2008年11月16日

[ランチョン](神保町)

思い出は思い出のままがいい?


12時過ぎに御茶ノ水で仕事を終えた。「ひるめし食って帰ろう」と行き先を告げずに早足で歩く銀髪に、部下は不安顔でついて来た。

高校3年生、17歳のときに御茶ノ水で模擬試験を受けた後に偶然入った店がランチョンだった。定食を頼んだらビールが出てきて驚いた。ランチョンが美味しい生ビールを飲ませることで有名な店とは知らなかった。それ以来、大学に入ってから何度も行った。遅れまいとついて来る部下は銀髪の頭の中は分からない。

2階に上がり、本日のランチを頼んだ。もちろんビールも一緒に。部下が懸念したような変な食べ物は出て来ないが、下戸の彼にとってはランチョンのありがたみは分からない。日本で最高級の生ビールを飲ませる店として名高いといっても猫に小判である。

定食は上出来だったがビールには首を傾げた。泡が山を作りいびつだ。カウンターを見るとビールサーバーのところに泡が半分ほど入ったグラスが並んでいる。オーダーが入ると、ビールを注ぎ足して泡が適当な厚さになるようにしているようだ。

ランチョンは明治42年創業という老舗の洋食店。今の店も店主も銀髪が通った頃から代替わりしている。かつては泡の注ぎ方で味が変わると信じた時期もあったが、オーストラリアに行って考えが変わった。外国では泡が多いと客が怒り出す。線を引いたグラスを使う店も多い。

ハワイのビール

ハワイで頼んだビールもオーストラリアと同様に泡は殆どなかった。そもそも喉を潤すためにがぶ飲みするビールに、微妙な味の差を求める客などいないのだろう。まして、アルコール入り炭酸ソーダ並みのビールが全盛の日本で、泡のきめ細かさや厚さを議論しても意味がないような気がする。泡よりビールそのものの味を議論した方がいい。

それでも、こだわるのが日本人。昔、八重洲に灘コロンビアというランチョンと並ぶ有名店があったが、主人が亡くなり伝説となってしまった。その一番弟子の店(ビアライゼ98)が新橋にあるという。外国人が理解できない繊細さを確認に行きたいもんだ。

もちろん、ランチョンにもチャンスをあげよう。思い出の彼方に葬り去るのは悲しい。


ランチョン
東京都千代田区神田神保町1-6
03-3233-0866
http://www.gourmet.ne.jp/Luncheon/index.shtml

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2008年11月03日

[天國](上野)

西郷さんの横で食べる馬肉


上野で仕事を終えたのが11時半。部下に預けておいた地図を受け取り早足で歩く歩く。会社を出る前に行く店を決めて地図を印刷してきた。公園内に店はあるのだろうかちょっと不安になる。

公園内に建てられた地図の前に立つ。フォークとナイフのレストランマークは小高い山の上にある。「あれじゃないですか?」と部下が指し示す方を見たら、高い木々の向こうに建物が見えた。

公園内で人通りが少ないためか、馬肉専門店だからか分からないが、広い店内に客はおばさんが2人だけ。馬肉入りのコロッケを食べているようだ。我々はもちろんステーキ定食である。

小鉢やデザートは省いて肉をもう少し大きくして欲しかったが1,600円ではこんなものか。味噌汁を吸って「馬肉の匂いがする」と部下はご機嫌である。夜なら酒の肴になってしまうステーキも、昼ならごはんと共に口に入る。焼き具合も丁度良く、銀髪もご機嫌である。

熊本の天國本店は創業1982年らしいが、上野の天國はいつからあるのだろう。東京にある馬肉専門店は小さい店が殆ど。おそらく天國が一番立派な店ではないだろうか。個室が5部屋ありカウンターや椅子席も含めるとかなり大勢が入れる店だ。

霜降りの馬刺しやレバー刺し、馬肉のしゃぶしゃぶや焼肉も美味そうだ。パンフレットの美人女将の写真も気になる。この日は女将の顔を拝むことができなかった。

西郷さんの銅像近くにある店なら黒豚などの鹿児島料理の方が相応しいような気もするが、西南戦争を持ち出すまでもなく西郷さんは熊本とも縁が深い。もっとも西郷さんだから熊本料理とこじつけても意味がない。美味しい馬肉が食べられれば文句はない。女将が写真どおりであればもっと文句はない。今度確かめに行かねば。


天國
東京都台東区上野公園1-59 上野公園内 西郷銅像横
03-3824-3211

熊本 天國 本店
熊本県熊本市二本木2-13-12
096-326-4522


投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年11月02日

[さわらび](半蔵門)

気配りが嬉しい店


「近くに評判のいいイタリアンと蕎麦屋がありますよ」と部下が言う。男二人で行くなら蕎麦屋に決まっている。有名店にしては入り口が小さいだけでなく、中も狭いので驚いた。混み合う昼時なので当然2人席に案内されると思ったら、4人席を勧められて恐縮した。落ち着いた雰囲気の居心地のいい席に通され、「ビール、日本酒」と言いたいところを我慢した。

このところ蕎麦屋に行く機会が多い。頼むのは天婦羅せいろか鴨せいろと決まっている。昔は温かいそばを好んで食べたが、最近は蕎麦湯が飲みたくてせいろにする。さわらびには天麩羅そばがないので自動的に鴨せいろになった。

分厚い鴨肉が美味しい。なんで葱がこんなに合うのだろう。味を楽しみながらも、一つ浮かんだ疑問が解けないで頭が重い。鴨汁が入った器の形状が変わっている。注ぎ口があるように見えるが何のため?

