2010年09月03日
[ぶんぶく](澁谷)
お奨めは肝と大根

渋谷駅南口、神泉方向に出て左折、玉川通りの手前に雰囲気のある店を見つけた。「高いかな?」と思いながら扉を開ける。串焼き、焼き鳥なら高くてもしれているだろう。予約なしだったが、うまいこと奥のテーブルに席を得た。
メニューを見る。串焼きは140円~200円とリーズナブルなので、2本単位の注文も苦にならない。「うちは肝が自慢なんです」と言われ素直に従った。量が多くてちょっとびっくりしたが、さすがに奨めるだけある。中年女性、若い店員、丁寧な応対に感心する。

こころ、つくね、きも。赤い印がついたお奨めから選んでいく。この店は当たりだった。「オーナーさんですか?」と中年女性に聞くと「ハイッ」と答える。女将が軽快に動き、しっかり教育を受けた若者が従う。悪い店のわけがない。

串焼きの間に野菜を挟もうと思って女将を呼んだ。冷製トマトイタリア風を頼もうとしたらまんま大根を奨める。「遠くからこれを目的に来られるお客様もいるんですよ」と言われたら断れない。

「本当に大根のまんまだ」と驚いた。しかし、箸を入れるとハラリと崩れる。スープの味が染みていて、明太子を混ぜたマヨネーズソース(?)がよく合う。これはなかなかの逸品だった。今度、家で作ってみよう。

再び串焼きに戻る。かわ、しそ焼き、しぐれ串。そこそこお腹も膨らんで来た。惜しむらくは日本酒の品ぞろえが悪いこと。焼酎好きは文句ないだろう。思案の末、白ワインを飲んだ。

最後に鳥スープを頼んだ。「少し、時間をいただきます」と言われたとおり、予想外に待った。鍋から注ぐだけと思ったのは間違いだったようで、オーダーを受けてから作るようだ。器が大きくてちょっと驚いたが、難なく飲み干した。美味しいスープで〆られて満足、満足。
ぶんぶく
東京都渋谷区道玄坂1-21-1
03-3462-2919
http://www18.ocn.ne.jp/~bunbuku/
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2010年08月30日
[67餃子](恵比寿)
武蔵丸さん、ご馳走様

67の意味が分からないまま訪問した。まさか「ろくな餃子じゃない」ってことはないだろう。この店をプロデュースする武蔵丸が第67代横綱だったことからつけられた店名と遅まきながら気がついた。テレビで紹介された店はもう少し立派な店だと思って入ったのだが…
コンクリート打ちっぱなしのような店内。入口にテーブル席、奥がカウンターになっている。調理場が見えるカウンターに直行。迷わず焼き餃子と酢モツを頼んだ。

予定通り酢モツがすぐにやってきた。ビールを飲みながら周りを観察する。男っぽさを演出しているような男性店員が4人。全員が髭を生やしている。面白いことにまばらな客のうち3人にも髭がある。ツルンツルンの銀髪が優男に見えるに違いない。

鉄板焼き餃子2人前がやってきた。写真の親指と比べて分かるように、小さな餃子だ。鉄板にきれいに収まるのは2人前、1,060円。ちょっと高いかな。博多では游心、博多鉄鍋本店、鉄なべなどに行ったが、67餃子より安くてカリッとしていた。

炊き餃子は気に入った。グラグラと煮えたぎる鍋に入った餃子は皮が厚くて食べ応えがある。とんこつスープもなかなかいい。「これは美味しいね」と髭面の店員(全員髭面なのだが)に言うと嬉しそうに笑った。

麺を頼んだら替え玉のように茹でた麺を入れてくれるに違いない。勝手に想像してスープが冷めないように餃子を急いで食べ尽くしてオーダーした。すると鍋を一旦下げて、麺を茹で始めた。お陰で超熱々の博多ラーメンを食べることが出来た。満足満足。
「店員になるには髭が必要なの?」と聞くと、驚いたように「そうですか?たまたまですよ」と答えた。強面に冗談を言える銀髪は偉い???
第66代横綱若乃花・花田勝氏プロデュースの店は潰れてしまった。67餃子は武蔵丸の名を汚さぬように頑張って欲しいものだ。
67餃子 恵比寿店
東京都渋谷区恵比寿1-1-7
03-6408-6422
http://www.67gyouza.com
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2010年08月26日
[華善]②(澁谷)
夏でも鍋を

「久しぶりに華善に行こう!」群がる呼び込みたちをかき分けながら華善のあるビルに着くと、なんと華善の店員が呼び込みをしていた。呼び込みに頼る店には行かないことにしているが、もともと目的地は華善だから迷わなかった。呼び込みは点を稼いだかもしれない。
店は三分の入りといったところだろうか。店員は「夏場は鍋は人気がない」とお決まりの言い訳をする。前回、我々は狭い2人用のテーブルをやっと確保した。あの時は冬だったのだろうか。今回4人掛けをゆっくり使えたのは有難かった。

頼んだのは水炊きのみ。唐揚げなどサイドメニューが美味しいのは分かっているが、コラーゲンたっぷりのスープをたくさん飲めばお腹一杯になる。お通しを食べて、スープを飲み、鍋から取った華味鳥のぶつぎりを食べる。いつ食べても柔らかくて美味しい鶏肉である。

店員が鍋に野菜を入れ、つくねを作って放り込むのをじっと見つめる。コラーゲンの塊りが溶けたら食べ頃だ。

レバー、ハツの内蔵類を食べて、牛・豚のもつを追加注文した。スープがますます美味しくなる。煮詰まったらスープを継ぎ足してもらう。華善はスープが無料なのがいい。最後は雑炊にするか迷ったが、連れが主張するちゃんぽんに落ち着いた。
まばらな客しかいないのに、ちゃんぽんの到着までに15分ほど要した。前回はきびきびと動く店員に感心したものだが、今回は活気が感じられない。帰り際に赤坂見附の新店のサービスカードをもらった。華善から居酒屋に変えたらしい。どこか変だ。
家に戻り銀髪グルメ紀行を開いてみると前回の華善の記事は2年前の7月。既に暑くなっている頃だった。
口コミを見るとお通し(300円)に加えてサービス料が10%かかるのに非難が集中している。それだけのサービスをしてもらっていないというのはもっともだ。
味は変わっていない。華味鳥の水炊きは美味しい。季節に頼らず以前の活気を取り戻して欲しいものだ。
博多華善
東京都渋谷区宇田川町35-4 オークヴィレッジ2F
03-5784-3787
http://www.hanamidori.net/hanazen/index.php
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2010年08月24日
[カフェ アノ](表参道)
初めてのチェコ料理

世界各国、色んな料理を食べて来たが、チェコ料理は初めて。以前から目をつけていた店にようやく行くことができた。ブランドショップが並ぶ表参道からしばらく小道を歩いて店に辿り着く。思ったより大きくてきれいな店だ。
アノは日本で唯一のチェコ料理の店。中央の席で外国人客が大いに盛り上がっていた。我々は窓際のカウンター席に座ってメニューを開く。カフェという割にはメニューは豊富。喜んだのも束の間、何を選んだらいいかさっぱり分からない。

スクリーン代わりになった窓ガラスに映し出されるチェコのアニメを見ながら、料理が来るのを待つ。
店員に手伝ってもらって選んだ一品目はソーセージ ブランボラーク。チェコ料理の代表的な料理がプランポラークだという。ジャガイモのお好み焼と言ったらいいだろうか。なかなか美味しい。

二品目はクラソーチ ステフノ。オーストラリアで何度も食べた野生のウサギは美味しくなかったが、スペイン産という骨付きもも肉煮込みローズヒップ風味のウサギはとても美味しかった。もっとも、チェコらしい料理はカルロヴィヴァリ風クネドリーキの方だ。クネドリーキは中華料理のまんとうに似ているチェコのパン。料理に必ず添えられるそうだ。

三品目はチェコ風ローストポーク。やはりクネドリーキが添えられているが前の物とはちょっと違う。色んな種類があるようだ。それにしてもハーフサイズにしておいて良かった。外国人が来る店は一皿の料理が多い。
「チェコの名物を何か忘れちゃいませんか?」とチェコ人に言われそうだがご心配なく。もちろんビールも堪能した。

ブドワール生ビール(ブドワールはバドワイザーのチェコ語読み。もともとバドワイザーはチェコのビールで700年の歴史がある)を飲んだ後、瓶ビールを2本。ピルスナーウルケル(世界中で醸造されているビールの大半はピルスナースタイルで、チェコのピルゼン地方を発祥とする)、ベルナルド(金メダル受賞の南ボヘミアの酵母入り生ビール)を飲んだ。最近人気のベルギービールよりこちらの方が好きだ。
チェコと言えばもう一つ。美人が多いことでも有名。アノで見られるかどうかは秘密にしておこう。
カフェ ano
東京都渋谷区神宮前5-12-7 ワイスワイスビル1階
03-5467-0861
http://www.checkczech.jp/cafeano/
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2010年08月18日
[チャングミ](澁谷)
欲張りな韓国料理屋さん

280円均一の酒場に入ろうか迷ったが、店内の混雑ぶりに怖気づいた。ジンギスカンに変更しようと歩いていたら通り過ぎてしまった。そのまま歩を進め韓国料理屋チャングミまで来てしまった。まあ、いいか。
意外と混んでいてびっくりした。なんとか大きなテーブルの片隅に席を得た。後ろに座っているのは芸能人のようだ。室内で帽子を被ってサングラスは行儀が悪い。壁にはたくさんの色紙。不便な場所だから有名人には却って都合がいいのかもしれない。

すぐにお通しが出て来た。「何がおすすめですか?」と聞いたら焼き肉を勧められる。「豚肉三段バラセットは?」芸能人が食べているものを目で示すと「あれも美味しいです」。「カムジャタンはどう?」と聞くと「それも美味しいです」。何でも美味しい欲張りな店だ。結局自分で決めるしかないようだ。

見た目は悪いが美味しい海鮮ちぢみだった。他店のちぢみは小麦粉たっぷりでお腹一杯になってしまう。チャングミのものは家庭料理っぽい。調理場・配膳場に集まる店員たちはまさに家族。いい店に入った。家庭料理専門店でもやっていけそうだ。

勧められた焼き肉も少し食べることにした。豚トロ(680円)、ゲタカルビ(880円)、上ミノ(880円)、おが炭ではあるが、火力もあってなかなか美味しい。火加減を頻繁に店員が調整してくれるのも優しい。なんたって安いのが嬉しい。
特選カルビや特選ロースはそれなりの値段はする。他店より割安な気はするが、今日は検約することにしてビビンパを頼んだ。

石焼きビビンパを頼むつもりだったので出てきた料理を見てちょっと驚いた。しかし、治療中の歯のことを考えれば固いお焦げがなくて良かったかもしれない。日本語がたどたどしい若い坊やが一生懸命かき混ぜてくれた。サービスで出してくれたカクテキで生マッコリを飲み干し満足した。
韓流映画のせいか、韓国の女性はスリムできれいだという印象が強い。実際、多くの韓国料理屋ではそれを意識して採用しているように思える。しかし、チャングミは家庭的な店。安定感のある女性たちのきびきびした動きを見るのも悪くはない。
チャングミ
東京都渋谷区宇田川41-29 石井ビル1F
03-3476-1129
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2010年08月11日
[酒菜亭](澁谷)
全国の銘酒が飲める店

「日本名門酒会加盟店」となれば期待が持てる。日本名門酒会とは全国120社の蔵元と全国1,800店余の酒販店を結ぶボランタリー組織。いい日本酒が置いてあるなら、いい酒の肴があるに違いない。
場所は東急百貨店本店南口の向かい側にある小さなビルの4階。道路の立て看板を見ても初めて行くにはちょっと勇気がいる。もっとも、静岡おでんがメニューにあるような店だから恐れることはないと決断した。

「煙草を吸わない」と言ったら入口近くのカウンターに案内された。まずはお通し。割烹風のお通しはなかなか気が利いている。ビールを飲んだ後はもちろん日本酒。蓬莱泉、磯自慢、天狗舞の3銘柄以外は飲んだことがない。蔵直送とは日本名門酒会ならではだろう。

カウンターに並んだ惣菜の中から牛すじ煮込みを頼んだ。出し粉がかけられているのは静岡おでん風だ。B級グルメブームでもてはやされる以前から店の看板料理だったらしい。静岡出身の店主の郷土愛か。

カウンター上の冷蔵ケースにはきれいな鯨肉。築地で見るようなきれいなシロナガス鯨を見たら頼まずにはいられなかった。

大根、厚揚げ、黒はんぺん。紛れもなく立派な静岡おでんだ。しっかり味が染みて大根は割っても割っても真っ黒である。


新サンマを食べるのは今シーズン初めて。まだ脂の乗りはイマイチだが、初物は嬉しい。「次は何にする?」と連れに聞くと「もう一回、牛すじ食べていいかな?」と言う。何を仰るうさぎさん。「同じものを頼むほど料理人を喜ばせることはないよ。ねぇ、マスター?」と言うと笑顔が返ってきた。
開業したのは20年前というから老舗といってもいいかもしれない。近くには魚真、巌など若者でいつも満席の店もあるけれど、酒菜亭だって負けていない。大いに宣伝したいところだが店主や女将さんたちを相手に一人飲む客には迷惑だろう。本当の日本酒好きが集まる店、知る人ぞ知る店のままの方がいいのかもしれない。
酒菜亭
東京都渋谷区道玄坂2-23-15 小池ビル4F
04-3716-1441
http://www.sakanatei.net/
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2010年08月03日
[bambiバンビ](渋谷)
斎藤さん?

ワインバー繭から電話がかかってきた。「お客様、紙袋を忘れられたんじゃありませんか?」鞄だけしっかり抱えて来たが、紙袋は気付かなかった。数日後、取りに行った。二度目はそれほど遠く感じない。繭に寄ってさらに足を延ばすことにした。
最初の候補は満員で入れず、更に進んで2番目の候補であるbambiに着いた。客は誰も居ないが口コミの評判は悪くない。10人ぐらいの団体さんのテーブルが用意されているのも安心材料。4人用の窓側の席に座らせてくれたのでまずは満足。

自家製のパンとチーズを混ぜ込んだオリーブオイル。少し手間をかけているのが好印象。ハンサムな店員のお奨めに従って料理を選んだ。奥美濃古地鶏白レバーのパテ。随分立派と思ったらパンに塗ってあった。

“ 斎藤さん家のミートローフ 斎藤シェフの母のオリジナルレシピ ”メニューを見て「あなたが斎藤さん?」とハンサム君をうろたえさせた。慌てて否定しながら「斎藤さんは有名なシェフです」と答えた。

キッチンから若い料理人が挨拶に来てくれた。「そんなに有名なシェフなの?」と聞くと、斎藤さんとは新宿御苑のオステリア・ヴィンチェロのオーナーシェフのことだと言う。何と奇遇なんだろう。忘れ物をしないでいたら、一番候補が空いていたら、bambiには来なかったかもしれない。大好きなヴィンチェロの斎藤さんが関係しているとは全く知らなかった。

“Bambi的ポテトサラダ インカの目覚め 白トリュフが薫る自家製マヨネーズで贅沢に” 卵の黄身を使った料理、白トリュフ風味はいかにも斎藤さんプロデュースらしい逸品。これはポテトサラダではない。

パスタは一番人気と言うボロネーゼのリガトーニを食べた。白ワインと赤ワインを1杯ずつ。ちょっといいボトルを開けてもらった。団体さんも一人二人と集まって来た。ヴィンチェロとはまったく違うカジュアルな雰囲気だ。人気漫画家3人自筆のキャラクターが壁から我々を見つめている。
紙袋を忘れないように抱えて渋谷と反対側に向かって歩いた。もう代々木八幡の方が近い。また楽しい店を見つけた。
bambiバンビ
東京都渋谷区富ヶ谷1-43-7
03-3466-0132
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2010年07月29日
[ワインバー繭](渋谷)
洞窟の中はワインが一杯

初めて行く場所は随分と遠く感じる。陽が落ちても汗がシャツにまとわりつくので辛い。東急百貨店の先の信号のところと勘違いしていた。店に電話するとさらに次の信号を超えると教えられ挫けそうになった。白洋舎を見てホッとした。店は目の前だ。
地下に降りるとカウンター、左に行くと洞窟のような個室がいくつもある。一度は穴の一つおさまったが息が詰まりそうなのでカウンターに変えてもらった。こちらの方がエアコンが効いて気持ちがいい。座るとすぐにスパークリングワインが出てきた。「これなーに?」と聞いたら「お通しです」と言う。なかなか洒落ている。

暗くてメニューが良く見えない。老眼のせいもあるが、若いカップルも懐中電灯を使っている。決めかねていると「盛合わせを造りましようか?」と助け舟。もっと早く言って欲しかった。6種類の盛合せ、なかなか気が利いている。
目の前にもたくさんのワインがあるが、地下のセラーにも眠っているそうだ。ワインリストには飲みたいものがたくさんあるけれど、白赤2本は飲みきれないのでグラスワインをもらった。フォアグラを頼んで赤ワイン移った。

久しぶりのフォアグラは美味しかった。自家製のニョッキも悪くない。フォアグラには塩がたっぷりかけられているようだ。脂が乗っているので味は濃いめの方がいい。ましてや汗をかいたので塩分補給に役立った。

本日の魚、牛、うずら、鴨を押しのけてメインは仔羊肉のメンチカツが選ばれた。パン粉が細かいためか老眼でぼけて見えるせいかハンバーグと区別がつかない。ナツメグが仔羊とよく合って美味い。
薄暗いカウンター席では料理の写真が撮れないと心配したが、フラッシュを焚くのを許してくれた。お店の人に感謝するとともに、カウンターの他のお客様たちにも感謝したい。ムードを壊してしまって申し訳ありませんでした。もっとも、右隣の二人は男同士でワインをガバガバ飲んでいたのでフラッシュにも気がつかなかったかもしれないが…
ワインバー繭
東京都渋谷区神山町40-3 神山ビルB1
03-5453-0301
http://www.winebar-mayu.jp/news.html
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2010年07月22日
[イル・ペンティート](代々木)
日本一のローマピザ

白金にある AW kitchen Laplatina ラプラティナに行った時、ソムリエの斎藤さんに教えてもらった店にようやく行く機会がやってきた。予約の電話を入れると優しい口調で18歳未満の入店とカード使用が出来ないことを告げられた。
店は思ったより簡単に見つかった。ドアを開けると右手に大きなまき窯がデンと構えている。オーナーのコラムを思い出した。オーナーのこだわりは窯だけでなく、店全体からも伝わってくる。今日の客はそれを楽しめる余裕のある女性が多いようだ。18歳未満お断りの意味もよくわかる気がする。

薦められるままにローマ産のオリーブを頼んだ。食べようとしたらトスカーナ、ギリシャ、北イタリアのオリーブを店主が「比較して下さい」と自ら持ってきてくれた。大粒のローマ産はこれまで食べて来たオリーブと全く違う。他のオリーブもかなり美味なのにもっと美味い。感激を伝えると店主は誇らし気に解説を加えてくれた。

黒トリュフを混ぜたサラミと白カビのサラミの盛合せ。どちらも初めて食べた。黒トリュフの香りはそのまま食べるより強く感じる。実に面白い。

ローマの名店の名物料理を再現したというケッキーノは牛すじにセロリ、にんじん、赤インゲン豆を和えた温製のサラダ。「飛騨牛を使っているのでローマの物より美味しいですよ」と店主が笑う。田舎料理のようでどこか懐かしい味だ。

トマトソースが乗っていないシンプルなピザを求めたら、モッツァレッラ・ゴルゴンゾーラ・ホワイトアスパラのピザを薦められた。アッと言う間に焼きあげられたピザを見てまき窯の威力に納得。もちもちしたナポリピザに対してローマピザは薄くてパリッとした焼き上がり。ピザを食べて感動したのは日本橋のウノ以来である。
「食べ損なったものも多いのでまたすぐに来ますね」と店主に言った。きさくで客を大事にする優しい人だ。勘定をして「奥さんですか?」とあれこれ面倒をかけた女性に声をかけた。はにかんだような笑顔が印象的だった。夫唱婦随の店で悪い店はない。いい店を教えてもらった。
イル・ペンティート
東京都渋谷区代々木3-1-3 AXIS 1F
03-3320-5699
http://www.pentito.jp
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2010年07月21日
[魚真 渋谷店](渋谷)
魚屋系列の人気店

経堂にある魚屋が開いた1号店が下北沢の魚真。今では渋谷、吉祥寺、恵比寿などに系列の店がある。加えて、1号店の初代店長が開いた渋谷の和田丸や祖師谷大蔵で人気のきなりなど魚真から独立した店も多い。どの店も新鮮な魚介類をリーズナブルに食べさせてくれる。
東急百貨店本店の前にある魚真渋谷店もいつも賑わっている。週末には予約しなければ入れないほど盛況なので、週初めを狙って行ってみた。思った通りだった。どんなに人気の店でも月曜から一杯の店は少ない。テーブル席に案内されたが、カウンターを選んだ。
手書きのメニューには魚の名前がたくさん並んでいる。まずは極上いいとこ7点盛りを頼んだ。2,400円は高いか安いか写真を見て判断していただこう。ウニや大トロが入った豪華な盛合わせだ。1人前が1,200円で人数分を頼む形なので喧嘩にならないのがいい。

温野菜にはガーリック風味のソースがかけられるが別に持ってきてもらった。クリーミーで上品なソースで、いい出来だった。

「あれは食べられないのかなー」連れが目で示すのは金目鯛の兜。メニューに載っていないものを目ざとく見つけた。若い女性店員に聞くと、客に出せるものか即答できない。料理人のところから戻ってきた笑顔を見ただけで答えは分かった。金目が焼けるまでのつなぎで枝豆を頼んだ。茹で立てでないところが居酒屋と割烹の違い。冷たくとも茹で方は悪くなかった。

銀髪が選んだのはもちろん頭の方。トロリとした目玉を口に入れた。子供の時、目玉を喜んで食べたのは次兄だった。銀髪はいつも気味悪がっていた。毛嫌いしていたものをいつの間にか好きになった。酒のお陰かもしれない。酒を飲まない人の嗜好は子供の時から変わらない。面白いものである。
魚料理の店は市場が再開する月曜が一番美味しいはずだが、8時過ぎても空席が目立っていた。待ちの商売は難しいね。
魚真 渋谷店
東京都渋谷区道玄坂2-25-5 島田ビル1F
03-3464-3000
http://www.uoshins.com
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2010年07月13日
[菊地]②(渋谷・神泉)
バランスがいい寿司屋

50年以上も使っていると体のあちこちにガタがくる。車ならプレミアムがつくこともあるが、99.9%はとっくに廃車だろう。老眼は進み歯も傷みが目立つ。先日奥歯を抜いて親知らずを移植した。しばらく歯に負担のかからない食事をと言われたら、寿司を選ぶ。
いつもなら新しい店に挑戦するが、病むと安全策を取ってしまう。神泉の菊地に行くことにした。昨日の山沖が古典的江戸前鮨を食べる店なら、菊地は焼き物もあるバランスがいい寿司屋である。「久しぶりです」と扉を開けると思った通り優しく迎えてくれた。

カニのスタートは前回と同じ。白身はマゴチ。イシガキ貝は前回食べたことを忘れていた。今回は記憶に残る美味しさだった。三重産のいわしはいつ食べてもいい。高級魚の餌にするのはもったいない。

菊地さんは先客の相手をしている。銀髪の担当は若い料理人の上江さん。「琵琶湖の稚鮎は大きくならないんだよね」と聞くと「いいえ、これが大きくなるんです」と言う。琵琶湖にとどまる鮎は10㎝程度で成長は止まるが、放流されて海で育つと大きくなる。マスなども同じだが実に不思議だ。

もう少しつまみを続けようか考えたが、日本酒を飲み過ぎるので寿司に移った。こぶ取りじいさんのような顔をして大酒は不謹慎だろう。


昨日の山沖とは明らかに違う寿司。鮮魚の握りが多い。大分の赤貝、富山の白エビなどなかなか良かった。シャリはオーソドックスなので、万人好みかもしれない。

最後に刺身でも食べたいわしを握ってもらった。同じ魚が寿司になると違った美味しさ。実に面白い。上江さんも店主に似たのか優しい若者だ。菊地の良さはアットホームな雰囲気にある。超高級な食材は避けているようなのでリーズナブルに食べられる。お酒も飲んで二人で2万円弱。家族連れが多いのも頷ける。この近くの住人はちょっとレベルが高いかもしれないけれど…
すし 菊地
東京都渋谷区神泉町20-15 神泉モンド本社ビル1階
03-3780-3943
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2010年07月07日
[かわなか](渋谷)
大阪のおばあちゃん

鉄板焼きを食べたい。しかも安く、となるとお好み焼屋に限る。渋谷東急百貨店本店の周りを物色していて希望に合致する店を見つけた。
店の奥が賑わっている。店員に聞くと作曲家の弦哲也氏を祝うパーティーらしい。おばあちゃんが電話で話しているのは吉幾三? 壁を見ると川中美幸のポスターが貼ってある。おばあちゃん(と言っても、銀髪には母親の年齢)を呼んだ。「おかあさん、この店は川中美幸と何か関係あるの?」と聞くと「みゆきちゃんは、私の娘です」と予想したとおりの答え。それにしても芸能人の母親には見えないきさくなおばあちゃんだ。

「メニューには載ってないけど、私の手料理を食べてみますか?」とおばあちゃんが親し気に話しかける。「ええ、それお願いします」こちらも笑顔を返した。

鉄板焼き人気ランキング第6位「豚平焼き」第3位「アスパラベーコン焼き」、第1位「みやじ豚のソテー」第2位「いわて奥州黒毛和牛ステーキ」。目の前で焼いてくれるのかと思ったら、カウンターで焼いて皿に盛られてきた。一遍に持ってきたら冷めてしまうと文句の一つも言いたいところだが、幸い目の前の鉄板は熱い。温めなおしが出来るのがいい。

「お好み焼は私が焼きますからね」と言い残しておばあちゃんは別のテーブルに。そこが片付くとカウンターの常連客の横に座って談笑している。実に元気がいい働き者だ。上位ランキングの4品を食べ終えて、「おかあさん、ぼちぼち焼いてくれる?」と呼んだ。

「お歳はいくつですか?」と聞くと「85歳です」と言われて驚いた。「肌がきれいですね」とほめると「あら、75歳と言っとけばよかった」と笑わせる。「みゆきちゃんはいくつ?」と聞くと「54歳です」とのこと。「ひつじ年?それなら俺と一緒だ」なんだか距離が急に近付いたようだ。

話している間にモダン焼きが出来上がった。ヘラで肉やイカを切るのはさすがに力が足りないようだ。若い店員の方が上手に焼くだろうが、おばあちゃんの愛情がこもったお好み焼きには敵うまい。みゆきちゃんが小学生の時に大阪の吹田で開業、町田市に移転後、6年前に渋谷に来たそうだ。隣のバーはみゆきちゃんのお店。芸能人の出入りも多そうだ。
それにしてもおばあちゃんはいい味を出している。彼女が出ている3~4時間は、店は明るく活気に満ちているに違いない。みゆきちゃんも性格のいい人に思えてくるから不思議だ。勘定をしてエレベーターに乗り込むと、おばあちゃんが早足で見送り来てくれた。閉じかけた扉を開いて頭を下げた。
店を出てからも我々の話題はおばあちゃんのことで独占された。とても楽しい夜だった。
鉄板厨房 かわなか
東京都渋谷区宇田川町34-5 M&Iビル4F
03-3463-5318
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2010年07月02日
[ブルガリ イル カフェ](表参道)
カフェの主役はチョコレート?

