2008年11月17日
[江島]②(銀座)
今年も江島で松葉ガニ

「どこに行きたい?」と問われて「どこでもいいですよ」と答えながら、彼を常連としてもてなす数店を思い浮かべた。毎日違う店を探さなければならない銀髪にとっては羨ましい限りだ。再び電話が鳴り「江島を予約したぞ!」と言われほくそ笑んだ。店を指定するほどあつかましくはないが、望んだ店と一致した。
今年の松葉ガニ漁は11月6日に解禁された。日本海で獲れるズワイガニは松葉ガニ、越前ガニ、加能ガニと産地により呼び名が違うが、どれも食通垂涎の高級品である。地元の料理屋でも予約なしでは食べられないが、江島にはこの日2杯入荷していた。食べる人が決まらずに仕入れるとはさすが銀座である。

船のタグがついた約1kgの松葉ガニのお値段は2万8千円。江島では主に鳥取県、兵庫県から仕入れているそうだ。茹で上がるまでサラダなどを食べて酒を飲んだ。主役が来るまで腹は空かせている方がいい。

ミソをたっぷりと甲羅に乗せて松葉ガニがやってきた。スプーンでミソをすくって食べる。日本酒を飲む。もう一度ミソを。そして日本酒を口に運ぶ。
足を取って身を引き出す。ハラリと身が抜ける。口に入れるとほんのり温かく甘い。
いつもは苦労する甲羅の中の身も、簡単に取れる。かに酢も用意されているが、つける気にはならない。蟹を食べるときは身を取り出すのに無口になるが、今日は美味くて声が出ない。

蟹だけでは物足りないと思ったのか、和牛の鉄板焼きも頼んでくれた。江島はしゃぶしゃぶなどの和牛料理も自慢するが、活松葉ガニとの勝負では分が悪い。
考えてみれば、蟹は安いかもしれない。2人で分け合い、他に数品頼めば腹は満たされる。最高級の天然ふぐコースを食べたら一人3万円は下らない。白子を食べ、ひれ酒を飲めば4万円になる。松葉ガニを食べ、甲羅酒を飲む方が遥かに安い。
3月の漁が終るまでに何度食べられるだろう。もしかしたら今シーズンはこれが最初で最後かもしれない。感謝感激雨あられである。
江島
東京都 中央区 銀座 3-5-4 十字屋ビル4F(松屋デパート向かい)
TEL:03-3535-3131
http://www.ginza-ejima.com/
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年11月13日
[大渕座](銀座)
銀座の超フレンチ

16,500円の松茸コース


冷製スクランブルエッグ、ピザ、クリームソース、甘鯛のポワレ・サラダ仕立て、ホロホロ鳥のラグーパスタと続く松茸尽くし
「松茸の産地は?」と聞くとトルコ産とカナダ産とのこと。これは避けて安いコースの方が良さそうだと思って客の意見を聞くと「どちらでも」と応える。「どちらでも」は「高い方を食べたい」という意味である。
9,800円のコース


野菜のディップ、鯖煮、キスの天ぷら、太刀魚アンチョビバター添え、三種のチーズ盛り合わせ
コースは2種類しかないが、値段には大きな開きがある。銀髪も松茸コースにしようかと迷っていると、「私のを分けてあげますよ」と言われた。「あなたは安いコースにしなさい」という意味である。
両方のコースを楽しめる幸せなアドバイスである。偏見を持って臨んだ松茸コースは思ったより香りが高くて美味しかった。一流シェフの目利きのなせる技だろう。国産より安価な分、タップリ使っているのがいい。ピザが特に気に入った。
いくら美味しくても松茸ばかりでは飽きてしまう。安いコースがいいアクセントになった。カウンター席だと二人で分けるのも簡単だ。西欧では分け合って食べることはしないが、日本では嫌な顔をされないので有難い。
料理が終ったところでオーナーシェフの大渕さんがやってきた。「フランス料理と言うより日本料理に近いですね」と有名シェフをつかまえて生意気を言う。ところが一番日本的に思えた鯖もフランスの田舎料理とのこと。奥が深い。
それでも懲りずに「ヌーベル・キュイジーヌなんて新しいものより、ガッツリした伝統的なものが食べたいですね」と憎まれ口をたたいたら「私も40年間フランス料理一筋ですから、そういったものを作りたい」と言うので驚いた。フランス料理の流行はヌーベル・キュイジーヌから2段階も先に進んでいるそうだ。
新しいフランス料理の旗頭と思われる大渕さんだが、その理想がどこにあるのか興味が湧いた。評価が高かった代官山の「ラ・ヴィーナス」を閉め、3年前に銀座に今の店を開いた。ちょっと有名になると支店を作ったり、他店のプロデュースをして稼ぐ料理人が多いのに大渕さんは変わっている。
柔和な笑顔の奥に潜む闘志を垣間見た気がする。支える奥様も大変だろうが、頑張って欲しい。いつか「これを食ってみろ!」という大渕さんの理想の料理を味わいたいものだ。
御魚 大渕座
東京都中央区銀座3-10-14 東銀1ビル2F
03-5565-3788
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年10月30日
[美々卯](京橋)
うどんすきは美々卯の登録商標

京橋の美々卯に最初に来たのは10年ほど前である。大きくて立派な店なので長い間本店だと思い込んでいた。美々卯が大阪で200年以上の伝統を受け継ぐ老舗であること、うどんすきが美々卯の登録商標であることを知ったのは道頓堀の今井へ行ったのがきっかけだった。グルメ紀行のお陰で予習復習をするようになったので食い物の知識はどんどん膨らんでいく。
煮穴子、にしん、そば寿司

Tさんが煮穴子とにしんを、銀髪がそば寿司を頼んだ。うどんすきが有名だが、石臼挽きの自家製粉したそば粉で打ったそばも捨て難い。遅い時間に入って「売り切れました」と言われたことがあるので、ついつい頼んでしまう。