蕎麦を食べ終わったところで店の女性(女将さん?)が一回り小さい器を持って来た。残った汁と蕎麦湯を合わせて飲むためだ。注ぎ口と思ったのは間違いではなかった。これは嬉しかった。鴨汁に蕎麦湯を入れても濃すぎるので、いつも茶碗などを利用する。銀髪の心理を見透かしたかのような気配りである。

天麩羅せいろを頼んだら、天麩羅も冷たいそばつゆで食べさせる店が多い。このところ鴨せいろを立て続けに食べたが、蕎麦湯のための器を出してくれた店は他になかった。主人は一茶庵で修行したそうだが、その影響だろうか。自分で考えたのなら大したものである。

あらためてメニューを見ると、酒の肴も豊富。何よりも純米酒の品揃えがいいのが気に入った。蕎麦湯を美味しく飲ませる気配り、本物の酒を出すこだわり。
これは夜に再訪しないとおさまらない。そんに気分にさせてくれた。ホームページを見ると、意外と若い店主と女将さんの店のようだ。

絶対、夜に行くぞ! きーめたっ!


蕎麦小路 さわらび
東京都千代田区隼町2-10 210半蔵門1F
03-5213-3311
http://www.k3.dion.ne.jp/~warabi/

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年10月28日

[梵](入谷)

普茶で厳かな誕生会


今年も誕生会を開いてくれた。銀髪の都合で遅くなってしまったが、今年も誕生日が7日違いのKと2人合同で祝ってもらった。感謝、感謝である。
店を選ぶ際に「フチャ料理でよろしいですか?」と聞かれ、「何でもいいです」と答えた。お茶会で出される食事らしい。Kに「今日はフチャ料理らしいよ」と言うと「中華ですか?」と勘違いしている。どんな料理かは見るまで謎のままにしておいた。

入谷と言えば鬼子母神が有名だが、梵は鷲神社(おとり様)の近くにある。11月には熊手を買う人で賑わう。あいにくの傘がうっとおしい日だったが、茶室もある古い日本家屋は雨の夜がよく似合って風情がある。
4人部屋の個室に入ると、既に小垪(前菜)が置かれ、横に献立が置いてあった。

ふり仮名を読むと中国語のようでもある。Kの予想は当たらずとも遠からずだ。精進料理に見えるが鮑や雲丹の文字が気になる。店の女性に聞いたら、精進料理と思ったのは正解だった。約3百年前に京都の万福寺を建立した中国・明の隠元禅師が伝えたものらしい。普(あまね)く、衆に茶を供する等の意味がある。店の雰囲気共々厳かで、ハッピーバースデーを歌う気分にはならない。



鮑に似せた麩、雲丹も本物ではない。挽肉団子に見えるものは大豆が原料。スモークチーズではなく豆腐の燻製。次から次に料理が出て来る。献立は月毎に季節の料理が加わるが、半分は定番の料理らしい。それでも若い店の女性が淀みなく料理の説明をするのに感心した。
「いつもは満室になるの?」と聞くと「そうでもありません」と正直だ。大小8室あるが、予約制なので飛び込みで入ってくる客はいない。さすがに酉の市の時は賑わうようだ。


野菜だけでは体が干からびてしまいそうなので、揚げ物も適当に混ざる。精進料理を食べる人も本当は魚や肉、油っぽいものを食べたいはずだ。そのため野菜類を使っても、見た目や食感、味は肉類に似せるのではないかと思った。いやいや、我々のような俗人に食べさせるために工夫しているのだと言われれば返す言葉はない。

毎日は辛いがたまには精進料理もいいものだ。楽しい誕生パーティーが終り、静かな余韻に浸りながら店を出たところで、Kの顔が輝き始めた。「銀髪さん!次の店でシャンパンを飲みましょう!」の明るい声で、一気に俗界に引き戻された。

竜泉 梵
東京都台東区竜泉1-2-11
03-3872-0375
http://www.fuchabon.co.jp

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年09月23日

[甘味 おかめ](有楽町)

大きなおはぎ

半年前、おはぎを買おうと思って近くの「おかめ」に行ったら閉店していた。入り口に麹町に移転したと書いてある。麹町まで買いに行く気はしないので、日本橋高島屋で他社のおはぎを買ってお茶を濁した。

「麹町に移転したんだよね」と部下に話したら「有楽町にありますよ」と言う。そんなはずはないと言い争ったが部下は間違っていなかった。甘党の彼に勝てるはずはない。
秋の彼岸が近づいて、再びおかめのことを思い出した。ネットで有楽町のおかめを検索したらイトシアプラザ1Fと交通会館B1の2箇所にある。どちらに行くか迷った。

交通会館の方は随分と昔からある店のようだ。部下が言った「有楽町の店」かどうか分からないのでイトシアの方も見に行くことにした。結局、イトシア店で買った。店頭に置いてあった名刺を見たら、有楽町店(イトシアプラザ)、交通会館、麹町店の3店の住所が書いてある。このときようやく3店が同じ系列だと分かった。

「大きなおはぎ」の印象が強かったせいか、店頭で見たときは思っていたより小さく見えて拍子抜けした。家に持って帰って開くとやはり大きい。あらためて持ち上げてみるとずっしりと重く感じた。家族に聞くと普通の倍ぐらいあると言う。大きなおはぎを買った甲斐があった。

右のごまおはぎは餡が中に入っているため一回り大きい。餡が少ない分、こちらの方が銀髪には食べやすかった。

昔、母が作ってくれたおはぎはもっと大きかったイメージがあるが、おかめと同じぐらいだったかもしれない。子供だったから巨大に思えたのだろう。ビデオカメラなどなかった時代だから、誰も証明することはできない。
しかし、明確な映像がないだけに、甘く哀愁を帯びた思い出になる。永久に答が出ないので、議論が沸騰するのも楽しい。

子供の頃、物差しでおはぎの大きさを測らなくて本当に良かった。


おかめ
有楽町店
東京都千代田区有楽町2-7-1 イトシアプラザ1F

麹町店
東京都千代田区麹町 フェルテ麹町1-7 1F

交通会館店
東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年09月14日

[鳥つね自然洞](外神田)

とりあえず昼間の親子丼…


秋葉原のヨドバシで携帯電話の新機種を買うことにした。ワンセグなんか要らないがバッテリーがもたなくなってきたので仕方がない。買っても渡してくれるまで1時間以上待たなければならない。待ち時間に行く店としては鳥つねがちょうどいい距離にある。

電気屋の店員がマニュアルどおりに説明するのを我慢しながら聞いた。気持ちは既に親子丼に行っている。幸い12時前に鳥つねに着いた。玉ひでのように並んでいたらえぞ菊で味噌ラーメンになってしまうと心配したが、杞憂に終った。店はほぼ一杯だが待つことはなかった。