銀座のブルガリに行ったとき、「次回は表参道の店に」と思いながら9ヶ月も過ぎてしまった。予約なしで大丈夫かな?と思ったのは杞憂だった。小さなテーブルが並ぶ文字通りのカフェ。銀座に比べると随分とカジュアルだ。
メニューを見るとメインと呼べるような料理がない。前菜が7種、パスタとリゾットが4種、サンドイッチ3種と腹を満たす料理は限られている。それに比べてドルチェが8種もあり、ターゲットがどこにあるか分かりやすい。最年長で数少ない男性客の銀髪は対象外かもしれない。

銀座のブルガリと同様にパンが美味しい。特にチーズの香り高いフォカッチャが気に入った。ワインとパンで充分だと思っても、あれこれ頼んでしまって後悔先に立たず。

前菜盛り合わせと、「スズキのカルパッチョ オーガニック添え」。このカルパッチョは秀逸だった。カフェといってもさすがにブルガリの名に恥じない料理を出す。

「茄子とリコッタのラビオリ ポモドリーニと松の実」と同時にクラブサンドがやってきた。ラビオリが少量だったので助かった。スパゲティを頼まなくて良かった。

「七面鳥のペパートとクリスピーパンチェッタのクラブサンド」は思ったより量が多くて驚いた。せっかく持ってきてくれたフォカッチャのお代わりを残す羽目になったのが心残りである。

食後に入り口近くのチョコレート売り場を覗いた。1個1,500円もするチョコレートが並んでいる。トリュフや松茸を使っていると教えられても買う気にはならない。バレンタインに貰った箱が1万円もすると聞いて耳を疑ったのを思い出した。
チョコレートはカフェでも食べられるのだろう。あなたならチョコレート3個と松坂牛とフォアグラのハンバーガー(4,500円)のどちらを頼みますか。銀髪なら?もちろんどちらも頼まない。
BVLGARI IL CAFÉ
東京都渋谷区神宮前5-10-1 表参道GYRE 2F
03-6362-0500
http://www.bulgarihotels.com
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2010年06月18日
[鍋選人](渋谷)
アイデア勝負

「TV・雑誌で話題の自分だけの究極スープ・たれ。『一人一鍋』小鍋しゃぶしゃぶダイニング。」魅力的な宣伝文句に釣られた。鍋は大勢でがやがやと食べるのがいいのだが、他人を気にしないで食べるのも悪くない。
思ったほど混んでいない。それでも待っている人が居るのは予約で一杯というところだろうか。「当日のキャンセルはしないでください」と電話で言われたことを思い出した。明るい店内は女性がターゲットなのが分かる。席に着くと、若い男の店員がオーダーの仕方を説明してくれた。

12種類の中から北海の味噌鍋、白濁手羽先コラーゲン鍋を選んだ。次に具材を指定する。羊、牛、豚の3種盛りと野菜盛り合わせを頼んだ。鍋は思ったより大きい。鍋が沸く間にタレを作るために席を立つ。ゴマだれとポン酢だれを基本に、約30種類の調味オイル・薬味を加えて自分の好みのタレを作る。

種類が多くて考えるのが面倒になった。辛味中心に作って席に戻る。アルコールの火力は意外と強く、既に準備OK。白菜の芯のところから鍋に放り込んだ。

中華火鍋でよく見る2つに分かれている鍋と何ら変わらない状況。それなのに相方はやけに楽しそうだ。オリジナル調合のタレを自画自賛している。店はセルフサービスで手間が省け、客は自分で作って喜ぶ。なかなか賢いやり方だ。

竹筒入り海老団子と自家製鶏つくね団子を追加した。容器が洒落ている。これもセルフサービスだ。誰がやってもうまくできる。最後にうどんを加えて腹を満たした。
普段は太り過ぎを気にしている相方も、油断したことに気付いたのは食べ終わった後。子供は料理を手伝わせると嫌いなものも喜んで食べる。大人だって似たようなものだ。演出がよければ味は二の次と言うつもりはないけれど、とっても賢い鍋選人だった。
鍋選人
東京都渋谷区宇田川町23-5 ハイマンテンビル6F
03-5784-5688
http://www.nabe-sen.jp
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2010年06月11日
[てん](渋谷)
緑提灯星5つ

マークシティの裏通り。鼻を頼りに店を探した。路地裏に雰囲気のある店が並ぶ。緑の提灯を見たら迷うことはない。しかも星5つ。国産食材を95%以上使用している店の印は偉大だ。外国産が悪いわけではないけれど、やっぱり安心。経営者の姿勢が分かる。
「空いてますかー?」入れるかどうか不安な気持ち。奥のカウンターとテーブル席は一杯。幸い手前のテーブルが空いていた。手書きのメニューにはたくさんの料理。お通しを持ってきた店員に思わず「凄いですねー」と言った。

自家製豆腐の冷奴は380円。殆どが3桁の料理で若い女性客が多いのも頷ける。女性限定コースもある。刺身盛り合わせの器が涼しげでいい。

自家製の梅酒など女性ばかりに優しいかと思ったら、日本酒の品ぞろえも立派。いやいや、最近では女性の方が吟醸酒や大吟醸酒を好むというから、やはり女性へのサービスかも。男は安く酔える焼酎に走り、女性は美味しい吟醸酒を好む。「メニューに載ってないのもありますよ」と言われて静岡の酒を頼んだ。

手作りおばんざい盛合せは980円。量もたっぷりあって嬉しい。メインは迷いに迷った。信州直送の地野菜、鮑のステーキ、きんきの煮つけ、金目鯛のかぶと煮、松坂ポークのTボーン、自家製さつま揚げ、コロッケ。結局「今が旬」に惹かれて時不知(トキシラズ時鮭)を食べることにした。遡上する鮭は秋に獲れるが、沖合で獲る元気のいい時不知は今からが旬になる。

それにしても、みんな路地裏の店をどのようにして探して来るのだろう。食べログでの評価はまだそれほど高くないにもかかわらず、客はどんどんやって来る。カウンターで食べたらもっと楽しいに違いない。
評価が上がる前に再訪すべきかな。
渋谷 和食 旬彩料理 てん
東京都渋谷区道玄坂1-15-10 万字ビル B1F
03-5728-1088
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2010年06月02日
[漁十八番](渋谷)
流行りの漁師料理風居酒屋

「今どき、5,000円で飲み食いできない店はダメだよ!」と長兄が言う。「いい店知ってるよ!」と言えないのが辛いところ。渋谷を歩いていたら条件に見合いそうな店の看板を見つけた。古いビルでちょっと不安ながら入ることにした。
エレベーターを降り、店に入って驚いた。予想外に賑わっている。小上がりにある2つの4人掛テーブルの間に2人分の席を確保するのがやっと。銀髪より年長の両隣の客たちは既に出来上がっている。

メニューは最近流行の漁師料理屋でよく見かける体裁。十八番盛りの刺身を頼もうとしたら「二人では多すぎる」と5点盛りを奨められた。刺身が出来上がるまで枝豆でビールを飲んだ。

ウニ刺しを加えてもらったのでちょっと豪華な6点盛りになった。新橋の魚金には敵わないが、量は多すぎずちょうどいい。刺身を食べながら次に頼むものを考えていたら、隣席に大きなサバの塩焼きが置かれた。メニューを見ると「名物料理!」の文字。これは頼まねば。

おじさんたちが一匹のサバを箸でつついている。カラスが群がっているようであまり美しくない。銀髪はきれいに2つに捌いて銘々の皿に取り分けた。自画自賛しようと口を開きかけたら連れに目配せされた。余計なことを言うと折角の楽しい宴を邪魔してしまう。くわばらくわばら。

ほぼ同時に両隣の客が席を立った。そういえば30分ほど前に「ラストオーダーです」と言われていた。予約客が来るまでの約束だったようだ。入れ替わりに入ってきたのは30歳前後の男女たち。景色が一変した。
我々のメインディッシュは「漁十八番の新定番!! まぐろのメンチカツ」。連れは肉のメンチカツと思って一瞬怯んだが、まぐろと聞いて安心した。メタボ中年族は食べるものが難しい。

老若男女が集まる店に、予約なしで入れたのはとてつもなくラッキーだったようだ。純米や吟醸酒をそれなりに飲んで1万円でお釣りが来た。ここなら兄も褒めてくれるかもしれない。
漁十八番
東京都渋谷区道玄坂2-6-12 道玄坂トロワービル2F
03-6808-5175
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2010年05月26日
[もやし](渋谷)
もやしが主役

階段を降りると次第に店内の活気が伝わってくる。大テーブルの真ん中でもやしが成長している。それを囲むのは9割方女性だ。壁際に中年男性が若い女性に混じって二人いてホッとする。それでも銀髪が最年長に違いない。
「すごいな、これは」メニューを見て思わず呟いた。店名から想像していた以上にもやしを使った料理が多い。店員の助けを借りなければ決断できない。お通しはもやしだった。一番人気はもやしときのこの風船焼き。店の女性がホイルを切り裂くと、タップリのもやしが見えてちょっとたじろいだ。

二番人気(?)はいろいろもやしのバーニャカウダ。普通のもやしとピーナツもやしの味比べをすることができる。もっとも驚く程の違いはない。もやしはもやしだ。
「もやしはお好きですかー?」店の娘が笑顔で聞いてくる。「好きだよ」と答えると「私も大好きです。だからこの店で働いています」と笑う。殆どの店員はスリムで明るい。

隣を見るともやしの春巻きを食べている。後ろで食べているのはもやし入りのキッシュだろうか、もやし入りだし巻き玉子だろうか。さあ、次は何にしようか。悩んでいたら「もう、もやしは飽きた!」とつれない声。もやしの入っていない料理を選ぶのは意外と難しい。

バジルソースの地鶏の唐揚げがやってきた。連れはもやしが添えられていないのを見て満足そうだ。熱くて噛み切れないので「ナイフとフォークある?」と聞いたら、素早く持ってきてくれた。店に活気があると店員も楽しそうだ。

「最後はもやしのピザにしようか?」と意地悪を言った。そんなピザはメニューにない。5種類のチーズのシンプルピザを頼むと地獄から天国に駆け上がったような顔をする。
出口で「凄い繁盛しているね。女性が一杯だね」と店員に言うと、「テレビで紹介されたんで…」と渋い顔。「デブの人は雇わないの?」と聞くと一瞬の間が空いて「もやしですからねー」と大きく笑った。店員の笑顔の余韻を感じながら階段を上った。
もやし
東京都渋谷区宇田川町16-8 渋谷センタービルB1
03-5728-6807
http://ameblo.jp/shibuya-moyashiya
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2010年05月16日
[銀獅子](渋谷)
口コミでは評判いいけれど

5月も半ばなのにちょっと風が冷たいと鍋を食べたくなる。口コミサイトの食べログでそこそこの点数を取っている銀獅子に行くことにした。渋谷駅から数分、急な階段を降りたところに食べ物屋にしては中途半端な扉があった。
テーブルはカーテンで仕切られている。もっとも店員が料理を運ぶたびに大きく開けるので他の客に見られないわけではない。さつま地鶏が自慢のようなので三色盛り合わせからスタートすることにした。

極薄切りの胸肉、もも肉、砂肝が乗って来た。薩摩地鶏は高価な鶏のようだ。九州らしい甘い醤油はにんにくとの相性がいい。東京の人には違う醤油も用意した方がいいかもしれない。

「当店の水炊きは18時間煮込んで…」2番目に応対してくれた女性は説明が気乗りしないようだ。「まずスープだけで味わってください」と注ぎ、今度は鶏肉を一切れ器に入れてくれた。やるべきことはちゃんとこなす。他で食べる鶏肉と違って、しっかりとした肉質で味がある。

野菜を置いて立ち去ろうとするので「後は自分でやるの?」と聞いた。向こうのテーブルでは1番目に応対してくれた女性がつくねを分け入れ、野菜も入れていた。「やった方がいいですか?」と聞かれたが、開放してあげた。
水炊きはスープが美味しい。食べながら飲んでいるとスープが足りなくなってきた。壁のインターフォンを取ると、「別料金になります」と言われて驚いた。殆どの店はスープを無料でどんどん足してくれるのに…
「余計なお通しがなくていいな」と思っていたが、席料が1人500円取られていた。メニューを見ると「コース料理をご注文にならなかった場合、お席料500円をお会計時に加算させて戴きます。」と確かに書いてある。その上の「お料理の提供スピードは比較的ゆっくりです。予めご承知おきください。」には恐れ入った。スープ代は1000円もした。
渋谷で行った水炊き屋では華善が一番いい。味は悪くないが銀獅子の総合点はいかほどか。ちょっと考えた。
博多水炊き 銀獅子
東京都渋谷区道玄坂2-6-14
03-3476-6111
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2010年04月28日
[ウナ・コーパ](渋谷)
僕の店、私の店

「空いてますか?」とドアを開けて声をかけた。「空いてますよー」の声がカウンターの中から返ってきた。「あれっ?藤村俊二の店だったかな?」端正な髭面を見て一瞬そう思ったが、よく見ればずっと若いし別人だ。ここは渋谷駅に近く、青山ではない。
カウンターに座ると同時に電話が鳴り出した。髭の主人は左の大テーブルの女性二人に料理を運んでいて電話に出ることが出来ない。すると右端に座った男性が鳴り続ける電話を取った。あれっ?彼が店主かな?と思ったら、戻ってきた髭の男性に受話器を渡す。やはり髭面が主人のようだ。

「生!」と言いかけたが、生ビールの設備はなさそうなので「瓶ビール」と訂正した。にしんと生ハムを頼む。先ほどの電話の客と思われる女性二人が入って来た。店舗紹介サイトの地図がいい加減なので迷ったに違いない。短時間に客が8人になり、主人一人では手が回らなくなった。右端に座る男性の連れがウエイトレスに変身した。

「こちらにも生ハムね」忙しい主人の顔は壁に掛かった絵のようにシリアスなままだ。「料理の写真を撮ってもいいですか?」到着した生ハムを前にして聞いた。どうやって主人と会話をするかきっかけを掴みかねていると「食べログに書いてますか?」と質問された。一通りオーダーをこなして余裕が出たのか主人は笑顔を見せた。

「あの絵は自画像ですか?」と聞くと、数分前に席を外した右端の男性が書いたらしい。「笑っているところを書いてもらったら?」とアドバイスした。「笑顔の方が店が明るくなるよ」と茶化す。それからは簡単、簡単。後から入って来た常連さんらしいハンサムガイを交えて笑いが溢れた。

「すいませーん!」客たちが第2弾のオーダーを始めた。再び主人は戦場に。「パニックしていたと書いといてください」と苦笑する。31年間ワイン商社で働き、退職して始めた店だそうだ。手際がいいとはお世辞にも言えない。今度はハンサムガイがウエイターになった。
高額な有名ワインを飲む店ではない。主人が探し出した味の割にお得なワインを飲むのが楽しい。「ねえ、マスター」と声をかけたくなるようなアットホームな店である。次に来た時、忙しかったら銀髪もウエイターをやってしまいそうだ。
足繁く通うようになると、オーナーでもないのに「僕の店」と言ってしまうことがある。渋谷という土地柄のためか、マスターの人格か、女性客が多い店だ。ウナ・コーパを「私の店」という女性も多いだろう。
「ねえ、マスター。重めの赤ワインを頼むよ」最後には銀髪もすっかり常連客気分だった。
ワインバー ウナ・コーパ
東京都渋谷区道玄坂2-16-19 都路ビル101号室
03-5458-5831
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2010年04月23日
[菜な](渋谷)
高級店っぽい居酒屋

お手頃価格の京懐石料理が食べられる店だった御蔵が閉店した。代わって出来たのが菜なである。「菜なは居酒屋です」と店の女性は言う。京料理という共通点はあっても御蔵とはなんの関係もない。

内装はほぼ御蔵の時と変わらない。いわゆる居抜きである。自家製の胡麻豆腐には葛でとろみをつけたタレをかける。内装に合わせるかのように料理も居酒屋っぽくなく品がある。店員たちも意識しないでもしとやかに振る舞えるようだ。

あばんざいは単品5つを頼むより五種盛合せの方が得かもしれないと思った。全12種類の中からなるべく高いものを選ぶ。「せこいっ!」と笑われそうだ。京揚げと春菊のお浸し、クリームチーズと牛肉のたたき、帆立と生海苔の土佐酢、ずわい蟹とキャベツの胡麻酢、蒸し鶏と水菜の白和えを選んだ。

酒の肴ならおばんざいで充分だ。もう一度五種盛合せを頼もうかと思ったが止めた。代わりに天然水仕込み大吟醸豆腐を食べることにした。「大吟醸」に惹かれただけではない。奥歯の治療中で固いものを食べるのがしんどかったからだ。豆腐を考えた人は偉い!

メインは卯月のおすすめの中からさわらの香梅焼きを選んだ。肉類は奥歯にこたえる。しっかり噛めないと味も何もあったものではない。繊維質の多い野菜も食べにくい。薄い葉物が食べ辛いのも以外だった。豆腐もサワラも連れにとっては物足りないはず。居酒屋価格なので炙り焼きや鳥料理をどんどん頼めばいいのに遠慮している。
菜なは「えん」などと同じ大手チェーン店に属している。経営難で閉店した店を居抜きで引継いで勢力を伸ばしているのだろうか。不況を追い風にして逞しい。居酒屋価格でリッチな気分を味わえれば客にとってもありがたい。満席の店内を見回して感心した。
菜な
東京都渋谷区道玄坂1-12-5 渋谷マークシティ RESTAULANT AVENUE 4F
03-5428-8127
http://www.byo.co.jp
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2010年04月21日
[ジャムロック カフェ アンド レストラン]
ジャマイカ料理屋は楽しい

原宿駅を出て竹下口に立った。「あれなんだ?」S氏の目線を追ったら、ジャマイカレストランの看板があった。入り口はビルの側面にある。階段を上がり中二階からエレベーターに乗り込む。4階で降りて店に入ると客は誰も居なかった。
流暢に日本語を話す褐色の女性に迎えられた。「ジャマイカ料理は初めてなんですけど、何を食べたらいいですか?」全て彼女の奨めに従った。最初に飲むのはレッドストライプ、もちろんジャマイカのビールである。
レッドストライプ、ジャマイカンパティ(ビーフ)

最初の料理が出て来るまでに3組の客が入って来た。我々は招き猫である。キッチンを背にしても壁一面の鏡のお陰で料理人の動きが見える。ビッグママと呼びたくなるような女性二人の明るくユーモラスな動きを見ていると、料理が出て来るのが遅くても気にならない。
アキー&ソルトフィッシュ

アキーはジャマイカ料理には欠かせないフルーツとのこと。ソルトフィッシュは塩漬けのタラ。なんとも不思議な味だ。ジャークチキンはスパイシーで美味しい。日本人向けに味を抑えているらしいが、本場の辛さで食べてみたいものだ。
ジャークチキン(フェスティバル付き)

今年1月に開店したばかりで慣れてないためか、ジャマイカ流なのか、最初にオーダーした我々の料理が全部揃った後に、他のテーブルの料理が作られる。郷に従うのは客の方だ。ビッグママたちが身体を揺さぶって料理するのを見れば、楽しくなってくるから不思議だ。
流暢な日本語を話す女性はジャマイカの人ではなかった。もっとも、ジャマイカはアフリカから連れて来られた人たちの子孫で占められているから区別がつかないのも無理はない。
キッチンのビッグママに話しかけた。ジャマイカの公用語は英語なので気が楽だ。彼女はオーナーの友達で、日本に来てまだ1週間と聞いて驚いた。
二言三言でもお互い自然に笑みがこぼれた。何だか知らないが、愉快な気分になる店である。
JamRock Café & Restaurant ジャムロック カフェ アンド レストラン
東京都渋谷区神宮前1-21-15 ATMビル4F
03-3478-2364
http://www.jamrockcafeonline.com/
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2010年04月09日
[たつみ 宇田川町店](渋谷)
デジャブ?