昭和3年に先代・薩摩平太郎が考案したといううどんすき。名前も彼がつけたそうだ。道頓堀今井では「うどんすき」ではなく「うどん寄せ鍋」と呼んでいたので不思議に思って調べたら、うどんすきが美々卯の登録商標だと分かった。
良識ある今井とは違い、杵屋が「杵屋うどんすき」と名付けたものだから、美々卯が訴えた。結局、平成9年東京高等裁判所が「うどんを材料として魚介類、鶏肉、野菜類等の各種の具を合わせて食べる鍋料理」として普通名称化されていると結論付けた。そのため今では誰でも「うどんすき」を使えるようになった。美々卯は敗訴を悔しがるより「うどんすき」の名称がひとつの商品名から料理の名前として認められたことを喜ぶべきかもしれない。

美々卯のうどんすきで注意することは、活き車海老をつまんだまま熱湯の中で成仏させることである。放っておくと飛び跳ねて熱湯が飛び散ることになる。隣席では仲居さんが老夫婦に丁寧に教えていたのに、我々のところには来なかった。無視されたのか、常連と思われたのか分からない。
美々卯のうどんすきは美味しい。茹ですぎてもうどんがくたびれないのもいい。「麺を追加しますか」と聞いたら「腹一杯」と答えたTさんも、ゆらゆらと鍋の中で誘ううどんを見たら箸がのびてしまう。食べ過ぎてしまうのが、うどんすきの困ったところである。
美々卯 京橋店
東京都中央区京橋3-6-4
03-3567-6571
http://www.mimiu.co.jp/
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年10月20日
[グット ドール](銀座)
金色の滴り

君嶋屋、君嶋屋、横浜君嶋屋とMさんが言う。キミシマと言われてもデザイナーぐらいしか思い浮かばないが、どうやら有名な酒屋のようだ。横浜の酒屋が銀座にワインバーをやっているから行こうと言われてその気になった。
日本橋から銀座4丁目の店まで歩いた。やっと着いたところでホッとするわけには行かない。店のドアを開けるには狭くて急な階段を3階まで上らなければならない。軽快に上りきった銀髪をMさんがゆっくり追いかけてきた。

カウンターを左に見ながら窓際の奥の席を目指した。ビールで喉を潤したところでワインのメニューをもらった。常時10種類のグラスワインが用意されている。味比べを出来るのは嬉しいが、値段は正直だと分からされるのはちょっと辛い。料理が出て来るまで胡麻パンスティックやパンを肴にする。
ブーダンノワールのテリーヌ、サラダ、海老とイカのソテー・プロヴァンス風

料理も楽しめる。しかし、フランス料理屋やイタリア料理屋のメニューは本当にわかりにくい。ブーダンは豚の血と脂肪で作ったもの。ノワールは黒の意味で、フランスのギャング映画をフィルムノワールと言ったことを思い出させる。プロヴァンス風とは トマト、にんにく、オリーブオイルをたっぷり使った料理のこと。
トリップの煮込みニース風、鴨もも肉のコンフィ、チーズ盛り合わせ

トリップは牛の内臓肉でイタリア料理ではトリッパというもの。ニース風とはトマト、オリーブオイル、アンチョビなどを入れて作られた料理、コンフィは玉葱などを煮崩れるまで炒めたもののこと。フランス在住歴6年のKも料理の説明は上手くない。ワインの味は分かると言うが、値段を見れば彼の評価は必要ない。
全ての種類を飲んだ頃にはカウンターの半分以上が埋まった。全て女性である。途中で若い男がワインを2杯飲んですぐに帰った。我々は場違いな客だったかとバーテンダーに尋ねたら、いつでも大歓迎と言ってくれた。それはそうだ。これだけ飲み食いする客は居ないだろう。
因みに店名のグットは滴り、ドールは黄金の意味とMさんが教えてくれた。フランス語の予習をして行けば、楽しみも倍増するのは間違いない。
グット ドール
東京都中央区銀座4-3-5 銀座ハトリビル3F
03-3564-7218
http://www.goutte-dor.com/ginza
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック
2008年10月14日
[小はれ日より]④(銀座)
今日は小はれ日よりではなく満天(満点)の星

「上海蟹の紹興酒漬けがちょうど食べ頃になっています」電話の向こうの大川さんの笑顔が見える。グルメ紀行を書くためには好きな店ばかり何度も行くわけにいかないが、小はれ日よりは複数回訪れた数少ない店だ。それでも昨年の5月以来の訪問。変わらぬ歓迎ぶりが嬉しい。
薬膳スープ、上海蟹の紹興酒漬け

お決まりのスープの後に今日のトップスターのお出ましである。他店より多目の紹興酒で約2週間漬けたと言う。卵が濃厚で美味い。もう上海蟹の季節になったかと感慨にふけった後、言葉少なにむさぼり食った。
小はれ日よりにメニューはない。予約のときに予算や好みを伝えておけば、オーナーシェフの高橋さんが腕をふるってくれる。まるで懐石料理のように少量多品目の料理を味わえる。



楽しいのは料理だけではない。高橋さんの絶妙なトークも魅力だ。「あかしやです」と出された皿の上にはさんまが乗っている。ジョークと気がついても、素知らぬ振りして説明させると照れて汗を掻く高橋さん。笑いは最高の調味料でもある。
蒸し上海蟹、フカヒレと牛アキレス腱のスープ

前日に予約を入れていたので銀髪のために特上の配慮があった。食べやすいように上海蟹の身をほぐして殻に詰めておいてくれたのだ。酢としょうがで味付けされてとても美味しい。
上海蟹の配慮に感激していたら、もっと上の料理が出てきた。銀髪のために長時間煮込んで用意したというスープ。鶏がら上湯スープがベースだそうだが、今まで味わったことがないような複雑な味である。長時間煮込んだことにより素材から染み出した味のハーモニーで、特別な味付けはしていないという。スープのとろみは牛のコラーゲンによるもので、片栗粉などは使っていない。何とも不思議で濃厚な味に唸り、黙り込んでしまった。高橋さんのしてやったりの顔が憎い。
ピータン入り麻婆豆腐、デザート