特上限定二十食の文字に惹かれて1,600円の特上親子丼を食べた。大丸東京駅店がオープンした時にも、催し物開場に出店していた鳥つねの特上親子丼を食べたことがある。80円高かった出店のものに比べ鶏肉は大振りのように感じる。もっとも、昨年11月のことだから記憶は曖昧である。鳥つねの代名詞である卵かけご飯のような親子丼だったことは間違いない。今日の卵かけご飯は白いごはんがなくなってしまったのに、底に黄色い汁が残った。ごはんが少ないのか、汁や卵が多いのか。ご飯を足して欲しいと言おうかと一瞬思ったが止めにした。

親子丼が出て来るまで、カウンターの中で一心不乱に鳥皮の毛を抜いている女性を見ていた。タオルで皮をこすり、残っている毛をライターで焼く。そしてまたこする。夜の準備をしているのだろう。丁寧な仕事ぶりを見ていると、夜に来なくっちゃと思う。

今度はカウンターに置いてある酒のメニューに目が止まった。いい品揃えだが恐ろしく高い。何かの間違いかと思うが、何度見ても一合の値段である。料理の値段を抑えた分、酒を高くしているのか、料理も酒と同じような値段のつけ方をしているのか、どっちだろう。

夜に来るべきか否か、ハムレットになってしまった。親子丼は美味しかった。1,600円が妥当なのかどうか、銀髪の舌では分からない。

鳥つね自然洞
東京都千代田区外神田5-5-2
03-5818-3566


投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年07月24日

[満寿家]③(神田)

ふぐの名店はうなぎも美味しい


野田岩本店のうなぎは美味しかった。ここで満足しては銀髪の名が廃るなんて偉そうなことは言えないが、どうしても食べたかった店の名が浮かんできた。ふぐの名店、神田の「満寿家」である。
元横綱北の富士さんに紹介されて訪れ、感動した満寿家は昼にはうなぎを出す。あれだけのふぐを食べさせてくれる店のうなぎである。不味い訳がない。

11時半に店に入った。客はまだまばら。カウンターの中に女将さんが居ないのでちょっと失望した。若い店員がメニューを見せてくれる。値段の差はうなぎの大きさ、量の差。腹具合と相談して2,600円の鰻重にした。日本橋から歩いてきて火照った体を冷ますためビールを頼んだら、茹でたてのそら豆が出て来た。昼も手抜きはない。

ビールを半分ほど飲んだところで調理場の方に立つ女将さんを見つけた。お新香を出す準備をしているらしい。目が合ったので手を振った。滅茶苦茶うれしい。少し間を置いてお新香と肝吸いを持ってきてくれた。女将さんの笑顔とこちらの笑顔がぶつかり合う。冗談が飛び交う。他の客も楽し気に見ている。

質問を繰り出して女将さんを引き止めようとするが、仕事を忘れていない。調理場と客の間を忙しく往復する。いつの間にか席は一杯に。我々を含む第一陣の客たちにうな重が行き渡った。

お重に重なり合うように蒲焼が乗っている。肉厚で何と美味しいこと。もちろん養殖物だが、仕入れる産地は決まってなく、そのときに一番いい物を選ぶと言う。「日本橋のどのうなぎ専門店よりも美味しいよ」と言ったら、女将は自信満々の笑顔を返す。「美味しくなかったらどうしようかと思っていたよ」と告げるとまた笑う。本当に楽しい。

夜の満寿家は、ふぐのない夏場は鱧が主役となる。はも焼き、はもしゃぶなど美味そうだ。カレイ類の最高級魚ホシガレイもあると言う。ふぐがなくても夜はやはり高級店だ。それに比べて昼のうなぎは日本橋の専門店よりも割安に感じた。女将の笑顔は夜と変わらず無料。

神田の満寿家に行くべし。


満寿家
東京都中央区神田鍛冶町3-3
03-3256-8897

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年07月20日

[双葉](上野)

上野とんかつ御三家をようやく制覇


制覇と言うには大袈裟すぎるが、蓬莱屋に行ったのが2005年12月、ぽん多本家が昨年の8月だから遂に達成した気持ちになるのも理解してもらえるだろう。何故そんなに時間がかかったかと問われたら、怠慢以外の言葉は浮かばないけれど…

蓬莱屋は大正元年、ぽん多本家は明治38年に創業、それに比べて双葉は昭和43年と比較的新しい。もっとも外観も店内も双葉が一番年季の入っているように見える。おそらく創業時のままなのは双葉だけだろう。周辺を含めて地方都市の定食屋の雰囲気が漂う。

並ぶのを覚悟して来たが、意外とあっさり入れた。メニューを見ていると隣席から「ヒレカツはないんですか?」と尋ねる声が聞こえた。メニューは至ってシンプル。ロースカツ定食一種類しかない。隣席の言葉に救われた。いかにも常連風に軽く一言でオーダーした。

一人で来た客には新聞を渡している。その気遣いはぽん多と変わらないが、ぽん多ほど料理が来るまで時間はかからなかった。分厚い肉に薄い衣。御三家に共通する昔ながらのトンカツである。最近は生パン粉を使った厚い衣の店が人気だが、個人的には薄い衣の方が好きだ。この方が肉の味が分かっていい。衣の役目は豚肉の旨みを引き立たせることにある。
脂身を削ぎ落としているので、ヒレと言われても納得してしまうかもしれない。ヒレカツを欲した隣席の客もきっと満足したに違いない。

テーブルに立つプラスチックケースに入ったメニューを再度見て部下の目の色が変わった。最初に見たときでも高いと思ったらしいが、「結構いい値段だよな」と銀髪に言われて棒を一つ見逃していたことにやっと気が付いた。最終的にはトンカツを食べて二九四〇円に納得しただろう。

店を出たら外に「只今満席です」の札が立っていた。確かに空きテーブルはなかったが、4人席に2人、2人席に1人が殆どで詰め込むことが出来ない訳ではない。店内で待たせることはもちろん、外に列を作らせることも善しとしないようだ。