デジャブ(既視感)だろうかと一瞬立ちすくんだ。カウンターの中の料理人を見たことがあるような気がする。店内を見回す。絶対に初めてのはずだ。座ってメニューを見て気がついた。「向こうの店で会いましたよね?」と言うと、料理人が笑顔で頷いた。以前行ったたつみの支店だったのだ。

支店であればシステムも同じ。ストップするまで揚げてくれる串揚げ屋が多いが、たつみはオーダーした分だけ揚げてくれる。どの串も揚げる時間は短いので慌てることはない。2本ずつ頼んで様子を見て、また頼む。

最初は肉ものを2本。次は野菜物。そして魚介類へと進む。

「マヨネーズはつけないでいいよ」野菜と魚介にはマヨネーズをつけるのが決まりのようだ。串揚げはどんな素材も食べやすいのが長所、逆にどんなものでも同じような味になるのが短所。どれもマヨネーズ味では飽きてくる。

「ばくだんって何?」料理でばくだんと言えば納豆を使ったものが思い浮かぶ。なんでも混ぜこぜにするイメージもある。しかし、たつみのばくだんはシンプルなゆで卵をひき肉で包んだもの。うずらの卵を使ったスコッチエッグと思えばいい。

料理人は本店と宇田川店を行き来しているにもかかわらず、今回も偶然一緒になった。何かの縁かもしれない。2度目なのにもう何度も会ったいるような気になるから不思議だ。そうなると、本店より美味しく感じてしまう。本当に不思議なもんだ。
四季の串 たつみ 宇田川町店
東京都渋谷区宇田川町33-10 J+RサイドJビル B1
03-3462-5977
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2010年04月05日
[チェゴヤ](渋谷)
女性に人気の韓国料理屋

「女ばかりだな」と呟いた。入り口に置かれた傘立てがカラフルだ。「空いてますか?」と言いながら店内を見渡す。思ったとおり殆どが女性客だが、銀髪より年長と思われる男性客もチラホラいるのでホッとした。
「すいませーん」手を上げた。目が合ったはずなのに来てくれない。声が小さかったのだろうか。オッ、来た来た!と思ったら通り過ぎて後ろのテーブルに。そこでやっと気がついた。テーブル上のボタンを押したらすぐに注文を取りに来た。なんだかチェーン店っぽい。
ポンテギ(蚕のさなぎ)

連れが目を背けた。ちょっと変な臭いがする。食べると臭いは気にならない。美味しいとは言えないが食べられないこともない。しかし臭いがやはり気になる。残念だ。

チェゴヤは家庭料理の店。料理の種類は多いが、焼肉はわずか。焼肉専門店ではないので韓国料理らしいブルコギを頼んだ。もともと、卓上で焼くのは大阪の食道園が元祖で日本式である。

安っぽい(失礼)店の割りには本格的なサンゲタンだった。グツグツと音がしそうな鍋にスプーンを入れ、鶏肉を割りほぐす。骨の抵抗を感じない。実際口に入れると骨まで食べ尽くすことができた。朝鮮人参など薬膳らしい素材は見当たらない。控えたのか溶けたのか分からない。

お腹が一杯のようでも何か物足りないので海鮮チゲを頼んだ。食べ切れるか心配だったが辛さが食欲を増す。ボタンを押して白いご飯を追加した。これでは食べ過ぎと思っても箸が止まらない。困ったものだ。
チェゴヤは全国に40店舗もあることは後で知った。急成長しているのも頷ける。若い女性たちは良く分かっている。たいしたものである。
チェゴヤ 渋谷店
東京都渋谷区道玄坂2-25-17
03-3462-2727
http://www.chegoya.com/shop/shibuya.html
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2010年04月01日
[炙縁](千駄ヶ谷)
絶好調!

「ここにしよう!」自分の勘を信頼することにした。この4年間で行った店は1000軒を大きく超える。勘は経験に裏打ちされているはずだ。
おじさんたちがテーブルの上にドーンと置かれた焼き野菜で酒を飲んでいる。カウンターには若いカップル。銀髪はいつものように料理人と話せるカウンターを選んだ。髭面の料理人は無愛想なおじさんに見えたので話しかけるのを躊躇した。注文を取りに来た女の子はなかなか可愛い。

お通しがおでんとは気が利いている。刺身の盛合せはめじまぐろ、かんぱち、しめさば。我々2人に対して4切れずつ。喧嘩にならない配慮が嬉しい。おでん、刺身と続いて先ずは及第点。銀髪の勘は冴えていた。

空豆、ベビーコーンを炙り焼きにしてもらった。空豆はともかく、ベビーコーンを皮のまま焼くのは珍しい。褒めようと思って髭面の料理人を呼んだ。思ったより若くて笑顔が好ましい。「田中さん?」料理人の名札を読んだ後、会話に引きずり込んだ。
「信濃鶴を飲んでみてください」炙縁の中で一番安い純米酒を奨めてくれた。田中さんの郷土のお酒と言う。純米吟醸と言われたら騙されそうだ。感心すると一気にお互いの距離が縮まった。

可愛い店員イチオシの銀ダラかまみりん、総州古白鶏もも炙りも美味しかった。田中さんは「うかい」などの日本料理屋で修行したそうだ。ひげ面の若いあんちゃん風だが、料理人としてのプライドを身にまとっている。炙縁のオーナーは元気な居酒屋てっぺんの出身。独立して新宿歌舞伎町の絶好調てっぺんなどを経営している。炙縁はグループの中では珍しい大人が落ち着ける店である。
田中さんのほんわかなムードが寛がせてくれた。彼が尊敬する経営陣と共に、頑張って欲しいものだ。
炙縁
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-5-15
03-3479-0944
http://www.z-no1.jp/shoplist/index.html#cap02
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2010年03月17日
[三百屋](渋谷)
予約なしでは入れない

数週間前、ガラガラの店を両側に見ながら三百屋に着いた。雨の日の月曜日だから入れると思ったのに満員で断られた。当日に電話してもまず入れない。今回は数日前に予約した。

カウンターに座ると見事なキャベツとネギがやってきた。人気の秘密は思ったよりきれいな店舗と丁寧な応対にあるようだ。

「神泉ホルモン」と店名の前につけているのでホルモンばかりかと思ったら、カルビやロースなどもある。ついついタンやハラミを頼んでしまうと、格安のイメージが消えていく。

常時25種以上のホルモンを取り揃えているというのだから、内臓類を頼む方が良さそうだ。メニューに書かれた値段は高く見えるが、やって来たホルモン、レバーを見ると質、量とも立派。納得である。

あらためてメニューを見るとおまかせホルモンの7種盛合せがあるのが分かったが後の祭り。諦めてシビレとツラミを頼んだ。しっかり焼いて表面がカリッとしたシビレ、軽く焼いて柔らかく食べたツラミ、簡単に腹の中に収まった。

ネギをたっぷり入れた塩ダレが美味かった。タレ焼きは頼まなかったので網の汚れは気にならなかったが3度替えてくれた。ホルモンの質もさることながら、居心地の良さが評価できる。
もっとも超人気の店に長居は出来ない。「予約客が来る8時まで」と言われた隣席のカップルは、名残り惜しそうに勘定をした。「混んで来たら2時間まで」が三百屋のルール。隣席はすぐに埋まった。ガラス戸の向こうにも客が待っている。我々の席も次の客が狙っていた。
三百屋
東京都渋谷区神泉町12-4
03-3477-1129
http://www.sanbyakuya.com/
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2010年03月14日
[あかなす家](渋谷)
トマトラーメン

パッと見た時は店名の意味が分からなかった。漢字なら赤茄子だと閃いて、ああ、トマトのことかと理解した。インドを原産国とする茄子が日本に入ってきたのは奈良時代。一方南米原産のトマトが入ってきたのはそれから1000年も後のことらしい。日本でトマトと呼ばれるようになったのはずっと後のことだ。
面白半分で入ってみたが、若いカップルが多いので恥ずかしくなった。茅場町の太陽のトマト麺では銀髪よりも年長者がたくさん居た。トマト味だからというわけではなく、場所柄渋谷は若い人が多いということだろう。

アサリトマトラーメンを食べた。太陽のトマト麺で経験済みだったので驚きはない。チーズ入りがあかなす家の人気商品のようだが、スパゲティだと思えば経験したことがない味ではない。
麺の起源は4000年前の中国とも言われるが、その後色んな形で世界に広まった。南米産のトマトは大航海時代にヨーロッパに伝わり、今では世界でもっとも愛される野菜になった。トマトラーメンが生まれるまで、壮大なドラマがあると言ったら大袈裟だろうか。店の人は考えもしないかもしれないが…
あかなす家で面白かったのは2組の若いカップル。どちらもお金を払ったのは女性の方だった。男性たちはそれが当たり前のように振る舞い、「ごちそうさま」の一言もない。ここにも時代の変化を見ることができた。
いやー、実に面白い。
あかなす家
東京都渋谷区道玄坂2-23-1
03-3462-2289
http://tomatoramen.com/
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2010年03月04日
[三崎よし田](渋谷)
漁師料理?

ビルの地下にある店といえども割烹風の店構えを見ると入り辛かった。冷たい雨の中、鼻を頼りに店を探す気になれず、思い切って扉を開けた。案ずるより生むが易し。店内は銀髪と同様なおじさん、おばさんたちで賑わっていた。割烹というより居酒屋に近い。
カウンターの左端に座り、壁に貼られた短冊を見る。お通しが来た。メニューは来ない。見えにくい右端の方の短冊を女将さんが読み上げてくれた。料金は高め。目の前を他の人の料理が通っていく。大きい。質と量を見ると値段と見合っているようだ。

「刺身の盛合せはやってないんですよ」と言われて困った顔をすると「赤身と白身の盛合せならできます」と優しい。まぐろの赤身と中トロ、アイナメの盛合せがやってきた。大きく切った刺身は漁師料理のようだ。

「あら煮をお願いします」と頼むと、時間がかかりますとのこと。ガス台は10人ほどの宴会客の料理で忙しい。大きなメンチカツ(?)が運ばれていく。次は海老が揚げられる番のようだ。料理人は主人一人、ガス台も限られているとなれば止むを得ない。鯛の塩焼きなら空いたロースターが使える。幕間つなぎにカウンター上のタッパーに入った穴子の骨煎餅をもらった。

女将さんも八面六臂の大活躍。「日本酒を下さい」手が空く一瞬を見逃さず声をかける。「お冷もらえますか?」今度はちょっと遠慮しながら頼む。骨煎餅はいい酒の肴になった。

立派な兜焼きが出て来た。ここの料理は何でも豪快だ。味も悪くない。さて次は何を頼もうか。「メニューくれる?」と言ったところで女将さんと目を合わせ「メニューはなかったんだよね」と苦笑い。「何か汁物ある?」「ありません」、「ご飯とか麺はないの?」「もう出ちゃいました」となって困り果てた。まだ8時過ぎとはいえ、大量の刺身単品は食べたくない。焼き物、煮物は時間がかかる。お開きにするしかないようだ。
勘定をしてもらう。穴子の骨煎餅はサービスにしてくれた。美味しくて、気さくな店だけど、3~4人で来た方が良いかもしれない。
三崎よし田
東京都渋谷区宇田川町35-4-1
03-3464-2010
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2010年02月26日
[AW kitchen figlia](南青山)
カジュアルにイタリアン

「入り口の近くでもよろしいですか?」電話の向こうで恐縮している。寒さも和らいできた。ドアの開閉による風や、すきま風も気にはならない。即座に同意して夕餉の席を確保した。
ビストロ・ヴィオニスに居たソムリエの斉藤さんから案内状をもらったのは昨年秋。但し、オープンしたばかりの白金台店の方だ。ホームページを見て南青山にもあることを知った。六本木のやさい家めいも系列店のようだ。

南青山店は場所柄もあって他の店よりカジュアルに仕立ててある。客は圧倒的に若い。外国人もいる。「バーニャカウダがお奨めです。あとはパスタを2種類で充分だと思います」はきはきと女性店員が話す。メニューも見ずに従うことにした。他の客たちも銀髪と同様に素直な人たちばかりのようだ。

野菜を売り物にした店が増えてきた。定番はバーニャカウダであるが、生産者の顔が見える新鮮野菜はそのまま食べた方が楽しめる。物足りなくなったときに塩やソースをつけるぐらいでちょうどいい。余ったバーニャカウダはパンにつけても美味しい。
後に来た我々の方が隣席の男女4人より早く野菜を食べ終わった。大声の自慢話に忙しそうだ。謙虚さを知らない若者たちと眉をひそめそうになったが、どうやら合コンのようだ。大言壮語や武勇談も微笑ましく思われた。それがうまくいくかどうかは分からないけれど。

名物料理のトルフィエアラビアータ、アイデアが面白い衝撃の人参「彩誉」のぺペロンチーノ。それぞれ分けて持って来てくれた。自家製パスタが自慢の店だけに、安心して食べることができた。
「斉藤さんに申し訳ないから、今度は白金台に行かなきゃね」と女性店員に言うと、「またこちらに来てください」と快活に答える。「斉藤さんがこっちの店に来ればいいのにね」と言えば「いいえ、来なくていいです」と笑わせてくれた。
隣席に女性が一人加わった。女3人、男性2人では喧嘩になるかと思ったら、どうやらアレンジャーのようだ。共通の友達のようでもあるし、業者のようでもある。カップル誕生になるのか最後まで見届けられなかったのが残念だった。
AW kitchen figlia
東京都港区南青山3-18-5 NOB南青山ビル1F
03-5772-0172
http://www.eat-walk.com
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2010年02月18日
[二合目](渋谷)
湯豆腐が食べたい

無性に湯豆腐が食べたくなった。渋谷駅からトボトボと雨の中を歩いたのに目的の店はなくなっていた。途方に暮れても仕方がない。心当たりの蕎麦屋に向ったら、なんと別のとうふ料理屋が目の前に現れた。幸運の女神に愛されるのは嬉しいものだ。

湯豆腐は3種類ある。「お奨めは?」と聞いたら一番安い安曇野の湯豆腐を奨められた。湯豆腐の他に自家製がんもと湯葉刺しを頼んだ。写真の湯豆腐は1人前(900円)で、昆布と豆腐だけのシンプルなもの。「中が少し冷たいぐらいが柔らかくてちょうどいい」と言われたが、2個目の方がやっぱり温かくて美味しかった。

殆ど水分だがそれなりにお腹が膨らみ、暖かくなった。既に目的は達成されたが、少しハードなものも食べたくなる。がんもが濃厚な味わいでとても美味しかった。追加オーダーしたまぐろサラダの大きさにビックリ。しかし、これも豆腐料理。冷たい豆腐が底上げしていた。
最初に食べるつもりだった湯葉がなかなか出て来ない。豆乳から湯葉を作っていると思うことにした。やっと出てきた湯葉がどこで作られたのか詮索するのは野暮に思えた。

銀髪は精進料理で満足出来るが、若者はつまらなそうだ。豆腐料理以外に力を入れているらしい大山地鶏を頼んであげた。「まだ時間がかかりそう?」と催促して間もなく大きなお皿が出てきてびっくりした。

大山地鶏の岩塩焼きは北京ダック風に食べるアイデア料理だ。ようやく若者の目が輝いた。薬味のマスタードが絶妙なので「自家製?」と聞いたら「市販のものです」と素っ気ない。鶏肉を包む春餅は自家製だろうと思ったら「築地で買ってきました」と正直だ。湯葉はどうだったのだろうか。あらためて想像を巡らした。
がっかりしたのかと言うとそうでもない。渋谷の喧騒から離れた店は、のんびりとしてリラックスできた。店員たちも雰囲気作りに貢献していた。「二合目はどういう意味」と聞いたら「一合目という店の2号店だから」との答え。他の意味もあるようだが、その店員の説明はそれで終った。もっと話を膨らませられるのになー。苦笑いも楽しい店だった。
とうふ料理 二合目
東京都渋谷区神山町10-8 渋谷クレストンホテル 1F
03-3465-0555
http://www.crestonhotel.co.jp/shibuya/restaurant/menu.html
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2010年01月19日
[佐賀 雑穀](渋谷)
佐賀の珍味と旬の素材を使った料理

東京では珍しい佐賀料理の店。開業して40年以上というが、板前は店の年齢より若そうだ。客の応対を担当する女性に「夫婦ですか?」と自信なげに聞くと兄弟と言う。やっぱり、「お姉ちゃんですね」と銀髪も合点がいった。先代が二人の親ということになる。
「これは麩ですか?」板前の弟に聞いたら「鶏のミートローフです」ときた。日本料理=麩と結びつけたのは浅はかだった。老眼による勘違いは時々白い目で見られる。

佐賀県の特産物であるがんづけ、むつごろう、わらすぼなどを連れはあまり喜ばなかった。丸天は喜んで食べたので、魚ロッケや竹輪、はんぺんなどを頼んだ方が良かったようだ。佐賀県産日本酒の金波や東一の肴にして殆どを銀髪がたいらげた。

「お嫌いでなかったら生のナガスクジラがありますよ」とお姉さんが言う。南氷洋産と書いてあったので冷凍だと思っていた。生の鯨と聞けば断れない。連れも最初は恐る恐る、次からは喜んで箸を出した。

ガラガラだった店内もかなり埋ってきた。そうなると姉弟二人では手が足りなくなる。お姉さんは弟に指図するだけでなく、時折包丁を握る。その包丁捌きを感心して見詰めた。姉と弟の力関係は年齢だけではないのが分かる。
本日の煮物は大根。かなり大きいのでそれなりに腹が膨れた。雑穀まで行き着けるかな?

「もうすぐ煮魚も来るんだよね」と言うと、弟の顔が少し変化した。注文をこなしきれなくなっている。時計を気にしていた右隣に座ったカップルが席を立った。ホウボウが煮えるまでそれほど時間はかからなかったが、雑穀の料理を頼む気は失せた。勘定を頼むとぜんざいが出て来た。
佐賀料理といっても高級な佐賀牛や呼子のいかなどは置いていない。東京生まれ、東京育ちの姉弟の店は、佐賀名物というよりも旬の料理がお奨めのようだ。弟と話をするには忙しすぎたのがちょっと残念だった。
佐賀 雑穀
東京都渋谷区宇多川町31-4 しのだビル7F
03-3464-8416
http://www.zakkoku.co.jp
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2010年01月08日
[奈加野](渋谷)
これがHanako?

「銀髪さん、どうやって店を探しているんですか?」とよく聞かれる。毎日が新規開拓の銀髪にとって店を選ぶのは苦痛ですらある。雑誌も有力な情報源だ。先日、病院の待合室に置いてあったHanakoで知った店が奈加野だった。
電話番号は間違っていないはずだ。しかしナカまでしかはっきりと聞き取れなかった。居酒屋のはずだが電話から聞こえてきたのは中国語訛りの日本語である。不安なまま店に向った。中華料理屋ではなくて安心したがHanakoの写真とは随分違う。正真正銘の典型的な居酒屋に中国人の女性店員。今はあたりまえかもしれない。

中国娘が本日お奨めの刺身を教えてくれる。他の席の立派な刺身に心を動かされたが、つみれ鍋で充分のような気がする。鍋の用意が出来るまで、お通しと煮込みで場つなぎすることにした。日本酒の品揃えも悪くない。周りを見ると女性客の方が多い。Hanako効果だろうか。

鍋とその材料が運ばれてきた。しばらくすると蓋の穴から蒸気が勢いよく噴き出してきたが、誰もやって来ない。店主なのか従業員なのか分からない日本人のおじ(い?)さんをつかまえて、鍋奉行は客の特権と教えてもらった。ありがたく銀髪が奉行を拝命した。

いわしのつみれは竹の器に山盛りになっている。これをどのように入れるかで性格が分かる。繊細と豪胆のどちらに見られたいか迷った末に、中間の無難な道を選んだ。まったくもってつまらない日本人だ。野菜は出しになるごぼうや煮えにくい白菜の芯のところから順番に入れていく。奉行にはなれても関白になれない家庭での銀髪の姿がばれてしまった。

いわしと野菜の旨味が出ている汁を堪能するためにうどんではなく雑炊を頼んだ。中国娘は例によって材料をテーブルに置いて去っていった。煮詰まった鍋にスープを足すと水分が多くて失敗したかなと思ったが構わずごはんを放り込んだ。おじさんがやってきて「汁が多いんじゃないの?」と痛いところを突く。「これが好きなんですよ」と言い訳した。出来映えは悪くなかった。
若い女性たちはオヤジ達の聖域にまでどんどん入ってくる。Hanakoもそんな彼女たちのために奈加野のような居酒屋も紹介する。オヤジ達にとっては嬉しいような悲しいような複雑な気持ちだろう。「どうだい、居酒屋で一杯やるか?」と言う相手が女性とは…
奈加野
東京都渋谷区宇田川町31-3
03-3476-1787
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2009年12月24日
[牛兵衛](渋谷)
リーズナブルに最高級の和牛

「一頭買いの店!」という言葉は焼肉店の殺し文句だ。高級牛肉を割安で食べられるイメージがビンと来る。「最高級A5ランクのみを使う焼肉店」と言われればよろよろっと階段を降りてしまっても納得してもらえるだろう。
それでも値段は気になる。ドアを開けて店内を見回してちょっと安心した。ごく普通の焼肉屋さんに見える。店員もアルバイト風。案内された席の隣には若い女性が二人、足を組んで食べていた。不安は吹っ飛んだ。

お通し300円、キムチ390円は良心的だろう。二人で色んな部位を食べたいと思ったら、ちゃんとメニューにあった。メニューの写真と比べると実物もそん色ないものだった。包み野菜に巻いてちょうどいいぐらいの脂の乗り方である。

ホルモンの盛合せもある。こちらはメニューの写真より実物の方が立派。コリコリタンの食感が面白かった。高額なものをたくさん食べたらお財布が泣くことになるが、色んな部位を少しずつ食べた方が美味しく楽しい。

極上一頭盛合せに入っていなかったタンを最後に食べよう。清水の舞台から飛び降りるつもりで幻の極上タン(数量限定)2280円を頼んだ。少しぐらい見栄を張ってみようと思ったが、幸か不幸かこの日は入荷していなかった。そこで薄切り上タン塩1,200円にした。

貧弱なタンを予想したが意外と立派。充分美味しく食べられた。「山形牛一頭買い」の看板に偽りなしと言ってもいいだろう。小さな店で一頭買いが出来るの?という疑問の答えはホームページにあった。グループに18店の肉料理屋を抱えている。
隣席の女性たちの食欲は凄かった。焼肉と一緒にご飯、それが終ればチヂミ。割安に腹を膨らませる方法を知っている。彼女らにとって草食男子は不要に違いない。もつ焼き屋も最近では女性同士の客で賑わっている。不況でエスコートするお金もない男は、女性とはますます縁遠くなってしまうのかな。
牛兵衛 渋谷店
東京都渋谷区道玄坂2-25-5 B1F
03-3770-6060
http://www.royal-shoji.co.jp/food/
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2009年12月15日
[アッラ・クチーナ・デル・ソーレ](千駄ヶ谷)
客にも優しい?