看板料理のいつもの麻婆豆腐が出てきて再び宴は賑やかになってきた。「今度は1週間前には電話くださいよ」と言う。銀髪に何を食べさせるか構想を練る時間を楽しむと言ってくれる。一流の料理人が銀髪の顔を思い浮かべながら料理を用意してくれるなんて、これ以上ない幸せである。
勘定を払い、席を立ち、喜びを噛み締めながら、「今日はまいりました」と言って頭を下げた。あらためて料理人に愛される客でいたいと思った。
美食同源 銀座 「小はれ日より」
東京都中央区銀座1-15-8 銀座耀ビルB1F
03-3538-0554
http://www2.odn.ne.jp/kohare/
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年10月08日
[佐藤養助](銀座)
稲庭うどんだけじゃない、秋田郷土料理の店

銀座の名店「出井」が閉店してからしばらく経つ。夜の数奇屋通りを歩くたびにいつか行きたいと思っていたが、永遠にかなわない望みになってしまった。代わりに開店したのが1860年創業、稲庭うどんの老舗「佐藤養助」である。もともとはうどん製造会社だが、秋田県内に7店舗、福岡に1店舗、そして9番目に遅まきながら銀座に飲食店を開いた。出井に勝るとも劣らないネームバリューである。
お通し、じゅん菜

昔からの友人である起業家を誘った。誰もが羨むような大企業を辞め、ベンチャー企業に身を投じ、満を持して起業した。久し振りに会ったこともあり、彼は食事に集中できずに苦労話に熱中している。うどんを揚げたお通しは珍しくていかにも佐藤養助らしいのに、あまり関心を示さない。
はたはた

随分高いはたはたと思ったら、最近食べた中では特筆ものの立派なはたはただった。特に卵がプチプチとして食べ辛いほどだ。もっとも、卵自体それほど美味しいとは思わないので、銀髪には脂が乗った安いオスで充分だと思う。
比内地鶏

稲庭うどんばかりが頭にあったせいで、他の秋田名物のことを忘れていた。はたはたの他に比内地鶏、そしてきりたんぽ鍋など名物は多い。冬にはきりたんぽ鍋を食べにきたいものだ。
稲庭うどん

他に食べたい料理もたくさんあったが、看板料理を食べなければ帰れない。たくさん日本酒を飲んだ後でも稲庭うどんならつるつるっと入ってしまう。2種類のたれや薬味で味を変えながら楽しめた。〆のつもりが酒の肴にもなるから困ってしまう。予定量を超えてしまった。
佐藤養助の地下と向かいに行きつけのクラブがある。二人で一升近く飲めば制御が効かない。また来たい店だが、数奇屋通りはちょっと危険だ。
銀座 佐藤養助
東京都中央区銀座6-4-17 出井本館1F
03-6215-6211
http://www.sato-yoske.co.jp
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年09月18日
[ガウディの舌](銀座)
店の評価は店員次第

パエリアを食べるには大人数の方がいい、という理由だけでこの店を選んでしまった。30代2人、40代2人、50代4人、60代1人、70代1人、男ばかり10人は店にとっては前例がない異様なグループに見えたに違いない。
我々10人のテーブルは壁際に座った人はトイレにも立てないような設定になっていた。まだ5時半、店内には2組居るのみで余裕がある。トイレに立てるように6席と4席に分けて20㎝ほど間を開けたら、女性店員がやってきて文句を言う。隣に客が来るから元に戻すように執拗だ。来るまでいいだろうと言っても譲ろうとしない。空気は一気に悪くなった。
海老とオリーブのお通しに始まり、スペイン風オムレツ、海老のハパネロソース、イカのフリット、チョリソーとサルチョンの盛合わせ、ツブ貝の香草ガーリックバター焼き、ムール貝のエスカベッチェ、ヤリイカのガーリックソテーイカ墨のソース、自家製チョリソー、そば粉の冷製コカ(スペイン風ピザ)と矢継ぎ早にオーダーした。



お通しのオリーブは殆どの連中が残した。いつも思うが男は女に比べて本当に保守的だ。食い物だけではなく、異性に対しても、日頃の行動にしても、女性の方が遥かに柔軟性がある。みんなをスペイン料理屋に連れて来たのは失敗だったと思ったが、幸い頼んだ料理は次々になくなっていった。料理の文句を言う者は殆ど居ない。
イカ墨のパエリア、ガウディの舌風ミックスパエリア

芯が残った米に不満を言う者もいたが、順調に消費された。7時前には頼んだ料理は全てみんなの胃袋の中に消えた。
結局、隣の席に客は来なかった。店全体を見渡してもまだ半分も埋まっていない。嫌味の一つを言ってやりたくても、押し問答した女性店員はオーダーを取った直後に別の女性にバトンを渡して帰ってしまっていた。
勘定を払う際、いきさつをレジの男性店員に話した。「申し訳ありませんでした」と言うものの、不愉快そうである。「ガウディの舌」は東京ディズニーランドの姉妹店。マニュアルどおりに働く店員たちにとって、柔軟性を求めるのは無理のようだ。
ディズニーランドで成功しているサービスが、飲食店にも合うわけではない。
スペイン風居酒屋 小皿料理 ガウディの舌
東京都中央区銀座5-9-5
03-3571-2075
http://www.rcjapan.com
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年08月26日
[薩摩]②(東銀座)
同期会

同期会の案内メールが来た。飲み放題付の会費5,000円。時間は6時半~9時までと比較的余裕がある。店の情報のアドレスをクリックして驚いた。なんと銀髪が以前書いたものだ。幹事のMに銀髪グルメ紀行のことを教えていないので、偶然知ったようだ。
6時半丁度に店に入ると既に酒盛りは始まっていた。参加者16人のうち、半分以上が揃っている。この日を待ち遠しく思っていたのか、単に暇なのか分からない。銀髪のグラスにビールが満たされると乾杯の声が上がる。最初に来た奴は乾杯だけで出来上がってしまう。