わざわざ来た客を拒絶するような姿勢を批判する人が居るかもしれないが、高いトンカツ代には居心地も含まれると考えているに違いない。待たせる苦痛を客に与えないのも受け入れる側の分別だろう。

上野3傑はそれぞれ特徴があって面白い。選定者に拍手を送りたい。


双葉
東京都台東区上野2-8-11
03-3831-6483

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年06月18日

[母家](池袋)

池袋のイチオシ焼き鳥屋さん


池袋は男と外国人の多い街。銀髪の勝手な思い込みではあるが、渋谷、青山、麻布、代官山、などと比べると圧倒的に若い女性が少ないような気がする。従って、グルメ本が推奨する洒落たレストランが殆どない。

実際、これまべ銀髪が行った店もタイ料理、メキシコ料理、居酒屋など。そして、今回は焼き鳥屋となった。東口を出て明治通りを新宿寄りに5分ほど歩く。飲食店がまばらになった辺りに雰囲気のある店構えを見つけた。予約なしだが、運良く入れた。込み合うかも知れないのに我々2人を4人テーブルに案内する太っ腹。これですっかり気に入った。最初の対応が料理の評価と一致することが多い。

枝豆、自家製ところてん

鳥が焼きあがる前に食べた壱岐産天草を使った自家製ところてん。しっかり歯応えのある立派なところてんだった。

レバー、背肝

お奨めは?の問いにいの一番に名前があがったのがレバー。レアに焼かれて文句なし。胸骨の後ろあたりの肉という背肝もいい。ますますこの店が気に入った。

キャベツ、馬刺し

口直しにサービスのキャベツ。焼き鳥屋なのに何故か馬刺しも美味い。

さつま峰地鶏の串焼き、矢元(ヤゲン)

首肉、鳥ムネ肉(胡麻味噌ダレ)

母屋限定酒、刈穂母家純米酒を飲んで盛り上がると酒の肴が足りない。鹿児島峰遊鶏場産の地鶏のタタキを食べる。ささみ、むね、ももの3種類の味比べが出来る。

さつま峰地鶏のタタキ

運良く入れたので「今日は空いてるの?」と聞いたら「いつもこんなもんですよ」と言っていたが、謙遜なのはすぐに分かった。程なく一杯になった。

もう一度背肝を頼もうかと思ったが、お開きにすることにした。食べる速度が鈍った我々がいつまでも4人用のテーブルを占拠していては申し訳ない。3回転目に入るテーブルもある。

期待通りのいい焼き鳥屋だった。店主がソムリエの資格を持つだけに酒もいい。人気店といっても偉そうではないし、ぎゅうぎゅう詰めにされることもない。池袋一の評判に大きく頷いた。


母屋
東京都豊島区南池袋1-12-6
03-5950-0377

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年06月05日

[業平屋]③(両国)

蕎麦屋で日本酒を


旧店舗の改築に合わせて向かい側の仮店舗へ。新店舗完成により元の場所に戻る。仮店舗は息子夫婦のイタリアンに衣替え。業平屋の過去数年は大きな変革期だった。
今日は久し振りの業平屋だ。子供を背負った長男が店に入ってきて大将夫婦に初孫が出来たのを初めて知った。変革期をうまく乗り切ったようで喜ばしい。

「いい酒が入ってますよ!」店が変わっても大将の台詞はいつも同じだ。大将は飲めないくせに日本酒にこだわりがある。
連れのIさんは〆張鶴の限定生酒を注いでもらう。銀髪には「善知鳥」を持って来た。

「栓が開いてる奴から片付けてあげるよ!」と言ったが、大将は譲らない。「田酒の限定品ですから飲んでください、どうせすぐに開けるんですから」と言われれば拒む理由はない。

田酒は明治11年(1877年)創業の青森唯一の酒蔵・西田酒造が生んだ純米の銘酒だ。生産量が少なかく手に入りにくかったこともあり超人気の酒になった。
善知鳥は5月下旬に地元中心に限定発売されたもので、東京で置いている店は少ない。青森県で開発された酒米「華想い(青系140号)」を使った大吟醸で、青森に数々の伝承がある善知鳥(うとう)の名を冠する。華想いは田酒の百四拾にも使われている。こちらは純米大吟醸である。

今日の肴はくらげと野菜の和え物、宮崎県産のふぐ一夜干しなどなど。業平屋ではメニューにないものでも女将さんに頼めば美味しい家庭料理を食べることができる。もっとも、銀髪には蕎麦味噌があればいい。

いつもは我々に付きっ切りの大将だが、今日は一人客に日本酒の講釈をたれるのに忙しい。グルメ本「庶民シュラン」に掲載されてから、新規の客が増えているらしい。

善知鳥の次ににごり酒、洗心などを奨められるままに飲み過ぎてしまった。それでも以前の酒量の半分程度なので、売り上げへの貢献も3割減といったところだろうか。節度のある飲み方をする自分を自分で褒めてやった。

ところが2軒目がいけない。連れて行ってもらった店にキープされていたマッカラン30年が銀髪の理性を奪った。酔った頭は自制心を失い、3軒目に行くことを要求した。足は素直に命令に従う。口に酒を運ぶ腕はロボットのように規則正しい。かくして、翌日後悔することになる。日本酒もスコッチも美味しい酒は危険である。


業平屋
東京都 墨田区亀沢2-8-7
03-3622-7978

以前の記事
「業平屋」
「業平屋」その2

田酒 西田酒造
http://www.densyu.co.jp

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2008年04月10日

[いちゃりばえん](吉祥寺)

熱帯魚を食べたい!