「有機栽培の野菜と産地から直接届く魚を中心にしたメニュー構成で、無添加の調味料などを使って、身体と環境に優しい料理を提供している」と聞けば行きたくなる女性は多いだろう。行きたくなるオヤジは?まあ、そんなには多くはないかな。
原宿はもちろん代々木や千駄ヶ谷の繁華街から離れているにもかかわらず、口コミの評価は高く人気の店である。小さな店は予想通り女性たちが目立った。しかし、女性を連れた中年男性もチラホラ見える。メタボを気にしているのか、女性に引っ張られたのかは分からない。

アンティパストはトマトとモッツァレラチーズのカプレーゼと豆のサラダ。アンティパストは4~5種類乗っているのが普通なのでちょっと意外だったけれど、これを一皿の料理と考えれば悪くない。「???」イタリアンのカタカナメニューはよく分からない。2皿目は他の客のものが出てきたといぶかった。簡単に言えば小麦粉の代わりに山芋を使ったお好み焼き。親しみやすい味だった。

「ぺペロンチーノはないんですか?」と聞いたら、店の人は一瞬顔を曇らせて「作りますよ」と言ってくれた。迷ったがメニューにあるバジリコ風味トマトソースのスパゲティを食べることにした。店の人はホッとした顔をする。
スパゲティも魚(すずき)も2つに分けて出してくれた。もう一品あった方がいいと奨められたが、パンを食べれば我々には適当だった。グラスワインは赤白一種類ずつでいずれもオーガニックワイン。有機野菜のお店らしくて面白い。
お金を払って調理場の若い女性に声をかけた。「誰が料理を作っているの?」と聞くと、我々の隣に立っていた男性店員が「私です」と答えた。接客をしていた男性が店主兼料理人の伊崎さんだった。本を出すなど有名な料理人らしい。その割には気さくで優しい人である。
身体や環境に優しい料理は客にも優しい料理人から生まれるということだろうか。
アッラ・クチーナ・デル・ソーレ Alla Cucina Del Sole
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-22-4
03-3479-4640
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2009年12月02日
[福みみ](渋谷)
元気一杯、笑顔一杯

階段を下りると正面の壁にお通し代がない店と書いてある。グッと気分が良くなって店に入ると、若い店員たちの大合唱で迎えられた。近くの男道場や女道場の系列かと思ったが違うようだ。最近はこんな店が流行りなのだろうか。
お通し、コリコリ鶏のゆびき

お通しはないと思っていたらキャベツが出てきて戸惑った。こんなものでも200~300円を取る店もある。壁の張り紙は勘違いだったのだろうか。
ぼんじり、レバー、つくね

「あなたが橋本さん?」目の前で鶏を焼いている若者に声をかけた。彼の後ろの額を見ると焼き師の称号を得ているらしい。「美味しいよ!」と銀髪が言う前から実に楽しそうに仕事をしている。店員を乗せるのも上手い店だ。
シソ巻き、白レバー、チーズもち巻

お奨めをまとめて頼むと全部一緒に来そうなので2度に分けてオーダーしたが、杞憂だった。さすが認定焼き師だけあっていいタイミングで出してくる。白レバーは中がトロトロでなかなかのものだった。
確認して落胆したのは日本酒のメニューが貧弱なこと。品揃えが豊富な焼酎や梅酒は若い客のためのものだ。店内を見渡すと間違いなく銀髪が最年長。連れが2番目。もっとも銀髪が日本酒党というだけで、中高年にも焼酎党が多い。一度覇権を失ったら復権は本当に難しいものだ。
牛スジとモツの煮込み、味噌汁

煮込みを肴に熱燗を空けたところでお開きにした。勘定を頼むと味噌汁が出て来た。釣り銭を財布に収め、レシートを見るとご丁寧にお通し¥0と書いてあった。気に入ったので帰り際に店長と名刺交換した。彼もアルバイト学生と見間違える若さだ。
Kuurakuグループは国内外21店舗の経営の他、人材育成などのコンサルティングをやっているようだ。傘下の従業員の出来が悪ければ洒落にならないが、福みみ渋谷店を見る限りアルバイトを含めて実に楽しそうに働いている。楽しさの源は客の笑顔。その笑顔は料理と接客から生まれる。笑顔のキャッチボールがあれば店が廃れるはずがない。
福みみ
東京都渋谷区道玄坂2-25-17 小島ビルB1F
03-3461-2911
http://kuuraku.co.jp
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2009年11月12日
[ちゅらり](渋谷)
もはや珍しくない沖縄料理

階段を上がって店に入って驚いた。週末とはいえ7時前なのに店は8割方埋まっていた。幸いなことに禁煙の座敷で空いていたのは4人席が2つ。2人席で窮屈に食べている先客たちには申し訳ないが、2人でゆったりと過ごせることになった。
沖縄料理ブームは終ったと思っていたが、キワモノ扱いされることはなくすっかり東京の街に定着した。しかし、定番の料理ばかりでは飽きられる。ゴーヤチャンプルーや海ぶどうなどは普通の居酒屋でも食べられるようになった。ちゅらりもそんなことは充分わかっている。沖縄の素材を使いながら、この店ならではの料理も揃えている。
お通し、珍味三種盛り

混みあっている店内を見て料理は早めに頼むべきと判断した。珍味三種盛り、シーザーサラダ、ラフテーと自家製味付玉子をまとめて頼んだ。ところが生ビールを飲み終わる前に3品が一斉にやってきた。確かに盛り付けるだけの料理ばかりだが手際の良さに感心した。
シーザーサラダ、ラフテーと自家製味付玉子

右隣の3人連れがもう一人を待ち切れずに食事を開始した。4人揃ったのはそれから30分後。我々と同様に「混みあったら2時間制にさせていただきます」と言われなかったか気になる。たぶん多目に見てもらえるのだろう。あまり焦っている風には見えない。
手造り紅芋コロッケ

サツマイモの中でも沖縄では紅色のものが好まれる。一般的な黄色のサツマイモより甘味が少ないので、コロッケにしても何とか食べられる。相方はデザートのつもりで食べているようなので一石二鳥である。
新手の客が入ってきたのでお開きにすることにした。2人で4人掛けを占有し続けるのが申し訳なかった。勘定を済ませ、部屋を出たが我々の靴は用意されていない。店員は客の間を駆け回っている。この不況下に結構なことだ。仕方なく下駄箱から自分で探し出した。
ちゅらりは渋谷の他に銀座、新宿、六本木など15店舗ある。母体となるシーエーフードサービスは都内を中心に6業態36店舗を展開する。シーエーフードサービスの社長も、その親会社のクリエイティブアルファの社長も1970年生まれとまだ若い。たいしたもんだ。
ちゅらり
東京都渋谷区宇田川町31-3 蓬莱屋第二ビル2F
03-5728-4233
http://blog.cafs.jp/churari_shibuya/
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2009年11月06日
[静香庵](神宮前)
新潟県アンテナショップにある料理屋

地方の物産を紹介する店は日本橋から銀座の間にたくさんある。新潟=日本酒と考えるのん兵衛にとっては、ブランド好きな女性や原宿ファッションに群がる女の子が大半の街になぜアンテナショップがあるのか理解できない。両側に物産品が並ぶ通路を歩き静香庵に入ると、店は閑散としていた。
「昼は混むんですが、夜は難しいですね」カウンターを仕切る青鹿さんが苦笑いする。既に店員の姿さえ消えてしまった物産店から流れてくる客はいない。静香庵は物産店に併設している割にはお値段も高め。新潟グランドホテルの直営と聞いて納得した。
お通し、のっぺ

新潟郷土料理屋にはこれまで何度も行ったことがある。銀髪自らメニューの料理を連れに解説し、青鹿さんに確認する。後ろに控えた女性も含めてなんだかみんな緊張気味だ。
刺身(めじ、みずだこ、甘海老、たい、えごのり)

「珍しい名前ですね」変わった名前の人は得だ。話のきっかけを与えてくれる。少しずつ青鹿さんの表情も和んできた。新潟から直送された魚介類をきれいに盛ってくれる。食べてみると妥当な値段と思える。さすがホテルだ。
かきのもと、越後もち豚

「新潟ではこの時期、みんなが食べるんですよ」食用菊のお浸しを器にたっぷり盛りつけながら教えてくれる。地元で殆どが消費されるそうだ。ヘルシーな酒の肴である。
日本酒はもちろん新潟の銘酒。無名の酒を飲みたいが、全国区になった有名な酒蔵のものが多い。客が求めるからか、営業上の戦略か。
村上牛

村上牛を食べるのは2回目。もっともこれまで食べたことがあるのは土産物屋で買ったレトルトカレーの肉。実質的に生まれて初めての経験と言っていい。高価なだけに多くが県外、特に東京に出荷されているそうだがあまり見たことがない。
勘定を払ってにこやかに青鹿さんに別れを告げた。既に入って来たアンテナショップのドアは閉ざされている。裏口に案内されたと思って出たのが実は正面玄関だった。料亭風で雰囲気がある。ここから入っていたらメニューの値段に意外感はなかっただろう。
料亭なら見送られているかと思って振り返った。予想に反して既に店員は店の中に消えていた。寒いから仕方ないか。
静香庵
東京都渋谷区神宮前4-11-7 NESPACE 1F
03-5771-8500
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2009年11月02日
[遊魚 和田丸](渋谷)
お魚に自信あり

マークシティを出て神泉方面に歩く路地に居酒屋が並ぶ。どこに入るか迷いながら左手に目を移すと階段の向こうに見覚えのある店を発見。確かガイドブックに人気の店と書いてあったはずだ。狭い階段を上がり店に入ると空いていてホッとした。
定番のメニューよりも手書きのメニューの方が幅を利かせている。店名から連想されるとおり鮮魚が自慢の店。定番のメニューブックと比べながら思案する。

店主は魚真から独立した人。しかも下北沢の一号店開店時の店長と聞けば鮮魚に間違いはないだろう。もちろん刺身からスタートした。上刺身は一人前1,000円で下の写真は2人前。喧嘩にならないように2人で分けやすいように配慮してある。

刺身ができる前にすぐ出るものと思って頼んだなまこ酢が後になった。客が少ないときはあまり考えすぎない方がいいようだ。
定番のメニューの中から鶏の竜田揚げ。辛口の醤油ダレで食べるお奨め料理。話に夢中になり全部食べ終わってからタレがあったことに気がついた。大失敗!

特大めひかりは運ばれてきたときニシンか何かと思った。10cm位の小魚とのイメージが強かったので驚いた。焼き魚で食べるのは多分初めて。白身が柔らかく上品なので天ぷらに向くと言われるのもよく分かる。小骨が気になったが、途中から面倒になって噛み砕いた。

「凄いねー、こんな大きなメヒカリは初めて見たよ!」入り口すぐのカウンター席を勧められたために店主との会話が難しい。首を伸ばしてちょっと大きな声で話しかけた。「私もですよ」柔和な笑顔をやっと見ることができた。特大メヒカリのお陰だ。
「寿司は6種類?それとも3種類?」再び首を伸ばした。「どちらでも」と言われて悩んだ。ものは試し、6種類にしてみた。残った日本酒を飲み干すための酒の肴にはなった。

天気のせいか、曜日のせいか、景気のせいか、店を出るときになっても席は埋まらなかった。空いているのは有難かったが、居酒屋は賑やかでなければ楽しくない。週末の混み合う夜に偶然席を確保し、入り口で断られる客を見て幸運を喜ぶ。そんなときはどんな料理も美味しく感じる。人間とはやっかいな心の器だ。えっ?銀髪だけ?
遊魚 和田丸
東京都渋谷区円山町22-18 桃山コーポ1・2階
03-3496-3435
http://www.wadamaru.com
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2009年10月26日
[Galettoria (ガレットリア)](渋谷)
カフェでガレット

「そば粉のクレープ」の文字に釘付けになったのは約3年前、ニューオータニのパーティー会場だった。そばは日本原産だと思っていた。従ってそば粉のクレープは日本人の発明品だと思った。料理人の説明を聞き、家に帰って調べると大きな勘違いと分かった。ガレットはフランス北西部ブルターニュ地方の郷土料理で、後にこれを真似て小麦粉を使ったクレープが作られた。元祖からすれば「クレープは小麦粉のガレット」と呼んで欲しいだろう。
ビール

ガレットリアで飲めるアルコール飲料はブルターニュ地方の代表的な酒シードルとビール。リンゴ原料のシードルではなくビールを選んでしまうのが日本人。ワインでもあれば嬉しいが、贅沢は言えない
ハムとチーズのガレット、ツナやポテトのガレット

クレープはお菓子のイメージが強い。キリスト教の公現祭(1月6日)に因んでフランスで新年に出されるパイ生地のケーキ(ガレット・デ・ロワ)と混同する人がいるかもしれない。これらと違いガレットは痩せた土地ブルターニュならではのそば粉を使った食事。酒の肴にもなる。
グリュイエルチーズとトマトのガレット、クレープ

店の女性に「ガレットは必ず卵を乗せるものなの?」と聞いたら、驚いたような顔をして「たまたまお奨めしたものが卵を乗せたものでした。すいません」と謝る。彼女のミスではなくチーズと卵が定番のようではある。もちろんガレットの生地はどんなアイデアでも受け付ける。
クレープはもちろんデザート。チョコレートと共に食べて銀髪が顔をしかめると、連れが大笑いする。もう一度笑いを求める相手を制してバターだけで食べた。これなら何とかなる。
他の店が混み始める時間がラストオーダーの店はとても静かだ。ゆったりとした2階席は貸切り状態でとても寛げる。小瓶2本だけの夕食は奇妙なほど快適だった。これが日常になるまであと10年だろうか、20年だろうか。そろそろ酒に頼らない夕食を模索するべきかもしれない。
Galettoria (ガレットリア)
東京都渋谷区松涛1-26-1
03-3467-7057
http://www.many.co.jp/galettoria/
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2009年10月21日
[コリアン オーガニック ナビ](原宿)
お洒落な韓国料理屋

原宿、青山周辺にはいい店が多い。しかし、リーズナブルに楽しめる大人の店を選ぼうとするとなかなか決まらない。やっと見つけたのがナビ。「化学調味料を一切使わず、有機野菜や自家製の味噌、厳選されたお肉や魚をふんだんに使った全く新しい韓国料理」という文句が琴線に触れた。
白菜キムチ、ナムル

原宿の中心からかなり離れたところにある隠れ家的なレストラン。店内もおよそ韓国料理屋らしくない。アルファベットの店名(Korean Organic nabi)が良く似合う。イタリアンのメニューを持っているのが相応しいようなハンサムな店員が写真付き韓国料理メニューを差し出した。彼と相談してサムギョブサルをメインにした。用意ができるまで契約農家からの直送野菜で作ったキムチ、ナムルを食べる。
サムギョブサルの野菜

女性店員が数種類の野菜などの材料を並べた。岩中豚を鉄板で焼き、これを野菜で包んで食べる。自慢の野菜をたくさん食べられる料理だ。似たような料理は新宿や赤坂の韓国料理屋でも食べられると侮っていたら、変わった鉄板が出てきて目を瞠った。

肉を乗せた男性店員に尋ねると鉄板は特注品で他にないと言う。メニューを持って来たハンサム君に交代したので同じ質問をした。今度は韓国では普通に買える人気商品だと言う。以後、彼が我々のテーブルを担当してくれてラッキーだった。俳優稼業のオフにこの店で働いているらしい。
傾いた鉄板の外枠の一部が切ってあり、脂が受け皿に溶け落ちる仕組み。初めて使ったときは受け皿を置き忘れて大慌てしたらしい。ハンサム君は外見だけでなく気もいい青年だ。話を合わせるのもうまい。
炒飯

お奨めと言われた炒飯はキムチで味付けをすると言う。最初に頼んだキムチでビールを飲み、豚肉も焼いたキムチと共に食べた。次もキムチでは飽きると言ったら困った顔をする。味付けはキムチに頼っているのだ。仕方なく半分だけ入れてもらったら、味が薄い。そこで力を発揮するのが銀髪。野菜の薬味についてきた辛い味噌を混ぜたら大正解。ハンサム君に得意満面、自慢した。これを上手に受けてくれた笑顔は俳優ならではの演技だったのだろうか。
俳優、ダンサーなどなど、大きな夢を抱えた若者が頑張っているのを見るのは実に楽しい。銀髪の夢は何だったのだろう。幼稚園の時は電車の運転手だった。高校の時は映画監督かシナリオライターだった。大学生の時、社会人になってから、どんどん現実的な夢に変わって行った。そして今は…
再び夢を探してみようかな。
コリアン オーガニック ナビ
東京都渋谷区神宮前2-31-20 アコルデ神宮前B1F
03-5771-0071
http://www.nabi-tokyo.com
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2009年10月07日
[天空の月](渋谷)
月がない夜は大変だ

天気予報は朝から夜までずっと雨。客を待つ身の料理屋は辛いだろう。東急東横店かマークシティの中で食べようかと迷ったが、ちょっと外に出てみた。思ったより雨が強いので、目の前のビルに飛び込んだ。駅に近い店にとっては呪いの雨か、恵みの雨か。
エレベーターを降りると自動ドアのように店の扉が開き、店員が迎えてくれた。店は暇なようだ。個室中心の立派な店内は大手チェーン店系列の居酒屋を思わせる。落ち着いてゆっくり食事を出来そうで安心した。
来年から大学院に行くと言うアルバイト君のお奨めは新鮮レバーのお刺身、天使のエビのマヨネーズ和え、バーニャカウダ、そしてメニューに乗っていないクエ。その中から2品選んだ。すぐに来ると思った料理がなかなか来ない。呼び鈴のボタンを押した。
料理を追加しておいた方が良さそうだ。アルバイト嬢にカルビ焼きを頼んだらすぐに戻ってきた。「カルビ焼きは時間がかかるので、早く出る料理もいかがですか?」と言うので、「前に2品頼んであるんだけども…」と答えたら驚いた表情を見せて引き下がった。
クエのムニエル、朝採り有機野菜のバーニャカウダ

今シーズン初めてのクエは期待ほど脂が乗っていないものの、敷かれた豆のソースがなかなか良い。ちびちび食べられるバーニャカウダは正解だった。カルビが来る前に山の玉手箱を頼んだ。野菜とカルビを食べ終わる頃には運ばれてくるはずだ。
炙り塩ダレ漬けカルビ、山の玉手箱

カルビを食べ終わって呼び鈴を押した。「すいません、後3分で出来上がるそうです」アルバイト君が謝ってからも10分待った。山の玉手箱をオーダーしてから30分以上も経っている。でもおじさんは怒らない。一生懸命やっている彼をとても怒る気になれないし、鶏肉と茸野菜の奉書焼きが思った以上に美味しかったのが幸いした。
天空の月は小金井、立川など都下に複数の店を持つロイヤルダイニングが唯一23区内で開いた店である。大手チェーン居酒屋と似ているが、店員はこちらの方が好感を持てる。料理の質も料金もちょっと上の設定のようだ。酒の品揃えも悪くない。
店を出るときにマネージャー格の店員が不手際を詫びに来た。思いがけず大人数のグループが飛び込んできて、キッチンが混乱したそうだ。雨の日の客数を予想してスタッフを絞り込んでいたに違いない。銀髪にとっても誤算だったが、勉学の合間に真面目に働くアルバイト君に店も銀髪も救われた。
天空の月
東京都渋谷区円山町5-18 道玄坂スクエア3F
03-5784-9966
http://www.skymoon.jp
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2009年09月14日
[ブラッスリー銀座ライオン](渋谷マークシティ)
飲み放題はお得かな?

中学の同級生が集まる飲み会は、いつもの下北沢ではなく渋谷で催されることになった。仲間の一人が割引券を持っていたためだ。店員とすれ違って個室に入ると、集合時間の数分前にもかかわらずまだ半数が来ていない。
「時間通りに始めるってよ!」先ほどの若い店員に宣告されたらしく、仲間の一人が憮然とした表情をしている。幸い5分程度でほぼ全員が揃った。2時間制限のロスは最小限に止まったかに思えたが、ビールが来るのに更に5分ほどかかった。これはアンフェアだ。
前菜3種盛合せ、本日のカルパッチョ(タコ)

ようやくピッチャーに入ったビールが来たが、ジョッキを満たしていくと全員に行き渡らない。更にトラブル発生!グラスの一つが割れている。店員が10分だけ寛大だったら済んだのに、厳格すぎるとこちらも寛大ではなくなる。それでも人間は忘れることができる素晴らしい能力を持っている。すぐに仲間との会話に没頭した。
シーザーサラダ、鶏の半羽揚げ・ソーセージ&ポテト添え

それにしてもビールが飲めなくなったものだ。若い頃はビアガーデンに行ったら特大ジョッキを何度もお代わりし、トイレを往復してはまた飲んだものだ。ビールは早々にお役ゴメンとなり、みんなワインや日本酒に乗り換えた。
ミックスピザ、おつまみ塩焼きそば

料理は1時間を経過したところで全て出てきた。つまみなしの時間ができるのではないかと心配したが杞憂だった。女性もいるので大皿料理を食べ尽くすまでにはいかなかった。全員が50代で食が細くなったせいかもしれない。それでも、もし取り合いになるほど美味しい料理だったらどうなっていたかは分からない。さすが歴史あるライオングループだけある。上手に計算されている。
お腹が空いていたので、銀髪は割り当て分をしっかり食べた。赤ワインもたらふく飲んだのでちょっと酔っ払った。翌日用事があったので2次会は失礼した。電車に乗っている間に酔いがさめた。家に帰って晩ご飯の残り物でビールを飲んだ。早く帰ると飲んでしまう。どうせなら2次会で飲むべきだったかもしれない。
ブラッスリー銀座ライオン 渋谷マークシティ店
東京都渋谷区道玄坂1-12-5 渋谷マークシティウエスト4F
03-5428-3612
http://www.ginzalion.jp
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2009年09月10日
[菊地](渋谷・神泉)
美味くてリーズナブル

「迷惑かけたので行ってやって下さい」と友人に言われて出かけた。カウンターに座って、来たきっかけを伝えると「迷惑をかけたのはこちらの方ですよ」と店主の菊地さんが話し出す。酔っ払った客が友人の背広を間違えて帰ったため、すったもんだしたらしい。
ズワイガニ、まこがれいと白いか

丁寧な仕事ぶり、穏やかな口調から、迷惑を受けた友人が恐縮するような対応をした様子が窺える。迷惑の張本人は酔っ払いなのに非難めいたことは言わない。そんな店主が出す料理が不味いはずがない。たちまちファンになってしまった。
刺身盛合せ

中落ちの巻物、しまえび、つぶ貝、いしがき貝、かつお、まぐろ、あじ。産地や料理法を説明してくれるので、銀髪と話が弾む。全国各地から旬の素材を揃える。鹿児島県出水産のあじは料理人の取り合いになるほどの逸品である。一方で味が良ければ冷凍品や外国産でも排除しない。真摯な姿勢が好ましい。
帆立、さんま、そうはちかれい

「これ好きなんだよ!」帆立の磯辺焼きに噛み付くと、「それは良かったです」と菊地さんが笑う。酒の肴が次々と出て来ると、日本酒が進んでしまう。まあ、いいや!今日は飲んじゃおう。
漬物、新いか、こはだ

菊地に来る気になったのは友人の頼みもあったが、実は新いかを食べるのが目的だった。昼には日本橋のだぼ鯊で新いかの天ぷらを食べた。今年は新子を食べ損なったので、新いかはどうしても食べておきたかった。新いかも新子も食べられる期間が短いから高い。この日のこはだは成長したといっても新子より味は上かもしれない。
いわし、うに、あなご

いわしが美味いこと、美味いこと。三重産のいわしがこんなに美味しいとは思わなかった。うにを食べたところで「何か食べ残したものはありますか?」と聞いたら、あなごを食べてもらいたいと言う。すっかり忘れていた。確かにあなごを食べないで帰るわけにはいかない。あなごが苦手な連れも喜んで食べていた。
「そんなに高くないですよ」と友人が教えてくれたが、食べたものを考えると高そうだ。菊地さんによると彼は接待される側だったというから尚更不安になる。いい加減な奴だ。
それでも小上がりやカウンターに子供連れがいるのが頼もしい。勘定書きを見ると銀座と比べると遥かにリーズナブルなのに驚いた。
友人の背広のお陰でいい店を知ることが出来た。
すし 菊地
東京都渋谷区神泉町20-15 神泉モンド本社ビル1階
03-3780-3943
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2009年09月07日
[COVO コーヴォ](代々木)
新鮮魚介と鎌倉有機野菜

予約の電話をしたら「牡蠣はお取り置きしますか?」と聞かれた。質問の意味が分からないまま「一応、取っておいてください」と告げて、店に向かった。テーブル席は満席で我々は入り口を背にしてカウンター席に座った。これは正解だった。狭い店内のあちこちから上がる紫煙から、もっとも離れることが出来た。店内を見回して初めてこの店がオイスターバーだと知った。
常時15種前後を用意してあるという牡蠣は殆ど売り切れ状態だった。取り置きしてもらっていた2種類と、追加で頼んだ女川産を除くと半端な数しか残っていない。半ダース以上食べるつもりなら、早めに来るか、あらかじめ予約しなければいけないようだ。電話の意味が分かった。

外に出て携帯電話で話していると、「君、生牡蠣は好きかい?ここ美味しいんだよ」と得意気に言いながら若い女性を連れた中年男性が店に入って行く。しかし、すぐに苦虫を噛み潰したような顔をして出てきた。カウンターには座れるはずだが、生牡蠣が売り切れと言われたのかもしれない。我々の後に1人で入って来た女性はカウンターで取り置きしていた牡蠣を4個食べただけで出て行った。常連さんたちの明暗が分かれた。
半分以上の客は銀髪たちよりちょっと前に着いたようだ。オーダーが集中して店員はてんてこまいしている。近くを通りかかった店員をつかまえてスペイン産サラミの盛合せ、ガーリックトースト、バケットを頼んだ。これなら待ち時間も我慢できる。

「あれは何ですか?」銀髪の目の先には美しい野菜サラダのようなものがある。バーニャカウダと聞いて即決した。色鮮やかな野菜の盛合せがやってきた。見たことのないものもある。

「隠元豆です」と言われて聞きなおした。黒く細長いものが隠元には見えない。聞きなおすとやはり「隠元です」と答える。首を傾げていると年配の女性がやってきた。「むらさきささげです。隠元の仲間です」と言い放つ。「これは?」「わさび菜です」「これは?」「角豆です」。「外国産?」「今朝、私が鎌倉で採ってきました」と言われて鎌倉有機野菜が自慢ということを思い出した。銀髪のお目当ても実は野菜だったのだ。
追加したバケットでバーニャカウダのソース皿をきれいにした。そのお陰でパスタやピザなどを頼む必要がなくなった。他の魚介料理も魅力的だが腹八分で店を出た方がよさそうだ。
「ばたばたしていてすみませんでした」と店員が謝ってきた。料理が運ばれるのが遅いのに業を煮やしたと思ったのかもしれない。「週の前半は空いてますから」と言われたが、予約は必須だろう。特に生牡蠣をたくさん食べたい人は要注意である。
海SEN倶楽部 コーヴォ
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-21-6 プラザF1ビル 1F
03-3356-5336
http://www.kaisen-covo.com
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2009年08月31日
[うのさと](渋谷)
隠れ家で創作和食

東急百貨店の向かい側、安い料理屋が並ぶ狭い路地は若者たちで溢れている。人混みを避けて道を折れると雰囲気のある店の前に出た。高そうに見えたが、店の前に置かれたメニューを見ると3桁の料理が殆どなので入ることにした。
店の中は思ったより広い。左のテーブル席と右の長いカウンター席の間を進み奥の掘り炬燵式の席に納まった。客がまばらなこともあり、外の喧騒が嘘のようで渋谷に居ることを忘れさせてくれる。
お通し、お造り三点盛り合わせ

つぶ貝、ひらめ、しまあじの三点盛りがこの日頼んだ唯一の4桁料理。可愛いアルバイト嬢にお奨めと言われたら断れない。高級魚はさすがに美味しい。
無花果とくるみの生ハム巻き 胡麻ソースで