「薩摩」は前にも書いたように通常はチケット制の小皿料理主体の店。この日は我々グループのために特別料理が用意されていた。料理が運ばれると銀髪のシャッターより先に箸が料理を捉える。ビールを飲み、箸を動かしながら、心の中で出席者の顔に名前を乗せていく。
約30年前に新入社員研修で約1ヶ月一緒に居たけれど、その後は全国に散らばった同期達。顔は分かるが話したのは数えるほどしかない者もいる。「お前誰だっけ?」なんて馬鹿な質問をする奴はいない。一人ずつ立ち上がり、近況報告する前に長年の空白は殆ど埋まっていた。

2時間半と長丁場なので料理はゆっくり出てくるが、酒はたっぷりある。最初は量るように注いでいた焼酎も、だんだんコップ酒の様相を帯びてきた。
転職の報告、大病の経験談などなど、近況報告が続く。遅れてやってきたゴルフの幹事が数日前に行われた同期会コンペの結果報告を始める。飲酒運転ができないので、表彰式は夜の同期会の場を借りるのが慣例となっている。
ゴルフの話をする者、近況報告をする者、酔っ払って耳はどこかに行っている者、トイレにいつ立つかばかり考えている者。場はまとまりがつかなくなってきた。料理が来るのが遅いと文句を言っていた者も、酒で満腹になり箸が動かなくなっている。銀髪も面倒だから途中で写真を撮るのを止めた。どっちみち今日だけの特別料理だ。
最後に三本締め。他のお客様には申し訳ないが、我々は三本でなければ終れない。緩んでいた顔は引き締まり、背筋が伸びる。
ヨーオッ!チャチャチャン、チャチャチャン、チャチャチャンチャン、ヨッ!チャチャチャン、チャチャチャン、チャチャチャンチャン、ヨッ!チャチャチャン、チャチャチャン、チャチャチャンチャン、
拍手が終わると、再び千鳥足の酔っ払いに戻る奴もいる。
永久幹事のMのお陰で毎年同期達と会う機会が出来る。みんな感謝感謝である。幹事さんありがとうございました。
最後に店の前で写真を撮った。結婚式に出ても料理しか写さなかった銀髪のカメラを特別に同期達のために使わせてあげた。みんないい顔をしていた。
薩摩
東京都中央区銀座4-12-20
03-3541-3995
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年08月20日
[魚一](銀座)
夏もやってるふぐ料理屋

「店は予約しといたからな」とメールが入ってきた。一人で魚一(とといち)へ向かった。以前、飛び込みで入ろうとして二の足を踏んだ店だ。「注文はお前に任せるよ」と言われたのでちょっと早めに店に着いた。生ビールを飲みながらメニューを見てちょっと驚いた。ふぐコース以外は目立った料理がない。
二の足を踏んだ時の胸騒ぎは当たっていたことになる。
カウンターの中の料理人は黙々とぶつ切りのふぐを揚げている。夏にふぐは食べる気がしないので、わずかな品数のメニューを見詰めて固まってしまった。店の女性が見かねて助け舟を出してくれる。
付け出し、枝豆

付け出しはちゃんとしている。枝豆もオーダーしてから茹でるので、悪くないかもしれないと思い始めた。
総勢4人が揃って乾杯をする頃、店の女性と決めたお造りの盛り合わせが出て来た。

生簀に泳いでいたシマアジを中心に、特別に造って貰った刺身の盛合わせ。メニューには書いてないが、コース料理に使う食材は豊富にある。他の連中も豪華な盛り合わせに大喜び。胸騒ぎはいい方に外れたようだ。
ふぐの唐揚げ

刺身がなくなりそうなので、ふぐの唐揚げを求めた。先ほど大量に揚げていたからすぐに出してくれるかと思ったら、別に作り揚げ始めた。前もって揚げていたものは、手を加えた後で地下の個室に行くようだ。意外にたくさんの客が入っている。
鱧の落としと焼き霜

メニューの中でふぐ以外に目に付くのは鱧。みんなに湯引きと炙った鱧の食べ比べをさせた。銀髪がうんちくを語るまでもなく、炙りの方が好評だった。

先ほどのシマアジを使ったアラ汁で満腹になったところで、料理人に話しかけた。思ったとおり若い料理人はオーナーではなく、魚一は「魚とやグループ」の一つと分かった。赤坂の大友が代表格で、4年ほど前に行ったことがある。高級魚を比較的安価で食べられる店として人気がある。魚一は大友よりきれいで、コンセプトはほぼ同じのようだ。
「ふぐは天然でなくっちゃ」と言う人には向かないけれど、夏のふぐも悪くないかもしれない。
銀座 魚一
東京都中央区銀座1-3-6 1F
03-3561-4131
http://www.sannotec.co.jp/yoyoya-gr
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年08月13日
[神谷](銀座)
名物、炙りトロ寿司

テレビのグルメ番組で「寿司ネタを炙って握る」店を紹介していた。「魚も肉も少し火を通した方が上手い」というのが持論なだけに、我が意を得たりと行くことにした。
名店がひしめく銀座交詢ビルの4階、テレビで見たより大きく立派な店である。
頼んだのは看板料理「炙りトロ」が入ったコース。いつものようにカウンターに座ったが、この店にはオーナーの神谷氏らしき人は居ない。テレビに出ていた2代目も今はグループを離れて修行中とのこと。目の前の若い料理人に相手になってもらうしかないようだ。
鱧そうめん、イカのコノワタ和え、炙りトロ寿司

黒い麺が鮑の肝入り、卵の黄身も凝っている。コノワタも美味しい。早くも3品目に看板料理の炙りトロ寿司が出てきて驚いた。最後に炙り寿司の盛り合わせが出て来ると思っていたのだ。確かに美味いがこの後のコースはどうなるのだろう。
鱧椀、お造り(スズキ、鮪、イサキ)