吉祥寺にはイタリアンやエスニックなどの店が目立つ。リーズナブルで美味しい和食居酒屋もあるはずなので、探すことにした。
沖縄料理は想定外だった。通り過ぎようとしたところで、看板の文字に目が釘付けになった。アカマチ、クルキンマチ、イラブチャーの刺身とある。カラフルな魚体を思い浮かべて飛び込んでしまった。

アカマチ刺し、ジーマーミー豆腐

お奨めのアカマチは鯛に似てなかなか美味だった。鮮やかな体色が分かるように湯引きの刺身なのも良い。出来れば黄色やライトブルーの体色だったらもっと面白かったのにと客は勝手だ。
ピーナツで作った沖縄ジーマーミー豆腐も美味しかったが、刺身を食べて目的を達した気分になってしまった。

泡盛利き酒セット

再び気分を盛り上げてくれたのは泡盛利き酒セット。たいして期待もしなくて入った店だけど、驚いたことに200種類もの泡盛、焼酎があるという。長期熟成の高価な泡盛もある。
利き酒セットで飲み比べると値段の差がよくわかる。もちろん、まろやかで高価なものが一番ではない。野卑なものを好む人もいるだろう。自分が好きなものを飲めばいい。

フーチャンプルー、もずくとツナの天ぷら

麩を使ったチャンプルーも悪くなかった。もずくとツナの天ぷらもいい味だ。いい店だと思えてきた。

沖縄風生春巻き、紅芋ごま団子

豚肉の塩漬け入りの生春巻は隣のテーブルを盗み見て食べたくなった。ただし、上にかかったマヨネーズは抜いてもらった。
意外だったのがごま団子。てっきり中華風の餡子が入ったものと思っていたが、まったく別物で酒の肴にもなる。

駅からすぐの立地なのに料理屋密集地から外れているせいか、客の入りはよくなかった。
たまたま空いていたのかもしれない。若者で一杯になってもおかしくない店だと思った。


いちゃりばえん
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-6-3 吉祥寺東急インB1
0422-70-4877

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年04月04日

[並木藪蕎麦](浅草)

鴨ヌキ抜き


毎週土曜の楽しみは日本経済新聞夕刊の「グラスの縁から」である。東理夫氏の洒脱な文章による酒にまつわるエッセイを読むと、居ても立ってもいられなくなる時がある。最近では3月8日の「鴨ヌキ」の話が良かった。山口瞳氏の本を読んだ東氏が並木藪蕎麦に行った話である。

鴨ヌキとは鴨なんばんのソバ抜きのことだそうで、これを肴に菊正宗を飲む。何度も読むとよだれが出てくる。
夕方6時、店にはまだ空席があった。ラッキー! ところが壁のお品書きを見ても、鴨ヌキがない。右から左、左から右と何度も目を動かすがやはりない。テーブルにはメニューなど置いていない。
店のおばちゃんに「鴨ヌキはないの?」と恐る恐る聞くと、3月迄しかないと言う。アンラッキー! 鴨ヌキの予定が鴨ヌキ抜きになってしまう。テーブルに突っ伏した銀髪に、「天ヌキならありますよ」とおばちゃんがやさしく声をかけてくれた。

そば味噌、板わさ

「ビールとそば味噌」と頼んだら、「お酒は飲まないんですか?」とおばちゃんが聞く。「後で頼みます」と言うと、「お酒にそば味噌がついてくるから一緒に注文した方が得ですよ」と親切だ。

天ヌキ

芝海老のかき揚げがどっぷりとつゆに浸かって出てきた。天ぷらはサクサクじゃなければ邪道のような気もするが、これがなかなかいい。海老もいいが、つゆをタップリ吸った衣もいい酒の肴になる。お酒をもう1本。

わさび芋、焼海苔

聞いた事がない芋と思ったら、単にわさびと山芋。箸ですべて持ち上がるほど粘り気のある山芋を海苔で巻いて食べた。

天ざる

一度はざるそばだけを頼んだが、他の席を見て考え直した。天ざるの天ぷらはつゆに浸かっていない。天ぷらのえびは「くまえび」と教えてくれた。大きいから熊かと思ったが、隈海老と書く。車海老に次ぐ高級品らしい。腹に子を持ったように厚く抱かせた衣が面白く、美味しい。お酒をもう1本。

玉子とじ、海苔かけ

ご推察のとおり並木の藪でもざるそばには海苔が乗っていない。海苔かけは海苔が乗ったかけそばではなく、海苔が乗ったざるそば。頭がこんがらがる。
相方が玉子とじと海苔かけを一人で食べた。銀髪の隈海老も半分食べて、玉子とじの汁もきれいに飲み切ったのには驚いた。周りの客が2~4回転しても居座る我々でも、これだけの食べっぷりを見れば店の人も喜んでくれるだろう。

家に帰って「グラスの縁から」を読み直した。どこにも鴨ヌキが11月~3月の限定メニューと書いていない。残り1ヶ月もないのに、自慢話を新聞に載せるなんてけしからん。食い物の恨みは恐ろしいよ!


並木藪蕎麦
東京都台東区雷門2-11-9
03-3841-1340

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年04月02日

[マヌエル コジーニャ・ポルトゲーザ](渋谷)

渋谷のマヌエルもなかなかいい


マヌエルは四谷の「マヌエル・カーザ・デ・ファド」、丸の内の「マヌエル丸の内」に次いで3店目の訪問である。四谷は広めの店内で器などの仕掛けも大袈裟。丸の内はカフェのような気軽な感じ。渋谷店はコジーニャ・ポルトゲーザ(ポルトガルの台所)の名の通り、家庭料理を食べさせる民家を思わせる店だ。

マヌエルも3回目になると料理の味も特徴もほぼ分かる。バカリャウ(干し鱈)を使った料理がお奨めで、特にコロッケはお気に入りだが今回は違う料理を食べることにした。

お通し、バカリャウのサラダ、ガーリックブレッド

お通しは各店共通だ。自慢のバカリャウ料理はサラダを食べた。水に浸して戻してから調理するようだが、ときどき噛み切るのに苦労することがある。今日のバカリャウはちょうどいい感じだった。

イワシのグリル

マヌエルで食べてバカリャウのことを初めて知った。それまではポルトガル料理の代表はイワシのグリルと信じていた。オーストラリアでも、マカオでもポルトガル料理屋に行ったら必ず注文した。ところがマヌエルでは四谷、丸の内の両店にイワシがなく、とても不思議に思ったものだった。
店長に尋ねると、イワシが置いてあるのは渋谷と高輪のみとのこと。わざわざいつも食べられる日本で頼むこともあるまいが、つい手を出してしまった。オリーブオイルをかけて食べるのがマヌエル風である。

