年も全員揃うかどうか、予想するのは難しい。
和のリゾートはづ
愛知県蒲郡市西浦町大山17-1
0533-58-1811
http://www.hazu.co.jp/wahazu
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2008年03月10日
[高山亭](長野)
列車の時間まで駅で一杯

新幹線が通っても、発車時間の間隔はローカル特急電車の頃とあまり変わらない。出発まで30分近くあるが、夕方近くとなれば時間の潰し方に迷うことはない。駅にある店は限られているので、どこに入るか迷いようがない。
そばを食べる時間はないが、軽く酒を飲むには充分である。晩酌セットがお得だが、食べたくない料理もあるので止めにした。
野沢菜

長野で酒の肴ナンバー1は当然のことながら野沢菜。諏訪出身のY氏がこの野沢菜に太鼓判を押したのだから悪くないのだろう。駅ビルにあるからといって馬鹿にしてはいけない。高山亭の本店はなかなか立派な店のようである。
もつ煮込み

居酒屋で必ず頼んでしまう。不思議とハズレがない料理である。どの店でも大量に作って注ぎ足しを繰り返しているに違いない。どうしても家庭では出せない味だ。テーブルにはもちろん八幡屋の唐辛子が置いてある。これをふりかけると間違いなく長野料理だ。
いなご

Y氏が懐かしがっていなごを頼んだ。「ここで作ったの?」と店の女性に尋ねると、残念ながらどこかで買ってきたもの。「中国産じゃないだろうな!」と意地悪を言うと、「国産ですよ! いなごは日本でしか捕れないんでしょう?」と聞き返された。
「昔、イナゴの日というアメリカ映画があったぐらいだから輸入品かもしれないよ」と言うと、店の女性は途端に自信をなくしたようだった。
原題はDay of the Locust、1975年の製作だから銀髪が映画監督か、脚本家になりたいと思っていた頃に見た映画である。内容はすっかり忘れてしまった。
環境破壊や途上国の人口爆発により食糧難が危惧されている。戦中や終戦直後にイナゴで飢えを凌いだ人も多かったという。今度同じような食料難の時代が来たとしても、農薬漬けでイナゴが食べられないかもしれない。ゾッとする話ではある。
高山亭
長野駅(ティリア内)
http://www.timelyhit.ne.jp/kouzantei/
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2008年03月05日
[大助](新潟)
初めて行った新潟は、雪もなくて楽しかった

生まれて初めて新潟駅に降りた。数週間前、バスで魚沼を抜け村上に達するまで豪雪地帯を通ったばかりで、当然のことながら新潟市内も雪で覆われていると思っていた。ところが、日陰にわずかに雪が残る程度で拍子抜けした。
仕事が終り、地元の人たちに連れられて6人で行ったのが大助。創業以来30年以上の間、地元だけでなく県外からも訪れる人が多いとのこと。
お通し、焼きかき

新潟のかきは生食には向かないものもあるそうで、大助でもお奨めはかきの塩焼きだった。味が凝縮されてなかなか美味しい。
あら汁

看板料理の刺し盛りの前に、あら汁が出てきた。いきなり大きな椀物が出てきて度肝を抜かれた。地元の人たちは当たり前のように食べ尽くすが、銀髪は時間をかけて食べることにした。
刺身盛合わせ

大助の自慢料理という刺身の盛合わせ。2人に1人前で充分と店員が言うので、3人前を2盛りに分けてもらった。従って上の写真は1.5人前。バイ貝、ブリ、アジ、甘海老、ヒラメ、ホタテ、タコ、マグロ、サケなど、量も種類も多い。
あら汁が効いたのか、刺身はなかなか減らない。こんな時、熱く焼いた石やちいさなコンロでも出してくれれば、余った刺身を焼いて食べられるといつも思う。
最近では焼酎を飲む人が多いが、さすがに銘酒が多い新潟。全員が酒を飲み、講釈をたれる。銀髪にうんちくを聞かされる人の気持ちが分かる。
栃尾の油揚げ

料理の写真を撮る銀髪を気遣って、油揚げを頼んでくれた。次はもっと美味しい店に連れて行くと威勢がいい。
2次会に誘うと、みんなが遠慮して去って行った。銀髪が新潟に単身赴任している次兄と水入らずで飲む時間を与えてくれたのだ。大助まで迎えにやってきた優しい兄が、新潟の夜を案内してくれた。二人で飲んで、歌った。席につく女の子が入れ替わる度に「俺の弟だ!」と嬉しそうに紹介する。最初は「ウッソー、似てなーい!」、しばらくして「やっぱり似てるー!」とみんなが同じ反応をしてくれる。
単身赴任で雪深い新潟は大変だろうと思っていたが、勘違いだった。街も思ったより大きい。元気な次兄と久し振りに遊んで楽しかった。
大助 駅前本店
新潟県新潟市東大通1-7-28
025-241-1230
http://www.daisuke-group.co.jp
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2008年02月20日
[大善](長野)
善光寺前の十割そばのお店