鱧椀は完璧。5品目に刺身とは意表を突くと思ったが、よく考えれば懐石料理の手順を踏んでいる。テレビを見て寿司屋の感覚で来たのが間違いで、普通の懐石料理屋と今頃になって気がついた。
鮎

抜いた骨を再び焼いて食べやすくしている。余す事なく食べ尽くすことができる。芸が実に細かい。感心して質問ばかりするものだから、いつの間にか目の前の料理人が替わっていた。名刺交換すると料理長である。食事がワンランク楽しくなってきた。
豚の角煮

普通の豚肉ではない。金華豚と並ぶ銘柄豚の梅山豚(メイシャントン)と説明されれば更に楽しい。中国上海市北部の江蘇省に分布する在来種で現在日本で飼育されている梅山豚は100頭前後しかないそうだ。ありがたやありがたや。
そば、水羊羹、杏仁豆腐

〆は寿司ではなく蕎麦だった。神谷グループのこだわり蕎麦とのこと。もっと自慢するのが水羊羹。市販のものと違い、水分が多いので口の中でとろける。数時間で溶けてしまうので、作り置きはできないそうだ。
今回は初めてだったので決められたコースを食べたが、こちらの希望に従って内容を替えてくれると料理長は言う。テレビ番組のように炙り寿司を多くすることもできる。また来たくなるように上手に誘う料理長。なかなかの手練れ者だ。
銀座 神谷
東京都中央区銀座6-8-7 交詢ビル4階
03-5537-7700
http://www.kamiya-m.com
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年08月06日
[明月庵ぎんざ田中屋本店](銀座)
呑みどころ、そばどころ

「あそこは美味しいですよ」「評判いいですよ」と部下たちが口々に言う。「任せるよ!」の一言で今日の宴会場所が決まった。
メニューを見るとたくさんの酒の肴が書いてある。「お刺身も美味しいらしいですよ」の意見は却下した。わざわざ蕎麦屋で鮮魚を食べることもあるまい。あとは部下たちの言うがまま。
そば味噌、枝豆、旬の魚介の酢味噌和え

お通しはそば味噌。蕎麦屋らしくていい。枝豆は期待通りすぐに出て来た。冷えた枝豆を喜ぶ者もいれば、茹で立てでなければ美味しくないと言う者もいる。割烹ではないので大目に見ようじゃないか。
焼き穴子の胡麻和え、銀鱈、

焼き鳥、にしん

刺身を却下された者が、今度はにしんを頼んだ。そばにつきものの料理だから拒む理由はない。日本酒も1升近くが消費され、だんだんそばを食べる環境が整ってきた。
天婦羅盛合せ、野菜かきあげ

天婦羅盛合せは数種類あり、お好みで組み合わせてもらうこともできる。天婦羅の善し悪しは蕎麦屋の生命線でもある。天婦羅屋さん顔負けの美味しい天婦羅だった。評判がいいのも頷けた。
もりそば、そば湯

そばは二八。つゆは江戸風の濃く辛い銀髪好み。上質の鰹節を贅沢に使うと自慢するだけのことはある。そば湯の器も洒落ている。
何よりも良かったのは蕎麦アレルギーの部下のために、別鍋でうどんを茹でてくれたこと。客への思いやりは料理の質にも繋がる。店の歴史や評判を鼻にかけていないのがいい。
メタボが心配な部下たちが選んだ蕎麦屋だったが、結局は飲み過ぎ、食べ過ぎの晩餐だった。なかなか難しいものだ。
明月庵ぎんざ田中屋本店
東京都中央区銀座6-6-19
03-3571-8228
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック
2008年07月29日
[レストランキハチ 銀座本店](銀座)
気楽に楽しめるあの有名な喜八氏のお店

今でも銀ブラという言葉は使われているのだろうか。そもそも銀髪ですら使ったことはない。銀ブラとは銀座をブラブラ歩くことで50年以上前に使われ始めたそうだ。今、銀髪がしていることは晩飯の場所探しだけれど、これも銀ブラの一種かもしれない。
無数の飲食店がひしめく銀座でもどこに入るか決めるのは困難を極める。ラーメン屋という訳にはいかない。立ち飲みや屋はちょっと疲れる。焼肉は食べたくない。何でもいいと言いながら、結局のところ何でも良くはない。ようやくピンと来た店を見つけたら予約で一杯。再び銀ブラ。ガラス窓から中を覗いたら、空席がたくさんある店を見つけた。妥協することにしたが、それが有名なキハチとは知らなかった。
2階席も空いていると言われて案内してもらったが、立派過ぎるので怖気づいた。ぶらついて偶然入った店では気楽にやれそうな1階席がお似合いだ。行ったときはスペイン料理特集をしていた。ファミリーレストラン風の写真のメニューが料理を選びやすくしてくれた。

茄子鮪からすみ風味、ルッコラとトマトのサラダ、干し鱈のブニュエロ

干し鱈を入れたコロッケはポルトガル料理屋マヌエルで何度も食べた。マヌエルのものより干し鱈の存在感が薄い。
初夏野菜の網焼き、真鯛ピーマンマリネ、マッシュルーム生ハム

薄焼きせんべいコカ、イカ葉山葵のトマトスパ

多国籍料理と謳うに相応しい創作料理の数々。一皿の量が少ないのでカップルでも色んな料理が楽しめる。美味しくて感激するほどではないが、キハチの名前に傷がつくほど酷くもない。
相方がキッチンカウンターの向こうにオーナーの熊谷喜八氏が居ると喜ぶ。テレビでも見たことがないので、当人かどうか銀髪は分からない。全部で57店舗を擁し、テレビにもよく登場する有名人を見ることができて、有難がるべきか悩んだが止めにした。目の保養になるとも思えない。
気楽に飲み食い出来る店を銀座に作ってくれた事にはちょっと感謝した。
レストランキハチ 銀座本店
東京都中央区銀座2-2-6
03-3567-6284
http://www.kihachi.co.jp
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年07月18日
[天丹](銀座)
中国二色鍋