フルーツトマトのマスカルポーネチーズ添え

自家製胡麻豆腐

「定番料理の中でお奨めは何ですか?」と聞いても明快な答えは返ってこない。何度もメニューを繰りながら一品ずつ選んでいった。無花果の料理はメロンの生ハム乗せからの連想だろうが、胡麻ソースが味を複雑にしてなかなかの出来栄えだ。トマトとチーズの組み合わせも悪くない。胡麻豆腐もゴマの香りが高くて水準以上。
名古屋コーチン手羽先、コロッケ風黄金焼

手羽先はマデラワイン、醤油、味醂に漬け込んで焼いたもの。マデラワインを使うとはなかなか洒落ている。ちょっと焼き過ぎなのが惜しかった。コロッケは予想を外されてしまって愉快だ。
高菜と明太子の石焼ご飯

お約束どおりおこげができるほど熱々の石鍋で満腹になった。3種類の冷酒を飲んでいい気持ちになった。料理と同様に店の雰囲気の割には酒も妥当な値段である。週の初めで空いていたためサービスも早くて快適だった。おそらく週後半になれば大賑わいになるのだろう。
「うのさと」の「う」は所在地の宇田川町の頭文字から取ったとのこと。「さと」は里か郷か、聞き損なった。渋谷の路地裏の古民家風、大人が落ち着ける店である。
うのさと
東京都渋谷区宇田川町36-11
03-3496-2087
http://www.unosato.com
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2009年08月28日
[ペローラ アトランチカ](表参道)
ベランダは恋人たちに

ロバート・ゴダート作「千尋の闇」を読んで以来、マディラと聞くと妙にそわそわしてしまう。どんな話だったかとうに忘れてしまっているにもかかわらず、マディラについては相当な知識をもっているかのように錯覚しているのだから困ったものである。
マディラ島の料理を出す店があると知って場所を調べたら、先日行ったうかい亭表参道店のあるビルだった。思ったとおり洒落た店で、ベランダには夜景に向かって座るカップルたちが並んでいた。食い気優先の銀髪は、ベランダへの出入り口近くの席を選んだ。これは正解だった。
マディラ風サラダ

「どこがマディラ風なの?」親しみはあってもマディラのことは何も分からない。「マンゴーが入っているんです」と教えられる。エスペターダは月桂樹で風味付けしながら焼き上げたマディラ島名物の串焼き料理。ブラジル料理のシュラスコはこれが起源なのか?
エスペターダ

若い店員はエスペターダをメインにするように言った。しばし考えた後につかまえた年長の店員はメインはカタプラーナだと主張し、残りのスープでリゾットを食べるように奨めた。もちろん、ベテランの意見に従った。
魚介のカタプラーナ

サービスもきっとリゾート地のマディラ風なのだろう。カップルたちと異なり、我々は料理と料理の間をのんびりと楽しむ時間はない。出入り口に座ったお陰で、ベランダとキッチンを往復する店員に度々催促できた。リゾットを断り、デザートのパオン・デ・ローを持って来る様にお願いした。これから焼くので10分以上はかかると言う。やれやれ。
パオン・デ・ロー

若い店員に従えば、串焼きを食べている間にリゾットを作ってもらえただろう。さらにリゾットを食べている間にパオン・デ・ローを焼いてくれたに違いない。しかし焼きあがるまで観念して待った甲斐はあった。大きさに度肝を抜かれたが、スカスカで難なく食べ尽くした。カステラの原型というデザートを食べることが出来たのは嬉しかった。それにしても日本人はカステラを随分とリッチな菓子に作り変えたものだ。
パオン・デ・ローは苛立った気分を癒してくれた。マディラワインを楽しむための充分な時間を用意しなかったのは銀髪の責任で、店を責めるわけにはいかない。
これからは秋の夜風に吹かれるベランダは最高だろう。恋人たちは特等席で愛を語るがいい。グッドラック!
ペローラ アトランチカ
東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE4F
03-5468-0865
http://www.portuguese.jp/
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2009年08月11日
[GDF KITCHEN](渋谷)
串揚げでワイン

GDFとは串揚げを意味するガストロノミック・ディープ・フライの頭文字を取ったとのこと。名前のとおり確かに気取った感じの店だが、洋風串揚げ屋の方が分かりやすい。若者でも安心価格で食べられる店となれば尚更である。
リーズナブルなワインを10種類以上グラスで用意しているのも嬉しい。寿司屋でワインを飲ませる店はたくさんあるが、意外に少ないのがワインを前面に打ち出した串揚げ屋。寿司や刺身よりもワインは揚げ物との相性がいい。
海老、茄子素揚げ、たまねぎ、牛肉

ワインを注いでくれた女性店員、料理を出してくれた男性店員、名札を見ると珍しい名前なので話しのきっかけを作りやすい。みんな素朴で優しい若者たちだ。夢を語る目は輝いている。ギャルソンが颯爽としている店よりもずっと寛げる。
鱧、ニョッキ、太刀魚、らっきょう入りカレーメンチカツ、たこ

海老や牛肉以外はどれも変わっている。イタリア料理定番のニョッキを揚げるなど遊び心が満ちている。創作の責任者である店長に「新しいものを作り出すのは面白くてしようがないでしょ」と言うと、照れているような、自慢しているような、不思議な表情をした。
甘辛唐辛子、じゅんさいと柚子ジュレ、帆立、アスパラの生ハム乗せ

アスパラが出てきたところでストップした。「後は何が出るの?」と聞いたら次が稚鮎、その次がバームクーヘンだと言う。稚児というより赤子のような鮎。ちゃんとたで酢をかけて出てきたので笑ってしまった。バームクーヘンは断った。みんながストップしそうなところにデザート代わりの甘味を配したのも店長のアイデアだろうか。
稚鮎、アイスクリーム、お茶

大きな冷凍庫が32種類もの揚げ物をリーズナブルに提供できる秘訣だろう。「次に来るときは途中から再スタートしていいですか?」と聞いたら、それは出来ないと言う。各串には当然のことながら原価の違い(=利益率の差)がある。いいとこ取りは許されない。32種類全部食べた人もいるそうだが、銀髪は永遠に出来そうもない。
寿司屋は世界中に広がった。しかし、天ぷら屋や焼鳥屋などの専門店はあまり見かけない。GDFキッチンは串揚げ屋の可能性を教えてくれた。職人がいらない分、多店舗展開もできそうに思える。
GDF KITCHEN
東京都渋谷区道玄坂2-6-4
03-5459-3794
http://gdfkitchen.JP
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2009年08月06日
[茶屋 壱](代々木)
大人の炭火焼き居酒屋

代々木駅から歩いて数分、明治通り沿いに雰囲気のある店を見つけた。暗闇に浮かぶ店は古い日本家屋のように見えて風格があり、ドアを開けるのに一瞬怯んでしまった。中に入ると思ったよりも広い。我々は長いカウンターの真ん中、炭火焼きのコーナーが見えるところに座った。
鯨ベーコン、海老しんじょ、えぼだい、海ぶどう、白レバーと一気にオーダーした。大きなテーブル席や奥に個室もあるようだ。それなのに料理人は一人しかいないので、早めにオーダーした方がいいと判断した。しかし、銀髪がオーダーしたものは炭火の上に乗る気配がない。
鯨ベーコン、海老しんじょ

失敗したかなーと思っていたら鯨ベーコンがやってきて、すぐに海老しんじょが続いた。持って来たのは焼き場とは違う料理人。客から見えない奥にキッチンがあるようだ。キッチンの料理が出てきたところで、炭火の上にえぼだいが乗った。
えぼだい、海ぶどう

料理の進行が遅いと疑ったことを申し訳なく思った。チェーン店などではオーダーしてしまうと、こちらの食べるスピードなんかお構いなしに料理が運ばれてくる。テーブルに乗り切らず閉口する事が多いが、壱の料理人は客をよく見ている。評価は一変した。
白レバー、岩中豚

白レバーが焼き上がったところで岩中豚を注文した。とてもスムーズで気分がいい。客もだんだん増えてきた。場所柄、飛び込みで客がどんどん入ってくるとは思えない。近隣の人たちに支えられているのだろう。
東京に居ることを忘れさせてくれるような雰囲気の店だ。ゆったりとして、落ち着いた食事ができる大人の居酒屋といってもいいだろう。控えめな応対が、なんとなく心地よい店だった。
茶屋 壱
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-21-6 プラザF1
03-5368-8767
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2009年07月30日
[ワンズキッチン](渋谷)
なかなか美味しい納豆チャーハン

何かの雑誌で納豆チャーハンの記事を見た。確か渋谷のはずだ。納豆チャーハン、渋谷で検索して出てきたのが日中友好チャーハン。店名はワンズキッチン。多分これだ。
地下の店に下りる階段の壁に雑誌のコピーがたくさん貼られていた。思ったより明るくて大きな店である。メニューにはたくさんの料理が並ぶ。看板では上海料理専門店のようだが、中国各地の料理が揃っている。店員の助けを借りて、上海らしい料理を選んだ。
いんげんの辛味炒め、上海風辛い味噌豆腐炒め

「上海風」と書かれた料理は甘いものが多い。それを避けたら2品ともピリ辛料理になってしまった。共に辛くても違った味付けで悪くない。干し海老の香りが効いたいんげんの料理はビールにぴったり。
上海生煎包(サンチェンボー)

この店の一番人気は小龍包を焼いたサンチェンボー。小龍包と焼餃子を同時に味わえる気分だ。ちょっと大きめなので丸ごと口の中に放り込めないのが残念だった。
この日は客が少なかったこともあり、頼んだ料理が次々と出てきた。最初に頼む料理を3品で止めておいたのは正解だった。値段の割に量が多い。ほぼ満腹だが、お目当てのチャーハンは頼まないわけにはいかない。
日中友好チャーハン

高価な食材は入っていないとはいえ、950円にしては量が多い。想像したよりも遥かに美味い。日本の納豆と中国醤油のコラボレーションが見事な日中友好である。
暇を持て余してカウンターのところで無駄話をしている店員を呼んだ。何事かと思って飛んできた店員に「なかなか美味しいよ!」と言うと、緊張した顔がほころんだ。
納豆は一度揚げてあるそうで、中国醤油共々香ばしい。糸も引かないので納豆とは思わないかもしれない。
メニューに並ぶ料理は100種類以上。フカヒレもあるが、大衆的な料理を食べる店だろう。4人ぐらいで多種類の料理を味わいたいものだ。最後に日中友好チャーハンを忘れずに。
上海人情 ワンズキッチン
東京都渋谷区神南1-16-3 ブルーヴァールビルB1
03-5784-1886
http://www.wangs-k.com
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2009年07月24日
[てっぺん渋谷女道場](渋谷)
渋谷で一番元気がいい店はどっちかな?

以前てっぺん渋谷男道場が渋谷で一番元気がいい店と書いた(→http://codawari.info/ginpatsu/archives/2009/06/post_1271.html)。しかし、向かいにある姉妹店の女道場も負けていない。こちらは店員の殆どが若い女性。ドスの聞いた男道場と違い、明るく高い声音はかなり耳に響く。メニューはちょっと女性らしくユニークだ。

鉄板焼きが主流の男道場に対して、こちらは串焼きが自慢。お通しは串焼き屋定番のキャベツ。別に頼んだ串焼き2本を乗せて出てきた。タレと脂が落ちてキャベツに味がつく。
串焼き意外で一番人気がパリそばサラダ。そばを揚げたものは何度も食べたことがあるが、こちらは盛岡冷麺。店員が麺を砕いて混ぜ合わせてくれる。パリッとした食感が消えない内に食べるべし!
キャベツ、こころ(心臓)、パリそばサラダ

目の前で串焼きを担当している女性は電話を受ける担当でもあるようだ。次々に予約の電話がかかってくる。忙しくて焼き損ったかと思われるほどレバーは中が生。しかし、これが銀髪の好みで大正解。トロッとして実にいいレバーだ。
砂肝、豚バラ、もも肉、レバー


男道場でもあった亀岡牛のもつ。煮込みと唐揚げの2種類を頼んだ。食べている間も店員の叫び声(?)が響き渡る。
亀岡牛の塩もつ煮、塩ホルモンの唐揚げ

「勘定をしてください」カウンターの隅に座っていた若い女性が店員に言った。美人だから興味深く見ていたら、鞄から財布を取り出した。連れの男は当然のように帰り支度をしている。兄弟だろうか。イヤイヤ、そうは見えなかった。世の中変わったものだ。
デザートはキャンセルした。勘定をして外に出たら店の女性が追いかけてきた。携帯でも忘れたかと胸に手を当てたところで「デザートが遅くなってすいませんでした」と謝る。キッチンから飛んできたようだ。銀髪は客のバースデーイベントから逃げてきたやましさがあるので、彼女が頭を下げるのにうろたえてしまった。男道場の中は既に闇。全ての客がバースデーイベントを楽しんでいるようだ。やがて、女道場の灯も消えた。
機会があったら、銀髪の誕生日をここでしようか。ウーン、想像しただけでも恥ずかしい。
てっぺん渋谷女道場
東京都渋谷区宇田川町41-23 河野ビル1F
03-5428-3698
http://www.teppen.info/
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2009年07月16日
[たつみ](渋谷)
串焼きも串揚げも、欲張りすぎかな

「途中でストップしたらいいの?」メニューも見ないでカウンターの中の料理人に声をかけると「何本にしますか?」と言われた。メニューを見ると、5本、10本などの料金が書いてある。「じゃあ、10本にしよう」と言ったら、「10本を1人前ですか?」と聞きなおされた。「串揚げを二人で分け合うのも変でしょ?」と質問の応酬。どうも噛み合わない。「好きなものを選んだ方が良さそうだね」と言うと「そうですね」とあっさり肯定された。お奨めを聞いたら困った顔をするので「ちょっと、時間をちょうだい」と言って会話を切った。

お通しのきれいな野菜を食べながら選んだ。「キス、豚ロース、うにもち、ホタテ、チーズを串揚げで2本ずつ」一呼吸置いて「ささみ明太、レバー、しそ巻きを串焼きで1本ずつ」と告げたら「アラカルトは2本ずつでお願いします」とのこと。ハイ、分かりました。

揚げ物は目の前で、串焼きは奥のキッチンで調理されるようだ。キスを食べ、豚ロースが皿に置かれたところで、焼き物3種類が同時に出てきた。慌てて「ちょっと早すぎるよ」と言ったら「じゃあ止めましょうか」とのんびりした答え。しかし、うにもちは既に油の中を泳いでいて間に合わなかった。


5本が皿に勢ぞろいした。どれから食べるか思案のしどころだ。ポイントは最後に揚がったうにもちである。銀髪はうまくやった。連れは律儀に出た順番に食べているので、アドバイスしてあげた。「もちは早く食べないと固くなっちゃうよ!」

こちらの様子を窺っていた料理人が再び揚げ始めた。残るは2品だが、追加注文はその2品を食べ終わってからすることにした。寿司屋と同じ要領だと分かったのでもう安心だ。
山芋ささみ焼きと銀杏を追加した。お腹はほぼ一杯だがグラスにたっぷり残った日本酒の肴が必要だ。今日はまったくチグハグである。

串揚げと串焼き、そして鉄板焼きもあるという東京では珍しい店。昼3時から深夜2時までと使い勝手がいい。料理も平均的で値段相当で、串焼き、串揚げ、お好み焼きまで食べられる欲張りな店である。でも肝腎なものが足りない。答えは簡単なように思えるのだが…
四季の串 たつみ
東京都渋谷区宇田川町33-14 久保ビルB1
03-3463-0677
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2009年07月09日
[築地食堂 源ちゃん](渋谷)
築地のネーミングに負けた

渋谷を歩いていたらホットペッパーをくれた。どの店の写真も実に美味そう。行ったことがある大チェーン店は避けて、初めての源ちゃんに行くことに決めた。パルコにあるということで安心感もある。そして店名の前に書かれた「築地」の文字。これが決め手になった。
お通し、サラダ

大漁旗などを掲げた店内は、立派なビルの中だということを忘れさせてくれる。メニューも居酒屋というだけあって良心的である。難点は店員をつかまえることが難しいところ。100席以上ある店内にオーダーを取る店員が2人しか居ない。客がまばらなうちにオーダーしておいた方が良さそうだ。
刺身盛合せ

2,800円の立派な刺身の盛合せ。2人前とメニューに書いてあるが、殆どの魚が3切れずつ。新宿ブラックホールの店長が言っていたことを思い出した。和食では奇数が常識なのである。3切れを2人で分けることはできないが、料理人の常識が優先される。頭を切り替えるのは並大抵ではない。
ホッケ

「脂が乗ってますよ」と勧められたホッケだが、意外と小さいので拍子抜けした。しかも身がほぐれにくくホッケらしくない。脂も乗っているようには思えない。ひっくり返してみると黒焦げだった。
それなりに店内は混み始めてきた。手を上げるが店員は気付いてくれない。周囲の客が大声で呼ぶのを待った。すぐ後ろの客の注文を受けて去ろうとする店員を呼び止めて焼きそばを頼んだ。
どんどん時間が経っていく。悪くもないのに「スイマセーン!」は好きではないが、痺れを切らして大声を上げた。「焼きそば来ないんだけど?」と言うと慌てて確認に行った。戻って来て「今、焼いているところでした。2分待ってください」と言う。5分で出てきたので作っていたのは嘘ではないようだ。

しまった!屋台風とはマヨネーズがたくさん乗っていることだろうか。連れはマヨネーズが嫌いなので、銀髪がマヨネーズのかかったところを重点的に食べた。口がマヨネーズを嫌がりだしたとき、マヨネーズを除けて食べればよかったと気がついた。なんという不覚。結局マヨネーズを全部食べて、麺を残してしまった。
人気のたこ焼き屋、築地銀だこは築地に店はない。同様に源ちゃんも築地に店がないことは分かっていた。それでも惹かれてしまう愚かな銀髪だった。
築地食堂 源ちゃん
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコPART1 7階
03-5459-2022
http://www.gensan.co.jp/gentyan/gentyan
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2009年06月11日
[てっぺん渋谷 男道場](渋谷)
渋谷で一番元気な店?

熊吉に行って以来、この路地に病みつきになった。週末になると人だかりがしていて気になったのが「てっぺん」という店。ダメ元で行ったら運良く入ることができた。若い男性店員たちが大きな声を揃えて歓迎してくれる。店員は男だけだから男道場。「向かいの店はこちらと関係あるの?」と聞けば、あちらは女性店員だけの女道場。面白い。
お通し、牛すじ串

隣が食べている刺し身を頼もうかと思案していると、それはお通しだった。メニューの最初に大きく書かれた「一人一本必食」牛すじ串は避けて通れない。
いつの間にか店は一杯になり、入り口で落胆する人が増えてきた。客を迎える大声も聞かれなくなってようやく空気が落ち着いてきた。
チャンポテ、フワトロ焼き

チャンジャとポテトの焼き物、山芋をつなぎに使ったお好み焼き。目の前の鉄板で手際よく作られていく。躍動感溢れる美形の料理人をお目当てにやってくる女性たちもいそうだ。
鉄板野菜盛合せ、亀岡ホルモン

「あれ、なーに?」他の客に運ばれていく料理を目で示す。鉄板のパフォーマンスを見ているとメニューを見るのは面倒になる。料理人が立てかけられたメニューを向こうから指さす。「この辺に書いてあります」と言われて三桁の値段を確認、オーダーする。
京都で飼育される和牛の3割を占めるという亀岡牛。初めて聞くものは何でも食べてみたくなる。
きびきびと動く若い店員たち。その一人はなんとソムリエバッジをしている。別の若者の胸には「世界のビート 北野」の名札。由来を聞いて大笑いすると、その笑いが隣の若いカップルに伝染した。自分の子供のような連中と談笑する銀髪に連れは呆れている。
口コミで外国人の客もたくさん来るらしい。安くて元気一杯の酒場は老若男女、洋の東西を問わず人気である。勘定を払うと店長らしき人が見送ってくれた。振り返っても振り返ってもまだ見送っているのには恐れ入った。最後に大きく手を振って角を曲がった。
てっぺん渋谷男道場
東京都渋谷区宇田川町37-13
03-5452-1598
http://www.teppen.info
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2009年06月02日
[御八](渋谷)
富士(山)料理?

「産直野菜」「コラーゲン」という看板には女性が飛びつきやすい。渋谷の繁華街を歩き、似たような客寄せ文字に嗅覚を働かせて選り分ける。御八に入るとそれなりに広い店内に客はまばら。最初に通されたテーブルは断り、写真を撮るのに好都合な明るいテーブルに移動した。
ジュース、お通し

まずは野菜ジュース。これでお腹に酒を迎える準備をするようだ。お通しの野菜用に出された器には白い粉と液体が入っている。粉は塩とすぐに分かるが、液体の正体が分からない。店員に聞くと単なるフレンチドレッシング。店独自の和風ドレッシングと思って散々議論したことを笑った。
ちょこっと5種盛

産直野菜が自慢の5種盛で酒を飲んでいると、奥に座ったグループの女性が店員にオーダーを告げに我々の横を通っていく。テーブルに呼び鈴がないので不便だ。我々は店員が奥のテーブルを往復する機会を捉えて注文するから楽ちんである。
黒豚モツ焼き、アボガドの天ぷら

御八のウリは富士の黒豚。しろ、はつ、てっぽう、レバーのモツ類4種を楽しみにしていたが、ちょっと焼き過ぎなのが残念だった。
怖いもの見たさに頼んだアボガドの天ぷらは意外と美味しかった。火を通して食べても美味いようならアボガド料理の可能性は広がる。
富士宮焼きそば、溶岩焼き

なぜ富士宮焼きそばがあるのだろうとメニューを開いたときに疑問に思った。食べながら豚と焼きそばは富士つながりと遅まきながら気がついた。富士宮焼きそば初体験の友人はえらく気に入ったようだった。
溶岩焼きもやはり富士つながりということだろう。固くならないように一度皿に戻して食べるときにちょっと温める。以前、阿蘇の溶岩焼きで失敗したことがあるので、今回は上手に焼くことが出来た。
店はきれいだし、料理も悪くない。しかし、奥のテーブルの女性は可愛そうだった。店がほぼ満員になってから彼女が店員を呼びに行く回数が増えてしまった。彼女のテーブルは我々が最初に通されたところ。お気の毒様でした。
御八
東京都渋谷区道玄坂2-8-7 道玄坂ビル
03-5458-5560
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2009年05月26日
[チャオバンブー](表参道)
原宿裏道の屋台風アジア料理屋

先日は行こうと思って見つからず、結局お好み焼き屋「やいやい」に入った。バリ島出身の料理人たちに会って楽しかったが、チャオバンブーに行けずに悔いが残った。もう一度地図を確かめて行ったら直ぐに見つかった。路地を一本間違えただけだった。
行列の後ろに並び、店の名前を見て勘違いに気がついた。行列が出来ている立派な店は餃子屋で、目指すチャオバンブーは路地の反対側にあった。タッチの差で空いていたテーブルを若い男に奪われた。帰り支度を始めたカップルが居たのはラッキーだった。
生春巻き、モツレバー炒め

店員に尋ねたらいきなりご飯物を勧められた。怪訝そうな顔をしたらこちらの気持ちを察しておつまみに出来るようなものを勧める。一通り説明を聞いて、生春巻きからスタートすることにした。ちょっと変わったモツとレバーが入った炒め物も悪くない。ボトルのままタイビールを飲むと、どこか東南アジアの屋台にいるような気になった。
通りに向いて座っていた連れの視線を追うと、店の看板の前に10人近い行列が出来ていた。軽装の外国人カップルが怨めしげに通り過ぎていく。不謹慎と思いながらも優越感を拭い去ることはできない。
空心菜のオイスターソース炒め、タイラーメン

中華料理屋でもよくある空心菜の炒め物。でも微妙に味が違う。客席から見える厨房の雰囲気もどこか東南アジア的である。さて、最後は店員イチオシのご飯物を頼もうとしたら、連れがフォーを食べたいと言う。単純なフォーではつまらないのでタイラーメンにした。麺は中華麺ではなくライスヌードルを選ぶ。フォーみたいなタイラーメンは正解だった。
バイカパオ

最後の最後、イチオシのバイカパオを頼まなければ怒られる。店員から詳しい説明は聞けなかったが、バイカパオとはバジルのことらしい。鶏肉とバジルを唐辛子やタイの香辛料で炒め、ナンプラーで味付けする。目玉焼きを潰して、鶏肉とご飯を混ぜて食べた。タイラーメンでお腹一杯と言っていた連れもお代わりをした。
オープンエアーの屋台風の店は、料理の種類も質も屋台的である。しかし、どれも不思議に美味しい。なかなかご機嫌な店だった。
チャオバンブー
東京都渋谷区神宮前6-1-5
03-5466-4787
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2009年05月19日
[みろく](渋谷)
イベリコ豚のしゃぶしゃぶ