タクシーに乗り、「善光寺近くの美味しいそば屋に連れて行ってくれ」と言った。運転手さんが最初にあげた名前は以前行ったことがある「元屋」。「別の店を」と頼むと「大丸」と応える。隣から部下が「そこも行ったことがある」と断る。
案内役の資格を失った運転手さんは、看板を頼りに我々を降ろす店を決めた。地元産のそば粉を使った十割そばの店の表示を見て、素直に店に入った。観光客と思われるおばさんたちで店はほぼ満席だった。
ビールを頼もうか迷ったが、0℃の外と店内の温度はほぼ同じ。熱燗を飲むと午後の仕事に差し障りがありそうなので我慢する。芸能人が残していった壁の色紙をみながら、寒さを忘れようとした。
三色そば

普通のそば、そばの実の内側(胚乳)のみを使った更科そば、赤い花そばの三種のそばを食べ比べすることにした。壁に赤いそばの花の写真が掛けてある。真っ赤なそばが来るかと期待したが、そばの実が赤いわけではなかった。むしろ驚いたのは更科そばの純白さ。麺の形状を見るとまるで稲庭うどんのようだ。
お盆に塩が乗っている。何に使うのかと聞くと、そばを塩だけで味わって欲しいと言う。そばを食べる度に、自分はグルメ失格だと思う。美味しいことは分かるが、他の人が言うほどそば粉の香りを感じて感動することができない。
震えながらそばを食べ終えた。タクシーの運転手さんがいい加減に選んだ店だが悪くなかった。信州黒姫山の裾野で栽培された霧下そばを石臼で挽き、自家製粉する。湧水を使い、こだわりのだしに3ヶ月寝かしたかえしを使用したそばつゆだと言う。老舗もいいが、若い店はよく研究しているので老舗の上を行くことがある。
タクシーの運転手さんが、いの一番に名前を上げるそば屋になるように頑張って欲しいものだ。
十割そば 大善
長野県長野市大門町46-1
026-233-5002
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2008年02月08日
[岡寮](新潟県南魚沼)
雪に埋もれた手打ち蕎麦屋

JRなら上越線の五日町駅か六日町駅が最寄り駅。車なら六日町インターから車で10分、東京練馬からなら2時間40分とのことだが、冬の豪雪期に蕎麦を食べに来る物好きはいないと思っていた。ところが開いていたのは我々のためだけではなさそうだ。スキー客や地元の客にも人気なのかもしれない。
蕎麦屋外観

緑豊かな農村地帯に佇む様が店のパンフレットにある。目の前の深い雪を見ていると、夏の風景をイメージするのは難しい。
良質の蕎麦を丁寧に石臼製粉した手打ち蕎麦、こだわりのつゆが自慢のようだ。
つゆ

つゆはかつおだしが効いた江戸風のものと、煮干が中心と思われる田舎風のものと2種類が出てくる。食べ比べができて面白い。
天ぷら

天ぷらは暖かい天つゆでいただく。田舎にしてはと言えば失礼だが、気が利いている。
蕎麦

蕎麦もコシがあってなかなかいい。魚沼近辺であれば越後へぎそばが有名だが、この店は十割そばがウリで、蕎麦本来の味と香りにこだわっているようだ。
そば湯も茹で汁ではなくて、飲むために別途作っているどろりと白濁した濃い汁。せいろ一枚では物足りない連中も、そば湯を何杯もお代わりして満足していた。
そして、何よりいいのが日本酒・八海山。酒蔵は岡寮を紹介してくれた上に、4合瓶3本を差し入れてくれていた。蕎麦屋で日本酒は最高だ。
久し振りに見るつららが下がる景色を堪能して外へ出た。バスに乗り込む前に、男どもは少年に戻って深く積もる雪の前に立ち、ズボンの前のファスナーに手をかけた。
そば屋 岡寮
新潟県南魚沼市岡218-1
025-775-3604
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2008年02月05日
[丸一](富山)
吹雪の富山で入った居酒屋

3時50分、仕事が終わった。飛行機の出発時刻は7時10分。吹雪の中を観光する気分には到底なれない。タクシーに乗り込んでこの時間にやっている店を聞いた。寿司屋はだいたい5時過ぎの開店。居酒屋でやっているところがあると聞いて飛びついた。
タクシーが止まったところは裸のマネキンが入り口に座る怪しげな店の前。タクシーを降りるのを躊躇していると、居酒屋は隣と教えられた。いかにも大衆居酒屋の丸一のドアを開けた。店は11時から23時まで休み時間がない、といってもさすがに他に客はいない。暖房が弱く、足元の寒さに耐えながら飲み始めた。
お通し、氷見の寒ブリ、バイ貝の刺身