普通のスープと辛いスープ、2つに分かれた鍋は東銀座の「台湾海鮮」と日本橋の「天香回味」で食べたことがある。いずれも台湾に本店がある「天香回味鍋城本店」の系列。今回の天丹は四川料理という。勝手に本家争いを煽ることにした。
集まったのは大津の「松喜屋」で知り合った同業5人。「東京に戻ったら食事をしましょう」とどちらからともなく出た言葉を社交辞令にしないのが銀髪の流儀。その場で日を決め、幹事役を買って出た。
豆苗炒め、鶏の唐辛子炒め

40代前半の3人のお腹を見て鍋に決めた。高級店で大食いされたら財布が泣く。ダイエットに効果があるカプサイシンを含む唐辛子をたくさん使った料理を選ぶ気遣いが我ながら憎い。
2色鍋

中国人の店員が2つのスープを椀に混ぜ合わせ、すりおろしたニンニクなどを入れてくれた。これでタレの出来上がり。鍋の薬膳効果などは言ってくれないし、食べ方の説明も詳しく説明してくれることはない。

色気がない我々のテーブルに遠慮や気遣いは無用。きれいに並べられた2種類の肉(黒豚と羊)、練り物、野菜をぶち込む。タレが辛くて肉の味の違いなどまったく分からない。猪肉も追加したところで、白湯スープだけで食べてみた。美味しいスープと初めて知った
つけダレは2種類作った方がいい。

烏骨鶏、ラーメン

面白い具材を追加してみんなの興味を引こうとするが、他の連中は紹興酒ばかり追加するのに熱心だ。次に行く予定の店から何度も電話が入るので、紹興酒の更なる追加を制止した。お開きが近いと知って、喋りと笑い、それに酒のために開けられていた大口に、残りの食べ物が放り込まれていく。いやいや頼もしいばかりだ。
四川省重慶は盆地にあるため夏は火城と呼ばれる。そこで暑気払いのための辛い鍋を火鍋と呼んだそうだ。台湾海鮮はモンゴルが起源という。一方で天丹は四川が本場という。どちらにしても重要な役割をしているのが中が2つに分かれ鍋。銀髪も通信販売で手に入れた。醤油味と味噌味の鍋、寄せ鍋とキムチ鍋、などなど、大活躍している。
みんなゴジラ並みに元気になった。しかし、2軒目で火を吹くが如くはしゃぐ連中には手を焼いた。貸切り状態にしてくれたお店に感謝、感謝だった。
四川火鍋 天丹 銀座本店
東京都中央区銀座7-108 コリドー街2階
03-3569-7033
http://www.ten-tan.com
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年07月15日
[銀座とよだ]②(銀座)
やっぱりとよだはいい

1年ぶりに「銀座とよだ」にやってきた。もっと早く来たかったけれど、ミシュランに選ばれたので控えていた。有名店から超有名店になってしまったので心配していたが、以前と変わらぬ自然体の雰囲気に安心した。
店の女性が「前回は15,000円のコースでしたね」と言うので、料理長の岡本さんだけでなく店の人たちも銀髪を覚えているようだ。今回はお祝いをしに同僚と3人でやってきたので2万円のコースをお願いした。

最初の品は煮鮑のぶつ切りにスッポンの煮こごりを乗せたもの。高級料亭などで使う浜名湖産養殖スッポンは夏場には出荷されないはず。まさか中国産ではと恐る恐る尋ねたら、熊本産の天然物とのこと。天然物は食べた記憶がない。地に沈むかもしれないと思った気持ちが天に舞い上がった。馬鹿だね。

箸休めは寿司のはずが蟹サラダ?と首を傾げたけれど、ちらし風の寿司だった。岡本さんは茶目っ気たっぷりだ。
はもの椀物、鮎の一夜干し

いつもアイデア満載の料理で飽きさせないが、既に完成の域に達して定番になっているのが上の2品。前回も食べたので銀髪は驚かないが、桃が入った鱧の椀にしろ、酒盗を塗って一夜干しした鮎といい、連れの2人は大喜び。夏になるとこの2品を楽しみに来る常連客も多いに違いない。
焼物、フォアグラ大根

「何だか当ててください」と出された焼物。いくつか答えて降参すると岡本さんはしてやったりの笑顔。先ほどのスッポンの身を固めて焼いた物だそうだ。
鱧ごはん、デザート

これも初めての鱧ごはん。いつもは食べないご飯やデザートまで銀髪に食べさせてしまうのだから、やはりとよだはいい。
カウンターはまさに一等席。鱧の骨切りを「テレビでしか見たことがない」とじっと見詰める部下の嬉しそうな顔。岡本さんの説明を真剣に聞いて、頷き、感心する。上司の説教や自慢話を聞かされずに済んで数百倍楽しいはずだ。
カウンターには恋人同士には見えないカップルが数組。男は女を口説くのに夢中なため、岡本さんを我々だけで独占出来て助かった。「おじさんたち、ありがとう!」
大好きなとよだで食べて、部下たちの嬉しそうな顔を見て、この日は少々舞い上がってしまった。何とお造りと鱧焼きの2品を撮り忘れたのだ。冷静沈着を装う銀髪にもたまにはこんな日があってもいい。
銀座 とよだ
東京都中央区銀座7-5-4 ラヴィアーレ銀座ビル2階
03-5568-5822
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年07月10日
[マキシム・ド・パリ]②(銀座)
夜のマキシム

ランチで行った「マキシム」は楽しかった。担当してくれた落合さんの貢献大であったが、彼は赤坂の新店に移ってしまった。彼を追って赤坂店に行こうか迷ったが、本店の夜に賭けることにした。
陽が当たらない地下の店だから昼も夜も同じようなものだが、店に入るなり空気が違うように感じた。クロークやバーには年配の男女が集い、オペラの開演を待っているかのような華やかな緊張感が漂う。クールビズを守っているのは銀髪だけで、珍しく客の平均年齢を下げる側に回った。
前菜2品