先週、熊本郷土料理の熊吉に行く途中で入ろうかと迷った店がみろくである。スペイン産ブランド豚・イベリコ豚のしゃぶしゃぶに釣られてしまった。階段を下りて店に入ると半分ぐらい埋まっていた。4人掛けのテーブルを2人で使っている客が多いが、我々には2人掛けのテーブルを指し示された。鍋をするには狭すぎるので、店を出ることにした。
店員は若いのになかなか賢い女性だった。無言で踵を返した銀髪の顔を覗き込むと、こちらの心を読みきってすぐさま広いテーブルを勧める。ちょっと気まずい雰囲気が残ったが、今度は素直に席についた。どぎまぎしていた連れがホッとしている。
お通し、海ぶどう

店で飼育しているという海ぶどうは確かに美味しい。好きでも嫌いでもなかったが、かなりイメージが変わった。
おぼろ豆腐の胡麻サラダ、イベリコ豚

豆腐のサラダを半分ぐらい食べたところでイベリコ豚がやってきた。ついている野菜はネギだけなので季節の野菜というキャベツ、冬瓜、ズッキーニを追加した。

豚肉とねぎだけの組み合わせは四谷三丁目の三櫂家を思い出させる。つけ汁に柚子胡椒を溶かして食べる。肉はアッと言う間になくなった。追加した肉も簡単に食べ尽くすと、野菜鍋になってしまった。若者には物足りないかもしれないが、我々は野菜で腹を満たすことにした。身体にもお財布にも優しい。
焼酎の品揃えはそこそこだが、日本酒のメニューが貧弱なのが惜しい。純米吟醸酒は八海山の一種類のみなので、同じものをお代わりした。先ほどとは違う女性店員が持って来たガラスの徳利には4分の1ぐらいしか液体が入っていない。徳利を満たすだけの酒が残ってないとのことでサービスしてくれた。飲みすぎないでいいかもしれない。

賢い女性が見送ってくれた。海ぶどうが入った水槽を見て、「美味しかったよ」と言うと「これを目当てに来るお客様もいらっしゃいます」と笑顔で話す。すっかり仲直りが出来たような気分になった。
みろく
東京都渋谷区宇田川町35-6 B1
03-3770-0855
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2009年05月15日
[熊吉](渋谷)
出色の熊本郷土料理

渋谷駅から文化村通りを歩き、東急百貨店本店の辺りから1本東側の裏道を行くと、小さいが雰囲気のある店が並ぶ。目的を変えようかと迷いながら進んでいたら、目指す熊吉の店の前に来た。幸い予約なしでもすんなり席を確保できた。テーブルの間隔が広くゆったりとして落ち着いた感じの店だ。
馬刺盛合せ

熊本郷土料理屋ならば馬刺しは外せない。極上霜降肉、赤身、フタエゴ、たてがみの4種盛りは見た目が美しいだけでなく、実に美味い。一切れの厚さ大きさがちょうど良くて、東京で食べた馬刺しの中ではトップクラス。他の店の誘惑に負けずに辿り着いてよかった。
辛子蓮根、阿蘇の山サラダ

自家製の辛子蓮根からは白い湯気がほんのり上がっている。これがとてもいい。東京人にとっては、熊本で買うものより美味く感じるかもしれない。
今日は迷ってばかりだ。馬肉尽くしにしたかったけれど、熊本の地鶏・天草大王も試してみたい。溶岩焼きの文句がグッと来る。
天草大王の溶岩焼き

持ってきた店員が言ったとおり、茄子など生の野菜もすぐに焼けた。それを見て早く気付くべきだったと後悔した。鶏肉はさっさと食べてしまうか、一度皿に移して温めながら食べるべきだった。熱い溶岩プレートの上でジューシーさを失い固くなってしまった。
溶岩焼きの失敗があっても熊吉はいい店だった。駅からかなり歩いても再訪したい店である。馬レバーの刺し身や馬肉ステーキなど食べ損なったものも多い。鶏肉の刺し身など他にも魅力的なメニューがある。
勘定を払い、靴を履いたところで「東京で食べた辛子蓮根では一番美味しかったよ!」と店員に言ったら嬉しそうに笑った。
郷土料理 熊吉
東京都渋谷区宇田川町41-28
03-3463-0050
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2009年04月28日
[やいやい](表参道)
日本文化を支えるのは外国人

ブランドショップが並ぶメインストリートから裏道に入ればリーズナブルに食事ができる店があるはずだと思った。ところが予想に反してファッション関係の小さな店が殆どであせった。幸い飢え死にするかもしれないという恐怖感は数分で消えた。お好み焼き屋が目の前に現れたのだ。客は若者ばかりと思ったら、我々が座ったカウンターの隣には中年夫婦が居て少し安心した。
男前もやし、キャベツ炒め

「お奨めです」と言われた料理は右隣のカップルが食べているもののようだ。サンプルがあるので頼みやすい。お通しに見えたのがピリ辛の男前もやし280円。ひ弱なもやしも辛さを加えれば男前になるらしい。お好み焼きが出来上がるまでの時間潰しにピッタリのキャベツ炒めが380円。アンチョビソースが塩辛くてビールに合う。
ホルモン焼き

左隣に出されたホルモン焼きを見て追加注文。すぐに調理が始まるのが心地よい。鉄板が大きいので満員の客の注文も難なくこなせるようだ。入り口を見ると予約の客以外は断られている。やはり銀髪は日頃の行いがいい。
山芋焼き

山芋をつなぎにするお好み焼き。一度は豚肉入りを頼んだが、ヘルシーに徹して野菜だけのものに変更した。プチトマトなどが入って面白い。
あまからまぜ焼き

甘く煮た豚肉そぼろを入れたお好み焼き。辛味は別添のソースで調整する。目の前で調理するので「マヨネーズはなしで、ねぎは半分だけかけて」などと我侭な注文も伝えやすい。
「ROKA」さんはどこの人?料理人の胸元の名札を見ながら声をかけた。日本に来て3年、調理場に立って2年半と言う。もう一人はMUDITAさん。共にバリ島の出身。人気のお好み焼き屋を支える料理人二人が外国人とは愉快だ。
お好み焼きを食べながら話を続けた。異国で一生懸命働く若者を見るとエールを送りたくなる。
勘定を終えて席を立ち「頑張ってね!」と言ったら爽やかな笑顔が返ってきた。二人ともなかなかのハンサムボーイだ。表参道路地裏の旅は正解だった。一期一会。いい青年たちに出会えた。
やいやい
東京都渋谷区神宮前6-8-7
03-3406-8181
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2009年04月22日
[鉄板鍋一蓮](渋谷)
女性に人気のコラーゲン&ヒアルロン酸ジュレ鍋

渋谷駅前を歩いていたら若い女性がグルメガイドを配っていた。一度は通り過ぎたものの、かわいそうだから貰ってあげた。パラパラめくると「鉄板鍋」の文字が目に入った。見たことも聞いたこともない。じっくり読むと「クーポン特典4,500円→2,950円」とある。これに負けた。
店内は若い女性ばかりで半分が埋まっていた。銀髪に場違いのような雰囲気に臆しながらもカウンター席に落ち着く。店員にグルメガイドを開いて見せると「たった500円の追加で6,000円の豪華満足コースに出来ます。内容は………」ろくに説明を聞かずに承諾した。
お通し、サラダ

ナムルとキムチの盛り合わせ、海鮮チヂミ

鍋に行き着くまでにお腹一杯になりそうで心配した。海鮮チヂミを半分食べたところで店員を呼んだ。
鉄板鍋

鉄板の中央に穴を開けたような初めて見る鍋。周りに盛った野菜を穴の中に崩しながら食べるように説明を受けた。コラーゲンの玉とヒアルロン酸ジュレが溶けてしまったところに牛肉をしゃぶしゃぶする。途中まで食べた頃に豚肉ときのこ類が出てきた。
我々と同時に食べ始めた左隣の女性二人は苦もなく食べ切ってしまいそうだが、我々は一生懸命譲り合った。殆どなくなったところで店員を呼ぶとうどん、きしめん、おじやを選べると言う。
おじや、杏仁豆腐

写真を撮って味見するだけのつもりが、おじやは美味かった。食べ尽くすと鍋の形状があらわになる。なかなか面白い鍋料理だった。
店は満席になっている。宴会をやっている10人ほどのグループに数人男が混じる以外は全員が女性。あらためてグルメガイドを見ると「美食ナビ こだわり東京OLのおいしいグルメマガジン」となっていた。
インターネットでも割引クーポンが手に入る。コラーゲンと割引クーポンの威力は絶大である。まあ、定価で食べる人はいないだろうな。
鉄板鍋一蓮
東京都渋谷区道玄坂2-23-13 渋谷デリタワー3F
03-5489-6262
http://www.ichiren.jp
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2009年04月16日
[天松](渋谷)
気取らない老舗の天ぷら

2階のカウンター席に座ろうとしたところで先客と板さんとの会話が聞こえた。コース料理ではなくお好みで揚げてもらえるようだ。料理人が銀髪の方にやって来たので、こちらもお好みをお願いした。「お通しはいかがしますか?」という質問には驚いた。内容を聞いて天ぷらに専念することにした。お通しを断ることが出来る店はあまり記憶がない。
カウンターの上に置かれた野菜の籠盛りからたらの芽、こごみ、ふきのとうの山菜3種、旬の竹の子、間に定番の海老、キスを挟んでもらうことにした。


板さんが座敷の客に揚げている白魚を見てこれを追加。季節の魚介類のメニューはなく、カウンターの上にも乗っていないので手探り状態。「はまぐりはあるの?」「ありますよ」鹿島産の立派なはまぐりが出てきた。「高そうだね」と言うと「はい、高いです」とあっさり肯定されて苦笑い。どうも話が続かない。旬の素材が一段落したところで穴子を頼んだらまず骨が出てきた。穴子はもちろん江戸前羽田沖。


「ごま油の比率はどのぐらい?」と聞いたらちょっと憮然としたように見えた。老舗の江戸前天ぷら屋さんが使うのは100%胡麻油と決まっていると言いた気だ。焙煎したものと、生絞りを調合しているそうだ。「穴子が嫌いと言っていた連れが、美味しいってさ」と褒めたら板さんは初めて嬉しそうに笑った。
デザート代わりに頼んでおいたかぼちゃとさつま芋を食べてお開きにした。甘いものが苦手な銀髪でも天ぷらにすると美味しく感じるから不思議だ。
天松は昭和11年創業。新宿のつな八や船橋屋などの老舗天ぷら屋に通じるものがある。奇をてらわないオーソドックスな天ぷらをリーズナブルに食べさせてくれる店である。ミシュランに選ばれることはないだろうが、誰でも気軽に利用できる店も貴重である。食べたい物を食べたいだけ食べることができるのも嬉しい。
連れが「今度、子供を連れて来よう」と言う。老舗でも肩肘張らないところがいい。
天松 渋谷本店
東京都 渋谷区 道玄坂1-6-1
03-3462-2815
http://www.tenmatsu.com/
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2009年04月03日
[うかい亭](表参道)
心地よいサービス

ブランドショップが入る表参道ジャイルの5階、店に入るとすかさず店員が3人近づいてきた。コートと荷物を預け、ガレのランプを見ながら鉄板焼きルームに足を踏み入れると、正面のガラスケースに並ぶラリックの作品が目に入る。左には接待や家族向きの個室があり、我々は右側の広い部屋に案内された。
簡単に予約が取れたのも頷ける。銀髪を含めて客が8人では鉄板焼きカウンターの半分も埋まらない。ホームページを見てきたのでメニューは一瞥しただけでソムリエに返した。
「肉は最低150グラムからですか?」「いいえ、100グラムでも50グラムでも結構です」
「それではサーロインとテンダロインを100グラムずつ」「半分ずつお分けしますか?」
「ええ、そうしてください」メインを決めてから、他の料理の相談をしていった。

「ほったさんのトマトはいかがですか?」「ホッタ産?」「いえ、堀田さんです」四国の堀田さんが作ったフルーツのような甘いトマトだった。
初めて食べるような太いフランス・ロワール産のホワイトアスパラ。こちらのロワールは間違いなく地名である。
名物は鮑の岩塩蒸しと分かってはいるが鮑ではつまらない。アイナメ、桜鯛、車海老、伊勢海老、首を振り続けたら「ブルターニュ産オマール海老はいかがですか。伊勢海老より濃厚な味です。」堀田産、ロワール産、ブルターニュ産と産地を言われたら弱い。あっ!堀田さんは産地じゃなかったっけ。

山形県産サーロインと宮崎県産テンダロイン(フィレ肉)。産地は逆だったかな?フィレ肉とは思えないようなサシが入っているので、産地だけでなく肉の種類も見間違えてしまう。しかし見た目は同じようでも一口食べると違いは歴然。サーロインは脂の甘味と香り、フィレは肉の旨味、どちらも甲乙つけ難い。

メインディッシュが終わったら別室でデザートや食後酒を愉しむ。テレビでお馴染みの服部幸應氏が取巻きを連れて入って来るのと入れ替わりに部屋を出た。店員が見送ってくれるのはエレベーターまでと思ったら、傘を持って通りまでついてきたのには驚いた。さらにタクシーまでつかまえてくれる。極上の夜を演出するサービスに感銘を受けた。
うかい亭 表参道店
東京都渋谷区神宮前5-10-1 表参道じゃいる5F
03-5467-5232
http://www.omotesando-ukaitei.jp
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2009年04月01日
[タンタボッカ](代々木)
肉自慢のトラットリア

「これを食べないと承知しないぞ!と、いうやつはどれ?」何度使ったか分からないフレーズは、気楽なトラットリアのきさくな感じの店員に相応しい。苦笑いしながら応対してくれた柴田さんのお奨めに素直に従った。

自家製のパンでビールを飲んでいると、肉詰めオリーブのフライがやってきた。実は彼が奨める前から目をつけていた。初体験の料理は自慢の一品の場合が多い。

和牛レバーのカルパッチョは店頭に置かれていた手書きのメニューを見て気になっていた。牛ヒレ肉や鮮魚のカルパッチョはよく目にするが、レバーは珍しい。焼肉屋を姉妹店に持っているからこその自慢料理。バルサミコ酢とニンニク風味が合っている。セルバチコ(ルッコラの野生種)がさっぱりしていい。
いわしのカサレッチだけが想定外の料理。アンチョビを使っているかのような味付けで悪くない。歯ごたえのあるカサレッチというパスタは初めて口にした。

メインは牛リブロースのグリル。「炭火焼きだね」「ええ、そうです」。店頭メニューの「炭火焼き」の文字がこの店に入る決め手になったのは黙っていた。柴田さんはこれまでの料理に満足気な銀髪たちを見て自信を持ったのか、「この肉があってこその当店です!」と力がこもる。
いい肉であまり火を通したくないのは分かるが、もう少し焼いて温かくした方がよかった。後半は脂っぽく感じたのでレモンを絞ったら上手くバランスした。
焼肉屋の成功でオーナーが半年前に満を持して開いたのがタンタボッカ。念願のイタリアンに遂に辿り着いたということらしい。明るい店員たちと共にどのように進化していくか楽しみな店である。
柴田さんの話を聞いていたら、焼肉屋に行きたくなり、姉妹店「好ちゃん」3店舗の中から神田本店を予約してもらった。食べたばかりのレバーやリブロースが期待を持たせてくれるではないか。
トラットリア タンタボッカ
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-5-1 ニュー外苑ハイツ105
03-5771-4099
http://www.tanta-bocca.com
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2009年03月30日
[秋月](渋谷)
外国人も集う正統派の寿司屋

「あれは3月ですよね」正面の壁の立派な書は見たまんま。「来月は4月に替えるんですか?」と聞いたら「いいえ、ずっと3月です。初心を忘れないように開店した3月の書を掛けているんです」とのこと。いつものように名刺を渡そうとすると、入り口付近の客に対していた料理人が名刺を持って飛んできた。彼が主人の秦さんだった。
わさび菜、白魚、たこ、ホタルイカ、さば、ひらめ


銀髪の相手をしてくれる料理人の名前は聞き損なったが、料理は彼と秦さんが手分けしてやっている。今月でオープンから丸8年とは思えない清潔な店内と同様に、料理も器も美しい。
宍道湖産白魚、富山湾産ホタルイカの沖漬け。いい仕事をしているたこ、さば。日本酒以上に豊富な品揃えのワインはカウンターと反対側のセラーに積まれている。正統派の料理に対して今風のワイン。主人の個性が垣間見える。



自家製のさわらと桜マスの燻製。鮪の中トロとづけ。炙って香ばしいみる貝でお任せをストップ。コース料理を食べている隣のイカが美味しそうで、我慢できずに追加した。これから産卵期に入ると味が落ちる魚もあるが、卵を抱いて美味しいものもある。このイカは美味しい代表格である。
イカに満足した後はお好みで握ってもらう。1カンずつでもいいのが有難い。大トロ、コハダ、春子、ウニ、はまぐり、穴子と続く。今日のハイライトは春子。かすごと読む鯛の稚魚。まさに春らしい一品。小さなくせに品のいい脂が乗って実に美味い。
他の店の寿司とちょっと違うなと感じたのがシャリ。赤酢など3種類を使った酢めしは少し色づいている。酢がきつくなくまろやかなのが銀髪好みだった。
入り口付近に外国人の二人連れが居たが、個室から出てきた家族も外国人。更に左隣にフランス人カップルが座った。若い料理人が達者な英語で応対している。海外経験が豊富な秦さん同様、彼も外国の寿司屋で働いていたとのこと。カウンターの料理人3人のうち2人が英語を使える寿司屋は外国人にも口コミで広がっているのかもしれない。
銀座久兵衛出身の秦さんらしく、凛とした雰囲気の店だった。
秋月
東京都渋谷区円山町22-16
03-5458-1550
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2009年03月23日
[ハウスアオヤマ](渋谷)
裏道のリストランテ

近くのエスニック料理屋で食べるはずだった。日本語が通じなかったのではなく、予約を受けた外国人が怠け者だったようで我々が座る席はどこにもない。仕方なく近くの店を順番に回り、ようやく入れたのが4軒目のハウスアオヤマだった。
にこやかに迎え入れてくれたのが杉井さん。胸のバッジを見て安心した。サービスのプロであるソムリエがいる店が悪いはずはない。メニューは開かずに、杉井さんのお奨めを聞いた。さすがに「うちの料理はすべてお奨めです」なんて馬鹿なことは言わない。
カプレーゼ

イタリア産モッツァレラチーズを使ったイタリア料理定番の前菜。あわせるのはイタリア産の白ワイン。「グラスはハウスワインだけです」なんて野暮なことは言わない。ちゃんとしたワインを数種類用意してあり、杉井さんがきちんと説明してくれる。
華茸のソテー

杉井さんがかかげる籠の中から椎茸を選ぶ。長崎県対馬産直の華茸(ハナタケ)はもちろん原木で育てたもの。椎茸が嫌いな人でも美味しさに目を剥くに違いない。オリーブやケッパーと混ぜ合わせた軸もなかなかいい。
ビーフシチュー

お奨めがビーフシチューと言うのでちょっと驚いた。イタリアでも煮込み料理はたくさんあると言う。イタリア語の料理名を言われてもイメージが湧かないのでビーフシチューの方が分かりやすい。
赤ワインを頼んだら、再び数本のボトルから選ばせてくれた。シェフは長野県栄村の美雪牛など肉の素材もこだわっているそうだ。シチューもワインも美味だった。
渋谷なのに青山の店名をつけて気取ったのかと思ったらオーナーの名前だった。渋谷で現在の地中海料理HOUSE AOYAMAを始めたのが1985年というから既に老舗の領域になりつつある。我々をエスニック、ビストロ、もつ焼き屋などに入らせず、HOUSE AOYAMAに導いてくれた神様に感謝したい。
リストランテ ハウスアオヤマ
東京都渋谷区桜丘町30-18
03-3461-7248
http://www015.upp.so-net.ne.jp/houseaoyama/
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2009年03月13日
[串音](渋谷)
お洒落な串揚げ屋

エレベーターに乗るまでは、9階にあるバーに行くつもりだった。ところが降りたのは5階、串揚げ屋さんになってしまった。デリタワー8階には以前書いた瓜もある。さほど大きくないビルだが、洒落た店が集まっている。
店に入ると左にカウンター、奥にテーブル席がある。瓜によく似た造りだ。他の串揚げ屋と同様にお任せで揚げてもらい、お腹が一杯になったところでストップする。
野菜、もずく、たら、ささみ

定番の野菜のお通しをかじっていると、すぐに揚げ物2品が目の前に現れた。串揚げは待たされる時間がなくていい。
こんにゃく、えび、アスパラの豚バラ巻き、栗とムラサキ芋

「嫌いなものはありませんか?」と言われて勢いよく「ありません」と笑ったのがまずかった。特大のアスパラと一緒に出てきたのが甘い栗と芋。苦手の甘いものも、何とか食べきった。連れは絶賛している。
たらの芽、ローストビーフ、豚とろ、わかさぎ

春到来を思わせるたらの芽。冬と共に去っていくわかさぎ。天ぷらではよく口にするたらの芽も、フライで食べるのは初めてだった。
蓮根肉詰め、甲いかのウニ乗せ、牛バラと菜の花、蟹と海老しそ巻き

立派な冷蔵庫がある割りに日本酒の品揃えが少ない。疑問をぶつけると、冷蔵庫の主はワインとのこと。揚げ物には日本酒よりワインが合うかもしれない。
揚げると食材の個性が薄れてしまうが、何でも美味しく感じる。カリッと揚げ立てはいくらでも食べられそうで危険だ。
串揚げダイニング 串音
東京都渋谷区道玄坂2-23-13 渋谷デリタワー5F
03-5941-7594
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2009年03月05日
[鳥巣亭](原宿)
原宿駅前で昔ながらの焼鳥屋

男二人、ロードバイクの店の帰りに原宿に戻ってくると、どこで食事をするか戸惑ってしまう。しかし、女子供の街との先入観を振り払って嗅覚を働かせ、ビルの看板と窓を見ながら適当な店を物色する。あった、あった、あれならいけそうだ。
エレベーターを降りて店を見ると、思ったとおり原宿に居ることを忘れさせてくれるような焼鳥屋である。ところがカウンターに座っているのは外国人男性&日本人女性のカップルと若い女性の二組で原宿らしい陣容である。レディースコースなるものもあり、やはり原宿を意識しているようだ。
お通し、自家製チャーシュー

焼鳥はすべて150円~200円とリーズナブル。コースは断って、アラカルトで食べることにした。「2本ずつだね?」と聞くと「2本以上です」と念を押された。「二人だから2本でしょう」と言うと「3本でもいいですよ」とかみ合わない。そうか、2本の倍数じゃなくてもいいと言いたかったのかと気付いた。
もも肉、レバー、せせり、ぼんじり

料理人は二人ともベテランのようだ。今風の洒落たものはないが、焼き方も上手で悪くない。
日本酒は八海山、浦霞、久保田、月山、田酒と有名どころを揃えている。外国人も女性たちもガバガバ飲むのは400円~600円と格安だからだろう。我々はビールを飲み続けることにした。中瓶で500円というのも良心的だ。
しいたけ、ぎんなん、はつ、なんこつ、ながいも


我々の後に若いカップルが入ってきたが、続けて中年二人組、高年2人組が加わり、ようやく店に相応しい雰囲気になってきた。後から来た2組は常連さんらしく、料理人たちも元気になってきたように見える。客だけでなく料理人も人見知りをする。
時間の経過と共に店の雰囲気がどのように変わっていくか見届けたかったが、ビールで腹が膨らんでしまったので勘定をすることにした。ネット上では殆ど情報がない店だが悪くはなかった。オヤジ達、カップル、外国人、誰をも受け容れる昔ながらの焼き鳥屋だった。
鳥巣亭
東京都渋谷区神宮前1-14-2 ルポンテビル3階
03-3497-5351
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2009年03月02日
[金王庵](渋谷)
しゃぶしゃぶとそばすき(?)