分厚く切った寒ブリもコリコリしたバイ貝も頗る美味い。
写真撮影を女将さんに承諾してもらって、お通しの豆にカメラを向けると「恥ずかしい」と笑った。大将も女将さんも人見知りするようで、笑わせるのに苦労した。よそ者の我々を認めてもらったと勝手に解釈して、少し大胆になり立ち上がってカウンターの料理にカメラを向けた。
水だこ、香箱かに(雌)

水だこは足2本だけ見ても巨大だと分かる。雌蟹は禁漁期に入った場所もあるが、富山ではまだ食べることができるそうだ。
おでん、かにめん

厚く切った寒ブリはさすがに美味い。高級なのはそれぐらいで、他は大衆価格で煮物、揚げ物、焼物、おでんと料理の種類も多い。
かにの身を甲羅に詰めてつみれを被せておでん種にした自家製かにめんは面白かった。
さす(かじきまぐろ)の味噌漬け

目の前のガラスケースには地物の魚が並ぶが、お腹一杯になってきたのでさすを最後にした。部下はお茶漬けを食べた。
夫婦2人だけの店かと思ったら、5時前に店員が2人揃った。5時を過ぎた頃3人連れの客が入ってきた。入り口のストーブをみとめて、その近くのカウンターに座った。我々は迂闊なことにそのストーブに気付かず震えていた。
また新たに客が入ってきた。店の電気がすべて点り、常連さんが増え、女将さんの顔も輝いてきた。
大将が刺身を作る手は、我々のときの倍の速さで動いている。
せっかく店が暖かくなってきたのに、ボチボチ引き上げる時間のようだ。外に出ると雪が強風に舞い、タクシーの営業所まで歩く間に手が凍りつくかと思った。ホッとしてタクシーに乗り込むと「飛行機は飛ばないかもしれませんよ!」と脅かされた。
安くて美味しい地物を食べたのだから、多少の苦難は我慢しなければならないと思った。
丸一
富山県富山市総曲輪3-2-11
076-421-7014
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2008年02月03日
[汐美荘](越後村上・瀬波温泉)
温泉宿の一番のご馳走は?

関越道の事故渋滞、大雪と苦難続きの果て、汐美荘に到着したのは7時を過ぎていた。既に日本海は暗闇に沈んでいる。部屋から、そして露天風呂からの夕映えが自慢の宿も、遅く着いた我々を哀れんでいるように思えた。
部屋に案内され荷物を置いて着替えをし、仲居さんにお茶を断りすぐに風呂に向かった。大浴場にちょっと浸かり露天風呂に出た。あまりの寒さに驚き「源泉の湯」に飛び込んだが、ぬるくて別の風呂に走った。震えが収まり「いい湯だ!」と言えるまでしばらくかかった。

腹子(いくら)、鮭味噌 スティックサラダ あぶりサーモン お刺身三種盛り 甘海老 粟島鍋 鮭照り焼き 松葉蟹 海老釜飯 お新香(赤カブ)がお膳に乗っている。
村上名物の鮭を使った料理が多い。スティックサラダに添えられたディップにもほぐした鮭の身が入っている。
茶碗蒸し 鯛兜揚げ 渡り蟹がら汁

お膳に乗った料理がすべてかと思ったら、別に温かい料理3品がやってきた。茶碗蒸しにも鮭が入っていた。やはり温かい料理の方がいい。渡り蟹は貧弱だったがよくだしが出ていて悪くなかった。

意外だったのが海老釜飯。チョロチョロした火で上手に炊き上がるのかと心配だったが、ほんのりおこげもあって一番の出来だった。
宿泊代に朝夕食込み1万7,000円で料理に期待しては申し訳ない。数、量を揃えるのが温泉旅館の宿命。本当の食通なら素泊まりで食事は料亭にでも行く。
源泉からの高温の湯を水を足してうめることもなく、自然に冷まして客を待つ天然温泉こそが最高のご馳走ということだろうか。
一番良かったのは酒蔵見物でもらった酒を持ち込んだのを黙認してくれたこと。滅法美味い絞りたての酒が主役で、料理は脇をしっかり固めてくれた。
朝食のバイキングはビジネスホテルより遥かに良かった。ビールを飲んでゆっくりしたいところだが酒蔵見学の旅がある。早々に荷物をまとめてバスに乗り込んだ。

夕映えの宿 汐美荘
新潟県村上市瀬波温泉2-9-36
0254-53-5858
http://www.shiomiso.co.jp
PS 酒蔵見物ツアーの残りの記事は次週末に掲載します。
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2008年02月02日
大洋盛
新潟県村上市「大洋酒造」に行った。

大洋酒造は新潟県では中位に位置する酒造メーカーだ。戦時下での米不足のため政府の指導により14の酒造業者が1945年に合併、新会社を設立した。その一つは1635年創業で井原西鶴の好色一代女にも記述がある