前菜には「柔らかく煮込んだ黒鮑とアスパラガスのサラダ、トリュフ風味ドレッシング」「フレッシュフォアグラのポワレ、ビュイ産レンズ豆添えバニュルスワインビネガー風味ソース」を選んで、分けて出してもらった。写真は半人前ということになる。
隣の年配の男女6人はコース料理を選び、ステーキの焼き方を告げている。銀髪はコースを避けていつものようにアラカルト。この方が色んな料理を楽しめる。相手に一応好みは聞くが、オーダーするのは全て銀髪である。
メイン2種

メインとして「フランス産仔鴨のヴァリエーション キノコのバルマンティエを添えて」「舌平目のブレゼノイリー酒の香り アルベール風」を選んだ。色々な部位の鴨は分けられないと言われたので写真がそれぞれ一人前。
高貴な夜らしい雰囲気を演出していたヴァイオリン奏者がステージを降りて隣席にやってきた。主役の男性は還暦を遥かに超えているようで、多分古希のお祝いだろう。彼がケーキのろうそくの火を吹き消すと、恋人同士、クラブの同伴組、接待中の中年紳士達、満席のフロアから一斉に拍手が湧き上がった。隣の我々がもっとも大きく手を鳴らすと、ハニカミながらこちらに会釈を返した。
デザート

ヴァイオリンが再びBGMを奏で始めると、一つにまとまった心がそれぞれのテーブルに戻っていった。我々はデザートに取り掛かる。プチケーキを出す店が多いが、マキシムはあくまで伝統的である。
料理もクラシックなものが一番いい。特にフォアグラが美味しかった。鴨は殆どを相手に食べられてしまって悲しかった。鮑と舌平目も悪くはないが、和食で魚介類の美味さを知っている日本人には物足りない。フレンチでは肉の方に軍配を上げる。
落合さんと大笑いしたガラガラのランチ時も楽しかったが、重厚な雰囲気の夜のマキシムも大いに楽しめた。
マキシム・ド・パリ
東京都中央区銀座5-3-1 ソニービル地下3階
03-3572-3621
http://www.maxim-s.co.jp
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック
2008年07月08日
[あわびの源太](銀座)
珍しいあわび専門店

「あわびを食べたい」なんて言われると腰が引けてしまうが、清水の舞台から飛び降りるつもりで行くことにした。予約の電話を入れたら銀座らしくない随分きさくな受け答えをする。もちろんカウンターを指定し、料理は行ってからということにした。
真新しい店は入って右側にカウンター、左と奥にテーブル席と個室がある。カウンターの真ん中に我々の席だけが用意されていた。早い時間なので店も料理人も貸切である。
料理は若い社長、客の応対は父親の会長の役目。電話を受けたのが会長だった。
付け出し、水貝

だし汁に浸かった水貝の鮮烈なこと。自慢の蝦夷あわびは確かに美味い。
会長が札幌で創業して36年、去年8月に銀座に移転した。客の殆どが東京、大阪からの出張者だったので、銀座で勝負しようと思ったとのこと。札幌まで行かずともこの蝦夷あわびが食べられるようになって常連さんは大喜びであろう。
茶巾揚げ、しそ焼

北海道は美味しい若布、昆布があるから、それを餌にするあわびも味がよくなる。肝の味が香るしそ焼もなかなかいい。
ウニ焼き、椀物

この店のあわび料理の最高級品がウニ焼。生きたまま焼かれて身を躍らせていたあわびがウニを乗せてやってきた。2つの高級素材がうまく調和したかとどうかは微妙。貧乏性の銀髪は、ウニは生で食べたい気分だ。
あわび秀飯

鮑雑炊の代わりにあわび秀飯を入れた2万円コース。コースを締め括るご飯物と言うより堂々のメインエベンターである。丸ごとのあわびに噛み付くと思わず唸ってしまった。あわびのだしがきいたとろろ汁ご飯も美味しい。
源太で使う蝦夷あわびは北海道松前近辺の冷たい海で育つため黒あわびのように大きくならない。7年かかっても写真の大きさである。箸袋と比べていただきたい。
初めてなので色んなあわび料理が食べられるコースにしたが、次回来るときは自らコースを組み立てようと思う。とにかく水貝でも秀飯でも、どちらにしても蝦夷あわびを丸かじりしたい。
他はしそ焼などのあわびの小品を酒の肴にする。飽きないように間にあわび以外のつまみ2~3品を選ぶ。もちろん店主親子との会話も外せない。カウンターに座るべし。
これで源太は完璧である。
あわびの源太
東京都中央区銀座8-7-7 JUNO銀座誠和ビル2F
03-3569-2277
http://www5a.biglobe.ne.jp/~tomo-san
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年06月26日
[かつ銀](銀座)
とんかつ居酒屋

夜、とんかつ屋に行こうと言われるとちょっとめげる。中学・高校と毎日とんかつを弁当に入れてもらっていたほどのとんかつ好きだが、フライ物ばかりを酒の肴にするのは辛い。
かつ銀は酒の肴も多種あると聞いてホッとした。
店は広い。壁にはフライ物以外のメニューもたくさん張ってある。とんかつの評価が高い店ということを忘れてしまいそうだ。
おつまみ類各種


タン盛合せ、ハンバーグ、ポークソテー

口コミではタン盛り合わせが美味しいと書いてあったので頼んだが、10人の男たちの殆どが箸をつけようとしない。男は保守的で、女性の方が逞しいといつも思う。
ハンバーグがなかなかいい。メンチカツも美味しいに違いないが、既にたくさん頼んであるので遠慮した。
カツ丼、カツカレー