渋谷駅を出て道玄坂の裏通りを歩いた。行き先を決め、予約をして行く方が安心だけど、たまには嗅覚を頼りに飛び込むのも楽しい。料理屋が密集する場所を離れると雰囲気のある店が散在する。昼間歩くとまったく違う印象だろうが、暗闇にぽっかりと浮かんだ感じは心をくすぐる。
「そば」と「豚のしゃぶしゃぶ」の文字を見て決断した。「うどんすき」ではなく「そばすき」と言えるかもしれない。リーズナブルにちょっと変わった料理が食べられそうだ。落ち着いた雰囲気の店内には一組だけ客が居た。
お通し、そば味噌、そばパリパリサラダ

応対してくれたおばあさんがとても優しい。入る前から決めていたしゃぶしゃぶを頼み、その前に食べるものを選んだ。日本酒はグラス売りが決まりだけど、それを曲げて一合入りの器とお猪口を2つ持ってきてくれた。「うちはグラス売りだけです」と愛想がない店が増えたが、ここは違う。

鍋が煮えてきた。柔らかいやまと豚をしゃぶしゃぶする。数々の賞を得た豚肉らしくなかなか美味しい。時折鍋の様子を見に来るおばあさんと話し込む。声をかけるときはもちろん「おかあさん」。銀髪が呼ぶにはおばあさんでは可哀想だ。おかあさんとの話を楽しみに来る客が多いそうだ。

最後はおかあさんの指導の下、グラグラと沸き立つ鍋にそばを入れて1分間そのダンスを見詰める。固めが好きな銀髪は、砂時計の砂が落ちきる前にそばを上げる。細めのそばはつるりと喉を通っていく。いくらでも食べられそうだ
残りのそばを入れて再びそばのダンスを楽しむ。全部腹に納まったところでそばを茹でたスープを飲むのが嬉しい。そばつゆの器にそば湯を入れたら濃すぎるので別の器をもらった。そば湯にちょっとそばつゆを入れて飲もうとすると、おかあさんが薄すぎると注意してくれる。「そば湯だけでもいいぐらいなんだよ」とおかあさんに言うと、不思議そうな顔をする。こちらもちょっと苦笑い。
なかなか楽しかった。「もう引退しようかと思っている」とおかあさんは言うが、もったいない。いつまでも元気で店に出て欲しいものだ。
蕎麦由々 金王庵
東京都渋谷区道玄坂1-17-5 オリンピックビル1F
03-3496-3535
http://www008.upp.so-net.ne.jp/konnouan
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2009年02月18日
[amber garretアンバー・ギャレット](渋谷)
大人の店でビールの飲み比べ

レストランの印をつけた地図を片手に渋谷の街を歩く。既に30店のうち13店に行った。今日はワインでも飲みたい気分なので片仮名の店名を選んだ。でも何の店だったか思い出せない。
行きつ戻りつして袖看板で探すのを諦めた。ビルの名前を見つけてエレベーターに乗り込む。7階で降りてもレストランとは思えない不思議な空間である。和食が並んだメニューを見て印をつけた理由を思い出した。隠れ家的な大人の店という触れ込みだった。
ごま豆腐、外国産ビール、イベリコ豚肩ロースのたたき

カウンターの上にはたくさんの洋酒が並ぶ。「まずビール」のつもりでイギリスの黒ビールとドイツビールを飲む。ドイツビールが美味くてビールの飲み比べをすることにした。初めて食べたイベリコ豚の生肉がおいしい。口に入れると脂身が溶ける。
大根と豚肉の甘辛煮、コレナイ豚のしょうが焼き

和食の店らしくお奨めは甘辛煮。「コレナイってどこのこと?」イベリコ豚の連想から地名と思ったコレナイとはコレステロールが少ないの意味で千葉産の豚肉のこと。これには笑った。お陰で説明してくれたマネジャーの福地さんと話すきっかけが出来た。
ビール2種、銀杏のバター焼き

ベルギー産のマルールは何とアルコール度が10%もある。スペイン産のクルーズカンポは日本のビールのようにすっきり飲みやすい。
色んなビールがあるのに驚かされる。福地さんはビールが好きなのでついついビールの品揃えが良くなると笑う。デザートビールなるものも数種類あり、リンデマンス・ペシェリーゼ・ランビック(ピーチ)を飲んでみたら甘い甘い。しかめっ面をしたらみんなに笑われた。
余程ひどい顔をしていたのか福地さんがカールスバーグの生ビールをサービスしてくれた。久し振りにビールをたくさん飲んだ。ビールが苦手という女性が多いけれど、アンバーに来れば好きなビールが見つかるかもしれない。
でも、やっぱりビールはほどほどにした方がいい。腹が膨らんで料亭仕込みの美味しい料理を食べられなくなってしまう。
新和食ダイニング amber garretアンバー・ギャレット
東京都渋谷区宇田川町17-1 渋谷ブラザービル7F
03-3770-8987
http://www.amber-g.jp/
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2009年02月14日
[中国茶房8]②(恵比寿)
安くて美味しい宴会

中学時代の同期生でちょっと遅めの新年会をやることになった。いつもは地元の下北沢に集まるが、今回は銀髪グルメ紀行を愛読してくれている幹事役が中国茶房を選んだため、恵比寿駅に集合した。
3年ぶりの再訪である
待ち合わせの時間を僅かに過ぎたところで、12人が揃った。上出来である。「土曜だから空いてるよな」「予約したんだろう?」「したけど、言葉が通じたかどうか、ちょっと不安なんだ」 話しながらゆっくりと坂道をのぼり、店に着いたのは予約した6時半。ガラガラだと思ったら、何人も待っているので驚いた。
幹事が名前を告げる。中国人の女性店員が予約シートを見て顔を曇らせる。「8時半じゃないですか?」「違うよ、何度も6時半と言ったよ。間違えないでね、18時半だよって」中国人の男性店員がやってきて確認する。一度6時半と書かれたものが8時半に訂正されていた。


我々はついていた。何とか調整して席を作ってくれた。追い出す格好になってしまったカップルには申し訳なかった。忙しく動き回る店員をつかまえて、早く出てきそうな料理を頼む。12人居るから3皿ずつ。

3個105円の手作りの水餃子は全部で30種類ある。値段を見て気が大きくなりメニューの上から8番目まで人数分を頼む。出てきて初めて8×12=96個がどれだけ大量か気付いた。通常は一皿ずつ出て来るので味比べが出来て楽しいが、大皿に盛られたらどれがどれだか区別がつかない。半分近くが余ったので、頼んだ奴が持って帰ることになった。袋代が105円。
このあと北京ダック。大人数なので2羽を頼んだ。みんなに充分行き渡り、余ったぐらいだった。皮を剥いだ残りで炒め物やスープを作ってくれる。(→「中国茶房8」)
ビールをピッチャーで4杯、紹興酒8年物を2本、ウーロン茶などを飲み、一人当たりの会費は2,500円~3,000円。安かろう不味かろうというわけでもない。24時間営業だからできる薄利多売なのだろう。
みんなが喜んでくれるので、ついつい自慢してしまう。店から何かもらっているわけでもないのに。いつもながらおばかな銀髪だった。
中国茶房8
恵比寿店 http://www.8-duck.jp
六本木本店 http://www.cceight.com
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2009年02月12日
[龍の子](神宮前)
麻婆豆腐だけではない美味しい四川料理

「行列ができる店」「夜は必ず予約を」というネットの記事を無視して飛び込みで行った。近くに評判のいいレストランがひしめく地域なので、週末でなければどこかに入れる。それでも階段を下りる時には空席があることを祈った。
不安が顔に出ていたのだろう。「空いてますか?」と声をかけると、店員がわずかに笑った気がした。先客は一組だけで、予約も他に入っていないようだ。メニューを開きお奨めを尋ねるとたどたどしい日本語で答えてくれた。
四種冷菜盛り合せ


最後に決めた冷菜は当然のことながら前菜として出てきた。あんこう、バンバンジー、豚足、海老が別々の皿で出て来るとは思わなかった。値段(3,200円)に相応しい量と味は良心的に感じた。
マーボ豆腐

オーナーシェフが日本における四川料理の祖、陳建民氏の弟子と聞けばマーボ豆腐は外せない。いの一番に決定したが、店が空いているのを考慮して最後に追加オーダーすべきだった。前菜を食べ始めてすぐに出てきたので困った。山椒がしっかり効いて、四川料理の特徴である痺れるような辛さがありとても美味しい。でも3分の1ほど食べたところでごはんが欲しくなった。
龍の子特製辣味四川風ワンタン

「龍の子特製」に惹かれて頼んだワンタンもやってきて、すべての料理がテーブルに出揃った。冷菜は紹興酒のつまみに残すことにして、温かいマーボ豆腐とワンタンを先に片付けることにした。このワンタンが頗る美味しい。スープが2層になっていて、初めて出会う味である。辣味という割にはマイルドな辛さで食べやすい。
アンニン豆腐

この店のメニューは何故かマーボ、アンニンなどと漢字表記を避けて片仮名になっている。オーナーが顔を出してくれれば質問したいところだった。中国人の店員とやりとりするのは辛い。
前菜の残りで紹興酒を飲みながら、向かいのテーブルに一人座る若い女性のことを想像した。誰かを待っているのかと思ったが、生ビールを飲み、料理を食べ始めた。我々が勘定をして店を出るまでお相手は本だった。
龍の子は思ったより気軽に食事ができる店だった。グループや恋人同士はもちろん、女性一人の客でも憶する事はない。
龍の子
東京都渋谷区神宮前1-8-5
03-3402-9419
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2009年02月10日
[ビキニ タパ](渋谷)
雨に濡れずにスペイン居酒屋へ

渋谷マークシティの4階、井の頭線アベニュー口の前に昨年8月、スペイン居酒屋が誕生した。新しい店も前と同様に喫茶店の類と思い無視していたが、傘をさして店を探すのが面倒なので入ることにした。
新聞に挟むチラシのようなものを渡されたが、それがメニューだった。「お奨めは?」と聞いたら、「どんなものがよろしいですか?」と聞き返された。写真つきのメニューに頼ることにした。
生ハム盛合せ、季節野菜のブランチャ温かいヴィネグレットソースで


メニューの下に細かい字が書いてあり、料理の説明かと思ったら外国語だった。ブランチャとは網焼きかなんかのことだろう。ヴィネグレットソースは多分オリーブオイルとお酢を混ぜたもの。
イベリコ豚のバラ肉、豚のモルノー(つくね)

「ピンチョス(片手でつまめるおつまみ)の伝道師」と呼ばれる、日本におけるスペイン料理の第一人者ビニェス師が監修したと胸を張るだけあって、ピンチョスはもちろん小皿(タパ)の料理も悪くない。
白魚のフリット、ラビアのカネロン


グラスワインは白が3種、赤が4種、シェリー酒やスパークリングワインなどリーズナブルで飲みやすい。料理の種類はおつまみ以外にもたくさんあるので、グループで長居しても飽きないだろう。
前にあった喫茶店よりもずっと人が入って儲かっているに違いない。昼からぶっ通しで飲むことも出来る。老若男女誰もが楽しめる店である。ただし、日本酒や焼酎があったかどうかは未確認なのであしからず。
ビキニ タパ
渋谷マークシティ4階
03-5784-5500
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2009年01月29日
[ラージマハ-ル](渋谷)
貴族のインド料理?

ラージマハールは都内に5店舗あり、随分前に銀座店に行った。インドにある世界遺産タージマハルは知っているが、ラージマハルは聞いた事がない。似た様な建物の名前かと思ったまま、調べることはなかった。今回、渋谷本店に来てオーナーの名前がラージだと知った。マハールは宮殿の意味。ラージさんの宮殿ということだろうか。
エレベーターを降りると仕切りがないので真正面に厨房が見える。いきなり宮殿に彷徨いこんだような気持ちにさせる演出のようだが、一斉に店員の目が注がれ逃げ場を失った気分になる。先客は我々を待っていたかのように入れ違いに店を出て行った。
パパド、インドビール

座るとすぐにパパドが出て来る。大好きなピリ辛せんべいは酒の肴に最高である。なくなるとすぐに持って来てくれる。全ての店員が我々のためにいる。厨房も我々のオーダーを待ち構えている。料理が重ならないように一品ずつ頼むことにした。ワインを半分空けたらすぐ注ぎに来る。水はいつもグラスを満たしている。たくさんの召使いに囲まれた気分になる。
タンドーリセット

鶏の胸肉、もも肉、ドラムスティック、羊肉、シシケバブ、魚などがタップリ乗った二人分のプレート。これだけでお腹が一杯になりそうだ。インド王侯貴族の味と胸を張るだけあって上品で美味しい。
ナン

銀座店で食べた時は何とも思わなかった。記憶がなくたってしまったようだ。ラージマハールのナンはまるでホットケーキのような香りがする。フワフワの食感と共に他では味わったことがないナンだった。
サグ・バニー(ほうれん草のカレー)

大好きなほうれん草のカレー。タンドーリセットとナンでお腹一杯になっても、まだ食べられる。頼んで出してもらった唐辛子をかければ、完食するのに苦労はなかった。
8時を過ぎた頃からエレベーターが度々開くようになった。店員はエレベーター上の階数表示を見つめて客を待ち構えている。既に我々への関心はなくなっている。
190センチを超える店員の笑顔に見送られてエレベーターに乗る。宮殿を出て喧騒の渋谷の街に戻った。
ラージマハール 渋谷本店
東京都渋谷区宇田川町30-5 JOWAビル5F
03-3770-7677
http://www.rajimahal.gr.jp
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2009年01月23日
[ブノワ](表参道)
再開したミシュラン一つ星

ミシュラン2009年版にブノワの名がないのに気付いた人はどれぐらいいただろう。2008年版を買った人の何パーセントがブノワに行ったか分からない。昨年の8月に閉店してしまって、ミシュランの評価もあてにならないと思っていたら、原因は他にあった。
店の評価が悪化した訳ではなく、世界的な金融危機の影響で倒産したアーバンコーポレーションがオーナーだったため、その煽りを受けたらしい。捨てる神あれば拾う神がある。別のオーナーの下、12月4日に再開された。総勢27人でランチに行った。

幹事役が予約時に3,300円のランチを予約していた。お酒は高価格なので厳禁。お店への貢献は限定的になるが、暇になる1時半からのランチだから少しぐらいは感謝されたに違いない。光が暑いほどに差し込み、高い天井にもかかわらず暖房は使わなくて良さそうだ。モダンなテーブルの上にはクリストフルのナイフとフォーク。アラン・デュカキスのプロデュースが加わればミシュランの星を受けるのは簡単だっただろう。

豚肉のパテにはワインが必要だったと思う。水を飲みながらでは脂っぽさに半数近くが音を上げた。牛肉の煮込みはコンビーフみたいだと文句を言いながらも残した人はいなかった。

リンゴ尽くしのアイスクリームと、マシュマロ&クッキーも評判が良かった。27人全員にコーヒーか紅茶がいき渡るにはかなりの時間を要した。
「銀髪さんなら星はいくつあげますか?」と聞かれたが、ランチで評価を下すのは正当ではない。値段相応の昼用の料理でとやかく言っても仕方がない。パンやデザートに一流レストランの片鱗は見て取れた。
サービスは27人では行き届かないのも無理はない。もっとも、レストラン評論家なら予約を受ける方が悪いと言うかもしれない。どんな商売だって適正規模というものはある。
ミシュラン2010年版に復帰できるように、新しいオーナーの下で頑張って欲しいものだ。残念ながら27人のうちでリピーターになる人は殆ど居ないだろう。女性はともかく男たちの意見は一致していた。
「俺にはフランス料理は向かない」と口々に言う。フォークとナイフより割り箸が似合う我々である。
ブノワ
東京都渋谷区神宮前5-51-8 ラ・ポルト青山 10F
03-6419-4181
http://www.benoit-tokyo.com/
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2009年01月21日
[黄金屋](渋谷)
行列が出来るもつ鍋屋

本当は違う店に行く予定だった。電話を入れたところ、「今ならまだ大丈夫ですよー」と言うだけで名前も電話番号も聞かれない。席がなくなるかもしれないと急いで歩いていると別の店から声をかけられた。新宿店に飛び込みで行って断られ、電話予約もなかなかできなかった黄金屋の渋谷店である。この機会を逃す手はない。
お通しキャベツ

もつ焼き屋定番のお通しは生キャベツ。特製の味噌をつけて食べる。ヘルシーで好きなお通しだが、ちょっと芯が多いような気がする。
注文をするとキッチンにいる白人男性二人が復唱する。料理を運んで来るのは韓国人だろう。都内に7店舗展開できるのも外国人労働者のお陰だ。
酢もつ、牛タン

もつ鍋屋の定番メニュー1番目に必ず来る酢もつ。黄金屋も店の名物と言う。銀髪ももつ鍋屋でいつもオーダーする。各店で微妙に味が違い、黄金屋は酢が抑え目でいい。
フォアグラ風という柔らかく煮た牛タンが酢もつと並ぶ名物料理とのこと。2品を美味しく食べているうちにもつ鍋が食べ頃になってきた。
もつ鍋醤油味

カロリーや脂質は少なめで、ビタミンやコラーゲンが豊富なもつは女性にも人気だ。予約が取り辛い店だというのも納得できる鍋である。
もつを食べ、野菜を殆ど食べたところでお通しのキャベツも鍋に放り込んだ。具を食べ尽くしたところで特撰ちゃんぽん麺を頼む。これで満腹。なかなか良かった。
それにしても隣席のカップルの食欲は凄まじい。黄金屋名物の各種料理やもつ焼きを食べた後に揚げ物が運ばれてきた。これから鍋もやってくるはずだ。
いつの間にか店は満席である。店の入り口の椅子には我々が去るのを喜ぶ客が座っている。店を出たところに客引きはもういなかった。
博多もつ鍋と炭火ホルモン焼き 黄金屋
東京都渋谷区道玄坂1-3-11 1番ビルB1F
03-5728-8600
http://www.koganeya.net/
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2008年12月15日
[清山](渋谷)
隠れ家的な蕎麦屋

渋谷駅から歩く歩く。渋谷でナンバー1の蕎麦屋との評判が背中を押してくれるがなかなか辿り着けない。早道のつもりで裏道を選んだのが不味かった。小さな地図をほのかな灯りで読むには齢を取り過ぎた。行きつ戻りつしながら予約の7時を少しオーバーしてようやく辿り着いた。
隠れ家と呼ぶに相応しい佇まい。1階席はガラガラ、地下も半分ほどの入り。部屋一杯に広がる大テーブルの片隅に座った。ジャズが流れるモダンな店内、淡い照明の壁際に一升瓶が並ぶ。
焼き椎茸、そばがき

スープを溜めた椎茸は思ったより香りが薄かったかな。そばがきは今まで食べたことがないような柔らかく、それでいてモチモチした食感。たっぷりのわさびをつけて食べると、ちょっと感激した。
焼き鱧の板わさ、天ぬき

日本酒が27種類もある。定番の板わさは鱧入りの高級品。砂場を思わせる天ぬきもなかなか良かった。焼き味噌も頼めばいくらでも酒が飲めそうで危険だ。
せいろ蕎麦、田舎蕎麦

十割そば、特に田舎蕎麦は蕎麦らしい風味が感じられる。タップリ供される生わさびが嬉しく、酒の肴にもいい。
蕎麦湯

重い、重い鉄瓶にはそば湯。これが驚くほど濃い。そばがきとそば湯がとても印象的な店である。
8時過ぎには店はほぼ一杯になった。蕎麦屋でデートも悪くないと思うが、この日は男同士、女同士の客が多かった。料理を運ぶ店員から店のこだわりを聞けなかったのがちょっと残念だった。勘定場で少しだけ話が聞けた。
店の名刺を求めたが置いてない。ホームページも多くは語らない。隠れ家らしい店ではある。
清山
東京都渋谷区神山町10-8
03-3460-0088
http://seizan.oc2n.co.jp/
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2008年11月27日
[松木家](渋谷)
渋谷で老舗の東京風すきやきを

道玄坂を上がり交番前から右に折れて神泉方向に少し歩くと右手に松木家のビルがある。通りから見えるのはショットバーで、短い階段を上がってドアを開くと店の右手がレストランになっている。奥の座敷席は宴会客で一杯。我々はテーブル席に案内された。
「すきやきとしゃぶしゃぶ、どちらがお奨めですか?」と仲居さんに聞いても、「お客様のお好みですから」と言われると会話はどうどう巡りするだけ。甘いのが苦手な銀髪でも、隣のテーブルから流れてくるすき焼の匂いに気持ちが乱される。箸袋を見たら松木家の上に「すきやき」としか書いていないので、すきやきに決めた。
前菜

「上すきやき」と告げると、仲居さんはすぐに引っ込んでしまった。牛肉料理以外にも料理はたくさんあり、すきやきの前に何か頼もうと思ったのに肩透かしを食った格好。戻ってきた仲居さんの手には料理が2品。メニューを見直すと、7,000円の上すきやきには前菜とデザートがついていた。これだけで充分だ。

立派な霜降りの近江牛がやってきた。料理はすべて仲居さんがやってくれるので楽チンだ。卵はこだわりの栃木県矢板産。「箸で持ち上がるんですよ」と言われても、ちょっと遅かった。既にかき混ぜてしまっている。しかし、美味しい卵であることはよく分かる。肉と卵のハーモニーが抜群。すきやきにして本当に良かった。実に美味い。
「この店はいつからやっているんですか?」と聞いたら「120年以上前です」と言うので驚いた。渋谷の現在地に移転してから既に70年、元は浅草にあったそうだ。
ますます、すきやきにして良かったと思った。松木家の看板料理は昔からすきやきで間違いない。しゃぶしゃぶは大阪の永楽町スエヒロ本店の先代店主が昭和27年に考案したものらしいから、60年足らずの歴史しかない。

ごはんかきしめんかを迷ったが、きしめんにして正解だった。鍋の残り汁をタップリ吸ったきしめんをこだわりの卵につけて食べて大満足。でも、次回はごはんに乗っけて食べてみたいかも。
日本酒の品揃えも良く、食べ終わったらバーに移ってもいい。なかなか美味しい松木家だった。
松木家
東京都渋谷区円山町6-8
03-3461-2651
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2008年11月18日
[へぎそば 匠](渋谷)
身体にいいそばでも飲みすぎにはご注意を

出張続き、運動不足、魚が美味しい冬。体が重くなってくると、蕎麦屋に足が向く。へぎそばの店なら新潟の美味しい日本酒も飲める。
階段を下りて店に入る。カウンターに座ってメニューを開く。そこで初めて四谷三丁目の匠と同じ系列の店と気付く。3年間で約900軒も行けば忘れてしまう店もある。まして、渋谷の匠の内装、雰囲気、客層は四谷とは全く違っていた。
お通し、生牡蠣、栃尾の油揚げ

四谷は昔ながらの居酒屋風で年配の女性が注文を取りに来るが、渋谷は今風の居酒屋で男性店員のユニフォームも決まっている。ところがメニューに並ぶ料理は殆ど一緒。「お奨めは?」と聞くと「栃尾のジャンボ油揚げ」と言うのも同じ。
そばチヂミ、そばコロッケ、ぎんなん

四谷になかったメニューはそばチヂミ。そば粉を使うならガレットと呼んだ方が良さそうだが、チヂミの方が一般受けするのだろう。ガレットはそば粉のクレープとも言われる。いつまで経っても本名で呼んでもらえない可愛そうな食べ物だ。ネギが入ったそばチヂミはなかなか美味しかった。
のっぺ、へぎそば

最後にへぎそばを食べると決めているのでお腹はこれ以上膨らませない方がいい。メニューを吟味した上で、結局のっぺを食べることにした。四谷で越後ののっぺは汁がないことを教わった。箸の使い方を判別できるような料理は食べ過ぎることがなく、日本酒の肴にはうってつけである。
そばのつなぎに海草(ふのり)を使ったへぎそばは、コシがあって美味しい。四谷より小さいへぎ(木の器)があるのもカップルが多い渋谷ならではのサービスかもしれない。
できるだけ肉類を避けたので胃は重くないが、日本酒を飲みすぎて頭が少し重い。反比例して口が軽くなる。自己制御は本当に難しいものだ。
へぎそば 匠 渋谷文化村店
東京都渋谷区道玄坂2-23-14 道玄坂225ビルB1
03-5784-6680
http://www.takumi-hegisoba.net
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2008年11月11日
[よかろう門](渋谷)
なかなか美味しいもつ鍋屋

気のせいかもしれないが、渋谷は鍋料理の店が多い。勘違いを恐れず更に分析すると、渋谷は若者が多い街だからと思い立つ。文化村通りやスペイン坂を歩くと水炊きやもつ鍋のように安くて腹が一杯になる鍋料理の店が目に付く。高級ふぐ店は見当たらない。若者だけでなく、銀髪も安心して入れる。
近くにもう一軒もつ鍋屋があったが、よかろう門の方を選んだ。店に入ると意外と広く、早い時間なのに半分くらい席が埋まっていた。狭い席に通された挙句「混みあってきたら2時間で〆させていただきます」と強気だ。
お通し、酢もつ

まぐろの山かけがお通しとはもつ鍋屋らしくない。福岡の有名店「やま中」に行って以来、もつ鍋屋ではまず酢もつを頼むのが定番になった。鍋よりも店によって特徴があるのが酢もつだ。よかろう門のものは万人向けで食べやすい。
鍋、ちゃんぽん