鶏のプーカラ

四谷店では大きな壷に入って出てきた鶏のプーカラだったが、器が小さくて別物かと思った。店によってプレゼンテーションも異なる。ポートワインで煮込んだ鶏は香りもよくてメインに相応しい料理だった。

四谷、丸の内に比べると店は小さくてメニューも少ない。それでも、いや、それだから一番落ち着ける。予約で一杯なのに満席になったのは8時半頃と遅かった。渋谷は客の出足が遅いのだろうか。小さい店だけに満席になるとちょっとうるさい。男性客もいるが、元気で明るい女性たちの前では影が薄い。

ざわざわして賑やかなのも台所には似合っている。リーズナブルなポルトガルワインを飲み、食後はポートワインでダラダラするのも楽しいものかもしれない。

マヌエル コジーニャ・ポルトゲーザ
東京都渋谷区松涛1-25-6
03-5738-0125
http://www.pjgroup.jp/manuel/shibuya/index.html

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年03月31日

[鳥定](池袋)

レトロが楽しいお店


池袋駅前、良品計画の向かいにある狭く急な階段を上った。既にN氏、S氏が先に来て飲んでいた。三丁目の夕日の世界を模したのかと思ったら、実際の創業が昭和30年代というレトロな雰囲気の居酒屋である。
カウンター上の壁メニューには右から110円の焼き鳥、焼きとんなどの料理が並ぶ。どんなに左に行っても数百円の料理が続く。

レバー・ネギ間、レバー刺し

頼んだ焼き鳥があっと言う間に出てきたので驚いた。「凄いねー」と感心したら、先乗りの二人が頼んでいたものだった。中年男が最初に飛びつくのは似たようなものだ。
レバー刺しは彼らの好みではなかった。一人で食べるにはちょっと多いけれど、店のチェックには必要な作業と割り切った。極上とは言い難いが、値段と比較すれば文句はない。

老若男女、どの層にも人気の店らしい。料理は豊富だし値段は安い。店の女性も元気で可愛い。おじさんたちの相手もうまい。からかっているつもりが、実は逆のようだ。


料理は値段を上回る味もあれば、相応のものもある。シロは期待外れだったが、N・S両氏は常連だけに手を出さない。

いわし、人肉と鶏唐上げ

壁のメニューにある人肉にギョッとするものの、にんにくを洒落ているのはすぐに分かる。

「懐かしいからトイレに是非行くように」と妙なことを奨められた。昔の家には必ず男性が小用をたす便器があった。男性の地位が下がったせいか、土地代が高くなったせいか、今はどの家も大小兼用の一つしかない。

便器はともかく、壁に貼られた大映のポスターが懐かしかった。若き日の勝新や田宮二郎がいい。亡き父が連れて行ってくれたのは、決まって大映の映画だった。東宝映画の話をする友人たちとは話が合わなかったものだ。

格安の料理を食べ、ホッピーで酔っ払い、トイレでちょっと昔を懐かしむ。面白い居酒屋だった。


鳥定
東京都豊島区南池袋1-21-4 繁昌社ビル2F
03-3987-7806

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2008年03月24日

[東あほぼん寺](渋谷)

隠れ家風の大衆居酒屋


大通りに面している店は高いという印象がある。階段を下りて扉を開けると釣鐘が下がり、馬に跨る武将の像に迎えられた。

お寺をイメージした店内は地下なのに意外に広い。個室に通されて、ますます心配になったところで後ろから声が聞こえた。完全個室と思ったのは勘違いで、すだれのすぐ向こうに他の客が見えた。マジックのタネが明かされた感じだ。高級店ではなさそうだ。

経本を模したメニューを開いてますます肩の力が取れた。4桁の料理は殆どない。名物料理はタコを使った料理。たこ坊主と洒落ているに違いない。そのまんまの名前の料理があった。

たこ坊主

蛸が入った明石風だし巻き玉子だそうだが、たこが入っている以外は命名の意味が良く分からない。明石焼き→たこ焼き→坊主頭と連想させたいのだろうか。

鮭のかま焼き

お奨めを聞いたら何故か鮭のかま焼き。たこ以外の駄洒落料理はあまりない。京都に因んで豆腐料理も自慢のようだから、鶏つくねの湯豆腐を頼んだ。780円でそこそこお腹が膨らむお値打ち料理だったが写真は撮り損ねた。

つぶ貝のチャンジャ

日本酒は「ぼうずまるもうけ」「極楽ぼうず」「おだいかんさま」などがあり面白い。他に焼酎、ホッピー、ウイスキー、カクテルなど何でもござれで節操がない。
やっぱり渋谷らしく若者のためのお店である。

あほぼん寺の本店は関西のようだが、東京の店は東あほぼん寺と名前が変わる。系列なのか別経営なのか分からない。大阪っぽくって面白い店だったと言えば、大阪人は喜ぶだろうか。怒るだろうか?
意見を聞いてみたいものだ。

隠れ家和食 東あほぼん寺
東京都渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビル1号館B1
03-5728-2300

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年03月17日

[ひで](渋谷)

テレビでよく紹介されるおでん割烹のお店


「アド街ック天国に出ていましたね」
「それは随分前ですね」
「あれっ?そうだっけ」
「最近出たのは裸の少年ですよ」

そうです、勘違いでした。見たのは確かに裸の少年で、道場六三郎が案内役をつとめていた。実はテレビ放映の前、「あじくら」「に行ったときに前を通り、いつか来ようと思っていた。裸の少年が背中を押してくれた。

お通し

お通しは鶏とわさび漬け、桜餅を模した海老しんじょ。おでん割烹と言うだけあって、品のいい2品を食べると銀座の一流おでん屋を想起させる。カウンターから見上げると、値段の書かれていない料理の札がたくさん掛かっている。懐が心配だ。

かつお

隣の中年客がかわはぎを頼んだ。迷った末にこちらはかつおにした。今年初めてで、久しく食べていない方を選んだ。隣に来た皿には立派な肝が乗っていてちょっと後悔したが、かつおも頗る美味しかったので満足だった。