ご飯物は他の店とはちょっと違っている。客自らが別盛りのご飯にかけて食べる。いつまでも熱いのが嬉しい。
とんかつ2種

ブログや口コミで絶賛されるとんかつ。中がほんのり赤く、切り口は斜めに入っている。豚飼育の衛生管理が行き届いているのか、最近では豚肉も刺身で食べさせる店が増えてきた。とんかつでもちょっと生が一番美味しい揚げ方なのだろう。
例によって慌しく食事を終えた。とんかつをおかずにご飯を食べた者もいる。色んな食べ物があると言っても、やはりこんな飲み会は辛い。銀髪だってとんかつならご飯を食べたい。メタボ回避のための自制心が邪魔をした。食べずに悔やむか、食べてから後悔するか。
今度、ゆっくり昼に来よう。とんかつにご飯。ランチならどちらの後悔もしないで済む。
かつ銀
東京都中央区銀座2-14-5 B1F
03-3543-2485
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年06月17日
[ヴィオニス](銀座)
日本で唯一(?)のシャンパン専門バー

ちょっとしたお祝いごとがあった。シャンパンに目がない部下の慰労会を兼ねてヴィオニスに行くことにした。もともとシャンパンはあまり好きではなく、女性の飲み物のイメージが強い。男二人で行くには違和感があるのでM氏も誘った。
予約の電話をすると「カウンターは満席なので、6人掛けのテーブルでよろしいですか? 相席をお願いするかもしれませんが…」と言う。6時の開店時間なら相席もなかろうと思って承諾した。エレベーターで銀座の高級クラブのにおいがする美女2人と一緒になった。同伴の待ち合わせだな、と思ったら何と我々と同じテーブルに座った。
人参のスープ、パテ、 シャンパーニュ地方のチーズ2種

もしかしたらどこかのお金持ちのお嬢様たちかもしれないと考え直した。30歳前後だが奥様には見えない。下手に話しかけては失礼かもしれないと思い、彼女たちを視界から消した。本日のグラスシャンパンは5種類。彼女たちに遅れて我々も順番に飲み始めた。料理は銀髪が勝手に選ぶ。
スモークサーモン、ベジョータ

乾杯をしたのが多分一番安いシャンパン。連れの二人はビールを飲むように2杯目、3杯目と続ける。
デュモアゼル、ルイ・ロデレール

4杯目に一杯3,200円のルイ・ロデレールを飲んだ。ソムリエの武井さんは客の懐具合を読む技術も持っているようだ。次に本日の目玉となる「サロン」を奨めて銀髪を笑顔で見詰める。連れの2人が無言で後押ししている。かくして一杯4,200円のサロン1996年をいただくことになってしまった。後でネットで調べたら1本3万円以上もする限定ワインだった。
前に座る女性たちとは折にふれてことばを交わした。デュモアゼルをお代わりしている彼女たちにサロンをご馳走しようかどうか迷うと仲間の話に乗れない。決断をしようとしたまさにその時、姉貴分が勘定を頼んだ。時計を見たら7時半過ぎ。慌ててお開きにする時間ではない。
高級クラブのミーティング時間に間に合うように切り上げたのかもしれない。或いは待ち合わせ場所に向かい、小食と酒に弱い振りをして同伴相手に優しく微笑むのだろうか。やはり最初の見立てで間違いなかったようだ。いずれにしても奢る機会を逸してホッとした。
ヴィオニスの阿部オーナーは2003年全日本最優秀ソムリエとのこと。その名声のお陰で、品質のいいシャンパンを約250種類揃えている。フランス・シャンパーニュ地方には約5500の酒造所があるというから驚いた。シャンパンの種類は1万種を超えるという。
シャンパンは甘く感じるので好きではなかったが、1万種もあれば自分好みのシャンパンもありそうだ。
楽しい飲み会だったが、やはりヴィオニスは女性と行くべきだろう。座るのはもちろんカウンター。相席の連中がいいシャンパンを飲んでいたらムカつくし、この日のように美女が目の前に座ると心が乱れ、疲れる。
武井さんに次を奨められる前に勘定を頼んだ。腹はシャンパンで満たされているが、〆にラーメンを切望している。やはり銀髪にはシャンパンは似合わない。
サロンドシャンパーニュ ヴィオニス
東京都中央区銀座8-8-18 銀座8818ビル3F
03-5537-0700
http://www.vionys.com
※ 冒頭のサロンの写真はヴィオニスのHPから拝借しました。
投稿者 銀髪 : 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック
2008年06月11日
[竹葉亭 本店](銀座)
ミシュラン一つ星の実力は?

竹葉亭の鰻は京橋店でよくご馳走になった。オーストラリアから一時帰国する度に今は亡きKさんに連れて行ってもらった。仕事上の恩義より、食い物に対する感謝の念の方が永続するのだから我ながら情けない。
本店に来たのは初めてで、建物を見ただけで雰囲気のある佇まいに身をただす。江戸末期の創業、離れの茶室と座敷は大正13年に建てられたという老舗の鰻屋。最近ではミシュラン一つ星の店として広く知られるようになった。
前菜、刺身、椀盛、

じゅん菜と海老の前菜、真子かれい・鯛・鮪3種(赤身、中トロ、大トロ)の入ったお造り。もちろんハズレはない。椀物の甘鯛もなかなかいいが、この日もっとも感激したのはお椀そのもの。飲み終わった後に蓋をしても隙間ができてきっちりと収まらない。今日のお客様が、湯気で蓋が取れなくならない工夫だと推理する。タイミングよく挨拶に来た品の良い女将に解を求めた。
実は器が薄いので熱い汁を注ぐとたわみ、蓋との間に空間が生じるとのこと。冷めればきちんとはまる形態記憶お椀だ。現在、このような器を作る職人はいなくなり、割れたら代わりはない。塗りなおしながら大切に使っているそうだ。たわむほど薄く削っただけに、今まで持ったことのない軽いお椀だった。
鰻白焼き

酢の物、野菜煮

14,000円のコース料理の中で唯一の選択制が上の2品。銀髪が酢の物を選んだら、お客様は野菜煮を指定した。「写真を撮るには違う方がいいでしょう?」とニヤリとする。よく分かっていらっしゃる。ご協力に感謝、感謝。
鰻蒲焼き、御飯、香の物、みそ椀

肝吸いがつくと思ったらみそ椀で意表を突かれた。
果物、菓子

お客様が最高級はダ