「どれがお奨め?」と聞いたら「味噌を頼む人が多いですけど、博多では醤油が普通らしいですよ」と言う。確かに彼女の言うとおりだ。やま中でも醤油味を食べた。出てきた鍋に入っているもつが立派で感心した。
キャベツ、ニラ、ゴボウ、などの野菜がしんなりして食べ頃になった。連れが美味しいを連発する。店員の強気もまんざら大袈裟でもないようだ。他の料理を頼もうか迷ったが、柚子胡椒入り餃子と追加の野菜を鍋に入れることにした。〆にちゃんぽん麺で腹を満たした。
隣に若いサラリーマンが二人。鍋をつつきながら白いご飯を食べている。彼らの向こうに若い女性の二人連れ。飲んでるのはウーロン杯だろうか。お互いのテーブルがくっつくことはなさそうだ。座敷には男女のグループ客が数組。店内はほほ満席だが追い出されるほどではなかった。
本社は福岡というだけあって、本場の味に近くてなかなか美味しかった。店舗は渋谷店の他に赤坂にもある。福岡の赤坂かと思ったら、東京港区の赤坂。福岡の店を閉め、東京に進出して4年目に入る。頑張れ、博多っ子というところかな。
よかろう門
東京都渋谷区宇田川町26-11 白馬ビル3F
03-5458-2198
http://www.yokaroumon.jp/index.php
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2008年11月09日
明治神宮
伝統の式には変わらぬ親子の愛情

神楽殿に入ると「おめでとうございます」と挨拶された。「?」と思ったがすぐに自分の格好に気がついた。親族の控室に向かう男が礼服に白いネクタイなら挨拶の言葉は簡単だ。主役の家族に会うと今度はこちらが「おめでとうございます」と言う。乱発される「おめでとう」はいつも笑顔とセットである。
新郎と新婦を言い間違えて皆の笑いを誘った。厳粛な親族紹介の場ではジョークを封印するつもりが、結果オーライになった。「式は既に始まっています。私語は慎むように」と係のおばさんに睨まれながら神殿に向かった。
大きな赤い傘を掲げられ、境内を主役の二人がゆっくり歩く。参拝に来た人たちがカメラを向ける。外国人観光客が特に喜んでいる。銀髪も背筋を伸ばし、胸を張って歩く。美しい姪っ子の後方に冴えないおやじが写っては申し訳ない。

披露宴が行われる明治神宮記念館に移動した。新郎新婦の友人たちが加わり、より華やかに場が盛り上がってきた。挨拶も余興も期待されない銀髪はただ食べるだけ、飲むだけである。

次々に料理が運ばれてくる。入れ歯の調子が悪い母の料理には細かく切れ目が入っている。気遣いができる賢く優しい姪っ子が事前に頼んでいたようだ。
一流の結婚式場、ホテルで行われる披露宴の食事は良く出来ているが、どんなに頑張っても壇上の主役には敵わない。

これまでたくさんの披露宴に出席した。似た様な式次第だがそれぞれに個性がある。両親、親族、友人たちを見れば新郎新婦の人となりが良く分かる。

宴もクライマックスに近づいた。姪っ子が手紙を読む。我が兄のくだりは泣けた。泣きそうな、それでいて笑っているような兄が格好良く、映画「花嫁の父」のスペンサー・トレーシーを思い出した。エリザベス・テーラーも綺麗だったなー。
しかしあれはいかん。我が娘には絶対に感謝の手紙なんぞ読まないように約束させなければならない。たくさんの人に涙顔を見せるのは辛い。感謝は結婚したときでなく、時々ボソッと言ってもらう方が嬉しい。
明治神宮
http://www.meijikinenkan.gr.jp/jingukyosiki/index.htm
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2008年11月04日
[ボルドーセラー](南青山)
心地よい隠れ家にしちゃおう

老若男女、日本人と外国人、たくさんの人で賑わう表参道の交差点のすぐ近くなのに、小さなビルの階段を下りると喧騒を忘れてしまう。店にとっては悲しいが、こちらにとっては嬉しい半分ほど埋まっただけの静かな店内。南青山でワインバーとなれば女性ばかりと思いきや、左の席は日本人の上司と部下、右の席は外国人おやじ二人で、アベックは一組だけ。実に面白い。
スモークたくあん、お婆さんの作るパテ

メニューの中で変わったネーミングの料理2つを頼む。「甲州ブドウの香り」というたくあんは、ワインを売り物にする店ならではのもの。「キッチンにお婆さんが居るの?」と茶化した相手は美形の店員。男共は彼女目当てに来てるのかと思ってしまう。これだけで楽しくなるのだから男は困る。
自家製スモークサーモン、自家製ソーセージ

スモークサーモンまでテーブルに置かれた割り箸で食べていたが、ソーセージになって初めてナイフとフォークを手にした。評価が高い中国原産の梅山豚を使った自家製ソーセージ。こだわりの料理は知る人ぞ知る柿崎シェフならではのもの。テーブルに来てくれなかったので話ができなかったのが残念だ。まあ、美人のお姉さんがいるからいいか。
ウニとキャビアの冷製パスタ

日本ならではの海の幸を使ったスパゲティ。日本ほど様々な麺料理がある国はないだろう。日本古来の麺類が超えることが出来ない壁を、スパゲッティは軽々と越えていく。本場では思いもつかない料理も、異国では簡単に出来てしまう。実に面白い。
左右の席ではポンポンとボトルが開けられていく。外国人のワイングラスはグラスワインを飲んでいる我々のものと比べるとひときわ大きくて妬ましくなる。
勘定を払って店を出たところで空き瓶が放り込まれた木箱が目に入った。高級シャンパン・サロンの空き瓶もある。値段が高いワインも置いているがひけらかさない謙虚な店主の心根が窺える。いい食事、いいワインをリーズナブルに楽しめる店。何を飲むかは客の懐次第。店主のメッセージをしっかり受け止めて階段を上った。
表参道は人通りが2時間前より増えたようだ。夜はまだ長い。
ボルドーセラー
東京都港区南青山5-1-25 北村ビルB1
03-5467-8420
http://www.bordeaux-cellar2005.com
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2008年10月29日
[瓜](渋谷)
いい店見つけた!

「今日は生牡蠣を食べるぞ!」と、渋谷のオイスターバーをネットで調べて行った。ところがビルの袖看板に目指す店の名はない。ビル違いかと行ったり来たりしたがやはり見つからない。
仕方なくオイスターバーの後釜と思われる店に入った。「和食とワインの店」の看板文字に期待して。
照明を落とした雰囲気のある店内。キッチン奥に炭火の焼き場。カウンターの左上にはワイングラスがぶら下がる。ここまでは看板どおりだが、棚には森伊蔵、村尾、魔王の芋焼酎3Mを筆頭に有名焼酎が並ぶ。日本酒も純米酒を中心にいい品揃え。ムクムク興味が湧いてきた。
お通し、椎茸の炭火焼

お通しに帆立と金目鯛の寿司が出てきて意表を突く。これがなかなか美味い。小さい店の割にメニューは豊富で驚く。鮮魚、薩摩地鶏、岩手県産地鶏・高原豚、佐賀県産大豆を使用した豆腐、無農薬有機野菜、珍味。何を食べるか随分と迷った。
野菜の中で自慢の素材は椎茸とアスパラと言う。今のアスパラはオーストラリア産なので、国産の椎茸を頼んだ。その椎茸を一口食べて連れが驚きの声を上げる。「原木?菌床?」ここまで相手をしてくれていた店員は質問の意味を分からず、選手交代。「原木です」と板長が答える。原木栽培した栃木産椎茸は香りが良くて秀逸だった。粘り気のないさらさらした柚子こしょうが気になる。美味すぎる。
薩摩地鶏もつ盛合せ、銀杏

鶏肉はいつものように刺身でチェック。美しい。薬味はショウガ、ニンニク、柚子こしょうの3種。柚子こしょうが美味い。「大分産?」と聞いてみたものの自信がない。答えは鹿児島産。おばあちゃんが手作りしているもので、普通の店では手に入らないらしい。やはり市販の瓶詰め柚子こしょうではなかった。肉がなくなった後も柚子こしょうを残して酒の肴にした。
銀杏は思ったとおり藤九郎。随所にこだわりがある店である。
田楽、豚バラ肉の塩焼き

豆腐も豚も自慢するだけある。脂身の多い豚も塩味が効いて美味しい。再びの柚子こしょうが嬉しい。
メニューにはなかったが、お通しの寿司が美味しかったので〆も寿司を握ってもらった。鯛、ひらめ、白いか、甘海老。なめこ汁がとびっきり熱くて飲むのに苦労した。

日本酒の値段がちょっと高めなのが痛いが、料理にはとても満足した。居酒屋と割烹の間の料金で、いい素材を使って上手く調理している。近いうちにまた来よう。いい店見つけた!
瓜
東京都渋谷区道玄坂2-23-13 渋谷DELIタワー8F
03-5459-3068
http://www.shibuya-uri.com/
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2008年10月17日
[TOMPOOYA(東風家)](渋谷)
アジア料理なんでもござれ

渋谷スペイン坂はいつも活気に溢れている。通行人の多くは若い人なので歩くスピードは早く、話し声も大きく明るい。そんな若者たちを相手にする飲食店もユニークだ。ビルを見上げて雰囲気が良さそうだったので飛び込んだのがTOMPOOYAだった。
店内は個室風の部屋が並ぶ。カーテンで通路と仕切られており、足元は見えるので完全な個室ではない。それでもプライベートな空間は維持されて心地よい。カラオケのビッグエコーの系列店だけに個室中心の店造りはお手の物なのだろう。
お通し、飲茶盛り合わせ

揚げパンのような、コロッケのような、不思議なお通しが店を象徴している。最初に来たのが飲茶盛り合わせ。無難なスタートである。
3種類の春巻きプレート

生春巻きや揚げ春巻き。甘辛いタレ。多分ベトナム料理なのだろう。ちょっと違うような気もするが悪くはない。
サテー盛り合わせ

インドネシアなどマレー圏の代表的な料理のサテー。シンガポールや日本のインドネシアレストランで食べるものと全く違う。盛り付けも味も上品である。初めて食べる人は美味しく思うだろうが、本場のサテーを食べたことがある人は違和感を持つだろう。
タコライス

日本もアジアの一部であることは否定しない。日本代表として登場したのは沖縄名物タコライス。まあ、こんなものだろう。
敢えて各国の料理を並べてみた。もちろん一国の料理で統一する方法もある。カップル向けの小部屋の他に小パーティーができる部屋もある。トイレに行くついでに店内を見渡すと2家族合同で誕生パーティーをやっていた。主役は幼稚園児のようで、盛り上がっていた。
中国、タイ、ベトナム、インドネシア、韓国、日本などなど、色んな料理を揃えた妙なお店。食通は目を剥くかもしれないけれど、子供たちは喜んでいる。考えてみれば日本の家庭も似た様なもの。お母さんは世界各国の料理を作れるスーパーシェフなのである。
アジアンダイニング TOMPOOYA(東風家)渋谷スペイン坂店
東京都渋谷区宇田川町13-7 KOYASUビル4F
03-5459-2622
http://www.clubdam.com/dkdining/index.html
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2008年10月09日
[御蔵](渋谷)
お手頃価格の京懐石

渋谷マークシティーの4階、奥まったところにある御蔵は高級そうでちょっと入り辛い。「京の田舎料理」の文句に勇気付けられて入ってみると、なるほど格式張った感じがなく臆することはなさそうだ。メニューはコースのみで4,200円、5,800円、7,600円の3種類。見栄っ張りが悲しむぐらいリーズナブルな価格設定である。
いずれのコースにも鍋があり、一番下が豆乳鍋で他は牛肉の鍋。健康に留意したら僅かな見栄も除外することができる。金を出す身に優しいコース設定に感謝した。
前菜、小鍋(豆乳鍋)

前菜の中では柿の白和えが季節感を出している。豆乳鍋は一人一鍋なので喧嘩しなくていい。上のコースは大鍋で、店の女性が取り分けてくれるようだ。羨ましくもあるが、煩わしさはない。
里芋だんご、鰊茄子

里芋だんごの中には鳥のつくねが入っている。京料理らしく優しい味だ。鰊も京料理らしい。ここまでは確かに田舎料理というのが頷ける料理ばかり。高級素材は使っていないけれど、満足感はある。
日本酒の器も遊び心があって面白い。演出効果は抜群である。

子持ち鮎塩焼き、南部鶏山里焼き

メインは4品の中から選べる。鰆の西京漬けと牛肉鍬焼きは食べ損なったが、選んだ2品は間違いではなかった。
湯葉豆腐丼と漬物、冷やしうどんとおにぎり、デザート


食事は2品から選ぶので迷わず一つずつ。京漬物がついた丼の方に軍配が上がる。それにしても、うどんはよく冷えていた。
気がつけば、前も横も外国人。しまりやの外国人にとっても気軽に京料理が味わえる店である。店の女性に「今日は外国人が多いですね」と聞いたら、いつものことらしい。「俺もヴェトナム人だけどね」と言ったら、マジで驚いてくれた。店の女性たちは可愛くて仕事ぶりもいい。「正社員?」と聞いたら「アルバイトです」と言われ、今度はこっちが驚いた。
銀座店も料金設定は同じようだ。外国人だけでなく、若い人にもお奨めの店だ。
京の田舎料理 御蔵 渋谷マークシティ店
東京都渋谷区道玄坂1-12-5 渋谷マークシティウェスト4F
03-5459-4011
http://www.fukunaga-tf.com/mikura
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2008年09月17日
[笑龍](渋谷)
野菜ソムリエと漢方アドバイザーの店

ともかく野菜ソムリエが選んだ野菜を漢方薬局と協力して薬膳料理を出すというのが笑龍のウリらしい。野菜ソムリエ資格がどのぐらいの価値があるか分からない。美容と健康にいいと言われれば、悪いイメージは湧かない。まあ、入ってみよう。
消化促進、老化防止、美肌、免疫力アップ、養血と脳内活性、風邪予防。メニューを見ると、全部食べなければならないような気になる。迷ったらセットメニューだ。「副都心線開通記念セット」が一人前2,800円。これに決定! もともと女性客向けに作ったセットで物足りないかもしれないと言われて、看板料理の世界一長い春巻きを追加した。
野菜ソムリエサラダ、大海老のマヨネーズ

いかにも健康に良さそうなサラダに見える。目で食べるサラダといったところだろうか。
紹興酒テイスティングセット

紹興酒、20年物紹興老酒、甘口の5年物紹興老酒の3種セットで1,000円。漢方の酒を飲もうか悩んだが20年物に負けた。紹興酒は体内では作れない必須アミノ酸を含むので、勝手に漢方酒に分類してあげた。
春巻き、美肌フカヒレの茶碗蒸し

揚げる鍋がないから家庭では食べられない春巻き。結局はさみで切ってくれるのだが、「手で持って食べてください」と言えばもっと面白いだろう。まあ、上品な店では奨められない。
本日の産直野菜一品、フカヒレの薬膳ごはん、身体にやさしいデザート

コラーゲンが人気のフカヒレ料理がコースに2品も入っている。本数が数えられるほどでフカヒレ繊維と言った方がいいが、最近はやりの偽装ではない。2,800円のコースでは上々である。
薬膳料理の店だけに、腹八分目の量が憎い。軽めの味付けなので後で胃がもたれることもない。「副都心線開通記念セット」は10月31日までやっている。女性には喜ばれるだろう。
男性には食後は早く帰って寝ることをお奨めする。飲みなおしに行こうものなら、帰りにラーメンが欲しくなってしょうがない。折角の薬膳料理も効果が消えてしまうだろう。銀髪は我慢できた。薬膳効果は維持できたかもしれないが、我慢は精神的に辛かった。
笑龍
東京都渋谷区宇田川町21-1
03-5728-5515
http://www.urg.co.jp
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2008年09月09日
[町家酒房 DEN 原宿](神宮前)
場所良し、酒良し、料理良し、雰囲気良し

神宮前の交差点でタクシーを降りてぐるりと見回し、鼻をひくつかせる。どこに連れて行かれるのだろうと同行者が不安に思う瞬間だ。一軒目、交差点のすぐそばにある店の前で立ち止まり、メニューをパラパラとめくった。すぐに地下への階段に足を踏み入れ驚かせた。いい加減に決めたように見えただろう。
薄暗がりの向こうにゆったりとしたテーブル席とカウンターが見える。店頭にあったメニューには様々な料理が書かれていたのに、バーのような雰囲気はちょっと意外だった。カウンターにはサントリーのウイスキーと、サントリーが輸入しているスコッチが並ぶ。「サントリー系列の店ですか?」とバーテンダーに聞くと、当たりだった。
ずわい蟹とキノコDEN風サラダ、戻りカツオのカルパッチョ

プレミアムモルツの黒生ビールが美味い。料理はバーのおつまみの域を超えている。奥のテーブル席で鍋料理を楽しんでいるカップルがいる。入り口近くのテーブルでは真剣な表情の男二人が軽いつまみで飲みながらヒソヒソ話をしている。込み入った仕事の話だろうか。
ネギトロの京風湯葉巻き、霜降り豚トロの古代塩焼き

京風ダイニングと謳う店の人気料理がネギトロの京風湯葉巻き。山芋がシャリッとしていいアクセントになっている。4品の中で一番美味しかった。
ゆったりとした大人の雰囲気の割にはリーズナブルな店である。ボトルワインもそれほど高くない。気分のいい食事が最後の勘定で乱されることはなさそうだ。

食事が終ってもお楽しみはこれからだ。目の前の「The Owner’s Cask 」が、銀髪にウインクをしている。混ぜ物なしのシングルカスクだけに、アルコール度数は61%。高度数を感じさせないまろやかさはストレートで飲まなければ分からない。
チーフバーテンダーの石塚さんとの会話も楽しい。他の客のために石塚さんがカクテルを作り始めた。シェーカーを振り終えたところで「もう少し背を伸ばして、ときどき頭の高さまで手を振り上げたらカッコいいですよ」と余計なことを言ってしまった。「素人が何を言う!」と怒られるところだが、石塚さんは汗を拭き拭き照れたような顔をする。
調子に乗って「バーテンダーの一番の見せ場だから、石塚さん目当ての女の子がカウンター一杯になるように鏡の前で練習したらいい」と勝手に動く困った口である。61%はやはりきいているようだ。
年中無休。週の初めは客も比較的少なくてゆっくりできる。カップルでも男同士でも使える店だ。
京風ダイニング 町家酒房 DEN
東京都渋谷区神宮前4-30-3 ティーズ原宿B1F
03-5775-3786
http://www.gnavi.co.jp/myu
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2008年09月03日
[美食 米門](渋谷)
味も値段もワンランク上の居酒屋

デパートの中、しかも渋谷ならたかが知れていると思った銀髪は世間知らずだった。若い女性アルバイトが客引きをしていたのも判断を誤らせた一因である。席につきドリンクメニューを開いて自分の甘さを悔いた。ビールの中瓶が850円、日本酒は一合1,000円以上するものばかり。
お通し、クレソンと芹のサラダ

料理も殆どが4桁と普通の居酒屋より2~3割高い。覚悟を決めてオーダーした。お通しの煮物が美味しいので少しホッとする。清流で育てたというクレソンと芹のサラダも悪くない。少し機嫌がよくなってきた。
馬刺し、本ししゃも

馬刺しは熊本産が有名だが、青森県産小田桐牧場直送というので興味が湧いた。運ばれてきた馬刺しはとても美しい。たてがみと赤身が重なり合い、手前に霜降りロース肉が輝く。ロースが口の中でとろけるのは見ただけで分かったが、たてがみと赤身を一緒に食べたとき口に広がるまろやかさには驚いた。値段だけのことはある。
北海道産の本ししゃもはプレゼンテーションも立派。馬刺しと食べ比べると分が悪いが、食べる順番が逆だったら感動しただろう。
薩摩若しゃもの串焼き5品盛り合わせ

小振りの若しゃも焼き鳥5本で1,500円は有名店並の価格。もっとも既に居酒屋気分は吹っ飛んでいるので、値段はあまり気にならなくなっていた。
さあ、次は何を食べようかと意気込んだが、相方が腹一杯と言うのでお開きになってしまった。
新宿、品川、横浜、梅田にもある米門以外に、系列のオイスターバーMAIMONが恵比寿、銀座、梅田にある。銀座のオイスターバーには行ったことがあるが、雰囲気がいいだけでやたら高かった印象が残っている。
今日の米門はちょっと高めだが、悪くはなかった。店員の応対にも文句はない。そうそう、呼び込みをしていたアルバイトの女の子がとても可愛くて、育ちの良さそうなお嬢さんだった。何よりもそれが一番良かった所かな。アルバイトがきれいな笑顔を見せている店が悪いはずがない。
美食米門 渋谷パルコ店
東京都渋谷区宇田川町15-1 パルコPart-1 ダイニング&ガーデン 8F
03-3464-
http://www.maimon.jp
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2008年08月27日
[吾照里 OJORI](渋谷)
上品な韓国家庭料理

渋谷駅から文化村通りを東急百貨店方向に上を向いて歩く。もちろん泣いているわけではない。左上方になかなかいい雰囲気の韓国料理屋らしきものを見つけた。ビルの入り口を見つけるのにちょっと苦労しながら店に辿り着いた。
見上げた時とちょっと雰囲気が違う気がしたが、若い韓国人女性2人に笑顔で迎えられるとどうでもよくなった。美人の方が先生役のようだ。若い方が注文を取りに来たが日本語が上手くなくて要領を得ない。すぐさま美人が助け舟を出してくる。サンゲタンとパジョンを奨められた。量が多そうなのでちょっと渋るが、結局従った。銀髪の好物ケジャンと合わせて、取り敢えず3品を選ぶ。
お通し、ケジャン

上品な味のケジャンである。口に含んで殻を噛むと、柔らかい身が出て来る。身がタップリ詰まって美味しい。
サンゲタン

ハーフサイズのサンゲタン。これでも結構量がある。薬膳らしい朝鮮人参などが入っていない。残りの半分に含まれているのかもしれない。塩、胡椒をちょっと加えて食べる。これも上品な優しい味だ。
海鮮パジョン

予想よりも更に大きなチヂミが出て来た。厚さもある。他の料理を頼んでいなくて良かったと胸をなでおろした。美人店員が何度も奨めたように、確かに美味しい。表面がパリッとして、中はトロリとしている。全部食べきったあとも鉄皿は熱々だった。
さすがに腹一杯になった。勘定を終えて席を立つと、後ろの女性二人が大きなパジョンと格闘中。さらに肉を焼いて食べる様に勢いがある。日本女性の元気さが男共を上回っているのはオリンピックだけではない。
家に帰りホームページを開いて、我々が見上げた店が本店で、入った店は新館だと分かった。どうりで雰囲気が違うはずだ。他に東京駅八重洲口、汐留などに10店舗を展開している。日本人の口に合う優しい韓国家庭料理を出す店である。
吾照里 OJORI 渋谷新館
東京都渋谷区道玄坂2-29-18 清水ビル3F
03-5458-6636
http://www.ojori.jp/
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2008年08月11日
[ありそ亭](青山)
青山で福井の味を

「青山の骨董通りお願いします」と告げると返事もなくタクシーは動き出した。「小笠原流会館を知ってますか?」と聞いたらぶっきらぼうに「知りません」と一言。仕方ないので窓外を注視してナビゲーターを務めた。道を間違えることもなく、路地を入って複数の飲食店やブティックのあるエリアに辿り着いた。ありそ亭は突き当たりにある立派な店だった。
席の間隔がゆったりしていてなかなか雰囲気のある店だ。窓の外には小さな庭園が見える。アラカルトを頼もうとしたが、強くコースを奨められた。料理が出て来るのもコースの方がスムーズだと言われてその気になった。7,000円の荒磯コースを頼んだ。
前菜盛合せ

強く奨める理由が分かった気がした。流れ作業で出せるし、見栄えも悪くない。レバーペーストとパンのような洋風のものもあれば、福井名物の「へしこ」もちゃんと入っている。
鱧椀、お造り

鱧の吸物がとても美味しい。あまり酸っぱくない梅干もいいアクセント役になっている。
鮎の塩焼き、いちじくの抹茶天婦羅

炭の入った壷の上に乗せられて鮎がやってきた。ホカホカの鮎は福井の酒が良く合う。場所柄女性向けに梅酒やワインなども置いてあるが、外国人向けに日本酒の何たるかの説明を載せている。もちろん日本語でも書かれている。日本人にこそ、銘酒を料理に合わせて欲しいものだ。
おろしそば、デザート