札の中でソイが気になった。食べたことがあるはずだが形も味も思い出せない。「どのぐらいの大きさですか?」と聞くと「見ますか?」と親切である。カウンターの下からパットを3つ出して、その一つの布巾をはずしてメバルを除けてソイを引きずり出した。そこまで手間をかけてしまったら断るわけにはいかない。お奨めの塩焼きにしてもらった。

おでん

菜の花ととうもろこし、合鴨のつくね、大根、牛すじ、卵、ロールキャベツ。ソイが焼きあがるまでにおでんを食べた。

黒そい、おでん

鯛より美味と言われる黒そい。白身の上品な味である。きれいに食べ尽くしたので、板さんに自慢したいぐらいだったが、忙しそうでなかなか会話が弾まない。

最後にぎんなん、しらたき、れんこんを食べた。おでんの種類はまだまだたくさんあるが、到底食べ尽くせるものではない。次回の楽しみにとっておくことにした。
勘定書がやってくるまでドキドキしたが、酒代込みで1万円しなかった。

銀座並みの値段ではないから何度も気軽に来れそうだ。次回は「ひで」さんが誰か聞いてみよう。


おでん割烹 ひで
東京都渋谷区円山町15-5
03-3461-1701

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年03月14日

[満寿家]②(神田)

ふぐのシーズンももうすぐ終り


先日「京ふじ」に行ったとき、天然ふぐの食べ収めの時期が迫っていることを気付かされた。「満寿家」でシーズン初めに感動した味を、シーズン終りにどうしても食べたくなって予約を入れた。連れて行ったK氏は無類の大食漢だが、お腹の調子が悪いと言うので安心した。

煮こごり、ふぐ刺し

刺身は2人盛りにするかどうか聞かれたが、もちろん一人ずつにしてもらった。調子が悪いと言うけれど、殆ど食べられてしまうリスクは冒せない。皮は腹側の白いところのみで、「口に含んでしばらくすると溶けますよ」と前回教えられたことをK氏に話す。
背側の黒い皮は煮こごりに使われる。

昆布締め(ほうぼう、こち)

お腹の調子が悪いはずのK氏だが、刺身を残す気配がないどころか、壁に掛かったメニューをじっと見詰めて「昆布締めが大好きなんですよ」と仰る。同じように見える昆布締めだが、ほうぼうの方が美味しい。K氏が「こちの食べ方を知っていますか?」と聞くので「東の方を見ながら食べるのかな?」と応えた。すると「こっちから食べるんです」と照れ笑いをする。東風(こち)にかけた銀髪の回答の方が気が利いている。

桃の節句、ひれ

前回と同様に、ふぐ焼きと唐揚げを食べた。何度食べても美味い。途中、桃の節句に因んだ一皿を出してくれた。まながつをの酒粕漬け焼きにうどと桃の小枝が添えられて美しい。
もちろん飲むのはひれ酒。いつ見ても立派なヒレをきれいに焼いている。

ふぐちり、白子焼き

K氏を気遣ってふぐちりは少なめにしたのに、白子を見て「白子焼き」を食べたいとほざく。呆気に取られるが、食べたい気持ちは銀髪も同じ。シーズン初めに食べた白子に比べると、サイズは大きくて味もふくよか。やはり満寿家に来てよかったと痛感した。

満寿家は江戸川春菊や千住ねぎなどの江戸野菜を使うこだわりよう。80年も続く老舗料理屋の真骨頂だが、さりげなく話す女将が粋である。

粟もち、雑炊

女将が「粟もちを食べますか?」と聞くと、K氏は元気良く「はい!」と応える。名人が作るチャーハンのように卵が美しく米の間に散らばった雑炊を女将が作ってくれる。K氏はこれをペロリとたいらげお代わりをする。
本当にお腹の調子が悪いのだろうか? 

いつもながら女将が相手をしてくれるカウンターは本当に楽しい。違う人を連れてくると、銀髪が気付かないことを発見してくれるから面白い。今日もたくさんの発見があった。全部紹介できないのが残念である。

満寿家
東京都中央区神田鍛冶町3-3
03-3256-8897

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年03月06日

[GOKAKU](南青山)

野菜好きの人、集まれ!


表参道交差点から青山通りを青山方面に歩き、KINOKUNIYAの手前の道を右折すると洒落た店がいくつもある。突き当りを左斜めに入ると地図の場所には「正」の表示しかない。ドアを開けて「GOKAKUですか?」と聞いたところで、正=五画と気付いた。

基本コースは4,800円の野菜料理。野菜小鉢5、一の皿4、二の皿3種類あり、それぞれ3品、2品、1品を選ぶ。二人で行ったので、二の皿の「大根と浅利の酒蒸し」を除く全品を味わうことができた。

お品書き、じゃがいもの揚げ物

ホクホクのじゃがいもからスタートした。火傷しそうなほど熱くて美味しい。

野菜小鉢

ゆずかぶらだけ2品頼み、せり醤油和え、うるい酢味噌、小松菜お浸し、そばの実を食べる。そばの実が面白い。

一の皿

汲みゆばあんかけ、人参のポタージュまでが完全に野菜料理。次いで蓮根の肉はさみ揚げ、新玉葱の玉子焼きとちょっと肉類が入る。

二の皿

有機栽培野菜の蒸しやさいにはアンチョビソースが添えられる。ゆり根を山芋で包んだ山芋のまんじゅうにはわさびあんがかかる。
野菜料理のオンパレードだか飽きない。体にやさしい野菜料理だが、日本酒が進んで困ってしまう。

杏仁豆腐

冷奴と間違えるような杏仁豆腐。銀髪でも美味しく食べられた。

基本コースでもそれなりお腹一杯になるが、若い人には物足りないかもしれない。基本のコースに焼物と野菜の五目めしをつけると5,900円、焼物と鯛めしなら6,400円になる。

カウンターの目の前にいる料理人が店主かと聞いたら違った。フロアにいた店主が店を去る我々を見送ってくれた。これから野菜がもっともおいしくなる季節とにこやかに語る。

次に献立が変わる頃、必ず来ると誓って外に出た。胃が重たくなく、足取りも軽くなったような気がした。
もちろん千鳥足ではない。


野菜料理 GOKAKU
東京都港区南青山3-14-4 B1F
03-5413-0831
http://www.yasaino-g.jp/

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2008年02月27日

[呑々道場](渋谷)

分散より集中の方が得策


道玄坂の北側には神泉駅方面や、東急百貨店周辺などに評判の店が多い。ところが、南側はレストランガイドや口コミサイトを見てもお奨めの店が少ない。ブラブラ新規開拓をすることにした。急坂を上るのは辛いので、マークシティーを神泉方面口から出て坂を下ろうとしたが、すぐにもつ鍋の看板に誘われてしまった。

もつ鍋は温まる、野菜がタップリ、安いなど魅力的な要素が多い。階段を下りて店に入ると客は2組だけ。やはり場所が悪いのか、店が悪いのか分からないが、とにかく挑戦である。

お通し

お通しはホタルイカと小魚。これを炙って食べる。貧弱なお通しだがアイデアは悪くない。

白レバーのたたき、馬肉ベーコン

もつ鍋以外にもメニューにはたくさんの料理が並ぶ。店員の助けを借りて白レバーと馬肉ベーコンを選んだ。この2品はとてもいい出来だ。

右隣に先輩と後輩か、上司と部下か、いずれかと見られる若い男女がいた。元気のいい、可愛い女性だが、よく喋りよく食べる様は恋人同士には見えない。隣のテーブルに次々に運ばれる料理の中で、焼き鳥が美味しそうに見えた。人のメシは白い、隣の芝生は青い。頼まずにはいられない。

砂肝、もも、ササミわさび

焼き鳥は失敗だった。焼きすぎでパサパサ、塩加減もよろしくない。これまで高い評価で進んでいたのに一気にしぼんでしまった。食べ残しを店員に見えないように鍋に放り込んだ。

白呑(味噌)

肝心のもつ鍋は普通。2人前からなので写真の鍋で1,960円。博多もつ鍋というが、福岡の人気店「やま中」に比べるべくもない。やま中にはもつ鍋以外の料理はほんの僅かしか置いていない。もつ鍋に全力を投入しているし、他の料理は付け足しに過ぎない。呑々道場ももつ鍋に心血を注ぐべきで、焼き鳥は評判を落とすだけだ。多品種を揃えると万人に喜ばれそうだが、飲食店に限らず単品商売の方が成功することが多い。

両隣を見る限りもつ鍋の評価は良いみたいだ。右の二人が鍋の材料を追加して大量に食べた後、ちゃんぽん麺を入れた。左の席のカップルも恋人同士には見えない。女性が男性の1.5倍ほどあり、2倍くらい食べる。別の味の鍋に交換して、さらに具やスープを足すのに店員が掛かりっきりである。

それにしてもどうでもいい相手と一緒の時の女性の食欲は凄まじい。男の方も財布の中身を気にしないでいいところに連れてきているのだから、どっちもどっちかな。


呑々道場 道玄坂店
東京都渋谷区道玄坂1-17-9
03-3464-8880

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2008年02月23日

[あじくら]②(渋谷)

再びのあじくら


前回は飛び込みで入れたのに、その後予約の電話を入れる度に断られた。この日は数時間前に電話してようやく席を確保した。店に着いたらドアを半開きにして女性が中を覗いている。店員がやってきて、「8時半までなら…」と言うのを聞いて嬉しそうに頷いた。前回の我々と同じ状況である。7時頃までに入るなら飛び込みで来た方が良さそうだ。

グレンス、青唐辛子、レバー刺し

前回食べ損なったものを食べようと思ってきたが、グレンスだけは今度も一番に注文した。唐辛子はなかなかパンチが効いていてビールが美味い。

タケ(大動脈)、ミノ

タケは悪くないが、ミノは思ったより固い。叙々苑游玄亭のミノが食べたくなった。もっとも、游玄亭の一切れがあじくらの一皿と同じくらいの値段なので文句は言えない。

和豚シロコロ(丸腸)、地養赤鶏もも肉

焼きとん屋で食べるシロをイメージしたが、丸腸の文字に注目するべきだった。中から脂があふれ出してくるのを好きな人には堪らないだろうが、脂っぽいと敬遠する人もいるだろう。
鶏は冷凍物のようで、焼くのに時間を要したため固くなってしまった。

同じ店でも食べるもので評価が異なる。座る場所、一緒に食べる相手によっても印象が変わる。前回は入り口近辺の席だったので、自分が焼く煙だけを気にすれば良かった。今回は奥の壁際カウンター席だったので右隣と後ろの席の煙に包まれてしまった。特に豚バラなどの脂が多い素材を周りで焼かれると銀髪の燻製が出来上がってしまう。

最初に来たときは美味しそうなものを優先して頼んだから良かった。今回は初回ほどの感動はなかった。次回はこれまでの経験が活きるので、最高になるかもしれない。

早めに予約して4人以上で来ると楽しいだろう。気の合った仲間と3時間ぐらいかけてワイワイガヤガヤとやるのが一番の店である。2人なら予約なしでふらりと寄ったらいい。カウンター席なら潜り込める可能性が高い。お忍びの恋人同士なら煙に隠れることが出来て好都合かもしれない。


ほるもん倶楽部 あじくら
東京都渋谷区円山町7-12 イケダビル1F
03-3462-8811

前回の記事
「あじくら」

投稿者 銀髪 : 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008年02月22日

[あんど](吉祥寺)

和洋折衷料理とたらふくワインのお店


吉祥寺は若い人たちが安く飲み食い出来て、しかも雰囲気がいい店がたくさんある。「あんど」もそんな店の一つだ。店に入って靴を脱ぎ、掘りごたつ式のテーブル席に座るとまさに和風居酒屋。ところが壁にはワインのボトルが並び、右側のカウンターにはハモンセラーノの大きな腿肉がデンと据えてある。

和と洋が混在する店の雰囲気は、そのままメニューにも反映されている。洒落た店の割にはお値段が手頃でありがたい。グラスワインの選択